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JP2011190394A - 少なくとも1つが光を透過させる部材からなる目地と、その目地に充填された硬化性組成物の硬化物からなる構造体 - Google Patents

少なくとも1つが光を透過させる部材からなる目地と、その目地に充填された硬化性組成物の硬化物からなる構造体 Download PDF

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JP2011190394A
JP2011190394A JP2010059434A JP2010059434A JP2011190394A JP 2011190394 A JP2011190394 A JP 2011190394A JP 2010059434 A JP2010059434 A JP 2010059434A JP 2010059434 A JP2010059434 A JP 2010059434A JP 2011190394 A JP2011190394 A JP 2011190394A
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vinyl polymer
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JP2010059434A
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Yoshihiro Ikari
芳弘 井狩
Toshihiko Okamoto
敏彦 岡本
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Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
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Abstract

【課題】 少なくとも1つが光を透過させる部材からなる目地と、その目地に充填された硬化性組成物の硬化物からなる構造体に関し、特に、接着性耐久性に優れた硬化性組成物を含有する構造体の提供を目的とする。
【解決手段】 目地を形成する部材のうち少なくとも1つが光を透過させる部材(I)からなる目地と、当該目地に充填された硬化性組成物の硬化物(A)からなる構造体であって、目地に充填された硬化性組成物の硬化物(A)が
架橋性官能基を平均して少なくとも一個有するビニル系重合体(II)
硬化触媒(III)
および、
ベンゾフェノン化合物(ジフェニルケトン化合物とも言う)であって、2位および2’位にヒドロキシ基を有しないベンゾフェノン化合物(IV)
を含有することを特徴とする硬化性組成物の硬化物である、構造体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、少なくとも1つが光を透過させる部材からなる目地と、その目地に充填された硬化性組成物の硬化物からなる構造体に関する。特に、接着性耐久性に優れた硬化性組成物を含有する構造体に関する。
分子中に少なくとも1個の架橋性シリル基を有する有機重合体は、室温において湿気等によるシリル基の加水分解と縮合反応を伴うシロキサン結合形成によって架橋することで、ゴム状硬化物が得られるという興味深い性質を有することが知られている。
これらの架橋性シリル基を有する有機重合体としては、架橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合体や、架橋性シリル基を少なくとも1個有するポリエーテル系重合体が開示されており(特許文献1、特許文献2)、既に工業的にも生産され、シーリング剤、接着剤、塗料などの用途において広く使用されている。
シーリング剤は一般に、各種部材間の接合部や隙間、目地に充填し、水密・気密を付与する目的で使用される。従って、シーリング剤に要求される特徴のうち、使用部位への長期にわたる追従性は大変重要である。
一般に、シーリング剤や接着剤は屋外で日光や風雨に曝されながら使用される場合が多く、シーリング剤の耐候性に注意を払わなくてはならない。なぜなら、シーリング剤に配合される重合体は一般に、光、熱、水の他、機械的、電気的、化学的、微生物的な外的因子に長期間曝されることで徐々に劣化するからである(非特許文献1)。これら外的要因のうちでも光の影響は大きいので、ガラスなどの光を透過させうる部材からなる目地に使用される硬化性組成物には特に耐候性が求められる。
これらの外的因子によりシーリング剤が劣化し接着性が低下するのを防ぐ為に、接着剤の耐候接着性、接着耐久性を向上させる検討が行われてきた。
例えば、特許文献3では、加水分解性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体と、アクリル系重合体との含有する硬化性組成物が開示されている。これによれば、耐候性を改善できることが示されているものの、さらに長期に渡る暴露では劣化が見られるなど、更なる耐候性の改善が求められる場合があった。
特許文献4では、反応性ケイ素基含有有機重合体にアクリル系重合体等の光硬化性化合物および、3級アミン含有ヒンダードアミン系光安定剤とを添加して表面耐候性を高める技術が開示されているが、この硬化性組成物はガラスに対する接着性に更なる改善の余地があった。
このように光安定剤を添加したり、他にも紫外線吸収剤を添加して耐候性を向上させる技術としては更に、特許文献5、特許文献6にも開示されている。これらによれば、ヒンダードアミン系化合物を硬化性組成物に添加することで、表面耐候性は向上することが報告されている。しかしながら、これらの硬化性組成物でも長期にわたる接着力の安定性すなわち接着耐久性もしくは耐候接着性の面では改善の余地があった。
紫外線吸収剤を用いて耐候性を改善する技術としては、特許文献7に記載されているように、ベンゾトリアゾール系化合物を使用する技術が公知である。しかしながら、この技術を適用しても厳しい環境下におかれた硬化性組成物の耐候接着性が不十分である場合があった。
非特許文献1、非特許文献2に記載されているように、樹脂の耐候性を改善するために、ベンゾフェノン系化合物を添加する技術が公知である。2位および/または2’位にヒドロキシ基を有するベンゾフェノン系化合物は、紫外線によって励起されると、ケト−エノール互変異性や項間交差を経て基底状態に戻ることが可能である。この過程で光エネルギーを熱エネルギーに変換することができるので、2位および/または2’位にヒドロキシ基を有するベンゾフェノン系化合物は紫外線吸収剤として作用することが公知である。
本発明と類似の発明としては、特許文献8、特許文献9が挙げられる。特許文献8は制振材の耐熱性、耐油性、制振性を改善する技術であり、特許文献9は有機重合体がラジカル重合性アクリル化合物である点で構成要件が全く異なる他、加熱下で数十秒間といったごく初期の接着性について述べられてはいるもの、その後の接着耐久性については言及されておらず、本発明における透明被着体に対する耐候接着性の向上について言及された前例は無い。
特許文献10には、架橋性シリル基含有ビニル系重合体と酸化防止剤とを含有してなる透明材料用硬化性組成物がガラス耐候接着性に優れることが記載されている。しかしながら、本発明者らが検討した結果、この技術を用いても非常に厳しい環境下に暴露された場合に硬化性組成物の接着耐久性が不足する場合があることが判明した。
特開昭55−9669号公報 特開平1−198673号公報 特開昭59−122541号公報 特開平5−070531号公報 特許第3936505号公報 特開昭61−233043号公報 特許第2855025号公報 WO07−069600号公報 特開2008−258607号公報 WO05−075562号公報
高分子の光安定化技術、大澤善次郎著、株式会社CMC、1986年 高分子の劣化機構と安定化技術、大勝靖一著、株式会社CMC、1997年
本発明は、少なくとも1つが光を透過させる部材からなる目地と、その目地に充填された硬化性組成物の硬化物からなる構造体に関し、特に、接着性耐久性に優れた硬化性組成物を含有する構造体の提供を目的とする。
前述した現状に鑑み、本発明者らが検討した結果、少なくとも一つが光を透過させる部材と、硬化性組成物の硬化物からなる構造体であって、架橋性官能基を有するビニル系重合体と、硬化触媒、および、2位および2’位にヒドロキシ基を有さないベンゾフェノン化合物を含有する硬化性組成物を用いた構造体とすることにより、上記課題を改善できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、
目地を形成する部材のうち少なくとも1つが光を透過させる部材(I)からなる目地と、当該目地に充填された硬化性組成物の硬化物(A)からなる構造体であって、
目地に充填された硬化性組成物の硬化物(A)が
架橋性官能基を平均して少なくとも一個有するビニル系重合体(II)
硬化触媒(III)
および、
ベンゾフェノン化合物(ジフェニルケトン化合物とも言う)であって、2位および2’位にヒドロキシ基を有しないベンゾフェノン化合物(IV)
を含有することを特徴とする硬化性組成物の硬化物である、構造体に関する。
上記の光を透過させる部材(I)がガラスであることが好ましい。
上記ビニル系重合体(II)の主鎖が、(メタ)アクリル系モノマー、アクリロニトリル系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、フッ素含有ビニル系モノマー及びケイ素含有ビニル系モノマーからなる群から選ばれるモノマーを主として重合して製造されるものであるビニル系重合体(II)を含有することが好ましい。
上記ビニル系重合体(II)の主鎖が、(メタ)アクリル系重合体であるビニル系重合体(II)を含有することが好ましく、アクリル系重合体であるビニル系重合体(II)を含有することがより好ましく、アクリル酸エステル系重合体であるビニル系重合体(II)を含有することがさらに好ましい。
上記ビニル系重合体(II)の架橋性官能基が架橋性シリル基であって、一般式(1)で表されるシリル基であることが好ましい。
−[Si(R12-b(Y)bO]m−Si(R23-a(Y)a(1)
(式中、R1およびR2は、同一若しくは異なって、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R′)3SiO−で表されるトリオルガノシロキシ基を示す(式中、R′は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示す。複数のR′は同一であってもよく又は異なっていてもよい)。R1またはR2がそれぞれ2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示す。Yが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0、1、2または3を示す。bは0、1、または2を示す。mは0〜19の整数を示す。ただし、a+mb≧1であることを満足する。)
上記ビニル系重合体(II)の分子量分布が1.8未満であるビニル系重合体(II)を含有するすることが好ましい。
上記ビニル系重合体(II)の主鎖がリビングラジカル重合法により製造されたものであることが好ましく、原子移動ラジカル重合法により製造されたものであることがより好ましい。
上記ビニル系重合体(II)の架橋性シリル基が分子鎖末端にあることが好ましい。
上記ビニル系重合体(II)が、架橋性シリル基を1分子あたり平均して1.1個以上4.0個以下有するビニル系重合体であることが好ましい。
上記ビニル系重合体(II)の数平均分子量が、10,000以上40,000以下であることが好ましい。
前記の硬化性組成物の硬化物(A)がさらに一般式(1)で表される架橋性シリル基を平均して少なくとも一個有するポリエーテル系重合体(V)を含有することが好ましい。
上記硬化性組成物の硬化物(A)に含有されるビニル系重合体(II)とポリエーテル系重合体(V)の総重量に占めるビニル系重合体(II)の割合が1〜100重量%であることが好ましく、30〜100重量%であることがより好ましい。
上記ポリエーテル系重合体(V)の主鎖が、本質的にポリプロピレンオキシドであることが好ましい。
上記ポリエーテル系重合体(V)が、架橋性シリル基を1分子あたり平均して1.1個以上4.0個以下有するポリエーテル系重合体であることが好ましい。
上記ポリエーテル系重合体(V)の数平均分子量が、3,000以上50,000以下であることが好ましい。
前記ビニル系重合体(II)とポリエーテル系重合体(V)の総量100重量部に対して、前記ベンゾフェノン化合物(IV)を0.001重量部〜20重量部含有することが好ましい。
また、架橋性官能基を平均して少なくとも一個有するビニル系重合体(II)
硬化触媒(III)
および、
ベンゾフェノン化合物(ジフェニルケトン化合物とも言う)であって、2位および2’位にヒドロキシ基を有しないベンゾフェノン化合物(IV)
を含有することを特徴とする硬化性組成物に関する。
本発明の硬化性組成物の硬化物は、非常に厳しい環境下に曝されても長期に渡り接着性を失わず、光を透過させうる部材に対し優れた接着性が得られるので、これらからなる構造体は長期に渡り優れた防水性、気密性が得られる。
以下に本発明の硬化性組成物について詳述する。
−光を透過させる部材(I)−
本発明の硬化性組成物は、被着体が透明材料である場合に特に有効に用いることができる。ここでいう透明材料は光を通すものであればよく、透き通っているものだけでなく、透明の程度が少なくなった半透明のものや、材料表面に細かい凹凸をつけたりしたもの、フッ化水素酸で腐食させた不透明ではあるが光を通すものなども含まれる。
また、ガラス板の裏面にアマルガムを塗布して製造される鏡のように、透明材料が構造の一部を形成するような材料(基材)も含まれるものとする。透明材料としては、特に限定されないがたとえば、ガラス、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートなどのポリ(メタ)アクリレート類、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂の建築材料が挙げられる。この中でも、ガラスが特に好ましい。
本発明でガラスを使用する場合にはガラスであれば特に制約無く用いる事ができる。好ましくは、フロート板ガラス、みがき板ガラス、型板ガラス、網入りガラス、線入り板ガラス、熱線吸収板ガラス、熱線反射ガラス、強化ガラス、倍強化ガラス、合わせガラス、複層ガラス、真空複層ガラス、熱高遮断断熱複層ガラス、防火ガラス、電磁波遮断ガラス、その他の各種機能ガラスを挙げることができる。
本発明の透明材料を取り付ける工法としては、特に制約は無く、一般の工法が用いられるが、好ましくは、ガラスカーテンウォール工法、サッシ枠はめ込み工法、メタルカーテンウォール工法、ガラススクリーン工法、ストラクチャル シーラント グレージング システム構法(SSG構法)、強化ガラススクリーン工法、ドット ポイント グレージング工法(DPG工法)、メタル ポイント グレージング工法(MPG工法)などをあげることができる。
本発明の硬化性組成物を用いるシーリング方法としては、特に制約は無いが、好ましくは被着面の清掃、バックアップ材の挿入、スペーサーの挿入、マスキングテープ張り、ぷ来マーの塗布、シーリング材の充填、シーリング材の仕上げ、マスキングテープ除去、清掃、養生などの工程によって行われる。
被着面の清掃は、錆、油分、ほこり、モルタルくず、塗料などの一般的に接着を阻害するものを除去する目的で行われる。清掃にあたっては、当該被着体に適する方法にて行う必要がある。なお、次工程移行に際しては、被着面を十分乾燥させることに留意する。
バックアップ材は、二面接着の確保や充填深さの調整を目的として挿入される。通常、バックアップ材としては、ポリエチレン独立気泡発泡体、ポリエチレン連続気泡発泡体+ポリエチレン独立気泡発泡体、合成ゴムなどが用いられる。合成ゴムとしては、クロロプレン、EPDM、塩化ビニル樹脂などの素材が一般的に用いられる。
マスキングテープは、次工程以降における構成材の汚染を防止し、シーリング材の両縁の線を綺麗に通すために使用する。材質としては、一般的なマスキングテープとして使用できるものを使用する。
プライマーは、被着面とシーリング材を接着させるために、必要に応じて被着面に塗布される。用いるプライマーとしては特に制約無く、ガラス面に一般的に用いられるものを使用できる。好ましくは、シリコーン系、シラン系などを挙げることができる。
シーリング材の充填は、目地幅に合ったノズルを装着したガンで目地底から行い、隙間、打ち残し、空気の混入が無いように加圧しながら行う。
シーリング材の仕上げ方法としては、目地内に充填されて、ヘラ仕上げされる。ヘラ仕上げする際には、通常のヘラ仕上げでもよいが、特に、灯油、ノルマルヘキサン、トルエン等の有機溶剤に、発泡ポリエチレンバッカー、ゴム等によって構成されたヘラを浸漬して、シーリング材の表面を、そのヘラにて同一方向にこすり付けることが好ましい。
マスキングテープの除去は、ヘラ仕上げ後直ちに行う。
清掃は、マスキングテープ除去後、目地周辺に行う。
その後、身硬化シーリング材は、周辺の汚染などの原因となるため、フィルム、シート、ベニヤ板などの適当な材料を用いて養生を行う。
本発明に使用するシーリング剤は光触媒を含まない親水性物質からなる防汚作用を有する層が設けられている透明材料にも使用することができる。
透明材料は、その表面に光触媒作用による防汚作用を有する層が設けられてなるものであってもよい。ここで、防汚作用とは、光触媒作用による有機物の分解作用や親水性に基づく雨水による汚染物質除去作用などが挙げられる。
光触媒作用による防汚作用を有する層(以下、光触媒層ともいう)は、光触媒作用を有する材料を含むものであれば、特に限定されない。
光触媒作用を有する材料としては、光触媒、シリケートコート等が挙げられる。光触媒としては、特に限定されないが、例えばTiO2、SrTiO3、ZnO、CdS、SnO2等が挙げられ、好ましくはTiO2である。
また、当該光触媒層は、上記光触媒作用を有する材料以外に、さらに親水性材料を含むことができる。親水性材料としては、例えばシリカ等が挙げられる。
このような光触媒層としては、TiO2とシリカの両方を含む層などが好ましく挙げられる。具体的には、光触媒活性を有するアナターゼ型の酸化チタンを含む組成物を材料表面にコートすることで、材料に太陽光が照射された際に、材料表面に有機物分解能と超親水性能を発現するものが挙げられる。当該透明材料は、有機物分解能によって、材料表面に付着した有機汚染物質を分解するとともに、超親水性作用により表面の有機系および無機系の汚染性物質を洗い流す効果を有することができる。
光触媒層は、通常、上記光触媒作用を有する材料の微粒子を用いて形成される。微粒子の粒子径としては、0.005〜1μmが好ましく、0.01〜0.3μmが特に好ましい。
光触媒層の厚さは、0.01〜10μmが好ましい。
透明材料上への光触媒層を形成するには、溶液、分散液の浸漬、スパッタ、溶射、スプレーなどの方法を用いることができる。
表面に光触媒作用による防汚作用を有する層が設けられてなる透明材料の具体例を挙げると、該性能を有するガラス材料として、BIO CLEAN(Saint−Gobain社製)、Active glass(Pilkington社製)、SunClean(PPG社製)、ハイドロテクト(TOTO社製)、クリアテクト(日本板ガラス社製)等が上市されているが、これらには限定されない。
−ビニル系重合体(II)−
<主鎖>
本発明者らは、これまでに様々な架橋性官能基を重合体末端に有するビニル系重合体、その製造法、硬化性組成物、及び用途に関して数々の発明を行ってきた(特開平11−080249、特開平11−080250、特開平11−005815、特開平11−116617、特開平11−116606、特開平11−080571、特開平11−080570、特開平11−130931、特開平11−100433、特開平11−116763、特開平9−272714号、特開平9−272715号等を参照)。本発明のビニル系重合体(I)としては特に限定されないが、上に例示した発明で開示される重合体をすべて好適に用いることができる。
本発明のビニル系重合体の主鎖を構成するビニル系モノマーとしては特に限定されず、各種のものを用いることができる。例示するならば、
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチルパーフルオロブチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2,2−ジパーフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチルパーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)アクリル系モノマー;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等の芳香族ビニル系モノマー;パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニル系モノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のアクリロニトリル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わない。
ビニル系重合体の主鎖が、(メタ)アクリル系モノマー、アクリロニトリル系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、フッ素含有ビニル系モノマー及びケイ素含有ビニル系モノマーからなる群より選ばれる少なくとも1つのモノマーを主として重合して製造されるものであることが好ましい。ここで「主として」とは、ビニル系重合体を構成するモノマー単位のうち30モル%以上、好ましくは50モル%以上が、上記モノマーであることを意味する。
なかでも、生成物の物性等から、主鎖が(メタ)アクリル系モノマーを主として重合して得られる(メタ)アクリル系重合体が好ましい。より好ましくは、主鎖がアクリル系モノマーを主として重合して得られるアクリル系重合体であり、特に好ましくはアクリル酸エステルモノマーを主として重合して得られるアクリル酸エステル系重合体である。
一般建築用等の用途においては配合物の低粘度、硬化物の低モジュラス、高伸び、耐候性、耐熱性等の物性が要求される点から、アクリル酸ブチルモノマーが更に好ましい。一方、自動車用途等の耐油性等が要求される用途においては、アクリル酸エチルを主とした共重合体が更に好ましい。このアクリル酸エチルを主とした重合体は耐油性に優れるが低温特性(耐寒性)にやや劣る傾向があるため、その低温特性を向上させるために、アクリル酸エチルの一部をアクリル酸ブチルに置き換えることも可能である。ただし、アクリル酸ブチルの比率を増やすに伴いその良好な耐油性が損なわれていくので、耐油性を要求される用途によってはその比率を80モル%以下にするのが好ましく、60モル%以下にするのがより好ましく、40モル%以下にするのが更に好ましく、30モル%以下にするのがもっと好ましい。また、耐油性を損なわずに低温特性等を改善するために側鎖のアルキル基に酸素が導入されたアクリル酸2−メトキシエチルやアクリル酸2−エトキシエチル等を用いるのも好ましい。ただし、側鎖にエーテル結合を持つアルコキシ基の導入により耐熱性が劣る傾向にあるので、耐熱性が要求されるときには、その比率は60モル%以下にするのが好ましく、40%以下にするのが更に好ましい。各種用途や要求される目的に応じて、必要とされる耐油性や耐熱性、低温特性等の物性を考慮し、その比率を変化させ、適した重合体を得ることが可能である。例えば、限定はされないが耐油性や耐熱性、低温特性等の物性バランスに優れている例としては、アクリル酸エチル/アクリル酸ブチル/アクリル酸2−メトキシエチル(モル比で40〜50/20〜30/20〜30)の共重合体が挙げられる。
なお、本発明のビニル系重合体にエポキシ樹脂を添加する場合において、その硬化性組成物を硬化させた時の硬化物が透明であるものを得るためには、該ビニル系重合体としてはエポキシ樹脂と相溶するものが好ましく、アクリル酸ブチルエステルホモポリマーよりも極性が高い重合体または共重合体が好適であり、該ビニル系重合体の主鎖が一般式(2)で表される繰り返し単位構造を有する重合体または共重合体であることがより好ましい。
−[CH2−CR3(COOR4)]− (2)
(式中、R3は水素、又はメチル基、R4は、同一若しくは異なって、アルコキシアルキル基、または炭素数1〜3のアルキル基である。)
アクリル酸ブチルエステルホモポリマーよりも極性が高い重合体または共重合体には、特に限定はないが、アクリル酸ブチルと、アクリル酸ブチルよりも極性が高いモノマーとの共重合体などが挙げられる。ここで、アクリル酸ブチルよりも極性が高いモノマーとしては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸2−メトキシエチルなどが挙げられる。例えば、アクリル酸エチル/アクリル酸ブチル/アクリル酸2−メトキシエチル(モル比で40〜50/20〜30/20〜30)の共重合体が各種エポキシ樹脂と相溶し易く、透明な硬化物を得易いため、好適である。
他のポリマー、例えば、変成シリコーン樹脂(架橋性シリル基を有するオキシアルキレン重合体)との相溶性を向上させるためにステアリル基やラウリル基等の長鎖のアルキル基を持ったモノマー等を共重合させても良い。特に限定はされないが、例えば、アクリル酸ステアリルやアクリル酸ラウリルを5〜30モル%共重合することで変成シリコーン樹脂との相溶性が非常に良好になる。それぞれのポリマーの分子量によって相溶性が変わるため、この共重合させるモノマーの比率はそれに応じて選択することが好ましい。また、その際には、ブロック共重合させても構わない。少量で効果を発現する場合がある。
官能性シリル基を持ったビニル系重合体を含む硬化性組成物は、貯蔵によりその硬化性が遅くなることが、つまり貯蔵安定性が悪くなることがある。例えば、アクリル酸メチルを共重合することにより、そのような減少を抑制することが可能になる場合がある。また硬化物の強度を向上させたい場合に用いても構わない。この場合にも、共重合させるモノマーの比率は分子量に応じて選択しても、並びに/又はブロック共重合させても構わない。
本発明においては、これらの好ましいモノマーを他のモノマーと共重合、更にはブロック共重合させても構わなく、その際は、これらの好ましいモノマーが重量比で40%以上含まれていることが好ましい。なお上記表現形式で例えば(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および/あるいはメタクリル酸を表す。
本発明のビニル系重合体の分子量分布、すなわち、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、特に限定されない。なお、分子量分布が1.8未満、特に1.3以下が作業性の点から好ましい。本発明でのGPC測定においては、通常、移動相としてクロロホルムを用い、測定はポリスチレンゲルカラムにておこない、数平均分子量等はポリスチレン換算で求めることができる。
本発明におけるビニル系重合体の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した値(移動相としてクロロホルムを用い、測定はポリスチレンゲルカラムにておこない、ポリスチレン換算で求めた値)を表す。ビニル系重合体の数平均分子量は、特に制限はないが、一般的には、作業性、物性上の点から、500〜1,000,000が好ましく、5,000〜100,000がより好ましく、10,000〜40,000が特に好ましい。分子量が小さい程、他の樹脂(各種重合体)と相溶し易く、かつ得られた硬化物は高モジュラス、低伸びの傾向を示し、逆に分子量が大きければその逆の傾向を示す。
<主鎖の合成法>
本発明における、ビニル系重合体の合成法は、限定はされず、フリーラジカル重合でも構わないが、制御ラジカル重合が好ましく、リビングラジカル重合がより好ましく、原子移動ラジカル重合が特に好ましい。以下にこれらについて説明する。
制御ラジカル重合
ラジカル重合法は、重合開始剤としてアゾ系化合物、過酸化物などを用いて、特定の官能基を有するモノマーとビニル系モノマーとを単に共重合させる「一般的なラジカル重合法」と、末端などの制御された位置に特定の官能基を導入することが可能な「制御ラジカル重合法」に分類できる。
「一般的なラジカル重合法」は簡便な方法であるが、この方法では特定の官能基を有するモノマーは確率的にしか重合体中に導入されないので、官能化率の高い重合体を得ようとした場合には、このモノマーをかなり大量に使う必要があり、逆に少量使用ではこの特定の官能基が導入されない重合体の割合が大きくなるという問題点がある。またフリーラジカル重合であるため、分子量分布が広く粘度の高い重合体しか得られないという問題点もある。
「制御ラジカル重合法」は、更に、特定の官能基を有する連鎖移動剤を用いて重合をおこなうことにより末端に官能基を有するビニル系重合体が得られる「連鎖移動剤法」と、重合生長末端が停止反応などを起こさずに生長することによりほぼ設計どおりの分子量の重合体が得られる「リビングラジカル重合法」とに分類することができる。
「連鎖移動剤法」は、官能化率の高い重合体を得ることが可能であるが、開始剤に対してかなり大量の特定の官能基を有する連鎖移動剤が必要であり、処理も含めて経済面で問題がある。また上記の「一般的なラジカル重合法」と同様、フリーラジカル重合であるため分子量分布が広く、粘度の高い重合体しか得られないという問題点もある。
これらの重合法とは異なり、「リビングラジカル重合法」は、重合速度が高く、ラジカル同士のカップリングなどによる停止反応が起こりやすいため制御の難しいとされるラジカル重合でありながら、停止反応が起こりにくく、分子量分布の狭い(Mw/Mnが1.1〜1.5程度)重合体が得られるとともに、モノマーと開始剤の仕込み比によって分子量は自由にコントロールすることができる。
従って「リビングラジカル重合法」は、分子量分布が狭く、粘度が低い重合体を得ることができる上に、特定の官能基を有するモノマーを重合体のほぼ任意の位置に導入することができるため、上記特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法としてはより好ましいものである。
なお、リビング重合とは狭義においては、末端が常に活性を持ち続けて分子鎖が生長していく重合のことをいうが、一般には、末端が不活性化されたものと活性化されたものが平衡状態にありながら生長していく擬リビング重合も含まれる。本発明における定義も後者である。
「リビングラジカル重合法」は近年様々なグループで積極的に研究がなされている。その例としては、たとえばジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカルソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)、1994年、116巻、7943頁に示されるようなコバルトポルフィリン錯体を用いるもの、マクロモレキュールズ(Macromolecules)、1994年、27巻、7228頁に示されるようなニトロキシド化合物などのラジカルキャッピング剤を用いるもの、有機ハロゲン化物等を開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする「原子移動ラジカル重合」(Atom Transfer Radical Polymerization:ATRP)などがあげられる。
「リビングラジカル重合法」の中でも、有機ハロゲン化物あるいはハロゲン化スルホニル化合物等を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーを重合する「原子移動ラジカル重合法」は、上記の「リビングラジカル重合法」の特徴に加えて、官能基変換反応に比較的有利なハロゲン等を末端に有し、開始剤や触媒の設計の自由度が大きいことから、特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法としてはさらに好ましい。この原子移動ラジカル重合法としては例えばMatyjaszewskiら、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカルソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)1995年、117巻、5614頁、マクロモレキュールズ(Macromolecules)1995年、28巻、7901頁,サイエンス(Science)1996年、272巻、866頁、WO96/30421号公報,WO97/18247号公報、WO98/01480号公報,WO98/40415号公報、あるいはSawamotoら、マクロモレキュールズ(Macromolecules)1995年、28巻、1721頁、特開平9−208616号公報、特開平8−41117号公報などが挙げられる。
本発明において、これらのリビングラジカル重合のうちどの方法を使用するかは特に制約はないが、原子移動ラジカル重合法が好ましい。
以下にリビングラジカル重合について詳細に説明していくが、その前に、後に説明するビニル系重合体の製造に用いることができる制御ラジカル重合のうちの一つ、連鎖移動剤を用いた重合について説明する。連鎖移動剤(テロマー)を用いたラジカル重合としては、特に限定されないが、本発明に適した末端構造を有したビニル系重合体を得る方法としては、次の2つの方法が例示される。
特開平4−132706号公報に示されているようなハロゲン化炭化水素を連鎖移動剤として用いてハロゲン末端の重合体を得る方法と、特開昭61−271306号公報、特許2594402号公報、特開昭54−47782号公報に示されているような水酸基含有メルカプタンあるいは水酸基含有ポリスルフィド等を連鎖移動剤として用いて水酸基末端の重合体を得る方法である。
以下に、リビングラジカル重合について説明する。
そのうち、まず、ニトロキシド化合物などのラジカルキャッピング剤を用いる方法について説明する。この重合では一般に安定なニトロキシフリーラジカル(=N−O・)をラジカルキャッピング剤として用いる。このような化合物類としては、限定はされないが、2,2,6,6−置換−1−ピペリジニルオキシラジカルや2,2,5,5−置換−1−ピロリジニルオキシラジカル等、環状ヒドロキシアミンからのニトロキシフリーラジカルが好ましい。置換基としてはメチル基やエチル基等の炭素数4以下のアルキル基が適当である。具体的なニトロキシフリーラジカル化合物としては、限定はされないが、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル(TEMPO)、2,2,6,6−テトラエチル−1−ピペリジニルオキシラジカル、2,2,6,6−テトラメチル−4−オキソ−1−ピペリジニルオキシラジカル、2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシラジカル、1,1,3,3−テトラメチル−2−イソインドリニルオキシラジカル、N,N−ジ−t−ブチルアミンオキシラジカル等が挙げられる。ニトロキシフリーラジカルの代わりに、ガルビノキシル(galvinoxyl)フリーラジカル等の安定なフリーラジカルを用いても構わない。
上記ラジカルキャッピング剤はラジカル発生剤と併用される。ラジカルキャッピング剤とラジカル発生剤との反応生成物が重合開始剤となって付加重合性モノマーの重合が進行すると考えられる。両者の併用割合は特に限定されるものではないが、ラジカルキャッピング剤1モルに対し、ラジカル発生剤0.1〜10モルが適当である。
ラジカル発生剤としては、種々の化合物を使用することができるが、重合温度条件下で、ラジカルを発生しうるパーオキシドが好ましい。このパーオキシドとしては、限定はされないが、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド等のジアルキルパーオキシド類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネート類、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のアルキルパーエステル類等がある。特にベンゾイルパーオキシドが好ましい。さらに、パーオキシドの代わりにアゾビスイソブチロニトリルのようなラジカル発生性アゾ化合物等のラジカル発生剤も使用しうる。
Macromolecules 1995,28,P.2993で報告されているように、ラジカルキャッピング剤とラジカル発生剤を併用する代わりに、下図のようなアルコキシアミン化合物を開始剤として用いても構わない。
Figure 2011190394
アルコキシアミン化合物を開始剤として用いる場合、それが上図で示されているような水酸基等の官能基を有するものを用いると、末端に官能基を有する重合体が得られる。これを本発明の方法に利用すると、末端に官能基を有する重合体が得られる。
上記のニトロキシド化合物などのラジカルキャッピング剤を用いる重合で用いられるモノマー、溶媒、重合温度等の重合条件は、限定されないが、次に説明する原子移動ラジカル重合について用いるものと同様で構わない。
原子移動ラジカル重合
次に、本発明のリビングラジカル重合としてより好ましい原子移動ラジカル重合法について説明する。
この原子移動ラジカル重合では、有機ハロゲン化物、特に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物(例えば、α位にハロゲンを有するカルボニル化合物や、ベンジル位にハロゲンを有する化合物)、あるいはハロゲン化スルホニル化合物等が開始剤として用いられる。
具体的に例示するならば、
65−CH2X、C65−C(H)(X)CH3、C65−C(X)(CH32
(ただし、上の化学式中、C65はフェニル基、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
5−C(H)(X)−CO26、R5−C(CH3)(X)−CO26、R5−C(H)(X)−C(O)R6、R5−C(CH3)(X)−C(O)R6
(式中、R5、R6は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、またはアラルキル基、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
5−C64−SO2
(式中、R5は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、またはアラルキル基、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
等が挙げられる。
原子移動ラジカル重合の開始剤として、重合を開始する官能基以外の官能基を有する有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物を用いることもできる。このような場合、一方の主鎖末端に官能基を、他方の主鎖末端に原子移動ラジカル重合の生長末端構造を有するビニル系重合体が製造される。このような官能基としては、アルケニル基、架橋性シリル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基等が挙げられる。
アルケニル基を有する有機ハロゲン化物としては限定されず、例えば、一般式(3)に示す構造を有するものが例示される。
78C(X)−R9−R10−C(R11)=CH2 (3)
(式中、R11は水素、またはメチル基、R7、R8は水素、または、炭素数1〜20の1価のアルキル基、アリール基、またはアラルキル基、または他端において相互に連結したもの、R9は、−C(O)O−(エステル基)、−C(O)−(ケト基)、またはo−,m−,p−フェニレン基、R10は直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいても良い、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
置換基R7、R8の具体例としては、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。R7とR8は他端において連結して環状骨格を形成していてもよい。
一般式(3)で示される、アルケニル基を有する有機ハロゲン化物の具体例としては、
XCH2C(O)O(CH2nCH=CH2、H3CC(H)(X)C(O)O(CH2nCH=CH2、(H3C)2C(X)C(O)O(CH2nCH=CH2、CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2nCH=CH2
Figure 2011190394
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは0〜20の整数)
XCH2C(O)O(CH2nO(CH2mCH=CH2、H3CC(H)(X)C(O)O(CH2nO(CH2mCH=CH2、(H3C)2C(X)C(O)O(CH2nO(CH2mCH=CH2、CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2nO(CH2mCH=CH2
Figure 2011190394
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
o,m,p−XCH2−C64−(CH2n−CH=CH2、o,m,p−CH3C(H)(X)−C64−(CH2n−CH=CH2、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C64−(CH2n−CH=CH2
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは0〜20の整数)
o,m,p−XCH2−C64−(CH2n−O−(CH2m−CH=CH2、o,m,p−CH3C(H)(X)−C64−(CH2n−O−(CH2m−CH=CH2、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C64−(CH2n−O−(CH2mCH=CH2
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
o,m,p−XCH2−C64−O−(CH2n−CH=CH2、o,m,p−CH3C(H)(X)−C64−O−(CH2n−CH=CH2、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C64−O−(CH2n−CH=CH2
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは0〜20の整数)
o,m,p−XCH2−C64−O−(CH2n−O−(CH2m−CH=CH2、o,m,p−CH3C(H)(X)−C64−O−(CH2n−O−(CH2m−CH=CH2、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C64−O−(CH2n−O−(CH2m−CH=CH2
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
アルケニル基を有する有機ハロゲン化物としてはさらに一般式(4)で示される化合物が挙げられる。
2C=C(R11)−R10−C(R7)(X)−R12−R8 (4)
(式中、R11、R7、R8、R10、Xは上記に同じ、R12は、直接結合、−C(O)O−(エステル基)、−C(O)−(ケト基)、または、o−,m−,p−フェニレン基を表す)
10は直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基(1個以上のエーテル結合を含んでいても良い)であるが、直接結合である場合は、ハロゲンの結合している炭素にビニル基が結合しており、ハロゲン化アリル化物である。この場合は、隣接ビニル基によって炭素−ハロゲン結合が活性化されているので、R12としてC(O)O基やフェニレン基等を有する必要は必ずしもなく、直接結合であってもよい。R10が直接結合でない場合は、炭素−ハロゲン結合を活性化するために、R12としてはC(O)O基、C(O)基、フェニレン基が好ましい。
一般式(4)の化合物を具体的に例示するならば、
CH2=CHCH2X、CH2=C(CH3)CH2X、CH2=CHC(H)(X)CH3、CH2=C(CH3)C(H)(X)CH3、CH2=CHC(X)(CH32、CH2=CHC(H)(X)C25、CH2=CHC(H)(X)CH(CH32、CH2=CHC(H)(X)C65、CH2=CHC(H)(X)CH265、CH2=CHCH2C(H)(X)−CO2R、CH2=CH(CH22C(H)(X)−CO2R、CH2=CH(CH23C(H)(X)−CO2R、CH2=CH(CH28C(H)(X)−CO2R、CH2=CHCH2C(H)(X)−C65、CH2=CH(CH22C(H)(X)−C65、CH2=CH(CH23C(H)(X)−C65
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基)
等を挙げることができる。
アルケニル基を有するハロゲン化スルホニル化合物の具体例を挙げるならば、
o−,m−,p−CH2=CH−(CH2n−C64−SO2X、o−,m−,p−CH2=CH−(CH2n−O−C64−SO2X、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは0〜20の整数)
等である。
上記架橋性シリル基を有する有機ハロゲン化物としては特に限定されず、例えば一般式(5)に示す構造を有するものが例示される。
78C(X)−R9−R10−C(H)(R11)CH2−[Si(R132-b(Y)bO]m−Si(R143-a(Y)a (5)
(式中、R11、R7、R8、R9、R10、Xは上記に同じ、R13、R14は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、または(R’)3SiO−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R13またはR14が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するときそれらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3を、また、bは0,1,または2を示す。mは0〜19の整数である。ただし、a+mb≧1であることを満足するものとする)
一般式(5)の化合物を具体的に例示するならば、
XCH2C(O)O(CH2nSi(OCH33、CH3C(H)(X)C(O)O(CH2nSi(OCH33、(CH32C(X)C(O)O(CH2nSi(OCH33、XCH2C(O)O(CH2nSi(CH3)(OCH32、CH3C(H)(X)C(O)O(CH2nSi(CH3)(OCH32、(CH32C(X)C(O)O(CH2nSi(CH3)(OCH32
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、ヨウ素、nは0〜20の整数、)
XCH2C(O)O(CH2nO(CH2mSi(OCH33、H3CC(H)(X)C(O)O(CH2nO(CH2mSi(OCH33、(H3C)2C(X)C(O)O(CH2nO(CH2mSi(OCH33、CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2nO(CH2mSi(OCH33、XCH2C(O)O(CH2nO(CH2mSi(CH3)(OCH32、H3CC(H)(X)C(O)O(CH2nO(CH2m−Si(CH3)(OCH32、(H3C)2C(X)C(O)O(CH2nO(CH2m−Si(CH3)(OCH32、CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2nO(CH2m−Si(CH3)(OCH32
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、ヨウ素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
o,m,p−XCH2−C64−(CH22Si(OCH33、o,m,p−CH3C(H)(X)−C64−(CH22Si(OCH33、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C64−(CH22Si(OCH33、o,m,p−XCH2−C64−(CH23Si(OCH33、o,m,p−CH3C(H)(X)−C64−(CH23Si(OCH33、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C64−(CH23Si(OCH33、o,m,p−XCH2−C64−(CH22−O−(CH23Si(OCH33、o,m,p−CH3C(H)(X)−C64−(CH22−O−(CH23Si(OCH33、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C64−(CH22−O−(CH23Si(OCH33、o,m,p−XCH2−C64−O−(CH23Si(OCH33、o,m,p−CH3C(H)(X)−C64−O−(CH23Si(OCH33、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C64−O−(CH23−Si(OCH33、o,m,p−XCH2−C64−O−(CH22−O−(CH23−Si(OCH33、o,m,p−CH3C(H)(X)−C64−O−(CH22−O−(CH23Si(OCH33、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C64−O−(CH22−O−(CH23Si(OCH33
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
等が挙げられる。
上記架橋性シリル基を有する有機ハロゲン化物としてはさらに、一般式(6)で示される構造を有するものが例示される。
(R143-a(Y)aSi−[OSi(R132-b(Y)bm−CH2−C(H)(R11)−R10−C(R7)(X)−R12−R8 (6)
(式中、R11、R7、R8、R10、R12、R13、R14、a、b、m、X、Yは上記に同じ)
このような化合物を具体的に例示するならば、
(CH3O)3SiCH2CH2C(H)(X)C65、(CH3O)2(CH3)SiCH2CH2C(H)(X)C65、(CH3O)3Si(CH22C(H)(X)−CO2R、(CH3O)2(CH3)Si(CH22C(H)(X)−CO2R、(CH3O)3Si(CH23C(H)(X)−CO2R、(CH3O)2(CH3)Si(CH23C(H)(X)−CO2R、(CH3O)3Si(CH24C(H)(X)−CO2R、(CH3O)2(CH3)Si(CH24C(H)(X)−CO2R、(CH3O)3Si(CH29C(H)(X)−CO2R、(CH3O)2(CH3)Si(CH29C(H)(X)−CO2R、(CH3O)3Si(CH23C(H)(X)−C65、(CH3O)2(CH3)Si(CH23C(H)(X)−C65、(CH3O)3Si(CH24C(H)(X)−C65、(CH3O)2(CH3)Si(CH24C(H)(X)−C65
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基)
等が挙げられる。
上記ヒドロキシル基を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物としては特に限定されず、下記のようなものが例示される。
HO−(CH2n−OC(O)C(H)(R)(X)
(式中、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数)
上記アミノ基を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物としては特に限定されず、下記のようなものが例示される。
2N−(CH2n−OC(O)C(H)(R)(X)
(式中、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数)
上記エポキシ基を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物としては特に限定されず、下記のようなものが例示される。
Figure 2011190394
(式中、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数)
生長末端構造を1分子内に2つ以上有する重合体を得るためには、2つ以上の開始点を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤として用いるのが好ましい。具体的に例示するならば、
Figure 2011190394
Figure 2011190394
等が挙げられる。
この重合において用いられるビニル系モノマーとしては特に制約はなく、既に例示したものをすべて好適に用いることができる。
重合触媒として用いられる遷移金属錯体としては特に限定されないが、好ましくは周期律表第7族、8族、9族、10族、または11族元素を中心金属とする金属錯体である。更に好ましいものとして、0価の銅、1価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄又は2価のニッケルの錯体が挙げられる。なかでも、銅の錯体が好ましい。1価の銅化合物を具体的に例示するならば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅等である。銅化合物を用いる場合、触媒活性を高めるために2,2′−ビピリジル及びその誘導体、1,10−フェナントロリン及びその誘導体、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチルトリス(2−アミノエチル)アミン等のポリアミン等の配位子が添加される。好ましい配位子は、含窒素化合物であり、より好ましい配位子は、キレート型含窒素化合物であり、さらに好ましい配位子は、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミンである。また、2価の塩化ルテニウムのトリストリフェニルホスフィン錯体(RuCl2(PPh33)も触媒として好適である。ルテニウム化合物を触媒として用いる場合は、活性化剤としてアルミニウムアルコキシド類が添加される。更に、2価の鉄のビストリフェニルホスフィン錯体(FeCl2(PPh32)、2価のニッケルのビストリフェニルホスフィン錯体(NiCl2(PPh32)、及び、2価のニッケルのビストリブチルホスフィン錯体(NiBr2(PBu32)も、触媒として好適である。
重合は無溶剤または各種の溶剤中で行なうことができる。溶剤の種類としては、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒等が挙げられ、単独または2種以上を混合して用いることができる。
また、限定はされないが、重合は0℃〜200℃の範囲で行うことができ、好ましくは50〜150℃である。
本発明の原子移動ラジカル重合には、いわゆるリバース原子移動ラジカル重合も含まれる。リバース原子移動ラジカル重合とは、通常の原子移動ラジカル重合触媒がラジカルを発生させた時の高酸化状態、例えば、Cu(I)を触媒として用いた時のCu(II’)に対し、過酸化物等の一般的なラジカル開始剤を作用させ、その結果として原子移動ラジカル重合と同様の平衡状態を生み出す方法である(Macromolecules 1999,32,2872参照)。
<官能基>
ビニル系重合体(II)の架橋性官能基は特に限定されないが、架橋性シリル基、アルケニル基、水酸基、アミノ基、重合性の炭素−炭素二重結合、エポキシ基等が好ましい。これらのうち、架橋性シリル基が接着性の点で好ましい。
これらの官能基は全てその用途、目的に応じて使い分けることができる。
ビニル系重合体(II)は架橋性官能基を平均してすくなくとも1個有するものである。組成物の硬化性や硬化物の物性の観点から、1個より多く有することが好ましく、より好ましくは平均して1.1〜4.0個、さらに好ましくは1.5〜2.5個である。
架橋性シリル基の位置
本発明の硬化性組成物を硬化させてなる硬化物にゴム的な性質が特に要求される場合には、ゴム弾性に大きな影響を与える架橋点間分子量が大きくとれるため、架橋性官能基の少なくとも1個は分子鎖の末端にあることが好ましい。より好ましくは、全ての架橋性官能基を分子鎖末端に有するものである。
上記架橋性シリル基を分子鎖末端に少なくとも1個有するビニル系重合体、中でも(メタ)アクリル系重合体を製造する方法は、特公平3−14068号公報、特公平4−55444号公報、特開平6−211922号公報等に開示されている。しかしながらこれらの方法は上記「連鎖移動剤法」を用いたフリーラジカル重合法であるので、得られる重合体は、架橋性シリル基を比較的高い割合で分子鎖末端に有する一方で、Mw/Mnで表される分子量分布の値が一般に2以上と大きく、粘度が高くなるという問題を有している。従って、分子量分布が狭く、粘度の低いビニル系重合体であって、高い割合で分子鎖末端に架橋性シリル基を有するビニル系重合体を得る場合には、上記「リビングラジカル重合法」を用いることが好ましいが、分子量分布の狭い重合体に特定するものではない。
以下にこれらの官能基について説明する。
架橋性シリル基
本発明の架橋性シリル基としては、一般式(1);
−[Si(R12-b(Y)bO]m−Si(R23-a(Y)a (1)
{式中、R1、R2は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R’)3SiO−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するときそれらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3を、また、bは0,1,または2を示す。mは0〜19の整数である。ただし、a+mb≧1であることを満足するものとする。}
で表される基があげられる。
加水分解性基としては、たとえば、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基などの一般に使用されている基があげられる。これらのうちでは、アルコキシ基、アミド基、アミノオキシ基が好ましいが、加水分解性がマイルドで取り扱い易いという点から、アルコキシ基がとくに好ましい。アルコキシ基の中では炭素数の少ないものの方が反応性が高く、メトキシ基>エトキシ基>プロポキシ基…の順に反応性が低くなり、目的や用途に応じて選択できる。
加水分解性基や水酸基は、1個のケイ素原子に1〜3個の範囲で結合することができ、(a+Σb)は1〜5個の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸基が架橋性シリル基中に2個以上結合する場合には、それらは同じであってもよいし、異なってもよい。架橋性シリル基を形成するケイ素原子は1個以上であるが、シロキサン結合などにより連結されたケイ素原子の場合には、20個以下であることが好ましい。とくに、一般式(7)
−Si(R23-a(Y)a (7)
(式中、R2、Yは前記と同じ、aは1〜3の整数)で表される架橋性シリル基が、入手が容易であるので好ましい。
なお、特に限定はされないが、硬化性を考慮するとaは2以上が好ましい。
このような架橋性シリル基を有するビニル系重合体は珪素原子1つあたり2つの加水分解性基が結合してなる加水分解性珪素基を有する重合体が用いられることが多いが、接着剤の用途等や低温で使用する場合等、特に非常に速い硬化速度を必要とする場合、その硬化速度は充分ではなく、また硬化後の柔軟性を出したい場合には、架橋密度を低下させる必要があり、そのため架橋密度が充分でないためにべたつき(表面タック)があることもあった。その際には、aが3のもの(例えばトリメトキシ官能基)、すなわち、一般式(8)
−SiY3 (8)
(式中、Yは前記と同じ。)で表される架橋性シリル基であるのが、耐クリープ性の観点から好ましい。
また、aが3のもの(例えばトリメトキシ官能基)は2のもの(例えばジメトキシ官能基)よりも硬化が速いが、貯蔵安定性や力学物性(伸び等)に関しては2のものの方が優れている場合がある。硬化性と物性バランスをとるために、2のもの(例えばジメトキシ官能基)と3のもの(例えばトリメトキシ官能基)を併用してもよい。
例えば、Yが同一の場合、aが多いほどYの反応性が高くなるため、Yとaを種々選択することにより硬化性や硬化物の機械物性等を制御することが可能であり、目的や用途に応じて選択できる。また、aが1のものは鎖延長剤として架橋性シリル基を有する重合体、具体的にはポリシロキサン系、ポリオキシプロピレン系、ポリイソブチレン系からなる少なくとも1種の重合体と混合して使用できる。硬化前に低粘度、硬化後に高い破断時伸び性、低ブリード性、表面低汚染性、優れた塗料密着性を有する組成物とすることが可能である。
アルケニル基
本発明におけるアルケニル基は、限定はされないが、一般式(9)で表されるもので
あることが好ましい。
2C=C(R15)− (9)
(式中、R15は水素原子あるいは炭素数1〜20の炭化水素基である)
一般式(9)において、R15は水素原子あるいは炭素数1〜20の炭化水素基であり、
具体的には以下のような基が例示される。
−(CH2n−CH3、−CH(CH3)−(CH2n−CH3、−CH(CH2CH3)−(CH2n−CH3、−CH(CH2CH32、−C(CH32−(CH2n−CH3、−C(CH3)(CH2CH3)−(CH2n−CH3、−C65、−C65(CH3)、−C65(CH32、−(CH2n−C65、−(CH2n−C65(CH3)、−(CH2n−C65(CH32(nは0以上の整数で、各基の合計炭素数は20以下)
これらの内では、水素原子が好ましい。
さらに、限定はされないが、重合体(I)のアルケニル基が、その炭素−炭素二重結合
と共役するカルボニル基、アルケニル基、芳香族環により活性化されていないことが好ま
しい。
アルケニル基と重合体の主鎖の結合形式は、特に限定されないが、炭素−炭素結合、エ
ステル結合、エステル結合、カーボネート結合、アミド結合、ウレタン結合等を介して結
合されていることが好ましい。
アミノ基
本発明におけるアミノ基としては、限定はされないが、−NR45 2(R45は水素または
炭素数1〜20の1価の有機基であり、2個のR45は互いに同一でもよく異なっていても
よく、また、他端において相互に連結し、環状構造を形成していてもよい。)が挙げられ
るが、−(NR45 3)+X-(R45は上記と同じ。X-は対アニオン。)に示されるアンモニウム塩であっても何ら問題はない。
上記式中、R45は水素または炭素数1〜20の1価の有機基であり、例えば、水素、炭
素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル
基等が挙げられる。2個のR45は互いに同一でもよく、異なっていてもよい。また、他端
において相互に連結し、環状構造を形成していてもよい。
重合性の炭素−炭素二重結合
重合性の炭素−炭素二重結合を有する基は、好ましくは、一般式(10):
−OC(O)C(R46)=CH2 (10)
(式中、R46は水素、または、炭素数1〜20の一価の有機基を表す。)で表される基で
あり、更に好ましくは、R46が、水素、または、メチル基である。
一般式(10)において、R46の具体例としては特に限定されず、例えば、−H、−C
3、−CH2CH3、−(CH2nCH3(nは2〜19の整数を表す)、−C65、−CH2OH、−CN等が挙げられるが、好ましくは−H、−CH3である。
架橋性シリル基の導入法
以下に、本発明のビニル系重合体への架橋性シリル基の導入法について説明するが、これに限定されるものではない。
まず、末端官能基変換により架橋性シリル基、アルケニル基、水酸基を導入する方法について記述する。これらの官能基はお互いに前駆体となりうるので、架橋性シリル基から溯る順序で記述していく。
架橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合体の合成方法としては、
(A)アルケニル基を少なくとも1個有するビニル系重合体に架橋性シリル基を有するヒドロシラン化合物を、ヒドロシリル化触媒存在下に付加させる方法
(B)水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体に一分子中に架橋性シリル基とイソシアネート基を有する化合物のような、水酸基と反応し得る基を有する化合物を反応させる方法
(C)ラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、1分子中に重合性のアルケニル基と架橋性シリル基を併せ持つ化合物を反応させる方法
(D)ラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、架橋性シリル基を有する連鎖移動剤を用いる方法
(E)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に1分子中に架橋性シリル基と安定なカルバニオンを有する化合物を反応させる方法
などが挙げられる。
(A)の方法で用いるアルケニル基を少なくとも1個有するビニル系重合体は種々の方法で得られる。以下に合成方法を例示するが、これらに限定されるわけではない。
(A−a)ラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、例えば下記の一般式(11)に挙げられるような一分子中に重合性のアルケニル基と重合性の低いアルケニル基を併せ持つ化合物を第2のモノマーとして反応させる方法。
2C=C(R15)−R16−R17−C(R18)=CH2 (11)
(式中、R15は水素原子あるいは炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R16は−C(O)O−、またはo−,m−,p−フェニレン基を示し、R17は直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基を示し、1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい。R18は水素、または炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基を示す)
なお、一分子中に重合性のアルケニル基と重合性の低いアルケニル基を併せ持つ化合物を反応させる時期に制限はないが、特にリビングラジカル重合で、ゴム的な性質を期待する場合には重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして反応させるのが好ましい。
(A−b)リビングラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、例えば1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエンなどのような重合性の低いアルケニル基を少なくとも2個有する化合物を反応させる方法。
(A−c)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えばアリルトリブチル錫、アリルトリオクチル錫などの有機錫のようなアルケニル基を有する各種の有機金属化合物を反応させてハロゲンを置換する方法。
(A−d)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、一般式(12)に挙げられるようなアルケニル基を有する安定化カルバニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。
+-(R19)(R20)−R21−C(R18)=CH2 (12)
(式中、R18は上記に同じ、R19、R20はともにカルバニオンC-を安定化する電子吸引基であるか、または一方が前記電子吸引基で他方が水素または炭素数1〜10のアルキル基、またはフェニル基を示す。R21は直接結合、または炭素数1〜10の2価の有機基を示し、1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい。M+はアルカリ金属イオン、または4級アンモニウムイオンを示す)
19、R20の電子吸引基としては、−CO2R、−C(O)Rおよび−CNの構造を有するものが特に好ましい。
(A−e)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば亜鉛のような金属単体あるいは有機金属化合物を作用させてエノレートアニオンを調製し、しかる後にハロゲンやアセチル基のような脱離基を有するアルケニル基含有化合物、アルケニル基を有するカルボニル化合物、アルケニル基を有するイソシアネート化合物、アルケニル基を有する酸ハロゲン化物等の、アルケニル基を有する求電子化合物と反応させる方法。
(A−f)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば一般式(13)あるいは(14)に示されるようなアルケニル基を有するオキシアニオンあるいはカルボキシレートアニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。
2C=C(R18)−R22−O-+ (13)
(式中、R18、M+は上記に同じ。R22は1個以上のエーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい炭素数1〜20の2価の有機基を表す。)
2C=C(R18)−R23−C(O)O-+ (14)
(式中、R18、M+は上記に同じ。R23は直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい)
などが挙げられる。
上述の反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体の合成法は、前述のような有機ハロゲン化物等を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。
またアルケニル基を少なくとも1個有するビニル系重合体は、水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体から得ることも可能であり、以下に例示する方法が利用できるがこれらに限定されるわけではない。水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体の水酸基に、
(A−g)ナトリウムメトキシドのような塩基を作用させ、塩化アリルのようなアルケニル基含有ハロゲン化物と反応させる方法。
(A−h)アリルイソシアネート等のアルケニル基含有イソシアネート化合物を反応させる方法。
(A−i)(メタ)アクリル酸クロリドのようなアルケニル基含有酸ハロゲン化物をピリジン等の塩基存在下に反応させる方法。
(A−j)アクリル酸等のアルケニル基含有カルボン酸を酸触媒の存在下に反応させる方法;等が挙げられる。
本発明では(A−a)(A−b)のようなアルケニル基を導入する方法にハロゲンが直接関与しない場合には、リビングラジカル重合法を用いてビニル系重合体を合成することが好ましい。制御がより容易である点から(A−b)の方法がさらに好ましい。
反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体のハロゲンを変換することによりアルケニル基を導入する場合は、反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有する有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーをラジカル重合すること(原子移動ラジカル重合法)により得る、末端に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体を用いるのが好ましい。制御がより容易である点から(A−f)の方法がさらに好ましい。
また、架橋性シリル基を有するヒドロシラン化合物としては特に制限はないが、代表的なものを示すと、一般式(15)で示される化合物が例示される。
H−[Si(R12-b(Y)bO]m−Si(R23-a(Y)a (15)
{式中、R1、R2は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R’)3SiO−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するときそれらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3を、また、bは0,1,または2を示す。mは0〜19の整数である。ただし、a+mb≧1であることを満足するものとする。}
これらヒドロシラン化合物の中でも、特に一般式(16)
H−Si(R23-a(Y)a (16)
(式中、R2、Yは前記に同じ。aは1〜3の整数。)
で示される架橋性基を有する化合物が入手容易な点から好ましい。
上記の架橋性シリル基を有するヒドロシラン化合物をアルケニル基に付加させる際には、遷移金属触媒が通常用いられる。遷移金属触媒としては、例えば、白金単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に白金固体を分散させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体、白金(0)−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体が挙げられる。白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh33,RhCl3,RuCl3,IrCl3,FeCl3,AlCl3,PdCl2・H2O,NiCl2,TiCl4等が挙げられる。
(B)および(A−g)〜(A−j)の方法で用いる水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体の製造方法は以下のような方法が例示されるが、これらの方法に限定されるものではない。
(B−a)ラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、例えば下記の一般式(17)に挙げられるような一分子中に重合性のアルケニル基と水酸基を併せ持つ化合物を第2のモノマーとして反応させる方法。
2C=C(R15)−R16−R17−OH (17)
(式中、R15、R16、R17は上記に同じ)
なお、一分子中に重合性のアルケニル基と水酸基を併せ持つ化合物を反応させる時期に制限はないが、特にリビングラジカル重合で、ゴム的な性質を期待する場合には重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして反応させるのが好ましい。
(B−b)リビングラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、例えば10−ウンデセノール、5−ヘキセノール、アリルアルコールのようなアルケニルアルコールを反応させる方法。
(B−c)例えば特開平5−262808に示される水酸基含有ポリスルフィドのような水酸基含有連鎖移動剤を多量に用いてビニル系モノマーをラジカル重合させる方法。
(B−d)例えば特開平6−239912、特開平8−283310に示されるような過酸化水素あるいは水酸基含有開始剤を用いてビニル系モノマーをラジカル重合させる方法。
(B−e)例えば特開平6−116312に示されるようなアルコール類を過剰に用いてビニル系モノマーをラジカル重合させる方法。
(B−f)例えば特開平4−132706などに示されるような方法で、反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個に有するビニル系重合体のハロゲンを加水分解あるいは水酸基含有化合物と反応させることにより、末端に水酸基を導入する方法。
(B−g)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、一般式(18)に挙げられるような水酸基を有する安定化カルバニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。
+-(R19)(R20)−R21−OH (18)
(式中、R19、R20、R21、は上記に同じ)
19、R20の電子吸引基としては、−CO2R、−C(O)Rおよび−CNの構造を有するものが特に好ましい。
(B−h)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば亜鉛のような金属単体あるいは有機金属化合物を作用させてエノレートアニオンを調製し、しかる後にアルデヒド類、又はケトン類を反応させる方法。
(B−i)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば一般式(19)あるいは(20)に示されるような水酸基を有するオキシアニオンあるいはカルボキシレートアニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。
HO−R22−O-+ (19)
(式中、R22およびM+は前記に同じ)
HO−R23−C(O)O-+ (20)
(式中、R23およびM+は前記に同じ)
(B−j)リビングラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして、一分子中に重合性の低いアルケニル基および水酸基を有する化合物を反応させる方法。
このような化合物としては特に限定されないが、一般式(21)に示される化合物等が挙げられる。
2C=C(R15)−R22−OH (21)
(式中、R15およびR22は上述したものと同様である。)
上記一般式(21)に示される化合物としては特に限定されないが、入手が容易であるということから、10−ウンデセノール、5−ヘキセノール、アリルアルコールのようなアルケニルアルコールが好ましい。
等が挙げられる。
本発明では(B−a)〜(B−e)及び(B−j)のような水酸基を導入する方法にハロゲンが直接関与しない場合には、リビングラジカル重合法を用いてビニル系重合体を合成することが好ましい。制御がより容易である点から(B−b)の方法がさらに好ましい。
反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体のハロゲンを変換することにより水酸基を導入する場合は、有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーをラジカル重合すること(原子移動ラジカル重合法)により得る、末端に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体を用いるのが好ましい。制御がより容易である点から(B−i)の方法がさらに好ましい。
また、一分子中に架橋性シリル基とイソシアネート基のような水酸基と反応し得る基を有する化合物としては、例えばγ−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、必要により一般に知られているウレタン化反応の触媒を使用できる。
(C)の方法で用いる一分子中に重合性のアルケニル基と架橋性シリル基を併せ持つ化合物としては、例えばトリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、メチルジメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレートなどのような、下記一般式(22)で示すものが挙げられる。
2C=C(R15)−R16−R24−[Si(R12-b(Y)bO]m−Si(R23-a(Y)a (22)
(式中、R1、R2、R15、R16、Y、a、b、mは上記に同じ。R24は、直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい。)
一分子中に重合性のアルケニル基と架橋性シリル基を併せ持つ化合物を反応させる時期に特に制限はないが、特にリビングラジカル重合で、ゴム的な性質を期待する場合には重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして反応させるのが好ましい。
(D)の連鎖移動剤法で用いられる、架橋性シリル基を有する連鎖移動剤としては例えば特公平3−14068、特公平4−55444に示される、架橋性シリル基を有するメルカプタン、架橋性シリル基を有するヒドロシランなどが挙げられる。
(E)の方法で用いられる、上述の反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体の合成法は、前述のような有機ハロゲン化物等を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。一分子中に架橋性シリル基と安定化カルバニオンを併せ持つ化合物としては一般式(23)で示すものが挙げられる。
+-(R19)(R20)−R47−C(H)(R26)−CH2−[Si(R12-b(Y)bO]m−Si(R23-a(Y)a (23)
(式中、R1、R2、R19、R20、Y、a、b、m、は前記に同じ。R47は直接結合、または、炭素数1〜10の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい、R26は水素、または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜10のアラルキル基を示す。)
19、R20の電子吸引基としては、−CO2R、−C(O)Rおよび−CNの構造を有するものが特に好ましい。
なお、上述の(A−f)や(B)等の記載の様な架橋性シリル基の導入法により得られる、架橋性シリル基を有するビニル系重合体を使用する硬化性組成物の場合、得られる硬化物の架橋構造の中にエステル結合やウレタン結合を含むことになるため、耐熱性がすこし低くなる傾向がある。そのため、本発明の効果を有効に発現するためには、末端官能基がヘテロ原子を介することなく炭素―炭素結合によって重合体に結合していることが好ましい。
エポキシ基の導入法
本発明において反応性官能基を末端に有するビニル系重合体は、限定はされないが、以下の工程:
(1)ビニル系モノマーをリビングラジカル重合法により重合することによってビニル系重合体を製造し;
(2)続いて反応性官能基とエチレン性不飽和基を併せ持つ化合物を反応させる;
ことにより製造される。
また、原子移動ラジカル重合において、重合終期にアリルアルコールを反応させ、その後、水酸基とハロゲン基でエポキシ環化させる方法も挙げられる。
末端に上記エチレン性不飽和基を有するビニル系重合体をm−過クロロ安息香酸、過酢酸,過酸化水素などの過酸化物で処理することにより、末端のエチレン性不飽和基をエポキシ基に変換することができる。
アミノ基の導入法
アミノ基を少なくとも1つ主鎖末端に有するビニル系重合体を製造する方法としては、以下の工程が挙げられる。
(1)ハロゲン基を少なくとも1つ主鎖末端に有するビニル系重合体を製造し
(2)末端ハロゲンを、アミノ基含有化合物を用いてアミノ基を有する置換基に変換する。
アミノ基を有する置換基としては、特に限定されないが、一般式(24)に示される基が例示される。
−O−R27−NR45 2 (24)
(式中、R27は、1個以上のエーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい炭素数1〜20の2価の有機基を表す。R45は水素または炭素数1〜20の1価の有機基であり、2個のR45は互いに同一でもよく異なっていてもよく、また、他端において相互に連結し、環状構造を形成していてもよい。)
上記一般式(24)において、R27は1個以上のエーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい炭素数1〜20の2価の有機基であり、例えば炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、炭素数7〜20のアラルキレン基などが挙げられるが、
−C64−R28
(式中、C64はフェニレン基、R28は、直接結合または1個以上のエーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい炭素数1〜14の2価の有機基を表す。)または、
−C(O)−R29
(式中、R29は、直接結合または1個以上のエーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい炭素数1〜19の2価の有機基を表す。)が好ましい。
ビニル系重合体の末端ハロゲンを変換することにより、重合体末端にアミノ基を導入することができる。置換方法としては特に限定されないが、反応を制御しやすいという点からアミノ基含有化合物を求核剤とする求核置換反応が好ましい。このような求核剤として例えば、一般式(25)に示される水酸基とアミノ基を併せ持つ化合物が挙げられる。
HO−R27−NR45 2(25)
(式中、R27は、1個以上のエーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい炭素数1〜20の2価の有機基を表す。R45は水素または炭素数1〜20の1価の有機基であり、2個のR45は互いに同一でもよく異なっていてもよく、また、他端において相互に連結し、環状構造を形成していてもよい。)
上記一般式(25)において、R27は1個以上のエーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい炭素数1〜20の2価の有機基であり、例えば炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、炭素数7〜20のアラルキレン基などが挙げられる。
これらの水酸基とアミノ基を併せ持つ化合物の中で、R27が、
−C64−R28
(式中、C64はフェニレン基、R28は、直接結合または1個以上のエーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい炭素数1〜14の2価の有機基を表す)で表されるアミノフェノール類;
−C(O)−R29
(式中、R29は、直接結合または1個以上のエーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい炭素数1〜19の2価の有機基を表す)で表されるアミノ酸類;
が好ましい。
具体的な化合物として、例えばエタノールアミン;o,m,p−アミノフェノール;o
,m,p−NH2−C64−CO2H;グリシン、アラニン、アミノブタン酸等が挙げられる。
アミノ基とオキシアニオンを併せ持つ化合物を求核剤として用いることもできる。このような化合物としては特に限定されないが、例えば、一般式(26)に示される化合物が挙げられる。
+-−R22−NR45 2(26)
(式中、R22は、1個以上のエーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい炭素数1〜20の2価の有機基を表す。R45は水素または炭素数1〜20の1価の有機基であり、2個のR16は互いに同一でもよく異なっていてもよく、また、他端において相互に連結し
、環状構造を形成していてもよい。M+はアルカリ金属イオンまたは4級アンモニウムイオンを表す。)
上記一般式(26)において、M+は、オキシアニオンの対カチオンであり、アルカリ金属イオン又は4級アンモニウムイオンを表す。上記アルカリ金属イオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等が挙げられ、好ましくは、ナトリウムイオン又はカリウムイオンである。上記4級アンモニウムイオンとしては、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、トリメチルベンジルアンモニウムイオン、トリメチルドデシルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、ジメチルピペリジニウムイオン等が挙げられる。
上記のアミノ基とオキシアニオンを併せ持つ化合物のうち、置換反応のコントロールがし易い、入手が容易であるという点から、一般式(27)に示すアミノフェノール類の塩、または一般式(28)に示すアミノ酸類の塩が好ましい。
+-−C64−R28−NR45 2 (27)
+-−C(O)−R29−NR45 2 (28)
(式中、C64はフェニレン基、R28は、直接結合または1個以上のエーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい炭素数1〜14の2価の有機基、R29は、直接結合または1個以上のエーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい炭素数1〜19の2価の有機基を表す。R45は水素または炭素数1〜20の1価の有機基であり、2個のR45は互いに同一でもよく異なっていてもよく、また、他端において相互に連結し、環状構造を形成していてもよい。M+は上記と同じ。)
一般式(26)〜(28)に示されるオキシアニオンを有する化合物は、一般式(25)に示される化合物を塩基性化合物と作用させることにより容易に得られる。
塩基性化合物としては各種のものを使用できる。例示すると、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド等が挙げられる。上記塩基の使用量は、特に制限はないが、上記前駆体に対して、0.5〜5当量、好ましくは0.8〜1.2当量である。
上記前駆体と上記塩基を反応させる際に用いられる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
+が4級アンモニウムイオンであるオキシアニオンを有する化合物は、M+がアルカリ金属イオンであるものを調製し、これに4級アンモニウムハライドを作用させることによって得られる。上記4級アンモニウムハライドとしては、テトラメチルアンモニウムハライド、テトラエチルアンモニウムハライド、トリメチルベンジルアンモニウムハライド、トリメチルドデシルアンモニウムハライド、テトラブチルアンモニウムハライド等が例示される。
重合体末端ハロゲンの置換反応に用いられる溶媒は各種のものが使用されてよい。例えば、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
反応温度は0〜150℃で行うことができる。また、アミノ基含有化合物の使用量は、特に制限されないが、重合体末端ハロゲンに対して、1〜5当量であり、好ましくは1〜1.2当量である。
求核置換反応を加速するために、反応混合物中に塩基性化合物を添加してもよい。このような塩基性化合物としては既に例示したもののほかに、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のアルキルアミン;テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン等のポリアミン;ピリジン、ピコリン等のピリジン系化合物等が挙げられる。
求核置換反応に用いられるアミノ基含有化合物のアミノ基が、求核置換反応に影響を及ぼす場合には、適当な置換基により保護することが好ましい。このような置換基としては、ベンジルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基等が例示される。
また、アジドアニオンによりビニル系重合体のハロゲン末端を置換した後、LAH等により還元する方法が挙げられる。
重合性の炭素−炭素二重結合の導入法
本発明の重合体(II)に重合性の炭素−炭素二重結合を導入する方法としては、限定はされないが、以下のような方法が挙げられる。
(i)ビニル系重合体のハロゲン基を、ラジカル重合性の炭素−炭素二重結合を有する化合物で置換することにより製造する方法。具体例としては、一般式(29)で表される構造を有するビニル系重合体と、一般式(30)で示される化合物との反応による方法。
−CR3031X (29)
(式中、R30、R31は、ビニル系モノマーのエチレン性不飽和基に結合した基。Xは、塩素、臭素、又は、ヨウ素を表す。)
+-OC(O)C(R46)=CH2 (30)
(式中、R46は水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。M+はアルカリ金属、または4級アンモニウムイオンを表す。)
(ii)水酸基を有するビニル系重合体と、一般式(31)で示される化合物との反応による方法。
XC(O)C(R46)=CH2 (31)
(式中、R46は水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。Xは塩素、臭素、または水酸基を表す。)
(iii)水酸基を有するビニル系重合体に、ジイソシアネート化合物を反応させ、残存イソシアネート基と一般式(32)で示される化合物との反応による方法。
HO−R32−OC(O)C(R46)=CH2 (32)
(式中、R46は水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。R32は炭素数2〜20の2価の有機基を表す。)
以下にこれらの各方法について詳細に説明する。
上記(i)の方法について説明する。
(i)一般式(29)で表される末端構造を有するビニル系重合体と、一般式(30)で示される化合物との反応による方法。
−CR3031X (29)
(式中、R30、R31は、ビニル系モノマーのエチレン性不飽和基に結合した基。Xは、塩素、臭素、又は、ヨウ素を表す。
+-OC(O)C(R46)=CH2 (30)
(式中、R46は水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。M+はアルカリ金属、または4級アンモニウムイオンを表す。)一般式(29)で表される末端構造を有するビニル系重合体は、上述した有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーを重合する方法、あるいは、ハロゲン化合物を連鎖移動剤としてビニル系モノマーを重合する方法により製造されるが、好ましくは前者である。
一般式(30)で表される化合物としては特に限定されないが、R46の具体例としては、例えば、−H、−CH3、−CH2CH3、−(CH2nCH3(nは2〜19の整数を表す)、−C65、−CH2OH、−CN、等が挙げられ、好ましくは−H、−CH3である。
+はオキシアニオンの対カチオンであり、M+の種類としてはアルカリ金属イオン、具体的にはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、および4級アンモニウムイオンが挙げられる。4級アンモニウムイオンとしてはテトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラベンジルアンモニウムイオン、トリメチルドデシルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンおよびジメチルピペリジニウムイオン等が挙げられ、好ましくはナトリウムイオン、カリウムイオンである。一般式(30)のオキシアニオンの使用量は、一般式(29)のハロゲン基に対して、好ましくは1〜5当量、更に好ましくは1.0〜1.2当量である。この反応を実施する溶媒としては特に限定はされないが、求核置換反応であるため極性溶媒が好ましく、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、アセトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、アセトニトリル、等が用いられる。反応を行う温度は限定されないが、一般に0〜150℃で、重合性の末端基を保持するために好ましくは室温〜100℃で行う。
上記(ii)の方法について説明する。
(ii)水酸基を有するビニル系重合体と、一般式(31)で示される化合物との反応による方法。
XC(O)C(R46)=CH2 (31)
(式中、R46は水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。Xは塩素、臭素、または水酸基を表す。)
一般式(31)で表される化合物としては特に限定されないが、R46の具体例としては、例えば、−H、−CH3、−CH2CH3、−(CH2nCH3(nは2〜19の整数を表す)、−C65、−CH2OH、−CN、等が挙げられ、好ましくは−H、−CH3である。
水酸基を、好ましくは末端に、有するビニル系重合体は、上述した有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーを重合する方法、あるいは、水酸基を持つ化合物を連鎖移動剤としてビニル系モノマーを重合する方法により製造されるが、好ましくは前者である。これらの方法により水酸基を有するビニル系重合体を製造する方法は限定されないが、以下のような方法が例示される。
(a)リビングラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、下記一般式(33)等で表される一分子中に重合性のアルケニル基および水酸基を併せ持つ化合物を第2のモノマーとして反応させる方法。
2C=C(R33)−R34−R35−OH (33)
(式中、R33は水素または炭素数1〜20の有機基で、水素またはメチル基が好ましく、R34は−C(O)O−(エステル基)、またはo−,m−もしくはp−フェニレン基を表す。R35は直接結合、または1個以上のエーテル結合を有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基を表す。R34がエステル基のものは(メタ)アクリレート系化合物、R34がフェニレン基のものはスチレン系の化合物である。)
なお、一分子中に重合性のアルケニル基および水酸基を併せ持つ化合物を反応させる時期に制限はないが、特にゴム的な性質を期待する場合には重合反応の終期あるいは所定のモノマー反応終了後に、第2のモノマーとして反応させるのが好ましい。
(b)リビングラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして、一分子中に重合性の低いアルケニル基および水酸基を有する化合物を反応させる方法。
このような化合物としては特に限定されないが、一般式(34)に示される化合物等が挙げられる。
2C=C(R33)−R36−OH (34)
(式中、R33は上述したものと同様である。R36は1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜20の2価の有機基を表す。)
上記一般式(34)に示される化合物としては特に限定されないが、入手が容易であるということから、10−ウンデセノール、5−ヘキセノール、アリルアルコールのようなアルケニルアルコールが好ましい。
(c)特開平4−132706号公報などに開示されるような方法で、原子移動ラジカル重合により得られる一般式(29)で表されるような炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個に有するビニル系重合体のハロゲンを、加水分解あるいは水酸基含有化合物と反応させることにより、末端に水酸基を導入する方法。
(d)原子移動ラジカル重合により得られる一般式(29)で表されるような炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、一般式(35)に挙げられるような水酸基を有する安定化カルバニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。
+-(R37)(R38)−R36−OH (35)
(式中、R36は上述したものと同様である。R37およびR38はともにカルバニオンC−を安定化する電子吸引基、または一方が上記電子吸引基で他方が水素または炭素数1〜10のアルキル基もしくはフェニル基を表す。R37およびR38の電子吸引基としては、−CO2R(エステル基)、−C(O)R(ケト基)、−CONR2(アミド基)、−COSR(チオエステル基)、−CN(ニトリル基)、−NO2(ニトロ基)等が挙げられる。置換基Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基であり、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基もしくはフェニル基である。R37およびR38としては、−CO2R、−C(O)Rおよび−CNが特に好ましい。)
(e)原子移動ラジカル重合により得られる一般式(29)で表される炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば亜鉛のような金属単体あるいは有機金属化合物を作用させてエノレートアニオンを調製し、しかる後にアルデヒド類、又はケトン類を反応させる方法。
(f)重合体末端のハロゲン、好ましくは一般式(29)で表されるハロゲンを少なくとも1個有するビニル系重合体に、下記一般式(36)等で表される水酸基含有オキシアニオン又は下記一般式(37)等で表される水酸基含有カルボキシレートアニオンを反応させて、上記ハロゲンを水酸基含有置換基に置換する方法。
HO−R36−O-+ (36)
(式中、R36およびM+は上述したものと同様である。)
HO−R36−C(O)O-+ (37)
(式中、R36およびM+は上述したものと同様である。)
本発明では(a)〜(b)のような水酸基を導入する方法にハロゲンが直接関与しない場合、制御がより容易である点から(b)の方法がさらに好ましい。
また(c)〜(f)のような炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体のハロゲンを変換することにより水酸基を導入する場合は、制御がより容易である点から(f)の方法がさらに好ましい。
上記(iii)の方法について説明する。
(iii)水酸基を有するビニル系重合体に、ジイソシアネート化合物を反応させ、残存イソシアネート基と一般式(38)で示される化合物との反応による方法。
HO−R32−OC(O)C(R46)=CH2 (38)
(式中、R46は水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。R32は炭素数2〜20の2価の有機基を表す。)
一般式(38)で表される化合物としては特に限定されないが、R46の具体例としては、例えば、−H、−CH3、−CH2CH3、−(CH2nCH3(nは2〜19の整数を表す)、−C65、−CH2OH、−CN、等が挙げられ、好ましくは−H、−CH3である。具体的な化合物としては、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピルが挙げられる。
末端に水酸基を有するビニル系重合体は、上記の通り。
ジイソシアネート化合物は、特に限定されないが、従来公知のものをいずれも使用することができ、例えば、トルイレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチルジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化トルイレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のイソシアネート化合物;等を挙げることができる。これらは、単独で使用しうるほか、2種以上を併用することもできる。またブロックイソシアネートを使用しても構わない。
よりすぐれた耐候性を生かすためには、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香環を有しないジイソシアネート化合物を用いるのが好ましい。
<複数のビニル系重合体の使用>
上記したビニル系重合体は一種のみ使用することもでき、2種以上のビニル系重合体を組み合わせて使用することもできる。一種のみ使用する場合は、分子量5,000〜50,000で架橋性シリル基の数が1.2〜3.5個のビニル重合体を使用することが好ましい。2種以上のビニル系重合体を組み合わせる場合は第一の重合体は分子量5,000〜50,000で架橋性シリル基の数が1.2〜3.5個のビニル重合体であって、第2の重合体は架橋性シリル基の数が少ない重合体とすると、高い破断時伸び性、低ブリード性、表面低汚染性、優れた塗料密着性を有する硬化物を得ることができる。また、第2の重合体の分子量をより小さく設定することにより、組成物の粘度を低下させることができる。低分子量成分となる重合体の好ましい分子量は10,000未満、さらには5,000未満であり、好ましい架橋性シリル基の数は1.2未満、さらには1以下である。また、さらに粘度を低下させることができるので分子量分布は1.8未満が好ましい。架橋性官能基を有し分子量分布が1.8以上のビニル系重合体と片末端に架橋性シリル基を有するビニル系重合体を添加すると低粘度化効果が顕著である。
このような低分子量で架橋性シリル基の数が少ない重合体として次のような製法で得られる片末端に架橋性シリル基を有するビニル系重合体を使用することが確実に架橋性シリル基を導入できるので好ましい。
片末端に架橋性シリル基を有するビニル系重合体は、重合体末端に架橋性シリル基を1分子あたりほぼ1個有するものである。前記のリビングラジカル重合法、特に、原子移動ラジカル重合法を用いることが、高い割合で分子鎖末端に架橋性シリル基を有し、分子量分布が1.8未満で分子量分布が狭く、粘度の低いビニル系重合体が得られるので好ましい。
片末端に架橋性シリル基を導入する方法については、例えば、下記に示す方法を使用することができる。なお、末端官能基変換により架橋性シリル基、アルケニル基、水酸基を導入する方法において、これらの官能基はお互いに前駆体となりうるので、架橋性シリル基を導入する方法から溯る順序で記述する。
(1)アルケニル基を分子鎖末端に1分子当たり1個有する重合体に、架橋性シリル基を有するヒドロシラン化合物を、ヒドロシリル化触媒存在下に付加させる方法、
(2)水酸基を分子鎖末端に1分子当たり1個有する重合体に、一分子中に架橋性シリル基とイソシアネート基のような水酸基と反応し得る基を併せ持つ化合物を反応させる方法、
(3)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を分子鎖末端に1分子当たり1個有する重合体に、一分子中に架橋性シリル基と安定なカルバニオンを有する化合物を反応させる方法、
などがあげられる。
(1)の方法で用いるアルケニル基を分子鎖末端に1分子当たり1個有する重合体は種々の方法で得られる。以下に製造方法を例示するが、これらに限定されるわけではない。
(1−1)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を分子鎖末端に1分子当たり1個有する重合体に、例えばアリルトリブチル錫、アリルトリオクチル錫などの有機錫のようなアルケニル基を有する各種の有機金属化合物を反応させてハロゲンを置換する方法。
(1−2)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を分子鎖末端に1分子当たり1個有する重合体に、一般式(39)にあげられるようなアルケニル基を有する安定化カルバニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。
+-(R19)(R20)−R21−C(R18)=CH2 (39)
(式中、R19、R20はともにカルバニオンC-を安定化する電子吸引基であるか、または一方が前記電子吸引基で他方が水素または炭素数1〜10のアルキル基、またはフェニル基を示す。R21は直接結合、または炭素数1〜10の2価の有機基を示し、1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい。R18は水素、または炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基を示す。M+はアルカリ金属イオン、または4級アンモニウムイオンを示す)
19、R20の電子吸引基としては、−CO2R、−C(O)Rおよび−CNの構造を有するものが特に好ましい。
(1−3)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を分子鎖末端に1分子当たり1個有する重合体に、例えば亜鉛のような金属単体あるいは有機金属化合物を作用させてエノレートアニオンを調製し、しかる後にハロゲンやアセチル基のような脱離基を有するアルケニル基含有化合物、アルケニル基を有するカルボニル化合物、アルケニル基を有するイソシアネート化合物、アルケニル基を有する酸ハロゲン化物等の、アルケニル基を有する求電子化合物と反応させる方法。
(1−4)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を分子鎖末端に1分子当たり1個有する重合体に、例えば一般式(40)あるいは(23)に示されるようなアルケニル基を有するオキシアニオンあるいはカルボキシレートアニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。
2C=C(R18)−R22−O-+ (40)
(式中、R18、M+は前記に同じ。R22は1個以上のエーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい炭素数1〜20の2価の有機基を表す)
2C=C(R18)−R23−C(O)O-+ (23)
(式中、R18、M+は前記に同じ。R23は直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい)
などがあげられる。
上述の反応性の高い炭素−ハロゲン結合を分子鎖末端に1分子当たり1個有する重合体の合成法は、前述のような有機ハロゲン化物等を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。
またアルケニル基を分子鎖末端に1分子当たり1個有する重合体は、水酸基を分子鎖末端に少なくとも1個有する重合体から得ることも可能であり、以下に例示する方法が利用できるがこれらに限定されるわけではない。
水酸基を分子鎖末端に少なくとも1個有する重合体の水酸基に、
(1−5)ナトリウムメトキシドのような塩基を作用させ、塩化アリルのようなアルケニル基含有ハロゲン化物と反応させる方法、
(1−6)アリルイソシアネート等のアルケニル基含有イソシアネート化合物を反応させる方法、
(1−7)(メタ)アクリル酸クロリドのようなアルケニル基含有酸ハロゲン化物をピリジン等の塩基存在下に反応させる方法、
(1−8)アクリル酸等のアルケニル基含有カルボン酸を酸触媒の存在下に反応させる方法、
などがあげられる。
反応性の高い炭素−ハロゲン結合を分子鎖末端に1分子当たり1個有する重合体のハロゲンを変換することによりアルケニル基を導入する場合は、反応性の高い炭素−ハロゲン結合を1分子当たり1個有する有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系単量体をラジカル重合(原子移動ラジカル重合)することにより得られる末端に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を分子鎖末端に1分子当たり1個有する重合体を用いることが好ましい。
また、架橋性シリル基を有するヒドロシラン化合物としては特に制限はないが、代表的なものを示すと、一般式(41)で示される化合物が例示される。
H−[Si(R1 2-b)(Yb)O]m−Si(R2 3-a)Ya (41)
(式中、R1、R2、Y、a,b,mは前記に同じ。R1またはR2が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。ただし、a+mb≧1であることを満足するものとする。)
これらヒドロシラン化合物の中でも、特に一般式(42)
H−Si(R2 3-a)Ya (42)
(式中、R2、Yは前記に同じ。aは1〜3の整数。)
で示される架橋性シリル基を有する化合物が入手容易な点から好ましい。
上記の架橋性シリル基を有するヒドロシラン化合物をアルケニル基に付加させる際には、遷移金属触媒が通常用いられる。遷移金属触媒としては、例えば、白金単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に白金固体を分散させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体、白金(0)−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体が挙げられる。白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh33,RhCl3,RuCl3,IrCl3,FeCl3,AlCl3,PdCl2・H2O,NiCl2,TiCl4等があげられる。
片末端に架橋性シリル基を有するビニル系重合体、好ましくは分子量分布が1.8未満の重合体、の使用量としては、ビニル系重合体100重量部に対し、モジュラス、伸びの点から5〜400重量部であることが好ましい。
2種以上のビニル系重合体を組み合わせて使用する第2の態様として、分子量分布が1.8以上のビニル重合体と分子量分布が1.8未満のビニル重合体を組み合わせて使用することもできる。分子量分布が1.8以上のビニル重合体は架橋性ケイ素基を有していてもいなくてもよいが架橋性ケイ素基を有するほうが耐候性や接着強度、破断時強度がより向上するので好ましい。また、組成物の硬化物の引裂き強度の改善が期待できる。第1の重合体として使用する、分子量分布が1.8以上のビニル系重合体や第2の重合体として使用する、分子量分布が1.8未満のビニル系重合体の主鎖としては、すでに述べたビニル系モノマーに起因する重合体を使用することができ、両重合体ともアクリル酸エステル系重合体が好ましい。
分子量分布が1.8以上のビニル系重合体は、通常のビニル重合の方法、例えば、ラジカル反応による溶液重合法により得ることができる。重合は、通常、前記の単量体およびラジカル開始剤や連鎖移動剤等を加えて50〜150℃で反応させることにより行われる。この場合一般的に分子量分布は1.8以上のものが得られる。
前記ラジカル開始剤の例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック)アシッド、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、アゾビスイソ酪酸アミジン塩酸塩、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ系開始剤、過酸化ベンゾイル、過酸化ジ−tert−ブチルなどの有機過酸化物系開始剤があげられるが、重合に使用する溶媒の影響を受けない、爆発等の危険性が低いなどの点から、アゾ系開始剤の使用が好ましい。
連鎖移動剤の例としては、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプタン類や含ハロゲン化合物等があげられる。
重合は溶剤中で行なってもよい。溶剤の例としては、エーテル類、炭化水素類、エステル類などの非反応性の溶剤が好ましい。
架橋性シリル基を導入する方法としては、例えば、重合性不飽和結合と架橋性シリル基とを併せ持つ化合物を(メタ)アクリル酸エステル単量体単位と共重合させる方法があげられる。重合性不飽和結合と架橋性シリル基とを併せ持つ化合物としては、一般式(43):
CH2=C(R39)COOR40−[Si(R1 2-b)(Yb)O]mSi(R2 3-a)Ya (43)
(式中、R39は水素または、炭素数1〜20の有機基を表す。R40は炭素数1〜6の2価のアルキレン基を示す。R1,R2,Y,a,b,mは前記と同じ。)
または一般式(44):
CH2=C(R39)−[Si(R1 2-b)(Yb)O]mSi(R2 3-a)Ya (44)
(式中、R39,R1,R2,Y,a,b,mは前記と同じ。)
で表される単量体、例えば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のγ−メタクリロキシプロピルポリアルコキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のγ−アクリロキシプロピルポリアルコキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルアルキルポリアルコキシシランなどがあげられる。また、メルカプト基と架橋性シリル基とを併せ持つ化合物を連鎖移動剤に用いると重合体末端に架橋性シリル基を導入することができる。そのような連鎖移動剤としては、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプタン類があげられる。
−硬化触媒−
本発明の硬化性組成物には(III)成分として、硬化触媒を用いる。(III)成分は、ビニル系重合体(II)やポリエーテル系重合体(V)などの架橋性シリル基を有する重合体に含有される架橋性シリル基を加水分解反応と縮合反応とを経てシロキサン結合の形成に導く、いわゆるシラノール縮合触媒として作用するものである。この硬化触媒(III)としては、従来公知のものを広く使用することができる。
硬化触媒(III)の具体例としては、錫系化合物が挙げられる。錫系化合物としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジエチルヘキサノレート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジメチルマレート、ジブチル錫ジエチルマレート、ジブチル錫ジブチルマレート、ジブチル錫ジイソオクチルマレート、ジブチル錫ジトリデシルマレート、ジブチル錫ジベンジルマレート、ジブチル錫マレエート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジエチルマレート、ジオクチル錫ジイソオクチルマレート等のジアルキル錫カルボン酸塩類;ジブチル錫ビスアセチルアセトナート、ジオクチル錫ビスアセチルアセトナート、ジブチル錫ビスエチルアセトナート、ジオクチル錫ビスエチルアセトナート等のキレート化合物類;ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの混合物等のジアルキル錫オキサイド類;ジブチル錫ジメチラート、ジブチル錫ジエチラート、ジオクチル錫ジメチラート、ジオクチル錫ジエチラート等の錫アルコラート類;ジアルキル錫オキサイド、ジアルキル錫ジアセテート等の4価錫化合物と、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等の加水分解性ケイ素基を有する低分子ケイ素化合物との反応物;モノブチル錫トリスオクトエート、モノブチル錫トリイソプロポキシド等のモノブチル錫化合物やモノオクチル錫化合物等のモノアルキル錫類;
オクチル酸錫、2−エチルヘキサン酸錫、ネオデカン酸錫、バーサチック酸錫、2,2−ジメチルオクタン酸錫、2−エチル−2,5−ジメチルヘキサン酸錫、ナフテン酸錫、ステアリン酸錫等の2価の錫化合物類;
上に例示した2価の錫系化合物とアミン系化合物との反応物および/または混合物;この場合に用いられるアミン系化合物としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族第一級アミン類;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、ジデシルアミン、ジラウリルアミン、ジセチルアミン、ジステアリルアミン、メチルステアリルアミン、エチルステアリルアミン、ブチルステアリルアミン等の脂肪族第二級アミン類;トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン等の脂肪族第三級アミン類;トリアリルアミン、オレイルアミン、などの脂肪族不飽和アミン類;ラウリルアニリン、ステアリルアニリン、トリフェニルアミン等の芳香族アミン類;および、その他のアミン類として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、3−ヒドロキシプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ベンジルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−ラウリルオキシプロピルアミン、3−ジメチルアミノプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5(DBN)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
この中でも、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート等のキレート化合物や錫アルコラート類は、シラノール縮合触媒としての活性が高いのでより好ましい。また、ジブチル錫ビスアセチルアセトナートは、触媒活性が高く、低コストであり、入手が容易であるために特に好ましい。
これらの錫系化合物の配合量は、ビニル系重合体(II)とポリエーテル系重合体(V)との総量100重量部に対して0.01〜20重量部であることが好ましく、0.02〜10重量部であることが更に好ましい。錫系化合物の配合量が0.01重量部未満であると、実用的な硬化速度が得られない場合があり、また硬化反応が充分に進行し難くなる場合がある。一方、錫系硬化触媒の配合量が20重量部を超えると、硬化時に局部的な発熱や発泡が生じて良好な硬化物が得られ難くなったり、可使時間が短くなって、作業性が悪くなる場合がある。また、耐クリープ性が悪くなり、吸水率が高くなる傾向がある。
また、錫系化合物は、単独で使用する以外に、2種以上を組み合わせて使用することができる。
上述したアミン系化合物は、前記の2価の錫系化合物のみの使用で所望の硬化性が得られない場合に、助触媒成分として使用するものである。
これらの中でも、助触媒能の高さから、オクチルアミン、ラウリルアミン等の第1級アミンが好ましく、また、少なくとも1つのヘテロ原子を有する炭化水素基、を有するアミン化合物が好ましい。ここで言うヘテロ原子としてはN、O、S等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。このようなアミン化合物としては、上記のその他のアミン類に例示されたものなどが挙げられる。その中でも、2位ないし4位の炭素原子上にヘテロ原子を有する炭化水素基、を有するアミン化合物がより好ましい。このようなアミン化合物としては、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、3−ヒドロキシプロピルアミン、ジエチレントリアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−ラウリルオキシプロピルアミン、N−メチル−1,3−プロパンジアミン、3−ジメチルアミノプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、3−(1−ピペラジニル)プロピルアミン、3−モルホリノプロピルアミン等が挙げられる。、中でも3−ジエチルアミノプロピルアミン、3−モルホリノプロピルアミンが助触媒能の高さから、より好ましい。3−ジエチルアミノプロピルアミンは接着性、作業性、貯蔵安定性も良好な硬化性組成物を与えることから、特に好ましい。
前記アミン化合物の配合量は、ビニル系重合体(I)とポリエーテル系重合体(II)との総量100重量部に対して0.01〜20重量部程度が好ましく、更に0.1〜5重量部がより好ましい。アミン化合物の配合量が0.01重量部未満であると硬化速度が遅くなる場合があり、また硬化反応が充分に進行し難くなる場合がある。一方、アミン化合物の配合量が20重量部を越えると、ポットライフが短くなり過ぎて、作業性が悪くなる傾向がある。また、逆に硬化速度が遅くなる場合がある。
これらのアミン系化合物は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
硬化触媒(III)の別の例としては、カルボン酸系化合物が挙げられる。
カルボン酸系化合物としては、カルボニル炭素を含めた炭素数が2〜40の炭化水素系のカルボン酸基含有化合物が好適に使用され、入手性の点から炭素数2〜20の炭化水素系のカルボン酸が特に好適に使用される。
具体的に例示すると、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸などの直鎖飽和脂肪酸類;ウンデシレン酸、リンデル酸、ツズ酸、フィゼテリン酸、ミリストレイン酸、2−ヘキサデセン酸、6−ヘキサデセン酸、7−ヘキサデセン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、アスクレピン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、ゴンドイン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、セラコレイン酸、キシメン酸、ルメクエン酸、アクリル酸、メタクリル酸、アンゲリカ酸、クロトン酸、イソクロトン酸、10−ウンデセン酸などのモノエン不飽和脂肪酸類;リノエライジン酸、リノール酸、10,12−オクタデカジエン酸、ヒラゴ酸、α−エレオステアリン酸、β−エレオステアリン酸、プニカ酸、リノレン酸、8,11,14−エイコサトリエン酸、7,10,13−ドコサトリエン酸、4,8,11,14−ヘキサデカテトラエン酸、モロクチ酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、8,12,16,19−ドコサテトラエン酸、4,8,12,15,18−エイコサペンタエン酸、イワシ酸、ニシン酸、ドコサヘキサエン酸などのポリエン不飽和脂肪酸類;1−メチル酪酸、イソ酪酸、2−エチル酪酸、イソ吉草酸、ツベルクロステアリン酸、ピバル酸、ネオデカン酸などの枝分れ脂肪酸類;プロピオール酸、タリリン酸、ステアロール酸、クレペニン酸、キシメニン酸、7−ヘキサデシン酸などの三重結合をもつ脂肪酸類;ナフテン酸、マルバリン酸、ステルクリン酸、ヒドノカルビン酸、ショールムーグリン酸、ゴルリン酸などの脂環式カルボン酸類;アセト酢酸、エトキシ酢酸、グリオキシル酸、グリコール酸、グルコン酸、サビニン酸、2−ヒドロキシテトラデカン酸、イプロール酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、ヤラピノール酸、ユニペリン酸、アンブレットール酸、アリューリット酸、2−ヒドロキシオクタデカン酸、12−ヒドロキシオクタデカン酸、18−ヒドロキシオクタデカン酸、9,10−ジヒドロキシオクタデカン酸、リシノール酸、カムロレン酸、リカン酸、フェロン酸、セレブロン酸などの含酸素脂肪酸類;クロロ酢酸、2−クロロアクリル酸、クロロ安息香酸などのモノカルボン酸のハロゲン置換体等が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、ピメリン酸、スペリン酸、セバシン酸、エチルマロン酸、グルタル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、オキシ二酢酸などの飽和ジカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、アセチレンジカルボン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸、等が挙げられる。脂肪族ポリカルボン酸としては、アコニット酸、クエン酸、イソクエン酸などのトリカルボン酸等が挙げられる。芳香族カルボン酸としては、安息香酸、9−アントラセンカルボン酸、アトロラクチン酸、アニス酸、イソプロピル安息香酸、サリチル酸、トルイル酸などの芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、カルボキシフェニル酢酸、ピロメリット酸などの芳香族ポリカルボン酸、等が挙げられる。その他、アラニン、ロイシン、トレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、システイン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジンなどのアミノ酸、ピバル酸、2,2−ジメチル酪酸、2−エチル−2−メチル酪酸、2,2−ジエチル酪酸、2,2−ジメチル吉草酸、2−エチル−2−メチル吉草酸、2,2−ジエチル吉草酸、2,2−ジメチルヘキサン酸、2,2−ジエチルヘキサン酸、2,2−ジメチルオクタン酸、2−エチル−2,5−ジメチルヘキサン酸、ネオデカン酸、バーサチック酸、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオン酸などの鎖状モノカルボン酸、ジメチルマロン酸、エチルメチルマロン酸、ジエチルマロン酸、2,2−ジメチルこはく酸、2,2−ジエチルこはく酸、2,2−ジメチルグルタル酸などの鎖状ジカルボン酸、3−メチルイソクエン酸、4,4−ジメチルアコニット酸などの鎖状トリカルボン酸、1−メチルシクロペンタンカルボン酸、1,2,2−トリメチル−1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1−メチルシクロヘキサンカルボン酸、2−メチルビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2−カルボン酸、2−メチル−7−オキサビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2−カルボン酸、1−アダマンタンカルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸などのカルボニル基に隣接する炭素原子が4級炭素であるカルボン酸などが挙げられる。
前記カルボン酸の融点が高い(結晶性が高い)場合には、取り扱い難い(作業性の悪い)ものとなる場合がある。従って、前記カルボン酸の融点は、65℃以下であることが好ましく、−50〜50℃であることがより好ましく、−40〜35℃であることが特に好ましい。
また、前記カルボン酸の炭素数が大きい(分子量が大きい)場合には、固状または粘度の高い液状となり、取り扱い難い(作業性の悪い)ものとなる場合がある。逆に、前記カルボン酸の炭素数が小さい(分子量が小さい)場合には、加熱によって揮発しやすくなることから、カルボン酸の触媒能が低下したり、臭気が強くなったりする場合がある。特に、組成物を薄く引き延ばした(薄層)条件では加熱による揮発が大きく、カルボン酸の触媒能が大きく低下する場合がある。従って、前記カルボン酸は、カルボニル基の炭素を含めた炭素数が、2〜20であることが好ましく、6〜17であることがより好ましく、8〜12であることが特に好ましい。
前記カルボン酸系化合物は、硬化触媒として単独にて使用できるが、前記錫系化合物と併用することもできる。併用することにより、本発明の硬化性組成物の硬化活性を向上させたり、硬化性組成物の貯蔵後の硬化性低下を抑制することができる。
特に入手が容易で安価であること、作業性や粘度の点で取り扱いやすいこと、硬化性が高いこと、硬化性組成物の接着性が良好であること、ビニル系重合体(II)やポリエーテル系重合体(V)などの架橋性シリル基を有する有機重合体成分との相溶性が良好であることから、前記カルボン酸としては、2−エチルヘキサン酸、オクチル酸、ネオデカン酸、バーサチック酸、オレイン酸、2,2−ジメチルオクタン酸、2−エチル−2,5−ジメチルヘキサン酸またはナフテン酸などが好ましい。
カルボン酸系化合物の使用量としては、ビニル系重合体(II)とポリエーテル系重合体(V)との総量100重量部に対し、0.01〜20重量部程度が好ましく、更には0.5〜10重量部程度が好ましい。添加量がこの範囲を下回ると硬化速度が遅くなることがあり、また硬化反応が充分に進行し難くなる傾向がある。配合量がこの範囲を上回ると可使時間が短くなり過ぎて作業性が悪くなる傾向があり、また、耐クリープ性が悪くなり、吸水率が高くなる傾向がある。
またカルボン酸系化合物は、単独で使用する以外に、2種以上を組み合わせて使用することができる。
カルボン酸系化合物のみの使用で所望の硬化性が得られない場合は、錫系化合物のところで述べたようにアミン系化合物を助触媒としてカルボン酸系化合物と併用することで、硬化性組成物の硬化性を高めることができる。この時に好適に使用されるアミン系化合物およびその使用量は、錫系化合物のところで述べた通りである。
また、これらのアミン系化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化触媒(III)の別の例としては、チタン系化合物が挙げられる。
このチタン触媒は、前期錫系化合物と同様に、ビニル系重合体(II)やポリエーテル系重合体(V)などの架橋性シリル基を有する有機重合体成分の硬化触媒として機能する。具体的には、チタニウムテトラメトキシド、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムアリルオキシド、チタニウムテトラn−プロポキシド、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトラn−ブトキシド、チタニウムテトライソブトキシド、チタニウムテトラsec−ブトキシド、チタニウムテトラt−ブトキシド、チタニウムテトラn−ペンチルオキシド、チタニウムテトラシクロペンチルオキシド、チタニウムテトラヘキシルオキシド、チタニウムテトラシクロヘキシルオキシド、チタニウムテトラベンジルオキシド、チタニウムテトラオクチルオキシド、チタニウムテトラキス(2−エチルヘキシルオキシド)、チタニウムテトラデシルオキシド、チタニウムテトラドデシルオキシド、チタニウムテトラステアリルオキシド、チタニウムテトラブトキシドダイマー、チタニウムテトラキス(8−ヒドロキシオクチルオキシド)、チタニウムジイソプロポキシドビス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)、チタニウムビス(2−エチルヘキシルオキシ)ビス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)、チタニウムテトラキス(2−クロロエトキシド)、チタニウムテトラキス(2−ブロモエトキシド)、チタニウムテトラキス(2−メトキシエトキシド)、チタニウムテトラキス(2−エトキシエトキシド)、チタニウムブトキシドトリメトキシド、チタニウムジブトキシドジメトキシド、チタニウムブトキシドトリエトキシド、チタニウムジブトキシドジエトキシド、チタニウムブトキシドトリイソプロポキシド、チタニウムジブトキシドジイソプロポキシド、チタニウムテトラフェノキシド、チタニウムテトラキス(o−クロロフェノキシド)、チタニウムテトラキス(m−ニトロフェノキシド)、チタニウムテトラキス(p−メチルフェノキシド)、などのチタニウムアルコキシド類;
チタニウムアクリレートトリイソプロポキシド、チタニウムメタクリレートトリイソプロポキシド、チタニウムジメタクリレートジイソプロポキシド、チタニウムイソプロポキシドトリメタクリレート、チタニウムヘキサノエートトリイソプロポキシド、チタニウムステアレートトリイソプロポキシド、などのチタニウムアシレート類;
チタニウムクロライドトリイソプロポキシド、チタニウムジクロライドジイソプロポキシド、チタニウムイソプロポキシドトリクロライド、チタニウムブロマイドトリイソプロポキシド、チタニウムフルオライドトリイソプロポキシド、チタニウムクロライドトリエトキシド、チタニウムクロライドトリブトキシド、などのハロゲン化チタニウムアルコキシド類;
チタニウムジメトキシドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムジメトキドビス(アセチルアセトネート)、チタニウムジエトキシドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムジエトキドビス(アセチルアセトネート)、チタニウムジイソプロポキシドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムジイソプロポキシドビス(メチルアセトアセテート)、チタニウムジイソプロポキシドビス(t−ブチルアセトアセテート)、チタニウムジイソプロポキシドビス(メチル−3−オキソ−4,4−ジメチルヘキサノエート)、チタニウムジイソプロポキシドビス(エチル−3−オキソ−4,4,4−トリフルオロペンタノエート)、チタニウムジイソプロポキシドビス(アセチルアセトネート)、チタニウムジイソプロポキシドビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)、チタニウムジ−n−ブトキシドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムジ−n−ブトキシドビス(アセチルアセトネート)、チタニウムジイソブトキシドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムジイソブトキシドビス(アセチルアセトネート)、チタニウムジ−t−ブトキシドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムジ−t−ブトキシドビス(アセチルアセトネート)、チタニウムジ−2−エチルヘキソキシドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムジ−2−エチルヘキソキシドビス(アセチルアセトネート)、1,2−ジオキシエタンチタニウムビス(エチルアセトアセテート)、1,3−ジオキシプロパンチタニウムビス(エチルアセトアセテート)、2,4−ジオキシペンタンチタニウムビス(エチルアセトアセテート)、2,4−ジメチル−2,4−ジオキシペンタンチタニウムビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムジイソプロポキシドビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムテトラキス(エチルアセトアセテート)、チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、などのチタニウムキレート類;
が挙げられる。
これらの中でも、チタニウムジエトキシドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムジエトキドビス(アセチルアセトネート)、チタニウムジイソプロポキシドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムジイソプロポキシドビス(アセチルアセトネート)、チタニウムジブトキシドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムジブトキシドビス(アセチルアセトネート)が、入手性および硬化触媒としての活性の点から好ましく、チタニウムジエトキシドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムジイソプロポキシドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムジブトキシドビス(エチルアセトアセテート)がより好ましく、チタニウムジイソプロポキシドビス(エチルアセトアセテート)が最も好ましい。
また、上記以外のチタン触媒を具体的に記載すると、チタニウムトリス(ジオクチルフォスフェート)イソプロポキシド、チタニウムトリス(ドデシルベンゼンスルフォネート)イソプロポキシド、ジヒドロキシチタニウムビスラクテート、などが挙げられる。
また、前記チタニウムキレートのキレート配位子を形成し得るキレート配位子の具体例としては、アセチルアセトンなどのβ−ジケトン、アセト酢酸エチルなどのβ−ケトエステル、マロン酸エチルなどのβ−ジエステルが硬化性の点から好ましく、β−ジケトンおよびβ−ケトエステルが硬化性および貯蔵安定性の点からより好ましく、β−ケトエステルが特に好ましい。
前記チタニウムキレートを本発明の硬化触媒として添加する場合、以下に述べる(ニ)または(ホ)の方法を用いることができる。(ニ)予めキレート化したチタン触媒を添加する方法。(ホ)チタニウムテトライソプロポキシドやチタニウムジクロライドジイソプロポキシドなどのキレート配位子と反応し得るチタン化合物と、アセト酢酸エチルなどのキレート配位子を、本発明の組成物に添加し、組成物中にてキレート化させたチタニウムキレートを用いる方法。
硬化触媒としてのチタン系化合物の使用量としては、ビニル系重合体(II)とポリエーテル系重合体(V)との総量100重量部に対し、0.01〜20重量部程度が好ましく、0.05〜15重量部程度がより好ましく、0.1〜10重量部程度が特に好ましい。チタン系化合物の配合量がこの範囲を下回ると実用的な硬化速度が得られない場合があり、また硬化反応が充分に進行し難くなる場合がある。一方、チタン系化合物の配合量がこの範囲を上回ると可使時間が短くなり過ぎて作業性が悪くなる傾向がある。
チタン系化合物は、単独で使用する以外に、2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明では、本発明の効果を低下させない程度に他の硬化触媒を併用することもできる。
具体例としては、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテートなどの有機アルミニウム化合物類;
ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)などのジルコニウム化合物類;
が挙げられる。
これらの硬化触媒を併用させることにより、触媒活性が高くなり、薄層硬化性、接着性等が改善される。
これらの硬化触媒の使用量は、ビニル系重合体(II)とポリエーテル系重合体(V)との総量100重量部に対し、0.01〜20重量部程度が好ましく、0.05〜15重量部程度がより好ましく、0.1〜10重量部程度が特に好ましい。配合量がこの範囲を下回ると実用的な硬化速度が得られない場合があり、また硬化反応が充分に進行し難くなる場合がある。一方、配合量がこの範囲を上回ると可使時間が短くなり過ぎて作業性が悪くなる場合がある。これらの硬化触媒は、単独で使用する以外に、2種以上を組み合わせて使用することができる。
−2位および2’位にヒドロキシ基を有さないベンゾフェノン系化合物(IV)−
本発明の硬化性組成物には、(IV)成分として2位および2’位にヒドロキシ基を有さないベンゾフェノン系化合物を使用する。ここで言うベンゾフェノン系化合物とは別名、ジフェニルケトン系化合物とも呼ばれる。
これまでに2位および/または2’位にヒドロキシ基を有するベンゾフェノン系化合物は紫外線吸収剤として作用することが知られているので、同化合物を硬化性組成物に添加することで組成物の耐候性を高めるという技術が公知である。しかしながら、本発明で述べるように硬化性組成物の硬化物(A)の光を透過させる部材(I)に対する接着耐久性の改善という観点からは、2位および/または2’位にヒドロキシ基を有するベンゾフェノン系化合物を添加しても効果は無く、逆に、2位および2’位にヒドロキシ基を有さないベンゾフェノン系化合物(IV)が好適に使用されうる事が分かった。
2位および2’位にヒドロキシ基を有さないベンゾフェノン系化合物(IV)を硬化性組成物に添加することで、硬化性組成物の硬化物(A)の光を透過させる部材(I)に対する接着耐久性、すなわち、特に紫外線などの光、水、熱などに代表されるシーリング剤の劣化要因への抵抗性が大きく向上する。その結果、硬化性組成物の硬化物(A)が光を透過させる部材(I)に長期に渡り接着性を維持でき、従って、水密性や気密性が長期に渡り維持される。
2位および2’位にヒドロキシ基を有さないベンゾフェノン系化合物(IV)を使用することによって硬化性組成物の硬化物の接着性が改善されるメカニズムの詳細は現段階で不明であるが、検討した結果から推察するに、硬化性組成物の硬化物(A)と光を透過させる部材(I)との間の接着界面において、紫外線を吸光して励起されたベンゾフェノン系化合物が起点となり何らかの反応が起こった結果、接着性が改善されているものと考えられる。
ただし、そのメカニズムは、2位および/または2’位にヒドロキシ基を有するベンゾフェノン系化合物が吸光した場合に経る反応経路、すなわち、ケト−エノール互変異性による光エネルギーの熱エネルギーへの変換過程とは別の機構であると考えるのが合理的である。
2位および2’位にヒドロキシ基を有さないベンゾフェノン系化合物(IV)の具体例としては下記に限定されないが、
ベンゾフェノン、2,2’,4−トリメトキシベンゾフェノン、2,4’−ジクロロベンゾフェノン、2,4’−ジフルオロベンゾフェノン、2−アミノ−2’,5−ジクロロベンゾフェノン、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジニトロベンゾフェノン、4,4’−ビス(メチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル 4’−メチルジフェニルスルフィド、ベンゾフェノン−2,4’−ジカルボン酸一水和物、ベンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸、2’−アミノベンゾフェノン−2−カルボン酸、2,2’,4,4’−テトラメチルベンゾフェノン、2,2’,4−トリメトキシベンゾフェノン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾフェノン、2,4’−ジクロロベンゾフェノン、2,4’−ジフルオロベンゾフェノン、2,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,4,5−トリメチルベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、2,4−ジメトキシ−4'−ドロキシベンゾフェノン、2,4−ジメチルベンゾフェノン、2,5−ジフルオロベンゾフェノン、2−(3−ベンゾイルフェニル)プロピオニトリル、2−(4−クロロ−3−ニトロベンゾイル)安息香酸、2−(p−トルオイル)安息香酸、2−アミノ−2’,5−ジクロロベンゾフェノン、2−アミノ−2’−クロロ−5−ニトロベンゾフェノン、2−アミノ−4’−クロロベンゾフェノン、2−アミノ−5−クロロ−2’−フルオロベンゾフェノン、2−アミノ−5−クロロベンゾフェノン、2−アミノ−5−ニトロベンゾフェノン、2−アミノベンゾフェノン、2−ベンゾイル安息香酸、2−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノン、2−クロロ−5−ニトロベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、2−フルオロベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3’,4’−ジメチルベンゾフェノン−2−カルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジニトロベンゾフェノン、3,4’−ジニトロベンゾフェノン、3,4−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジクロロベンゾフェノン、3,4−ジフルオロベンゾフェノン、3,4−ジメチルベンゾフェノン、3−アミノベンゾフェノン、3−クロロベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4’−クロロベンゾフェノン−2−カルボン酸、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(メチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジメチルベンゾフェノン、4−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−アミノ−3−ニトロベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、4−ベンゾイル 4’−メチルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−ブロモビフェニル、4−ベンゾイル安息香酸、4−ブロモベンゾフェノン、4−クロロ−4’−ヒドロキシベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−フルオロ−4’−ヒドロキシベンゾフェノン、4−フルオロベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−ニトロベンゾフェノン、4−フェノキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、5−クロロ−2−(メチルアミノ)ベンゾフェノン、α,α−ジクロロジフェニルメタン、ベンゾフェノンジメチルケタール、ベンゾフェノンヒドラゾン、ベンゾフェノンイミン、ベンゾフェノンオキシム、ベンゾフェノン−2,4’−ジカルボン酸一水和物、ベンゾフェノン−2,4,5−トリカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸、デカフルオロベンゾフェノン、2−ベンゾイル安息香酸メチル、ベンゾフェノン−4−カルボキサミドエチルメタンチオスルホネ−ト、2−(2−ブロモ−アセチルアミノ)−5−クロロベンゾフェノン、2,2’−ジクロロベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラニトロベンゾフェノン、2,4−ジカルボキシベンゾフェノン、2,4−ジクロロ−5−(トリフルオロメチル)ベンゾフェノン、2−[N−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)アミノ−5]−クロロベンゾフェノン、2−アミノ−2’−フルオロ−5−ブロモベンゾフェノン、2−アミノ−3−(ベンゾフェノン−4−カルボキサミド)−プロパン酸、2−シクロプロピルメチルアミノ−5−クロロベンゾフェノン、2−ヒドロキシメチル−4−シアノ−4’−クロロベンゾフェノン、2−メチル−5−ニトロベンゾフェノン、3−(ベンゾフェノン−4−カルボキサミド)−2−ヘミマレアイミドプロパン酸、3−(ベンゾフェノン−4−カルボキサミド)−2−マレイミドプロパン酸、3−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、4−エチルベンゾフェノン−2−カルボン酸、4−(N−マレイミド)ベンゾフェノン、4−(N−ヨードアセチル)ベンゾフェノン、4−(N−ヨードアセトアミド)ベンゾフェノン、4−(N−スクシンイミジルカルボキシ)ベンゾフェノン、4,4’−ジブロモベンゾフェノン、4,4’−ジフェニルベンゾフェノン、4,4’−ビス(トリメチルアセトキシ)ベンゾフェノン、4’−アセトアミド−2−アセトキシ−4−ジメチルアミノ−2’−メトキシカルボニルベンゾフェノン、4−クロロメチルベンゾフェノン、4−シアノベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−4’−(トリメチルアセトキシ)ベンゾフェノン、5’−アセトアミド−2−アセトキシ−4−ジメチルアミノ−2’−メトキシカルボニルベンゾフェノン、5−ニトロ−2−クロロベンゾフェノン、メタンチオスルホン酸ベンゾフェノン−4−カルボキシアミドシステイン、4−クロロ−3−サルファモイル−2−ベンゾフェノンカルボン酸、3−ヒドロキシベンゾフェノン、4−(トリフルオロメチル)ベンゾフェノン、4−メチル−3,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−メトキシ−4−メチル−5−ニトロベンゾフェノン、2−アミノ−4’−メチルベンゾフェノン、2−アミノベンゾフェノン−2’−カルボン酸、2−アミノ−5−クロロベンゾフェノン オキシム、ベンゾフェノン−2,3,4,5,6−d5、ベンゾフェノン−d10、(S)−2−[N’−(N‐べンジルプロリル)アミノ]ベンゾフェノン、3,4’−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾフェノン、4−クロロ−3−ニトロベンゾフェノン、3,4−ジアミノベンゾフェノン一塩酸塩、4,4’−ジクロロベンゾフェノン−2,3,5,6−d4、2,4−ジフルオロベンゾフェノン、3,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン−d8、2,4−ジメチルベンゾフェノン、3,4’−ジメチルベンゾフェノン、4−モルホリノベンゾフェノン、3−ニトロベンゾフェノン、2−(トリフルオロメチル)ベンゾフェノン、ベンゾフェノンアジン、ベンゾフェノンニ塩化物、ベンゾフェノンジメチルアセタール、4−アセトアミド−2−アセトキシ−4−ジメチルアミノ−2−メトキシカルボニルベンゾフェノン、4−(ベンジルオキシ)ベンゾフェノン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾフェノン、3−ブロモ−4’−(エチルチオ)ベンゾフェノン、4−ブロモ−4’−(エチルチオ)ベンゾフェノン、3−ブロモ−4’−(メチルチオ)ベンゾフェノン、4−ブロモ−4’−(メチルチオ)ベンゾフェノン、3−クロロ−4’−(エチルチオ)ベンゾフェノン、4−クロロ−4’−(エチルチオ)ベンゾフェノン、3−クロロ−4’−(メチルチオ)ベンゾフェノン、4−クロロ−4’−(メチルチオ)ベンゾフェノン、2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ベンゾフェノン、3,4−ジクロロ−4’−(エチルチオ)ベンゾフェノン、3,4−ジクロロ−4’−(メチルチオ)ベンゾフェノン、3,4−ジフルオロ−4’−(エチルチオ)ベンゾフェノン、3,5−ジフルオロ−4’−(エチルチオ)ベンゾフェノン、3,4−ジフルオロ−4’−(メチルチオ)ベンゾフェノン、3,5−ジフルオロ−4’−(メチルチオ)ベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾフェノン、2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾフェノン、2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンゾフェノン、3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンゾフェノン、3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンゾフェノン、4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)ベンゾフェノン、5−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)ベンゾフェノン、5−ニトロ−2−(ブロモアセトアミド)ベンゾフェノン、4−n−オクトキシベンゾフェノン、3,3’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゾフェノン、3−(トリフルオロメチル)ベンゾフェノン、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾフェノン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾフェノン、4’−クロロ−3’−サルファモイル−2−ベンゾフェノンカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸ジエチル、4’−エチルベンゾフェノン−2−カルボン酸、2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンゾフェノン、5−ニトロ−2−(ブロモアセトアミド)ベンゾフェノン−d5、ベンゾフェノントシルヒドラゾン、4−イソチオシアン酸ベンゾフェノン、ベンゾフェノン−d10、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ベンゾフェノン、4−(ブロモメチル)ベンゾフェノン、4−ジエチルアミノベンゾフェノン、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−カルボン酸テトラウンデシル、4,4’−ビス[2−(1−プロペニル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4−フルオロ−4’−(フェニルエチニル)ベンゾフェノン、ベンゾフェノン(2,4−ジニトロフェニル)ヒドラゾン、ベンゾフェノンジメチルケタール、ベンゾフェノンジエチルケタール、ベンゾフェノンイミン塩酸塩、ベンゾフェノン O−メチルオキシム、ベンゾフェノンフェニルヒドラゾン、ベンゾフェノンチオセミカルバジド、2−(フェニルスルホニル)ベンゾフェノン、4−(4−ビフェニル)ベンゾフェノン、N−(2−ナフチル)ベンゾフェノンイミン、O−(2−メチルアリル)ベンゾフェノンオキシム、2,2’−4,4’−6,6’−ヘキサメチルベンゾフェノン、2−アミノ−2’,5’−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾフェノン、3,4−ジクロロ−4’−(トリフルオロメチル)ベンゾフェノン、4−(1−メチル−1−ニトロエチル)ベンゾフェノン、4−(1−メチル−1−ニトロプロピル)ベンゾフェノン、4−(2−ニトロ−1,1,2−トリメチルブチル)ベンゾフェノン、4−(2−ニトロ−1,1,2−トリメチルプロピル)ベンゾフェノン、4−ヨード−4’−(トリフルオロメチル)ベンゾフェノン、5−クロロ−2−(2−ヒドロキシベンジルアミノ)ベンゾフェノン、5−クロロ−2−(2−ヒドロキシベンジリデンアミノ)ベンゾフェノン、5−クロロ−2−(O−バニリリデンアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)チオベンゾフェノン、キサントン、ベンゾフェノン−2−カルボン酸メチル、ベンゾフェノン−2−カルボン酸、ベンゾフェノン−3−カルボン酸、ベンゾフェノン−4−カルボン酸、2−ベンゾイルベンゾフェノン、3−ベンゾイルベンゾフェノン、4−ベンゾイルベンゾフェノン、4−ベンジルオキシベンゾフェノン、4−(4−ブロモフェニル)ベンゾフェノン、4−t−ブチルベンゾフェノン、3−ベンゾイル安息香酸、4−ベンゾイル安息香酸、2−(4−クロロベンジル)安息香酸、5−クロロ−2−メチルアミノベンゾフェノン、3,5−ジクロロ−2’,4’−ジメチルベ

ンゾフェノン、2,3−ジフルオロベンゾフェノン、2,6−ジフルオロベンゾフェノン、3,3’−ジフルオロベンゾフェノン、3,5−ジフルオロベンゾフェノン、4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、4−エチルベンゾフェノン、2−フルオロ−4’−ヒドロキシベンゾフェノン、2−フルオロ−4’−メトキシベンゾフェノン、2−メトキシベンゾフェノン、3−メトキシベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ニトロベンゾフェノン、4’−メチルベンゾフェノン−2−カルボン酸、4−ニトロベンゾフェノンオキシム、2,3,4,5,6−ペンタメチルベンゾフェノン、3,4,5−トリフルオロベンゾフェノン、2,4,4’−トリメトキシベンゾフェノン、4−クロロ−4’−ベンジルベンゾフェノン、3−クロロキサントン、3,9−ジクロロキサントン、3−クロロ−8−ノニルキサントン、2−クロロチオキサントン、2−ベンゾイルナフタレン、3−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルナフタレン、
等が挙げられる。
本発明で好適に使用できる(IV)成分のベンゾフェノン系化合物としては、取り扱い易さの点で、23度下において液体であるものが好ましいが、23度下で固体であってもよい。その場合、融点が23〜500度の範囲内にある化合物が好ましく、23〜400度の範囲内にある化合物がより好ましく、23度〜300度の範囲内にある化合物が特に好ましい。融点が500度を超えると、ベンゾフェノン系化合物が硬化性組成物に混ざりにくくなるために、所望の効果が期待できなくなる場合がある。従って、ベンゾフェノン系化合物の融点としては、上記範囲内にある事が好ましい。
硬化性組成物にベンゾフェノン系化合物を添加する際は、ベンゾフェノン系化合物を種々の有機溶媒(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、トルエン、t−ブタノール、t−ブチルメチルエーテル、クロロホルム、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエタン、塩化メチレン、ジエチルエーテル、ジグリム、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、エタノール、メタノール、プロパノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ヘキシル、酢酸メチル、エチレングリコール、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ペンタン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、ニトロメタン、ピリジン、テトラヒドロフラン、キシレン、メチルシクロヘキサン、ジイソプロピルエーテル、1,2−エタンジオール、2−メトキシエタノールなどが挙げられる)や希釈剤、溶剤や可塑剤などに溶解させた状態で添加してもよい。これらの溶媒にベンゾフェノン系化合物を溶解させた状態で添加する場合、取り扱い易さの点で好ましい場合があったり、硬化性組成物への混練が容易になる場合がある。これら、有機溶媒や希釈剤、溶剤や可塑剤はこれらの内1種類を単独で使用しても良いし、2種類以上を組み合わせて使用しても良い。
本発明で好適に使用できる(IV)成分のベンゾフェノン系化合物の分子量としては、182(無置換のベンゾフェノン)〜2000の範囲内にある化合物が好ましく、182〜1500の範囲内にある化合物がより好ましく、182〜1000の範囲内にある化合物が更に好ましく、182〜500の範囲内にある化合物が特に好ましい。ベンゾフェノン系化合物の分子量が2000を超えて大きい場合、所望の効果を得る為に添加すべき部数が増えるため、経済的に好ましくない。
上記に具体的に例示された化合物のうち、入手性や取り扱いやすさの点で好ましいのは、ベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノンなどの置換基としてハロゲン原子を有するベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノンなどの置換基としてアルキル基を有するベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノンなどの置換基としてアルコキシ基を有するベンゾフェノン等である。これらの中でも特に、ベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン等は安価に入手できる上に効果的である点で好ましい。
上記に具体的に例示された化合物のうち、その分子内に反応性官能基を有するものは、本発明の効果を損なわない範囲でその官能基を保護したり、その他の反応によって変成してもよい。反応性官能基を保護したり、変成する為の保護基の分子構造を適切に選択することで、ビニル系重合体やポリエーテル系重合体などのベースポリマーや硬化性組成物に対するベンゾフェノン系化合物の相溶性を高めたりすることができる。こうすることで硬化性組成物からブリードアウトするのを防ぎ、効果を長期に渡り維持させることができる。さらには予期しない化学反応が起きて、ベンゾフェノン系化合物が失活するのを防ぐことができる場合がある。
この際に選択される化学反応としては、有機化学的に既知な反応であれば任意に選択することができる。これらの化学反応は例えば、Theodora W. Greeneら著 「PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS 3rd Edition」,JOHN WILEY & SONS社、1999年などの成書に詳しく纏められており、参照することができる。
また、上記の反応性官能基を有するベンゾフェノン系化合物は、その官能基の反応性を利用して高分子化合物に結合させた状態で使用してもよい。このように高分子化合物に固定すると、ベンゾフェノン化合物の移動度が低下するのでブリードアウトが抑制されたり、雨水等によって硬化物表面から洗い流され難くなる。その結果、効果を長期に渡り維持できる場合がある。
これらの2位および2’位にヒドロキシ基を有さないベンゾフェノン系化合物(IV)の使用量は、ビニル系重合体(II)100重量部に対し、0.001重量部〜20重量部が好ましく、0.01重量部〜10重量部がより好ましい。20重量部以上であれば、硬化性組成物の機械物性が悪影響を受ける場合がある他、本発明で述べる効果に対して硬化性組成物のコスト上昇が大きくなる点で好ましくなく、0.001重量部以下であれば、所望の効果を発揮しなかったり、効果を発揮するまでに経過する時間が極めて長くなる場合があるという点で好ましくない。
−ポリエーテル系重合体(V)−
本発明の硬化性組成物には、さらにポリエーテル系重合体(V)を含有することが硬化性組成物の伸びや強度等の機械物性を改善できる点で好ましい。
<主鎖>
架橋性シリル基を有するポリエーテル系重合体(V)の主鎖構造としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシド、ポリフェニレンオキシドなどが挙げられる。このうち、本質的にポリオキシアルキレンであることが好ましく、本質的にポリプロピレンオキシドであることがより好ましく、これは、プロピレンオキシド以外に、エチレンオキシド、ブチレンオキシド、フェニレンオキシドなどを含んでもよい。また、ポリエーテル系重合体は、主鎖中にウレタン結合を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。ここで「主鎖が本質的にポリプロピレンオキシドである」とは、プロピレンオキシド単位が、主鎖を構成する繰り返し単位のうち50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上を占めることをいう。より低粘度であれば取扱い性が良好になるので、ポリプロピレンオキシド系重合体の分子量分布(Mw/Mn)が1.5以下のものがより好ましい。
ポリエーテル系重合体の主鎖は直鎖状であっても分岐状であってもよいが、1本以上の分岐鎖を有するポリエーテル系重合体は、耐クリープ性の観点から好ましい。
なお、主鎖中にウレタン結合、ないしはウレア結合を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。
ポリエーテル系重合体の分子構造は、使用用途や目的とする特性により相違し、特開昭63−112642記載のもの等が使用できる。このようなポリオキシアルキレンは通常の重合方法(苛性アルカリを用いるアニオン重合法)や、セシウム金属触媒、特開昭61−197631号、特開昭61−215622号、特開昭61−215623号および特開昭61−218632号等に例示されるポルフィリン/アルミ錯体触媒、特公昭46−27250号及び特公昭59−15336号等に例示される複合金属シアン化錯体触媒、特開平10−273512に例示されるポリフォスファゼン塩からなる触媒を用いた方法等により得ることができる。
ポルフィリン/アルミ錯体触媒、複合金属シアン化錯体触媒やポリフォスファゼン塩からなる触媒を用いた方法では分子量分布(Mw/Mn)が1.6以下、さらには1.5以下などの小さい値のオキシアルキレン重合体を得ることができ、分子量分布が小さい場合、硬化物の低モジュラスと高伸びを維持して組成物粘度を小さくできるという利点がある。
本発明におけるポリエーテル系重合体の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した値(移動相としてテトラヒドロフランを用い、測定はポリスチレンゲルカラムにておこない、ポリスチレン換算で求めた値)を表す。ポリエーテル系の数平均分子量は、特に制限はないが、一般的には、作業性、物性上の点から、1,000〜100,000が好ましく、2,000〜80,000がより好ましく、3,000〜50,000が特に好ましい。分子量が小さい程、得られた硬化物は高モジュラス、低伸びの傾向を示し、逆に分子量が大きければその逆の傾向を示す。
<架橋性官能基>
(V)成分中の架橋性官能基としては特に限定されず、好ましいものとして、架橋性
シリル基、アルケニル基、水酸基、アミノ基、イソシアネート基、重合性の炭素−炭素二重結合を有する基、エポキシ基が挙げられる。特に架橋性シリル基が好ましい。架橋性シリル基としては、ビニル系重合体(II)と同様に、一般式(1)で表される基を用いることができ、一般式(7)で表される基が好ましく、低吸水性、耐クリープ性の観点からは一般式(8)で表される基がより好ましい。架橋性官能基の好ましい構造についてした説明、及び、架橋性官能基の導入方法に関する説明は、先述のビニル系重合体(II)と同様に、ポリエーテル系重合体(V)についても同じように適用される。(V)成分中の架橋性官能基は、(II)成分中の架橋性官能基と同じ種類のものであってもよいし、異なる種類のものであってもよいが、硬化性の面から、同種類のものが好ましい。両者が同種類である場合であっても、同じ構造のものでもよいし、異なる構造のものでもよい。また、ポリエーテル系重合体(V)が有する架橋性官能基の個数は、平均して少なくとも1個であるが、組成物の硬化性の観点から、1個より多く有することが好ましく、より好ましくは平均して1.1〜4.0個、さらに好ましくは平均して1.5〜2.5個である。また、架橋性官能基は、ポリエーテル系重合体の末端にあることが、硬化物のゴム弾性の観点から好ましい。より好ましくは重合体の両末端に官能基があることである。
<架橋性官能基の数と位置>
架橋性官能基の数は、組成物の硬化性、及び硬化物の引張物性および接着耐久性の観点から、分子中に平均して1個以上有することが必須であり、好ましくは1.1個以上4.0個以下、より好ましくは1.6個以上3.5個以下、さらに好ましくは1.8個以上3.0個以下、特に好ましくは2.0個以上2.5個以下である。架橋性官能基の数が1個未満では、硬化物の接着耐久性および引張強度の点で不都合な傾向があり、4個を越えると、硬化物の伸びの点で不都合な傾向がある。また、ポリエーテル系重合体の架橋性官能基は、硬化物のゴム弾性の観点から分子鎖の末端にあることが好ましく、より好ましくは重合体の主鎖の全ての末端に官能基があることである。
<架橋性シリル基の数と位置>
架橋性シリル基の数は、組成物の硬化性、及び硬化物の引張物性および耐クリープ性の観点から、分子中に平均して1個以上有することが必須であり、好ましくは1.1個以上4.0個以下、より好ましくは1.6個以上3.5個以下、さらに好ましくは1.8個以上3.0個以下、特に好ましくは2.0個以上2.5個以下である。架橋性シリル基の数が1.1個未満では、硬化物の耐クリープ性および引張強度の点で不都合な傾向があり、4.0個を越えると、硬化物の伸びの点で不都合な傾向がある。また、ポリエーテル系重合体の架橋性シリル基は、硬化物のゴム弾性の観点から分子鎖の末端にあることが好ましく、より好ましくは重合体の主鎖の全ての末端に官能基があることである。
<架橋性シリル基の導入法>
架橋性シリル基の導入は公知の方法で行なえばよい。すなわち、例えば、以下の方法が挙げられる。例えば複合金属シアン化錯体触媒を用いて得られるオキシアルキレン重合体の場合は特開平3−72527に、ポリフォスファゼン塩と活性水素を触媒として得られるオキシアルキレン重合体の場合は特開平11−60723に記載されている。
(1)末端に水酸基等の官能基を有するオキシアルキレン重合体と、この官能基に対して反応性を示す活性基及び不飽和基を有する有機化合物を反応させるか、もしくは不飽和基含有エポキシ化合物との共重合により、不飽和基含有オキシアルキレン重合体を得る。次いで、得られた反応生成物に架橋性シリル基を有するヒドロシランを作用させてヒドロシリル化する。
(2)(1)法と同様にして得られた不飽和基含有オキシアルキレン重合体にメルカプト基及び架橋性シリル基を有する化合物を反応させる。
(3)末端に水酸基、エポキシ基やイソシアネート基等の官能基(以下、Y官能基という)を有するオキシアルキレン重合体に、このY官能基に対して反応性を示す官能基(以下、Y′官能基という)及び架橋性シリル基を有する化合物を反応させる。
このY′官能基を有するケイ素化合物としては、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノ,2−メチルプロピルトリメトキシシラン、N−エチル−3−アミノ,2−メチルプロピルトリメトキシシラン、4−アミノ,3−メチルプロピルトリメトキシシラン、4−アミノ,3−メチルプロピルメチルジメトキシシラン、N―フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、さらには各種アミノ基含有シランとマレイン酸エステルやアクリレート化合物との部分マイケル付加反応物などのようなアミノ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなどのようなメルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのようなエポキシシラン類;ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランなどのようなビニル型不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシランなどのような塩素原子含有シラン類;γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランなどのようなイソシアネート含有シラン類;メチルジメトキシシラン、トリメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、トリエトキシシランなどのようなハイドロシラン類などが具体的に例示されうるが、これらに限定されるものではない。
ポリエーテル系重合体(V)の使用量
本発明の硬化性組成物に架橋性シリル基を有するポリエーテル系重合体(V)を添加する場合、ポリエーテル系重合体(V)の使用量は、ビニル系重合体(II)とポリエーテル系重合体(V)の総重量に占めるポリエーテル系重合体(V)の割合が0〜99重量%となるような範囲内で、言い換えると、ビニル系重合体(II)の割合が1〜100重量%となるような範囲内で使用することが好ましく、より好ましくはポリエーテル系重合体(V)の割合が0〜70重量%の範囲内で、言い換えると、ビニル系重合体(II)の割合が30〜100重量%となるような範囲内で使用することである。
ビニル系重合体(II)とポリエーテル系重合体(V)の総重量に占めるポリエーテル系重合体(V)の割合が99重量%以上では、本発明により期待できる接着耐久性の点で不都合な場合がある。
−各種の架橋性官能基を有する重合体任意成分−
本発明の硬化性組成物においては、任意成分として各種の架橋性官能基を有する重合体を添加しても構わない。架橋性官能基を有する重合体としては、(i)架橋性官能基を有するポリイソブチレン系重合体、特に架橋性シリル基を有するポリイソブチレン系重合体、(ii)ポリシロキサンを例示することができる。これらの重合体は1種または2種以上を用いて添加することが出来る。
−硬化性組成物−
本発明の硬化性組成物においては、目的とする物性に応じて各種の配合剤を添加しても構わない。以下、架橋性官能基基を有するビニル系重合体(II)と架橋性官能基基を有するポリエーテル系重合体(V)を纏めて、『架橋性官能基基を有する有機重合体』、『有機重合体』もしくは『重合体』ともいう。
<脱水剤>
硬化性組成物は、作製する際の水分等によって、その貯蔵している間に増粘、ゲル化が進み、使用する際の作業性に難が生じたり、また、その増粘、ゲル化が進んだ硬化性組成物を使用することにより、硬化後の硬化物の物性が低下して、本来の目的であるシール性等を損なったりする問題が生じることがある。つまり硬化性組成物の貯蔵安定性が問題となることがある。
この硬化性組成物の貯蔵安定性を改良するには、硬化性組成物に、共沸脱水により含水分量を減らす方法がある。例えば、水に対して極小共沸点を有する揮発性有機化合物を0.1〜10重量部程度添加し、均一に混合した後、50〜90℃程度に加熱し真空ポンプで吸引しながら水−有機化合物の共沸組成物を形骸に取出す方法が挙げられる。水に対して極小共沸点を有する揮発性有機化合物としては塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン等のハロゲン化物;エタノール、アリルアルコール、1−プロパノール、ブタノール等のアルコール類;酢酸エチル、プロピオン酸メチル等のエステル類;メチルエチルケトン、3−メチル−2−ブタノン等のケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素類等が例示できる。しかしながら、この方法は脱揮操作が入るため、揮発性の他の配合剤に対する工夫が必要となったり、共沸させる揮発性有機化合物の処理、回収等が必要になったりする。そのため、以下の脱水剤を添加する方が好ましいことがある。
上述の様に、本発明の組成物には、貯蔵安定性を改良する目的で組成物中の水分を除去するための脱水剤を添加することができる。脱水剤としては、例えば、5酸化リンや炭酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム(無水ボウ硝)、モレキュラーシーブス等の無機固体等が挙げられる。これらの固体脱水剤でも構わないが、添加後の液性が酸性や塩基性に傾いて逆に縮合し易く貯蔵安定性が悪くなったり、固体を後で取り除くなどの作業性が悪くなったりすることもあるため、後述の、液状の加水分解性のエステル化合物が好ましい。加水分解性のエステル化合物としては、オルトぎ酸トリメチル、オルトぎ酸トリエチル、オルトぎ酸トリプロピル、オルトぎ酸トリブチル等のオルトぎ酸トリアルキルや、オルト酢酸トリメチル、オルト酢酸トリエチル、オルト酢酸トリプロピル、オルト酢酸トリブチル等のオルト酢酸酸トリアルキル等、およびそれらの化合物から成る群から選ばれるものが挙げられる。
それ以外の加水分解性のエステル化合物としては、更に、式R4-nSiYn(式中、Yは加水分解可能な基、Rは有機基で官能基を含んでいても含まなくともよい。nは1〜4の整数であり、好ましくは3または4である)で示される加水分解性有機シリコン化合物が挙げられ、その具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、オルトケイ酸テトラメチル(テトラメトキシシランないしはメチルシリケート)、オルトケイ酸テトラエチル(テトラエトキシシランないしはエチルシリケート)、オルトケイ酸テトラプロピル、オルトケイ酸テトラブチル等のシラン化合物またはこれらの部分加水分解縮合物、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のシランカップリング剤、またはこれらの部分加水分解縮合物等が挙げられる。これらの中から1種または2種以上併用して配合することができる。
上記の脱水剤は、貯蔵中に架橋性シリル基含有有機重合体が加水分解し、シラノール縮合反応により三次元的網状組織を形成することを防ぐのみならず、ケチミンが水によって分解し、エポキシ樹脂と反応し硬化することを防ぐため、貯蔵安定性改良剤としてはより好ましい。
貯蔵安定性改良剤の使用量としては、架橋性シリル基を有する有機重合体100重量部に対し、0.1〜30重量部、好ましくは0.3〜20重量部、より好ましくは0.5〜10重量部である。
なお、これらの貯蔵安定性改良剤を添加する際には硬化性組成物を無水の状態にしてから行なうのが好ましいが、水分を含んだままの状態で添加しても構わない。
<接着性付与剤>
本発明の組成物には、シランカップリング剤や、シランカップリング剤以外の接着性付与剤を添加することができる。接着付与剤を添加すると、接着剥離する危険性を低減することができ、場合によっては接着性向上の為に用いるプライマーの使用の必要性がなくなり、施工作業の簡略化が期待される。シランカップリング剤の具体例としてはアミノ基や、エポキシ基、メルカプト基、カルボキシル基、ビニル基、イソシアネート基、イソシアヌレート、ハロゲン等の官能基をもったシランカップリング剤が例示でき、その具体例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン等のイソシアネート基含有シラン類;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;β−カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(カルボキシメチル)アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクロイルオキシプロピルメチルトリエトキシシラン等のビニル型不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン含有シラン類;トリス(トリメトキシシリル)イソシアヌレート等のイソシアヌレートシラン類、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン等のポリスルファン類等を挙げることができる。また、上記のアミノ基含有シラン類とエポキシ基含有シラン類との反応物、アミノ基含有シラン類とアクロイルオキシ基含有シラン類との反応物、アミノ基含有シラン類とイソシアネート基含有シラン類との反応物も使用できる。また、これらを変性した誘導体である、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン、ブロックイソシアネートシラン、シリル化ポリエステル等もシランカップリング剤として用いることができる。また、上記のアミノ基含有シラン類と例えばメチルイソブチルケトン等のケトン化合物との反応によって得られるケチミン化合物等もシランカップリング剤として用いることができる。
また、本発明では、1分子中の架橋性シリル基の数が2個以上である、所謂、Dipodal Silaneを、耐水接着性および低吸水性の観点から、好ましく使用することができる。具体的には、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、等を挙げることができる。また、アミノシランとエポキシシランとの反応物なども、Dipodal Silaneとして使用することができる。
本発明に用いるシランカップリング剤は、通常、架橋性シリル基を有する有機重合体100重量部に対し、0.1〜20重量部の範囲で使用される。特に、0.5〜10重量部の範囲で使用するのが好ましい。本発明の硬化性組成物に添加されるシランカップリング剤の効果は、各種被着体、すなわち、ガラス、アルミニウム、ステンレス、亜鉛、銅、モルタルなどの無機基材や、塩ビ、アクリル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネートなどの有機基材に用いた場合、ノンプライマー条件またはプライマー処理条件下で、著しい接着性改善効果を示す。ノンプライマー条件下で使用した場合には、各種被着体に対する接着性を改善する効果が特に顕著である。
シランカップリング剤以外の具体例としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン、ポリスチレン−ポリイソプレン/ブタジエン共重合体−ポリスチレン、ポリスチレン−ポリエチレン/プロピレン共重合体−ポリスチレン、ポリスチレン−ポリエチレン/ブチレン共重合体−ポリスチレン、ポリスチレン−ポリイソブテン−ポリスチレン等の直鎖状または分岐状のブロック共重合体、アルキルスルフォン酸エステル、硫黄、アルキルチタネート類、芳香族ポリイソシアネート等が挙げられる。エポキシ樹脂は上記のアミノ基含有シラン類と反応させて使用することができる。
上記接着性付与剤は1種類のみで使用しても良いし、2種類以上混合使用しても良い。これら接着性付与剤は添加することにより被着体に対する接着性を改善することができる。特に限定はされないが、接着性、特にオイルパンなどの金属被着面に対する接着性を向上させるために、上記接着性付与剤の中でもシランカップリング剤を0.1〜20重量部、併用することが好ましい。
接着性付与剤の種類や添加量は、本発明のビニル系重合体のYの種類とaの数によって選択することが可能であり、目的や用途に応じて本発明の硬化性や機械物性等を制御することが可能である。特に硬化性や伸びに影響するためその選択には注意が必要である。
<シリケート>
本発明の組成物には、シリケートを用いることができる。このシリケートは、架橋剤として作用し、本発明のビニル系重合体(II)およびポリエーテル系重合体(V)からなる架橋性官能基を有する有機重合体成分(以下、「(II)/(V)成分」ともいう。)の耐クリープ性、耐水接着性、および、低吸水性を改善する機能を有する。また更に、接着性および高温高湿条件での接着耐久性を改善する効果も有する。シリケートとしてはテトラアルコキシシランまたはその部分加水分解縮合物が使用できる。
シリケートを使用する場合、その使用量はビニル系重合体(II)とポリエーテル系重合体(V)との総量100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部である。シリケートの配合量がこの範囲を下回ると耐クリープ性、耐水接着性、および、低吸水性の改善効果が十分でない場合があり、シリケートの配合量がこの範囲を上回ると硬化物の伸びが小さくなり、また、硬化速度が遅くなる場合がある。
シリケートの具体例としては、たとえばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、エトキシトリメトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、メトキシトリエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−i−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン(テトラアルキルシリケート)、および、それらの部分加水分解縮合物があげられる。
テトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物は、本発明の耐クリープ性の改善効果がテトラアルコキシシランよりも大きい為により好ましい。
前記テトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物としては、たとえば通常の方法でテトラアルコキシシランに水を添加し、部分加水分解させて縮合させたものがあげられる。また、オルガノシリケート化合物の部分加水分解縮合物は、市販のものを用いることができる。このような縮合物としては、例えば、メチルシリケート51、エチルシリケート40(いずれもコルコート(株)製)等が挙げられる。
上記シリケートは1種類のみで使用しても良いし、2種類以上混合使用しても良い。
<可塑剤>
本発明の硬化性組成物には、各種可塑剤を必要に応じて用いても良い。可塑剤を後述する充填材と併用して使用すると硬化物の伸びを大きくできたり、多量の充填材を混合できたりするためより有利となるが、必ずしも添加しなければならないものではない。可塑剤としては特に限定されないが、物性の調整、性状の調節等の目的により、例えば、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケート、コハク酸イソデシル等の非芳香族二塩基酸エステル類;安息香酸2−エチルヘキシル等の安息香酸系エステル類;オレイン酸ブチル、アセチルリシリノール酸メチル等の脂肪族エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル等のポリアルキレングリコールのエステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;トリメリット酸エステル類;ポリスチレンやポリ−α−メチルスチレン等のポリスチレン類;ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ブタジエン−アクリロニトリル、ポリクロロプレン;塩素化パラフィン類;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニル、等の炭化水素系油;プロセスオイル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール、これらポリエーテルポリオールの水酸基の片末端または両末端もしくは全末端をアルキルエステル基またはアルキルエーテル基などに変換したアルキル誘導体等のポリエーテル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジル、E−PS等のエポキシ基含有可塑剤類;セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸等の2塩基酸とエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の2価アルコールから得られるポリエステル系可塑剤類;アクリル系可塑剤を始めとするビニル系モノマーを種々の方法で重合して得られるビニル系重合体類等が挙げられる。
なかでも数平均分子量500〜15,000の重合体である高分子可塑剤は、添加することにより、該硬化性組成物の粘度やスランプ性および該組成物を硬化して得られる硬化物の引張り強度、伸びなどの機械特性が調整できるとともに、重合体成分を分子中に含まない可塑剤である低分子可塑剤を使用した場合に比較して、初期の物性を長期にわたり維持し、該硬化物にアルキッド塗料を塗布した場合の乾燥性(塗装性ともいう)を改良できる。なお、限定はされないがこの高分子可塑剤は、官能基を有しても有しなくても構わない。
上記で高分子可塑剤の数平均分子量は、500〜15,000と記載したが、好ましくは800〜10,000であり、より好ましくは1,000〜8,000である。分子量が低すぎると熱や降雨により可塑剤が経時的に流出し、初期の物性を長期にわたり維持できず、アルキッド塗装性が改善できない。また、分子量が高すぎると粘度が高くなり、作業性が悪くなる。
これらの高分子可塑剤の中ではポリエーテル系可塑剤と(メタ)アクリル系重合体可塑剤が高伸び特性あるいは高耐候性の点から好ましい。アクリル系重合体の合成法は、従来からの溶液重合で得られるものや、無溶剤型アクリルポリマー等を挙げることができる。後者のアクリル系可塑剤は溶剤や連鎖移動剤を使用せず高温連続重合法(USP4414370、特開昭59−6207、特公平5−58005、特開平1−313522、USP5010166)にて作製されるため本発明の目的にはより好ましい。その例としては特に限定されないが例えば東亞合成品のARUFON UPシリーズ(UP−1000、UP−1110、UP−2000、UP−2130)(SGOと呼ばれる)等が挙げられる(防水ジャーナル2002年6月号参照)。勿論、他の合成法としてリビングラジカル重合法をも挙げることができる。この方法によれば、その重合体の分子量分布が狭く、低粘度化が可能なことから好ましく、更には原子移動ラジカル重合法がより好ましいが、これに限定されるものではない。
高分子可塑剤の分子量分布は特に限定されないが、粘度の点から狭いことが好ましく、1.8未満が好ましい。1.7以下がより好ましく、1.6以下がなお好ましく、1.5以下がさらに好ましく、1.4以下が特に好ましく、1.3以下が最も好ましい。
なお、粘度の点から言えば、主鎖に分岐構造を有する方が同一分子量では粘度が低くなるので好ましい。上述の高温連続重合法はこの例として挙げられる。
上記高分子可塑剤を含む可塑剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよいが、必ずしも必要とするものではない。また必要によっては高分子可塑剤を用い、物性に悪影響を与えない範囲で低分子可塑剤を更に併用しても良い。また、ビニル系重合体とポリエーテル系重合体とを混合した本発明の組成物は、混合物の相溶性の点から、フタル酸エステル類、アクリル系重合体が特に好ましい。
本発明の硬化性組成物を複層ガラス用2次シール材に用いる場合には、1次シール材へのマイグレーションの課題、および、耐水接着性の観点から、高分子量の可塑剤または極性の高い可塑剤を用いることが好ましい。具体的には、ポリエーテル系可塑剤、アクリル系重合体可塑剤、フタル酸エステル類、非芳香族二塩基酸エステル類、および、安息香酸系エステル類が好ましく、アクリル系重合体可塑剤または安息香酸系エステル類がより好ましい。
なおこれら可塑剤は、重合体製造時に配合することも可能である。
可塑剤を用いる場合の使用量は、限定されないが、架橋性シリル基を有する有機重合体100重量部に対して5〜150重量部、好ましくは10〜120重量部、さらに好ましくは20〜100重量部である。5重量部未満では可塑剤としての効果が発現しにくく、150重量部を越えると硬化物の機械強度が不足する傾向がある。
<充填材>
本発明の硬化性組成物には、各種充填材を必要に応じて用いても良い。充填材としては、特に限定されないが、木粉、パルプ、木綿チップ、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、クルミ殻粉、もみ殻粉、グラファイト、ケイソウ土、白土、シリカ(ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、無水ケイ酸、含水ケイ酸、非晶質球形シリカ等)、カーボンブラックのような補強性充填材;重質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、アルミニウム微粉末、フリント粉末、酸化亜鉛、活性亜鉛華、亜鉛末、炭酸亜鉛およびシラスバルーン、ガラスミクロバルーン、フェノール樹脂や塩化ビニリデン樹脂の有機ミクロバルーン、PVC粉末、PMMA粉末など樹脂粉末などの充填材;石綿、ガラス繊維およびガラスフィラメント、炭素繊維、ケブラー繊維、ポリエチレンファイバー等の繊維状充填材等が挙げられる。
これら充填材のうちでは沈降性シリカ、ヒュームドシリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルクなどが好ましい。
特に、これら充填材で透明性または強度の高い硬化物を得たい場合には、主にヒュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、カーボンブラック、表面処理微細炭酸カルシウム、結晶性シリカ、溶融シリカ、焼成クレー、クレーおよび活性亜鉛華などから選ばれる充填材を添加できる。これらは透明建築用シーラント、透明DIY接着剤等に好適である。なかでも、比表面積(BET吸着法による)が10m2/g以上、通常50〜400m2/g、好ましくは100〜300m2/g程度の超微粉末状のシリカが好ましい。またその表面が、オルガノシランやオルガノシラザン、ジオルガノシクロポリシロキサン等の有機ケイ素化合物で予め疎水処理されたシリカが更に好ましい。
補強性の高いシリカ系充填材のより具体的な例としては、特に限定されないが、ヒュームドシリカの1つである日本アエロジル社のアエロジルや、沈降法シリカの1つである日本シリカ社工業のNipsil等が挙げられる。平均粒径は1nm以上30μ以下のシリカが使用できる。特にヒュームドシリカについては、一次粒子の平均粒径1nm以上50nm以下のヒュームドシリカを用いると、補強効果が特に高いのでより好ましい。なお、本発明における平均粒径とは、篩い分け法による。具体的には、粉体を各種の目開きの篩(マイクロシーブ等)で分級し、測定に供した粉体の全重量の50重量%が通過した篩の目開きに相当する値(重量平均粒径)で定義されるものである。充填剤で補強された組成物は即固定性に優れ、自動車ガラスグレージング接着に好適である。
透明性はPMMA粉末など樹脂粉末などを充填材に用いることによっても得ることができる。
また、低強度で伸びが大である硬化物を得たい場合には、主に酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、酸化第二鉄、酸化亜鉛およびシラスバルーンなどから選ばれる充填材を添加できる。なお、一般的に、炭酸カルシウムは、比表面積が小さいと、硬化物の破断強度、破断伸び、接着性と耐候接着性の改善効果が充分でないことがある。比表面積の値が大きいほど、硬化物の破断強度、破断伸び、接着性と耐候接着性の改善効果はより大きくなる。炭酸カルシウムの形状は立方形非立方形、不定形等各種の形状が使用できる。
更に、炭酸カルシウムは、表面処理剤を用いて表面処理を施してある方がより好ましい。表面処理炭酸カルシウムを用いた場合、表面処理していない炭酸カルシウムを用いた場合に比較して、本発明の組成物の作業性を改善し、該硬化性組成物の接着性と耐候接着性の改善効果がより向上すると考えられる。前記の表面処理剤としては脂肪酸、脂肪酸石鹸、脂肪酸エステル等の有機物や各種界面活性剤、および、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤等の各種カップリング剤が用いられている。具体例としては、以下に限定されるものではないが、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸等の脂肪酸と、それら脂肪酸のナトリウム、カリウム等の塩、そして、それら脂肪酸のアルキルエステルが挙げられる。界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルや長鎖アルコール硫酸エステル等と、それらのナトリウム塩、カリウム塩等の硫酸エステル型陰イオン界面活性剤、またアルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、パラフィンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、アルキルスルホコハク酸等と、それらのナトリウム塩、カリウム塩等のスルホン酸型陰イオン界面活性剤等が挙げられる。この表面処理剤の処理量は、炭酸カルシウムに対して、0.1〜20重量%の範囲で処理するのが好ましく、1〜5重量%の範囲で処理するのがより好ましい。処理量が0.1重量%未満の場合には、作業性、接着性と耐候接着性の改善効果が充分でないことがあり、20重量%を越えると、該硬化性組成物の貯蔵安定性が低下することがある。
特に限定はされないが、炭酸カルシウムを用いる場合、配合物のチクソ性や硬化物の破断強度、破断伸び、接着性と耐候接着性等の改善効果を特に期待する場合には膠質炭酸カルシウムを用いるのが好ましい。
一方、重質炭酸カルシウムは配合物の低粘度化や増量、コストダウン等を目的として添加することがあるが、この重質炭酸カルシウムを用いる場合は必要に応じて下記のようなものを使用することができる。
重質炭酸カルシウムとは、天然のチョーク(白亜)、大理石、石灰石などを機械的に粉砕・加工したものである。粉砕方法については乾式法と湿式法があるが、湿式粉砕品は本発明の硬化性組成物の貯蔵安定性を悪化させることが多いために好ましくないことが多い。重質炭酸カルシウムは、分級により、様々な平均粒子径を有する製品となる。特に限定されないが、硬化物の破断強度、破断伸び、接着性と耐候接着性の改善効果を期待する場合には、比表面積の値が1.5m2/g以上50m2/g以下のものが好ましく、2m2/g以上50m2/g以下が更に好ましく、2.4m2/g以上50m2/g以下がより好ましく、3m2/g以上50m2/g以下が特に好ましい。比表面積が1.5m2/g未満の場合には、その改善効果が充分でないことがある。もちろん、単に粘度を低下させる場合や増量のみを目的とする場合などはこの限りではない。
なお、比表面積の値とは、測定方法としてJIS K 5101に準じて行なった空気透過法(粉体充填層に対する空気の透過性から比表面積を求める方法。)による測定値をいう。測定機器としては、島津製作所製の比表面積測定器SS−100型を用いるのが好ましい。
これらの充填材は目的や必要に応じて単独で併用してもよく、2種以上を併用してもよい。特に限定はされないが、例えば、必要に応じて比表面積の値が1.5m2/g以上の重質炭酸カルシウムと膠質炭酸カルシウムを組み合わせると、配合物の粘度の上昇を程々に抑え、硬化物の破断強度、破断伸び、接着性と耐候接着性の改善効果が大いに期待できる。
充填材を用いる場合の添加量は、架橋性シリル基を有する有機重合体100重量部に対して、充填材を5〜1,000重量部の範囲で使用するのが好ましく、20〜500重量部の範囲で使用するのがより好ましく、40〜300重量部の範囲で使用するのが特に好ましい。配合量が5重量部未満の場合には、硬化物の破断強度、破断伸び、接着性と耐候接着性の改善効果が充分でないことがあり、1,000重量部を越えると該硬化性組成物の作業性が低下することがある。充填材は単独で使用しても良いし、2種以上併用しても良い。
なお、ドロマイト、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク等は多量に添加すると本発明の透明性を妨げ、不透明な硬化物となってしまう恐れがあるので注意が必要である。
<微小中空粒子>
また、更に、物性の大きな低下を起こすことなく軽量化、低コスト化を図ることを目的として、微小中空粒子をこれら補強性充填材に併用しても良い。
このような微少中空粒子(以下バルーンという)は、特に限定はされないが、「機能性フィラーの最新技術」(CMC)に記載されているように、直径が1mm以下、好ましくは500μm以下、更に好ましくは200μm以下の無機質あるいは有機質の材料で構成された中空体が挙げられる。特に、真比重が1.0g/cm3以下である微少中空体を用いることが好ましく、更には0.5g/cm3以下である微少中空体を用いることが好ましい。
前記無機系バルーンとして、珪酸系バルーンと非珪酸系バルーンとが例示でき、珪酸系バルーンには、シラスバルーン、パーライト、ガラス(シリカ)バルーン、フライアッシュバルーン等が、非珪酸系バルーンには、アルミナバルーン、ジルコニアバルーン、カーボンバルーン等が例示できる。これらの無機系バルーンの具体例として、シラスバルーンとしてイヂチ化成製のウインライト、三機工業製のサンキライト、ガラス(シリカ)バルーンとして富士シリシア化学のフジバルーン、日本板硝子製のカルーン、住友スリーエム製のセルスターZ−28、EMERSON&CUMING製のMICRO BALLOON、PITTSBURGE CORNING製のCELAMIC GLASSMODULES、3M製のGLASS BUBBLES、旭硝子製のQ−CEL、太平洋セメント製のE−SPHERES、フライアッシュバルーンとして、PFAMARKETING製のCEROSPHERES、FILLITE U.S.A製のFILLITE、アルミナバルーンとして昭和電工製のBW、ジルコニアバルーンとしてZIRCOA製のHOLLOW ZIRCONIUM SPHEES、カーボンバルーンとして呉羽化学製クレカスフェア、GENERAL TECHNOLOGIES製カーボスフェアが市販されている。
前記有機系バルーンとして、熱硬化性樹脂のバルーンと熱可塑性樹脂のバルーンが例示でき、熱硬化性のバルーンにはフェノールバルーン、エポキシバルーン、尿素バルーンが、熱可塑性バルーンにはサランバルーン、ポリスチレンバルーン、ポリメタクリレートバルーン、ポリビニルアルコールバルーン、スチレン−アクリル系バルーンが例示できる。また、架橋した熱可塑性樹脂のバルーンも使用できる。ここでいうバルーンは、発泡後のバルーンでも良く、発泡剤を含むものを配合後に発泡させてバルーンとしても良い。
これらの有機系バルーンの具体例として、フェノールバルーンとしてユニオンカーバイド製のUCAR及びPHENOLIC MICROBALLOONS、エポキシバルーンとしてEMERSON&CUMING製のECCOSPHERES、尿素バルーンとしてEMERSON&CUMING製のECCOSPHERES VF−O、サランバルーンとしてDOW CHEMICAL製のSARAN MICROSPHERES、日本フィラメント製のエクスパンセル、松本油脂製薬製のマツモトマイクロスフェア、ポリスチレンバルーンとしてARCO POLYMERS製のDYLITE EXPANDABLE POLYSTYRENE、BASF WYANDOTE製の EXPANDABLE POLYSTYRENE BEADS、架橋型スチレン−アクリル酸バルーンには日本合成ゴム製のSX863(P)が、市販されている。
上記バルーンは単独で使用しても良く、2種類以上混合して用いても良い。さらに、これらバルーンの表面を脂肪酸、脂肪酸エステル、ロジン、ロジン酸リグニン、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミカップリング剤、ポリプロピレングリコール等で分散性および配合物の作業性を改良するために処理したものも使用することができる。これらの、バルーンは配合物の硬化前では切れ性等の作業性改善、硬化後では柔軟性および伸び・強度を損なうことなく、軽量化させることによるコストダウン、さらには表面のつや消し、スパッタ等意匠性付与等のために使用される。
バルーンの含有量は、特に限定されないが架橋性シリル基を有する有機重合体100重量部に対して、好ましくは0.1〜50部、更に好ましくは0.1〜30部の範囲で使用できる。この量が0.1部未満では軽量化の効果が小さく50部以上ではこの配合物を硬化させた場合の機械特性のうち、引張強度の低下が認められることがある。またバルーンの比重が0.1以上の場合は3〜50部、更に好ましくは5〜30部が好ましい。
<物性調整剤>
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて生成する硬化物の引張特性を調整する物性調整剤を添加しても良い。
物性調整剤としては特に限定されないが、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン類;ジメチルジイソプロペノキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン等のアルキルイソプロペノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等の官能基を有するアルコキシシラン類;シリコーンワニス類;ポリシロキサン類等が挙げられる。前記物性調整剤を用いることにより、本発明の組成物を硬化させた時の硬度を上げたり、硬度を下げ、伸びを出したりし得る。上記物性調整剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
<シラノール含有化合物>
本発明の硬化性組成物には、硬化物の物性を変える等の必要に応じてシラノール含有化合物を添加しても良い。シラノール含有化合物とは、分子内に1個のシラノール基を有する化合物、及び/又は、水分と反応することにより分子内に1個のシラノール基を有する化合物を生成し得る化合物のことをいう。これらは一方のみを用いてもよいし、両化合物を同時に用いてもよい。
シラノール含有化合物の一つである分子内に1個のシラノール基を有する化合物は、特に限定されず、下記に示した化合物、
(CH33SiOH、(CH3CH23SiOH、(CH3CH2CH23SiOH、(n−Bu)3SiOH、(sec−Bu)3SiOH、(t−Bu)3SiOH、(t−Bu)Si(CH32OH、(C5113SiOH、(C6133SiOH、(C653SiOH、(C652Si(CH3)OH、(C65)Si(CH32OH、(C652Si(C25)OH、C65Si(C252OH、C65CH2Si(C252OH、C107Si(CH32OH
(ただし、上記式中C65はフェニル基を、C107はナフチル基を示す。)
等のような(R”)3SiOH(ただし式中R”は同一または異種の置換もしくは非置換のアルキル基またはアリール基)で表わすことができる化合物、
Figure 2011190394
等のようなシラノール基を含有する環状ポリシロキサン化合物、
Figure 2011190394
(式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素基を、nは1〜20の整数を示す。)
等のようなシラノール基を含有する鎖状ポリシロキサン化合物、
Figure 2011190394
(式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素基を、nは1〜20の整数を示す。)
等のような主鎖が珪素、炭素からなるポリマー末端にシラノール基が結合した化合物、
Figure 2011190394
(式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素基を、nは1〜20の整数を示す。)
等のようなポリシラン主鎖末端にシラノール基が結合した化合物、
Figure 2011190394
(式中、nは1〜20の整数、mは1〜20の整数を示す。)
等のような主鎖が珪素、炭素、酸素からなるポリマー末端にシラノール基が結合した化合物等が例示できる。中でも、入手が容易であり、効果の点から分子量の小さい(CH33SiOH等が好ましい。
上記、分子内に1個のシラノール基を有する化合物は、架橋性シリル基を有する有機重合体の架橋性シリル基あるいは架橋により生成したシロキサン結合と反応することにより、架橋点の数を減少させ、硬化物に柔軟性を与えるとともに表面低タックや耐埃付着性に優れた組成物を与える。
また、水分と反応することにより分子内に1個のシラノール基を有する化合物を生成し得る化合物は、特に限定されないが、
N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、N−(トリメチルシリル)アセトアミド、ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、N−メチル−N−トリメチルシリルトリフルオロアセトアミド、ビストリメチルシリル尿素、N−(t−ブチルジメチルシリル)N−メチルトリフルオロアセトアミド、(N,N−ジメチルアミノ)トリメチルシラン、(N,N−ジエチルアミノ)トリメチルシラン、ヘキサメチルジシラザン、1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、N−(トリメチルシリル)イミダゾール、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルフォネート、トリメチルシリルフェノキシド、n−オクタノールのトリメチルシリル化物、2―エチルヘキサノールのトリメチルシリル化物、グリセリンのトリス(トリメチルシリル)化物、トリメチロールプロパンのトリス(トリメチルシリル)化物、ペンタエリスリトールのトリス(トリメチルシリル)化物、ペンタエリスリトールのテトラ(トリメチルシリル)化物、(CH33SiNHSi(CH33、(CH33SiNSi(CH32、アリロキシトリメチルシラン、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、N−(トリメチルシリル)アセトアミド、ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、N−メチル−N−トリメチルシリルトリフルオロアセトアミド、ビストリメチルシリル尿素、N−(t−ブチルジメチルシリル)N−メチルトリフルオロアセトアミド、(N,N−ジメチルアミノ)トリメチルシラン、(N,N−ジエチルアミノ)トリメチルシラン、ヘキサメチルジシラザン、1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、N−(トリメチルシリル)イミダゾール、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルフォネート、トリメチルシリルフェノキシド、n−オクタノールのトリメチルシリル化物、2―エチルヘキサノールのトリメチルシリル化物、グリセリンのトリス(トリメチルシリル)化物、トリメチロールプロパンのトリス(トリメチルシリル)化物、ペンタエリスリトールのトリス(トリメチルシリル)化物、ペンタエリスリトールのテトラ(トリメチルシリル)化物、(CH33SiNHSi(CH33、(CH33SiNSi(CH32
Figure 2011190394
等が好適に使用できるが加水分解生成物の含有シラノール基の量からは(CH33SiNHSi(CH33が特に好ましい。
水分と反応することにより分子内に1個のシラノール基を有する化合物を生成し得る化合物は、特に限定されないが、上記化合物以外に下記一般式(45)で表される化合物が好ましい。
((R413SiO)n42 (45)
(式中、R41は炭素数1〜10の炭化水素基。nは正数を、R42は活性水素含有化合物から一部あるいは全ての活性水素を除いた基を示す。)
41は、メチル基、エチル基、ビニル基、t−ブチル基、フェニル基が好ましく、さらにメチル基が好ましい。
(R413Si基は、3個のR41が全てメチル基であるトリメチルシリル基が特に好ましい。また、nは1〜5が好ましい。
上記R42の由来となる活性水素含有化合物としては特に限定されないが、例えば、
メタノール、エタノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロパンジオール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のアルコール類;フェノール、クレゾール、ビスフェノールA、ヒドロキノン等のフェノール類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ソルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等のカルボン酸類;アンモニア;メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、n−ブチルアミン、イミダゾール等のアミン類;アセトアミド、ベンズアミド等の酸アミド類、尿素、N,N’−ジフェニル尿素等の尿素類;アセトン、アセチルアセトン、2,4−ヘプタジオン等のケトン類等が挙げられる。
上記一般式(45)で表される水分と反応することにより分子内に1個のシラノール基を有する化合物を生成し得る化合物は、例えば上述の活性水素含有化合物等に、トリメチルシリルクロリドやジメチル(t−ブチル)クロリド等のようなシリル化剤とも呼ばれる(R413Si基とともにハロゲン基等の活性水素と反応し得る基を有する化合物を反応させることにより得ることができるが、これらに限定されるものではない(ただし、R41は上述したものと同様である。)。
上記一般式(45)で表される化合物を具体的に例示すると、
アリロキシトリメチルシラン、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、N−(トリメチルシリル)アセトアミド、ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、N−メチル−N−トリメチルシリルトリフルオロアセトアミド、ビストリメチルシリル尿素、N−(t−ブチルジメチルシリル)N−メチルトリフルオロアセトアミド、(N,N−ジメチルアミノ)トリメチルシラン、(N,N−ジエチルアミノ)トリメチルシラン、ヘキサメチルジシラザン、1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、N−(トリメチルシリル)イミダゾール、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルフォネート、トリメチルシリルフェノキシド、n−オクタノールのトリメチルシリル化物、2―エチルヘキサノールのトリメチルシリル化物、グリセリンのトリス(トリメチルシリル)化物、トリメチロールプロパンのトリス(トリメチルシリル)化物、ペンタエリスリトールのトリス(トリメチルシリル)化物、ペンタエリスリトールのテトラ(トリメチルシリル)化物、ポリプロピレングリコールのトリメチルシリル化物、ポリプロピレントリオールのトリメチルシリル化物等ポリエーテルポリオールのトリメチルシリル化物、ポリプロピレンテトラオールのトリメチルシリル化物、アクリルポリオールのトリメチルシリル化物等が挙げられるが、これらに限定されない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、一般式(((R433SiO)(R44O)stZで表すことができるような化合物、CH3O(CH2CH(CH3)O)5Si(CH33
CH2=CHCH2(CH2CH(CH3)O)5Si(CH33
(CH33SiO(CH2CH(CH3)O)5Si(CH33
(CH33SiO(CH2CH(CH3)O)7Si(CH33
(式中、R43は同一または異種の置換もしくは非置換の1価の炭化水素基または水素原子、R44は炭素数1〜8の2価の炭化水素基、s、tは正の整数で、sは1〜6、s×tは5以上、Zは1〜6価の有機基)
等も好適に使用できる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
水分と反応することにより分子内に1個のシラノール基を有する化合物を生成し得る化合物の中では、貯蔵安定性、耐候性等に悪影響を及ぼさない点で、加水分解後に生成する活性水素化合物はフェノール類、酸アミド類及びアルコール類が好ましく、活性水素化合物が水酸基であるフェノール類およびアルコール類が更に好ましい。
上記の化合物の中では、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、N−(トリメチルシリル)アセトアミド、トリメチルシリルフェノキシド、n−オクタノールのトリメチルシリル化物、2―エチルヘキサノールのトリメチルシリル化物、グリセリンのトリス(トリメチルシリル)化物、トリメチロールプロパンのトリス(トリメチルシリル)化物、ペンタエリスリトールのトリス(トリメチルシリル)化物、ペンタエリスリトールのテトラ(トリメチルシリル)化物等が好ましい。
この水分と反応することにより分子内に1個のシラノール基を有する化合物を生成し得る化合物は、貯蔵時、硬化時あるいは硬化後に水分と反応することにより、分子内に1個のシラノール基を有する化合物を生成する。この様にして生成した分子内に1個のシラノール基を有する化合物は、上述のようにビニル系重合体の架橋性シリル基あるいは架橋により生成したシロキサン結合と反応することにより、架橋点の数を減少させ、硬化物に柔軟性を与えているものと推定される。
このシラノール含有化合物の構造は、本発明のビニル系重合体のYの種類とaの数によって選択することが可能であり、目的や用途に応じて本発明の硬化性や機械物性等を制御することが可能である。
シラノール含有化合物は、後述の空気酸化硬化性物質と併用してもよく、併用することにより、硬化物のモジュラスを低いままに保ち、表面へ塗装したアルキッド塗料の硬化性および埃付着性を改善するので好ましい。
シラノール含有化合物の添加量は、硬化物の期待物性に応じて適宜調整可能である。シラノール含有化合物は、架橋性シリル基を有する有機重合体100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは0.3〜20重量部、さらに好ましくは0.5〜10重量部添加できる。0.1重量部未満では添加効果が現れず、50重量部を越えると架橋が不十分になり、硬化物の強度やゲル分率が低下しすぎる。
また、シラノール含有化合物を添加する時期は特に限定されず、重合体の製造時に添加してもよく、硬化性組成物の作製時に添加してもよい。
<チクソ性付与剤(垂れ防止剤)>
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて垂れを防止し、作業性を良くするためにチクソ性付与剤(垂れ防止剤)を添加しても良い。
チクソ性付与剤(垂れ防止剤)は揺変性付与剤ともいう。チクソ性付与とはカートリッジからビード状に押出したり、ヘラ等により塗布したり、スプレー等により吹付けたりするときのように強い力を加えられる時には流動性を示し、塗布ないしは施工後に硬化するまでの間、流下しない性質を付与するものである。
また、チクソ性付与剤(垂れ防止剤)としては特に限定されないが、例えば、ディスパロン(楠本化成製)に代表されるアマイドワックスや水添ヒマシ油、水添ヒマシ油誘導体類、脂肪酸の誘導体、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム等の金属石鹸類、1,3,5−トリス(トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレート等の有機系化合物や、脂肪酸や樹脂酸で表面処理した炭酸カルシウムや微粉末シリカ、カーボンブラック等の無機系化合物が挙げられる。
微粉末シリカとは、二酸化ケイ素を主成分とする天然又は人工の無機充填剤を意味する。具体的には、カオリン、クレー、活性白土、ケイ砂、ケイ石、ケイ藻土、無水ケイ酸アルミニウム、含水ケイ酸マグネシウム、タルク、パーライト、ホワイトカーボン、マイカ微粉末、ベントナイト、有機ベントナイト等を例示できる。
なかでも、ケイ素を含む揮発性化合物を気相で反応させることによって作られる超微粒子状無水シリカや有機ベントナイトが好ましい。少なくとも50m2/g、更には50〜400m2/gの比表面積を有していることが好ましい。また、親水性シリカ、疎水性シリカの何れをも使用することができる。表面処理はあってもなくても構わないが、ケイ素原子に結合した有機置換基としてメチル基のみを有するシラザン、クロロシラン、アルコキシシランもしくはポリシロキサンによりその表面が疎水処理されている疎水性シリカが好ましい。
上記の表面処理剤を具体的に例示すると、ヘキサメチルジシラザン等のようなシラザン類;トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン等のようなハロゲン化シラン類;トリメチルアルコキシシラン、ジメチルジアルコキシシラン、メチルトリアルコキシシラン等のようなアルコキシシラン類(ここで、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる);環状あるいは直鎖状のポリジメチルシロキサン等のようなシロキサン類等が挙げられ、これらは単独又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でもシロキサン類(ジメチルシリコーンオイル)によって表面処理を施された疎水性微粉末シリカが揺変性付与効果の面から好ましい。
また、微粉末シリカにジエチレングリコール,トリエチレングリコール,ポリエチレングリコール等のポリエーテル化合物,ポリエーテル化合物と官能性シランの反応生成物等やエチレンオキシド鎖を有する非イオン系界面活性剤を併用するとチクソ性が増す。この非イオン系界面活性剤は1種又は2種以上使用してもよい。
この微粉末シリカの具体例としては、例えば、日本アエロジル製の商品名Aerosil R974、R972、R972V、R972CF、R805、R812、R812S、RY200、RX200、RY200S、#130、#200、#300、R202等や、日本シリカ製の商品名Nipsil SSシリーズ、徳山曹達製の商品名Rheorosil MT−10、MT−30、QS−102、QS−103、Cabot製の商品名Cabosil TS−720、MS−5,MS−7、豊順洋行製のエスベンやオルガナイト等の市販品が挙げられる。
また、有機ベントナイトとは、主にモンモリロナイト鉱石を細かく粉砕した粉末状の物質で、これを各種有機物質で表面処理したものをいう。有機化合物としては脂肪族第1級アミン、脂肪族第4級アミン(これらはいずれも炭素数20以下が好ましい)などが用いられる。この有機ベントナイトの具体例としては、例えば、白石工業製の商品名オルベンD、NewDオルベン、土屋カオリン製の商品名ハードシル、Bergess Pigment製のクレー#30、Southern Clay社#33、米国National Lead製の「ベントン(Bentone)34」(ジメチルオクタデシルアンモニウムベントナイト)等が挙げられる。
チクソ性指標とは、回転粘度計による粘度測定において、回転速度の低速(例えば、0.5〜12rpm)と高速(例えば、2.5〜60rpm)とにおける見掛け粘度の比を意味する(ただし、高速回転の速度と低速回転の速度の比が少なくとも5、更には5〜10の範囲内が好ましい。
これらチクソ性付与剤(垂れ防止剤)は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
<光硬化性物質>
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて光硬化性物質を添加しても良い。光硬化性物質とは、光の作用によって短時間に、分子構造が化学変化をおこし、硬化などの物性的変化を生ずるものである。この光硬化性物質を添加することにより、硬化性組成物を硬化させた際の硬化物表面の粘着性(残留タックともいう)を低減できる。この光硬化性物質は、光をあてることにより硬化し得る物質であるが、代表的な光硬化性物質は、例えば室内の日の当たる位置(窓付近)に1日間、室温で静置することにより硬化させることができる物質である。この種の化合物には、有機単量体、オリゴマー、樹脂あるいはそれらを含む組成物など多くのものが知られており、その種類は特に限定されないが、例えば、不飽和アクリル系化合物、ポリケイ皮酸ビニル類あるいはアジド化樹脂、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物等が挙げられる。
不飽和アクリル系化合物としては、具体的には、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ネオペンチルアルコール等の低分子量アルコール類の(メタ)アクリル酸エステル類(オリゴエステルアクリレート);ビスフェノールA、イソシアヌル酸等の酸あるいは上記低分子量アルコール等をエチレンオキシドやプロピレンオキシドで変性したアルコール類の(メタ)アクリル酸エステル類;主鎖がポリエーテルで末端に水酸基を有するポリエーテルポリオール、主鎖がポリエーテルであるポリオール中でビニル系モノマーをラジカル重合することにより得られるポリマーポリオール、主鎖がポリエステルで末端に水酸基を有するポリエステルポリオール、主鎖がビニル系あるいは(メタ)アクリル系重合体であり、主鎖中に水酸基を有するポリオール等の(メタ)アクリル酸エステル類;主鎖がビニル系あるいは(メタ)アクリル系重合体であり、主鎖中に多官能アクリレートを共重合して得られる(メタ)アクリル酸エステル類;ビスフェノールA型やノボラック型等のエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させることにより得られるエポキシアクリレート系オリゴマー類;ポリオール、ポリイソシアネートおよび水酸基含有(メタ)アクリレート等を反応させることにより得られる分子鎖中にウレタン結合および(メタ)アクリル基を有するウレタンアクリレート系オリゴマー等が挙げられる。
ポリケイ皮酸ビニル類とは、シンナモイル基を感光基とする感光性樹脂であり、ポリビニルアルコールをケイ皮酸でエステル化したものの他、多くのポリケイ皮酸ビニル系誘導体が挙げられる。
アジド化樹脂は、アジド基を感光基とする感光性樹脂として知られており、通常はアジド化合物を感光剤として加えたゴム感光液のほか「感光性樹脂」(昭和47年3月17日出版、印刷学会出版部発行、93頁〜、106頁から、117頁〜)に詳細な例示があり、これらを単独又は混合し、必要に応じて増感剤を加えて使用することができる。
エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物としては、エポキシ基末端またはビニルエーテル基末端ポリイソブチレン等が挙げられる。
上記の光硬化性物質の中では、取り扱い易いという理由で不飽和アクリル系化合物が好ましい。
光硬化性物質は、架橋性シリル基を有する有機重合体100重量部に対して0.01〜20重量部添加するのが好ましい。0.01重量部未満では効果が小さく、また20重量部を越えると物性への悪影響が出ることがある。なお、ケトン類、ニトロ化合物などの増感剤やアミン類等の促進剤を添加すると、効果が高められる場合がある。
<空気酸化硬化性物質>
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて空気酸化硬化性物質を添加しても良い。空気酸化硬化性物質とは、空気中の酸素により架橋硬化できる不飽和基を有する化合物である。この空気酸化硬化性物質を添加することにより、硬化性組成物を硬化させた際の硬化物表面の粘着性(残留タックともいう)を低減できる。本発明における空気酸化硬化性物質は、空気と接触させることにより硬化し得る物質であり、より具体的には、空気中の酸素と反応して硬化する性質を有するものである。代表的な空気酸化硬化性物質は、例えば空気中で室内に1日間静置することにより硬化させることができる。
空気酸化硬化性物質としては、例えば、桐油、アマニ油等の乾性油;これら乾性油を変性して得られる各種アルキッド樹脂;乾性油により変性されたアクリル系重合体、エポキシ系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂;1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエン、C5〜C8ジエンの重合体や共重合体、更には該重合体や共重合体の各種変性物(マレイン化変性物、ボイル油変性物など)などが具体例として挙げられる。これらのうちでは桐油、ジエン系重合体のうちの液状物(液状ジエン系重合体)やその変性物が特に好ましい。
上記液状ジエン系重合体の具体例としては、ブタジエン、クロロプレン、イソプレン、1,3−ペンタジエン等のジエン系化合物を重合又は共重合させて得られる液状重合体や、これらジエン系化合物と共重合性を有するアクリロニトリル、スチレンなどの単量体とをジエン系化合物が主体となるように共重合させて得られるNBR,SBR等の重合体や更にはそれらの各種変性物(マレイン化変性物、ボイル油変性物など)などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これら液状ジエン系化合物のうちでは液状ポリブタジエンが好ましい。
空気酸化硬化性物質は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また空気酸化硬化性物質と同時に酸化硬化反応を促進する触媒や金属ドライヤーを併用すると効果を高められる場合がある。これらの触媒や金属ドライヤーとしては、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ジルコニウム、オクチル酸コバルト、オクチル酸ジルコニウム等の金属塩やアミン化合物等が例示される。
空気酸化硬化性物質は、前述の光硬化性物質と併用してもよく、さらに前述のシラノール含有化合物を併用することができる。これら2成分の併用または3成分の併用によりその効果を更に発揮し、特に長期に渡って曝露される場合や、塵埃や微粉土砂の多い汚染性の過酷な地域においても顕著な汚染防止効果を発揮することがあるので特に好ましい。
空気酸化硬化性物質は、架橋性シリル基を有する有機重合体100重量部に対して0.01〜20重量部添加するのが好ましい。0.01重量部未満では効果が小さく、また20重量部を越えると物性への悪影響が出ることがある。
<酸化防止剤>
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて酸化防止剤を添加しても良い。酸化防止剤は各種のものが知られており、例えば大成社発行の「酸化防止剤ハンドブック」、シーエムシー化学発行の「高分子材料の劣化と安定化」(235〜242)等に記載された種々のものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。 例えば、MARK PEP−36、MARK AO−23等のチオエーテル系(以上いずれも旭電化工業製)、Irgafos38、Irgafos168、IrgafosP−EPQ(以上いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)等のようなリン系酸化防止剤等が挙げられる。なかでも、以下に示したようなヒンダードフェノール系化合物が好ましい。
ヒンダードフェノール系化合物としては、具体的には以下のものが例示できる。2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、モノ(又はジ又はトリ)(αメチルベンジル)フェノール、2,2’−メチレンビス(4エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルハイドロキノン、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,4−2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]o−クレゾール、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、メチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチレングリコール(分子量約300)との縮合物、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
商品名で言えば、ノクラック200、ノクラックM−17、ノクラックSP、ノクラックSP−N、ノクラックNS−5、ノクラックNS−6、ノクラックNS−30、ノクラック300、ノクラックNS−7、ノクラックDAH(以上いずれも大内新興化学工業製)、MARK AO−30、MARK AO−40、MARK AO−50、MARK AO−60、MARK AO−616、MARK AO−635、MARK AO−658、MARK AO−80、MARK AO−15、MARK AO−18、MARK 328、MARK AO−37(以上いずれも旭電化工業製)、IRGANOX−245、IRGANOX−259、IRGANOX−565、IRGANOX−1010、IRGANOX−1024、IRGANOX−1035、IRGANOX−1076、IRGANOX−1081、IRGANOX−1098、IRGANOX−1222、IRGANOX−1330、IRGANOX−1425WL(以上いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、SumilizerGM、SumilizerGA−80(以上いずれも住友化学製)等が例示できるがこれらに限定されるものではない。
酸化防止剤は後述する光安定剤と併用してもよく、併用することによりその効果を更に発揮し、特に耐熱性が向上することがあるため特に好ましい。予め酸化防止剤と光安定剤を混合してあるチヌビンC353、チヌビンB75(以上いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)などを使用しても良い。
酸化防止剤の使用量は、架橋性シリル基を有する有機重合体100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲であることが好ましい。0.1重量部未満では耐候性を改善の効果が少なく、10重量部超では効果に大差がなく経済的に不利である。
<耐光安定剤>
本発明の硬化性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲であれば必要に応じて耐光安定剤を添加しても良い。耐光安定剤は各種のものが知られており、例えば大成社発行の「酸化防止剤ハンドブック」、シーエムシー化学発行の「高分子材料の劣化と安定化」(235〜242)等に記載された種々のものが挙げられる。これらに限定されるわけではないが、耐光安定剤の中では、紫外線吸収剤やヒンダードアミン系光安定剤化合物が好ましい。具体的には、チヌビンP、チヌビン234、チヌビン320、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン329、チヌビン213(以上いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)等のようなベンゾトリアゾール系化合物やチヌビン1577等のようなトリアジン系、チヌビン120(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)等のようなベンゾエート系化合物等が例示できる。
ヒンダードアミン系化合物は好ましく、そのような化合物を以下に記載する。
コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N’−ビス(3アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリディニル)エステル等が挙げられる。
商品名で言えば、チヌビン622LD、チヌビン144、CHIMASSORB944LD、CHIMASSORB119FL、Irgafos168、(以上いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、MARK LA−52、MARK LA−57、MARK LA−62、MARK LA−67、MARK LA−63、MARK LA−68、MARK LA−82、MARK LA−87、(以上いずれも旭電化工業製)、サノールLS−770、サノールLS−765、サノールLS−292、サノールLS−2626、サノールLS−1114、サノールLS−744、サノールLS−440(以上いずれも三共製)などが例示できるがこれらに限定されるものではない。
耐光安定剤は前述した酸化防止剤と併用してもよく、併用することによりその効果を更に発揮し、特に耐候性が向上することがあるため特に好ましい。組み合わせは特に限定されないが、前述のヒンダードフェノール系酸化防止剤と例えばベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤との組み合わせや前述のヒンダードフェノール系酸化防止剤とヒンダードアミン系光安定剤化合物との組合せが好ましい。あるいは、前述のヒンダードフェノール系酸化防止剤と例えばベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤化合物との組合せが好ましい。予め光安定剤と酸化防止剤を混合してあるチヌビンC353、チヌビンB75(以上いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)などを使用しても良い。
ヒンダードアミン系光安定剤は前述した光硬化性物質と併用してもよく、併用することによりその効果を更に発揮し、特に耐候性が向上することがあるため特に好ましい。組み合わせは特に限定されないが、この場合、3級アミン含有のヒンダードアミン系光安定剤が貯蔵中の粘度上昇が少なく貯蔵安定性が良好であるので好ましい。
光安定剤の使用量は、架橋性シリル基を有する有機重合体100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲であることが好ましい。0.1重量部未満では耐候性を改善の効果が少なく、10重量部超では効果に大差がなく経済的に不利である。
<エポキシ樹脂>
本発明の硬化性組成物には、必要に応じてエポキシ樹脂を添加しても良い。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールA型(水添ビスフェノールA型)エポキシ樹脂、フッ素化エポキシ樹脂、ポリブタジエンあるいはNBRを含有するゴム変性エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールAのグリシジルエーテルなどの難燃型エポキシ樹脂、p−オキシ安息香酸グリシジルエーテルエステル型エポキシ樹脂、m−アミノフェノール型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン系エポキシ樹脂、ウレタン結合を有するウレタン変性エポキシ樹脂、各種脂環式エポキシ樹脂、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジル−o−トルイジン、トリグリシジルイソシアヌレート、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンのような多価アルコールのグリシジルエーテル、ヒダントイン型エポキシ樹脂、石油樹脂などのような不飽和重合体のエポキシ化物などが例示されるが、これらに限定されるものではなく、一般に使用されているエポキシ樹脂が使用され得る。これらエポキシ樹脂は単独で用いても良く2種以上併用しても良い。
これらのエポキシ樹脂の中でもエポキシ基を一分子中に少なくとも2個有するものが、硬化に際し、反応性が高く硬化物が3次元的網目を作りやすいなどの点から好ましい。
また、本発明のビニル系重合体とエポキシ樹脂との混合物を硬化させた時の硬化物として透明なものを得るためには、該エポキシ樹脂はビニル系重合体と相溶することが好ましく、例えば、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂は各種ビニル系重合体と相溶し易く、透明な硬化物を得易い。
ビニル系重合体とエポキシ樹脂の相溶性が良好な組合せの硬化性組成物は、それを硬化させた時に変調構造を取り易く、その結果、透明な硬化物を得易い。更には機械物性も格段に向上することがある。
例えば、主鎖が、アクリル酸ブチルエステルホモポリマーよりも極性が高いビニル系重合体またはビニル系共重合体と、芳香環を有するエポキシ樹脂との組合せや、ビニル系重合体またはビニル系共重合体と、芳香環を有しないエポキシ樹脂との組合せ等の好ましい組合せが挙げられる。
芳香環を有しないエポキシ樹脂の例としては、特に限定はされないが、脂環式エポキシ樹脂が好ましく、グリシジル基が脂環に直接ついていないエポキシ樹脂がより好ましい。
主鎖が、アクリル酸ブチルエステルホモポリマーよりも極性が高いビニル系重合体またはビニル系共重合体としては、これに限定されるものではないが、好ましい例として一般式(46)で表される、重合体または共重合体が挙げられる。
−[CH2−CR(COOR’)]m− (46)
(式中、Rは水素、又はメチル基、R’は、同一若しくは異なって、アルコキシアルキル基、または炭素数1〜3のアルキル基である。)
具体的にはアクリル酸エチル/アクリル酸ブチル/アクリル酸2−メトキシエチル(モル比で40〜50/20〜30/30〜20)の共重合体とビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の組合せや、アクリル酸ブチルエステルホモポリマーと水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂やヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステルの組合せ等の好ましい組合せが挙げられるがこれに限定されるものではない。
エポキシ樹脂の添加量
エポキシ樹脂を添加する場合の添加量としては、架橋性シリル基を少なくとも1個有する有機重合体とエポキシ樹脂の混合比にして、重量比で100/1〜1/100の範囲が好ましいが、100/5〜5/100の範囲にあることがより好ましく、100/10〜10/100の範囲にあることが更に好ましいが、その混合比は限定されるものではなく、各用途、目的に応じて設定できる。この硬化性組成物はその特性から、線膨張係数の異なる材料の接着や、ヒートサイクルにより繰り返し変位を受けるような部材の接着に用いる弾性接着剤として用いたり、透明な硬化物になる場合はその特性を活かして、下地が見える用途でのコーティング剤等に用いたりすることが出来る。例えば、この弾性接着剤用途ではエポキシ樹脂の混合比は多過ぎると硬化物が硬くなって剥離強度が低下してしまい、少な過ぎると逆に接着強度や耐水性が低下してしまうので、有機重合体100重量部に対し、通常10〜150重量部程度の範囲、好ましくは20〜100重量部の範囲で使用されるのが良い。
エポキシ樹脂の硬化触媒・硬化剤
更に必要に応じてエポキシ樹脂用硬化剤を含むことができる。エポキシ樹脂用硬化剤としては、従来公知のものを広く使用することができる。例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン、メチルペンタメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、グアニジン、テトラメチルグアニジン、オレイルアミン、等の脂肪族アミン類;メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン、ピペリジン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、BASF社製ラミロンC−260、CIBA社製Araldit HY−964、ロームアンドハース社製メンセンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ポリシクロヘキシルポリアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)等の脂環族アミン類;m−キシリレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4、4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族アミン類;(CH32N(CH2nN(CH32(式中nは1〜10の整数)で示される直鎖状ジアミン、(CH32−N(CH2n−CH3(式中nは0〜10の整数)で示される直鎖第3級アミン、N{(CH2nCH33(式中nは1〜10の整数)で示されるアルキル第3級モノアミン;ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の脂肪芳香族アミン類;3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(ATU)、モルホリン、N−メチルモルホリン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン、ポリオキシエチレンジアミン等のエーテル結合を有するアミン類;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の水酸基含有アミン類;トリエチレンジアミン、ピリジン、ピコリン、ジアザビシクロウンデセン、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ドデシル無水コハク酸等の酸無水物類;ダイマー酸にジエチレントリアミンやトリエチレンテトラミン等のポリアミンを反応させて得られるポリアミドや各種ポリアミド樹脂、ダイマー酸以外のポリカルボン酸を使ったポリアミド等のポリアミドアミン類;2−エチル−4−メチルイミダゾール等の各種イミダゾール類;ジシアンジアミドおよびその誘導体;ポリオキシプロピレン系ジアミン,ポリオキシプロピレン系トリアミン等のポリオキシプロピレン系アミン類;フェノール類;上記アミン類にエポキシ化合物を反応させて得られるエポキシ変性アミン、上記アミン類にホルマリン、フェノール類を反応させて得られるマンニッヒ変性アミン、マイケル付加変性アミン、アミン化合物とカルボニル化合物との縮合反応により得られるケチミンといった変性アミン類;2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールの2−エチルヘキサン酸塩等のアミン塩;N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどの一分子中にアミノ基と加水分解性シリル基を有する化合物等が挙げられる。ケチミン化合物の具体例としては例えば特開平7−242737号公報などが挙げられる。
これらの硬化剤は、単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。特に限定はされないが、これらエポキシ樹脂用硬化剤の中では、硬化性や物性バランスの点から、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールやポリオキシプロピレン系ジアミンが好ましい。
斯かるエポキシ樹脂用硬化剤は、エポキシ樹脂の配合量にもよるが、架橋性シリル基を有する有機重合体100重量部に対し、通常1〜60重量部程度の範囲、好ましくは2〜50重量部程度の範囲で使用されるのが良い。1重量部未満ではエポキシ樹脂の硬化が不十分となり接着強度が低下する。また、60重量部を超えると界面へのブリード等が起こって接着性が低下し好ましくない。
またこの硬化性樹脂組成物に、有機重合体の架橋性シリル基とエポキシ樹脂のエポキシ基の両方に反応可能な基を有する化合物を添加すると強度がより向上するので好ましい。その具体例としては、例えばN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
<相溶化剤>
本発明の硬化性組成物には、相溶化剤を添加することができる。このような添加物の具体例は、たとえば、特開2001−329025の明細書に記載されている複数のビニル系モノマーの共重合体等が使用できる。
<分子中にα,βジオール構造又はα,γジオール構造を有する化合物>
本発明の硬化性組成物に含有される分子中にα,βジオール構造又はα,γジオール構造を有する化合物を添加しても構わない。α,βジオール構造又はα,γジオール構造を有する化合物としては、一般によく知られたものが利用できる。なお、本明細書中、上記α,βジオール構造は、隣接する炭素原子に2つの水酸基を有する構造を表し、上記α,γジオール構造は、一つおいて隣り合う炭素原子に2つの水酸基を有する構造を表し、また、グリセリン等に代表されるように、α,βジオール構造とα,γジオール構造の両方、ないしは何れかの構造を含むトリオールやテトラオール等のポリオールも含む。
上記分子中にα,βジオール構造又はα,γジオール構造を有する化合物としては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ピナコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール等のジオール類;グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタノール等のトリオール類;ペンタエリスリトール、D−ソルビトール、D−マンニトール、ジグリセリン、ポリグリセリン等の4価以上のポリオール類;グリセリンモノステアレート、グリセリンモノイソステアレート、グリセリンモノオレエート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノカプリレート、グリセリンモノアセテート、グリセリンモノベヘネート等のグリセリンモノカルボン酸エステル類;
ジグリセリンモノステアレート、ジグリセリンモノオレエート、ジグリセリンモノラウレート、テトラグリセリンモノステアレート、テトラグリセリンモノオレエート、テトラグリセリンモノラウレート、テトラグリセリンジステアレート、テトラグリセリンジオレエート、テトラグリセリンジラウレート、デカグリセリンモノステアレート、デカグリセリンモノオレエート、デカグリセリンモノラウレート、デカグリセリンジステアレート、デカグリセリンジオレエート、デカグリセリンジラウレート等のポリグリセリンカルボン酸エステル類;ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールモノイソステアレート、ペンタエリスリトールモノオレエート、ペンタエリスリトールモノラウレート等のペンタエリスリトールモノカルボン酸エステル類;ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールジオレエート、ペンタエリスリトールジラウレート等のペンタエリスリトールジカルボン酸エステル類;
ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノベヘネート等のソルビタンモノカルボン酸エステル類;ソルビタンジステアレート、ソルビタンジオレエート、ソルビタンジラウレート、ソルビタンジパルミテート、ソルビタンジベヘネート等のソルビタンジカルボン酸エスエル類;グリセリンモノステアリルエーテル、グリセリンモノオレイルエーテル、グリセリンモノラウリルエーテル、グリセリンモノ−2−エチルヘキシルエーテル等のグリセリンモノアルキルエーテル類;ジグリセリンモノステアリルエーテル、ジグリセリンモノオレイルエーテル、ジグリセリンモノラウリルエーテル、テトラグリセリンモノステアリルエーテル、テトラグリセリンモノオレイルエーテル、テトラグリセリンモノラウリルエーテル、テトラグリセリンジステアリルエーテル、テトラグリセリンジオレイルエーテル、テトラグリセリンジラウリルエーテル、デカグリセリンモノステアリルエーテル、デカグリセリンモノオレイルエーテル、デカグリセリンモノラウリルエーテル、デカグリセリンジステアリルエーテル、デカグリセリンジオレイルエーテル、デカグリセリンジラウリルエーテル等のポリグリセリンアルキルエーテル類;
ペンタエリスリトールモノステアリルエーテル、ペンタエリスリトールモノオレイルエーテル、ペンタエリスリトールモノラウリルエーテル等のペンタエリスリトールモノアルキルエーテル類;ペンタエリスリトールジステアリルエーテル、ペンタエリスリトールジオレイルエーテル、ペンタエリスリトールジラウリルエーテル等のペンタエリスリトールジアルキルエーテル類;ソルビタンモノステアリルエーテル、ソルビタンモノオレイルエーテル、ソルビタンモノラウリルエーテル等のソルビタンモノアルキルエーテル類;ソルビタンジステアリルエーテル、ソルビタンジオレイルエーテル、ソルビタンジラウリルエーテル等のソルビタンジアルキルエーテル類等を挙げることができる。
上記化合物の多くは、乳化剤、界面活性剤、分散剤、消泡剤、防曇剤、可溶化剤、増粘剤、滑剤として汎用のものが多く、容易に入手できる。
上記の化合物は、単独で使用してもよいし2種以上併用してもよい。上記の化合物の使用量は、架橋性シリル基を有する有機重合体100重量部に対し、0.01〜100重量部が好ましい。0.01重量部未満であると、目的とする効果が得られず、100重量部を超えると、硬化物の機械的強度が不足するという問題点を生じるため好ましくない。より好ましくは、0.1〜20重量部である。
<その他の添加剤>
本発明の硬化性組成物には、硬化性組成物又は硬化物の諸物性の調整を目的として、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。このような添加物の例としては、たとえば、難燃剤、硬化性調整剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤などがあげられる。これらの各種添加剤は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
このような添加物の具体例は、たとえば、特公平4−69659号、特公平7−108928号、特開昭63−254149号、特開昭64−22904号の各明細書などに記載されている。
本発明の硬化性組成物は、実質的に無溶剤で使用できる。作業性の観点等から溶剤を使用しても構わないが、環境への影響から使用しないことが望ましい。
<硬化性組成物の調整方法>
本発明の硬化性組成物は、すべての配合成分を予め配合密封保存し、施工後空気中の湿気やその他の外部刺激により硬化する1成分型として調製しても良く、架橋性官能基を有する有機重合体とその硬化剤・硬化触媒を別々にして、別途、充填材、可塑剤、水等の成分を配合しておき、該配合材を使用前に混合する2成分型または多成分型として調整しても良い。
例えば、限定はされないが、A剤として、有機重合体成分(架橋性官能基を有するビニル系重合体(II)、架橋性官能基を有するポリエーテル系重合体(V))および本発明のベンゾフェノン系化合物成分(IV)を含有する主剤組成物を調整し、B剤として、硬化触媒成分(III)を含有する硬化剤組成物を調整しておき、施工直前に前記のA剤とB剤を混合して使用することも可能である。
ただし、場合によっては本発明のベンゾフェノン系化合物成分(IV)はB剤である硬化剤組成物側へ含有させることも可能であるし、その方が貯蔵安定性の点で有利である場合がある。この場合、さらにカラートナー等をC剤成分としてさらに加えてもよい。
また、例えば、有機重合体成分(架橋性官能基を有するビニル系重合体(II)、架橋性官能基を有するポリエーテル系重合体(V))、本発明のベンゾフェノン系化合物成分(IV)、可塑剤、充填材、各種安定剤、および、水を混合した主剤組成物をA剤とし、硬化触媒成分(III)、可塑剤、充填材、および、シランカップリング剤等を脱水・混合して得た硬化剤組成物を密封保存したものをB剤として、施工直前に前記のA剤とB剤を混合して使用することも可能である。この場合、得られる硬化物は深部まで均一に硬化し、硬度の立ち上がりの速い硬化性組成物が得られる。この場合、さらにカラートナー等をC剤成分としてさらに加えてもよい。
更に、例えば、有機重合体成分(架橋性官能基を有するビニル系重合体(II)、架橋性官能基を有するポリエーテル系重合体(V))、本発明のベンゾフェノン系化合物成分(IV)、可塑剤、充填材、各種安定剤、および、シランカップリング剤等を脱水・混合して得た主剤組成物を密封保存したものをA剤とし、硬化触媒成分(III)、可塑剤、充填材、および、水を混合した硬化剤組成物をB剤として、施工直前に前記のA剤とB剤を混合して使用することも可能である。この場合も、得られる硬化物は深部まで均一に硬化し、硬度の立ち上がりの速い硬化性組成物が得られる。この場合、さらにカラートナー等をC剤成分としてさらに加えてもよい。
1成分型にすると、施工の際に混合・混練する手間が不要となり、同時にその際に生じる計量ミス(混合比の間違い)もなくなるため、硬化不良等のミスを防ぐことができる。
2成分型またはそれ以上の多成分型にすると、一方の組成物に水分を添加することが可能になる為、前述したように得られる硬化物は深部まで均一に硬化し、硬度の立ち上がりの速い硬化性組成物が得られる。例えば複層ガラス製造工程などのように、ライン生産性が重要な課題である場合には、この2成分型硬化性組成物は非常に有用である。
−用途−
本発明の硬化性組成物は、限定はされないが、建築用弾性シーリング剤、サイディングボード用シーリング剤、複層ガラス用シーリング剤、用水路用シーリング剤、車両用シーリング剤等の建築用および工業用のシーリング剤、太陽電池裏面封止剤などの電気・電子部品材料、電線・ケーブル用絶縁被覆材などの電気絶縁材料、粘着剤、接着剤、弾性接着剤、コンタクト接着剤、タイル用接着剤、反応性ホットメルト接着剤、塗料、粉体塗料、コーティング材、発泡体、缶蓋等のシール材、放熱シート、電気電子用ポッティング剤、フィルム、ガスケット、マリンデッキコーキング、注型材料、各種成形材料、人工大理石、および、網入りガラスや合わせガラス端面(切断部)の防錆・防水用封止材、自動車や船舶、家電等に使用される防振・制振・防音・免震材料、自動車部品、電機部品、各種機械部品などにおいて使用される液状シール剤、防水剤等の様々な用途に利用可能である。
更に、本発明の硬化性組成物から得られたゴム弾性を示す成形体は、ガスケット、パッキン類を中心に広く使用することができる。例えば自動車分野ではボディ部品として、気密保持のためのシール材、ガラスの振動防止材、車体部位の防振材、特にウインドシールガスケット、ドアガラス用ガスケットに使用することができる。シャーシ部品として、防振、防音用のエンジンおよびサスペンジョンゴム、特にエンジンマウントラバーに使用することができる。エンジン部品としては、冷却用、燃料供給用、排気制御用などのホース類、エンジンオイル用シール材などに使用することができる。また、排ガス清浄装置部品、ブレーキ部品にも使用できる。家電分野では、パッキン、Oリング、ベルトなどに使用できる。具体的には、照明器具用の飾り類、防水パッキン類、防振ゴム類、防虫パッキン類、クリーナ用の防振・吸音と空気シール材、電気温水器用の防滴カバー、防水パッキン、ヒータ部パッキン、電極部パッキン、安全弁ダイアフラム、酒かん器用のホース類、防水パッキン、電磁弁、スチームオーブンレンジ及びジャー炊飯器用の防水パッキン、給水タンクパッキン、吸水バルブ、水受けパッキン、接続ホース、ベルト、保温ヒータ部パッキン、蒸気吹き出し口シールなど燃焼機器用のオイルパッキン、Oリング、ドレインパッキン、加圧チューブ、送風チューブ、送・吸気パッキン、防振ゴム、給油口パッキン、油量計パッキン、送油管、ダイアフラム弁、送気管など、音響機器用のスピーカーガスケット、スピーカーエッジ、ターンテーブルシート、ベルト、プーリー等が挙げられる。建築分野では、構造用ガスケット(ジッパーガスケット)、空気膜構造屋根材、防水材、定形シーリング材、防振材、防音材、セッティングブロック、摺動材等に使用できる。スポ―ツ分野では、スポーツ床として全天候型舗装材、体育館床等、スポーツシューズとして靴底材、中底材等、球技用ボールとしてゴルフボール等に使用できる。防振ゴム分野では、自動車用防振ゴム、鉄道車両用防振ゴム、航空機用防振ゴム、防舷材等に使用できる。海洋・土木分野では、構造用材料として、ゴム伸縮継手、支承、止水板、防水シート、ラバーダム、弾性舗装、防振パット、防護体等、工事副材料としてゴム型枠、ゴムパッカー、ゴムスカート、スポンジマット、モルタルホース、モルタルストレーナ等、工事補助材料としてゴムシート類、エアホース等、安全対策商品としてゴムブイ、消波材等、環境保全商品としてオイルフェンス、シルトフェンス、防汚材、マリンホース、ドレッジングホース、オイルスキマー等に使用できる。その他、板ゴム、マット、フォーム板等にも使用できる。
なかでも、本発明の硬化性組成物は、シーリング材や接着剤として特に有用であり、特に、耐クリープ性、耐候接着性、耐水接着性、低吸水性、低ガス透過性に優れるので、複層ガラス用シーリング材、特に、複層ガラス用二次シール材として有用である。
以下に、本発明の具体的な実施例を比較例と併せて説明するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
下記合成例、実施例および比較例中「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を表す。
下記合成例中、「数平均分子量」および「分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。ただし、合成例1、2、3、7、及び、8のビニル系重合体の場合は、GPCカラムとしてポリスチレン架橋ゲルを充填したもの(shodex GPC K−804;昭和電工製)を用い、GPC溶媒としてクロロホルムを用いた。合成例11〜14の架橋性シリル基を有するポリエーテル系重合体の場合は、送液システムとして東ソー製HLC−8120GPCを用い、カラムは東ソー製TSK−GEL Hタイプを用い、溶媒はTHFを用いて測定した。
本発明におけるビニル系重合体(II)の合成例を以下に示す。
(合成例1)
窒素雰囲気下、250L反応機にCuBr(1.09kg)、アセトニトリル(11.4kg)、アクリル酸n−ブチル(26.0kg)及び2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル(2.28kg)を加え、70〜80℃で30分程度撹拌した。これにペンタメチルジエチレントリアミンを加え、反応を開始した。反応開始30分後から2時間かけて、アクリル酸n−ブチル(104kg)を連続的に追加した。反応途中ペンタメチルジエチレントリアミンを適宜添加し、内温70℃〜90℃となるようにした。反応開始から4時間後、80℃で減圧下、加熱攪拌することにより揮発分を除去した。これにアセトニトリル(45.7kg)、1,7−オクタジエン(14.0kg)、ペンタメチルジエチレントリアミン(439g)を添加して8時間撹拌を続けた。混合物を80℃で減圧下、加熱攪拌して揮発分を除去した。
この濃縮物にトルエンを加え、重合体を溶解させた後、ろ過助剤として珪藻土、吸着剤として珪酸アルミ、ハイドロタルサイトを加え、酸素窒素混合ガス雰囲気下(酸素濃度6%)、内温100℃で加熱攪拌した。混合液中の固形分をろ過で除去し、ろ液を内温100℃で減圧下、加熱攪拌して揮発分を除去した。
更にこの濃縮物に吸着剤として珪酸アルミ、ハイドロタルサイト、熱劣化防止剤を加え、減圧下、加熱攪拌した(平均温度約175℃、減圧度10Torr以下)。
更に吸着剤として珪酸アルミ、ハイドロタルサイトを追加し、酸化防止剤を加え、酸素窒素混合ガス雰囲気下(酸素濃度6%)、内温150℃で加熱攪拌した。
この濃縮物にトルエンを加え、重合体を溶解させた後、混合液中の固形分をろ過で除去し、ろ液を減圧下加熱攪拌して揮発分を除去し、アルケニル基を有する重合体<P1>を得た。
このアルケニル基を有する重合体<P1>、ジメトキシメチルシラン(アルケニル基に対して2.0モル当量)、オルトギ酸メチル(アルケニル基に対して1.0モル当量)、白金触媒[ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒のキシレン溶液:以下白金触媒という](白金として重合体1kgに対して10mg)を混合し、窒素雰囲気下、100℃で加熱攪拌した。アルケニル基が消失したことを確認し、反応混合物を濃縮して末端にジメトキシシリル基を有するポリ(アクリル酸−n−ブチル)重合体[II−1]を得た。得られた重合体[II−1]の数平均分子量は約27000、分子量分布は1.3であった。重合体1分子当たりに導入された平均のシリル基の数を1H NMR分析により求めたところ、約1.8個であった。
(合成例2)
窒素雰囲気下、105℃に加熱したイソブタノール56gをメカニカルスターラーで攪拌しているところに、下記に示すモノマーと重合開始剤をイソブタノールに溶かした溶液を5時間かけて滴下した。その後、同じ重合開始剤0.29gをイソブタノール2.43gに溶かした溶液を30分かけて滴下した。次に、反応溶液を105度のまま2時間攪拌して、ビニル系重合体<P2>のイソブタノール溶液を得た。
モノマー
メタクリル酸メチル:46.5g
アクリル酸ブチル:28.6g
メタクリル酸ステアリル:20.1g
γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン:4.8g
重合開始剤
2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル):2.9g
イソブタノール:26.1g
本発明におけるポリエーテル系重合体(V)の合成例を以下に示す。
(合成例3)
分子量約3,000のポリオキシプロピレントリオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキシドの重合を行い、数平均分子量約26,000(送液システムとして東ソー製HLC−8120GPCを用い、カラムは東ソー製TSK−GEL Hタイプを用い、溶媒はTHFを用いて測定したポリスチレン換算分子量)のポリプロピレンオキシドを得た。続いて、この水酸基末端ポリプロピレンオキシドの水酸基に対して1.2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、更に塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。未反応の塩化アリルを減圧脱揮により除去した。得られた未精製のアリル基末端ポリプロピレンオキシド100重量部に対し、n−ヘキサン300重量部と、水300重量部を混合攪拌した後、遠心分離により水を除去し、得られたヘキサン溶液に更に水300重量部を混合攪拌し、再度遠心分離により水を除去した後、ヘキサンを減圧脱揮により除去した。以上により、末端がアリル基である数平均分子量約26,000の3官能ポリプロピレンオキシドを得た(これを重合体<P3>とする)。
重合体<P3>100重量部に対し、白金ビニルシロキサン錯体の白金含量3wt%のイソプロパノール溶液150ppmを触媒として、メチルジメトキシシラン1.4重量部と90℃で5時間反応させ、メチルジメトキシシリル基末端ポリオキシプロピレン系重合体<V−1>を得た。また、1H−NMR(日本電子製JNM−LA400を用いて、CDCl3溶媒中で測定)を用い、重合体Pのポリプロピレンオキシド主鎖のメチル基(1.2ppm付近)のピーク積分値に対する末端アリル基−CH2−CH=CH2(5.1ppm付近)のピーク積分値の相対値(Sとする)と、ヒドロシリル化反応後のシリル末端ポリプロピレンオキシド<V−1>のポリプロピレンオキシド主鎖のメチル基(1.2ppm付近)のピーク積分値に対する、末端シリル基のシリコン原子に結合したメチレン基−CH2−CH2−CH2−Si(CH3)(OCH32(0.6ppm付近)のピーク積分値の相対値(S’とする)を求め、シリル基導入率(S’/S)を調べると、末端のメチルジメトキシシリル基は1分子あたり平均して2.3個であった。
次に、合成例2で得られたビニル系重合体<P2>のイソブタノール溶液と合成例3で得られたポリエーテル系重合体<V−1>とを、固形分重量比が3対7になるように混合し、溶媒を減圧下に留去して、ポリエーテル系重合体(V)を含有するビニル系重合体(II−2)を得た。
(実施例1〜5、比較例1〜3)
表1に示す処方に従い、重合体、可塑剤、充填剤、チクソ性付与剤、各種安定剤、脱水剤、シランカップリング剤、ベンゾフェノン系化合物などをそれぞれ量り取り、プラネタリーミキサーを用いて120度で減圧脱水下によく混練して主剤組成物を得た。
次に、表1に示す処方に従い、ネオスタンU−50、バーサチック10、N,N−ジエチルアミノプロピルアミンをそれぞれ量り取り、手混ぜで十分に攪拌して硬化剤組成物を得た。次に、使用直前に上記の主剤組成物と硬化剤組成物を表1に示す混合比なるようにそれぞれ量り取り、均一に混合して、硬化性組成物を得、後に示す評価を行った。
(実施例6〜7、比較例4〜24)
表2に示す処方に従い、重合体、充填剤、可塑剤、チクソ性付与剤、各種安定剤、脱水剤、シランカップリング剤、耐候安定化剤、硬化触媒、その他の配合剤をそれぞれ量り取り、プラネタリーミキサーを用いて120度で減圧脱水下によく混練して1液型硬化性組成物を得た。得られた1液型硬化性組成物を用い、後に示す評価を行った。
(実施例8〜17、比較例25〜28)
表3に示す処方に従い、重合体、可塑剤、充填剤、チクソ性付与剤、各種安定剤、脱水剤、シランカップリング剤、ベンゾフェノン系化合物などをそれぞれ量り取り、プラネタリーミキサーを用いて脱水下によく混練して主剤組成物を得た。
次に、表3に示す処方に従い、ネオスタンU−50、バーサチック10、N,N−ジエチルアミノプロピルアミンをそれぞれ量り取り、手混ぜで十分に攪拌して硬化剤組成物を得、これを実施例8〜15の硬化剤として使用した。また、実施例16ではネオスタンU−220Hを、実施例17ではTyzor PITAを硬化剤として使用した。
次に、使用直前に上記の主剤組成物と硬化剤組成物を表3に示す混合比なるようにそれぞれ量り取り、均一に混合して、硬化性組成物を得、後に示す評価を行った。
なお、架橋性シリル基を有するビニル系重合体(I)及び架橋性シリル基を有するポリエーテル系重合体(II)以外の各種配合剤は、表1〜3にそれぞれ示す各メーカーから入手したものを使用した。
(耐候接着性)
表1〜3の各組成物を、ガラス被着体に長さ50mm、幅10mm、厚さ3mmとなるように打設し、サンプルを作製した。作製したサンプルを23℃/50%RH下で7日間養生させて硬化させた後、耐候性試験を行い、90度ハンドピール試験により、接着性の評価を行った。
耐候性試験は、アトラス社製UV2000(試験光源:UV蛍光ランプ(UV−A)、ブラックパネル温度:60℃)にサンプルを入れ、表1〜3に示す一定時間暴露させた。一定時間暴露後、サンプルを取り出し、耐候接着性を評価した。なお、表中のCFは凝集破壊を示し、TCFは薄層破壊を示し、AFは界面破壊を示す。結果を表1〜3に示す。
Figure 2011190394
Figure 2011190394
Figure 2011190394
以上のように、本発明の硬化性組成物は透明被着体に対する接着耐久性に優れることがわかる。

Claims (21)

  1. 目地を形成する部材のうち少なくとも1つが光を透過させる部材(I)からなる目地と、当該目地に充填された硬化性組成物の硬化物(A)からなる構造体であって、
    目地に充填された硬化性組成物の硬化物(A)が
    架橋性官能基を平均して少なくとも一個有するビニル系重合体(II)
    硬化触媒(III)
    および、
    ベンゾフェノン化合物(ジフェニルケトン化合物とも言う)であって、2位および2’位にヒドロキシ基を有しないベンゾフェノン化合物(IV)
    を含有することを特徴とする硬化性組成物の硬化物である、構造体。
  2. 光を透過させる部材(I)がガラスである請求項1に記載の構造体。
  3. 主鎖が、(メタ)アクリル系モノマー、アクリロニトリル系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、フッ素含有ビニル系モノマー及びケイ素含有ビニル系モノマーからなる群から選ばれるモノマーを主として重合して製造されるものであるビニル系重合体(II)を含有する、請求項1〜2のいずれか1項に記載の構造体。
  4. 主鎖が、(メタ)アクリル系重合体であるビニル系重合体(II)を含有する、請求項3に記載の構造体。
  5. 主鎖が、アクリル系重合体であるビニル系重合体(II)を含有する、請求項4に記載の構造体。
  6. 主鎖が、アクリル酸エステル系重合体であるビニル系重合体(II)を含有する、請求項5に記載の構造体。
  7. ビニル系重合体(II)の架橋性官能基が架橋性シリル基であって、一般式(1)で表される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の構造体。
    −[Si(R12-b(Y)bO]m−Si(R23-a(Y)a(1)
    (式中、R1およびR2は、同一若しくは異なって、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R′)3SiO−で表されるトリオルガノシロキシ基を示す(式中、R′は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示す。複数のR′は同一であってもよく又は異なっていてもよい)。R1またはR2がそれぞれ2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示す。Yが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0、1、2または3を示す。bは0、1、または2を示す。mは0〜19の整数を示す。ただし、a+mb≧1であることを満足する。)
  8. 分子量分布が1.8未満であるビニル系重合体(II)を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の構造体。
  9. ビニル系重合体(II)の主鎖がリビングラジカル重合法により製造されたものである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の構造体。
  10. ビニル系重合体(II)の主鎖が原子移動ラジカル重合法により製造されたものである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の構造体。
  11. ビニル系重合体(II)の架橋性シリル基が分子鎖末端にある、請求項1〜10のいずれか1項に記載の構造体。
  12. ビニル系重合体(II)が、架橋性シリル基を1分子あたり平均して1.1個以上4.0個以下有するビニル系重合体である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の構造体。
  13. ビニル系重合体(II)の数平均分子量が、10,000以上40,000以下である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の構造体。
  14. 架橋性官能基を平均して少なくとも一個有するビニル系重合体(II)
    硬化触媒(III)
    および、
    ベンゾフェノン系化合物(IV)
    を含有する硬化性組成物の硬化物(A)が(V)成分として、さらに一般式(1)で表される架橋性シリル基を平均して少なくとも一個有するポリエーテル系重合体(V)を含有する硬化性組成物の硬化物からなることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の構造体。
  15. 硬化性組成物の硬化物(A)に含有されるビニル系重合体(II)とポリエーテル系重合体(V)の総重量に占めるビニル系重合体(II)の割合が1〜100重量%であることを特徴とする含有する硬化性組成物の硬化物(A)を含有してなる、請求項14に記載の構造体。
  16. 硬化性組成物の硬化物(A)に含有されるビニル系重合体(II)とポリエーテル系重合体(V)の総重量に占めるビニル系重合体(II)の割合が30〜100重量%であることを特徴とする含有する硬化性組成物の硬化物(A)を含有してなる、請求項14〜15のいずれか1項に記載の構造体。
  17. ポリエーテル系重合体(V)の主鎖が、本質的にポリプロピレンオキシドである、請求項14〜16のいずれか1項に記載の構造体。
  18. ポリエーテル系重合体(V)の架橋性官能基が、架橋性シリル基であり、1分子あたり平均して1.1個以上4.0個以下有するポリエーテル系重合体である、請求項14〜17のいずれか1項に記載の構造体。
  19. ポリエーテル系重合体(V)の数平均分子量が、3,000以上50,000以下である、請求項14〜18のいずれか1項に記載の構造体。
  20. ビニル系重合体(II)とポリエーテル系重合体(V)の総量100重量部に対して、前記ベンゾフェノン化合物(IV)を0.001重量部〜20重量部含有することを特徴とする硬化性組成物の硬化物(A)からなる、請求項14〜19のいずれか1項に記載の構造体。
  21. 架橋性官能基を平均して少なくとも一個有するビニル系重合体(II)
    硬化触媒(III)
    および、
    ベンゾフェノン化合物(ジフェニルケトン化合物とも言う)であって、2位および2’位にヒドロキシ基を有しないベンゾフェノン化合物(IV)
    を含有することを特徴とする硬化性組成物。
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