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JP2012033730A - 光電変換装置の製造方法 - Google Patents

光電変換装置の製造方法 Download PDF

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JP2012033730A
JP2012033730A JP2010172355A JP2010172355A JP2012033730A JP 2012033730 A JP2012033730 A JP 2012033730A JP 2010172355 A JP2010172355 A JP 2010172355A JP 2010172355 A JP2010172355 A JP 2010172355A JP 2012033730 A JP2012033730 A JP 2012033730A
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Hiromitsu Ogawa
浩充 小川
Akio Yamamoto
晃生 山本
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Kyocera Corp
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Abstract

【課題】単一源前駆体を用いて所望の組成比の化合物半導体層を得ることが可能な光電変換装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】光電変換装置の製造方法は、第1の金属元素を含む電極層2の表面に、第1の金属元素とカルコゲン元素との化合物を含む表面層を形成する工程と、表面層上に、有機配位子とI−B族元素とIII−B族元素とを有する単一源前駆体を含んだ原料溶液を塗布して前駆体層を形成する工程と、前駆体層を加熱して、I−B族元素およびIII−B族元素を含むカルコパイライト構造の化合物半導体層を形成する工程とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、化合物半導体を用いた光電変換装置の製造方法に関するものである。
太陽電池として、CIGS等のカルコパライト系のI−III−VI族化合物半導体から成る光吸収層を具備する光電変換装置を用いたものがある。この光電変換装置は、例えば、ソーダライムガラスからなる基板上に裏面電極となる、例えば、Moからなる第1の電極層が形成され、この第1の電極層上にI−III−VI族化合物半導体からなる光吸収層が形成されている。さらに、その光吸収層上には、ZnS、CdSなどからなるバッファ層を介して、ZnOなどからなる透明の第2の電極層が形成されている。
このような光吸収層を構成する半導体層を形成するための製法としては、従来用いられていたスパッタ法など真空系の装置を用いる高コストの製法に代わり、低コスト化を目的とした製法の開発が行われている。
特許文献1には、1つの有機化合物内にCuと、Seと、InもしくはGaとを存在させた単一源前駆体(Single Source Precursor)を有機溶媒に溶解し、これを塗布し、熱処理することによって、Cu(In,Ga)Se半導体層を形成することが記載されている。
この特許文献1の単一源前駆体の製法を具体的に説明すると、Cu(CHCN)・PFなどの金属錯体とP(Cなどのルイス塩基とを反応させて{P(CCu(CHCN) のような形の錯体を作製し、この錯体と、InもしくはGaとSeとを含む錯体とを反応させることによって、Cu、InもしくはGa、Seを含む単一源前駆体を作製している。
米国特許第6992202号明細書
特許文献1の単一源前駆体の溶液を第1の電極層上に塗布して熱処理をすると、I−B族元素とIII−B族元素との組成比が単一源前駆体における組成比と異なり、所望の組成比のI−III−VI族化合物半導体が得られない。特にIII−B族元素が熱処理後に減少しやすい傾向がある。
本発明の目的は、単一源前駆体を用いて所望の組成比の化合物半導体層を得ることが可能な光電変換装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法は、第1の金属元素を含む電極層の表面に、前記第1の金属元素とカルコゲン元素との化合物を含む表面層を形成する工程と、前記表面層上に、有機配位子とI−B族元素とIII−B族元素とを有する単一源前駆体を含んだ原料溶液を塗布して前駆体層を形成する工程と、前記前駆体層を加熱して、前記I−B族元素および前記III−B族元素を含むカルコパイライト構造の化合物半導体層を形成する工程とを具備する。
本発明によれば、単一源前駆体を用いて所望の組成比の化合物半導体層を有する光電変換装置を良好に形成することが可能となる。
光電変換装置の実施の形態の一例を示す斜視図である。 図1の光電変換装置の断面図である。
図1は、本発明の光電変換装置の製造方法を用いて作製した光電変換装置の実施の形態の一例を示す斜視図であり、図2はその断面図である。光電変換装置10は、基板1と、第1の電極層2と、第1の半導体層3と、第2の半導体層4と、第2の電極層5とを含んで構成される。本実施例においては、第1の半導体層3が光吸収層であり、第2の半導体層4が第1の半導体層3に接合されたバッファ層である例を示すがこれに限定されず、第2の半導体層4が光吸収層であってもよい。また、本実施形態における光電変換装置10は第2の電極層5側から光が入射されるものを示しているが、これに限定されず、基板1側から光が入射されるものであってもよい。
図1、図2において、光電変換装置10は複数並べて形成されている。そして、光電変換装置10は、第1の半導体層3の基板1側に第1の電極層2と離間して設けられた第3の電極層6を具備している。そして、第1の半導体層3に設けられた接続導体7によって、第2の電極層5と第3の電極層6とが電気的に接続されている。この第3の電極層6は、隣接する光電変換装置10の第1の電極層2と一体化されている。この構成により、隣接する光電変換装置10同士が直列接続されている。なお、一つの光電変換装置10内において、接続導体7は第1の半導体層3および第2の半導体層4を貫通するように設けられており、第1の電極層2と第2の電極層5とで挟まれた第1の半導体層3と第2の半導体層4とで光電変換が行なわれる。
基板1は、光電変換装置10を支持するためのものである。基板1に用いられる材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂および金属等が挙げられる。
第1の電極層2および第3の電極層6は、Mo、Al、TiまたはAu等の導電体が用いられ、基板1上にスパッタリング法または蒸着法等で形成される。
第1の半導体層3はI−III−VI族化合物半導体を主成分とする。I−III−VI族化合物半導体とは、I−B族元素(本明細書においては、族の名称は、短周期型周期表に従う。なお、I−B族元素は、IUPACの長周期型周期表では11族元素ともいう)とIII−B族元素(13族元素ともいう)とVI−B族元素(16族元素ともいう)との化合物半導体であり、カルコパイライト構造を有し、カルコパイライト系化合物半導体と呼ばれる(CIS系化合物半導体ともいう)。I−III−VI族化合物半導体としては、例えば、Cu(In,Ga)Se(CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)(CIGSSともいう)、およびCuInS(CISともいう)が挙げられる。なお、Cu(In,Ga)Seとは、CuとInとGaとSeとから主に構成された化合物をいう。また、Cu(In,Ga)(Se,S)とは、CuとInとGaとSeとSとから主に構成された化合物をいう。このようなI−III−VI族化合物半導体は光電変換効率が高く、10μm以下の薄層として用いても有効な起電力を得ることができる。
このような第1の半導体層3は、次のようにして作製される。先ず、第1の半導体層3を形成するための半導体層用溶液を作製する。この半導体層用溶液は、第1錯体溶液を作
製する工程と、第2錯体溶液を作製する工程と、単一源前駆体を有する沈殿物を作製する工程と、半導体層用溶液を作製する工程とにより、作製される。以下にそれぞれの作製工程を詳細に説明する。
(第1錯体溶液の作製工程)
ルイス塩基(以下、第1錯体に用いるルイス塩基を第1のルイス塩基という)と、I−B族元素とを含む第1錯体が存在する第1錯体溶液を作製する。第1のルイス塩基としては、P(C、As(CおよびN(C等のV−B族元素(15族元素ともいう)を含む有機化合物が挙げられる。また、I−B族元素の原料としては、Cu(CHCN)・PF等の有機金属錯体が挙げられる。この有機金属錯体に用いられる有機配位子としては上記第1のルイス塩基よりも塩基性が弱い方がよい。なお、CuCl、CuCl、CuBrおよびCuI等のI−B族元素の金属塩をアセトニトリルのような配位子として機能する有機溶媒に溶解させることにより、アセトニトリルが配位したI−B族元素の有機金属錯体を用いてもよい。また、第1錯体溶液の有機溶媒としては、アセトニトリル、アセトン、メタノール、エタノールおよびイソプロパノール等が挙げられる。
第1のルイス塩基をLとし、I−B族元素の有機金属錯体を[M’R’](X’)(M’はI−B族元素、R’は任意の有機配位子、(X’)は任意の陰イオンを示す)とし、第1錯体を[LM’R’(X’)としたときに、上記第1錯体を形成する反応は、反応式1のように表される。
Figure 2012033730
反応式1の具体例として、例えば、第1のルイス塩基LがP(C、I−B族元素の有機金属錯体[M’R’](X’)がCu(CHCN)・PFの場合、第1錯体[LM’R’(m−n)(X’)が{P(CCu(CHCN)・PFとして生成する。
(第2錯体溶液の作製工程)
カルコゲン元素含有有機化合物(以下、第2錯体に用いるカルコゲン元素含有有機化合物を第1のカルコゲン元素含有有機化合物という)とIII−B族元素(以下、第2錯体溶液に用いるIII−B族元素を第1のIII−B族元素という)とを含む第2錯体が存在する第2錯体溶液を作製する。カルコゲン元素含有有機化合物とは、カルコゲン元素(カルコゲン元素とはVI−B族元素のうちのS、Se、Teをいう)を有する有機化合物であり、例えば、アクリル、アリル、アルキル、ビニル、パーフルオロ、カルバメート等の有機化合物にカルコゲン元素が結合した、チオール、セレノール、テルロール等が挙げられる。また、第1のIII−B族元素の原料としては、InCl、GaCl等の金属塩が挙げられる。また、第2錯体溶液の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノールなどが挙げられる。
カルコゲン元素をEとし、第1のカルコゲン元素含有有機化合物の金属塩をA(ER’’)(R’’は有機化合物、Aは任意の陽イオンを示す)とし、第1のIII−B族元素の金属塩をM’’(X’’)(M’’は第1のIII−B族元素、X’’は任意の陰イオンを示
す)とし、第2錯体をA[M’’(ER’’)としたときに、上記第2錯体を形成する反応は、反応式2のように表される。なお、第1のカルコゲン元素含有有機化合物の金属塩A(ER’’)は、NaOCHのような金属アルコキシドとフェニルセレノール(HSeC)のような第1のカルコゲン元素含有有機化合物とを反応させることによって得られる。
Figure 2012033730
反応式2の具体例として、例えば、第1のカルコゲン元素含有有機化合物の金属塩A(ER’’)がNaSeC、第1のIII−B族元素の金属塩M’’(X’’)がInClまたはGaCl
の場合、第2錯体A[M’’(ER’’)]が、Na[In(SeC)]またはNa[Ga(SeC)]として生成する。
なお、第2錯体溶液に含まれる第1のIII−B族元素は、一種類に限らず、複数種類が含まれていてもよい。例えば、InとGaの両方を第2錯体溶液中に含めてもよい。そのような第2錯体溶液は、第2錯体溶液の原料として複数種の第1のIII−B族元素の金属塩の混合体を用いることによって作製することができる。あるいは、一種類の第1のIII−B族元素を含む第2錯体溶液を、各第1のIII−B族元素ごとに作製し、これらを混合することにより作製してもよい。
(単一源前駆体を有する沈殿物の作製工程)
上記のようにして作製した第1錯体溶液と第2錯体溶液とを混合することにより、第1錯体と第2錯体とが反応し、Cu等のI−B族元素、InやGa等の第1のIII−B族元素、および、Se等のカルコゲン元素を含有する単一源前駆体を含む沈殿物が生じる。このような単一源前駆体[LM’(ER’’)M’’(ER’’)]を形成する反応は、反応式3のように表される。
Figure 2012033730
反応式3の具体例として、第1錯体が{P(CCu(CHCN)・PF、第2錯体がNa[M’’(SeC)](M’’はInおよび/またはGaである)の場合、単一源前駆体は{P(CCu(SeC)M’’(SeC)として生成する。
そして、この単一源前駆体を含む沈殿物と沈殿物の上方の溶液とに分離し、溶液部分を
排出し、乾燥することにより、単一源前駆体を含む沈殿物を取り出す。
第1錯体と第2錯体とを反応させる時の温度は0〜30℃が望ましく、反応時間は1〜5時間が望ましい。反応して沈殿した部分は、NaやClなどの不純物を取り除くために、遠心分離もしくは濾過などの手法を用いて洗浄することが望ましい。
(半導体層用溶液の作製工程)
上記の単一源前駆体を含む沈殿物を、トルエン、ピリジン、キシレン、アセトン等の有機溶媒に溶解することにより作製することができる。
このようにして作製した半導体層用溶液を第1の電極層2上に塗布して化合物半導体を形成するための前駆体層を形成するが、その前に、第1の電極層2の表面に、予め、第1の電極層2に含まれる第1の金属元素とカルコゲン元素との化合物を含む表面層を形成しておく。このような表面層を形成しておくことにより、単一源前駆体を含む前駆体層の熱処理時におけるI−B族元素およびIII−B族元素の減少を抑制することができ、所望の組成比を有する化合物半導体を作製することができる。つまり、従来のように第1の電極層2上に単一源前駆体を含む前駆体層を形成して熱処理した場合、単一源前駆体の一部が配位結合等の化学結合によって第1の電極層2と結合しやすく、それによって単一源前駆体の構造が壊れ、I−B族元素を含む錯体と、III−B族元素を含む錯体とに分解する傾向があると考えられる。よって、このような壊れた単一源前駆体を有する前駆体層を熱処理すると、分解した錯体の一部が気化して減少し、所望の組成比にならないものと考えられる。これに対し、本発明のように第1の電極層2の表面に上記表面層を形成しておくことで、それを抑制することができることが分かった。
表面層は、第1の電極層2との電気的な接続が良好な第1の半導体層3を良好に作製するという観点からは、第1の5nm〜200nmの厚さで形成するのがよい。また、表面層は第1の電極層2に含まれる第1の金属元素とカルコゲン元素との化合物を含んでいる。これにより、第1の電極層2との密着性を高めることができる。この表面層に含まれるカルコゲン元素は、第1の半導体層3に含まれるカルコゲン元素と同じであることが好ましい。これにより、第1の電極層2と第1の半導体層3との密着性をより高めることができるとともに、電気的な接続も高めることができる。例えば、第1の電極層2がMoであり、第1の半導体層3がCu(InGa1−X)Se(ただし、Xは0≦X≦1である。)である場合、表面層はMoSeのようなMoとSeとの化合物である。
このような表面層は、例えば、第1の金属元素を含んだ第1の電極層2を、カルコゲン元素を含む雰囲気下で加熱することによって、第1の電極層2の表面を第1の金属元素とカルコゲン元素との化合物に化学変化させることによって形成できる。このような方法を用いることにより、表面層を容易に形成できるとともに第1の電極層2と表面層との密着性も高めることができる。また、表面層の他の形成方法としては、第1の電極層2上に第1の金属元素とカルコゲン元素との化合物を、スパッタ法等の薄膜形成方法を用いて形成する方法や、第1の電極層2上にカルコゲン元素を含む有機化合物を塗布した後、これを熱処理することにより第1の電極層2に含まれる第1の金属元素とカルコゲン元素とを化学反応させる方法等が挙げられる。
このようにして表面層を形成した第1の電極層2上に、上記半導体層用溶液を、スピンコータ、スクリーン印刷、ディッピング、スプレーまたはダイコータなどを用いて塗布し、乾燥して前駆体層を形成する。乾燥は、還元雰囲気下で行うことが望ましい。乾燥時の温度は、例えば、50〜300℃で行う。この乾燥の際、有機成分の熱分解まで行ってもよい。
そして、上記前駆体層を熱処理して、1.0〜2.5μmの厚みの第1の半導体層3を作製する。熱処理は、酸化を防止して良好な半導体層とするために、還元雰囲気で熱処理することが好ましい。熱処理における還元雰囲気としては、窒素雰囲気、フォーミングガス雰囲気および水素雰囲気等であることが望ましい。熱処理温度は、例えば、400℃〜600℃とする。
上記前駆体層は、単一源前駆体中のカルコゲン元素含有有機化合物に含まれたカルコゲン元素を原料として反応し、I−III−VI族化合物半導体を形成可能であるが、カルコゲン元素を半導体層用溶液に別途溶解させておいてもよい。また、前駆体層を熱処理する際にカルコゲン元素を含むガスを供給しながら熱処理してもよい。これにより蒸発等により不足しやすいカルコゲン元素を十分に供給し所望の第1の半導体層3とすることができる。このようなカルコゲン元素を含むガスとしては、S蒸気、Se蒸気、HSまたはHSe等が挙げられる。
第1の半導体層3上に、この第1の半導体層3とは異なる導電型の第2の半導体層4を積層することにより、光電変換装置10とすることができる。第2の半導体層4は第1の半導体層3と異なる導電型を有しており、第1の半導体層3と第2の半導体層4とで光照射により生じる電荷を良好に分離して電力を得ることができる。例えば、第1の半導体層3がp型半導体である場合、第2の半導体層4はn型半導体である。なお、第1の半導体層3と第2の半導体層4との界面には他の層が介在していてもよい。このような他の層としては、i型半導体層や第1の半導体層3とヘテロ接合を行うバッファ層等がある。本実施形態では、第2の半導体層4が第1の半導体層3とのヘテロ接合を行うバッファ層としての機能と、第1の半導体層3とは異なる導電型を有する半導体層としての機能を兼ねている。
第2半導体層4としては、CdS、ZnS、ZnO、InSe、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)、および(Zn,Mg)O等が挙げられ、例えばケミカルバスデポジション(CBD)法等で10〜200nmの厚みで形成される。なお、In(OH,S)とは、InとOHとSとから主に構成された化合物をいう。(Zn,In)(Se,OH)は、ZnとInとSeとOHとから主に構成された化合物をいう。(Zn,Mg)Oは、ZnとMgとOとから主に構成された化合物をいう。
第2の電極層5は、ITO、ZnO等の0.05〜3.0μmの透明導電膜である。好ましくは透光性および導電性を高めるため、第2の電極層5は第1の半導体層3とは異なる導電型の半導体で構成するのがよい。第2の電極層5は、スパッタリング法、蒸着法または化学的気相成長(CVD)法等で形成される。第2の電極層5は、第2の半導体層4よりも抵抗率の低い層であり、第1の半導体層3で生じた電荷を取り出すためのものである。電荷を良好に取り出すという観点からは、第2の電極層5の抵抗率が1Ω・cm未満でシート抵抗が50Ω/□以下であるのがよい。
第2の電極層5は第1の半導体層3の吸収効率を高めるため、第1の半導体層3の吸収光に対して光透過性を有するものが好ましい。光透過性を高めると同時に光反射ロス防止効果および光散乱効果を高め、さらに光電変換によって生じた電流を良好に伝送するという観点から、第2の電極層5は0.05〜0.5μmの厚さとするのが好ましい。また、第2の電極層5と第2の半導体層4との界面での光反射ロスを防止する観点からは、第2の電極層5と第2の半導体層4の屈折率は等しいのが好ましい。
光電変換装置10は、複数個を並べてこれらを電気的に接続し、光電変換モジュールとすることができる。隣接する光電変換装置10同士を容易に直列接続するために、図1、図2に示すように、光電変換装置10は、第1の半導体層3の基板1側に第1の電極層2
と離間して設けられた第3の電極層6を具備している。そして、第1の半導体層3に設けられた接続導体7によって、第2の電極層5と第3の電極層6とが電気的に接続されている。
接続導体7は、第1の半導体層3よりも電気抵抗率の低い材料で構成されている。このような接続導体7は、例えば、第1の半導体層3および第2の半導体層4を貫通する溝を形成し、この溝内に導体を形成することにより形成することができる。このような導体としては、例えば、第1の半導体層3および第2の半導体層4を貫通する溝を形成した後、第2の電極層5をこの溝内にも形成することで接続導体7を形成することができる(図1,2参照)。また、上記溝内に導電ペーストを充填することで接続導体7を形成してもよい。
図1、図2に示すように、第2の電極層5上に集電電極8が形成されていてもよい。集電電極8は、第2の電極層5の電気抵抗を小さくするためのものである。光透過性を高めるという観点からは、第2の電極層5の厚さはできるだけ薄いことが好ましいが、薄いと導電性が低下してしまう。しかしながら、第2の電極層5上に集電電極8が設けられていることにより、第1の半導体層3で発生した電流を効率よく取り出すことができる。その結果、光電変換装置10の発電効率を高めることができる。
集電電極8は、例えば、図1に示すように、光電変換装置10の一端から接続導体7にかけて線状に形成されている。これにより、第1の半導体層3の光電変換により生じた電流を第2の電極層5を介して集電電極8に集電し、これを接続導体7を介して隣接する光電変換装置10に良好に導電することができる。よって、集電電極8が設けられていることにより、第2電極層5を薄くしても第1の半導体層3で発生した電流を効率よく取り出すことができる。その結果、発電効率を高めることができる。
集電電極8は第1の半導体層3への光を遮るのを抑制するとともに良好な導電性を有するという観点からは、50〜400μmの幅を有するのが好ましい。また、集電電極8は、枝分かれした複数の分岐部を有していてもよい。
集電電極8は、例えば、Ag等の金属粉を樹脂バインダー等に分散させた金属ペーストをパターン状に印刷し、これを硬化することによって形成することができる。
集電電極8は、平面視して光吸収層3の外周端部まで達するように設けられていることが好ましい。このような構成により、集電電極8が光吸収層3の外周部を保護し、光吸収層3の外周部での欠けを抑制して光吸収層3の外周部においても光電変換を良好に行うことができる。また、この光吸収層3の外周部で発生した電流を外周端部まで達する集電電極8によって効率よく取り出すことができる。その結果、発電効率を高めることができる。
本発明の光電変換装置の製造方法について、以下のようにして評価した。まず、I−B族元素の有機金属錯体としてCu(CHCN)・PFを10mmolと、第1のルイス塩基としてP(Cを20mmolと、をそれぞれ100mlのアセトニトリルに溶解させた。これらの溶液が均一に溶解したのを確認した後、マグネチックスターラーにて室温で5時間攪拌させ、第1錯体を含有する第1錯体溶液を作製した。
一方、NaOCHを40mmolと、HSeCを40mmolと、を300mlのメタノールに溶解させた後、InClを7mmolおよびGaClを3mmol溶解させた。完全に溶解したのを確認した後、マグネチックスターラーにて室温で5時間
攪拌させ、第2錯体を含有する第2錯体溶液を作製した。
次に、第1錯体溶液に第2錯体溶液を1分間に10mlの速度で滴下した。表1に、Cu、Se、In、Gaの仕込組成を記載した。これにより、滴下中に白い析出物が生成することが確認された。滴下終了後、マグネチックスターラーにて室温で1時間攪拌させたところ、析出物が沈殿していた。
この沈殿物のみを取り出すために、遠心分離機にて溶媒を分離し、メタノール500mlに分散させて遠心分離をかけるという操作を2回繰り返した。その結果、最終生成物には、Naの残留量が1ppm以下となっていることが確認された。
この沈殿物を真空中において室温で乾燥させて溶媒を取り除いた後、この沈殿物の組成分析を発光分光分析(ICP)で行った。その結果、沈殿物はトリフェニルフォスフィン、フェニルセレノール、Cu、InおよびGaを含んだ単一源前駆体であることを確認した。この沈殿物中のCuとInとGaとSeのモル比は、1.04:0.77:0.23:4.05であった。
また、原料金属元素の組成調整として、ピリジンを10mmolと、HSeCを4mmolとを混合し、この混合液に金属のインジウム1mmolを溶解して第3錯体溶液を作製した。
そして、この第3錯体溶液に上記の沈殿物を溶解することによって、CuとInとGaのモル比が、0.95:0.79:0.21の半導体層用溶液を形成した。
次に、表面にMoからなる第1電極層2を有するソーダライムガラス基板1を、Seを含む水素雰囲気下で加熱して、第1の電極層2上に10nmの厚さのMoSeの表面層を形成した。そして、窒素ガス雰囲気にしたグローブボックスにて、上記表面層を形成した第1の電極層2上に、上記半導体層用溶液をドクターブレード法で塗布して、これをホットプレートで110℃に加熱しながら5分間乾燥させることにより前駆体層を形成した。
そして、この前駆体層の熱処理を水素ガス雰囲気下で実施した。熱処理条件は、525℃まで5分間で急速昇温し、525℃で1時間保持することで行い、自然冷却し、厚み1.5μmの化合物半導体薄膜からなる第1の半導体層3を作製した。
この後、酢酸カドミウム、チオ尿素をアンモニア水に溶解し、これに上記試料を浸漬し、第1の半導体層3上に厚み0.05μmのCdSからなる第2の半導体層4を形成した。さらに、第2の半導体層4の上に、スパッタリング法にてAlドープ酸化亜鉛膜(第2電極層5)を形成した。最後に蒸着にてアルミ電極(取出電極)を形成して、サンプルとしての光電変換装置10を作製した。
また、比較例として、第1の電極層上にMoSeの表面層を形成していない光電変換装置を作製した。比較例としての光電変換装置は、上記サンプルとしての光電変換装置の作製と同様に作製したが、第1の電極層表面には上記表面層は形成しなかった。
以上のようにして作製したサンプルとしての光電変換装置および比較例としての光電変換装置の各第1の半導体層の組成分析を行った。その結果、第1の半導体層は、CuとInとGaのモル比が1.15:0.96:0.04であり、半導体形成用溶液のときの組成に比べてGaの量が減少していた。これに対し、本発明の製造方法により作製したサンプルでは、CuとInとGaのモル比が0.96:0.80:0.20であり、半導体形
成用溶液のときの組成に近く、原料金属の一部が減少するのを抑制できていることがわかった。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことは何等差し支えない。
1:基板
2:第1の電極層
3:第1の半導体層
4:第2の半導体層
5:第2の電極層
6:第3の電極層
7:接続導体
8:集電電極
10:光電変換装置

Claims (4)

  1. 第1の金属元素を含む電極層の表面に、前記第1の金属元素とカルコゲン元素との化合物を含む表面層を形成する工程と、
    前記表面層上に、有機配位子とI−B族元素とIII−B族元素とを有する単一源前駆体を含んだ原料溶液を塗布して前駆体層を形成する工程と、
    前記前駆体層を加熱して、前記I−B族元素および前記III−B族元素を含むカルコパイライト構造の化合物半導体層を形成する工程と
    を具備することを特徴とする光電変換装置の製造方法。
  2. 前記第1の金属元素としてMoを含ませ、前記カルコゲン元素としてSeを含ませる、請求項1記載の光電変換装置の製造方法。
  3. 前記化合物半導体層にCu(InGa1−X)Se(ただし、Xは0≦X≦1である。)を含ませる、請求項1または2に記載の光電変換装置の製造方法。
  4. 前記表面層を形成する工程は、前記電極層を前記カルコゲン元素を含む雰囲気下で加熱することによって、前記電極層の表面を前記第1の金属元素とカルコゲン元素との化合物に化学変化させる工程である、請求項1乃至3のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015514323A (ja) * 2012-04-02 2015-05-18 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツングRobert Bosch Gmbh 薄膜太陽電池モジュールの製造方法、並びに、当該製造方法によって製造される薄膜太陽電池モジュール
JP2016100458A (ja) * 2014-11-21 2016-05-30 セイコーエプソン株式会社 光電変換装置の製造方法および電子機器の製造方法
US9941434B2 (en) 2014-09-22 2018-04-10 Kabushiki Kaisha Toshiba Photoelectric conversion device, solar cell and method for manufacturing photoelectric conversion device

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