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JP2012185980A - 波長変換素子、それを備える光源およびその製造方法 - Google Patents

波長変換素子、それを備える光源およびその製造方法 Download PDF

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Tadahito Furuyama
忠仁 古山
Shunsuke Fujita
俊輔 藤田
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Abstract

【課題】波長変換部材が放熱部材に接合してなる波長変換素子であって、当該波長変換素子を使用した光源の軽量化を図るとともに、使用時に波長変換部材が放熱部材から剥離しにくい波長変換素子を提供する。
【解決手段】無機材料からなる波長変換部材と、Alおよびセラミックスを含む複合材料からなる放熱部材とを有することを特徴とする波長変換素子。セラミックスが、SiCおよびAlNのいずれか1種以上であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、波長変換素子、それを備える光源およびその製造方法に関する。
近年、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)やレーザーダイオード(LD:Laser Diode)を用いた光源などの、蛍光ランプや白熱灯に変わる次世代の光源に対する注目が高まってきている。そのような次世代光源の一例として、例えば下記の特許文献1には、青色光を出射するLEDの光出射側に、LEDからの光の一部を吸収し、黄色の光を出射する波長変換部材が配置された光源が開示されている。この光源は、LEDから出射された青色光と、波長変換部材から出射された黄色光との合成光である白色光を発する。
波長変換部材としては、従来、樹脂マトリクス中に無機蛍光体粉末を分散させたものが用いられている。しかしながら、当該波長変換部材を用いた場合、LEDからの光により樹脂が劣化し、光源の輝度が低くなりやすいという問題がある。特に、LEDからの光が、青色光などの波長が短く、エネルギーが強い光である場合は、このような問題が生じやすい。
このような問題に鑑み、例えば、下記の特許文献2には、ガラスマトリクス中に無機蛍光体粉末を分散させた波長変換部材が提案されている。特許文献2に記載の波長変換部材は、樹脂を含まず、無機固体のみから構成されるため、優れた耐熱性および耐候性を有している。従って、この波長変換部材を用いることにより輝度が低下しにくい光源を実現することができる。
波長変換部材を用いた光源を高輝度化するためには、発光素子から出射する励起光の強度を高める必要がある。しかしながら、高強度の励起光を出射する発光素子を用いた場合は、所望の輝度が得られにくいという問題がある。これは、波長変換部材に入射した光のうち、蛍光体の励起に使用されなかった光が熱に変換され、波長変換部材の温度が上昇することによる熱消光が原因であると考えられる。
そこで、波長変換部材に対して、例えば銅などの熱伝導性に優れた放熱部材を接合した波長変換素子が提案されている。当該波長変換素子を用いれば、波長変換部材の熱が効率的に放熱部材に伝導し、放熱部材から放熱される。このため、波長変換部材の温度上昇を抑制することができ、発光素子からの励起光の強度が高い場合であっても、当該波長変換部材を用いた光源の輝度低下を抑制することができる。
特開2000−208815号公報 特開2003−258308号公報
前記波長変換素子において使用される銅製の放熱部材は、比較的重量が大きいため、当該波長変換素子を用いた光源の軽量化が困難である。そこで、比較的軽量の材質として、アルミニウム製あるいはアルミニウム合金製の放熱部材を使用することが考えられるが、当該放熱部材を波長変換部材に接合してなる波長変換素子は、使用時に波長変換部材が放熱部材から剥離しやすいという問題がある。
以上の課題に鑑み、本発明は、波長変換部材が放熱部材に接合してなる波長変換素子であって、当該波長変換素子を使用した光源の軽量化を図るとともに、使用時に波長変換部材が放熱部材から剥離しにくい波長変換素子を提供することを目的とする。
本発明は、無機材料からなる波長変換部材と、Alおよびセラミックスを含む複合材料からなる放熱部材とを有することを特徴とする波長変換素子に関する。
本発明者は、波長変換素子に使用される放熱部材の材質について、種々調査を行った結果、Alおよびセラミックスを含む複合材料からなる放熱部材を用いれば、前記課題を解消できることがわかった。すなわち、Alおよびセラミックスを含む複合材料からなる放熱部材は、比較的軽量であるため、光源の軽量化を図ることが容易である。しかも、特に、ガラス中に無機蛍光体粉末を分散させた波長変換部材に対し、熱膨張率を近づけることが容易であるため、使用時に高温になっても波長変換部材の剥離が生じにくい。
第二に、本発明の波長変換素子は、セラミックスが、SiCまたはAlNであることが好ましい。
第三に、本発明の波長変換素子は、放熱部材が、Al 10〜99.9体積%、セラミックス 0.1〜90体積%を含む複合材料からなることが好ましい。
当該構成によれば、前記効果がより享受しやすくなる。
第四に、本発明の波長変換素子は、放熱部材の密度が3g/cm以下であることが好ましい。
第五に、本発明の波長変換素子は、放熱部材の熱伝導率が100W/mK以上であることが好ましい。
第六に、本発明の波長変換素子は、波長変換部材が、無機蛍光体粉末とガラス粉末を含む混合粉末の焼結体からなることが好ましい。
第七に、本発明の波長変換素子は、ガラス粉末が、スズリン酸塩系ガラスまたは硼珪酸塩系ガラスであることが好ましい。
スズリン酸塩系ガラスは軟化温度が比較的低く、波長変換部材を作製する際の焼成温度を低くすることができるため、無機蛍光体粉末の熱劣化を抑制することができる。また、硼珪酸塩系ガラスは耐熱性が高いため、高強度な励起光や、無機蛍光体粉末からの発熱による劣化を抑制できる。また、耐候性にも優れている。
第八に、本発明の波長変換素子は、無機蛍光体粉末を30〜99.9質量%含有することが好ましい。
当該構成によれば、波長変換部材の単位体積における無機蛍光体粉末の含有量を多くすることができ、当該波長変換部材を用いた光源の高輝度化を達成することが可能となる。
第九に、本発明の波長変換素子は、波長変換部材と放熱部材の熱膨張率の差が35×10−7/℃以下であることが好ましい。
第十に、本発明の波長変換素子は、波長変換部材と放熱部材の間に反射層を備えていることが好ましい。
波長変換素子としては、一般に、励起光と蛍光体から発生する蛍光との合成光を、励起光と反対側から取り出す「透過型」と、当該合成光を励起光と同じ側から取り出す「反射型」が挙げられる。本発明では、波長変換部材と熱伝導性部材との間に反射層を設けることにより、「反射型」波長変換素子とすることができる。
特に、波長変換部材中における無機蛍光体粉末の含有量が多い場合は、「透過型」波長変換素子では、励起光が波長変換部材内部で散乱して透過しにくくなる。結果として、所望の色合いを有する光が得られにくくなる。一方、「反射型」波長変換素子であれば、波長変換部材中における無機蛍光体粉末の含有量が多い場合であっても、所望の色合いを有する光が得られやすい。これは、波長変換部材中で励起光が散乱しても、各散乱光が反射層により反射されて励起光側に効率よく取り出すことができるためである。
第十一に、本発明の波長変換素子は、反射層が、Ag、Al、Au、PdおよびTiから選択された金属またはその合金であることが好ましい。
第十二に、本発明の波長変換素子は、波長変換部材と反射層の間、および/または、反射層と放熱部材の間に保護層を備えていることが好ましい。
当該構成によれば、反射層の酸化による劣化を抑制することが可能となる。
第十三に、本発明の波長変換素子は、保護層が、SiOまたはAlであることが好ましい。
第十四に、本発明は、前記いずれかの波長変換素子と発光素子とを備えていることを特徴とする光源に関する。
第十五に、本発明の光源は、プロジェクター用であることが好ましい。
本発明の波長変換素子の実施形態1を説明する模式的斜視図である。 本発明の波長変換素子の実施形態1を説明する模式的断面図である。 本発明の波長変換素子の実施形態2を説明する模式的斜視図である。 本発明の波長変換素子の実施形態3を説明する模式的断面図である。
以下、図面を用いて本発明の波長変換素子の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態のみに限定されるものではない。
<実施形態1>
図1および2に、本発明の波長変換素子の実施形態1を説明する模式的斜視図および模式的断面図をそれぞれ示す。
図1および2に示すように、本発明の波長変換素子1は、放熱部材3上に波長変換部材2を接合してなるものである。本実施形態では、波長変換部材2と放熱部材3の間に反射層4が形成されており、さらに、波長変換部材2と反射層4の間に保護層5が形成されている。
波長変換部材2は、発光素子(図示せず)から出射された励起光の一部を透過する一方、一部を吸収し、励起光よりも波長の長い蛍光を出射する部材である。
波長変換部材2は無機材料からなる。具体的には、無機蛍光体粉末とガラス粉末を含む混合粉末の焼結体からなる。
無機蛍光体粉末は、励起光の波長に応じて適宜選択することができる。無機蛍光体粉末の具体例としては、酸化物蛍光体、窒化物蛍光体、酸窒化物蛍光体、塩化物蛍光体、酸塩化物蛍光体、硫化物蛍光体、酸硫化物蛍光体、ハロゲン化物蛍光体、カルコゲン化物蛍光体、アルミン酸塩蛍光体、ハロリン酸塩化物蛍光体、YAG系化合物蛍光体が挙げられる。これらの無機蛍光体粉末は2種以上を複合して使用してもよい。
波長300〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると青色の蛍光(波長が440nm〜480nmの蛍光)を発する無機蛍光体の具体例としては、Sr(POCl:Eu2+、(Sr,Ba)MgAl1017:Eu2+などが挙げられる。
波長300〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると緑色の蛍光(波長が500nm〜540nmの蛍光)を発する無機蛍光体の具体例としては、SrAl:Eu2+、SrGa:Eu2+などが挙げられる。
波長440〜480nmの青色の励起光を照射すると緑色の蛍光(波長が500nm〜540nmの蛍光)を発する無機蛍光体の具体例としては、SrAl:Eu2+、SrGa:Eu2+などが挙げられる。
波長300〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると黄色の蛍光(波長が540nm〜595nmの蛍光)を発する無蛍光体の具体例としては、ZnS:Eu2+などが挙げられる。
波長440〜480nmの青色の励起光を照射すると黄色の蛍光(波長が540nm〜595nmの蛍光)を発する無機蛍光体の具体例としては、Y(Al,Gd)12:Ce2+などが挙げられる。
波長300〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると赤色の蛍光(波長が600nm〜700nmの蛍光)を発する無機蛍光体の具体例としては、GdGa12:Cr3+、CaGa:Mn2+などが挙げられる。
波長440〜480nmの青色の励起光を照射すると赤色の蛍光(波長が600nm〜700nmの蛍光)を発する無機蛍光体の具体例としては、MgTiO:Mn4+、KSiF:Mn4+などが挙げられる。
無機蛍光体粉末の平均粒子径(D50)は、特に限定されず、例えば、1〜50μm、特に5〜25μmであることが好ましい。無機蛍光体粉末の平均粒子径(D50)が大きすぎると、発光色が不均一になりやすくなる。また、緻密な焼結体が得られにくく、波長変換部材2中に気孔が残存しやすくなる。一方、無機蛍光体粉末の平均粒子径(D50)が小さすぎると、発光強度が低下しやすくなる。
波長変換部材2における無機蛍光体粉末の含有量は30〜99.9質量%、35〜99質量%、50〜95質量%、特に70〜90質量%であることが好ましい。無機蛍光体粉末の含有量が少なすぎると、波長変換部材2を用いた光源の輝度が低くなる傾向がある。一方、無機蛍光体粉末の含有量が多すぎると、相対的にガラス粉末の含有量が少なくなって、緻密な焼結体が得られにくくなる。結果として、波長変換部材2中に気孔が多くなり、光散乱の原因となるため、波長変換部材2を用いた光源の発光強度が低下する傾向がある。
ガラス粉末としては、無機蛍光体粉末を好適に分散できるものであれば特に限定されない。ガラス粉末の具体例としては、例えば、珪酸塩系ガラス、硼珪酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラス、硼リン酸塩系ガラス、スズリン酸塩系ガラスなどが挙げられる。なかでも、硼珪酸塩系ガラスは耐熱性が高いため、高強度な励起光や、無機蛍光体粉末からの発熱による劣化を抑制できる。また、耐候性にも優れている。また、スズリン酸塩系ガラスは軟化温度が例えば600℃以下と低くすることが容易であるため、例えば放熱部材3に対し、無機蛍光体粉末およびガラス粉末の混合物を加熱プレスすることにより、波長変換素子1上に容易に波長変換部材2を形成することができる。この際、放熱部材3に要求される耐熱性が低くなり、材料選択の自由度が向上する。また、加熱プレス時における無機蛍光体粉末の劣化を抑制できる。
硼珪酸塩系ガラスとしては、ガラス組成として、モル%表示で、ガラス粉末が、モル百分率で、SiO 30〜70%、B 1〜15%、MgO 0〜10%、CaO 0〜25%、SrO 0〜10%、BaO 5〜40%、RO(RはMg、Ca、Sr、Baを表す) 10〜45%、Al 0〜20%、ZnO 0〜10%を含有するものが好ましい。
スズリン酸塩系ガラスとしては、ガラス組成として、モル%表示で、SnO 35〜80%、P 5〜40%、B 0〜30%を含有するものが好ましい。
これらのガラスには、前記成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、例えばZnO、Ta、TiO、Nb、GdおよびLaの少なくとも一つの成分を、合量で10モル%まで含有していてもよい。
なお、本発明において、「軟化温度」はDTA(示差熱分析)により測定した温度である。
波長変換部材2には、無機蛍光体粉末およびガラス粉末以外にも、例えばアルミナ粉末やシリカ粉末等の光拡散材が含まれていてもよい。
放熱部材3は、Alおよびセラミックスを含む複合材料からなるものである。具体的には、Al 10〜99.9体積%、セラミックス 0.1〜90体積%(好ましくはAl 20〜99体積%、セラミックス 1〜80体積%、より好ましくはAl 30〜95体積%、セラミックス 5〜70体積%、さらに好ましくはAl 40〜90体積%、セラミックス 10〜60体積%、最も好ましくはAl 50〜80体積%、セラミックス 20〜50体積%)を含む複合材料からなるものであることが好ましい。ここで、セラミックスの含有量が少なすぎる場合は、放熱部材3の熱膨張率が大きくなって、波長変換部材2が放熱部材3から剥離しやすくなる。一方、セラミックスの含有量が多すぎる場合は、放熱部材3の密度が大きくなって、光源の軽量化が困難になる傾向がある。なお、Alおよびセラミックス以外にも、例えばMg、Cr、Fe等の金属などの成分を合量で10体積%以下、特に5体積%以下含有していても構わない。
セラミックスとしては、SiCやAlN等が挙げられる。これらの材料を用いることにより、レーザー素子等の高出力の発光素子を励起光源として使用した場合であっても、波長変換部材2から放熱部材3に効率よく放熱される。そのため、波長変換部材2に含まれる無機蛍光体粉末の熱消光が原因となる輝度低下が発生しにくい。具体的には、放熱部材3の熱伝導率は、100W/mK以上、150W/mK以上、200W/mK以上、特に250W/mK以上であることが好ましい。
また放熱部材3は、前記複合材料からなるため、軽量化を図ることができる。具体的には、放熱部材3の密度は、3g/cm以下、2.5g/cm以下、特に2g/cm以下であることが好ましい。
さらに、放熱部材3が前記複合材料からなることにより、波長変換部材2との熱膨張率差を低減することが容易になるため、使用時に高温になっても、波長変換部材2が放熱部材3から剥離することを抑制できる。
波長変換部材2と放熱部材3の熱膨張率差は、35×10−7/℃以下、30×10−7/℃以下、20×10−7/℃以下、特に10×10−7/℃以下であることが好ましい。当該熱膨張率差が大きすぎると、例えば波長変換素子1の温度が上昇した際に、波長変換部材2が放熱部材3から剥離しやすくなる。
例えば、波長変換部材2として、スズリン酸塩系ガラス粉末と無機蛍光体粉末を含む混合粉末の焼結体からなるものを使用した場合、放熱部材3の熱膨張率は、100×10−7〜170×10−7/℃、120×10−7〜160×10−7/℃、特に130×10−7〜150×10−7/℃であることが好ましい。また、波長変換部材2として、硼珪酸塩系ガラス粉末と無機蛍光体粉末を含む混合粉体の焼結体からなるものを使用した場合、放熱部材3の熱膨張係数は、40×10−7〜100×10−7/℃、50×10−7〜90×10−7/℃、特に60×10−7〜80×10−7であることが好ましい。
なお、本発明において、熱膨張率は30〜380℃の温度範囲における測定値をいう。
放熱部材3は、例えば、Al粉末とセラミックス粉末を所定の比率で混合して、焼結させることにより作製することができる。
図1および2に示すように、本実施形態では、放熱部材3は板状に形成されている。もっとも、本発明において、放熱部材3は板状に限定されず、例えば棒状や直方体状であってもよい。
波長変換部材2の形状寸法は、特に限定されない。本実施形態では、具体的には、波長変換部材2は円盤状である。波長変換部材2の直径は100mm以下、3〜80mm、特に25〜70mmであることが好ましい。波長変換部材2の直径が大きすぎると、光源が大型化して軽量化が困難になる傾向がある。また、波長変換部材2の厚みは、0.01〜2mm、0.02〜1mm、0.03〜0.5mm、0.04〜0.2mm、特に0.05〜0.1mmであることが好ましい。波長変換部材2の厚みが小さすぎると、無機蛍光体粉末の含有量が少なくなり、所望の色合いが得られにくくなる。また、波長変換部材2の厚みを均一にすることが困難になり、色むらの原因となる傾向がある。一方、波長変換部材2の厚みが大きすぎると、波長変換部材2において波長変換される励起光の割合が大きくなり、所望の色合いの合成光が得られにくくなる。
反射層4は、450〜750nmの波長域において85%以上、特に90%以上の反射率を有する材料からなることが好ましい。これにより、波長変換素子1からの光の取り出し効率の低下を抑制できる。具体的には、反射層4としては、Ag、Al、Au、PdおよびTiから選択された金属またはその合金からなるものが挙げられる。なかでも、熱伝導性または反射率の高いAgやAlであることがより好ましい。
反射層4の厚みは例えば0.01〜1000μm、特に0.1〜500μmであることが好ましい。反射層4の厚みが小さすぎる場合は、所望の光反射率が得られにくくなる。一方、反射層4の厚みが大きすぎる場合は、膜応力が大きくなったり、波長変換部材2において発生した熱が放熱部材3に伝導しにくくなる傾向がある。
保護層5としては、全光線透過率が80%以上、特に90%以上であることが好ましい。これにより、保護層5における光の吸収ロスを低減し、光源の発光強度の低下を抑制できる。具体的には、保護層5としては、SiOおよびAlなどが挙げられる。保護層5の厚みは例えば0.01〜500μm、特に0.1〜300μmであることが好ましい。保護層5の厚みが小さすぎる場合は、反射層4の酸化抑制効果が得られにくくなる。一方、保護層5の厚みが大きすぎる場合は、膜応力が大きくなったり、波長変換部材2において発生した熱が放熱部材3に伝導しにくくなる傾向がある。
以下、本発明の波長変換素子の他の実施形態および変形例について説明する。以下の説明において、実施形態1と実質的に共通の機能を有する部材については、共通の符号を用いている。
<実施形態2>
図3に、本発明の波長変換素子の実施形態2を説明する模式的斜視図を示す。
図3に示すように、本実施形態の放熱部材3は、円盤の中央部に円形の開孔部が形成された、いわゆるドーナツ形状を有している。また、放熱部材3上に、同じくドーナツ形状の波長変換部材2が接合されている。
図3には示されていないが、実施形態1と同様に波長変換部材2と放熱部材3の間に、反射層4、さらには保護層5を設けてもよい。
<実施形態3>
図4に、本発明の波長変換素子の実施形態3を説明する模式的断面図を示す。
図4に示すように、本実施形態では、放熱部材3の表面に突部6が形成されている。このため、本実施形態の放熱部材3は表面積が大きくなり、放熱部材3からの放熱をより効果的に促進することができる。その結果、波長変換材料2の温度上昇をより効果的に抑制することができる。
<変形例>
実施形態1では、波長変換部材2として、無機蛍光体粉末とガラス粉末を含む混合粉末の焼結体を用いる場合について説明した。本発明はこの構成に限定されず、波長変換部材2として、例えば、透光性YAG多結晶体や、透光性YAG単結晶を用いてもよい。
本発明の波長変換素子は、LEDやLD等の発光素子と組み合わせることにより、例えばプロジェクター用光源として使用することができる。
以下、本発明の波長変換素子を、実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
(実施例1)
(1)波長変換素子の作製
モル%で、SnO 62%、P 22%、B 11%、Al 2%、MgO 3%の組成となるように原料粉末を調合し、原料バッチを調整した。原料バッチを坩堝内で1000℃で2時間加熱した。その後、得られた溶融ガラスの一部をロール成形することにより、ガラスフィルムを作製した。また、溶融ガラスの残りの一部をカーボン枠内に鋳込むことにより、ガラスブロックを作製した。
得られたガラスブロックを、所定の大きさに切り出し、30〜380℃の温度範囲における熱膨張率を、ディラトメーターを用いて測定した。その結果、ガラスの熱膨張率は140×10−7/℃であった。
次に、前記ガラスフィルムを、らいかい機を用いて15分間粉砕した後に、100μmのふるいに通してガラス粉末(D50:14μm、Dmax:145μm)を得た。得られたガラス粉末に対してYAG蛍光体粉末を添加して混合粉末を作製した。なお、混合粉末中におけるYAG蛍光体粉末の含有量は80質量%とした。
次に、アルミニウムとSiCの複合材料(アルミニウム 70体積%、SiC 30体積%)からなる放熱部材を10mm角、厚み1mmの板形状に切り出した。次に、放熱部材上にAg反射層をスパッタ法にて、厚み300nmとなるように成膜した。さらに、Ag反射層上にAl保護層を、スパッタ法により、厚み200nmとなるように成膜した。
反射層および保護層が形成された前記放熱部材上に、前記混合粉末を載置した。SYS製の精密ガラスプレス装置(成形型=グラッシーカーボン製の平型)を用いて、窒素雰囲気中、400℃で加熱プレス成形し、前記実施形態1と実質的に同様の構成を有する波長変換素子を得た。放熱部材上に形成された波長変換部材の直径は8mm、厚みは0.1mmであった。
(2)評価
得られた波長変換素子において、波長変換部材の放熱部材に対する密着性を確認するためにテープ試験を実施した。試験用テープ(ファーマセル製P786、引っ張り強度:3.6kg/cm)を波長変換部材の全面に押さえつけるようにして貼り付け、貼り付け面に対して垂直方向に引っ張り、0.1秒で剥がし、波長変換部材の剥離状態を確認した。
また、2A、波長440nmのレーザー光を、波長変換素子の波長変換部材側に垂直に10分間照射し、光照射後の波長変換部材の剥離状態を確認した。
以上の結果を表1に示す。
(比較例1)
放熱部材としてアルミニウム合金(A5052)を用いたこと以外は、実施例と同様にして波長変換素子を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
放熱部材として銅(純銅)を用いたこと以外は、実施例と同様にして波長変換素子を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例2)
(1)波長変換素子の作製
モル%で、SiO 60%、B 5%、CaO 15%、BaO 10%、Al 5%、ZnO 5%の組成となるように原料粉末を調合し、原料バッチを調整した。原料バッチを坩堝内で1400℃で2時間加熱した。その後、得られた溶融ガラスの一部をロール成形することにより、ガラスフィルムを作製した。また、溶融ガラスの残りの一部をカーボン枠内に鋳込むことにより、ガラスブロックを作製した。
得られたガラスブロックを、所定の大きさに切り出し、30〜380℃の温度範囲における熱膨張率を、ディラトメーターを用いて測定した。その結果、ガラスの熱膨張率は70×10−7/℃であった。
次に、前記ガラスフィルムを、らいかい機を用いて30分間粉砕した後に、100μmのふるいに通してガラス粉末(D50:15μm、Dmax:132μm)を得た。得られたガラス粉末に対してYAG蛍光体粉末を添加して混合粉末を作製した。なお、混合粉末中におけるYAG蛍光体粉末の含有量は80質量%とした。
次に、混合粉末を金型を用いて加圧成形し、直径1cmのボタン状の予備成型体を作製した。この予備成型体を、焼成温度830℃、真空雰囲気下で焼成した後、加工し、直径8mm、厚さ0.1mmの円盤状の波長変換部材を得た。
得られた波長変換部材上に、Ag反射層をスパッタ法にて厚み300nmになるように成膜した。次に、Ag膜上にAl保護膜を、スパッタ法にて厚み200nmとなるように成膜した。さらに、Al保護膜上に、Cr膜とAu膜をスパッタ法により各々100nmとなるように成膜した。
次に、アルミニウムとSiCの複合材料(アルミニウム 30体積%、SiC 70体積%)からなる放熱部材を10mm角、厚み1mmの板形状に切り出した。放熱部材上に、Au膜をスパッタ法にて厚み100nmとなるように成膜した。
放熱部材上のAu膜を成膜した面上に金錫半田を載置し、さらにその上に波長変換部材を、成膜された面が下側となるように設置した。その状態で、200℃に加熱したヒートブロック上で加熱し、金錫半田を軟化させ、波長変換部材と放熱部材を接合し波長変換素子を得た。
得られた波長変換素子について、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例3)
放熱部材としてアルミニウム合金(A5052)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして波長変換素子を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例4)
放熱部材として銅(純銅)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして波長変換素子を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
表1および2に示すように、実施例1および2の波長変換素子は、テープ試験および光照射試験のいずれにおいても、波長変換部材の剥離は生じなかった。
一方、放熱部材としてアルミニウム合金を用いた比較例1および3では、テープ試験において波長変換部材の剥離が生じた。また、光照射試験においても、それぞれレーザー光照射3分後および1分後に波長変換部材の剥離が生じた。また、放熱部材として銅を用いた比較例2および4では、テープ試験において波長変換部材の剥離は生じなかったが、光照射試験において、それぞれレーザー光照射7分後および5分後に波長変換部材の剥離が生じた。
1 波長変換素子
2 波長変換部材
3 放熱部材
4 反射層
5 保護層
6 突部

Claims (15)

  1. 無機材料からなる波長変換部材と、Alおよびセラミックスを含む複合材料からなる放熱部材とを有することを特徴とする波長変換素子。
  2. セラミックスが、SiCまたはAlNであることを特徴とする請求項1に記載の波長変換素子。
  3. 放熱部材が、Al 10〜99.9体積%、セラミックス 0.1〜90体積%を含む複合材料からなることを特徴とする請求項1または2に記載の波長変換素子。
  4. 放熱部材の密度が3g/cm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の波長変換素子。
  5. 放熱部材の熱伝導率が100W/mK以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の波長変換素子。
  6. 波長変換部材が、無機蛍光体粉末とガラス粉末を含む混合粉末の焼結体からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の波長変換素子。
  7. ガラス粉末が、スズリン酸塩系ガラスまたは硼珪酸塩系ガラスであることを特徴とする請求項6に記載の波長変換素子。
  8. 無機蛍光体粉末を30〜99.9質量%含有することを特徴とする請求項6または7に記載の波長変換素子。
  9. 波長変換部材と放熱部材の熱膨張率の差が35×10−7/℃以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の波長変換素子。
  10. 波長変換部材と放熱部材の間に反射層を備えていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の波長変換素子。
  11. 反射層が、Ag、Al、Au、PdおよびTiから選択された金属またはその合金であることを特徴とする請求項10に記載の波長変換素子。
  12. 波長変換部材と反射層の間、および/または、反射層と放熱部材の間に保護層を備えていることを特徴とする請求項10または11に記載の波長変換素子。
  13. 保護層が、SiOまたはAlであることを特徴とする請求項12に記載の波長変換素子。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の波長変換素子と発光素子とを備えていることを特徴とする光源。
  15. プロジェクター用であることを特徴とする請求項14に記載の光源。
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