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JP2012114344A - I−iii−vi族化合物半導体形成用前駆体、i−iii−vi族化合物半導体の製造方法および光電変換装置の製造方法 - Google Patents

I−iii−vi族化合物半導体形成用前駆体、i−iii−vi族化合物半導体の製造方法および光電変換装置の製造方法 Download PDF

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JP2012114344A
JP2012114344A JP2010263716A JP2010263716A JP2012114344A JP 2012114344 A JP2012114344 A JP 2012114344A JP 2010263716 A JP2010263716 A JP 2010263716A JP 2010263716 A JP2010263716 A JP 2010263716A JP 2012114344 A JP2012114344 A JP 2012114344A
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iii
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JP2010263716A
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Kazuteru Yamada
一輝 山田
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Kyocera Corp
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Abstract

【課題】簡易な製造設備を用いて、高い光電変換効率を有するI−III−VI化合物半導体およびそれを用いた光電変換装置を提供する。
【解決手段】I−III−VI族化合物半導体形成用前駆体は、下記一般式(1)で表わされる化合物を有する。
Figure 2012114344

(式中、MはI族元素であり、MIIIはIII族元素であり、Lはルイス塩基であり、Rは任意の有機基である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、I−III−VI化合物半導体を作製するために用いるI−III−VI族化合物半導体形成用前駆体、およびそれを用いたI−III−VI化合物半導体の製造方法、ならびに光
電変換装置の製造方法に関するものである。
太陽電池として、CIGS等のカルコパライト系のI−III−VI族化合物半導体から成
る光吸収層を具備する光電変換装置を用いたものがある。この光電変換装置は、例えば、ソーダライムガラスからなる基板上に裏面電極となる、例えば、Moからなる第1の電極層が形成され、この第1の電極層上にI−III−VI族化合物半導体からなる光吸収層が形
成されている。さらに、その光吸収層上には、ZnS、CdSなどからなるバッファ層を介して、ZnOなどからなる透明の第2の電極層が形成されている。
このような光吸収層を構成する半導体層を形成するための製法としては、従来用いられていたスパッタ法など真空系の装置を用いる高コストの製法に代わり、低コスト化を目的とした製法の開発が行われている。
特許文献1には、1つの有機化合物内にCuと、Seと、InもしくはGaとを存在させた、下記一般式(2)で表わされる単一源前駆体(Single Source Precursor)が有機溶媒に溶解され、これが塗布され、熱処理されることによって、Cu(In,Ga)Se半導体層が形成されることが記載されている。
Figure 2012114344
米国特許第6992202号明細書
特許文献1の単一源前駆体が有機溶媒に溶解され、これが第1の電極層上に塗布され、乾燥されて皮膜が形成される際、乾燥時の熱処理等で単一源前駆体の一部が熱分解され、Se蒸気等のカルコゲン元素を含むガスが発生する。このようなカルコゲン元素を含むガスは、装置内への飛散や付着等などによる装置の劣化を抑制したり、大気中に飛散したりしないようにするため、十分な排気処理がされる必要があり、そのために皮膜形成のための製造設備が大掛かりなものとなる。
本発明の目的は、簡易な製造設備を用いて、高い光電変換効率を有するI−III−VI化
合物半導体およびそれを用いた光電変換装置を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態に係るI−III−VI族化合物半導体形成用前駆体は、下記一般式(
1)で表わされる化合物を有する。
Figure 2012114344
なお、上記一般式(1)中において、MはI族元素であり、MIIIはIII族元素であり、Lはルイス塩基であり、Rは任意の有機基である。
本発明の一実施形態に係るI−III−VI族化合物半導体の製造方法は、上記I−III−VI族化合物半導体形成用前駆体の有機成分を熱分解して中間体を形成する工程と、該中間体を、カルコゲン元素を含む雰囲気下で加熱して、該カルコゲン元素をVI族元素として含むI−III−VI族化合物半導体にする工程とを具備する。
本発明の一実施形態に係るI−III−VI族化合物半導体の製造方法は、上記I−III−VI族化合物半導体形成用前駆体を、カルコゲン元素を含む雰囲気下で加熱して、該カルコゲン元素をVI族元素として含むI−III−VI族化合物半導体にする工程を具備する。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法は、電極層上に上記I−III−VI族
化合物半導体形成用前駆体を被着する工程と、前記I−III−VI族化合物半導体形成用前
駆体の有機成分を熱分解して中間体を形成する工程と、該中間体を、カルコゲン元素を含む雰囲気下で加熱して、該カルコゲン元素をVI族元素として含むI−III−VI族化合物半
導体にする工程と、該I−III−VI族化合物半導体上に該I−III−VI族化合物半導体とは異なる導電型の第2半導体を形成する工程とを具備する。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法は、電極層上に上記I−III−VI族
化合物半導体形成用前駆体を被着する工程と、前記I−III−VI族化合物半導体形成用前
駆体を、カルコゲン元素を含む雰囲気下で加熱して、該カルコゲン元素をVI族元素として含むI−III−VI族化合物半導体にする工程と、該I−III−VI族化合物半導体上に該I−III−VI族化合物半導体とは異なる導電型の第2半導体を形成する工程とを具備する
本発明によれば、簡易な製造設備を用いて、高い光電変換効率を有するI−III−VI化
合物半導体およびそれを用いた光電変換装置を提供することができる。
光電変換装置の実施の形態の一例を示す斜視図である。 図1の光電変換装置の断面図である。
図1は、本発明の一実施形態に係るI−III−VI族化合物半導体形成用前駆体、I−III−VI族化合物半導体の製造方法および光電変換装置の製造方法を用いて作製した光電変換装置の実施の形態の一例を示す斜視図であり、図2はその断面図である。光電変換装置10は、基板1と、第1の電極層2と、第1の半導体層3と、第2の半導体層4と、第2の電極層5とを有している。本実施例は、第1の半導体層3が光吸収層であり、第2の半導体層4が第1の半導体層3に接合されたバッファ層である例を示すがこれに限定されず、第2の半導体層4が光吸収層であってもよい。また、図1および図2は、光電変換装置10が第2の電極層5側から光が入射される例を示しているが、これに限定されない。すわわち、基板1および第1の電極層2が透光性であれば、光電変換装置10が基板1側から光が入射されるものであってもよく、基板1側および第2の電極層5側の両方から光が入射されるものであってもよい。
図1、図2において、光電変換装置10は複数並べて形成されている。そして、光電変換装置10は、第1の半導体層3の基板1側に第1の電極層2と離間して設けられた第3の電極層6を具備している。そして、第1の半導体層3に設けられた接続導体7によって、第2の電極層5と第3の電極層6とが電気的に接続されている。第3の電極層6は、隣接する光電変換装置10の第1の電極層2が延伸されて成る。この構成により、隣接する光電変換装置10同士が直列接続されている。なお、一つの光電変換装置10内において、接続導体7は第1の半導体層3および第2の半導体層4を貫通するように設けられており、第1の電極層2と第2の電極層5とで挟まれた第1の半導体層3と第2の半導体層4とで光電変換が行なわれる。
基板1は、光電変換装置10を支持するためのものである。基板1に用いられる材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂および金属等が挙げられる。
第1の電極層2および第3の電極層6は、Mo、Al、TiまたはAu等の導電体が用いられ、基板1上にスパッタリング法または蒸着法等で形成される。
第1の半導体層3はI−III−VI族化合物半導体である。I−III−VI族化合物半導体とは、I−B族元素(11族元素ともいう)とIII−B族元素(13族元素ともいう)とVI
−B族元素(16族元素ともいう)との化合物半導体であり、カルコパイライト構造を有し、カルコパイライト系化合物半導体と呼ばれる(CIS系化合物半導体ともいう)。I−III−VI族化合物半導体としては、例えば、Cu(In,Ga)Se(CIGSとも
いう)、Cu(In,Ga)(Se,S)(CIGSSともいう)、およびCuInS(CISともいう)が挙げられる。なお、Cu(In,Ga)Seとは、CuとInとGaとSeとから主に構成された化合物をいう。また、Cu(In,Ga)(Se,S)とは、CuとInとGaとSeとSとから主に構成された化合物をいう。このようなI−III−VI族化合物半導体は光電変換効率が高く、10μm以下の薄層として用いても
有効な起電力を得ることができる。
このような第1の半導体層3は、次のようにして作製される。先ず、第1の半導体層3を形成するための半導体層用溶液を作製する。この半導体層用溶液は、第1錯体溶液を作製する工程と、第2錯体溶液を作製する工程と、I−III−VI族化合物半導体形成用前駆
体を有する沈殿物を作製する工程と、半導体形成溶液を作製する工程とにより、作製され
る。以下にそれぞれの作製工程を詳細に説明する。
(第1錯体溶液の作製工程)
ルイス塩基と、I−B族元素とを含む第1錯体が存在する第1錯体溶液が作製される。ルイス塩基としては、P(C、As(CおよびN(C等のV−B族元素(15族元素ともいう)を含む有機化合物が挙げられる。また、I−B族元素の原料としては、Cu(CHCN)・PFやCu(CHCN)・BF等の有機金属錯体が挙げられる。この有機金属錯体に用いられる有機配位子としては上記ルイス塩基よりも塩基性が弱い方がよい。また、第1錯体溶液の有機溶媒としては、アセトニトリル、アセトン、メタノール、エタノールおよびイソプロパノール等が挙げられる。
ルイス塩基をLとし、I−B族元素の有機金属錯体を[MR’](X’)(MはI−B族元素、R’は任意の有機配位子、(X’)は任意の陰イオンを示す)とし、第1錯体を[LR’(X’)としたときに、上記第1錯体を形成する反応は、反応式1のように表される。
Figure 2012114344
反応式1の具体例として、例えば、ルイス塩基LがP(C、I−B族元素の有機金属錯体[MR’](X’)がCu(CHCN)・BFの場合、第1錯体[LR’(m−n)(X’)が{P(CCu(CHCN)・BFとして生成する。
(第2錯体溶液の作製工程)
カルボキシルを有する有機化合物とIII−B族元素とを含む第2錯体が存在する第2錯
体溶液が作製される。カルボキシルを有する有機化合物は、有機カルボン酸または有機カルボン酸塩が用いられる。カルボキシルを有する有機化合物としては、例えば、アルキルカルボン酸や芳香族カルボン酸が挙げられる。アルキルカルボン酸としては、例えば、酢酸やプロピオン酸等が挙げられ、芳香族カルボン酸としては、例えば、安息香酸のアルキルカルボン酸等が挙げられる。また、カルボキシルを有する有機化合物は、任意の陽イオンとの塩の状態で用いられてもよい。このような塩としては、例えば、アルキルカルボン酸ナトリウムや芳香族カルボン酸ナトリウム等が挙げられる。
カルボキシルを有する有機化合物の金属塩をA(R’’COO)(R’’は有機基、Aは任意の陽イオンを示す)とし、III−B族元素の金属塩をMIII(X’’)(MIIIはIII−B族元素、X’’は任意の陰イオンを示す)とし、第2錯体をA[MIII(R’’COO)としたときに、上記第2錯体を形成する反応は、反応式2のように表される。
Figure 2012114344
反応式2の具体例として、例えば、カルボキシルを有する有機化合物の金属塩A(R’
’COO)がCCOONa、III−B族元素の金属塩MIII(X’’)がInCl
またはGaClの場合、第2錯体A[MIII(R’’COO)]が、Na[In(C
COO)]またはNa[Ga(CCOO)]として生成する。
なお、第2錯体溶液に含まれるIII−B族元素は、一種類に限らず、複数種類が含まれ
ていてもよい。例えば、InとGaの両方が第2錯体溶液中に含まれてもよい。そのような第2錯体溶液は、第2錯体溶液の原料として複数種のIII−B族元素の金属塩の混合体
が用いられることによって作製される。あるいは、一種類のIII−B族元素を含む第2錯
体溶液が、各III−B族元素ごとに作製され、これらが混合されることにより作製される
(I−III−VI族化合物半導体形成用前駆体を有する沈殿物の作製工程)
上記のようにして作製した第1錯体溶液と第2錯体溶液とが混合されることにより、第1錯体と第2錯体とが反応し、下記の一般式(1)に示されるI−III−VI族化合物半導
体形成用前駆体([L(R’’COO)III(R’’COO)]で示される)を含
む沈殿物が生じる。
Figure 2012114344
このようなI−III−VI族化合物半導体形成用前駆体[L(R’’COO)III(R’’COO)]を形成する反応は、反応式3のように表される。
Figure 2012114344
反応式3の具体例として、第1錯体が{P(CCu(CHCN)・BF、第2錯体がNa[MIII(CCOO)](MIIIはInおよび/またはGaである)の場合、I−III−VI族化合物半導体形成用前駆体は、下記一般式(3)に示
されるような構造を有する{P(CCu(CCOO)III(CCOO)として生成する。
Figure 2012114344
そして、このI−III−VI族化合物半導体形成用前駆体を含む沈殿物が、溶液から分離
され乾燥されることにより、I−III−VI族化合物半導体形成用前駆体を含む沈殿物が取
り出される。
第1錯体と第2錯体との反応において、反応温度は例えば0〜30℃であり、反応時間は例えば1〜5時間である。反応により生じた沈殿物は、NaやClなどの不純物を取り除くために、遠心分離もしくは濾過などの手法を用いて洗浄される。
(半導体層用溶液の作製工程)
上記のI−III−VI族化合物半導体形成用前駆体を含む沈殿物が、トルエン、ピリジン
、キシレン、アセトン等の溶媒に溶解されることにより、半導体層用溶液となる。
このようにして作製された半導体層用溶液は、第1の電極2を有する基板1の表面に、スピンコータ、スクリーン印刷、ディッピング、スプレーまたはダイコータなどを用いて塗布され、乾燥されて皮膜となる。乾燥は、還元ガス雰囲気や不活性ガス雰囲気下で行なわれる。このような雰囲気としては、例えば、窒素ガス雰囲気、フォーミングガス雰囲気および水素ガス雰囲気等が挙げられる。また、乾燥時の温度は、例えば、50〜300℃に設定される。
上記のI−III−VI族化合物半導体形成用前駆体を有する半導体層用溶液によってI−III−VI族化合物半導体の前駆体としての皮膜が形成されることにより、この皮膜形成時にSe蒸気等のカルコゲン元素(カルコゲン元素とはVI−B族元素のうち、S、Se、Teをいう)を含むガスの発生が抑えられる。よって、皮膜形成工程においては、カルコゲン元素を含むガスの排気処理のための設備が不要、もしくは、より簡易になる。また、皮膜形成設備内でのカルコゲン元素を含むガスの飛散や付着が抑えられ、皮膜中に不必要にカルコゲン元素が混入するのが抑制され、皮膜の物性がより安定したものになる。
そして、上記I−III−VI族化合物半導体形成用前駆体を含む皮膜が、還元ガス雰囲気
や不活性ガス雰囲気下で、例えば250〜350℃に熱処理されることにより、有機成分が熱分解され、中間体となる。この中間体は、I−B族元素およびIII−B族元素を含む
金属酸化物、I−B族元素およびIII−B族元素を含む合金、または、上記金属酸化物お
よび合金の混合体の状態があり得る。中間体の状態は、皮膜の熱処理時の雰囲気や加熱時間、加熱温度等の条件に依存する。例えば、皮膜の熱処理時の雰囲気が窒素雰囲気等の不活性ガス雰囲気であると、中間体として金属酸化物が生成し易くなる。また、皮膜の熱処理時の雰囲気が水素雰囲気等の還元ガス雰囲気であると、中間体として合金が生成し易くなる。なお、このようなI−III−VI族化合物半導体形成用前駆体を含む皮膜の有機成分
が熱分解され、中間体となる熱処理工程は、上記皮膜形成における乾燥工程と同時に行なわれてもよい。
さらに、上記中間体は、カルコゲン元素を含む雰囲気下で、例えば400℃〜600℃で熱処理されることにより、中間体に含まれるI−B族元素およびIII−B族元素が雰囲
気中に含まれるカルコゲン元素と反応して成るI−III−VI族化合物半導体(第1の半導
体層3)となる。カルコゲン元素を含む雰囲気としては、Se蒸気、S蒸気、HSeガス、HSガス等が挙げられ、これらと他のガスとの混合ガス雰囲気であってもよい。
なお、中間体に金属酸化物が含まれる場合、カルコゲン元素を含む雰囲気中に水素ガス等の還元ガスが混合されると、金属酸化物の還元が良好に行なわれ、カルコゲン化反応が促進される。あるいは、中間体に金属酸化物が含まれる場合、先に中間体が還元ガス雰囲気下で熱処理されて金属酸化物の還元が行なわれた後に、カルコゲン元素を含む雰囲気下で熱処理されてもよい。この場合、金属酸化物の還元が良好に促進し、カルコゲン化反応がより安定に進行する。
あるいは、上記中間体の作製工程を経ずに、上記I−III−VI族化合物半導体形成用前
駆体を含む皮膜が、カルコゲン元素を含む雰囲気下で、例えば400℃〜600℃で熱処理されることによっても、I−III−VI族化合物半導体(第1の半導体層3)が形成され
得る。この場合、I−III−VI族化合物半導体の作製工程が簡略化可能となる。
光電変換装置10は、第1の半導体層3上に第1の半導体層3とは異なる導電型の第2の半導体層4が形成される。第1半導体層3および第2半導体層4は、一方がn型で他方がp型の異なる導電型を有しており、これらがpn接合している。第1半導体層3がp型であり第2半導体層4がn型であってもよく、逆の関係であってもよい。なお、第1半導体層3および第2半導体層4によるpn接合は第1半導体層3と第2半導体層4とが直接接合しているものに限らない。例えば、これらの間に第1半導体層3と同じ導電型の他の半導体層かまたは第2半導体層4と同じ導電型の他の半導体層をさらに有していてもよい。また、第1半導体層3と第2半導体層4との間に、i型の半導体層を有するpin接合であってもよい。
第1半導体層3と第2半導体層4とはホモ接合であってもよく、ヘテロ接合であってもよい。ヘテロ接合である場合、第2半導体層4としては、CdS、ZnS、ZnO、InSe、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)、および(Zn,Mg)O等が挙げられ、例えばケミカルバスデポジション(CBD)法等で10〜200nmの厚みで形成される。なお、In(OH,S)とは、InとOHとSとから主に構成された化合物をいう。(Zn,In)(Se,OH)は、ZnとInとSeとOHとから主に構成された化合物をいう。(Zn,Mg)Oは、ZnとMgとOとから主に構成された化合物をいう。
第2の電極層5は、ITO、ZnO等の0.05〜3.0μmの透明導電膜である。第2の電極層5は、スパッタリング法、蒸着法または化学的気相成長(CVD)法等で形成される。第2の電極層5は、第2の半導体層4よりも抵抗率の低い層であり、第1の半導体層3で生じた電荷を取り出すためのものである。電荷を良好に取り出すという観点からは、第2の電極層5は、抵抗率が1Ω・cm未満でシート抵抗が50Ω/□以下のものが用いられ得る。
第2の電極層5は第1の半導体層3の吸収効率を高めるため、第1の半導体層3の吸収光に対して光透過性を有するものが用いられ得る。光透過性を高めると同時に光反射ロス防止効果および光散乱効果を高め、さらに光電変換によって生じた電流を良好に伝送する
という観点から、第2の電極層5は0.05〜0.5μmの厚さとされ得る。また、第2の電極層5と第2の半導体層4との界面での光反射ロスを防止する観点からは、第2の電極層5および第2の半導体層4は、屈折率が互いに近いものが用いられ得る。
接続導体7は、第2の電極層5と第3の電極層6とを電気的に接続する。接続導体7は、図1、図2に示されるように、第3の電極層6と接続するように延伸された第2の電極層5の一部によって構成されていてもよい。あるいは、第3の電極層6と接続するように延伸された集電電極8の一部によって構成されていてもよい。
また、光電変換装置10は、図1、図2に示されるように、第2の電極層5上に集電電極8が形成されていてもよい。集電電極8は、第2の電極層5の電気抵抗を小さくするためのものである。集電電極8は、例えば、図1に示されるように、光電変換装置10の一端から接続導体7にかけて線状に形成されている。これにより、第1の半導体層3の光電変換により生じた電流が第2の電極層5を介して集電電極8に集電され、接続導体7を介して隣接する光電変換装置10に良好に導電される。
集電電極8は、第1の半導体層3への光透過性および導電性をともに良好にするという観点からは、50〜400μmの幅を有するものとされ得る。また、集電電極8は、枝分かれした複数の分岐部を有していてもよい。
集電電極8は、例えば、Ag等の金属粉が樹脂バインダー等に分散されて成る金属ペーストがパターン状に印刷され、硬化されることによって形成される。
次に、光電変換装置10について、具体例を示して説明する。
ここでは、まず、次の工程[a]〜[d]が順次に行われることで半導体形成用溶液が作製された。
[a]I−B族元素の有機金属錯体である2ミリモル(mmol)のCu(CHCN)・BFと、ルイス塩基である4mmolのP(Cとが、50mlのメタノールに溶解された後、34℃における3時間の攪拌によって第1錯体溶液が調製された。
[b]III−B族元素の塩である2mmolのInClが60mlのメタノールに溶
解された溶液と、カルボキシルを有する有機化合物である8mmolの安息香酸が60mlのメタノールに溶解させた溶液とが混合され、28℃における3時間の攪拌によって第2錯体溶液が調整された。
[c]工程[a]で調製された第1錯体溶液に対して、工程[b]で調製された第2錯体溶液が1分間に10mlの速度で滴下され、白い析出物(沈殿物)が生じた。上記滴下処理の終了後、室温における1時間の攪拌と、遠心分離機による沈殿物の抽出とが、順次に行われた。この沈殿物の抽出時には、遠心分離機によって一旦取り出された沈殿物を500mlのメタノールに分散させた後に遠心分離機で沈殿物を再度取り出す工程が2回繰り返され、最後にこの沈殿物が室温で乾燥されることで、I−III−VI族化合物半導体形
成用前駆体を含む沈殿物が得られた。このI−III−VI族化合物半導体形成用前駆体では
、1つの錯体分子に、CuとInとSeとが含まれる。
[d]工程[c]で得られたI−III−VI族化合物半導体形成用前駆体を含む沈殿物に
有機溶媒であるピリジンが添加されることで、I−III−VI族化合物半導体形成用前駆体
の濃度が45質量%である半導体形成用溶液が作製された。
次に、ガラスによって構成される基板の表面にMo等からなる下部電極層が成膜されたものが用意され、下部電極層の上に半導体形成用溶液がブレード法によって塗布された後に、300℃に10分間保持される乾燥によって皮膜(前駆体層)が形成された。前駆体層は、ブレード法による塗布とその後の乾燥とからなる処理が順次に10回行われることで形成された。
その後、水素ガスとセレン蒸気ガスとの混合気体の雰囲気下で前駆体層の熱処理が実施された。この熱処理では、550℃で2時間保持されることで、2μmの厚さを有し且つ主としてCISからなる実施例としての第1の半導体層が形成された。
更に、上記実施例としての第1の半導体層までが形成された基板が、アンモニア水に酢酸亜鉛とチオ尿素が溶解された溶液に浸漬されることで、第1の半導体層の上に厚さが50nmのZnSからなる第2の半導体層が形成された。そして、この第2の半導体層の上に、スパッタリング法によってAlがドープされたZnOからなる透明の導電膜が形成され、最後に蒸着によってAlからなる取出電極が形成されて、実施例としての光電変換装置が作製された。
このようにして作製された実施例としての光電変換装置の変換効率が測定された。変換効率については、いわゆる定常光ソーラシミュレーターが用いられて、光電変換装置の受光面に対する光の照射強度が100mW/cm2であり且つAM(エアマス)が1.5で
ある条件下での変換効率が測定された。この結果、光電変換効率が10%と十分に高い値を示すことが分かった。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことは何等差し支えない。
1:基板
2:第1の電極層
3:第1の半導体層
4:第2の半導体層
5:第2の電極層
6:第3の電極層
7:接続導体
8:集電電極
10:光電変換装置

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表わされる化合物を有する、I−III−VI族化合物半導体形成用前
    駆体。
    Figure 2012114344
    (式中、MはI族元素であり、MIIIはIII族元素であり、Lはルイス塩基であり、Rは任意の有機基である。)
  2. 前記一般式(1)のRがフェニル基を有する請求項1に記載のI−III−VI族化合物半
    導体形成用前駆体。
  3. 前記一般式(1)のLがフェニル基を有する請求項1または2に記載のI−III−VI族
    化合物半導体形成用前駆体。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のI−III−VI族化合物半導体形成用前駆体の有機成
    分を熱分解して中間体を形成する工程と、
    該中間体を、カルコゲン元素を含む雰囲気下で加熱して、該カルコゲン元素をVI族元素として含むI−III−VI族化合物半導体にする工程と
    を具備することを特徴とするI−III−VI族化合物半導体の製造方法。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載のI−III−VI族化合物半導体形成用前駆体を、カル
    コゲン元素を含む雰囲気下で加熱して、該カルコゲン元素をVI族元素として含むI−III
    −VI族化合物半導体にする工程を具備することを特徴とするI−III−VI族化合物半導体
    の製造方法。
  6. 電極層上に請求項1乃至3のいずれかに記載のI−III−VI族化合物半導体形成用前駆
    体を被着する工程と、
    前記I−III−VI族化合物半導体形成用前駆体の有機成分を熱分解して中間体を形成する
    工程と、
    該中間体を、カルコゲン元素を含む雰囲気下で加熱して、該カルコゲン元素をVI族元素として含むI−III−VI族化合物半導体にする工程と、
    該I−III−VI族化合物半導体上に該I−III−VI族化合物半導体とは異なる導電型の第2半導体を形成する工程と
    を具備することを特徴とする光電変換装置の製造方法。
  7. 電極層上に請求項1乃至3のいずれかに記載のI−III−VI族化合物半導体形成用前駆
    体を被着する工程と、
    前記I−III−VI族化合物半導体形成用前駆体を、カルコゲン元素を含む雰囲気下で加熱
    して、該カルコゲン元素をVI族元素として含むI−III−VI族化合物半導体にする工程と

    該I−III−VI族化合物半導体上に該I−III−VI族化合物半導体とは異なる導電型の第2半導体を形成する工程と
    を具備することを特徴とする光電変換装置の製造方法。
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