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JP2013008769A - 炭化珪素基板の製造方法 - Google Patents

炭化珪素基板の製造方法 Download PDF

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恭子 沖田
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Abstract

【課題】面取り部の形成時におけるチッピングの発生を抑制することが可能な炭化珪素基板の製造方法を提供する。
【解決手段】炭化珪素基板の製造方法は、単結晶炭化珪素のインゴットを準備する工程と、インゴットを切断することにより炭化珪素基板3を得る工程と、炭化珪素基板3の外周面を含む領域に面取り部を形成する工程とを備え、炭化珪素基板3を得る工程では、炭化珪素基板3の主面3Aが{0001}面に対して10°以上の角度をなすようにインゴットが切断される。
【選択図】図4

Description

本発明は炭化珪素基板の製造方法に関し、より特定的には、面取り部の形成時におけるチッピングの発生を抑制することが可能な炭化珪素基板の製造方法に関するものである。
近年、半導体装置の高耐圧化、低損失化、高温環境下での使用などを可能とするため、半導体装置を構成する材料として炭化珪素の採用が進められつつある。炭化珪素は、従来から半導体装置を構成する材料として広く使用されている珪素に比べてバンドギャップが大きいワイドバンドギャップ半導体である。そのため、半導体装置を構成する材料として炭化珪素を採用することにより、半導体装置の高耐圧化、オン抵抗の低減などを達成することができる。また、炭化珪素を材料として採用した半導体装置は、珪素を材料として採用した半導体装置に比べて、高温環境下で使用された場合の特性の低下が小さいという利点も有している。
炭化珪素を材料として用いた半導体装置は、たとえば炭化珪素基板上にエピタキシャル成長層を形成し、当該エピタキシャル成長層に所望の不純物を導入した領域を形成するとともに、電極を形成することにより製造される。そして、炭化珪素基板は、炭化珪素の結晶(インゴット)を切断(スライス)することにより製造されるのが一般的である。しかし、炭化珪素は極めて高い硬度を有するため、その切断は容易ではない。そのため、炭化珪素結晶の切断方法については様々な検討がなされ、種々の方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2009−61528号公報
上述のように作製された炭化珪素基板においては、その後の取り扱いの容易性を向上させるため、外周面を含む領域に面取り部が形成されることが好ましい。しかし、何ら対策を講じることなく面取り部を形成すると、面取り部にチッピングが発生するという問題が生じる。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、面取り部の形成時におけるチッピングの発生を抑制することが可能な炭化珪素基板の製造方法を提供することである。
本発明に従った炭化珪素基板の製造方法は、単結晶炭化珪素の結晶を準備する工程と、上記結晶を切断することにより基板を得る工程と、当該基板の外周面を含む領域に面取り部を形成する工程とを備えている。そして、上記基板を得る工程では、基板の主面が{0001}面に対して10°以上の角度をなすように上記結晶が切断される。
本発明者は、面取り部の形成時におけるチッピングの発生を抑制する方策について詳細な検討を行ない、以下のような知見を得て本発明に想到した。
すなわち、本発明者は、チッピングの発生箇所および基板主面の面方位に着目し、チッピングの発生頻度について検討した。その結果、チッピングは、炭化珪素基板のシリコン面側の主面と、当該主面に連なる面取り部との境界部に発生し易いことが明らかとなった。そして、炭化珪素結晶を切断して基板を得るにあたって、基板の主面が{0001}面に対して所定値以上の角度、より具体的には10°以上の角度をなすように上記結晶を切断して得られた基板においては、上記チッピングの発生が明確に抑制されることを見出した。
本発明の炭化珪素基板の製造方法においては、上記基板を得る工程で、基板の主面が{0001}面に対して10°以上の角度をなすように上記結晶が切断される。その結果、本発明の炭化珪素基板の製造方法によれば、面取り部の形成時におけるチッピングの発生を抑制することができる。
なお、六方晶炭化珪素単結晶は、表面に珪素原子が並ぶシリコン面である(0001)面と、その反対側に形成され、表面に炭素原子が並ぶカーボン面である(000−1)面とを有している。そして、上記シリコン面側の主面とは、上記シリコン面に近い側の主面をいう。
上記炭化珪素基板の製造方法においては、面取り部を形成する工程では、面取り部において上記基板のシリコン面側の主面に接続される領域の表面が(0001)面に対して20°以上の角度をなすように面取り部が形成されてもよい。
本発明者の検討によれば、面取り部において上記基板のシリコン面側の主面に接続される領域の表面が(0001)面に対してなす角が小さくなり、20°未満となるとチッピングが発生し易くなる。そのため、面取り部において上記基板のシリコン面側の主面に接続される領域の表面が(0001)面に対して20°以上の角度をなすように面取り部を形成することにより、チッピングの発生を抑制することができる。
上記炭化珪素基板の製造方法においては、面取り部を形成する工程では、上記基板のシリコン面側の主面に連なるように形成される面取り部における面取り角をθ°、面取り幅をLmmとした場合、θ/Lが30を超え、200未満となるように面取り部が形成されてもよい。
面取り加工は、基板の外周面に研磨液などの液体を供給しつつ当該外周面に砥石を接触させ、基板を周方向に回転させることにより実施される場合が多い。このとき、面取り幅が小さいと、加工部に研磨液が十分に供給されず、チッピングが発生し易くなる。一方、面取り角を大きくすると、このチッピングの発生が抑制される。そして、面取り幅および面取り角の両方の影響を考慮すると、θ/Lが30を超える状態とすることにより、チッピングの発生を有効に抑制することができる。一方、θ/Lが200以上となると、主面と面取り部の表面とが垂直に近づくため、チッピングが発生しやすくなるという問題が発生するおそれがある。そのため、上記θ/Lは30を超え、200未満とすることが好ましい。
ここで、面取り角とは、主面を含む平面とそれに連なる面取り部を含む曲面とがなす角のうち、鋭角側の角度をいう。また、面取り幅とは、面取り加工により加工される領域の径方向の長さをいう。
上記炭化珪素基板の製造方法においては、面取り部を形成する工程では、面取り半径が0.1mm以上0.3mm以下となるように面取り部が形成されてもよい。
面取り半径が0.1mm未満では外周部が尖るため、チッピングが発生しやすくなるという問題が発生するおそれがある。一方、面取り半径が0.3mmを超えると、外周面(外周曲面)と当該外周面に連なる傾斜面とが垂直に近づくため、チッピングが発生しやすくなるという問題が発生するおそれがある。そのため、面取り半径は0.1mm以上0.3mm以下とすることが好ましい。なお、面取り半径とは、面取り加工が実施された基板の厚み方向の断面における、基板外周面に形成される曲面の曲率半径をいう。
上記炭化珪素基板の製造方法においては、面取り部を形成する工程では、基板のうち、基板のシリコン面側に凹形状となっている外周面を含む領域に、上記面取り部が形成されてもよい。
シリコン面側の主面側に凹形状を有する領域に面取り部を形成した場合、上記チッピングが特に発生し易い。チッピングの発生を抑制可能な本発明の炭化珪素基板の製造方法は、このようなチッピングが特に発生し易い状況で面取り加工が実施される場合に、特に好適である。
上記炭化珪素基板の製造方法においては、面取り部を形成する工程では、面取り幅のばらつきが100μm以内となるように上記面取り部が形成されてもよい。面取り幅のばらつきは、基板の反りの原因となる。そして、上記ばらつきを100μm以内とすることにより、製造される炭化珪素基板の反りを軽減することができる。なお、面取り幅のばらつきとは、面取り幅の最大値と最小値との差をいう。
以上の説明から明らかなように、本発明の炭化珪素基板の製造方法によれば、面取り部の形成時におけるチッピングの発生を抑制することが可能な炭化珪素基板の製造方法を提供することができる。
単結晶炭化珪素のインゴットを示す概略斜視図である。 インゴットの切断方法を示す概略平面図である。 インゴットを切断することにより得られた基板を示す概略斜視図である。 基板の面取り部の形状を示す概略部分断面図である。 基板の変形状態と面取り部の形成が望ましい部位との関係を示す概略断面図である。 基板の変形状態と面取り部の形成が望ましい部位との関係を示す概略断面図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。また、本明細書中においては、個別方位を[]、集合方位を<>、個別面を()、集合面を{}でそれぞれ示す。また、負の指数については、結晶学上、”−”(バー)を数字の上に付けることになっているが、本明細書中では、数字の前に負の符号を付けている。
まず、本発明の一実施の形態における炭化珪素基板の製造方法について説明する。図1を参照して、本実施の形態における炭化珪素基板の製造方法では、まず、単結晶炭化珪素の結晶(インゴット)を準備する工程が実施される。具体的には、たとえば以下に説明する昇華法により、単結晶炭化珪素のインゴットが作製される。すなわち、まずグラファイトからなる容器内に単結晶炭化珪素からなる種結晶と、炭化珪素からなる原料粉末とが挿入される。次に、原料粉末が加熱されることにより炭化珪素が昇華し、種結晶上に再結晶する。このとき、所望の不純物、たとえば窒素などが導入されつつ再結晶が進行する。これにより、図1に示す単結晶炭化珪素のインゴット1が得られる。ここで、インゴット1の成長方向を図1に示すように<0001>方向とすることにより、効率よくインゴット1を作製することができる。
次に、作製されたインゴット1が切断されることにより、基板が作製される。具体的には、図2を参照して、まず作製された柱状(円柱状)のインゴット1が、その側面の一部が支持台2により支持されるようにセットされる。次に、ワイヤー9が、インゴット1の直径方向に沿った方向に走行しつつ、走行方向に垂直な方向である切断方向αに沿ってインゴット1に近づき、ワイヤー9とインゴット1とが接触する。そして、ワイヤー9が切断方向αに沿って進行し続けることによりインゴット1が切断される。これにより、図3に示す炭化珪素基板3が得られる。このとき、炭化珪素基板3の主面3Aが炭化珪素基板3を構成する炭化珪素単結晶の{0001}面に対して10°以上の角度をなすようにインゴット1が切断される。
次に、得られた炭化珪素基板3の外周面を含む領域に面取り部を形成する面取り加工が実施される。より具体的には、図4を参照して、たとえば上述のようにインゴット1が切断(スライス)されて得られた炭化珪素基板3の外周面を含む領域に、シリコン面側の主面である一方の主面3Aに接続され炭化珪素基板3の厚みを減じる側に傾斜した円錐面形状を有する第1の傾斜面3Cと、カーボン面側の主面である他方の主面3Bに接続され炭化珪素基板3の厚みを減じる側に傾斜した円錐面形状を有する第2の傾斜面3Dと、第1の傾斜面3Cと第2の傾斜面3Dとを接続する曲面形状(トロイダル面形状)を有する外周曲面3Eとを含む面取り部が形成される。その後、炭化珪素基板3の主面3A,3Bが、たとえば研磨により平坦化されることにより、本実施の形態における炭化珪素基板3が完成する。
上記本実施の形態における炭化珪素基板の製造方法においては、炭化珪素基板3の主面3Aが{0001}面に対して10°以上の角度をなすようにインゴット1が切断されている。そのため、面取り加工においてチッピングが発生し易いシリコン面側の主面3Aと第1の傾斜面3Cとの境界部におけるチッピングの発生が抑制されている。
また、上記本実施の形態における炭化珪素基板の製造方法においては、面取り加工が実施される際には、面取り部において炭化珪素基板3のシリコン面側の主面3Aに接続される領域の表面である第1の傾斜面3Cが(0001)面に対して20°以上の角度をなすように面取り部が形成されることが好ましい。これにより、チッピングの発生を一層抑制することができる。
さらに、上記本実施の形態における炭化珪素基板の製造方法においては、面取り加工が実施される際には、図4を参照して、炭化珪素基板3のシリコン面側の主面3Aに連なるように形成される面取り部における面取り角をθ°、面取り幅をLmmとした場合、θ/Lが30を超え、200未満となるように面取り部が形成されることが好ましい。これにより、チッピングの発生を一層抑制することができる。
また、上記本実施の形態における炭化珪素基板の製造方法においては、面取り加工が実施される際には、図4を参照して、面取り半径Rが0.1mm以上0.3mm以下となるように面取り部が形成されることが好ましい。これにより、チッピングの発生を一層抑制することができる。なお、図4において、Oは面取り加工が実施された炭化珪素基板3の厚み方向の断面における、基板外周面に形成される曲面の曲率中心を示している。
さらに、上記本実施の形態における炭化珪素基板の製造方法においては、面取り加工が実施される際には、炭化珪素基板3のうち、炭化珪素基板3のシリコン面側の主面3A側に凹形状となっている外周面を含む領域に、上記面取り部が形成されてもよい。チッピングが発生し易いこのような条件下においても、本実施の形態における炭化珪素基板の製造方法によれば、チッピングの発生を抑制することができる。
より具体的には、炭化珪素基板3は、インゴット1を切断する際の条件等の影響により、種々の形態に変形し得る。たとえば図5に示すように炭化珪素基板3全体が弓状に変形した場合、少なくともシリコン面側の主面3Aに凹形状となっている外周面3Gを含む領域、すなわち図5において左右両側の領域αに上記面取り部が形成されることが好ましい。また、図6に示すように炭化珪素基板3が波形に変形した場合、少なくともシリコン面側の主面3Aに凹形状となっている外周面3Gを含む領域α、すなわち図6において左側の領域αに上記面取り部が形成されることが好ましい。このとき、チッピングが発生し易い上記図5および図6の領域αだけでなく、外周面3Gを含む他の領域(領域α以外の外周面3Gに沿った領域)にも上記面取り部が形成されていてもよく、領域αを含む全周にわたって上記面取り部が形成されていてもよい。
また、上記本実施の形態における炭化珪素基板の製造方法においては、面取り加工が実施される際には、面取り幅Lのばらつきが全周において100μm以内となるように上記面取り部が形成されることが好ましい。これにより、炭化珪素基板3の反りを軽減することができる。
炭化珪素基板の面取り加工を実施した場合における基板主面と(0001)面とのなす角と、チッピングの発生との関係を調査する実験を行なった。実験の手順は以下の通りである。
まず、上記実施の形態と同様の方法でインゴットを準備し、これをスライスすることにより炭化珪素基板を作製した。このとき、炭化珪素基板のシリコン面側の主面の(0001)面に対する角度、すなわち(0001)面からのオフ角が0°〜80°の範囲となるようにインゴットをスライスした。また、オフ方位については、<10−10>方向、<11−20>方向、および<31−10>方向の3通りのオフ方位を採用した。そして、作製された炭化珪素基板に対して面取り加工を実施した。面取り部の形状としては、面取り角θを25°、面取り長さLを0.2mm、面取り半径を0.2mmとした。また、面取り加工に用いた砥石は、ダイヤモンド粒径#600の電着砥石である。そして、面取り加工の完了後、チッピング発生の有無を調査した。実験結果を表1〜表3に示す。
Figure 2013008769
Figure 2013008769
Figure 2013008769
表1〜表3に示すように、オフ方位に関係なく、(0001)面からのオフ角が0°および5°の場合にはチッピングが発生したのに対し、10°以上の場合、より具体的には10°以上80°以下の場合、チッピングは発生しなかった。このことから、炭化珪素基板の面取り加工を実施する場合、基板主面と(0001)面とのなす角を10°以上とすることにより、チッピングの発生を抑制できることが確認される。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の炭化珪素基板の製造方法は、面取り部の形成時におけるチッピングの発生を抑制することが求められる炭化珪素基板の製造に、特に有利に適用され得る。
1 インゴット、2 支持台、3 炭化珪素基板、3A,3B 主面、3C 第1の傾斜面、3D 第2の傾斜面、3E 外周曲面、3G 外周面、9 ワイヤー。

Claims (6)

  1. 単結晶炭化珪素の結晶を準備する工程と、
    前記結晶を切断することにより基板を得る工程と、
    前記基板の外周面を含む領域に面取り部を形成する工程とを備え、
    前記基板を得る工程では、前記基板の主面が{0001}面に対して10°以上の角度をなすように前記結晶が切断される、炭化珪素基板の製造方法。
  2. 前記面取り部を形成する工程では、前記面取り部において前記基板のシリコン面側の主面に接続される領域の表面が(0001)面に対して20°以上の角度をなすように前記面取り部が形成される、請求項1に記載の炭化珪素基板の製造方法。
  3. 前記面取り部を形成する工程では、前記基板のシリコン面側の主面に連なるように形成される前記面取り部における面取り角をθ°、面取り幅をLmmとした場合、θ/Lが30を超え、200未満となるように前記面取り部が形成される、請求項1または2に記載の炭化珪素基板の製造方法。
  4. 前記面取り部を形成する工程では、面取り半径が0.1mm以上0.3mm以下となるように前記面取り部が形成される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭化珪素基板の製造方法。
  5. 前記面取り部を形成する工程では、前記基板のうち、前記基板のシリコン面側に凹形状となっている外周面を含む領域に、前記面取り部が形成される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の炭化珪素基板の製造方法。
  6. 前記面取り部を形成する工程では、面取り幅のばらつきが100μm以内となるように前記面取り部が形成される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の炭化珪素基板の製造方法。
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