JP2011219665A - 透明粘着シートおよび画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】異なる粘弾性挙動を有する第1粘着層及び第2粘着層をそれぞれ1層以上有し、且つ、これらの層を積層し一体化してなる構成を備えた粘着シートであって、周波数1Hzの温度分散で測定した動的剪断貯蔵弾性率G’の値が、G’(20℃)が2×104〜5×105Paであり、G’(150℃)が1×104〜1×105Paである粘着シート。
【選択図】なし
Description
そこで、薄型化と視認性の両方を改善する方法として、画像表示パネルと保護パネルとを透明な粘着剤乃至シートを介して直接積層することが提案(下記参照)されている。
このようなアウトガス対策としては、例えば前述の特許文献2のように、低凝集力の粘着剤として形成しておいて、気泡が残留しないようにパネル同士を密着させた後、保護パネル越しに紫外線を照射して架橋させる方法が提案されているが、保護パネルを貼りあわせた後に架橋させる必要があるため、生産性の点で問題があった。また、前述の特許文献3にように、アウトガスバリアー層を設ける方法が提案されているが、厚さや重さが増したり、透明性が低下したりするなどの問題があった。
周波数1Hzの温度分散で測定した動的剪断貯蔵弾性率G’の値が下記範囲内にあるという特徴と、
下記引張試験方法による引張弾性率が0.20MPa以上であり、且つ、引張破断時伸びが400%以上であるという特徴と、を有する透明粘着シートを提案するものである。
・G’(20℃)が2×104〜5×105Pa。
・G’(150℃)が1×104〜1×105Pa。
引張試験方法:試験試料として粘着シートを幅20mm、長さ80mmに切り出し、試験機チャック間距離40mmで試料をチャックにはさんで引張速度300mm/minで引張試験を行う。
被着面に凹凸がある場合に気泡を残留させることなく貼着するためには、一般的には粘着剤乃至シートを柔らかくて濡れ易いものとすればよい。しかし、単純に柔らかいだけでは、カット端面がベタついてしまうばかりか、アウトガスのガス圧に対して対抗できるだけの凝集力を有さないために、ガスが内部に残留して高温状態になると残留ガスが発泡して視認性を低下させることになってしまう。他方、粘着剤乃至シートを硬くしたのでは、被着面に凹凸があると気泡が残留するようになり視認性を低下させることになる。
そこで本発明は、粘着シートを単純に柔らかくしたり硬くしたりするのではなく、異なる粘弾性挙動を有する第1粘着層及び第2粘着層を積層することとし、しかも20℃と150℃という全く異なる温度領域での動的剪断貯蔵弾性率G’の値を規定することにより、両立の難しい特性、すなわち、カット端面がカット後に経時的にベタつくことがない特性と、被着面に凹凸があっても気泡を残留させることなく貼着することができる特性と、さらには、アウトガスに十分に耐えることができて高温環境下でも発泡することがないように貼着できる特性と、を兼ね備えたものとすることができたのである。
さらに、引張弾性率を0.20MPa以上と規定すると共に、引張破断時伸びを400%以上と規定することにより、伸び特性と引張弾性率を両方兼ね備えたものとなり、ハンドリング性を高めることができるばかりか、ヒートショックなどの急激な環境変化に対する耐久性にも優れたものとすることができる。
(a) 第1粘着層のG’(20℃)が2×104〜5×105Paであり、かつG’(150℃)が1×104〜1×105Pa。
(b) 第2粘着層のG’(20℃)が2×105〜5×106Paであり、かつG’(150℃)が5×104〜5×105Pa。
(b) 第2粘着層:周波数1Hzの温度分散で測定した20℃での動的剪断貯蔵弾性率G’(20℃)が2×105〜5×106Paであり、150℃での動的剪断貯蔵弾性率G’(150℃)が5×104〜5×105Pa。
第1粘着層のG’(20℃)が2.0×104Pa未満では、この粘着シートを介して貼り合せた積層体をカットした場合、カット端面でのベタつきが室温でも大きく、例えばトムソン刃でカットした際に刃にくっつくなどカット性に劣り、カット後もベタついて生産機械にくっつくなどハンドリング性も劣ることになる。他方、5×105Paを超えると、柔軟性が低下し、例えば裏面に印刷段差を有する保護パネルを貼り合わせる場合など、この段差部の入隅部内に粘着剤が入り込めなくて気泡が残留する可能性がある。
第1粘着層のG’(150℃)が1×104Pa未満では、高温環境下で粘着層ズレや粘着材ハミダシが起こる可能性がある。
他方、1×105Paを超えると粘性が低下し弾性回復する傾向があり、例えば保護パネル裏面の印刷段差部の入隅部内に空隙を発生する可能性がある。
2×105Pa未満では、アウトガスに十分に耐えることができずに発泡する一方、5×106Paを超えて大きいと、硬くて被着体表面に十分に濡れが進行しないなどの問題が発生する可能性がある。
第2粘着層のG’(150℃)は、5×104〜5×105であればよく、好ましくは1×105〜3×105Paである。
5×104Pa未満ではアウトガスに十分に耐えることができずに発泡することになる一方、5×105Paを超えると十分な密着力が得られないなどの問題が発生する可能性がある。
・第1粘着層のTg(1)が−10℃未満。
・第2粘着層のTg(2)が−10℃以上。
他方、第2粘着層のTg(2)は−10℃以上であるのが好ましく、Tg(2)が−10℃以上10℃未満であれば高接着性が得られてより好ましい。Tg(2)が−10℃未満の場合は、接着力が不足し、被着体がプラスチック等のアウトガスを発生する材料からなる場合には、アウトガスのガス圧に負けて粘着剤内にガスが残留し、高温になると残留ガスが発泡する可能性がある。逆にTg(2)が10℃以上の場合は、硬すぎて被貼着面に対して濡れ難くなり、接着不足になる可能性がある。この場合、加温接着する方法もあるがコストアップ要因となるので好ましくはない。
・第1粘着層の厚さが50μm〜2000μm。
・第2粘着層の厚さが5μm〜50μm。
他方、第2粘着層の厚さは、接着性を確保するため、5μm〜50μmであるのが好ましく、15μm〜30μmであるのがより好ましい。この際、5μm未満では接着不足になる可能性があり、厚さが50μmを超えてもあまり接着性能に影響せずコストアップ要因となるばかりなので好ましくない。
第1粘着層及び第2粘着層はいずれも、粘着性、透明性及び耐候性などの観点から、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(共重合体を含む意で、以下「アクリル酸エステル系(共)重合体」と称する。)をベース樹脂として用い、これに架橋モノマー、必要に応じて架橋開始剤や反応触媒などを配合して、架橋反応させて形成するのが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体を形成するために用いる(メタ)アクリレート、即ち、アルキルアクリレート又はアルキルメタクリレート成分としては、アルキル基がn−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、n−ブチル、イソブチル、メチル、エチル、イソプロピルのうちのいずれか1つであるアルキルアクリレート又はアルキルメタクリレートの1種又はこれらから選ばれた2種以上の混合物であるのが好ましい。
その他の成分として、カルボキシル基、水酸基、グリシジル基等の有機官能基を有するアクリレート又はメタクリレートを共重合させてもよい。具体的には、前記アルキル(メタ)アクリレート成分と有機官能基を有する(メタ)アクリレート成分とを適宜に選択的に組み合わせたモノマー成分を出発原料として加熱重合して(メタ)アクリル酸エステル系共重合体ポリマーを得ることができる。
中でも好ましくは、イソ−オクチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレートの1種又はこれらから選ばれた2種以上の混合物か、或いは、イソ−オクチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等から少なくとも1種類以上と、アクリル酸とを共重合させたものを挙げることができる。
溶融粘度は、粘弾性測定装置、例えばレオロジ社製「レオメータ MR−300T」用いて測定することができる。その際、コーンプレート40mmφ、コーン角2°、温度130℃、歪み(角度)0.7°、周波数0.02Hzで測定した時の粘度η*値を読みとればよい。
また、本用途においては、アクリル酸エステル重合体の質量平均分子量(MW)/数平均分子量(MN)は比較的大きい方が好ましく、5〜10が好ましく、特に6〜9であるのがさらに好ましい。
上記の多官能(メタ)アクリレートの例を挙げると、例えば1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどを挙げることができる。
架橋モノマーの含有量は、所望の保持力が得られるよう他の要因と併せて調整すればよいが、一般的にはベースポリマー100質量部に対し0.01〜40.0質量部、好ましくは0.1〜30.0質量部、中でも0.5〜30.0質量部の割合の範囲内で調整するのがよい。但し、他の要素とのバランスでこの範囲を超えてもよい。
光開始剤としては、開裂型光開始剤及び水素引抜型光開始剤のいずれを使用してもよいが、両者を併用してもよい。
開裂型光開始剤としては、例えばベンゾインブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ヒドロキシアセトフェノンなどを挙げることができる。
他方、水素引抜型光開始剤としては、例えばベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ジベンゾスベロン、2−エチルアントラキノン、イソブチルチオキサンソンなどを挙げルことができる。
但し、前記に挙げた物質に限定するものではない。
光開始剤の添加量は、上記貯蔵せん断弾性率が所定範囲内に入るように調整すればよいが、一般的にはベースポリマー100質量部に対し0.05〜5.0質量部の割合の範囲内で調整するのがよく、水素引抜型と開裂型の各光開始剤を1:1の割合で併用するのが良い。但し、他の要素とのバランスでこの範囲を超えてもよい。
上記成分のほか、必要に応じて、近赤外線吸収特性を有する顔料や染料などの色素、粘着付与剤、酸化防止剤、老化防止剤、吸湿剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、天然物や合成物の樹脂類、ガラス繊維やガラスビーズなどの各種の添加剤を適宜配合することもできる。
本粘着シートは、第1粘着層と第2粘着層とをそれぞれ1層以上備え、かつこれらの層を積層し一体化してなる構成を備えた粘着シートである。よって、本粘着シートが採用し得る積層構成としては、例えば、第1粘着層(以降「第1」と称する)/第2粘着層(以降「第2」と称する)、第1/第2/第1、第2/第1/第2、第1/第2/第1/第2などの積層構成を採用することができる。第1/第2からなる2層構成の場合、第2粘着層側を粘着力が大きい粘着面とし、第1粘着層側を粘着力が比較的低い剥離面として利用することができる。
以上の中でも、第2/第1/第2からなる3層構成などのように、第1粘着層を中間層として備え、当該第1粘着層よりも動的剪断貯蔵弾性率G’の値が高い第2粘着層を表裏層として備えた構成が特に好ましい。
以上のようにして、異なる粘弾性挙動を有する第1粘着層及び第2粘着層をそれぞれ1層以上有し、且つ、これらの層を積層し一体化してなる構成を備えた粘着シートであって、周波数1Hzの温度分散で測定した動的剪断貯蔵弾性率G’の値が下記範囲内であることを特徴とする本透明粘着シートを形成することができる。
・G’(20℃)が2×104〜5×105Pa。
・G’(150℃)が1×104〜1×105Pa。
ここで、本粘着シートの動的剪断貯蔵弾性率G’(20℃)が2.0×104未満であると、カット端面でのベタつきが室温でも大きく、例えばトムソン刃でカットした際に刃にくっつくなどカット性に劣り、カット後もベタついて生産機械にくっつくなどハンドリング性も劣ることになる。5×105Paより大きいと柔軟性や粘着性が低下し、例えば裏面に印刷段差を有する保護パネルを貼り合わせる場合など、段差部分に粘着剤が入り込めなくて気泡が残留する可能性がある。
また、本粘着シートの動的剪断貯蔵弾性率G’(150℃)は1×104〜1×105Paであるのが重要であり、好ましくは2×104〜6×104、特に好ましくは2×104〜5×104である。
ここで、本粘着シートの動的剪断貯蔵弾性率G’(150℃)が1×104未満であると、高温環境下で粘着層ズレや粘着材ハミダシが起こる可能性がある。1×105Paより大きいと粘性が低下し弾性回復する傾向があり、例えば保護パネル裏面の印刷段差部の入隅部内に空隙を発生する可能性がある。
本粘着シートは、引張弾性率が0.20MPa以上であって、かつ引張破断時伸びが400%以上であるのが好ましい。このような粘着シートであれば、伸び特性と引張弾性率を両方兼ね備えているから、ハンドリング性に優れているばかりか、ヒートショックなどの急激な環境変化に対する耐久性にも優れたものとなる。
このような観点から、本粘着シートの引張弾性率は0.60MPa以下であるのがより一層好ましく、特に0.30MPa以上、或いは0.50MPa以下であるのがさらに好ましい。
また、本粘着シートの引張破断時伸びは、柔軟性と段差追従性の観点から、800%以上、或いは1300%以下であるのがより一層好ましく、中でも1000%以下であるのがさらに好ましい。
本粘着シートの第1粘着層及び第2粘着層のいずれも、例えば、ベースポリマーとしてアクリル酸エステル重合体を選択し、架橋剤及び反応開始剤或いは反応触媒等を添加して攪拌混合し、離型フィルム上に目的の厚さになるように製膜し、加熱乾燥或いは紫外線照射して架橋させることで、第1粘着層形成シート又は第2粘着層形成シートを得ることができる。
他方、第2粘着層は、ベースポリマーとしての(メタ)アクリル酸エステル系共重合体と架橋開始剤とを含有する粘着剤組成物を、加熱反応架橋して形成するのが好ましい。
また、どちらか一方のシートを作製しておき、このシートに他方の組成物をコートして透明両面粘粘着シートを作製することもできる。
また、離型フィルム上に、順番に第1粘着層形成用組成物及び第2粘着層形成用組成物を多段コートして透明両面粘粘着シートを作製することもできる。
さらにまた、第1粘着層形成用組成物および第2粘着層形成用組成物を共押出することにより透明両面粘粘着シートを作製することもできる。
よって、例えば第1粘着層は、ベースポリマーのTgが−10℃未満になるように、共重合するモノマー種類や組成比率を調整することにより、第1粘着層のG’(20℃)を本発明の範囲に調製することができる。具体的には、例えばベースポリマーのアクリル酸共重合体を形成する共重合モノマー成分にn−ブチルアクリレートモノマーや2エチルヘキシルアクリレートモノマー等の比較的Tgの低いモノマー比率を多くし、メチルメタアクリレート、アクリル酸や酢酸ビニル等の比較的Tgの高いモノマー比率を少なくしてランダム共重合することで、好ましい第1粘着層のベースポリマーを調製することができ、その結果としてTgが−10℃未満の特定温度における特定範囲の貯蔵弾性率を有する第1粘着層を作製することが可能である。
逆に、第2粘着層は、ベースポリマーのTgが−10℃以上になるように、共重合するモノマー種類や組成比率を調整することにより、第2粘着層のG’(20℃)を本発明の範囲に調製することができる。具体的には、ベースポリマーのアクリル酸共重合体を形成する共重合モノマー成分にn−ブチルアクリレートモノマーや2エチルヘキシルアクリレートモノマー等の比較的Tgの低いモノマー比率を少なくし、メチルメタアクリレート、アクリル酸や酢酸ビニル等の比較的Tgの高いモノマー比率を多くしてランダム共重合することで、好ましい第2粘着層のベースポリマーを調製することができ、その結果としてTgが−10℃以上の特定温度における特定範囲の貯蔵弾性率を有する第2粘着層を作製することが可能である。
よって、G’(150℃)の範囲からすると、第1粘着層は、厚さが必要なためベースポリマーを無溶剤で溶融成形するために必要な分子量(Mw:2〜6×105)のものを使用し、且つベタツキを抑制するため架橋剤および光開始剤の量を多くして調製するのが好ましい。
また、第2粘着層は、強接着性を付与するため、架橋剤量を少なくして架橋点間分子量を大きくして柔軟かつ高凝集力の粘弾性挙動を得ることが好ましい。
本粘着シートは、例えば、表裏に離型フィルムを設けた透明粘着シートとして提供することができる。
この際、離型フィルムは、ポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系のキャストフィルムや延伸フィルムにシリコーン離型処理したものや、離型紙から選択でき、特に剥離力の異なる離型フィルムや厚さの異なる離型フィルムを粘着シートの表裏に用いるのが好ましい。
本粘着シート製造時に保護パネルに直接積層することで、保護パネルと粘着シートとの界面を強固に密着させて耐久性を向上させることができ、この際、離型フィルム側に本粘着シートを先に積層させた後、直ちに保護パネル裏面に密着させて養生させればよい。
この際の養生条件は、特に限定するものではないが、例えば室温で7日間静置したり、40℃で3日間静置したりすればよい。
本粘着シートは、被着体がアウトガスを発生する材料からなるものであっても、高温で発泡することなく貼着することができるから、被着体である保護パネルは、アウトガスを発生し得るプラスチック、すなわちアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ナイロン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂等であれば、本発明の効果をより享受できる。
粘着付き保護パネルを用いると、画像表示装置の製造工程を削減でき、より生産性が向上できる。
また、上記透明粘着シート又は上記粘着付き保護パネルは、カット後に経時的にベタつかないから、画像表示パネルに合わせて予めカットしておくのが好ましい。
この際のカット方法は、トムソン刃による打ち抜き、スーパーカッターやレーザーでのカットが一般的であり、離型フィルムを剥がし易いように表裏どちらか一方の離型フィルムを額縁状に残してハーフカットするのがより好ましい。
なお、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、その厚さが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいい、一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいう(日本工業規格JISK6900)。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
また、画像表示パネル、保護パネル等のように「パネル」と表現する場合、板体、シートおよびフィルムを包含するものである。
また、本発明において「主成分」と表現した場合には、特に記載しない限り、当該主成分の機能を妨げない範囲で他の成分を含有することを許容する意を包含するものである。この際、特に当該主成分の含有割合を特定するものではないが、その成分(2成分以上が主成分である場合には、これらの合計量)が組成物中で50質量%以上、特に70質量%以上、中でも90質量%以上(100%含む)を占めるのが一般的である。
また、「X以上」(Xは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
なお、以下において「部」とは「質量部」を意味するものとする。
動的粘弾性挙動は、レオメトリックス社製の粘弾性測定装置「ダイナミックアナライザーRDAII」を用いて剪断法で以下の条件で測定した。
・治具:Φ25mmパラレルプレート
・歪み:0.5%
・周波数:1Hz
・温度:−70〜200℃(−70℃から昇温速度3℃/minで測定)
・試料厚さ:250μm
ウシオ電機製紫外線積算光量計「UIT−150」に受光器「UVD-S365」を取付けて波長365nmの積算光量を測定した。
実施例・比較例で得た粘着シートを、トムソン打ち抜き機を用いて1分間に30ショットの速度でカットした際に、該粘着シートがトムソン刃に付着せずに打ち抜けるか否かを観察した。
○:付着しなかったもの。
×:付着したもの。
53×83mmのソーダライムガラスの周縁部に、幅3mm、厚み20μmの印刷を施し、周縁部に20μmの印刷段差をもつ評価用ガラス基板を作製した。実施例・比較例で得た粘着シートを、ガラス基板の印刷段差部を覆うようにハンドローラにて貼着した。そして、ソーダライムガラスを減圧下(−0.1MPa)にてプレス貼合した後、オートクレーブ処理(60℃0.3MPa)を施して仕上貼着し、積層体を作製した。
前記積層体を、常態(温度23℃湿度50%)で一日静置した後、温度80℃湿度85%の恒温恒湿機にて3日間保管した。保管後の外観を目視観察した。そして、印刷段差付近の発泡、剥離、粘着材のはみ出しを観察した。
○:発泡、剥離、はみ出しのなかったもの。
×:発泡、剥離、はみ出しのあったもの。
実施例・比較例で得た粘着シートを、幅20mm、長さ80mmに切り出し、これを図2(A)に示すような型紙(60mm×80mm、中央部は窓部)に貼り付け、引張試験機(インテスコ社製「205型試験機」)に型紙上下をチャックした後、図2(B)に示すように、型紙の両横に斜めに切り込みを入れて型紙の上下を分断し、チャック間距離40mm、引張速度300mm/minで引張試験を行った。そして、引張弾性率(MPa)を算出すると共に、引張破断時伸び(%)を算出した。
実施例・比較例で得た粘着シートを、厚さ0.9mmのフロートガラスの間に挟んで試験試料とし、ヒートショック試験(−20℃×30分⇔80℃×30分、100回)を行い、外観を目視で比較確認し、次の基準で評価した。
○:発泡、剥離、はみ出しのなかったもの。
×:発泡、剥離、はみ出しがあったもの。
(第1粘着層付シートの作製)
予め重合されたアクリル酸エステル共重合体A:100質量部に対して、光開始剤(商品名エザキュアTZT:日本シーベルヘグナー社製):2.0質量部および架橋剤(4官能アクリレート(商品名NKエステルATM−4PL:新中村化学社製):20質量部を溶融攪拌して均一に混合して粘着剤組成物を調製した。
この粘着剤組成物を、厚さ50μmのシリコーン離型PETフィルム(商品名MRF50:三菱化学ポリエステル社製)の離型面にホットメルトコーターを用いて塗布した後、シリコーン離型PETフィルム(商品名MRF50:三菱化学ポリエステル社製)を重ねて、2枚のシリコーン離型PETフィルムの間に粘着剤組成物を挟み込んで厚さ200μmのシート状に成形した後、PETフィルム越しに高圧水銀ランプの紫外線を表裏両側からそれぞれ1000mJ/cm2照射(波長365mm換算)して前記粘着剤組成物を紫外線架橋させて、第1粘着層付シートを作製した。
前記アクリル酸エステル共重合体AをGPCで測定した分子量および分子量分布は、質量平均分子量(MW):2.7×105、質量平均分子量(MW)/数平均分子量(MN):6.3であった。
市販溶剤タイプのアクリル系粘着剤(ベース樹脂:アクリル酸エステル共重合体、商品名SKダイン1882:綜研化学社製)1000質量部に対して、イソシアネート系硬化剤(商品名L−45:綜研化学社製)1.85質量部およびエポキシ系硬化剤(商品名E−5XM:綜研化学社製)0.5質量部を均一混合して粘着剤溶液を調製した。
この粘着剤溶液を、厚さ50μmのシリコーン離型PETフィルム(商品名MRF50:三菱化学ポリエステル社製)の離型面に、厚さ25μmとなるようにホットメルトコーターを用いて塗布し、溶剤を乾燥(加熱温度80℃、乾燥時間5分)させるようにして加熱反応架橋させ、厚さ25μmの粘着層を備えた第2粘着層付シートを2枚作製した。
第1粘着層付シートの表裏両側の離型PETを剥がし、第1粘着層の両側面に、溶剤を乾燥させた直後の第2粘着層付シートの粘着層をそれぞれ密着一体化して、室温(23℃)で7日間放置熟成し、厚さ250μmの2種3層(第2/第1/第2)の粘着層を備えた粘着シートを得た。
実施例1のアクリル酸エステル共重合体Aの代わりに、アクリル酸エステル共重合体Bを用いた以外は、実施例1同様にして粘着シートを得た。
前記アクリル酸エステル共重合体BをGPCで測定した分子量および分子量分布は、質量平均分子量(MW):5×105、質量平均分子量(MW)/数平均分子量(MN):9.0であった。
実施例1のアクリル酸エステル共重合体Aの代わりに、アクリル酸エステル共重合体Cを用いた以外は、実施例1同様にして粘着シートを得た。
前記アクリル酸エステル共重合体CをGPCで測定した分子量および分子量分布は、質量平均分子量(MW):4×105、質量平均分子量(MW)/数平均分子量(MN):8.0であった。
(第1粘着層付シートの作製)
実施例3で調製した第1粘着層用の粘着剤組成物を、実施例3と同様に2枚のシリコーン離型PETフィルムの間に挟み込んで粘着層の厚さ135μmに成形した後、PETフィルム越しに高圧水銀ランプの紫外線を表裏両側からそれぞれ1000mJ/cm2照射(波長365mm換算)して紫外線架橋させて、第1粘着層付シートを作製した。
市販溶剤タイプのアクリル系粘着剤(ベース樹脂:アクリル酸エステル共重合体、商品名SKダイン1882:綜研化学社製)1000質量部に対して、イソシアネート系硬化剤(商品名L−45:綜研化学社製)1.85質量部およびエポキシ系硬化剤(商品名E−5XM:綜研化学社製)0.5質量部を均一混合して粘着剤溶液を調製した。
この粘着剤溶液を、厚さ50μmのシリコーン離型PETフィルム(商品名MRF50:三菱化学ポリエステル社製)の離型面に、厚さ20μmとなるようにホットメルトコーターを用いて塗布し、溶剤を乾燥(加熱温度80℃、乾燥時間5分)させるようにして加熱反応架橋させて、厚さ20μmの粘着層を備えた第2粘着層付シートを2枚作製した。
第1粘着層付シートの表裏両側の離型PETを剥がし、第1粘着層の両側面に、溶剤を乾燥させた直後の第2粘着層付シートの粘着層をそれぞれ密着一体化して、室温(23℃)で7日間放置熟成し、厚さ175μmの2種3層(第2/第1/第2)の粘着層を備えた粘着シートを得た。
実施例4において、第1粘着層の厚さを110μmとして粘着シート全体の厚さを150μmとした以外は、実施例4と同様に粘着シートを得た。
実施例4において、第1粘着層の厚さを210μmとして粘着シート全体の厚さを250μmとした以外は、実施例4と同様に粘着シートを得た。
特開2002−348150の実施例1に準じて、次のようにして粘着シートを作製した。
アクリル酸エステル共重合体100質量部に対し、有機官能基含有(メタ)アクリレートモノマーとして2−イソシアナートエチルメタクリレート:2.0質量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン:2.0質量部、金属化合物としてアセチルアセトン亜鉛塩:2.0質量部を溶融攪拌した後、離型フィルム間に厚み250μmのシート状に成形して紫外線未照射の単層粘着シートを得た。
WO2006/112311の実施例1に準じて、次のようにして粘着シートを作製した。
無機酸化物層を形成したシートとして、厚さ25μmの2軸延伸ポリエステルシートの片面に、アルミナを蒸着したシート(麗光社製商品名:ファインバリヤーAT)。
一面側に形成する層の接着剤として、以下の紫外線で架橋した接着剤を用いた。
n−ブチルアクリレート:78.4質量部、2−エチルヘキシルアクリレート:19.6質量部、アクリル酸:2.0質量部からなるアクリルモノマーを、酢酸エチル溶剤中で重合開始剤(ナカライテスク社製1級試薬)を用いてランダム共重合させてポリマー溶液を調製し、この溶液から酢酸エチルを脱溶剤して固形のアクリル酸エステル重合体ポリマーを得た。
このポリマーは、GPCで測定した分子量および分子量分布は質量平均分子量(MW):2.27×106、質量平均分子量(MW)/数平均分子量(MN):3.6であった。
アクリル系接着剤(商品名SKダイン1882:綜研化学社製)1000質量部に対して、イソシアネート系硬化剤(商品名L−45:綜研化学社製)1.85質量部およびエポキシ系硬化剤(商品名E−5XM:綜研化学社製)0.5質量部を均一混合して粘着剤溶液を調製した。この粘着剤溶液を、厚さ38μmのシリコーン離型PETフィルム(商品名MRF50:三菱化学ポリエステル社製)の離型面に、厚さ25μmとなるようにホットメルトコーターを用いて塗布し、無機酸化物膜層を形成したシートのアルミナを蒸着した面側に密着積層させ、室温(23℃)で7日間放置熟成し、十分に架橋した。
特開2001−234129の実施例1に準じて、次のように粘着シートを作製した。
アクリル酸エステル共重合体を金属化合物で架橋させて、第1の感圧接着層として厚さ200μmの感圧接着シートを形成した。
より詳細には、アクリル酸エステル共重合体100質量部に対し、金属化合物としてアセチルアセトン亜鉛塩:0.5質量部及びアセチルアセトンアルミ塩:0.7質量部を溶融攪拌した後、離型フィルム間に所定厚みでシート状に成形して得た。
また、前記未架橋のアクリル酸エステル共重合体を酢酸エチルで固形分40質量%に調整した溶液:100質量部に対し、架橋剤としてトリレンジイソシアネート(TDI)を酢酸エチルで25質量%に調整した溶液:9.0質量部を混合攪拌して、離型フィルム上に塗工して、溶剤を乾燥後、厚さ25μmの第2の感圧接着層を得た。
前記第1の感圧接着シートを第2の感圧接着層で挟むように重ね合わせて、表裏両面に離型フィルムを備えた厚さ250μmの粘着シートを得た。
表1から明らかなように、実施例1−6の粘着シートを用いると、カット性が良く、打ち抜き機での加工性に優れていることが分かった。また、加工後の粘着シートで貼合したサンプルの加熱テストでも、発泡、剥離、はみ出し等がなく、実際の使用上に優れることが分かった。これに対して、比較例1−3の粘着シートでは、ベタつきで打ち抜き加工性を満足することができないか、或いは、加熱耐久性を満足することができないか、いずれかが劣ることが分かった。
Claims (9)
- 各層ともに、ベースポリマーとしての(メタ)アクリル酸エステル系共重合体と架橋開始剤とを含有する粘着剤組成物を架橋してなり、且つ、異なる粘弾性挙動を有する第1粘着層及び第2粘着層を積層し一体化してなる構成を備えた粘着シートであって、
周波数1Hzの温度分散で測定した動的剪断貯蔵弾性率G’の値が下記範囲内にあるという特徴と、
下記引張試験方法による引張弾性率が0.20MPa以上であり、且つ、引張破断時伸びが400%以上であるという特徴とを有する透明粘着シート。
・G’(20℃)が2×104〜5×105Pa。
・G’(150℃)が1×104〜1×105Pa。
引張試験方法:試験試料としての粘着シートを幅20mm、長さ80mmに切り出し、試験機チャック間距離40mmで該試料をチャックにはさんで引張速度300mm/minで引張試験を行う。 - 第1粘着層及び第2粘着層それぞれについて周波数1Hzの温度分散で測定した動的剪断貯蔵弾性率G’の値が下記(a)、(b)の範囲内であるという特徴を有する請求項1に記載の透明粘着シート。
(a) 第1粘着層のG’(20℃)が2×104〜5×105Paであり、かつG’(150℃)が1×104〜1×105Pa。
(b) 第2粘着層のG’(20℃)が2×105〜5×106Paであり、かつG’(150℃)が5×104〜5×105Pa。 - 第1粘着層を中間層として備え、20℃及び150℃における動的剪断貯蔵弾性率G’の値が該第1粘着層よりも高い第2粘着層を表裏層として備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明粘着シート。
- 第1粘着層及び第2粘着層それぞれについて周波数1Hzの温度分散で測定した動的Tanδ極大値を示す温度(;Tg)が下記範囲内であることを特徴する請求項1〜3の何れかに記載の透明粘着シート。
・第1粘着層のTg(1)が−10℃未満。
・第2粘着層のTg(2)が−10℃以上。 - 第1粘着層は、ベースポリマーとしての(メタ)アクリル酸エステル系共重合体と架橋剤と光重合開始剤とを含有する粘着剤組成物をUV架橋して形成されたものである一方、
第2粘着層は、ベースポリマーとしての(メタ)アクリル酸エステル系共重合体と架橋開始剤とを含有する粘着剤組成物を加熱反応架橋して形成されたものであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の透明粘着シート。 - 第1粘着層および第2粘着層それぞれの厚さが下記範囲内であるという特徴を有する請求項1〜5の何れかに記載の透明粘着シート。
・第1粘着層の厚さが50μm〜2000μm。
・第2粘着層の厚さが5μm〜50μm。 - 請求項1〜6の何れかに記載の透明粘着シートの表裏に離型フィルムを積層してなる構成を備えた透明粘着シート。
- 請求項1〜6の何れかに記載の透明粘着シートを、保護パネルの裏面に積層してなる構成を備えた粘着付き保護パネル体。
- 請求項7記載の透明粘着シート又は請求項8記載の粘着付き保護パネル体を用いて保護パネルと画像表示パネルを直接貼り合わせてなる構成を備えた画像表示装置。
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