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JP2012081789A - ステアリングシャフト - Google Patents

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JP2012081789A
JP2012081789A JP2010227261A JP2010227261A JP2012081789A JP 2012081789 A JP2012081789 A JP 2012081789A JP 2010227261 A JP2010227261 A JP 2010227261A JP 2010227261 A JP2010227261 A JP 2010227261A JP 2012081789 A JP2012081789 A JP 2012081789A
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Inventor
Hiroaki Okada
博昭 岡田
Soshin Moriya
宗真 守屋
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Mizushima Press Kogyo Co Ltd
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Mizushima Press Kogyo Co Ltd
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Abstract

【課題】別部材を用いることなく、オススプライン及びメススプラインを直接スプライン嵌合するステアリングシャフトを提供する。
【解決手段】インナーシャフト1とアウターシャフト2とから構成され、アウターシャフト2にインナーシャフト1を差し込んでスプライン嵌合させるステアリングシャフトにおいて、アウターシャフト2は、軸体11の延在方向に連続してインナーシャフト1の外周面に形成したオススプライン12の延在長さより短い範囲で、管体21の延在方向に断続する端部開口寄りメススプライン22及び管体中央寄りメススプライン23を内周面に設けたステアリングシャフトである。
【選択図】図2

Description

本発明は、伸縮機能(テレスコピック機能)を有するステアリングシャフトに関する。
伸縮機能を有するステアリングシャフト(以下、単にステアリングシャフト)は、軸体の延在方向に延びる多数の凸条からなるオススプラインを外周面に形成したインナーシャフトと、管体の延在方向に延びる多数の凹条からなるメススプラインを内周面に形成したアウターシャフトとから構成され、アウターシャフトにインナーシャフトを差し込んで、オススプライン及びメススプラインをスプライン嵌合させる。これにより、ステアリングシャフトは、アウターシャフトに対するインナーシャフトの差し込み量を変化させて伸縮機能を実現しながら、スプライン嵌合によりアウターシャフト及びインナーシャフトを一体に自転させ、ハンドルの回転操作を操舵輪へ伝達させる。
このとき、オススプライン及びメススプラインのクリアランスが大きいと、アウターシャフトに対してインナーシャフトががたつき、操舵感を悪化したり、操舵に際して異音を発生させたりする。また、スプライン嵌合における剛性を確保するため、オススプライン及びメススプラインの嵌合量は一定程度以上必要とするが、オススプライン及びメススプラインのクリアランスが小さくなると、アウターシャフト又はインナーシャフトいずれか一方がわずかに曲がるだけでスプライン嵌合が不能となる。
これから、ステアリングシャフトにおいて、オススプライン及びメススプラインをいずれも直接スプライン嵌合させることは難しいとされ、オススプライン及びメススプラインのクリアランスを一定程度小さくしながら、オススプライン及びメススプラインの間に樹脂部材又は樹脂層を介装したり(特許文献1)、バネ部材(特許文献2)を介装させたりしている。このほか、スプライン嵌合と異なり、インナーシャフトの外周面とアウターシャフトの内周面とに対応する一対の凹条を形成し、両凹条の間にベアリング部材を介装するステアリングシャフトもある(特許文献3)。
特許文献1が開示するステアリングシャフトは、オススプライン(外周係合部)に樹脂部材を外嵌して一度アウターシャフトにインナーシャフトを差し込み、アウターシャフトを加熱することにより前記樹脂部材を軟化させ、樹脂部材の外周面にメススプライン(内周係合部)を転写させている(特許文献1・[請求項1][請求項2])。樹脂材料を注入する場合も、アウターシャフトを加熱することにより注入した樹脂材料の溶融状態を保って拡散させ、メススプラインを転写させた樹脂層を形成している。こうした樹脂部材又は樹脂層により、オススプライン及びメススプラインの間に隙間を残すことなく、両者を適度な緊密で係合させている。
特許文献2が開示するステアリングシャフトは、オススプライン(内部スプライン)及びメススプライン(外部スプライン)がスプライン嵌合しない範囲に、インナーシャフト(内側のシャフト)とアウターシャフト(外側のシャフト)との間にばねリングを介装した構成で、ばねリングをアウターシャフトの内周面(内部表面)とインナーシャフトの外周面(外部表面)とに押圧させて、オススプライン及びメススプラインのクリアランスに起因するアウターシャフトに対するインナーシャフトのがたつきを抑制する(特許文献・[請求項2][請求項3])。ばねリングは、ステアリングシャフトの軸方向に延びる割れ目を有する金属リングで、前記割れ目に沿った凸条(くぼみ)をアウターシャフトの内周面に、同じく割れ目に沿った凹条(くぼみ)をインナーシャフトの外周面に押圧させる(特許文献・[0030])。
特許文献3が開示するステアリングシャフトは、インナーシャフト(雄軸)の外周面とアウターシャフト(雌軸)の内周面とに一対の軸方向溝を形成し、予圧用の弾性体を介して前記軸方向溝間に転動体を介装すると共に、前記軸方向溝間に摺動体を介装して構成している(特許文献・[請求項1])。転動体は、球状である(特許文献・[請求項3])。また、摺動体は、ニードルローラーである(特許文献・[請求項4])。そして、弾性体は、板バネである(特許文献・[請求項5])。特許文献3が開示するステアリングシャフトは、摺動体を介して過大なトルクをインナーシャフト及びアウターシャフト間で伝達するので、転動体が軸方向溝に圧痕を付着させ、転動体の摺動性能が劣化することを防止する(特許文献・[0022][0023])。
特開2002-321627号公報 特開2003-139157号公報 特開2003-336658号公報
特許文献1が開示するステアリングシャフトは、溶融状態の樹脂部材又は樹脂材料にメススプラインを転写することから、隙間を残すことなく、オススプライン及びメススプラインを適度な緊密で係合させる点で優れている。しかし、樹脂部材又は樹脂材料は、いずれも温度又は湿度の変化により膨張又は収縮するため、経年劣化して前記緊密な係合状態が崩れてくることが否めない。また、インナーシャフトやアウターシャフトのほかに別体の樹脂部材が必要になったり、樹脂材料を注入する場合でも加熱工程が必要になったりする等、材料コスト、加工コストの上昇が避けられない問題もある。
特許文献2が開示するステアリングシャフトは、ばねリングが金属リングであるため、特許文献1が開示するステアリングシャフトにおける樹脂部材又は樹脂層のように、経年劣化の心配がない。しかし、アウターシャフトに対するインナーシャフトのがたつきを抑制する程度に、凸条をアウターシャフトの内周面に、凹条をインナーシャフトの外周面に押圧させるため、アウターシャフトに対するインナーシャフトの抜き差し、すなわち摺動が円滑になりにくい。また、ばねリング自体が大きく撓むような大きなトルクが加わる場合、やはり、アウターシャフトに対してインナーシャフトががたつく虞がある。そして、上述同様、別体のばねリングが必要で、材料コスト、加工コスト(組付コスト)の上昇が避けられない問題もある。
特許文献3が開示するステアリングシャフトは、一対の軸方向溝に、予圧用の弾性体により転動体をアウターシャフトの軸方向溝に押し付けて、アウターシャフトに対するインナーシャフトのがたつきを抑制している。転動体は球状であるため、特許文献2が開示するインナーシャフトに比べ、アウターシャフトに対するインナーシャフトの摺動が阻害されにくい。しかし、アウターシャフト及びインナーシャフトの形成が難しく、また転動体、弾性体、摺動体等の別部材が多く必要で、上記特許文献1又は特許文献2以上に、材料コスト、加工コスト(組付コスト)の上昇が避けられない問題もある。
このように、アウターシャフトに対するインナーシャフトのがたつきを抑制するには、両者の間に何らかの別部材を介装すればよいが、代わる不具合が発生するほか、何よりもコスト増を招いてしまう問題がある。この点、コスト低減については、オススプライン及びメススプラインを直接スプライン嵌合するだけとすれば解決できる。そこで、別部材を用いることなく、オススプライン及びメススプラインを直接スプライン嵌合し、アウターシャフトに対してインナーシャフトががたつかないようにすると共に、アウターシャフト又はインナーシャフトいずれか一方がわずかに曲がってもスプライン嵌合できるステアリングシャフトを開発するため、検討した。
検討の結果開発したものが、軸体の延在方向に延びる多数の凸条からなるオススプラインを外周面に形成したインナーシャフトと、管体の延在方向に延びる多数の凹条からなるメススプラインを内周面に形成したアウターシャフトとから構成され、アウターシャフトにインナーシャフトを差し込んで、オススプライン及びメススプラインをスプライン嵌合させるステアリングシャフトにおいて、アウターシャフトは、軸体の延在方向に連続してインナーシャフトの外周面に形成したオススプラインの延在長さより短い範囲で、管体の延在方向に断続する2箇所のメススプラインを内周面に設けたことを特徴とするステアリングシャフトである。
本発明のステアリングシャフトは、軸体の延在方向に連続してインナーシャフトの外周面に形成されるオススプラインに対し、管体の延在方向に断続してアウターシャフトの内周面の2箇所に分かれて形成されるメススプラインを直接スプライン嵌合させる。2箇所のメススプラインが「オススプラインの延在長さより短い範囲で、管体の延在方向に断続する」とは、各メススプラインそれぞれの凹条が管体の周方向に揃っており、かつお互いの遠い側にある前記凹条の始端と終端との距離が、オススプラインの延在長さよりも短いことを意味し、各メススプラインの延在長さは前記凹条の始端と終端との距離よりずっと短くできる。これから、本発明のメススプラインとオススプラインとの嵌合長は、2箇所のメススプラインを含む範囲で管体の延在方向に連続する従来のメススプラインとオススプラインとの嵌合長に比べて当然短く、オススプライン及びメススプラインのクリアランスを小さくしても、インナーシャフトの曲がりの影響を受けてスプライン嵌合できなくなることがない。また、離れた2点でのスプライン嵌合は、軸体であるインナーシャフトの曲げ剛性を向上させる。
インナーシャフトは、軸体の外周面に切削加工、転造加工又はプレス加工によりオススプラインを形成する。アウターシャフトは、前記オススプライン同様、管体の内周面に切削加工又はプレス加工のほか、スウェージング加工によりメススプラインを形成する。しかし、連続する同径の管体の内周面に、管体の延在方向に断続してメススプラインを切削加工又はプレス加工により形成することは難しい。そこで、インナーシャフトの外径より大きな内径の管体であるアウターシャフトに対し、スウェージング加工により半径内向きに絞り込んだ凹環状部の内周面にメススプラインを形成するとよい。「半径方向内向き」とは、管体の断面における半径方向内向きを意味する。
アウターシャフトは、インナーシャフトの外径より大きな内径の管体であることから、インナーシャフトより一回り大きい従来のアウターシャフトに比べ、曲げ剛性が向上している。また、アウターシャフトは、スウェージング加工により絞り込まれた凹環状部が管体の延在方向に断続して2箇所形成されることにより断面形状が複雑になるので、これによっても曲げ剛性が向上している。こうして、スウェージング加工により半径内向きに絞り込んだ凹環状部の内周面にメススプラインを形成するアウターシャフトは、自身の曲げ剛性を向上させ、もってステアリングシャフトとしての曲げ剛性をも向上させる。
管体であるアウターシャフトをスウェージング加工により絞り込んだ凹環状部の内周面にメススプラインを形成する場合、前記内周面を切削加工することも考えられるが、好ましくは、オススプラインを外周面に形成したインナーシャフトに相当する凸条を設けたスプライン形成治具を管体に差し込んだ状態で、メススプラインを形成する2箇所の部分をそれぞれスウェージング加工で絞り込んで凹環状部を形成し、前記スプライン形成治具に各凹環状部の内周面を押し付けてメススプラインを形成する。この場合、スプライン形成治具の連続する凸条が転写されて各メススプラインが形成されるため、各メススプラインを構成する凹条が管体の周方向に揃う。すなわち、2箇所のメススプラインは、それぞれを含む範囲で管体の延在方向に連続するメススプラインの中間を切除した格好となる。
2箇所の凹環状部に挟まれた部分は、前記凹環状部と、インナーシャフトの外周面と、そしてアウターシャフトの内周面とに囲まれた断面円環状の空洞部を構成する。本発明のステアリングシャフトは、オススプライン及びメススプラインのクリアランスを小さくして直接スプライン嵌合させるだけでよいため、前記空間部はそのまま中空にしておいて構わない。しかし、空洞部は、オススプライン及びメススプラインのクリアランスが小さい程、ほとんど閉鎖された空間となることから、例えばオススプライン及びメススプラインに供給するグリスを貯留させることができる。このほか、インナーシャフトにゴムパイプ又は樹脂パイプを外嵌して、経年劣化に伴うアウターシャフトに対するインナーシャフトのがたつきを抑制するようにしてもよい。
スウェージング加工した凹環状部の内周面にメススプラインを形成する場合、アウターシャフトは、インナーシャフトを差し込む端部開口寄りのメススプラインを、スウェージング加工により前記端部開口から少し離れた位置を半径内向きに絞り込んだ凹環状部の内周面に形成して、端部開口寄りのメススプラインから前記端部開口に向けて徐変に拡開する、すなわち「ラッパ状」に広がる差込導入部を設けるとよい。これにより、アウターシャフトにインナーシャフトを差し込みやすくなる。
本発明のステアリングシャフトは、オススプライン及びメススプラインの嵌合長が短いため、オススプライン及びメススプラインのクリアランスを小さくしてアウターシャフトに対するインナーシャフトのがたつきを抑制しながら、スプライン嵌合しやすくし、アウターシャフトに対するインナーシャフトの抜き差しを円滑にできる。また、オススプライン及びメススプラインの嵌合長が短いため、オススプラインやメススプラインの経年劣化の影響を小さくし、がたつきのないスプライン嵌合を長期にわたって維持できる。
アウターシャフトに対するインナーシャフトのがたつきは、メススプラインを形成するためにスェージング加工した凹環状部を形成したアウターシャフトを用いた場合、前記凹環状部に挟まれる空洞部にグリスを貯留させたり、前記空洞部の部分でインナーシャフトにゴムパイプ又は樹脂パイプを外嵌させたりすることによって、更に抑制することができる。ゴムパイプ又は樹脂パイプは、インナーシャフト及びアウターシャフトを自転方向に係合させるものではなく、あくまで両者の間に介装される緩衝部材として、アウターシャフトに対するインナーシャフトのがたつきを抑制する働きを発揮する。
オススプライン及びメススプラインは、メススプラインに合わせて離れた2点でスプライン嵌合するため、メススプラインを介してアウターシャフトに2点支持されるインナーシャフトの曲げ剛性を向上させる。そして、スウェージング加工した凹環状部の内周面にメススプラインを形成したアウターシャフトは、管体の内径が大きく、また離れた凹環状部を2箇所の括れとする複雑な断面形状を有することになり、曲げ剛性を向上させる。こうして、本発明のステアリングシャフトは、総じて曲げ剛性を向上させている。
本発明のステアリングシャフトは、コスト低減をもたらす。具体的には、インナーシャフト及びアウターシャフトを自転方向に係合させる別部材(樹脂材料又は樹脂層やベアリング部材)が不要にすることで、材料コストや加工コストを低減する。また、短いメススプラインは、成形や精度修正が容易で、加工時間も短いので、総じて加工コストを低減する。更に、メススプラインが短いことは、スプライン形成治具の消耗を抑制することに繋がり、スプライン成形治具の寿命を延ばす効果をもたらす。このほか、アウターシャフトにラッパ状の差込導入部を設けると、アウターシャフトにインナーシャフトを差し込みやすくなり、インナーシャフトの端部に面取加工が不要になり、コスト低減に貢献する。
本発明を適用したステアリングシャフトの一例の斜視図である。 本例のステアリングシャフトの一部破断斜視図である。 本例のステアリングシャフトの延在方向断面図である。 アウターシャフトの端部開口側から見た本例のステアリングシャフトの正面図である。 本例のアウターシャフトのスウェージング加工を表す図3相当延在方向断面図である。 本発明を適用したステアリングシャフトの別例の図3相当延在方向断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図を参照しながら説明する。本発明は、図1〜図4に見られるように、アウターシャフト2にインナーシャフト1を差し込んで、オススプライン12と端部開口寄りメススプライン22及び管体中央寄りメススプライン23とをスプライン嵌合させるステアリングシャフトに適用される。本例のステアリングシャフトは、端部開口に向けて徐変に拡開するラッパ状の差込導入部25を有し、アウターシャフト2を構成する管体21に前記管体21の延在方向に離れた一対の凹環状部222,232を設けた外観を特徴とする。
インナーシャフト1は、従来同様の構成で、一定の外径で延びる金属製の軸体11の延在方向に連続して延びる多数の凸条121からなるオススプライン12を、前記軸体11の外周面に形成している。これは、本発明のステアリングシャフトが、インナーシャフト1に関して従来の構成をそのまま利用できることを意味している。これから、インナーシャフト1は、従来通りの製造装置及び製造方法(切削加工、転造加工又はプレス加工)で製造でき、本発明を利用することによる製造コストの増加を抑制している。オススプライン12の延在長さは、要求される伸縮機能に応じて適宜決定される。
アウターシャフト2は、上記インナーシャフト1の外周面に形成したオススプライン12の延在長さより短い範囲で、インナーシャフト1を構成する軸体11の外径より大きな内径で延びる金属製の管体21の延在方向に断続して、それぞれ凹条221,231からなる2箇所の端部開口寄りメススプライン22及び管体中央寄りメススプライン23を、スウェージング加工により半径内向きに管体21を絞り込んで形成した凹環状部222,232の内周面に設けて構成される。このため、アウターシャフト2は、上述の通り、ラッパ状の差込導入部25と一対の凹環状部222,232とを有する外観を有し、端部開口寄りメススプライン22及び管体中央寄りメススプライン23間に空洞部24を形成している。
本発明のステアリングシャフトは、軸体11の延在方向に連続してインナーシャフト1の外周面に形成されるオススプライン12に対し、管体21の延在方向に断続してアウターシャフト2の内周面の2箇所に分かれて形成される端部開口寄りメススプライン22及び管体中央寄りメススプライン23を直接スプライン嵌合させる。本例は、2箇所の凹環状部222,232と、インナーシャフト1の外周面と、そしてアウターシャフト2の内周面とに囲まれた断面円環状の空洞部24が中空であるが、例えばグリスを貯留させたり、インナーシャフト1にゴムパイプ又は樹脂パイプを外嵌したりして、アウターシャフト2に対するインナーシャフト1のがたつきを抑制してもよい。
ここで、例えば端部開口寄りメススプライン22及び管体中央寄りメススプライン23に対してオススプライン12を不等歯にすれば、オススプライン12を構成する凸条121や端部開口寄りメススプライン22又は管体中央寄りメススプライン23を構成する凹条221,231の成形精度にばらつきがあっても、両者の緊密なスプライン嵌合を図ることができる。オススプライン12に対して端部開口寄りメススプライン22又は管体中央寄りメススプライン23の一方又は双方を不等歯にしてもよい。このように不等歯を設けることは、オススプライン12と端部開口寄りメススプライン22及び管体中央寄りメススプライン23とのクリアランスを、不等歯とそれ以外とのクリアランスの差により管理する意味を有する。
オススプライン12と端部開口寄りメススプライン22及び管体中央寄りメススプライン23とは、凸条121と凹条221,231とを側面で係合させ、互いの天井面及び底面を接触させない(図4参照)。これから、オススプライン12と端部開口寄りメススプライン22又は管体中央寄りメススプライン23とのクリアランスは、凸条121と凹条221,231との係合させる側面の位置で調整する。例えばオススプライン12を不等歯にする場合、一部の凸条121の周方向の幅を大きくし、逆に端部開口寄りメススプライン22又は管体中央寄りメススプライン23を不等歯にする場合、一部の凹条221,231の周方向の幅を小さくする。不等歯とそれ以外との差は10μm程度を目安として管理するとよい。
本発明のステアリングシャフトは、図3に見られるように、端部開口寄りメススプライン22及び管体中央寄りメススプライン23の遠い側にある凹条221,231の始端と終端との距離Dは、オススプラインの延在長さLmより短く、端部開口寄りメススプライン22の延在長さLf1及び管体中央寄りメススプライン23の延在長さLf2は、前記凹条221,231の始端と終端との距離Dよりずっと短い。これにより、オススプライン12と端部開口寄りメススプライン22又は管体中央寄りメススプライン23のクリアランスを小さくしても、インナーシャフト1の曲がりの影響を受けてスプライン嵌合できなくなることがない。また、離れた2点でのスプライン嵌合は、軸体11であるインナーシャフト1の曲げ剛性を向上させる。
端部開口寄りメススプライン22及び管体中央寄りメススプライン23は、既述したとおり、インナーシャフト1の外径より大きな内径の管体21(図5中破線参照)であるアウターシャフト2に対し、スウェージング加工により管体21を半径内向きに絞り込んだ凹環状部222,232の内周面に設ける。スウェージング加工は、本例のステアリングシャフトに見られる先細りした全体形状の形成にも用いる。こうしたスウェージング加工は、従来のメススプラインの形成にも用いられている。これから理解されるように、本発明のアウターシャフト2の製造には、スウェージング加工を用いた従来のアウターシャフトの製造設備をそのまま利用できる。
スウェージング加工による凹環状部222,232の成形は、次のとおりである。例えば、オススプライン12を外周面に形成したインナーシャフト1に相当する凸条31を設けたスプライン形成治具3を、位置固定で水平姿勢としたスウェージング加工前の管体21に同軸の位置関係で横方向(水平方向)から差し込む。そして、図5に見られるように、端部開口寄りメススプライン22及び管体中央寄りメススプライン23を形成する2箇所の部分に、周方向等間隔で半径方向内向きに4基の成形型(図示略。白抜き矢印で代表)を突き当てながら前記成形型を管体21の軸線を中心に旋回させて絞り込む。これにより、前記2箇所の部分それぞれが半径方向内向きに凹んでいき、凹環状部222,232が形成され始め、前記スプライン形成治具3に各凹環状部222,232の内周面が押し付けられて、前記内周面に端部開口寄りメススプライン22及び管体中央寄りメススプライン23が設けられる。
スプライン形成治具3は、従来のメススプライン(管体21の延在方向に連続して延びるメススプライン)の形成に使用する構成がそのまま利用できる。この場合、スプライン形成治具3の連続する凸条31の一部分が転写され、端部開口寄りメススプライン22及び管体中央寄りメススプライン23それぞれの凹条221,231が形成されるため、前記凹条221,231が管体21の周方向に揃う。すなわち、端部開口寄りメススプライン22及び管体中央寄りメススプライン23は、それぞれを含む範囲で管体の延在方向に連続するメススプラインの中間を切除した格好となり、例えば端部開口寄りメススプライン22及び管体中央寄りメススプライン23それぞれの凹条221,231に設ける不等歯は同じ位置及び大きさに形成できる。
アウターシャフト2は、インナーシャフト1の外径より大きな内径の管体21であることから、インナーシャフト1より板厚相当だけ大きい従来のアウターシャフトに比べ、曲げ剛性が向上している。また、アウターシャフト2は、スウェージング加工により絞り込まれた凹環状部222,232が管体21の延在方向に断続して形成されることにより断面形状が複雑になり、これによっても曲げ剛性が向上している。こうして、スウェージング加工により半径内向きに絞り込んだ凹環状部222,232の内周面に端部開口寄りメススプライン22及び管体中央寄りメススプライン23を形成するアウターシャフト2は、自身の曲げ剛性を向上させ、もってステアリングシャフトとしての曲げ剛性をも向上させる。
本例のアウターシャフト2は、インナーシャフト1を差し込む端部開口寄りメススプライン22を端部開口から少し離れた位置に形成して、端部開口寄りメススプライン22から前記端部開口に向けて徐変に拡開するラッパ状の差込導入部25を設けている。差込導入部25は、アウターシャフト2にインナーシャフト1を差し込みやすくする。また、アウターシャフト2は、ラッパ状の差込導入部25を設けることにより断面形状をより複雑にし、これによっても曲げ剛性を向上させる。これから、組付対象や周辺構造との干渉がない等、アウターシャフト2の端部開口がラッパ状に広がっていても問題ない場合、本例のような構造が好ましい。
これに対し、組付対象や周辺構造と干渉する等、アウターシャフト2の端部開口がラッパ状に広がっていると問題がある場合、図6に見られるように、端部開口を含む範囲で端部開口寄りメススプライン22を形成するとよい。この場合、差込導入部25(図1〜図3参照)によるアウターシャフト2に対するインナーシャフト1の差し込みやすさや曲げ剛性の向上は得られないが、凹環状部222,232による曲げ剛性の向上は上記例示(図1〜図3参照)と同じである。また、凹条221,231の始端と終端との距離Dがオススプラインの延在長さLmより短く、端部開口寄りメススプライン22の延在長さLf1及び管体中央寄りメススプライン23の延在長さLf2が前記凹条221,231の始端と終端との距離Dよりずっと短ければ、本発明の効果を享受できる。
1 インナーシャフト
11 軸体
12 オススプライン
2 アウターシャフト
21 管体
22 端部開口寄りメススプライン
23 管体中央寄りメススプライン
24 空洞部
25 差込導入部
3 スプライン形成治具
31 凸条

Claims (3)

  1. 軸体の延在方向に延びる多数の凸条からなるオススプラインを外周面に形成したインナーシャフトと、管体の延在方向に延びる多数の凹条からなるメススプラインを内周面に形成したアウターシャフトとから構成され、アウターシャフトにインナーシャフトを差し込んで、オススプライン及びメススプラインをスプライン嵌合させるステアリングシャフトにおいて、
    アウターシャフトは、軸体の延在方向に連続してインナーシャフトの外周面に形成したオススプラインの延在長さより短い範囲で、管体の延在方向に断続する2箇所のメススプラインを内周面に設けたことを特徴とするステアリングシャフト。
  2. アウターシャフトは、インナーシャフトの外径より大きな内径の管体であり、スウェージング加工により半径内向きに絞り込んだ凹環状部の内周面にメススプラインを形成した請求項1記載のステアリングシャフト。
  3. アウターシャフトは、インナーシャフトを差し込む端部開口寄りのメススプラインを、スウェージング加工により前記端部開口から少し離れた位置を半径内向きに絞り込んだ凹環状部の内周面に形成した請求項2記載のステアリングシャフト。
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