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JP2011155141A - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ及びその製造方法 Download PDF

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JP2011155141A
JP2011155141A JP2010015672A JP2010015672A JP2011155141A JP 2011155141 A JP2011155141 A JP 2011155141A JP 2010015672 A JP2010015672 A JP 2010015672A JP 2010015672 A JP2010015672 A JP 2010015672A JP 2011155141 A JP2011155141 A JP 2011155141A
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JP2010015672A
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Taeko Ota
妙子 太田
Manabu Harada
学 原田
Kenji Sano
健志 佐野
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

【課題】静電容量が高く、かつESRが小さい固体電解コンデンサを得る。
【解決手段】弁作用金属またはその合金から構成される陽極1と、陽極1の表面上に設けられる誘電体層2と、ホスホン酸基と導電性高分子モノマーがアルキル基を介して結合したカップリング剤から構成され、誘電体層の上に設けられる第1のカップリング剤層3と、第1のカップリング剤層3の上に設けられる第1の導電性高分子層4と、第1の導電性高分子層4の上方に設けられる陰極層11とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体電解質として導電性高分子層を用いる固体電解コンデンサ及びその製造方法に関するものである。
近年、電子機器の小型化及び軽量化に伴って、小型でかつ大容量の高周波用コンデンサが求められており、このようなコンデンサとして、タンタル、ニオブ、チタンまたはアルミニウムなどの弁作用金属の焼結体で形成された陽極の表面を酸化して、誘電体層を形成し、この誘電体層の上に固体電解質層を設けた固体電解コンデンサが提案されている。固体電解質層としては、導電性高分子を用いることにより、等価直列抵抗(ESR)の低減が図られている。
しかしながら、無機物から形成される誘電体層と、有機物から形成される導電性高分子層との間で密着性が低下すると、ESRが増大するという課題を生じる。
特許文献1〜3においては、陽極の表面に誘電体層を形成した後、シランカップリング剤により誘電体層の表面を処理し、導電性高分子層を形成することが提案されている。
また、特許文献4においては、誘電体層の表面上に、シランカップリング剤による処理と導電性高分子層の形成とを繰り返して行うことが提案されている。
また、特許文献5においては、誘電体層の上に第1の導電性高分子層を部分的に形成した後、第1の導電性高分子層が形成されていない誘電体層の上にシランカップリング剤処理層を形成し、次に第1の導電性高分子層とシランカップリング剤処理層の上に第2の導電性高分子層を形成することが提案されている。
特許文献1〜5で用いられるシランカップリング剤は、無機材料である誘電体層と結合するカップリング基と、有機材料である導電性高分子との濡れ性が良い疎水性基を有した分子構造を有している。しかしながら、表面処理剤であるシランカップリング剤と固体電解質である導電性高分子間の密着性は、改善されるものの十分ではなかった。
そこで、特許文献6においては、疎水性基の末端に導電性高分子モノマーの構造を結合させた表面処理剤を用いて、密着性を改善させることが提案されている。
しかしながら、上記の表面処理剤を用いても、ESRの低減は十分ではなかった。
特開平2−74021号公報 特開平4−73924号公報 特開平8−293436号公報 特開平11−329900号公報 特開2006−140443号公報 特開2009−32895号公報
本発明の目的は、静電容量が高く、かつESRが小さい固体電解コンデンサ及びその製造方法を提供することにある。
本発明の第1の局面に従う固体電解コンデンサは、弁作用金属またはその合金から構成される陽極と、陽極の表面上に設けられる誘電体層と、ホスホン酸基と導電性高分子モノマーがアルキル基を介して結合したカップリング剤から構成され、誘電体層の上に設けられる第1のカップリング剤層と、前記第1のカップリング剤層の上に設けられる第1の導電性高分子層と、第1の導電性高分子層の上方に設けられる陰極層とを備えることを特徴としている。
本発明の第2の局面に従う固体電解コンデンサは、上記本発明の第1の局面において、上記カップリング剤から形成され、第1の導電性高分子層の上に設けられる第2のカップリング剤層と、第2のカップリング剤層の上に設けられる第2の導電性高分子層とをさらに備え、陰極層が、第2の導電性高分子層の上方に設けられることを特徴としている。
本発明の第3の局面に従う固体電解コンデンサは、弁作用金属またはその合金から構成される陽極と、陽極の表面上に設けられる誘電体層と、誘電体層上に設けられる第1の導電性高分子層と、ホスホン酸基と導電性高分子モノマーがアルキル基を介して結合したカップリング剤から構成され、第1の導電性高分子層の上に設けられるカップリング剤層と、カップリング剤層の上に設けられる第2の導電性高分子層と、第2の導電性高分子層の上方に設けられる陰極層とを備えることを特徴としている。
本発明において用いるカップリング剤は、ホスホン酸基と導電性高分子モノマーがアルキル基を介して結合したカップリング剤である。このようなカップリング剤としては、以下の一般式で表されるものが挙げられる。
Figure 2011155141
(式中、nは、炭素数1〜18の整数を示す。xは、窒素または硫黄を表す。)
上記カップリング剤においては、導電性高分子モノマーを形成する複素環の1位以外の位置で、アルキル基と導電性高分子モノマーが結合していることが好ましい。
本発明の第4の局面に従う製造方法は、上記本発明の第1の局面に従う固体電解コンデンサを製造することができる方法であり、陽極を形成する工程と、陽極の表面上に誘電体層を形成する工程と、誘電体層の上に第1のカップリング剤層を形成する工程と、第1のカップリング剤層の上に第1の導電性高分子層を形成する工程と、第1の導電性高分子層の上方に陰極層を形成する工程とを備えることを特徴としている。
本発明の第5の局面に従う製造方法は、上記本発明の第2の局面に従う固体電解コンデンサを製造することができる方法であり、本発明の第4の局面に従う製造方法において、第1の導電性高分子層の上に第2のカップリング剤層を形成する工程と、第2のカップリング剤層の上に第2の導電性高分子層を形成する工程と、第2の導電性高分子層の上方に陰極層を形成する工程とをさらに備えることを特徴としている。
本発明の第6の局面に従う製造方法は、上記本発明の第3の局面に従う固体電解コンデンサを製造することができる方法であり、陽極を形成する工程と、陽極の表面上に誘電体層を形成する工程と、誘電体層の上に第1の導電性高分子層を形成する工程と、第1の導電性高分子層の上にカップリング剤層を形成する工程と、カップリング剤層の上に第2の導電性高分子層を形成する工程と、第2の導電性高分子層の上方に陰極層を形成する工程とを備えることを特徴としている。
本発明の第1の局面、第2の局面及び第3の局面によれば、静電容量が高く、かつESRが小さい固体電解コンデンサとすることができる。
本発明の第4の局面、第5の局面及び第6の局面に従う製造方法によれば、静電容量が高く、かつESRが小さい固体電解コンデンサを効率良く製造することができる。
本発明の第1の局面に従う実施形態の固体電解コンデンサを示す模式的断面図。 図1に示す固体電解コンデンサの陽極、誘電体層、第1のカップリング剤層、第1の導電性高分子層、及び陰極層を拡大して示す模式的断面図。 本発明の第3の局面に従う実施形態の固体電解コンデンサを示す模式的断面図。 本発明の第2の局面に従う実施形態の固体電解コンデンサを示す模式的断面図。 本発明の第2の局面に従う他の実施形態の固体電解コンデンサを示す模式的断面図。 比較例の固体電解コンデンサを示す模式的断面図。 本発明の第1の局面に従う実施形態における誘電体層、カップリング剤層、及び導電性高分子層の結合状態を示す模式図。 本発明の第2の局面及び第3の局面に従う実施形態における第1の導電性高分子層、第1のカップリング剤層、及び第2の導電性高分子層の結合状態を示す模式図。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
<本発明の第1の局面>
本発明の第1の局面においては、誘電体層の上に、第1のカップリング剤層を設け、第1のカップリング剤層の上に第1の導電性高分子層を設け、第1の導電性高分子層の上方に陰極層を設けている。
本発明においては、ホスホン酸基と導電性高分子モノマーがアルキル基を介して結合したカップリング剤を用いて、カップリング剤層を形成している。ホスホン酸基を有するカップリング基は、誘電体層の酸化被膜と直接反応するため、誘電体層への反応量をシランカップリング剤を用いた場合に比べ多くすることができる。反応量を増加させることにより、カップリング剤層の誘電体層への被覆率を増加させることができる。このため、カップリング剤層の表面には、カップリング剤に結合した導電性高分子モノマーを多く存在させることができ、固体電解質である第1の導電性高分子層を形成するときに用いる導電性高分子モノマーとの反応部位を増やすことができ、第1の導電性高分子層の被覆率を増加させることができる。
また、カップリング剤に結合している導電性高分子モノマーと、第1の導電性高分子層を形成するときに用いる導電性高分子モノマーとの反応により、誘電体層から第1の導電性高分子層までを、カップリング剤層を介して共有結合で一体化した構造とすることができる。このため、誘電体層と第1の導電性高分子層の密着性をより強固にすることができる。このため、固体電解コンデンサの電極面積を広くすることができ、静電容量を高くすることができる。
また、カップリング剤層が誘電体層の表面を均一に覆うことにより、カップリング剤層のアルキル部位が誘電体層と第1の導電性高分子層との間で絶縁膜として機能するため、誘電体層の欠陥に起因する漏れ電流を低減することができる。
また、誘電体層と第1のカップリング剤層、及び第1のカップリング剤層と第1の導電性高分子層の間を共有結合で結合することができるので、界面の密着性が向上し、接触抵抗を低減することができ、ESRを低減することができる。
シランカップリング剤の反応は、水により加水分解されて、シラノール(Si−OR→Si−OH)となり、部分的に縮合してオリゴマー状態となる。これに続いて、無機質表面の水酸基に吸着し、無機材料を加熱することで脱水縮合反応して強固な化学結合となる。この反応では、水により加水分解反応が開始するため、大気中や溶媒中の水分が含まれない雰囲気で作業するか、シランカップリング剤溶液を調製した後すぐに使用する必要がある。これに対して、ホスホン酸基を有する本発明のカップリング剤は、はじめから水酸基を有した構造(P−OH)であるため、シランカップリング剤のような加水分解反応を必要としない。このため、大気中や溶媒中の水分の影響を受けない。従って、ホスホン酸基を有するカップリング剤は、保存安定性に優れており、本発明によれば、品質の安定した固体電解コンデンサを製造することができる。
また、本発明におけるカップリング剤は、ホスホン酸基が導電性高分子層の導電性高分子化合物中に取り込まれ、これによって導電性高分子層のドーパントとして機能させることもできる。従って、導電性高分子層の導電性を高めることができ、この点からもESRを低減することができる。
本発明の第1の局面においては、ホスホン酸基と導電性高分子モノマーがアルキル基を介して結合したカップリング剤を用いて、誘電体層の上に第1のカップリング剤層を形成し、この第1のカップリング剤層の上に第1の導電性高分子層を形成している。このため、第1のカップリング剤層による誘電体層の被覆率を高め、また誘電体層と第1の導電性高分子層が第1のカップリング剤層を介して共有結合で結合するため、密着性を高めることができる。このため、静電容量が高く、かつESRが小さい固体電解コンデンサとすることができる。
本発明の第1の局面においては、第1の導電性高分子層の上方に、陰極層が設けられる。従って、第1の導電性高分子層の上に陰極層が直接設けられてもよいし、他の層を介して第1の導電性高分子層の上に陰極層が設けられてもよい。従って、例えば、第1の導電性高分子層の上に第2の導電性高分子層を設け、第2の導電性高分子層の上に陰極層が設けられてもよい。
<本発明の第2の局面>
本発明の第2の局面は、本発明の第1の局面において、さらに、第1の導電性高分子層の上に設けられる第2のカップリング剤層と、第2のカップリング剤層の上に設けられる第2の導電性高分子層とを備え、陰極層が第2の導電性高分子層の上方に設けられている。
従って、本発明の第2の局面においては、上述の本発明の第1の局面における作用効果を発揮するとともに、以下のような作用効果を発揮する。
本発明の第2の局面においては、第1の導電性高分子層、第2のカップリング剤層、及び第2の導電性高分子層を順次形成しているので、第2のカップリング剤層により、第1の導電性高分子層の導電率を高めることができる。また、第2のカップリング剤層を介して第1の導電性高分子層と第2の導電性高分子層の間の密着性をさらに高めることができる。このため、ESRをさらに低減することができる。
また、第1の導電性高分子層を形成する際の重合反応やプロセスによって、誘電体層に欠陥が生成した場合、この欠陥部分の上にカップリング剤層が形成されるため、漏れ電流を小さくすることができる。
また、本発明の第2の局面においては、第2の導電性高分子層の上に第3の導電性高分子層を形成し、第3の導電性高分子層の上方に陰極層を形成してもよい。また、この場合、第2の導電性高分子層と第3の導電性高分子層の間に第3のカップリング剤層を設けてもよい。この第3のカップリング剤層の一部も、第2の導電性高分子層にドーパントとして取り込まれるので、第2の導電性高分子層の導電性を向上させることができるとともに、第3のカップリング剤層を介して第2の導電性高分子層と第3の導電性高分子層の密着性を向上させることができる。このため、ESRをさらに低減させることができる。
<本発明の第3の局面>
本発明の第3の局面においては、誘電体層の上に、第1の導電性高分子層を設け、第1の導電性高分子層の上にカップリング剤層を設け、カップリング剤層の上に第2の導電性高分子層を設け、第2の導電性高分子層の上方に陰極層を設けている。
従って、上述の本発明の第2の局面と同様に、第1の導電性高分子層、カップリング剤層、及び第2の導電性高分子層を順次形成しているので、カップリング剤層により第1の導電性高分子層の導電率を高めることができる。また、カップリング剤層を介することにより、第1の導電性高分子層と第2の導電性高分子層の間の密着性をさらに高めることができる。このため、ESRをさらに低減することができる。
また、第1の導電性高分子層を形成する際の重合反応やプロセスによって、誘電体層に欠陥が生成した場合、この欠陥部分の上にカップリング剤層が形成されるため、漏れ電流を小さくすることができる。
第3の局面においても、第2の局面と同様に、第2の導電性高分子層の上に第3の導電性高分子層を形成し、第3の導電性高分子層の上方に陰極層を形成してもよい。また、この場合、第2の導電性高分子層と第3の導電性高分子層の間に第2のカップリング剤層を設けてもよい。この第2のカップリング剤層の一部も、第2の導電性高分子層にドーパントとして取り込まれるので、第2の導電性高分子層の導電性を向上させることができるとともに、第2のカップリング剤層を介して第2の導電性高分子層と第3の導電性高分子層の密着性を向上させることができる。このため、ESRをさらに低減させることができる。
<カップリング剤>
本発明において用いるカップリング剤は、ホスホン酸基と導電性高分子モノマーがアルキル基を介して結合したカップリング剤であり、具体的には、上記の一般式で表されるカップリング剤が挙げられる。
上述のように、カップリング剤において、導電性モノマーを形成する複素環の1位以外の位置で、アルキル基と導電性高分子が結合しているカップリング剤が好ましく用いられる。導電性モノマーを形成する複素環の1位でアルキル基と導電性高分子モノマーが結合していると、重合後、導電性高分子に対しドーパントがドーピングされにくくなる。このため、導電性高分子モノマーを形成する複素環の1位以外の位置で、アルキル基と結合することにより、ドーピングが容易になり導電性高分子層の導電率を向上させることができ、ESRをさらに低減させることができる。
導電性高分子モノマーを形成する複素環の2位または5位にアルキル基が置換したカップリング剤として、以下の一般式で表されるカップリング剤が挙げられる。
Figure 2011155141
(式中、nは、炭素数1〜18の整数を示す。xは、窒素または硫黄を表す。)
導電性高分子モノマーを形成する複素環の2位または5位にアルキル基が結合したカップリング剤を用いることにより、導電性高分子層の導電性高分子を重合させた際、導電性高分子層の導電性高分子モノマーは主に2位と5位とが結合して重合する。このため、複素環の2位または5位でアルキル基と結合したカップリング剤を用いることにより、導電性高分子層における高分子鎖の成長方向が誘電体層に対して垂直方向にすることができる。このため、カップリング剤における導電性高分子モノマーとその上に形成される導電性高分子層の高分子の間の共有結合による密着性がさらに向上し、ESRをさらに低減することができる。また、垂直方向に高分子鎖が成長するため、陰極方向に電子が高分子鎖を伝わって流れるため、ESRをさらに低減することができる。
導電性高分子モノマーを形成する複素環がチオフェン環であり、チオフェン環の2位または5位にアルキル基が結合したカップリング剤として、以下の一般式で表されるカップリング剤が挙げられる。
なお、以下の一般式の全てにおいて、nは、炭素数1〜18の整数である。
Figure 2011155141
また、チオフェン環の3位または4位にアルキル基が結合したカップリング剤としては、以下の一般式で表されるカップリング剤が挙げられる。
Figure 2011155141
なお、高分子モノマーを形成する複素環がピロール環であり、ピロール環の2位または5位にアルキル基が結合したカップリング剤としては、以下の一般式で表されるカップリング剤が挙げられる。
Figure 2011155141
また、導電性高分子モノマーを形成する複素環がピロール環であり、ピロール環の3位または4位にアルキル基が結合したカップリング剤としては、以下の一般式で表されるカップリング剤が挙げられる。
Figure 2011155141
カップリング剤層の形成は、カップリング剤溶液への浸漬、カップリング剤溶液中での電気化学処理、カップリング剤蒸気を暴露させることによる処理等の方法で行うことができる。
<導電性高分子層の導電性高分子>
本発明における導電性高分子を形成する導電性高分子モノマーとしては、ピロール、チオフェン、アニリン及びこれらの誘導体が挙げられる。本発明における導電性高分子層は、化学的酸化重合または電気化学的電解重合などにより形成することができる。
<実施例>
以下、本発明に従う具体的な実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(合成例1)
チオフェン(純度99質量%)5.05g(60mmol)を200mlのテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、−70℃に冷却した後、マグネットスターラーで攪拌しながら、n−ブチルリチウム(n−BuLi)1.6M(モル/リットル)のヘキサン溶液41ml(65.6mmol、1.09当量)をシリンジを用いて滴下した。−50℃まで徐々に温度を上昇させた後、1,4−ジブロモブタン12.96gを50mlのTHFに希釈した溶液を、シリンジを用いて滴下した。−50℃で30分間攪拌を行った後、攪拌しながら室温まで徐々に温度を上げ、10時間反応させた。純水50mlを加えて反応を終了させた後、分液ロートに移し、さらに100mlの純水を加えて反応液を洗浄し、油層に反応物を抽出した。ロータリーエバポレータを用いて濃縮した後、ヘキサンを抽出液とし、シリカゲルカラムを用いた分離精製を行った。生成物(2−(4−ブロモブチルチオフェン))の収量は、6.57g(30mmol、収率50%)であった。
次にこの生成物にトリエチルフォスファイト5.0g(30mmol)を攪拌しながら加え、室温から徐々に140℃まで温度を上昇させ、140℃で3時間反応を行った。室温まで冷却した後、溶媒を除去後、シリカゲルカラム精製を行い、エチルフォスファイト化合物を5.8g(21mmol、(2−(4−ブロモブチルチオフェン))からの収率70%)を得た。これにブロモトリメチルシランと塩化メチレンを加え5℃にて4時間反応させた。反応液の溶媒を除去後、トルエン、水を加え、一晩攪拌した。反応液を濃縮後、濃縮物にトルエンを加え洗浄を行い、乾燥後、目的物(4−チエニルブチルホスホン酸(TC4PHO)4.1g(18.9mmol、総合収率31.5%)を得た。
本合成例における反応の反応式は、以下のとおりである。
Figure 2011155141
(合成例2)
合成例1において、1,4−ジブロモブタンに代えて、1,8−ジブロモオクタンを用いて同様にして合成を行い、4−チエニルオクチルホスホン酸(TC8PHO)を得た。
(合成例3)
合成例1において、1,4−ジブロモブタンに代えて、1,12−ジブロドデカンを用いて同様にして合成を行い、4−チエニルドデシホスホン酸(TC12PHO)を得た。
(実施例1)
本実施例は、本発明の第1の局面に従う実施例である。
図1は、本実施例の固体電解コンデンサを示す模式的断面図である。略直方体形状を有する陽極1には、陽極リード12の一部が埋め込まれている。陽極1の表面には、誘電体層2が形成されている。陽極1は、弁作用金属またはその合金からなる粉末を焼結した多孔質体から形成されている。弁作用金属としては、例えば、タンタル、ニオブ、チタン、アルミニウム、ハウフニウム、ジルコニウム等が挙げられる。弁作用金属の合金としては、これらの弁作用金属を50原子%以上含む合金が挙げられる。なお、具体的には、多孔質体の陽極1は、多数の粉末を互いに間隔を空けて焼結することにより、成形されたものであり、陽極1を構成する粉末の表面に、誘電体層2が形成されている。誘電体層2は、陽極1の表面をリン酸水溶液などを用いて陽極酸化することにより形成することができる。
誘電体層2の表面を、ホスホン酸基を有するカップリング剤で表面処理することにより、第1のカップリング剤層3が形成されている。第1のカップリング剤層3の上には、第1の導電性高分子層4が形成されている。第1の導電性高分子層4も、陽極1の内部の第1のカップリング剤層3の上に形成されている。本実施例において、第1の導電性高分子層4は、化学的酸化重合により形成されている。第1の導電性高分子層4の上には、第2の導電性高分子層5が形成されている。第2の導電性高分子層5は、陽極1を構成する粉末の隙間を埋めるように形成されている。第2の導電性高分子層5は、本実施例において、電気化学的電解重合により形成されている。
陽極1の外周部の第2の導電性高分子層5の上には、カーボン層9が形成されている。カーボン層9は、カーボンペーストを塗布し乾燥することにより形成されている。カーボン層9の上には、銀層10が形成されている。銀層10は、銀ペーストを塗布し、乾燥することにより形成されている。カーボン層9と銀層10から陰極層11が形成されている。
図2は、本実施例における陽極1の内部を拡大して示す模式的断面図である。図2に示すように、陽極1は、多孔質体であり、多孔質体の内部の表面上にも誘電体層2が形成されており、この誘電体層2の上に、第1のカップリング剤層3が形成され、第1のカップリング剤層3の上に第1の導電性高分子層4が形成されている。第1のカップリング剤層3及び第1の導電性高分子層4は、陽極1である多孔質体の内部にも形成されている。第2の導電性高分子層5は、第1の導電性高分子層4の上に形成されている。第2の導電性高分子層5は、陽極1である多孔質体の内部に形成されていてもよい。
上述のように、陽極1の外周部の第2の導電性高分子層5の上には、カーボン層9及び銀層10が形成されている。
以上のようにしてコンデンサ素子が形成される。コンデンサ素子に、陽極端子及び陰極端子を接続し、陽極端子及び陰極端子の端部が露出するように樹脂外装体をモールド成形し、固体電解コンデンサが作製される。陰極端子は銀層10に導電性接着層を介して接続され、陽極端子は陽極リード12に溶接などにより接続される。
本実施例の固体電解コンデンサは、より具体的には、以下のようにして作製した。陽極1は、2.3mm×1.8mm×1.0mmの直方体の形状を有しており、側面(2.3mm×1.0mm)に陽極リード12が埋設されている。陽極1及び陽極リード12は、タンタル(Ta)から形成されており、陽極1は、タンタルの粉末を焼結した多孔質体から形成されている。陽極1を、65℃のリン酸水溶液中で定電圧10Vを印加して10時間電解酸化(陽極酸化)することにより、陽極1の表面に誘電体層2を形成した。
次に、誘電体層2を形成した陽極1を、ホスホン酸基を有するカップリング剤である4−チエニルブチルホスホン酸(以下、TC4PHOと称する)を0.5mM(ミリモル/リットル)の濃度で含む25℃のイソプロピルアルコール溶液中に1時間浸漬した後取り出し、イソプロピルアルコールで洗浄し、その後60℃で10分間乾燥した。これにより、誘電体層2の上に、第1のカップリング剤層3を形成した。第1のカップリング剤層3の膜厚は、約1nmであった。
次に、ピロール3.0M(モル/リットル)を含むエタノール溶液に5分間浸漬し、次にパラトルエンホスホン酸第二鉄を40質量%含むn−ブタノール溶液に、25℃で1分間浸漬して、第1のカップリング剤層3の上に、第1の導電性高分子層4を形成した。次に、ピロール0.2M及びアルキルナフタレンスルホン酸0.2Mを含む25℃の水溶液中に、第1の導電性高分子層4を形成した陽極1を浸漬し、第1の導電性高分子層4をアノードとして、0.5mAの電流を3時間通電することにより、第2の導電性高分子層5を形成した。
次に、陽極1の外周部の第2の導電性高分子層5の上に、カーボンペーストを塗布した後乾燥し、カーボン層9を形成した。カーボン層9の上に、銀ペーストを塗布して乾燥し、銀層10を形成した。さらに、陽極リード12に陽極端子を溶接し、銀層10の上に導電性接着層を介して陰極端子を接続し、エポキシ樹脂でトランスファー成形により陽極端子及び陰極端子の端部が露出するようにコンデンサ素子を被覆して、固体電解コンデンサAを作製した。
図7は、本実施例における誘電体層2、第1のカップリング剤層3、及び第1の導電性高分子層4における結合状態を示す模式図である。図7に示すように、第1のカップリング剤層3におけるカップリング剤のホスホン酸基は、誘電体層2に結合している。また、第1のカップリング剤層3におけるカップリング剤の導電性高分子モノマーであるチオフェン環は、第1の導電性高分子層4の導電性高分子と結合している。このように、第1の導電性高分子層4は、第1のカップリング剤層3を介して誘電体層2と結合しているため、界面の密着性が向上し、ESRを低減することができる。
また、誘電体層2と、第1の導電性高分子層4が、第1のカップリング剤層3を介して共有結合で結合しているため、密着性が高く、固体電解コンデンサの電極面積を高めることができるので、静電容量を高めることができる。
(実施例2)
本実施例の固体電解コンデンサは、実施例1において、第1のカップリング剤層に用いるホスホン酸基を有するカップリング剤として、4−チエニルオクチルホスホン酸(以下、TC8PHOと称する)を用いた以外は、実施例1と同様に固体電解コンデンサBを作製した。
(実施例3)
本実施例の固体電解コンデンサは、実施例1において、第1のカップリング剤層に用いるホスホン酸基を有するカップリング剤として、4−チエニルドデシルホスホン酸(以下、TC12PHOと称する)を用いた以外は、実施例1と同様に固体電解コンデンサCを作製した。
(実施例4)
本実施例は、本発明の第3の局面に従う実施例である。
図3は、本実施例の固体電解コンデンサを示す模式的断面図である。図3に示すように、本実施例の固体電解コンデンサにおいては、陽極1に誘電体層2を形成した後、第1の導電性高分子層4を形成し、第1の導電性高分子層4の上に、第2のカップリング剤層8を形成している。第1の導電性高分子層は、ピロール3.0M(モル/リットル)を含むエタノール溶液に5分間浸漬し、次に過硫酸アンモニウム0.1M及びアルキルナフタレンスルホン酸0.1Mを含む水溶液に25℃で5分間浸漬して、誘電体層2の上に、第1の導電性高分子層4を形成した。次に、ホスホン酸基を有するカップリング剤である4−チエニルブチルホスホン酸(以下、TC4PHOと称する)を0.5mM(ミリモル/リットル)の濃度で含む25℃のイソプロピルアルコール溶液中に1時間浸漬した後取り出し、イソプロピルアルコールで洗浄し、その後60℃で10分間乾燥した。これにより、第1の導電性高分子層4の上に、第2のカップリング剤層8を形成した。第2のカップリング剤層8を形成した後、実施例1と同様にして、第2の導電性高分子層5を形成している。第2の導電性高分子層5を形成した後、実施例1と同様にして、陰極層11を形成し、陽極端子及び陰極端子を接続して、樹脂外装体を形成し、固体電解コンデンサDを作製した。
図8は、本実施例における第1の導電性高分子層4、第2のカップリング剤層8、及び第2の導電性高分子層5における結合状態を示す模式図である。図8に示すように、第2のカップリング剤層8におけるカップリング剤のホスホン酸基は、第1の導電性高分子層4における導電性高分子中のピロール基のNと結合している。また、第2のカップリング剤層8における導電性高分子モノマーを構成するチオフェン環には、第2の導電性高分子層5における導電性高分子が共有結合している。図8に示すように、本実施例においては、カップリング剤のチオフェン環の2位または5位の位置で、第2の導電性高分子層の導電性高分子が結合している。
従って、第1の導電性高分子層4と第2の導電性高分子層5の間を、第2のカップリング剤層8のカップリング剤が結合しているため、第1の導電性高分子層4と第2の導電性高分子層5の密着性を向上し、ESRをさらに低減することができる。
(実施例5)
本実施例は、本発明の第2の局面に従う実施例である。
図4は、本実施例の固体電解コンデンサを示す模式的断面図である。図4に示すように、本実施例の固体電解コンデンサにおいては、陽極1に誘電体層2を形成した後、第1のカップリング剤層3、第1の導電性高分子層4を形成した後、第2のカップリング剤層8を形成している。誘電体層2を形成した後、実施例1と同様に、TC4PHOを0.5mM含む25℃のイソプロピルアルコール溶液中に1時間浸漬した後、イソプロピルアルコールで洗浄し、その後60℃で10分間乾燥させることにより、第1のカップリング剤層3を形成した。第1のカップリング剤層3を形成した後、実施例1と同様にして、第1の導電性高分子層4を形成した。第1の導電性高分子層4を形成した後、実施例4と同様にして、第2のカップリング剤層8を形成した。第2のカップリング剤層8を形成した後、実施例1と同様にして、第2の導電性高分子層5を形成した。第2の導電性高分子層5を形成した後、実施例1と同様にして、陰極層11を陽極端子及び陰極端子を接続して、樹脂外装体を形成し、固体電解コンデンサEを作製した。
本実施例の誘電体層2、第1のカップリング剤層3、及び第1の導電性高分子層4においては、図7に示すような結合状態が形成されている。また、第1の導電性高分子層4、第2のカップリング剤層8、及び第2の導電性高分子層5の間においては、図8に示すような結合状態が形成されている。
(実施例6)
本実施例は、本発明の第2の局面に従う実施例である。
図5は、本実施例の固体電解コンデンサを示す模式的断面図である。図5に示すように、本実施例では、導電性高分子層を化学重合で複数回繰り返して導電性高分子層7を形成した構造である。また、実施例1において、導電性高分子モノマーとしてピロールの代わりに、3、4−エチレンジオキシチオフェンを用いた。誘電体層2を形成した後、実施例1と同様に、TC4PHOを0.5mM含む25℃のイソプロピルアルコール溶液中に1時間浸漬した後、イソプロピルアルコールで洗浄し、その後60℃で10分間乾燥させることにより、第1のカップリング剤層3を形成した。第1のカップリング剤層3を形成した後、3、4−エチレンジオキシチオフェンに5分間浸漬し、次にパラトルエンスルホン酸第二鉄を40質量%含むn−ブタノール溶液に25℃で1分間浸漬して、60℃、1時間乾燥後、エタノールで洗浄を行い、第1の導電性高分子層4を形成した。次に第1の導電性高分子層4を形成した後、実施例4と同様にして、第2のカップリング剤層8を形成した。第2のカップリング剤層8を形成した後、第1の導電性高分子層4を形成した時と同様にして、3、4−エチレンジオキシチオフェンとパラトルエンスルホン酸第二鉄を40質量%含むn−ブタノール溶液を用いて第2の導電性高分子層5を形成した。導電性高分子層7が約50μmになるまで、同様の方法を繰り返し行い、第3の導電性高分子層6を形成した。第3の導電性高分子層6を形成後、実施例1と同様にして、陰極層11を陽極端子及び陰極端子を接続して、樹脂外装体を形成し、固体電解コンデンサFを作製した。
(比較例1)
図6は、比較例1の固体電解コンデンサを示す模式的断面図である。図6に示すように、比較例1においては、陽極1に誘電体層2を形成した後、その上に第1の導電性高分子層4及び第2の導電性高分子層5を形成している。従って、カップリング剤層を形成していない。それ以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサGを作製した。
(比較例2)
実施例1において、本発明のホスホン酸基と導電性高分子モノマーがアルキル基を介して結合したカップリング剤に代えて、シランカップリング剤を用いた。シランカップリング剤としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(商品名「KBM−803」、信越化学社製シランカップリング剤)を用いた。3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを0.1M含む25℃の水溶液に10分間浸漬させた後、130℃で30分間乾燥させて、純水で洗浄し、再び100℃で乾燥させることにより、第1のカップリング剤層3を形成した。それ以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサHを作製した。
(比較例3)
実施例1において、ホスホン酸基と導電性高分子モノマーがアルキル基を介して結合したカップリング剤に代えて、ホスホン酸基を有するカップリング剤を用いた。カップリング剤としては、オクタデシルホスホン酸を用いた。オクタデシルホスホン酸を0.5mM (ミリモル/リットル)の濃度で含む25℃のイソプロピルアルコール溶液中に1時間浸漬した後取り出し、イソプロピルアルコールで洗浄し、その後60℃で10分間乾燥した。これにより、誘電体層2の上に、第1のカップリング剤層3を形成した。それ以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサIを作製した。
(比較例4)
実施例4において、ホスホン酸基と導電性高分子モノマーがアルキル基を介して結合したカップリング剤に代えて、比較例3と同様のカップリング剤を用いて第2のカップリング剤層8を形成する以外は、実施例4と同様にして固体電解コンデンサJを作製した。
(比較例5)
実施例5において、ホスホン酸基と導電性高分子モノマーがアルキル基を介して結合したカップリング剤に代えて、比較例3と同様のカップリング剤を用いて第1のカップリング剤層3と第2のカップリング剤層8を形成する以外は、実施例5と同様にして固体電解コンデンサKを作製した。
(比較例6)
実施例6において、ホスホン酸基と導電性高分子モノマーがアルキル基を介して結合したカップリング剤に代えて、比較例3と同様のカップリング剤を用いて第1のカップリング剤層3と第2のカップリング剤層8を形成する以外は、実施例6と同様にして固体電解コンデンサLを作製した。
〔固体電解コンデンサの特性の評価〕
実施例1〜3の固体電解コンデンサA〜C及び比較例1〜3の固体電解コンデンサG〜Iについて、静電容量とESRを測定した。静電容量は、LCRメーター(インダクタンス−キャパシタンス−レジスタンス測定装置)を用いて、周波数120Hzで測定した。ESRは、LCRメーターを用いて、周波数100kHzで測定した。測定結果を表1に示す。なお、表1に示す値は、比較例1を基準とした相対値である。
Figure 2011155141
本発明の第1の局面に従う実施例1〜3の固体電解コンデンサA〜Cは、比較例1〜3の固体電解コンデンサG〜Iに比べ、静電容量が高く、ESRが小さくなっている。従って、本発明の第1の局面に従い、誘電体層の上に第1のカップリング剤層を形成し、第1のカップリング剤層の上に第1の導電性高分子層を形成することにより、第1の導電性高分子層による誘電体層の被覆率が改善され、静電容量が増加すると考えられる。また、誘電体層に対する第1の導電性高分子層の密着性がより強固になるため、誘電体層と第1の導電性高分子層の接触抵抗が低減し、ESRが低減すると考えられる。また、実施例1〜3の比較から明らかなように、カップリング剤のホスホン酸基と導電性高分子モノマーを結合しているアルキル鎖の鎖長が短いと、ESRを効果的に低減できることがわかる。
また、実施例1の固体電解コンデンサAと、比較例3の固体電解コンデンサIとを比較すると、導電性高分子モノマーを有するカップリング剤を用いることにより、静電容量が高く、ESRを低減できることがわかる。これは、導電性高分子モノマーを有するカップリング剤の方が、導電性高分子層の誘電体層への被覆率を高めること、すなわち電極面積を大きくできるため、静電容量が高くなると考えられる。また、誘電体層と導電性高分子層が共有結合することにより密着性を向上し、接触抵抗が低減し、ESRは低減すると考えられる。
また、実施例4〜6の固体電解コンデンサD〜F及び比較例4〜6の固体電解コンデンサJ〜Lについて、上記と同様にして静電容量及びESRを測定した。測定結果を表2に示す。なお、表2に示す値は、比較例4を基準とした相対値である。
Figure 2011155141
実施例4の固体電解コンデンサDと比較例4の固体電解コンデンサJとを比較すると、本発明の第3の局面に従い第1の導電性高分子層と第2の導電性高分子層の間にカップリング剤層を形成した実施例4の固体電解コンデンサDにおいて、静電容量が高くなり、ESRが低減されていることがわかる。これは、導電性高分子モノマーとホスホン酸基を有するカップリング剤の方が、ホスホン酸基のみを有するカップリング剤に比べて、導電性高分子間を化学結合することができ、密着性が向上するため、接触抵抗が低減し、ESRが低減するためであると考えられる。また、第1のカップリング剤層が、誘電体層の欠陥を修復し、第2の導電性高分子層による被覆率を高めるため、静電容量が高められるものと考えられる。
実施例5の固体電解コンデンサEは、実施例4の固体電解コンデンサDとの比較から明らかなように、本発明の第2の局面に従い、誘電体層2と第1の導電性高分子層4の間に第1のカップリング剤層3を形成し、第1の導電性高分子層4と第2の導電性高分子層5の間に第2のカップリング剤層8を形成しているので、静電容量がさらに高くなっており、ESRもさらに低減されている。
また、実施例6の固体電解コンデンサFは、導電性高分子層においてポリピロールに代えて、導電率の高いポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を用いている。このような導電率の高い導電性高分子を導電性高分子層に用いることにより、ESRをさらに低減できることがわかる。
1…陽極
2…誘電体層
3…第1のカップリング剤
4…第1の導電性高分子層
5…第2の導電性高分子層
6…第3の導電性高分子層
7…導電性高分子層
8…第2のカップリング剤層
9…カーボン層
10…銀層
11…陰極層
12…陽極リード

Claims (6)

  1. 弁作用金属またはその合金から構成される陽極と、
    前記陽極の表面上に設けられる誘電体層と、
    ホスホン酸基と導電性高分子モノマーがアルキル基を介して結合したカップリング剤から構成され、前記誘電体層の上に設けられる第1のカップリング剤層と、
    前記第1のカップリング剤層の上に設けられる第1の導電性高分子層と、
    前記第1の導電性高分子層の上方に設けられる陰極層とを備える、固体電解コンデンサ。
  2. 前記カップリング剤から形成され、前記第1の導電性高分子層の上に設けられる第2のカップリング剤層と、
    前記第2のカップリング剤層の上に設けられる第2の導電性高分子層とをさらに備え、
    前記陰極層が、前記第2の導電性高分子層の上方に設けられる、請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 弁作用金属またはその合金から構成される陽極と、
    前記陽極の表面上に設けられる誘電体層と、
    前記誘電体層上に設けられる第1の導電性高分子層と、
    ホスホン酸基と導電性高分子モノマーがアルキル基を介して結合したカップリング剤から構成され、前記第1の導電性高分子層の上に設けられるカップリング剤層と、
    前記カップリング剤層の上に設けられる第2の導電性高分子層と、
    前記第2の導電性高分子層の上方に設けられる陰極層とを備える、固体電解コンデンサ。
  4. 前記カップリング剤が、以下の一般式で表される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
    Figure 2011155141
    (式中、nは、炭素数1〜18の整数を示す。xは、窒素または硫黄を表す。)
  5. 前記カップリング剤において、導電性高分子モノマーを形成する複素環の1位以外の位置で、アルキル基と導電性高分子モノマーが結合している、請求項4に記載の固体電解コンデンサ。
  6. 請求項1に記載の固体電解コンデンサを製造する方法であって、
    前記陽極を形成する工程と、
    前記陽極の表面上に前記誘電体層を形成する工程と、
    前記誘電体層の上に前記第1のカップリング剤層を形成する工程と、
    前記第1のカップリング剤層の上に前記第1の導電性高分子層を形成する工程と、
    前記第1の導電性高分子層の上に前記陰極層を形成する工程とを備える、固体電解コンデンサの製造方法。
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