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JP2012172262A - ZnO系焼結ターゲット及びその製造方法 - Google Patents

ZnO系焼結ターゲット及びその製造方法 Download PDF

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JP2012172262A
JP2012172262A JP2011049590A JP2011049590A JP2012172262A JP 2012172262 A JP2012172262 A JP 2012172262A JP 2011049590 A JP2011049590 A JP 2011049590A JP 2011049590 A JP2011049590 A JP 2011049590A JP 2012172262 A JP2012172262 A JP 2012172262A
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Yoko Michigami
洋子 道上
Shizuka Michiue
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Abstract

【課題】低抵抗な透明導電膜を得ることが可能で、耐異常放電性を有する焼結密度の高いZnO系焼結ターゲットを提供すること。
【解決手段】
Ga及び/又はAlを含むZnO系粉体に、Bを0.4wt%以下を添加したことを特徴とするZnO系ターゲット。Ga及び/又はAlを含むZnO粉体にB粉体を混合した後、700〜1000℃で仮焼結し、仮焼結体を粉砕後プレス成形した後、1200℃超の温度で焼結することを特徴とするZnO系焼結ターゲットの製造方法。

Description

本発明は、ZnO焼結ターゲット及びその製造方法に係わる。
特開平6−2130号公報 特開2007−311041号公報 特開昭61−205619号公報
ディスプレイ用の透明導電膜としてITO(In−Sn−O)が実用化されている。ITOの主成分であるIn金属は、希少金属であるため、資源枯渇の問題があり、1g当たりの現在の価格は、Agレベルでと高価である。ディスプレイ市場は年々発展の一途を辿り、In金属の消費量は益々増大し、価格の更なる高騰が懸念されている。このため、ITOに替わる材料の開発が急務と成ってきており、種々の酸化物材料が研究されている。その中でもZnO系材料は最も有望な材料と期待されている。
ZnOを成膜すると成膜条件により10−4Ωcmの電気抵抗率の薄膜が得られるが、その成膜条件は厳しいため、一般には三価の元素が添加されている。その代表的な添加元素はGa、Alである。
特許文献1では、Al(0.5〜7重量%)、B(1〜12重量%)、SiO(0.8〜8重量%)をそれぞれ添加した焼結体が記載されている。また、特許文献2では、ZnOにAl、Ga、AlF、B、SiO、TiO、ZrO、HfO、GeOから選ばれた1種又は2種以上を含有する焼結体が記載されている。
特許文献3には、ZnOを主成分とするZnO透明導電膜中に、Zn原子に対し少なくとも一種のIII属金属原子を1〜20原子%含有させてなる耐熱性ZnO透明導電膜(請求項1)が記載されており、また、Zn原子に対しBを1〜10原子%及びZn原子に対しAlを1〜8原子%含有させること(請求項10)、Zn原子に対しBを1〜10原子%及びZnO原子に対しGaを1〜8原子%を含有させること(請求項11)も記載されている。特許文献3の記載の目的は、安価に、かつ容易に製造でき、室温以上の高温度で、各種雰囲気での使用に対し、抵抗率変化の極めて小さいZnO透明導電膜を得ることとされている。ただ、特許文献3の請求項10、11に記載された発明についてはその数値限定を含めて発明の詳細な説明において全く記載されておらず、完成した発明として開示されているということはできない。Zn原子に対しBを1原子%は、ZnOに対しBの重量%は、0.4317%に相当する。
ところで、透明導電膜用のITOの生産ラインでは、直流電源を用いる直流(DC)スパッタリング法が用いられている。直流電源の使用は、低抵抗薄膜の作製、ターゲット前面への均等電力供給、膜堆積速度の確保等に有利なためである。特に、安定した放電状態を確保するためにパルスを重畳した直流電源が使用されている。しかし、この様な電源を使用したとしても、従来のZnO系焼結ターゲットを用いて成膜を行うと、成膜された薄膜の結晶性が悪いという問題、また、異常放電による膜表面への黒色の生成物、斑点模様、むらの生成等の問題を生じている。
異常放電の発生回数を低減するため、特許文献1では、原料粉体の粒径を2μm以下としている。しかし、2μm以下とするための工程が必要となる。原料粉体の粒径の制御を行わず、また、放電電圧を低くでき、異常放電の発生の極めて少ないターゲットが望まれている。
従来の技術においては、Al添加ZnO(AZO)、Ga添加ZnO(GZO)のターゲットを作製する際においては、1400℃以上の温度において焼結する必要があった。特許文献1においては、原料粉体の粒径を2μm以下とすることにより1400℃よりも低い温度において焼結しているが、通常は、1400℃以上の高温度での焼結を必要としている。例えば、特許文献1の表1の「従来1」では、1450℃、表2の「従来2」では1400℃、表3の「従来3」では、1425℃となっている。焼結温度が1400℃未満ではターゲットの焼結強度が小さく、表面が紛状となってしまうからである。この様に、従来焼結工程では、1400℃前後という高温での焼結が不可欠である。高温焼結は焼結密度の向上を目的で行っているが、焼結密度はなかなか向上しない。そこで、高焼結密度を得るために、高温での焼結時間を長くするなどが行われている。長時間の高温焼結は、電力消費が大きくなり、環境破壊にも繋がる。高密度の焼結体を低消費電力で実現する効率的な焼結法が望まれている。また、高温焼結で作製したターゲットの表面抵抗は、非常に大きく、場所により大きく変動するなどの問題があり、低抵抗化が求められていた。
上記の問題の解決のために、GZOやAZOに微量のB添加が行われた。この発明が、っ出願(特願2008−072573)されている。B添加量としては0.01〜0.4wt%であったが、このB添加により焼結温度の低温化が可能となり、焼結温度は、900〜1200℃であった。この領域の温度での焼結で十分強度の強い焼結体が得られた。高周波(RF)スパッタリングで成膜した場合、異常放電の発生が観測されなかったが、DCスパッタリングすると、異常放電がときおり発生することが分かった。透明導電膜の生産用としては、成膜速度の点からDCスパッタリングが使用されるため、この異常放電の発生しない製造条件が必要でとなっていた。この異常放電を抑制するため焼結密度の向上が望まれた。
一方、B添加量が増加すると、透明導電膜の電気抵抗率が上昇すること、及び、焼結体の表面が青緑色を呈し、Bの増加と共に濃くなる傾向を示すが、この表面の色合いと内部のカーキ色とのギャップが違和感を与え、スパッタの放電挙動への影響等を予感させることもあり、商品の概観としての問題があった。これらの課題に対し、透明導電膜として、電気抵抗率が10−4Ωcm台を実現し、かつ、DCスパッタリングでの成膜においても、異常放電を抑制するZnO系ターゲットの開発のために、Bの更なる低減化、高焼結密度化、青緑色表面の薄色化が重要なテーマとなっていた。
本発明は、DCスパッタリングにより形成した場合にあっても10−4Ωcm台の抵抗値の薄膜を作製することが可能なZnO系焼結ターゲットを提供することを課題とする。
本発明は、従来のターゲットよりも表面の抵抗を大幅に低減させ、直流放電に対し、安定なプラズマを発生させることが可能なZnO系焼結ターゲットを提供することを課題とする。
本発明は、焼結密度が90%以上で焼結後ゆがみのないZnO系焼結ターゲットの製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、結晶性の良好な薄膜を形成することが可能なZnO系焼結ターゲットを提供することを課題とする。
請求項1に係わる発明は、Ga及び/Alと共に、B換算で、0.01未満〜0.003重量%のBを含有させたことを特徴とするZnO系焼結ターゲットである。
本発明は、スパッタリング法で作製する透明導電膜用のZnO系焼結ターゲット材料の添加元素に関するものであり、Ga添加、Al添加、及びそれらの複合添加したZnO系酸化物にBを添加したものである。
GZO、AZOあるいはAGZOにBを0.01未満〜0.003重量%添加することにより、ターゲットの表面抵抗を劇的に低下させることができ、また、高焼結密度のものが得られるために、DCスパッタリングにおいても異常放電が発生しにくく、低電圧放電が可能となり、結果として結晶性の良い良好な薄膜を成膜することが可能になる。更に、このターゲットを使用して作製した薄膜の電気抵抗率を10−4Ωcm台とすることができる。また、ターゲット表面は、薄黄緑色を呈している。
請求項2に係わる発明は、Ga換算で、5.0重量%以下を含むことを特徴とする請求項1記載のZnO系焼結ターゲットである。
請求項3に係わる発明は、Al換算で、3.0重量%以下を含むことを特徴とする請求項1記載のZnO系焼結ターゲットである。
請求項4に係わる発明は、Ga及び/又はAlを含むZnO粉体と、0.01未満〜0.003重量%のBを粉体とを混合した混合粉体をプレス成形し、900℃〜1450℃において焼結することを特徴とするZnO系焼結ターゲットの製造方法である。
請求項5に係わる発明は、粉体をプレス成形する前に混合粉体を700〜1000℃の温度で仮焼結し、仮焼結粉体の粉砕という工程を2回以上繰り返した後、プレス成形を行うことを特徴とする請求項4記載の温度で焼結することを特徴とするZnO系焼結ターゲットの製造方法である。本発明においては、プレス成形する前に仮焼結することが重要である。仮焼結を行うことにより混合粉体の添加元素の均一分散、相互の反応という効果を生じさせる。この効果を高めるためには、仮焼結粉体を粉砕し、その粉体を再度仮焼結する一連の工程を繰り返すことが重要である。
請求項6に係わる発明は、Ga及び/Alと共に、B換算で、0.01〜0.43重量%のBを含有させた混合粉体の仮焼結温度を請求項5に記載の700〜1000℃の温度で仮焼結し、次いで、プレス成形後、焼結温度を1200℃超〜1450℃において焼結することを特徴とするZnO系焼結ターゲット及びターゲットの製造方法である。0.43wt%Bは、Zn原子に対しB原子の約1原子%に相当する。
本発明は、スパッタリング法で作製する透明導電膜用のZnO系ターゲット材料に他元素を添加したZnO系焼結ターゲットに関するものである。このZnO系焼結ターゲットには、Ga、Al、又は、それら2つの元素が添加されたものに、B元素を微量添加したZnO系焼結ターゲットである。複合元素を添加したZnO系粉体を、仮焼結し、次いで、プレス成形したものを、本焼結し、低表面抵抗で、高密度、かつ、ゆがみの無いスパッタ用ZnO系焼結ターゲットを製造する方法に関するものである。Ga、Alの添加元素に、更に、微量の各種元素、Y、In、Yb、Sb、V、Ti等の元素添加を行っても、10−4Ωcm台の電気抵抗率を示す透明導電膜が得られるB添加ZnO系焼結ターゲットが製造可能である。
B添加については、次のような課題がある。Bは三価の元素であり、ZnOに添加した場合、ZnOと置換し、n型不純物として機能する添加金属である。論文によれば、B添加により、電気抵抗率が10−4Ωcm台の値が得られるとされているが、添加量を変えて作製した複数のターゲットについて成膜した薄膜の電気抵抗率は、何れも10−3Ωcm台であった。
ZnOにBを添加しただけでは、10−4Ωcm台を得ることが容易ではないことが判明した。一方、Ga元素添加、及び、Al元素添加によりZnO焼結ターゲットを作製し、成膜すると、適切な添加量において、薄膜の電気抵抗率が10−4Ωcm台のものが得られることが分かった。しかし、Ga添加したZnO(GZO)やAl添加したZnO(AZO)には次のような課題がある。
例えば、GZOの場合、ターゲットの表面の抵抗が、100kΩ台と非常に大きな値から500Ωと中程度の値を示ことがある。大気中での焼結条件や電気炉内の位置においても抵抗値に大きなばらつきが発生するなどの問題点があった。更に、GZOでは、高焼結密度のターゲットが得られない問題もあった。AZOにおいても、GZOほど表面抵抗は高くないものの、高い値を示した。これら課題に対し、B添加をすると、表面抵抗が激減し、かつ、低い焼結温度でも強度の高い焼結体を得ることが出来ることが判明した。しかし、Bの添加量が多いと、薄膜の抵抗が増大すると共に、ターゲットの表面層にBが集まり、青緑色化する。このため、B添加量は極力微量が望ましい。このため、最初の特許(特願2008−072573)においては、添加量範囲を、B換算で0.01〜0.4重量%含有したZnO系焼結ターゲットとし、ターゲット焼結温度として、900〜1200℃での低温焼結に限定した。この作製条件では、十分強度の高いターゲットが得られ、実験室的には、GZOターゲットより異常放電に対し優れていることが分かった。そこで、生産用の成膜を行ったところ、投入パワーを上げてゆくと、異常放電を生じた。この課題に対し、より緻密な焼結体の作製が必要になった。1200℃での焼結体の焼結密度が85%と低いことが判明した。これらの実験事実から、焼結体の高密度化の観点から、仮焼結温度とターゲットの焼結温度の最適化が図られた。
一方、B添加量のより低減化の命題の下に、B換算で0.01未満の添加量において、高密度、かつ、低表面抵抗で、淡い緑色の表面のターゲットが得られる焼結条件が調べられた。B添加量が少なくなると表面抵抗は上昇し、低密度化する傾向を示した。Bの効果がある最低の添加量が調べられた。
ターゲットの作製においては、高密度化と共に反り等のゆがみの無い焼結技術の確立が必要である。この双方を満足させるためには、粉体の仮焼結温度とプレス後の本焼結温度の最適化が必要である。同時に、仮焼結時間と仮焼結回数も重要なパラメータとなっている。異常放電対策には、ターゲットの高密度化が不可欠である。このため、B換算で0.01〜0.43重量%を添加したZnOの本焼結の温度は、1200℃超の温度が好ましい。このB添加では、青緑色を呈するが、高密度ターゲットが得られ、異常放電に強いターゲットとなる。この組成系のターゲットを商品化においては、青緑色の表面の切削・除去が必要である。
この高温での焼結温度は、B換算で、0.01未満〜0.003重量%を添加したZnO系に対しても同様であった。本焼結前の混合粉体の仮焼結温度は、何れも800℃前後が好ましいことが分かった。上記条件で焼結したB添加のZnO焼結体では、98%以上の焼結密度が得られている。
本発明によれば次の効果が得られる。
1)Bを微量添加することにより、GZO、AZO、AGZO焼結ターゲットを高密度で、低表面抵抗を実現することが出来る。
2)B微量添加したZnO系焼結ターゲットでは、仮焼結条件(仮焼結温度、仮焼結時間、仮焼結回数)、本焼結温度を適切に選ぶことにより、反りの無いターゲットを作製できる。
3)Bを微量添加することにより、GZO、AZO、AGZO焼結ターゲットをスパッタすることにより、低抵抗のZnO系透明導電膜を得ることができる。
4)Bを微量添加することにより異常放電に強いZnO系焼結ターゲットが得られ、安定したDCスパッタリング成膜が出来る。
純度99.9%のZnO、Ga、B粉体を使用し、ZnO−3.0wt%Ga粉体にB粉体量を変えて7組成を秤量した。B添加量は、0.009、0.007、0.004、0.003、0.002、0.001、0.0wt%の7組成を、それぞれ150g秤量・配合した。これらの7個の粉体を、ライカイ機により2時間混合させた。最初から6つ目までは、BGZOであり、最後のものはBが含まれずGZOである。
これら混合粉体を、大気中800℃で10時間仮焼結した。この仮焼結粉体をライカイ機により2時間粉砕した。この粉体の仮焼結と粉砕を再度繰り返した。この仮焼結した粉体20gを31φの金型を用いてプレスした。この圧粉体をジルコニアセッタに乗せ、大気中1350℃の温度で5時間焼結し、焼結体を作製した。
これらのターゲットの焼結密度を測定した。GZOの密度は、70.5%であった。一方、B添加したターゲットは、0.002wt%以下では75%以下であったが、0.003wt%以上のBGZOターゲットでは、焼結密度は、90%以上であった。
ターゲットの表面抵抗(1mm間隔)は、GZOが50kΩを示したが、BGZO系では低く、0.002wt%のBGZOは、500Ωであった。0.003wt%のBGZOでは、150Ωを示し、B量の増加と共に低下し0.009wt%のBGZOでは50Ωを示した。ターゲット表面の色は、0.009wt%のBGZOは、薄黄緑色を示すが、B量の低下と共に、淡い黄緑色になり、GZOのカーキ色に近づいた。
実施例1と同じ組成の粉体をそれぞれ150g秤量し、仮焼結工程を実施例1と同じ条件で行った仮焼結粉体140gを88φの金型でプレスした。これら圧粉体を1250℃で7時間焼結し、ターゲットを作製した。これらターゲットを、直径が100φのマグネトロンカソードに搭載し、DCスパッタリングを行った。Ar流量:10sccm、Arガス圧:0.5Pa、放電電流:0.2Aのスパッタ条件で、150℃のガラス基板上に3000Åの薄膜を作製した。
GZOターゲットでは、放電初期には異常放電が頻繁に発生したが、30分経過すると異常放電は殆どしなくなった。しかし、放電電流を増加すると異常放電が発生した。一方、BGZOターゲットでは、0.003wt%以上のBGZOでは、最初から異常放電が殆ど無い状態を示した。
0.002wt%以下のBGZOでは、放電初期に異常放電を示したがその後は安定した放電となった。安定した放電状態で作製したZnO系薄膜の電気抵抗率は、GZO膜、及び、0.002wt%以下のBGZO膜では、10−3Ωcm台であったが、0.003wt%以上のBGZO膜では、10−4Ωcm台の電気抵抗率が得られた。
ZnO−3.0wt%Ga−0.007wtBの混合粉体を各200g準備し、800℃で仮焼結後粉砕した工程を3回繰り返した仮焼成混合粉体を作製した。これらの粉体を31φの金型にそれぞれ20gを充填しプレスした。8個の圧粉体を、700、800、900、1000、1200、1220、1300、1400、1450℃の温度で5時間焼結し、焼結密度の変化を調べた。
その結果、何れも800℃以下では、焼結が末完成で、焼結強度は小さく、粉ぽい焼結体となった。特に、Bを含まないGZOと0.001wt%B以下のBGZOでは顕著であった。1000℃焼結のGZOでは、焼結密度は56.0%で、焼結温度の上昇と共に焼結密度は増加したものの、1450℃でも74.7%であった。
一方、B添加したBGZO系では、900℃での焼結で、0.003wt%以上の焼結体では、焼結密度は、75%以上となり、温度の上昇と共に、増加し、1300℃以上では、焼結密度は95%以上となった。この実験において、1200℃での焼結では85%、1220℃での焼結では92%の焼結密度であった。高焼結密度を得るには、1200℃超での焼結温度が望ましい。
焼結体の表面の抵抗は、GZOでは、焼結温度に関係なく、0.5−200kΩを示し、焼結体の面内の場所によっても大きく変動した。一方、B添加のものは、GZOに比べ、低抵抗を示すと共に、焼結温度に対し安定した値を示した。0.002wt%以下の)BGZOの表面抵抗は、やや大きく500Ω前後を示した。0.003wt%以上のBGZOは、200Ω以下を示し、焼結温度の上昇に伴い、抵抗が下がる傾向を示した。
実施例3と同じ組成の粉体を実施例3と同じ仮焼結をし、800gを準備した。88φ金型で、140gをプレスし、5個の圧粉体を作製した。この圧粉体を、800、900、1200、1220、1350℃で8時間焼結し、ZnOターゲットを作製した。実施例2と同じスパッタ条件により、焼結温度の異なるターゲットを用いBGZO透明導電膜2000Å成膜した。
800℃焼結のターゲットでは、異常放電を発生したが、900℃以上の焼結ターゲットでは、目立った異常放電が観測されなかったが、スパッタ電流を上昇すると、異常放電が発生し始めた。900℃焼結ターゲットでは0.3Aで発生し、焼結温度の上昇と共に異常放電発生電流は上昇した。1220℃以上の焼結ターゲットでは、0.4Aでも異常放電は観測されなかった。
900℃焼結でも透明導電膜作製用ターゲットとして使用でき、新素材として、焼結温度は900℃以上といえる。しかし、透明導電膜生産用としては、1200℃超の温度での焼結が適している。得られた薄膜の電気抵抗率は、(4−7)x10−4Ωcmであった。1300℃超の焼結温度は、異常放電対策用として更に優れた焼結温度といえる。
実施例3と同じ組成の混合粉体とBを含まないGZO粉体をそれぞれ150g準備し、600、700、800、900、1000、1100、1200℃の温度で仮焼結した。仮焼結はそれぞれの温度で10時間行われ、その後、粉砕・撹拌された。この行程を3回繰り返した。31φのプレス金型を用い20gの粉体をプレス成形した。圧粉体を1350℃で5時間焼結し、仮焼結温度の焼結密度への影響を調べた。
GZOでは、600℃仮焼結温度では、焼結密度は80%以上の値を示すが、焼結体に反りが発生し、仮焼結が不十分であることを示した。仮焼結温度の上昇とともに反りが少なくなるが、焼結密度は減少し、900℃では、71%となった。GZOでは、1200℃の仮焼結温度では更に焼結密度は減少し、粉っぽい焼結体となった。
一方、B添加したものは、600℃の仮焼結温度では、未反応な様相を示すが、700℃での仮焼結では、0.007wt%以上のBGZOは、焼結密度が95%以上を示した。B添加量の減少と共に、焼結密度は低下したが、0.002wt%のBGZOで焼結密度は85%を示した。700℃仮焼結の挙動は、900℃の仮焼結温度でも同様であったが、焼結体に反りが見られなかった。仮焼結温度が高くなると、粉体間の反応が促進する。仮焼結温度が1100℃以上になると、粉体粒が大きく成長するため、焼結密度は低下し、80%以下になる。
微粒子間の急激な合体による粒成長をさせることなく、均一な添加元素の均一分散を実現する仮焼結温度として、800℃前後が最適であるが、0.003wt%B以上のBGZOでは、700〜1000℃の仮焼成温度が高密度ターゲットの得られる温度といえる。
ZnO−0.007wt%B粉体にGaを0.5、1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0wt%を添加した8組成の粉体を各150g秤量し、混合・撹拌した。この混合粉体を850℃で10時間焼結し、ライカイ機で粉砕・撹拌した。これを3回繰り返し、仮焼結粉体を作製した。140gを88φ金型でプレス成形し、8個の圧粉体を作製した。
この圧粉体を1210℃で5時間焼結し、BGZOターゲットを作製した。実施例2と同じスパッタ条件のもとでBGZO薄膜を3000Å作製した。6.0wt%Ga以上では電気抵抗率は、3x10−3Ωcm以上を示した。2.0〜5.0wt%Gaでは、10−4Ωcm台前半の電気抵抗率を示した。1.0wt%Ga以下では10−4Ωcm台後半の電気抵抗率を示した。Bの微量添加において、Gaの含有量は、5.0wt%以下が望ましい。
ZnO−0.007wt%B粉体にAlを0.5、1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0wt%を添加した7組成の粉体を各150g秤量し、混合・撹拌した。この混合粉体を850℃で10時間焼結し、ライカイ機で粉砕・撹拌した。これを3回繰り返し、仮焼結粉体を作製した。140gを88φの金型でプレス成形し、7個の圧粉体を作製した。この圧粉体を1450℃で5時間焼結し、BAZOターゲットを作製した。
ターゲットの表面の抵抗は、何れも80Ω以下であった。実施例2と同じスパッタ条件のもとでBAZO薄膜を3000Å作製した。4.0wt%Alでは電気抵抗率は、5x10−3Ωcmであったが、Al添加量の増加と共に、抵抗率は上昇した。3.0wt%Al以下では、(3−8)x10−4Ωcmの電気抵抗率を得た。Bの微量添加において、Alの含有量は、3.0wt%以下が望ましい。
ZnO−2.8wt%Ga−0.005wt%B粉体にAlを0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.0、3.0、4.0、5.0wt%を添加した9組成の粉体を各150g秤量し、混合・撹拌した。実施例9と同様の条件で、140gのターゲットを作製した。組成の異なる9個のターゲットの表面抵抗は、95Ω以下と低い値を示した。焼結密度は、何れも90%以上であった。
このターゲットを用い、実施例2と同じスパッタ条件のもとでBAZO薄膜を3000Å作製した。Al添加量が4.0wt%以上になると薄膜の電気抵抗率は10−3Ωcm台となった。3.0wt%Al以下では、(4−9)x10−3Ωcmの電気抵抗率を得た。Bの微量添加を含む、ABGZOにおいて、Alの含有量は、3.0wt%以下が望ましい。
ZnO−1.3wt%Al−0.007wt%Bに第三の添加物として、Y2O3、In、Yb、Lu、V、Sb、Fe、Co、TiO、SiO、LiO、NaOの粉体を0.2wt%添加し、各150gの粉体を混合・仮焼結した。
140gを88φ金型でプレスし、1300℃で5時間焼結した。添加元素によらず90%以上の焼結密度が得られた。実施例2と同じスパッタ条件のもとで薄膜を3000Å作製した。Li系、Na系以外は、10−4Ωcm台の電気抵抗率となったが、Li系、Na系は10−2Ωcm台の電気抵抗率となり、添加元素として不適であった。
ZnO−3.0wt%Ga粉体に実施例1のB添加量より多いB粉体量0.01〜0.6wt%の範囲、0.01、0.05、0.1、0.3、0.43、0.5、0.6wt%を含有した7組成を200g秤量した。これらの混合粉体をライカイ機で2時間撹拌・混合し、800℃の温度で10時間仮焼結し、次いで、この仮焼結粉体を粉砕した。この仮焼結工程を3回繰り返した後、各粉体20gを31φの金型でプレス成形した。
この圧粉体を、800、900、1000、1100、1200、1250、1300、1350、1450℃の温度で5時間焼結し、焼結体を作製した。これらの焼結体の表面色、強度、抵抗値、焼結密度を調べた。800℃の仮焼結粉体は白色であるが、何れの圧粉体も900℃以上での焼結により青緑色を呈する。B添加量の増加と共に青緑色は濃くなる。
900℃以下の何れの焼結体も、表面抵抗は150Ω前後でやや高い値を示すが、強度的には比較的良好な焼結体である。1200℃以上では、抵抗値は80Ω以下で、優れた強度の焼結体となった。
ところが、焼結密度は焼結温度により大きく異なり、B添加量によらず同じ挙動を示した。0.01wt%B添加のBGZOを例で示すと、800℃焼結では、焼結密度73%、1000℃では78%、1200℃では89%、1250℃では92%、1300℃では98%、1350℃以上では99%以上を示した。
900〜1200℃での焼結では、十分な強度を有し、透明導電膜の作製は可能で、ターゲットとして性能を持つものの、焼結密度がやや小さく、DCスパッタリングでの生産には必ずしも適していない。この焼結温度領域は、特願2008−072573で特許出願されている。表面の色は、青緑色を呈するものの、生産用のターゲットとしては、焼結密度が高くなる1200℃超が適切であり、1300℃以上がより優れた焼結温度となる。
実施例10の7つの組成の中から、B粉体量が0.01、0.1、0.3、0.43、0.5、0.6wt%の6つを選び、それぞれ150gを秤量した。混合分散した粉体を、800℃で仮焼結した。仮焼結・粉砕の行程を実施例1と同様の方法で行った。仮焼結粉体を、88φの金型でプレスし、これら圧粉体を1300℃で5時間焼結し、スパッタリングターゲットを作製した。
これら6つのターゲットを用い、実施例2と同じスパッタ条件のもとでBGZO薄膜を3000Å作製した。0.43wt%B以下では、(2−5)x10−4Ωcmの電気抵抗率であったが、0.5wt%Bでは、3x10−3Ωcmを示した。0.6wt%Bでは、9x10−3ΩcmΩcmの電気抵抗率を示した。1200℃を超えた高温での焼結で作製されたBGZOにおいて、B添加量は0.43wt%B以下が望ましい。
液晶表示素子、タッチパネル、有機EL素子、太陽電池用の透明電極、帯電防止用の導電膜コーティング、透明ヒータ等に応用可能である。
また、低温成膜が可能であるため、プラスチック基板やフイルムにも成膜で切るため、紫外線遮断フイルム、熱線遮断フイルム、X線量計測素子にも適用できる。

Claims (6)

  1. Ga及び/Alと共に、B換算で、0.01末満〜0.003重量%のBを含有させたことを特徴とするZnO系焼結ターゲット
  2. Ga換算で、5.0重量%以下を含むことを特徴とする請求項1記載のZnO系焼結ターゲット
  3. Al換算で、3.0重量%以下を含むことを特徴とする請求項1記載のZnO系焼結ターゲット
  4. Ga及び/Alを含むZnO粉体と、0.01未満〜0.003重量%のB粉体とを混合した混合粉体を仮焼結した後、プレス成形し、900℃〜1450℃において焼結することを特徴とするZnO系焼結ターゲット
  5. 粉体をプレス成形する前に混合粉体を700〜1000℃の温度で仮焼結し、仮焼結粉体の粉砕という工程を2回以上繰り返した後、プレス成形を行うことを特徴とする請求項4記載のZnO系焼結ターゲットの製造方法
  6. Ga及び/Alと共に、B換算で、0.01〜0.43重量%のBを含有させた混合粉体の仮焼結温度を請求項5に記載の700〜1000℃の温度で仮焼結し、次いで、プレス成形後、焼結温度を1200℃超〜1450℃において焼結することを特徴とするZnO系焼結ターゲット及びZnO系焼結ターゲットの製造方法
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JP2016033241A (ja) * 2014-07-31 2016-03-10 Tdk株式会社 スパッタリングターゲット、透明導電性酸化物薄膜、及び導電性フィルム
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