近年、半導体素子や、圧電振動片等の電子部品素子を気密に収納させるためのセラミックパッケージは、電子部品素子を搭載させた装置、例えば、携帯電話や、パソコン等の小型化、高信頼性化等の要求に伴い、ますます軽薄短小化、高信頼性化等への対応が求められている。これに対応するために、セラミックパッケージには、アルミナ(Al2O3)や、窒化アルミニウム(AlN)等のセラミック製からなるセラミック基体と、セラミック枠体の接合体でキャビティ部を構成し、セラミック枠体の上面の環状メタライズ膜に金属製の金属蓋体を直接接合させてシールする小型化であっても気密信頼性の高いセラミックパッケージが用いられている。あるいは、セラミックパッケージには、セラミック基体の外周部上面の環状メタライズ膜に環状金属枠体を接合、又は、セラミック基体とセラミック枠体の接合体のセラミック枠体上面の環状メタライズ膜に環状金属枠体を接合してキャビティ部を構成し、環状金属枠体に金属製の金属蓋体を接合させてシールする小型化であっても気密信頼性の高いセラミックパッケージが用いられている。
従来、このようなセラミックパッケージは、安価にすることが求められているので、個片体のセラミックパッケージが縦横方向に隣接して配列するようにして母基板内に多数個を形成している。そして、セラミックパッケージは、焼成後の多数個の個片体が縦横方向に隣接して配列する母基板にレーザーで分割溝を設け、この分割溝で分割することでそれぞれが所定の大きさの個片体にできる多数個取り配線基板として形成しているのがある。あるいは、このようなセラミックパッケージは、焼成前の複数枚の大型のセラミックグリーンシートの積層体に多数個の個片体が縦横方向に配列する押圧溝を押圧刃で押圧して設け、焼成した後に個片体に分割できる分割溝とすることでそれぞれが所定の大きさの個片体にできる多数個取り配線基板として形成しているのがある。
上記の多数個取り配線基板は、個片体のセラミックパッケージが縦横方向に隣接して配列する母基板として形成されるので、分割溝で確実に個片体のセラミックパッケージに分割できるようにすることが必要となっている。また、上記のセラミックパッケージは、小型化の対応のために、金属製の金属蓋体を接合させて気密を確保させるための環状メタライズ膜、又は環状金属枠体を接合させて気密を確保させるための環状メタライズ膜のシールパス幅が狭くなるので、セラミックパッケージの外形から環状メタライズ膜の引き下がり部分を設けることが難しくなっている。そこで、多数個取り配線基板は、隣接する焼成済でめっき被膜を形成した後のセラミックパッケージの間の位置に、環状メタライズ膜の上面からレーザーで溶融させて点状の連続穴を設け、個片体に分割できるようにした分割溝を設けている。あるいは、多数個取り配線基板は、隣接する焼成前のセラミックパッケージの間の位置に、積層体に設けられた環状メタライズ印刷膜の上面から押圧刃で押圧させて押圧溝を設け、焼成して、めっき被膜を形成した後に個片体に分割できるようにした分割溝を設けている。
しかしながら、焼成後の母基板にレーザーで分割溝を設ける多数個取り配線基板の場合には、分割溝の分割性を良好に確保できるものの、レーザーの照射で溶融したセラミックや、メタライズ膜や、めっき被膜等の溶融屑が環状メタライズ膜上面のめっき被膜の上面や、電子部品素子搭載面に飛び散って付着する突起状の接着異物を形成するようになっている。そして、この接着異物のあるセラミックパッケージは、めっき被膜上面に金属製の金属蓋体を直接接合させる場合や、環状金属枠体を接合させる場合の接合時に、突起状の接着異物がめっき被膜上面との間に隙間や、不着を形成させることとなり、気密信頼性の高いセラミックパッケージを作製することが困難となっている。また、この接着異物のあるセラミックパッケージは、電子部品素子搭載面に電子部品素子をダイボンドさせる場合の接合時に、隙間や、不着を形成させることとなり、接合信頼性の高いセラミックパッケージを作製することが困難となっている。あるいは、この接着異物のあるセラミックパッケージは、電子部品素子を実装して蓋体で気密に封止した後に、キャビティ部内で接着異物が剥がれて電子部品素子と接触したりして電気的不具合を発生させることとなり、電気信頼性の高いセラミックパッケージを作製することが困難となっている。
従来の多数個取り配線基板には、セラミック焼結体からなる複数の絶縁層が積層されて形成された母基板に複数の配線基板領域が縦横の並びに配列され、配線基板領域の境界に分割溝が形成された多数個取り配線基板であって、配線基板領域の境界における絶縁層の層間にガラス層が配置されており、分割溝の底がガラス層の表面部分に位置していることを特徴とするのが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
これによると、表面部分に分割溝の底が位置する柔軟なガラス層が設けられていることから、分割溝を形成する際に分割溝の底を起点とした応力を緩和してマイクロクラックの発生を抑えることができ、めっき液がマイクロクラック中に滞留することに起因する金属成分の付着を抑制でき、母基板の分割を容易としながら、無電解めっきの際の金属成分の付着を防止できる多数個取り配線基板を提供できるとしている。
また、従来の多数個取り配線基板には、複数の配線基板領域およびダミー領域が形成された母基板と、配線基板領域同士の境界および配線基板領域とダミー領域との境界に形成された分割溝と、配線基板領域内の外周部に、配線基板領域の中央部方向および外縁方向(分割溝方向)に延在するように形成された配線導体と、配線基板領域内の外周部に形成された絶縁層とを具備するのが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
これによると、絶縁層は、配線導体の外縁側(分割溝側)の一端を覆うように形成されており、分割溝から配線導体までの距離を所定距離に形成された多数個取り配線基板を提供できるとしている。
しかしながら、前述したような従来の多数個取り配線基板には、次のような問題がある。
焼成前のセラミックグリーンシートの積層体に押圧刃で押圧して押圧溝を設ける多数個取り配線基板は、押圧溝を焼成前の積層体の環状メタライズ印刷膜の上面から押圧刃で押圧して形成することで、押圧溝の壁面に環状メタライズ印刷膜の層が露出すると共に、押圧刃の刃先がセラミックグリーンシートに進入して押圧溝の壁面のセラミックグリーンシート部分に環状メタライズ印刷膜が付着するようなっている。そして、このような押圧溝を形成した後、焼成して分割溝を設ける多数個取り配線基板には、焼成後の母基板にめっき被膜を形成することで、分割溝の壁面に付着した環状メタライズ膜へのめっき被膜の形成によって分割溝の壁面どうしの接着が発生し分割溝を塞ぐようになり、分割溝での良好な分割性を確保できなく分割後のセラミックパッケージに欠けや、バリの発生を防止することができない場合がある。
また、上記のような押圧溝を設けた積層体を焼成して分割溝を設ける多数個取り配線基板には、母基板のそれぞれの個片体のセラミックパッケージに環状金属枠体をろう材を溶融させて接合させる場合の接合時に、隣接するセラミックパッケージ間の分割溝部位の環状メタライズ膜上面縁部及び側面部の間にろう材ブリッジが発生して分割溝を塞ぐようになり、良好な分割性を確保できなく分割後のセラミックパッケージに欠けや、バリの発生を防止することができない場合がある。
特開2011−176020号公報で開示されるような多数個取り配線基板は、押圧刃の進入による積層体に発生するマイクロクラックの進行をガラス層で防止することができるものの、焼成時のガラス分析出が分割溝の壁面にまで這い上がって分割溝の壁面どうしの接着が発生し分割溝を塞ぐようになり、良好な分割性を確保できなく分割後のセラミックパッケージに欠けや、バリの発生を防止することができない場合がある。また、この多数個取り配線基板は、環状メタライズ印刷膜の上方から押圧刃の進入があった場合には、押圧溝の壁面に環状メタライズ印刷膜の露出や、押圧溝のセラミックグリーンシート壁面への環状メタライズ印刷膜の貼着があり、焼成した後のめっき被膜形成時のめっき被膜によって分割溝の壁面どうしの接着が発生し分割溝を塞ぐようになり、良好な分割性を確保できなく分割後のセラミックパッケージに欠けや、バリの発生を防止することができない場合がある。
特開2005−340562号公報で開示されるような多数個取り配線基板は、セラミックパッケージの個片体となる端部に環状メタライズ膜が存在しなくてもシールパス幅を大きくして気密を保って金属蓋体でシールできるような大型のセラミックパッケージが配列する母基板を形成する場合に適用できる。しかしながら、小型のセラミックパッケージを多数個隣接して密集するように設けるような多数個取り配線基板を形成する場合には、セラミックパッケージの個片体となる端部に環状メタライズ膜が存在しないようにすると、シールパス幅が狭くなり、気密を保って金属蓋体でシールさせることができなくなっている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、分割溝の分割性に優れ、分割後のセラミックパッケージに欠けや、バリの発生を防止すると共に、シールパス幅を広くして小型で気密信頼性に優れる多数個取り配線基板を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る多数個取り配線基板は、電子部品素子を収納するための凹状のキャビティ部を備える個片体のセラミックパッケージが中央部に縦、横方向に隣接して複数個配列する母基板と、母基板の外周部にダミー部を有し、両主面の少なくともキャビティ部側の個片体の境界に分割溝を有する多数個取り配線基板において、キャビティ部がセラミック基体と、セラミック枠体で構成され、セラミック枠体の窓枠状上面に金属蓋体を直接接合させるためのそれぞれのセラミックパッケージの境界まで延設する環状メタライズ膜と、分割溝の環状メタライズ膜上面縁部及び側面部にセラミック絶縁膜とを有するとともに、前記環状メタライズ膜の上面のうち前記セラミック絶縁膜に覆われていない部位と前記セラミック絶縁膜の上面とは平坦な状態を形成し、環状メタライズ膜上面のセラミック絶縁膜以外の部位にめっき被膜を有する。
前記目的に沿う本発明に係る他の多数個取り配線基板は、電子部品素子を収納するための凹状のキャビティ部を備える個片体のセラミックパッケージが中央部に縦、横方向に隣接して複数個配列する母基板と、母基板の外周部にダミー部を有し、両主面の少なくともキャビティ部側の個片体の境界に分割溝を有する多数個取り配線基板において、キャビティ部がセラミック基体と、環状金属枠体で構成され、セラミック基体の外周部上面に金属蓋体を接合させるのに設ける環状金属枠体を接合させるためのそれぞれのセラミックパッケージの境界まで延設する環状メタライズ膜と、分割溝の環状メタライズ膜上面縁部及び側面部にセラミック絶縁膜とを有するとともに、前記環状メタライズ膜の上面のうち前記セラミック絶縁膜に覆われていない部位と前記セラミック絶縁膜の上面とは平坦な状態を形成し、環状メタライズ膜上面幅方向の一部分に上面から突出して長さ方向に延設する突起状メタライズ膜と、突起状メタライズ膜を含む環状メタライズ膜上面のセラミック絶縁膜以外の部位にめっき被膜と、めっき被膜の上面にろう付け接合される環状金属枠体を有し、環状金属枠体の下面がめっき被膜で被覆された突起状メタライズ膜の頂部と当接すると共に、環状金属枠体の下面とめっき被膜との間にろう材溜まりを有する。
前記目的に沿う本発明に係る更に他の多数個取り配線基板は、電子部品素子を収納するための凹状のキャビティ部を備える個片体のセラミックパッケージが中央部に縦、横方向に隣接して複数個配列する母基板と、母基板の外周部にダミー部を有し、両主面の少なくともキャビティ部側の個片体の境界に分割溝を有する多数個取り配線基板において、キャビティ部がセラミック基体、セラミック枠体及び環状金属枠体で構成され、セラミック枠体の窓枠状上面に金属蓋体を接合させるのに設ける環状金属枠体を接合させるためのそれぞれのセラミックパッケージの境界まで延設する環状メタライズ膜と、分割溝の環状メタライズ膜上面縁部及び側面部にセラミック絶縁膜とを有するとともに、前記環状メタライズ膜の上面のうち前記セラミック絶縁膜に覆われていない部位と前記セラミック絶縁膜の上面とは平坦な状態を形成し、環状メタライズ膜上面幅方向の一部分に上面から突出して長さ方向に延設する突起状メタライズ膜と、突起状メタライズ膜を含む環状メタライズ膜上面のセラミック絶縁膜以外の部位にめっき被膜と、めっき被膜の上面にろう付け接合される環状金属枠体を有し、環状金属枠体の下面がめっき被膜で被覆された突起状メタライズ膜の頂部と当接すると共に、環状金属枠体の下面とめっき被膜との間にろう材溜まりを有する。
上記の多数個取り配線基板は、キャビティ部がセラミック基体と、セラミック枠体で構成され、セラミック枠体の窓枠状上面に金属蓋体を直接接合させるためのそれぞれのセラミックパッケージの境界まで延設する環状メタライズ膜と、分割溝の環状メタライズ膜上面縁部及び側面部にセラミック絶縁膜と、環状メタライズ膜上面のセラミック絶縁膜以外の部位にめっき被膜を有するので、焼成前のセラミック絶縁膜の上面から押圧刃で押圧し、このセラミック絶縁膜で焼成前の環状メタライズ膜の分割溝の壁面を覆うようにして、焼成後の分割溝の壁面に環状メタライズ膜層の露出や、環状メタライズ膜の貼着を防ぎ、めっき被膜の形成時の分割溝閉塞を防止して分割性に優れ、分割後のセラミックパッケージに欠けや、バリの発生を防止する多数個取り配線基板を提供することができる。また、この多数個取り配線基板は、環状メタライズ膜がそれぞれのセラミックパッケージの境界まで延設しているので、小型であってもセラミックパッケージのシールパス幅を広くでき、環状メタライズ膜に直接金属蓋体を接合させても気密信頼性に優れる多数個取り配線基板を提供することができる。
上記の他の多数個取り配線基板は、キャビティ部がセラミック基体と、環状金属枠体で構成され、セラミック基体の外周部上面に金属蓋体を接合させるのに設ける環状金属枠体を接合させるためのそれぞれのセラミックパッケージの境界まで延設する環状メタライズ膜と、分割溝の環状メタライズ膜上面縁部及び側面部にセラミック絶縁膜と、環状メタライズ膜上面幅方向の一部分に上面から突出して長さ方向に延設する突起状メタライズ膜と、突起状メタライズ膜を含む環状メタライズ膜上面のセラミック絶縁膜以外の部位にめっき被膜と、めっき被膜の上面にろう付け接合される環状金属枠体を有し、環状金属枠体の下面がめっき被膜で被覆された突起状メタライズ膜の頂部と当接すると共に、環状金属枠体の下面とめっき被膜との間にろう材溜まりを有するので、焼成前のセラミック絶縁膜の上面から押圧刃で押圧し、このセラミック絶縁膜で焼成前の環状メタライズ膜の分割溝の壁面を覆うようにして、焼成後の分割溝の壁面に環状メタライズ膜層の露出や、環状メタライズ膜の貼着を防ぎ、めっき被膜の形成時や、環状金属枠体のろう付け接合時の分割溝閉塞を防止して分割性に優れ、分割後のセラミックパッケージに欠けや、バリの発生を防止する多数個取り配線基板を提供することができる。また、この多数個取り配線基板は、環状メタライズ膜がそれぞれのセラミックパッケージの境界まで延設しているので、小型であってもセラミックパッケージのシールパス幅を広くできて環状金属枠体とのろう付け接合面積を広くできると共に、突起状メタライズ膜によってろう材溜まりを大きくでき、環状メタライズ膜に接合させる環状金属枠体に金属蓋体を接合させるときの熱応力を緩和できる気密信頼性に優れた多数個取り配線基板を提供することができる。
上記の更に他の多数個取り配線基板は、キャビティ部がセラミック基体、セラミック枠体及び環状金属枠体で構成され、セラミック枠体の窓枠状上面に金属蓋体を接合させるのに設ける環状金属枠体を接合させるためのそれぞれのセラミックパッケージの境界まで延設する環状メタライズ膜と、分割溝の環状メタライズ膜上面縁部及び側面部にセラミック絶縁膜と、環状メタライズ膜上面幅方向の一部分に上面から突出して長さ方向に延設する突起状メタライズ膜と、突起状メタライズ膜を含む環状メタライズ膜上面のセラミック絶縁膜以外の部位にめっき被膜と、めっき被膜の上面にろう付け接合される環状金属枠体を有し、環状金属枠体の下面がめっき被膜で被覆された突起状メタライズ膜の頂部と当接すると共に、環状金属枠体の下面とめっき被膜との間にろう材溜まりを有するので、焼成前のセラミック絶縁膜の上面から押圧刃で押圧し、このセラミック絶縁膜で焼成前の環状メタライズ膜の分割溝の壁面を覆うようにして、焼成後の分割溝の壁面に環状メタライズ膜層の露出や、環状メタライズ膜の貼着を防ぎ、めっき被膜の形成時や、環状金属枠体のろう付け接合時の分割溝閉塞を防止して分割性に優れ、分割後のセラミックパッケージに欠けや、バリの発生を防止する電子部品素子を収納するためのキャビティ部を広くする多数個取り配線基板を提供することができる。また、この多数個取り配線基板は、環状メタライズ膜がそれぞれのセラミックパッケージの境界まで延設しているので、小型であってもセラミックパッケージのシールパス幅を広くできて環状金属枠体とのろう付け接合面積を広くできると共に、突起状メタライズ膜によってろう材溜まりを大きくでき、環状メタライズ膜に接合させる環状金属枠体に金属蓋体を接合させるときの熱応力を緩和できる気密信頼性に優れた多数個取り配線基板を提供することができる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施するための形態について説明し、本発明の理解に供する。
図1(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係る多数個取り配線基板10は、個片体のセラミックパッケージ11が中央部に縦、横方向に隣接して複数個配列する母基板12と、この母基板12を囲繞するようにして母基板12の外周部にダミー部13を有している。そして、多数個取り配線基板10は、それぞれの個片体のセラミックパッケージ11に半導体素子や、水晶振動子のような圧電振動片等の電子部品素子を収納するための凹状のキャビティ部14を備えている。また、多数個取り配線基板10は、両主面の少なくともキャビティ部14側の個片体のセラミックパッケージ11の境界にV字状の分割溝15を有している。この分割溝15は、焼成前のセラミックグリーンシートの積層体に押圧刃で縦方向と、この縦方向と直交する横方向に押圧した後、積層体を焼成することで形成されている。このセラミックグリーンシートに用いられるセラミックは、特に、その材料を限定するものではないが、通常、アルミナ(Al2O3)や、窒化アルミニウム(AlN)等の高温で焼成するセラミックが用いられている。
上記の多数個取り配線基板10は、セラミックパッケージ11が四角形平板状のセラミック基体16と、四角形窓枠状のセラミック枠体17で構成され、セラミック基体16の上面にセラミック枠体17を貼り合わせることで形成されている。そして、セラミックパッケージ11の凹状のキャビティ部14は、セラミック基体16の上面である底部と、セラミック枠体17の窓枠内周壁面とで形成されている。この多数個取り配線基板10は、それぞれのセラミックパッケージ11用としてのセラミック枠体17の窓枠状上面に金属蓋体(図示せず)を直接接合させるための環状メタライズ膜18を有している。この環状メタライズ膜18は、母基板12の中のそれぞれのセラミックパッケージ11の境界まで延設している。また、この環状メタライズ膜18は、特に、これを構成するために用いられるメタライズの材料を限定するものではないが、通常、アルミナや、窒化アルミニウム等のセラミックグリーンシートと同時焼成が可能なタングステン(W)や、モリブデン(Mo)等の高融点金属を用いている。更に、この環状メタライズ膜18は、特に、そのメタライズ厚みを限定するものではないが、通常、8〜40μm、好ましくは、10〜30μmとするのがよい。このメタライズ厚みが8μmを下まわる場合には、環状メタライズ膜18をセラミック枠体17に強固に接合させるアンカー効果が小さく、金属蓋体をシーム溶接で直接接合させるときの熱応力で環状メタライズ膜18のセラミック枠体17からの剥離が発生するようになる。また、このメタライズ厚みが40μmを超える場合には、この厚みをスクリーン印刷で確保するのに複数回の重ね刷りが必要となり、パターン精度が低下すると共に、セラミックパッケージ11のコストアップとなっている。
上記の多数個取り配線基板10は、それぞれのセラミックパッケージ11用としての少なくともセラミック枠体17の上面側に設けられている分割溝15部分の環状メタライズ膜18に、その上面縁部と、側面部を覆うようにしてセラミック絶縁膜19を有している。このセラミック絶縁膜19は、これを構成するために用いられるセラミックに、通常、上記のセラミックグリーンシートに用いられるセラミックと同じセラミックを用いている。また、このセラミック絶縁膜19は、特に、そのセラミック厚みを限定するものではないが、環状メタライズ膜18の上面縁部を覆う部分のセラミック厚みが5〜20μm程度であれば、環状メタライズ膜18の上面縁部及び側面部への後述するめっき被膜20の形成を防止することができる。更に、このセラミック絶縁膜19は、環状メタライズ膜18の上面縁部の幅である分割溝15の上縁端からの長さが0.02〜0.1mm程度であれば、環状メタライズ膜18の上面縁部及び側面部へのめっき被膜20の形成を防止することができると共に、金属蓋体を接合させてキャビティ部14内の気密性を確保するためのシールパス幅に影響を及ぼすことのないセラミックパッケージ11の小型化に対応できる。なお、環状メタライズ膜18の上面縁部を覆う部分のセラミック絶縁膜19は、分割溝15を焼成前のセラミックグリーンシートの積層体に押圧刃で押圧して形成する積層体形成時に、環状メタライズ膜18を含めてセラミックグリーンシートの中に押し込まれるようになっている。そして、表面に露出する部分の環状メタライズ膜18の上表面と、セラミック絶縁膜19の上表面とは、略平坦な状態となっている。
上記の多数個取り配線基板10は、それぞれのセラミックパッケージ11用としての環状メタライズ膜18上面のセラミック絶縁膜19が設けられている部分以外の部位に、電解めっき法で形成されるNiや、Ni−Co等のNiめっき被膜、及びNiめっき被膜の上面にAuめっき被膜からなるめっき被膜20を有している。なお、このめっき被膜20は、母基板12や、ダミー部13での、外部に露出する全ての金属部分に形成されている。
上記の多数個取り配線基板10は、それぞれのセラミックパッケージ11用としてのめっき被膜20を形成した後、分割溝15で分割することで、ダミー部13が除去されると共に、母基板12から複数の個片体のセラミックパッケージ11が作製されるようになっている。この多数個取り配線基板10は、分割溝15が設けられている部分のそれぞれのセラミックパッケージ11用としての環状メタライズ膜18上面縁部及び側面部にセラミック絶縁膜19を有することで、分割溝15壁面へのめっき被膜20の形成がなく、めっき被膜20による分割溝15壁面どうしの接着を防止して、分割溝15での良好な分割性を確保できるようになっている。従って、分割後のセラミックパッケージ11には、それぞれの外周部に欠けや、バリの発生を防止することができるようになっている。また、分割後のそれぞれのセラミックパッケージ11には、キャビティ部14の電子部品素子接続用パッドに電子部品素子が搭載された後、環状メタライズ膜18にセラミックと熱膨張係数が近似するKV(Fe−Ni−Co系合金、商品名「Kover(コバール)」)や、42アロイ(Fe−Ni系合金)等の金属板からなる金属蓋体を直接AuSnろう等のろう材でシーム溶接してキャビティ部14内に電子部品素子が気密に封止されるようになっている。この分割後のそれぞれのセラミックパッケージ11は、環状メタライズ膜18上面縁部に設けるセラミック絶縁膜19の幅が分割溝15の上面縁部であるセラミックパッケージ11の上面縁部から僅かにしか設けられていないので、めっき被膜20が形成された環状メタライズ膜18上面に金属蓋体をシーム溶接して直接接合させる場合であっても、キャビティ部14内の気密を保持させることができるようになっている。
なお、上記の多数個取り配線基板10のそれぞれのセラミックパッケージ11には、通常、窓枠状のセラミック枠体17の上面に形成する環状メタライズ膜18のメタライズと同様のメタライズを用いて、電子部品素子接続用パッドを含む配線導体パターンが設けられている。また、それぞれのセラミックパッケージ11には、セラミック基体16の下面に、上記と同様のメタライズで形成された外部接続端子パッドが設けられている。更に、それぞれのセラミックパッケージ11には、セラミック基体16の上面と、下面の配線導体パターン間や、セラミック基体16と、セラミック枠体16の配線導体パターン間を電気的に導通状態とするためのビア導体や、スルーホール導体が設けられている。更には、多数個取り配線基板10には、めっき被膜20を電解めっき法で形成するのに、多数個取り配線基板10を把持できるようにしてめっき浴中に浸漬させた状態で配線導体パターンに通電させるためのめっき導通端子接続部21を多数個取り配線基板10のダミー部13に設けている。
図2(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係る他の多数個取り配線基板10aは、個片体のセラミックパッケージ11aが中央部に縦、横方向に隣接して複数個配列する母基板12aと、この母基板12aを囲繞するようにして母基板12aの外周部に前記の多数個取り配線基板10の場合と同様のダミー部13を有している。そして、多数個取り配線基板10aは、前記の多数個取り配線基板10の場合と同様に、それぞれの個片体のセラミックパッケージ11aに半導体素子や、水晶振動子のような圧電振動片等の電子部品素子を収納するための凹状のキャビティ部14aを備えている。また、多数個取り配線基板10aは、前記の多数個取り配線基板10の場合と同様に、両主面の少なくともキャビティ部14a側の個片体のセラミックパッケージ11aの境界にV字状の分割溝15を有している。この分割溝15は、前記の多数個取り配線基板10の場合と同様に、焼成前のセラミックグリーンシートの積層体に押圧刃で縦方向と、この縦方向と直交する横方向に押圧した後、積層体を焼成することで形成されている。このセラミックグリーンシートに用いられるセラミックは、前記の多数個取り配線基板10の場合と同様に、特に、その材料を限定するものではないが、通常、アルミナや、窒化アルミニウム等の高温で焼成するセラミックが用いられている。
上記の多数個取り配線基板10aは、セラミックパッケージ11aが四角形平板状のセラミック基体16と、四角形窓枠状の環状金属枠体22で構成され、セラミック基体16の上面に環状金属枠体22を貼り合わせることで形成されている。そして、セラミックパッケージ11aの凹状のキャビティ部14aは、セラミック基体16の上面である底部と、環状金属枠体22の窓枠内周壁面とで形成されている。この多数個取り配線基板10aは、それぞれのセラミックパッケージ11a用としてのセラミック基体16の外周部上面に、金属蓋体(図示せず)を接合させるのに設ける環状金属枠体22を接合させるための環状メタライズ膜18を有している。この環状メタライズ膜18は、前記の多数個取り配線基板10のセラミックパッケージ11の場合と同様に、母基板12aの中のそれぞれのセラミックパッケージ11aの境界まで延設している。また、この環状メタライズ膜18は、前記の多数個取り配線基板10の場合と同様に、特に、これを構成するために用いられるメタライズの材料を限定するものではないが、通常、アルミナや、窒化アルミニウム等のセラミックグリーンシートと同時焼成が可能なタングステンや、モリブデン等の高融点金属を用いている。更に、この環状メタライズ膜18は、前記の多数個取り配線基板10の場合と同様に、特に、そのメタライズ厚みを限定するものではないが、通常、8〜40μm、好ましくは、10〜30μmとするのがよい。このメタライズ厚みが8μmを下まわる場合には、環状メタライズ膜18をセラミック基体16に強固に接合させるアンカー効果が小さく、金属蓋体をシーム溶接で直接接合させるときの熱応力で環状メタライズ膜18のセラミック基体16からの剥離が発生するようになる。また、このメタライズ厚みが40μmを超える場合には、この厚みをスクリーン印刷で確保するのに複数回の重ね刷りが必要となり、パターン精度が低下すると共に、セラミックパッケージ11のコストアップとなっている。
上記の多数個取り配線基板10aは、それぞれのセラミックパッケージ11a用としての少なくともセラミック基体16の上面側に設けられている分割溝15部分の環状メタライズ膜18に、その上面縁部と、側面部を覆うようにしてセラミック絶縁膜19を有している。このセラミック絶縁膜19を構成するために用いられるセラミックは、前記の多数個取り配線基板10の場合と同様に、通常、上記のセラミックグリーンシートに用いられるセラミックと同じセラミックを用いている。また、このセラミック絶縁膜19は、前記の多数個取り配線基板10の場合と同様に、特に、そのセラミック厚みを限定するものではないが、環状メタライズ膜18の上面縁部を覆う部分のセラミック厚みが5〜20μm程度であれば、環状メタライズ膜18の上面縁部及び側面部への後述する第1、第2のめっき被膜20a、20bの形成を防止することができる。更に、このセラミック絶縁膜19は、環状メタライズ膜18の上面縁部の幅である分割溝15の上縁端からの長さが0.02〜0.1mm程度であれば、環状メタライズ膜18の上面縁部及び側面部へのめっき被膜20の形成を防止することができると共に、シールパス幅に影響を及ぼすことのないセラミックパッケージ11の小型化に対応できる。なお、環状メタライズ膜18の上面縁部を覆う部分のセラミック絶縁膜19は、分割溝15を焼成前のセラミックグリーンシートの積層体に押圧刃で押圧して形成する積層体形成時に、環状メタライズ膜18を含めてセラミックグリーンシートの中に押し込まれるようになっている。そして、表面に露出する部分の環状メタライズ膜18の上表面と、セラミック絶縁膜19の上表面とは、略平坦な状態となっている。
上記の多数個取り配線基板10aは、それぞれのセラミックパッケージ11a用としての環状メタライズ膜18上面の幅方向の一部分に上面から突出して長さ方向に延設する突起状メタライズ膜23を有している。この突起状メタライズ膜23は、分割溝15を焼成前のセラミックグリーンシートの積層体に押圧刃で押圧して形成した後に設けられているので、積層体形成時の平坦化の影響を受けることなく環状メタライズ膜18上面から部分的に突出する凸形状が形成されている。また、突起状メタライズ膜23は、環状メタライズ膜18を構成するために用いられるメタライズ材料と同じ材料であるタングステンや、モリブデン等の高融点金属を用いている。なお、この突起状メタライズ膜23は、特に、そのメタライズ厚みを限定するものではないが、環状メタライズ膜18と同程度、あるいは、それ以下の厚みであってよい。また、この突起状メタライズ膜23は、特に、その形状を限定するものではなく、平面視して、連続する、あるいは断続する直線状や、蛇行状であってよい。
上記の多数個取り配線基板10aは、それぞれのセラミックパッケージ11a用としての突起状メタライズ膜23を含む環状メタライズ膜18上面のセラミック絶縁膜19が設けられている部分以外の部位に、電解めっき法で形成されるNiや、Ni−Co等の第1のNiめっき被膜からなる第1のめっき被膜20aを有している。更に、多数個取り配線基板10aは、それぞれのセラミックパッケージ11a用としての第1のめっき被膜20aの上面にAgCuろう等のろう材でろう付け接合されるセラミックと熱膨張係数が近似するKV(Fe−Ni−Co系合金、商品名「Kover(コバール)」)や、42アロイ(Fe−Ni系合金)等の窓枠状金属板からなる環状金属枠体22を有している。そして、多数個取り配線基板10aは、それぞれのセラミックパッケージ11a用としての環状金属枠体22の下面が第1のめっき被膜20aで被覆された突起状メタライズ膜23の頂部と溶融ろう材を介して当接すると共に、環状金属枠体22の下面と第1のめっき被膜20aとの間に溶融ろう材を設けた後、固化させたろう材溜まり24を有している。この多数個取り配線基板10aのそれぞれのセラミックパッケージ11aは、環状メタライズ膜18上面縁部にセラミック絶縁膜19を設けてシールパス幅が多少狭くなったとしても、このろう材溜まり24によって、環状メタライズ膜18に環状金属枠体22を強固に接合させることができる。なお、ろう付け接合が完了した多数個取り配線基板10aは、母基板12aや、ダミー部13の外部に露出する全ての金属部分にNiや、Ni−Co等の第2のNiめっき被膜と、第2のNiめっき被膜の上面にAuめっき被膜からなる第2のめっき被膜20bが形成されている。
上記の多数個取り配線基板10aは、第2のめっき被膜20bを形成した後、分割溝15で分割することで、ダミー部13が除去されると共に、母基板12aから複数の個片体のセラミックパッケージ11aが作製されるようになっている。この多数個取り配線基板10aは、分割溝15が設けられている部分の環状メタライズ膜18上面縁部及び側面部にセラミック絶縁膜19を有することで、分割溝15壁面への第1、第2のめっき被膜20a、20bの形成がなく、第1、第2のめっき被膜20a、20bによる分割溝15壁面どうしの接着を防止して、分割溝15での良好な分割性を確保できるようになっている。また、この多数個取り配線基板10aは、分割溝15が設けられている部分の環状メタライズ膜18上面縁部及び側面部にセラミック絶縁膜19を有することで、環状金属枠体22のろう付け接合時のろう材溶融による分割溝15上縁端間のろう材ブリッジを防止して、分割溝15での良好な分割性を確保できるようになっている。従って、分割後のセラミックパッケージ11aには、それぞれのセラミック基体16の外周部に欠けや、バリの発生を防止することができるようになっている。また、分割後のそれぞれのセラミックパッケージ11aには、キャビティ部14aの電子部品素子接続用パッドに電子部品素子が搭載された後、環状金属枠体22にこれと同じ材料からなるKVや、42アロイ等の金属板で形成された金属蓋体をAuSnろう等のろう材でシーム溶接しているので、キャビティ部14a内に電子部品素子を気密信頼性を高くして封止できるようになっている。
なお、上記の多数個取り配線基板10aのそれぞれのセラミックパッケージ11aには、通常、平板状のセラミック基体16の上面に形成する環状メタライズ膜18のメタライズと同様のメタライズを用いて、電子部品素子接続用パッドを含む配線導体パターンが設けられている。また、セラミックパッケージ11aには、セラミック基体16の下面に、上記と同様のメタライズで形成された外部接続端子パッドが設けられている。更に、セラミックパッケージ11aには、セラミック基体16の上面と、下面の配線導体パターン間や、セラミック基体16の各層の配線導体パターン間を電気的に導通状態とするためのビア導体や、スルーホール導体が設けられている。更には、多数個取り配線基板10aには、第1、第2のめっき被膜20a、20bを電解めっき法で形成するのに、多数個取り配線基板10aを把持できるようにしてめっき浴中に浸漬させた状態で配線導体パターンに通電させるためのめっき導通端子接続部21を多数個取り配線基板10aのダミー部13に設けている。
図3(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係る更に他の多数個取り配線基板10bは、個片体のセラミックパッケージ11aが中央部に縦、横方向に隣接して複数個配列する母基板12bと、この母基板12bを囲繞するようにして母基板12bの外周部に前記の多数個取り配線基板10、10aの場合と同様のダミー部13を有している。そして、多数個取り配線基板10bは、前記の多数個取り配線基板10、10aの場合と同様に、それぞれの個片体のセラミックパッケージ11bに半導体素子や、水晶振動子のような圧電振動片等の電子部品素子を収納するための凹状のキャビティ部14bを備えている。また、多数個取り配線基板10bは、前記の多数個取り配線基板10、10aの場合と同様に、両主面の少なくともキャビティ部14b側の個片体のセラミックパッケージ11bの境界にV字状の分割溝15を有している。この分割溝15は、前記の多数個取り配線基板10、10aの場合と同様に、焼成前のセラミックグリーンシートの積層体に押圧刃で縦方向と、この縦方向と直交する横方向に押圧した後、積層体を焼成することで形成されている。このセラミックグリーンシートに用いられるセラミックは、前記の多数個取り配線基板10、10aの場合と同様に、特に、その材料を限定するものではないが、通常、アルミナや、窒化アルミニウム等の高温で焼成するセラミックが用いられている。
上記の多数個取り配線基板10bは、セラミックパッケージ11bが四角形平板状のセラミック基体16、四角形窓枠状のセラミック枠体17、及び四角形窓枠状の環状金属枠体22で構成され、セラミック基体16の上面にセラミック枠体17、更にセラミック枠体17の上面に環状金属枠体22を貼り合わせることで形成されている。そして、セラミックパッケージ11bの凹状のキャビティ部14bは、セラミック基体16の上面である底部と、セラミック枠体17及び環状金属枠体22の窓枠内周壁面とで形成されている。この多数個取り配線基板10bは、それぞれのセラミックパッケージ11b用としてのセラミック枠体17の窓枠状上面に、金属蓋体(図示せず)を接合させるのに設ける環状金属枠体22を接合させるための環状メタライズ膜18を有している。この環状メタライズ膜18は、前記の多数個取り配線基板10、10aのセラミックパッケージ11、11aの場合と同様に、母基板12aの中のそれぞれのセラミックパッケージ11bの境界まで延設している。また、この環状メタライズ膜18は、前記の多数個取り配線基板10、10aの場合と同様に、特に、これを構成するために用いられるメタライズの材料を限定するものではないが、通常、アルミナや、窒化アルミニウム等のセラミックグリーンシートと同時焼成が可能なタングステンや、モリブデン等の高融点金属を用いている。更に、この環状メタライズ膜18は、前記の多数個取り配線基板10の場合と同様に、特に、そのメタライズ厚みを限定するものではないが、通常、8〜40μm、好ましくは、10〜30μmとするのがよい。このメタライズ厚みが8μmを下まわる場合には、環状メタライズ膜18をセラミック基体16に強固に接合させるアンカー効果が小さく、金属蓋体をシーム溶接で直接接合させるときの熱応力で環状メタライズ膜18のセラミック枠体17からの剥離が発生するようになる。また、このメタライズ厚みが40μmを超える場合には、この厚みをスクリーン印刷で確保するのに複数回の重ね刷りが必要となり、パターン精度が低下すると共に、セラミックパッケージ11のコストアップとなっている。
上記の多数個取り配線基板10bは、前記の多数個取り配線基板10の場合と同様に、それぞれのセラミックパッケージ11b用としての少なくともセラミック枠体17の上面側に設けられている分割溝15部分の環状メタライズ膜18に、その上面縁部と、側面部を覆うようにしてセラミック絶縁膜19を有している。このセラミック絶縁膜19を構成するために用いられるセラミックは、前記の多数個取り配線基板10、10aの場合と同様に、通常、上記のセラミックグリーンシートに用いられるセラミックと同じセラミックを用いている。また、このセラミック絶縁膜19は、前記の多数個取り配線基板10、10aの場合と同様に、特に、そのセラミック厚みを限定するものではないが、環状メタライズ膜18の上面縁部を覆う部分のセラミック厚みが5〜20μm程度であれば、環状メタライズ膜18の上面縁部及び側面部への後述する第1、第2のめっき被膜20a、20bの形成を防止することができる。更に、このセラミック絶縁膜19は、環状メタライズ膜18の上面縁部の幅である分割溝15の上縁端からの長さが0.02〜0.1mm程度であれば、環状メタライズ膜18の上面縁部及び側面部へのめっき被膜20の形成を防止することができると共に、シールパス幅に影響を及ぼすことのないセラミックパッケージ11の小型化に対応できる。なお、環状メタライズ膜18の上面縁部を覆う部分のセラミック絶縁膜19は、分割溝15を焼成前のセラミックグリーンシートの積層体に押圧刃で押圧して形成する積層体形成時に、環状メタライズ膜18を含めてセラミックグリーンシートの中に押し込まれるようになっている。そして、表面に露出する部分の環状メタライズ膜18の上表面と、セラミック絶縁膜19の上表面とは、略平坦な状態となっている。
上記の多数個取り配線基板10bは、前記の多数個取り配線基板10aの場合と同様に、それぞれのセラミックパッケージ11b用としての環状メタライズ膜18上面の幅方向の一部分に上面から突出して長さ方向に延設する突起状メタライズ膜23を有している。この突起状メタライズ膜23は、分割溝15を焼成前のセラミックグリーンシートの積層体に押圧刃で押圧して形成した後に設けられているので、積層体形成時の平坦化の影響を受けることなく環状メタライズ膜18上面から部分的に突出する凸形状が形成されている。また、突起状メタライズ膜23は、環状メタライズ膜18を構成するために用いられるメタライズ材料と同じ材料であるタングステンや、モリブデン等の高融点金属を用いている。なお、この突起状メタライズ膜23は、前記の多数個取り配線基板10aの場合と同様に、特に、そのメタライズ厚みを限定するものではないが、環状メタライズ膜18と同程度、あるいは、それ以下の厚みであってよい。また、この突起状メタライズ膜23は、特に、その形状を限定するものではなく、平面視して、連続する、あるいは断続する直線状や、蛇行状であってよい。
上記の多数個取り配線基板10bは、前記の多数個取り配線基板10aの場合と同様に、それぞれのセラミックパッケージ11b用としての突起状メタライズ膜23を含む環状メタライズ膜18上面のセラミック絶縁膜19が設けられている部分以外の部位に、電解めっき法で形成されるNiや、Ni−Co等の第1のNiめっき被膜からなる第1のめっき被膜20aを有している。更に、多数個取り配線基板10bは、前記の多数個取り配線基板10aの場合と同様に、それぞれのセラミックパッケージ11b用としての第1のめっき被膜20aの上面にAgCuろう等のろう材でろう付け接合されるセラミックと熱膨張係数が近似するKVや、42アロイ等の窓枠状金属板からなる環状金属枠体22を有している。そして、多数個取り配線基板10bは、それぞれのセラミックパッケージ11b用としての環状金属枠体22の下面が第1のめっき被膜20aで被覆された突起状メタライズ膜23の頂部と溶融ろう材を介して当接すると共に、環状金属枠体22の下面と第1のめっき被膜20aとの間に溶融ろう材を設けた後、固化させたろう材溜まり24を有している。この多数個取り配線基板10bのそれぞれのセラミックパッケージ11bは、環状メタライズ膜18上面縁部にセラミック絶縁膜19を設けてシールパス幅が多少狭くなったとしても、このろう材溜まり24によって、環状メタライズ膜18に環状金属枠体22を強固に接合させることができる。なお、ろう付け接合が完了した多数個取り配線基板10bは、母基板12bや、ダミー部13の外部に露出する全ての金属部分にNiや、Ni−Co等の第2のNiめっき被膜と、第2のNiめっき被膜の上面にAuめっき被膜からなる第2のめっき被膜20bが形成されている。
上記の多数個取り配線基板10bは、第2のめっき被膜20bを形成した後、分割溝15で分割することで、ダミー部13が除去されると共に、母基板12bから複数の個片体のセラミックパッケージ11bが作製されるようになっている。この多数個取り配線基板10bは、分割溝15が設けられている部分の環状メタライズ膜18上面縁部及び側面部にセラミック絶縁膜19を有することで、分割溝15壁面への第1、第2のめっき被膜20a、20bの形成がなく、第1、第2のめっき被膜20a、20bによる分割溝15壁面どうしの接着を防止して、分割溝15での良好な分割性を確保できるようになっている。また、この多数個取り配線基板10bは、分割溝15が設けられている部分の環状メタライズ膜18上面縁部及び側面部にセラミック絶縁膜19を有することで、環状金属枠体22のろう付け接合時のろう材溶融による分割溝15上縁端間のろう材ブリッジを防止して、分割溝15での良好な分割性を確保できるようになっている。従って、分割後のセラミックパッケージ11bには、それぞれのセラミック基体16や、セラミック枠体17の外周部に欠けや、バリの発生を防止することができるようになっている。また、分割後のそれぞれのセラミックパッケージ11bには、キャビティ部14bの電子部品素子接続用パッドに電子部品素子が搭載された後、環状金属枠体22にこれと同じ材料からなるKVや、42アロイ等の金属板で形成された金属蓋体をAuSnろう等のろう材でシーム溶接しているので、キャビティ部14b内に電子部品素子を気密信頼性を高くして封止できるようになっている。
なお、上記の多数個取り配線基板10bのそれぞれのセラミックパッケージ11bには、通常、窓枠状のセラミック枠体17の上面に形成する環状メタライズ膜18のメタライズと同様のメタライズを用いて、電子部品素子接続用パッドを含む配線導体パターンが設けられている。また、セラミックパッケージ11bには、セラミック基体16の下面に、上記と同様のメタライズで形成された外部接続端子パッドが設けられている。更に、セラミックパッケージ11bには、セラミック基体16や、セラミック枠体17の上面と、下面の配線導体パターン間や、セラミック基体16や、セラミック枠体17の各層の配線導体パターン間を電気的に導通状態とするためのビア導体や、スルーホール導体が設けられている。更には、多数個取り配線基板10bには、第1、第2のめっき被膜20a、20bを電解めっき法で形成するのに、多数個取り配線基板10bを把持できるようにしてめっき浴中に浸漬させた状態で配線導体パターンに通電させるためのめっき導通端子接続部21を多数個取り配線基板10bのダミー部13に設けている。
次いで、上記の多数個取り配線基板10、10a、10bの製造方法を簡単に説明する。
多数個取り配線基板10、10a、10bを形成するためのセラミックグリーンシートは、通常、アルミナや、窒化アルミニウム等があり、特に材料が限定されるものではない。例えば、セラミック基材にアルミナを用いる場合には、先ず、酸化アルミニウム粉末にマグネシア、シリカ、カルシア等の焼結助剤を適当量加えた粉末に、ジオクチフタレート等の可塑剤と、アクリル樹脂等のバインダー、及びトルエン、キシレン、アルコール類等の溶剤を加え、十分に混練して脱泡し、粘度2000〜40000cpsのスラリーを作製し、ドクターブレード法等によって所望の厚み、例えば、0.25mmのシート状に乾燥させ、所望の大きさの矩形状に切断してセラミックグリーンシートを形成している。
次に、上記のセラミックグリーンシートは、多数個取り配線基板10、10a、10bでは、セラミック基体16用の複数枚のセラミックグリーンシートとして、また、多数個取り配線基板10、10bでは、セラミック枠体17用の複数枚のセラミックグリーンシートとしても用いている。そして、このセラミック枠体17用のそれぞれのセラミックグリーンシートには、キャビティ部14を形成するための、あるいは、セラミック基体16用や、セラミック枠体17用のそれぞれのセラミックグリーンシートには、上下層の配線導体を電気的に導通させるビアや、スルーホール導体を形成するための貫通孔を打ち抜きプレスや、パンチングマシーン等を用いて形成している。次いで、貫通孔が形成されたそれぞれのセラミックグリーンシートには、スクリーン印刷機を用いてタングステンや、モリブデン等からなるメタライズペーストで環状メタライズ膜18用や、様々な配線導体パターン用や、ビアや、スルーホール導体用等の導体印刷パターンを形成している。なお、上記のキャビティ部14用の貫通孔は、環状メタライズ膜18用の導体印刷パターンを形成した後に、打ち抜いて形成する場合がある。
次に、環状メタライズ膜18用の導体印刷パターンを形成したセラミックグリーンシートには、導体印刷パターンの上に、スクリーン印刷機を用いて、セラミックグリーンシートを形成する同じセラミックからなるセラミックペーストでセラミック絶縁膜19用のセラミック絶縁印刷パターンを形成している。そして、全てのセラミックグリーンシートは、所定の位置になるように重ね合わせて上、下方向から温度と、圧力を掛けて接着し、積層体を形成している。次いで、この積層体には、セラミック絶縁印刷パターンの上方から15〜50°程度の刃先角度、0.2〜0.8mm程度の刃厚の押圧刃を押し当てて分割溝15用の焼成する前の押圧溝を形成している。この押圧溝は、押圧刃の進入によって、セラミック絶縁印刷パターンのセラミックを環状メタライズ膜18用の導体印刷パターンの進入壁面に貼着させながら形成されるので、形成された押圧溝部の環状メタライズ膜18用の導体印刷パターンの上面縁部及び側面部には、セラミック絶縁膜19用のセラミック絶縁印刷パターンを有することとなる。
次に、多数個取り配線基板10の場合には、押圧溝を設けた上記の積層体を還元雰囲気中でセラミックと導体を同時焼成して分割溝15部分の環状メタライズ膜18の上面縁部と、側面部を覆うようにしてセラミック絶縁膜19を有する焼成体を形成している。そして、焼成体の外部に露出する金属部分には、Niめっき被膜、及びNiめっき被膜の上面にAuめっき被膜を形成し、多数個取り配線基板10を形成している。
また、多数個取り配線基板10a、10bの場合には、押圧溝を設けた上記の積層体の環状メタライズ膜18用の導体印刷パターン上面幅方向の一部分に、突起状メタライズ膜23用の導体印刷パターンを形成した後、積層体を焼成して分割溝15部分の環状メタライズ膜18の上面縁部と、側面部を覆うようにしてセラミック絶縁膜19と、環状メタライズ膜18の上面に突起状メタライズ膜23を有する焼成体を形成している。そして、焼成体の外部に露出する金属部分には、第1のNiめっき被膜を形成した後、突起状メタライズ膜23を備えた突起状メタライズ膜23上に、KVや、42アロイ等の窓枠状金属板からなる環状金属枠体22をAgCuろう等でろう付け接合している。そして、環状金属枠体22が接合された焼成体の外部に露出する金属部分には、Niめっき被膜、及びNiめっき被膜の上面にAuめっき被膜を形成し、多数個取り配線基板10a、10bを形成している。