(第一実施形態)
次に、本発明に係る回転角検出装置としてのレゾルバの第一実施形態について説明する。図1は、第一実施形態のレゾルバ100の構成例の分解斜視図である。なお、図1では、ステータ巻線等の配線の図示を省略するとともに、ステータとロータとを分解して示している。また、図1では、レゾルバ100が、8個のステータティースを有し、1相励磁2相出力型のレゾルバを例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。図2は、図1のステータ200の分解斜視図である。図2において、図1と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
レゾルバ100は、ステータ(固定子)200と、ロータ(回転子)300とを含む。レゾルバ100は、いわゆるインナーロータ型の回転角検出装置である。すなわち、ステータ200の内側にロータ300が設けられ、ステータ200がロータ300の外周側(外径側)の側面と対向した状態で、ロータ300の回転角に応じて、ステータ200に設けられたステータ巻線を構成する出力巻線からの信号が変化するようになっている。第一実施形態では、このロータ300が、2枚の磁性材料からなる平板が積層された積層板を用いて構成され、その積層板の周縁部が曲げられて、ステータティースの面と対向する対向部が形成される。
ステータ200は、磁性材料からなる環(リング)状の平板250を用いて構成され、この平板250に複数のステータティースが設けられている。これらのステータティースは、平板250の平板面に対して交差するように設けられている。図1では、ステータ200は、折り曲げ加工(広義には曲げ加工)等により平板面に対して同一面側に略垂直に起こされた8個のステータティース(突極部)210a、210b、210c、210d、210e、210f、210g、210hを有する。ステータティース210a〜210hは、プレス加工により予め平板250に形成された後、折り曲げプレス加工(広義には曲げ加工)により、平板250の面に対して略垂直となるように起こされている。これらのステータティースは、環状の平板250の内側(内径側)の縁部に形成され、各ステータティースの面のうち少なくともロータ300の対向部の面と対向する面は平面ではなく、ロータ300の回転軸の方向に沿って見たときに、環状の平板250の内径側に位置する点を中心とする円弧の一部となるように形成されている。
このような磁性材料からなるステータ200の平板250及びロータ300の平板の材質は、電磁鋼板、普通鋼であるSPCC又は機械構造用炭素鋼であるS45CやS10Cであることが望ましい。SPCC(Steel Plate Cold Commercial)は、JIS G3141に規定される冷間圧延鋼板及び鋼帯である。S45Cは、JIS G4051で規定される機械構造用炭素鋼鋼材で、0.45%程度の炭素を含有している。S10Cは、JIS G4051で規定される機械構造用炭素鋼鋼材で、0.10%程度の炭素を含有している。
以上のような構成を有するステータ200は、積層電磁鋼板、つまり磁性材料として1枚の電磁鋼板により構成されるため、材料費として高価である上に折り曲げプレス加工による曲げに弱く、曲げによる加工精度や信頼性を維持できにくい積層電磁鋼板を採用する場合に比べて、低コストで、曲げによる加工精度や信頼性を維持できるようになる。しかも、曲げ加工による磁性材料の粒状破壊を防止し、曲げ加工前の磁気特性を確保することにより高精度な角度検出を可能とする。
また、ステータ200には、平板250に装着可能に構成された環状の絶縁キャップ400が装着される。絶縁キャップ400には、ステータ200のステータティース210a〜210hの位置に合わせて設けられた複数のボビン410a、410b、410c、410d、410e、410f、410g、410hが一体に形成されている。各ボビンは、挿入孔(ステータティース挿入孔)を有し、当該ボビンに対応するステータティースがその挿入孔に挿入されるとともに、その外側にステータ巻線が巻回される。複数のボビン410a〜410hを構成する各ボビンの挿入孔の向きは、ロータ300の回転軸の向きである。
絶縁キャップ400では、複数のボビン410a〜410hが有する挿入孔の向きが、ロータ300の回転軸の向きと一致している。そのため、ステータ200に絶縁キャップ400を装着する際に、平板250の上方から装着することができる上に、ステータ200の内側の狭い空間で各ボビンにステータ巻線を巻回させる必要がなくなる。したがって、絶縁キャップ400の取り付け工程が簡素化される上に、別工程において、予め絶縁キャップ400を形成しておくことが可能となる。これにより、レゾルバ100の生産効率の向上やコストダウンを図ることが可能となる。
また絶縁キャップ400に設けられる複数のボビン410a〜410hを構成する各ボビンには、ステータ巻線の位置ずれを防止する位置ずれ防止手段とし、つば部が設けられており、つば部によってボビンに凹部が形成されるようにし、この凹部においてステータ巻線の位置がずれないようになっている。つば部は、ボビン410a〜410hのそれぞれに設けられてもよいし、ボビン410a〜410hの一部にのみ設けられていてもよい。このような位置ずれ防止手段を設けることにより、磁束の均一化を図ることができるようになり、信頼性を向上させることができるようになる。
さらに、絶縁キャップ400は、外部からの励磁信号を入力したり検出信号を出力したりするための端子ピンが設けられるコネクタ部450を含み、複数のボビン410a〜410hとコネクタ部450とが一体に形成される。このコネクタ部450には、端子ピン挿入孔461〜466が設けられており、端子ピン挿入孔461〜466のそれぞれには、励磁信号の入力や検出信号の出力を行うために導電材からなる端子ピン471〜476がそれぞれ挿入される。
また、ステータ巻線と電気的に接続される端子ピンが設けられるコネクタ部を、複数のボビンと共に一体に形成するようにしたので、ステータ巻線を確実に固定させて、信頼性を向上させることができるようになる。
さらに、絶縁キャップ400は、複数の渡りピン(突起部)480a、480b、480c、480d、480e、480f、480gを含み、複数のボビン410a〜410h、コネクタ部450及び複数の渡りピン480a〜480gが一体に形成されている。複数の渡りピン480a〜480gを構成する各渡りピンは、2つのボビンの間において、環状の絶縁キャップ400の所与の円周上に形成されている。なお、ボビン410a、410hの間には、渡りピンが形成されていない。各渡りピンは、2つのボビンの間に設けられた円柱状の形状を有し、一方のボビンの外側に巻回されるステータ巻線と電気的に接続される導線が、渡りピンにおいて張力を持たせた状態で掛けられて、他方のボビンの外側に巻回されるステータ巻線と電気的に接続される。これにより、2つのボビンの距離が長くなっても共振し難くなる上に、ステータ巻線の巻き数を半ターン単位で調整できるようになる。ここで、導線に張力を持たせ易くし、かつその状態をできるだけ長く維持させるために、渡りピンは、ロータ300の回転軸の向きと同じ向きの部分を有することが望ましい。
また、絶縁キャップ400は、ステータ200(ステータ200の平板250)の縁部に係止する1又は複数の係止部(図示外)を含み、これらの係止部によりステータ200に装着可能に構成されている。
このような絶縁キャップ400をステータ200の平板250に装着することにより、ステータ200とステータ巻線とが電気的に絶縁される。これにより、ステータ巻線により構成されるコイルの絶縁破壊を防止できる。このような絶縁キャップ400は、PBT(Poly−butylene−terephtalate:ポリブチレンテレフタレート)又はPPT(Polypropylene terephtalate:ポリプロピレンテレフタレート)等の絶縁性の樹脂(絶縁材)を用いた射出成形により形成される。
ロータ300は、ステータ200と同じ材質の磁性材料からなり、ステータ200に対して回転自在に設けられている。より具体的には、ロータ300は、ロータ300の回転軸回りの回転によりステータ200の各ステータティースとの間のギャップパーミアンスが変化するようにステータ200に対して回転可能に設けられる。例えば、ロータ300の軸倍角が「3」であり、所与の半径の円周線を基準に、該円周線の1周につき、平面視において外径側の外径輪郭線を3周期で変化する形状を有している。そして、平板250に対して起こされたステータティースの内側(内径側、内周側)の面と対向するロータ300の外周側に形成された対向部320の面(図3参照)が、ロータ300の1回転につき3周期でギャップパーミアンスが変化するようになっている。
ここで、図3は、第一実施形態におけるロータ300の構造の説明図である。図3(a)はロータ300の斜視図であり、図3(b)は図3(a)のB−B線に沿ったロータ300の断面構造を模式的に表した図である。
このロータ300は、図3(b)に示すように、2枚の環状の電磁鋼板311a、311bが積層された積層板311(広義には磁性材料からなる平板)から構成されている。これら電磁鋼板311a、311bは、互いに同じ板厚trとされる。そして、ロータ300は、その積層板311で平板として構成されたロータ平板部310を有する。また、ロータ300は、そのロータ平板部310の外周縁部からロータ平板部310に対して直角(回転軸と平行な方向)に曲がって形成された対向部320を有する。その対向部320は、ロータ平板部310を構成する同一の積層板311で形成され、具体的には、その積層板311の外周縁部が曲げられた曲げ部分である。そして、対向部320は、回転軸と平行な方向に曲げられて形成されたものであるため、対向部320の面(対向面)が、ステータティース210a〜210hの面と対向されることになる。
このように、ロータ平板部310の外周縁部に対向部320を形成することで、ステータティース210a〜210hの面と対向する面積を増加させ、電磁鋼板を2枚より多く積層させたときと同等の厚さを確保できる。よって、検出信号のレベルの低下を抑制しつつ、ロータ300の構造を簡素化することができる。さらに、対向部320は、2枚の電磁鋼板311a、311bが積層されて形成されているので、より一層、検出信号のレベルの低下を抑えることができる。対向部320とステータティース210a〜210hとのギャップパーミアンスを固定としたときに、対向部320が厚くされるほど、それらの間の相互インダクタンスが大きくなる。そして、相互インダクタンスが大きくなるほど、検出信号のレベルが大きくなるからである。
また、ロータ300は、積層板311の内周縁部も曲げられて、その曲げられた部分である内周側曲げ部分330が形成されている。その内周側曲げ部分330が形成されることで、ロータ300の取り付けが簡単になるととともに、ロータ300の体積を増加させて磁束のやり取りに寄与させることができる。
また、積層板311を曲げ加工して対向部320や内周側曲げ部分330を形成する際には、断面形状がR形状となるように積層板311の周縁部を曲げることが望ましい。ここで、図4は、そのことを説明するための図であり、図3の破線部61の拡大図である。なお、図4は、対向部320の断面形状を示すが、内周側曲げ部分330の断面形状も同様である。
図3(b)のB−B線に沿った対向部320の断面形状はR形状である。より具体的には、対向部320を形成する際の曲げ内側における磁性材料の実効透磁率が変化しないように、積層板311の外周縁部が、該積層板311の平板部分(ロータ平板部310)に対して起こされている。そのため、図4に示すように、断面視において、対向部320は、所与の曲げ半径の曲げ加工又は絞り加工によりロータ平板部310に対して起こされている。ここで、曲げ半径rr1は、積層板の板厚(tr×2)以上である(rr1≧tr×2)ことが望ましい。
これにより、ロータ300を構成する積層板311の板厚に応じた曲げ半径による加工により、電磁鋼板の粒状破壊を確実に防止し、回転角の検出精度の向上を確実に実現できるようになる。
また、曲げ半径rr1の中心CRから曲げ外側の面まで距離rr2は、次の(1)式の関係を有することが望ましい。
rr2≧(tr×2)×(1+√2) (1)
これによっても、ロータ300を構成する積層板311の板厚に応じた曲げ半径による加工により、磁性材料の粒状破壊を確実に防止し、回転角の検出精度の向上を確実に実現できるようになる。
さらに、電磁鋼板を2枚より多く積層させたときと同等の厚さを確保するために、ロータ300の対向部320の高さHについて、5×(tr×2)≦H≦12×(tr×2)の関係を有することが望ましい。対向部320の高さHを12×(tr×2)より高くしても、これ以上、検出信号のレベルを改善させることが期待できずに、却ってロータ300の大型化を招く。一方、対向部320の高さHを5×(tr×2)より低くすると、検出信号のレベルが低くなる。
次に、ロータ300の回転によって出力巻線から出力される検出信号を取り出すためのステータ巻線について説明する。ステータ巻線は、励磁巻線と出力巻線とから構成され、励磁巻線により励磁した状態で、ステータ200に対するロータ300の回転により、出力巻線の信号が変化する。
ここで、図5は、ステータ200のステータティース210a〜210hに巻回されるステータ巻線の説明図である。具体的には、図5(a)は、ステータ巻線を構成する励磁巻線4の説明図を示しており、図5(b)は、ステータ巻線を構成する出力巻線5の説明図を示している。図5(a)、(b)は、図1のロータ300の回転軸方向にレゾルバ100を見た平面図であり、図1と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。図5(a)では、励磁巻線4の巻き方向を模式的に示し、図5(b)では、出力巻線5の巻き方向を模式的に示す。実際には、各ボビンのステータ巻線を電気的に接続する導線は、その間に形成された渡りピンを経由させる。
励磁巻線4は、図5(a)に示すように、隣りあうステータティースの巻回方向が互いに反対方向になるように巻回される。各ステータティースに巻回される励磁巻線4は、例えばコイル巻線とすることができる。このような励磁巻線4と電気的に接続される端子R1、R2間に、励磁信号が与えられる。
また、図5(b)に示すように、2相の検出信号を得るために、出力巻線5は2組の巻線部材からなる。2相の検出信号の第1相(例えばsin相)の検出信号を得るための出力巻線51は、例えばステータティース210aから反時計回りにステータティース210gまで、1つおきに各ステータティースに巻回される。一方、2相の検出信号の第2相(例えばcos相)の検出信号を得るための出力巻線52は、例えばステータティース210bから反時計回りにステータティース210hまで、1つおきに各ステータティースに巻回される。第1相の検出信号は、端子S1、S3間の信号として検出され、第2相の検出信号は、端子S2、S4間の信号として検出される。各ステータティースに巻回される出力巻線5は、例えばコイル巻線とすることができる。
このように、ステータティース210c、210c、210e、210gが挿入孔に挿入されるボビン410a、410c、410e、410gのそれぞれの外側には、励磁巻線4及び第1相(sin相)の出力巻線51が巻回される。ステータティース210b、210d、210f、210hが挿入孔に挿入されるボビン410b、410d、410f、410hのそれぞれの外側には、励磁巻線4及び第2相(cos相)の出力巻線52が巻回される。
なお、励磁巻線4の巻き方向は、図5(a)に示す方向に限定されるものではない。また、出力巻線5の巻き方向は、図5(b)に示す方向に限定されるものではない。例えば、各ステータティースにおける励磁巻線4、出力巻線5の巻き方向を、図5(a)、図5(b)に示す方向に対して反対方向になるようにしてもよい。
以上のような構成を有するレゾルバ100では、ステータ200に対するロータ300の回転によって、次のような磁気回路が形成される。ここで図6は、図1のロータ300の回転軸方向にレゾルバ100を見た平面図であり、図1又は図2と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。なお、図6では、説明の便宜上、絶縁キャップ400の図示を省略するとともに、ステータ200も対してロータ300が回転状態のときのある時刻における磁束の向きを模式的に示している。また、図6において、巻線磁芯としての各ステータティースを通る磁束の向きを模式的に示している。
絶縁キャップ400を介してステータ200のステータティース210a〜210hにステータ巻線4、5が巻回されており、ロータ300が回転すると、ロータ300を介して隣り合うステータティース間で磁気回路が形成される。図6に示すように、隣り合うステータティースを通る磁束の向きが反対方向となるようにステータ巻線4、5が巻回されているため、ロータ300の回転によって、各ステータティースに巻回されるステータ巻線4、5に発生する電流もまた変化し、例えば出力巻線5に発生する電流波形を正弦波状にすることができる。
次に、本実施形態におけるレゾルバ100の製造方法について説明する。図7は、レゾルバ100の製造方法の一例のフロー図である。また図8は、折り曲げプレス加工前のステータ200を構成する平板250の斜視図である。また図9は、曲げ加工前のロータ300を構成する積層板311の斜視図である。図8、図9において、図1又は図2と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
レゾルバ100を製造するために、先ず、ステータ形状加工工程においてステータ200の形状を加工した(ステップS10)後に、折り曲げプレス加工工程(曲げ工程)において、平板状のステータ200のステータティースを折り曲げて、複数のステータティースが平板面に対して起こされる(ステップS12)。その結果、図2に示すように、平板250に対してステータティース210a〜210hが起こされる。
すなわち、ステップS10のステータ形状加工工程では、ステップS12の折り曲げプレス加工を行うために、図8に示すように、プレス加工により、1枚の電磁鋼板、普通鋼であるSPCC、機械構造用炭素鋼であるS45C又はS10Cを材質とする環状の磁性材料からなる平板の内径側の縁部にステータティースが形成されて、ステータ200の形状が形成される。
そして、ステップS12では、折り曲げプレス加工により、ステップS10において形成された複数のステータティースを、断面視において、その根本部分がR形状となるように加工される。この結果、ステータティース210a〜210hは、ステータ200の平板面に対して略垂直となるように起こされる。
続いて、絶縁キャップ取り付け工程として、図2に示す絶縁キャップ400を、そのボビンに設けられた挿入孔に、ステップS12で起こされたステータティースを挿入して、平板250に取り付ける(ステップS14)。このとき、絶縁キャップ400に設けられた1又は複数の係止部(図示外)により、平板250に係止ことで取り付けられる。
その後、巻線部材取り付け工程として、ステップS12で起こされたステータティース210a〜210hの各ステータティースを巻線磁芯として、各ステータティースの外側にステータ巻線が巻回される(ステップS16)。こうして起こされたステータティースのそれぞれの周囲に、励磁用の励磁巻線4及び検出用の出力巻線5が巻回される。なお、ボビンにステータ巻線を取り付けた絶縁キャップ400を、平板250に装着するようにしてもよい。
次に、ロータ加工工程として、加工前の2枚の電磁鋼板が予め積層されて積層板311が形成され、その積層板311がプレス加工されて環状に形成される(図9参照)。この際、対向部320及び内周側曲げ部分330(図3参照)の分も見越して、ロータ平板部310(図3参照)よりも大きめに積層板311が形成される(図9のハッチング部分)。また、ロータ300の軸倍角が「3」となるように、積層板311は、その外径輪郭線が3周期で変化するように形成される。その後、図9の積層板311の外周縁部及び内周縁部が曲げ工程又は絞り工程によって曲げられて、対向部320及び内周側曲げ部分330が形成され、ロータ300が形成される(ステップS18)。なお、上述したように、ロータ300の対向部320及び内周側曲げ部分330の断面形状がR形状となるように加工される。
次に、ロータ取り付け工程として、ロータ300が、ステータ200に対して回転自在となるように、ステータ200の内径側に設けられる(ステップS20)。より具体的には、ロータ取り付け工程において、ロータ300は、ロータ300の回転軸回りの回転によりロータ300の外側の対向部320の面とステータ200の各ステータティースとの間のギャップパーミアンスが変化するようにステータ200に対して回転可能に設けられる。なお、図7では、ロータ加工工程が、巻線部材取り付け工程の後に行われるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、少なくともロータ取り付け工程に先立って行われていればよい。以上のように、本実施形態におけるレゾルバ100が製造される。
以上のレゾルバ100においては、上述したように、ロータ300の外周側に対向部320が形成されているとともに、さらにその対向部320が2枚の電磁鋼板311a、311bで積層されて形成されているために(図3(b)参照)、出力巻線5から出力される検出信号のレベルを高くすることができる。ここで、図10は、このことを説明するための図であり、図3(b)の破線部分61における対向部320とその対向部320と対向したステータティースとを図示した図である。また、図10(a)は、ロータ300が通常の位置にあるときの図を示しており、図10(b)は、ロータ300が何らかの理由でスラスト方向(回転軸方向)に変位したときの図を示している。また、図10(c)は、対向部320がない場合(ロータ平板部310のみの場合)の図を示している。なお、図10では、複数のステータティース210a〜210hのいずれかのステータティースという意味でステータティースに符号「210」を付し、同様に、ボビンに符号「410」を付している。
図10(a)に示すように、ロータ300が通常の位置にあるときには、ロータ300は、その全部が、ボビン410から出ているステータティース210と対向される。ずなわち、図10(a)の破線62−63間の領域に、ロータ平板部310及び対向部320が含まれる。よって、ステータティース210とロータ300との間において、効率的に磁束のやり取りをすることができる。そして、対向部320全体がステータティース210の面と対向しているので、ロータ平板部310のみの場合(図10(c)参照)よりも検出信号のレベルを上げることができる。さらに、その対向部320が、2枚の電磁鋼板311a、311bで積層されて形成されており、ロータ300とステータティース210との間の相互インダクタンスを大きくすることができるので、1枚の電磁鋼板で形成されたときよりも、検出信号のレベルを上げることができる。
一方、図10(b)に示すように、何らかの理由によって、ロータ300がスラスト方向に変位したとする。例えば、ロータ300は2枚の電磁鋼板が積層された積層板311で形成されており、従来の厚いロータよりも厚さが薄くなっていることに起因して、ロータ300が変位する場合が考えられる。この場合には、図10(b)に示すように、ロータ300がスラスト方向に変位すると、ロータ平板部310が、ステータティース210と対向する領域(破線62−63間の領域)に含まれなくなる場合がある。この場合、対向部320の一部が、ステータティース210の面と対向することになる。このような場合であっても、対向部320が2枚の電磁鋼板311a、311bで積層されて形成されているので、磁束のやり取りが極端に落ちてしまうのを防止でき、検出信号のレベルの低下を抑えることができる。
以上説明したように、本実施形態のレゾルバ100によれば、ロータ300が、2枚の電磁鋼板が積層された積層板311で構成されているので、従来の厚いロータよりも構成及び製造工程を簡素化できる。また、レゾルバ100(ロータ300)の軽量化、コスト低減を実現できる。
また、ロータ300の外周側にはステータティースの面と対向する対向部320が形成されているので、ロータ300を簡素化しつつ、検出信号のレベルを向上することができる。さらに、その対向部320は、2枚の電磁鋼板が積層されて形成されているので、より一層、検出信号のレベルを向上することができる。また、ロータ300がスラスト方向に変位した場合であっても、検出信号のレベルの低下を抑えることができる。
また、予め2枚の電磁鋼板が積層された積層板311を加工して、ロータ300を形成しているので、2枚の電磁鋼板が積層された対向部320を簡易に形成できる。
なお、上記第一実施形態では、ロータ300を2枚の電磁鋼板が積層された積層板311で形成していたが、積層する電磁鋼板は2枚に限定されるものではない。積層する枚数を多くすることで、ロータの対向部を厚くすることができるので、検出信号のレベルを上げることができる。ただし、多く積層しすぎると、ロータ平板部も厚くなってしまい、ロータ自体が大型化してしまう。よって、ロータの簡素化と検出信号のレベルとを考慮して、積層する枚数を決定するのが望ましい。具体的には、例えば、2〜5の範囲の枚数で電磁鋼板を積層することができる。5枚より多くなると、ロータ300が大型化してしまい重量増加、コストアップ等の弊害が大きくなるからである。
(変形例1)
次に、第一実施形態の変形例について説明する。上記第一実施形態では、ロータ300の内周側に内周側曲げ部分330が形成されていたが(図3参照)、その内周側曲げ部分330を設けないようにしてもよい。ここで、図11は、この変形例1におけるロータ301の構造の説明図である。具体的には、図11(a)はロータ301の斜視図であり、図11(b)は図11(a)のC−C線に沿ったロータ301の断面構造を模式的に表した図である。
図11に示すように、ロータ301は、2枚の電磁鋼板304a及び304bが積層された積層板304で構成される。そして、積層板304の平板部分であるロータ平板部302の外周縁部が曲げられて対向部303が形成されている。また、ロータ301の内周側は曲げられていない。
このように、内周側曲げ部分を設けないようにすれば、より一層、ロータの構造を簡素化することができる。
(変形例2)
上記変形例1のロータ301においては、2枚の電磁鋼板が積層された積層板304で構成され、また内周側曲げ部分が形成されていないので、強度不足となる場合がある。強度不足になると、ロータががたついて変位してしまい回転角の検出精度が低下しまう。そこで、図12に示すように、図11のロータ301の対向部303の内側に形成された開口341を閉塞するように、対向部303の先端間に補強板800を取り付けてもよい。この図12は、図11のロータ301に補強板800を取り付けた後のロータ301を示した図であり、図12(a)はロータ301の斜視図であり、図12(b)は図12(a)のC−C線に沿ったロータ301の断面構造を模式的に表した図であり、図12(c)は補強板800の平面図である。
図12(b)、(c)に示すように、ロータ平板部302と平面視で同じ形状の補強板800を、対向部303の先端間に取り付ける。なお、補強板800は、例えば、ロータ301を構成する電磁鋼板と同じ種類、同じ板厚の電磁鋼板とされる。そして、例えば、溶接によって、対向部303と補強板800とが接続される。
これによって、ロータ301の対向部303の内側に形成された開口341を閉塞して、ロータ301の断面を四角断面にすることができるので、ロータ301の強度を向上できる。よって、ロータ301ががたついて検出精度が低下してしまうのを防止できる。
なお、図12のような補強板は、第一実施形態のように内周側曲げ部分が形成されているロータに対して取り付けてもよい。また、以下に示す、他の実施形態におけるロータに対して取り付けてもよい。いずれの場合も、ロータの対向部の内側に形成された開口を閉塞して、ロータの断面を強くすることができるので、ロータの強度を向上できる。
(第二実施形態)
次に、本発明に係るレゾルバの第二実施形態について説明する。上記第一実施形態では、予め複数の電磁鋼板が積層された積層板を加工することで、複数の電磁鋼板が積層された対向部を有するロータを形成していた。この第二実施形態では、1枚の電磁鋼板を加工してロータ平板部及び対向部を形成するとともに、その対向部に別の電磁鋼板を積層するという実施形態である。以下、本実施形態について、第一実施形態と異なる部分を中心にして説明する。
本実施形態のレゾルバは、図1のレゾルバ100に対して、ロータ300を、図13のロータ600に代えたものである。その他は、第一実施形態と同じである。
ここで、図13は、第二実施形態におけるロータ600の構造の説明図である。具体的には、図13(a)はロータ600の斜視図であり、図13(b)は図13(a)のD−D線に沿ったロータ600の断面構造を模式的に表した図である。また、図14は、図13の符号613で示される部材であるリング部材613を示した図である。具体的には、図14(a)は、リング部材613の斜視図であり、図14(b)はリング部材613の平面図であり、図14(c)はリング部材613の側面図である。
図13(a)に示すように、ロータ600は、第一実施形態のそれと同様に、ロータ平板部610を有する。また、ロータ600は、そのロータ平板部610の外周縁部からロータ平板部610に対して直角(回転軸と平行な方向)に曲がって形成された対向部620を有する。その対向部620は、ステータティース210a〜210hの面と対向されるものである。また、ロータ600は、ロータ平板部610の内周側に内周側曲げ部分630も形成されている。
そのロータ600は、図13(b)に示すように、1枚の電磁鋼板611が加工されて、外周側においては対向部620の一部である外周側曲げ部分612が形成されるとともに、内周側においては内周側曲げ部分630が形成されている。そして、外周側曲げ部分612の内側には、外周側曲げ部分612と接触するようにリング部材613が嵌められている。すなわち、対向部620は、外周側曲げ部分612とリング部材613とから構成されている。また、加工後の電磁鋼板611の外周側曲げ部分612以外の部分が、ロータ平板部610とされている。
リング部材613は、図14に示すように、例えば電磁鋼板611と同じ板厚trの帯状の電磁鋼板が環状になるように形成されたものである。そのリング部材613の平面視における外形は、ロータ平板部610の平面視における外形と略同じとされる。より詳細には、外周側曲げ部分612の内側に嵌め込まれる分だけ、リング部材613は、ロータ平板部610の外形よりも小さくなっている。また、リング部材613は、その幅Hが、外周側曲げ部分612の高さと同じとされる。すなわち、対向部620の厚さは、外周側曲げ部分612の板厚trとリング部材613の板厚trとでtr×2とされ、対向部620の高さはHとされる。
このように、ロータ600は、対向部620が形成されているので、ステータティース210a〜210hの面と対向する面積を増加させ、従来のロータと同等の厚さを確保できる。よって、ロータ300の構造を簡素化しつつ、検出信号のレベルを向上することができる。さらに、対向部620は、外周側曲げ部分612とリング部材613との2枚の電磁鋼板が積層されて形成されているので、より一層、検出信号のレベルを向上することができる。
また、電磁鋼板611を曲げ加工して外周側曲げ部分612や内周側曲げ部分630を形成する際には、第一実施形態と同様に、断面形状がR形状となるように電磁鋼板611の周縁部を曲げることが望ましい。この場合、どの程度のR形状とすればよいかの考え方は、上記の図4の説明で示した考え方と同じである。ただし、図4の説明では、2枚の電磁鋼板が積層された積層板についてのものであったため、図4の積層板311を1枚の電磁鋼板611に置き換えて考えればよい。
これにより、ロータ600の一部を構成する電磁鋼板611の板厚に応じた曲げ半径による加工により、電磁鋼板611の粒状破壊を確実に防止し、回転角の検出精度の向上を確実に実現できるようになる。
なお、対向部620をどの程度の高さにすればよいかの考え方は、上記の第一実施形態で示した考え方と同じである。
次に、第二実施形態におけるレゾルバ100の製造方法について説明する。その製造方法は、例えば、第一実施形態と同様に、図7のフロー図にしたがってなされる。この際、ステップS10〜ステップS16、ステップS20の工程は第一実施形態のそれと同じであり、ステップS18のロータ加工工程が第一実施形態のそれと異なる。
具体的には、ロータ加工工程として、加工前の1枚の電磁鋼板611がプレス加工されて環状に形成される。この際、外周側曲げ部分612及び内周側曲げ部分630(図13参照)の分も見越して、ロータ平板部610(図13参照)よりも大きめに電磁鋼板611が形成される。また、ロータ600の軸倍角が「3」となるように、電磁鋼板611は、その外径輪郭線が3周期で変化するように形成される。その後、電磁鋼板611の外周縁部及び内周縁部が曲げ工程又は絞り工程によって曲げられて、外周側曲げ部分612及び内周側曲げ部分630が形成される。
また、ロータ加工工程では、電磁鋼板611の加工とは別に、リング部材613が形成される工程がなされる。具体的には、予め帯状に形成された電磁鋼板(板厚tr、幅H)が曲げ加工により環状に形成される。その際、そのリング部材613の平面視における外形が、ロータ平板部610の平面視における外形と略同じとなるように形成される。
その後、加工後の電磁鋼板611における外周側曲げ部分612の内側に、リング部材613が嵌められて、ロータ600が形成される。この際、加工後の電磁鋼板611とリング部材613とは、例えば溶接によって固定すればよい。
以上説明したように、本実施形態のレゾルバ100によれば、第一実施形態における効果に加え、対向部620のみが複数の電磁鋼板で積層され、ロータ平板部610は1枚の電磁鋼板611で形成されているので、より一層、ロータの軽量化を図ることができる。
なお、上記第二実施形態では、外周側曲げ部分612の内側に、1つのリング部材613を設けていたが、複数のリング部材を設けて、対向部をさらに厚くしてもよい。具体的には、例えば、1〜4の範囲(外周側曲げ部分を含む対向部の積層数としては2〜5の範囲)の個数のリング部材を設けてもよい。4個より多くなると、ロータ300が大型化してしまい重量増加、コストアップ等の弊害が大きくなるからである。これによって、検出信号のレベルを向上できる。
(変形例3)
次に、第二実施形態の変形例について説明する。上記第二実施形態では、リング部材が外周側曲げ部分の内側に設けられていたが、外周側曲げ部分の外側に設けるようにしてもよい。ここで、図15は、この変形例3におけるロータを説明するための図であり、図13(b)と対比したロータの断面構造を模式的に表した図である。なお、図15において、図13の第二実施形態のロータ600と同一の部品には同一の符号を付している。このように、外周側曲げ部分612の外側にリング部材614を設けてもよい。
(第三実施形態)
次に、本発明に係るレゾルバの第三実施形態について説明する。上記第一、第二実施形態では、ロータの対向部の少なくとも一部が、ロータ平板部を構成する電磁鋼板で形成されていた。この第三実施形態では、ロータの対向部を、ロータ平板部を構成する電磁鋼板とは別の複数の電磁鋼板を積層して形成するという実施形態である。以下、本実施形態について、第一、第二実施形態と異なる部分を中心にして説明する。
本実施形態のレゾルバは、図1のレゾルバ100に対して、ロータ300を、図16のロータ700に代えたものである。その他は、第一実施形態と同じである。
ここで、図16は、第三実施形態におけるロータ700の構造の説明図である。具体的には、図16(a)はロータ700の斜視図であり、図16(b)は図16(a)のE−E線に沿ったロータ700の断面構造を模式的に表した図である。
図16(a)に示すように、ロータ700は、第一、第二実施形態のそれと同様に、ロータ平板部710及びその外周側に対向部720を有する。なお、ロータ700は、ロータ平板部710の内周側には内周側曲げ部分は形成されていない。
そのロータ700は、図16(b)に示すように、ロータ平板部710は、1枚の電磁鋼板で構成されており、その周縁部は曲げ加工がなされていない。また、ロータ平板部710の外周縁部に形成された対向部720は、2枚の電磁鋼板721、722が積層されて形成され、ロータ平板部710に溶接その他の固定手段によって固定(ロータ平板部710と一体化)されている。それら電磁鋼板721、722はそれぞれ、第二実施形態と同様に、ロータ平板部710と同じ板厚trで、帯状の電磁鋼板が環状になるように形成されたリング部材である(図14参照、以下リング部材721、722と称する。)。それらリング部材721、722の平面視における外形は、ロータ平板部710の平面視における外形と同じとされる。また、リング部材721、722の幅は、第一、第二実施形態における対向部と同じ高さHとされる。よって、ロータ700の対向部720は、厚さがtr×2、高さがHとされる。
このように、ロータ700は、第一、第二実施形態の対向部と同等の対向部720が形成されているので、第一、第二実施形態と同様に、ロータ700の構造を簡素化しつつ、検出信号のレベルを向上することができる。
次に、第三実施形態におけるレゾルバ100の製造方法について説明する。その製造方法は、例えば、第一、第二実施形態と同様に、図7のフロー図にしたがってなされる。この際、ステップS10〜ステップS16、ステップS20の工程は第一、第二実施形態のそれと同じであり、ステップS18のロータ加工工程が第一、第二実施形態のそれと異なる。
具体的には、ロータ加工工程として、加工前の1枚の電磁鋼板がプレス加工されて環状に形成されてロータ平板部710が形成される。また、ロータ700の軸倍角が「3」となるように、ロータ平板部710は、その外径輪郭線が3周期で変化するように形成される。
また、ロータ加工工程では、第二実施形態におけるリング部材の形成工程と同様に、リング部材721、722が形成される工程がなされる。この際、リング部材721の内側に設けられるリング部材722は、リング部材721の内側に嵌るように小さめに形成される。その後、リング部材721の内側にリング部材722が嵌められて、それらリング部材721とリング部材722とが溶接等で固定される。
その後、ロータ平板部710の外周縁部に、積層されたリング部材721、722が溶接等で固定されて、ロータ700が形成される。
以上説明したように、本実施形態のレゾルバ100によれば、第一、第二実施形態における効果に加え、ロータ平板部710と対向部720とが別の電磁鋼板で形成されており、ロータ平板部710を曲げ加工する必要がないので、曲げ加工にともなう工程を省略でき、曲げ加工によって磁気的特性が変化してしまうのを抑制できる。
なお、上記第三実施形態では、2つのリング部材721、722を積層して対向部を形成していたが、さらに多くのリング部材を積層して、対向部をさらに厚くしてもよい。具体的には、例えば、第一実施形態における積層する枚数と同様に、2〜5の範囲の個数のリング部材を設けてもよい。5個より多くなると、ロータ300が大型化してしまい重量増加、コストアップ等の弊害が大きくなるからである。これによって、検出信号のレベルを向上できる。
(第四実施形態)
上記実施形態ではレゾルバに本発明を適用した例について説明したが、回転同期装置としてのシンクロに本発明を適用してもよい。このシンクロは、ステータとロータとステータティースに巻回されたステータ巻線(励磁巻線、出力巻線)とを備えており、その出力巻線から、ロータの回転に応じて変化する正弦波信号を出力する点で、レゾルバと同じである。また、シンクロは、3相分の出力巻線がステータティースに巻回され、各出力巻線から出力される出力信号が、互いに位相角が120度ずれている点で、レゾルバと異なっている。このように、シンクロは、ステータ巻線の巻線構造以外はレゾルバと同じと考えることができるので、上記実施形態はそのままシンクロにも適用することができる。すなわち、上記ロータ平板部と対向部とを有するロータを構成することで、ロータの構造を簡素化しつつ検出信号のレベルを向上することができる。さらに、対向部が、複数の磁性材料の板が積層されて形成されることで、より一層、検出信号のレベルを向上することができる。
ここで、図18は、シンクロの用途例を示した図である。シンクロは、図18に示すように、主に、複数の機器間でそれらの運転を同期させるために用いられ、一般的に、同じ構造のシンクロ発信機とシンクロ受信機のセットで用いられる。具体的には、図18において、シンクロとしてのシンクロ発信機72は、その回転軸71が、一方の機器(発信側の機器、図示外)の運転にしたがって回転するように設けられる。そのシンクロ発信機72は、接続された機器の回転角に応じて変化する第1相〜第3相の信号(正弦波信号)を出力する。また、同様に、シンクロとしてのシンクロ受信機73は、その回転軸74が他方の機器(受信側の機器、図示外)の運転にしたがって回転するように設けられる。そのシンクロ受信機73は、接続された機器の回転角に応じて変化する第1相〜第3相の信号(正弦波信号)を出力する。そして、これらシンクロ発信機72とシンクロ受信機73の各相が接続される。これらの動作について、(1)シンクロ発信機72とシンクロ受信機73でロータの位置が異なると、それらの間で電位差が生じ、各相に電流が流れる。(2)その電流によって、シンクロ受信機73のロータが回転する。すなわち、トルクが発生する。(3)シンクロ受信機73のロータ(回転軸74)の回転にともなって、それに接続された受信側の機器が回転される。(4)シンクロ受信機73のロータの位置がシンクロ発信機72のロータの位置と同じになると、各相に電流が流れなくなる。(5)電流が流れなくなると、シンクロ受信機73のロータの回転が停止される。よって、シンクロ発信機72とシンクロ受信機73のロータの位置が同じ、つまり発信側の機器と受信側に機器の運転が同期される。このように、レゾルバと同様に、ロータの回転に応じて変化する正弦波信号を出力するシンクロ発信機及びシンクロ受信機に対して本発明を適用しても、ロータの構造を簡素化しつつ、検出信号のレベルを向上することができる。
なお、本発明に係るレゾルバ、シンクロは、上記実施形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々変形することができ、例え次のような変形も可能である。
上記の各実施形態では、レゾルバが、1相励磁2相出力型であるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。上記の各実施形態におけるレゾルバが、励磁信号が1相以外の相を有する信号であったり、検出信号が2相以外の相を有する信号であったりしてもよい。
上記の各実施形態では、磁性材料からなるステータの材質が1枚の電磁鋼板、普通鋼又は機械構造用炭素鋼材であるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記の各実施形態では、いわゆるインナーロータ型の回転角検出又は回転同期装置としてのレゾルバ、シンクロを例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明に係るレゾルバ、シンクロが、いわゆるアウターロータ型であってもよい。この場合、ロータの内周側が、ステータティースの外側(外径側、外周側)の面と対向するので、ロータの内周縁部に対向部を形成するようにする。
上記の各実施形態では、軸倍角「3」のロータを例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば軸倍角「5」のロータであってもよい。
上記の各実施形態では、絶縁キャップを介してステータ巻線をステータティースの外側に巻回する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、絶縁キャップが省略された構成であってもよい。