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JP2012215265A - 捩り振動減衰装置 - Google Patents

捩り振動減衰装置 Download PDF

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JP2012215265A
JP2012215265A JP2011081882A JP2011081882A JP2012215265A JP 2012215265 A JP2012215265 A JP 2012215265A JP 2011081882 A JP2011081882 A JP 2011081882A JP 2011081882 A JP2011081882 A JP 2011081882A JP 2012215265 A JP2012215265 A JP 2012215265A
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Tetsuhiro Takenaka
徹宏 竹中
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】トルク伝達部材が傾くのを防止して揺動支点部や揺動支点部に支持されるトルク伝達部材の部位に過大な負荷が加わるのを防止することができ、揺動支点部やトルク伝達部材の耐久性が悪化してしまうのを防止することができる捩り振動減衰装置を提供すること。
【解決手段】捩り振動減衰装置1のアーム部材16の突出片16Aにオーバーラップ部16aを設け、オーバーラップ部16aとカム部材6とをディスクプレート7の半径方向にオーバーラップさせる。また、アーム部材16の突出片16Cにオーバーラップ部16cを設け、オーバーラップ部16cとスプリングシート15とをディスクプレート7の半径方向にオーバーラップさせる。
【選択図】図3

Description

本発明は、捩り振動減衰装置に関し、特に、車両の内燃機関と駆動伝達系との間に介装され、第1の回転部材と第2の回転部材との間で回転トルクが伝達されるように第1の回転部材と第2の回転部材とを弾性部材を介して相対回転自在に連結した捩り振動減衰装置に関する。
従来から内燃機関や電動モータ等の駆動源と車輪等とを連結して駆動源からの回転トルクを伝達するとともに、駆動源と変速歯車組を有する駆動伝達系との間の捩り振動を吸収する捩り振動減衰装置が知られている。
この捩り振動減衰装置は、例えば、変速機の入力軸に連結される第1の回転部材と、駆動源側のフライホイールに締結および解放される第2の回転部材と、第1の回転部材および第2の回転部材を円周方向に弾性的に連結する弾性部材とから構成されている(例えば、特許文献1参照)。
第1の回転部材は、変速機の入力軸に回転不能にかつ軸線方向に移動可能に連結されたハブから構成されており、第2の回転部材は、クラッチディスクの半径方向に内方に位置し、ハブを挟んで入力軸の軸線方向に対向する一対のディスクプレートから構成されている。
ハブは、入力軸にスプライン係合する筒状のボスおよびボスから半径方向外方に広がる円板状のフランジを有している。また、弾性部材は、単独のコイルスプリングから構成されており、コイルスプリングは、フランジに形成された窓孔内に収容されて円周方向両端部が円周方向に支持されているとともに、一対のディスクプレートに形成された窓部によって円周方向に支持されている。
このような構成を有する捩り振動減衰装置にあっては、クラッチディスクおよび一対のディスクプレートとハブとが相対回転すると、コイルスプリングがクラッチディスクおよび一対のディスクプレートとハブとの間で円周方向に圧縮されることにより、ディスクプレートからハブに入力される捩り振動をコイルスプリングによって、吸収・減衰するようになっている。
ところで、捩り振動によって発生する変速機側の騒音としては、アイドリング時の異音、走行時の異音およびこもり音等が知られている。したがって、各異音の発生原因となる捩り振動を吸収するためには、捩り振動減衰装置の捩れ特性を適切に設定する必要がある。
ここで、アイドル時の異音としては、シフトポジションがニュートラルに変更されて内燃機関がアイドル状態にあるときに、駆動源のトルク変動による回転変動を起振源とした捩り振動によって、無負荷状態にある歯車対が衝突して生じるガラガラという異音、所謂、ガラ音が知られている。
また、走行時の異音としては、車両の加減速中に、駆動源のトルク変動による回転変動を起振源とした捩り振動や、駆動伝達系の捩り共振によって変速歯車組の空転歯車対が衝突して生じるジャラジャラという異音、所謂、ジャラ音が知られている。
また、こもり音としては、駆動源のトルク変動を起振力とする駆動伝達系の捩り共振による振動によって車室内に発生する異音が知られており、駆動伝達系の捩り共振は、通常、定常走行時(例えば、内燃機関の回転数が2000rpm付近)に存在するため、定常走行時にこもり音が発生する。
従来、捩れ特性を適切に設定した捩り振動減衰装置としては、例えば、特許文献2に記載されたようなものが知られている。
この捩り振動減衰装置は、内燃機関と一体に回転する駆動側回転部材と、駆動側回転部材と同軸、かつ相対回転自在に配設される被駆動側回転部材と、駆動側回転部材に形成される被接触面に沿って移動する転動体を有し、駆動側回転部材と被駆動側回転部材との相対回転に追従して転動体が被接触面に沿って移動することにより、被駆動側回転部材に対して相対変位する変位部材と、変位部材の相対変位に追従して弾性変形する弾性部材とを備えている。
被接触面は、駆動側回転部材と被駆動側回転部材との相対回転角度に応じて曲率が変化するように構成されている。また、変位部材は、一端部が揺動軸を中心に揺動するように駆動側回転部材に設けられており、他端部に被接触面上を転動する転動体が回転自在に設けられている。
この捩れ角減衰装置は、内燃機関が駆動すると駆動側回転部材が回転駆動され、弾性部材を介して駆動側回転部材の回転駆動が被駆動側回転部材に伝達される。内燃機関のトルクが変動して駆動側回転部材と被駆動側回転部材とが相対回転すると、変位部材の転動体が被接触面に沿って移動して、駆動側回転部材または被駆動側回転部材に対して相対変位する。
変位部材が相対変位すると、弾性部材が圧縮し、内燃機関のトルクの変動が吸収されて被駆動側回転部材に出力される。
このように捩れ角に追従して変位部材が相対変位し、この相対変位によって弾性部材の圧縮が規定されるので、変位部材、被接触面および弾性部材によって捩れ特性を規定することができる。
このため、剛性の低い弾性部材を用いて駆動側回転部材と被駆動側回転部材との捩れ角を広角化することができ、シフトポジションがニュートラルに変更されて内燃機関がアイドル状態にあるとき等のように駆動側回転部材と被駆動側回転部材との捩れ角が小さい領域にあっては、低剛性の弾性部材によって振動を減衰してガラ音の発生を抑制することができる。
また、駆動側回転部材と被駆動側回転部材の捩れ角が大きい領域では、駆動側回転部材と被駆動側回転部材の捩れ角を大きくしてトルクの上昇率が大きくなる高剛性の捩れ特性を得ることにより、ジャラ音を抑制することができる。
この結果、内燃機関のトルク変動による回転変動を起振源とした大きな捩り振動や、駆動伝達系の捩り共振を減衰して、変速歯車組の空転歯車対が衝突して生じるジャラ音や駆動伝達系の捩り共振によるこもり音の発生を抑制することができる。
特開2003−194095号公報 特開2001−74102号公報
しかしながら、このような従来の捩り振動減衰装置にあっては、変位部材が揺動軸を中心に揺動するように駆動側回転部材に取付けられているため、変位部材が被接触面に押し付けられて弾性部材が圧縮したときに、転動体と被接触面との滑りによって揺動軸を中心にして変位部材の軸線方向に回転モーメントが発生してしまう。
このため、変位部材が揺動軸の軸線方向に大きく傾いて揺動軸や揺動軸に支持される変位部材の部位に過大な負荷が加わってしまい、変位部材や揺動軸の耐久性が悪化してしまうという問題があった。
変位部材や揺動軸の耐久性を向上させるためには、変位部材を厚肉にしたり、揺動軸の径を大きくする等して変位部材や揺動軸を補強して強度を高くすることが考えられるが、変位部材や揺動軸を補強すると変位部材や揺動軸が大きくなってしまい、結果的に捩り振動減衰装置を小型化することができないので、好ましくない。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、トルク伝達部材が傾くのを防止して揺動支点部や揺動支点部に支持されるトルク伝達部材の部位に過大な負荷が加わるのを防止することができ、揺動支点部やトルク伝達部材の耐久性が悪化するのを防止することができる捩り振動減衰装置を提供することを目的とする。
本発明に係る捩り振動減衰装置は、上記目的を達成するため、(1)第1の回転部材と、前記第1の回転部材と同一軸線上に設けられ、前記第1の回転部材に対して相対回転自在な第2の回転部材と、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間に設けられ、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とが相対回転したときに弾性変形することにより、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間で回転トルクを伝達する弾性部材と、前記第1の回転部材と一体回転するように前記第1の回転部材に設けられ、前記第1の回転部材および前記第2の回転部材の捩れ角の変化に伴って曲率の変化するカム面を有するカム部材と、一端部が前記カム部材の前記カム面に接触するとともに他端部が前記弾性部材の延在方向一端部に当接し、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とが相対回転したときに、前記第2の回転部材に設けられた揺動支点部を中心に揺動して前記弾性部材を弾性変形させることにより、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間で回転トルクを伝達するトルク伝達部材と、前記トルク伝達部材の一端部に回転自在に設けられ、前記カム部材の前記カム面に接触する転動体とを備え、前記トルク伝達部材の一端部と前記カム部材とを前記第1の回転部材および第2の回転部材の半径方向にオーバーラップさせたものから構成されている。
この捩り振動減衰装置は、第1の回転部材が、第1の回転部材および第2の回転部材の捩れ角の変化に伴って曲率の変化するカム面を有するカム部材を有し、カム部材と弾性部材との間にカム部材のカム面に転動体を介して当接するトルク伝達部材を介装するので、カム部材の回転に伴ってカム部材がトルク伝達部材を介して弾性部材を押圧することにより、弾性部材からトルク伝達部材への反力を変化させることにより、第1の回転部材と第2の回転部材との捩れ角の範囲を広角化することができ、第1の回転部材と第2の回転部材の捩れ剛性を全体的に低くすることができる。
また、弾性部材の圧縮によってトルク伝達部材がカム部材のカム面に押し付けられたときに、揺動軸を中心にしてトルク伝達部材の軸線方向に回転モーメントが発生する。
この捩り振動減衰装置では、トルク伝達部材の一端部とカム部材とを第1の回転部材および第2の回転部材の半径方向にオーバーラップさせているので、揺動支点部を中心にしてトルク伝達部材の軸線方向に回転モーメントが発生したときに、トルク伝達部材の一端部をカム部材に当接させることができ、トルク伝達部材が揺動支点部の軸線方向に傾くのを防止することができる。
このため、揺動支点部や揺動支点部に支持されるトルク伝達部材の部位に過大な負荷が加わるのを防止することができ、揺動支点部やトルク伝達部材の耐久性が悪化してしまうのを防止することができる。
上記(1)の捩り振動減衰装置において、(2)前記弾性部材の延在方向一端部に設けられ、前記弾性部材を支持する支持部材と、前記トルク伝達部材の他端部に回転自在に設けられ、前記支持部材に接触する転動部材とを備え、前記トルク伝達部材の他端部と前記支持部材とを前記第1の回転部材および前記第2の回転部材の半径方向にオーバーラップさせたものから構成されている。
この捩り振動減衰装置は、トルク伝達部材の他端部と支持部材とを第1の回転部材および第2の回転部材の半径方向にオーバーラップさせたので、揺動支点部を中心にしてトルク伝達部材の軸線方向に回転モーメントが発生したときに、トルク伝達部材の他端部を保持部材に当接させることができ、トルク伝達部材が傾くのをより一層防止することができる。
このため、揺動支点部や揺動支点部に支持されるトルク伝達部材の部位に過大な負荷が加わるのをより一層防止することができ、揺動支点部やトルク伝達部材の耐久性が悪化してしまうのをより一層防止することができる。
上記(1)または(2)の捩り振動減衰装置において、(3)少なくとも前記トルク伝達部材の一端部が、前記転動体を回転自在に支持する軸部材を介して連結される一対の板状部から構成され、前記一対の板状部が前記カム部材を軸線方向に挟むようにして前記カム部材とオーバーラップされるものから構成されている。
この捩り振動減衰装置は、トルク伝達部材の一対の板状部がカム部材を軸線方向に挟むようにカム部材と第2の回転部材の半径方向にオーバーラップするので、揺動支点部を中心にしてトルク伝達部材の軸線方向の一方に回転モーメントが発生したときに、トルク伝達部材の一方の板状部をカム部材に当接させることができ、トルク伝達部材が揺動支点部の軸線方向の一方に傾くのを防止することができる。
また、揺動支点部を中心にしてトルク伝達部材の軸線方向の他方に回転モーメントが発生したときに、トルク伝達部材の他方の板状部をカム部材に当接させることができ、トルク伝達部材が揺動支点部の軸線方向の他方に傾くのを防止することができる。
上記(2)の捩り振動減衰装置において、(4)少なくとも前記トルク伝達部材の他端部が、前記転動部材を回転自在に支持する軸部材を介して連結される一対の板状部から構成され、前記一対の板状部が前記支持部材を軸線方向に挟むようにして前記支持部材とオーバーラップされるものから構成されている。
この捩り振動減衰装置は、トルク伝達部材の一対の板状部が弾性部材を支持する支持部材を軸線方向に挟むように支持部材と第2の回転部材の半径方向にオーバーラップするので、揺動支点部を中心にしてトルク伝達部材の軸線方向の一方に回転モーメントが発生したときに、トルク伝達部材の一方の板状部を支持部材に当接させることができ、トルク伝達部材が揺動支点部の軸線方向の一方に傾くのを防止することができる。
また、揺動支点部を中心にしてトルク伝達部材の軸線方向の他方に回転モーメントが発生したときに、トルク伝達部材の他方の板状部を支持部材に当接させることができ、トルク伝達部材が揺動支点部の軸線方向の他方に傾くのを防止することができる。
上記(1)〜(4)の捩り振動減衰装置において、(5)前記カム部材のカム面の曲率が、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材の捩れ角が最小のときの前記カム部材の初期位置から前記捩れ角が大きくなるに従って大きくなるものから構成されている。
この捩り振動減衰装置は、第1の回転部材と第2の回転部材の捩れ角の変化に応じてトルク伝達部材が接触するカム部材のカム面の曲率を可変させることにより、第1の回転部材と第2の回転部材の捩れ角の範囲を広角化して捩れ剛性を低くすることができる。
また、第1の回転部材と第2の回転部材の捩れ角が大きくなるに従って第1の回転部材と第2の回転部材との捩れ剛性を大きくすることができるため、大きなトルク変動を弾性部材によって減衰しながら第1の回転部材から第2の回転部材に回転トルクを円滑に伝達することができる。
また、第1の回転部材と第2の回転部材の捩れ角の変化に応じてトルク伝達部材が接触するカム部材のカム面の曲率が大きくなった場合でも、トルク伝達部材の一端部が転動体を介してカム部材のカム面を摺動するため、トルク伝達部材の一端部とカム部材との接触圧が高くなるのを防止することができ、アーム部の一端部とカム部材との磨耗を抑制することができる。
上記(1)〜(5)の捩り振動減衰装置において、(6)前記トルク伝達部材が、前記第1の回転部材および前記第2の回転部材の中心軸に対して点対称に配置されるものから構成されている。
この捩り振動減衰装置は、トルク伝達部材が第1の回転部材および第2の回転部材の中心軸に対して点対称に配置されるので、第1の回転部材および第2の回転部材の中心軸を挟んでトルク伝達部材がカム部材を挟持することになる。
このため、カム部材がトルク伝達部材を介して弾性部材を付勢したときに、弾性部材の反力によってトルク伝達部材が第1の回転部材の中心軸を挟んでカム部材を強い押圧力で挟持する。このため、第1の回転部材と第2の回転部材との間で回転トルクをより確実に伝達することができ、第1の回転部材と第2の回転部材を確実に一体回転させることができる。
上記(1)〜(6)の捩り振動減衰装置において、(7)前記第1の回転部材が、外周部に前記カム部材を有し、内周部に変速機の入力軸が連結されるボスを備え、前記第2の回転部材が、前記カム部材の軸線方向両側に配置され、軸線方向に所定間隔を隔てて互いに固定されるとともに、前記揺動支点部を構成する揺動軸を介して前記トルク伝達部材を揺動自在に支持する一対のディスクプレートを備え、前記一対のディスクプレートに前記弾性部材の延在方向他端部を支持する支持部が設けられるものから構成されている。
この捩り振動減衰装置は、一対のディスクプレートに弾性部材の延在方向他端部を支持する支持部が設けられるとともに、弾性部材の延在方向一端部がトルク伝達部材の他端部に当接し、トルク伝達部材の他端部が転動体を介してカム部材のカム面に接触するので、第1の回転部材と第2の回転部材との捩れ角の範囲を広角化して弾性部材の低剛性化を図ることができ、第1の回転部材から第2の回転部材に回転トルクを円滑に伝達することができる。
この結果、駆動源のトルク変動による回転変動を起振源とした大きな捩り振動や、駆動伝達系の捩り共振を減衰して、変速歯車組の空転歯車対が衝突して生じるジャラ音や駆動伝達系の捩り共振によるこもり音の発生を抑制することができる。
また、第1の回転部材に過大なトルクが入力した場合には、第1の回転部材と第2の回転部材とが相対回転したときに、トルク伝達部材がカム面の曲率が最も大きい頂部を乗り越えるため、第1の回転部材を第2の回転部材に対して空転させることができ、カム部材をトルクリミッタとして機能させることができる。
この結果、第1の回転部材と第2の回転部材との間で過大なトルクが伝達されてしまうのを防止して、変速機の変速歯車組を保護することができる。
上記(1)〜(7)の捩り振動減衰装置において、(8)前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間に、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とを摩擦接触させるヒステリシス機構が介装されるものから構成されている。
この捩り振動減衰装置は、第1の回転部材と第2の回転部材との間にヒステリシス機構が介装されるので、第1の回転部材と第2の回転部材との捩れ角が大きいときに第1の回転部材と第2の回転部材とのヒステリシストルクを大きくすることができ、駆動伝達系の捩り共振によるこもり音の発生やジャラ音の発生をより一層抑制することができる。
本発明によれば、トルク伝達部材が傾くのを防止して揺動支点部や揺動支点部に支持されるトルク伝達部材の部位に過大な負荷が加わるのを防止することができ、揺動支点部やトルク伝達部材の耐久性が悪化してしまうのを防止することができる捩り振動減衰装置を提供することができる。
本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、捩り振動減衰装置の斜視図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、ディスクプレートの一方を取り外した状態の捩り振動減衰装置の斜視図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、捩り振動減衰装置の正面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、図3のA−A方向矢視断面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、アーム部材の上面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、図5のB−B方向矢視断面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、アーム部材の一端部とカム部材との位置関係を示す図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、アーム部材の他端部とスプリングシートとの位置関係を示す図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、ディスクプレートとボスとの捩れ角が+45°のときの捩り振動減衰装置の正面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、ディスクプレートとボスとの捩れ角が+90°のときの捩り振動減衰装置の正面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、ディスクプレートとボスとの捩れ角が−45°のときの捩り振動減衰装置の正面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、捩り振動減衰装置の捩れ角とトルクの関係を示す図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、内燃機関の回転数と回転角速度変動との関係を示す図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、アーム部材が揺動軸の軸線方向の一方に傾いたときに、一方の突出片のオーバーラップ部がカム部材に当接した状態を示す図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、アーム部材が揺動軸の軸線方向の一方に傾いたときに、他方の突出片のオーバーラップ部がスプリングシートに当接した状態を示す図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、アーム部材が揺動軸の軸線方向の他方に傾いたときに、他方の突出片のオーバーラップ部がカム部材に当接した状態を示す図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、アーム部材が揺動軸の軸線方向の他方に傾いたときに、一方の突出片のオーバーラップ部がカム部材に当接した状態を示す図である。
以下、本発明に係る捩り振動減衰装置の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1〜図17は、本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図である。
まず、構成を説明する。
図1〜図4において、捩り振動減衰装置1は、第1の回転部材2と第1の回転部材2と同一軸線上に設けられた第2の回転部材3とを備えている。
第2の回転部材3には駆動源である図示しない内燃機関からの回転トルクが入力されるようになっており、第1の回転部材2は、第2の回転部材3の回転トルクを図示しない駆動伝達系の変速機に伝達するようになっている。
第1の回転部材2と第2の回転部材3との間には弾性部材としての一対のコイルスプリング4が設けられており、コイルスプリング4は、第1の回転部材2と第2の回転部材3が相対回転したときに第1の回転部材2の円周方向に圧縮されるようになっている。
第1の回転部材2は、駆動伝達系の変速機の入力軸26の外周部にスプライン嵌合されるボス5と、ボス5の外周部に設けられたカム部材6とを含んで構成される。
なお、ボス5とカム部材6とは一体的に成形されてもよい。また、ボス5とカム部材6とを別体に形成し、ボス5の外周部およびカム部材6の内周部にスプライン部をそれぞれ形成し、ボス5とカム部材6とをスプライン嵌合してもよい。
また、第2の回転部材3は、一対のディスクプレート7、8およびクラッチディスク10を備えている。ディスクプレート7、8は、カム部材6の軸線方向両側に配置されており、軸線方向に所定間隔を隔てて揺動支点部としての揺動軸9によって連接されている。
揺動軸9は、ディスクプレート7、8に橋架されており、軸線方向両端部が大径に形成されることにより、ディスクプレート7、8に抜け止め係止されている。このため、ディスクプレート7、8は、揺動軸9によって一体化されることで一体回転するようになっている。
また、ディスクプレート7、8の円状の中心孔7a、8aにはボス5が収納されており、ボス5は、ディスクプレート7、8と同一軸線上に設けられている。
また、クラッチディスク10は、ディスクプレート7の半径方向外方に設けられており、クッショニングプレート11および摩擦材12a、12bを備えている。クッショニングプレート11は、厚み方向に波打つリング状の部材から構成されており、リベット13aによってディスクプレート7に固定されている。
摩擦材12a、12bは、クッショニングプレート11の両面にリベット13bによって固定されており、この摩擦材12a、12bは、内燃機関のクランクシャフトに固定された図示しないフライホイールとフライホイールにボルト固定されたクラッチカバーのプレッシャプレートとの間に位置している。
そして、摩擦材12a、12bがプレッシャプレートに押圧されてフライホイールとプレッシャプレートに摩擦係合することで、内燃機関の回転トルクがディスクプレート7、8に入力される。
また、図示しないクラッチペダルが踏み込まれると、プレッシャプレートが摩擦材12a、12bを押圧するのを解除し、摩擦材12a、12bがフライホイールから離隔することで、内燃機関の回転トルクがディスクプレート7、8に入力されない。
また、ディスクプレート7には支持部としての台座14が設けられており、この台座14は、ディスクプレート7から軸線方向に突出してディスクプレート8に取付けられている。
この台座14には弾性部材としてのコイルスプリング4の延在方向他端部が取付けられており、コイルスプリング4の延在方向一端部には支持部材としてのスプリングシート15が取付けられ、コイルスプリング4の他端部は、自由端となっている。
また、コイルスプリング4とカム部材6との間にはトルク伝達部材としてのアーム部材16が設けられており、このアーム部材16は、ディスクプレート7、8の間に位置し、揺動軸9に揺動自在に支持されている。
図5、図6に示すように、揺動軸9とアーム部材16の間にはニードルベアリング17が介装されている。ニードルベアリング17は、アーム部材16に取付けられたアウターレース17aと、アウターレース17aと揺動軸9の間に介装された針状ニードル17bとから構成されており、アウターレース17aが針状ニードル17bを介して揺動軸9に対して回転自在となっている。このため、アーム部材16は、ニードルベアリング17を介して揺動軸9に回転自在に取付けられている。
図5、図6に示すように、アーム部材16の一端部は、二股形状の板状部としての突出片16A、16Bが形成されており、この突出片16A、16Bは、軸部材としてのピン18によって連結されている。
このピン18には転動体としてのコロ部材19が回転自在に取付けられている。コロ部材19は、ピン18の外周部に設けられたアウターレース19aおよびアウターレース19aとピン18の間に介装された針状ニードル19bからなるニードルベアリングと(図7参照)、アウターレース19aの外周部でアウターレース19aに取付けられたコロ19cとから構成されており、コロ19cがニードルベアリングを介してピン18に対して回転自在となっている。
このコロ19cは、カム部材6のカム面6aに接触して回転するようになっており、アーム部材16の一端部は、コロ19cを介してカム部材6のカム面6aに当接する。
アーム部材16の他端部は、板状部としての二股形状の突出片16C、16Dが形成されており、この突出片16C、16Dは、軸部材としてのピン20によって連結されている。
このピン20には転動部材としてのコロ部材21が回転自在に取付けられている。コロ部材21は、ピン20の外周部に設けられたアウターレース21aおよびアウターレース21aとピン20の間に介装された針状ニードル21bからなるニードルベアリングと、アウターレース21aの外周部でアウターレース21aに取付けられたコロ21cとから構成されており、コロ21cがニードルベアリングを介してピン20に対して回転自在となっている。
コロ21cは、スプリングシート15の外周面に当接するようになっており、アーム部材16の他端部は、コロ21cを介してスプリングシート15の外周面に当接する。
また、カム部材6は、ディスクプレート7、8とボス5との捩れ角の変化に伴って曲率の変化するカム面6aを有している。
本実施の形態では、カム部材6が楕円形状のカム面を有しており、カム面6aの曲率は、ディスクプレート7、8とボス5との捩れ角が最小(捩れ角が略0°)のときのカム部材6の初期位置からディスクプレート7、8とボス5との捩れ角が大きくなるに従って大きくなっている。
したがって、本実施の形態のカム部材6は、ディスクプレート7、8とボス5との捩れ角が最小のときに曲率の小さいカム面6aにアーム部材16のコロ19cが当接するようにカム部材6の初期位置が設定されている。
このため、カム部材6が回転してアーム部材16のコロ19cが当接するカム面6aの位置が可変されることにより、スプリングシート15がアーム部材16によって付勢されてコイルスプリング4の圧縮量が可変される。このとき、スプリングシート15が台座14に近接・離隔するように移動することになる。
また、アーム部材16は、ディスクプレート7、8の中心軸に対して点対称に配置されており、アーム部材16は、ディスクプレート7、8の中心軸を挟んで同一の曲率を有するカム面6aに一端部を接触させることができるようになっている。
一方、図4に示すように、ディスクプレート7、8とカム部材6との間にはヒステリシス機構22が介装されており、このヒステリシス機構22は、環状の摩擦材23、24および皿ばね25から構成されている。
摩擦材23は、表面が所定の摩擦係数を有する環状部材から構成されており、ディスクプレート7とカム部材6との間に介装されるようにしてディスクプレート7に取付けられている。
摩擦材24は、表面が所定の摩擦係数を有する環状部材から構成されており、ディスクプレート8とカム部材6との間に介装されるようにしてディスクプレート8に取付けられている。
皿ばね25は、円錐形状に形成されており、摩擦材24とディスクプレート8との間に介装されている。この皿ばね25は、カム部材6の軸線方向に弾性力を発生させることにより、摩擦材23、24を介してディスクプレート7、8とカム部材6とを摩擦接触させることにより、カム部材6とディスクプレート7、8との間にヒステリシストルクを発生させるようになっている。
一方、図7に示すように、アーム部材16の突出片16A、16Bにはオーバーラップ部16a、16bが形成されており、このオーバーラップ部16a、16bは、突出片16A、16Bからカム部材6側に突出してカム部材6とディスクプレート7、8およびカム部材6の半径方向(図3参照)にオーバーラップしている。すなわち、突出片16A、16Bは、カム部材6を挟持するようにカム部材6の軸線方向に対向している。
また、図8に示すように、アーム部材16の突出片16C、16Dにはオーバーラップ部16c、16dが形成されており、このオーバーラップ部16c、16dは、図8に示すように、突出片16C、16Dからカム部材6側に突出することにより、カム部材6とディスクプレート7、8およびカム部材6の半径方向(図3参照)にオーバーラップしている。すなわち、突出片16C、16Dは、スプリングシート15を挟持するようにスプリングシート15の軸線方向に対向している。
次に、作用を説明する。
図9〜図11は、ディスクプレート7、8が内燃機関の回転トルクを受けて図3の状態から反時計回転方向(R2方向)に回転している状態を示し、説明の便宜上、ボス5がディスクプレート7、8に対して正側の時計回転方向(R1方向)に捩れるものとして説明を行う。
なお、図9〜図11ではディスクプレート8を取り除いた状態を示している。また、ディスクプレート7、8に対してボス5が正側に捩れるのは、車両の加速時である。
摩擦材12a、12bがプレッシャプレートに押圧されてフライホイールとプレッシャプレートに摩擦係合することで、内燃機関の回転トルクがディスクプレート7、8に入力される。
本実施の形態の捩り振動減衰装置1は、ディスクプレート7、8とボス5との相対回転が小さい状態、すなわち、ディスクプレート7、8とボス5との捩れ角が0°付近の小さい状態では、図3に示すように、カム部材6が初期位置に位置してボス5と一体回転する。
このとき、カム部材6の曲率が小さいカム面6aにアーム部材16のコロ19cが接触しており、カム部材6がアーム部材16をスプリングシート15に押し付けることにより、コイルスプリング4がカム部材6によって付勢される。
このとき、コイルスプリング4の反力によってアーム部材16が揺動軸9を支点にして、テコの原理によってカム部材6を押圧する。このため、ディスクプレート7、8の回転トルクがコイルスプリング4およびアーム部材16を介してカム部材6に伝達される。このため、変速機の入力軸に内燃機関の回転トルクを伝達することになり、このとき、コイルスプリング4の圧縮量は小さいものとなる。
このため、ディスクプレート7、8からボス5に内燃機関の動力を伝達しつつ、ディスクプレート7、8とボス5との捩り振動を吸収して減衰する。
一方、車両の加速時に、内燃機関のトルク変動による回転変動が小さい場合には、ディスクプレート7、8に対してボス5との間の変動トルクが小さく、ボス5がディスクプレート7、8に対して時計回転方向(R1方向)に相対回転する。
このとき、図3に示す状態から図9に示す状態のように、ディスクプレート7、8とボス5との捩れ角が大きくなるにつれてカム部材6がR1方向に回転すると、アーム部材16のコロ19cがカム面6aに沿って転動する。このため、アーム部材16の一端部がコロ19cを介してカム面6a上を摺動する。
カム面6aの曲率は、カム部材6の初期位置にあるときからディスクプレート7、8とボス5との捩れ角が大きくなるに従って大きくなっているため、アーム部材16の一端部がコロ19cを介して徐々に曲率が大きくなるカム部材6のカム面6aに押圧されると、アーム部材16の他端部がディスクプレート7、8の半径方向内方および円周方向に移動する。
そして、カム部材6がR1方向に回転するのに伴って、アーム部材16の他端部がディスクプレート7、8の半径方向内方に移動することにより、スプリングシート15を台座14に近接させる。
また、アーム部材16の他端部がコロ21cを介してスプリングシート15の円周方向外周面に沿って移動することにより、スプリングシート15が円周方向に移動するのを阻害させないようにできる。なお、図9は、ディスクプレート7、8とボス5との捩れ角が+45°の状態を示す。
このようにアーム部材16がコイルスプリング4を付勢することにより、圧縮されるコイルスプリング4の反力によってアーム部材16が揺動軸9を支点にして、テコの原理によってカム部材6を強い押圧力で押圧する。
したがって、ディスクプレート7、8からボス5に内燃機関の動力を伝達しつつ、ディスクプレート7、8とボス5との捩り振動を吸収して減衰する。
内燃機関のトルク変動による回転変動がさらに大きくなる場合には、ディスクプレート7、8からボス5に伝達される変動トルクが大きく、ボス5がディスクプレート7、8に対して時計回転方向(R1方向)にさらに相対回転する。
図9に示す状態から図10に示す状態のように、ディスクプレート7、8とボス5との捩れ角が、例えば、最大の+90°になると、カム面6aの曲率が最大の頂部6bにアーム部材16のコロ19cが位置して、カム部材6がアーム部材16を介してコイルスプリング4をより大きな付勢力で付勢する。
このため、コイルスプリング4の反力がより一層大きくなり、ディスクプレート7、8からボス5に内燃機関の動力を伝達しつつ、ディスクプレート7、8とボス5との捩り振動を吸収して減衰する。
この場合には、カム面6aの曲率は、カム部材6の初期位置にあるときからディスクプレート7、8とボス5との捩れ角が大きくなるに従ってさらに大きくなっているため、アーム部材16の一端部がコロ19cを介して徐々に曲率が大きくなるカム部材6のカム面6aに押圧されると、アーム部材16の他端部がディスクプレート7、8の半径方向内方に移動する。
この場合にも、アーム部材16の他端部がコロ21cを介してスプリングシート15の円周方向外周面に沿って移動することにより、スプリングシート15が円周方向に移動するのを阻害しないようにすることができる。
さらに、ディスクプレート7、8に内燃機関から過大なトルクが入力した場合には、アーム部材16のコロ19cがカム面6aの曲率が最も大きい頂部6bを乗り越えてディスクプレート7、8をカム部材6に対して空転させることができるため、車両の加速時にカム部材6をトルクリミッタとして機能させることができる。
この結果、ディスクプレート7、8からボス5に過大なトルクが伝達されてしまうのを防止して、変速機の変速歯車組を保護することができる。
また、ディスクプレート7、8とカム部材6との間にはヒステリシス機構22が介装されているため、ディスクプレート7、8とカム部材6とが相対回転するときには一定のヒステリシストルクを発生させることができる。
一方、車両の減速時には、内燃機関の駆動トルクが小さくなり、エンジンブレーキが発生するため、変速機の入力軸26からボス5に回転トルクが入力されることになる。減速時に内燃機関のトルク変動による回転変動が小さい場合には、ボス5とディスクプレート7、8との間の変動トルクが小さいため、ボス5がディスクプレート7、8に対して相対的に負側(R2方向)に捩れることになる。
このとき、図3に示す状態から図11に示す状態のように、ディスクプレート7、8とボス5とが相対回転したときに、ディスクプレート7、8とボス5との捩れ角が大きくなるにつれてカム部材6が回転することにより、アーム部材16のコロ19cがカム面6aに沿って転動する。このため、アーム部材16の一端部がコロ19cを介してカム面6a上を摺動する。
カム面6aの曲率は、カム部材6の初期位置にあるときからディスクプレート7、8とボス5との捩れ角が大きくなるに従って大きくなっているため、アーム部材16の一端部がコロ19cを介して徐々に曲率が大きくなるカム部材6のカム面6aに押圧されると、アーム部材16の他端部がディスクプレート7、8の半径方向内方および円周方向に移動する。
そして、カム部材6が反時計回転方向(R2方向)に回転するのに伴って、アーム部材16の他端部がディスクプレート7、8の半径方向内方に移動することにより、スプリングシート15を台座14に近接させる。
また、アーム部材16の他端部がコロ21cを介してスプリングシート15の円周方向外周面に沿って移動することにより、スプリングシート15が円周方向に移動するのを阻害しないようにすることができる。なお、図11は、ディスクプレート7、8とボス5との捩れ角が+45°の状態を示す。
このようにアーム部材16がコイルスプリング4を付勢することにより、圧縮されるコイルスプリング4の反力によってアーム部材16が揺動軸9を支点にして、テコの原理によってカム部材6を強い押圧力で押圧する。
したがって、ボス5からディスクプレート7、8に駆動伝達系の動力を伝達しつつ、ディスクプレート7、8とボス5との捩り振動を吸収して減衰する。
さらに、ボス5がディスクプレート7、8に対して相対的に負側(R2方向)にさらに捩れ、ディスクプレート7、8とボス5との捩れ角が例えば、最大の+90°になると、カム面6aの曲率が最大の頂部6bにアーム部材16のコロ19cが位置して、カム部材6がアーム部材16を介してコイルスプリング4をより大きな付勢力で付勢するため、コイルスプリング4の反力がより一層大きくなり、ボスからディスクプレート7、8に駆動伝達系の動力を伝達しつつ、ディスクプレート7、8とボス5との捩り振動を吸収して減衰する。
また、ディスクプレート7、8からボス5に内燃機関から過大なトルクが入力した場合には、アーム部材16のコロ19cがカム面6aの曲率が最も大きい頂部6bを乗り越えてカム部材6をディスクプレート7、8に対して空転させることができるため、カム部材6をトルクリミッタとして機能させることができる。
この結果、車両の減速時にディスクプレート7、8からボス5に過大なトルクが伝達されてしまうのを防止して、変速機の変速歯車組を保護することができる。
また、車両の減速時にあっても、ディスクプレート7、8とカム部材6とが相対回転するときには一定のヒステリシストルクを発生させることができる。
このように本実施の形態では、捩り振動減衰装置1が、ボス5と、ボス5の外周部に設けられてボス5と一体回転する楕円形状のカム面6aを有するカム部材6と、カム部材6とコイルスプリング4との間に設けられ、一端部がカム面6aに接触するとともに他端部がコイルスプリング4のスプリングシート15に当接し、ディスクプレート7、8に橋架された揺動軸9を中心に揺動するアーム部材16と、カム部材6とアーム部材16の一端部のカム部材6のカム面6aとの間に設けられたコロ部材19とを含んで構成される。
このため、ディスクプレート7、8とボス5との捩れ角の範囲を広角化して捩り振動減衰装置1の捩れ剛性を全体的に低くすることができるとともに、捩れ特性を非線形にすることができ、ディスクプレート7、8からボス5に回転トルクを円滑に伝達することができる。
図12は、ディスクプレート7、8とボス5の捩れ特性を示す図であり、本実施の形態におけるディスクプレート7、8とボス5との捩れ角と、ボス5から出力される出力トルクとの関係を説明するグラフである。
横軸は、ディスクプレート7、8に対するボス5の相対的な捩れ角であり、縦軸がボス5から出力される出力トルクである。縦軸の出力トルクは、ディスクプレート7、8に対するボス5の反力に対応する。
図12に示すように、本実施の形態では、ディスクプレート7、8に対するボス5の捩れ角が大きくなるに従ってコイルスプリング4が縮むことにより、アーム部材16によるカム部材6への押圧力が大きくなる。
そして、アーム部材16によるカム部材6への押圧力が大きくなることにより、出力トルクが大きくなる。このときの出力トルクの変化は、段差部を有さずに連続的に変化する曲線状の捩れ特性となる。
本実施の形態では、アーム部材16の一端部がコロ部材19を介して楕円状のカム面6aに接触されるので、カム部材6の回転に伴ってディスクプレート7、8とボス5との捩れ角を正側および負側の合計で180°にまで広角化することができる。
なお、ディスクプレート7、8とボス5とが相対回転するときの捩れ特性および捩れ角の大きさは、カム部材6のカム面6aの形状、コイルスプリング4のバネ定数、アーム部材16の形状等を調整することにより、任意の捩れ特性および捩れ角に設定することができる。
本実施の形態の捩り振動減衰装置1は、図12に示すように、ディスクプレート7、8とボス5の捩れ角が小さいときには、ディスクプレート7、8とボス5の捩れ剛性が低いフラットな捩り特性にすることができる。
このため、シフトポジションがニュートラルに変更されて内燃機関がアイドル状態にあるとき等のようにディスクプレート7、8からボス5に伝達される回転トルク(ボス5の出力トルク)が小さい領域では、内燃機関のトルク変動による回転変動を起振源とした捩り振動を減衰して、無負荷状態にある変速機の歯車対からガラ音を抑制することができる。
一方、図13に示すように、変速機を備えた駆動伝達系の捩り共振点は、内燃機関の定常回転(例えば、2000rpm付近)に発生するように存在しているため、例えば、車両の加速時に2000rpmを通過するときに駆動伝達系の捩り共振が発生することになる。
本実施の形態では、ディスクプレート7、8とボス5との捩れ角の範囲を広角化して捩れ剛性を全体的に低くすることができるため、ディスクプレート7、8からボス5に伝達される回転トルクが大きい運転状態においては、駆動源のトルク変動による回転変動を起振源とした捩り振動を減衰して、変速歯車組の空転歯車対が衝突して生じるジャラ音を抑制することができる。
また、ディスクプレート7、8とボス5との捩れ角が大きいときに、従来の捩れ剛性(図13に従来の捩り振動減衰装置の捩れ特性を破線で示す)よりも低い捩れ剛性に設定することができるため、駆動伝達系の捩り共振による捩り振動を従来よりも大きく減衰して車室内にこもり音が発生するのを抑制することができる。
これに加えて、本実施の形態では、ディスクプレート7、8とカム部材6との間にヒステリシス機構22を介装したので、ディスクプレート7、8とカム部材6とが相対回転するときには一定のヒステリシストルクを発生させることができる。
このため、ディスクプレート7、8からボス5に伝達される回転トルクが大きい加減速中には、駆動源のトルク変動による回転変動を起振源とした大きい捩り振動に対してヒステリシストルクを発生させることができる。
したがって、駆動伝達系の捩り共振による捩り振動をより一層減衰して車室内にこもり音が発生するのをより一層抑制することができるとともに、ジャラ音の発生をより一層抑制することができる。
さらに、ディスクプレート7、8に内燃機関から過大なトルクが入力した場合には、アーム部材16のコロ19cがカム面6aの曲率が最も大きい頂部6bを乗り越えてディスクプレート7、8をカム部材6に対して空転させることができるため、カム部材6をトルクリミッタとして機能させることができる。
この結果、ディスクプレート7、8からボス5に過大なトルクが伝達されてしまうのを防止して、変速機の変速歯車組を保護することができる。
また、本実施の形態では、ボス5とディスクプレート7、8の捩れ角が大きくなるに従ってカム面6aの曲率が大きくなり、コイルスプリング4の弾性変形量を大きくなる。このため、アーム部材16の一端部にコロ部材19が存在しないと、アーム部材16の一端部とカム部材6との接触圧が大きくなり、アーム部材16とカム部材6との接触面が磨耗するおそれがある。
本実施の形態では、アーム部材16の一端部がコロ19cを介してカム部材6のカム面6aを摺動するため、アーム部材16の一端部とカム部材6との接触圧が高くなるのを防止して、アーム部材16の一端部とカム部材6との磨耗を抑制することができる。
また、本実施の形態では、アーム部材16の他端部にコロ21cが回転自在に設けられ、アーム部材16の他端部がコロ21cを介してスプリングシート15に当接しているので、アーム部材16の他端部を、コロ部材21を介してスプリングシート15の円周方向外周面に沿って円滑に摺動させながらコイルスプリング4をディスクプレート7、8の円周方向に弾性変形させることができる。
また、本実施の形態では、ディスクプレート7、8とボス5との間にコイルスプリング4、アーム部材16およびカム部材6を設けるだけの簡素な構成によってディスクプレート7、8およびボス5の捩れ角を広角化することができ、捩り振動減衰装置1の構成を簡素化することができる。
また、本実施の形態では、アーム部材16をディスクプレート7、8の中心軸に対して点対称に配置しているため、アーム部材16がディスクプレート7、8の中心軸を挟んでカム部材6を挟持することができる。
このため、カム部材6がアーム部材16を介してコイルスプリング4を付勢したときに、コイルスプリング4の反力によってアーム部材16がディスクプレート7、8の中心軸を挟んでカム部材6を強い押圧力で挟持することができる。このため、ディスクプレート7、8からボス5に回転トルクを確実に伝達することができる。
一方、アーム部材16は、揺動軸9を中心に揺動するようにディスクプレート7、8に設けられているため、コイルスプリング4の圧縮によってアーム部材16がカム部材6のカム面6aに押し付けられたときに、コロ19cとカム面6aと滑りによって揺動軸9を中心にしてアーム部材16の軸線方向に回転モーメントが発生してしまう。
本実施の形態では、アーム部材16の突出片16A、16Bにオーバーラップ部16a、16bを設け、オーバーラップ部16a、16bとカム部材6とをディスクプレート7、8の半径方向にオーバーラップさせている。
また、アーム部材16の突出片16C、16Dにオーバーラップ部16c、16dを設け、オーバーラップ部16c、16dとスプリングシート15とをディスクプレート7、8の半径方向にオーバーラップさせている。
このため、揺動軸9を中心にしてアーム部材16の軸線方向の一方に回転モーメントが発生した場合に、アーム部材16の一端部のオーバーラップ部16aをカム部材6に当接させることができるとともに(図14参照)、アーム部材16の他端部のオーバーラップ部16dをスプリングシート15に当接させることができる(図15参照)。
また、揺動軸9を中心にしてアーム部材16の軸線方向の他方に回転モーメントが発生した場合に、アーム部材16の一端部のオーバーラップ部16bをカム部材に当接させることができるとともに(図16参照)、アーム部材16の他端部のオーバーラップ部16cをスプリングシート15に当接させることができる(図17参照)。
このため、アーム部材16が揺動軸9の軸線方向の一方または他方のいずれの方向に傾くのを防止することができる。この結果、揺動軸9や揺動軸9に支持されるアーム部材16の部位に過大な負荷が加わるのを防止することができ、揺動軸9やアーム部材16の耐久性が悪化してしまうのを防止することができる。
このため、揺動軸9やアーム部材16を補強するのを不要にでき、揺動軸9やアーム部材16が大型化するのを防止することができる。したがって、捩り振動減衰装置1を小型化することができる。
なお、本実施の形態では、アーム部材16の一端部に二股形状の突出片16A、16Bを形成し、この突出片16A、16Bの間にコロ部材19を回転自在に設けているとともに、アーム部材16の一端部に二股形状の突出片16C、16Dを形成し、この突出片16C、16Dの間にコロ部材21を回転自在に設けている構成となっている。
これに代えて、アーム部材16を一対の板から構成し、一対の板の一端部をピン18によって連結し、板の一端部の間にピン18を介してコロ部材19を回転自在に設けるとともに、一対の板の他端部をピン20によって連結し、板の他端部の間にピン20を介してコロ部材21を回転自在に設けるようにしてもよい。
この場合には、板の一端部および他端部をカム部材6およびスプリングシート15に対してディスクプレート7、8の半径方向にオーバーラップさせればよい。
また、本実施の形態では、捩り振動減衰装置1を車両の内燃機関と変速機を有する駆動伝達系との間に介装するようにしているが、これに限らず、車両等の駆動伝達系に設けられる捩り振動減衰装置であれば何でもよい。
例えば、ハイブリッド車両にあっては、内燃機関の出力軸と、電動機と車輪側出力軸とに動力を分割する動力分割機構との間に介装されるハイブリッドダンパ等の捩り振動減衰装置に適用してもよい。
また、トルクコンバータのロックアップクラッチ装置と変速歯車組の間に介装されるロックアップダンパ等の捩り振動減衰装置に適用してもよい。また、ディファレンシャルケースとディファレンシャルケースの外周部に設けられたリングギヤとの間に捩り振動減衰装置を設けてもよい。
また、本実施の形態では、カム部材6のカム面6aが楕円形状を有しているが、ディスクプレート7、8とボス5との捩れ角の変化に伴って曲率の変化するカム面であれば、楕円形状に限定されるものではない。
以上のように、本発明に係る捩り振動減衰装置は、トルク伝達部材が傾くのを防止して揺動支点部や揺動支点部に支持されるトルク伝達部材の部位に過大な負荷が加わるのを防止することができ、揺動支点部やトルク伝達部材の耐久性が悪化してしまうのを防止することができるという効果を有し、車両の内燃機関と駆動伝達系との間に介装され、第1の回転部材と第2の回転部材との間で回転トルクが伝達されるように第1の回転部材と第2の回転部材とを弾性部材を介して相対回転自在に連結した捩り振動減衰装置等として有用である。
1 捩り振動減衰装置
2 第1の回転部材
3 第2の回転部材
4 コイルスプリング(弾性部材)
5 ボス
6 カム部材
6a カム面
7、8 ディスクプレート
9 揺動軸(揺動支点部)
14 台座(支持部)
15 スプリングシート(支持部材)
16 アーム部材(トルク伝達部材)
16A、16B、16C、16D 突出片(板状部)
18、20 ピン(軸部材)
19 コロ部材(転動体)
21 コロ部材(転動部材)
22 ヒステリシス機構

Claims (8)

  1. 第1の回転部材と、
    前記第1の回転部材と同一軸線上に設けられ、前記第1の回転部材に対して相対回転自在な第2の回転部材と、
    前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間に設けられ、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とが相対回転したときに弾性変形することにより、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間で回転トルクを伝達する弾性部材と、
    前記第1の回転部材と一体回転するように前記第1の回転部材に設けられ、前記第1の回転部材および前記第2の回転部材の捩れ角の変化に伴って曲率の変化するカム面を有するカム部材と、
    一端部が前記カム部材の前記カム面に接触するとともに他端部が前記弾性部材の延在方向一端部に当接し、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とが相対回転したときに、前記第2の回転部材に設けられた揺動支点部を中心に揺動して前記弾性部材を弾性変形させることにより、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間で回転トルクを伝達するトルク伝達部材と、
    前記トルク伝達部材の一端部に回転自在に設けられ、前記カム部材の前記カム面に接触する転動体とを備え、前記トルク伝達部材の一端部と前記カム部材とを前記第1の回転部材および第2の回転部材の半径方向にオーバーラップさせたことを特徴とする捩り振動減衰装置。
  2. 前記弾性部材の延在方向一端部に設けられ、前記弾性部材を支持する支持部材と、前記トルク伝達部材の他端部に回転自在に設けられ、前記支持部材に接触する転動部材とを備え、前記トルク伝達部材の他端部と前記支持部材とを前記第1の回転部材および前記第2の回転部材の半径方向にオーバーラップさせたことを特徴とする請求項1に記載の捩り振動減衰装置。
  3. 少なくとも前記トルク伝達部材の一端部が、前記転動体を回転自在に支持する軸部材を介して連結される一対の板状部から構成され、前記一対の板状部が前記カム部材を軸線方向に挟むようにして前記カム部材とオーバーラップされることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の捩り振動減衰装置。
  4. 少なくとも前記トルク伝達部材の他端部が、前記転動部材を回転自在に支持する軸部材を介して連結される一対の板状部から構成され、前記一対の板状部が前記支持部材を軸線方向に挟むようにして前記支持部材とオーバーラップされることを特徴とする請求項2に記載の捩り振動減衰装置。
  5. 前記カム部材のカム面の曲率が、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材の捩れ角が最小のときの前記カム部材の初期位置から前記捩れ角が大きくなるに従って大きくなることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1の請求項に記載の捩り振動減衰装置。
  6. 前記トルク伝達部材が、前記第1の回転部材および前記第2の回転部材の中心軸に対して点対称に配置されることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1の請求項に記載の捩り振動減衰装置。
  7. 前記第1の回転部材が、外周部に前記カム部材を有し、内周部に変速機の入力軸が連結されるボスを備え、
    前記第2の回転部材が、前記カム部材の軸線方向両側に配置され、軸線方向に所定間隔を隔てて互いに固定されるとともに、前記揺動支点部を構成する揺動軸を介して前記トルク伝達部材を揺動自在に支持する一対のディスクプレートを備え、
    前記一対のディスクプレートに前記弾性部材の延在方向他端部を支持する支持部が設けられることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1の請求項に記載の捩り振動減衰装置。
  8. 前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間に、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とを摩擦接触させるヒステリシス機構が介装されることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1の請求項に記載の捩り振動減衰装置。
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JPS57173620A (en) * 1981-04-20 1982-10-26 Daikin Mfg Co Ltd Clutch disc
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