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JP2011111414A - 抗貧血剤 - Google Patents

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JP2011111414A JP2009269236A JP2009269236A JP2011111414A JP 2011111414 A JP2011111414 A JP 2011111414A JP 2009269236 A JP2009269236 A JP 2009269236A JP 2009269236 A JP2009269236 A JP 2009269236A JP 2011111414 A JP2011111414 A JP 2011111414A
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Sachihiro Higashiyama
幸弘 東山
Kenji Sakauchi
堅二 坂内
Fuyuhiko Nishijima
冬彦 西島
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Kureha Corp
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Abstract

【課題】本発明の目的は、腎性貧血又は敗血症に由来する貧血において用いられる抗貧血剤、及び赤血球膜の脆弱性改善剤を提供することである。
【解決手段】前記課題は、球形活性炭を有効成分とする抗貧血剤、及び赤血球膜の脆弱性改善剤によって解決することができる。本発明の抗貧血剤、及び赤血球膜の脆弱性改善剤によれば、連続的に経口投与しても、毒性がなく、また便秘などの有害な副作用がないため、安全な抗貧血剤として、用いることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、抗貧血剤に関する。本発明の抗貧血剤の単剤投与により、腎性貧血又は敗血症に由来する貧血患者における脆弱化した赤血球膜の柔軟性を改善することが可能であり、それにより貧血を治療することができる。
慢性腎臓病(以下、CKDと称することがある)患者は、腎不全合併症として、腎性貧血を起こすことがある。腎性貧血の主因は、腎機能低下に伴い、腎臓で生産分泌される造血ホルモンであるエリスロポエチンの産生低下であると考えられている。
この腎性貧血の治療として、遺伝子組み換えヒトエリスロポエチン(以下、rHuEPOと称する)による治療が認可され、腎性貧血の治療薬として、広く用いられている(非特許文献1)。しかしながら、rHuEPOは、血圧上昇、頭痛、高血圧性脳症、血栓形成による脳梗塞や心筋梗塞、網膜静脈閉塞、シャント閉塞、又は透析効率の低下などの副作用を引き起こすことが知られている。また、rHuEPOによるアレルギーあるいはアナフィラキシー様の症状としては、血圧低下、関節痛、そう痒感、浮腫、レッドアイ、胸部圧迫感、出血斑などが見られる。更に、発熱、発疹又は肝障害などが、一過性で軽度に見られることがある。副作用による高血圧は、抹消血管の収縮と血液粘度の上昇による抹消血管抵抗の増大によると考えられている。
更に、rHuEPOは体内での半減期が短く、静脈注射又は皮下注射のための通院は患者の負担となっていた。現在は、半減期が改善された製剤が開発されているが、それでも静脈注射又は皮下注射による通院は必要である。
特開平6−199689号公報
岩川精吾、「医学のあゆみ」、1990年、第155巻、p.631〜633
腎性貧血のrHuEPOによる治療において、エリスロポエチンの抗貧血作用が球形活性炭の投与により増強されることが報告されている(特許文献1)。従って、rHuEPOと球形活性炭の併用投与により、rHuEPOの投与量を減少させることができ、副作用を軽減させることが可能である。しかしながら、rHuEPOと球形活性炭との併用投与では副作用を完全に抑えることはできず、また、rHuEPOの静脈注射又は皮下注射による、患者の通院の負担は軽減できるものではなかった。
本発明者は、rHuEPO投与による腎性貧血の治療に代わる治療方法について鋭意研究した結果、驚くべきことに、球形活性炭を単剤として投与することにより、赤血球膜の脆弱性が改善され、それにより腎性貧血を治療することができることを見出した。すなわち、本発明者は、球形活性炭のrHuEPOの増強剤としての作用以外に、球形活性炭自体に抗貧血剤としての作用があることを見出した。本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、球形活性炭を有効成分とする抗貧血剤に関する。
本発明の抗貧血剤の好ましい態様においては、経口投与用である。
また、本発明の抗貧血剤の別の好ましい態様においては、球形活性炭の粒径が0.01〜2mmである。
更に、本発明の抗貧血剤の別の好ましい態様においては、球形活性炭の比表面積が500〜2000m/gである。
また、本発明は、球形活性炭を有効成分とする赤血球膜の脆弱性改善剤に関する。
本発明の抗貧血剤によれば、貧血における赤血球膜の脆弱化を改善することができる。また、赤血球膜の脆弱化を改善することにより、腎性貧血における貧血を治療することができる。更に、本発明の抗貧血剤は、球形活性炭のみを有効成分として含むが、球形活性炭は、肝腎機能障害患者に対して広く臨床的に利用されており、連続的に経口投与しても、毒性がなく、便秘などの有害な副作用がないことが確認されている。従って、前記rHuEPOと比較すると、副作用のない安全な抗貧血剤として、用いることができる。
球形活性炭投与によって、慢性腎臓病ラットの赤血球膜の脆弱性が改善されることを示したグラフである。 球形活性炭投与によって、慢性腎臓病ラットのヘマトクリット値が改善されることを示したグラフである。
本発明の抗貧血剤の対象となる疾患は、腎性貧血又は敗血症に由来する貧血である。
腎性貧血の主因は、腎機能低下に伴い、腎臓で生産分泌される造血ホルモンであるエリスロポエチンの産生が低下することによる。従って、エリスロポエチンを投与することにより、腎性貧血は治療することができる。本発明の抗貧血剤は、球形活性炭を有効成分とするものであり、エリスロポエチンとの併用ではなく、球形活性炭を単剤として投与することにより、腎性貧血を治療することが可能である。
慢性腎臓病患者における尿毒症物質としては、例えばインドキシル硫酸、インドール、及びクレゾールを挙げることができる。これらの尿毒症物質の1つ又は2つ以上の組み合わせにより、赤血球膜が脆弱化するものと考えられる。本発明の抗貧血剤は、血液中の尿毒症物質を減少させることによって、赤血球膜の脆弱化を改善すると考えられる。
例えば、慢性腎臓病の合併症の腎性貧血における、血清中のインドキシル硫酸の濃度は、正常者の約40倍に増加する場合がある。正常者におけるインドキシル硫酸の血清中の濃度は、0.113±0.06mg/dL(約0.005mM)であり、従って、慢性腎臓病においては、血清中のインドキシル硫酸の濃度が約4mg/dL(約0.2mM)に増加することもある。
すなわち、本発明の抗貧血剤の対象となる腎性貧血においては、一般的に血清中のインドキシル硫酸の濃度は、0.10mg/dL(約0.005mM)〜4mg/dL(約0.2mM)である。
敗血症に由来する貧血は、敗血症によって産生される細菌性の毒素によって、赤血球膜の脆弱化が引き起こされるものと考えられる。本発明の抗貧血剤は、血液中の細菌性の毒素を減少させることによって、赤血球膜の脆弱化を改善すると考えられる。
本発明の抗貧血剤は、赤血球膜の脆弱性を改善することによって、貧血を治療することができる。具体的には、本発明の抗貧血剤は、赤血球膜の浸透圧に対する抵抗性を高めることが可能である。更に、本発明の抗貧血剤は、例えば、赤血球膜の膜脂質の過酸化を抑制することができ、赤血球の寿命を延ばすことが可能である。
赤血球の脆弱性は、赤血球の浸透圧抵抗性検査によって判定することができる。具体的には、後述の実施例に示すように、浸透圧抵抗性検査の1つである赤血球浸透脆弱性試験(Osmotic fragility test:Parpart法)を用いて、赤血球の脆弱性を調べることが可能である。
本発明の抗貧血剤の投与される対象は、慢性腎臓病による腎性貧血、又は敗血症に由来する貧血を発症した動物、又は発症する可能性のある動物であれば、特に限定されるものではなく、例えば、ヒト、イヌ、ネコ、ブタ、ウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ラット、及びマウスを挙げることができる。
本発明の抗貧血剤、及び赤血球膜の脆弱性改善剤の有効成分である、球形活性炭としては、医療用に使用することが可能な球形活性炭である限り、特に限定されるものではないが、経口投与用球形活性炭、すなわち、医療用に内服使用することが可能な球形活性炭が好ましい。前記球形活性炭の粒径は、0.01〜2mmであることが好ましく、0.05〜2mmであることがより好ましく、0.05〜1mmであることが更に好ましい。
前記球形活性炭としては、例えば、特開平11−292770号公報又は特開2002−308785号公報(特許第3522708号公報)に記載の球形活性炭を用いることができる。以下、特開平11−292770号公報に記載の球形活性炭について説明し、続いて、特開2002−308785号公報(特許第3522708号公報)に記載の球形活性炭について説明する。
特開平11−292770号公報に記載の球形活性炭は、好ましくは直径0.05〜2mm、より好ましくは0.1〜1mmの球形活性炭である。また、好ましくは比表面積が500〜2000m/g、より好ましくは700〜1500m/gの球形活性炭である。また、好ましくは細孔半径100〜75000オングストロームの空隙量が0.01〜1mL/g、より好ましくは0.05〜0.8mL/gの球形活性炭である。なお、上記の比表面積は、自動吸着量測定装置を用いたメタノール吸着法により測定した値である。空隙量は、水銀圧入ポロシメータにより測定した値である。前記の球形活性炭は、粉末活性炭に比べ、服用時に飛散せず、しかも、連続使用しても便秘を惹起しない点で有利である。
球形活性炭の形状は、重要な因子の1つであり、実質的に球状であることが重要である。球形活性炭の中では、後述の石油系ピッチ由来の球形活性炭が真球に近いため特に好ましい。
特開平11−292770号公報に記載の球形活性炭の製造には、任意の活性炭原料、例えば、オガ屑、石炭、ヤシ殻、石油系若しくは石炭系の各種ピッチ類又は有機合成高分子を用いることができる。球形活性炭は、例えば、原料を炭化した後に活性化する方法によって製造することができる。活性化の方法としては、水蒸気賦活、薬品賦活、空気賦活又は炭酸ガス賦活などの種々の方法を用いることができるが、医療に許容される純度を維持することが必要である。
特開平11−292770号公報に記載の球形活性炭としては、炭素質粉末からの造粒活性炭、有機高分子焼成の球形活性炭及び石油系炭化水素(石油系ピッチ)由来の球形活性炭などがある。
炭素質粉末からの造粒活性炭は、例えば、タール、ピッチ等のバインダーで炭素質粉末原料を小粒球形に造粒した後、不活性雰囲気中で600〜1000℃の温度に加熱焼成して炭化し、次いで、賦活することにより得ることができる。賦活方法としては、水蒸気賦活、薬品賦活、空気賦活又は炭酸ガス賦活などの種々の方法を用いることができる。水蒸気賦活は、例えば、水蒸気雰囲気中、800〜1100℃の温度で行われる。
有機高分子焼成の球形活性炭は、例えば、特公昭61−1366号公報に開示されており、次のようにして製造することが可能である。縮合型又は重付加型の熱硬化性プレポリマーに、硬化剤、硬化触媒、乳化剤などを混合し、攪拌下で水中に乳化させ、室温又は加温下に攪拌を続けながら反応させる。反応系は、まず懸濁状態になり、更に攪拌することにより熱硬化性樹脂球状物が出現する。これを回収し、不活性雰囲気中で500℃以上の温度に加熱して炭化し、前記の方法により賦活して有機高分子焼成の球形活性炭を得ることができる。
石油系ピッチ由来の球形活性炭は、直径が好ましくは0.05〜2mm、より好ましくは0.1〜1mm、比表面積が好ましくは500〜2000m/g、より好ましくは700〜1500m/g、細孔半径100〜75000オングストロームの空隙量が好ましくは0.01〜1mL/gである。この石油系ピッチ由来の球形活性炭は、例えば、以下の2種の方法で製造することができる。
第1の方法は、例えば、特公昭51−76号公報(米国特許第3917806号明細書)及び特開昭54−89010号公報(米国特許第4761284号明細書)に記載されているように、まず、溶融状態で小粒球形状としたピッチ類を酸素により不融化した後、不活性雰囲気中で600〜1000℃の温度に加熱焼成して炭化し、次いで、水蒸気雰囲気中で850〜1000℃の温度で賦活する方法である。第2の方法は、例えば、特公昭59−10930号公報(米国特許第4420433号明細書)に記載されているように、まず、溶融状態で紐状としたピッチ類を破砕した後、熱水中に投入して球状化し、次いで、酸素により不融化した後、上記の第1の方法と同様の条件で炭化、賦活する方法である。
本発明において有効成分の球形活性炭としては、(1)アンモニア処理などを施した球形活性炭、(2)酸化及び/又は還元処理を施した球形活性炭なども使用することができる。これらの処理を施すことのできる球形活性炭は、前記の石油系ピッチ由来の球形活性炭、炭素質粉末の造粒活性炭、有機高分子焼成の球形活性炭の何れであってもよい。
前記のアンモニア処理とは、例えば、球形活性炭を、1〜1000ppmのアンモニアを含有するアンモニア水溶液で、アンモニア水溶液と球形活性炭の容量比を2〜10として、10〜50℃の温度で、0.5〜5時間処理することからなる。前述の石油系ピッチ由来の球形活性炭にアンモニア処理を施した活性炭としては、特開昭56−5313号公報(米国特許第4761284号明細書)に記載の球形活性炭を挙げることができる。例えば、アンモニア処理が施された球形活性炭としては直径が0.05〜2mm、好ましくは0.1〜1mm、比表面積が500〜2000m/g、好ましくは700〜1500m/g、細孔半径100〜75000オングストロームの空隙量が0.01〜1mL/g、pHが6〜8の球形活性炭を例示することができる。
前記の酸化処理とは、酸素を含む酸化雰囲気で高温熱処理を行うことを意味し、酸素源としては、純粋な酸素、酸化窒素又は空気などを用いることができる。また、還元処理とは、炭素に対して不活性な雰囲気で高温熱処理を行うことを意味し、炭素に対して不活性な雰囲気は、窒素、アルゴン若しくはヘリウム又はそれらの混合ガスを用いて形成することができる。
前記の酸化処理は、好ましくは酸素含有量0.5〜25容量%、より好ましくは酸素含有量3〜10容量%の雰囲気中、好ましくは300〜700℃、より好ましくは400〜600℃の温度で行われる。前記の還元処理は、好ましくは700〜1100℃、より好ましくは800〜1000℃の温度で不活性雰囲気中で行われる。
前述の石油系ピッチ由来の球形活性炭に酸化及び/又は還元処理を施した例としては、特公昭62−11611号公報(米国特許第4681764号明細書)に記載の球形活性炭を挙げることができる。
酸化及び/又は還元処理が施された球形活性炭としては、直径が0.05〜2mm、好ましくは0.1〜1mm、比表面積が500〜2000m/g、好ましくは700〜1500m/g、細孔半径100〜75000オングストロームの空隙量が0.01〜1mL/gである球形活性炭が好ましい。
特開2002−308785号公報に記載の球形活性炭は、直径が0.01〜1mmであり、BET法により求められる比表面積が700m/g以上であり、細孔直径20〜15000nmの細孔容積が0.04mL/g以上で0.10mL/g未満であり、全酸性基が0.30〜1.20meq/gであり、全塩基性基が0.20〜0.70meq/gである球形活性炭である。特開2002−308785号公報に記載の球形活性炭は、特定範囲の細孔容積を有する。すなわち、細孔直径20〜15000nmの細孔容積が0.04mL/g以上で0.10mL/g未満である。また、本発明においては、全塩基性基が0.20〜1.00meq/gである球形活性炭(特願2002−293906号又は特願2002−293907号参照)も使用することができる。
一方、前記特開平11−292770号公報に記載の球形活性炭は、細孔半径100〜75000オングストロームの空隙容積(すなわち、細孔直径20〜15000nmの細孔容積)が0.1〜1mL/gである。特開2002−308785号公報の記載によれば、細孔直径20〜15000nmの細孔容積を0.04mL/g以上で0.10mL/g未満に調整すると、毒性物質であるβ−アミノイソ酪酸に対する高い吸着特性を維持しつつ、有益物質であるα−アミラーゼに対する吸着特性が有意に低下する。球形活性炭の細孔直径20〜15000nmの細孔容積が大きくなればなるほど消化酵素等の有益物質の吸着が起こりやすくなるため、有益物質の吸着を少なくする観点からは、前記細孔容積は小さいほど好ましい。しかしながら、一方で、細孔容積が小さすぎると毒性物質の吸着量も低下する。従って、経口投与用吸着剤においては、毒性物質の吸着量(T)の有益物質の吸着量(U)に対する比(T/U)、すなわち、選択吸着率が重要である。例えば、球形活性炭の選択吸着率を、DL−β−アミノイソ酪酸(毒性物質)の吸着量(Tb)のα−アミラーゼ(有益物質)の吸着量(Ua)に対する比(Tb/Ua)として評価することができる。すなわち、選択吸着率は、例えば、以下の式:
A=Tb/Ua
(ここで、Aは選択吸着率であり、TbはDL−β−アミノイソ酪酸の吸着量であり、Uaはα−アミラーゼの吸着量である)
によって評価することができる。
特開2002−308785号公報に記載の球形活性炭は、細孔直径20〜15000nmの細孔容積が0.04mL/g以上で0.10mL/g未満の範囲内で優れた選択吸着率を示し、前記細孔容積が0.05mL/g以上で0.10mL/g未満の範囲内で一層優れた選択吸着率を示す。
特開2002−308785号公報に記載の球形活性炭は、直径が0.01〜1mmである。直径は、好ましくは0.02〜0.8mmである。なお、本明細書で「直径がDl〜Duである」という表現は、JIS K 1474に準じて作成した粒度累積線図(平均粒子径の測定方法に関連して後で説明する)において、ふるいの目開きDl〜Duの範囲に対応するふるい通過百分率(%)が90%以上であることを意味する。
特開2002−308785号公報に記載の球形活性炭は、BET法により求められる比表面積(以下「SSA」と省略することがある)が700m/g以上である。SSAが700m/gより小さい球形活性炭では、毒性物質の吸着性能が低くなるので好ましくない。SSAは、好ましくは800m/g以上である。SSAの上限は特に限定されるものではないが、嵩密度及び強度の観点から、SSAは、2500m/g以下であることが好ましい。
更に、特開2002−308785号公報に記載の球形活性炭では、官能基の構成において、全酸性基が0.30〜1.20meq/gであり、全塩基性基が0.20〜0.70meq/gである。官能基の構成において、全酸性基が0.30〜1.20meq/gであり、全塩基性基が0.20〜0.70meq/gの条件を満足しない球形活性炭では、上述した有毒物質の吸着能が低くなるので好ましくない。官能基の構成において、全酸性基は0.30〜1.00meq/gであることが好ましく、全塩基性基は0.30〜0.60meq/gであることが好ましい。その官能基の構成は、全酸性基が0.30〜1.20meq/g、全塩基性基が0.20〜0.70meq/g、フェノール性水酸基が0.20〜0.70meq/g、及びカルボキシ基が0.15meq/g以下の範囲にあり、且つ全酸性基(a)と全塩基性基(b)との比(a/b)が0.40〜2.5であり、全塩基性基(b)とフェノール性水酸基(c)とカルボキシ基(d)との関係[(b+c)−d]が0.60以上であることが好ましい。
特開2002−308785号公報に記載の球形活性炭は、例えば、以下の方法によって製造することができる。
最初に、石油ピッチ又は石炭ピッチ等のピッチに対し、添加剤として、沸点200℃以上の2環式又は3環式の芳香族化合物又はその混合物を加えて加熱混合した後、成形してピッチ成形体を得る。なお、前記の球形活性炭は経口投与用であるので、その原料も、安全上充分な純度を有し、且つ品質的に安定であることが必要である。
次に、70〜180℃の熱水中で、前記のピッチ成形体を撹拌下に分散造粒して微小球体化する。更に、ピッチに対して低溶解度を有し、かつ前記添加剤に対して高溶解度を有する溶剤で、ピッチ成形体から添加剤を抽出除去し、得られた多孔性ピッチを、酸化剤を用いて酸化すると、熱に対して不融性の多孔性ピッチが得られる。こうして得られた不融性多孔性ピッチを、更に炭素と反応性を有する気流(例えば、スチーム又は炭酸ガス)中で、800〜1000℃の温度で処理すると、多孔性炭素質物質を得ることができる。
こうして得られた多孔性炭素質物質を、続いて、酸素含有量0.1〜50vol%(好ましくは1〜30vol%、特に好ましくは3〜20vol%)の雰囲気下、300〜800℃(好ましくは320〜600℃)の温度で酸化処理し、更に800〜1200℃(好ましくは800〜1000℃)の温度下、非酸化性ガス雰囲気下で加熱反応による還元処理をすることにより、特開2002−308785号公報に記載の球形活性炭を得ることができる。
前記の製造方法において、特定量の酸素を含有する雰囲気としては、純粋な酸素、酸化窒素又は空気等を酸素源として用いることができる。また、炭素に対して不活性な雰囲気としては、例えば、窒素、アルゴン、又はヘリウム等を単独で用いるか、あるいはそれらの混合物を用いることができる。
前記の原料ピッチに対して、芳香族化合物を添加する目的は、原料ピッチの軟化点を降下させることにより流動性を向上させて微小球体化を容易にすること及び成形後のピッチ成形体からその添加剤を抽出除去させることにより成形体を多孔質とし、その後の工程の酸化による炭素質材料の構造制御並びに焼成を容易にすることにある。このような添加剤としては、例えば、ナフタレン、メチルナフタレン、フェニルナフタレン、ベンジルナフタレン、メチルアントラセン、フェナンスレン、又はビフェニル等を単独で、又はそれらの2種以上の混合物を用いることができる。ピッチに対する添加量は、ピッチ100重量部に対し芳香族化合物10〜50重量部の範囲が好ましい。
ピッチと添加剤との混合は、均一な混合を達成するために、加熱して溶融状態で行うのが好ましい。ピッチと添加剤との混合物は、得られる多孔性球状炭素質の粒径(直径)を制御するため、粒径約0.01〜1mmの粒子に成形することが好ましい。成形は溶融状態で行ってもよく、また混合物を冷却後に粉砕する等の方法によってもよい。
ピッチと添加剤との混合物から添加剤を抽出除去するための溶剤としては、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、又はヘプタン等の脂肪族炭化水素、ナフサ、又はケロシン等の脂肪族炭化水素を主成分とする混合物、あるいはメタノール、エタノール、プロパノール、又はブタノール等の脂肪族アルコール類等が好適である。
このような溶剤でピッチと添加剤との混合物成形体から添加剤を抽出することによって、成形体の形状を維持したまま、添加剤を成形体から除去することができる。この際に、成形体中に添加剤の抜け穴が形成され、均一な多孔性を有するピッチ成形体が得られるものと推定される。
なお、添加剤の抜け穴サイズ(すなわち、細孔容積)の制御は、常法、例えば、添加剤の量、ピッチ成形体の微小球体化工程における添加剤の析出温度(冷却温度)を制御することによって実施することができる。また、添加剤の抽出により生成した細孔容積は不融化条件によっても影響を受ける。例えば、不融化処理が強ければ熱処理による熱収縮が小さくなり、添加剤の抽出により得られた細孔が維持されやすい傾向にある。
こうして得られた多孔性ピッチ成形体を、次いで不融化処理、すなわち酸化剤を用いて、好ましくは常温から300℃までの温度で酸化処理することにより、熱に対して不融性の多孔性不融性ピッチ成形体を得ることができる。ここで用いる酸化剤としては、例えば、酸素ガス(O)、あるいは酸素ガス(O)を空気や窒素等で希釈した混合ガスを挙げることができる。
特開2002−308785号公報に記載の球形活性炭が有する各物性値、すなわち、平均粒子径、比表面積、細孔容積、全酸性基、及び全塩基性基は、以下の方法によって測定する。
(1)平均粒子径
球形活性炭についてJIS K 1474に準じて粒度累積線図を作成する。平均粒子径は、粒度累積線図において、横軸の50%の点の垂直線と粒度累積線との交点から、横軸に水平線を引いて交点の示すふるいの目開き(mm)を求めて、平均粒子径とする。
(2)比表面積
連続流通式のガス吸着法による比表面積測定器(例えば、MICROMERITICS社製「Flow Sorb II 2300」)を用いて、球形活性炭試料のガス吸着量を測定し、BETの式により比表面積を計算することができる。具体的には、試料である球形活性炭を試料管に充填し、その試料管に窒素30vol%を含有するヘリウムガスを流しながら以下の操作を行い、球形活性炭試料への窒素吸着量を求める。すなわち、試料管を−196℃に冷却し、球形活性炭試料に窒素を吸着させる。次に、試料管を室温に戻す。このとき球形活性炭試料から脱離してくる窒素量を熱伝導度型検出器で測定し、吸着ガス量(v)とする。
BETの式から誘導された近似式:
=1/(v・(1−x))
を用いて液体窒素温度における、窒素吸着による1点法(相対圧力x=0.3)によりvを求め、次式:
比表面積=4.35×v(m/g)
により試料の比表面積を計算する。前記の各計算式で、vは試料表面に単分子層を形成するのに必要な吸着量(cm/g)であり、vは実測される吸着量(cm/g)であり、xは相対圧力である。
(3)水銀圧入法による細孔容積
水銀ポロシメータ(例えば、MICROMERITICS社製「AUTOPORE 9200」)を用いて細孔容積を測定することができる。試料である球形活性炭を試料容器に入れ、2.67Pa以下の圧力で30分間脱気する。次いで、水銀を試料容器内に導入し、徐々に加圧して水銀を球形活性炭試料の細孔へ圧入する(最高圧力=414MPa)。このときの圧力と水銀の圧入量との関係から以下の各計算式を用いて球形活性炭試料の細孔容積分布を測定する。
具体的には、細孔直径15μmに相当する圧力(0.07MPa)から最高圧力(414MPa:細孔直径3nm相当)までに球形活性炭試料に圧入された水銀の体積を測定する。細孔直径の算出は、直径(D)の円筒形の細孔に水銀を圧力(P)で圧入する場合、水銀の表面張力を「γ」とし、水銀と細孔壁との接触角を「θ」とすると、表面張力と細孔断面に働く圧力の釣り合いから、次式:
−πDγcosθ=π(D/2)・P
が成り立つ。従って
D=(−4γcosθ)/P
となる。
本明細書においては、水銀の表面張力を484dyne/cmとし、水銀と炭素との接触角を130度とし、圧力PをMPaとし、そして細孔直径Dをμmで表示し、下記式:
D=1.27/P
により圧力Pと細孔直径Dの関係を求める。本発明における細孔直径20〜15000nmの範囲の細孔容積とは、水銀圧入圧0.07MPaから63.5MPaまでに圧入された水銀の体積に相当する。
(4)全酸性基
0.05規定のNaOH溶液50mL中に、200メッシュ以下に粉砕した球形活性炭試料1gを添加し、48時間振とうした後、球形活性炭試料をろ別し、中和滴定により求められるNaOHの消費量である。
(5)全塩基性基
0.05規定のHCl溶液50mL中に、200メッシュ以下に粉砕した球形活性炭試料1gを添加し、24時間振とうした後、球形活性炭試料をろ別し、中和滴定により求められるHClの消費量である。
なお、本発明の抗貧血剤、及び赤血球膜の脆弱性改善剤の有効成分である球形活性炭としては、更に、特開2005−314415号公報に記載の平均粒子径が小さい球形活性炭、すなわち、平均粒子径が50〜200μmであり、BET法により求められる比表面積が700m/g以上である球形活性炭、あるいは特開2005−314416号公報に記載の平均粒子径が小さい表面改質球形活性炭、すなわち、平均粒子径が50〜200μmであり、BET法により求められる比表面積が700m/g以上であり、全酸性基が0.30meq/g〜1.20meq/gであり、そして全塩基性基が0.20meq/g〜0.9meq/gである表面改質球形活性炭を用いることもできる。
更に、本発明の抗貧血剤、及び赤血球膜の脆弱性改善剤の有効成分である球形活性炭としては、WO2004/39381号公報に記載の球形活性炭あるいはその表面改質球形活性炭、すなわち、熱硬化性樹脂を炭素源として製造され、直径が0.01〜1mmであり、そしてラングミュアの吸着式により求められる比表面積が1000m/g以上である球形活性炭、あるいはその表面改質球形活性炭を用いることができる。
更に、本発明の抗貧血剤、及び赤血球膜の脆弱性改善剤の有効成分である球形活性炭としては、WO2004/39380号公報に記載の球形活性炭あるいはその表面改質球形活性炭、すなわち、直径が0.01〜1mmであり、ラングミュアの吸着式により求められる比表面積が1000m/g以上であり、そして式(1):
R=(I15−I35)/(I24−I35) (1)
[式中、I15は、X線回折法による回折角(2θ)が15°における回折強度であり、I35は、X線回折法による回折角(2θ)が35°における回折強度であり、I24は、X線回折法による回折角(2θ)が24°における回折強度である]
で求められる回折強度比(R値)が1.4以上である球形活性炭あるいはその表面改質球形活性炭を用いることができる。
本発明の抗貧血剤、及び赤血球膜の脆弱性改善剤における有効成分である球形活性炭(好ましくは粒径0.01〜2mmの球形活性炭)は、それ単独で、あるいは、所望により薬剤学的又は獣医学的に許容することのできる通常の担体又は希釈剤と共に、赤血球膜の柔軟性の改善が必要な対象[動物、好ましくは哺乳動物(特にはヒト)]に、有効量で投与することができる。本発明の抗貧血剤、及び赤血球膜の脆弱性改善剤は、好ましくは経口的に投与される。その投与量は、例えば、対象(哺乳動物、特にはヒト)、年齢、個人差、及び/又は病状などに依存する。
例えば、後述の実施例における、慢性腎臓病モデルラットへの投与量は、通常餌に8%濃度となるように球形活性炭を添加し、自由給餌させているが、好ましくは6%〜10%である。投与量を増加させることにより、血液中の尿毒素物質の減少が効率的になる。従って、ヒトの場合の1日当たりの投与量は、通常、球形活性炭量として0.2〜20gであり、症状により、投与量を適宜増減してもよいが、慢性腎臓病における腎性貧血においては、6g以上が好ましく、9g以上がより好ましい。
また、投与は1回又は数回に分けて行ってもよい。球形活性炭は、そのまま投与してもよいし、活性炭製剤として投与してもよい。球形活性炭をそのまま投与する場合、球形活性炭を飲料水などに懸濁したスラリーとして投与することもできる。
発明の抗貧血剤、及び赤血球膜の脆弱性改善剤の投与期間は、特に限定されるものではないが、長期投与が好ましい。本発明の抗貧血剤、及び赤血球膜の脆弱性改善剤は、血液中における赤血球膜の脆弱化を引き起こす物質を減少させることによって、赤血球膜の柔軟性を改善しているものと考えられる。従って、短期間の投与では、十分な効果が得られないためである。好ましくは、投与期間は6週間以上であり、より好ましくは8週以上であり、更に好ましくは10週以上であり、最も好ましくは12週間以上である。本発明者らの検討では、4週間の投与では、赤血球膜の脆弱性は改善せず、貧血の状態も改善することができなかったからである。
活性炭製剤における剤形としては、例えば、顆粒、錠剤、糖衣錠、カプセル剤、スティック剤、分包包装体、又は懸濁剤などの任意の剤形を採用することができる。カプセル剤の場合、通常のゼラチンカプセルの他、必要に応じ、腸溶性のカプセルを用いることもできる。顆粒、錠剤、又は糖衣錠として用いる場合は、体内で元の微小粒子に解錠されることが必要である。活性炭製剤中の球形活性炭の含有量は、通常1〜100%である。本発明において、好ましい活性炭製剤は、カプセル剤、スティック剤、又は分包包装体である。これらの製剤の場合、球形活性炭は、そのまま容器に封入される。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《製造例1:多孔性球状炭素質物質の製造》
特許第3522708号(特開2002−308785号公報)の実施例1に記載の方法と同様にして多孔性球状炭素質物質を得た。具体的な操作は、以下の通りである。
石油系ピッチ(軟化点=210℃;キノリン不溶分=1重量%以下;H/C原子比=0.63)68kgと、ナフタレン32kgとを、攪拌翼のついた内容積300Lの耐圧容器に仕込み、180℃で溶融混合を行った後、80〜90℃に冷却して押し出し、紐状成形体を得た。次いで、この紐状成形体を直径と長さの比が約1〜2になるように破砕した。
0.23重量%のポリビニルアルコール(ケン化度=88%)を溶解して93℃に加熱した水溶液中に、前記の破砕物を投入し、攪拌分散により球状化した後、前記のポリビニルアルコール水溶液を水で置換することにより冷却し、20℃で3時間冷却し、ピッチの固化及びナフタレン結晶の析出を行い、球状ピッチ成形体スラリーを得た。
大部分の水をろ過により除いた後、球状ピッチ成形体の約6倍重量のn−ヘキサンでピッチ成形体中のナフタレンを抽出除去した。このようにして得た多孔性球状ピッチを、流動床を用いて、加熱空気を通じながら、235℃まで昇温した後、235℃にて1時間保持して酸化し、熱に対して不融性の多孔性球状酸化ピッチを得た。
続いて、多孔性球状酸化ピッチを、流動床を用い、50vol%の水蒸気を含む窒素ガス雰囲気中で900℃で170分間賦活処理して多孔性球形活性炭を得、更にこれを流動床にて、酸素濃度18.5vol%の窒素と酸素との混合ガス雰囲気下で470℃で3時間15分間、酸化処理し、次に流動床にて窒素ガス雰囲気下で900℃で17分間還元処理を行い、多孔性球状炭素質物質を得た。こうして得られた多孔性球状炭素質物質を、以下の薬理試験例において、球形活性炭として使用した。
得られた炭素質材料の主な特性は以下の通りである。
比表面積=1300m/g(BET法);
細孔容積=0.08mL/g
(水銀圧入法により求めた細孔直径20〜15000nmの範囲の細孔容積);
平均粒子径=350μm;
全酸性基=0.67meq/g;及び
全塩基性基=0.54meq/g。
《製造例2:多孔性球状炭素質物質の製造》
特開2005−314416号公報の実施例1に記載の方法と同様にして多孔性球状炭素質物質(表面改質球形活性炭)を得た。具体的な操作は、以下の通りである。
脱イオン交換水220g、及びメチルセルロース58gを1Lのセパラブルフラスコに入れ、これにスチレン105g、純度57%ジビニルベンゼン(57%のジビニルベンゼンと43%のエチルビニルベンゼン)184g、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.68g、及びポロゲンとして1−ブタノール63gを適宜加えたのち、窒素ガスで系内を置換し、この二相系を200rpmで攪拌し、55℃に加熱してからそのまま20時間保持した。得られた樹脂を濾過し、ロータリーエバポレーターで乾燥させたのち、減圧乾燥機にて1−ブタノールを樹脂から蒸留により除去してから、90℃において12時間減圧乾燥させ、平均粒子径180μmの球状の多孔性合成樹脂を得た。多孔性合成樹脂の比表面積は約90m/gであった。
得られた球状の多孔性合成樹脂100gを目皿付き反応管に仕込み、縦型管状炉にて不融化処理を行った。不融化条件は、3L/minで乾燥空気を反応管下部より上部に向かって流し、5℃/hで260℃まで昇温したのち、260℃で4時間保持することにより球状の多孔性酸化樹脂を得た。球状の多孔性酸化樹脂を窒素雰囲気中600℃で1時間熱処理したのち、流動床を用い、64.5vol%の水蒸気を含む窒素ガス雰囲気中、820℃で10時間賦活処理を行い、球形活性炭を得た。得られた球形活性炭を、更に流動床にて、酸素濃度18.5vol%の窒素と酸素の混合ガス雰囲気下470℃で3時間15分間酸化処理し、次に流動床にて窒素ガス雰囲気下900℃で17分間還元処理を行い、表面改質球形活性炭を得た。
得られた表面改質球形活性炭の主な特性は以下の通りである。
比表面積=1763m/g(BET法);
細孔容積=0.05mL/g
(水銀圧入法により求めた細孔直径20〜15000nmの範囲の細孔容積);
平均粒子径=111μm(Dv50);
全酸性基=0.59meq/g;及び
全塩基性基=0.61meq/g。
《薬理試験例1》
(1)実験方法
8週齢の雄のウイスター系ラット(計21匹)を、手術群(計14匹)と正常群(計7匹)とに分け、手術群は、左側腎臓の約60%が虚血状態となるように腎動脈を分枝結紮した。その1週後の9週齢にて右側腎臓を、動脈及び尿管部を全結紮した後に摘出し、4/5結紮手術による慢性腎不全モデルを作製した。
手術後、12週間経過後に、手術群を多孔性球状炭素質物質投与群(以下、投与群:7匹)と、多孔性球状炭素質物質非投与群(以下、非投与群:7匹)とに分けた。この際、腎機能の指標の各種パラメータを測定し、両群間に隔たりのないようにした。この後、12週にわたり、正常群、投与群、及び非投与群は、いずれも自由給餌環境下で飼育され、投与群に対しては、通常餌に8%濃度となるように、製造例1で調製した多孔性球状炭素質物質を添加した。
(2)赤血球の浸透圧抵抗性検査
赤血球の脆弱性(赤血球膜の柔軟性)を、浸透圧抵抗性検査の1つである赤血球浸透脆弱性試験(Osmotic fragility test:Parpart法)を用いて検討した。
多孔性球状炭素質物質投与後、12週間経過後、各群のラットの頚動脈より血液を採取した。血液は、抗凝固剤であるヘパリンがコートされた採血管を用いて、遠心分離(400G、5分)を行うことにより、赤血球を分離した。赤血球はPBS溶液で洗浄した後、PBS溶液に再懸濁し、5%濃度に調製した。
0%、0.35%、0.45%、0.55%、及び0.85%のNaCl水溶液1mLを準備した。それぞれの水溶液に、37℃のインキュベーターで24時間保存した前記の5%濃度の赤血球懸濁液40μLを添加し、静かに混和した。室温で30分間放置し、再び静かに混和を行った。その後、遠心分離(400G、5分)によって上清を分離し、各上清の溶血度を分光光度計[紫外可視分光光度計UV−1800(株式会社島津製作所)]を用いて、520nmの吸光度で測定した。0%NaCl水溶液の上清の値を100%溶血とし、0.85%NaCl水溶液の上清の値を0%溶血として、各NaCl水溶液における上清の溶血率を計算した。結果を図1に示す。
0.35%NaCl溶液、0.45%NaCl溶液、及び0.55%NaCl溶液のすべての濃度において、非投与群と比較して、投与群で赤血球の脆弱性が改善しており、特に、0.35%NaCl溶液においては、p<0.05で有意差が見られた。従って、多孔性球状炭素質物質の経口投与により、赤血球膜の脆弱性が改善されると考えられる。
(3)ヘマトクリット値の改善
前記多孔性球状炭素質物質投与後の投与群及び非投与群のラットの頚動脈より採取した血液のヘマトクリット値を図2に示す。非投与群ラットのヘマトクリット値は38.2±2.3であり、投与群ラットのヘマトクリット値は42.0±3.3であった。両群のヘマトクリット値は有意差が認められ、球形活性炭の単独投与により、慢性腎不全ラットの貧血が改善されることが示された。
《製剤調製例1:カプセル剤の調製》
前記製造例1で得た球形活性炭200mgをゼラチンカプセルに封入してカプセル剤を調製した。
《製剤調製例2:スティック剤の調製》
前記製造例1で得た球形活性炭2gを積層フィルム製スティックに充填した後、ヒートシールしてスティック剤とした。
本発明の赤血球膜の脆弱性改善剤は、赤血球膜の柔軟性の改善に有効であり、貧血の症状を軽減させることができる。また、本発明の抗貧血剤は、腎性貧血、又は敗血症由来の貧血において、単剤投与により、貧血の症状を改善することが可能である。

Claims (5)

  1. 球形活性炭を有効成分とする抗貧血剤。
  2. 経口投与用である、請求項1に記載の抗貧血剤。
  3. 球形活性炭の粒径が0.01〜2mmである、請求項1又は2に記載の抗貧血剤。
  4. 球形活性炭の比表面積が500〜2000m/gである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の抗貧血剤。
  5. 球形活性炭を有効成分とする赤血球膜の脆弱性改善剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012082181A (ja) * 2010-10-14 2012-04-26 Tohoku Techno Arch Co Ltd 内因性エリスロポエチン発現増強剤及び有機イオントランスポーター発現増強剤

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