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JP2012039940A - 果実の保存方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 保存中の果実において、Penicillium expansum等のカビの増殖汚染を抑制、防止し、さらには、該カビ汚染の抑制、防止によりパツリン産生も同時に抑制する。
【解決手段】 プロペナール、(E)−2−ブテナール、(E)−2−ペンテナール、及びそれらを主成分とする天然香気成分から選ばれる少なくとも一つの物質が存在する環境下で果実を保存する。前記物質がプロペナールであって、3ppm以上の濃度で前記環境に含まれているか、または前記物質が(E)−2−ブテナールまたは(E)−2−ペンテナールであって、100ppm以上の濃度で前記環境に含まれている。
【選択図】 なし

Description

本発明はりんごを始めとする果実の保存方法に関する。詳しくは、りんごを始めとする果実のペニシリウム・エクスパンサム(Penicillium expansum)を始めとするカビによる汚染の抑制、防止技術に関する。
果汁搾汁用りんごは搾汁作業まで所定条件下において保存される。しかし、りんごの収穫時、包装時、輸送時などに受けた損傷部からペニシリウム属(Penicillium属)の青カビ類は容易に侵入する可能性があり、汚染したりんごは保存中にこれが増殖してしまう。特にPenicillium expansumは増殖する際にカビ毒であるパツリンを産生してしまうことがある。
このパツリンは、ラットの2年間投与試験により体重増加抑制の症状や、急性毒性として消化管の充血、出血、潰瘍などの症状などが認められており、りんご果汁中に含まれる量が食品衛生法に基づいて規制され、その基準値として0.050mg/kgが規定されている(農林水産省「平成16年度原料用りんご果汁のパツリン汚染実態調査の結果について」、平成17年7月21日、インターネット<URL:http://www.maff.go.jp/www/press/cont2/20050721press_8.html>)。
P.expansum汚染の防御技術としては、低温貯蔵による増殖抑制が一般的である。また、P.expansumに汚染したりんごは、アルカリ処理によって汚染部分を洗浄、除去している。
またその他の手段としては、ヘキサナールを用いた貯蔵りんごにおける青カビ等による腐敗防止効果を用いたシェルフライフの向上について検討が行われている(非特許文献1〜3)。また同様な技術が特許文献1に開示されており、食品保存時の微生物増殖抑制・阻止を目的として、食品用香料成分として知られているトランス−2−ヘキセナールを添加することが行われている。
以上の文献では、ヘキサナールについてのカビ増殖抑制効果は記載されているが、本願発明で効果の見られたプロペナール、ブテナール、ペンテナール等のカビ増殖抑制の記載はない。
特開2000−325037号公報
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したがって本発明では、果汁搾汁用りんご等を始めとする果実の保存中に発生し、汚染が問題となるPenicillium expansumを始めとするカビ類による増殖汚染を、簡便な方法で抑制、防止することを課題とする。
本発明者らは上記従来の問題点に鑑み鋭意研究を進めたところ、保存中のりんごにおいて、植物の天然香気成分の一つであるアルケナール類を適用することにより、Penicillium expansum等のカビの増殖汚染を抑制、防止しうることを発見し、さらには、該カビ汚染の抑制、防止によりパツリン産生も同時に抑制しうることを見出したことに基づき、本発明を完成するに至った。
本発明者らの検討の結果、特定のアルケナール類はある濃度以上で、P.expansumの胞子および栄養細胞に対して殺菌効果を有していることが分かった。そこで、特定のアルケナール類、あるいはこれを主成分とする天然香気成分とりんご表面を汚染しているP.expansum胞子、あるいは栄養細胞を接触させることによってP.expansumを殺菌することが可能となり、これによって、P.expansumの増殖を抑制、防止し、その結果としてP.expansumが産生するカビ毒パツリンの汚染が無く、りんごの商品価値を失うことなしに、りんごの長期保存が可能となることが分かった。
すなわち、本発明は、プロペナール、(E)−2−ブテナール、(E)−2−ペンテナール、及びそれらを主成分とする天然香気成分から選ばれる少なくとも一つの物質が存在する環境下でりんごを始めとする果実を保存することを特徴とする、保存果実におけるカビの増殖抑制方法である。
上記方法において、前記物質は、プロペナール、(E)−2−ブテナール、及びそれらを主成分とする天然香気成分から選ばれる少なくとも一つの物質であることが好ましい。
また、上記方法において、前記環境としては、前記物質を含む気体中に果実を一定期間曝露するあるいは、前記物質を含む溶液中に果実を一定期間浸漬することが好ましい。
また、上記方法において、前記物質がプロペナールであって、3ppm以上の濃度で前記環境に含まれている、または前記物質が(E)−2−ブテナールであって、100ppm以上の濃度で前記環境に含まれている、または前記物質が(E)−2−ペンテナールであって、100ppm以上の濃度で前記環境に含まれていることが好ましい。
また、本発明の別の態様においては、プロペナール、(E)−2−ブテナール、(E)−2−ペンテナール、及びそれらを主成分とする天然香気成分から選ばれる少なくとも一つの物質を含有することを特徴とする、保存果実におけるカビの増殖抑制剤を提供する。
上記抑制方法及び上記抑制剤において果実がりんごであることが好ましい。また、上記抑制方法及び上記抑制剤においてカビがPenicillium属及び/又は青カビであることが好ましく、Penicillium expansumであることがさらに好ましい。
本発明による特定のアルケナール類をある濃度以上で含有する環境にりんごを始めとする果実を保存することで、P.expansumを始めとするカビの胞子および栄養細胞に対して増殖抑制することが可能となる。その結果としてP.expansumを始めとするカビが産生するカビ毒パツリンの汚染が無く、果実の商品価値を失うことなしに、果実の長期保存が可能となる。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下に述べる個々の形態には限定されない。
本発明の対象となるりんごは、本発明はこれらに限定されないが、一般的に国内外で流通しているりんごが含まれる。また、りんごは加工、未加工を問わず、また搾汁された果汁、さらに濃縮果汁も含まれる。
本発明のりんごは、例えば果汁搾汁用りんご等であり、これらは搾汁作業まで所定条件下において保存される。その際にPenicillium expansum属のカビ類が侵入、増殖してしまう可能性がある。本発明の対象となる「保存りんご」はこうした収穫後、所定作業まで保存されているりんごのことを称す。
りんご以外の果実については、形態や性状、用途に限定されることなく本発明を適用することができる。すなわち、なし、びわ、マルメロなどの仁果類、もも、スモモ、梅、あんず、黄桃などの核果類、かき、ぶどう、柑橘などの液果類、栗、胡桃などの堅果類、及びキイチゴ、スグリ、ブルーベリー、グミ、ユスラウメ、ニワウメなどの小果樹類等が例としてあげられる。
本発明で用いられるアルケナール類としては、プロペナール、(E)−2−ブテナール、(E)−2−ペンテナール(以下、総称的に「特定のアルケナール類」と称する場合がある)、あるいはそれらを主成分とする天然香気成分が挙げられる。
本発明で用いられる天然香気成分としては、上記の特定のアルケナール類を含有していれば、特にその種類や含有量については限定されない。例えば、プロペナールを豊富に含んでいる食品としてビール、ブランデー、紅茶、発酵茶、ウイスキー、白ワイン、トマトが挙げられる。また、例えば、(E)−2−ブテナールを含んでいる食品としてビール、バター、パルメザンチーズ、魚油、発酵茶、ウイスキーが挙げられる。さらに、例えば、(E)−2−ペンテナールを含んでいる食品として、バター、魚油、オレンジジュース、フレッシュマンゴー、紅茶、発酵茶が挙げられる。
本発明において用いられるアルケナール類はある濃度以上で、P.expansumを始めとするカビの胞子および栄養細胞(菌糸体)に対して殺菌効果を有している。したがって、特定のアルケナール類あるいはこれを主成分とする天然香気成分とりんご表面を汚染しているP.expansumを始めとするカビの胞子、あるいは栄養細胞を接触させることによってP.expansumを始めとするカビを殺菌することが可能となる。
この時、上記アルケナール類などによる処理方法としては、本発明はこれらに限定されないが、特定のアルケナール類あるいはそれらを主成分とする天然香気成分を含む気体中にりんごを始めとする果実を一定期間曝露する、あるいは特定のアルケナール類あるいはそれらを主成分とする天然香気成分を含む溶液中にりんごを始めとする果実を一定期間浸漬する、などの方法が挙げられる。また例えば、本発明はこれらに限定されないが、噴霧、噴射、浸漬、その他食品の防菌、滅菌処理で用いうる適宜方法を適用しうる。
気体としては、窒素ガス、希ガス、空気など反応性の低い気体が挙げられるが、好ましくは、空気中での曝露が好ましい。溶液としては水溶液、有機溶媒溶液などが用いることができるが、取り扱い性、環境性などを考えると水溶液が好ましい。
また、上記アルケナール類による処理後のりんごを始めとする果実のアルケナール類の除去方法は、本発明はこれに限定されないが、従来りんごの加工処理で行われている皮むき、アルカリ処理等が挙げられる。
本発明における上記特定のアルケナール類あるいはそれらを主成分とする天然香気成分は、りんごを始めとする果実の単位重量に対して3ppm以上で適用することが好ましく、さらに好ましくは10ppm以上、またさらに好ましくは30ppm、最も好ましくは100ppm以上である。
本発明で対象となるカビは生物学上カビに分類されるものであれば特に限定されないが、好ましくはPenicillium属及び/又は青カビに分類されるカビ類であり、更に好ましくはPenicillium expansumである。なお、「青カビに分類されるカビ類」とは肉眼で青く見えるカビを総称し、Penicillium属の他にAspergillus属などの一部のカビも含まれる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
試験例1
(胞子のカビ増殖抑制効果の測定)
市販品のりんご果汁(商品名:ミニッツメイドアップル、明治乳業株式会社製)に種々のアルケナール類(プロペナール、(E)−2−ブテナール、(E)−2−ペンテナール、及び(E)−2−ヘキセナール(比較))をそれぞれ添加した試料を培養した。なお実験においては、アルケナール類の添加量を0,3,10,30,100ppmと変化させた。
具体的には、青カビPenicillium expansum(ATCC28876)をポテトデキストロース寒天培地で25℃、7日間培養して胞子を得た。得られた胞子を上記りんご果汁に播種して25℃、7日間静置培養をした。
得られた試料より青カビを集菌し、常法に従い凍結乾燥し、得られたカビを秤量した。初期値からの差をカビ増殖量とし、表1にこれらを条件毎に示した。なお、繰り返し回数は5回で、表1にはその平均値とSDとを示した。
Figure 2012039940
表1に掲載のように、アルケナール類を添加しない系(対照、0ppm)においては、カビの増殖量は乾燥重量換算で0.0613gである。この対照に対して、いずれの系においてもアルケナール類を100ppm添加することで増殖を完全に抑制するという顕著な効果が得られた。
また、(E)−2−ヘキセナール(比較アルケナール)を添加した系と比較して、(E)−2−ペンテナールを3〜30ppmを添加した系においてはP.expansum胞子からのカビ増殖抑制は同等もしくは若干劣る傾向であったが、(E)−2−ブテナールを添加した系では、比較と比べ、3ppm及び10ppm添加時には良好な抑制効果が見られ、30ppmではさらに優位にP.expansum胞子からのカビ増殖を抑制することがわかった。また、プロペナールを添加した系では、比較と比べて、P.expansum胞子からのカビ増殖抑制は、3ppm添加時において既に優位に抑制し、さらには10ppm以上において増殖を完全に抑制するという顕著な効果が見られた。
すなわち、表1に記載した結果より、これまでりんごのカビ増殖の点で効果があると言われていた(E)−2−ヘキセナール以上に、プロペナールと(E)−2−ブテナールにはP.expansum胞子からのカビ増殖抑制効果があることがわかった。
試験例2
(胞子のパツリン生成抑制効果の測定)
市販品のりんご果汁(商品名:ミニッツメイドアップル、明治乳業株式会社製)に種々のアルケナール類(プロペナール、(E)−2−ブテナール、(E)−2−ペンテナール、及び(E)−2−ヘキセナール(比較))をそれぞれ添加した試料を試験例1と同様の方法で胞子播種、培養を行った。なお実験においては、アルケナール類の添加量を0,100ppmと変化させた。
得られた試料から産生したパツリン量をHPLC1100Serise,LC/MSD SL(アジレント社製)で定量した。表2にパツリン産生量を条件毎に示す。各培地中のパツリン産生量測定は5回繰り返しで行い、その平均値とSDとを示した。濃度単位はppmであり、パツリン測定の定量下限は2ppmである。
Figure 2012039940
表2より、アルケナール類を添加しない系(対照、0ppm)においては、パツリン産生量は6.52ppmであった。一方、各アルケナール類を添加した系においては、全てにおいてパツリン産生量は検出限界以下であった。
以上の結果より、本発明のアルケナール類を100ppm添加した場合は、比較である(E)−2−ヘキセナールを添加した系と同様に、P.expansum胞子からのパツリン産生を検出限界以下の量にまで抑制することがわかった。
試験例3
(栄養細胞の増殖抑制効果の測定)
市販品のりんご果汁(商品名:ミニッツメイドアップル、明治乳業株式会社製)に種々のアルケナール類(プロペナール、(E)−2−ブテナール、(E)−2−ペンテナール、及び(E)−2−ヘキセナール(比較))をそれぞれ添加した試料を培養した。なお実験においては、アルケナール類の添加量は0,3,10,30,100ppmと変化させた。
具体的には、青カビPenicillium expansum(ATCC28876)をポテトデキストロース液体培地で25℃、3日間培養して栄養細胞を得た。得られた栄養細胞を上記りんご果汁に播種して25℃、7日間静置培養をした。
得られた試料から目視によるカビのコロニー観察を実施した。結果は表3に示す。
増殖状態の目視観測は、以下の4段階の評価基準で評価した。
−:増殖せず
±:独立したコロニーが観察された
+:コロニーが互いに結合しているが、培地液面が露出している部分もある
++:コロニーが互いに結合し、培地液面が露出していない
Figure 2012039940
表3より、アルケナール類を添加しない系においては、25℃、3日間培養後に栄養細胞の増殖が確認でき、その形態は+(コロニーが互いに結合しているが、培地表面が露出している部分あり)であった。比較の(E)−2−ヘキセナールを添加した場合には、3ppm、10ppm、及び30ppmの時にはその増殖状況は+(コロニーが互いに結合しているが、培地表面が露出している部分あり)であり、100ppmの時にはその増殖状況は−(増殖せず)であった。これに対して、(E)−2−ペンテナールを添加した場合、には比較と同様の増殖状況を呈し、その効果は比較と同等であることが分かった。
一方、(E)−2−ブテナールを添加した系では3ppm、10ppm添加時には増殖状況は比較同様であったが、30ppm添加時にはその増殖状況は±であり比較と比べて優位にその抑制効果を示した。プロペナールを添加した系では、比較と比べて3ppmにおいて増殖せずという結果であり、この濃度において既に優位に顕著な増殖抑制効果が示された。
すなわち、表3に示した結果より、これまでりんごのカビ増殖の点で効果があると言われていた(E)−2−ヘキセナール以上に、プロペナールと(E)−2−ブテナールにはP.expansum栄養細胞からのカビ増殖抑制効果があることが明らかとなった。
試験例4
(栄養細胞のパツリン生成抑制効果の測定)
市販品のりんご果汁(商品名:ミニッツメイドアップル、明治乳業株式会社製)に種々のアルケナール類(プロペナール、(E)−2−ブテナール、(E)−2−ペンテナール、及び(E)−2−ヘキセナール(比較))をそれぞれ添加した試料を培養した。なお実験においては、アルケナール類の添加量を0,100ppmと変化させた。
具体的には、青カビPenicillium expansum(ATCC28876)をポテトデキストロース液体培地で25℃、3日間培養して栄養細胞を得た。得られた栄養細胞を上記りんご果汁に播種して25℃、7日間静置培養をした。
得られた試料から産生したパツリン量をHPLC1100Serise,LC/MSD SL(アジレント社製)で定量した。表4にパツリン産生量を条件毎に示す。各培地中のパツリン含量測定は5回繰り返しで行い、その平均値とSDとを示した。濃度単位はppmであり、パツリン測定の定量下限は2ppmである。
Figure 2012039940
表4に示す結果より、アルケナール類を添加しない系(対照、0ppm)においては、パツリン産生量は27.92ppmであった。一方、各アルケナール類を添加した系においては、全てにおいてパツリン産生量は検出限界以下であった。
以上の結果より、本発明のアルケナール類を100ppm添加した場合には、比較である(E)−2−ヘキセナールを添加した系と同様に、P.expansum栄養細胞からのパツリン産生を検出限界以下の量にまで抑制することがわかった。
表1〜4に示した結果から明らかなように、プロペナール、(E)−2−ブテナールが(E)−2−ヘキセナールに対して、P.expansumの増殖に対して抑制効果が認められた。(E)−2−ペンテナールは低い添加量においては、(E)−2−ヘキセナールに対して若干劣るかもしくは同等の増殖抑制効果であったが、100ppm添加にて胞子もしくは栄養細胞とも増殖が認められず、100ppm以上であれば同等の増殖抑制効果を有することがわかった。
また、P.expansumの胞子および栄養細胞(菌糸体)のいずれに対しても効果を有しており、胞子もしくは栄養細胞に特異的なものではなかった。
試験例5
(比較:アルカナール類の効果)
上記試験例1〜4と同じ方法に従って、同じ脂肪族アルデヒドであるアルカナール類(炭素数1〜10)に対して実験を行った。結果は、本発明による特定アルケナール類の結果と異なり、脂肪族アルカナール類ではP.expansumの増殖及びパツリン産生の抑制効果は認められなかった。
本発明による特定のアルケナール類をある濃度以上で含有する環境にりんごを始めとする果実を保存することで、P.expansumを始めとするカビの胞子および栄養細胞に対して顕著に増殖抑制することが可能となる。その結果としてP.expansumを始めとするカビが産生するカビ毒パツリンの汚染が無く、りんごを始めとする果実の商品価値を失うことなしに、りんごを始めとする果実の長期保存が可能となり、本発明の増殖抑制方法及び増殖抑制剤の産業上の利用価値は非常に高い。

Claims (14)

  1. プロペナール、(E)−2−ブテナール、(E)−2−ペンテナール、及びそれらを主成分とする天然香気成分から選ばれる少なくとも一つの物質が存在する環境下で果実を保存することを特徴とする、保存果実におけるカビの増殖抑制方法。
  2. 前記物質が、プロペナール、(E)−2−ブテナール、及びそれらを主成分とする天然香気成分から選ばれる少なくとも一つの物質である、請求項1に記載の保存果実におけるカビの増殖抑制方法。
  3. 前記環境としては、前記物質を含む気体中に果実を一定期間曝露することである、請求項1又は2に記載の保存果実におけるカビの増殖抑制方法。
  4. 前記環境としては、前記物質を含む溶液中に果実を一定期間浸漬することである、請求項1又は2に記載の保存果実におけるカビの増殖抑制方法。
  5. 前記物質がプロペナールであって、3ppm以上の濃度で前記環境に含まれている、請求項1〜4のいずれか一つに記載の保存果実におけるカビの増殖抑制方法。
  6. 前記物質が(E)−2−ブテナールであって、100ppm以上の濃度で前記環境に含まれている、請求項1〜4のいずれか一つに記載の保存果実におけるカビの増殖抑制方法。
  7. 前記物質が(E)−2−ペンテナールであって、100ppm以上の濃度で前記環境に含まれている、請求項1〜4のいずれか一つに記載の保存果実におけるカビの増殖抑制方法。
  8. プロペナール、(E)−2−ブテナール、(E)−2−ペンテナール、及びそれらを主成分とする天然香気成分から選ばれる少なくとも一つの物質を含有することを特徴とする、保存果実におけるカビの増殖抑制剤。
  9. 果実がりんごである、請求項1〜7のいずれか一つに記載のカビの増殖抑制方法。
  10. カビがPenicillium属及び/又は青カビである請求項9に記載の増殖抑制方法。
  11. カビがPenicillium expansumである請求項9に記載の増殖抑制方法。
  12. 果実がりんごである、請求項8に記載のカビの増殖抑制剤。
  13. カビがPenicillium属及び/又は青カビである請求項12に記載の増殖抑制剤。
  14. カビがPenicillium expansumである請求項12に記載の増殖抑制剤。
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