JP2012002760A - エックス線導波路およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】異なるエネルギーのエックス線または異なる入射角度のエックス線を同時に閉じ込め導波させることが可能なエックス線導波路およびその製造方法を提供する。
【解決手段】エックス線が導波するためのコア部と、前記コア部内に前記エックス線を閉じ込めるためのクラッド部とを有するエックス線導波路であって、前記クラッド部が屈折率実部が異なる物質より構成される周期構造体であり、前記周期構造体が構造周期の異なる複数のメソ構造体膜から構成されるエックス線導波路。第1のメソ構造体膜を形成する工程と、前記第1のメソ構造体膜上に構造周期の異なる第2以降のメソ構造体膜を形成する工程と、前記第1のメソ構造体膜と前記第2以降のメソ構造体膜とをコア部に設けてエックス線導波路を構成する工程とを有するエックス線導波路の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】エックス線が導波するためのコア部と、前記コア部内に前記エックス線を閉じ込めるためのクラッド部とを有するエックス線導波路であって、前記クラッド部が屈折率実部が異なる物質より構成される周期構造体であり、前記周期構造体が構造周期の異なる複数のメソ構造体膜から構成されるエックス線導波路。第1のメソ構造体膜を形成する工程と、前記第1のメソ構造体膜上に構造周期の異なる第2以降のメソ構造体膜を形成する工程と、前記第1のメソ構造体膜と前記第2以降のメソ構造体膜とをコア部に設けてエックス線導波路を構成する工程とを有するエックス線導波路の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、メソ構造材料をクラッド部に用いたエックス線導波路およびその製造方法に関する。
エックス線は、医療、非破壊検査、結晶構造解析等の分野で広く利用されている。エックス線のような数10nm以下の短い波長の電磁波に対する異物質間の屈折率差は10−5以下程度と小さい。そのために、このような電磁波をコントロールするためには、大型の空間光学系が用いられている。主流であるこのような空間光学系に対し、最近、光学系の小型化、高機能化を目指し、薄膜や多層膜中に電磁波を閉じ込めて伝播させる、エックス線導波路の研究が行われている。非特許文献1には、二層の1次元の周期構造により導波層を挟み込んだ形の薄膜導波路が開示されている。
Physical Review B,Volume 67,Issue 23,p.233303(2003)
非特許文献1に開示されている導波路は、基板垂直方向に屈折率の異なる2種の材料が交互に積層された1次元周期構造よりなるクラッド部でのブラッグ反射を用いてエックス線をコア部に閉じ込めて導波させる構成である。しかし、この構成では閉じ込められるエックス線は、周期構造に起因するブラッグ反射に対応するエネルギーに限られるために更なる改良が求められている。
そこで、本発明は、異なるエネルギーのエックス線または異なる入射角度のエックス線を同時に閉じ込め導波させることが可能なエックス線導波路およびその製造方法を提供するものである。
上記の課題を解決するエックス線導波路は、エックス線が導波するためのコア部と、前記コア部内に前記エックス線を閉じ込めるためのクラッド部とを有するエックス線導波路であって、前記クラッド部が屈折率実部が異なる物質より構成される周期構造体であり、前記周期構造体が構造周期の異なる複数のメソ構造体膜から構成されることを特徴とする。
上記の課題を解決するエックス線導波路の製造方法は、第1のメソ構造体膜を形成する工程と、前記第1のメソ構造体膜上に構造周期の異なる第2以降のメソ構造体膜を形成する工程と、前記第1のメソ構造体膜と前記第2以降のメソ構造体膜とをコア部に設けてエックス線導波路を構成する工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、異なるエネルギーのエックス線または異なる入射角度のエックス線を同時に閉じ込め導波させることが可能なエックス線導波路およびその製造方法を提供することができる。
(第1の実施形態:エックス線導波路)
図1は、本発明に係るエックス線導波路の一実施形態を示す概念図である。同図1において、1000は構造周期の異なる複数のメソ構造体膜から構成されるクラッド部、1010は、エックスを導波させるためのコア部、1020はそれぞれ構造周期の異なるメソ構造体膜を示す。1030は入射エックス線、1040、1050、1060はそれぞれエネルギーの異なるエックス線を示す。ここで、1070はメソ構造体膜の壁部、1080はメソ構造体膜の孔または有機化合物部位、1090はエックス線の入射角を示す。
図1は、本発明に係るエックス線導波路の一実施形態を示す概念図である。同図1において、1000は構造周期の異なる複数のメソ構造体膜から構成されるクラッド部、1010は、エックスを導波させるためのコア部、1020はそれぞれ構造周期の異なるメソ構造体膜を示す。1030は入射エックス線、1040、1050、1060はそれぞれエネルギーの異なるエックス線を示す。ここで、1070はメソ構造体膜の壁部、1080はメソ構造体膜の孔または有機化合物部位、1090はエックス線の入射角を示す。
本実施形態に係るエックス線導波路は、エックス線が導波するためのコア部1010と、前記コア部内にエックス線を閉じ込めるためのクラッド部1000とを有する。クラッド部1000は屈折率実部が異なる物質より構成される周期構造体であり、この周期構造体は構造周期の異なる複数のメソ構造体膜1020から構成される。
本実施形態に係るエックス線導波路においては、クラッド部が構造周期の異なるメソ構造体膜から構成されることによって、異なるエネルギーのエックス線に対応するブラッグ角を利用することができる。このことにより、従来は困難であった、異なるエネルギーのエックス線を同時に閉じ込め導波させることが可能なエックス線導波路を提供することができる。
本実施形態に係るエックス線導波路について、下記の項目(1)から(4)に分けて説明する。
(1)エックス線について
(2)コア部について
(3)クラッド部について
(4)効果について
(1)エックス線について
(2)コア部について
(3)クラッド部について
(4)効果について
(1)エックス線について
本発明におけるエックス線とは、物質の屈折率実部が1以下となるエックス線帯域の電磁波を意味する。このエックス線帯域の電磁波とは、具体的には、極端紫外光(Extreme Ultra Violet(EUV)光)を含む100nm以下の波長の電磁波を指す。
本発明におけるエックス線とは、物質の屈折率実部が1以下となるエックス線帯域の電磁波を意味する。このエックス線帯域の電磁波とは、具体的には、極端紫外光(Extreme Ultra Violet(EUV)光)を含む100nm以下の波長の電磁波を指す。
このような短い波長の電磁波は、周波数が高く物質の最外郭電子が応答できないために、可視光や赤外線と異なり、物質の屈折率の実部が1より小さくなることが知られている。このエックス線帯域の電磁波に対する物質の屈折率nは一般的に複素数で表されるが、その実部を本明細書中では屈折率実部または屈折率の実部と称し、虚部を屈折率虚部また
は屈折率の虚部と称する。
は屈折率の虚部と称する。
(2)コア部について
本発明におけるコア部は、本発明のエックス線導波路においてエックス線を導波させる働きを担う。このコア部を構成する材料は、特に制限を受けるものではないが、エックス線を導波させる観点から、エックス線の透過能の高い材料が好ましい。具体的には、空気等のガス(必要に応じて真空)、有機物(特にポリマー)、軽元素からなる無機物が挙げられる。
本発明におけるコア部は、本発明のエックス線導波路においてエックス線を導波させる働きを担う。このコア部を構成する材料は、特に制限を受けるものではないが、エックス線を導波させる観点から、エックス線の透過能の高い材料が好ましい。具体的には、空気等のガス(必要に応じて真空)、有機物(特にポリマー)、軽元素からなる無機物が挙げられる。
コア部の形状については、特に制限を受けるもではなく用途に応じて自由に形状を選択することができる。形状の具体例としては、円筒形、直方体等が挙げられる。また、必要に応じて、曲げられた形状、幅が変化した形状を選択することが可能であり、これによって、エックス線を曲げ、スポットサイズを変え、モードを変換するといったことが可能となる。これらの作製方法には、従来の半導体プロセスが適応可能である。コア部の形成領域としてはクラッド部の周期構造中でもよい。
(3)クラッド部について
本発明のエックス線導波路におけるクラッド部は、コア部にエックス線を閉じ込める作用を行なう。本発明におけるクラッド部は、屈折率実部が異なる物質より構成される周期構造体より構成される。物質の屈折率の実数部は電子密度の大きい物質ほど小さくなる。このために、屈折率実部が異なる二つの物質としては、電子密度の異なる物質を用いればよい。エックス線についても、屈折率実部が異なる二つの物質界面において反射、屈折の現象は現れる。そのために、これらの材料により周期構造を形成した場合も反射、屈折が繰り返し起こり、周期構造中で多重干渉を生じる。この結果、ブラッグ反射が発現されることになる。
本発明のエックス線導波路におけるクラッド部は、コア部にエックス線を閉じ込める作用を行なう。本発明におけるクラッド部は、屈折率実部が異なる物質より構成される周期構造体より構成される。物質の屈折率の実数部は電子密度の大きい物質ほど小さくなる。このために、屈折率実部が異なる二つの物質としては、電子密度の異なる物質を用いればよい。エックス線についても、屈折率実部が異なる二つの物質界面において反射、屈折の現象は現れる。そのために、これらの材料により周期構造を形成した場合も反射、屈折が繰り返し起こり、周期構造中で多重干渉を生じる。この結果、ブラッグ反射が発現されることになる。
本発明におけるクラッド部を構成する周期構造体は、構造周期の異なるメソ構造体膜から構成されることを特徴とする。メソ構造体は、通常の結晶と比較して大きな逆格子点を持つ。そのため、メソ構造体をクラッド部に用いることで、ブラッグ反射によって反射されるエックス線の波長の範囲が通常の結晶と比較して広くなる。このことによって、選択される波長の範囲の比較的に広いエックス線導波路を提供することができる。
周期構造としては、1次元、2次元、3次元のいずれでもよい。それぞれの例としては、1次元としてはラメラ構造、2次元としては、2次元ヘキサゴナル構造、3次元であれば、3次元ヘキサゴナル構造を挙げることができる。クラッド部の周期構造が2次元または3次元構造であるときには、ブラッグ反射が2次元、3次元的に発現され、コア部に形成されるX線のモードや伝播方向を2次元、3次元的に制御することができる。上記いずれのメソ構造体の場合にもその周期構造の面法線ベクトルは、調製する際に用いる基材に垂直である。
以下、下記の項目に分けて説明する。
(3−1)周期構造体について
(3−1−1)メソ構造体膜について
(3−1−2)構造周期の異なる複数のメソ構造体膜について
(3−1−3)複数のメソ構造体膜の配置順序について
(3−1)周期構造体について
(3−1−1)メソ構造体膜について
(3−1−2)構造周期の異なる複数のメソ構造体膜について
(3−1−3)複数のメソ構造体膜の配置順序について
(3−1)周期構造体について
本発明における周期構造体は、構造周期の異なるメソ構造体膜から構成されることを特徴とする。以下にこの内容について記述する。
本発明における周期構造体は、構造周期の異なるメソ構造体膜から構成されることを特徴とする。以下にこの内容について記述する。
(3−1−1)メソ構造体膜について
多孔質材料は、IUPAC(International Union of Pure and Applied Chemistry)によって、その孔径により分類されており、孔径が2から50nmの多孔質材料は、メソポーラスに分類される。近年、このメソポーラス材料についての研究が盛んに行われ、界面活性剤の集合体を鋳型とすることで、径の揃ったメソ孔が規則的に配列した構造を得ることが可能になっている。
多孔質材料は、IUPAC(International Union of Pure and Applied Chemistry)によって、その孔径により分類されており、孔径が2から50nmの多孔質材料は、メソポーラスに分類される。近年、このメソポーラス材料についての研究が盛んに行われ、界面活性剤の集合体を鋳型とすることで、径の揃ったメソ孔が規則的に配列した構造を得ることが可能になっている。
ここで、本発明のメソ構造体膜は、以下の(A)メソポーラス膜、(B)メソポーラス膜の孔が主に有機化合物で充填されたもの、(C)ラメラ構造を持つメソ構造体膜、を意味する。以下にそれらを説明する。
(A)メソポーラス膜について
孔径が2から50nmの多孔質材料で、壁部の材料は特に限定されるものではないが、その例としては、製造可能性、周期構造体を屈折率実部が異なる物質より構成するという観点から、無機酸化物が挙げられる。この無機酸化物の例としては、酸化ケイ素、酸化スズ、酸化ジルコニア、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化アルミニウム、酸化タングステン、酸化ハフニウム、酸化亜鉛を挙げることができる。これらの物質は、たとえば10keVのエックス線に対し、全て0.999997以下の屈折率実部を持つ。そのために、以降に記載する有機物(同、0.999998程度の屈折率実部を持つ)や空気(同、ほぼ1の屈折率実部を持つ)と周期構造体を構成した際に、屈折率実部が異なる物質より構成される周期構造体を形成することができる。壁部の表面は、必要に応じて修飾されていてよい。たとえば、水の吸着を抑制するために、疎水性の分子を修飾してもよい。
孔径が2から50nmの多孔質材料で、壁部の材料は特に限定されるものではないが、その例としては、製造可能性、周期構造体を屈折率実部が異なる物質より構成するという観点から、無機酸化物が挙げられる。この無機酸化物の例としては、酸化ケイ素、酸化スズ、酸化ジルコニア、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化アルミニウム、酸化タングステン、酸化ハフニウム、酸化亜鉛を挙げることができる。これらの物質は、たとえば10keVのエックス線に対し、全て0.999997以下の屈折率実部を持つ。そのために、以降に記載する有機物(同、0.999998程度の屈折率実部を持つ)や空気(同、ほぼ1の屈折率実部を持つ)と周期構造体を構成した際に、屈折率実部が異なる物質より構成される周期構造体を形成することができる。壁部の表面は、必要に応じて修飾されていてよい。たとえば、水の吸着を抑制するために、疎水性の分子を修飾してもよい。
メソポーラス膜の調製法は、特に制限されるものではないが、たとえば、以下の方法で調製することができる。集合体が鋳型として機能する両親媒性物質の溶液に、無機酸化物の前駆体を加え、成膜を行い、無機酸化物の生成反応を進行させる。その後に、鋳型分子を除去することにより、多孔質材料とする。
この両親媒性物質は、特に限定されるものではないが、界面活性剤が適している。界面活性剤の例としては、イオン性、非イオン性の界面活性剤を挙げることができる。このイオン性の界面活性剤の例としては、トリメチルアルキルアンモニウムイオンのハロゲン化物塩を挙げることができる。このアルキル鎖の鎖長の例としては、炭素数で10から22が挙げられる。非イオン性の界面活性剤の例としては、ポリエチレングリコールを親水基として含むものを挙げることができる。ポリエチレングリコールを親水基として含む界面活性剤の具体例としては、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール‐ポリプロピレングリコール‐ポリエチレングリコールのブロックコポリマーを挙げることができる。ポリエチレングリコールアルキルエーテルのアルキル鎖の鎖長の例としては、炭素数で10から22、ポリエチレングリコールの繰返し数の例としては、2から50を挙げることができる。この疎水基、親水基を変化させることにより構造周期を変化させることが可能である。一般的に疎水基、親水基を大きなものとすることにより孔径を拡大することが可能である。また、界面活性剤に加えて、構造周期を調整するための添加物を加えてもよい。この構造周期を調整するための添加物としては、疎水性物質が挙げられる。この疎水性物質の例としては、アルカン類、親水性基を含まない芳香族化合物が挙げられ、その具体的な例としては、オクタンが挙げられる。
無機酸化物の前駆体の例としては、ケイ素や金属元素のアルコキサイド、塩化物が挙げられる。さらに具体的な例としては、Si,Sn,Zr,Ti,Nb,Ta,Al,W,Hf,Znのアルコキサイド、塩化物が挙げられる。アルコキサイドの例としては、メトキサイド、エトキサイド、プロポキサイド、または、その一部がアルキル基に置換された
ものが挙げられる。
ものが挙げられる。
製膜法の例としては、ディップコート法、スピンコート法、水熱合成法が挙げられる。
鋳型分子の除去方法の例としては、焼成、抽出、紫外線照射、オゾン処理が挙げられる。
鋳型分子の除去方法の例としては、焼成、抽出、紫外線照射、オゾン処理が挙げられる。
(B)メソポーラス膜の孔が主に有機化合物で充填されたものについて
壁部の材料については、(A)の項に記載したものと同様のものを使用することができる。孔を充填する物質については、有機化合物を主とするものであれば特に制限されるものではない。この「主」の意味としては、体積比で50%以上を意味する。この有機化合物の例としては、界面活性剤や、分子集合体の形成機能を有する部位が、壁部を形成する材料または壁部を形成する材料の前駆体と結合している材料が挙げられる。この界面活性剤の例としては、(A)の項で記載した界面活性剤を挙げることができる。また分子集合体の形成機能を有する部位が壁部を形成する材料、または、壁部を形成する材料の前駆体と結合している材料の例としては、アルキル基を有するアルコキシシラン、アルキル基を有するオリゴシロキサン化合物を挙げることができる。このアルキル鎖の鎖長の例としては、炭素数で10から22が挙げられる。
壁部の材料については、(A)の項に記載したものと同様のものを使用することができる。孔を充填する物質については、有機化合物を主とするものであれば特に制限されるものではない。この「主」の意味としては、体積比で50%以上を意味する。この有機化合物の例としては、界面活性剤や、分子集合体の形成機能を有する部位が、壁部を形成する材料または壁部を形成する材料の前駆体と結合している材料が挙げられる。この界面活性剤の例としては、(A)の項で記載した界面活性剤を挙げることができる。また分子集合体の形成機能を有する部位が壁部を形成する材料、または、壁部を形成する材料の前駆体と結合している材料の例としては、アルキル基を有するアルコキシシラン、アルキル基を有するオリゴシロキサン化合物を挙げることができる。このアルキル鎖の鎖長の例としては、炭素数で10から22が挙げられる。
孔の内部には,必要に応じて,又は,使用する材料,工程の結果としてみず,有機溶媒、塩等が含まれていてよい。この有機溶媒の例としては、アルコール、エーテル、炭化水素が挙げられる。
メソポーラス膜の孔が主に有機化合物で充填されたものの調製法は、特に制限されるものではないが、たとえば、(A)の項に記載したメソポーラス膜の調製法の鋳型の除去以前の工程を挙げることができる。
(C)ラメラ構造を持つメソ構造体膜について
本発明のメソ構造体膜には、(A)、(B)に加えてラメラ構造のメソ構造体膜を含む。このラメラ構造体は、(B)に記載した壁部の材料と、同じく(B)に記載した孔を充填する物質からなるラメラ構造を指す。これらの二種類の材料(物質)は、所望の特性を得るために、必要に応じて化学結合によって結合されていても良い。この結合されている化合物の例としては、トリアルコキシアルキルシランを挙げることができる。
本発明のメソ構造体膜には、(A)、(B)に加えてラメラ構造のメソ構造体膜を含む。このラメラ構造体は、(B)に記載した壁部の材料と、同じく(B)に記載した孔を充填する物質からなるラメラ構造を指す。これらの二種類の材料(物質)は、所望の特性を得るために、必要に応じて化学結合によって結合されていても良い。この結合されている化合物の例としては、トリアルコキシアルキルシランを挙げることができる。
(3−1−2)構造周期の異なる複数のメソ構造体膜について
本発明の周期構造体は、構造周期の異なる複数のメソ構造体膜から構成される。この複数とは、2種類以上、好ましくは3種類以上である。この構造周期は、基本的に、段階的に変化するものである。前記構造周期の異なる複数のメソ構造体膜の周期が3種類以上の周期であることが好ましい。
本発明の周期構造体は、構造周期の異なる複数のメソ構造体膜から構成される。この複数とは、2種類以上、好ましくは3種類以上である。この構造周期は、基本的に、段階的に変化するものである。前記構造周期の異なる複数のメソ構造体膜の周期が3種類以上の周期であることが好ましい。
本発明のエックス線導波路は、主にクラッド部を構成する周期構造体のブラッグ回折によってエックス線を反射し、コア部に閉じ込めるものである。このブラッグ回折の条件は、以下の式(1)によって与えられる。
nλ=2d sinθ (1)
(n:次数、λ:入射エックス線の波長、d:構造周期、θ:入射角)
nλ=2d sinθ (1)
(n:次数、λ:入射エックス線の波長、d:構造周期、θ:入射角)
このため、本発明の周期構造体では、角度を一定に考えると、異なる周期のメソ構造体膜の数が多いほど、ブラッグ回折に対応するエックス線の波長の数が増大する。また、波長を一定に考えると、異なる周期のメソ構造体膜の数が多いほど、ブラッグ回折に対応する入射角の数が増大するという効果がある。一方で、層数を増大させると、比較的に少ないとはいえクラッド部の材料の吸収により深部までエックス線が到達できないこと、製造
工程の複雑化とそれに伴うコスト上昇の問題が生じる。層数はこれらを勘案し、導波路の用途に応じて設定される。
工程の複雑化とそれに伴うコスト上昇の問題が生じる。層数はこれらを勘案し、導波路の用途に応じて設定される。
(3−1−3)複数のメソ構造体膜の配置順序について
本発明の構造周期の異なる複数の層を有するメソ構造体膜の、好ましい層の配置順序は、周期がコア部に近づくとともに大きくなるのが好ましい。これは以下のように説明できる。エックス線の透過能は、そのエネルギーの増大とともに高くなる。そのため、メソ構造体膜のなかで、透過能の高い高エネルギーのエックス線をコア部から離れた位置で反射し、透過能の低い低エネルギーのエックス線をコア部に近い位置で反射する配置が、全体としての反射効率を考えた場合に有利である。(1)式より、構造周期と波長は比例関係にあるため、高エネルギーのエックス線、すなわち波長の短いエックス線は、小さな周期に対応し、低エネルギーのエックス線、すなわち波長の長いエックス線は、大きな周期に対応する。そのため、本発明のメソ構造体膜の好ましい複数の層の配置順序は、周期がコア部に近づくとともに大きくなるのが好ましい。
本発明の構造周期の異なる複数の層を有するメソ構造体膜の、好ましい層の配置順序は、周期がコア部に近づくとともに大きくなるのが好ましい。これは以下のように説明できる。エックス線の透過能は、そのエネルギーの増大とともに高くなる。そのため、メソ構造体膜のなかで、透過能の高い高エネルギーのエックス線をコア部から離れた位置で反射し、透過能の低い低エネルギーのエックス線をコア部に近い位置で反射する配置が、全体としての反射効率を考えた場合に有利である。(1)式より、構造周期と波長は比例関係にあるため、高エネルギーのエックス線、すなわち波長の短いエックス線は、小さな周期に対応し、低エネルギーのエックス線、すなわち波長の長いエックス線は、大きな周期に対応する。そのため、本発明のメソ構造体膜の好ましい複数の層の配置順序は、周期がコア部に近づくとともに大きくなるのが好ましい。
(4)効果について
(4−1)異なるエネルギーのエックス線を導波させることが可能なエックス線導波路
本発明のエックス線導波路は、構造周期の異なる複数のメソ構造体膜をクラッド部として用いることで、式1に記載のように角度を一定に考えると、異なるエネルギーのエックス線をブラッグ反射によってコア部に閉じ込めることができる。これにより周期の組み合わせを選択することにより、たとえば、波長の離れた特定の複数のエックス線を選択的に導波させることが可能となる。また、メソ構造体膜に特有の比較的に大きな逆格子点による比較的にあいまいなブラッグ回折により、たとえば連続した波長のエックス線を導波させることが可能となる。
(4−1)異なるエネルギーのエックス線を導波させることが可能なエックス線導波路
本発明のエックス線導波路は、構造周期の異なる複数のメソ構造体膜をクラッド部として用いることで、式1に記載のように角度を一定に考えると、異なるエネルギーのエックス線をブラッグ反射によってコア部に閉じ込めることができる。これにより周期の組み合わせを選択することにより、たとえば、波長の離れた特定の複数のエックス線を選択的に導波させることが可能となる。また、メソ構造体膜に特有の比較的に大きな逆格子点による比較的にあいまいなブラッグ回折により、たとえば連続した波長のエックス線を導波させることが可能となる。
(4−2)異なる入射角度のエックス線を導波させることができるエックス線導波路
本発明のエックス線導波路では、構造周期の異なる複数のメソ構造体膜をクラッド部に用いることで、式1に記載のように、波長を一定に考えると、異なる入射角のエックス線をブラッグ反射によってコア部に閉じ込めることができる。これにより周期の組み合わせを選択することにより、たとえば特定の離れた複数の角度で入射されるエックス線を選択的に導波させることが可能となる。また、メソ構造体膜に特有の比較的に大きな逆格子点による比較的にあいまいなブラッグ回折により、たとえば広い入射角範囲のエックス線を導波させる、入射角の許容範囲の広い導波路を与えることが可能となる。
本発明のエックス線導波路では、構造周期の異なる複数のメソ構造体膜をクラッド部に用いることで、式1に記載のように、波長を一定に考えると、異なる入射角のエックス線をブラッグ反射によってコア部に閉じ込めることができる。これにより周期の組み合わせを選択することにより、たとえば特定の離れた複数の角度で入射されるエックス線を選択的に導波させることが可能となる。また、メソ構造体膜に特有の比較的に大きな逆格子点による比較的にあいまいなブラッグ回折により、たとえば広い入射角範囲のエックス線を導波させる、入射角の許容範囲の広い導波路を与えることが可能となる。
(4−3)クラッド部による反射における吸収損失を低減した導波路
非特許文献1のエックス線導波路では、屈折率実部が異なる物質として、電子密度の高い材料としてニッケル、低い材料として炭素を用いている。しかし、炭素のエックス線吸収能は、無視できない程度に高く、クラッド部におけるブラッグ反射の際の吸収損失を増大させる原因となる。本発明のメソ構造体膜では、この電子密度の低い材料に対応するものとして、空孔または有機化合物を使用している。このために、このエックス線の吸収損失を低減することが可能となり、クラッド部におけるブラッグ反射の反射率を増大させることができる。
非特許文献1のエックス線導波路では、屈折率実部が異なる物質として、電子密度の高い材料としてニッケル、低い材料として炭素を用いている。しかし、炭素のエックス線吸収能は、無視できない程度に高く、クラッド部におけるブラッグ反射の際の吸収損失を増大させる原因となる。本発明のメソ構造体膜では、この電子密度の低い材料に対応するものとして、空孔または有機化合物を使用している。このために、このエックス線の吸収損失を低減することが可能となり、クラッド部におけるブラッグ反射の反射率を増大させることができる。
この吸収の効果の一例を図2に挙げる。図2は、電子密度の低い材料またはメソ構造体膜の孔または有機化合物部位に用いられる材料の厚さを1mmとしたときのエックス線透過率(縦軸)のエネルギー(横軸)依存性を示したグラフである。図中、2000は空孔(窒素)、2010は界面活性剤のポリオキシエチレンアルキルエーテルを示す。2010とほぼ重複して示される2020は、界面活性剤のポリ(エチレングリコール)(20)‐ブロック‐ポリ(プロピレングリコール)(70)‐ブロック‐ポリ(エチレングリコール)(20):(今後、EO(20)PO(70)EO(20))を示す。なお、カ
ッコ内は、各ブロックの繰り返し数である。2030は炭素(グラファイト)を示す。このために、本発明のメソ構造体膜の孔または有機化合物部位は、非特許文献1に記載されている炭素(グラファイト)と比較して、高い透過率を示す。そのため、エックス線の吸収損失を低減、クラッド部におけるブラッグ反射の反射率を増大させることができる。
また、本発明のメソ構造体膜のより好ましい態様は、有機化合物よりもさらにエックス線の吸収の小さなメソポーラス膜である。
ッコ内は、各ブロックの繰り返し数である。2030は炭素(グラファイト)を示す。このために、本発明のメソ構造体膜の孔または有機化合物部位は、非特許文献1に記載されている炭素(グラファイト)と比較して、高い透過率を示す。そのため、エックス線の吸収損失を低減、クラッド部におけるブラッグ反射の反射率を増大させることができる。
また、本発明のメソ構造体膜のより好ましい態様は、有機化合物よりもさらにエックス線の吸収の小さなメソポーラス膜である。
(第2の実施形態:エックス線導波路の製造方法)
本実施形態に係るエックス線導波路の製造方法は、以下の3つの工程を少なくとも有することを特徴とする。すなわち、第1のメソ構造体膜を形成する工程と、構造周期の異なる第2以降のメソ構造体膜を形成する工程と、第1及び第2以降のメソ構造体膜とをコア部に設けてエックス線導波路を構成する工程である。
本実施形態に係るエックス線導波路の製造方法は、以下の3つの工程を少なくとも有することを特徴とする。すなわち、第1のメソ構造体膜を形成する工程と、構造周期の異なる第2以降のメソ構造体膜を形成する工程と、第1及び第2以降のメソ構造体膜とをコア部に設けてエックス線導波路を構成する工程である。
以下、下記の項目(1)〜(4)に分けて説明する。
(1)第1のメソ構造体膜を形成する工程
(2)第1のメソ構造体膜上に、さらに第2以降のメソ構造体膜を形成する工程
(3)両親媒性物質を除去する工程
(4)第1のメソ構造体膜と前記第2以降のメソ構造体膜とを使用してエックス線導波路を構成する工程、のそれぞれの工程
(1)第1のメソ構造体膜を形成する工程
(2)第1のメソ構造体膜上に、さらに第2以降のメソ構造体膜を形成する工程
(3)両親媒性物質を除去する工程
(4)第1のメソ構造体膜と前記第2以降のメソ構造体膜とを使用してエックス線導波路を構成する工程、のそれぞれの工程
(1)第1のメソ構造体膜を形成する工程について
第1のメソ構造体膜を形成する工程について説明するために、無機酸化物、をメソ構造体膜の壁部とした例を、以下の工程に分けて説明する。
(1−1)無機酸化物の前駆体物質と、両親媒性物質を含有する反応溶液を準備する工程。
(1−2)基板に反応溶液を接触させる工程。
(1−3)細孔内に両親媒性物質の集合体を含むメソ構造体膜を形成する工程。
第1のメソ構造体膜を形成する工程について説明するために、無機酸化物、をメソ構造体膜の壁部とした例を、以下の工程に分けて説明する。
(1−1)無機酸化物の前駆体物質と、両親媒性物質を含有する反応溶液を準備する工程。
(1−2)基板に反応溶液を接触させる工程。
(1−3)細孔内に両親媒性物質の集合体を含むメソ構造体膜を形成する工程。
上記の工程を経ることにより、第一のメソ構造体膜が形成される。このような構造体が形成されるのは、両親媒性物質が自己集合し、集合体(ミセル)を形成するためである。
ここで、(1−2)工程は、実質的に(1−3)工程と同一工程として行われていてよい。
以下にこれらの工程を詳細に説明する。
ここで、(1−2)工程は、実質的に(1−3)工程と同一工程として行われていてよい。
以下にこれらの工程を詳細に説明する。
(1−1)無機酸化物の前駆体物質と、両親媒性物質を含有する反応溶液を準備する工程
反応溶液は、無機酸化物の前駆体、両親媒性物質、溶媒を含有する。また、必要に応じてその他の物質を添加してもよい。この工程を構成する小工程は、特に限定されるものではないが、たとえば、溶媒にその他の反応溶液を構成する物質を投入し、攪拌することで行われる。これらの工程は、必要に応じて、雰囲気、温度、湿度、攪拌強度などを制御して行うことができる。また必要に応じて、超音波処理、ろ過等の小工程を加えることができる。
反応溶液は、無機酸化物の前駆体、両親媒性物質、溶媒を含有する。また、必要に応じてその他の物質を添加してもよい。この工程を構成する小工程は、特に限定されるものではないが、たとえば、溶媒にその他の反応溶液を構成する物質を投入し、攪拌することで行われる。これらの工程は、必要に応じて、雰囲気、温度、湿度、攪拌強度などを制御して行うことができる。また必要に応じて、超音波処理、ろ過等の小工程を加えることができる。
無機酸化物の前駆体、両親媒性物質としては、第1の実施形態(3−1−1)(A)で挙げたものを用いることができる。
反応溶液の溶媒は、無機酸化物の前駆体、両親媒性物質を溶解できるものが用いられる。この例としては、水、アルコールが挙げられ、このアルコールの例としては、エタノール、プロパノール、メタノール、ブタノール等が挙げられる。また、2種以上の溶媒の混合物を用いてよい。
反応溶液の溶媒は、無機酸化物の前駆体、両親媒性物質を溶解できるものが用いられる。この例としては、水、アルコールが挙げられ、このアルコールの例としては、エタノール、プロパノール、メタノール、ブタノール等が挙げられる。また、2種以上の溶媒の混合物を用いてよい。
反応溶液には必要に応じて、その他の物質を添加することができる。たとえば、無機酸化物の前駆体と反応、これを加水分解し、最終的に無機酸化物を与える水が加えられる。さらに反応溶液の酸性、塩基性を調整するための物質を添加してもよい。この酸性、塩基性を調整するための物質の例としては、塩酸等の酸や水酸化アンモニウム等の塩基が挙げられる。これらは、前駆体物質の加水分解、縮合反応速度を制御するために加えられることが多い。
(1−2)基板に反応溶液を接触させる工程
本工程で用いられる手法は、無機酸化物を生成させる手法によって実際に行われる内容が異なる。例としては、水熱合成法であれば、反応溶液に基板を浸漬すること、ゾルゲル法であれば、反応溶液を基板に塗布することがあげられる。
本工程で用いられる手法は、無機酸化物を生成させる手法によって実際に行われる内容が異なる。例としては、水熱合成法であれば、反応溶液に基板を浸漬すること、ゾルゲル法であれば、反応溶液を基板に塗布することがあげられる。
(1−2−1)基板について
本発明に用いる基板は、本発明のメソ構造体膜を形成可能なものであれば、特に限定することなく用いることができる。例示すると、材料としては、シリコン、石英、ガラス、金属、ポリマー等が挙げられる。形状は、導波路として必要な特性を満たすものであれば、特に限定することなく選択できる。例として、平面、曲面が挙げられる。基板を使用する際には、基板を充分に洗浄し、清浄な表面を露出させることが好ましく行われる。この洗浄方法の例としては、有機溶媒洗浄、水洗、酸、UV−オゾン処理が挙げられる。本発明の導波路については、導波路のコア部を構成する材料を基板として使用してメソ構造体膜を形成してもよい。
本発明に用いる基板は、本発明のメソ構造体膜を形成可能なものであれば、特に限定することなく用いることができる。例示すると、材料としては、シリコン、石英、ガラス、金属、ポリマー等が挙げられる。形状は、導波路として必要な特性を満たすものであれば、特に限定することなく選択できる。例として、平面、曲面が挙げられる。基板を使用する際には、基板を充分に洗浄し、清浄な表面を露出させることが好ましく行われる。この洗浄方法の例としては、有機溶媒洗浄、水洗、酸、UV−オゾン処理が挙げられる。本発明の導波路については、導波路のコア部を構成する材料を基板として使用してメソ構造体膜を形成してもよい。
(1−2−2)基板に反応溶液を接触させる工程について
反応溶液を基板に塗布する工程としては、一般的な塗付方法を用いることができる。この例としては、ディップコート法、キャスト法、スピンコート法、スプレーコート法、インクジェット法、ペンリソグラフィー法等が挙げられる。
中でも、ディップコート法は、簡便に均一な膜を形成できる塗布方法として有効である。ディップコート法による塗布方法は、反応溶液に基板を浸し、基板を引き上げることで基板上に溶液を塗布する。この塗布量は、塗布条件によって制御可能である。代表的な条件としては、溶液の組成、基板の引き上げ速度が挙げられる。例えば、一般的に反応溶液中の溶媒を増大させること、引上げ速度を低下させることにより、塗布量(膜の厚さ)は減少する。
この塗布は周囲の環境によって影響を受ける。そのため、必要に応じて、雰囲気、温度、湿度、雰囲気中の溶媒濃度等を制御して行うことができる。
反応溶液を基板に塗布する工程としては、一般的な塗付方法を用いることができる。この例としては、ディップコート法、キャスト法、スピンコート法、スプレーコート法、インクジェット法、ペンリソグラフィー法等が挙げられる。
中でも、ディップコート法は、簡便に均一な膜を形成できる塗布方法として有効である。ディップコート法による塗布方法は、反応溶液に基板を浸し、基板を引き上げることで基板上に溶液を塗布する。この塗布量は、塗布条件によって制御可能である。代表的な条件としては、溶液の組成、基板の引き上げ速度が挙げられる。例えば、一般的に反応溶液中の溶媒を増大させること、引上げ速度を低下させることにより、塗布量(膜の厚さ)は減少する。
この塗布は周囲の環境によって影響を受ける。そのため、必要に応じて、雰囲気、温度、湿度、雰囲気中の溶媒濃度等を制御して行うことができる。
(1−3)細孔内に両親媒性物質の集合体を含むメソ構造体膜を形成する工程
本工程は、無機酸化物を生成させる手法によって、実際に行われる内容が異なる。例としては、水熱合成法であれば、反応溶液に基板を浸漬したまま保持すること、ゾルゲル法であれば、基板に塗布した反応溶液を乾燥することがあげられる。
本工程は、無機酸化物を生成させる手法によって、実際に行われる内容が異なる。例としては、水熱合成法であれば、反応溶液に基板を浸漬したまま保持すること、ゾルゲル法であれば、基板に塗布した反応溶液を乾燥することがあげられる。
本工程は、(1−2)の工程に続いて行われる。これらの両工程は、分けて記載はしているが、基本的には、反応溶液が基板に接触した時点から、メソ構造体膜の形成は始まっていると考えられる。
ゾルゲル法における本工程の具体的な例としては、制御された環境下で、基板上の反応溶液(特に溶媒)を蒸発させ、無機酸化物の生成を行うことが挙げられる。ディップコート法を用いた場合の一例としては、溶媒と塩化水素が基板上の塗布後の溶液から失われるにしたがって、水と無機酸化物の前駆物質との反応が進行し、無機酸化物膜が形成されるものが挙げられる。この環境の制御項目の例としては、温度、湿度が挙げられる。温度条件、湿度条件を制御することによって、前駆体物質の加水分解、縮合速度は制御され、両
親媒性物質の集合体の配列の規則性が変化する。例えば、過度の温度上昇は縮合反応の著しい促進につながり、均一な薄膜形成を損なう場合がある。逆に、温度が低すぎると溶媒蒸発速度を低下させ薄膜形成に時間がかかってしまうという問題が生じる。具体的な例としては、温度としては、0℃から50℃の範囲、0%から50%の相対湿度が挙げられる。この温湿度条件に膜を保持する時間である保持時間は、用いる前駆体物質の反応性や温度、湿度にあわせて決定される。具体的な例としては、30分から4週間の範囲が挙げられる。
親媒性物質の集合体の配列の規則性が変化する。例えば、過度の温度上昇は縮合反応の著しい促進につながり、均一な薄膜形成を損なう場合がある。逆に、温度が低すぎると溶媒蒸発速度を低下させ薄膜形成に時間がかかってしまうという問題が生じる。具体的な例としては、温度としては、0℃から50℃の範囲、0%から50%の相対湿度が挙げられる。この温湿度条件に膜を保持する時間である保持時間は、用いる前駆体物質の反応性や温度、湿度にあわせて決定される。具体的な例としては、30分から4週間の範囲が挙げられる。
本工程を経た多孔質膜の厚さは特に限定されるものではないが、例としては、0.005μmから10μmの値が挙げられる。例えば、ディップコート法の場合は0.05μmから3μm程度の膜形成が可能である。
(2)第1のメソ構造体膜上にさらに第2以降のメソ構造体膜を形成する工程について
本発明のエックス線導波路の製造方法は、第1のメソ構造体膜上にさらに構造周期の異なる第2以降のメソ構造体膜を形成する工程を含むことを特徴とする。この第2以降のメソ構造体膜を形成する工程としては、基板上の第1のメソ構造体膜上に調製すること以外は、(1)に記載の第1のメソ構造体膜の調製法と同じ工程を使用することができる。また、必要に応じて、(2)の工程に先立って前処理を行うことができる。この前処理の例としては、第1のメソ構造体膜を安定化させる処理、第1のメソ構造体膜と第2のメソ構造体膜との間の密着を高める処理が挙げられる。前者の具体的な例としては、第1のメソ構造体膜を調製した後に加熱処理を行うことが挙げられる。後者の具体的な例としては、第1のメソ構造体膜を調製した後にUV−O3等の表面処理を行うことが挙げられる。
本発明のエックス線導波路の製造方法は、第1のメソ構造体膜上にさらに構造周期の異なる第2以降のメソ構造体膜を形成する工程を含むことを特徴とする。この第2以降のメソ構造体膜を形成する工程としては、基板上の第1のメソ構造体膜上に調製すること以外は、(1)に記載の第1のメソ構造体膜の調製法と同じ工程を使用することができる。また、必要に応じて、(2)の工程に先立って前処理を行うことができる。この前処理の例としては、第1のメソ構造体膜を安定化させる処理、第1のメソ構造体膜と第2のメソ構造体膜との間の密着を高める処理が挙げられる。前者の具体的な例としては、第1のメソ構造体膜を調製した後に加熱処理を行うことが挙げられる。後者の具体的な例としては、第1のメソ構造体膜を調製した後にUV−O3等の表面処理を行うことが挙げられる。
また、本発明のエックス線導波路の製造方法では、第2のメソ構造体膜を形成した後に、その第2のメソ構造体膜の上にさらに第3のメソ構造体膜を形成することが好ましく行われる。さらに目的とする性能を得るために、設計に応じて、第4、第5、さらにそれら以降の多段階の層を形成することが行われてよい。
(3)両親媒性物質を除去する工程
上記の工程に加えて、必要に応じて、さらに以下の工程で両親媒性物質を除去することで、中空である孔をもつ、メソポーラス膜を形成することができる。この(3)工程は、後述する(4)の工程の前に行われていてもよく、(4)の工程を行った後にまとめて行われてもよい。
上記の工程に加えて、必要に応じて、さらに以下の工程で両親媒性物質を除去することで、中空である孔をもつ、メソポーラス膜を形成することができる。この(3)工程は、後述する(4)の工程の前に行われていてもよく、(4)の工程を行った後にまとめて行われてもよい。
両親媒性物質の除去の方法としては、とくに限定されるものではないが、分解除去や、抽出等のた方法を用いることができる。前者の例としては、焼成、UV照射、O3による方法、後者の例としては、溶剤や超臨界流体による方法が挙げられる。
焼成による両親媒性物質の除去は、多孔質膜からほぼ完全に両親媒性物質を除去することができる。焼成温度、時間は、内部に保持している両親媒性物質の種類によって変わる。具体的な例としては、例えば、温度として300℃から600℃、時間として15分から24時間という範囲が挙げられる。溶剤抽出法を用いると、100%の両親媒性物質の除去は困難ではあるものの、鋳型除去時の構造保持という点で有意である。
焼成工程は、上述の特長があるが、一方で、メソポーラス膜の構造規則性を乱し、構造を崩壊させる可能性もある。これは焼成時の高温環境によって、無機酸化物の構造が変化するためであると考えられる。これを防止するためには、メソ構造体膜の孔の壁を強化すること、かつ、または、無機酸化物の結晶の成長を抑制することが有効であると考えられる。この具体的な方法の例としては、無機酸化物のメソ構造体膜の形成後に酸化ケイ素等の無機酸化物の前駆体を反応させ、部分的に酸化ケイ素等の無機酸化物を形成する方法が
挙げられる。この方法を用いることで、焼成による界面活性剤の除去や無機酸化物の結晶化を行いながらも、メソ構造体膜の構造規則性を乱すことを抑制することができる。無機酸化物のメソポーラス膜の調製時には、必要に応じてこの手法を適用することができる。
挙げられる。この方法を用いることで、焼成による界面活性剤の除去や無機酸化物の結晶化を行いながらも、メソ構造体膜の構造規則性を乱すことを抑制することができる。無機酸化物のメソポーラス膜の調製時には、必要に応じてこの手法を適用することができる。
(4)第1のメソ構造体膜と前記第2のメソ構造体膜とを使用してエックス線導波路を構成する工程について
本発明のエックス線導波路の製造方法は、第1のメソ構造体膜と第2のメソ構造体膜とを使用してエックス線導波路を構成することを特徴とする。このエックス線導波路を構成する工程としては、大きく分けて以下の3つの方法が挙げられる。
本発明のエックス線導波路の製造方法は、第1のメソ構造体膜と第2のメソ構造体膜とを使用してエックス線導波路を構成することを特徴とする。このエックス線導波路を構成する工程としては、大きく分けて以下の3つの方法が挙げられる。
(A)第1のメソ構造体膜と第2のメソ構造体膜から構成される膜上にコア部を形成、コア部上にさらに第2のメソ構造体膜と第1のメソ構造体膜を形成する方法
(B)コア部上にコア部をはさんで第2のメソ構造体膜と第1のメソ構造体膜を形成する方法
(C)第1のメソ構造体膜と第2のメソ構造体膜から構成される膜を対向固定する方法
以下に、上記の3つの方法について記載する。
(B)コア部上にコア部をはさんで第2のメソ構造体膜と第1のメソ構造体膜を形成する方法
(C)第1のメソ構造体膜と第2のメソ構造体膜から構成される膜を対向固定する方法
以下に、上記の3つの方法について記載する。
(A)第1のメソ構造体膜と第2のメソ構造体膜から構成される膜上にコア部を形成、コア部上にさらに第2のメソ構造体膜と第1のメソ構造体膜を形成する方法
(2)の第1のメソ構造体膜上にさらに第2のメソ構造体膜を形成する工程の後、第2のメソ構造体膜の上にコア部を形成、そのコア部の上に第2のメソ構造体膜、第1のメソ構造体膜を形成する方法である。
(2)の第1のメソ構造体膜上にさらに第2のメソ構造体膜を形成する工程の後、第2のメソ構造体膜の上にコア部を形成、そのコア部の上に第2のメソ構造体膜、第1のメソ構造体膜を形成する方法である。
このコア部の形成方法はとくに制限されるものではなく、従来の塗布、製膜方法がコア部に用いる材料に応じて選択される。たとえば有機化合物であれば、溶剤に溶かしてディップコート、スピンコート、バーコート等の手法を用いてよく、真空蒸着等の方法で直接成膜してもよい。たとえば無機材料の場合は、スパッタリング、真空蒸着といった真空下での調製法を用いてよく、ゾルゲル法等の常圧下での調製法を用いてよい。
このコア部上にさらにメソ構造体膜を形成する際には、必要に応じて、(2)の工程に記載したような前処理を行うことができる。また、メソ構造体膜を形成する工程としては、(1)、(2)に記載の方法を用いることができる。
(B)コア部上にコア部をはさんで第2のメソ構造体膜と第1のメソ構造体膜を形成する方法
この方法では、まずコア部の材料を準備した上で、その上に第2のメソ構造体膜と第1のメソ構造体膜を形成する方法である。
この方法では、まずコア部の材料を準備した上で、その上に第2のメソ構造体膜と第1のメソ構造体膜を形成する方法である。
このコア部として用いる材料、形状は、特に制限されるものではなく、第一の実施形態の(2)で記載したものを用いることができる。また、メソ構造体膜を形成する工程としては、(1)、(2)に記載の方法を用いることができる。
(C)第1のメソ構造体膜と第2のメソ構造体膜から構成される膜を対向固定する方法
この方法では、あらかじめ形成しておいた第1のメソ構造体膜と第2のメソ構造体膜から構成される膜を、コア部を挟んで対向固定する方法である。この方法の一例としては、第1のメソ構造体膜と第2のメソ構造体膜から構成される膜の少なくとも一方に、コア部となる空洞をはさむ形でスペーサを設けた上で、もう一方の第1のメソ構造体膜と第2のメソ構造体膜から構成される膜と対向させる方法がある。このスペーサとなる材料は、特に制限されるものではないが、例としては、数百nm程度の厚さ制御が可能な、金属や無機、有機の微粒子、およびこれらを含む有機物(特にポリマー)を挙げることができる。
これらの膜を固定する方法の例としては、スペーサに用いた材料を利用して、融着、接着する方法、外部から固定具を用いて固定する方法を挙げることができる。この(C)の方法では、コア部を空気等のガス、または必要に応じて真空とできる特徴を有する。
この方法では、あらかじめ形成しておいた第1のメソ構造体膜と第2のメソ構造体膜から構成される膜を、コア部を挟んで対向固定する方法である。この方法の一例としては、第1のメソ構造体膜と第2のメソ構造体膜から構成される膜の少なくとも一方に、コア部となる空洞をはさむ形でスペーサを設けた上で、もう一方の第1のメソ構造体膜と第2のメソ構造体膜から構成される膜と対向させる方法がある。このスペーサとなる材料は、特に制限されるものではないが、例としては、数百nm程度の厚さ制御が可能な、金属や無機、有機の微粒子、およびこれらを含む有機物(特にポリマー)を挙げることができる。
これらの膜を固定する方法の例としては、スペーサに用いた材料を利用して、融着、接着する方法、外部から固定具を用いて固定する方法を挙げることができる。この(C)の方法では、コア部を空気等のガス、または必要に応じて真空とできる特徴を有する。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明の方法は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例を、下記の項目(1)から(5)に分けて説明する。
(1)異なるエネルギーのエックス線を導波するエックス線導波路としての機能
(2)異なる入射角度のエックス線を導波するエックス線導波路としての機能
(3)構造周期の異なる複数の層の配置順序の効果
(4)メソ構造体膜の壁部位を構成する材料の効果
(5)エックス線導波路の製造方法
実施例を、下記の項目(1)から(5)に分けて説明する。
(1)異なるエネルギーのエックス線を導波するエックス線導波路としての機能
(2)異なる入射角度のエックス線を導波するエックス線導波路としての機能
(3)構造周期の異なる複数の層の配置順序の効果
(4)メソ構造体膜の壁部位を構成する材料の効果
(5)エックス線導波路の製造方法
(1)異なるエネルギーのエックス線を導波するエックス線導波路としての機能
本項目では、本発明のエックス線導波路が単一の入射角度において異なるエネルギーのエックス線を導波する機能を有することを示す。
本項目では、本発明のエックス線導波路が単一の入射角度において異なるエネルギーのエックス線を導波する機能を有することを示す。
図3には、以下の条件のエックス線導波路を導波するエックス線の強度(縦軸)のエックス線エネルギー(横軸)依存性の模式図を示す。これらのエックス線導波路は、いずれも、周期構造の面法線ベクトルが基板に垂直な構造を持ち、構造周期の異なる複数のメソ構造体膜から構成されるクラッド部からなる。
(共通条件)
メソ構造体膜の壁部位:酸化ケイ素(SiO2)
メソ構造体膜の孔または有機化合物部位:窒素
入射角:0.5度
メソ構造体膜に占める孔または有機化合物部位の割合(厚さ):0.7
コア部:窒素
(本発明:点線)
層数:6
構造周期:コア部側から5.0,4.8,4.6,4.4,4.2,4.0nm
周期数:20,21,22,23,24,25(順序は構造周期の表記順に対応)
(比較例:実線)
層数:1
構造周期:4.4nm
周期数:23
メソ構造体膜の壁部位:酸化ケイ素(SiO2)
メソ構造体膜の孔または有機化合物部位:窒素
入射角:0.5度
メソ構造体膜に占める孔または有機化合物部位の割合(厚さ):0.7
コア部:窒素
(本発明:点線)
層数:6
構造周期:コア部側から5.0,4.8,4.6,4.4,4.2,4.0nm
周期数:20,21,22,23,24,25(順序は構造周期の表記順に対応)
(比較例:実線)
層数:1
構造周期:4.4nm
周期数:23
本図より、構造周期の異なる複数のメソ構造体膜から構成されるクラッド部からなるエックス線導波路を用いたときには、異なるエネルギーのエックス線を導波するエックス線導波路として機能することが示される。
(2)異なる入射角度のエックス線を導波するエックス線導波路としての機能
本項目では、本発明のエックス線導波路が異なる入射角度のエックス線を導波する機能を有することを示す。
本項目では、本発明のエックス線導波路が異なる入射角度のエックス線を導波する機能を有することを示す。
図4には、(1)と同条件(本発明、比較例とも)の、構造周期の異なる複数のメソ構造体膜から構成されるクラッド部からなるエックス線導波路を導波するエックス線の強度(縦軸)のエックス線の入射角(横軸)依存性の模式図を示す。
(共通条件)入射エックス線のエネルギー:16keV
(本発明:点線、比較例:実線)
本図より、構造周期の異なる複数のメソ構造体膜から構成されるクラッド部からなるエックス線導波路を用いたときには、入射エックス線に対して、異なる入射角度のエックス線を導波するエックス線導波路として機能することが示される。また、広い角度範囲においてエックス線を導波する、反射角度の許容範囲の広いエックス線導波路として機能しうることが示される。
(本発明:点線、比較例:実線)
本図より、構造周期の異なる複数のメソ構造体膜から構成されるクラッド部からなるエックス線導波路を用いたときには、入射エックス線に対して、異なる入射角度のエックス線を導波するエックス線導波路として機能することが示される。また、広い角度範囲においてエックス線を導波する、反射角度の許容範囲の広いエックス線導波路として機能しうることが示される。
(3)構造周期の異なる複数の層の配置順序の効果
本項目では、本発明の構造周期の異なる複数のメソ構造体膜から構成されるクラッド部の反射率の、複数の層の配置順序の効果を示す。
本項目では、本発明の構造周期の異なる複数のメソ構造体膜から構成されるクラッド部の反射率の、複数の層の配置順序の効果を示す。
図5には、以下の条件の、構造周期の異なる複数のメソ構造体膜から構成されるクラッド部の反射率(縦軸)のエックス線エネルギー(横軸)依存性の計算値を示す。
(共通条件)
層数:3
メソ構造体膜の壁部位:酸化ケイ素(SiO2)
メソ構造体膜の孔または有機化合物部位:界面活性剤(EO(20)PO(70)EO(20))
入射角:0.5度
メソ構造体膜に占める孔または有機化合物部位の割合(厚さ):0.7
(本発明1:点線)
層数:3
構造周期:エックス線入射側(導波路を構成した際にコア部側となる側)から10.0,7.0,4.0nm
周期数:30,43,75(順序は構造周期の表記順に対応)
(本発明2:実線)
層数:3
構造周期:エックス線入射側(導波路を構成した際にコア部側となる側)から4.0,7.0,10.0nm
周期数:75,43,30(順序は構造周期の表記順に対応)
(共通条件)
層数:3
メソ構造体膜の壁部位:酸化ケイ素(SiO2)
メソ構造体膜の孔または有機化合物部位:界面活性剤(EO(20)PO(70)EO(20))
入射角:0.5度
メソ構造体膜に占める孔または有機化合物部位の割合(厚さ):0.7
(本発明1:点線)
層数:3
構造周期:エックス線入射側(導波路を構成した際にコア部側となる側)から10.0,7.0,4.0nm
周期数:30,43,75(順序は構造周期の表記順に対応)
(本発明2:実線)
層数:3
構造周期:エックス線入射側(導波路を構成した際にコア部側となる側)から4.0,7.0,10.0nm
周期数:75,43,30(順序は構造周期の表記順に対応)
本図において、7.6keV付近において、本発明1の反射率は本発明2の反射率と比較して大きな値を示す。一方で、14.5keV付近では、本発明2の反射率は本発明1の反射率と比較して大きな値を示す。この7.6,14.5keV付近の反射率の((小さな方の値)/(大きな方の値))の比は、それぞれ0.680,0.940である。少なくとも単純に比から判断すると、7.6keV付近において高い値を示す本発明1の配置のほうが有利であることが示される。
図2に示すようにエックス線の透過能は、そのエネルギーの増大とともに高くなる。そのため、エックス線の入射面より近い側に低エネルギーに対応する長い周期(この例では10nm)を持つ構造を、遠い側に高エネルギーに対応する短い周期(この例では4nm)を持つ構造とする配置が効果的となる。
つまり、エックス線導波路のクラッド部として、コア部側に近い側に低エネルギーに対応する長い周期を持ち、遠い側に高エネルギーに対応する短い周期を持つ配置が好ましい。このように配置することで、コア部にエックス線を効果的に閉じ込め導波させることができる。
つまり、エックス線導波路のクラッド部として、コア部側に近い側に低エネルギーに対応する長い周期を持ち、遠い側に高エネルギーに対応する短い周期を持つ配置が好ましい。このように配置することで、コア部にエックス線を効果的に閉じ込め導波させることができる。
(4)メソ構造体膜の壁部位を構成する材料の効果
本項目では、本発明のエックス線導波路のクラッド部に用いられるメソ構造体膜の壁部
を構成する材料の効果を示す。
本項目では、本発明のエックス線導波路のクラッド部に用いられるメソ構造体膜の壁部
を構成する材料の効果を示す。
表1には、以下の条件で構造周期の異なる複数のメソ構造体膜から構成されるクラッド部の反射率のエネルギー依存性を計算したときに、算出されるピークの値を示す。
(共通条件)
層数:3
メソ構造体膜の孔または有機化合物部位:窒素
入射角:0.5度
メソ構造体膜に占める孔または有機化合物部位の割合(厚さ):0.7
構造周期:エックス線入射側から10,7,4nm
周期数:各周期につき4
入射エックス線のエネルギー:5−24keV
(共通条件)
層数:3
メソ構造体膜の孔または有機化合物部位:窒素
入射角:0.5度
メソ構造体膜に占める孔または有機化合物部位の割合(厚さ):0.7
構造周期:エックス線入射側から10,7,4nm
周期数:各周期につき4
入射エックス線のエネルギー:5−24keV
(本発明1)
メソ構造体膜の壁部位:酸化ケイ素(SiO2)
(本発明2)
メソ構造体膜の壁部位:酸化チタン(TiO2)
(本発明3)
メソ構造体膜の壁部位:酸化スズ(SnO2)
メソ構造体膜の壁部位:酸化ケイ素(SiO2)
(本発明2)
メソ構造体膜の壁部位:酸化チタン(TiO2)
(本発明3)
メソ構造体膜の壁部位:酸化スズ(SnO2)
物質のエックス線との相互作用は、物質の電子密度とともに大きくなる。ここで使用した物質のなかでは、酸化スズがその密度(電子密度にほぼ比例)の高さから高い反射率を示す。エックス線導波路のクラッド部として構造周期の異なる複数のメソ構造体膜を用いる際に、本実施例の条件のように、周期数が少ないようなときには、メソ構造体膜の壁部の材質が、反射率に大きく影響する。このような条件の場合には、密度の高い壁材料を使用することが有効である。
(5)エックス線導波路の製造方法
(5−1)本項目では、平面基板上に調製した2次元ヘキサゴナル構造を持つ酸化ケイ素メソ構造体膜3層をクラッド部とし、ポリマーをコア部としたエックス線導波路の製造方法について説明する。
(5−1)本項目では、平面基板上に調製した2次元ヘキサゴナル構造を持つ酸化ケイ素メソ構造体膜3層をクラッド部とし、ポリマーをコア部としたエックス線導波路の製造方法について説明する。
(a)メソ構造体膜の前駆体溶液調製
2次元ヘキサゴナル構造を持つ酸化ケイ素メソ構造体膜は、ディップコート法で調製される。メソ構造体の前駆体溶液は、エタノール溶媒にブロックポリマーを溶解した後、エタノール、水、塩酸、テトラエトキシシランを加え、70℃で1時間攪拌することで調製される。エタノールにかえてメタノール、プロパノール、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリルを使用することも可能である。混合比(モル比)は、テトラエトキシシラン:1、ブロックポリマー:0.001、水:8、塩酸:0.01、エタノール:40とする。
2次元ヘキサゴナル構造を持つ酸化ケイ素メソ構造体膜は、ディップコート法で調製される。メソ構造体の前駆体溶液は、エタノール溶媒にブロックポリマーを溶解した後、エタノール、水、塩酸、テトラエトキシシランを加え、70℃で1時間攪拌することで調製される。エタノールにかえてメタノール、プロパノール、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリルを使用することも可能である。混合比(モル比)は、テトラエトキシシラン:1、ブロックポリマー:0.001、水:8、塩酸:0.01、エタノール:40とする。
ブロックポリマーは、第1のメソ構造体膜:EO(20)PO(30)EO(20)、第2のメソ構造体膜:EO(26)PO(39)EO(26)、第3のメソ構造体膜:EO(20)PO(70)EO(20)をそれぞれ用いる。
(b)メソ構造体膜の製膜
シリコン基板を洗浄した後に、ディップコート装置を用いて0.5から2mms−1の引き上げ速度でディップコートを行う。このときの温度は、25℃、相対湿度は、40%である。製膜後、膜は、25℃、相対湿度50%の恒温恒湿槽で24時間保持される。その後に層を重ねる場合には、同様の工程で第2、第3のメソ構造体膜を形成する。
シリコン基板を洗浄した後に、ディップコート装置を用いて0.5から2mms−1の引き上げ速度でディップコートを行う。このときの温度は、25℃、相対湿度は、40%である。製膜後、膜は、25℃、相対湿度50%の恒温恒湿槽で24時間保持される。その後に層を重ねる場合には、同様の工程で第2、第3のメソ構造体膜を形成する。
(c)コア部の製膜
コア部は、第1から第3のメソ構造体膜を形成した後に、ポリスチレンのクロロホルム溶液をスピンコートすることによって調製される。ポリスチレンを適当な濃度でクロロホルムに溶解させ、スピンコーターを用いて1000から5000rpm、10から60秒の条件で製膜を行う。製膜後は、室温で12時間静置する。
コア部は、第1から第3のメソ構造体膜を形成した後に、ポリスチレンのクロロホルム溶液をスピンコートすることによって調製される。ポリスチレンを適当な濃度でクロロホルムに溶解させ、スピンコーターを用いて1000から5000rpm、10から60秒の条件で製膜を行う。製膜後は、室温で12時間静置する。
(d)メソ構造体膜の製膜
コア部の形成後に、コア部上に第3から第1のメソ構造体膜を順次形成する。このメソ構造体の調製法は、(b)の手法と同様である。
コア部の形成後に、コア部上に第3から第1のメソ構造体膜を順次形成する。このメソ構造体の調製法は、(b)の手法と同様である。
(e)評価
参照用にそれぞれ単独で形成された第1から第3のメソ構造体膜をブラッグ−ブレンターノ配置のエックス線回折分析を行う。その結果、このメソ構造体膜は,基板面の法線方向に高い秩序性をもち、その面間隔は、7.8,8.8,9.6nmであることが確認される。
参照用にそれぞれ単独で形成された第1から第3のメソ構造体膜をブラッグ−ブレンターノ配置のエックス線回折分析を行う。その結果、このメソ構造体膜は,基板面の法線方向に高い秩序性をもち、その面間隔は、7.8,8.8,9.6nmであることが確認される。
この酸化ケイ素メソ構造体膜からなるエックス線導波路に、入射角0.5度で白色エックス線を入射したところ、9.2,8.1,7.4keVをピークとするエックス線の導波が確認される。ここから、本実施例の酸化ケイ素メソ構造体膜が、異なるエネルギーのエックス線に対応する導波路として機能することが示される。
(5−2)本項目では、曲面基板上に調製したラメラ構造を持つメソ構造体膜4層をクラッド部とし、ポリマーをコア部としたエックス線導波路の製造方法について説明する。
(a)メソ構造体膜の前駆体溶液調製
ラメラ構造を持つメソ構造体膜は、スピンコート法で調製される。前駆体溶液は、テトラヒドロフラン溶媒にn−デシルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、水、塩酸を溶解、室温で所定の時間攪拌することで調製される。混合比(モル比)は、n−デシルトリメトキシシラン:1、テトラメトキシシラン:4、水:19、塩酸:0.01、テトラヒドロフラン:20とする。
この攪拌時間は、第1のメソ構造体膜:6時間、第2のメソ構造体膜:1時間、第3のメソ構造体膜:0.5時間とする。
(a)メソ構造体膜の前駆体溶液調製
ラメラ構造を持つメソ構造体膜は、スピンコート法で調製される。前駆体溶液は、テトラヒドロフラン溶媒にn−デシルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、水、塩酸を溶解、室温で所定の時間攪拌することで調製される。混合比(モル比)は、n−デシルトリメトキシシラン:1、テトラメトキシシラン:4、水:19、塩酸:0.01、テトラヒドロフラン:20とする。
この攪拌時間は、第1のメソ構造体膜:6時間、第2のメソ構造体膜:1時間、第3のメソ構造体膜:0.5時間とする。
(b)メソ構造体膜の製膜
曲率半径の大きな凸レンズ基板を洗浄した後に、スピンコート装置を用いて3000rpm、10秒の条件でコートを行う。このときの温度は、25℃、相対湿度は、40%である。製膜後、膜は、25℃、相対湿度50%の恒温恒湿槽で4週間保持される。その後に層を重ねる場合には、上述の基板上に同様の工程で上層を形成する。
曲率半径の大きな凸レンズ基板を洗浄した後に、スピンコート装置を用いて3000rpm、10秒の条件でコートを行う。このときの温度は、25℃、相対湿度は、40%である。製膜後、膜は、25℃、相対湿度50%の恒温恒湿槽で4週間保持される。その後に層を重ねる場合には、上述の基板上に同様の工程で上層を形成する。
(c)コア部の製膜
コア部は、第1から第3のメソ構造体膜を形成した後に、ポリプロピレンのニトロベンゼン溶液をスピンコートすることによって調製される。ポリプロピレンを適当な濃度でニトロベンゼンに溶解させ、スピンコーターを用いて1000−5000rpm、10から60秒の条件で製膜を行う。製膜後は、室温で12時間静置する。
コア部は、第1から第3のメソ構造体膜を形成した後に、ポリプロピレンのニトロベンゼン溶液をスピンコートすることによって調製される。ポリプロピレンを適当な濃度でニトロベンゼンに溶解させ、スピンコーターを用いて1000−5000rpm、10から60秒の条件で製膜を行う。製膜後は、室温で12時間静置する。
(d)メソ構造体膜の製膜
コア部の形成後に、コア部上に第3から第1のメソ構造体膜を順次形成する。このメソ構造体の調製法は、(b)の手法と同様である。
コア部の形成後に、コア部上に第3から第1のメソ構造体膜を順次形成する。このメソ構造体の調製法は、(b)の手法と同様である。
(e)評価
参照用にそれぞれ単独で形成された第1から第3のメソ構造体膜をブラッグ−ブレンターノ配置のエックス線回折分析を行う。その結果、このメソ構造体膜は,基板面の法線方向に高い秩序性をもち、その面間隔は、3.46,3.76,3.88nmであることが確認される。
参照用にそれぞれ単独で形成された第1から第3のメソ構造体膜をブラッグ−ブレンターノ配置のエックス線回折分析を行う。その結果、このメソ構造体膜は,基板面の法線方向に高い秩序性をもち、その面間隔は、3.46,3.76,3.88nmであることが確認される。
この酸化ケイ素メソ構造体膜からなるエックス線導波路に、2keVのエックス線を入射したところ、入射角度5.14,4.73,4.58度をピークとするエックス線の導波が確認される。ここから本実施例のメソ構造体膜が、異なる入射角度のエックス線を導波するエックス線導波路として機能することが確認される。
(5−3)本項目では、3層のメソ構造体膜をクラッド部とし、ポリマーをコア部としたエックス線導波路の製造方法について説明する。ここで、3層のメソ構造体膜とは、平面基板上に調製した2次元ヘキサゴナル構造を持つ酸化ケイ素メソ構造体からなる2つの層を持つ膜上に、3次元キュービック構造を持つ酸化チタンのメソ構造体膜を形成したものである。
(a1)酸化ケイ素メソ構造体膜の製造
2次元ヘキサゴナル構造を持つ酸化ケイ素メソ構造体膜は、(5−1)の第2のメソ構造体膜、第3のメソ構造体膜の溶液、手法を用いて調製される。
2次元ヘキサゴナル構造を持つ酸化ケイ素メソ構造体膜は、(5−1)の第2のメソ構造体膜、第3のメソ構造体膜の溶液、手法を用いて調製される。
(a2)酸化チタンメソ構造体膜前駆体溶液の調製
エタノール溶媒にブロックポリマーを溶解した後、塩化チタン(IV)を滴下する。さらに水を加え攪拌することで調製する。混合比(モル比)は、塩化チタン(IV):1、ブロックポリマー:0.005、水:10、エタノール:40とする。ブロックポリマーは、EO(106)PO(70)EO(106)を用いる。
エタノール溶媒にブロックポリマーを溶解した後、塩化チタン(IV)を滴下する。さらに水を加え攪拌することで調製する。混合比(モル比)は、塩化チタン(IV):1、ブロックポリマー:0.005、水:10、エタノール:40とする。ブロックポリマーは、EO(106)PO(70)EO(106)を用いる。
(b)メソ構造体膜の製膜
(5−1)の条件を用いて調製した酸化ケイ素からなる第1、第2のメソ構造体膜上に、ディップコート装置を用いて0.5−2mms−1の引き上げ速度でディップコートを行う。このときの温度は、25℃、相対湿度は、40%である。製膜後、膜は、25℃、相対湿度50%の恒温恒湿槽で2週間保持する。
(5−1)の条件を用いて調製した酸化ケイ素からなる第1、第2のメソ構造体膜上に、ディップコート装置を用いて0.5−2mms−1の引き上げ速度でディップコートを行う。このときの温度は、25℃、相対湿度は、40%である。製膜後、膜は、25℃、相対湿度50%の恒温恒湿槽で2週間保持する。
(c)コア部の製膜
コア部は、(5−1)の項に記載の条件を用いて製膜を行う。
(d)評価
参照用にそれぞれ単独で形成されたメソ構造体膜をブラッグ−ブレンターノ配置のエックス線回折分析を行う。その結果、これらの膜は,基板面の法線方向に高い秩序性をもち、その面間隔は、第1の層:8.8nm,第2の層:9.6nm,酸化チタンからなる第3の層:10.1nmであることが確認される。
コア部は、(5−1)の項に記載の条件を用いて製膜を行う。
(d)評価
参照用にそれぞれ単独で形成されたメソ構造体膜をブラッグ−ブレンターノ配置のエックス線回折分析を行う。その結果、これらの膜は,基板面の法線方向に高い秩序性をもち、その面間隔は、第1の層:8.8nm,第2の層:9.6nm,酸化チタンからなる第3の層:10.1nmであることが確認される。
このメソ構造体膜に、入射角0.5度で白色エックス線を入射したところ、8.1,7.4,7.0keVをピークとするエックス線の導波が確認される。ここから、本実施例のメソ構造体膜が、異なるエネルギーのエックス線に対応する導波路として機能することが示される。
(5−4)本項目では、ナノファイバーをコア部としてその周囲に2次元ヘキサゴナル構造を持つ酸化ケイ素2層をクラッド部としたエックス線導波路の製造方法について説明する。
(a)メソ構造体の前駆体溶液調製
メソ構造体膜の前駆体溶液は、(5−1)項の第1、第3のメソ構造体膜に記載の方法で調製される。
メソ構造体膜の前駆体溶液は、(5−1)項の第1、第3のメソ構造体膜に記載の方法で調製される。
(b)メソ構造体膜の製膜
単糸直径100nmのナイロンナノファイバーを第1のメソ構造体の前駆体溶液に浸漬し、ディップコート装置を用いて0.5から2mms−1の引き上げ速度でディップコートを行う。このときの温度は、25℃、相対湿度は、40%である。製膜後、膜は、25℃、相対湿度50%の恒温恒湿槽で24時間保持される。その後に層を重ねる場合には、同様の工程で第2のメソ構造体を形成する。
単糸直径100nmのナイロンナノファイバーを第1のメソ構造体の前駆体溶液に浸漬し、ディップコート装置を用いて0.5から2mms−1の引き上げ速度でディップコートを行う。このときの温度は、25℃、相対湿度は、40%である。製膜後、膜は、25℃、相対湿度50%の恒温恒湿槽で24時間保持される。その後に層を重ねる場合には、同様の工程で第2のメソ構造体を形成する。
(e)評価
参照用にそれぞれ単独で形成された第1、第2のメソ構造体膜をブラッグ−ブレンターノ配置のエックス線回折分析を行う。その結果、このメソ構造体膜は,基板面の法線方向に高い秩序性をもち、その面間隔は、7.8,9.6nmであることが確認される。
参照用にそれぞれ単独で形成された第1、第2のメソ構造体膜をブラッグ−ブレンターノ配置のエックス線回折分析を行う。その結果、このメソ構造体膜は,基板面の法線方向に高い秩序性をもち、その面間隔は、7.8,9.6nmであることが確認される。
このナノファイバー表面に酸化ケイ素メソ構造体層をコートしたエックス線導波路に、入射角0.5度で白色エックス線を入射したところ、9.2,7.4keVをピークとするエックス線の導波が確認される。ここから、本実施例の酸化ケイ素メソ構造体でコートされたナノファイバーが、異なるエネルギーのエックス線に対応する導波路として機能することが示される。
(5−5)本項目では、平面基板上に調製した2次元ヘキサゴナル構造を持つ酸化ケイ素メソポーラス膜からなる2つの層を持つ膜上にスペーサを形成し、対抗させて配置、空気コア部としたエックス線導波路の製造方法について説明する。
(a)メソ構造体の前駆体溶液調製
メソ構造体膜の前駆体溶液は、(5−1)項の第1、第3のメソ構造体膜に記載の方法で調製される。
メソ構造体膜の前駆体溶液は、(5−1)項の第1、第3のメソ構造体膜に記載の方法で調製される。
(b)メソ構造体膜の製膜
(5−1)項に記載の条件を用いて製膜を行う。
(c)焼成
第1から第3のメソ構造体膜を形成した後に、メソ構造体膜を空気中400℃で10時間焼成し、孔内部のブロックポリマーを除去する。
(5−1)項に記載の条件を用いて製膜を行う。
(c)焼成
第1から第3のメソ構造体膜を形成した後に、メソ構造体膜を空気中400℃で10時間焼成し、孔内部のブロックポリマーを除去する。
(d)スペーサの形成
焼成を行ったメソポーラス薄膜上に、中央部縦方向を全面に覆うマスクを設置して、コア部となる空間を確保した上でチタンを10−100nmスパッタリングする。スパッタリングの後、マスクを除去する。形成されたチタンをスペーサとする。
焼成を行ったメソポーラス薄膜上に、中央部縦方向を全面に覆うマスクを設置して、コア部となる空間を確保した上でチタンを10−100nmスパッタリングする。スパッタリングの後、マスクを除去する。形成されたチタンをスペーサとする。
(e)基板対向工程
スペーサを形成した基板どうしを対向させて合わせ、SUS製のジグで固定し、導波路を形成する。
スペーサを形成した基板どうしを対向させて合わせ、SUS製のジグで固定し、導波路を形成する。
(f)評価
参照用にそれぞれ単独で形成された第1、第2のメソ構造体膜をブラッグ−ブレンターノ配置のエックス線回折分析を行う。その結果、このメソ構造体膜は,基板面の法線方向に高い秩序性をもち、その面間隔は、5.2,6.4nmであることが確認される。
参照用にそれぞれ単独で形成された第1、第2のメソ構造体膜をブラッグ−ブレンターノ配置のエックス線回折分析を行う。その結果、このメソ構造体膜は,基板面の法線方向に高い秩序性をもち、その面間隔は、5.2,6.4nmであることが確認される。
このエックス線導波路に、入射角0.5度で白色エックス線を入射したところ、11.1,13.7keVをピークとするエックス線の導波が確認される。ここから、本実施例の酸化ケイ素メソポーラス膜からなる2つの層を持つ膜上にスペーサを形成し、対抗させて配置、空気コア部としたエックス線導波路が、異なるエネルギーのエックス線に対応する導波路として機能することが示される。
本発明のエックス線導波路は、異なるエネルギーまたは異なる入射角度のエックス線を同時に閉じ込め導波させることが可能なので、エックス線を用いたイメージング装置、分析装置等に利用することができる。
1000 クラッド部
1010 コア部
1020 構造周期の異なるメソ構造体膜
1030 入射エックス線
1040、1050、1060 エネルギーの異なるエックス線
1070 壁部
1080 メソ構造体膜の孔または有機化合物部位
1090 エックス線の入射角
1010 コア部
1020 構造周期の異なるメソ構造体膜
1030 入射エックス線
1040、1050、1060 エネルギーの異なるエックス線
1070 壁部
1080 メソ構造体膜の孔または有機化合物部位
1090 エックス線の入射角
Claims (5)
- エックス線が導波するためのコア部と、前記コア部内に前記エックス線を閉じ込めるためのクラッド部とを有するエックス線導波路であって、前記クラッド部が屈折率実部が異なる物質より構成される周期構造体であり、前記周期構造体が構造周期の異なる複数のメソ構造体膜から構成されることを特徴とするエックス線導波路。
- 前記構造周期の異なる複数のメソ構造体膜の周期が3種類以上の周期であることを特徴とする請求項1に記載のエックス線導波路。
- 前記構造周期の異なる複数のメソ構造体膜の配置は、前記構造周期がコアに近づくとともに大きくなることを特徴とする請求項1または2に記載のエックス線導波路。
- 前記メソ構造体膜がメソポーラス膜であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載のエックス線導波路。
- 第1のメソ構造体膜を形成する工程と、前記第1のメソ構造体膜上に構造周期の異なる第2以降のメソ構造体膜を形成する工程と、前記第1のメソ構造体膜と前記第2以降のメソ構造体膜とをコア部に設けてエックス線導波路を構成する工程とを有することを特徴とするエックス線導波路の製造方法。
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2010
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