JP2011124064A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents
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Abstract
【課題】水や炭化水素などの不純ガスを十分に除去し、保護層や蛍光体の劣化を抑制した信頼性の高いPDPを提供する。
【解決手段】複数の表示電極対14と誘電体層15と保護層16とが形成された前面基板11と、複数のデータ電極18と下地誘電体層19と隔壁22と蛍光体層23とが形成された背面基板17とを有し、表示電極対14とデータ電極18とが交差するように前面基板11と背面基板17とを対向配置して周囲を封着したPDP10であって、下地誘電体層19の内部に水素吸蔵性材料21を配置した。
【選択図】図2
【解決手段】複数の表示電極対14と誘電体層15と保護層16とが形成された前面基板11と、複数のデータ電極18と下地誘電体層19と隔壁22と蛍光体層23とが形成された背面基板17とを有し、表示電極対14とデータ電極18とが交差するように前面基板11と背面基板17とを対向配置して周囲を封着したPDP10であって、下地誘電体層19の内部に水素吸蔵性材料21を配置した。
【選択図】図2
Description
本発明は、画像表示に用いられるプラズマディスプレイパネルに関する。
近年、大画面で薄型軽量を実現できるカラー表示デバイスとしてプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」と略記する)が注目されている。
PDPとして代表的な交流面放電型PDPは、対向配置された前面基板と背面基板との間に多数の放電セルが形成されている。前面基板は、1対の走査電極と維持電極とからなる表示電極対がガラス基板上に互いに平行に複数対形成され、それら表示電極対を覆うように誘電体層および保護層が形成されている。背面基板は、ガラス基板上に複数の互いに平行なデータ電極と、それらを覆うように誘電体層と、さらにその上に井桁状の隔壁とがそれぞれ形成され、誘電体層の表面と隔壁の側面とに蛍光体層が形成されている。
そして、表示電極対とデータ電極とが交差するように前面基板と背面基板とが対向配置されて密封され、内部の放電空間には放電ガスが封入されている。ここで表示電極対とデータ電極とが対向する部分に放電セルが形成される。このような構成のPDPの各放電セル内でガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線で赤色、緑色および青色の各色の蛍光体を励起発光させてカラー表示を行っている。PDPを駆動する方法としてはサブフィールド法、すなわち、1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割した上で、発光させるサブフィールドの組み合わせによって階調表示を行う方法が一般的である。
PDPは、前面基板作製工程、背面基板作製工程、封着工程、排気工程、放電ガス供給工程の各工程を経て製造される。ここで封着工程は、前面基板作製工程で作成した前面基板と背面基板作製工程で作成した背面基板とを貼り合わせる工程であり、排気工程はPDP内部の空間からガスを排気する工程である。封着工程ではフリットを用いて前面基板と背面基板とを貼り合わせるため、それらを重ね合わせてフリットの軟化点温度以上、例えば440℃〜500℃程度で焼成する。
このような封着工程において、フリットなどから、水(H2O)、一酸化炭素(CO)、炭酸ガス(CO2)、炭化水素(CnHm)などの不純ガスが排出され、これらの不純ガスの一部がPDPの内部に吸着される。また、続く排気工程では、PDPの内部空間を排気するが、PDPの内部に吸着された不純ガスを完全に排気することが難しく、PDPの内部にある程度の不純ガスが残留する。
保護層や蛍光体などはこれらの不純ガスと反応し、その特性が劣化することが知られている。特に、水(H2O)は、保護層に影響を及ぼして放電セルの放電開始電圧を低下させ、表示画面に「にじみ」状の画質劣化を発生させる。また、長時間にわたり静止画像を表示するとその画像が残像となる「焼きつき」を発生させる。また炭化水素は、蛍光体の表面を還元し、蛍光体の発光輝度を低下させる。
そのため、PDPの内部に残留する不純ガス、特に水や炭化水素を低減し、放電特性を安定させ、経時変化を抑制して信頼性を高めることが重要である。これら不純ガスを除去する方法として、例えば特許文献1には、結晶性アルミノケイ酸塩(xM2O・yM2O・yAl2O3・zSiO2・nH2O)、γ活性アルミナ(γ−Al2O3)または非晶質活性シリカ(SiO2)などの吸着剤をPDP内部に配置して水を除去する例が開示されている。また特許文献2には、PDP内部の画像表示領域以外に酸化マグネシウム膜を設けて、水を除去する例が開示されている。
さらに特許文献3には、アルミナ(Al2O3)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ランタニウム(La2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化マンガン(MnO)、酸化クロム(CrO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化鉄(Fe2O3)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、酸化チタン(TiO2)などの酸化物や、これらの酸化物に炭化水素の分解触媒である白金族元素を添加した吸着剤をPDP内部の画像表示領域以外に配置して炭化水素を除去する例が開示されている。また特許文献4には、ジルコン(Zr)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)などの金属ゲッタをPDP内部の隔壁上に設けて有機溶媒成分を吸着する例が開示されている。
しかしながら、近年のPDPの大画面化および高精細化にともない、不純ガスの残留量が増加する。そのため、上記の従来例では、水や炭化水素、有機溶媒などの不純ガスを十分に除去することが難しく、保護層や蛍光体が劣化するといった課題を有していた。
本発明はこれらの課題を解決して、水や炭化水素などの不純ガスを十分に除去し、保護層や蛍光体の劣化を抑制した信頼性の高いPDPを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明のPDPは、複数の表示電極対と誘電体層と保護層とが形成された前面基板と、複数のデータ電極と下地誘電体層と隔壁と蛍光体層とが形成された背面基板とを有し、表示電極対とデータ電極とが交差するように前面基板と背面基板とを対向配置して周囲を封着したPDPであって、下地誘電体層の内部に水素吸蔵性材料を配置している。
このような構成によれば、水素吸蔵性材料が、データ電極と下地誘電体層との段差部などに滞留している不純ガスの水素などを吸蔵し、保護層や蛍光体の劣化を抑制した信頼性の高いPDPを実現できる。
さらに、水素吸蔵性材料がパラジウムを含むことが望ましい。このような構成によれば、パラジウムが白金族元素のなかで最も水素吸蔵性能が高いため、画質劣化や蛍光体の発光輝度低下をさらに抑制したPDPを実現できる。
本発明のPDPによれば、水や炭化水素などの不純ガスを十分に除去し、保護層や蛍光体の劣化を抑制した信頼性の高いPDPを提供することができる。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1におけるPDPの構造を示す分解斜視図、図2は図1のA−A線断面図である。図1、図2に示すように、PDP10は、前面基板11と背面基板17とから構成されている。
図1は実施の形態1におけるPDPの構造を示す分解斜視図、図2は図1のA−A線断面図である。図1、図2に示すように、PDP10は、前面基板11と背面基板17とから構成されている。
図1、図2において、ガラス製の前面基板11上には、走査電極12と維持電極13とで対をなす表示電極対14が互いに平行に複数対形成されている。この走査電極12および維持電極13は、走査電極12−維持電極13−維持電極13−走査電極12の配列で繰り返すパターンで形成されている。走査電極12は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)などの導電性金属酸化物からなる幅の広い透明電極12aの上に、導電性を高めるために銀(Ag)などの金属を含む幅の狭いバス電極12bを積層して形成されている。維持電極13も同様に、幅の広い透明電極13aの上に幅の狭いバス電極13bを積層して形成されている。さらに、表示電極対14を覆うように誘電体層15および酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層16が形成されている。誘電体層15は、膜厚が約40μmの酸化ビスマス(Bi2O3)系低融点ガラスまたは酸化亜鉛(ZnO)系低融点ガラスで形成されている。保護層16は、膜厚が約0.8μmの酸化マグネシウムを主体とするアルカリ土類酸化物からなる薄膜層であり、誘電体層をイオンスパッタから保護するとともに放電開始電圧などの放電特性を安定させるために設けられている。
ガラス製の背面基板17上には、銀(Ag)を主成分とする導電性材料からなる互いに平行な複数のデータ電極18が形成され、データ電極18を覆うように下地誘電体層19が形成されている。下地誘電体層19は、誘電体層15と同様の材料であってもよいが、可視光反射層としての働きも兼ねるように酸化チタン(TiO2)粒子を混合した材料であってもよい。
下地誘電体層19の内部には、水素吸蔵性材料21が配置されている。水素吸蔵性材料21は、粒径が0.1μm〜20μmの粉体粒子である。水素吸蔵性材料21の詳細については後述する。
下地誘電体層19上には井桁状の隔壁22が形成され、下地誘電体層19の表面と隔壁22の側面とには、赤、緑、青各色の蛍光体層23が形成されている。隔壁22は、例えば低融点ガラス材料を用いて約0.12mmの高さに形成されている。蛍光体層23は、青色蛍光体としてBaMgAl10O17:Euを、緑色蛍光体としてZn2SiO4:Mnを、赤色蛍光体として(Y、Gd)BO3:Euなどをそれぞれ用いて約15μmの膜厚に形成されている。
前面基板11と背面基板17とは、表示電極対14とデータ電極18とが交差するように対向配置され、その外周部をフリットなどの封着材(図示せず)によって封着され内部に放電空間が形成されている。放電空間にはキセノン(Xe)などを含む放電ガスが約6×104Paの圧力で封入されている。放電空間は隔壁22によって複数の区画に仕切られており、表示電極対14とデータ電極18とが交差する部分に放電セル24が形成されている。そしてこれらの放電セル24が放電、発光することにより画像が表示される。なお、PDP10の構造は上述したものに限られるわけではなく、隔壁22の形状がストライプ状であってもよい。
図3は実施の形態1におけるPDPの電極配列図である。行方向に長いn本の走査電極Y1、Y2、Y3・・・Yn(図1の走査電極12)およびn本の維持電極X1、X2、X3・・・Xn(図1の維持電極13)が配列され、列方向に長いm本のデータ電極A1・・・Am(図1のデータ電極18)が配列されている。そして、1対の走査電極Y1および維持電極X1と1つのデータ電極A1とが交差した部分に放電セル24が形成され、放電セル24は放電空間内にm×n個形成されている。そしてこれらの電極のそれぞれが、前面基板11、背面基板17の画像表示領域外の周辺端部に設けられた接続端子に接続されている。
PDP10を駆動する方法としてはサブフィールド法が用いられる。サブフィールド法は、1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割した上で、発光させるサブフィールドの組み合わせによって階調表示を行う方法である。サブフィールドは、初期化期間、書込み期間および維持期間を有する。初期化期間では各放電セル24で初期化放電を発生させて、それに続く書込み放電に必要な壁電荷を形成する。書込み期間では、表示を行うべき放電セルで選択的に書込み放電を発生させ、それに続く維持放電に必要な壁電荷を形成する。そして維持期間では、走査電極および維持電極に交互に維持パルスを印加して、書込み放電を起こした放電セル24で維持放電を発生させ、対応する放電セル24の蛍光体層23を発光させることにより画像表示を行う。
次に水素吸蔵性材料21について説明する。水素を吸蔵する水素吸蔵性材料21としては、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、オスミニウム(Os)などの白金族があるが、中でもパラジウムが不純ガスの吸収に特に優れていることが分かった。実施の形態1では水素吸蔵性材料21にパラジウム粉末を用いた。
なお、水素吸蔵性材料21として、パラジウムと、遷移金属であるチタン(Ti)、マンガン(Mn)、ジルコニウム(Zr)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ランタン(La)、鉄(Fe)、バナジウム(V)の内のいずれか一種との合金も不純ガスの吸収に優れている。すなわち水素吸蔵性材料21にパラジウム単体だけでなくパラジウムを含む合金を用いても高い効果がある。
下地誘電体層19に水素吸蔵性材料21を配置する方法としては、下地誘電体層19を形成するガラスペーストに水素吸蔵性材料21の粉末を分散させて、スリーン印刷法、ダイコート法などを用いることができる。
次に、水素吸蔵性材料21の作用について説明する。従来、水や炭化水素を除去するために金属ゲッタや酸化物ゲッタを使用していた。しかしながら、これらの不純ガスはその分子径が大きいためにゲッタの内部まで十分に浸透せず、不純ガスの吸着性能に限界があった。PDP10を放電させると、保護層16、隔壁22、下地誘電体層19、蛍光体層23などから不純ガスが放出され、その中の水分子や炭化水素分子が水素原子、酸素原子、炭素原子に分解される。そこで、本実施の形態では、白金族元素が水素を大量に吸蔵する性質を用い、水素原子を白金族元素に吸蔵させて水や炭化水素を除去するようにしている。
このようにして作成したPDP10を用いて画像を表示させ、およそ1000時間の間、表示面での「にじみ」および「焼きつき」の有無を目視で確認した。その結果、全てのPDP10で「にじみ」や「焼きつき」による画質劣化が従来のPDP10より軽減することを確認した。これは、水分子や炭化水素分子が、水素原子、酸素原子、炭素原子に分解され、白金族元素、特にパラジウムが水素を大量に吸蔵したことにより、酸素、炭素は残留するものの、水分子や炭化水素分子が大幅に減少したためであると考えられる。
一方、下地誘電体層19は、ガラス製の背面基板17上に形成されたデータ電極18を覆って形成されている。したがって、下地誘電体層19を形成する際には、下地誘電体層19がデータ電極18の厚み分だけの段差部に空隙を発生させないようにそのガラスペーストを調整する必要がある。しかしながら、ガラスペーストの粘度などを調整しても、データ電極18のコーナー部で空隙を生じることや、逆に、下地誘電体層19の空隙が大きくなるなどの課題が発生する。したがって、このような段差部や空隙に不純ガスが滞留し、放電にともなって放電空間に放出される。
そこで、本実施の形態では、このような段差部や空隙が生じる下地誘電体層19に水素吸蔵性材料21を配置している。そのため、水素吸蔵性材料21は、下地誘電体層19の段差部や空隙から発生する不純ガスの水素成分を積極的に吸着することができる。その結果として、放電特性や輝度に影響を与える保護層16や蛍光体層23への不純ガスの影響を排除することが可能となる。
以上のように、本発明のPDPによれば、水、炭化水素などの不純ガスを十分に除去し、保護層や蛍光体の劣化を抑制した信頼性の高いPDPを実現することができる。
本発明のPDPによれば、水や炭化水素などの不純ガスを十分に除去でき、保護層や蛍光体の劣化を抑制できるので、信頼性の高いPDPとして有用である。
10 PDP
11 前面基板
12 走査電極
12a,13a 透明電極
12b,13b バス電極
13 維持電極
14 表示電極対
15 誘電体層
16 保護層
17 背面基板
18 データ電極
19 下地誘電体層
21 水素吸蔵性材料
22 隔壁
23 蛍光体層
24 放電セル
11 前面基板
12 走査電極
12a,13a 透明電極
12b,13b バス電極
13 維持電極
14 表示電極対
15 誘電体層
16 保護層
17 背面基板
18 データ電極
19 下地誘電体層
21 水素吸蔵性材料
22 隔壁
23 蛍光体層
24 放電セル
Claims (2)
- 複数の表示電極対と誘電体層と保護層とが形成された前面基板と、複数のデータ電極と下地誘電体層と隔壁と蛍光体層とが形成された背面基板とを有し、前記表示電極対と前記データ電極とが交差するように前記前面基板と前記背面基板とを対向配置して周囲を封着したプラズマディスプレイパネルであって、前記下地誘電体層の内部に水素吸蔵性材料を配置したことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
- 前記水素吸蔵性材料がパラジウムを含むことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2009280256A JP2011124064A (ja) | 2009-12-10 | 2009-12-10 | プラズマディスプレイパネル |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2009280256A JP2011124064A (ja) | 2009-12-10 | 2009-12-10 | プラズマディスプレイパネル |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2011124064A true JP2011124064A (ja) | 2011-06-23 |
Family
ID=44287763
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2009280256A Pending JP2011124064A (ja) | 2009-12-10 | 2009-12-10 | プラズマディスプレイパネル |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2011124064A (ja) |
-
2009
- 2009-12-10 JP JP2009280256A patent/JP2011124064A/ja active Pending
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