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JP2011208082A - インクセット及び画像形成方法 - Google Patents

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JP2011208082A JP2010079408A JP2010079408A JP2011208082A JP 2011208082 A JP2011208082 A JP 2011208082A JP 2010079408 A JP2010079408 A JP 2010079408A JP 2010079408 A JP2010079408 A JP 2010079408A JP 2011208082 A JP2011208082 A JP 2011208082A
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Abstract

【課題】従来のインクセットによる場合に比べ、インクジェット法で吐出する際の吐出性を安定に保てると共に、画像中の白抜けの発生が抑えられ、耐擦過性に優れたインクセットを提供する。
【解決手段】少なくとも、顔料、下記一般式(1)で表される構造単位とイオン性基を有する構造単位とを含み、前記顔料の表面の少なくとも一部を覆う樹脂、及び水を含有するインク組成物と、前記樹脂により少なくとも一部が覆われた顔料に対して反応性を有するカチオン性ポリマーを含有する処理液とを有している〔一般式(1)中、R:H、メチル基、ハロゲン原子、L−COO−、−OCO−、−CONR−、−O−、置換もしくは無置換のフェニレン基(R:H、炭素数1〜10のアルキル基、「*」:主鎖に連結する結合手)、L:単結合又は炭素数1〜30の2価の連結基〕。

【選択図】なし

Description

本発明は、画像の形成に好適なインクセット及び画像形成方法に関する。
近年、顔料のような水に不溶性の固体を分散させた水系の着色分散物は、インクジェット記録用のインクなどの用途に多く利用されている。
カラー画像を記録する画像記録方法としては、近年、様々な方法が提案されているが、いずれの方法においても、画像の精細さ、風合い、あるいは水や擦りなどに対する耐性など、記録物の品位に対する要求は高い。
例えばインクジェット技術は、オフィスプリンタ、ホームプリンタ等の分野に広く適用されているほか、近年では、商業印刷分野での応用がなされつつある。そのため、記録物の品位に対する要求は、さらに高まる傾向にある。特に、記録物として求められる画像の安定性、具体的には擦過耐性や画像形成に求められるインクの吐出安定性については、更なる性能向上が求められている。
上記に関連して、樹脂被覆された顔料を含有する記録液と、該樹脂被覆された顔料と反応性を有するカチオン性化合物を含有する処理液とを組み合わせたインクセットが開示されており(例えば、特許文献1参照)、耐擦性に優れた印刷物が得られるとされている。
また、水溶性有機酸を含有する前処理液が塗布された被記録材に、スチレンを構造単位に含むビニル系ポリマー等のポリマーに顔料を含ませたポリマーエマルジョンを使用したインクジェット記録インクを吐出し、画像を形成する画像形成方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−266916号公報 特開2009−166387号公報
しかしながら、上記従来のインクでは、顔料を被覆する樹脂成分の疎水性成分としてスチレン系の構造単位を有するものが用いられてある程度の耐擦効果が期待されるものの、近年求められている画像品質、特に外力を受けた際の擦過耐性としては、必ずしも充分とはいえない。
また、耐擦性向上のためにインク中の樹脂成分の含有比率が大きくなると、付着したインクがインクに再溶解し難くなる等の要因により、インクが吐出ヘッドに固着しやすくなる等の不具体を来たす。その結果、インクの吐出を安定に保てず、ひいてはインクの着弾位置精度が低下するといった問題を招来する。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、従来のインクセットによる場合に比べ、インクジェット法で吐出する際の吐出性を安定に保てると共に、画像中の白抜け故障の発生が抑えられ、画像の耐擦過性に優れるインクセット、及びインクの着弾位置精度がよく、白抜け故障の発生を抑えて耐擦過性に優れた画像を形成することができる画像形成方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 少なくとも、顔料、下記一般式(1)で表される構造単位とイオン性基を有する構造単位とを含み、前記顔料の表面の少なくとも一部を覆う樹脂、及び水を含有するインク組成物と、前記樹脂により少なくとも一部が覆われた顔料に対して反応性を有するカチオン性ポリマーを含有する処理液と、を有するインクセットである。
前記一般式(1)において、Rは、水素原子、メチル基、又はハロゲン原子を表す。Lは、−COO−、−OCO−、−CONR−、−O−、又は置換もしくは無置換のフェニレン基を表し、Rは水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。前記L中の「*」は主鎖に連結する結合手を表す。Lは、単結合又は炭素数1〜30の2価の連結基を表す。
<2> 前記樹脂の酸価が、30mgKOH/g以上95mgKOH/g以下の範囲である前記<1>に記載のインクセットである。
<3> 前記一般式(1)で表される構造単位が、ベンジル(メタ)アクリレート又はフェノキシエチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位の少なくとも一方である前記<1>又は前記<2>に記載のインクセットである。
<4> 前記樹脂のインク組成物中における含有量が、顔料固形分濃度に対して、0.01質量%以上10質量%以下である前記<1>〜前記<3>のいずれか1つに記載のインクセットである。
<5> 前記カチオン性ポリマーの処理液中における含有量が、処理液の全質量に対して、0.01質量%以上30質量%以下である前記<1>〜前記<4>のいずれか1つに記載のインクセットである。
<6> 前記カチオン性ポリマーの少なくとも一種は、グアニジンポリマー又はエピハロヒドリンポリマーである前記<1>〜前記<5>のいずれか1つに記載のインクセットである。
<7> 前記樹脂は転相乳化法により形成され、前記インク組成物が質量基準で10ppm〜100ppmのメチルエチルケトンを含む前記<1>〜前記<6>のいずれか1つに記載のインクセットである。
<8> 前記<1>〜前記<7>のいずれか1つに記載のインクセットが用いられ、
前記インクセットにおけるインク組成物を記録媒体上にインクジェット法で付与するインク付与工程と、前記インクセットにおける処理液を記録媒体上に付与する処理液付与工程と、を有する画像形成方法である。
<9> 前記処理液付与工程で処理液を付与した後に前記インク付与工程を設け、処理液が付与された記録媒体にインク組成物を付与することにより処理液にインク組成物を接触させて画像を形成する前記<8>に記載の画像形成方法である。
<10> 更に、前記インク付与工程で形成された画像を、少なくとも加熱により定着する定着工程を有する前記<8>又は前記<9>に記載の画像形成方法である。
本発明によれば、従来のインクセットによる場合に比べ、インクジェット法で吐出する際の吐出性を安定に保てると共に、画像中の白抜け故障の発生が抑えられ、画像の耐擦過性に優れるインクセットを提供することができる。また、
本発明によれば、インクの着弾位置精度がよく、白抜け故障の発生を抑えて耐擦過性に優れた画像を形成することができる画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明のインクセット及び画像形成方法について詳細に説明する。
<インクセット>
本発明のインクセットは、少なくとも、顔料、以下に示す一般式(1)で表される構造単位とイオン性基を有する構造単位とを含み、前記顔料の表面の少なくとも一部を覆う樹脂、及び水を含有するインク組成物と、樹脂により少なくとも一部が覆われた顔料に対して反応性を有するカチオン性ポリマーを含有する処理液と、を設けて構成されたものである。
本発明においては、着色画像をなすインク組成物と該インク組成物に作用する処理液とを用いた2液で構成したうえで、インク組成物において顔料を被覆する樹脂成分に芳香環がポリマー主鎖に直接結合されていない特定構造を持たせるとともに、処理液においてこの樹脂成分で被覆された顔料に接触させる成分にカチオン性化合物を用いることで、従来のインクセットに比べて、顔料を覆う樹脂成分が構造的に顔料に吸着しやすく、処理液が接触したときにはインク組成物中の成分の凝集性が良好になるために、画像の耐擦過性が飛躍的に向上し、また吐出不良が改善し、それに伴なってインクの着弾位置精度が向上し、画像中の白抜け故障(特に、保存後のインクを用いた場合の画像の白抜け)の発生を効果的に防止することができる。
これにより、長期に亘り安定して高解像度で耐擦過性に優れた高画質な画像を提供することができる。
−インク組成物−
本発明におけるインク組成物は、少なくとも、顔料、以下に示す一般式(1)で表される構造単位とイオン性基を有する構造単位とを含み、前記顔料の表面の少なくとも一部を覆う樹脂、及び水を含有する。該インク組成物は、必要に応じて、更に水溶性有機溶剤や界面活性剤などの他の成分を用いて構成することができる。
(顔料)
本発明におけるインク組成物は、顔料の少なくとも一種を含有する。顔料は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。顔料は、有機顔料、無機顔料のいずれであってもよい。
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、などが挙げられる。前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、などが挙げられる。前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などが挙げられる。
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが特に好ましい。なお、前記カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
顔料は、単独種で使用してもよく、また複数種を組み合わせて使用してもよい。
顔料のインク組成物中における含有量は、インク着色性、保存安定性等の観点から、インク組成物の全固形分に対して、0.1〜20質量%が好ましく、0.2〜15質量%がより好ましく、0.5〜10質量%が特に好ましい。
(樹脂)
本発明におけるインク組成物は、一般式(1)で表される構造単位とイオン性基を有する構造単位とを含み、前記顔料の表面の少なくとも一部を覆う樹脂の少なくとも一種(以下、「本発明における樹脂」ということがある。)を含有する。本発明のインクセットでは、処理液中に含有されるカチオン性ポリマーとともにインク組成物において特に一般式(1)で表される構造単位及びイオン性基を有する構造単位を含む樹脂を用いることで、画像形成時の凝集性が高まり、その結果として画像の耐擦過性が飛躍的に向上する。加えて、吐出不良が改善されることにより、インク滴の着弾位置精度が高くなり、吐出不良に伴なう白抜け故障の発生が防止される。
この樹脂は、顔料の表面の一部又は全部を被覆するものであり、具体的には顔料の分散剤として用いられることが好ましい。
〜一般式(1)で表される構造単位〜
前記一般式(1)において、Rは、水素原子、メチル基、又はハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)を表す。Lは、−COO−、−OCO−、−CONR−、−O−、又は置換もしくは無置換のフェニレン基を表し、Rは水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。前記L中の「*」は主鎖に連結する結合手を表す。Lは、単結合又は炭素数1〜30の2価の連結基を表す。
前記一般式(1)で表される構造単位(繰り返し単位)は、疎水性の構造単位である。
詳しくは、疎水性官能基であるフェニル基(ベンゼン環)が、「−L−L−」で表される連結基を介して主鎖に結合した構造となっている。この構造により、樹脂中において、疎水性官能基であるフェニル基と後述するイオン性基との距離が適切に維持されている。このため、樹脂と顔料との相互作用が生じやすくなり、両者が強固に吸着し、結果として顔料の分散性が向上する。
一般式(1)中、前記Rとしては、水素原子又はメチル基が好ましい。
前記Lにおいて、置換フェニレン基における置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、水酸基等、シアノ基等が挙げられるが、特に限定されるものではない。前記Lとしては、−COO−が好ましい。
前記Lで表される2価の連結基は、飽和でも不飽和でもよく、また直鎖構造であっても、分岐構造又は環構造を有する構造であってもよい。また、O、N、及びSより選ばれるヘテロ原子を含有する構造であってもよい。
前記Lとして、好ましくは炭素数1〜25の2価の連結基であり、より好ましくは炭素数1〜20の2価の連結基であり、さらに好ましくは炭素数1〜15の2価の連結基であり、特に好ましくは炭素数1〜12の2価の連結基である。具体的には、前記Lで表される2価の連結基としては、炭素数1〜25のアルキレン基又はオキシアルキレン基であり、より好ましくは炭素数1〜20のアルキレン基又はオキシアルキレン基であり、さらに好ましくは炭素数1〜15のアルキレン基又はオキシアルキレン基であり、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキレン基又はオキシアルキレン基である。ここで、オキシアルキレン基の向きとしては、該オキシアルキレン基に含まれる酸素原子が一般式(1)中のフェニル基に結合する向きが好ましい。
前記一般式(1)の中でも、Rが水素原子又はメチル基であり、L−COO−であり、Lが炭素数1〜15の2価の連結基である構造単位が好ましく、より好ましくは、Rが水素原子又はメチル基であり、L−COO−であり、Lが炭素数1〜12のアルキレン基又はオキシアルキレン基である構造単位である。
前記一般式(1)で表される構造単位は、下記の対応モノマーに由来する構造単位(即ち、該対応モノマーが重合して形成された構造単位)であることが好ましい。すなわち、対応モノマーとしては、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェネチル(メタ)アクリレート、及び、オリゴ(構造単位数が2〜6程度)エチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート類から選択される1種以上が挙げられる。なお、本発明において、(メタ)アクリレートは、アクリレート又はメタクリレートを表し、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸を表す。
前記対応モノマーとしては、分散安定性及び吐出安定性の観点から、ベンジル(メタ)アクリレート、フェネチル(メタ)アクリレート、又はフェノキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
前記一般式(1)で表される構造単位の樹脂中における含有比率としては、顔料の分散性の観点より、樹脂の全質量に対して、50質量%以上95質量%以下であることが好ましい。
具体的には、樹脂が前記一般式(1)で表される構造単位及びイオン性基を有する構造単位のみから構成される場合(すなわち、後述するその他の構成単位を含まない場合)は、前記一般式(1)で表される構造単位の含有比率は、顔料の分散性の観点より、樹脂の全質量に対して、70質量%以上95質量%以下であることが好ましく、80質量%以上95質量%以下であることがより好ましい。また、樹脂が後述するその他の構成単位を含む場合、前記一般式(1)で表される構造単位の含有量としては、顔料の分散性の観点より、樹脂の全質量に対して、50質量%以上80質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
〜イオン性基を有する構造単位〜
イオン性基を有する構造単位(繰り返し単位)は、親水性の構造単位である。この構造単位により、水を含むインク組成物中での顔料の分散性が向上する。
前記イオン性基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などのアニオン性基が挙げられ、中でも、カルボキシル基、スルホン酸基、及びリン酸基より選ばれる1種以上のアニオン性基が好ましい。イオン性基を有する構造単位は、イオン性基含有モノマーを重合させて得られた構造単位であってもよいし、イオン性基を有しないポリマー鎖にイオン性基(アニオン性基)を導入することにより得られた構造単位であってもよい。
前記イオン性基を有する構造単位を構成することができるイオン性基含有モノマーとして、アニオン性基含有モノマーを挙げることができる。このモノマーの例を以下に挙げる。但し、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
前記アニオン性基含有モノマーのうち、カルボキシル基を含むものとして、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸モノマー類及び、β−カルボキシエチルアクリル酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。また、スルホン酸基含有モノマーとして、例えば、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリル酸エステル、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステル等が挙げられる。リン酸基含有モノマーとして、例えば、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート等が挙げられる。
これらのうち、アニオン性モノマーが好ましく、インク粘度及び吐出性の観点から、不飽和カルボン酸モノマー類が好ましく、アクリル酸又はメタクリル酸が特に好ましい。なお、イオン性基含有モノマーは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
樹脂中における「イオン性基を有する構造単位」の含有比率としては、後述するその他の構造単位を含むか否かに関わらず、顔料の分散性の観点より、樹脂の全質量に対して、2質量%以上20質量%以下であることが好ましく、2質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上15質量%以下であることが特に好ましい。
含有量が前記範囲であると、顔料の分散性及びインクの吐出安定性がより向上する。
本発明における樹脂の酸価は、30mgKOH/g以上95mgKOH/g以下であることが好ましく、45mgKOH/g以上85mgKOH/g以下であることがより好ましく、55mgKOH/g以上80mgKOH/g以下であることが特に好ましい。
なお、酸価とは、樹脂の1gを完全に中和するのに要するKOHの質量(mg)で定義され、JIS規格(JISK0070:1992)記載の方法で測定される値である。
樹脂の酸価が30mgKOH/g以上であると、解離したカルボキシル基による分散物の荷電反発により、経時によって沈降が生じにくく、安定に保存できる。また、95mgKOH/g以下であると、樹脂の親水性が高くなりすぎず着色剤を吸着して分散が良好になる。
また、本発明における樹脂は、水可溶性であることが望ましい。ここでいう水可溶性とは水酸化ナトリウムで100%中和させた後のポリマー(B)の溶解量(25℃)が、水100gに対して1g以上であること意味し、好ましく水100gに対して5g以上、さらに好ましくは水100gに対して10g以上である。
本発明における樹脂は、前記一般式(1)で表される構造単位及び前記イオン性基を有する構造単位とは異なる構造を有する構造単位(以下、「構造単位(c)」ともいう。)を含有することができる。
構造単位(c)は、前記一般式(1)で表される構造単位及び前記イオン性基を有する構造単位とは異なる構造を有する構造単位であれば、構造単位(c)が疎水性の構造単位であっても、親水性の構造単位であってもよい。また、構造単位(c)は、単一の構造単位からなるものでも、二種類以上の構造単位を含んでなるものでもよく、親水性の構造単位と疎水性の構造単位の両方を含んでいてもよい。
前記樹脂が構造単位(c)を有することで、良好な分散性を示す。その機構は詳しくは不明であるが、下記のように推測される。すなわち、
前記樹脂は、主として着色剤との親和性を示す「一般式(1)で表される構造単位」と、主として水性媒体との親和性を示す「イオン性基を有する構造単位」という、いわば相反する性質の構造単位を含む。構造単位(c)を有することで、前記一般式(1)で表される構造単位、前記イオン性基を有する構造単位のそれぞれが互いの機能を阻害するのが緩和され、結果として良好な分散性が得られる。樹脂が、前記一般式(1)で表される構造単位と前記イオン性基を有する構造単位との中間的な性質を示す構造単位(c)を有することで、良好な分散性が示されると推測される。
前記構造単位(c)は、前記樹脂に全質量中30質量%を超える量で含まれるのが好ましく、30質量%を超え50質量%以下の範囲がより好ましく、33質量%を超え40質量%以下の範囲が更に好ましく、33質量%以上37質量%以下の範囲が特に好ましい。
前記構造単位(c)が疎水性の構造単位である場合、前記構造単位(c)はこれに対応するモノマーを重合することにより形成することができる。また、ポリマーの重合後に、ポリマー鎖に疎水性官能基を導入してもよい。構造単位(c)が疎水性の構造単位である場合のモノマーは、重合体を形成しうる官能基と疎水性の官能基とを有していれば特に制限はなく、公知の如何なるモノマー類をも用いることができる。
前記疎水性の構造単位を形成しうるモノマーとしては、入手性、取り扱い性、汎用性の観点から、ビニルモノマー類((メタ)アクレート類、(メタ)アクリルアミド類、スチレン類、ビニルエステル類等)が好ましい。これらの例として、(メタ)アクリレート類としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらのうち(メタ)アクリル酸の炭素数1〜6のアルキルエステルが好ましく、炭素数1〜4のアルキルエステルがより好ましい。
前記(メタ)アクリルアミド類としては、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、ビニル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド、N−アリル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類が挙げられ、中でも、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドが好ましい。
前記スチレン類としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、n−ブチルスチレン、tert−ブチルスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレン、ビニルナフタレン等などが挙げられ、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
前記ビニルエステル類としては、ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどのビニルエステル類が挙げられ、中でも、ビニルアセテートが好ましい。
構造単位(c)が疎水性の構造単位である場合、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜6のアルキルエステルが好ましく、炭素数1〜4のアルキルエステルに由来する構造単位であることが特に好ましく、これらの中でもアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、又はメタクリル酸エチルに由来する構造単位であることがさらにも好ましく、メタクリル酸メチルに由来する構造単位であることが最も好ましい。
本発明における樹脂は、各構造単位が不規則的に導入されたランダム共重合体であっても、規則的に導入されたブロック共重合体であってもよく、ブロック共重合体である場合の各構造単位は、いずれの導入順序で合成されたものであってもよく、同一の構成成分を2度以上用いてもよい。樹脂は、汎用性、製造性の点で、ランダム共重合体が好ましい。
本発明における樹脂の分子量は、立体反発効果の観点から、重量平均分子量(Mw)で1万〜30万が好ましく、より好ましくは2万〜20万であり、最も好ましくは3万〜10万である。分子量を上記範囲とすることにより、分散剤としての立体反発効果が良好となりやすく、また立体効果により着色剤への吸着に時間がかからないようになりやすい点で好ましい。さらに分子量は、10万以下とすることで、より溶液粘度を高くし過ぎず、取り扱いが容易となり、3万以上にすることで、経時安定性がよりよくなる。
また、本発明における樹脂の分子量分布(重量平均分子量値/数平均分子量値で表される)は、1〜6であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。分子量分布を上記範囲とすることにより、顔料の分散時間の短縮が図れ、分散物の経時安定性が向上する。
なお、数平均分子量及び重量平均分子量は、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(いずれも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したGPC分析装置により、溶媒THF、示差屈折計により検出し、標準物質としてポリスチレンを用い換算して表した分子量である。
本発明における樹脂は、種々の重合方法、例えば溶液重合、沈澱重合、懸濁重合、沈殿重合、塊状重合、乳化重合により合成することができる。重合反応は、回分式、半連続式、連続式等の公知の操作で行なうことができる。
重合の開始方法は、ラジカル開始剤を用いる方法、光又は放射線を照射する方法等がある。これらの重合方法、重合の開始方法は、例えば鶴田禎二「高分子合成方法」改定版(日刊工業新聞社刊、1971)や大津隆行、木下雅悦共著「高分子合成の実験法」化学同人、昭和47年刊、124〜154頁に記載されている。
前記重合方法のうち、特にラジカル開始剤を用いた溶液重合法が好ましい。溶液重合法で用いられる溶剤は、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールのような種々の有機溶剤の単独あるいは2種以上の混合物でもよいし、水との混合溶剤としてもよい。
重合温度は生成するポリマーの分子量、開始剤の種類などと関連して設定する必要がある。重合温度は、通常は0℃〜100℃程度であるが、50〜100℃の範囲で重合を行なうことが好ましい。また、反応圧力は、適宜選定可能であるが、通常は1〜100kg/cm、特に1〜30kg/cm程度が好ましい。反応時間は、5〜30時間程度である。得られたポリマーは、再沈殿などの精製を行なってもよい。
本発明における樹脂として好ましい具体例を以下に示す。但し、本発明は、以下の具体例に限定されるものではない。

本発明における樹脂のインク組成物中における含有量としては、インク中の顔料固形分濃度に対して、0.01質量%以上10質量%以下の範囲が好ましく、0.02質量%以上5.0質量%以下の範囲がより好ましい。本発明における樹脂の含有量は、0.01質量%以上であると、顔料の分散性がよく処理液と接触した際の凝集性に優れており、5.0質量%以下であると、水系着色剤分散物の乾燥速度、被着体への浸透性、粘度等の液物性を適切な状態に調整できる点で有利である。
〜顔料分散物の調製方法〜
本発明における樹脂によりその少なくとも一部が覆われた顔料(以下、単に「樹脂被覆顔料」ともいう。)を調製する方法については、特に限定はないが、例えば、本発明における樹脂を分散剤として用い、該分散剤により顔料を分散させて顔料分散物を調製する方法が挙げられる。この場合、インク組成物は、例えば、得られた顔料分散物と水と場合により水溶性有機溶剤及び/又は樹脂粒子とを混合することにより調製することができる。
上記のように調製することで、顔料粒子を微粒径にして存在させることができ、分散後には高い分散安定性が得られる。この場合、顔料は必ずしも粒子表面の全体が樹脂で被覆されている必要はなく、場合により粒子表面の少なくとも一部が樹脂で被覆された状態であってもよい。
前記顔料分散物の調製は、例えば、転相乳化法を用いて行なうことができる。
具体的には、例えば、顔料と、分散剤として前記本発明における樹脂と、水と、非水溶性揮発溶剤とを混合し分散して分散物を得た後、得られた分散物から非水溶性揮発溶剤の一部又は全部を除去することにより行なうことができる。このとき、塩基性化合物を添加して水不溶性樹脂のアニオン性基の一部又は全部を中和してもよい。中和条件を調整することで、良好な分散性を実現することが可能である。塩基性化合物の例としては、水酸化ナトリウム等が挙げられる。このとき、非水溶性揮発溶剤とともにグリセリンのアルキレンオキシド付加物を添加してもよい。
前記分散は、所望の成分を混合した後に、攪拌、分散等が行なえる公知の方法や混合攪拌装置、分散装置などを利用して行なうことができる。分散は、例えば、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、高速攪拌型分散機、超音波ホモジナイザーなどを用いて行なうことが可能である。
〜顔料分散剤〜
顔料分散物の調製には、分散剤として前記本発明における樹脂を用いるが、そのほかに他の顔料分散剤を併用してもよい。他の顔料分散剤としては、顔料を水相中で分散させる機能を持つ化合物の中から適宜選択することができる。他の顔料分散剤の例としては、ノニオン性化合物、アニオン性化合物、カチオン性化合物、両性化合物等が挙げられる。
〜非水溶性揮発性溶剤〜
顔料分散物を調製する際には、非水溶性揮発性溶剤の少なくとも一種を用いることができる。非水溶性揮発性溶剤は分散性への影響が少ないので、分散工程では良好な分散性を保ちながら、最終的に非水溶性揮発性溶剤の一部又は全部を除去することで、良好な分散状態のまま濃厚化が可能であり、長期での保存安定性に優れた顔料分散物が得られる。また、インク組成物を調製して記録に用いる場合には、吐出安定性に優れ、カールの発生を抑えた画像記録が行なえる。
なお、「非水溶性」とは、1気圧、温度20℃下で同容量の純水と緩やかに掻き混ぜた場合に、流動がおさまった後も混合液が均一な外観を示さない性質のことである。水への溶解度は、20℃で80g/100ml以下が好ましく、50g/100mlがより好ましい。
また、「揮発性」とは、沸点が200℃以下であることをいい、150℃以下がより好ましい。
非水溶性揮発性溶剤としては、非水溶性で揮発性を持つ有機溶剤の中から所望により選択することができる。非水溶性揮発性溶剤の具体例としては、ケトン系溶剤(例えば、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等)、エーテル系溶剤(例えば、ジブチルエーテル等)などが挙げられる。中でも、分散安定性付与の点で、ケトン系溶剤が好ましく、その中でもメチルエチルケトンが最も好ましい。
非水溶性揮発性溶剤の使用量としては、分散性及び分散後の安定性が良好で、インク組成物として記録に用いた場合の吐出安定性及びカールの抑制の点から、グリセリンのアルキレンオキシド付加物の使用量に対して、10〜1000質量%が好ましく、50〜800質量%がより好ましく、100〜500質量%が特に好ましい。
以上で説明した非水溶性揮発性溶剤は、顔料の分散後に、その一部又は全部がインク中から除去されることが好ましい。このようにすることで、顔料分散及び長期での保存安定性を保ちながら、最終的に必要とされない非水溶性揮発性溶剤を減らし、濃厚化された顔料分散物が得られる。更に、顔料インクの調製に用い、画像を記録する場合に、吐出安定化が図れ、記録後のカールの発生を抑制することができる。非水溶性揮発性溶剤の除去は、加熱、送風などの乾燥処理、減圧蒸留等の常法により行なえ、分散工程で得られた分散物から非水溶性揮発性溶剤の留去することより、分散物は濃厚化し、水系に転相する。この場合、顔料分散剤として本発明における樹脂を用いたときには、顔料の粒子表面が該樹脂で被覆された樹脂被覆顔料粒子の分散物を得ることができる。
非水溶性揮発性溶剤の除去後には、作製される顔料分散物中の非水溶性揮発性溶剤は実質的に除去されていることが好ましいが、非水溶性揮発性溶剤の顔料分散物中における残存量は、顔料分散物の濃厚化、インク組成物としたときの吐出安定性、カール抑制の観点から、分散時の混合量の5質量%以下であるのが好ましい。
このとき、非水溶性揮発性溶剤(特にメチルエチルケトン)の顔料分散物中における残存量としては、好ましくは質量基準で5ppm〜400ppmである。また、本発明におけるインク組成物中における非水溶性揮発性溶剤(特にメチルエチルケトン)の含有量は、質量基準で10ppm〜100ppmであることが好ましく、10ppm〜50ppmであることがより好ましい。
顔料分散物中に分散する樹脂被覆顔料の粒子の平均粒子径としては、30〜200nmの範囲が好ましく、50〜150nmの範囲が好ましい。平均粒子径は、30nm以上であると製造適性が向上し、200nm以下であると保存安定性が良好になる。なお、樹脂被覆顔料粒子の粒径分布に関しては、特に制限はなく、広い粒径分布を持つもの、又は単分散の粒径分布を持つもののいずれでもよい。
なお、顔料粒子の平均粒子径及び粒径分布は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒径を測定することにより求められる。
本発明における樹脂で表面の少なくとも一部が覆われた顔料の、インク組成物中における含有量には特に限定はないが、インク組成物の全固形分に対して、0.05〜30質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましく、0.15〜15質量%が特に好ましい。含有量が0.05質量%以上であると、インクの発色性をより向上させることができる。また、含有量が30質量%以下であると、インクの粘度増大をより効果的に抑制でき、インクの吐出安定性等の劣化をより効果的に抑制できる。
(水)
インク組成物は、水を含有するものであるが、水の量には特に制限はない。中でも、水の量は、安定性及び吐出信頼性確保の点から、インク組成物の全質量に対して、10質量%以上99質量%以下が好ましく、より好ましくは30質量%以上80質量%以下であり、更に好ましくは、30質量%以上70質量%以下である。
(水溶性有機溶剤)
本発明におけるインク組成物は、少なくとも水を含むが、更に水溶性有機溶剤を含むことが好ましい。水溶性有機溶剤は、例えば、インク組成物の乾燥防止、湿潤もしくは浸透促進を図ることができる。具体的には、例えば水溶性有機溶剤を乾燥防止剤や湿潤剤として添加した場合には、ノズルのインク噴射口においてインク組成物が乾燥することによる目詰まりを防止することができる。
水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤を含有することにより、乾燥防止や湿潤の効果が得られる。また、水溶性有機溶剤を浸透促進剤として添加した場合には、インク組成物を紙によりよく浸透させることができる。
水溶性有機溶剤の例として、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール等のアルカンジオール(多価アルコール類);グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等の糖類;糖アルコール類;エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテルなどのグリコールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホラン等が挙げられる。水溶性有機溶剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
多価アルコール類は、インク組成物の乾燥防止や湿潤の効果が得られる点で有用である。多価アルコール類としては、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いるほか、2種以上を併用してもよい。
ポリオール化合物は、インク組成物の浸透剤として用いるのに好適である。具体的には、ポリオール化合物のうち、脂肪族ジオールとしては、例えば、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールが好ましい例として挙げることができる。
水溶性有機溶剤は、一種単独であるいは2種以上の混合により使用することができる。
水溶性有機溶剤のインク組成物中における含有量としては、インク組成物の全質量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、1質量%以上20質量%以下がより好ましく、1質量%以上10質量%以下が特に好ましい。
上記の水、又は水溶性有機溶剤の含有量を前記範囲とすることにより、インクの乾燥速度、被着体への浸透性、粘度等の液物性を適切な状態に調整することができる。
(樹脂粒子)
本発明におけるインク組成物は、樹脂粒子を少なくとも1種含有することが好ましい。樹脂粒子の含有により、画像の記録媒体への付着性(定着性)や画像の耐擦過性等の耐久性を向上させることができる。
樹脂粒子としては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン系樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、パラフィン系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。中でも、アクリル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、スチレン系樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン系樹脂を好ましい例として挙げることができる。
樹脂粒子の分子量は、重量平均分子量で1万以上20万以下が好ましく、より好ましくは10万以上20万以下である。
樹脂粒子の平均粒径は、体積平均粒子径で10nm〜1μmの範囲が好ましく、10〜200nmの範囲がより好ましく、20〜100nmの範囲が更に好ましく、20〜50nmの範囲が特に好ましい。また、樹脂粒子の粒径分布については特に制限はなく、広い粒径分布を持つもの又は単分散の粒径分布を持つもののいずれでもよい。また、単分散の粒径分布を持つ樹脂粒子を2種以上混合してもよい。
樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は、30℃以上であることが好ましく、40℃以上がより好ましく、50℃以上がさらに好ましい。
樹脂粒子のインク組成物中における含有量は、インク組成物の全固形分に対して、0.5〜20質量%が好ましく、3〜20質量%がより好ましく、5〜15質量%がさらに好ましい。
樹脂粒子は、粒子が水性媒体中に分散されたラテックス由来の粒子、すなわちラテックスの形態でインク組成物中に含有されたものであることが好ましい。ここで、水性媒体とは、水及び必要に応じて用いられる前記水溶性有機溶剤をさす。
インク組成物は、ラテックスの混合等により樹脂粒子を含有することで、画像の記録媒体に対する定着性、耐擦過性がより向上する。すなわち、樹脂粒子を含むことで、画像を形成したときに記録媒体に疎水性の樹脂膜が形成され、この樹脂膜中もしくは膜下に顔料が取り込まれて保護される。
また、前記ラテックスは、水性媒体に樹脂粒子を分散させて調製されたラテックス、単独重合又は共重合して樹脂粒子を形成する1種以上のモノマーを含むモノマーエマルジョンを用いて調製されたラテックスも含まれる。使用し得るモノマーとしては、スチレン、炭素数1〜8のアルキル(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸などがある。
(界面活性剤)
本発明におけるインク組成物は、界面活性剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。
界面活性剤としては、下記一般式(11)で表されるアセチレングリコール系界面活性剤(例えば、オルフィンY、同E1010、及び同STG、並びにサーフィノール(Surfynol)82、同104、同440、同465、同485等、及びSurfonyl 61等(いずれも日信化学工業(株)製)など)や、下記一般式(12)で表されるポリシロキサン系化合物(例えば、ビッグケミー・ジャパン(株)より上市されているシリコン系界面活性剤BYK−345、BYK−346、BYK−347、又はBYK−348など)を挙げることができる。
上記のほか、アニオン性界面活性剤(例えば、ドデシルベンゼルスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩等)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド等)等を用いることができる。

前記一般式(11)中、0≦m+n≦50であって、R21〜R24はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基を表す。一般式(12)中、R31〜R37はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基を表し、j、k及びgはそれぞれ独立に1以上の整数であり、EOはエチレンオキシ基であり、POはプロピレンオキシ基であり、p及びqは0以上の整数である。但し、p+qは1以上の整数であり、EO及びPOは[ ]内においてその並び順序は問わず、ランダムであってもブロックであってもよい。
これらの界面活性剤は、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
界面活性剤のインク組成物中における含有量は、インク組成物の全質量に対して、0.01〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。
(その他の添加剤)
本発明におけるインク組成物は、上記成分に加え、必要に応じて他の添加剤を含むことができる。他の添加剤としては、例えば、固体湿潤剤(例えば、尿素又はその誘導体、糖類、糖アルコール類、ヒアルロン酸類、多価アルコール等)、増粘剤(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリオキシアルキレングリコール類、等)、褪色防止剤、乳化安定剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。
これらの各種添加剤は、インク組成物を調製後に直接添加してもよく、インク組成物の調製時に添加してもよい。具体的には、特開2007−100071号公報の段落番号[0153]〜[0162]に記載のその他の添加剤などが挙げられる。
〜物性〜
インク組成物の表面張力は、記録媒体上でのドットの良好な広がり、及びカラーブリードの防止、乾燥性等の観点から、40mN/m以下であること好ましく、28〜35mN/mであることがより好ましい。
表面張力は、例えば、Face自動表面張力計「CPVP−Z」〔協和界面科学(株)製〕等の測定装置により25℃で測定することができる。
インク組成物の粘度は、打滴安定性と凝集速度の観点から、1〜30mPa・sの範囲が好ましく、1〜20mPa・sの範囲がより好ましく、2〜15mPa・sの範囲がさらに好ましく、2〜10mPa・sの範囲が特に好ましい。
粘度は、例えば、VISCOMETER TV-22(TOKI SANGYO CO. LTD製)を用いて25℃で測定することができる。
インク組成物のpHは、組成物としての安定性の観点から、pH7.5〜10であることが好ましく、pH8〜9であることがより好ましい。
pHは、25℃で通常用いられるpH測定装置(例えば、東亜ディーケーケー(株)製のマルチ水質計MM−60R)によって測定することができる。
なお、pHは、従来公知の酸性化合物又は塩基性化合物を用いて適宜調製することができる。
−処理液−
本発明における処理液は、前記一般式(1)で表される構造単位及びイオン性基を有する構造単位を含む樹脂(本発明における樹脂)により少なくとも一部が覆われた顔料に対して反応性を有するカチオン性ポリマーを含有する。処理液は、画像形成時にインク組成物と接触させることにより、インク組成物中の分散成分、特に顔料や樹脂粒子などを凝集させ、画像形成をより高速に行なうことができる。また、処理液は、インクの広がりを適度に抑えながら、高濃度で高解像度の画像を形成することができる。
(カチオン性ポリマー)
本発明における処理液は、少なくとも、前記本発明における樹脂により表面の一部又は全部が覆われた顔料に対して反応性を有するカチオン性ポリマーの少なくとも一種を含有する。カチオン性ポリマーを含むことにより、本発明におけるインク組成物中の樹脂で被覆された顔料の凝集性が向上する。これにより、画像の耐擦過性が飛躍的に向上する。
前記カチオン性ポリマーとしては、カチオン性基として、第1級〜第3級アミノ基、又は第4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好適である。カチオン性ポリマーとしては、第1級〜第3級アミノ基及びその塩、又は第4級アンモニウム塩基を有する単量体(カチオン性モノマー)の単独重合体や、該カチオン性モノマーと他のモノマー(非カチオン性モノマー)との共重合体又は縮重合体として得られるものが好ましい。また、これらのポリマーは、水溶性ポリマー又は水分散性ラテックス粒子のいずれの形態も使用可能である。
前記カチオン性ポリマーとしては、例えば、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリメタクリロイルオキシエチル−β−ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムクロライド、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン及びその誘導体、ポリアミド−ポリアミン樹脂、カチオン化でんぷん、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、ジメチル−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム塩重合物、ポリアミジン、ポリビニルアミン、ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物に代表されるジシアン系カオチン樹脂、ジシアンアミド−ジエチレントリアミン重縮合物に代表されるポリアミン系カオチン樹脂、エピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物、ジメチルジアミンアンモニウムクロリド−SO共重合物、ジアリルアミン塩−SO共重合物、第4級アンモニウム塩基置換アルキル基をエステル部分に有する(メタ)アクリレート含有ポリマー、第4級アンモニウム塩基置換アルキル基を有するスチリル型ポリマー等のポリアミン、グアニジンポリマー、エピハロヒドリンポリマーなどを挙げることができる。カチオン性ポリマーの好ましい具体例としては、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド型ポリマー、第4級アンモニウム塩基をエステル部に有する(メタ)アクリレート含有ポリマー等のポリアミン、グアニジンポリマー((-NH-C(=NH)-NH-C(=NH)-NH-)n構造を含むポリマー)、エピハロヒドリン誘導体とアミン誘導体とを含むコポリマー(例えば、モノメチルアミン、モノエチルアミン、ジメチルアミン又はジエチルアミンとエピクロロヒドリンとのコポリマー等)等のエピハロヒドリンポリマー、などが好適に挙げられる。
上記のうち、前記グアニジンポリマーとしては、例えば、ポリグアニジンなどが好適であり、上市されている市販品として、例えば、BAQUACIL(登録商標)及びVANTOCIL(登録商標)(Zaneca,Inc.製)などが好適である。また、
前記エピハロヒドリンポリマーとしては、例えば、ポリエピクロロヒドリンなどが好適であり、上市されている市販品として、例えば、AMRES(登録商標)(Georgia Pacific Resins,Inc.(Atlanta、GA)製)、KYMENE(登録商標)(Hercules,Inc.(Wilmington、DE)製)、及びPolycup(登録商標)(Hercules,Inc.製)などが好適である。
カチオン性ポリマーとしては、画像形成時の凝集性の点で、グアニジンポリマー、エピハロヒドリンポリマー、ポリアミンが好ましく、グアニジンポリマー及びエピハロヒドリンポリマーがより好ましい。
カチオン性ポリマーの好ましい分子量は、重量平均分子量で1000〜50000程度である。
カチオン性ポリマーの処理液中における含有量としては、凝集効果の観点から、処理液の全質量に対して、0.01質量%以上30質量%以下であることが好ましい。含有量が0.01質量%以上であることで、良好な凝集性が得られ、また含有量が30質量%以下であることで、処理液の長期経時安定性の点で有利である。
処理液は、カチオンポリマーに加えて、水系溶媒(例えば水)を更に含んで構成することができる。
〜物性〜
処理液の粘度としては、インク組成物の凝集速度の観点から、1〜30mPa・sの範囲が好ましく、1〜20mPa・sの範囲がより好ましく、2〜15mPa・sの範囲がさらに好ましく、2〜10mPa・sの範囲が特に好ましい。
粘度は、前記インク組成物における場合と同様にして測定することができる。
処理液の表面張力は、インク組成物の凝集速度の観点から、20〜60mN/mであることが好ましく、20〜45mN/mであることがより好ましく、24〜40mN/mであることがさらに好ましい。
表面張力は、前記インク組成物における場合と同様にして測定することができる。
<画像形成方法>
本発明の画像形成方法は、既述の本発明のインクセットを用いるとともに、前記インクセットを構成するインク組成物を記録媒体上にインクジェット法で付与するインク付与工程と、前記インクセットを構成する処理液を記録媒体上に付与する処理液付与工程とを設けて構成したものである。
本発明においては、既述のインクセットを用いるので、画像形成時におけるインク組成物中の成分、特に顔料の凝集性に優れる。そのため、形成画像は、記録媒体との付着性にも優れ、耐擦過性に優れる。また、顔料への吸着性のよい分散剤(本発明における樹脂)を用いるので、分散性が安定でインク滴の着弾位置精度に優れるとともに、吐出不良が解消されて白抜け故障(特に、保存後のインクを用いた際の画像の白抜け)の発生が抑えられた高画質画像が得られる。
−記録媒体−
記録媒体としては、多孔質基材を用いてもよいが、非多孔質基材を用いてもよい。中でも、インク組成物の特性をより効果的に発揮させる点で、非多孔質基材が好ましい。
すなわち、一般には非多孔質基材に画像を形成する場合、多孔質基材に画像を形成する場合と比較して画像の付着性が劣る傾向がある。本発明においては、非多孔質基材に画像を形成した場合でも、画像の付着性が維持され、また画像の白抜け故障を抑制できる。
多孔質基材としては、普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載のインクジェット専用紙、電子写真共用紙、布帛、等が挙げられる。
非多孔質基材としては、プラスチックシート基材、プラスチックフィルム基材、金属基材、ガラス基材、プラスチックコート紙などが挙げられる。中でも、プラスチックシート基材、プラスチックフィルム基材、金属基材、ガラス基材が好ましい。プラスチックシート又はプラスチックフィルムの材質としては、例えば、ポリエステル(例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)等)、ポリカーボネート、ポリアリレート、トリアセチルセルロース(TAC)、等の合成樹脂が挙げられる。
−インク付与工程−
本発明におけるインク付与工程は、既述のインクセットを構成するインク組成物を記録媒体上にインクジェット法で付与する。この工程では、記録媒体上に選択的にインク組成物を付与し、所望の可視画像を形成する。インク組成物中の各成分及びその好ましい態様などについては、既述の通りである。
インクジェット法としては、特開2003−306623号公報の段落番号0093〜0105に記載の方法が適用できる。
なお、インクジェット法には特に制限はなく、公知の方式、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及び、インクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット印刷ヘッドを用いる方式等のいずれであってもよい。上記のうち、本発明のインクの特性をより効果的に発揮させる観点からは、サーマルインクジェット印刷ヘッドを用いる方式が好ましい。
即ち、サーマルインクジェット印刷ヘッドを用いる方式では、他の方式と比較して、より高いインク特性が要求されるため、本発明のインク組成物による白抜け抑制や付着性向上の効果は、サーマルインクジェット印刷ヘッドを用いる方式においてより効果的に奏される。
インクジェット法には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
−処理液付与工程−
本発明の処理液付与工程は、インク付与工程の前又は後に、既述のインクセットを構成する処理液を記録媒体上に付与する。処理液は、インク組成物中の成分の凝集を促進させることができる。本発明においては、処理液とインク組成物とを接触させて画像を形成する構成とすることが好ましい。この場合、処理液がインク組成物と接触することで、インク組成物中の成分(特に樹脂で少なくとも一部が覆われている顔料)が凝集し、記録媒体上に画像が固定化される。
なお、処理液中の各成分及びその好ましい態様については、既述の通りである。
処理液の付与は、記録媒体上に選択的にあるいは全面に一様に付与できるいずれの方法で行なってもよい。処理液は、例えば、前記インク組成物の付与と同様にインクジェット法により吐出ヘッドから吐出する方法で付与されてもよく、また回転ロールの表面に処理液を保持して記録媒体表面に転写するロール塗布により付与されてもよい。
−定着工程−
本発明の画像形成方法は、更に、前記インク付与工程及び処理液付与工程の後に、画像が形成された記録媒体を加熱して画像を定着する定着工程を設けて構成された形態が好ましい。画像の定着(固定化)により、画像の光沢性等の風合い、耐擦過性(例えば紙との密着性)がより良好で画像品質に優れた画像が高速に得られる。
定着工程は、少なくとも加熱により画像を定着することが好ましく、加熱及び加圧(以下、「加熱加圧」ともいう)により画像を定着することがより好ましい。加熱による画像の定着は、例えば、記録媒体上に形成された画像に加熱面を接触させることにより行なうことができる。
前記加熱は、画像中のポリマー粒子の最低造膜温度(MFT)以上の温度で行なうことが好ましい。MFT以上に加熱されることで、ポリマー粒子が皮膜化して画像が強化される。加熱温度は、好ましくはMFT以上の温度域が好ましい。具体的には、加熱温度は、40〜80℃の範囲が好ましく、より好ましくは50℃〜75℃の範囲であり、更に好ましくは55℃〜70℃の範囲である。
ポリマー粒子の最低造膜温度(MFT)はポリマーのTgとインク溶剤の種類、量によって制御され、一般的にはTgが低いほど、インク溶剤のI/O値が低いほど、インク溶剤の量が多いほどMFTは低下する傾向にある。
加熱と共に加圧する際の圧力としては、表面平滑化の点で、0.1〜3.0MPaの範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜1.0MPaの範囲であり、更に好ましくは0.1〜0.5MPaの範囲である。
加熱の方法は、特に制限されないが、ニクロム線ヒーター等の発熱体で加熱する方法、温風又は熱風を供給する方法、ハロゲンランプ、赤外線ランプなどで加熱する方法など、非接触で乾燥させる方法を好適に挙げることができる。
また、加熱加圧の方法は、特に制限はないが、例えば、熱板を記録媒体の画像形成面に押圧する方法や、一対の加熱加圧ローラ、一対の加熱加圧ベルト、あるいは記録媒体の画像記録面側に配された加熱加圧ベルトとその反対側に配された保持ローラとを備えた加熱加圧装置を用い、対をなすローラ等を通過させる方法など、接触させて加熱定着を行なう方法が好適に挙げられる。
加熱加圧する場合、好ましいニップ時間は、1ミリ秒〜10秒であり、より好ましくは2ミリ秒〜1秒であり、更に好ましくは4ミリ秒〜100ミリ秒である。また、好ましいニップ幅は、0.1mm〜100mmであり、より好ましくは0.5mm〜50mmであり、更に好ましくは1〜10mmである。
前記加熱加圧ローラとしては、金属製の金属ローラでも、あるいは金属製の芯金の周囲に弾性体からなる被覆層及び必要に応じて表面層(離型層ともいう)が設けられたものでもよい。後者の芯金は、例えば、鉄製、アルミニウム製、SUS製等の円筒体で構成することができ、芯金の表面は被覆層で少なくとも一部が覆われているものが好ましい。被覆層は、特に、離型性を有するシリコーン樹脂あるいはフッ素樹脂で形成されるのが好ましい。また、加熱加圧ローラの一方の芯金内部には、発熱体が内蔵されていることが好ましく、ローラ間に記録媒体を通すことによって、加熱処理と加圧処理とを同時に施したり、あるいは必要に応じて、2つの加熱ローラを用いて記録媒体を挟んで加熱してもよい。発熱体としては、例えば、ハロゲンランプヒーター、セラミックヒーター、ニクロム線等が好ましい。
加熱加圧装置に用いられる加熱加圧ベルトを構成するベルト基材としては、シームレスのニッケル電鍮が好ましく、基材の厚さは10〜100μmが好ましい。また、ベルト基材の材質としては、ニッケル以外にもアルミニウム、鉄、ポリエチレン等を用いることができる。シリコーン樹脂あるいはフッ素樹脂を設ける場合は、これら樹脂を用いて形成される層の厚みは、1〜50μmが好ましく、更に好ましくは10〜30μmである。
また、前記圧力(ニップ圧)を実現するには、例えば、加熱加圧ローラ等のローラ両端に、ニップ間隙を考慮して所望のニップ圧が得られるように、張力を有するバネ等の弾性部材を選択して設置すればよい。
加熱加圧ローラ、あるいは加熱加圧ベルトを用いる場合の記録媒体の搬送速度は、200〜700mm/秒の範囲が好ましく、より好ましくは300〜650mm/秒であり、
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した。GPCは、HLC−8020GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgel、Super Multipore HZ−H(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を3本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。また、条件としては、試料濃度を0.45質量%、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、IR検出器を用いて行なった。また、検量線は、東ソー(株)製「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製した。
−樹脂分散剤の合成−
(1)樹脂分散剤P−1の合成
攪拌機、冷却管を備えた1000mlの三口フラスコに、メチルエチルケトン88gを加えて窒素雰囲気下で72℃に加熱し、これにメチルエチルケトン50gにジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート0.85g、フェノキシエチルメタクリレート50g、メタクリル酸13g、及びメチルメタクリレート37gを溶解した溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間反応した後、メチルエチルケトン2gにジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート0.42gを溶解した溶液を加え、78℃に昇温して4時間加熱した。得られた反応溶液は過剰量のヘキサンに2回再沈殿させ、析出した樹脂を乾燥させて、フェノキシエチルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸(共重合比[質量%比]=50/37/13)共重合体(樹脂分散剤P−1)96.5gを得た。
得られた樹脂分散剤P−1の組成は、H−NMRで確認し、GPCより求めた重量平均分子量(Mw)は49400であった。さらに、JIS規格(JIS K 0070:1992)記載の方法により、このポリマーの酸価を求めたところ、30mgKOH/gであった。
樹脂分散剤P−1については、上記に加え、モノマー比率を変更して合成を行なった。得られた各共重合体(樹脂分散剤)について上記と同様の方法で酸価を求め、その結果を下記表1に示す。
(2)樹脂分散剤P−2〜P−4の合成
前記樹脂分散剤P−1の合成において、樹脂分散剤P−1を構成するフェノキシエチルメタクリレートを、同量のベンジルメタクリレート(P−2)、フェネチルメタクリレート(P−3)、又はスチレン(P−4)にそれぞれ変更したこと以外は、樹脂分散剤P−1の合成と同様にして、樹脂分散剤P−2、P−3、P−4を得た。樹脂分散剤P−2については、モノマー比率を変更することにより複数種の合成を行なった。
得られた樹脂分散剤P−2、P−3、P−4の組成は、H−NMRで確認した。また、GPCより求めた樹脂分散剤P−2、P−3、P−4の重量平均分子量(Mw)はそれぞれ45300、41000、42800であった。さらに、樹脂分散剤P−2、P−3、P−4について、JIS規格(JIS K 0070:1992)記載の方法により酸価を求めたところ、下記表1に示すように、それぞれ30〜90mgKOH/g、70mgKOH/g、30mgKOH/gであった。
(実施例1)
−樹脂被覆顔料の水分散物の調製−
ピグメント・ブルー15:3(フタロシアニンブルー A220、大日精化工業(株)製)10部と、上記の樹脂分散剤P−1を4.5部と、メチルエチルケトン(MEK)18部と、1規定NaOH水溶液4.2部と、イオン交換水63.3部とを混ぜてディスパー混合し、更に分散機(マイクロフルイダイザーM−140K、150MPa)で10パス処理した。続いて、得られた分散物から減圧下、55℃でメチルエチルケトンを除去し、さらに一部の水を除去することにより、顔料濃度が10.2質量%の樹脂被覆顔料粒子の水分散物を得た。このとき、残留したMEK量をガスクロマトグラフィーにて測定したところ、180ppmであった。
〜樹脂被覆顔料粒子の粒子径の測定〜
得られた樹脂被覆顔料粒子について、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用い、動的光散乱法により体積平均粒径を測定した。測定は、樹脂被覆顔料粒子の水分散物10μlに対してイオン交換水10mlを加えて測定用サンプル液を調製し、これを25℃に調温して行なった。測定結果は下記表1に示す。
−水性インク1の調製−
次に、得られた樹脂被覆顔料粒子の水分散物を用い、以下の組成(合計で100部)にて水性インク1を調製した。この水性インク1の25℃でのpHは、8.9であった。pHは、マルチ水質計MM−60R(東亜ディーケーケー(株)製)を用いて測定した。水性インク1中のMEK量をガスクロマトグラフィーにて測定したところ、45ppmであった。
また、画像形成にあたり、調製した水性インク1を40℃で3ヶ月間、経時保存した。
<水性インク1の組成>
・前記樹脂被覆顔料粒子の水分散物(固形分) ・・・3.0部
・ジプロピレングリコール ・・・12部
・2−ピロリドン ・・・6部
・1,2−ヘキサンジオール ・・・4部
・ジプロピレングリコール ・・・8部
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製)・・・1部
・イオン交換水 ・・・残量(インク全体で100部となる量)
−処理液1の調製−
下記組成を混合し、処理液1を調製した。
<処理液1の組成>
・VANTOCIL ・・・12.0部
(Zaneca,Inc.製;ポリグアニジン)
・Dantocol DHE ・・・3.0部
・2−ピロリドン ・・・3.0部
・コハク酸 ・・・2.0部
・Surfynol 440(日信化学工業(株)製) ・・・0.3部
・Surfonyl 61 (日信化学工業(株)製) ・・・0.25部
・EDTA ・・・0.55部
・脱イオン水 ・・・残部
−画像形成及び評価−
(1)画像形成
インクジェット記録装置として、600dpi、256ノズルの試作プリントヘッドを備えたインクジェット装置を用意し、これに上記より得た経時保存後の水性インク1と処理液1とを装填して、以下の方法により白抜けの有無、耐擦過性を評価した。記録媒体には、FX−L紙(富士ゼロックス(株)製)を用いた。評価結果を下記表1に示す。
(2)評価
2−1.耐擦過性(画像の付着試験)
処理液1と水性インク1とを各々別個のヘッドからこの順でFX−L紙上に30分間吐出し、画像サンプル(5cm×5cm)を得た。ここで得られたサンプルの画像面を外側に向けて文鎮(重量740g、サイズ15mm×30mm×120mm)に巻きつけ、評価サンプルを未使用の特菱アート紙上で3往復擦った(荷重260kg/mに相当)。そして、擦った後の画像面を目視により観察し、未使用の特菱アート紙へのインクの付着の程度を耐擦過性を評価する指標とした。評価は、下記の評価基準にしたがって行なった。
<評価基準>
A:画像からの転写はみられなかった。
B:画像からの転写が僅かにみられた。
C:画像からの転写がみられるが、実用上支障のない程度であった。
D:画像からの転写が目立ち、実用上許容できない程度であった。
2−2.白抜け
得られた処理液1と水性インク1とを各々別個のヘッドから、この順にFX−L紙上に30分間吐出した後、メンテナンス作業として、15KPaの圧力で10秒間加圧した後にクリーンワイパーFF−390c((株)クラレ製)でワイプを行ない、その後さらに5分間吐出を継続し、5分経過後にFX−L紙に記録された画像(5cm×5cm)を観察した。そして、観察した画像を下記の評価基準にしたがって目視評価した。
<評価基準>
A:白抜けの発生はみられなかった。
B:白抜けの発生が2箇所以下であった。
C:白抜けの発生が3〜10箇所であった。
D:白抜けの発生が10箇所を超えていた。
(実施例2〜27、比較例1〜5)
実施例1において、水性インク1における顔料分散剤の種類・量、カチオン性ポリマーの種類・量を、下記表1に示すように変更して水性インク1と同様に水性インク2〜32をそれぞれ調製し、さらに水性インク1を水性インク2〜32にそれぞれ代えたこと以外は、実施例1と同様にして、画像形成及び評価を行なった。評価結果は、下記表1に示す。

前記表1に示すように、一般式(1)で表される構造単位とイオン性基を有する構造単位とを含む水不溶性樹脂によって被覆された顔料を用いた水性インクとカチオン性ポリマーを用いた処理液とをともにインクジェットシステムを用いて吐出し、2液が接触し凝集を起こして形成された実施例の画像は、白抜け故障がなく、耐擦過性に優れていた。
なお、上記の実施例では、水性インクとして、シアン色調のインクを調製した場合を中心に説明したが、シアン色調のインクに用いた顔料の種類(色相)を変更することにより、上記と同様にして、ブラックインク、マゼンタインク、及びイエローインク等の種々の色相の水性インクを得ることができ、上記と同様の結果及び効果を得ることができる。また、2色以上の水性インクをインクジェット装置に装填することにより、上記と同様して多色画像の記録が可能であり、上記と同様の結果及び効果を得ることができる。
また、上記の実施例では、処理液に含有するカチオン性ポリマーとして、グアニジンポリマー、エピハロヒドリンポリマー、ポリアミンを用いた場合を中心に説明したが、他のカチオン性ポリマーを用いた場合も同様の結果を得ることができる。

Claims (10)

  1. 少なくとも、顔料、下記一般式(1)で表される構造単位とイオン性基を有する構造単位とを含み、前記顔料の表面の少なくとも一部を覆う樹脂、及び水を含有するインク組成物と、
    前記樹脂により少なくとも一部が覆われた顔料に対して反応性を有するカチオン性ポリマーを含有する処理液と、
    を有するインクセット。

    〔一般式(1)中、Rは、水素原子、メチル基、又はハロゲン原子を表す。Lは、−COO−、−OCO−、−CONR−、−O−、又は置換もしくは無置換のフェニレン基を表し、Rは水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。前記L中の「*」は主鎖に連結する結合手を表す。Lは、単結合又は炭素数1〜30の2価の連結基を表す。〕
  2. 前記樹脂の酸価が、30mgKOH/g以上95mgKOH/g以下の範囲である請求項1に記載のインクセット。
  3. 前記一般式(1)で表される構造単位が、ベンジル(メタ)アクリレート又はフェノキシエチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位の少なくとも一方である請求項1又は請求項2に記載のインクセット。
  4. 前記樹脂のインク組成物中における含有量が、顔料固形分濃度に対して、0.01質量%以上10質量%以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクセット。
  5. 前記カチオン性ポリマーの処理液中における含有量が、処理液の全質量に対して、0.01質量%以上30質量%以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインクセット。
  6. 前記カチオン性ポリマーの少なくとも一種は、グアニジンポリマー又はエピハロヒドリンポリマーである請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のインクセット。
  7. 前記樹脂は転相乳化法により形成され、前記インク組成物が質量基準で10ppm〜100ppmのメチルエチルケトンを含む請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のインクセット。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のインクセットが用いられ、
    前記インクセットにおけるインク組成物を記録媒体上にインクジェット法で付与するインク付与工程と、
    前記インクセットにおける処理液を記録媒体上に付与する処理液付与工程と、
    を有する画像形成方法。
  9. 前記処理液付与工程で処理液を付与した後に前記インク付与工程を設け、処理液が付与された記録媒体にインク組成物を付与することにより処理液にインク組成物を接触させて画像を形成する請求項8に記載の画像形成方法。
  10. 更に、前記インク付与工程で形成された画像を、少なくとも加熱により定着する定着工程を有する請求項8又は請求項9に記載の画像形成方法。
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