JP2011241179A - 高透明性9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン及びその製造法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 溶媒に溶解した際に特定のpHを有する9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンが、透過率や溶融色などの透明性および樹脂にする際の重合性に優れており、かつ、これら特定のpHを有する9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンは、ヘテロポリ酸を構成するヘテロ酸およびポリ酸に対して化学量論的に不足量の水酸化アルカリ水溶液で中和することにより、溶媒に溶解した際に特定のpHを有する9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンを製造できる。
【選択図】なし
Description
(1)ヘテロポリ酸触媒の存在下、フルオレノンと、2−フェノキシエタノールを反応し、反応後にヘテロポリ酸を構成するヘテロ酸およびポリ酸に対して化学量論的に不足量の水酸化アルカリ水溶液で中和することを特徴とする9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの製造方法。
(2)ヘテロポリ酸触媒の存在下、フルオレノンと、2−フェノキシエタノールを反応し、反応後にヘテロポリ酸を構成するヘテロ酸およびポリ酸に対して0.33当量以上0.96当量未満の水酸化アルカリ水溶液で中和することを特徴とする前記(1)項に記載の製造方法。
(3)ヘテロポリ酸触媒の存在下、フルオレノンと、2−フェノキシエタノールを反応し、反応後にヘテロポリ酸を構成するヘテロ酸およびポリ酸に対して0.40当量以上0.90当量未満の水酸化アルカリ水溶液で中和する事を特徴とする前記(1)項に記載の製造方法。
(4)9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンを95重量%以上含有し、質量基準で17倍の蒸留水/ジオキサン(=2/3容量比)溶媒に溶かした溶液の25℃におけるpHが6.2〜7.8であることを特徴とする9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン。
(5)溶融時の色相APHAが120以下であり、当該物質をジオキサンに溶解させた溶解液の400nmにおける透過率が99%以上であることを特徴とする前記(4)項に記載の9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン。
(6)ヘテロポリ酸触媒の存在下、フルオレノンと、2−フェノキシエタノールを反応し、反応後にヘテロポリ酸を構成するヘテロ酸およびポリ酸に対して化学量論的に不足量の水酸化アルカリ水溶液で中和することで製造された、質量基準で17倍の蒸留水/ジオキサン(=2/3容量比)溶媒に溶かした溶液の25℃におけるpHが6.2〜7.8である9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン。
本発明の高透明性9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンは、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンを95%以上含有し、質量基準で17倍の蒸留水/ジオキサン(=2/3容量比)溶媒に溶かした溶液の25℃におけるpHが6.2〜7.8であることを特徴とする。更には、溶融時の色相APHAが120以下であり、16.2重量%のジオキサン溶解液の400nmの透過率が99%以上であることを特徴とする。
水酸化アルカリの使用量が少ない場合、触媒機能を完全に失活できず高純度の9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンが得られない場合がある。また、ポリカーボネート等の樹脂を製造する際に十分な重合活性が得られなかったり、樹脂に濁りが生じる場合がある。
ヘテロポリ酸触媒の中和を行わない場合、残存する触媒の影響で不純物が増加し高純度の9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンを得ることができない。また、ポリカーボネート等の樹脂を製造する際に十分な重合活性が得られない。
析出した結晶は濾過等により回収される。得られた結晶は晶析に用いた溶媒等を用いて洗浄されてもよいし、乾燥されてもよい。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例および比較例におけるpH、透過率および重合評価方法は下記の通りである。
[pH測定]
9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン3gをジオキサン30mlに溶解させた後、蒸留水20mlを加えよく振り混ぜた液をpH4.01とpH6.86とpH9.18の標準液(キシダ化学社製)で校正されたpH測定装置(HORIBA製D−13、電極:HORIBA製6378型)を用い、JIS K3362−1998に準拠してpHを測定した。
[溶融色相測定]
9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン15gを比色管に入れ、230℃で2時間加熱融解した後の溶融色相をAPHA標準液と比較した。
[透過率測定]
10mlのメスフラスコに9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンを1.67g秤りとり、1,4−ジオキサンで定容としたものを試料液とし、紫外可視分光光度計(島津製作所社製UV−2450)を使って、光路長10mmの角型セルに上記試料液を入れ、室温で400〜700nmの波長範囲内での光透過率を測定した。 上記波長での透過率は高いほど、透明性は良好である。
[重合試験]
9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン80.0g、ジフェニルカーボネート39.8g、および炭酸セシウム9.0×10−3gを攪拌機、蒸留塔および減圧装置を備えた反応容器に入れ、窒素雰囲気下溶解した後に、生成したフェノールを留去しながら230℃/1torrまで段階的に減圧、昇温してエステル交換反応を行った。得られたポリカーボネート樹脂をGPC(TOSOH社製HLC−8220)を用い、THFを展開溶媒としてポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)を測定した。
得られた反応混合液を80℃まで冷却し、29%水酸化ナトリウム水溶液1.2g(8.42×10−3mol、リンタングステン酸に対して0.89当量)を加えて1時間攪拌した後、温度150℃まで徐々に昇温しながら減圧濃縮を行ない、フェノキシエタノールを留去した。
得られた濃縮液を冷却し、トルエン350g、イオン交換水50gを加え80℃で30分攪拌して目的物を有機層に分配した。この溶液を30分静置した後、水層を分液除去し有機層を回収した。更に、得られた有機層をイオン交換水50gで2回洗浄した。
得られた有機層を110℃まで昇温し1時間攪拌した、この間系外に留出した水は油水分離器により分離除去した。次に、得られた有機相が均一溶液であることを確認した後に65℃まで冷却した。この溶液に9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの結晶を種晶として0.2g添加し、65℃で2時間保温して結晶の析出を確認した。次いで、25℃まで冷却し、析出した結晶を濾別した。
この結晶を減圧乾燥し、溶媒を除去して、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの白色結晶97.5gを得た。原料フルオレノンに対する製品収率は80.1%であり、LC純度は98.8%であった。
得られた9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンのpHは
7.0であり、溶融色相はAPHA80、透過率は99.5%であった。また、重合試験の結果、得られた樹脂の分子量Mwは38000であった。
得られた反応混合液を80℃まで冷却し、29%水酸化ナトリウム水溶液0.75g(5.27×10−3mol、リンタングステン酸に対して0.56当量)を加えて1時間攪拌した後、温度150℃まで徐々に昇温しながら減圧濃縮を行ない、フェノキシエタノールを留去した。
得られた濃縮液を冷却し、トルエン350g、イオン交換水50gを加え80℃で30分攪拌して目的物を有機層に分配した。この溶液を30分静置した後、水層を分液除去し有機層を回収した。更に、得られた有機層をイオン交換水50gで2回洗浄した。
得られた有機層を110℃まで昇温し1時間攪拌した、この間系外に留出した水は油水分離器により分離除去した。次に、得られた有機相が均一溶液であることを確認した後に65℃まで冷却した。この溶液に9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの結晶を種晶として0.2g添加し、65℃で2時間保温して結晶の析出を確認した。次いで、25℃まで冷却し、析出した結晶を濾別した。
この結晶を減圧乾燥し、溶媒を除去して、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの白色結晶97.9gを得た。原料フルオレノンに対する製品収率は80.5%であり、LC純度は98.3%であった。
得られた9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンのpHは
6.5であり、溶融色相はAPHA60、透過率は99.5%であった。また、重合試験の結果、得られた樹脂の分子量Mwは34000であった。
得られた反応混合液を80℃まで冷却し、40%水酸化カリウム水溶液 1.7g(1.19×10−2mol、ケイタングステン酸に対して0.84当量)を加えて1時間攪拌した後、温度150℃まで徐々に昇温しながら減圧濃縮を行ない、フェノキシエタノールを留去した。
得られた濃縮液を冷却し、トルエン560g、イオン交換水80gを加え80℃で30分攪拌して目的物を有機層に分配した。この溶液を30分静置した後、水層を分液除去し有機層を回収した。更に、得られた有機層をイオン交換水80gで2回洗浄した。
得られた有機層を110℃まで昇温し1時間攪拌した、この間系外に留出した水は油水分離器により分離除去した。次に、得られた有機相が均一溶液であることを確認した後に65℃まで冷却した。この溶液に9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの結晶を種晶として0.3g添加し、65℃で2時間保温して結晶の析出を確認した。次いで、25℃まで冷却し、析出した結晶を濾別した。
この結晶を減圧乾燥し、溶媒を除去して、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの白色結晶155.4gを得た。原料フルオレノンに対する製品収率は79.8%であり、LC純度は98.5%であった。
得られた9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンのpHは
7.1であり、溶融色相はAPHA60、透過率は99.5%であった。また、重合試験の結果、得られた樹脂の分子量Mwは38000であった
攪拌機、窒素吹込管、温度計および還流冷却器を付けたガラス製反応器に、フルオレノン50.0g(0.28mol)、リンタングステン酸1.2g(3.51×10−4mol)、フェノキシエタノール383.0g(2.77mol)を加え、2.0kPaの減圧下、温度130℃まで徐々に昇温した。その後2.0〜3.0kPaの減圧下、温度130〜135℃で生成する水を反応系外に除きながら5時間攪拌して反応をおこなった。
得られた反応混合液を80℃まで冷却し、29%水酸化ナトリウム水溶液1.7g(1.23×10−2mol、リンタングステン酸に対して1.30当量)を加えて1時間攪拌した後、温度150℃まで徐々に昇温しながら減圧濃縮を行ない、フェノキシエタノールを留去した。
得られた濃縮液を冷却し、トルエン350g、イオン交換水50gを加え80℃で30分攪拌して目的物を有機層に分配した。この溶液を30分静置した後、水層を分液除去し有機層を回収した。更に、得られた有機層をイオン交換水50gで2回洗浄した。
得られた有機層を110℃まで昇温し1時間攪拌した、この間系外に留出した水は油水分離器により分離除去した。次に、得られた有機相が均一溶液であることを確認した後に65℃まで冷却した。この溶液に9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの結晶を種晶として0.2g添加し、65℃で2時間保温して結晶の析出を確認した。次いで、25℃まで冷却し、析出した結晶を濾別した。
この結晶を減圧乾燥し、溶媒を除去して、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの白色結晶96.5gを得た。原料フルオレノンに対する製品収率は79.3%であり、LC純度は98.1%であった。
得られた9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンのpHは
7.9であり、溶融色相はAPHA250、透過率は97.1%であった。
攪拌機、窒素吹込管、温度計および還流冷却器を付けたガラス製反応器に、フルオレノン50.0g(0.28mol)、リンタングステン酸1.2g(3.51×10−4mol)、フェノキシエタノール383.0g(2.77mol)を加え、2.0kPaの減圧下、温度130℃まで徐々に昇温した。その後2.0〜3.0kPaの減圧下、温度130〜135℃で生成する水を反応系外に除きながら5時間攪拌して反応をおこなった。
得られた反応混合液を80℃まで冷却し、29%水酸化ナトリウム水溶液0.2g(1.31×10−3mol、リンタングステン酸に対して0.14当量)を加えて1時間攪拌した後、温度150℃まで徐々に昇温しながら減圧濃縮を行ない、フェノキシエタノールを留去した。
得られた濃縮液を冷却し、トルエン350g、イオン交換水50gを加え80℃で30分攪拌して目的物を有機層に分配した。この溶液を30分静置した後、水層を分液除去し有機層を回収した。更に、得られた有機層をイオン交換水50gで2回洗浄した。
得られた有機層を110℃まで昇温し1時間攪拌した、この間系外に留出した水は油水分離器により分離除去した。次に、得られた有機相が均一溶液であることを確認した後に65℃まで冷却した。この溶液に9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの結晶を種晶として0.2g添加し、65℃で2時間保温して結晶の析出を確認した。次いで、25℃まで冷却し、析出した結晶を濾別した。
この結晶を減圧乾燥し、溶媒を除去して、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの白色結晶97.3gを得た。原料フルオレノンに対する製品収率は80.0%であり、LC純度は98.0%であった。
得られた9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンのpHは
5.0であり、溶融色相はAPHA90、透過率は99.0%であった。また、重合試験の結果、重合反応が殆ど進行せず、ポリカーボネート樹脂を得ることができなかった。
Claims (6)
- ヘテロポリ酸触媒の存在下、フルオレノンと、2−フェノキシエタノールを反応し、反応後にヘテロポリ酸を構成するヘテロ酸およびポリ酸に対して化学量論的に不足量の水酸化アルカリ水溶液で中和することを特徴とする9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの製造方法。
- ヘテロポリ酸触媒の存在下、フルオレノンと、2−フェノキシエタノールを反応し、反応後にヘテロポリ酸を構成するヘテロ酸およびポリ酸に対して0.33当量以上0.96当量未満の水酸化アルカリ水溶液で中和することを特徴とする請求項1記載の9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの製造方法。
- ヘテロポリ酸触媒の存在下、フルオレノンと、2−フェノキシエタノールを反応し、反応後にヘテロポリ酸を構成するヘテロ酸およびポリ酸に対して0.40当量以上0.90当量未満の水酸化アルカリ水溶液で中和する事を特徴とする請求項1記載の製造方法。
- 9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンを95重量%以上含有し、質量基準で17倍の蒸留水/ジオキサン(=2/3容量比)溶媒に溶かした溶液の25℃におけるpHが6.2〜7.8であることを特徴とする9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン。
- 溶融時の色相APHAが120以下であり、当該物質をジオキサンに溶解させた溶解液の400nmにおける透過率が99%以上であることを特徴とする請求項4記載の9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン。
- ヘテロポリ酸触媒の存在下、フルオレノンと、2−フェノキシエタノールを反応し、反応後にヘテロポリ酸を構成するヘテロ酸およびポリ酸に対して化学量論的に不足量の水酸化アルカリ水溶液で中和することで製造された、質量基準で17倍の蒸留水/ジオキサン(=2/3容量比)溶媒に溶かした溶液の25℃におけるpHが6.2〜7.8である9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン。
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