本発明の電子部品収納用パッケージについて、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、この実施の形態の例では、電子部品として水晶振動子を収納する場合を例に挙げて説明する。
図1(a)は本発明の電子部品収納用パッケージの実施の形態の一例を示す平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A’線における断面図であり、図1(c)は図1(b)の要部を拡大して示す要部拡大断面図である。図1において101は絶縁基板、102は電子部品(図示せず)の搭載部、103は電子部品を電気的に接続するための接続配線導体、104は第1枠状メタライズ層、105は第2枠状メタライズ層、106は金属枠体である。そして、主に、接続配線導体103,第1枠状メタライズ層104および第2枠状メタライズ層105を備えた絶縁基板101と金属枠体106とで電子部品収納用パッケージが構成されている。なお、図1(a)では、見やすくするために金属枠体106を省略している。
絶縁基板101は、酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム焼結体,ムライト質焼結体,ガラス−セラミック焼結体等のセラミック材料から成り、例えば平面視で一辺の長さが1.6〜10mm程度の長方形状で、厚みが0.4〜2mm程度の板状である。なお、絶縁基板101は、セラミック材料からなる絶縁層(図示せず)が必要に応じて積層されて構成されたものであり、絶縁層が1層でもよく、2層以上でもよい。
また、絶縁基板101は、上面に電子部品を搭載するための四角形状等の搭載部102を有している。このような絶縁基板101は、酸化アルミニウム質焼結体からなる場合であれば、酸化アルミニウム,酸化珪素,酸化マグネシウムおよび酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機バインダや溶剤,可塑剤等を添加混合して泥漿状にするとともに、これを例えばドクターブレード法やロールカレンダー法等のシート成形法によりシート状となすことにより複数枚のセラミックグリーンシートを得て、次にそれらのセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともに上下に積層し、その積層体を高温で焼成することにより製作される。
絶縁基板101は、それぞれがこのような絶縁基板101となる複数の領域(図示せず)がセラミック母基板に縦横の並びに配列された、いわゆる多数個取り基板を製作し、これを領域の境界において切断して個片に分割する方法で製作してもよい。
また、絶縁基板101の搭載部102の隅部に、一対の接続配線導体103が形成されている。この接続配線導体103は、搭載部102に搭載される電子部品である水晶振動子の電極を接続するための接続導体として機能する。水晶振動子(図示せず)は、通常、その外形が四角形状で、その主面の隅部に接続用の一対の電極(図示せず)が形成されており、そのような電極の接続を容易かつ確実に行なえるようにするため、接続配線導体103は搭載部102の隅部に形成されている。
電子部品の各電極と接続配線導体103との接続は、例えば半田や導電性接着剤等の導電性接続材を介して行なわれる。すなわち、電子部品の主面の隅部に形成された電極が接続配線導体103に対向するように電子部品を搭載部102に位置決めして、あらかじめ電極や接続配線導体103に被着させておいた導電性接続材を加熱溶融させたり硬化させたりすれば、電子部品の電極と接続配線導体103とが接続される。
なお、接続配線導体103は、この実施の形態の例では電子部品として水晶振動子を用いた例を説明しているので上記のように一対のものが形成されているが、他の形態の電子部品を収納する場合であれば、その電子部品の電極の配置に応じて形状や個数等を変えて形成すればよい。このような電子部品としては、例えば、セラミック圧電素子や弾性表面波素子等の圧電素子,半導体素子,容量素子,抵抗器等を挙げることができる。これらの電子部品の場合でも、例えば電子部品の多機能化に対応した接続配線導体103の数の増加や、電子部品収納用パッケージの小型化等のために、接続配線導体103が第1枠状メタライズ層104の内周に近接して形成される。
接続配線導体103は、例えば、接続配線導体103から絶縁基板101の外表面にかけて形成された配線導体(図示せず)を介して絶縁基板101の外表面に電気的に導出されている。配線導体は搭載部102に搭載されている電子部品の各電極を外部の電気回路(図示せず)に電気的に接続するための導電路として機能する部位である。この配線導体の絶縁基板101外表面に形成された部分を、半田等を介して外部電気回路に接続することにより、電子部品の電極が接続配線導体103および配線導体を介して外部の電気回路に電気的に接続される。
また、接続配線導体103および配線導体は、接続配線導体103や配線導体の酸化腐食を防止するとともに、接続配線導体103と電子部品の電極との接続や、配線導体と外部の電気回路との接続をより容易で強固なものとするためには、それらの露出した表面に1〜10μm程度の厚みのニッケルめっき層と0.1〜3μm程度の厚みの金めっき層とが順次被着されているのがよい。
接続配線導体103および配線導体は、例えば、タングステンやモリブデン,マンガン,銅,銀等のメタライズ層からなり、このような金属材料のペーストを、絶縁基板101を構成する絶縁層となるセラミックグリーンシートに所定パターンに印刷しておき、絶縁基板101と同時焼成する方法で形成される。
また、絶縁基板101の上面には、搭載部102を取り囲むようにタングステンやモリブデン,マンガン,銅,銀等のメタライズ層からなる第1枠状メタライズ層104、および第2枠状メタライズ層105が被着されている。第1枠状メタライズ層104および第2枠状メタライズ層105は、接続配線導体103や配線導体と同様に、これらの金属材料を用いて作製した金属ペーストを所定パターンに印刷する方法で形成することができる。これらの具体的な形成方法については後述する。
第1および第2枠状メタライズ層104,105により、金属枠体106をろう付けするための下地金属層である枠状メタライズ層(符号なし)が構成され、枠状メタライズ層に金属枠体106がろう付けされて電子部品収納用パッケージが構成されている。
そして、絶縁基板101の搭載部102に電子部品を搭載し、電子部品の電極を導電性接着剤等で接続配線導体103に接続した後、金属枠体106の上面に蓋体を接合することにより、蓋体と金属枠体106と絶縁基板101とからなる容器内に電子部品が気密封止され、電子装置(水晶発振器等)(図示せず)となる。
金属枠体106は、例えば鉄−ニッケル合金や鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属材料からなり、蓋体を絶縁基板101に接合するための金属部材として機能する。この金属枠体106は、例えば、厚みが0.1〜0.5mm程度であり、幅が0.15〜0.45mm程度の四角枠状である。また、金属枠体106を枠状メタライズ層にろう付けする方法としては、例えば、金属枠体106の下面に予め20〜50μmの厚みの銀ろうを被着させておき、この銀ろうが被着された下面を枠状メタライズ層上に載置して、これらをカーボン製の治具等で仮固定しながら電気炉等で加熱する方法を挙げることができる。この方法により、容易に蓋体とメタライズ層との間を気密性よく強固にろう付けすることができる。
蓋体は、鉄−ニッケル合金や鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属材料やセラミック材料,樹脂材料からなり、ろう付け法や溶接法(例えばシーム溶接やエレクトロンビーム溶接等)等の接合法で金属枠体106に接合される。なお、蓋体がセラミック材料や樹脂材料からなる場合は、ろう付け法や溶接法によって第1および第2枠状メタライズ層104,105に接合できるようにするために、蓋体の接合面に、メタライズ法やめっき法,金属体の埋め込み等の方法により金属層を形成しておくのがよい。なお、蓋体の形状は、例えば四角平板状や下面に凹部を有する四角形状である。
ろう材107は、例えば、銀−銅共晶組成をベースとする銀ろう(例えば、71〜73質量%銀−27〜29質量%銅、JIS名称:BAg−8)である。BAg−8の場合、融点は780℃程度である。このようなろう材107を使用することにより、800〜850℃程度の熱処理において金属枠体106を枠状メタライズ層にろう付けすることができる。このろう材107は、絶縁基板101の大きさや形状,用途等に応じて、濡れ性や溶融温度等の調整のために、錫,亜鉛等の金属元素が添加されていてもよい。
本発明の電子部品収納用パッケージにおいて、図1(c)に詳しく示すように、枠状メタライズ層は、絶縁基板101の上面に直接被着され、内周が搭載部102の外周に近接して沿っている第1枠状メタライズ層104と、第1枠状メタライズ層104の外周に沿って絶縁基板101の上面から第1枠状メタライズ層104の上面にかけて被着された、第1枠状メタライズ層104よりも厚い第2枠状メタライズ層105とからなっている。
この構成によれば、比較的薄い第1枠状メタライズ層104が、内周が搭載部102の外周に沿って被着されているので、この第1枠状メタライズ層104となる金属ペーストに印刷にじみ等が発生することは効果的に抑制される。そして、搭載部102の外周に、第1枠状メタライズ層104の内周に近接して接続配線導体103が形成されていても、また絶縁基板101の小型化等によって第1枠状メタライズ層104と接続配線導体103とがさらに近接したとしても、第1枠状メタライズ層104(枠状メタライズ層)の内周と接続配線導体103との間の間隔(ギャップ109)を確保することができ、第1枠状メタライズ層104と接続配線導体103との間の絶縁性を確保することができる。
つまり、内周が接続配線導体103に近接して形成されている第1枠状メタライズ層104が比較的薄いため、第1枠状メタライズ層104となる金属ペーストのにじみを抑制して、接続配線導体103と第1枠状メタライズ層104の内周との間にギャップ109を確保することができ、これによって絶縁性の確保が可能となる。
また、第1枠状メタライズ層104よりも厚い第2枠状メタライズ層105が、第1枠状メタライズ層104の上面の外周に沿って絶縁基板101の上面から第1枠状メタライズ層104の上面にかけて被着されているので、枠状メタライズ層について絶縁基板101に対する接合強度を高くする上で十分な厚みを確保することができる。これにより、絶縁基板101が小型化しても、枠状メタライズ層の絶縁基板101に対する接合強度を高く確保しながら、第1枠状メタライズ層104と接続配線導体103との間の絶縁性を確保することができる電子部品収納用パッケージを提供することができる。
枠状メタライズ層を構成する第1および第2枠状メタライズ層104,105のそれぞれの厚みは、例えば、第1枠状メタライズ層104の厚みが5〜10μm程度であり、第2枠状メタライズ層105の厚みが15〜30μm程度である。
また、絶縁基板101が、電子部品である水晶振動子を収納するパッケージとして多用されている、平面視で1辺の長さが2.0〜5.0mm程度の四角形状の場合であれば、枠状メタライズ層の幅(平面視で第1および第2枠状メタライズ層104,105の合計の幅)は、0.2〜0.5mm程度である。また、第2枠状メタライズ層105は、例えば第1枠状メタライズ層104の幅方向の中央部から外側の部分において第1枠状メタライズ層104を覆っている。枠状メタライズ層の幅が0.2〜0.5mm程度である場合、第1枠状メタライズ層104の幅を0.1〜0.3mm程度に設定し、第2枠状メタライズ層105の幅を約0.15〜0.4mm程度に設定すればよい。
なお、枠状メタライズ層は、第1枠状メタライズ層104を第2枠状メタライズ層105が覆っている部分と、それよりも外側の部分(第2枠状メタライズ層105のみの部分)および内側の部分(第1枠状メタライズ層104のみの部分)とで厚みが異なるので、この厚みの差に応じた段差が生じている。
このような枠状メタライズ層を形成する方法としては、まず第1枠状メタライズ層104となる金属ペーストを、内周が搭載部102の外周に近接して沿った枠状のパターンで比較的薄く(例えば10μm程度で)印刷して、次に、内周部が第1枠状メタライズ層104の上面の外周部を覆い、外周部が絶縁基板101の上面の外周に沿った部分を覆うような枠状のパターンで第2枠状メタライズ層105となる金属ペーストを比較的厚く(例えば25μm程度で)印刷すればよい。
ここで、第1枠状メタライズ層104となる金属ペーストを印刷する際に、同時に接続配線導体103となる金属ペーストを印刷すれば、第1枠状メタライズ層104と接続配線導体103との互いの位置精度を高くすることが容易である。また、第1枠状メタライズ層104となる金属ペーストと接続配線導体103となる金属ペーストとを同時に印刷するようにした場合には、それぞれの金属ペーストを互いに同じ厚さで印刷することが容易であり、接続配線導体103の厚みを第1枠状メタライズ層104と同程度に薄くすることができる。そして、接続配線導体103となる金属ペーストのにじみも効果的に抑制することができる。そのため、第1枠状メタライズ層104と接続配線導体103との電気的短絡をより効果的に抑制する上で有利である。
なお、金属枠体106やろう材107、第1および第2枠状メタライズ層104,105の露出する表面には、これらが酸化腐食するのを有効に防止するとともに封止用の金属枠体106と蓋体との接合を容易なものとするために、1〜10μm程度の厚みのニッケルめっき層と0.3〜3μm程度の金めっき層とが順次被着されている。
また、この例では、電子部品である水晶振動子が絶縁基板101の上面(搭載部102)に接するのを避けるために、接続配線導体103にある程度の厚みを確保する必要がある場合もあり得る。このような場合には、接続配線導体103の上面の中央部等に、水晶振動子の支持台となるメタライズ層(図示せず)を被着させればよい。
支持台となるメタライズ層は、例えば、第2枠状メタライズ層105となる金属ペーストを印刷する際に、同時に、この支持台となるメタライズ層用の金属ペーストを印刷するようにすれば形成することができる。支持台となるメタライズ層用の金属ペーストは、接続配線導体103の場合と同様の金属ペーストを用いることができる。なお、支持台となるメタライズ層は、上記のように接続配線導体103の上面の中央部等、その外周が接続配線導体103の外周よりも内側に位置するように形成することが好ましい。これは、支持台となるメタライズ層用の金属ペーストが広がったときに、この金属ペーストによって接続配線導体103と第1枠状メタライズ層104との間の絶縁性が低下するようなことを防ぐためである。
さらに、第1枠状メタライズ層104を第2枠状メタライズ層105が覆っている部分の幅を変化させることにより、枠状メタライズ層の幅を調整することができる。また、第1枠状メタライズ層104の第2枠状メタライズ層105で覆われていない部分の幅、および第2枠状メタライズ層105の絶縁基板101に直接被着している部分の幅も調整することもできる。なお、これらの幅を調整する際には、金属枠体106の枠状メタライズ層への位置決め時の安定性を考慮しながら行なうことが望ましい。
ここで、具体的に、酸化アルミニウム質焼結体からなる、平面視で2.0mm×2.5mmの長方形板状である絶縁基板101に、鉄−ニッケル−コバルト合金からなる、厚みが0.25mmであり、幅が0.3mmである金属枠体106をろう付けして作製した電子部品収納用パッケージを例に挙げて、その効果を説明する。
この例において、枠状メタライズ層を構成する第1および第2枠状メタライズ層104,105は、ともにタングステンからなり、タングステンの金属ペーストを絶縁基板101と同時焼成することにより形成されたものとした。第1枠状メタライズ層104の厚みは約10μmに設定し、第2枠状メタライズ層105の厚みは約25μmに設定した。また、第1枠状メタライズ層104の幅は約0.2mmであり、第2枠状メタライズ層105の幅は約0.35mmであり、第2枠状メタライズ層105が約0.15mmの幅で第1枠状メタライズ層104の上面に被着して、枠状メタライズ層の幅は約0.4mmであった。また、第1枠状メタライズ層104と接続配線導体103との間隔は0.3mmとし、第2枠状メタライズ層105は、その外周が絶縁基板101の外周から0.1mm離れて沿ったパターンになるように設定した。そして、枠状メタライズ層に対する金属枠体106のろう付けは、ろう材107としてB−Ag8ろう(銀ろう)を用いて、電気トンネル炉(還元雰囲気)で約850℃に加熱して行なった。
この例の電子部品収納用パッケージについて、第1枠状メタライズ層104と接続配線導体103との間の絶縁性が確保されているか否かを、電気抵抗計(横河ヒューレットパッカード社製)を用いて検査した。測定環境を室温25±5℃、相対湿度40〜70%とし、直流電圧100Vを印加して測定した。この測定において、枠状メタライズ層104と接続配線導体103との間の電気抵抗が1×106Ω未満の製品を絶縁性が確保されていないものとして判断した。その結果、検査した約1000個の電子部品収納用パッケージにおいて、枠状メタライズ層(第1枠状メタライズ層104)と接続配線導体103との間の電気抵抗は1×106Ω以上であり、絶縁性が確保されていた。なお、従来技術の電子部品収納用パッケージ(例えば図3に示した例)の場合、例えば、枠状メタライズ層(204)の厚みが約25μmで、枠状メタライズ層の内周と接続配線導体(203)との間の距離が約0.3mmに設定されて製作されたものの場合には、約0.5%の割合で枠状メタライズ層(204)と接続配線導体(203)との間の電気抵抗が1×106Ω未満となり、絶縁性が確保されていないものが発生していた。
また、この例の電子部品収納用パッケージについて、金属枠体106に鉄−ニッケル−コバルト合金からなる蓋体をシーム溶接法で接合した後、蓋体を金属枠体106から機械的に剥がす試験を行なった。その結果、試験した200個の電子部品収納用パッケージにおいて、第1および第2枠状メタライズ層104,105に剥がれが発生しなかった。なお、比較例として、約10μmの厚さのメタライズ層のみで枠状メタライズ層を絶縁基板に被着させた電子部品収納用パッケージ(図示せず)を作製し、上記の例と同様に蓋体を接合した後に引き剥がす試験を行なった。その結果、試験した200個の比較例の電子部品収納用パッケージのうち2個において、枠状メタライズ層の外周部に部分的な剥がれが発生した。なお、この機械的な引き剥がしの試験は、金属枠体106に蓋体を接合した後に、この電子部品収納用パッケージをガラスエポキシ基板にはんだで実装し、蓋体上にはんだでφ0.5mm程度のアルミニウム製のワイヤーを接合して、プッシュプルゲージでワイヤーを引っ張り、蓋体を機械的に剥がすように応力を加える試験方法である。
また、本発明の電子部品収納用パッケージによれば、上記構成において、第2枠状メタライズ層105の絶縁基板101の上面に直接被着された部分の上、および第1枠状メタライズ層104の第2枠状メタライズ層105で覆われていない部分の上の少なくとも一方と金属枠体106との間に、ろう材の溜まり108が形成されている場合には、このろう材の溜まり108によって、金属枠体106をより一層強固に枠状メタライズ層(第1および第2枠状メタライズ層104,105)にろう付けすることができる。
なお、このろう材の溜まり108は、前述した、第1枠状メタライズ層104を部分的に第2枠状メタライズ層105が覆っている構造により生じた枠状メタライズ層の段差部分に形成されている。ろう材の溜まり108の形成が、例えば図2(a)および(b)に示すように、第2枠状メタライズ層105の絶縁基板101の上面に直接被着された部分(外側段差)の上、または第1枠状メタライズ層104の第2枠状メタライズ層105で覆われていない部分(内側段差)の上の一方のみであっても、ろう材の溜まり108が形成されていない場合(例えば図2(c)に示す例)に比べて、金属枠体106の枠状メタライズ層に対するろう付けの強度を高めることができる。なお、図2(a)〜(c)は、それぞれ本発明の電子部品収納用パッケージの実施の形態の他の例を示す要部拡大断面図である。図2において図1と同様の部位には同様の符号を付している。図2(c)に示す例においても、枠状メタライズ層の内周と接続配線導体103との絶縁性(ギャップ109)を確保する効果、および枠状メタライズ層の絶縁基板101に対する接合強度を高くする効果を得ることができる。
また、ろう材の溜まり108が外側段差および内側段差の両方の上にそれぞれ形成されている場合には、さらに効果的に金属枠体106の接合の強度を高めることができる。
このようなろう材の溜まり108を金属枠体106と枠状メタライズ層との間に形成するためには、金属枠体106が外側段差や内側段差の上に位置している必要があり、金属枠体106が、そのような部位に位置することができる程度の幅を有している必要がある。
なお、このようなろう材の溜まり108は、前述した従来技術による電子部品収納用パッケージにおいても形成することができるが、本発明の電子部品収納用パッケージにおいては、次のような優れた効果を有している。
つまり、従来の技術によれば、比較的厚く印刷された従来技術の枠状メタライズ層となる金属ペーストの上に、スペーサ用のメタライズ層となる金属ペーストを印刷する必要があるので、スペーサ用のメタライズ層となる金属ペーストに厚みばらつきが生じやすい。これは、上記枠状メタライズ層となる印刷された金属ペーストの分、セラミックグリーンシートの表面に段差が生じるため、スペーサ用のメタライズ層となる金属ペーストを印刷するための製版(版面)と被印刷物(従来技術の枠状メタライズ層となる金属ペースト)との間の距離がばらつきやすくなるためである。この場合、スペーサ用のメタライズ層の幅が狭いので、製版と被印刷物との間の距離のばらつきに応じた印刷厚みのばらつきが大きくなりやすい傾向がある。
これに対し、本発明の電子部品収納用パッケージによれば、第1枠状メタライズ層104が例えば5〜10μm程度と比較的薄いので、製版と被印刷物(第1枠状メタライズ層104となる金属ペーストおよびセラミックグリーンシート)との間の距離がばらつくことを効果的に抑制することができる。そのため、第2枠状メタライズ層105の厚み、および枠状メタライズ層としての厚みのばらつきを小さく抑えることができる。
また、第1枠状メタライズ層104よりも第2枠状メタライズ層105が厚いことから、外側段差のメタライズ層の厚みを厚く形成でき、枠状メタライズ層の外周における絶縁基板101に対する接合強度を高くする効果がある。この場合には、金属枠体106の上面に金属材料からなる蓋体(図示せず)を例えばシームウエルド法等により溶接した後、金属枠体106および蓋体の収縮により第1および第2枠状メタライズ層104,105の特に外周部に熱応力が加わったとしても、その熱応力はろう材の溜まり108、および第2枠状メタライズ層105の厚い部位によって良好に吸収される。そのため、第1および第2枠状メタライズ層104,105が絶縁基板101から剥離することや、第1枠状メタライズ層104から第2枠状メタライズ層105が剥離することを有効に防止することができる。
さらに、絶縁基板101の外周に近い外側段差の上に形成されるろう材の溜まり108の厚みを比較的薄くすることができることから、ろう材107の配線基板101の外周側面等への飛散や流れ出しを抑制する上で有利である。ろう材107の飛散や流れ出しを抑制することにより、例えば絶縁基板101の外側面や下面の外周等に形成された配線導体と枠状メタライズ層(第2枠状メタライズ層105)との電気的短絡の発生をより有効に防止することができる。
また、例えば図2(a)に示すように、外側段差の幅が内側段差の幅よりも広い場合には、特に蓋体を金属枠体106に接合したときの熱応力に起因する枠状メタライズ層の外周の剥離を抑制する上で十分なろう材107の幅を確保することができる。
すなわち、金属枠体106の上面に金属材料からなる蓋体を例えばシームウエルド法等により溶接した後、金属枠体106および蓋体の収縮により第1および第2枠状メタライズ層104,105の特に外周部に熱応力が加わったとしても、その熱応力は外側段差の上に幅広く形成されたろう材の溜まり108および第2枠状メタライズ層105によって良好に吸収される。そのため、第2枠状メタライズ層105の外周部分等が絶縁基板101から剥離することをより有効に防止することができる。
なお、絶縁基板101への金属枠体106のろう付けは、絶縁基板101を前述した多数個取り基板の形態で作製する場合の例を挙げると、例えば以下のようにして行なわれる。
まず、絶縁基板101となる複数の領域が縦横の並びに配列された母基板(図示せず)の外辺に位置決め用の切り欠き部(図示せず)を形成しておく。
次に、主面におけるこの切り欠き部に対応する位置に位置決めピンが設けられているとともに、その主面に、それぞれが金属枠体106の外形に対応する複数の穴が上記の領域に対応して配列された板状等のろう付け用治具(図示せず)を準備する。
そして、治具の穴にそれぞれ金属枠体106を入れた後、治具に母基板を、切り欠き部に位置決めピンが挿入されるようにして載置し、これらを炉中でろう材107のろう付け温度(銀−銅ろうの場合であれば約750〜900℃程度)に加熱することによってろう付けが行なわれる。なお、この場合、金属枠体106の絶縁基板101とろう付けされる面に、あらかじめろう材107をフィルム状に被着させておくとよい。治具は、耐熱性が良好で、熱膨張係数が小さい材料、例えばカーボンにより形成されている。
以上の工程により、絶縁基板101の第1枠状メタライズ層104および第2枠状メタライズ層105に金属枠体106がろう付けされる。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えても何ら差し支えない。例えば、この例では絶縁基板101の搭載部102内に形成された接続配線導体103を1対の接続配線導体103として形成したが、搭載部102内に収容される電子部品の形態に合わせて、搭載部102内に形成される接続配線導体103の形状や数を変更してもよい。