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JP2012119470A - 配線基板 - Google Patents

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JP2012119470A
JP2012119470A JP2010267411A JP2010267411A JP2012119470A JP 2012119470 A JP2012119470 A JP 2012119470A JP 2010267411 A JP2010267411 A JP 2010267411A JP 2010267411 A JP2010267411 A JP 2010267411A JP 2012119470 A JP2012119470 A JP 2012119470A
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epoxy resin
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JP2010267411A
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Takanori Shimizu
尭紀 清水
Hideko Akai
日出子 赤井
Takayoshi Hirai
孝好 平井
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

【課題】 軽量で、割れが生じにくく、CAFの発生及びビア形成工程におけるスミア発生を抑制し、更に低フィラー充填率で低線膨張である配線基板を提供することを課題とする。
【解決手段】 熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光(活性エネルギー線)硬化性樹脂などの樹脂中に、例えば、植物由来原料から得られるセルロースを含有する物質から精製を経て不純物を除去した後、解繊することにより得られる、数平均繊維径4〜1000nmのセルロース繊維が分散してなる、配線基板。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子部品として用いられるプリント配線板などの配線基板に関する。
プリント配線板などの配線基板は様々な用途に使用されており、種々の高い特性が求められている。配線基板の材料には絶縁性、高伝熱、低線膨張、難燃性が求められ、柔軟性の無いリジッド基板材料としては、例えば紙フェノールやガラスエポキシ基板が、フレキシブル基板材料としては、例えばポリイミドやポリエステルのフィルムが挙げられる。近年の電子機器の小型化、軽量化に伴い、部品の実装密度及び配線密度の緻密化が進んでいるが、これら配線基板材料は以下に述べるような課題を有しており、より一層の緻密化が困難であった。
例えば、ガラスエポキシ基板(FR−4)は、ガラス繊維からなるガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸・熱硬化させたもので、表面実装用・多層基板に多用されている。しかし、FR−4は、非特許文献1に示すように、銅電極とガラス繊維との接触に起因する短絡現象(Conductive Anodic Filaments; CAF)が課題となっている。また、ガラス繊維は本来的に硬く脆い性質を有するため、FR−4は基板の割れが問題となっている。このような割れは、前述のCAFの原因とも指摘されている。また、FR−4は、薄膜化すると曲げ剛性が低下するため、回路加工工程での寸法変化やそりが大きくなりがちであった。そのため、寸法精度が低下し易く、加熱工程時に生じるたわみが大きく、部品の実装精度が低下し易いという問題点もあった。
また、リジッド基板の中でも、更に実装密度が高く薄型化が要求されるビルドアップ基板には、エポキシ樹脂やポリイミドに、線膨張係数を下げるためにシリカを充填させたフィルムが採用されている。しかし、シリカのような無機物は層間ビア形成工程(レーザー加工)に焼け残り(スミア)が残留することが問題となっている。また、シリカのような球形のフィラーを採用する場合、フィルムの線膨張係数は充填率に対して線形にしか低下しないため、要求される低線膨張性を実現するためにフィラーを高充填にする必要があった。
松下電工技報(Vol. 54(2006), No. 3, pp.44-48)
本発明は、軽量で、割れが生じにくく、CAFの発生及びビア形成工程におけるスミア発生を抑制し、更に低フィラー充填率で低線膨張である配線基板を提供することを課題とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、微細なセルロース繊維を樹脂中に分散した複合体を配線基板として用いることにより、上記課題が解決できることが分かり、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、樹脂中に、数平均繊維径4〜1000nmのセルロース繊維が分散してなる、配線基板に存する。
本発明によれば、軽量で、割れが生じにくく、CAFの発生及びビア形成工程におけるスミア発生を抑制し、低フィラー充填率で低線膨張である配線基板を提供できる。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定はされない。
本発明の配線基板は、樹脂中に、平均繊維径4〜1000nmのセルロース繊維が均一に分散している基板であることを特徴とする。
尚、本発明における配線基板とは、リジッド基板(片面基板、両面基板、多層基板、ビルドアップ基板)、フレキシブル基板などとして用いられる基板であって、例えば、携帯電話、デジタルカメラ、中央演算処理装置(CPU)などの電子機器に用いることができる。
(1)樹脂
本発明の配線基板に含有される樹脂は、特に限定されるものではないが、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光(活性エネルギー線)硬化性樹脂などが挙げられる。
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、芳香族ポリカーボネート系樹脂、脂肪族ポリカーボネート系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリオレフィン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、熱可塑性ポリイミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリスルホン系樹脂、非晶性フッ素系樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂、光(活性エネルギー線)硬化性樹脂とは、熱または光により硬化する樹脂のことを意味する。前駆体は、通常、常温では液状、半固体状または固形状であって、常温下または加熱下で流動性を示す物質を意味する。これらは、硬化剤、触媒、熱または光の作用によって重合反応や架橋反応を起こして分子量を増大させながら、網目状の三次元構造を形成してなる不溶不融の樹脂となり得る。
(熱硬化性樹脂)
本発明における熱硬化性樹脂は特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、オキセタン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、珪素樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂等の樹脂が挙げられる。
(光硬化性樹脂)
本発明における光硬化性樹脂は特に限定されないが、例えば、上述の熱硬化性樹脂の説明において例示した、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、オキセタン樹脂等の樹脂またはその前駆体が挙げられる。
特に、エポキシ樹脂またはアクリル樹脂が好ましく、特にエポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールアセトフェノン型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレノン型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂や、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノンなどの単環2価フェノールのジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂や、ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシジヒドロアントラセン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂などのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂や、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂等の種々のエポキシ樹脂が挙げられる。
これらのエポキシ樹脂は、アルキル基、アリール基、エーテル基、エステル基などの悪影響のない置換基で置換されていてもよい。
これらのエポキシ樹脂の中で特に好ましいものは、取り扱いのし易い、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、結晶性樹脂であり融点以上で低粘度となる4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂、多官能であり硬化時に高架橋密度となり耐熱性の高い硬化物が得られるフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。
また、エポキシ樹脂は、重量平均分子量の低いモノマータイプ(例えば、Mw=200)のものから、分子量の高い高分子タイプ(例えば、Mw=90,000)のものまで使用できる。重量平均分子量が、100,000以上になると樹脂の取り扱いが困難になり、好ましくない。樹脂の取り扱い性の観点から、エポキシ樹脂の重量平均分子量は200〜80,000が好ましく、300〜60,000がより好ましい。
アクリル樹脂としては、例えば、 (メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド等の重合体及び共重合体などが挙げられる。なかでも、(メタ)アクリル酸(メタ)アクリル酸エステルの重合体及び共重合体などが好ましく挙げられる。
アクリル樹脂の重量平均分子量は特に制限されないが、取り扱い性の観点から、300〜3,000,000が好ましく、400〜2,500,000がより好ましい。
本発明の配線基板は、上記樹脂および/または該樹脂の前駆体、並びに、平均繊維径が4〜1000nmのセルロース繊維を含有する組成物を硬化させて形成されることが好ましい。
この場合、該樹脂の前駆体とは、該樹脂を構成するモノマーやオリゴマーを意味する。例えば、エポキシ樹脂前駆体としては、2価フェノール類が挙げられ、水酸基が芳香族環に結合したものであればどのようなものでもよい。例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールB、ビスフェノールAD、4−4’−ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール等のビスフェノール類、ビフェノール、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。
また、エポキシ樹脂前駆体として、これらの2価フェノール類が、アルキル基、アリール基、エーテル基、エステル基などの非妨害性置換基で置換されたものも挙げられる。これらの2価フェノール類の中で好ましいものは、ビスフェノールA、ビスフェノールF、4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノールである。これらの2価フェノール類は、複数種を合わせて使用することもできる。
また、2価フェノール以外のものとしては多官能フェノール樹脂が挙げられ、フェノールノボラック型樹脂、ビスフェノール型ノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、Xylok型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、メラミン変性フェノールノボラック樹脂、トリアジン構造含有ノボラック樹脂などが挙げられる。
アクリル樹脂前駆体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド等などが挙げられる。なかでも、(メタ)アクリル酸(メタ)アクリル酸エステルなどが好ましく挙げられる。
尚、配線基板中の樹脂の含有量は、通常1重量%以上、好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上、通常99.5重量%以下、好ましくは95重量%以下、さらに好ましくは98重量%以下である。
(2)平均繊維径4〜1000nmのセルロース繊維
本発明に用いられるセルロース繊維の数平均繊維径は、通常1000nm以下、200nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましく、80nm以下が特に好ましい。尚、この数平均繊維径の下限は通常4nm以上である。
なお、上記数平均繊維径は、SEMやTEM等で観察して、写真の対角線に線を引き、その近傍にある繊維をランダムに12点抽出し、最も太い繊維と最も細い繊維を除去した10点を測定して、平均した値である。
平均繊維径4〜1000nmのセルロース繊維は、特に限定されるものではないが、セルロースを含有する物質(セルロース含有物)から精製を経て不純物を除去した後、解繊することにより得られるものであることが好ましい。特に、植物由来原料から得られるセルロースを含有する物質(セルロース含有物)を原料として用いることが好ましい。
また、使用されるセルロース繊維の平均アスペクト比は5以上が好ましく、10以上がより好ましい。一般に樹脂中のフィラーは、その形状が高アスペクト比であるほうが低充填率でフィラー間の相互作用が働き、効果が発現するためである。
また、使用されるセルロース繊維は、化学修飾によって誘導化されたもの(化学修飾されたセルロース繊維)であってもよい。化学修飾とは、セルロース中の水酸基が化学修飾剤と反応して化学修飾されたものである。
化学修飾によってセルロースの水酸基に導入する置換基(水酸基中の水素原子と置換して導入される基)は特に制限されず、例えば、アセチル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、プロピオニル基、プロピオロイル基、ブチリル基、2−ブチリル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、フロイル基、シンナモイル基等のアシル基、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアノイル基等のイソシアネート基、メチル基、エチル基、プロピル基、2−プロピル基、ブチル基、2−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基等のアルキル基、オキシラン基、オキセタン基、チイラン基、チエタン基等が挙げられる。これらの中では特にアセチル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基等の炭素数2〜12のアシル基が好ましい。
また、該セルロース繊維は、セルロースI型結晶構造を有することが好ましい。セルロースI型結晶は、他の結晶構造より結晶弾性率が高いため、高弾性率、高強度、低線膨張係数であり好ましい。該セルロース繊維がI型結晶構造であることは、その広角X線回折像測定により得られる回折プロファイルにおいて、2θ=14〜17°付近と2θ=22〜23°付近の二つの位置に典型的なピークをもつことから同定することができる。
尚、配線基板中のセルロース繊維の含有量は特に制限されないが、セルロース繊維の好適な含有量としては、複合体全量に対して、0.5重量%以上が好ましく、1重量%以上がより好ましく、2重量%以上がさらに好ましく、99重量%以下が好ましく、80重量%以下がより好ましく、70重量%以下がさらに好ましい。セルロース繊維の含有量が少な過ぎるとセルロース繊維による配線基板の線熱膨張係数低減の効果が不十分となる傾向がある。セルロース繊維の含有量が多過ぎると、樹脂による繊維間の接着、または繊維間の空間の充填が十分でなくなり、基板の強度、硬化したときの表面の平坦性が低下するおそれがある。
本発明の配線基板は、実質的にセルロース繊維と樹脂とから構成されることが好ましい。
配線基板中のセルロース繊維および樹脂の含有量は、例えば、樹脂と複合化する前のセルロースの重量と複合化後のセルロースの重量より求めることができる。また、樹脂が可溶な溶媒に配線基板を浸漬して樹脂のみを取り除き、残ったセルロース繊維の重量から求めることもできる。その他、熱分析や樹脂の比重から求める方法や、NMR、IRを用いて樹脂やセルロース繊維の官能基を定量して求めることもできる。
(3)その他
本発明の配線基板中には、上述した樹脂及びセルロース繊維の他、必要に応じて、連鎖移動剤、紫外線吸収剤、充填剤、シランカップリング剤、光・熱重合開始剤、硬化剤などが含有されていてもよい。
なお、樹脂または樹脂前駆体として、エポキシ樹脂またはその前駆体を使用する場合は、エポキシ樹脂硬化剤が含有されていてもよい。
エポキシ樹脂硬化剤は特に限定されず、例えば、多価フェノール化合物類、アミン化合物類、酸無水物類、その他下記に挙げるようなものを用いることができる。
例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ハイドロキノン、レゾルシン、メチルレゾルシン、ビフェノール、テトラメチルビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシジフェニルエーテル、チオジフェノール類、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、テルペンフェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ビフェニルフェノール樹脂、臭素化ビスフェノールA、臭素化フェノールノボラック樹脂などの種々の多価フェノール類や、種々のフェノール類とベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、グリオキザールなどの種々のアルデヒド類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂類や、重質油またはピッチ類とフェノール類とホルムアルデヒド類との共縮合樹脂等の各種のフェノール樹脂類や、それら各種のフェノール(樹脂)類のフェノール性水酸基の全部もしくは一部をベンゾエート化あるいはアセテート化などのエステル化することによって得られる活性エステル化合物類や、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、メチルナジック酸等の酸無水物類や、ジエチレントリアミン、イソホロンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジシアンジアミド、脂肪族ポリアミン、ポリアミド等のアミン類などが挙げられる。
カチオン系重合開始剤もエポキシ樹脂またはその前駆体の硬化剤として使用することができる。そのカチオン系重合開始剤としては、活性エネルギー線によりカチオン種またはルイス酸を発生する、活性エネルギー線カチオン系重合開始剤、または、熱によりカチオン種またはルイス酸を発生する熱カチオン重合開始剤を用いることができる。
例えば、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートなどのホスホニウム塩、2−メチルイミダゾ−ル、2−フェニルイミダゾ−ル、2−エチル−4−メチルイミダゾ−ル、2−ウンデシルイミダゾ−ル、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾ−ル、2,4−ジシアノ−6−[2−メチルイミダゾリル−(1)]−エチル−S−トリアジンなどのイミダゾ−ル類、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテ−ト、2−メチルイミダゾリウムイソシアヌレ−ト、2−エチル−4−メチルイミダゾリウムテトラフェニルボレ−ト、2−エチル−1,4−ジメチルイミダゾリウムテトラフェニルボレ−トなどのイミダゾリウム塩、2,4−6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノ−ル、ベンジルジメチルアミンなどのアミン類、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレ−トなどのアンモニウム塩、1,5−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−5−ノネンなどのジアザビシクロ化合物などが挙げられる。
また、これらジアザビシクロ化合物のテトラフェニルボレ−ト、フェノール塩、フェノールノボラック塩、2−エチルヘキサン酸塩など、さらにはトリフル酸(Triflic acid)塩、三弗化硼素エーテル錯化合物、金属フルオロ硼素錯塩、ビス(ペルフルオルアルキルスルホニル)メタン金属塩、アリールジアゾニウム化合物、芳香族オニウム塩、周期表第IIIa〜Va族元素のジカルボニルキレート、チオピリリウム塩、MF6 陰イオン(ここでMは燐、アンチモンおよび砒素から選択される)の形の周期表第VIb族元素、アリールスルホニウム錯塩、芳香族ヨードニウム錯塩、芳香族スルホニウム錯塩、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド−ビス−ヘキサフルオロ金属塩(例えば燐酸塩、砒酸塩、アンチモン酸塩等)、アリールスルホニウム錯塩、ハロゲン含有錯イオンの芳香族スルホニウムまたはヨードニウム塩等を用いることができる。その他、鉄化合物の混合配位子金属塩およびシラノール−アルミニウム錯体も使用することが可能である。これらの塩のいくつかは、FX−512(3M社)、UVR−6990およびUVR−6974(ユニオン・カーバイド(Union Carbide)社)、UVE−1014およびUVE−1016(ジェネラル・エレクトリック(General Electric)社)、KI−85(デグッサ(Degussa)社)、SP−150およびSP−170(旭電化社)、並びに、サンエイドSI−60L、SI−80LおよびSI−100L(三新化学工業社)として商品として入手できる。
また、好ましい熱カチオン系重合開始剤としては、トリフル酸塩であり、例としては、3M社からFC−520として入手できるトリフル酸ジエチルアンモニウム、トリフル酸トリエチルアンモニウム、トリフル酸ジイソプロピルアンモニウム、トリフル酸エチルジイソプロピルアンモニウム等(これらの多くはR.R.Almによって1980年10月発行のモダン・コーティングス(Modern Coatings)に記載されている)がある。
一方、活性エネルギー線カチオン系重合開始剤としても用いられる芳香族オニウム塩のうち、熱によりカチオン種を発生するものがあり、これらも熱カチオン系重合開始剤として用いることができる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、硬化促進剤としては、例えば、ベンジルジメチルアミン、各種のイミダゾール系化合物等のアミン類、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン類等が挙げられる。
また、充填剤としては、例えば、線膨張係数を下げる目的で充填するシリカ、硬化物表面を粗化させる目的で充填するゴム成分(例えば特許第3785749号に記載)、難燃剤などが挙げられる。
(4)配線基板の製造方法
本発明の配線基板の製造方法としては特に限定されるものではないが、上述の樹脂および/または樹脂の前駆体、並びに、平均繊維径が4〜1000nmのセルロース繊維を含有する組成物を硬化させて形成されることが好ましい。
該樹脂および/または樹脂の前駆体、並びに、平均繊維径が4〜1000nmのセルロース繊維を含有する組成物は、通常、溶媒中に樹脂および/または樹脂の前駆体、並びに、平均繊維径が4〜1000nmのセルロース繊維が分散された分散液である。
該溶媒としては、水または有機溶媒が挙げられる。具体的に有機溶媒としては、使用される樹脂または樹脂前駆体が溶解または分散すれば特に限定されないが、例えば、芳香族系炭化水素、非プロトン性極性溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、グリコールエーテル系溶媒などが挙げられる。好ましくは、非プロトン性極性溶媒(特に、アミド系溶媒)、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒である。これらの溶媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明で使用される有機溶媒は、後の工程で有機溶媒を除去する工程があることから沸点が高すぎないことが好ましい。有機溶媒の沸点は300℃以下が好ましく、200℃以下が好ましく、180℃以下が更に好ましい。また、取扱い性などの点から、70℃以上が好ましい。
芳香族系炭化水素としては、好ましくは炭素数6〜12の芳香族炭化水素が挙げられ、具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
アルコール系溶媒としては、好ましくは炭素数1〜7のアルコール系溶媒が挙げられ、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどが挙げられる。
ケトン系溶媒(ケトン基を有する液体を指す)としては、好ましくは炭素数3〜9のケトン系溶媒が挙げられ、具体的には、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ジイソプロピルケトン、ジ−tert−ブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−オクタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘキシルメチルケトン、アセトフェノン、アセチルアセトン、ジオキサン等が挙げられる。この中でも、好ましくは、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロペンタノン、シクロヘキサノンであり、より好ましくは、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノンである。
非プロトン性極性溶媒としては、ジメチルスルフォキシド(DMSO)などのスルホキシド系溶媒、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒が挙げられる。
グリコールエーテル系溶媒としては、好ましくは炭素数3〜9のグリコールエーテル系溶媒が挙げられ、具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが挙げられる。
組成物中におけるセルロース繊維の含有量は、分散液の安定性の点から、分散液全量に対して、0.5重量%以上が好ましく、1重量%以上がより好ましく、50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましく、30重量%以下がさらに好ましい。
組成物中における有機溶媒の含有量は特に限定されないが、粘度や液安定性が好適なものになるといった取扱い性の点から、組成物全量に対して、1重量%以上が好ましく、5重量%以上がより好ましく、97.5重量%以下が好ましく、95重量%以下がより好ましい。
組成物中において樹脂および/または樹脂前駆体と有機溶媒との重量比は特に限定さないが、上記と同様に、粘度や液安定性が好適なものになるといった取扱い性の点から、有機溶媒の含有量は、樹脂および/または樹脂前駆体100重量部に対して、5〜2000重量部が好ましく、25〜1000重量部がより好ましい。
また、組成物中には、上述したような、連鎖移動剤、紫外線吸収剤、充填剤、シランカップリング剤、光・熱重合開始剤、硬化剤などが含有されていてもよい。
この組成物を用いることにより、セルロース繊維が樹脂中に均一に分散した配線基板を得ることができる。該配線基板の製造方法は特に限定されないが、例えば該組成物に加熱処理および/または露光処理を施し、溶媒を除去して、セルロース繊維と樹脂とを含有する配線基板を得る。なお、樹脂前駆体を使用した場合は、該工程を経て該前駆体が硬化されて、樹脂となる。
加熱および/または露光処理を施す際、該組成物を基材上へ塗布して塗膜状としてもよく、また、型内に流し込んでもよい。該塗布や、型内に流し込む際に、必要に応じて、乾燥処理を施して、溶媒を除去してもよい。
加熱処理の条件は特に限定されず、樹脂前駆体が使用される場合は、該前駆体が硬化する温度以上であればよい。なかでも、溶媒を揮発させて除去できる点から、加熱温度は、60℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましい。なお、セルロース繊維の分解を抑制する点から、250℃以下が好ましく、200℃以下がより好ましい。加熱時間は、生産性などの点から、60〜180分が好ましい。
加熱処理は複数回にわたって、温度・加熱時間を変更して実施してもよい。具体的には60〜100℃で30〜60分間の一次加熱と、130〜160℃で30〜60分間の二次加熱と、二次加熱温度よりも40〜60℃高い150〜200℃で30〜60分間の三次加熱との三段処理で行なうことが、溶媒を完全に除去し、基板の表面形状の不良を少なくし、完全硬化させるという点で好ましい。なお、少なくとも二段以上の加熱が好ましい。
露光処理には、赤外線、可視光線、紫外線などの光、電子線等が挙げられるが、好ましくは光である。更に好ましくは波長が200〜450nm程度の光であり、更に好ましくは波長が300〜400nmの紫外線である。
照射する量は、使用される樹脂前駆体や、光重合開始剤などによって適宜最適な量が選択されるが、波長300〜450nmの紫外線を、好ましくは0.1J/cm2以上200J/cm2以下の範囲で照射する。更に好ましくは1J/cm2以上20J/cm2以下の範囲で照射する。複数回に分割して照射すると、より好ましい。すなわち1回目に全照射量の1/20〜1/3程度を照射し、2回目以降に必要残量を照射することが好ましい。使用するランプの具体例としては、メタルハライドランプ、高圧水銀灯ランプ、紫外線LEDランプ等を挙げることができる。
上記樹脂および/または樹脂前駆体として、エポキシ樹脂および/またはその前駆体を使用した場合、該組成物にエポキシ樹脂硬化剤および/または硬化促進剤を加え、硬化させて複合体を作製することが好ましい。
組成物中のエポキシ樹脂成分の重量平均分子量(Mw)が200〜6,000の場合、エポキシ樹脂(当量):エポキシ樹脂硬化剤(当量)=1:0.8〜1.2の割合で配合することが好ましい。また、組成物中のエポキシ樹脂成分の重量平均分子量(Mw)が6,000超90,000以下の場合、エポキシ樹脂硬化剤を配合して硬化することも出来るが、多官能エポキシ樹脂をエポキシ樹脂成分の2〜20重量%添加し、硬化させる方が好ましい。
高分子量エポキシ樹脂は、エポキシ基濃度が低い為、硬化させるには多官能エポキシ樹脂を加えて、エポキシ基濃度を高め、架橋密度を上げることが好ましい。
硬化促進剤は全エポキシ樹脂100重量部に対して、0.1〜5.0重量部配合することが好ましい。
なお、硬化条件としては、以下の硬化方法IおよびIIの方法が好ましく挙げられる。
硬化方法I:組成物中のエポキシ樹脂成分の重量平均分子量(Mw)が200〜6,000の場合、組成物にエポキシ樹脂硬化剤を加え、100〜200℃の温度で5分間加熱混合したのち、硬化促進剤を素早く混合して樹脂組成物を作製する。この樹脂組成物を減圧下で溶媒成分を除去し脱泡したのち、型の中に流し込み、120〜200℃で2〜5時間加熱して配線基板を得る。
硬化方法II:組成物中のエポキシ樹脂成分の重量平均分子量(Mw)が6,000超90,000以下の場合、分散液に多官能エポキシ樹脂および硬化促進剤を混合してワニスを作製し、スリット幅300μmのアプリケーターを用いて、PTFEテープ(中興化成工業(株):チューコーフロー スカイブドテープ MSF−100)上に塗膜を引き、熱風乾燥機にて60℃で60分保持し、160℃で60分間保持し、更に200℃で60分保持して、配線基板を得る。
(形状、厚み)
本発明の配線基板の形状は、特に限定されず、板状、または曲面を有する板状とすることもできる。また、その他の異形形状であってもよい。また、厚さは必ずしも均一である必要はなく、部分的に異なっていてもよい。
形状が板状(シート状、フィルム状)である場合、その厚み(平均厚み)は、好ましくは5μm以上10cm以下であり、このような厚みとすることにより、構造材としての強度を保つことができる。さらに、より好ましくは7μm以上、1cm以下であり、さらに好ましくは10μm以上、250μm以下である。
なお、上記板状物において、フィルムとはその厚みが概ね、200μm以下の板状物を意味し、シートとはフィルムよりも厚い板状物を意味する。
尚、この厚みとは、配線基板の基板のみの厚みを意味し、接着剤層や銅箔などは含めない。
(線膨張係数)
本発明の配線基板は、低い線膨張係数(1Kあたりの伸び率)を示す。このセルロース繊維複合体の線膨張係数は、1〜70ppm/Kが好ましく、1〜60ppm/Kがより好ましく、1〜50ppm/Kが特に好ましい。
特に、配線基板用途においては、無機の薄膜トランジスタの線膨張係数が15ppm/K程度であるため、配線基板の線膨張係数が50ppm/Kを超えると無機膜との積層複合化の際に、二層の線膨張係数差が大きくなり、クラック等が発生するおそれがある。従って、配線基板の線膨張係数は、特に1〜50ppm/Kであることが好ましい。
なお、線膨張係数は、後述の実施例の項に記載される方法により測定される。
(ガラス転移温度)
本発明の配線基板では、セルロース繊維が樹脂中に均一に分散することによって、樹脂のTg(ガラス転移温度)を上昇させる効果を有する。該効果によって、後述する用途に好適な高Tgを示す材料を得ることができる。特に、エポキシ樹脂を使用した場合は、その効果が顕著となる。
本発明の配線基板は半導体実装用配線基板、特に今後必要とされるフリップチップ型パッケージ、受動素子内蔵化技術の分野への適用が期待され、特にその優れた放熱性により大電流配線基板に有用である。
以下、製造例、実施例および比較例によって、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
配線基板における各種物性の測定方法は次の通りである。
[配線基板中のセルロース繊維の数平均繊維径]
セルロース繊維の数平均繊維径は、光学顕微鏡、SEM、TEM等で観察することにより計測して求めた。具体的には、配線基板を製造する組成物から溶媒を乾燥除去した後、30,000倍に拡大したSEM写真の対角線に線を引き、その近傍にある繊維をランダムに12点抽出し、最も太い繊維と最も細い繊維を除去した10点の測定値の平均を数平均繊維径とした。
[配線基板の線膨張係数およびTg]
配線基板を、2.5mm幅×20mm長にカットした。これをSII製TMA「EXSTAR6000」を用いて引張モードでチャック間10mm、荷重30mN、窒素雰囲気下、室温から150℃まで10℃/min.で昇温し、次いで150℃から20℃まで10℃/min.で降温し、更に20℃から200℃まで5℃/min.で昇温した際の2度目の昇温時の40℃から110℃の測定値から線膨張係数を求めた。
また、2度目の昇温時の40℃から200℃の測定値からTg(ガラス転移温度)を求めた。
[CAFの発生評価]
CAFの発生を評価するため、電食試験を以下のようにしておこなう。試験基板はライン/スペースが100μm/100μmの導体パターンを銅張積層板の銅箔から形成し、その上にエポキシ接着フィルムからなる絶縁体層を形成したものであり、この電食試験基板を121℃、85%RHの環境条件の中、該導体ライン間にDC15Vを1000h印加する。
[割れ試験]
割れ試験は3点曲げ試験による評価を行う。
[レーザー照射試験]
レーザー照射試験は、以下のようにしておこなう。
フィルムを50mm幅×50mm長にカットする。これにコマックス社製レーザー加工機「Laserman A」で照射し、照射表面をSEMで観察する。
<製造例1>
木粉((株)宮下木材、米松100、粒径50〜250μm、平均粒径138μm)を炭酸ナトリウム2重量%水溶液で80℃にて6時間脱脂した。これを脱塩水で洗浄した後、亜塩素酸ナトリウムを用いて酢酸酸性下、80℃にて5.5時間脱リグニンした。これを脱塩水で洗浄した後、水酸化カリウム5重量%水溶液に16時間浸漬して、脱ヘミセルロース処理を行った。これを脱塩水で洗浄した後、濾過により脱水した。これを酢酸中に分散して濾過する工程を3度行い、水を酢酸に置換した。このセルロース繊維を固形分40gに対して、酢酸400ml、無水酢酸400mlを添加し、115℃5hr反応させた。反応後、反応液を濾過して、メタノール、脱塩水の順で洗浄しアセチル化セルロース繊維(数平均繊維径60μm)を得た。
得られたアセチル化セルロース繊維の化学修飾率を、下記の測定方法に従って求めたところ、16mol%であった。
ここでいう化学修飾率とは、セルロース中の全水酸基のうちの化学修飾されたものの割合を示し、化学修飾率は下記の滴定法によって測定することができる。
乾燥セルロース0.05gを精秤し、これにエタノール1.5ml、蒸留水0.5mlを添加する。これを60〜70℃の湯浴中で30分静置した後、0.5N水酸化ナトリウム水溶液2mlを添加する。これを60〜70℃の湯浴中で3時間静置した後、超音波洗浄器にて30分間超音波振とうする。これを、フェノールフタレインを指示薬として0.2N塩酸標準溶液で滴定する。
ここで、滴定に要した0.2N塩酸水溶液の量Z(ml)から、化学修飾により導入された置換基のモル数Qは、下記式で求められる。
Q(mol)=0.5(N)×2(ml)/1000
−0.2(N)×Z(ml)/1000
この置換基のモル数Qと、化学修飾率X(mol%)との関係は、以下の式で算出される(セルロース=(C10=(162.14),繰り返し単位1個当たりの水酸基数=3,OHの分子量=17)。なお、以下において、Tは置換基の分子量である。
Figure 2012119470
これを解いていくと、以下の通りである。
Figure 2012119470
<実施例1>
製造例1で得られた含水アセチル化セルロース繊維(繊維含有量7重量%、残部は主に水)を濾過により脱水する。これをメチルエチルケトン中に分散して濾過する工程を3度行い、水をメチルエチルケトンに置換する。
一方、変性ビフェノール型エポキシ樹脂30重量%、メチルエチルケトン35重量%、シクロヘキサノン35重量%を含む溶液(三菱化学社製jER(登録商標)YX6954BH30)に、さらに、メチルエチルケトンと、シクロヘキサノンを加え、樹脂含量20重量%に調製したエポキシ樹脂溶液(変性ビフェノール型エポキシ樹脂20重量%、メチルエチルケトン40重量%、シクロヘキサノン40重量%)を作製する。
上記メチルエチルケトンで置換されたアセチル化セルロース繊維と上記エポキシ樹脂溶液とを用いて、全固形分に対してアセチル化セルロース繊維の含有量を5重量%になるように混合して、セルロース繊維分散液を調製する。
得られた分散液をビーズミル(寿工業社製ウルトラアペックスミルUAM−015)にてビーズ径0.3mm、周速11.4m/secで4時間処理し、更にビーズ径0.05mm、周速11.4m/secで4時間処理してセルロース繊維の解繊を行い、セルロース繊維が分散したセルロース繊維分散液を得る。セルロース繊維の数平均繊維径は、約50nmであるものと推定される。
このセルロース繊維分散液に、このセルロース繊維分散液中のエポキシ樹脂固形分に対して、特殊ノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤を含む組成物(三菱化学社製jER(登録商標)157S65)5重量%、エポキシ樹脂固形分と該組成物との合計量に対して、0.05重量%の硬化促進剤(三菱化学社製jERキュア(登録商標)EMI24)を添加し、均一に混合した(樹脂、数平均繊維径が4〜1000nmのセルロース繊維を含有する組成物)。
その後、溶媒の一部を揮発させ、アプリケーターで製膜して塗膜(厚さ:200μm)を得る。この塗膜を60℃で1時間加熱し、さらに160℃で1時間加熱し、さらに200℃で1時間加熱して硬化させ、配線基板を得る。配線基板中のセルロース繊維の数平均繊維径は、約50nmであるものと推定される。また線膨張係数は50ppm/K、Tgは142℃であると推定される。
CAFの発生評価ではショートなどの不具合は発生せず、1000hの試験後のライン間の絶縁抵抗は維持されるものと推察される。
割れ試験では、割れは発生しないものと推察される。
レーザー照射試験ではスミアは観察されないものと推察される。
<実施例2>
上記メチルエチルケトンで置換されたアセチル化セルロース繊維と上記エポキシ樹脂溶液とを用いて、全固形分に対してアセチル化セルロース繊維の含有量を10重量%になるように混合する以外は実施例1と同様にして配線基板を得る。
配線基板中のセルロース繊維の数平均繊維径は、約50nmであるものと推定される。また線膨張係数は40ppm/K、Tgは142℃であると推定される。
CAFの発生評価ではショートなどの不具合は発生せず、1000hの試験後のライン間の絶縁抵抗は維持されるものと推察される。
割れ試験では、割れは発生しないものと推察される。
レーザー照射試験ではスミアは観察されないものと推察される。
<実施例3>
上記メチルエチルケトンで置換されたアセチル化セルロース繊維と上記エポキシ樹脂溶液とを用いて、全固形分に対してアセチル化セルロース繊維の含有量を20重量%になるように混合する以外は実施例1と同様にして配線基板を得る。
配線基板中のセルロース繊維の数平均繊維径は、約50nmであるものと推定される。また線膨張係数は30ppm/K、Tgは142℃であると推定される。
CAFの発生評価ではショートなどの不具合は発生せず、1000hの試験後のライン間の絶縁抵抗は維持されるものと推察される。
割れ試験では、割れは発生しないものと推察される。
レーザー照射試験ではスミアは観察されないものと推察される。
<実施例4>
製造例1で得られたアセチル化セルロース繊維を0.5重量%の水懸濁液とし、回転式高速ホモジナイザー(エム・テクニック社製クレアミックス0.8S)にて20000rpmで60分解繊処理した。
更にSMT社製超音波ホモジナイザーUH−600S(周波数20kHz、実効出力密度22W/cm)を用いて超音波処理を行った。
36mmφのストレート型チップ(チタン合金製)を用い、アウトプットボリウム8でチューニングを行い、最適なチューニング位置で30分間超音波処理を行った。セルロース繊維原料分散液は処理容器の外側から5℃の冷水で冷却し、また、マグネティックスターラーにて撹拌しながら処理を行った。
この超音波処理した分散液の遠心分離を行い、上澄みを得た。遠心分離機として日立工機株式会社製のhimacCR22Gを用い、アングルローターとしてR20A2を用いた。50ml遠沈管8本を、回転軸から34度の角度で設置した。1本の遠沈管に入れるセルロース分散液の量は30mlとした。18000rpmにて30分間遠心分離作業を行いその上澄み液を採取した。
得られた上澄み液を、固形分濃度が0.13重量%になるように水で希釈した。その後、孔径1μmのPTFEを用いた90mm径の濾過器に150g投入し、固形分が約5重量%になったところで2−プロパノール30mlを投入して置換した。
その後、120℃、0.14MPaで5分間プレス乾燥して白色のセルロースシートを得た。
このシートに、変性ビフェノール型エポキシ樹脂30重量%、メチルエチルケトン35重量%、シクロヘキサノン35重量%を含む溶液(三菱化学社製jER(登録商標)YX6954BH30)とエポキシ樹脂固形分に対して特殊ノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤を含む組成物(三菱化学社製jER(登録商標)157S65)5重量%とエポキシ樹脂固形分と該組成物との合計量に対して、0.05重量%の硬化促進剤(三菱化学社製jERキュア(登録商標)EMI24)を添加し均一に混合した液を含浸させる。
このエポキシ含浸シートを60℃で1時間加熱し、さらに160℃で1時間加熱し、さらに200℃で1時間加熱して硬化させ、配線基板を得る。この配線基板中のセルロース繊維の充填率は40wt%である。 配線基板中のセルロース繊維の数平均繊維径は、約50nmであるものと推定される。また線膨張係数は10ppm/K、Tgは142℃であると推定される。
CAFの発生評価ではショートなどの不具合は発生せず、1000hの試験後のライン間の絶縁抵抗は維持されるものと推察される。
割れ試験では、割れは発生しないものと推察される。
レーザー照射試験ではスミアは観察されないものと推察される。
<比較例1>
変性ビフェノール型エポキシ樹脂30重量%、メチルエチルケトン35重量%、シクロヘキサノン35重量%を含む溶液(三菱化学社製jER(登録商標)YX6954BH30)とエポキシ樹脂固形分に対して特殊ノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤を含む組成物(三菱化学社製jER(登録商標)157S65)5重量%とエポキシ樹脂固形分と三菱化学社製jER(登録商標)157S65との合計量に対して、0.05重量%の硬化促進剤(三菱化学社製jERキュア(登録商標)EMI24)を添加し均一に混合したエポキシ溶液に、全固形分に対して20重量%のコロイダルシリカ(日産化学社製、MEK-ST-L)を添加し高速回転ホモジナイザーにて均一に分散させる。
その後、溶媒の一部を揮発させ、アプリケーターで製膜して塗膜(厚さ:200μm)を得る。この塗膜を60℃で1時間加熱し、さらに160℃で1時間加熱し、さらに200℃で1時間加熱して硬化させ、配線基板を得る。
配線基板中の線膨張係数は60ppm/K、Tgは137℃であると推定される。
CAFの発生評価ではショートなどの不具合は発生せず、1000hの試験後のライン間の絶縁抵抗は維持されるものと推察される。
割れ試験では、割れは発生しないものと推察される。
レーザー照射試験ではスミアが観察されるものと推察される。
<比較例2>
添加するコロイダルシリカを30重量%にする以外は比較例1と同様にして配線基板を得る。
配線基板中の線膨張係数は50ppm/K、Tgは137℃であると推定される。
CAFの発生評価ではショートなどの不具合は発生せず、1000hの試験後のライン間の絶縁抵抗は維持されるものと推察される。
割れ試験では、割れは発生しないものと推察される。
レーザー照射試験ではスミアが観察されるものと推察される。
<比較例3>
添加するコロイダルシリカを40重量%にする以外は比較例1と同様にして配線基板用フィルムを得る。
配線基板用フィルム中の線膨張係数は40ppm/K、Tgは137℃であると推定される。
CAFの発生評価ではショートなどの不具合は発生せず、1000hの試験後のライン間の絶縁抵抗は維持されるものと推察される。
割れ試験では、割れは発生しないものと推察される。
レーザー照射試験ではスミアが大量に観察されるものと推察される。
<比較例4>
単位面積当りの質量が48g/m2のEガラス繊維からなる平織りのガラスクロスに、エポキシ樹脂ワニスに含浸し、乾燥してガラス体積分率が、38%のプリプレグを作製する。前記プリプレグを2枚積層し、その上下に粗化面がプリプレグと接するように、厚さ18μmの片面粗化電解銅箔を構成し、プレスにより熱圧成形して一体化し、銅箔を除く厚さが100μmであり、ガラスクロスと樹脂との複合体中におけるガラス体積分率が38%である銅張積層板を得る。
配線基板中の線膨張係数は30ppm/K、Tgは137℃であると推定される。
CAFの発生評価ではショートなどの不具合が発生し、1000hの試験後のライン間の絶縁抵抗は維持されないものと推察される。
割れ試験では、割れが発生するものと推察される。
レーザー照射試験ではスミアが観察されるものと推察される。
実施例1〜4では、セルロース繊維を用いることにより、シリカやガラス繊維に対して比重が小さいため(セルロース繊維は約1.5に対してシリカやガラス繊維は2以上)、従来より軽量な配線基板を提供することができる。
また、比較例4に示したようにフィラーとしてガラス繊維を用いると、基板の割れが発生したり、CAFが発生するものと推察される。また、比較例1〜4ではフィラーに無機物のシリカもしくはガラス繊維を用いるため、ビア形成工程における焼け残り(スミア)が観察されるものと推察される。
また、本発明におけるセルロース繊維はアスペクト比が大きいため、球状シリカに対して低フィラー充填率で低線膨張であると推察される。
一方、比較例1〜3ではフィラーに球状のシリカを充填するため、線膨張係数はフィラー充填率に対して線形に下がるものと推察される。
また、本発明の配線基板のTgは樹脂単体のシートよりTgが向上する。おそらくこれはセルロース繊維と樹脂の相互作用によるものと考えられる。
これらの結果より、本発明の配線基板は、従来より軽量で、割れが生じにくく、CAFの発生を抑制し、ビア形成工程におけるスミア発生を抑制し、更に低フィラー充填率で低線膨張である。

Claims (5)

  1. 樹脂中に、数平均繊維径4〜1000nmのセルロース繊維が分散してなる、配線基板。
  2. 樹脂および/または樹脂前駆体、並びに、数平均繊維径が4〜1000nmのセルロース繊維を含有する組成物を硬化させて形成される、請求項1に記載の配線基板。
  3. 該樹脂および/または樹脂前駆体が、エポキシ樹脂および/またはその前駆体である、請求項2に記載の配線基板。
  4. 該セルロース繊維が、植物由来原料から得られるセルロースを含有する物質から得られるセルロース繊維である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の配線基板。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の配線基板を用いた電子機器。
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