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JP2012079658A - 有機el表示装置 - Google Patents

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Masamitsu Furuya
政光 古家
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Abstract

【課題】有機EL層をSiN等の封止膜で覆うことによって、外部からの水分の影響を防止する固体封止タイプの有機EL表示装置において、封止膜におけるピンホールの存在の有無を工場内の検査で検出することが出来る構成を実現する。
【解決手段】素子基板100の上に有機EL素子20が形成され、その上にピンホール検出層30が形成され、その上に封止膜40が形成されている。封止膜40にピンホールが存在するとこの部分から水分が浸入し、有機EL層を劣化させる。製品が工場から出荷される前に、ピンホールの有無を検出するために、水分と反応して色が変化するピンホール検出層30が封止膜40と有機EL素子20の間に配置されている。ピンホール検出層30は、有機材料にアルカリ金属またはアルカリ土類金属がドープされた構成であり、蒸着によって形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は有機EL表示装置に係り、特に水分による有機EL層の劣化を早期に発見し、市場における不良の発生を防止することが可能な有機EL表示装置に関する。
有機EL表示装置では下部電極と上部電極との間に有機EL層を挟持し、上部電極に一定電圧を印加し、下部電極にデータ信号電圧を印加して有機EL層の発光を制御する。下部電極へのデータ信号電圧の供給は薄膜トランジスタ(TFT)を介して行われる。有機EL層は、発光層の材料によって赤、緑、青の発光を行う。このような有機EL層とTFTを有する画素をマトリクス状に配置し、各画素の発光を制御することによって画像を形成する。
有機EL表示装置には、有機EL層から発光した光を、有機EL層等が形成されたガラス基板方向に取り出すボトムエミッション型と、有機EL層等が形成されたガラス基板と逆の方向に取り出すトップエミッション型とがある。トップエミッション型はTFTが形成された領域の上にも発光領域を形成できるという利点がある。
有機EL表示装置に使用される有機EL材料は水分が存在すると発光特性が劣化し、長時間動作をさせると、水分によって劣化した場所が発光しなくなる。これは有機EL素子のダークスポットとして現れる。このダークスポットは時間の経過とともに成長し、画像の欠陥となる。なお、画素の周辺で発光しない領域が増加するエッジグロースという現象も水分の影響によって生ずる。
ダークスポット等の発生、あるいは成長を防止するためには、有機EL表示装置内への水分の浸入の防止、あるいは、浸入した水分を除去する必要がある。このために従来は、有機EL層が形成された素子基板を周囲に設置したシールを介して、封止基板によって封止し、外部から有機EL表示装置内への水分の浸入を防止する技術が開発されてきた。封止された内部の空間にはN等の不活性ガスを充填する。一方、有機EL表示装置内に進入した水分を除去するために、有機EL表示装置内に乾燥剤を設置する。これを中空封止型有機EL表示装置という。
しかし、中空封止型有機EL表示装置では、素子基板と封止基板のギャップ調整が難しい、内部への水分の浸入を防止するために、素子基板と封止基板を周辺で接着するシール材の幅を広くとる必要がある、封止剤によって封止するときの、封止剤から放出されたガスによる有機EL材料の汚染、スループットが低い等の問題がある。さらに完成した有機EL表示装置において素子基板あるいは封止基板に外力が加わると素子基板と封止基板が接触することによって有機EL層が破壊されるという問題点を有している。
中空封止の問題を対策するものとして、「特許文献1」には、封止基板を使用せずに、有機EL層と上部電極が形成された有機EL表示パネルの上に無機パッシベーション膜、有機平坦化膜、さらに無機パッシベーション膜を形成することによって水分が浸入することを防止する技術が記載されている。以後このような封止構造を固体封止という。
「特許文献2」には、有機EL層と上部電極が形成された有機EL表示パネルの上に無機パッシベーション膜、有機平坦化膜、さらに無機パッシベーション膜を形成し、有機平坦化膜に酸素あるいは水と反応して発色する物質を含有させ、水分の浸入を早期に発見する構成が記載されている。
特開2007−156058号公報 特願2007−156058号
有機EL層の電子注入層はアルカリ金属やアルカリ土類金属などの反応性の高い金属を用いる場合が多く、水分が存在すると、これと反応して、失活するので、水分の進入を防ぐように封止をする必要がある。上部電極まで形成された有機EL表示パネルをSiN等の無機パッシベーション膜で被覆した構成は、比較的堅牢で、薄く、コストの低い有機EL表示装置を形成できる可能性がある。
しかし、無機パッシベーション膜にはピンホールが存在する。ピンホールの原因は基板上の異物や、気相成長したパーティクル等である。このようなピンホールが存在すると、このピンホールから水分が浸入して有機EL層に達し、有機EL層の劣化を生ずることになる。樹脂層中の拡散は遅いので、実際に不良となるのは、数ヶ月から1年程度かかり、加速試験でも1ケ月以上かかる。
このような不良は製品が市場に流通してから生ずるので、市場事故となって、顧客の信頼を失うことになる。したがって、このような不良は極力抑える必要がある。しかし、ピンホールは極めて小さく、顕微鏡をもってしても発見は困難であり、まして、アクティブマトリクスの回路のパターンや、有機EL層などが形成された素子基板上のパッシベーション膜に生じたピンホールの発見はほとんど不可能である。
「特許文献1」には、このようなパッシベーション膜の欠陥を早期に発見する技術についての記載は無い。「特許文献2」は、有機EL層と上部電極が形成された有機EL表示パネルの上に無機パッシベーション膜、有機平坦化膜、さらに無機パッシベーション膜を形成した構成において、有機平坦化膜に水分あるいは酸素と反応して発色する材料を含有させることによって、外側の無機パッシベーション膜から侵入した水分を早期に発見することが可能である。
「特許文献2」の技術では、上部電極の上にまず、SiN等の無機パッシベーション膜をスパッタリング等によって形成し、その後、水分の浸入を早期に発見するための材料がドープされたエポキシ等の有機材料を印刷法等で形成している。しかし、「特許文献2」の構成においては、有機材料を印刷で形成する必要がある。このような工程においては、上部電極の下に形成されている複数の層からなる有機EL層が破壊されてしまう可能性がある。すなわち、有機EL層は例えば、5層程度存在しているが、5層全部の膜厚であっても、140nm程度であるので、印刷時における圧力で容易に破壊されてしまう。すなわち、製造歩留まりが低下する。
本発明の課題は、このような製造歩留まりの低下をきたさず、外部保護膜のピンホールから侵入してきた水分を早期に発見することが可能な有機EL表示装置構成を実現することである。
本発明は上記課題を解決するものであり、具体的な手段は次のとおりである。
(1)下部電極と上部電極に挟持された有機EL層とTFTを有する画素がマトリクス状に配置された表示領域を有する有機EL表示装置であって、
前記上部電極の上には、有機材料にアルカリ金属またはアルカリ土類金属がドープされたピンホール検出層が蒸着によって形成され、前記ピンホール検出層の上に封止膜が形成されていることを特徴とする有機EL表示装置。
(2)前記ピンホール検出層を構成する前記有機材料は、前記有機EL層に用いられた有機材料が用いられていることを特徴とする(1)に記載の有機EL表示装置。
(3)前記アルカリ金属は、Csであることを特徴とする(1)または(2)に記載の有機EL表示装置。
(4)前記ピンホール検出層に存在するCsの量は、1.5wt%〜60wt%であることを特徴とする(3)に記載の有機EL表示装置。
(5)前記ピンホール検出層の厚さは10nm〜50nmであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の有機EL表示装置。
(6)前記封止膜は、SiN、SiO、SiO、または、SiONの単層膜または、これらの積層膜で形成されていることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の有機EL表示装置。
(7)前記封止膜は、SiN、SiO、SiO、または、SiONのいずれかと、樹脂の積層膜で形成されていることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の有機EL表示装置。
本発明によれば、固体封止タイプの有機EL表示装置において、最表面の無機パッシベーション膜のピンホールを早期に発見することが出来るので、ピンホールの存在する不良品が市場に出荷されることを防止することが出来る。また、ピンホールを早期に発見することによって、CVD等の工程の問題を早期に発見することが出来、歩留まりを向上させることが出来る。
また、本発明は上部電極の上にピンホール検出層を蒸着によって形成するので、上部電極の下に形成された有機層へのダメージを防止することが出来るので、製造歩留まりを向上させることが出来る。
本発明の有機EL表示装置の外観図および断面図である。 本発明の有機EL表示パネルの表示領域の断面図である。 本発明の有機EL表示パネルの有機EL層の断面図である。 本発明の作用を示す断面図である。 従来例の問題点を示す断面図である。
以下、実施例によって本発明の内容を詳細に説明する。
本発明の構成を説明する前に、図5を用いて、従来の固体封止において、封止膜40のピンホール45によって有機EL層200にダークスポット25が発生する様子を示す。図5(A)は有機EL表示装置が完成した時点において、最外層の封止膜40にピンホール45が形成されている状態を示す断面図であり、図5(B)は工場における出荷検査での状態を示し、図5(C)は市場において、長時間動作した後の断面図を示している。
図5(A)において、ガラスで形成された素子基板100の上にTFT回路10が形成されている。TFT回路10はTFT、SD配線(ソース・ドレイン配線)、層間絶縁膜等を含む概念である。TFT回路10の上に有機EL層200の下部電極110が形成され、その上に複数の層からなる有機EL層200が形成され、その上に有機EL層200の上部電極210が形成されている。
封止膜40はSiN等によって1μm程度の厚さに形成される。封止膜40はCVD、スパッタリング、印刷等によって形成されるが、いずれの形成方法であっても、図5(A)に示すようなピンホール45の発生する可能性は避けられない。ピンホール45が存在すると、空気中の水分がこのピンホール45を通して浸入する。上部電極210はIZO(Indium Zinc−Oxide)、Ag等の金属、あるいは、AgMg等の合金による非常に薄い膜によって形成される。したがって、上部電極210には多くのピンホール45が存在し、侵入した水分は容易に上部電極を通過して有機EL層200に達し、有機EL層200の特性を劣化させる。
ところが、封止膜40に存在するピンホール45は小さいので、工場における出荷検査では検出することが出来ない。また、封止膜40のピンホール45を介して侵入した水分による有機EL層200の劣化は長時間をかけて進行するので、図5(B)に示すように、工場における出荷検査の時点では、有機EL層200の劣化は異常が検出できるほど進んでいない。したがって、問題となるピンホール45が存在する製品も良品として出荷される。
このような製品が市場において、長時間経過すると、封止膜40のピンホール45からの水分による有機EL層200の劣化が進行し、図5(C)に示すように、有機EL層200にダークスポット25が生じ、画面欠陥となる。このダークスポット25は、市場において、発生し、しかも大きさが増大するので、製品の品質に重大な問題を生ずる。本発明はこのような問題を対策するものである。
図1は本発明が適用される有機EL表示装置の図面であり、図1(A)は平面図、図1(B)は図1(A)のA−A断面図、図1(C)は図1(A)のB−B断面図である。図1(A)において、ガラスで形成された素子基板100の上に形成された有機EL素子20等を覆って封止膜40が形成されている。素子基板100において封止膜40によって覆われていない部分は端子部であり、端子部にはICドライバ50が配置されている。また、端子部には、外部回路から有機EL表示装置に電源、信号等を供給するためのフレキシブル配線基板60が接続されている。
図1(B)は図1(A)のA−A断面図である。図1(B)において、素子基板100の上にTFT(薄膜トランジスタ)や有機EL層200を含む有機EL素子20が形成されている。有機EL素子20の上には、本発明の特徴である、蒸着によって形成されたピンホール検出層30が形成されている。ピンホール検出層30は、真空蒸着可能な有機膜にCsなどのアルカリ金属または、アルカリ土類金属がドープされたものである。ドープされたCs等の金属が水分を吸収すると変色することを利用して封止膜40のピンホール45を検知する。Csを用いた場合、水分を吸収する前は反射光で見て薄い赤色を呈していた膜が、水分を吸収することによって白色ないし無色透明に近い変色状態となる。
ピンホール検出層30を覆って封止膜40が形成されている。封止膜40は、有機EL素子20における有機EL層200を水分から保護する。封止膜40はSiN等で形成されるが、封止膜40にピンホール45が存在すると先に述べたように、このピンホール45から空気中の水分が浸入し、有機EL層200を侵してダークスポット25を発生させる。図1(C)は図1(A)のB−B断面図であり、構成は図1(B)で述べたのと同様である。
図2はトップエミッション型有機EL表示装置の表示領域の詳細断面図である。図2において、素子基板100の上に半導体層101が形成されている。なお、素子基板100の表面には、ガラスの不純物が半導体層101に侵入することを阻止するための、図示しないSiNで形成された第1下地膜および図示しないSiOで形成された第2下地膜が形成されている。
半導体層101を覆ってゲート絶縁膜102が形成され、ゲート絶縁膜102の上にゲート電極103が形成されている。半導体層101はチャンネル層、ソース部1011、ドレイン部1012で構成されている。図2においては、p型チャネルを有するp型TFTとn型チャネルを有するn型TFTが形成されている。有機EL層200と直接接続しているTFTはp型TFTである。p型TFTにおいては、ソース部1011あるいはドレイン部1012とチャンネル部の間にはLDD(Light Doped Drain)1013と呼ばれる領域が形成され、半導体層内の高電界による絶縁破壊を防止している。
層間絶縁膜104の上にはSD配線105が形成されている。SD配線105を覆って無機パッシベーション膜106が形成され、無機パッシベーション膜106の上には平坦化膜を兼ねた有機パッシベーション膜107が形成されている。図2はトップエミッション型有機EL表示装置なので、有機パッシベーション膜107の上には反射膜108が形成されている。反射膜108は、Alによって形成されている。
反射膜108の上には、有機EL層200の下部電極110がITOによって形成されている。下部電極110は陽極となっている。有機パッシベーション膜107と無機パッシベーション膜106にスルーホールを形成し、このスルーホールを介して下部電極110がp型TFTのソース部1011と接続しており、下部電極110に映像信号が供給される。
有機パッシベーション膜107の上で、下部電極110の一部を覆ってバンク109が形成されている。バンク109は、有機EL層200が段切れを起こさないよう有機EL層200の端部に緩やかな傾斜を持たせるために形成される。バンク109はSiN等の無機膜によって形成される場合もあるし、ポリイミド等の有機膜によって形成される場合もある。バンク109によって囲まれた領域に有機EL層200が形成され、画素になる。
図2において、下部電極110の上に有機EL層200が形成されている。有機EL層200は複数の層から構成されている。有機EL層200の上にIZOによって上部電極210が形成されている。上部電極210は陰極となる。上部電極210は、IZOのほか、AZO、Ag等の金属、あるいは、AgMg等の合金薄膜によって形成されることもある。
図3は有機EL層200の構成例を示す詳細断面図である。図3において、反射電極の上に陽極となる下部電極110がITOによって形成されている。下部電極110の上にホール注入層201が形成されている。ホール注入層201は例えば、銅フタロシアニンによって形成することが出来る。ホール輸送層202は例えば、テトラアリールベンジシン化合物(トリフェニルジアミン:TPD)、芳香族三級アミン、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサジアゾール誘導体、ポリチオフェン誘導体、銅フタロシアニン誘導体等を用いることができる。
発光層203は、電子、ホールの輸送能力を有するホスト材料に、それらの再結合により蛍光もしくはりん光を発するドーパントを添加したもので共蒸着により発光層203として形成できるものであれば特に限定は無く、例えば、ホストとしてはトリス(8−キノリノラト)アルミニウム、ビス(8−キノリノラト)マグネシウム、ビス(ベンゾ{f}−8−キノリノラト)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウムオキシド、トリス(8−キノリノラト)インジウム、トリス(5−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム、8−キノリノラトリチウム、トリス(5−クロロ−8−キノリノラト)ガリウム、ビス(5−クロロ−8−キノリノラト)カルシウム、5,7−ジクロル−8−キノリノラトアルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム、ポリ[亜鉛(II)−ビス(8−ヒドロキシ−5−キノリニル)メタン]のような錯体、アントラセン誘導体、カルバゾール誘導体、等であっても良い。
また、ドーパントとしてはホスト中で電子とホールを捉えて再結合させ発光するものであって、例えば赤ではピラン誘導体、緑ではクマリン誘導体、青ではアントラセン誘導体などの蛍光を発光する物質やもしくはイリジウム錯体、ピリジナート誘導体などりん光を発する物質であっても良い。
電子輸送層204としては電子輸送性を示し、アルカリ金属と共蒸着することにより電荷移動錯体化しやすいものであれば特に限定は無く、例えばトリス(8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(4-メチル-8-キノリノラート)アルミニウム、ビス(2-メチル−8−キノリノラート)−4−フェニルフェノラート−アルミニウム、ビス[2-[2-ヒドロキシフェニル]ベンゾオキサゾラート]亜鉛などの金属錯体や2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン等を用いることができる。
電子注入層205は電子輸送層204に用いた物質に対して電子供与性を示す材料を共蒸着して形成した、例えば、リチウム、セシウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、さらには希土類金属等の金属類、あるいはそれらの酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物等から選択して電子供与性を示す物質として用いてもかまわない。
上部電極210である陰極は、例えば、AgMg合金が用いられる。上部電極210は、合金あるいは金属等で形成する場合は、透過率を維持するためにきわめて薄く形成される。図3における各層の膜厚は、例えば、反射膜108は200nm、下部電極110は77nm、ホール注入層201は50nm、ホール輸送層202は77nm、発光層203は60nm、電子輸送層204は10nm、電子注入層205は0.7nm、上部電極210は5nm〜10nmである。このように、有機EL層200、上部電極210等はきわめて薄く形成されるので、上部電極210の上に機械的な圧力が加わると有機EL層200等が容易に破壊されてしまう。
図2に戻り、上部電極210の上には、ピンホール検出層30と封止膜40が形成される。封止膜40は、CVD、スパッタリング、印刷等によって、例えばSiNが1μm程度コーティングされる。封止膜40はSiNの他、SiO、SiO、SiON等の単層膜またはこれらの積層膜、あるいは、これらの無機膜と樹脂を積層した構成を用いることが出来る。この封止膜40にピンホール45が存在すると、水分が有機EL層200に浸入して有機EL層200を劣化させてダークスポット25を発生させる。したがって、封止膜40にピンホール45が存在する製品は出荷検査において、除去されなければならない。
本発明においては、蒸着で形成したピンホール検出層30が封止膜40と上部電極210の間に形成されている。封止膜40にピンホール45が存在すると、ピンホール45を通過した水分がピンホール検出層中のアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属と反応し、ピンホール検出層30が直ちに変色する。したがって、工場の出荷検査時にピンホール45の有無を検出することが出来、市場不良を防止することが出来る。図2におけるピンホール検出層30には例えば、アルカリ金属であるCsが含有されている。
この様子を図4に示す。図4(A)は有機EL表示装置が完成した時点を示す断面図である。図4(A)において、有機EL層200の陰極の上にはピンホール検出層30が形成され、その上には封止膜40が形成されている。封止膜40にはピンホール45が生じている。そうするとこのピンホール45を通して空気中の水分が浸入する。水分がピンホール検出層30に達すると、図4(B)に示すように、ピンホール検出層30中のCsが水分と反応し、ピンホール検出層30に変色部分35が生ずる。変色する箇所35はピンホール45の大きさよりも大きくなり、目視可能な大きさになる。したがって、封止膜40中のピンホール45の存在を工場の出荷検査において、検出することが出来る。
本発明の特徴は、ピンホール検出層30を蒸着によって形成することである。蒸着で形成することによって、有機EL層200に機械的なダメージを与えることを防止することが出来る。ピンホール検出層30は蒸着が可能な有機材料にCs等のアルカリ金属、あるいは、アルカリ土類金属をドープしたものが用いられる。有機材料は蒸着可能な材料である必要があるが、有機EL層200を形成する材料を用いれば、簡便である。有機EL層200は、図3と関連して説明したように、種々の材料が用いられるが、そのいずれの材料であってもよい。有機材料を主体とするピンホール検出層30の膜厚は、本実施例では、30nmである。ピンホール検出層30の膜厚が薄すぎるとピンホール検出感度が下がるので、10nm以上は必要である。一方、有機材料のコスト、蒸着時間を考慮すると、ピンホール検出層30の厚さは50nm以下が適当である。
ピンホール検出層30にドープされる金属は水分との反応性が高い単体金属の状態でドープされるのが望ましい。本実施例はCsを有機材料中に13wt%ドープしている。検出感度と安定性を考慮すると、ピンホール検出層30中のCsの量は、1.5wt%〜60wt%が適当である。
Csを真空蒸着する場合は、材料にCsCo(炭酸セシウム)などを用い、この蒸気を1000℃程度に加熱したタングステンフィラメントに接触させる。タングステンフィラメントにより、CsCoが還元されてCsになり、このCsが有機物と共蒸着されてピンホール検出層30のドーパントとなる。
このような構成によって、封止膜40のピンホール45を出荷検査時に発見することが出来、市場不良を防止することが出来る。以上の説明は、有機EL表示装置がトップエミッションの場合について説明したが、本構成はボトムエミッションの場合についても適用することが出来る。ボトムエミッションの場合は、上部電極210が反射膜108を兼ねるので、トップエミッションの場合よりも厚く形成されるが、それでも、厚さは30nm程度なので、有機EL層200の機械的な保護としての役割は無い。したがって、上部電極210に機械的な圧力が加わることによって有機EL層200が破壊されるという問題はトップエミッションの場合と同様だからである。
10…TFT回路、 20…有機EL素子、 25…ダークスポット、 30…ピンホール検出層、 35…変色部分、 40…封止膜、 45…封止膜ピンホール、 50…ICドライバ、 60…フレキシブル配線基板、 100…素子基板、 101…半導体層、 102…ゲート絶縁膜、 103…ゲート電極、 104…層間絶縁膜、 105…SD配線、 106…無機パッシベーション膜、 107…有機パッシベーション膜、 108…反射膜、 109…バンク、 110…下部電極、 200…有機EL層、 201…ホール注入層、 202…ホール輸送層、 203…発光層、 204…電子輸送層、 205…電子注入層、 210…上部電極、 1011…ソース部、 1012…ドレイン部、 1013…LDD。

Claims (7)

  1. 下部電極と上部電極に挟持された有機EL層とTFTを有する画素がマトリクス状に配置された表示領域を有する有機EL表示装置であって、
    前記上部電極の上には、有機材料にアルカリ金属またはアルカリ土類金属がドープされたピンホール検出層が蒸着によって形成され、
    前記ピンホール検出層の上に封止膜が形成されていることを特徴とする有機EL表示装置。
  2. 前記ピンホール検出層を構成する前記有機材料は、前記有機EL層に用いられた有機材料が用いられていることを特徴とする請求項1に記載の有機EL表示装置。
  3. 前記アルカリ金属は、Csであることを特徴とする請求項1または2に記載の有機EL表示装置。
  4. 前記ピンホール検出層に存在するCsの量は、1.5wt%〜60wt%であることを特徴とする請求項3に記載の有機EL表示装置。
  5. 前記ピンホール検出層の厚さは10nm〜50nmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機EL表示装置。
  6. 前記封止膜は、SiN、SiO、SiO、または、SiONの単層膜または、これらの積層膜で形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機EL表示装置。
  7. 前記封止膜は、SiN、SiO、SiO、または、SiONのいずれかと、樹脂の積層膜で形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機EL表示装置。
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