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JP2012208169A - ハードコートフィルムと、それを用いた熱線遮断フィルム及び有機素子デバイス - Google Patents

ハードコートフィルムと、それを用いた熱線遮断フィルム及び有機素子デバイス Download PDF

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JP2012208169A JP2011071775A JP2011071775A JP2012208169A JP 2012208169 A JP2012208169 A JP 2012208169A JP 2011071775 A JP2011071775 A JP 2011071775A JP 2011071775 A JP2011071775 A JP 2011071775A JP 2012208169 A JP2012208169 A JP 2012208169A
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Abstract

【課題】屋内外の様々な環境下(例えば、高温、高湿、紫外線照射等)に長期間にわたり保存された際でも、優れた抗菌性、透明性、耐傷性を維持できるハードコートフィルムとそれを用いた熱線遮断フィルム及び有機素子デバイスを提供する。
【解決手段】プラスチック基材上の少なくとも一方の面に、多官能ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートモノマー成分と抗菌性モノマー成分とを有するポリマーを含有するハードコート層を設けたことを特徴とするハードコートフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗菌性、透明性及び耐傷性に優れたハードコートフィルムと、それを用いた熱線遮断フィルム及び有機素子デバイスに関するものである。
近年、省エネルギー対策に対する関心の高まりから、冷房設備にかかる負荷を減らす観点から、建物や車両の窓ガラスに装着させて、太陽光の熱線の室内への透過を遮断する熱線遮断フィルムの要望が高まってきている。また、同様に、省エネルギーの観点から、自然エネルギーから直接電力を発電できる太陽電池システムや、省電力で効率良く高輝度に発光する有機エレクトロルミネッセンスのディスプレイや照明など、フィルムを用いたフレキシブルタイプの有機素子デバイスが、提案及び実用化されている。
熱線遮断フィルムは勿論のこと、フレキシブル型の有機素子デバイスも屋内外問わずに、従来使用されていなかったガラス窓、壁、ドア等にも設置できる様になり、その結果、直接人が触れる機会も多くなり、抗菌性等の衛生面で安全性を確保することが望まれている。
従来の抗菌剤において、無機系抗菌剤としては、銀や酸化モリブデン等を含有する粒子が知られており、有機系抗菌剤としては、アミノ酸含有化合物や窒素を含有した硫黄化合物等が知られている。これらの化合物は樹脂に練り込む方法、樹脂と混合した塗布液をコーティングする方法により、対象物に抗菌性を付与していた。しかしながら、無機系抗菌剤は、コーティング膜の透明性や強度を損ない、視認性や耐傷性が十分でないという欠点を抱えていた。一方、有機系抗菌剤は、溶解性に乏しく、高温、高湿でコーティング表面にブリードアウトしたり、紫外線等の光照射により分解して、視認性が悪くなったり、その結果、抗菌性を失活する等の問題があった。
上記課題を踏まえ、無機粒子の粒径を10〜500nmにすることで透明性の改善を図る方法や、滑り剤や防汚剤等を併用して耐傷性を改善する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。しかしながら、上記提案される方法は、いずれも耐久性の点では十分でなく、屋内外の様々な環境下(例えば、高温、高湿、紫外線照射等)で使用される場合、十分な抗菌性や耐傷性が発揮できておらず、透明性の劣化等を引き起こすため、熱線遮断フィルムや有機素子デバイスの効率や寿命が低下するという課題を抱えているのが現状である。
特開平9−316369号公報 特開2009−216750号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、屋内外の様々な環境下(例えば、高温、高湿、紫外線照射等)に長期間にわたり保存された際でも、優れた抗菌性、透明性、耐傷性を維持できるハードコートフィルムとそれを用いた熱線遮断フィルム及び有機素子デバイスを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.プラスチック基材上の少なくとも一方の面に、多官能ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートモノマー成分と抗菌性モノマー成分とを有するポリマーを含有するハードコート層を設けたことを特徴とするハードコートフィルム。
2.前記ハードコート層が、紫外線を照射して硬化させたことを特徴とする前記1に記載のハードコートフィルム。
3.前記抗菌性モノマー成分が、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩及び4級スルホニウム塩から選ばれる少なくとも1つの塩を有することを特徴とする前記1または2に記載のハードコートフィルム。
4.前記抗菌性モノマー成分が、ピリジウム塩及びピペリジウム塩から選ばれる少なくとも1つの塩を有することを特徴とする前記1または2に記載のハードコートフィルム。
5.前記ハードコート層の表面粗さRaが1nm以上、50nm以下であり、かつ125μm当たりの20nm以上の突起物数が、10個以上、10000個以下であることを特徴とする前記1から4のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
6.前記1から5のいずれか1項に記載のハードコートフィルムを有することを特徴とする熱線遮断フィルム。
7.前記1から5のいずれか1項に記載のハードコートフィルムを有することを特徴とする有機素子デバイス。
本発明により、屋内外の様々な環境下(例えば、高温、高湿、紫外線照射等)に長期間にわたり保存された際でも、優れた抗菌性、透明性、耐傷性を維持できるハードコートフィルムとそれを用いた熱線遮断フィルム及び有機素子デバイスを提供することができた。
バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子からなる太陽電池を示す断面図である。 タンデム型のバルクヘテロジャンクション層を備える有機光電変換素子からなる太陽電池を示す断面図である。 タンデム型のバルクヘテロジャンクション層を備える有機光電変換素子からなる太陽電池を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、プラスチック基材上の少なくとも一方の面に、多官能ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートモノマー成分と抗菌性モノマー成分とを有するポリマーを含有するハードコート層を設けたことを特徴とするハードコートフィルムにより、屋内外の様々な環境下(例えば、高温、高湿、紫外線照射等)に長期間にわたり保存された際でも、優れた抗菌性、透明性、耐傷性を維持できるハードコートフィルムを実現することができることを見出し、本発明を完成するに至った次第である。
すなわち、本発明で規定する構成においては、特定の光重合性モノマーと抗菌性モノマーを反応させることにより、透明性、抗菌性、耐傷性が付与され、硬化反応によりコーティング膜中に抗菌成分が留まるため、種々の環境下(熱、湿度、紫外線等)でのブリードアウトや光分解等による性能の劣化が抑制され、十分な耐久性が得られることができると推定している。またフィルム表面を微細な凹凸形状を形成することにより、汚れ等が抗菌成分により効率良く分解され、耐久性の点で有効であると推定される。
以下、本発明のハードコートフィルムの詳細について説明する。
《ハードコートフィルム》
本発明のハードコートフィルムは、プラスチック基材上の少なくとも一方の面に、多官能ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートモノマー成分と抗菌性モノマー成分とを有するポリマーを含有するハードコート層を有することを特徴とする。
〔プラスチック基材〕
本発明に係るプラスチック基材(以下、支持体ともいう)としては、透明のプラスチック樹脂を主成分として形成されたものであれば、特に限定されるものではない。
本発明に適用可能なプラスチック基材としては、例えば、メタクリル酸エステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート、ポリスチレン(PS)、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド等の各樹脂フィルム、更には前記樹脂を2層以上積層して構成される積層樹脂フィルム等を挙げることができる。コストや入手の容易性の点からは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)などが好ましく用いられる。
プラスチック基材の厚さは、5〜200μm程度が好ましく、更に好ましくは15〜150μmである。
また、本発明に係るプラスチック基材は、JIS R3106−1998で示される可視光領域の透過率としては85%以上であることが好ましく、特に90%以上であることが好ましい。プラスチック基材が上記透過率以上であることにより、熱線遮断フィルムや有機素子デバイスに適用したときに、JIS R3106−1998に準拠した可視光領域の透過率が70%以上にすることに有利であり、好ましい。
また、上記樹脂等を用いたプラスチック基材は、未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。強度向上、熱膨張抑制の点から延伸フィルムが好ましい。
本発明に用いられるプラスチック基材は、従来公知の一般的な方法により製造することが可能である。例えば、材料となる樹脂を押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸のプラスチック基材を製造することができる。また、未延伸のプラスチック基材を一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸などの公知の方法により、プラスチック基材の流れ(縦軸)方向、又は支持体の流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸支持体を製造することができる。この場合の延伸倍率は、プラスチック基材の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向及び横軸方向にそれぞれ2〜10倍が好ましい。
また、本発明に用いられるプラスチック基材は、寸法安定性の点で弛緩処理、オフライン熱処理を行ってもよい。弛緩処理は、例えば、ポリエステルフィルムの延伸製膜工程中の熱固定した後、横延伸のテンター内、又はテンターを出た後の巻き取りまでの工程で行われるのが好ましい。弛緩処理は処理温度が80〜200℃で行われることが好ましく、より好ましくは処理温度が100〜180℃である。また長手方向、幅手方向ともに、弛緩率が0.1〜10%の範囲で行われることが好ましく、より好ましくは弛緩率が2〜6%で処理されることである。弛緩処理されたプラスチック基材は、下記のオフライン熱処理を施すことにより耐熱性が向上し、さらに、寸法安定性が良好になる。
本発明に係るプラスチック基材は、製膜過程で片面、あるいは両面にインラインで下引層塗布液を塗布することが好ましい。本発明において、製膜工程中での下引層塗布液の塗布をインライン下引という。本発明に有用な下引層塗布液に使用する樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレンイミンビニリデン樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、変性ポリビニルアルコール樹脂及びゼラチン等を挙げることができ、何れも好ましく用いることができる。これらの下引層には、従来公知の添加剤を加えることもできる。そして、上記の下引層は、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレーコート等の公知の塗布方法によりコーティングすることができる。上記の下引層の塗布量としては、0.01〜2g/m(乾燥状態)程度が好ましい。
〔ハードコート層〕
本発明に係るハードコート層は、多官能ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートモノマー成分と抗菌性モノマー成分とを有するポリマーにより構成されていることを特徴とする。上記2種のモノマーを組み合わせることにより、耐久性が良好で、抗菌性、透明性、耐傷性に優れたハードコートフィルムを形成することができる。
本発明で規定する上記2種のモノマー成分の組み合わせによる機能発現の機構は不明であるが、抗菌性モノマーの塩成分や極性基成分と、ペンタエリスリトールの水酸基またはエーテル基の相溶性が良く、膜中に均一に混合して硬化することにより、高温、高湿、紫外線照射等の環境においても、ブリードアウトしにくく、かつ分解しにくいため、耐久性に優れたハードコート層を形成できたものと推測している。
(多官能ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートモノマー)
本発明に係る多官能ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートモノマー成分は、ペンタエリスリトール骨格を有し、かつ(メタ)アクリレート成分が2官能基以上有しているものであれば、特に限定されるものではない。なお、本発明においては、(メタ)アクリレートは、メタクリレートまたはアクリレートを意味する。
本発明に係る多官能ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートモノマー成分としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、上記モノマーに、更にプロピオン酸、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、カプロラクトン等を変性したものも使用できる。これらの多官能ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート類は、単独で用いてもまたは2種以上混合して用いてもよい。
上記多官能ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートモノマーの中で、耐久性の点で官能基数の多く、抗菌性モノマーと多く反応できる点で、ジペンタエリスリトール系のものが好ましい。
多官能ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートモノマーの使用量は、抗菌性モノマーの量にもよるが、ハードコート層形成用組成物の全固形分量を100質量部とした時、3〜90質量部であることが好ましく、さらに好ましくは5〜70質量部、特に好ましくは10〜50質量部である。多官能ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートの量が3質量部以上であれば、所望の膜硬度を得ることができると共に、十分な耐擦傷性や、抗菌性モノマーのブリードアウトや分解を防止することができる。また、90質量部以下であれば、柔軟性を有する膜を形成することができ、クラック等の発生を防止することができる。
(抗菌性モノマー)
本発明に係る抗菌性モノマー成分は、抗菌性を有する置換基を有し、かつ分子内に重合性基を有しているものであれば、特に限定されるものではない。なお、本発明における抗菌性とは、接触する細菌に対し作用を及ぼし、細菌を死滅または不活性にするものである。
抗菌性モノマー成分における抗菌性を有する置換基としては、例えば、1〜3級アミノ基、1〜4級アンモニウム塩基、1〜4級ホスホニウム塩基、1〜4級スルホニウム塩基、ビグアニジン基、抗菌性ペプチド、フェノールラジカル、ポリフェノールラジカル等が挙げられる。上記の中でも、抗菌性の観点で好ましい置換基は、4級アンモニウム塩基、4級ホスホニウム塩基、および4級スルホニウム塩基である。更に好ましくは、本発明に係る上記多官能ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートモノマーとの相溶性の点で、4級アンモニウム塩基のピリジウム塩基、ピペリジウム塩基が好ましい。
一方、分子内に有する重合性基としては、ラジカル重合可能な基であれば限定ないが、多官能ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートモノマーとの反応性の点で、(メタ)アクリレート基が好ましい。分子内に有する重合性基は、単官能でも多官能でも良い。耐久性より強い抗菌性が求められる場合には、より多くの抗菌性基を配置できる単官能タイプを選択し、抗菌性よりより高い耐久性が要求される場合には、架橋密度を高めることができる多官能タイプを選択することが好ましい。
本発明に係る抗菌性モノマーとしては、特に、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2012208169
上記一般式(1)において、Rは、水素原子またはメチル基を表す。Aは存在しないか、−COO−、−CONH−、または−OCO−を表し、Bは存在しないか、−(CH−、−O−(CH−、−S−(CH−、−(OCH−、または−(C)−を表し、A及びBが組み合わされた構成であっても良い。mは、0〜6の整数を表し、pは、1〜3の整数を表す。
Xは抗菌性基を表し、Yで表されるカチオン性基とZで表されるアニオン性基から構成される。Zは、Cl、Br、BF 、PF 、SbF 、NO 、CFSO 、(CFSO、ArSO 、CFCO 、及びCHCO から選択される少なくとも1種を表す。
は、下記a)〜g)から選択される少なくとも1種を表す。
Figure 2012208169
上記式中、R11は、−(D)−Wで表され、Dは存在しないか、−(CH−、−O−(CH−、−S−(CH−、−(OCH−、または−(C)−を表し、Wは、−H、−CH、または−(C)を表す。nは、0〜6の整数を表す。
以下に、一般式(1)で表される抗菌性モノマーの例示化合物の一例を示すが、本発明ではこれら例示する化合物にのみ限定されるものではない。
Figure 2012208169
Figure 2012208169
Figure 2012208169
Figure 2012208169
抗菌性モノマーの含有量は、ハードコート層形成用組成物の全固形分量を100質量部とした時、1〜70質量部、好ましくは3〜50質量部、更に好ましくは5〜35質量部である。抗菌性モノマー量が1質量部以上であれば、抗菌性効果を発現させることができる。また、70質量部以下であれば、十分な膜強度を備え、耐傷性あるいは透明性に優れた膜を形成することができる。
本発明に係るハードコート層形成用組成物における多官能ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートモノマー(A)と抗菌性モノマー(B)の比率としては、ハードコート層の膜厚にもよるが、A/B=1/1〜50/1の比率が好ましく、A/B=2/1〜20/1がより好ましい。A/Bが1/1以上(抗菌性モノマーの比率が高い)であれば、多官能ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートモノマーの抗菌性モノマーの相溶性における十分な保持能力が得られ、抗菌性モノマーのブリードアウトを抑制することができる。一方、A/Bが50/1以下(多官能ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートモノマーの比率が高い)であれば、抗菌性モノマーが多官能ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートモノマーに埋もれることなく、十分な抗菌性を発現させることができる。
本発明に係る抗菌性モノマーの製造方法としては、公知の方法で合成できる。例えば、下記反応式に示すように、末端に臭素または塩素のようなハロゲン原子を有するアクリレートまたはメタクリレート成分を、抗菌性基と反応させて製造することができる。下記反応式においては、Zは、塩素原子または臭素原子であり、下記反応式に示す反応の後続反応によって、Zで置き換えることができる。なお、下記反応式において、Yはカチオン性基で、前記一般式(1)におけるYと同義である。
Figure 2012208169
本発明においては、抗菌性モノマーの他に、必要に応じて、公知の無機系抗菌剤または有機系抗菌剤を併用することができる。
(ハードコート層の各種添加剤)
本発明に係るハードコート層には、上記説明した多官能ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートモノマー及び抗菌性モノマーの他に、必要に応じ、各種添加剤を用いることができる。
〈他の硬化性樹脂(モノマー)や熱可塑性樹脂〉
本発明に係るハードコート層においては、本発明の効果を損ねない範囲で、本発明に係る多官能ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートモノマー及び抗菌性モノマーの他に、各種硬化性樹脂(モノマー)や熱可塑性樹脂を用いることができる。
本発明に適用可能な硬化性樹脂としては、硬化によって透明な樹脂組成物を形成するものであれば、特に制限なく使用でき、例えば、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル系樹脂、アリルエステル系樹脂等が挙げられる。特に好ましくは、硬度、平滑性、透明性の観点からアクリル系樹脂を用いることができる。
アクリル系樹脂組成物としては、ラジカル反応性不飽和化合物を有するアクリレート化合物、アクリレート化合物とチオール基を有するメルカプト化合物、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、グリセロールメタクリレート等の単官能及び多官能アクリレートモノマーを溶解させたもの等が挙げられる。具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ビスフェノールA−エチレンオキシド変性ジアクリレート等のなどが挙げられる。上記のような樹脂組成物においては、任意の混合物を使用することも可能であり、光重合性不飽和結合を分子内に1個以上有する反応性のモノマーを含有しているものであれば特に制限はない。
アクリル系樹脂としては、硬度、平滑性、透明性の観点から、国際公開2008/035669号明細書に記載されているような、表面に光重合反応性を有する感光性基が導入された反応性シリカ粒子(以下、単に「反応性シリカ粒子」ともいう)を含むこともできる。ここで、光重合性を有する感光性基としては、(メタ)アクリロイルオキシ基に代表される重合性不飽和基などを挙げることができる。また、感光性樹脂は、この反応性シリカ粒子の表面に導入された光重合反応性を有する感光性基と光重合反応可能な化合物、例えば、重合性不飽和基を有する不飽和有機化合物を含むものであってもよい。また、重合性不飽和基修飾加水分解性シランが、加水分解性シリル基の加水分解反応によって、シリカ粒子との間に、シリルオキシ基を生成して化学的に結合しているようなものを、反応性シリカ粒子として用いることができる。ここで、反応性シリカ粒子の平均粒子径としては、0.001〜0.1μmであることが好ましい。平均粒子径をこのような範囲にすることにより、透明性、平滑性、硬度をバランスよく満たすことができる。
また、アクリル系樹脂としては、屈折率を調整するできる点で、含フッ素ビニルモノマーを用いることもできる。含フッ素ビニルモノマーとしては、フルオロオレフィン類(例えば、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等)、(メタ)アクリル酸の部分又は完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えば、ビスコート6FM(商品名、大阪有機化学製)やR−2020(商品名、ダイキン製)等)、完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂等を挙げることができる。
光重合開始剤としては、公知のものを使用することができ、1種又は2種以上の組み合わせで使用することができる。
〈赤外線吸収剤〉
本発明のハードコートフィルムを熱線遮断フィルムや有機素子デバイスに適用する際には、本発明に係るハードコート層に赤外線吸収剤を添加することが好ましい。赤外線吸収剤を添加することにより、熱線遮断性が向上させることで熱線遮断性フィルムの価値を高めることができるとともに、有機素子デバイスに用いた時にも、有機素子デバイスに対する熱の影響を抑制することができる。
本発明に適用可能な赤外線吸収剤としては、公知のものを使用でき、例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、酸化タングステン系化合物、ジイモニウム系化合物、アルミニウム系化合物、フタロシアニン系化合物、有機金属錯体、シアニン系化合物、アゾ化合物、ポリメチン系化合物、キノン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、トリフェニルメタン系化合物等が挙げられる。上記の中でも、透明性、赤外線吸収性、樹脂中への分散適性等の点から、ITOまたはATOを用いることが好ましい。
ITO及びATOの平均粒径としては、5〜100nmが好ましく、特に10〜50nmが好ましい。平均粒径が5nm以上であれば、樹脂中の安定した分散性や、赤外線吸収性を得ることができる。一方、100nm以下であれば、可視光線透過率の低下を防止することができる。
本発明における平均粒径の測定は、透過型電子顕微鏡により撮像し、無作為に、例えば50個のITO又はATO粒子を抽出して該粒径を測定し、これを平均したものである。また、粒子の形状が球形でない場合には、長径を測定して算出したものと定義する。
上記ITO、ATO粒子のハードコート層における含有量は、全固形分量を100質量%としたとき1.0〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜50質量%の範囲である。赤外線吸収剤の含有量が1.0質量%以上であれば、十分な赤外線吸収効果が発現し、80質量%以下であれば、十分な量の可視光線を透過できる。
〈紫外線吸収剤(UV吸収剤)〉
本発明のハードコートフィルムを熱線遮断フィルムや有機素子デバイスに適用する際には、本発明に係るハードコート層がUV吸収剤を含有していることが好ましい。本発明に係るハードコート層にUV吸収剤を添加することにより、熱線遮断性フィルムや有機素子デバイスを用いた際に、熱線遮断フィルムのプラスチック基材や有機素子デバイスへの紫外線による影響、例えば、光分解、黄変、デバイス性能への影響等を抑制することができる。
本発明に適用可能なUV吸収剤としては、公知のものを使用でき、例えば、無機系粒子としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムや、二酸化チタン微粒子を酸化鉄で複合化処理したハイブリッド無機粉体、酸化セリウム微粒子の表面を非結晶性シリカでコーティングしたハイブリッド無機粉体などが挙げられる。一方、有機系のUV吸収剤としては、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系等の各UV吸収剤が挙げられる。上記の中で透明性、UV吸収性、樹脂中への分散適性等の点から、無機系粒子が好ましい。特に好ましくは、酸化チタンと酸化亜鉛である。これらの無機系粒子の粒径は、透明性、平滑性の観点から、0.1μm以下が好ましい。
UV吸収剤は、光安定剤と併用することで耐候性が向上するので、有用である。併用可能な光安定化剤としては、ヒンダードアミン系のような素材が挙げられる。
ハードコート層におけるUV吸収剤の含有量としては特に制限はないが、透明性、平滑性の点から、ハードコート層全固形分の0.1〜50質量%、好ましくは1〜20質量%の範囲である。
〈その他の添加剤〉
本発明に係るハードコート層には、上記説明した各化合物の他に、必要に応じて、酸化防止剤、可塑剤、マット剤、重合禁止剤、蛍光剤、着色剤、活性剤、防汚剤等の添加剤を加えることができる。また樹脂を溶媒に溶解又は分散させた塗布液を用いてハードコート層を形成する際に使用する溶媒としては、公知のものを使用することができる。
〈ハードコート層の形成方法〉
本発明に係るハードコート層の形成方法は特に制限はないが、スピンコーティング法、スプレー法、ブレードコーティング法、ディップ法等のウエットコーティング法、あるいは、蒸着法等のドライコーティング法により形成することが好ましい。
本発明に係るハードコート層を硬化する方法としては、熱硬化性樹脂を使用している場合には加熱処理、あるいは活性光線硬化型樹脂を使用している場合には紫外線や電子線を照射する方法があるが、本発明では紫外線を照射する方法が好ましい。紫外線は短時間で硬化反応が進めることができるので、反応における抗菌性モノマーのブリードアウトや反応不足等を抑制することができる点で好ましい。
形成したハードコート層に紫外線照射する方法としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプなどから発せられる100〜400nm、好ましくは200〜400nmの波長領域の紫外線を照射する、公知の方法で行うことができる。
(表面粗さ)
本発明に係るハードコート層においては、表面粗さRa(算術平均表面粗さRa)が1nm以上、50nm以下であることが好ましく、Raが3nm以上、40nm以下であることがより好ましく、特に好ましくは5nm以上、30nm以下である。また、125μm当たりの20nm以上の突起物数が、10個以上、10000個以下であることが好ましく、30個以上、5000個以下であることがより好ましく、特に好ましくは100個以上、3000個以下である。
表面粗さRa及び20nm以上の突起物数を上記で規定する範囲にすることにより、表面積が大きくなり、抗菌効率が高まり、抗菌性の耐久性を向上することができる観点から好ましい。すなわち、表面粗さRaや20nm以上の突起物数が上記で規定する下限範囲以上であれば、ハードコート層表面における粗さが十分となり、抗菌性の維持性を得ることができる。一方、上記で規定する上限範囲以下であれば、表面の粗さが過度に大きくなることがなく、その結果、十分な透明性を得ることができ、熱線遮断フィルムや有機素子デバイスに用いたとき、可視光透過率が低下することがなく、良好な外観を得ることができる。
本発明に係るハードコート層の表面粗さや20nm以上の突起物数を本発明で規定する範囲にする手段としては、特に制限はないが、例えば、ハードコート層の形成に用いるモノマー組成、添加剤組成、特に有機溶剤や界面活性剤の種類や添加量、マット剤等のフィラー添加、そしてハードコート層を形成した後の乾燥条件、UV照射条件等によって制御することができる。
本発明に係るハードコート層の表面粗さ(Ra)及び20nm以上の突起物数は、下記に記載する方法・条件に従って、原子間力顕微鏡により得られる画像に基づいて測定することができ、以下に具体的な測定方法の一例を示す。
はじめに、測定対象のハードコート層を有する試料を1.0cm角の大きさに断裁した後、ピエゾスキャナー上の水平な試料台にセットし、カンチレバーを試料表面にアプローチし、原子間力が働く領域に達したところで、XY方向にスキャンし、その際、試料の凹凸をZ方向のピエゾの変位でとらえる。
原子間力顕微鏡で得られた凹凸画像について、凹部及び/又は凸部が連なる方向に対して直角方向に任意に2本の直線を引き、この直線上の部分について、輪郭曲線(断面曲線)をそれぞれ求める。
次に、これらの直線上における輪郭曲線(断面曲線)から、表面粗さを求める。場所を変えて20箇所測定して、その算術平均をRaとする。また、測定視野上に20nmでスライスラインを選択して、20nm以上の突起数を計測する。なお、上記方法による測定で用いる具体的な測定条件は、下記の通りである。
表面粗さ測定装置:Nanoscope IIIa AFM(Digital Instruments社製)
カンチレバー:シリコン単結晶
走査モード:タッピングモード
走査速度:0.5Hz
測定視野:125μm
Zレンジ:断面曲線から得られたRaの7〜15倍
フラッテンフィルター
モード :フラッテンオート
オーダー:3
《熱線遮断フィルム》
本発明の熱線遮断フィルムは、基材上の一方の面に本発明のハードコート層フィルムを設け、もう一方の面に屈折率が異なる層を二層以上交互に積層した構成からなる熱線反射ユニットを少なくとも二つ以上有することが好ましい。
なお、以下、屈折率が異なる層を2層以上交互に積層した構成において、相対的に屈折率が高い層を「高屈折率層」と称し、相対的に屈折率が低い層を「低屈折率層」と称することとする。
本発明の熱線遮断フィルムの反射タイプにおいては、高屈折率層と低屈折率層の屈折率の差は大きいほど、少ない層数で熱線(赤外)反射率を高くすることができる観点で好ましいが、本発明では、高屈折率層と低屈折率層から構成されるユニットの少なくとも二つ以上で、隣接する該高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が0.1以上であることが好ましい。特に好ましくは0.3以上であり、更に好ましくは0.4以上である。
ユニット数としては、高屈折率層と低屈折率層との屈折率差によるが、高屈折率層と低屈折率層を1ユニットとしたとき、好ましくは40ユニット以下、より好ましくは20ユニット以下であり、さらに好ましくは10ユニット以下である。
ちなみに、本発明において、高屈折率層、低屈折率層の屈折率は、下記の方法に従って求めることができる。
基材上に、屈折率を測定する対象の各屈折率層を単層で塗設したサンプルを作製し、このサンプルを10cm×10cmに断裁した後、下記の方法に従って屈折率を求める。
分光光度計として、U−4000型(日立製作所社製)を用いて、各サンプルの測定側の裏面を粗面化処理した後、黒色のスプレーで光吸収処理を行って裏面での光の反射を防止して、5度正反射の条件にて可視光領域(400〜700nm)の反射率を25点測定して平均値を求め、その測定結果より平均屈折率を求める。
本発明において、高屈折率層の好ましい屈折率としては1.80〜2.50であり、より好ましくは1.90〜2.20である。また、低屈折率層の好ましい屈折率としては1.10〜1.60であり、より好ましくは1.30〜1.50である。
本発明の熱線遮断フィルムにおいては、基材に隣接する層が、酸化珪素を含む低屈折率層で、最表層も酸化珪素を含む低屈折率層である層構成が好ましい。
本発明における高屈折層及び低屈折率層は、いずれも金属酸化物粒子と水溶性樹脂を含有することが好ましい態様である。
〔金属酸化物〕
本発明に係る金属酸化物としては、例えば、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、チタン酸鉛、鉛丹、黄鉛、亜鉛黄、酸化クロム、酸化第二鉄、鉄黒、酸化銅、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化ニオブ、酸化ユーロピウム、酸化ランタン、ジルコン、酸化スズを挙げることができる。
金属酸化物の含有量は、50質量%以上、95質量%以下が好ましく、60質量%以上、90質量%以下がより好ましい。金属酸化物の含有量を50質量%以上とすることにより、高屈折率層と低屈折率層の屈折率差を大きくすることが容易となり、金属酸化物の含有量を95質量%以下とすることにより、膜の柔軟性が得られ、熱線遮断フィルムを形成することの容易となる。
また、各屈折率層において、金属酸化物粒子(F)と各層を構成するバインダーである水溶性高分子(B)との質量比(F/B)としては、0.5〜20の範囲であることが好ましく、より好ましくは1.0〜10である。
本発明に係る高屈折率層で用いる金属酸化物としては、TiO、ZnO、ZrOが好ましく、高屈折率層を形成するための後述の金属酸化物粒子含有組成物の安定性の観点では、TiO(二酸化チタンゾル)がより好ましい。また、TiOの中でもルチル型が、触媒活性が低いために高屈折率層や隣接した層の耐候性が高くなり、さらに屈折率が高いことから好ましい。
本発明で用いることのできる二酸化チタンゾルの調製方法としては、例えば、特開昭63−17221号公報、特開平7−819号公報、特開平9−165218号公報、特開平11−43327号公報等参照にすることができる。
また、その他の二酸化チタンゾルの調製方法としては、例えば、特開昭63−17221号公報、特開平7−819号公報、特開平9−165218号公報、特開平11−43327号公報等参照にすることができる。
二酸化チタン微粒子の好ましい一次粒子径は、4〜50nmであり、より好ましくは4〜30nmである。
本発明に係る低屈折率層においては、金属酸化物粒子としては、二酸化ケイ素粒子を用いることが好ましく、酸性のコロイダルシリカゾルを用いることが特に好ましい。
本発明に係る二酸化ケイ素粒子は、その平均粒径が100nm以下であることが好ましい。一次粒子の状態で分散された二酸化ケイ素の平均粒径(塗設前の分散液状態での粒径)は、20nm以下のものが好ましく、より好ましくは10nm以下である。また、二次粒子の平均粒径としては、30nm以下であることが、ヘイズが少なく可視光透過性に優れる観点で好ましい。
本発明に係る酸化チタン粒子、あるいは二酸化ケイ素粒子の体積平均粒径とは、粒子そのものをレーザー回折散乱法、動的光散乱法、あるいは電子顕微鏡を用いて観察する方法や、屈折率層の断面や表面に現れた粒子像を電子顕微鏡で観察する方法により、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、それぞれd、d・・・d・・・dの粒径を持つ粒子がそれぞれn、n・・・n・・・n個存在する酸化チタン粒子や二酸化ケイ素粒子の集団において、粒子1個当りの体積をvとした場合に、体積平均粒径m={Σ(v・d)}/{Σ(v)}で表される体積で重み付けされた平均粒径である。
〔水溶性高分子〕
本発明においては、屈折率が異なる二層以上の層のうちの少なくとも一層が、金属酸化物粒子と共に、水溶性高分子を含有することが好ましい。
本発明で用いることができる水溶性高分子としては、特に、ビニル重合により得られるポリマー類、無機ポリマー、増粘多糖類及びゼラチンから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明に係る水溶性高分子でいう「水溶性」とは、水媒体に対し30質量%以上溶解する高分子化合物であり、好ましくは40質量%以上である。
本発明に係る高屈折層形成用塗布液及び低屈折率層形成用塗布液における水溶性高分子の濃度としては、0.3〜3.0質量%であることが好ましく、0.35〜2.0質量%の範囲であることがより好ましい。
〈ビニル重合により得られるポリマー類〉
本発明に適用可能な水溶性高分子としては、ビニル重合により得られるポリマー類が挙げられ、例えば、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、若しくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、若しくはスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレンアクリル酸樹脂、スチレン−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート−スチレンスルホン酸カリウム共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体及びそれらの塩が挙げられる。これらの中で、特に好ましい例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン類及びそれを含有する共重合体が挙げられる。
水溶性高分子の重量平均分子量は、1,000以上200,000以下が好ましい。更には、3,000以上40,000以下がより好ましい。
本発明で好ましく用いられるポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
〈無機ポリマー〉
無機ポリマーとしては、加水分解重縮合が可能な金属塩化合物を、所謂ゾル・ゲル法によって、加水分解重縮合することで形成される金属酸化物からなる無機ポリマーが挙げられるが、特に、以下に示すジルコニウム原子を含む化合物、またアルミニウム原子を含む化合物等を用いて、これを、加水分解重縮合することで形成される無機ポリマーが好ましい。
これらの無機ポリマーも、加水分解の過程で生じるOH基が、重縮合反応後にも残るため、ポリビニルアルコールと同様に、含有層自体に含水させる効果があり、該層の構成要素同士、構成層同士、また無機ポリマー同士、OHの水素結合のネットワークを形成するため柔軟性が向上すると考えられる。
これらの無機ポリマーの前駆体となるジルコニウム原子を含む化合物の具体例としては、二フッ化ジルコニウム、三フッ化ジルコニウム、四フッ化ジルコニウム、ヘキサフルオロジルコニウム酸塩(例えば、カリウム塩)、ヘプタフルオロジルコニウム酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩やアンモニウム塩)、オクタフルオロジルコニウム酸塩(例えば、リチウム塩)、フッ化酸化ジルコニウム、二塩化ジルコニウム、三塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウム、ヘキサクロロジルコニウム酸塩(例えば、ナトリウム塩やカリウム塩)、酸塩化ジルコニウム(塩化ジルコニル)、二臭化ジルコニウム、三臭化ジルコニウム、四臭化ジルコニウム、臭化酸化ジルコニウム、三ヨウ化ジルコニウム、四ヨウ化ジルコニウム、過酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、硫化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、p−トルエンスルホン酸ジルコニウム、硫酸ジルコニル、硫酸ジルコニルナトリウム、酸性硫酸ジルコニル三水和物、硫酸ジルコニウムカリウム、セレン酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硝酸ジルコニル、リン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニウム、酢酸ジルコニル、酢酸ジルコニルアンモニウム、乳酸ジルコニル、クエン酸ジルコニル、ステアリン酸ジルコニル、リン酸ジルコニル、シュウ酸ジルコニウム、ジルコニウムイソプロピレート、ジルコニウムブチレート、ジルコニウムアセチルアセトネート、アセチルアセトンジルコニウムブチレート、ステアリン酸ジルコニウムブチレート、ジルコニウムアセテート、ビス(アセチルアセトナト)ジクロロジルコニウム、トリス(アセチルアセトナト)クロロジルコニウム等が挙げられる。
本発明で用いることのできるアルミニウム原子を含む化合物の具体例としては、フッ化アルミニウム、ヘキサフルオロアルミン酸(例えば、カリウム塩)、塩化アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム(例えば、ポリ塩化アルミニウム)、テトラクロロアルミン酸塩(例えば、ナトリウム塩)、臭化アルミニウム、テトラブロモアルミン酸塩(例えば、カリウム塩)、ヨウ化アルミニウム、アルミン酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩)、塩素酸アルミニウム、過塩素酸アルミニウム、チオシアン酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム(ミョウバン)、硫酸アンモニウムアルミニウム(アンモニウムミョウバン)、硫酸ナトリウムアルミニウム、燐酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、燐酸水素アルミニウム、炭酸アルミニウム、ポリ硫酸珪酸アルミニウム、ギ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、蓚酸アルミニウム、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムブチレート、エチルアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセトネート)等を挙げることができる。
〈増粘多糖類〉
本発明で用いることのできる増粘多糖類としては、特に制限はなく、例えば、一般に知られている天然単純多糖類、天然複合多糖類、合成単純多糖類及び合成複合多糖類に挙げることができ、これら多糖類の詳細については、「生化学事典(第2版),東京化学同人出版」、「食品工業」第31巻(1988)21頁等を参照することができる。
本発明でいう増粘多糖類とは、糖類の重合体であり分子内に水素結合基を多数有するもので、温度により分子間の水素結合力の違いにより、低温時の粘度と高温時の粘度差が大きな特性を備えた多糖類であり、さらに金属酸化物微粒子を添加すると、低温時にその金属酸化物微粒子との水素結合によると思われる粘度上昇を起こすものであり、その粘度上昇幅は、添加することにより15℃における粘度が1.0mPa・s以上の上昇を生じる多糖類であり、好ましくは5.0mPa・s以上であり、更に好ましくは10.0mPa・s以上の粘度上昇能を備えた多糖類である。
本発明に適用可能な増粘多糖類としては、例えば、ガラクタン(例えば、アガロース、アガロペクチン等)、ガラクトマンノグリカン(例えば、ローカストビーンガム、グアラン等)、キシログルカン(例えば、タマリンドガム等)、グルコマンノグリカン(例えば、蒟蒻マンナン、木材由来グルコマンナン、キサンタンガム等)、ガラクトグルコマンノグリカン(例えば、針葉樹材由来グリカン)、アラビノガラクトグリカン(例えば、大豆由来グリカン、微生物由来グリカン等)、グルコラムノグリカン(例えば、ジェランガム等)、グリコサミノグリカン(例えば、ヒアルロン酸、ケラタン硫酸等)、アルギン酸及びアルギン酸塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、ファーセレラン等の紅藻類に由来する天然高分子多糖類等が挙げられ、塗布液中に共存する金属酸化微粒子の分散安定性を低下させない観点から、好ましくは、その構成単位がカルボン酸基やスルホン酸基を有しないものが好ましい。その様な多糖類としては、例えば、L−アラビトース、D−リボース、2−デオキシリボース、D−キシロースなどのペントース、D−グルコース、D−フルクトース、D−マンノース、D−ガラクトースなどのヘキソースのみからなる多糖類であることが好ましい。具体的には、主鎖がグルコースであり、側鎖もグルコースであるキシログルカンとして知られるタマリンドシードガムや、主鎖がマンノースで側鎖がグルコースであるガラクトマンナンとして知られるグアーガム、カチオン化グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、ローカストビーンガム、タラガムや、主鎖がガラクトースで側鎖がアラビノースであるアラビノガラクタンを好ましく使用することができる。本発明においては、特には、タマリンド、グアーガム、カチオン化グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガムが好ましい。
本発明においては、更には、二種類以上の増粘多糖類を併用することが好ましい。
〈ゼラチン〉
本発明に係る高屈折率層においては、水溶性高分子としてゼラチン類を用いることができる。
本発明に適用可能なゼラチンとしては、従来、ハロゲン化銀写真感光材料分野で広く用いられてきた各種ゼラチンを適用することができ、例えば、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチンの他に、ゼラチンの製造過程で酵素処理をする酵素処理ゼラチン及びゼラチン誘導体、すなわち分子中に官能基としてのアミノ基、イミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基を持ち、それと反応して得る基を持った試薬で処理し改質したものでもよい。ゼラチンの一般的製造法に関しては良く知られており、例えばT.H.James:The Theory of Photographic Process 4th. ed. 1977(Macmillan)55項、科学写真便覧(上)72〜75項(丸善)、写真工学の基礎−銀塩写真編119〜124(コロナ社)等の記載を参考にすることができる。また、リサーチ・ディスクロージャー誌第176巻、No.17643(1978年12月)のIX項に記載されているゼラチンを挙げることができる。
〈硬化剤〉
本発明においては、バインダーである水溶性高分子を硬化させるため、硬化剤を使用することが好ましい。
本発明に適用可能なる硬化剤としては、水溶性高分子と硬化反応を起こすものであれば特に制限はないが、水溶性高分子がポリビニルアルコールである場合には、ホウ酸及びその塩が好ましいが、その他にも公知のものが使用でき、一般的には水溶性高分子と反応し得る基を有する化合物あるいは水溶性高分子が有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、水溶性高分子の種類に応じて適宜選択して用いられる。硬化剤の具体例としては、例えば、エポキシ系硬化剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬化剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬化剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミニウム明礬等が挙げられる。
ホウ酸又はその塩とは、硼素原子を中心原子とする酸素酸及びその塩のことをいい、具体的には、オルトホウ酸、二ホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸及び八ホウ酸及びそれらの塩が挙げられる。
硬化剤としてのホウ素原子を有するホウ酸及びその塩は、単独の水溶液でも、また、2種以上を混合して使用しても良い。特に好ましいのはホウ酸とホウ砂の混合水溶液である。
ホウ酸とホウ砂の水溶液は、それぞれ比較的希薄水溶液でしか添加することが出来ないが両者を混合することで濃厚な水溶液にすることが出来、塗布液を濃縮化することができる。また、添加する水溶液のpHを比較的自由にコントロールすることができる利点がある。
上記硬化剤の総使用量は、上記水溶性高分子1g当たり1〜600mgが好ましい。
〔界面活性剤〕
本発明に係る熱線反射ユニットを構成する屈折率が異なる層を交互に二層以上積層したユニットにおいて、少なくとも一層が界面活性剤を添加しても良い。界面活性剤種としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤のいずれの種類も使用することができる。特に、アセチレングリコール系ノニオン性界面活性剤、4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤及びフッ素系カチオン性界面活性剤が好ましい。
具体的な界面活性剤としては、アセチレングリコール系ノニオン性界面活性剤としては、例えば、日信化学社製のオルフィンE1004、オレフィE1010等が挙げられ、フッ素系カチオン性界面活性剤としては、AGCセイミケミカル社製のサーフロンS221等を挙げることができる。
また、本発明において、界面活性剤の添加量としては、それぞれの塗布液を100質量%としたとき、固形分として0.005〜0.30質量%であることが好ましく、更には0.01〜0.10質量%であることが好ましい。
〔その他の添加剤〕
次いで、本発明に係る熱線反射ユニットを構成する屈折率が異なる各層に適用可能なその他の添加剤としては、アミノ酸、リチウム化合物、エマルジョン樹脂(油溶性のモノマーを、分散剤を含む水溶液中でエマルジョン状態に保ち、重合開始剤を用いて乳化重合させた樹脂微粒子)、更には下記各特許公報に記載された化合物を挙げることができる。例えば、特開昭57−74193号公報、同57−87988号公報及び同62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号公報、同57−87989号公報、同60−72785号公報、同61−146591号公報、特開平1−95091号公報及び同3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号公報、同59−52689号公報、同62−280069号公報、同61−242871号公報及び特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
〔熱線遮断フィルムの製造方法〕
本発明の熱線遮断フィルムの製造方法としては、種々の公知の製造方法を適用することができる。本発明においては、特に、本発明の熱線遮断フィルムを構成する層を、水系塗布液を用いて形成する工程を有する態様の製造方法であることが好ましい。すなわち、本発明の熱線遮断フィルムは、基材上に高屈折率層と低屈折率層から構成されユニットを積層して構成されるが、具体的には水系の高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液とを交互に湿式塗布、あるいは全ての構成層を同時重層塗布し、乾燥して積層体を形成することが好ましい。
塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、あるいは米国特許第2,761,419号、同第2,761,791号明細書に記載のホッパーを使用するスライドビード塗布方法、エクストルージョンコート法等が好ましく用いられる。
同時重層塗布を行う際の高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液の粘度としては、スライドビード塗布方式を用いる場合には、5〜100mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜50mPa・sの範囲である。また、カーテン塗布方式を用いる場合には、5〜1200mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは25〜500mPa・sの範囲である。
また、塗布液の15℃における粘度としては、100mPa・s以上が好ましく、100〜30,000mPa・sがより好ましく、さらに好ましくは3,000〜30,000mPa・sであり、最も好ましいのは10,000〜30,000mPa・sである。
塗布した後の乾燥方法としては、水系の高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液を30℃以上に加温して、塗布を行った後、形成した塗膜温度を1〜15℃に一旦冷却し、10℃以上で乾燥することが好ましく、より好ましくは、乾燥条件として、湿球温度5〜50℃、膜面温度10〜50℃の範囲の条件で行うことである。また、塗布直後の冷却方式としては、形成された塗膜均一性の観点から、水平セット方式で行うことが好ましい。
〔熱線遮断フィルムの応用〕
本発明の熱線遮断フィルムは、幅広い分野に応用することができる。例えば、建物の屋外の窓や自動車の窓等、長期間太陽光に晒らされる設備に貼り合せ、熱線反射効果を付与する熱線反射フィルム等の窓貼用フィルム、農業用ビニールハウス用フィルム等として、主として耐候性を高める目的で用いられる。
特に、本発明に係る熱線遮断フィルムが、直接もしくは接着剤を介してガラスもしくはガラス代替樹脂基材に貼合されている部材には好適である。
接着剤は、窓ガラスなどに貼り合わせたとき、熱線遮断フィルムが日光(熱線)入射面側にあるように設置する。また熱線遮断フィルムを窓ガラスと基材との間に挟持すると、水分等周囲ガスから封止でき耐久性に好ましい。本発明の熱線遮断フィルムを屋外や車の外側(外貼り用)に設置しても、環境耐久性があって好ましい。
本発明に適用可能な接着剤としては、光硬化性もしくは熱硬化性の樹脂を主成分とする接着剤を用いることができる。
接着剤は紫外線に対して耐久性を有するものが好ましく、例えば、アクリル系粘着剤又はシリコン系粘着剤が好ましい。更に粘着特性やコストの観点から、アクリル系粘着剤が好ましい。特に剥離強さの制御が容易なことから、アクリル系粘着剤において、溶剤系及びエマルジョン系の中で溶剤系が好ましい。アクリル溶剤系粘着剤として溶液重合ポリマーを使用する場合、そのモノマーとしては公知のものを使用できる。
また、合わせガラスの中間層として用いられるポリビニルブチラール系樹脂、あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂を用いてもよい。具体的には可塑性ポリビニルブチラール(積水化学工業社製、三菱モンサント社製等)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(デュポン社製、武田薬品工業社製、デュラミン)、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体(東ソー社製、メルセンG)等である。なお、接着層には紫外線吸収剤、抗酸化剤、帯電防止剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色、接着調整剤等を適宜添加配合してもよい。
《有機素子デバイス》
本発明のハードコートフィルムは、有機素子デバイス用フィルムとして使用することを特徴の一つとする。本発明の有機素子デバイスとしては、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と略記する)、有機光電変換素子等が挙げられる。下記に、本発明のハードコートフィルムを、有機素子デバイスとして有機EL素子、有機光電変換素子に適用する際の構成の詳細について説明する。
〔有機エレクトロルミネッセンス素子〕
(有機エレクトロルミネッセンス素子の構成)
本発明の有機素子デバイスの一例である有機EL素子の実施形態の詳細について説明するが、以下に記載する内容は、本発明の実施態様の代表例であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に限定されない。
有機EL素子の層構成の好ましい具体例を以下に示す。
(i)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(ii)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(iii)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(v)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
ここで、発光層で発生した光が外部へ出射されるためには、陽極または陰極の少なくとも一方が透明であることが必要であるが、本発明においては、透明導電層を主に陽極として使用することが好ましい。
発光層は、少なくとも発光色の異なる2種以上の発光材料を含有していることが好ましく、単層でも複数の発光層からなる発光層ユニットを形成していてもよい。また、正孔輸送層には正孔注入層、電子阻止層も含まれる。
(有機エレクトロルミネッセンス素子の構成要素)
〈透明導電層〉
本発明に係る有機EL素子における透明導電層としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物が、透明導電層を形成する電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としてはAu等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の導電性光透過性材料が挙げられる。また、IDIXO(In−ZnO)等非晶質で光透過性の導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。本発明においては、透明導電層は陽極として用いられることが好ましい。陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。あるいは、有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等湿式製膜法を用いることもできる。陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。更に膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。
また、上記透明導電層では、金属ナノワイヤを用いることもできる。金属ナノワイヤを用いる場合、1つの金属ナノワイヤで長い導電パスを形成するため、また、適度な光散乱性を発現する観点から、平均長さが3μm以上であることが好ましく、さらには3〜500μmが好ましく、特に、3〜300μmであることが好ましい。併せて、長さの相対標準偏差は40%以下であることが好ましい。また、平均直径は、透明性の観点からは小さいことが、逆に、導電性の観点からは大きい方が好ましいが、本発明においては、金属ナノワイヤの平均直径として10〜300nmの範囲とすることが好ましく、30〜200nmであることがより好ましい。併せて、直径の相対標準偏差は20%以下であることが好ましい。
金属ナノワイヤの金属組成としては、特に制限はなく、貴金属元素や卑金属元素の1種または複数の金属から構成することができるが、貴金属(例えば、金、白金、銀、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム等)及び鉄、コバルト、銅、錫からなる群に属する少なくとも1種の金属を含むことが好ましく、導電性の観点からは、少なくとも銀を含むことがより好ましい。
また、導電性と安定性(金属ナノワイヤの硫化や酸化耐性、及びマイグレーション耐性)を両立するために、銀と、銀を除く貴金属に属する少なくとも1種の金属を含むことも好ましい。金属ナノワイヤが二種類以上の金属元素を含む場合には、例えば、金属ナノワイヤの表面と内部で金属組成が異なっていてもよいし、金属ナノワイヤ全体が同一の金属組成を有していてもよい。
Agナノワイヤの製造方法としては、例えば、Adv.Mater.,2002,14,833〜837;Chem.Mater.,2002,14,4736〜4745等、Auナノワイヤの製造方法としては、例えば、特開2006−233252号公報等、Cuナノワイヤの製造方法としては、例えば、特開2002−266007号公報等、Coナノワイヤの製造方法としては、例えば、特開2004−149871号公報等を参考にすることができる。特に、上述した、Adv.Mater.及びChem.Mater.で報告されたAgナノワイヤの製造方法は、水系で簡便にAgナノワイヤを製造することができ、また銀の導電率は金属中で最大であることから、金属ナノワイヤの製造方法として好ましく適用することができる。
〈発光層〉
発光層は、電極または電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
発光層としては、含まれる発光材料が前記要件を満たしていれば、その構成には特に制限はない。また、同一の発光スペクトルや発光極大波長を有する層が複数層あってもよい。また、各発光層間には非発光性の中間層を有していることが好ましい。
発光層の膜厚の総和は1〜100nmの範囲にあることが好ましく、更に好ましくは、より低い駆動電圧を得ることができることから、1nm以上、30nm以下である。なお、発光層の膜厚の総和とは、発光層間に非発光性の中間層が存在する場合には、当該中間層も含む膜厚である。
個々の発光層の膜厚としては、1〜50nmの範囲に調整することが好ましく、更に好ましくは1〜20nmの範囲に調整することである。青、緑、赤の各発光層の膜厚の関係については、特に制限はない。
発光層の形成には、後述する発光材料やホスト化合物を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、インクジェット法等の公知の薄膜化法により製膜して形成することができる。
各発光層には複数の発光材料を混合してもよく、また燐光発光材料と蛍光発光材料を同一発光層中に混合して用いてもよい。
発光層の構成として、ホスト化合物、発光材料(発光ドーパント化合物ともいう)を含有し、発光材料より発光させることが好ましい。
有機EL素子の発光層に含有されるホスト化合物としては、室温(25℃)における燐光発光の燐光量子収率が0.1未満の化合物が好ましい。更に好ましくは燐光量子収率が0.01未満である。また、発光層に含有される化合物の中で、その層中での体積比が50%以上であることが好ましい。
ホスト化合物としては、公知のホスト化合物を単独で用いてもよく、または複数種併用して用いてもよい。ホスト化合物を複数種用いることで、電荷の移動を調整することが可能であり、有機EL素子を高効率化することができる。また、後述する発光材料を複数種用いることで、異なる発光を混ぜることが可能となり、これにより任意の発光色を得ることができる。
用いられるホスト化合物としては、従来公知の低分子化合物でも、繰り返し単位をもつ高分子化合物でもよく、ビニル基やエポキシ基のような重合性基を有する低分子化合物(蒸着重合性発光ホスト)でもいい。
公知のホスト化合物としては、正孔輸送能、電子輸送能を有しつつ、且つ発光の長波長化を防ぎ、なお且つ高Tg(ガラス転移温度)である化合物が好ましい。ここで、ガラス転移点(Tg)とは、DSC(Differential Scanning Colorimetry:示差走査熱量法)を用いて、JIS−K−7121に準拠した方法により求められる値である。
公知のホスト化合物の具体例としては、以下の文献に記載されている化合物が挙げられる。例えば、特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報等に記載されている化合物が挙げられる。
次に、発光材料について説明する。
本発明に係る有機EL素子においては、発光材料として、蛍光性化合物、燐光発光材料(燐光性化合物、燐光発光性化合物等ともいう)を用いることができる。
燐光発光材料とは、励起三重項からの発光が観測される化合物であり、具体的には室温(25℃)にて燐光発光する化合物であり、燐光量子収率が25℃において0.01以上の化合物であると定義されるが、好ましい燐光量子収率は0.1以上である。
上記燐光量子収率は、第4版実験化学講座7の分光IIの398頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定できる。溶液中での燐光量子収率は種々の溶媒を用いて測定できるが、本発明において燐光発光材料を用いる場合、任意の溶媒のいずれかにおいて上記燐光量子収率(0.01以上)が達成されればよい。
燐光発光材料の発光原理としては2種挙げられ、一つはキャリアが輸送されるホスト化合物上でキャリアの再結合が起こってホスト化合物の励起状態が生成し、このエネルギーを燐光発光材料に移動させることで燐光発光材料からの発光を得るというエネルギー移動型であり、もう一つは燐光発光材料がキャリアトラップとなり、燐光発光材料上でキャリアの再結合が起こり燐光発光材料からの発光が得られるというキャリアトラップ型であるが、いずれの場合においても、燐光発光材料の励起状態のエネルギーはホスト化合物の励起状態のエネルギーよりも低いことが条件である。
燐光発光材料は、有機EL素子の発光層に使用されている公知の化合物の中から適宜選択して用いることができるが、好ましくは元素の周期表で8〜10族の金属を含有する錯体系化合物であり、更に好ましくはイリジウム化合物、オスミウム化合物、白金化合物(白金錯体系化合物)、または希土類錯体であり、中でも最も好ましいのはイリジウム化合物である。
有機EL素子では、蛍光発光体を用いることもできる。蛍光発光体(蛍光性ドーパント)の代表例としては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素、希土類錯体系蛍光体等が挙げられる。
また、従来公知のドーパントも本発明に用いることができ、例えば、国際公開第00/70655号明細書、特開2002−280178号公報、同2001−181616号公報、同2002−280179号公報、同2001−181617号公報、同2002−280180号公報、同2001−247859号公報、同2002−299060号公報、同2001−313178号公報、同2002−302671号公報、同2001−345183号公報、同2002−324679号公報、国際公開第02/15645号明細書、特開2002−332291号公報、同2002−50484号公報、同2002−332292号公報、同2002−83684号公報、特表2002−540572号公報、特開2002−117978号公報、同2002−338588号公報、同2002−170684号公報、同2002−352960号公報、国際公開第01/93642号明細書、特開2002−50483号公報、同2002−100476号公報、同2002−173674号公報、同2002−359082号公報、同2002−175884号公報、同2002−363552号公報、同2002−184582号公報、同2003−7469号公報、特表2002−525808号公報、特開2003−7471号公報、特表2002−525833号公報、特開2003−31366号公報、同2002−226495号公報、同2002−234894号公報、同2002−235076号公報、同2002−241751号公報、同2001−319779号公報、同2001−319780号公報、同2002−62824号公報、同2002−100474号公報、同2002−203679号公報、同2002−343572号公報、同2002−203678号公報等が挙げられる。
本発明においては、少なくとも一つの発光層に2種以上の発光材料を含有していてもよく、発光層における発光材料の濃度比が発光層の厚さ方向で変化していてもよい。
〈中間層〉
次いで、各発光層間に非発光性の中間層(非ドープ領域等ともいう)を設ける場合について説明する。
本発明でいう非発光性の中間層とは、複数の発光層を有する場合、その発光層間に設けられる層である。非発光性の中間層の膜厚としては1〜20nmの範囲にあるのが好ましく、更には3〜10nmの範囲にあることが隣接発光層間のエネルギー移動等相互作用を抑制し、且つ素子の電流電圧特性に大きな負荷を与えないということから好ましい。
この非発光性の中間層に用いられる材料としては、発光層のホスト化合物と同一でも異なっていてもよいが、隣接する2つの発光層の少なくとも一方の発光層のホスト材料と同一であることが好ましい。
非発光性の中間層は、非発光層、各発光層と共通の化合物(例えば、ホスト化合物等)を含有していてもよく、各々共通ホスト材料(ここで、共通ホスト材料が用いられるとは、燐光発光エネルギー、ガラス転移点等の物理化学的特性が同一である場合やホスト化合物の分子構造が同一である場合等を示す。)を含有することにより、発光層−非発光層間の層間の注入障壁が低減され、電圧(電流)を変化させても正孔と電子の注入バランスが保ちやすいという効果を得ることができる。更に、非ドープ発光層に各発光層に含まれるホスト化合物と同一の物理的特性または同一の分子構造を有するホスト材料を用いることにより、従来の有機EL素子作製の大きな問題点である素子作製の煩雑さをも併せて解消することができる。
ホスト材料はキャリアの輸送を担うため、キャリア輸送能を有する材料が好ましい。キャリア輸送能を表す特性値としてキャリア移動度が用いられるが、有機材料のキャリア移動度は一般的に電界強度に依存性が見られる。電界強度依存性の高い材料は、正孔と電子注入・輸送バランスを崩しやすいため、中間層材料、ホスト材料は移動度の電界強度依存性の少ない材料を用いることが好ましい。
また、一方では、正孔や電子の注入バランスを最適に調整するためには、非発光性の中間層は、後述する阻止層、即ち正孔阻止層、電子阻止層として機能することも好ましい態様として挙げられる。
〈注入層:電子注入層、正孔注入層〉
注入層は必要に応じて設け、電子注入層と正孔注入層があり、上記の如く陽極と発光層または正孔輸送層の間、及び陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されており、正孔注入層(陽極バッファー層)と電子注入層(陰極バッファー層)とがある。
陽極バッファー層(正孔注入層)は、特開平9−45479号公報、同9−260062号公報、同8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。
陰極バッファー層(電子注入層)は、特開平6−325871号公報、同9−17574号公報、同10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。上記バッファー層(注入層)はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるがその膜厚は0.1nm〜5μmの範囲が好ましい。
〈阻止層:正孔阻止層、電子阻止層〉
阻止層は、上記の如く有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
正孔阻止層とは、広い意味では、電子輸送層の機能を有し、電子を輸送する機能を有しつつ、正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ、正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する電子輸送層の構成を、必要に応じて正孔阻止層として用いることができる。正孔阻止層は、発光層に隣接して設けられていることが好ましい。
一方、電子阻止層とは、広い意味では、正孔輸送層の機能を有し、正孔を輸送する機能を有しつつ、電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ、電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する正孔輸送層の構成を、必要に応じて電子阻止層として用いることができる。正孔阻止層、電子輸送層の膜厚としては、好ましくは3〜100nmであり、更に好ましくは5〜30nmである。
〈正孔輸送層〉
正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は、単層または複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入または輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。
正孔輸送材料としては、上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物を用いることが好ましく、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。
芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、更には米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(略称:NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(略称:MTDATA)等が挙げられる。
更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。
また、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)に記載されているような、いわゆるp型正孔輸送材料を用いることもできる。本発明においては、より高効率の発光素子が得られることから、これらの材料を用いることが好ましい。
正孔輸送層は、上記正孔輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、ラングミュア・ブロジェット法(以下、LB法と略記)等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。正孔輸送層の膜厚については、特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。この正孔輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。
また、不純物をドープしたp性の高い正孔輸送層を用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。
このようなp性の高い正孔輸送層を用いることが、より低消費電力の有機EL素子を作製することができるため好ましい。
〈電子輸送層〉
電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
従来、単層の電子輸送層、及び複数層とする場合は発光層に対して陰極側に隣接する電子輸送層に用いられる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができ、例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。更に、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(略称:Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、GaまたはPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。その他、メタルフリーもしくはメタルフタロシアニン、またはそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることができる。また、発光層の材料として例示したジスチリルピラジン誘導体も電子輸送材料として用いることができるし、正孔注入層、正孔輸送層と同様にn型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。
電子輸送層は上記電子輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。電子輸送層の膜厚については、特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。電子輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよい。
また、不純物をドープしたn性の高い電子輸送層を用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、同10−270172号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。
本発明においては、このようなn性の高い電子輸送層を用いることがより低消費電力の素子を作製することができるため好ましい。
〈対向電極〉
対向電極とは、前述の透明導電層に対向する電極をいう。本発明においては、透明導電層を主に陽極として使用するため、対向電極としては以下に示す陰極を用いることができる。陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中でも、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、形成することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50nm〜200nmの範囲で選ばれる。尚、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極または陰極のいずれか一方が透明または半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
また、陰極として、上記金属を1nm〜20nmの膜厚で形成した後、導電性透明材料をその上に形成することにより、透明または半透明の陰極を作製することができ、これを応用することで、陽極と陰極の両方が透過性を有する有機EL素子を作製することができる。
〔有機エレクトロルミネッセンス素子の作製方法〕
本発明の有機ELは、透明基材上に、光取り出し層と、透明導電層、有機エレクトロルミネッセンス層、及び対向電極を順次形成することにより作製することができる。
(透明導電層の形成方法)
透明基材上に、所望の電極物質を用いて透明導電層を形成することができる。例えば、電極物質としてITO(すずを添加した酸化インジウム)を用いる場合には、蒸着やスパッタリング等の方法により透明導電層を形成することができる。また、金属ナノワイヤや導電性ポリマーあるいは透明導電性金属酸化物を含む材料を、塗布法や印刷法などの液相成膜法を用いて透明導電層を形成することもできる。
生産性の改善や、得られる透明導電層の平滑性や薄膜均一性などの電極品質の向上、環境負荷軽減の観点から、金属ナノワイヤを含有する透明導電層を塗布法や印刷法などの液相成膜法により形成することが好ましい。塗布法としては、ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、バーコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法などを用いることができる。印刷法としては、凸版(活版)印刷法、孔版(スクリーン)印刷法、平版(オフセット)印刷法、凹版(グラビア)印刷法、スプレー印刷法、インクジェット印刷法などを用いることができる。なお、必要に応じて、密着性や塗工性を向上させるための予備処理として、離型性基材表面にコロナ放電処理、プラズマ放電処理などの物理的表面処理を施すことができる。
(有機エレクトロルミネッセンス層の形成)
本発明では、陽極バッファー層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、陰極バッファー層の全部または一部からなる、透明導電層と陰極の間に形成された層を、有機エレクトロルミネッセンス層(以下、有機EL層ともいう)と称する。この有機エレクトロルミネッセンス層の作製方法の一例として、正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層からなる有機エレクトロルミネッセンス層の作製方法について、以下に説明する。
上記の方法に従って透明導電層を形成した透明基材上に、有機EL層の構成材料である正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層の有機化合物薄膜を形成させる。
この有機化合物薄膜の薄膜化の方法としては、前記の如く蒸着法、ウェットプロセス(スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、印刷法)等があるが、均質な膜が得られやすく、且つピンホールが生成しにくい等の点から、真空蒸着法、スピンコート法、インクジェット法、印刷法が特に好ましい。更に層毎に異なる製膜法を適用してもよい。製膜に蒸着法を採用する場合、その蒸着条件は使用する化合物の種類等により異なるが、一般にボート加熱温度を50〜450℃、真空度を10−6〜10−2Pa、蒸着速度を0.01〜50nm/秒、基板温度を−50〜300℃、膜厚を0.1nm〜5μm、好ましくは5〜200nmの範囲で適宜選ぶことが望ましい。
(陰極の形成)
上記の有機エレクトロルミネッセンス層を形成後、その上に陰極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは50〜200nmの範囲の膜厚になるように、例えば、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陰極を設ける。
以上の工程により、有機エレクトロルミネッセンス層が得られる。有機エレクトロルミネッセンス層の作製は、一回の真空引きで一貫して正孔注入層から陰極まで作製するのが好ましいが、途中で取り出して異なる製膜法を施しても構わない。その際、作業を乾燥不活性ガス雰囲気下で行う等の配慮が必要となる。
また、作製順序を逆にして、陰極、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順に作製することも可能である。このようにして得られた多色の液晶表示装置に直流電圧を印加する場合には、陽極を+、陰極を−の極性として電圧2〜40V程度を印加すると発光が観測できる。また交流電圧を印加してもよい。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
〔有機光変換素子〕
本発明に係る有機光電変換素子の好ましい態様を説明するが、これに限定されるものではない。有機光電変換素子としては特に制限がなく、陽極と陰極と、両者に挟まれた発電層(p型半導体とn型半導体が混合された層、バルクヘテロジャンクション層、i層ともいう)が少なくとも1層有し、光を照射すると電流を発生する素子であればよい。
有機光電変換素子の層構成の好ましい具体例を以下に示す。
(i)陽極/発電層/陰極
(ii)陽極/正孔輸送層/発電層/陰極
(iii)陽極/正孔輸送層/発電層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔輸送層/p型半導体層/発電層/n型半導体層/電子輸送層/陰極
(v)陽極/正孔輸送層/第1発光層/電子輸送層/中間電極/正孔輸送層/第2発光層/電子輸送層/陰極
ここで、発電層は、正孔を輸送できるp型半導体材料と電子を輸送できるn型半導体材料を含有していることが必要であり、これらは実質2層でヘテロジャンクションを形成していても良いし、1層の内部で混合された状態となっているバルクヘテロジャンクションを形成しても良いが、バルクヘテロジャンクション構成のほうが、光電変換効率が高いため好ましい。発電層に用いられるp型半導体材料、n型半導体材料については後述する。
有機EL素子同様、有機光変換素子では、発電層を正孔輸送層、電子輸送層で挟み込むことで、正孔及び電子の陽極と陰極への取り出し効率を高めることができるため、それらを有する構成(上記(ii)項、(iii)項)の方が好ましい。また、発電層自体も正孔と電子の整流性(キャリア取り出しの選択性)を高めるため、上記(iv)項のように、p型半導体材料とn型半導体材料単体からなる層で発電層を挟み込むような構成(p−i−n構成ともいう)であっても良い。また、太陽光の利用効率を高めるため、異なる波長の太陽光をそれぞれの発電層で吸収するような、タンデム構成(上記(v)項に記載の構成)であっても良い。
太陽光利用率(光電変換効率)の向上を目的として、下記に説明する図1に示す有機光電変換素子10におけるサンドイッチ構造に代わって、一対の櫛歯状電極上にそれぞれ正孔輸送層14、電子輸送層16を形成し、その上に光電変換部15を配置するといった、バックコンタクト型の有機光電変換素子が構成とすることもできる。
さらに、詳細な本発明に係る有機光電変換素子の好ましい態様を下記に説明する。
図1は、バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子からなる太陽電池の一例を示す断面図である。
図1において、バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子10は、基板11の一方の面上に、陽極12、正孔輸送層17、バルクヘテロジャンクション層の発電層14、電子輸送層18及び陰極13が順次積層されている。
基板11は、順次積層された陽極12、発電層14及び陰極13を保持する部材である。本実施形態では、基板11側から光電変換される光が入射するので、基板11は、この光電変換される光を透過させることが可能な、すなわち、この光電変換すべき光の波長に対して高い透過性を備えた透明な部材である。基板11としては、例えば、ガラス基板や樹脂基板等が用いられる。この基板11は、必須ではなく、例えば、発電層14の両面に陽極12及び陰極13を形成することでバルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子10を構成してもよい。
発電層14は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する層であり、p型半導体材料とn型半導体材料とを一様に混合したバルクヘテロジャンクション層を有して構成される。p型半導体材料は、相対的に電子供与体(ドナー)として機能し、n型半導体材料は、相対的に電子受容体(アクセプタ)として機能する。
図1において、基板11を介して陽極12から入射された光は、発電層14のバルクヘテロジャンクション層における電子受容体あるいは電子供与体で吸収され、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)が形成される。発生した電荷は、内部電界、例えば、陽極12と陰極13の仕事関数が異なる場合では、陽極12と陰極13との電位差によって、電子は電子受容体間を通り、また正孔は電子供与体間を通り、それぞれ異なる電極へ運ばれ、光電流が検出される。例えば、陽極12の仕事関数が陰極13の仕事関数よりも大きい場合では、電子は陽極12へ、正孔は陰極13へ輸送される。なお、仕事関数の大小が逆転すれば、電子と正孔はこれとは逆方向に輸送される。また、陽極12と陰極13との間に電位をかけることにより、電子と正孔の輸送方向を制御することもできる。
なお、図1には記載していないが、正孔ブロック層、電子ブロック層、電子注入層、正孔注入層、あるいは平滑化層等の他の層を有していてもよい。
さらに好ましい構成としては、前記発電層14が、いわゆるp−i−nの三層構成となっている構成であり、その構成の一例を、図2に示す。通常のバルクヘテロジャンクション層は、p型半導体材料とn型半導体層とが混合したi層単体であるが、p型半導体材料単体からなるp層、及びn型半導体材料単体からなるn層で挟むことにより、正孔及び電子の整流性がより高くなり、電荷分離した正孔・電子の再結合等によるロスが低減され、一層高い光電変換効率を得ることができる。
さらに、太陽光利用率(光電変換効率)の向上を目的として、このような光電変換素子を積層した、タンデム型の構成としてもよい。
図3は、タンデム型のバルクヘテロジャンクション層を備える有機光電変換素子からなる太陽電池の一例を示す断面図である。
図3に示す様なタンデム型構成の場合、基板11上に、順次、透明電極12、第1の発電層14′を積層し、次いで電荷再結合層15を積層した後、第2の発電層16、対電極13を積層することで、タンデム型の構成とすることができる。第2の発電層16は、第1の発電層14′の吸収スペクトルと同じスペクトルを吸収する層でもよいし、異なるスペクトルを吸収する層でもよいが、好ましくは異なるスペクトルを吸収する層である。また、第1の発電層14′、第2の発電層16が、ともに前述のp−i−nの三層構成であってもよい。
以下に、これらの有機光変換素子を構成する各層を形成材料について説明する。
(有機光電変換素子材料)
〈p型半導体材料〉
発電層(バルクヘテロジャンクション層)に用いられるp型半導体材料としては、種々の縮合多環芳香族低分子化合物や共役系ポリマー・オリゴマーが挙げられる。
縮合多環芳香族低分子化合物としては、例えば、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、クリセン、ピセン、フルミネン、ピレン、ペロピレン、ペリレン、テリレン、クオテリレン、コロネン、オバレン、サーカムアントラセン、ビスアンテン、ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランスレン、ビオランテン、イソビオランテン、サーコビフェニル、アントラジチオフェン等の化合物、ポルフィリンや銅フタロシアニン、テトラチアフルバレン(略称:TTF)−テトラシアノキノジメタン(略称:TCNQ)錯体、ビス(エチレンジチオ)テトラチアフルバレン(略称:BEDT−TTF)−過塩素酸錯体、及びこれらの誘導体や前駆体が挙げられる。
また、上記の縮合多環を有する誘導体の例としては、国際公開第03/16599号明細書、国際公開第03/28125号明細書、米国特許第6,690,029号明細書、特開2004−107216号公報等に記載の置換基をもったペンタセン誘導体、米国特許出願公開第2003/136964号明細書等に記載のペンタセンプレカーサ、J.Amer.Chem.Soc.,vol127.No14.4986、J.Amer.Chem.Soc.,vol.123、p9482、J.Amer.Chem.Soc.,vol.130(2008)、No.9、2706等に記載のトリアルキルシリルエチニル基で置換されたアセン系化合物等が挙げられる。
共役系ポリマーとしては、例えば、ポリ−3−ヘキシルチオフェン(略称:P3HT)等のポリチオフェン及びそのオリゴマー、又はTechnical Digest of the International PVSEC−17, Fukuoka, Japan, 2007, P1225に記載の重合性基を有するようなポリチオフェン、Nature Material,(2006)vol.5,p328に記載のポリチオフェン−チエノチオフェン共重合体、国際公開第2008/000664号明細書に記載のポリチオフェン−ジケトピロロピロール共重合体、Adv Mater,2007p4160に記載のポリチオフェン−チアゾロチアゾール共重合体,Nature Mat.vol.6(2007),p497に記載のポリ(シクロペンタジチオフェン−ベンゾチアジアゾール)共重合体(略称:PCPDTBT)等のようなポリチオフェン共重合体、ポリピロール及びそのオリゴマー、ポリアニリン、ポリフェニレン及びそのオリゴマー、ポリフェニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリチエニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、ポリシラン、ポリゲルマン等のσ共役系ポリマー、等のポリマー材料が挙げられる。
また、ポリマー材料ではなくオリゴマー材料としては、チオフェン6量体であるα−セクシチオフェンα,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、等のオリゴマーが好適に用いることができる。
これらの化合物の中でも、溶液プロセスが可能な程度に有機溶剤への溶解性が高く、かつ乾燥後は結晶性薄膜を形成し、高い移動度を達成することが可能な化合物が好ましい。
また、発電層上に電子輸送層を塗布方式で製膜する場合、電子輸送層溶液が発電層を溶かしてしまうという課題があるため、溶液プロセスで塗布した後に不溶化できるような材料を用いても良い。このような材料としては、例えば、Technical Digest of the International PVSEC−17,Fukuoka,Japan,2007,P1225に記載の重合性基を有するようなポリチオフェンのような、塗布後に塗布膜を重合架橋して不溶化できる材料、又は米国特許出願公開第2003/136964号明細書、及び特開2008−16834号公報等に記載されているような、熱等のエネルギーを加えることによって可溶性置換基が反応して不溶化する(顔料化する)材料などを挙げることができる。
〈n型半導体材料〉
バルクヘテロジャンクション層に用いられるn型半導体材料としては、特に限定されないが、例えば、フラーレン、オクタアザポルフィリン等、p型半導体の水素原子をフッ素原子に置換したパーフルオロ体(例えば、パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物を骨格として含む高分子化合物等を挙げることができる。
しかし、各種のp型半導体材料と高速(〜50fs)かつ効率的に電荷分離を行うことができる、フラーレン誘導体が好ましい。フラーレン誘導体としては、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC84、フラーレンC240、フラーレンC540、ミックスドフラーレン、フラーレンナノチューブ、多層ナノチューブ、単層ナノチューブ、ナノホーン(円錐型)等、及びこれらの一部が水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、シリル基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、シリル基等によって置換されたフラーレン誘導体を挙げることができる。
中でも[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッドメチルエステル(略称:PCBM)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−nブチルエステル(略称:PCBnB)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−イソブチルエステル(略称:PCBiB)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−nヘキシルエステル(略称:PCBH)、Adv.Mater.,vol.20(2008),p2116等に記載のbis−PCBM、特開2006−199674号公報等に記載のアミノ化フラーレン、特開2008−130889号公報等に記載のメタロセン化フラーレン、米国特許第7329709号明細書等に記載の環状エーテル基を有するフラーレン等のような、置換基を有してより溶解性が向上したフラーレン誘導体を用いることが好ましい。
〈正孔輸送層・電子ブロック層〉
本発明に係る有機光電変換素子10では、バルクヘテロジャンクション層と陽極との中間には正孔輸送層17を、バルクヘテロジャンクション層で発生した電荷をより効率的に取り出すことが可能となるため、これらの層を有していることが好ましい。
これらの層を構成する材料としては、例えば、正孔輸送層17としては、スタルクヴイテック社製、商品名BaytronP等のポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン(略称:PEDOT)、ポリアニリン及びそのドープ材料、国際公開第2006/019270号明細書等に記載のシアン化合物、などを用いることができる。なお、バルクヘテロジャンクション層に用いられるn型半導体材料のLUMO準位よりも浅いLUMO準位を有する正孔輸送層には、バルクヘテロジャンクション層で生成した電子を陽極側には流さないような整流効果を有する、電子ブロック機能が付与される。このような正孔輸送層は、電子ブロック層とも呼ばれ、このような機能を有する正孔輸送層を使用するほうが好ましい。このような材料としては、特開平5−271166号公報等に記載のトリアリールアミン系化合物、また酸化モリブデン、酸化ニッケル、酸化タングステン等の金属酸化物等を用いることができる。また、バルクヘテロジャンクション層に用いたp型半導体材料単体からなる層を用いることもできる。これらの層を形成する手段としては、真空蒸着法、溶液塗布法のいずれであってもよいが、好ましくは溶液塗布法である。バルクヘテロジャンクション層を形成する前に、下層に塗布膜を形成すると塗布面をレベリングする効果があり、リーク等の影響が低減するため好ましい。
〈電子輸送層・正孔ブロック層〉
本発明に係る有機光電変換素子10は、バルクヘテロジャンクション層と陰極との中間には電子輸送層18を形成することで、バルクヘテロジャンクション層で発生した電荷をより効率的に取り出すことが可能となるため、これらの層を有していることが好ましい。
また、電子輸送層18としては、オクタアザポルフィリン、p型半導体のパーフルオロ体(例えば、パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)を用いることができるが、同様に、バルクヘテロジャンクション層に用いられるp型半導体材料のHOMO準位よりも深いHOMO準位を有する電子輸送層には、バルクヘテロジャンクション層で生成した正孔を陰極側には流さないような整流効果を有する、正孔ブロック機能が付与される。このような電子輸送層は、正孔ブロック層とも呼ばれ、このような機能を有する電子輸送層を使用するほうが好ましい。このような材料としては、例えば、バソキュプロイン等のフェナントレン系化合物、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等のn型半導体材料、及び酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ガリウム等のn型無機酸化物及びフッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム等のアルカリ金属化合物等を用いることができる。また、バルクヘテロジャンクション層に用いたn型半導体材料単体からなる層を用いることもできる。これらの層を形成する手段としては、真空蒸着法、溶液塗布法のいずれであってもよいが、好ましくは溶液塗布法である。
〈その他の層〉
エネルギー変換効率の向上や、素子寿命の向上を目的に、各種中間層を素子内に有する構成としてもよい。中間層の例としては、正孔ブロック層、電子ブロック層、正孔注入層、電子注入層、励起子ブロック層、UV吸収層、光反射層、波長変換層などを挙げることができる。
〈透明電極(第1電極)〉
透明電極は、陰極、陽極は特に限定せず、素子構成により選択することができるが、好ましくは透明電極を陽極として用いることである。例えば、透明電極を陽極として用いる場合、好ましくは380〜800nmの光を透過する電極である。材料としては、例えば、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の透明導電性金属酸化物、金、銀、白金等の金属薄膜、金属ナノワイヤ、カーボンナノチューブ用いることができる。
また、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリチエニレンビニレン、ポリアズレン、ポリイソチアナフテン、ポリカルバゾール、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン、ポリフェニルアセチレン、ポリジアセチレン及びポリナフタレンの各誘導体からなる群より選ばれる導電性高分子等も用いることができる。また、これらの導電性化合物を複数組み合わせて透明電極とすることもできる。
〈対電極(第2電極)〉
対電極は導電材単独層であっても良いが、導電性を有する材料に加えて、これらを保持する樹脂を併用しても良い。対電極の導電材としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子の取り出し性能及び酸化等に対する耐久性の点から、これら金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。対電極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、(平均)膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。
対電極の導電材として金属材料を用いれば対電極側に来た光は反射されて第1電極側に反射され、この光が再利用可能となり、光電変換層で再度吸収され、より光電変換効率が向上し好ましい。
また、対電極は、金属(例え、金、銀、銅、白金、ロジウム、ルテニウム、アルミニウム、マグネシウム、インジウム等)、炭素からなるナノ粒子、ナノワイヤ、ナノ構造体であってもよく、ナノワイヤの分散物であれば、透明で導電性の高い対電極を塗布法により形成でき好ましい。
また、対電極側を光透過性とする場合は、例えば、アルミニウム及びアルミニウム合金、銀及び銀化合物等の対電極に適した導電性材料を薄く1〜20nm程度の(平均)膜厚で作製した後、上記透明電極の説明で挙げた導電性光透過性材料の膜を設けることで、光透過性対電極とすることができる。
〈中間電極〉
また、前記(v)項(図3に示した構成)で示したようなタンデム構成の場合に必要となる中間電極の材料としては、透明性と導電性を併せ持つ化合物を用いた層であることが好ましく、前記透明電極で用いたような材料(例えば、ITO、AZO、FTO、酸化チタン等の透明金属酸化物、Ag、Al、Au等の非常に薄い金属層又はナノ粒子・ナノワイヤを含有する層、PEDOT:PSS、ポリアニリン等の導電性高分子材料等)を用いることができる。
なお、前述した正孔輸送層と電子輸送層の中には、適切に組み合わせて積層することで、中間電極(電荷再結合層)として働く組み合わせもあり、このような構成とすると、一層形成する工程を省くことができ好ましい。
〈光学機能層〉
本発明に係る有機光電変換素子は、太陽光のより効率的な受光を目的として、各種の光学機能層を有していて良い。光学機能層としては、例えば、反射防止膜、マイクロレンズアレイ等の集光層、陰極で反射した光を散乱させて再度発電層に入射させることができるような光拡散層などを設けても良い。
反射防止層としては、各種公知の反射防止層を設けることができるが、例えば、透明樹脂フィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである場合は、フィルムに隣接する易接着層の屈折率を1.57〜1.63とすることで、フィルム基板と易接着層との界面反射を低減し、透過率を向上させることができるのでより好ましい。屈折率を調整する方法としては、例えば、酸化スズゾルや酸化セリウムゾル等の比較的屈折率の高い酸化物ゾルとバインダー樹脂との比率を適宜調整して塗設することで実施できる。易接着層は単層でもよいが、接着性を向上させるためには2層以上の構成にしてもよい。
集光層としては、例えば、支持基板の太陽光受光側にマイクロレンズアレイ上の構造を設けるように加工したり、あるいは所謂集光シートと組み合わせたりすることにより特定方向からの受光量を高めたり、逆に太陽光の入射角度依存性を低減することができる。
マイクロレンズアレイの例としては、基板の光取り出し側に、一辺が30μmでその頂角が90度となるような四角錐を2次元に配列する。一辺は10〜100μmが好ましい。これより小さくなると回折の効果が発生して色付き、大きすぎると厚さが厚くなり好ましくない。
また、光散乱層としては、各種のアンチグレア層、金属又は各種無機酸化物などのナノ粒子・ナノワイヤ等を無色透明なポリマーに分散した層などを挙げることができる。
〈各種の層の形成方法〉
電子受容体と電子供与体とが混合されたバルクヘテロジャンクション層、及び輸送層・電極等の形成方法としては、蒸着法、塗布法(キャスト法、スピンコート法を含む)等を例示することができる。このうち、前述の正孔と電子が電荷分離する界面の面積を増大させ、高い光電変換効率を有する素子を作製するためには、塗布法が好ましい。また塗布法は、製造速度にも優れている。
上記で適用される塗布方法に制限は無いが、例えば、スピンコート法、溶液からのキャスト法、ディップコート法、ブレードコート法、ワイヤバーコート法、グラビアコート法、スプレーコート法等が挙げられる。さらには、インクジェット法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法等の印刷法でパターニングすることもできる。
塗布後は、残留溶媒及び水分、ガスの除去、及び半導体材料の結晶化による移動度向上・吸収長波化を引き起こすために加熱を行うことが好ましい。製造工程中において、所定の温度でアニール処理されると、微視的に一部で凝集又は結晶化が促進され、バルクヘテロジャンクション層を適切な相分離構造とすることができる。その結果、バルクヘテロジャンクション層のキャリア移動度が向上し、高い効率を得ることができるようになる。
発電層(バルクヘテロジャンクション層)14は、電子受容体と電子供与体とが均一に混在された単一層で構成してもよいが、電子受容体と電子供与体との混合比を変えた複数層で構成してもよい。この場合、前述したような塗布後に不溶化できるような材料を用いることで形成することが可能となる。
〈パターニング〉
電極、発電層、正孔輸送層、電子輸送層等をパターニングする方法やプロセスには特に制限はなく、公知の手法を適宜適用することができる。
バルクヘテロジャンクション層、輸送層等の可溶性の材料であれば、ダイコート、ディップコート等の全面塗布後に不要部だけ拭き取っても良いし、インクジェット法やスクリーン印刷等の方法を使用して塗布時に直接パターニングしても良い。
電極材料などの不溶性の材料の場合は、電極を真空堆積時にマスク蒸着を行う方法、あるいはエッチング又はリフトオフ等の公知の方法によってパターニングすることができる。また、別の基板上に形成したパターンを転写することによってパターンを形成しても良い。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《支持体の準備》
〔支持体1の準備〕
両面に易接着加工を施した厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム社製、KDL86W−125μm)を、支持体1として用いた。
〔支持体2の準備〕
両面に易接着加工を施し、オフラインアニール処理した厚さ125μmのポリエチレンナフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム社製、Q65FWA−125μm)を、支持体2として用いた。
《ハードコートフィルムの作製》
〔ハードコートフィルム1の作製〕
上記準備した支持体1の片方の面に、下記のコート剤塗布液1を、乾燥後のハードコート層の膜厚が4.0μmとなる条件で、30m/分の速度で搬送しながら、ワイヤーバーで塗布した。次いで、80℃で3分間乾燥した後、硬化条件として、大気圧下で、照射強度が0.5J/cmの高圧水銀ランプを使用して硬化してハードコート層1を形成して、ハードコートフィルム1を作製した。
(コート剤塗布液1の調製)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(東亞合成社製、M−306) 50質量部
ウレタンアクリレート(新中村化学工業社製、U−6HA) 30質量部
開始剤(BASFジャパン社製、イルガキュア184) 2質量部
銀系無機抗菌剤(品川燃料社製、銀担持ゼオライト、平均粒径2.0μm)18質量部
メチルエチルケトン 100質量部
〔ハードコートフィルム2〜15の作製〕
上記ハードコートフィルム1の作製において、支持体の種類、コート剤塗布液のモノマーの種類と添加量、抗菌剤の種類と添加量を、それぞれ表1に記載の条件に変更した以外は同様にして、ハードコートフィルム2〜15を作製した。
なお、表1に記載した各添加剤の詳細は、以下の通りである。
(モノマー)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(東亞合成社製、M−306)
ジペンタ:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(東亞合成社製、M−405)
ウレタンアクリレート(新中村化学工業社製、U−6HA)
トリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成社製、M−309)
(抗菌剤)
無機:銀系無機抗菌剤(品川燃料社製、銀担持ゼオライト、平均粒径2.0μm)
有機:芳香族化合物系抗菌剤(大和化学工業社製、アモルデンEC)
《ハードコートフィルムの評価》
上記作製した各ハードコートフィルムについて、下記の各特性値の測定及び評価を行った。
〔特性値の測定〕
(ハードコート層の表面粗さRaの測定、突起数の計測)
各ハードコート層表面の表面粗さRaを、下記の方法及び条件に従って、原子間力顕微鏡により得られる画像に基づいて測定した。
各ハードコートフィルムを1cm角の大きさに断裁した後、ピエゾスキャナー上の水平な試料台にセットし、カンチレバーを試料表面にアプローチし、原子間力が働く領域に達したところで、XY方向にスキャンし、その際、試料の凹凸をZ方向のピエゾの変位で捉えた。原子間力顕微鏡で得られた凹凸画像に対し、凹部及び凸部が連なる方向に対して直角方向に任意に2本の直線を引き、この直線上の部分について、輪郭曲線(断面曲線)をそれぞれ求めた。次に、これらの直線上についての輪郭曲線(断面曲線)から粗さを求めた。測定位置を変えて20箇所測定して、その算術平均を表面粗さRaとして求めた。
また、測定視野上に20nmでスライスラインを選択して、125μmの視野中における20nm以上の突起数を計測した。
なお、本発明において用いた測定条件は下記の通りである。
測定装置:Nanoscope IIIa AFM(Digital Instruments社製)
カンチレバー:シリコン単結晶
走査モード:タッピングモード
走査速度:0.5Hz
測定視野:125μm
Zレンジ:断面曲線から得られたRaの7〜15倍
フラッテンフィルター
モード :フラッテンオート
オーダー:3
〔性能評価〕
(未処理試料の評価)
〈透明性の評価:ヘイズ値の測定〉
ヘイズメーター(日本電色工業社製、NDH2000)を用いてヘイズ値(%)を測定し、これを透明性の尺度とした。
〈耐傷性の評価〉
ハードコート層表面をスチールウール#0000を用いて、200gの荷重下で10回擦った後、ハードコート層表面を目視観察し、下記の基準に従って耐傷性の評価を行った。評価ランクとして○〜△の範囲であれば実用上可と判定した。
○:全く傷がつかない
○△:1〜2本の極めて弱い傷の発生が認められる
△:1〜2本の僅かに傷の発生が認められる
△×:3本以上、9本以下の傷の発生が認められる
×:10本以上の傷の発生が認められる
〈抗菌性1の評価:大腸菌評価〉
JIS Z 2801の規格に準拠して、抗菌性1の評価を、供試細菌として大腸菌を用いて行った。
判定は、支持体のみ試料(未加工品)に対する抗菌活性値を求め、下記の基準に従って抗菌性1の評価を行った。評価ランクとして○〜△の範囲であれば実用上可と判定した。
○:抗菌活性値が、2.0以上である
○△:抗菌活性値が、1.5以上、2.0未満である
△:抗菌活性値が、1.0以上、1.5未満である
△×:抗菌活性値が、0.5以上、1.0未満である
×:抗菌活性値が、0.5未満である
〈抗菌性2の評価:ブドウ球菌評価〉
上記抗菌性1の評価において、供試細菌として大腸菌に代えてブドウ球菌を用いた以外は同様にして、抗菌性2の評価を行った。
(耐久性の評価)
〈ハードコートフィルムの強制劣化処理〉
各ハードコートフィルムについて、メタルハライドランプ方式の耐候性試験機(ダイプラ・ウィンテス社製)を用い、試料面放射強度が2.16MJ/m以下、ブラックパネル温度が63℃、相対湿度が50%、照射時間が500時間の条件で耐久性試験を行い、その後、高温高湿条件として、温度85℃、湿度85%RHの環境下で3000時間保存して、強制劣化処理を施した。
〈強制劣化試料の評価〉
上記強制劣化処理を施した各ハードコートフィルムについて、上記と同様の方法で、透明性、耐傷性、抗菌性1、抗菌性2の各評価を行った。
以上により得られた結果を、表1に示す。
Figure 2012208169
表1に示した結果から明らかなように、ハードコート層に多官能ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートモノマー成分と抗菌性モノマー成分を含有する本発明のハードコートフィルムは、比較例に比べ、透明性、耐傷性、抗菌性に優れ、かつ様々な環境下(熱、湿度、紫外線等)で保存された後でも、透明性、耐傷性、抗菌性が良好であることが分かる。
実施例2
《ハードコートフィルムの作製》
〔ハードコートフィルム21の作製〕
実施例1に記載の支持体1の一方の面側に、下記のコート剤塗布液21を、乾燥後のハードコート層の膜厚が4.0μmとなる条件で、30m/分の速度で搬送しながら、ワイヤーバーで塗布した。次いで、80℃で3分間乾燥した後、硬化条件として、大気圧下で、照射強度が0.5J/cmの高圧水銀ランプを使用して硬化してハードコート層21を形成して、ハードコートフィルム21を作製した。
(コート剤塗布液21の調製)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(東亞合成社製、M−405)40質量部
ウレタンアクリレート(新中村化学工業製、U−6HA) 20質量部
開始剤(BASFジャパン社製、イルガキュア184) 2質量部
銀系無機抗菌剤(品川燃料社製、銀担持ゼオライト、平均粒径2μm) 18質量部
紫外線吸収剤1:酸化亜鉛(テイカ社製、ZD019、固形分40%、平均粒径20nm、表2には「亜鉛」と略記) 45質量部(固形分:18質量部)
紫外線吸収剤2:有機UV剤(BASFジャパン社製、Tinuvin400、表2には「有機UV」と略記) 2質量部
メチルエチルケトン 100質量部
〔ハードコートフィルム22〜28の作製〕
上記ハードコートフィルム21の作製において、コート剤塗布液のモノマーの種類、抗菌剤の種類を、それぞれ表2に記載の条件に変更した以外は同様にして、ハードコートフィルム22〜28を作製した。
《ガスバリア性フィルムの作製》
〔ガスバリア性フィルム21の作製〕
(ガスバリア層の形成)
上記作製したハードコートフィルム21のハードコート層上に、ガスバリア層塗布液を用いて、以下に示す条件でガスバリア層形成した。
ガスバリア層塗布液として、パーヒドロポリシラザン(PHPS)の20質量%ジブチルエーテル溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ社製、アクアミカ NN320)を用い、ワイヤレスバーにて、ハードコートフィルム21のハードコート層上に、乾燥後の(平均)膜厚が0.30μmとなるように塗布し、塗布試料21を得た。
(第一工程;乾燥処理)
得られた塗布試料21を温度85℃、湿度55%RHの雰囲気下で1分処理し、乾燥処理済み試料を得た。
(第二工程;除湿処理)
乾燥処理済み試料を、さらに温度25℃、湿度10%RH(露点温度−8℃)の雰囲気下に10分間保持し、除湿処理を行った。
(改質処理A)
除湿処理を行った試料21を、下記の条件で改質処理を行い、ガスバリア層を形成した。改質処理時の露点温度は−8℃で実施した。
〈改質処理装置〉
株式会社 エム・ディ・コム製エキシマ照射装置MODEL:MECL−M−1−200、波長:172nm、ランプ封入ガス:Xe
稼動ステージ上に固定した試料に対し、以下の条件で改質処理を行った。
〈改質処理条件〉
エキシマ光強度:130mW/cm(172nm)
試料と光源の距離:1mm
ステージ加熱温度:70℃
照射装置内の酸素濃度:1.0体積%
エキシマ照射時間:3秒
上記のガスバリア層形成を2回繰り返し、2層構成からなるガスバリア層を有するガスバリア性フィルム21を作製した。
〔ガスバリア性フィルム22〜28の作製〕
ガスバリア性フィルム21の作製において、ハードコートフィルム21に代えて、ハードコートフィルム22〜28をそれぞれ用いた以外は同様にして、ガスバリア性フィルム22〜28を作製した。
《有機光電変換素子の作製》
上記作製したガスバリア性フィルム21〜28のガスバリア層側に、それぞれ、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nm堆積したもの(シート抵抗10Ω/□)を、通常のフォトリソグラフィー技術と湿式エッチングとを用いて2mm幅にパターニングし、第1の電極を形成した。パターン形成した第1の電極を、界面活性剤と超純水による超音波洗浄、超純水による超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
この透明基板上に、導電性高分子であるBaytron P4083(スタルクヴィテック社製)を(平均)膜厚が30nmになるように塗布乾燥した後、150℃で30分間熱処理させ正孔輸送層を製膜した。
これ以降は、基板を窒素チャンバー中に持ち込み、窒素雰囲気下で各構成層を形成した。
まず、窒素雰囲気下で上記基板を150℃で10分間加熱処理した。次に、クロロベンゼンに、P3HT(プレクトロニクス社製:レジオレギュラーポリ−3−ヘキシルチオフェン)とPCBM(フロンティアカーボン社製:6,6−フェニル−C61−ブチリックアシッドメチルエステル)を3.0質量%になるように1:0.8で混合した液を調製し、フィルタでろ過しながら(平均)膜厚が100nmになるように塗布を行い、室温で放置して乾燥させた。続けて、150℃で15分間加熱処理を行い、光電変換層を製膜した。
次に、上記一連の機能層を製膜した基板を真空蒸着装置チャンバー内に移動し、1×10−4Pa以下まで真空蒸着装置内を減圧した後、蒸着速度0.01nm/秒でフッ化リチウムを0.6nm積層し、更に続けて、2mm幅のシャドウマスクを通して(受光部が2×2mmに成るように直行させて蒸着)、蒸着速度0.2nm/秒でAlメタルを100nm積層することで第2の電極を形成した。得られた有機光電変換素子を窒素チャンバーに移動し、封止用キャップとUV硬化樹脂を用いて封止を行って、受光部が2×2mmサイズの有機光電変換素子を作製した。
(有機光電変換素子の封止)
窒素ガス(不活性ガス)によりパージされた環境下で、ガスバリア性フィルム21〜28を用い、ガスバリア層を設けた面に、シール材としてエポキシ系光硬化型接着剤を塗布した。上述した方法によって得られた有機光電変換素子を、上記接着剤を塗布したガスバア性フィルム21〜28の接着剤塗布面の間に挟み込んで密着させた後、片側の基板側からUV光を照射して硬化させ、有機光電変換素子21〜28を作製した。
《有機光電変換素子の評価》
〔有機光電変換素子の強制劣化処理〉
各有機光電変換素子について、メタルハライドランプ方式の耐候性試験機(ダイプラ・ウィンテス社製)を用い、試料面放射強度が2.16MJ/m以下、ブラックパネル温度が63℃、相対湿度が50%、照射時間が500時間の条件で処理を行い、その後、高温高湿条件として、温度85℃、湿度85%RHの環境下で3000時間保存して、強制劣化処理を施した。
〔強制劣化試料の評価〕
上記強制劣化処理を施した各有機光電変換素子について、実施例1に記載の方法と同様にして、強制劣化処理後の透明性、耐傷性、抗菌性1、抗菌性2の評価、下記の方法に従ってエネルギー変換効率の耐久性の評価を行った。
(エネルギー変換効率の耐久性の評価)
上記作製した強制劣化処理有無の有機光電変換素子について、ソーラーシミュレーター(AM1.5Gフィルタ)を用い、100mW/cmの強度の光を照射し、有効面積を4.0mmにしたマスクを受光部に重ね、IV特性を評価することで、短絡電流密度Jsc(mA/cm)、開放電圧Voc(V)及びフィルファクターFF(%)を、同素子上に形成した4箇所の受光部をそれぞれ測定し、下記式1に従って求めたエネルギー変換効率PCE(%)の4点平均値を見積もった。
(式1)
PCE(%)=〔Jsc(mA/cm)×Voc(V)×FF(%)〕/100mW/cm
次いで、下記(式2)によりPCE変動耐性を求め、下記の基準に従ってエネルギー変換効率の耐久性を評価した。
(式2)
PCE変動耐性(%)=(強制劣化処理済み試料のPCE値/未強制劣化処理試料のPCE値)×100
5:PCE変動耐性が、90%以上である
4:PCE変動耐性が、70%以上、90%未満である
3:PCE変動耐性が、40%以上、70%未満である
2:PCE変動耐性が、20%以上、40%未満である
1:PCE変動耐性が、20%未満である
以上により得られた結果を、表2に示す。
Figure 2012208169
表2に記載の結果から明らかなように、本発明のハードコートフィルムを用いて作製した有機光電変換素子は、比較例に対し、過酷な環境下で長期間にわたり保存した後でも、性能劣化が発生し難いことが分かる。
実施例3
《有機EL素子の作製》
〔有機EL素子31の作製〕
(ITO導電層の形成)
実施例2で作製したガスバリア性フィルム21を用い、そのガスバリア層形成面側に、ITO(インジウムチンオキシド)を厚さ100nmとなる条件で製膜してパターニングしてITO導電性層の形成を行った。次いで、このITO導電性層を設けた基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
(正孔注入層の形成)
この基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer社製、Baytron P Al 4083)を純水で70%に希釈した溶液を用い、3000rpm、30秒でスピンコート法により製膜した後、基板表面温度200℃にて1時間乾燥して、膜厚30nmの正孔注入層を設けた。
(正孔輸送層の形成)
この基板を、窒素雰囲気下、JIS B 9920に準拠した測定法で測定した清浄度がクラス100で、露点温度が−80℃以下、酸素濃度0.8ppmのグローブボックスへ移した。グローブボックス中にて正孔輸送層用塗布液を下記のように調製し、スピンコーターにて、1500rpm、30秒の条件で塗布した。この基板を、基板表面温度150℃で30分間加熱乾燥して正孔輸送層を設けた。別途用意した基板にて、同条件にて塗布を行い測定したところ、膜厚は20nmであった。
〈正孔輸送層用塗布液〉
モノクロロベンゼン 100g
ポリ−N,N′−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N′−ビス(フェニル)ベンジジン(ADS254BE:アメリカン・ダイ・ソース社製) 0.5g
(発光層の形成)
次いで、発光層塗布液を下記のように調製し、スピンコーターにて、2000rpm、30秒の条件で塗布した。さらに基板表面温度120℃で30分加熱し発光層を設けた。別途用意した基板にて、同条件にて塗布を行い測定したところ、膜厚は40nmであった。尚、下記発光層組成物のうち、最も低いTgを示したのはH−Aであり、132℃であった。
〈発光層用塗布液〉
酢酸ブチル 100g
H−A 1.0g
D−A 0.11g
D−B 0.002g
D−C 0.002g
(電子輸送層の形成)
次いで、電子輸送層用塗布液を下記のように調製し、スピンコーターにて、1500rpm、30秒の条件で塗布した。さらに基板表面温度120℃で30分加熱し電子輸送層を設けた。別途用意した基板にて、同条件にて塗布を行い測定したところ、膜厚は30nmであった。
〈電子輸送層用塗布液〉
2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール 100g
ET−A 0.75g
Figure 2012208169
(電子注入層の形成)
次いで、電子輸送層まで設けた基板を大気曝露せずに、蒸着器に移動し、4×10−4Paまで減圧した。尚、フッ化カリウムおよびアルミニウムをそれぞれタンタル製抵抗加熱ボートに入れ、蒸着器に取り付けておいた。
先ず、フッ化カリウムの入った抵抗加熱ボートに通電して加熱し、基板上にフッ化カリウムからなる電子注入層を3nm設けた。
(陰極の形成)
続いて、アルミニウムの入った抵抗加熱ボートに通電加熱し、蒸着速度1〜2nm/秒でアルミニウムからなる膜厚100nmの陰極を設け、有機EL素子31を作製した。
〔有機EL素子32〜38の作製〕
上記有機EL素子31の作製において、実施例2で作製したガスバリア性フィルム21に代えて、同じく実施例2で作製したガスバリア性フィルム22〜28をそれぞれ用いた以外は同様にして、有機EL素子32〜38を作製した。
《有機EL素子の評価》
〔有機EL素子の強制劣化処理〉
各有機EL素子について、メタルハライドランプ方式の耐候性試験機(ダイプラ・ウィンテス社製)を用い、試料面放射強度が2.16MJ/m以下、ブラックパネル温度が63℃、相対湿度が50%、照射時間が500時間の条件で処理を行い、その後、高温高湿条件として、温度85℃、湿度85%RHの環境下で3000時間保存して、強制劣化処理を施した。
〔強制劣化試料の評価〕
上記強制劣化処理を施した各有機EL素子について、実施例1に記載の方法と同様にして、強制劣化処理後の透明性、耐傷性、抗菌性1、抗菌性2の評価と、下記の方法に従って素子寿命の評価を行った。
(素子寿命の評価)
上記強制劣化処理を施した有機EL素子と、未処理の有機EL素子について、2.5mA/cmの一定電流で駆動させた時の発光輝度を、駆動電源として株式会社エーディーシー製電圧/電流発生・測定器R6243、輝度測定器としてコニカミノルタセンシング社製、分光放射輝度計CS−2000を用いて測定し、輝度耐久率を下記(式3)に従って測定し、下記の基準に準じて素子寿命を評価した。
(式3)
輝度耐久率(%)=(強制劣化処理後試料の発光輝度/未処理試料の発光輝度)×100
5:輝度耐久率が、70%以上である
4:輝度耐久率50%以上、70%未満である
3:輝度耐久率30%以上、50%未満である
2:輝度耐久率10%以上、30%未満である
1:輝度耐久率10%未満である
以上により得られた結果を、表3に示す。
Figure 2012208169
表3に記載の結果から明らかなように、本発明のハードコートフィルムを用いて作製した有機EL素子は、比較例に対し、過酷な環境下で長期間にわたり保存した後でも、性能劣化を起こしにくく、長寿命であることが分かる。
実施例4
《ハードコートフィルムの作製》
〔ハードコートフィルム41の作製〕
実施例1に記載の支持体1の一方の面側に、下記のコート剤塗布液41を、乾燥後のハードコート層の膜厚が4.0μmとなる条件で、30m/分の速度で搬送しながら、ワイヤーバーで塗布した。次いで、80℃で3分間乾燥した後、硬化条件として、大気圧下で、照射強度が0.5J/cmの高圧水銀ランプを使用して硬化してハードコート層41を形成して、ハードコートフィルム41を作製した。
(コート剤塗布液41の調製)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(東亞合成社製、M−405)40質量部
ウレタンアクリレート(新中村化学工業製、U−6HA) 20質量部
開始剤(BASFジャパン社製、イルガキュア184) 2質量部
銀系無機抗菌剤(品川燃料社製、銀担持ゼオライト、平均粒径2μm) 18質量部
ITO粉末(住友金属鉱山社製、超微粒子ITO) 20質量部
メチルエチルケトン 100質量部
〔ハードコートフィルム42〜48の作製〕
上記ハードコートフィルム41の作製において、コート剤塗布液のモノマーの種類、抗菌剤の種類を、それぞれ表4に記載の条件に変更した以外は同様にして、ハードコートフィルム42〜48を作製した。
《熱線遮断フィルムの作製》
〔熱線遮断フィルム1の作製〕
(高屈折率層用塗布液1の調製)
純水の10.3部に、増粘多糖類として1.0質量%の酸処理ゼラチン(等電点:9.5、重量平均分子量:2万)を140.3部、14.8質量%のピコリン酸水溶液を17.3部と、ホウ酸の5.5質量%水溶液の2.58部とを、それぞれ添加、混合した後、下記酸化チタン分散液1の38.2部を添加、混合して、さらに、フッ素系カチオン性界面活性剤として、サーフロンS221(AGCセイミケミカル社製)を0.067部添加し、最後に純水で223部に仕上げて、高屈折率層用塗布液1を調製した。なお、高屈折率層用塗布液1における界面活性剤であるサーフロンS221の含有量は、0.03質量%である。
〈酸化チタン分散液1の調製〉
体積平均粒径が35nmのルチル型酸化チタン微粒子を含む20.0質量%酸化チタンゾルの28.9部と、14.8質量%のピコリン酸水溶液を5.41部と、水酸化リチウムの2.1質量%水溶液の3.92部とを、混合、分散して酸化チタン分散液を調製した。
(低屈折率層用塗布液1の調製)
ポリ塩化アルミニウム(多木化学製、タキバイン#1500)の23.5質量%水溶液を9.18部と、コロイダルシリカ(日産化学社製、スノーテックスOS)の10質量%水溶液を510部と、ホウ酸の5.5質量%水溶液の103.4部と、水酸化リチウムの2.1質量%水溶液の4.75部とを、混合、分散し、純水で1000部に仕上げて、酸化ケイ素分散液1を調製した。
次いで、17.6部の純水に、1.0質量%のタマリンドシードガム水溶液の26.2部と、ポリビニルアルコール(PVA217、クラレ社製)の5.0質量%溶液の3.43部と、2.1質量%のピコリン酸水溶液を0.06部とを添加、混合した後、上記酸化ケイ素分散液1の96.5部を添加、混合し、さらに、フッ素系カチオン性界面活性剤として、サーフロンS221(AGCセイミケミカル社製)を0.045部添加し、最後に純水で150部に仕上げて、低屈折率層用塗布液1を調製した。なお、低屈折率層用塗布液1における界面活性剤であるサーフロンS221の含有量は、0.03質量%である。
(最表層用塗布液の調製)
前記低屈折率層用塗布液1の調製において、アセチレングリコール系ノニオン性界面活性剤であるオルフィンE1004(日信化学社製)の塗布液全質量に対する添加量を、0.03質量%から0.06質量%に変更した以外は同様にして、最表層用塗布液を調製した。
(熱線遮断フィルムの形成方法)
15層同時塗布可能なスライドホッパー塗布装置を用い、層構成として上記調製した低屈折率層用塗布液1及び高屈折率層用塗布液1をそれぞれ交互に7層ずつ計14層積層し、その上に上記最表層用塗布液を積層した計15層を、45℃に保温しながら、45℃に加温した上記ハードコートフィルム41のハードコート層形成面とは反対の面上に、同時重層塗布を行った。次いで、膜面が15℃以下となる条件で冷風を1分間吹き付けてセットさせた後、80℃の温風を吹き付けて乾燥させて、15層からなる熱線遮断フィルム41を作製した。
〔熱線遮断フィルム42〜48の作製〕
上記熱線遮断フィルム41の作製において、ハードコートフィルム41に代えて、上記作製したハードコートフィルム42〜48をそれぞれ用いた以外は同様にして、熱線遮断フィルム42〜48を作製した。
《熱線遮断フィルムの評価》
〔熱線遮断フィルムの強制劣化処理〉
各熱線遮断フィルムについて、メタルハライドランプ方式の耐候性試験機(ダイプラ・ウィンテス社製)を用い、試料面放射強度が2.16MJ/m以下、ブラックパネル温度が63℃、相対湿度が50%、照射時間が500時間の条件で処理を行い、その後、高温高湿条件として、温度85℃、湿度85%RHの環境下で3000時間保存して、強制劣化処理を施した。
〔強制劣化試料の評価〕
上記強制劣化処理を施した各熱線遮断フィルムについて、実施例1に記載の方法と同様にして、強制劣化処理後の透明性、耐傷性、抗菌性1、抗菌性2の評価と、下記の方法に従って強制劣化処理後の赤外線遮断効果の保持性について評価を行った。
(赤外線遮断効果の保持性)
上記強制劣化処理を施した熱線遮断フィルムと、未処理の熱線遮断フィルムについて、分光光度計(積分球使用、日立製作所社製、U−4000型)を用い、300nm〜2000nmの領域における透過率を測定して、1200nmにおける透過率の値を近赤外透過率として測定し、下記(式4)に従って赤外線透過性の保持率を測定し、下記の基準に従って赤外線遮断効果の保持性を評価した。
(式4)
赤外線透過性の保持率=(未処理の熱線遮断フィルムの近赤外透過率/強制劣化処理後の熱線遮断フィルムの近赤外透過率)×100(%)
5:赤外線透過性の保持率が、70%以上である
4:赤外線透過性の保持率が、50%以上、70%未満である
3:赤外線透過性の保持率が、30%以上、50%未満である
2:赤外線透過性の保持率が、10%以上、30%未満である
1:赤外線透過性の保持率が、10%未満である
以上により得られた結果を、表4に示す。
Figure 2012208169
表4に記載の結果から明らかなように、本発明のハードコートフィルムを用いて作製した熱線遮断フィルムは、比較例に対し、過酷な環境下で長期間にわたり保存した後でも、性能劣化を起こしにくく、赤外線遮断効果が長期間にわたり維持されていることが分かる。
10 バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子
11 基板
12 透明電極
13 対極
14 光電変換部(バルクヘテロジャンクション層)
14p p層
14i i層
14n n層
14′ 第1の光電変換部
15 電荷再結合層
16 第2の光電変換部
17 正孔輸送層
18 電子輸送層

Claims (7)

  1. プラスチック基材上の少なくとも一方の面に、多官能ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートモノマー成分と抗菌性モノマー成分とを有するポリマーを含有するハードコート層を設けたことを特徴とするハードコートフィルム。
  2. 前記ハードコート層が、紫外線を照射して硬化させたことを特徴とする請求項1に記載のハードコートフィルム。
  3. 前記抗菌性モノマー成分が、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩及び4級スルホニウム塩から選ばれる少なくとも1つの塩を有することを特徴とする請求項1または2に記載のハードコートフィルム。
  4. 前記抗菌性モノマー成分が、ピリジウム塩及びピペリジウム塩から選ばれる少なくとも1つの塩を有することを特徴とする請求項1または2に記載のハードコートフィルム。
  5. 前記ハードコート層の表面粗さRaが1nm以上、50nm以下であり、かつ125μm当たりの20nm以上の突起物数が、10個以上、10000個以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のハードコートフィルムを有することを特徴とする熱線遮断フィルム。
  7. 請求項1から5のいずれか1項に記載のハードコートフィルムを有することを特徴とする有機素子デバイス。
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