JP2013068874A - 液晶装置、液晶装置の製造方法、電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】斜方蒸着により無機配向膜が効率よく形成され、安定した光学特性と表示品質とを兼ね備えた液晶装置、液晶装置の製造方法、この液晶装置を備えた電子機器を提供すること。
【解決手段】本適用例の液晶装置100は、第1の基板としての素子基板10と、第2の基板としての対向基板20と、素子基板10と対向基板20とにより挟持された負の誘電異方性を有する液晶分子からなる液晶層50と、素子基板10と液晶層50との間に設けられ、複数の凹部11aを有する下地絶縁膜11と、下地絶縁膜11と液晶層50との間に設けられ、下地絶縁膜11に応じた凹部表面を有する電極としての画素電極15と、凹部表面に斜方蒸着により形成された無機配向膜としての配向膜18とを備えた。
【選択図】図3
【解決手段】本適用例の液晶装置100は、第1の基板としての素子基板10と、第2の基板としての対向基板20と、素子基板10と対向基板20とにより挟持された負の誘電異方性を有する液晶分子からなる液晶層50と、素子基板10と液晶層50との間に設けられ、複数の凹部11aを有する下地絶縁膜11と、下地絶縁膜11と液晶層50との間に設けられ、下地絶縁膜11に応じた凹部表面を有する電極としての画素電極15と、凹部表面に斜方蒸着により形成された無機配向膜としての配向膜18とを備えた。
【選択図】図3
Description
本発明は、液晶装置、液晶装置の製造方法、液晶装置を備えた電子機器に関する。
上記液晶装置として、無機配向膜が形成された一対の基板をシール材を介して貼り合わせることで形成された隙間に液晶が封入され、該無機配向膜の表面に液晶分子を配列させる凹部が無数に形成された液晶表示素子が開示されている(特許文献1)。
上記特許文献1によれば、上記無機配向膜は、無機膜の表面をエッチングすることでその表面に無数の凹部を形成し、凹部の垂直な壁面に沿って液晶分子を垂直配向させている。
一方で、液晶に駆動電圧を印加するITOからなる電極を常温で成膜して形成することにより、該電極表面に生ずる凹凸を少なくす方法が開示されている(特許文献2)。これによれば、該電極表面を覆って形成される無機配向膜上の凹凸を少なくし、該凹凸に起因して液晶の配向不良が発生することを低減できるとしている。特許文献2に開示された無機配向膜は、シリコン酸化物等の無機材料を斜方蒸着して形成されている。
しかしながら、上記特許文献1の液晶表示素子では、凹部が形成された表面に対して所定のプレチルトを与えて液晶分子を垂直配向させることが難しく、液晶表示素子に駆動電圧を与えたときに、電界方向に液晶分子が傾く方向を一定に制御することが困難である。ゆえに、安定した視野角特性などの光学特性を実現できないという課題がある。
また、上記特許文献2のように無機配向膜が形成される電極表面の凹凸を少なくすると、凹凸を有する場合に比べて斜方蒸着時の成膜レートを遅くしないと所定のプレチルトを与えて液晶分子を垂直配向させる無機配向膜を形成し難い、つまり生産性が低下するという課題があった。
また、上記特許文献2のように無機配向膜が形成される電極表面の凹凸を少なくすると、凹凸を有する場合に比べて斜方蒸着時の成膜レートを遅くしないと所定のプレチルトを与えて液晶分子を垂直配向させる無機配向膜を形成し難い、つまり生産性が低下するという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例の液晶装置は、第1の基板と、第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板とにより挟持された負の誘電異方性を有する液晶分子からなる液晶層と、前記第1の基板と前記液晶層との間に設けられ、複数の凹部を有する下地絶縁膜と、前記下地絶縁膜と前記液晶層との間に設けられ、前記下地絶縁膜に応じた凹部表面を有する電極と、前記凹部表面に斜方蒸着により形成された無機配向膜と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、無機配向膜が形成される電極は、下地絶縁膜に応じた凹部表面を有しているので、負の誘電異方性を有する液晶分子に所定のプレチルトを与えて垂直配向させる無機配向膜を斜方蒸着により効率的に得ることができる。すなわち、安定した光学特性を有する液晶装置を高い生産性で提供できる。
また、電極そのものを加工してその表面に複数の凹部が形成される場合に比べて、電極の下地絶縁膜に複数の凹部が形成されているので、電極の厚みが薄くなってもその表面に容易に凹部が形成される。
また、電極そのものを加工してその表面に複数の凹部が形成される場合に比べて、電極の下地絶縁膜に複数の凹部が形成されているので、電極の厚みが薄くなってもその表面に容易に凹部が形成される。
[適用例2]本適用例の他の液晶装置は、第1の基板と、第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板とにより挟持された負の誘電異方性を有する液晶分子からなる液晶層と、前記第1の基板と前記液晶層との間に設けられた電極と、前記電極と前記液晶層の間に設けられ、複数の凹部が形成された凹部表面を有する絶縁膜と、前記凹部表面に斜方蒸着により形成された無機配向膜と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、無機配向膜が形成される絶縁膜の表面に複数の凹部を形成して凹部表面を構成することにより、負の誘電異方性を有する液晶分子に所定のプレチルトを与えて垂直配向させる無機配向膜を斜方蒸着により効率的に得ることができる。すなわち、安定した光学特性を有する液晶装置を高い生産性で提供できる。
また、電極を覆う絶縁膜に複数の凹部を形成するので、電極の厚みに係らず、電極と液晶層との間において、負の誘電異方性を有する液晶分子に所定のプレチルトを与えて垂直配向させる無機配向膜を絶縁膜上に斜方蒸着により効率的に得ることができる。
また、電極を覆う絶縁膜に複数の凹部を形成するので、電極の厚みに係らず、電極と液晶層との間において、負の誘電異方性を有する液晶分子に所定のプレチルトを与えて垂直配向させる無機配向膜を絶縁膜上に斜方蒸着により効率的に得ることができる。
[適用例3]上記適用例の液晶装置において、前記凹部表面のラフネスRaが5nm以上20nm以下であることが好ましい。
この構成によれば、ラフネスRaが5nm以上20nm以下の凹部表面に斜方蒸着により無機配向膜が形成されるので、形成後の無機配向膜の表面におけるラフネスRaもほぼ同等となる。無機配向膜の表面におけるラフネスRaつまり凹凸が無機配向膜の膜厚に対して、比較的小さいので、該凹凸に起因する液晶分子の配向不良の発生は殆ど起こらない。したがって、負の誘電異方性を有する液晶分子に所定のプレチルトを与えて垂直配向させる無機配向膜を斜方蒸着により効率的に得ることができると共に、より安定した光学特性を有する液晶装置を提供できる。
この構成によれば、ラフネスRaが5nm以上20nm以下の凹部表面に斜方蒸着により無機配向膜が形成されるので、形成後の無機配向膜の表面におけるラフネスRaもほぼ同等となる。無機配向膜の表面におけるラフネスRaつまり凹凸が無機配向膜の膜厚に対して、比較的小さいので、該凹凸に起因する液晶分子の配向不良の発生は殆ど起こらない。したがって、負の誘電異方性を有する液晶分子に所定のプレチルトを与えて垂直配向させる無機配向膜を斜方蒸着により効率的に得ることができると共に、より安定した光学特性を有する液晶装置を提供できる。
[適用例4]上記適用例の液晶装置において、前記電極が画素電極であり、前記画素電極の膜厚は、10nm以上50nm以下であることが好ましい。
この構成によれば、画素電極の厚みが10nm以上、50nm以下であるため、例えば下地絶縁膜の複数の凹部を画素電極で覆ってもその表面が平坦にならずに、画素電極の表面に下地絶縁膜の複数の凹部を反映させた凹部表面を容易に形成できる。
この構成によれば、画素電極の厚みが10nm以上、50nm以下であるため、例えば下地絶縁膜の複数の凹部を画素電極で覆ってもその表面が平坦にならずに、画素電極の表面に下地絶縁膜の複数の凹部を反映させた凹部表面を容易に形成できる。
[適用例5]本適用例の液晶装置の製造方法は、第1の基板と第2の基板とにより負の誘電異方性を有する液晶分子からなる液晶層が挟持された液晶装置の製造方法であって、前記第1の基板の前記液晶層に面する側に下地絶縁膜を形成する工程と、前記下地絶縁膜の前記液晶層に面する側の表面に複数の凹部を形成する凹部形成工程と、前記下地絶縁膜を覆って導電膜を形成し前記導電膜をパターニングして、前記下地絶縁膜に応じた凹部表面を有する電極を形成する電極形成工程と、前記凹部表面に斜方蒸着により無機配向膜を形成する配向膜形成工程と、を備えることを特徴とする。
この方法によれば、凹部形成工程において電極の下地絶縁膜に複数の凹部を形成することにより、電極形成工程では、電極の表面に下地絶縁膜の複数の凹部が反映された凹部表面が形成される。したがって、配向膜形成工程では、電極の凹部表面に負の誘電異方性を有する液晶分子に所定のプレチルトを与えて垂直配向させる無機配向膜を斜方蒸着により効率的に形成することができる。すなわち、安定した光学特性を有する液晶装置を高い生産性で製造することができる。
また、電極そのものを加工してその表面に複数の凹部を形成する場合に比べて、凹部形成工程では、電極の下地絶縁膜に複数の凹部を形成するので、電極の厚みが薄くなってもその表面に容易に凹部を形成することができる。
また、電極そのものを加工してその表面に複数の凹部を形成する場合に比べて、凹部形成工程では、電極の下地絶縁膜に複数の凹部を形成するので、電極の厚みが薄くなってもその表面に容易に凹部を形成することができる。
[適用例6]本適用例の他の液晶装置の製造方法は、第1の基板と第2の基板とにより負の誘電異方性を有する液晶分子からなる液晶層が挟持された液晶装置の製造方法であって、前記第1の基板の前記液晶層に面する側に電極を形成する電極形成工程と、前記電極を覆う絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜の前記液晶層に面する側の表面に複数の凹部を形成して、凹部表面を形成する凹部形成工程と、前記凹部表面に斜方蒸着により無機配向膜を形成する配向膜形成工程と、を備えることを特徴とする。
この方法によれば、凹部形成工程において電極を覆う絶縁膜に複数の凹部を形成して、凹部表面を形成することにより、配向膜形成工程では、絶縁膜の凹部表面に負の誘電異方性を有する液晶分子に所定のプレチルトを与えて垂直配向させる無機配向膜を斜方蒸着により効率的に形成することができる。すなわち、安定した光学特性を有する液晶装置を高い生産性で製造することができる。
また、この方法によれば、電極の厚みに係らず、電極と液晶層との間に、負の誘電異方性を有する液晶分子に所定のプレチルトを与えて垂直配向させる無機配向膜を絶縁膜上に斜方蒸着により効率的に形成することができる。
また、この方法によれば、電極の厚みに係らず、電極と液晶層との間に、負の誘電異方性を有する液晶分子に所定のプレチルトを与えて垂直配向させる無機配向膜を絶縁膜上に斜方蒸着により効率的に形成することができる。
[適用例7]上記適用例の液晶装置の製造方法において、前記電極形成工程は、前記電極としての画素電極を、膜厚が10nm以上50nm以下となるように形成することが好ましい。
この方法によれば、画素電極は、その厚みが10nm以上、50nm以下となるように形成されるので、例えば画素電極の表面に下地絶縁膜の複数の凹部を反映させた凹部表面を確実に形成することができる。
この方法によれば、画素電極は、その厚みが10nm以上、50nm以下となるように形成されるので、例えば画素電極の表面に下地絶縁膜の複数の凹部を反映させた凹部表面を確実に形成することができる。
[適用例8]上記適用例の液晶装置の製造方法において、前記凹部形成工程は、前記凹部表面のラフネスRaが5nm以上20nm以下となるように前記複数の凹部を形成することが好ましい。
この方法によれば、配向膜形成工程では、ラフネスRaが5nm以上20nm以下の表面に斜方蒸着により無機配向膜を形成するので、形成後の無機配向膜の表面におけるラフネスRaもほぼ同等となる。無機配向膜の表面におけるラフネスRaつまり凹凸が比較的に小さいので、該凹凸に起因する液晶分子の配向不良の発生が低減される。すなわち、より安定した光学特性を有する液晶装置を製造することができる。
この方法によれば、配向膜形成工程では、ラフネスRaが5nm以上20nm以下の表面に斜方蒸着により無機配向膜を形成するので、形成後の無機配向膜の表面におけるラフネスRaもほぼ同等となる。無機配向膜の表面におけるラフネスRaつまり凹凸が比較的に小さいので、該凹凸に起因する液晶分子の配向不良の発生が低減される。すなわち、より安定した光学特性を有する液晶装置を製造することができる。
[適用例9]本適用例の電子機器は、上記適用例の液晶装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、安定した光学特性と高いコストパフォーマンスとを備えた電子機器を提供することができる。
この構成によれば、安定した光学特性と高いコストパフォーマンスとを備えた電子機器を提供することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
なお、以下の形態において、例えば「基板上に」と記載された場合、基板の上に接するように配置される場合、または基板の上に他の構成物を介して配置される場合、または基板の上に一部が接するように配置され、一部が他の構成物を介して配置される場合を表すものとする。
(第1実施形態)
本実施形態では、薄膜トランジスターを画素のスイッチング素子として備えたアクティブマトリックス型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば後述する投射型表示装置(液晶プロジェクター)の光変調素子(液晶ライトバルブ)として好適に用いることができるものである。
本実施形態では、薄膜トランジスターを画素のスイッチング素子として備えたアクティブマトリックス型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば後述する投射型表示装置(液晶プロジェクター)の光変調素子(液晶ライトバルブ)として好適に用いることができるものである。
<液晶装置>
まず、本実施形態の液晶装置について、図1および図2を参照して説明する。図1(a)は液晶装置の構成を示す概略平面図、同図(b)は、同図(a)に示す液晶装置のH−H’線に沿う概略断面図である。図2は液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。
まず、本実施形態の液晶装置について、図1および図2を参照して説明する。図1(a)は液晶装置の構成を示す概略平面図、同図(b)は、同図(a)に示す液晶装置のH−H’線に沿う概略断面図である。図2は液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。
図1(a)および(b)に示すように、本実施形態の液晶装置100は、対向配置された第1の基板としての素子基板10および第2の基板としての対向基板20と、これら一対の基板によって挟持された液晶層50とを有する。素子基板10および対向基板20は、透明な例えば石英基板やガラス基板が用いられている。
素子基板10は対向基板20よりも一回り大きく、両基板は、額縁状に配置されたシール材40を介して接合され、その隙間に負の誘電異方性を有する液晶が封入されて液晶層50を構成している。シール材40は、例えば熱硬化性又は紫外線硬化性のエポキシ樹脂などの接着剤が採用されている。シール材40には、一対の基板の間隔を一定に保持するためのスペーサー(図示省略)が混入されている。
額縁状に配置されたシール材40の内側には、同じく額縁状に見切り部21が設けられている。見切り部21は、例えば遮光性の金属あるいは金属酸化物などからなり、見切り部21の内側が複数の画素Pを有する画素領域Eとなっている。なお、画素領域Eは、表示に寄与する複数の画素Pに加えて、複数の画素Pを囲むように配置されたダミー画素を含むとしてもよい。また、図1では図示省略したが、画素領域Eにおいて複数の画素Pをそれぞれ平面的に区分する遮光部が設けられている。
素子基板10の1辺部に沿ったシール材40と該1辺部との間にデータ線駆動回路101が設けられている。また、該1辺部に対向する他の1辺部に沿ったシール材40の内側に検査回路103が設けられている。さらに、該1辺部と直交し互いに対向する他の2辺部に沿ったシール材40の内側に走査線駆動回路102が設けられている。該1辺部と対向する他の1辺部のシール材40の内側には、2つの走査線駆動回路102を繋ぐ複数の配線105が設けられている。
これらデータ線駆動回路101、走査線駆動回路102に繋がる配線は、該1辺部に沿って配列した複数の外部接続端子104に接続されている。以降、該1辺部に沿った方向をX方向とし、該1辺部と直交し互いに対向する他の2辺部に沿った方向をY方向として説明する。なお、検査回路103の配置はこれに限定されず、データ線駆動回路101と画素領域Eとの間のシール材40の内側に沿った位置に設けてもよい。
図1(b)に示すように、素子基板10の液晶層50側の表面には、画素Pごとに設けられた光透過性を有する画素電極15およびスイッチング素子としての薄膜トランジスター(Thin Film Transistor、以降、TFTと呼称する)30と、信号配線と、これらを覆う配向膜18とが形成されている。また、TFT30における半導体層に光が入射してスイッチング動作が不安定になることを防ぐ遮光構造が採用されている。
対向基板20の液晶層50側の表面には、見切り部21と、これを覆うように成膜された層間膜層22と、層間膜層22を覆うように設けられた共通電極23と、共通電極23を覆う配向膜24とが設けられている。
見切り部21は、図1(a)に示すように平面的に走査線駆動回路102、検査回路103と重なる位置において額縁状に設けられている。これにより対向基板20側から入射する光を遮蔽して、これらの駆動回路を含む周辺回路の光による誤動作を防止する役目を果たしている。また、不必要な迷光が画素領域Eに入射しないように遮蔽して、画素領域Eの表示における高いコントラストを確保している。
層間膜層22は、例えば酸化シリコンなどの無機材料からなり、光透過性を有して見切り部21を覆うように設けられている。このような層間膜層22の形成方法としては、例えばプラズマCVD法などを用いて成膜する方法が挙げられる。
共通電極23は、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電膜からなり、層間膜層22を覆うと共に、図1(a)に示すように対向基板20の四隅に設けられた上下導通部106により素子基板10側の配線に電気的に接続している。
画素電極15を覆う配向膜18および共通電極23を覆う配向膜24は、液晶装置100の光学設計に基づいて設定される。本実施形態では、SiOx(酸化シリコン)などの無機材料を基板面に対して所定の方位から斜方蒸着して成膜化し、負の誘電異方性を有する液晶分子に上記所定の方位に沿ったプレチルトを与えて略垂直配向させる無機配向膜が採用されている。具体的には、図1(a)に示すように、素子基板10においては右上から左下に向かう破線の矢印で示した蒸着方向から斜方蒸着がなされ、対向基板20においては左下から右上に向かう実線の矢印で示した蒸着方向から斜方蒸着がなされている。基準となるY方向と蒸着方向とがなす方位角度θaは45°である。つまり、素子基板10と対向基板20とでは互いに反対の方位から斜方蒸着がなされており、このような配向処理方法は、液晶分子に所定の方位に沿ったプレチルトを与えることから1軸垂直配向処理と呼ばれている。配向膜18,24による液晶分子の配向のさせ方や配向膜18,24の形成方法については、後述する。
図2に示すように、液晶装置100は、少なくとも画素領域Eにおいて互いに絶縁されて直交する信号線としての複数の走査線3aおよび複数のデータ線6aと、データ線6aに沿って平行に配置された容量線3bとを有する。走査線3aが延在する方向がX方向であり、データ線6aが延在する方向がY方向である。
走査線3aとデータ線6aならびに容量線3bと、これらの信号線類により区分された領域に、画素電極15と、TFT30と、保持容量16とが設けられ、これらが画素Pの画素回路を構成している。
走査線3aはTFT30のゲートに電気的に接続され、データ線6aはTFT30の第1ソース・ドレイン領域に電気的に接続されている。画素電極15はTFT30の第2ソース・ドレイン領域に電気的に接続されている。
データ線6aはデータ線駆動回路101(図1参照)に接続されており、データ線駆動回路101から供給される画像信号D1,D2,…,Dnを画素Pに供給する。走査線3aは走査線駆動回路102(図1参照)に接続されており、走査線駆動回路102から供給される走査信号SC1,SC2,…,SCmを各画素Pに供給する。
データ線駆動回路101からデータ線6aに供給される画像信号D1〜Dnは、この順に線順次で供給してもよく、互いに隣り合う複数のデータ線6a同士に対してグループごとに供給してもよい。走査線駆動回路102は、走査線3aに対して、走査信号SC1〜SCmを所定のタイミングでパルス的に線順次で供給する。
液晶装置100は、スイッチング素子であるTFT30が走査信号SC1〜SCmの入力により一定期間だけオン状態とされることで、データ線6aから供給される画像信号D1〜Dnが所定のタイミングで画素電極15に書き込まれる構成となっている。そして、画素電極15を介して液晶層50に書き込まれた所定レベルの画像信号D1〜Dnは、画素電極15と液晶層50を介して対向配置された共通電極23との間で一定期間保持される。
保持された画像信号D1〜Dnがリークするのを防止するため、画素電極15と共通電極23との間に形成される液晶容量と並列に保持容量16が接続されている。保持容量16は、TFT30の第2ソース・ドレイン領域と容量線3bとの間に設けられている。
保持容量16は、遮光性の第1容量電極および第2容量電極との間に誘電体層を有するものである。また、第1容量電極が上記容量線3bの機能を果たしている。また、容量線3b(第1容量電極)は、固定電位に接続されている。
なお、図1(a)に示した検査回路103には、データ線6aが接続されており、液晶装置100の製造過程において、上記画像信号を検出することで液晶装置100の動作欠陥などを確認できる構成となっているが、図2の等価回路では省略している。
また、検査回路103は、上記画像信号をサンプリングしてデータ線6aに供給するサンプリング回路、データ線6aに所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して供給するプリチャージ回路を含むものとしてもよい。
このような液晶装置100は透過型であって、例えば、画素Pが非駆動時に暗表示となるノーマリーブラックモードの光学設計が採用される。光の入射側と射出側とにそれぞれ偏光素子が光学設計に応じて配置されて用いられる。
次に、液晶装置100の画素Pの詳しい構造や、液晶装置100の製造方法とりわけ配向膜18,24の形成方法について、図3〜図5を参照して説明する。図3は画素の構造を示す概略断面図、図4(a)および(b)は無機配向膜の形成面における凹部の配置を示す概略平面図、図5は斜方蒸着装置を示す概略図である。なお、図3は、前述した1軸垂直配向処理の所定の方位に沿った画素Pの概略断面図である。
図3に示すように、液晶装置100における画素電極15および共通電極23の表面には、酸化シリコンを斜方蒸着して得られた配向膜18および配向膜24が形成されている。具体的には、液晶層50に面した基板面に対する蒸着方向の角度θbはおよそ45°である。このような斜方蒸着により基板面には蒸着方向に向って酸化シリコンの結晶体が柱状に成長する。この柱状結晶体をカラム18a,24aと呼ぶ。配向膜18,24はこのようなカラム18a,24aの集合体である。また、基板面に対するカラム18a,24aの成長方向の角度θcは蒸着方向の角度θbと必ずしも一致せず、この場合およそ70°となっている。
このような配向膜18,24の表面において略垂直配向する液晶分子50aの基板の法線方向に対するプレチルト角θpはおよそ4°である。また、基板面の法線方向から見た液晶分子50aのプレチルトの所定の方向は、図1(a)に示したように配向膜18,24における斜方蒸着の平面的な蒸着方向と同じである。このような1軸垂直配向処理の上記所定の方向は、液晶装置100の光学設計条件に基づいて適宜設定される。本実施形態では、上記所定の方向は光の入射方向と射出方向とに配置される偏光素子の透過軸または吸収軸に対して45°の角度で交わっている。
次に、素子基板10の構成について詳しく説明する。素子基板10の液晶層50に面する側の表面には、下地絶縁膜11と、画素電極15と、配向膜18とが順に形成されている。
下地絶縁膜11は、例えば、酸化シリコンや酸化シリコンにB(ボロン)などが添加された無機絶縁膜が用いられており、その表面には複数の凹部11aが形成されている(凹部形成工程)。複数の凹部11aが形成された表面を覆って、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電膜を成膜してパターニングすることにより、透光性の画素電極15が形成されている(電極形成工程)。これにより、画素電極15の液晶層50側の表面にも複数の凹部11aに応じた複数の凹部15a、すなわち本発明における凹部表面が形成されている。以降、画素電極15に形成された複数の凹部15aを総称して凹部表面15aと呼ぶこともある。
下地絶縁膜11は、例えば、酸化シリコンや酸化シリコンにB(ボロン)などが添加された無機絶縁膜が用いられており、その表面には複数の凹部11aが形成されている(凹部形成工程)。複数の凹部11aが形成された表面を覆って、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電膜を成膜してパターニングすることにより、透光性の画素電極15が形成されている(電極形成工程)。これにより、画素電極15の液晶層50側の表面にも複数の凹部11aに応じた複数の凹部15a、すなわち本発明における凹部表面が形成されている。以降、画素電極15に形成された複数の凹部15aを総称して凹部表面15aと呼ぶこともある。
複数の凹部11a(凹部15a)の平面的な形状と配置は、例えば図4(a)に示すように、平面視で円形であって、隣り合う凹部11a(凹部15a)の中心が正方形の角部に位置する単純マトリックス配置や、例えば図4(b)に示すように、隣り合う凹部11a(凹部15a)の中心が正三角形の頂点に位置するデルタ配置などを挙げることができる。なお、複数の凹部11a(凹部15a)の平面的な形状と配置は、1画素単位で見て、複数の異なる形状を略同様の密度で配置するなど、これに限定されるものではない。
凹部11a(凹部15a)は微小な大きさであって、配向膜18を斜方蒸着により効率的に形成することと、配向膜18の液晶層50側の表面に生ずる凹凸により液晶分子50aの配向ムラが生ずるおそれとを考慮して、画素電極15に接する側の表面のラフネスRa(算術平均あらさ)が5nm以上20nm以下となるように凹部11aが形成されている。
(実施例)
凹部11aの実施例としては、例えば平面視で大きさがφ500nm、隣り合う凹部11aの配置間隔がおよそ1μm、その深さはおよそ10nmである。このような凹部11aが形成された表面に形成される画素電極15の厚みは、可視光透過率および電気抵抗と、画素電極15の表面に下地絶縁膜11の複数の凹部11aが反映されることとを考慮して、10nm以上50nm以下としている。また、画素電極15の外周付近における無機配向膜(配向膜18)の着き廻りを考慮すれば、画素電極15の厚みは無機配向膜(配向膜18)の膜厚に対して薄い方が好ましい。実施例では、無機配向膜(配向膜18)の膜厚を70nm〜80nm、画素電極15の厚みを20nmとした。
凹部11aの実施例としては、例えば平面視で大きさがφ500nm、隣り合う凹部11aの配置間隔がおよそ1μm、その深さはおよそ10nmである。このような凹部11aが形成された表面に形成される画素電極15の厚みは、可視光透過率および電気抵抗と、画素電極15の表面に下地絶縁膜11の複数の凹部11aが反映されることとを考慮して、10nm以上50nm以下としている。また、画素電極15の外周付近における無機配向膜(配向膜18)の着き廻りを考慮すれば、画素電極15の厚みは無機配向膜(配向膜18)の膜厚に対して薄い方が好ましい。実施例では、無機配向膜(配向膜18)の膜厚を70nm〜80nm、画素電極15の厚みを20nmとした。
液晶装置100の製造方法における配向膜形成工程は、図5に示すような斜方蒸着装置300を用いて行う。図5のワークWは、素子基板10が複数面付けされた例えば平面視でウェハ状の石英基板である。
斜方蒸着装置300は、内部を減圧可能なチャンバー301と、チャンバー301の底部に設けられた蒸着源302とを有している。蒸着源302には、配向膜18を構成するところの酸化シリコンなどの無機材料が例えばペレットとして装着され、これを減圧下で加熱して蒸発させる。チャンバー301の蒸着源302の上方には、複数のワークWを配置することが可能となっている。具体的には、ワークWの被蒸着面が蒸着源302に向かう垂線に対して傾斜するように、ワークWはチャンバー301に配置される。蒸着源302に向かう垂線と、被蒸着面の法線とがなす角を仰角と呼ぶ。もちろん、前述した蒸着方向における平面的な方位の角度θa(45°;図1(a)参照)と、被蒸着面に対する蒸着方向の角度θb(45°;図3参照)とが得られるようにワークWは上記仰角が設定されて配置される。
蒸着源302から蒸発した無機材料はワークWに到達して結晶化する。このような斜方蒸着を所定の時間行うことで、無機材料の結晶が成長して柱状のカラム18a(図3参照)となり、カラム18aの集合体である配向膜18が形成される。
なお、蒸着源302の垂線に対して所定の仰角を与えてワークWを傾斜させるので、被蒸着面に対する蒸着方向の角度θbは、ワークWの大きさにも寄るが蒸着源302から遠ざかるほど小さくなる。言い換えれば、ワークWに対する蒸着方向の角度θbは必ずしも一定ではない。蒸着方向の角度θbを一定とするために、例えば、ワークWの被蒸着面に対向するように配置されたスリット状の開口部を有する遮蔽板を設け、蒸着源から飛来する膜成分のビーム平行度を上げる手段がとられる。
次に、図6を参照して、実施例と比較例1および比較例2の配向膜18の形成と液晶装置100の表示品質と生産性との関係について説明する。図6は実施例と比較例1および比較例2の無機配向膜形成条件と、液晶装置における表示品質と生産性の評価を示す表である。
図6に示すように、実施例と比較例1および比較例2における配向膜18の形成条件は、以下の通りである。
(実施例)
下地絶縁膜11における複数の凹部11aの有無は「有」、凹部11aの形状と配置は前述したように円形でφ500nm、配置間隔1μm、凹部11aの深さは10nmである。画素電極15の膜厚は20nm、無機配向膜の斜方蒸着レートは1.5nm/min、仰角は48°で配向膜18の膜厚がおよそ70nm〜80nmとなるように斜方蒸着を実施した。
図6に示すように、実施例と比較例1および比較例2における配向膜18の形成条件は、以下の通りである。
(実施例)
下地絶縁膜11における複数の凹部11aの有無は「有」、凹部11aの形状と配置は前述したように円形でφ500nm、配置間隔1μm、凹部11aの深さは10nmである。画素電極15の膜厚は20nm、無機配向膜の斜方蒸着レートは1.5nm/min、仰角は48°で配向膜18の膜厚がおよそ70nm〜80nmとなるように斜方蒸着を実施した。
(比較例1)
下地絶縁膜11における複数の凹部11aの有無は「無」、画素電極15の膜厚は140nm、無機配向膜の斜方蒸着レートは1.5nm/min、仰角は48°で配向膜18の膜厚がおよそ70nm〜80nmとなるように斜方蒸着を実施した。
下地絶縁膜11における複数の凹部11aの有無は「無」、画素電極15の膜厚は140nm、無機配向膜の斜方蒸着レートは1.5nm/min、仰角は48°で配向膜18の膜厚がおよそ70nm〜80nmとなるように斜方蒸着を実施した。
(比較例2)
下地絶縁膜11における複数の凹部11aの有無は「無」、画素電極15の膜厚は20nm、無機配向膜の斜方蒸着レートは1.25nm/min、仰角は50°で配向膜18の膜厚がおよそ70nm〜80nmとなるように斜方蒸着を実施した。
下地絶縁膜11における複数の凹部11aの有無は「無」、画素電極15の膜厚は20nm、無機配向膜の斜方蒸着レートは1.25nm/min、仰角は50°で配向膜18の膜厚がおよそ70nm〜80nmとなるように斜方蒸着を実施した。
比較例1は、画素電極15の厚みが実施例に比べて厚いため、斜方蒸着時に画素電極15間において十分にカラム18aが成長しない部分(画素電極15の外周に対して蒸着方向における影となる部分)が発生した。形成された配向膜18の平均的なプレチルト角θpは4°であったが、カラム18aが成長し難い画素電極15の外周付近では、所定のプレチルトを与えて液晶分子50aを略垂直配向させることが難しかった。それゆえに、画素Pの外縁部において液晶分子50aの適正な垂直配向状態が得られず、画素電極15と共通電極23との間に駆動電圧を印加して液晶層50を駆動したときに、例えば画素Pの外縁部において光漏れなどが見られた。したがって、比較例1における表示品質の評価を×とした。
比較例2は、画素電極15の厚みが実施例と同じであるが、下地絶縁膜11には複数の凹部11aが形成されておらず、画素電極15が形成された素子基板10の表面は、比較例1よりも平坦な状態となっている。実施例や比較例1と同じ膜厚となるように配向膜18を形成するには、実施例や比較例1に対して仰角を大きく(つまり蒸着方向の角度θbを小さく)設定し、蒸着レートを遅くしないと、被蒸着面において無機材料の結晶が成長し難かった。形成された配向膜18における液晶分子50aのプレチルト角θpは4°で表示品質の評価は不具合が見られず○であったが、比較例1に比べて蒸着レートが遅くなった分、生産性が低下するので、生産性の評価は×とした。
比較例1や比較例2に対して、下地絶縁膜11に複数の凹部11aを形成した実施例は、画素電極15の厚みが比較例1よりも薄いにも係らず、比較例1と同じ蒸着レートと仰角で、同じプレチルト角θp(4°)と同じ膜厚(70nm〜80nm)を有する配向膜18が得られた。画素電極15の厚みが比較例1よりも薄いので、画素電極15間の下地絶縁膜11の表面11b(図3参照)においてもカラム18aはムラなく成長し、画素Pの外縁部における例えば光漏れなどの不具合はなく、表示品質の評価は○とした。比較例1と比べても蒸着レートが同じであるため生産性の評価は○とした。
なお、実施例および比較例1ならびに比較例2における対向基板20の構成は同じである。具体的には、図3に示すように、対向基板20の液晶層50に面する側の表面には、層間膜層22と、共通電極23と、配向膜24とが順に形成されている。
共通電極23は、例えばITOなどの透明導電膜が用いられており、その厚みはおよそ140nmとなっている。共通電極23は対向基板20において複数の画素Pに跨るように形成されているので、画素間に段差は生じない。
共通電極23は、例えばITOなどの透明導電膜が用いられており、その厚みはおよそ140nmとなっている。共通電極23は対向基板20において複数の画素Pに跨るように形成されているので、画素間に段差は生じない。
以上に述べた実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)液晶装置100およびその製造方法によれば、複数の凹部11aが形成された下地絶縁膜11に接するように画素電極15が形成され、画素電極15の表面には複数の凹部11aが反映された凹部表面15aが形成される。凹部表面15aを有する画素電極15の表面に斜方蒸着によって配向膜18を形成するので、画素電極15の表面が平坦である場合に比べて、カラム18aのプレチルトが効率的に発現する。つまり、負の誘電異方性を有する液晶分子50aを所定のプレチルトを与えて略垂直配向させる配向膜18を効率よく形成することができる。ゆえに、安定した光学特性と高い生産性とを有する液晶装置100を提供または製造することができる。
(2)下地絶縁膜11の表面のラフネスRaが5nm以上20nm以下となるように複数の凹部11aを形成し、膜厚が10nm以上50nm以下となるように画素電極15を形成するので、形成された画素電極15の表面に下地絶縁膜11の凹部11aが確実に反映された凹部表面15aが形成される。言い換えれば、光学特性を考慮して画素電極15の厚みを薄くしても、下地絶縁膜11に複数の凹部11aが形成されているので、画素電極15そのものを加工しなくても、画素電極15の表面に凹部表面15aを形成できる。したがって、斜方蒸着により配向膜18を効率よく形成可能であると共に、配向膜18の液晶層50側の凹凸に起因する配向ムラが低減され、安定した光学特性と表示品質とを兼ね備えた液晶装置100を提供または製造することができる。
(3)画素電極15の厚みが10nm以上、50nm以下のため、画素電極15の外周端部における段差が比較例1よりも小さくなり、画素電極15間の下地絶縁膜11の表面11bにおけるカラム18aの成長を阻害し難い。つまり、画素電極15の周囲における配向膜18の形成ムラが減少し、より安定した光学特性と表示品質とを有する液晶装置100を提供または製造することができる。
(1)液晶装置100およびその製造方法によれば、複数の凹部11aが形成された下地絶縁膜11に接するように画素電極15が形成され、画素電極15の表面には複数の凹部11aが反映された凹部表面15aが形成される。凹部表面15aを有する画素電極15の表面に斜方蒸着によって配向膜18を形成するので、画素電極15の表面が平坦である場合に比べて、カラム18aのプレチルトが効率的に発現する。つまり、負の誘電異方性を有する液晶分子50aを所定のプレチルトを与えて略垂直配向させる配向膜18を効率よく形成することができる。ゆえに、安定した光学特性と高い生産性とを有する液晶装置100を提供または製造することができる。
(2)下地絶縁膜11の表面のラフネスRaが5nm以上20nm以下となるように複数の凹部11aを形成し、膜厚が10nm以上50nm以下となるように画素電極15を形成するので、形成された画素電極15の表面に下地絶縁膜11の凹部11aが確実に反映された凹部表面15aが形成される。言い換えれば、光学特性を考慮して画素電極15の厚みを薄くしても、下地絶縁膜11に複数の凹部11aが形成されているので、画素電極15そのものを加工しなくても、画素電極15の表面に凹部表面15aを形成できる。したがって、斜方蒸着により配向膜18を効率よく形成可能であると共に、配向膜18の液晶層50側の凹凸に起因する配向ムラが低減され、安定した光学特性と表示品質とを兼ね備えた液晶装置100を提供または製造することができる。
(3)画素電極15の厚みが10nm以上、50nm以下のため、画素電極15の外周端部における段差が比較例1よりも小さくなり、画素電極15間の下地絶縁膜11の表面11bにおけるカラム18aの成長を阻害し難い。つまり、画素電極15の周囲における配向膜18の形成ムラが減少し、より安定した光学特性と表示品質とを有する液晶装置100を提供または製造することができる。
(第2実施形態)
<電子機器>
次に、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置について、図7を参照して説明する。図7は、電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図である。
<電子機器>
次に、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置について、図7を参照して説明する。図7は、電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図である。
図7に示すように、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置1000は、システム光軸Lに沿って配置された偏光照明装置1100と、光分離素子としての2つのダイクロイックミラー1104,1105と、3つの反射ミラー1106,1107,1108と、5つのリレーレンズ1201,1202,1203,1204,1205と、3つの光変調手段としての透過型の液晶ライトバルブ1210,1220,1230と、光合成素子としてのクロスダイクロイックプリズム1206と、投射レンズ1207とを備えている。
偏光照明装置1100は、超高圧水銀灯やハロゲンランプなどの白色光源からなる光源としてのランプユニット1101と、インテグレーターレンズ1102と、偏光変換素子1103とから概略構成されている。
ダイクロイックミラー1104は、偏光照明装置1100から射出された偏光光束のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光(G)と青色光(B)とを透過させる。もう1つのダイクロイックミラー1105は、ダイクロイックミラー1104を透過した緑色光(G)を反射させ、青色光(B)を透過させる。
ダイクロイックミラー1104で反射した赤色光(R)は、反射ミラー1106で反射した後にリレーレンズ1205を経由して液晶ライトバルブ1210に入射する。
ダイクロイックミラー1105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ1204を経由して液晶ライトバルブ1220に入射する。
ダイクロイックミラー1105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ1201,1202,1203と2つの反射ミラー1107,1108とからなる導光系を経由して液晶ライトバルブ1230に入射する。
ダイクロイックミラー1105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ1204を経由して液晶ライトバルブ1220に入射する。
ダイクロイックミラー1105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ1201,1202,1203と2つの反射ミラー1107,1108とからなる導光系を経由して液晶ライトバルブ1230に入射する。
液晶ライトバルブ1210,1220,1230は、クロスダイクロイックプリズム1206の色光ごとの入射面に対してそれぞれ対向配置されている。液晶ライトバルブ1210,1220,1230に入射した色光は、映像情報(映像信号)に基づいて変調されクロスダイクロイックプリズム1206に向けて射出される。このプリズムは、4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が合成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ1207によってスクリーン1300上に投射され、画像が拡大されて表示される。
液晶ライトバルブ1210は、上述した液晶装置100が適用されたものである。液晶装置100は、色光の入射側と射出側とにおいてクロスニコルに配置された一対の偏光素子の間に隙間を置いて配置されている。他の液晶ライトバルブ1220,1230も同様である。
このような投射型表示装置1000によれば、液晶ライトバルブ1210,1220,1230として、安定した光学特性が得られると共に高い生産性を有して製造可能な液晶装置100を用いているので、安定した表示品質と高いコストパフォーマンスとが実現されている。
本発明は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う液晶装置100および該液晶装置100の製造方法ならびに該液晶装置100を適用する電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)上記液晶装置100およびその製造方法において、複数の凹部を形成するのは画素電極15の下地絶縁膜11に限定されない。図8は変形例の液晶装置の画素の構造を示す概略断面図である。なお、液晶装置100と同じ構成には同じ符号を付して省略の説明は省略する。例えば、図8に示すように、変形例の液晶装置150は、画素電極15を有する素子基板10と、共通電極23を有する対向基板20とにより負の誘電異方性を有する液晶分子50aからなる液晶層50が挟持されたものである。素子基板10の複数の画素電極15を覆う例えば酸化シリコンなどからなる無機の絶縁膜12を有し、絶縁膜12の液晶層50側の表面には、該表面のラフネスRaが5nm以上20nm以下となるように複数の凹部12aが形成され、本発明における凹部表面が形成されている。絶縁膜12の厚みはおよそ50nm〜100nmである。複数の凹部12aが形成された絶縁膜12に斜方蒸着によって配向膜18が形成されている。同じく、対向基板20の共通電極23の液晶層50に面する側の表面に斜方蒸着により配向膜24が形成されている。
画素電極15を覆う絶縁膜12に複数の凹部12aを形成する形態とすれば、画素電極15の厚みに係らず、配向膜18を効率的に形成することができる。
画素電極15を覆う絶縁膜12に複数の凹部12aを形成する形態とすれば、画素電極15の厚みに係らず、配向膜18を効率的に形成することができる。
(変形例2)複数の凹部が形成された表面に斜方蒸着により無機配向膜を形成する構成および方法は、画素電極15を有する素子基板10に適用されることに限定されない。例えば、対向基板20において、共通電極23の下層に位置する層間膜層22に複数の凹部を形成してもよいし、共通電極23を覆う絶縁膜を形成し、該絶縁膜の液晶層50側に面する表面に複数の凹部を形成するとしてもよい。
(変形例3)複数の凹部が形成された表面に斜方蒸着により無機配向膜を形成する構成および方法は、透過型の液晶装置100に適用することに限定されない。光反射性を有する画素電極15を備えた反射型の液晶装置にも適用可能である。また、反射型の液晶装置は、画素電極15が光反射性を有することに限定されず、例えば、光反射性のAl(アルミニウム)やAlの合金からなる反射層を設け、反射層の表面をエッチングして複数の凹部を形成した後に、光透過性の画素電極15を反射層に積層する構成としてもよい。但し、画素電極15の表面における光の反射率が著しく低下しない程度の凹形状にする必要がある。
(変形例4)液晶装置100を適用可能な電子機器は、上記実施形態の投射型表示装置1000に限定されない。例えば、投射型のHUD(ヘッドアップディスプレイ)や直視型のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)、または電子ブック、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー型あるいはモニター直視型のビデオレコーダー、カーナビゲーションシステム、電子手帳、POSなどの情報端末機器の表示部として好適に用いることができる。
10…素子基板、11…下地絶縁膜、11a…下地絶縁膜の凹部、12…絶縁膜、12a…絶縁膜の凹部、15…画素電極、15a…画素電極の凹部あるいは凹部表面、18…無機配向膜としての配向膜、20…対向基板、23…共通電極、24…無機配向膜としての配向膜、50…液晶層、50a…液晶分子、100,150…液晶装置、1000…電子機器としての投射型表示装置。
Claims (9)
- 第1の基板と、
第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板とにより挟持された負の誘電異方性を有する液晶分子からなる液晶層と、
前記第1の基板と前記液晶層との間に設けられ、複数の凹部を有する下地絶縁膜と、
前記下地絶縁膜と前記液晶層との間に設けられ、前記下地絶縁膜に応じた凹部表面を有する電極と、
前記凹部表面に斜方蒸着により形成された無機配向膜と、を備えたことを特徴とする液晶装置。 - 第1の基板と、
第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板とにより挟持された負の誘電異方性を有する液晶分子からなる液晶層と、
前記第1の基板と前記液晶層との間に設けられた電極と、
前記電極と前記液晶層の間に設けられ、複数の凹部が形成された凹部表面を有する絶縁膜と、
前記凹部表面に斜方蒸着により形成された無機配向膜と、を備えたことを特徴とする液晶装置。 - 前記凹部表面のラフネスRaが5nm以上20nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶装置。
- 前記電極が画素電極であり、
前記画素電極の膜厚は、10nm以上50nm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液晶装置。 - 第1の基板と第2の基板とにより負の誘電異方性を有する液晶分子からなる液晶層が挟持された液晶装置の製造方法であって、
前記第1の基板の前記液晶層に面する側に下地絶縁膜を形成する工程と、
前記下地絶縁膜の前記液晶層に面する側の表面に複数の凹部を形成する凹部形成工程と、
前記下地絶縁膜を覆って導電膜を形成し前記導電膜をパターニングして、前記下地絶縁膜に応じた凹部表面を有する電極を形成する電極形成工程と、
前記凹部表面に斜方蒸着により無機配向膜を形成する配向膜形成工程と、
を備えることを特徴とする液晶装置の製造方法。 - 第1の基板と第2の基板とにより負の誘電異方性を有する液晶分子からなる液晶層が挟持された液晶装置の製造方法であって、
前記第1の基板の前記液晶層に面する側に電極を形成する電極形成工程と、
前記電極を覆う絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜の前記液晶層に面する側の表面に複数の凹部を形成して、凹部表面を形成する凹部形成工程と
前記凹部表面に斜方蒸着により無機配向膜を形成する配向膜形成工程と、
を備えることを特徴とする液晶装置の製造方法。 - 前記電極形成工程は、前記電極としての画素電極を、膜厚が10nm以上50nm以下となるように形成することを特徴とする請求項5または6に記載の液晶装置の製造方法。
- 前記凹部形成工程は、前記凹部表面のラフネスRaが5nm以上20nm以下となるように前記複数の凹部を形成することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載の液晶装置の製造方法。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液晶装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2011208669A JP2013068874A (ja) | 2011-09-26 | 2011-09-26 | 液晶装置、液晶装置の製造方法、電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2013068874A true JP2013068874A (ja) | 2013-04-18 |
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ID=48474601
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|---|---|---|---|
| JP2011208669A Withdrawn JP2013068874A (ja) | 2011-09-26 | 2011-09-26 | 液晶装置、液晶装置の製造方法、電子機器 |
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| JP (1) | JP2013068874A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2014211593A (ja) * | 2013-04-22 | 2014-11-13 | セイコーエプソン株式会社 | 液晶装置、液晶装置の製造方法、及び電子機器 |
| JP2019138931A (ja) * | 2018-02-06 | 2019-08-22 | セイコーエプソン株式会社 | 液晶装置、電子機器、投射型表示装置 |
-
2011
- 2011-09-26 JP JP2011208669A patent/JP2013068874A/ja not_active Withdrawn
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