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JP2012060003A - 電圧非直線抵抗体素子およびこの製造方法、並びに過電圧保護装置 - Google Patents

電圧非直線抵抗体素子およびこの製造方法、並びに過電圧保護装置 Download PDF

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JP2012060003A
JP2012060003A JP2010203098A JP2010203098A JP2012060003A JP 2012060003 A JP2012060003 A JP 2012060003A JP 2010203098 A JP2010203098 A JP 2010203098A JP 2010203098 A JP2010203098 A JP 2010203098A JP 2012060003 A JP2012060003 A JP 2012060003A
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Tomoaki Kato
智明 加東
Iwao Kawamata
巌 河又
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Abstract

【課題】 もれ電流が小さく、かつ優れた課電寿命特性を備えた電圧非直線抵抗体素子および過電圧保護装置を提供する。
【解決手段】 酸化亜鉛を主成分とし、酸化ビスマス、酸化アンチモン、酸化クロム、ホウ素を含み、前記酸化ビスマスから形成される相にはカリウム及びナトリウムのうち少なくとも1種が存在し、且つ正方晶Bi16CrO27の(123)面のX線回折ピーク強度(A)に対する単斜晶Bi429の(−302)面のX線回折ピーク強度(B)の比(B/A)が0.1以下である焼結体と、前記焼結体を介して設けられた複数の電極と、前記焼結体の側面に設けられた抵抗層とを備えた電圧非直線抵抗体素子とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、避雷器、サージアブゾーバーなどの過電圧保護装置に好適に用いられる電圧非直線抵抗体素子、およびこの製造方法、並びに過電圧保護装置に関するものである。
避雷器、サージアブゾーバーなどに用いられる電圧非直線抵抗体素子は、主成分である酸化亜鉛(ZnO)に電圧非直線性の発現に必須である酸化ビスマスをはじめ、電気特性の改善に有効な添加物を添加した組成物を粉砕、混合、造粒、成形、焼成及び後熱処理の各工程を経た焼結体に電極と側面高抵抗層とを設けることによって構成されている。
電圧非直線抵抗体素子の動作は、サージエネルギーが印加されない待機状態と、サージエネルギーが加わる動作状態に大きく分けられる。現在、電圧非直線抵抗体素子は待機時に常に両端に電圧が印加されるいわゆるギャップレス構造で用いられることが主流であるため、待機時に微小ながら電流(もれ電流)が流れる。電圧非直線抵抗体素子のもれ電流の経時変化が増加傾向の場合、電圧非直線抵抗体素子の発熱量が増加する。発熱量が増加し電圧非直線抵抗体素子周囲との熱的なバランスが失われた場合、電圧非直線抵抗体素子は熱暴走する可能性があるため、待機時に電圧非直線抵抗体素子を流れるもれ電流を極力小さくし、経時に増加させないことが、電圧非直線抵抗体素子を搭載した過電圧保護装置の信頼性の観点から極めて重要である。
もれ電流が減少傾向を示す優れた課電寿命特性を確保するためには、焼成後に500℃程度の温度で電圧非直線抵抗体を後熱処理する手法がある。
電圧非直線抵抗体素子の電気特性は、焼結体の微細構造に大きく左右される。焼結体は大きく分けて酸化亜鉛粒子、亜鉛とアンチモンとを主成分とするスピネル粒子、粒界の3重点近辺に存在する酸化ビスマス相から構成される。電圧非直線性の発現に必須の添加物であるビスマスは、酸化ビスマス相だけでなく、酸化亜鉛粒子間の粒界に微量ながら存在することが知られている。また、その他にも添加物によってはシリコンを主成分とするケイ酸亜鉛粒子も観察される。
上述したような焼結体の微細構造は、添加物の種類、添加量、焼成条件などに大きく依存することが知られており、これまで、電圧非直線抵抗体素子の電気特性を改善するための様々な検討がなされている。
例えば、特許文献1には、酸化亜鉛、酸化アンチモン及び酸化ビスマスを特定の割合で配合した組成物を1000℃以下の温度で焼成することで、平坦率(V2.5kA/V1mA)が1.80未満である電圧非直線性に優れた電圧非直線抵抗体素子を低コストで得る方法が開示されている。また、特許文献2には、酸化亜鉛を主成分とし、酸化ビスマス等を含む電圧非直線抵抗体素子の酸化ビスマス相中に、ナトリウムあるいはカリウム所定の範囲で含ませることで、電圧非直線性と課電寿命特性を向上させることが記載されている。
特開2003−297612号公報 国際公開第2010/055586号
上述のとおり、電圧非直線抵抗体素子において、待機時の課電寿命特性を改善するためには、焼成後に500℃程度の後熱処理が必要である。しかし、この焼成後の後熱処理により課電寿命特性は改善されるものの、もれ電流が大幅に増加するという問題があった。またアルカリ金属の添加により、電圧非直線性と課電寿命特性の向上が図れるが、もれ電流の増加抑制については検討がなされていなかった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、もれ電流が小さく、かつ優れた課電寿命特性を備え、信頼性に優れた電圧非直線抵抗体素子および過電圧保護装置を提供することを目的とする。
本発明に係る電圧非直線抵抗体素子は、酸化亜鉛を主成分とし、酸化ビスマス、酸化アンチモン、酸化クロム、ホウ素を含み、前記酸化ビスマスから形成される相にはカリウム及びナトリウムのうち少なくとも1種が存在し、且つ正方晶Bi16CrO27の(123)面のX線回折ピーク強度(A)に対する単斜晶Bi429の(−302)面のX線回折ピーク強度(B)の比(B/A)が0.1以下である焼結体と、前記焼結体を介して設けられた複数の電極と、前記焼結体の側面に設けられた抵抗層とを備えたものである。
本発明に係る過電圧保護装置は、上記電圧非直線抵抗体素子と、前記電圧非直線抵抗体素子の複数の電極の少なくとも一つを接地へ、他の電極の少なくとも一つを被保護機器に接続する線路を具備するものである。
本発明に係る電圧非直線抵抗体素子の製造方法は、酸化亜鉛粒子と、酸化ビスマス、酸化アンチモンとを混合して混合組成物を作製する工程と、前記混合組成物にカリウム及びナトリウムのうち少なくとも1種を含む金属化合物を0.026モル%以上0.052モル%以下の範囲で添加して組成物を作製する工程と、前記組成物を1000℃以下で焼成して焼結体を作製する工程と、前記焼結体の側面に前記焼結体より電気抵抗の高い抵抗層を形成する工程と、前記焼結体を介して複数の電極を形成する工程とを備えたものである。
本発明によれば、もれ電流が小さく、かつ優れた課電寿命特性を有する電圧非直線抵抗体素子を安定して提供することができる。また、本発明による電圧非直線抵抗体素子を用いることで、信頼性に優れた過電圧保護装置を低コストで実現することができる。
本発明の実施の形態1に係るもれ電流と、Bi429(B)とBi16CrO27(A)との存在比(B/A)との関係を示した説明図である。 本発明の実施の形態1に係るもれ電流とアルカリ金属添加量との関係を示した説明図である。 本発明の実施の形態1に係る焼結体の一部の構造を示す模式図である。 本発明の実施の形態1に係る電圧非直線抵抗体素子を示す模式断面図である。 本発明の実施の形態1に係る過電圧保護装置の構成を示す模式図である。 本発明の実施例1に係る焼結体の一部の電子顕微鏡写真である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
実施の形態1.
これまで、例えば、特開平8−138910号公報に開示されるように、電圧非直線抵抗体素子中のナトリウムやカリウムの量が増大すると、電気特性は悪化するものと認識されており、その混入量を極力少なくすることによって優れた電圧非直線性を達成しようとする試みがなされてきた。しかしながら、本発明者らが、酸化亜鉛を主成分とし、酸化ビスマス、酸化アンチモンを必須成分として含む組成物の配合や焼成温度について種々検討した結果、ナトリウム等のアルカリ金属を組成物に添加すると、電圧非直線抵抗体素子のもれ電流の大きさに差異が生じることが分かった。更に、その現象を詳細に分析した結果、もれ電流が大きいものでは、単斜晶Bi429が正方晶Bi16CrO27に対して或る比率以上存在することがわかった。言い換えればもれ電流が小さいものでは、正方晶Bi16CrO27に対する単斜晶Bi429の存在比率が或る値以下であること、及びその存在比率は、アルカリ金属の添加量を調整することにより制御可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、単斜晶Bi429と正方晶Bi16CrO27との存在比率がもれ電流の大小に影響を及ぼすことを見出した。
さらに、最適な焼結体の微細構造を分析したところ、正方晶Bi16CrO27の(123)面のX線回折ピーク強度(A)に対する単斜晶Bi429の(−302)面のX線回折ピーク強度(B)の比(B/A)が0以上0.1以下の範囲であり、酸化亜鉛粒子と、亜鉛及びアンチモンを主成分とするスピネル粒子と、酸化ビスマス相とから主として構成され、酸化ビスマス相中にカリウム及びナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種のアルカリ金属が存在することも見出した。
図1にもれ電流と、Bi429(B)とBi16CrO27(A)との存在比(B/A)との関係を示す。図1よりB/Aを0.1以下とすると著しくもれ電流を小さくできることがわかる。このときの課電寿命特性を評価すると、B/Aが0.16以下の範囲で良好であることがわかった。
したがって、酸化亜鉛を主成分とし、酸化ビスマス、酸化アンチモン、酸化クロム、ホウ酸を含み、前記酸化ビスマスから形成される相にはカリウム及びナトリウムのうち少なくとも1種が存在し、且つ正方晶Bi16CrO27の(123)面のX線回折ピーク強度(A)に対する単斜晶Bi429の(−302)面のX線回折ピーク強度(B)の比(B/A)が0.1以下である焼結体とすることにより、もれ電流が小さく、かつ優れた課電寿命特性を有する電圧非直線抵抗体素子を得ることができる。
さらに、上記最適な焼結体を得るための製造方法について検討した。酸化亜鉛粒子と、酸化ビスマス、酸化アンチモンとを混合して混合組成物を作製し、混合した組成物にカリウム及びナトリウムのうち少なくとも1種を含む金属化合物を適量添加して組成物を作製し、この組成物を1000℃以下で焼成して焼結体を作成し、焼結体の側面に焼結体より電気抵抗の高い抵抗層を形成し、さらに焼結体を介して電極を形成して電圧非直線抵抗体素子とし、これを評価した。図2にもれ電流とアルカリ金属添加量との関係を示す。図2より、アルカリ金属添加量を0.026モル%以上0.052モル%以下の範囲とすると著しくもれ電流を小さくできることがわかる。このときの課電寿命特性を評価すると、アルカリ金属添加量が0.013モル%以上0.052モル%以下の範囲で良好であることがわかった。
したがって、酸化亜鉛粒子と、酸化ビスマス、酸化アンチモンとを混合して混合組成物を作製する工程と、この混合組成物にカリウム及びナトリウムのうち少なくとも1種を含む金属化合物を0.026モル%以上0.052モル%以下の範囲で添加して組成物を作製する工程と、この組成物を1000℃以下で焼成して焼結体を作製する工程と、焼結体の側面に焼結体より電気抵抗の高い抵抗層を形成する工程と、焼結体を介して複数の電極を形成する工程とを備えた方法によって、電圧非直線抵抗体素子を作製することにより、もれ電流が小さく、かつ優れた課電寿命特性を有する電圧非直線抵抗体素子を得ることができる。もれ電流を安定して抑制するためには、アルカリ金属の添加量を0.027モル%以上とすることがさらに好ましい。
さらに、この方法で作製した焼結体のBi429(B)とBi16CrO27(A)との存在比(B/A)は、ほぼ0.1以下であった。
本発明の実施の形態による電圧非直線抵抗体素子の焼結体は、図3に示すように、酸化亜鉛粒子1と、亜鉛及びアンチモンを主成分とするスピネル粒子2と、酸化ビスマス相3とから主として構成され、酸化亜鉛粒子1の結晶内には双晶境界4が存在している。更に、酸化ビスマス相3には、添加されたカリウム若しくはナトリウム、またはカリウムとナトリウム両方のアルカリ金属が存在することが、微細構造分析により確認された。更に、酸化ビスマス相中に存在するアルカリ金属により単斜晶Bi429の生成が抑制されているため、焼結体中に単斜晶Bi429は存在しないか、又は正方晶Bi16CrO27に比べてかなり少ない量で存在しており、具体的には、X線回折法による分析で、正方晶Bi16CrO27の(123)面のX線回折ピーク強度(A)に対する単斜晶Bi429の(−302)面のX線回折ピーク強度(B)の比(B/A)が0.1以下の範囲となるような量である。
酸化亜鉛(ZnO)は、電圧非直線性の確保、エネルギー耐量の向上及び長寿命化の総合的観点から、組成物中に、90モル%以上98モル%以下の範囲で含まれることが好ましく、95モル%以上98モル%以下の範囲で含まれることが更に好ましい。酸化亜鉛としては、平均粒子径が1μm以下の粉末を用いることが好ましい。
酸化ビスマス(Bi23)は、電圧非直線性及び課電寿命をより向上させるため、組成物中に、0.5モル%以上2モル%以下の範囲で含まれることが好ましく、0.7モル%以上1.5モル%以下の範囲で含まれることが更に好ましい。
酸化アンチモン(Sb23)は、電圧非直線性及び課電寿命をより向上させるため、組成物中に、0.1モル%以上2モル%以下の範囲で含まれることが好ましく、0.2モル%以上0.8モル%以下の範囲で含まれることが更に好ましい。
また、電圧非直線性及び課電寿命をより向上させるため、酸化ビスマス(Bi23)及び酸化アンチモン(Sb23)は、組成物中に、総量で0.5モル%以上2モル%以下の範囲で含まれることが好ましく、1.0モル%以上1.5モル%以下の範囲で含まれることが更に好ましい。
さらに、酸化クロム(Cr23)は、電圧非直線性及び課電寿命をより向上させるため、組成物中に、0.05モル%以上0.5モル%以下の範囲で含ませることが好ましく、0.1モル%以上0.3モル%以下の範囲で含ませることが更に好ましい。
またホウ酸(H3BO3)は、課電寿命をより向上させるため、組成物中に、0.01モル%以上0.5モル%以下の範囲で含ませることが好ましく、0.04モル%以上0.2モル%以下の範囲で含ませることが更に好ましい。またホウ酸以外でも、ホウ素を含む水溶性のものであれば、例えば酸化ホウ素をホウ酸の代わりに用いても良い。
カリウム及びナトリウムから選択される少なくとも1種のアルカリ金属は、焼結体における正方晶Bi16CrO27の(123)面のX線回折ピーク強度(A)に対する単斜晶Bi429の(−302)面のX線回折ピーク強度(B)の比(B/A)が0.1以下の範囲となるように添加すればよいが、もれ電流が小さく課電寿命特性に優れた電圧非直線抵抗体素子を得るために、組成物中に0.026モル%を超え、0.052モル%未満の範囲で添加することが好ましい。このアルカリ金属の添加量が、0.052モル%以上となると、もれ電流は小さいままであるが、課電寿命特性が低下する傾向にある。このアルカリ金属は、平均粒子径が1μm以下のNa2CO3、K2CO3などの粉末状の金属化合物として配合するか、あるいはこれらを溶かした水溶液として配合することができる。
さらに、電圧非直線性及び課電寿命をより向上させるため、上記した成分以外に、酸化ニッケル(NiO)、二酸化マンガン(MnO2)、酸化コバルト(Co34)、硝酸アルミニウム(Al(NO33)、二酸化珪素等を配合してもよい。これらの酸化物は、組成物中に、総量で1モル%以上2モル%以下の範囲とすればよい。また、これらの酸化物としては、平均粒子径が1μm以下の粉末を用いることが好ましい。
さらに、電圧非直線性及び課電寿命をより向上させるため、組成物中に、0.1モル%以上2モル%以下の範囲で酸化ニッケルを配合してもよい。電圧非直線性及び課電寿命をより向上させるため、組成物中に、0.1モル%以上2モル%以下の範囲で二酸化マンガンを配合してもよい。電圧非直線性及び課電寿命をより向上させるため、組成物中に、0.1モル%以上2モル%以下の範囲で酸化コバルトを配合してもよい。電圧非直線性をより向上させるため、組成物中に、0.001モル%以上0.01モル%以下の範囲で硝酸アルミニウムを配合してもよい。
次に、本発明の実施の形態による電圧非直線抵抗体素子の製造方法について具体例を説明する。上記した原料から構成される組成物を調製した後、これに水、分散剤及びポリビニルアルコール等の結合剤(バインダー)を添加し、粉砕・混合を十分に行って均一な組成のスラリーを作製する。このスラリーをスプレードライヤーで乾燥・造粒して造粒物を得る。得られた造粒物を、例えば200kgf/cm2以上500kgf/cm2以下の成形圧で成形して所定形状の成形体を得る。次に、成形体を、大気中又は酸素雰囲気中で、450℃程度に加熱してバインダーを除去し、続いて、1000℃以下で焼成して焼結体を得る。この焼結体に、例えば図4に示す構成を得るために、アルミニウム溶射等により電極7を形成し、ガラスの焼き付けや抵抗値の高い拡散層の導入等により抵抗層6を形成する。
本実施の形態による電圧非直線抵抗体素子の製造方法によれば、優れた電圧非直線性を有する電圧非直線抵抗体素子を低不良率で得られるにも関わらず、焼成温度が1000℃以下と低いため、焼成時の電力消費量を大幅に削減することができる。このように、本実施の形態による電圧非直線抵抗体素子の製造方法は、従来の製造方法に比べて製造時のCO2排出量を大幅に削減することができるので、環境に優しい方法といえる。
更に、本実施の形態によって得られる電圧非直線抵抗体素子を用いて、図5に示す過電圧保護装置を作製できる。ここで、過電圧保護装置は、電圧非直線抵抗体素子10の複数の電極の少なくとも一つを接地へ、他の電極の少なくとも一つを被保護機器8に接続する線路10を具備している。複数の電圧非直線抵抗体素子10を積層して搭載してもよい。このように本発明に係る電圧非直線抵抗体素子を用いることにより、優れた保護性能を有する避雷器、サージアブソーバーなどの過電圧保護装置を安価に提供することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1〜6及び比較例1〜4>
酸化ビスマス(Bi23)粉末 0.9モル%、酸化アンチモン(Sb23)粉末 0.4モル%、酸化ニッケル(NiO)粉末 0.5モル%、二酸化マンガン(MnO2)粉末 0.5モル%、酸化クロム(Cr23)粉末 0.1モル%、酸化コバルト(Co34)粉末 0.4モル%、硝酸アルミニウム(Al(NO33・9H2O) 0.004モル%及びホウ酸(H3BO3) 0.16モル%を配合したものを基本組成とし、これにNa2CO3又はK2CO3を0.026モル%〜0.052モル%の範囲で添加し、表1に示す10種の組成物を用意した。残部は酸化亜鉛(ZnO)である。なお、それぞれの原料には工業用原料又は試薬を用い、粉末原料についてはすべて平均粒子径が1μm以下のものを使用した。
表1に示した組成物それぞれに、純水、分散剤及び結合剤を添加し、粉砕、混合を十分に行って均一な組成を持つスラリーを作製した。
作製したスラリーをスプレードライヤーで造粒し、得られた造粒粉を成形圧500kgf/cm2で成形して、直径40mm、厚さ10mm程度のディスク状の成形体を得た。
成形体を、大気中にて、450℃で5時間加後熱処理した(脱バインダー工程)後、950℃の焼成温度で5時間焼成を行った(焼成工程)。昇温及び降温速度は50℃/時間とした。焼成後の試料は大気中において500℃で5時間後熱処理を実施した(後熱処理工程)。
〔平坦率の評価及び不良率の計算〕
焼結体5の側面に、インパルス電圧印加時の側面閃絡防止用の側面高抵抗層6(樹脂)を塗布し、ディスク両面にはアルミニウム溶射によりアルミニウム電極7を形成して、評価用の試料とした。
平坦率はV2.35kA/V0.46mAにより評価した。V2.35kAは試料に8×20μsのインパルス電圧を印加し、そのピーク値を読み取ってV2.35kAとした。また、V0.46mAは60Hzの交流電圧(正弦波)を用いて測定を行った。交流を印加した場合、試料を流れる電流は抵抗性成分(Ir)と容量性成分(Ic)に分かれるが、抵抗分もれ電流抽出装置を用いてIrを抽出した。具体的にはIrが0.46mAとなる印加電圧を読み取りV0.46mAとした。
実施例1〜6及び比較例1〜4の試料では後熱処理後のもれ電流および課電寿命特性を評価した。もれ電流は室温で課電率70%のIrを測定した。また後熱処理後の試料は120℃、課電率90%の条件下でIrの経時変化を測定し、その増減によって課電寿命特性の合否を判定した。課電寿命の合否判定は、電圧印加時のIrが増加傾向を示さないものを合格とした。これらもれ電流、課電寿命特性の評価結果を表1に示した。
表1に示されるように、実施例1〜6ではもれ電流が小さく、課電寿命特性は良好であった。これに対し、比較例1〜4では、もれ電流が小さいものの課電寿命特性が不良であるか、あるいは課電寿命特性は良好であるがもれ電流が大きいかのいずれかであり、もれ電流が小さくかつ課電寿命特性が良好な電圧非直線抵抗体を得ることが出来なかった。
〔微細構造の解析〕
焼成体を切断した後、メノウ乳ばちで30分程度粉砕し、粉末X線回折法を用いて焼成体に含まれるビスマスの生成物の結晶構造を解析したところ、すべての試料から、α−Bi23、Bi16CrO27の存在が確認され、また一部の試料からはBi429の存在も確認された。更に、もれ電流が比較的大きな試料の解析を進めたところ、これらの試料では、Bi16CrO27の(123)面のX線回折ピークの強度(A)とし、Bi429の(−302)面のX線回折ピークの強度(B)とした時の、B/Aが0.1を超えることが確認された。解析結果を表1に示した。
更に、ナトリウムあるいはカリウムを添加した試料を高性能電子プローブマイクロアナライザ(EPMA:Electron Probe Microanalyzer)を用いて分析したところ、酸化ビスマス相中に添加したナトリウムあるいはカリウムが存在することが確認された。図6に実施例1により得た焼結体の電子顕微鏡写真を示す。酸化亜鉛粒子1、スピネル粒子2、酸化ビスマス相3、双晶境界4が明確に観察され、EPMA像から酸化ビスマス相中のナトリウムあるいはカリウムが確認できた。
これらのことから、ナトリウムあるいはカリウムには、もれ電流増加の要因となると考えられるBi429の生成を直接抑制する効果があることが分かり、また、ナトリウムあるいはカリウムの添加によりBi429の生成量を特定量以下に調整することで、もれ電流を著しく低減できることが明らかとなった。ただし、比較例2及び4の結果から分かるように、ナトリウムあるいはカリウムを0.052mol%を超える量添加すると、もれ電流は小さなままであるが、もれ電流の経時変化が増加傾向を示し、課電寿命が不良となる。このように課電寿命特性が不良となる理由は、添加したナトリウムあるいはカリウムが酸化ビスマス相だけでなく酸化亜鉛粒子にも固溶し始めることに由来するものと考えられる。
また、ナトリウムやカリウムと同様にリチウムの添加実験も実施したが、試料は絶縁物に近い状態となり電気特性の評価ができなかった。すなわち、アルカリ金属であるリチウムは、酸化亜鉛の抵抗を大幅に増大させ、焼結体をほぼ絶縁物に近い状態にすることも確認した。電圧非直線抵抗体素子中に含まれるアルカリ金属は電気特性を悪化させるものと認識されていたが、本実施例のようにアルカリ金属を積極的に添加することにより、もれ電流が小さく優れた課電寿命特性を有する電圧非直線抵抗体素子が得られる効果は、これまでと全く異なる特異な効果であると言える。





































Figure 2012060003
1 酸化亜鉛粒子、2 スピネル粒子、3 酸化ビスマス相、4 双晶境界、5 焼結体、6 抵抗層、7 電極、8 被保護機器、9 線路、10 電圧非直線抵抗体素子

Claims (3)

  1. 酸化亜鉛を主成分とし、酸化ビスマス、酸化アンチモン、酸化クロム、ホウ素を含み、前記酸化ビスマスから形成される相にはカリウム及びナトリウムのうち少なくとも1種が存在し、且つ正方晶Bi16CrO27の(123)面のX線回折ピーク強度(A)に対する単斜晶Bi429の(−302)面のX線回折ピーク強度(B)の比(B/A)が0.1以下である焼結体と、前記焼結体を介して設けられた複数の電極と、前記焼結体の側面に設けられた抵抗層とを備えたことを特徴とする電圧非直線抵抗体素子。
  2. 請求項1に記載の電圧非直線抵抗体素子と、前記電圧非直線抵抗体素子の複数の電極の少なくとも一つを接地へ、他の電極の少なくとも一つを被保護機器に接続する線路を具備することを特徴とする過電圧保護装置。
  3. 酸化亜鉛粒子と、酸化ビスマス、酸化アンチモンとを混合して混合組成物を作製する工程と、
    前記混合組成物にカリウム及びナトリウムのうち少なくとも1種を含む金属化合物を0.026モル%以上0.052モル%以下の範囲で添加して組成物を作製する工程と、
    前記組成物を1000℃以下で焼成して焼結体を作製する工程と、
    前記焼結体の側面に前記焼結体より電気抵抗の高い抵抗層を形成する工程と、
    前記焼結体を介して複数の電極を形成する工程と、
    を備えたことを特徴とする電圧非直線抵抗体素子の製造方法。
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JP (1) JP2012060003A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013251385A (ja) * 2012-05-31 2013-12-12 Toshiba Corp 電流−電圧非直線抵抗体およびその製造方法

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