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JP2011144363A - セルロース繊維複合体及びその製造方法 - Google Patents

セルロース繊維複合体及びその製造方法 Download PDF

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JP2011144363A
JP2011144363A JP2010276910A JP2010276910A JP2011144363A JP 2011144363 A JP2011144363 A JP 2011144363A JP 2010276910 A JP2010276910 A JP 2010276910A JP 2010276910 A JP2010276910 A JP 2010276910A JP 2011144363 A JP2011144363 A JP 2011144363A
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Hideko Akai
日出子 赤井
Sachiko Sawada
幸子 澤田
Rie Shirahama
理恵 白浜
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Abstract

【課題】 複数回の加熱処理に耐えうる高耐熱性と易解繊性と高生産性を実現するとともに、セルロース繊維複合体にした際の、高透明性、非着色性、低線膨張係数化、高弾性率を実現する。
すなわち、セルロース繊維複合体を透明基板等の用途に用いる際の実用工程に耐えうる複合体を提供する。
【解決手段】 数平均繊維径が4〜100nmであるセルロース繊維とマトリックスとを含み、ヘーズ2以下、かつ190℃4時間の加熱処理を4回繰り返した後のYI値が25以下であるセルロース繊維複合体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ナノファイバーセルロース繊維とマトリックスとを含むセルロース繊維複合体と、その製造方法に関するものであり、特に、ナノファイバー化後に溶媒共存下で加熱処理したセルロースを用いることで、着色の抑制を図り、セルロース繊維複合体にした際の、高透明性、非着色性、低線膨張係数化、高弾性率を実現する技術に関する。
近年、バクテリアセルロースをはじめとするセルロースの微細繊維を用いた複合材料がさかんに研究されている。セルロースはその伸びきり鎖結晶が故に、低線膨張係数と高弾性率と高強度とを発現することが知られている。また、微細化することにより、複合材料とした際、高透明性を示す材料として注目されている。
しかしながら、バクテリアセルロースは工業的に用いるには生産性が悪く、より生産量の大きい、木質材料さらにはパルプをセルロース原料として用いることが好ましいと考えられている。
従来より、木材などのパルプ原料を、水溶性の有機溶剤で処理して、パルプ原料のリグニン、ヘミセルロース、糖、およびセルロース分を分離する方法が知られている。(特許文献1、2)
また、水溶性の有機溶剤として高沸点有機溶媒を用いるパルプ製造方法も既知である。(特許文献3)
また、木材などのパルプ原料を熱水処理することでセルロースの結晶性が向上することが知られている。(非特許文献1、特許文献4)
しかし、このようにして得られた溶剤パルプまたは熱水処理パルプは、解繊・微細化されていないため、複合材料とした際、ヘーズが高く、透明性を示さない。
一方、特許文献5には、セルロースを微細化することで透明性を向上させ、更には、加熱による着色性が高いという課題を解決するために、微細化したセルロースを表面修飾する方法が開示されている。
米国特許第3585104号明細書 米国特許第4100016号明細書 特開2001―089986号公報 特開平11−217401号公報 特開2009−161896号公報
東京大学出版会 セルロースの材料科学 P19
ところで、高透明性、非着色性、低線膨張係数を有する微細化セルロース複合材の用途として、各種デバイスの透明基板が挙げられるが、実際のデバイス化工程においては、数回の加熱処理が必須である。本発明者の検討によれば、特許文献5に挙げられる複合材は、一回の加熱処理後の着色は小さいが、2回、3回、4回と加熱すると着色が大きくなるという問題があることが判明した。
また、上記特許文献1〜3に示すような水溶性有機溶剤で処理するパルプから微細化セルロースを得る例は知られていないが、本研究者らの検討によると、上記特許文献1〜3に示すような水溶性有機溶剤で処理するパルプを微細化して得られるセルロース複合材においても数回の加熱処理後の着色は大きくなった。
さらに、上記特許文献4に示すような熱水処理を施したパルプは微細化されにくく、微細化セルロースの収率が低くなること、同様に蒸解処理を行ったパルプも微細化されにくく、微細化セルロースの収率が低くなることが本研究者らの検討でわかった。
また、一般的に微細化したセルロース繊維の解繊液を高温で加熱処理すると凝集がおこると考えられていた。
本発明は、上記従来の実状に鑑みてなされたものであって、複数回の加熱処理に耐えうる高耐熱性と易解繊性と高生産性を実現するセルロース繊維と、それを、複合体にした際の、高透明性、非着色性、低線膨張係数化、高弾性率を実現する技術に関する。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、セルロースを微細化した後に溶媒共存下で加熱処理したところ、セルロース繊維複合体の加熱処理における着色成分を除去することで、高耐熱性が得られたばかりか、微細化したセルロース繊維の解繊液を高温で加熱処理すると凝集がおこるとの予想に反し、意外にも良好な解繊性が維持され、高耐熱性、易解繊性及び高生産性を同時に達成できるセルロース繊維となった。得られたセルロース繊維を用いたセルロース繊維複合材料は、優れた透明性、非着色性、低線膨張係数化および高弾性率を実現できることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明の要旨は以下の通りである。
本発明(請求項1)のセルロース繊維複合体は、数平均繊維径が4〜100nmであるセルロース繊維とマトリックスとを含み、ヘーズ2以下、かつ190℃4時間の加熱処理を4回繰り返した後のYI値が25以下である。
請求項2のセルロース繊維複合体の製造方法は、請求項1において、セルロース繊維を溶媒共存下において140℃以上で加熱処理する工程を含むことを特徴とする。
請求項3のセルロース繊維複合体の製造方法は、数平均繊維径が4〜100nmであるセルロース繊維を、溶媒共存下において140℃以上で加熱処理する工程を含むことを特徴とする。
請求項4のセルロース繊維複合体の製造方法は、請求項2または3において、セルロース繊維を、溶媒共存下において140℃以上で加熱処理する工程が、セルロース繊維を含む分散液を140℃以上で加熱処理する工程であることを特徴とする。
請求項5のセルロース繊維複合体の製造方法は、請求項2〜4のいずれか一項において、前記加熱処理する工程において、セルロース繊維と共存する溶媒が沸点140℃以上の溶媒を含むことを特徴とする。
請求項6のセルロース繊維複合体の製造方法は、請求項2〜5のいずれか一項において、前記加熱処理する工程を、加圧条件下で行うことを特徴とする。
請求項7のセルロース繊維複合体の製造方法は、請求項4において、前記加熱処理する工程の後に、抄紙工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、セルロース繊維を溶媒共存下において140℃以上で加熱処理することで、複数回の加熱処理に耐えうる高耐熱性と易解繊性と高生産性を実現するとともに、
セルロース繊維複合体にした際の、高透明性、非着色性、低線膨張係数化、高弾性率を実現することができる。
すなわち、セルロース繊維複合体を透明基板等の用途に用いる際の実用工程に耐えうる複合材を提供するものである。
以下に、本発明のセルロース繊維複合体およびその製造方法の実施の形態について、本発明のセルロース繊維複合材料の好適な製造手順に従って詳細に説明するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更して実施することができる。
本発明において、セルロース繊維とは、以下に説明するセルロース含有物から、セルロース繊維複合体を製造するまでの全ての工程において含有されているセルロースを総称してセルロース繊維と呼び、セルロース繊維原料分散液、解繊セルロース分散液(解繊セルロース繊維)、セルロース繊維シート、セルロース繊維複合体などに含まれるセルロースのいずれであってもよい。
I.セルロース繊維複合体の製造方法
本発明のセルロース繊維複合体の製造方法は、平均繊維径が4〜100nmであるセルロース繊維に対して、溶媒共存下において140℃以上で加熱処理する工程を含むことを特徴とする。
本発明のセルロース繊維複合体の製造方法は、「分散液製造工程」、「シート化、粒子化またはセルロース繊維ゲル製造工程」、および「複合化工程」の3工程に大別され、上記熱処理工程は、セルロース繊維原料、分散液、シート、粒子いずれかの状態において行われる。以下に、3工程で使用される材料および手順、並びに任意に実施してもよい工程について詳細に説明する。
なお、「シート化、粒子化またはセルロース繊維ゲル」製造工程は省略することも可能である。
II.分散液製造工程
II−1.セルロース繊維原料
本発明におけるセルロース繊維原料とは、下記に示すようなセルロース含有物から一般的な精製を経て不純物を除去したものである。
<セルロース含有物>
セルロース含有物としては、針葉樹や広葉樹等の木質、コットンリンターやコットンリント等のコットン、さとうきびや砂糖大根等の絞りかす、亜麻、ラミー、ジュート、ケナフ等の靭皮繊維、サイザル、パイナップル等の葉脈繊維、アバカ、バナナ等の葉柄繊維、ココナツヤシ等の果実繊維、竹等の茎幹繊維、バクテリアが産生するバクテリアセルロース、バロニアやシオグサ等の海草やホヤの被嚢等が挙げられる。これらの天然セルロースは、結晶性が高いので低線膨張率、高弾性率になり好ましい。バクテリアセルロースは微細な繊維径のものが得やすい点で好ましい。また、コットンも微細な繊維径なものが得やすい点で好ましく、さらに原料が得やすい点で好ましい。さらには針葉樹や広葉樹等の木質も微細な繊維径のものが得られ、かつ地球上で最大量の生物資源であり、年間約700億トン以上ともいわれる量が生産されている持続型資源あることから、地球温暖化に影響する二酸化炭素削減への寄与も大きく、経済的な点から優位である。このようなセルロース含有物を一般的な精製を経て本発明のセルロース繊維原料とする。
<セルロース含有物の精製方法>
本発明に用いられるセルロース繊維原料は上記由来のセルロース含有物を通常の方法で精製して得られる。例えば、ベンゼン−エタノールで脱脂した後、ワイズ法で脱リグニン処理を行い、アルカリで脱ヘミセルロース処理をすることにより得られる。または一般的
な化学パルプの製造方法、例えばクラフトパルプ、サリファイドパルプ、アルカリパルプの製造方法によって得られる。一般的に、セルロース含有物を蒸解釜で加熱処理して脱リグニン等の処理を行い、更に漂白処理等を行うものである。
<セルロース繊維原料の繊維径>
本発明に用いられるセルロース繊維原料の繊維径は特に制限されるものではなく、数平均繊維径としては数μmから数mmである。一般的な精製を経たものは数mm程度である。例えばチップ等の数cm大のものを精製したものである場合、リファイナーやビーター等の離解機で機械的処理を行い、数μmから数mm程度にすることが好ましい。
<セルロース繊維の化学修飾>
本発明に用いられるセルロース繊維は、化学修飾されていても構わない。化学修飾とは、セルロース中の水酸基が化学修飾剤と反応して化学修飾されているものである。
(種類)
化学修飾によってセルロースに導入させる官能基としては、アセチル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、プロピオニル基、プロピオロイル基、ブチリル基、2−ブチリル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、フロイル基、シンナモイル基等のアシル基、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアノイル基等のイソシアネート基、メチル基、エチル基、プロピル基、2−プロピル基、ブチル基、2−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基等のアルキル基、オキシラン基、オキセタン基、チイラン基、チエタン基等が挙げられる。これらの中では特にアセチル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基等の炭素数2〜12のアシル基、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜12のアルキル基が好ましい。
(修飾方法)
修飾方法としては、特に限定されるものではないが、セルロースと次に挙げるような化学修飾剤とを反応させる方法がある。この反応条件についても特に限定されるものではないが、必要に応じて溶媒、触媒等を用いたり、加熱、減圧等を行うこともできる。
化学修飾剤の種類としては、酸、酸無水物、アルコール、ハロゲン化試薬、イソシアナート、アルコキシシラン、オキシラン(エポキシ)等の環状エーテルよるなる群から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
酸としては、例えば酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、プロパン酸、ブタン酸、2−ブタン酸、ペンタン酸等が挙げられる。
酸無水物としては、例えば無水酢酸、無水アクリル酸、無水メタクリル酸、無水プロパン酸、無水ブタン酸、無水2-ブタン酸、無水ペンタン酸等が挙げられる。
ハロゲン化試薬としては、例えばアセチルハライド、アクリロイルハライド、メタクロイルハライド、プロパノイルハライド、ブタノイルハライド、2−ブタノイルハライド、ペンタノイルハライド、ベンゾイルハライド、ナフトイルハライドが挙げられる。
アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール等が挙げられる。
イソシアナートとしては、例えばメチルイソシアナート、エチルイソシアナート、プロピルイソシアナート等が挙げられる。
アルコキシシランとしては、例えばメトキシシラン、エトキシシラン等が挙げられる。
オキシラン(エポキシ)等の環状エーテルとしては、例えばエチルオキシラン、エチルオキセタンが挙げられる。
これらの中では特に無水酢酸、無水アクリル酸、無水メタクリル酸、ベンゾイルハライド、ナフトイルハライドが好ましい。
これらの化学修飾剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(化学修飾率)
ここでいう化学修飾率とは、セルロース中の全水酸基のうちの化学修飾されたものの割合を示し、化学修飾率は下記の滴定法によって測定することができる。
〈測定方法〉
セルロース0.05gを精秤しこれにメタノール6ml、蒸留水2mlを添加する。これを60〜70℃で30分攪拌した後、0.05N水酸化ナトリウム水溶液10mlを添加する。これを60〜70℃で15分攪拌しさらに室温で一日攪拌する。これをフェノールフタレインを用いて0.02N塩酸水溶液で滴定する。
ここで、滴定に要した0.02N塩酸水溶液の量Z(ml)から、化学修飾により導入された置換基のモル数Qは、下記式で求められる。
Q(mol)=0.05(N)×10(ml)/1000
−0.02(N)×Z(ml)/1000
この置換基のモル数Qと、化学修飾率X(mol%)との関係は、以下の式で算出される(セルロース=(C10=(162.14),繰り返し単位1個当たりの水酸基数=3,OHの分子量=17)。なお、以下において、Tは置換基の分子量である。
Figure 2011144363
これを解いていくと、以下の通りである。
Figure 2011144363
セルロース繊維の化学修飾率は、セルロースの全水酸基に対して、通常65mol%以下、好ましくは50mol%以下、より好ましくは40mol%以下である。 下限は特
にない。
化学修飾することで、セルロースの分解温度が上昇し、耐熱性が高くなる。
化学修飾率が高すぎると、セルロース構造が破壊され結晶性が低下するため、得られる複合材料の線膨張係数が大きくなってしまうという問題点があり好ましくない。
この化学修飾は、解繊前の工程でセルロース繊維原料に対して行ってもよいし、解繊後のセルロース繊維に対して行ってもよく、解繊工程を経てシートや粒子にした後に行ってもよい。また、シート及び粒子にした後に熱処理を行う場合には、この化学修飾は熱処理
の前に行っても後に行っても構わない。
II−2.解繊工程
本発明において、透明なセルロース繊維複合体を得るためには、セルロース繊維原料を解繊し微細繊維とすることが必要である。微細繊維を得るために解繊工程を行うが、その方法について説明する。
解繊工程の具体的な方法としては、特に制限はないが、例えば、直径1mm程度のセラミック製ビーズをセルロース繊維原料濃度0.1〜10重量%、例えば1重量%程度のセルロース繊維原料分散液に入れ、ペイントシェーカーやビーズミル等を用いて振動を与え、セルロース繊維を解繊する方法などが挙げられる。
また、ブレンダータイプの分散機や高速回転するスリットの間に、このようなセルロース繊維の分散液を通して剪断力を働かせて解繊する方法(高速回転ホモジナイザー)や、高圧から急に減圧することによって、セルロース繊維間に剪断力を発生させて解繊する方法(高圧ホモジナイザー法)、マスコマイザーXのような対向衝突型の分散機(増幸産業)等を用いる方法などが挙げられる。 特に、高速回転ホモジナイザーや高圧ホモジナイザー処理は、解繊の効率が向上する。
これらの処理で解繊する場合は、前述の一般的な精製工程を経たセルロース繊維原料としての固形分濃度が0.1重量%以上、好ましくは0.2重量%以上、特に0.3重量%以上、また10重量%以下、特に6重量%以下の分散液に対して行う。この解繊工程に供するセルロース繊維原料分散液中の固形分濃度が低過ぎると処理するセルロース量に対して液量が多くなり過ぎ効率が悪く、固形分濃度が高過ぎると流動性が悪くなるため、解繊処理に供するセルロース繊維原料分散液は適宜水を添加するなどして濃度調整する。
なお、セルロース繊維原料分散液の分散媒として用いることができる有機溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブタノール等のアルコール類、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン類、その他水溶性の有機溶剤の1種又は2種以上を用いることができるが、好ましくは、分散媒は有機溶媒と水との混合液又は水であり、特には水であることが好ましい。
<高速回転ホモジナイザー>
高速回転ホモジナイザーの場合、回転数が高い方が、剪断が掛かり解繊効率が高い。回転数としては例えば10000rpm以上が好ましく、15000rpm以上が更に好ましく、20000rpm以上が特に好ましい。また、時間は1分以上が好ましく、5分以上が更に好ましく、10分以上が特に好ましい。剪断により発熱が生じる場合は液温が50℃を越えない程度に冷却することが好ましい。また、分散液に均一に剪断がかかるように攪拌または循環することが好ましい。高速回転で解繊する方法や、高圧ホモジナイザー法で液を100MPa以上の高圧雰囲気下から噴出させる。
<高圧ホモジナイザー>
高圧ホモジナイザーを用いる場合、セルロース繊維原料分散液を増圧機で30MPa以上、好ましくは100MPa以上、より好ましくは150MPa以上、更に好ましくは220MPa以上に加圧し、細孔直径50μm以上のノズルから噴出させ、圧力差が30MPa以上、好ましくは80MPa以上、より好ましくは90MPa以上となるように減圧する。この圧力差で生じるへき開現象により、セルロース繊維を解繊する。ここで、高圧条件の圧力が低い場合や、高圧から減圧条件への圧力差が小さい場合には、解繊効率が下がり、所望の繊維径とするための繰り返し噴出回数が多く必要となるため好ましくない。また、セルロース繊維原料分散液を噴出させる細孔の細孔直径が大き過ぎる場合にも、十分な解繊効果が得られず、この場合には、噴出処理を繰り返し行っても、所望の繊維径のセルロース繊維が得られないおそれもある。
セルロース繊維原料分散液の噴出は、必要に応じて複数回繰り返すことにより、微細化度を上げて所望の繊維径のセルロース繊維を得ることができる。この繰り返し回数(パス数)は、通常1回以上、好ましくは3回以上で、通常20回以下、好ましくは15回以下である。パス数が多い程、微細化の程度を上げることができるが、過度にパス数が多いとコスト高となるため好ましくない。
高圧ホモジナイザーとしては特に限定はないが、具体的装置としては、ガウリン社製やスギノマシーン社製の「スターバーストシステム」を用いることができる。
噴出時の高圧条件は高い程、圧力差により大きなへき開現象でより一層の微細化を図ることができるが、装置仕様の上限として、通常245MPa以下である。
同様に、高圧条件から減圧下への圧力差も大きいことが好ましいが、一般的には、増圧機による加圧条件から大気圧下に噴出することで、圧力差の上限は通常245MPa以下である。
また、セルロース繊維原料分散液を噴出させる細孔の直径は小さければ容易に高圧状態を作り出せるが、過度に小さいと噴出効率が悪くなる。この細孔直径は50μm以上800μm以下、好ましくは100μm以上500μm以下、より好ましくは150μm以上350μm以下である。
噴出時の温度(分散液温度)には特に制限はないが、通常5℃以上100℃以下である。温度が高すぎると装置、具体的には送液ポンプや高圧シール部等の劣化を早める恐れがあるため好ましくない。
なお、噴出ノズルは1本でも2本でもよく、噴出させたセルロースを噴出先に設けた壁やボール、リングにぶつけてもよい。更にノズルが2本の場合には噴出先でセルロース同士を衝突させてもよい。
なお、このような高圧ホモジナイザーによる処理のみでも、セルロース繊維の微細化は可能であるが、その場合には、十分な微細化度とするための繰り返し回数が多くなり、処理効率が悪いことから、1〜5回程度の高圧ホモジナイザー処理後に後述の超音波処理を行って微細化することが好ましい。高速回転ホモジナイザーによる処理を行う場合にも、同様に超音波処理を組み合わせることが好ましい。
<超音波処理>
本発明において、超音波処理するセルロース繊維原料分散液のセルロース濃度は、0.01〜10重量%、特に0.1〜5重量%、とりわけ0.2〜2重量%であることが好ましい。超音波を照射するセルロース繊維原料分散液のセルロース濃度が低過ぎると非効率であり、高過ぎると粘度が高くなり解繊処理が不均一になる。従って、本発明においては、超音波処理に供されるセルロース繊維原料分散液のセルロース濃度が上記所定濃度となるように、必要に応じて水及び/又は有機溶媒を添加する。
また、超音波を照射するセルロース繊維原料分散液中のセルロース繊維の数平均繊維径は、上述の解繊により10μm以下、特に2μm以下にしておくことが好ましい。さらに好ましくは1μm以下であることが好ましい。
セルロース繊維原料分散液に照射する超音波の周波数は15kHz〜1MHz、好ましくは20kHz〜500kHz、更に好ましくは20kHz〜100kHzである。照射する超音波の周波数が小さ過ぎると後述のキャビテーションが発生しにくく、大き過ぎると発生したキャビテーションが物理的な作用を発生させるまでに大きく成長することなく消滅してしまうため、微細化効果が得られない。また、超音波の出力としては、実行出力密度として1W/cm以上であり、好ましくは10W/cm以上、更に好ましくは20W/cm以上である。超音波の出力が小さ過ぎると微細化効率が低下して、十分な微
細化を行うために長時間の照射が必要であり、実用的ではない。なお、超音波の実行出力密度の上限は振動子やホーン等の耐久性の点から500W/cm以下である。
なお、超音波の実効出力密度は水500mLの温度上昇から計算することができる。具体的には、容器に水500mLを投入し、この水に超音波を照射してそのときの温度上昇の程度を測定し、下記式に従って計算することにより求められる。
P=(T/s)×4.18×500/A
ここで、Pは超音波の実効出力密度(W/cm)、Tは上昇温度(℃)、sは時間(秒)、Aは超音波の振動部の面積(cm)であり、ホーンタイプの場合はその端面の面積である。また、浴槽式の場合は振動子取り付け面の面積に相当する。
なお、温度の測定に際しては、投入した超音波のエネルギーにより生じた熱が外部に伝わらないように、水を入れる容器は十分に断熱する必要がある。また、室温よりも高い温度では熱が外部に伝わりやすいため、室温よりも10℃まで上がった時の温度とその時の時間を用いて上記式により計算する。
超音波の照射方法には特に制限はなく、各種の方法が利用できる。例えば、超音波振動子の振動を伝えるホーンを直接上記のセルロース繊維原料分散液に挿入することにより、直接セルロース繊維を微細化する方法や、セルロース繊維原料分散液を入れた容器の床や壁の一部に超音波振動子を設置してセルロース繊維を微細化する方法や、超音波振動子を装着した容器に水等の液体を入れ、その中にセルロース繊維原料分散液を入れた容器を漬すことにより、水等の液体を介して間接的に超音波振動をセルロース繊維原料分散液に与えて微細化する方法が採用できる。中でも、ホーンを直接セルロース繊維原料分散液に挿入する方法は直接超音波エネルギーを伝達することできエネルギー密度を高くできるので効率がよく、好適に利用される。
セルロース繊維原料分散液は一定の量に対して一定時間所定の周波数の超音波を所定の実効出力密度で照射した後、全量を入れ替えるバッチ式の処理方法で微細化処理してもよく、また、ホーンの近傍や、床や壁に超音波振動子を設置した処理容器に一定量のセルロース繊維原料分散液を流通させて、連続的に超音波を当てる方法で処理を行ってもよい。
また、一つの処理容器の中に超音波振動子を複数設置してもよいし、一つの処理容器に一つの振動子を設置した処理容器を複数個連結して用いてもよい。特に、連続的にセルロース繊維原料分散液を流して処理する場合、振動子を有する処理容器を直列に連結して、セルロース繊維の分散液を順次流通させる方法は、効率の面から好適である。その際に、複数の振動子は同一の周波数でもよいし、周波数を変化させてもよい。
また、超音波は連続的に照射してもよく、所定の間隔で間欠的に照射してもよい。例えば0.1〜0.9秒間の超音波照射と0.9〜0.1秒間の休止運転とを交互に繰り返し行う方法であってもよい。
超音波処理を行うと、与えたエネルギーが熱に変換されてセルロース繊維原料分散液の温度が上昇する。従って、一定の処理条件で微細化処理を行うために、冷却もしくは加熱などにより、セルロース繊維原料分散液の温度を一定にすることが好ましい。超音波処理時の温度は1〜80℃が好ましく、より好ましくは10〜60℃、更に好ましくは15〜40℃である。この温度が低過ぎると水を分散媒に用いた場合、凍結してしまい、処理不能となる。即ち、固体の氷ではキャビテーションの発生が困難であり、また、水と氷が混在している場合には、氷の表面でキャビテーションが発生してエネルギーを消費するため、セルロースの微細化効率が低下する。逆に、処理温度が高過ぎると超音波振動子面に微小な水蒸気等の蒸気が発生し、エネルギー効率が低下するため、好ましくない。
超音波照射の処理時間は、分散液中のセルロース繊維が所望の微細化度に微細化されるような時間であればよく、用いた超音波の出力や周波数、超音波照射前のセルロース繊維
の繊維径等により適宜設定される。
超音波ホモジナイザーとしては特に限定はないが、具体的装置としては、SMT社製のUH600Sやドクターヒールッシャー社製のUIP2000等を用いることができる。
超音波処理によりセルロース繊維が微細化される原理は完全に解明されているわけではないが、以下の現象が発生していると推測される。
即ち、水などの液体中にセルロース繊維が懸濁、分散している状態で、超音波を照射すると、超音波振動子から発生した超音波がセルロース繊維に当たり、セルロース繊維と水との界面にキャビテーションが発生する。発生したキャビティは急激に収縮して消滅するが、その際に、周辺に大きな剪断力を発生させる。これによりセルロース繊維の表面から微細なセルロース繊維が剥離されることにより、微細セルロース繊維が生成する。
なお、超音波処理したセルロース繊維原料分散液中には、超音波ホモジナイザーのホーンより発生するチタン化合物が混入する場合があるので、これを遠心分離により除去することが好ましい。遠心分離の条件については、チタン化合物が除去される条件であれば特に限定されるものではないが、例えば3000G以上、好ましくは10000G以上の遠心力をかけることが好ましい。また、時間は例えば1分以上、好ましくは5分以上かけることが好ましい。遠心力が小さすぎたり、時間が短いとチタン化合物の除去が不十分になり、セルロース繊維複合体に混入することになり好ましくない。
また、遠心分離を行う際、セルロース繊維の分散液の粘度が高いと、分離効率が落ちるため好ましくない。セルロース繊維の分散液の粘度としては、25℃において測定されるずり速度10s−1における粘度が500mPa・s以下、好ましくは100mPa・s以下であることが好ましい。
<解繊されたセルロースの平均繊維径>
上記方法によって解繊されたセルロース繊維原料分散液中のセルロース繊維の繊維径は、分散液中の分散媒を乾燥除去した後(シート化後)、SEMやTEM等で観察することにより計測して求めることができる。
本発明で用いられる解繊されたセルロース繊維(解繊セルロース繊維)の数平均繊維径は、高透明なセルロース繊維複合体を得るためには、100nm以下であることが好ましく、80nm以下であることがさらに好ましく、50nm以下であることが特に好ましい。また、数平均繊維径は、小さい程好ましいが、低線膨張係数、高弾性率を発現するためには、セルロースの結晶性を維持することが重要であり、実質的にはセルロース結晶単位の繊維径である4nm以上である。
II−3.セルロース繊維の加熱処理
本発明で用いられるセルロース繊維は、溶媒共存下において140℃以上の温度で加熱処理されることを特徴とする。加熱処理は、解繊前の工程でセルロース繊維原料に対して行ってもよいし、解繊工程後のセルロース繊維(解繊セルロース繊維)を含む分散液(解繊セルロース分散液)の状態で行ってもよいし、解繊セルロース分散液から後述するようなシートや粒子にしてから行ってもよいが、解繊工程後に加熱処理した方が、セルロース繊維複合体にした際に、セルロース繊維複合体が高い透明性を有し、非着色性に優れるため好ましい。
以下に、代表して上記解繊セルロース分散液の加熱処理について説明する。
II−3−1.加熱処理温度
加熱処理は、解繊セルロース分散液に対して140℃以上の温度で行うことが好ましく、160℃以上で行うことがさらに好ましい。また、250℃以下で行うことが好ましく、220℃以下で行うことがさらに好ましい。加熱温度が過度に低いと、セルロース繊維
複合体にした後の加熱処理における着色の低減の効果が小さく好ましくない。また、加熱処理温度が過度に高いと、セルロース自体の分子量の低下が激しくセルロース繊維複合体の強度が低下するため好ましくない。
II−3−2.加熱処理時間
常圧においても加圧においても加熱処理を行う時間は、1分以上が好ましく、10分以上がさらに好ましく、30分以上が特に好ましい。また、20時間以下が好ましく、10時間以下がさらに好ましく、5時間以下が特に好ましい。加熱処理は長い方がセルロース繊維複合体の加熱による着色低減には好ましいが、長すぎるとセルロースの分子量低下を起したり、生産性が落ちたりするため好ましくない。
II−3−3.分散液に含まれるセルロース繊維の平均繊維径
分散液に含まれるセルロース繊維の平均繊維径は、4nm以上であることが好ましい。また、100nm以下であることが好ましく、80nm以下であることがさらに好ましく、50nm以下であることが特に好ましい。上記範囲を超えると、得られるセルロース繊維複合体の透明性、すなわちヘーズが高くなり好ましくない。また、上記範囲より小さい場合、実質的にセルロースの結晶性が失われていることを示し、線膨張係数が高くなったり、弾性率が低くなったりして好ましくない。
II−3−4.分散媒として用いる溶媒
解繊セルロース分散液は基本的に水を分散媒としているため、水を分散媒(溶媒)として用いる場合はそのまま、または水で希釈して加熱処理することができる。また、水と水以外の溶媒をセルロース繊維と共存させて加熱処理する場合は、水以外の溶媒を追加して行うこともできるし、追加したのちに所望の組成比まで濃縮した後、加熱処理することもできる。
水以外の溶媒を用いて加熱処理する場合は、溶媒の置換が必要となる。この場合は、溶媒を追加したのち、濃縮により水を追い出してから加熱処理することが好ましい。濃縮を行う際には、系内が不均一にならないよう、注意することが必要である。系内が不均一になると、セルロースの凝集が起こる場合があり、それによって、セルロース繊維複合体のヘーズが高くなるので注意が必要である。
分散媒として用いる溶媒は、水及び/または有機溶媒であることが好ましく、該有機溶媒としては沸点140℃以上の有機溶媒であることが好ましい。沸点140℃以上の有機溶媒の具体例は、下記常圧で加熱処理する場合に記載の140℃以上の溶媒と同様である。
解繊工程は、基本的に水及び/または水溶性有機溶媒を分散媒として行われることが多い。そのため、これを非水溶性有機溶媒に置換するには多量の置換のための溶媒と時間がかかるため、分散媒として非水溶性有機溶媒を用いることは好ましくない。なお、後述するシートや粒子のような乾燥工程を経た後に加熱処理する場合には、非水溶性有機溶媒で処理することは容易であるが、処理による効果が十分ではなく好ましくない。従って、有機溶媒としては、水溶性有機溶媒が好ましい。
また、ここでいう水溶性有機溶媒とは、一気圧において、摂氏20度で同容量の純水と穏やかにかき混ぜた場合流動が収まった後もその混合液が均一な外観を維持するものをいう。
また、水溶性有機溶媒の沸点は80℃以上であることが好ましく、120℃以上であることが好ましく、140℃以上であることがさらに好ましい。沸点が過度に低いと、加熱処理する際、蒸気圧が高くなりすぎたり、溶媒自身の熱分解等が起こったりするため好ましくない。
分散媒の沸点により、常圧で進行するもとと、加圧で進行するものがある。以下、常圧で加熱処理する場合と加圧で加熱処理する場合に分けて説明する。
<常圧で加熱処理する場合>
常圧で加熱処理する場合は、分散媒として加熱温度より沸点が高いものを選択することが好ましい。すなわち沸点が140℃以上の溶媒を用いることが好ましい。沸点が過度に低いと、加熱処理の際、蒸発してしまい、解繊されたセルロース繊維が凝集をおこしてしまったりして好ましくない。
常圧の加熱処理に用いる溶媒としては、上記範囲に入れば特に限定されるものではないが、nープロピルアルコール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール、アリルアルコール等の一価のアルコール類、エチレングリコール、ブチルグリコール、t−ブチルグリコール、メチルジグリコール、エチルジグリコール、ブチルジグリコール、メチルジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類(グリコール類)、1−メトキシー2−プロパノール、2−エトキシエタノール、2−n−ブトキシエタノール、3−メトキシブタノール、3―メチルー3−メトキシブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル等の上記グリコール類のアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルラクテート等のエステル類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、ジアセトンアルコール等のケトン類、アセトニトリル、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルー2−ピロリドン等の窒素系、酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、酪酸が挙げられる。これらの中では、多価グリコール類、グリコール類のアルキルエーテル類が好ましい。またこれらの溶媒を2種以上組み合わせて用いても構わない。
<加圧で加熱処理する場合>
加圧で加熱処理する場合は、加熱温度より沸点の低い溶媒を選択することが好ましい。すなわち沸点が加熱温度より140℃以下の溶媒を用いることが好ましい。また、溶媒の熱安定性や蒸気圧の点から沸点が80℃以上であることが好ましい。また、圧力は0.1MPaを超える圧力であればよいが、好ましくは0.3MPa以上であり、0.5MPa以上であることがさらに好ましい。また、通常20MPa以下であり、好ましくは10MPa以下である。圧力容器により加圧で加熱処理することが可能であるが、蒸気圧があまりに高すぎると圧力容器の耐圧性が必要になり、安全性の面で問題が生じ好ましくない。
加圧の加熱処理に用いる溶媒としては、特に限定されるものではなく、水及び水溶性有機溶媒が挙げられる。また、水と他の有機溶媒を2種以上組み合わせて用いても構わない。また、2種類以上の溶媒を組み合わせる際は、加熱温度で加圧になれば、1種類の溶媒の沸点が140℃以上であっても構わない。
II−3−4.セルロース繊維の濃度
加熱処理する際の、加熱処理溶媒に対するセルロース繊維の濃度は、0.01重量%以
上が好ましく、0.05重量%以上がさらに好ましく、0.1重量%以上が特に好ましい。また、10重量%以下が好ましく、5重量%以下がさらに好ましく、2重量%以下が特に好ましい。濃度が過度に低いと、セルロースに対する溶媒の量が多大となり、大きな反応容器や多量の溶媒を必要とするため、生産性、コストの面で好ましくない。また、濃度が過度に高いと、セルロースの濃度が濃いため、溶媒の攪拌が均一ではなくなり、処理効率が低下するため好ましくない。
II−3−5.加熱手段
加熱方法については特に限定はされないが、加圧で加熱処理する場合は一般的にオートクレーブを用いて行う。また、常圧で加熱処理する場合は一般的に反応釜を用いて行う。処理液を攪拌してもよいし、静置して加熱処理を行ってもよい。
解繊工程を終了した解繊セルロース分散液をシート化または粒子にしたのち加熱処理する場合にも、処理条件は基本的に上述の通りである。
本発明によれば、セルロース繊維を溶媒共存下において加熱処理することで、特に、セルロース繊維複合体にした際の加熱処理における着色を低減することができる。このメカニズムに関しては、詳しいことは解かっていないが、パルプの溶剤処理と同様に精製しきれていないリグニンやヘミセルロース残渣を抽出することで、セルロース純度を上げ、着色に起因する物質を低減させていることが考えられる。
また、セルロース自身と相互作用することで、セルロースの分解による着色物質の発生を抑制していることが考えられる。
加熱処理を経た分散液は、III−1.に従って抄紙/シート化、III−2.に従って粒子化、或いはIII−3.に従ってセルロース繊維ゲル化される。
なお、上記加熱処理は、分散液の状態で処理する方が濾過速度が速くなる点でより好ましいが、解繊後セルロースをIII−1.に従ってシート化乃至はIII−2.に従って粒子化した後に上述の溶媒に浸漬した状態で上記加熱処理を行うことも可能であり、複合体とした場合の着色低減効果は同様に得られる。シート化乃至は粒子化後の熱処理については後述する。
III.シート化、粒子化またはセルロース繊維ゲル製造工程
III−1.シートの製造方法(抄紙工程)
セルロース繊維複合体として用いる場合、セルロース繊維をシート状(セルロース繊維シート)に成形して用いることができる。セルロース繊維シートとすることで、樹脂を含浸させてセルロース繊維複合体としたり、樹脂シートではさんでセルロース繊維複合体とすることができる。本発明においては、このように、セルロース繊維をシート化(セルロース繊維シート)する工程を抄紙工程という。
セルロース繊維シートは、解繊工程を施したセルロース繊維を用いた方が高透明性、低線膨張係数、高弾性率のものが得られる。具体的には、前述の解繊セルロース分散液を濾過することにより、或いは適当な基材に塗布することにより製造されたシートである。
本発明の特徴である加熱処理は、解繊セルロース分散液に施してもよいし、シート化あるいは後述の粒子化した後に施してもよい。加熱処理をシート化あるいは後述の粒子化した後に施す場合、シート化は解繊セルロース分散液から製造される。
シート化する場合、すなわち抄紙工程は、加熱処理する工程の後に行うことが好ましい。
以下、解繊セルロース分散液からシート化する場合と、加熱処理した解繊セルロース分散液からシート化する場合に分けて説明する。
<解繊セルロース分散液を濾過することによって製造する場合>
セルロース繊維シートを、解繊セルロース分散液を濾過することによって製造する場合、濾過に供される解繊セルロース分散液の濃度は、0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上、さらに好ましくは0.1重量%以上であることが好ましい。濃度が低すぎると濾過に膨大な時間がかかるため好ましくない。また、解繊セルロース分散液の濃度は1.5重量%以下、好ましくは1.2重量%以下、さらに好ましくは1.0重量%以下であることが好ましい。濃度が高すぎると均一なシートが得られないため好ましくない。
<加熱処理した解繊セルロース分散液を濾過することによって製造する場合>
一方、セルロース繊維シートを、加熱処理した解繊セルロース分散液を濾過することによって製造する場合、上記解繊セルロース分散液を濾過することによって製造する場合と比べて濾過速度が速くなるという特徴を有する。
そのため、濾過に供される加熱処理した解繊セルロース分散液の濃度は、上記より低くても構わない。すなわち0.005重量%以上、好ましくは0.01重量%以上である。濃度が低すぎると膨大な濾液が生じるため好ましくない。また、加熱処理した解繊セルロース分散液の濃度は、1.5重量%以下、好ましくは1.2重量%以下、さらに好ましくは1.0重量%以下であることが好ましい。濃度が高すぎると均一なシートが得られないため好ましくない。
水以外の溶媒を用いて濾過する場合、その溶媒のまま濾過しても構わないし、水で希釈してから濾過しても構わない。その溶媒のまま濾過する場合は、その後水を通液させることが好ましい。水を通液させることでより均一なシートを得ることができると共に、加熱処理によって抽出された成分を洗浄することができる。
<濾過速度(抄紙時間)>
加熱処理した解繊セルロース分散液を濾過することによって製造する場合、上記解繊セルロース分散液を濾過することによって製造する場合と比べて濾過速度が速くなるという特徴を有する。加熱処理した解繊セルロース分散液を濾過する場合の濾過時間は、特に限定はないが、バッチ式減圧濾過でセルロース40g/m量を濾過する場合、解繊セルロース分散液を投入してから濾過終了まで通常120分以下、好ましくは110分以下、さらには100分以下である。又、0.1分以上、好ましくは0.3分以上、さらに好ましくは0.5分以上である。濾過時間が長すぎると生産効率が落ちたり、連続式濾過を行う場合、濾過装置が巨大になってしまうといった問題点がある。
濾過時間が早くなるメカニズムに関しては、詳細なことはわかっていないが、加熱処理を行うことで、分散液全体で分子間の相互作用があったものが加熱、あるいはセルロース以外の成分を抽出することにより、部分的な相互作用または相互作用が小さくなったために溶媒がぬけやすくなったと考えられる。
本発明における加熱処理した解繊セルロース分散液を用いることで、通常の解繊セルロース分散液の場合と比較して、早い速度で濾過することができ、かつ得られたシートをセルロース繊維複合体とした際、高透明で着色の小さなセルロース繊維複合体を得ることができる。
<濾布>
解繊セルロース分散液あるいは、加熱処理した解繊セルロース分散液を濾過する場合のいずれにおいても、濾過時の濾布としては、微細化したセルロース繊維は通過せずかつ濾過速度が遅くなりすぎないことが重要である。このような濾布としては、有機ポリマーからなるシート、織物、多孔膜が好ましい。有機ポリマーとしてはポリエチレンテレフタレートやポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のような非セルロース系の有機ポリマーが好ましい。
具体的には孔径0.1〜20μm、例えば1μmのポリテトラフルオロエチレンの多孔
膜、孔径0.1〜20μm、例えば1μmのポリエチレンテレフタレートやポリエチレンの織物等が挙げられる。
<空隙率>
セルロース繊維シートはその製造方法により、様々な空隙率を有することができる。空隙率の大きなセルロース繊維シートを得る方法としては、濾過による製膜工程において、セルロース繊維シート中の水を最後にアルコール等の有機溶媒に置換する方法を挙げることができる。これは、濾過により水を除去し、セルロース含量が5〜99重量%になったところでアルコール等の有機溶媒を加えるものである。又は、解繊セルロース分散液を濾過装置に投入した後、アルコール等の有機溶媒を分散液の上部に静かに投入することによっても濾過の最後にアルコール等の有機溶媒と置換することができる。
セルロース繊維シートに樹脂を含浸させてセルロース繊維複合体を得る場合には、空隙率が小さいと樹脂が含浸されにくくなるため、ある程度の空隙率があることが好ましい。この場合の空隙率は、10体積%以上、好ましくは20体積%以上である。ここでいう空隙率は簡易的に下記により求めるものである。
空隙率(体積%)={(1−B/(M×A×t)}×100
ここで、Aはシートの面積(cm)、tは厚み(cm)、Bはシートの重量(g)、Mはセルロースの密度であり、本発明ではM=1.5g/cmと仮定する。セルロース繊維シートの膜厚は、膜厚計(PEACOK製のPDN−20)を用いて、シートの種々な位置について10点の測定を行い、その平均値を採用する。
ここで用いるアルコール等の有機溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等のアルコール類の他、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、トルエン、四塩化炭素等の1種又は2種以上の有機溶媒が挙げられる。非水溶性有機溶媒を用いる場合は、水溶性有機溶媒との混合溶媒にするか水溶性有機溶媒で置換した後、非水溶性有機溶媒で置換することが好ましい。
空隙率を制御することで膜厚も制御することができる。
また、空隙率を制御する方法として、上記のアルコール等より沸点の高い溶媒を混合させ、その溶媒の沸点より低い温度で乾燥させる方法が挙げられる。この場合は、必要に応じて、乾燥後に残っている高い沸点の溶媒を、他の溶媒に置換した後に樹脂に含浸させる。
濾過によって溶媒を除去したセルロースは、その後、乾燥を行うが、場合によっては乾燥を行わずに次の工程に進んでも構わない。
すなわち、加熱処理した解繊セルロース分散液を濾過して、次に樹脂に含浸する場合、乾燥工程を経ずそのまま樹脂に含浸することもできる。
また、解繊セルロース分散液を濾過して、そのシートを加熱処理する場合にも、乾燥工程を経ずに行うこともできる。
しかし、空隙率、膜厚の制御、シートの構造をより強固にする意味でも乾燥を行った方が好ましい。この乾燥は、送風乾燥であってもよく、減圧乾燥であってもよく、また、加圧乾燥であってもよい。また、加熱乾燥しても構わない。加熱する場合、温度は50℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましく、また、250℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましい。加熱温度が低すぎると乾燥に時間がかかったり、乾燥が不十分になる可能性があり、加熱温度が高すぎるとセルロース繊維シートが着色したり、セルロースが分解したりする可能性がある。また、加圧する場合は0.01MPa以上が好ましく、0.1MPa以上がより好ましく、また、5MPa以下が好ましく、1MPa以下がより好ましい。圧力が低すぎると乾燥が不十分になる可能性がり、圧力が高すぎるとセルロース
繊維平面構造体がつぶれたりセルロースが分解する可能性がある。
空隙率の小さなセルロース繊維シートを得る方法としては、解繊セルロース分散液の濾過又は塗布後、乾燥を行う。乾燥に関しては上述の通りである。
セルロース繊維シートの厚みには特に限定はないが、好ましくは1μm以上、さらに好ましくは5μm以上である。又、通常1000μm以下、好ましくは250μm以下である。
III−2.粒子の製造方法
解繊セルロース分散液中のセルロース繊維は、セルロース粒子とすることができる。これらのセルロース粒子は特に熱可塑性樹脂と混練によって複合化する際に好適に用いられ、その高弾性率、低線膨張率、表面平滑性といった特性を生かして、各種の構造材、特に表面の意匠性に優れた自動車用パネルや建築物の外壁パネル等に有用である。
解繊セルロース分散液のセルロース繊維を、粒子化する方法としては、解繊セルロース分散液を、例えば公知のスプレードライ装置を用いて、スプレーノズル等から噴射することにより、分散媒を除去して造粒する方法が挙げられる。この噴射方法としては、具体的には回転円盤による方法、加圧ノズルによる方法、2流体ノズルによる方法などがある。スプレードライして得られた粒子を更に他の乾燥装置を用いて乾燥させてもよい。この場合の熱エネルギー源としては、赤外線やマイクロ波を用いることもできる。
また、本発明によって得られたセルロースを凍結乾燥した後、粉砕することによってもセルロース粒子を得ることができる。この場合、具体的には、発明の製造方法によって得られたセルロースを液体窒素などで冷却した後、グラインダーや回転刃などで粉砕する方法が挙げられる。
III−3.セルロース繊維ゲルの製造方法
また、解繊セルロース分散液のセルロース繊維は、水分散体の状態から乾燥させることなく水中でセルロース以外の高分子と複合化させた後、水を除去したり、水から他の有機溶媒に置換した後その有機溶媒中でセルロース以外の高分子と複合化させた後、その有機溶媒を除去することで複合体を得ることもできる。
III−4.セルロース繊維シートまたは粒子等の加熱処理
解繊セルロース分散液を加熱処理する場合は、その後の濾過速度が早くなるというメリットがある。一方セルロース繊維シートまたは粒子等の加熱処理を行う場合、処理するセルロース濃度を高くすることができる。いずれの場合も解繊された微細なセルロース繊維を加熱処理するため、効果は同様である。
解繊セルロース分散液からシートや粒子を形成したものを加熱処理する場合の処理方法は基本的には解繊セルロース分散液の処理方法と同様である。
すなわち、セルロース繊維シートまたは粒子等を溶媒共存下において140℃以上の温度で加熱処理することを特徴とする。
加熱処理温度、加熱処理時間についてはII−3−1、II−3−2と同様である。セルロース繊維シートまたは粒子等を構成するセルロース繊維の平均繊維径はII−3−3に記載の、分散液に含まれるセルロース繊維の平均繊維径と同様である。
共存させる溶媒も、上記解繊セルロース分散液の処理方法と同様である。シートや粒子のような乾燥工程を経たものは、非水溶性有機溶媒で処理することも可能であるが、水及び水溶性有機溶媒であることが好ましい。
水溶性有機溶媒としては、II−3−4に、分散媒として用いる溶媒として例示した具体例、好適例と同様のものが挙げられる。また、加熱処理溶媒に対するセルロース繊維の
濃度については以下の通りである。
加熱処理する際の、加熱処理溶媒に対するセルロース繊維の濃度は、0.01重量%以上が好ましく、0.05重量%以上がさらに好ましく、0.1重量%以上が特に好ましい。また、100重量%以下が好ましく、50重量%以下がさらに好ましく、20重量%以下が特に好ましい。0.01重量%以下では、セルロースに対する溶媒の量が多大となり、大きな反応容器や多量の溶媒を必要とするため、生産性、コストの面で好ましくない。また、100重量%以上では、処理効率が低下するため好ましくない。
加熱処理後のシートまたは粒子等は、次の工程によりそのまま進んでも、上記乾燥工程を経て進んでも構わない。その場合、加熱処理後に水で洗浄したり、有機溶媒で置換したりすることが好ましい。
IV.複合化工程
上述のシート化、粒子化またはセルロース繊維ゲル製造工程により得られたセルロース繊維シート、セルロース粒子またはセルロース繊維ゲル等を高分子と複合化することでセルロース繊維複合体が得られる。該セルロース繊維複合体は、その高透明性、低線膨張率、非着色性といった特性を生かして、各種ディスプレイ基板材料、太陽電池用基板、窓材等に有用であり、また、その高弾性率、低線膨張率、表面平滑性といった特性を生かして、各種の構造材、特に表面の意匠性に優れた自動車用パネルや建築物の外壁パネル等に有用である。
以下、シート化、粒子化またはセルロース繊維ゲル化されたセルロース繊維を高分子と複合化するセルロース繊維複合体の製造方法について説明する。
IV−1.マトリクス材料
本発明のセルロース繊維複合体は、上述の本発明で得られたセルロース繊維シート、セルロース粒子またはセルロース繊維ゲル等と、セルロース以外の高分子(マトリックス)とを複合化させたものである。
ここでマトリクス材料とは、セルロース繊維シートと貼り合わせたり、空隙を埋めたり、造粒したセルロース粒子を混練する高分子材料またはその前駆体(例えばモノマー)のことをいう。
このマトリクス材料として好適なのは、加熱することにより流動性のある液体になる熱可塑性樹脂、加熱により重合する熱硬化性樹脂、紫外線や電子線などの活性エネルギー線を照射することにより重合硬化する、活性エネルギー線硬化性樹脂等から得られる少なくとも1種の樹脂(高分子材料)またはその前駆体である。
なお、本発明において高分子材料の前駆体とは、いわゆるモノマー、オリゴマーであり、例えば、熱可塑性樹脂の項に(共)重合成分として後述する各単量体など(以後、熱可塑性樹脂前駆体と称することがある)、熱硬化性樹脂・光硬化性樹脂の項に後述する各前駆体などが挙げられる。
セルロース繊維シート、セルロース粒子またはセルロース繊維ゲルとマトリックス材料との接触および複合化の方法としては、次の(a)〜(j)の方法が挙げられる。尚、硬化性樹脂の重合硬化工程についてはIV−1−2の<重合硬化工程>の項に詳述する。
(a) セルロース繊維シート、セルロース粒子またはセルロース繊維ゲルに液状の熱可塑性樹脂前駆体を含浸させて重合する方法
(b) セルロース繊維シート、セルロース粒子またはセルロース繊維ゲルに熱硬化性樹脂前駆体又は光硬化性樹脂前駆体を含浸させて重合硬化させる方法
(c) セルロース繊維シート、セルロース粒子またはセルロース繊維ゲルに樹脂溶液(熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂前駆体、熱硬化性樹脂前駆体、および光硬化性樹脂前駆体から選ばれる1以上の溶質を含む溶液)を含浸させて乾燥した後、加熱プレス等で密着させ
、必要に応じて重合硬化する方法
(d) セルロース繊維シート、セルロース粒子またはセルロース繊維ゲルに熱可塑性樹脂の溶融体を含浸させ、加熱プレス等で密着させる方法
(e) 熱可塑性樹脂シートとセルロース繊維シートまたはセルロース繊維ゲルを交互に配置し、加熱プレス等で密着させる方法
(f) セルロース繊維シートまたはセルロース繊維ゲルの片面もしくは両面に液状の熱可塑性樹脂前駆体や熱硬化性樹脂前駆体もしくは光硬化性樹脂前駆体を塗布して重合硬化させる方法
(g) セルロース繊維シートまたはセルロース繊維ゲルの片面もしくは両面に樹脂溶液(熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂前駆体、熱硬化性樹脂前駆体、および光硬化性樹脂前駆体から選ばれる1以上の溶質を含む溶液)を塗布して、溶媒を除去後、必要に応じて重合硬化することにより複合化する方法
(h) セルロース粒子と熱可塑性樹脂を溶融混練した後、シート状や目的の形状に成形する方法
(i) 解繊セルロース分散液とモノマー溶液または分散液(熱可塑性樹脂前駆体、熱硬化性樹脂前駆体、および光硬化性樹脂前駆体から選ばれる1以上の溶質または分散質を含む溶液または分散液)とを混合したのち、溶媒除去と重合硬化の工程を経ることにより複合化する方法。
(j) 解繊セルロース分散液と高分子溶液または分散液(熱可塑性樹脂溶液または分散液)を混合したのち、溶媒を除去して複合化する方法。
中でもセルロース繊維シートに対しては(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)の方法が好ましく、セルロース粒子に対しては(h)の方法が好ましい。
(a)セルロース繊維シート、セルロース粒子またはセルロース繊維ゲルに液状の熱可塑性樹脂前駆体を含浸させて重合する方法としては、重合可能なモノマーやオリゴマーをセルロース繊維シート、セルロース粒子またはセルロース繊維ゲルに含浸させ、熱処理等により上記モノマーを重合させることによりセルロース繊維複合体を得る方法が挙げられる。一般的には、モノマーの重合に用いられる重合触媒を重合開始剤として用いることができる。
(b)セルロース繊維シート、セルロース粒子またはセルロース繊維ゲルに熱硬化性樹脂前駆体又は光硬化性樹脂前駆体を含浸させて重合硬化させる方法としては、エポキシ樹脂モノマー等の熱硬化性樹脂前駆体、又はアクリル樹脂モノマー等の光硬化性樹脂前駆体と硬化剤の混合物を、セルロース繊維シート又は粒子に含浸させ、熱又は活性エネルギー線等により上記熱硬化性樹脂前躯体又は光硬化性樹脂前躯体を硬化させることによりセルロース繊維複合体を得る方法が挙げられる。
(c)セルロース繊維シート、セルロース粒子またはセルロース繊維ゲルに樹脂溶液(熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂前駆体、熱硬化性樹脂前駆体、および光硬化性樹脂前駆体から選ばれる1以上の溶質を含む溶液)を含浸させて乾燥した後、加熱プレス等で密着させ、必要に応じて重合硬化する方法としては、樹脂が溶解する溶媒に溶解させ、その溶液をセルロース繊維シート、セルロース粒子またはセルロース繊維ゲルに含浸させ、乾燥させることでセルロース繊維複合体を得る方法が挙げられる。この場合、乾燥後加熱プレス等で溶媒が乾燥した空隙を密着させることでより高性能なセルロース複合体を得る方法が挙げられる。光硬化性樹脂の場合には更に、必要に応じて活性エネルギー線等による重合硬化を行う。
樹脂を溶解させる溶媒としては、セルロース繊維ゲルとの親和性と樹脂の溶解性を考慮して選択すればよく、具体的にはセルロース繊維ゲルの分散媒として例示したもの等の中から、樹脂の溶解性に応じて選択すればよい。
(d)セルロース繊維シート、セルロース粒子またはセルロース繊維ゲルに熱可塑性樹脂の溶融体を含浸させ、加熱プレス等で密着させる方法としては、熱可塑性樹脂をガラス転移温度以上又は融点以上で熱処理することにより溶解させ、セルロース繊維シート、セルロース粒子またはセルロース繊維ゲルに含浸し、加熱プレス等で密着することによりセルロース繊維複合体を得る方法が挙げられる。熱処理は加圧下で行うことが望ましく、真空加熱プレス機能を有する設備の使用が有効である。
(e)熱可塑性樹脂シートとセルロース繊維シートまたはセルロース繊維ゲルを交互に配置し、加熱プレス等で密着させる方法としては、セルロース繊維シートまたはセルロース繊維ゲルの片面もしくは両面に熱可塑性樹脂のフィルムもしくはシート配置し、必要に応じて加熱やプレスすることにより、熱可塑性樹脂とセルロース繊維シートまたはセルロース繊維ゲルを貼り合わせる方法が挙げられる。この場合、セルロース繊維シートの表面に接着剤やプライマーなどを塗布して貼り合わせてもよい。貼り合わせる際に気泡を抱き込まないように、加圧された2本のロールの間を通す方法や、真空状態でプレスする方法を用いることができる。
(f)セルロース繊維シートまたはセルロース繊維ゲルの片面もしくは両面に液状の熱可塑性樹脂前駆体や熱硬化性樹脂前駆体もしくは光硬化性樹脂前駆体を塗布して硬化させる方法としては、セルロース繊維シートまたはセルロース繊維ゲルの片面もしくは両面に熱重合開始剤を処方した熱硬化性樹脂前駆体を塗布して加熱することにより硬化させて両者を密着させる方法や、セルロース繊維シートまたはセルロース繊維ゲルの片面もしくは両面に光重合開始剤を処方した硬化性樹脂前駆体を塗布した後、紫外線等の活性エネルギー線を照射して硬化させる方法が挙げられる。セルロース繊維シートに熱もしくは光硬化性樹脂前駆体を塗布した後、更にセルロース繊維シートを重ねるなど、多層構造にしてから、硬化させてもよい。
(g)セルロース繊維シートまたはセルロース繊維ゲルの片面もしくは両面に樹脂溶液(熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂前駆体、熱硬化性樹脂前駆体、および光硬化性樹脂前駆体から選ばれる1以上の溶質を含む溶液)を塗布して、溶媒を除去することにより複合化する方法としては、溶媒に可溶な樹脂を溶解させた樹脂溶液を用意し、セルロース繊維シートまたはセルロース繊維ゲルの片面もしくは両面に塗布し、加熱により溶媒を除去する方法が挙げられる。光硬化性樹脂の場合には更に、必要に応じて活性エネルギー線等による重合硬化を行う。
樹脂を溶解させる溶媒としては、セルロース繊維ゲルとの親和性と樹脂の溶解性を考慮して選択すればよく、具体的にはセルロース繊維ゲルの分散媒として例示したもの等の中から、樹脂の溶解性に応じて選択すればよい。
このようにして製造したセルロース繊維複合体を複数枚重ねて積層体を得ることもできる。その際に、セルロース繊維を含む複合体と含まない樹脂シートを積層してもよい。セルロース複合体同士や樹脂とセルロース複合体を接着させるために、接着剤を塗布したり接着シートを介在させてもよい。また、積層体に加熱プレス処理を加えて一体化することもできる。
(h)セルロース粒子と熱可塑性樹脂を溶融混練した後、シート状や目的の形状に成形する方法としては、セルロース粒子と熱可塑性樹脂とを、ドライブレンドした後に溶融する方法、溶融混練する方法、等が好ましく挙げられる。ドライブレンドした後に溶融する方法は、両者を、タンブラーブレンダー、リボンブレンダー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等により均一に混合し、その後、該混合物に必要に応じて用いられる酸化防止剤などの添加剤を添加し、溶融状態を経てセルロース複合体とする。具体的には、例えば、該混合物を単に溶融するか、又は、一軸又は二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー
、ニーダー、ブラベンダー等により溶融混練する。溶融混練する場合は、両者を、必要に応じて用いられる酸化防止剤などの添加剤等と共に溶融混合する。例えば、一軸又は二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、ブラベンダー等により溶融混練する。その後、Tダイから押し出してシート状に成形したり、金型に射出するなどして、目的の形状に成形する。
(i)解繊セルロース分散液とモノマー溶液または分散液(熱可塑性樹脂前駆体、熱硬化性樹脂前駆体、および光硬化性樹脂前駆体から選ばれる1以上の溶質または分散質を含む溶液または分散液)とを混合したのち、溶媒除去と重合硬化の工程を経ることにより複合化する方法としては、溶媒に可溶なモノマーを溶解させた溶液、もしくは分散液を用意し、解繊セルロース分散液を混合する。この際、必要に応じて解繊セルロース分散液の分散媒(溶媒)は水から有機溶媒に置換することが好ましい。この混合液中でモノマーを重合硬化もしくは、溶媒を除去した後にモノマーを重合硬化することで複合材を得ることができる。
(j)解繊セルロース分散液と高分子溶液または分散液(熱可塑性樹脂溶液または分散液)を混合したのち、溶媒を除去して複合化する方法としては、溶媒に可溶な高分子溶液または分散液を用意し、解繊セルロース分散液と混合する。この際、必要に応じて解繊セルロース分散液の溶媒は水から有機溶媒に置換することが好ましい。この混合液の溶媒を除去することで複合材を得ることができる。
本発明において、セルロース繊維シート、セルロース粒子、セルロース繊維ゲル又は解繊セルロース分散液に複合化させるセルロース以外のマトリックス材料を以下に例示するが、本発明で用いるマトリックス材料は何ら以下のものに限定されるものではない。また、本発明における熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光(活性エネルギー線)硬化性樹脂は2種以上混合して用いることができる。
本発明においては、以下のマトリックス材料(高分子材料またはその前駆体)のうち、高分子材料、または前駆体の場合にはその重合体が、非晶質でガラス転移温度(Tg)の高い合成高分子であるものが、透明性に優れた高耐久性のセルロース繊維複合体を得る上で好ましく、このうち非晶質の程度としては、結晶化度で10%以下、特に5%以下であるものが好ましく、また、Tgは110℃以上、特に120℃以上、とりわけ130℃以上のものが好ましい。Tgが低いと例えば熱水等に触れた際に変形する恐れがあり、実用上問題が生じる。また、低吸水性のセルロース複合体を得るためには、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基などの親水性の官能基が少ない高分子材料を選定することが好ましい。なお、高分子のTgは一般的な方法で求めることができる。例えば、DSC法による測定で求められる。高分子の結晶化度は、非晶質部と結晶質部の密度から算定することができ、また、動的粘弾性測定により、弾性率と粘性率の比であるtanδから算出することもできる。
IV−1−1.熱可塑性樹脂
熱可塑性樹脂としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、芳香族ポリカーボネート系樹脂、脂肪族ポリカーボネート系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリオレフィン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、熱可塑性ポリイミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリスルホン系樹脂、非晶性フッ素系樹脂等が挙げられる。
スチレン系樹脂としては、スチレン、クロルスチレン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレン等の重合体及び共重合体が挙げられる。
アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)
アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド等の重合体及び共重合体が挙げられる。ここで「(メタ)アクリル」とは、「アクリル及び/又はメタクリル」を意味する。
芳香族ポリカーボネート系樹脂とは、3価以上の多価フェノール類を共重合成分として含有できる1種以上のビスフェノール類と、ビスアルキルカーボネート、ビスアリールカーボネート、ホスゲン等の炭酸エステル類との反応により製造される共重合体であり、必要に応じて芳香族ポリエステルカーボネート類とするために共重合成分としてテレフタル酸やイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸又はその誘導体(例えば芳香族ジカルボン酸ジエステルや芳香族ジカルボン酸塩化物)を使用してもよいものである。
前記ビスフェノール類としては、ビスフェノールA、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノールF、ビスフェノールM、ビスフェノールP、ビスフェノールS、ビスフェノールZ(略号はアルドリッチ社試薬カタログを参照)等が例示され、中でもビスフェノールAとビスフェノールZ(中心炭素がシクロヘキサン環に参加しているもの)が好ましく、ビスフェノールAが特に好ましい。共重合可能な3価フェノール類としては、1,1,1−(4−ヒドロキシフェニル)エタンやフロログルシノールなどが例示できる。
脂肪族ポリカーボネート系樹脂としては、脂肪族ジオール成分及び/又は脂環式ジオール成分とビスアルキルカーボネート、ホスゲン等の炭酸エステル類との反応により製造される共重合体である。脂環式ジオールとしてはシクロヘキサンジメタノールやイソソルバイト等が挙げられる。
芳香族ポリエステル系樹脂としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のジオール類とテレフタル酸等の芳香族カルボン酸との共重合体が挙げられる。また、ポリアリレートのように、ビスフェノールA等のジオール類とテレフタル酸やイソフタル酸等の芳香族カルボン酸との共重合体も挙げられる。
脂肪族ポリエステル系樹脂としては、上記ジオールとコハク酸、吉草酸等の脂肪族ジカルボン酸との共重合体やグリコール酸や乳酸等のヒドロキシジカルボン酸の共重合体等が挙げられる。
脂肪族ポリオレフィン系樹脂としては、具体的には、例えば炭素数2〜8程度のα−オレフィンの単独重合体、それらのα−オレフィンと炭素数2〜18程度の他のα−オレフィン等との二元或いは三元の共重合体等が挙げられ、これらのオレフィン系重合体は2種以上が併用されていてもよい。
環状オレフィン系樹脂とは、ノルボルネンやシクロヘキサジエン等、ポリマー鎖中に環状オレフィン骨格を含む重合体もしくはこれらを含む共重合体である。
ポリアミド系樹脂としては、6,6−ナイロン、6−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン、4,6−ナイロン、6,10−ナイロン、6,12−ナイロン等の脂肪族アミド系樹脂や、フェニレンジアミン等の芳香族ジアミンと塩化テレフタロイルや塩化イソフタロイル等の芳香族ジカルボン酸又はその誘導体からなる芳香族ポリアミド等が挙げられる。
ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等が挙げられ、さらに2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類との共重合体も挙げられる。
ポリイミド系樹脂としては、無水ポリメリット酸や4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等の共重合体であるピロメリット酸型イミド、無水塩化トリメリット酸やp−フェニレンジアミン等の芳香族ジアミンやジイソシアネート化合物からなる共重合体であるトリ
メリット酸型ポリイミド、ビフェニルテトラカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、p−フェニレンジアミン等からなるビフェニル型ポリイミド、ベンゾフェノンテトラカルボン酸や4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等からなるベンゾフェノン型ポリイミド、ビスマレイミドや4,4’−ジアミノジフェニルメタン等からなるビスマレイミド型ポリイミド等が挙げられる。
ポリアセタール系樹脂としては、オキシメチレン構造を単位構造にもつホモポリマーと、オキシエチレン単位を含む共重合体が挙げられる。
ポリスルホン系樹脂としては、4,4’−ジクロロジフェニルスルホンやビスフェノールA等の共重合体が挙げられる。
非晶性フッ素系樹脂としては、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、ペルフルオロアルキルビニルエーテル等の単独重合体又は共重合体が挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
IV−1−2.硬化性樹脂 熱硬化性樹脂、光(活性エネルギー線)硬化性樹脂とは、硬化する前の前駆体もしくは硬化してなる樹脂硬化物のことを意味する。ここで前駆体は、常温では液状、半固体状又は固形状等であって常温下又は加熱下で流動性を示す物質を意味する。これらは硬化剤、触媒、熱又は光の作用によって重合反応や架橋反応を起こして分子量を増大させながら網目状の三次元構造を形成してなる不溶不融の樹脂となり得る。また、樹脂硬化物とは、上記熱硬化性樹脂前駆体又は光(活性エネルギー線)硬化性樹脂前駆体が硬化してなる樹脂を意味する。
<熱硬化性樹脂>
本発明における熱硬化性樹脂としては、特に限定されるものではないが、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、オキセタン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、珪素樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の前駆体が挙げられる。
上記エポキシ樹脂前駆体としては、少なくとも1個のエポキシ基を有する有機化合物をいう。上記エポキシ樹脂前駆体中のエポキシ基の数としては、1分子あたり1個以上7個以下であることが好ましく、1分子あたり2個以上であることがより好ましい。ここで、前駆体1分子あたりのエポキシ基の数は、エポキシ樹脂前駆体中のエポキシ基の総数をエポキシ樹脂中の分子の総数で除算することにより求められる。上記エポキシ樹脂前駆体としては特に限定されず、例えば、以下に示したエポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は単独でも2種以上併用されてもよい。これらエポキシ樹脂は硬化剤を用いて熱硬化性樹脂前躯体を硬化することにより得られる。
例えば、芳香族エポキシ樹脂及びこれらの水添化物や臭素化物等の前駆体、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂及びこれらの水添化物、グリシジルアミン型エポキシ樹脂及びこれらの水添化物、グリシジル(メタ)アクリレートとラジカル重合性モノマーとの共重合体等が挙げられる。上記エポキシ樹脂前駆体の硬化反応に用いられる硬化剤としては、特に限定されず、例えば、アミン化合物、アミン化合物から合成されるポリアミノアミド化合物等の化合物、3級アミン化合物、イミダゾール化合物、ヒドラジド化合物、メラミン化合物、酸無水物、フェノール化合物、熱潜在性カチオン重合触媒、光潜在性カチオン重合開始剤、ジシアンアミド及びその誘導体等が挙げられる。これらの硬化剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
アクリル樹脂前駆体としては、分子内に1個の(メタ)アクリロイル基を有する単官能
(メタ)アクリレート化合物、分子内に2個又は3個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物、スチレン系化合物、アクリル酸誘導体、分子内に4〜8個の(メタ)アクリロイル基を有するアクリレート化合物、エポキシ(メタ)アクリレート化合物、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。
分子内に1個の(メタ)アクリロイル基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、アルキルの炭素数が1〜30であるアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
特に、脂環骨格を有するモノ(メタ)アクリレートは、耐熱性が高くなるので、好適に利用することができる。脂環骨格モノ(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、例えば(ヒドロキシ−アクリロイルオキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(ヒドロキシ−メタクリロイルオキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(ヒドロキシ−アクリロイルオキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(ヒドロキシ−メタクリロイルオキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(ヒドロキシメチル−アクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(ヒドロキシメチル−メタクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(ヒドロキシメチル−アクリロイルオキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(ヒドロキシメチル−メタクリロイルオキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(ヒドロキシエチル−アクリロイルオキシエチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(ヒドロキシエチル−メタクリロイルオキシエチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(ヒドロキシエチル−アクリロイルオキシエチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(ヒドロキシエチル−メタクリロイルオキシエチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン等が挙げられる。また、これらの混合物等を挙げることが出来る。
分子中に2個又は3個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール以上のポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、アルキルの炭素数が1〜30であるアルキルジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ1,3−ジ(メタ)アクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]プロパン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジアクリレート、ビス(ヒドロキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジメタクリレート、ビス(ヒドロキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=アクリレートメタクリレート、ビス(ヒドロキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン=ジアクリレート、ビス(ヒドロキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン=ジメタクリレート、ビス(ヒドロキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン=アクリレートメタクリレート、2,2−ビス[4−(β−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(β−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)シクロヘキシル]プロパン、1,4−ビス[(メタ)アクリロイルオキシメチル]シクロヘキサン等が挙げられる。
スチレン系化合物としては、スチレン、クロルスチレン、ジビニルベンゼン、α−メチ
ルスチレンなどが挙げられる。
エステル以外の(メタ)アクリル酸誘導体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
これらの中でも、含脂環骨格ビス(メタ)アクリレート化合物が好適に用いられる。
例えばビス(アクリロイルオキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(メタクリロイルオキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(アクリロイルオキシ−メタクリロイルオキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(アクリロイルオキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、ビス(メタクリロイルオキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(アクリロイルオキシ−メタクリロイルオキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、ビス(アクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(メタクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(アクリロイルオキシメチル−メタクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(アクリロイルオキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、ビス(メタクリロイルオキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(アクリロイルオキシメチル−メタクリロイルオキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、ビス(アクリロイルオキシエチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(メタクリロイルオキシエチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(アクリロイルオキシエチル−メタクリロイルオキシエチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(アクリロイルオキシエチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、ビス(メタクリロイルオキシエチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(アクリロイルオキシエチル−メタクリロイルオキシエチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン等、及びこれらの混合物等を挙げることが出来る。
これらのうち、ビス(アクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(メタクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン及び(アクリロイルオキシメチル−メタクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンから選ばれるものが好ましい。これらのビス(メタ)アクリレートは、いくつか併用することもできる。
分子内に4〜8個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートとしては、ポリオールの(メタ)アクリル酸エステル等が利用できる。具体的には、ペンタエリスリテールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリテールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールセプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
次にエポキシ(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ基を有する化合物、ビスフェノールA型プロピレンオキサイド付加型の末端グリシジルエーテル、フルオレンエポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸との反応物を挙げることができる。
分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレートとしては、1分子中に(メタ)アクリロイル基を2〜10個(好ましくは2〜5個)有するウレタンオリゴマー等が挙げられる。例えば、ジオール類及びジイソシアネー類を反応させて得られるウレタンプレポリマーと、ヒドロキシ基含有の(メタ)アクリレートを反応させて製造される(メタ)アクリロイル基含有ウレタンオリゴマーがある。
分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレートの数平均分子量は1,000〜100,000が好ましく、更に好ましくは2,000〜10,000である。中でもメチレンジシクロヘキシルジイソシアネートとポリテトラメチレンエーテルグリコールを有するウレタンアクリレートは透明性、低複屈折性、柔軟性等の点により優れており、好適に利用することができる。
オキセタン樹脂前駆体としては、少なくとも1個のオキセタン環を有する化合物が挙げられる。上記オキセタン樹脂前駆体中のオキセタン環の数は、1分子あたり1個以上、4個以下が好ましい。分子中に1個のオキセタンを有する化合物としては、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル{[−3−(トリエトキシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン、3−エチル−3−メタクリロキシメチルオキセタンなどが挙げられる。分子中に2個のオキセタンを有する化合物としては、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、4,4′−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル等が挙げられる。3〜4個のオキセタン環を有する化合物としては、分枝状のポリアルキレンオキシ基やポリシロキシ基と3−アルキル−3−メチルオキセタンの反応物などが挙げられる。
上記オキセタン樹脂前駆体の硬化反応に用いられる硬化剤としては、特に限定されず、例えば、アミン化合物、アミン化合物から合成されるポリアミノアミド化合物等の化合物、3級アミン化合物、イミダゾール化合物、ヒドラジド化合物、メラミン化合物、酸無水物、フェノール化合物、熱潜在性カチオン重合触媒、光潜在性カチオン重合開始剤、ジシアンアミド及びその誘導体等が挙げられる。これらの硬化剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。特に光硬化剤はエネルギーの有効活用の面から好適に利用される。ここで光硬化剤とは活性エネルギー線の照射によりカチオン重合を開始させる化合物であり、例えば、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等が挙げられる。
フェノール樹脂前駆体としては、フェノール、クレゾール等のフェノール類とホルムアルデヒド等を反応させノボラック等を合成し、これをヘキサメチレンテトラミン等で硬化させたもの等が挙げられる。
ユリア樹脂前駆体としては、尿素等とホルムアルデヒド等の重合反応物が挙げられる。
メラミン樹脂前駆体としては、メラミン等とホルムアルデヒド等の重合反応物が挙げられる。
不飽和ポリエステル樹脂としては、不飽和多塩基酸等と多価アルコール等より得られる不飽和ポリエステルを、これと重合する単量体に溶解し硬化した樹脂等が挙げられる。
珪素樹脂前駆体としては、オルガノポリシロキサン類を主骨格とするものが挙げられる。
ポリウレタン樹脂前駆体としては、グリコール等のジオール類と、ジイソシアネートからなる重合反応物等が挙げられる。
ジアリルフタレート樹脂前駆体としては、ジアリルフタレートモノマー類とジアリルフ
タレートプレポリマー類からなる反応物が挙げられる。
これら熱硬化性樹脂の硬化剤、硬化触媒としては特に限定はないが、例えば、硬化剤としては多官能アミン、ポリアミド、酸無水物、フェノール樹脂等が挙げられ、硬化触媒としてはイミダゾール等が挙げられる。これらは単独又は2種以上の混合物として使用することができる。
<光硬化性樹脂>
本発明における光硬化性樹脂としては、特に限定されるものではないが、上述の熱硬化性樹脂の説明において例示したエポキシ樹脂、アクリル樹脂、オキセタン樹脂等の前駆体が挙げられる。
これら光硬化性樹脂の硬化剤としては特に限定はないが、例えばジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等が挙げられる。
<その他の成分>
今まで述べた熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂は、適宜、連鎖移動剤、紫外線吸収剤、充填剤、シランカップリング剤等と配合した硬化性組成物として用いられる。
(連鎖移動剤)
反応を均一に進行させる目的等で硬化性組成物は連鎖移動剤を含んでもよい。例えば、分子内に2個以上のチオール基を有する多官能メルカプタン化合物を用いることができ、これにより硬化物に適度な靱性を付与する事が出来る。メルカプタン化合物としては、例えばペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(β−チオプロピオネート)、トリス[2−(β−チオプロピオニルオキシエトキシ)エチル]トリイソシアヌレートなどの1種又は2種以上を用いるのが好ましい。メルカプタン化合物を入れる場合は、ラジカル重合可能な化合物の合計に対して、通常30重量%以下の割合で含有させる。
(紫外線吸収剤)
着色防止目的で硬化性組成物は紫外線吸収剤を含んでもよい。例えば、紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤及びベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤から選ばれるものであり、その紫外線吸収剤は1種類を用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。紫外線吸収剤を入れる場合は、ラジカル重合な可能化合物の合計100重量部に対して、通常0.01〜1重量部の割合で含有させる。
(セルロース以外の充填剤)
また、セルロース繊維以外の充填剤を含んでもよい。充填剤としては、例えば、無機粒子や有機高分子などが挙げられる。具体的には、シリカ粒子、チタニア粒子、アルミナ粒子などの無機粒子、ゼオネックス(日本ゼオン社)やアートン(JSR社)などの透明シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネートやPMMAなどの汎用熱可塑性ポリマーなどが挙げられる。中でも、ナノサイズのシリカ粒子を用いると透明性を維持することができ好適である。また、紫外線硬化性モノマーと構造の似たポリマーを用いると高濃度までポリマーを溶解させることが可能であり、好適である。
(シランカップリング剤)
また、シランカップリング剤を添加してもよい。シランカップリング剤としては、例えば、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)メチルジエトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)トリエトキシシラン、γ−(アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン等は分子中に(メタ)アクリル基を有しており、他のモノマーと共重合することができるので好ましい。シランカップリング剤は、ラジカル重合な可能化合物の合計に対して通常0.1〜50重量%、好ましくは1〜20
重量%となるように含有させる。この配合量が少な過ぎると、これを含有させる効果が十分に得られず、また、多過ぎると、硬化物の透明性などの光学特性が損なわれる恐れがある。
<重合硬化工程>
本発明のセルロース繊維複合体を形成するための硬化性組成物は、公知の方法で重合硬化させることができる。
例えば、熱硬化、又は放射線硬化等が挙げられる。好ましくは放射線硬化である。放射線としては、赤外線、可視光線、紫外線、電子線等が挙げられるが、好ましくは光である。更に好ましくは波長が200nm〜450nm程度の光であり、更に好ましくは波長が300〜400nmの紫外線である。
具体的には、予め硬化性組成物に加熱によりラジカルを発生する熱重合開始剤を添加しておき、加熱して重合させる方法(以下「熱重合」という場合がある)、予め硬化性組成物に紫外線等の放射線によりラジカルを発生する光重合開始剤を添加しておき、放射線を照射して重合させる方法(以下「光重合」という場合がある)等、及び熱重合開始剤と光重合開始自在を併用して予め添加しておき、熱と光の組み合わせにより重合させる方法が挙げられ、本発明においては光重合がより好ましい。
光重合開始剤としては、通常、光ラジカル発生剤が用いられる。光ラジカル発生剤としては、この用途に用い得ることが知られている公知の化合物を用いることができる。例えば、ベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホシフィンオキシド等が挙げられる。これらの中でも、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドが好ましい。これらの光重合開始剤は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤の成分量は、硬化性組成物中のラジカル重合な可能化合物の合計を100重量部としたとき、0.001重量部以上、好ましくは0.01重量部以上、更に好ましくは0.05重量部以上である。その上限は、通常1重量部以下、好ましくは0.5重量部以下、更に好ましくは0.1重量部以下である。光重合開始剤の添加量が多すぎると、重合が急激に進行し、得られる硬化物の複屈折を大きくするだけでなく色相も悪化する。例えば、開始剤の量を5重量部とした場合、開始剤の吸収により、紫外線の照射と反対側に光が到達できずに未硬化の部分が生ずる。また、黄色く着色し色相の劣化が著しい。一方、少なすぎると紫外線照射を行っても重合が十分に進行しないおそれがある。
また、熱重合開始剤を同時に含んでもよい。例えば、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシカーボネート、パーオキシケタール、ケトンパーオキサイド等が挙げられる。具体的にはベンゾイルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)ジクミルパーオキサイド、ジt−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルハイドロパーキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等を用いることができる。光照射時に熱重合が開始されると、重合を制御することが難しくなるので、これらの熱重合開始剤は好ましくは1分半減期温度が120℃以上であることがよい。これらの重合開始剤は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
硬化に際して照射する放射線の量は、光重合開始剤がラジカルを発生させる範囲であれば任意であるが、極端に少ない場合は重合が不完全となるため硬化物の耐熱性、機械特性
が十分に発現されず、逆に極端に過剰な場合は硬化物の黄変等の光による劣化を生じるので、モノマーの組成及び光重合開始剤の種類、量に合わせて、波長300〜450nmの紫外線を、好ましくは0.1J/cm以上200J/cm以下の範囲で照射する。更に好ましくは1J/cm以上20J/cmの範囲で照射する。放射線を複数回に分割して照射すると、より好ましい。すなわち1回目に全照射量の1/20〜1/3程度を照射し、2回目以降に必要残量を照射すると、複屈折のより小さな硬化物が得られる。使用するランプの具体例としては、メタルハライドランプ、高圧水銀灯ランプ、紫外線LEDランプ等を挙げることができる。
重合をすみやかに完了させる目的で、光重合と熱重合を同時に行ってもよい。この場合には、放射線照射と同時に硬化性組成物を30℃以上300℃以下の範囲で加熱して硬化を行う。この場合、硬化性組成物には、重合を完結するために熱重合開始剤を添加してもよいが、大量に添加すると硬化物の複屈折の増大と色相の悪化をもたらすので、熱重合開始剤は、モノマー量の合計に対して通常0.1重量%以上2重量%以下、より好ましくは0.3重量%以上1重量%以下となるように用いる。
IV−2.積層構造体
本発明で得られるセルロース繊維複合体は、本発明で得られるセルロース繊維シートの層と、前述したセルロース以外の高分子よりなる平面構造体層との積層構造体であってもよく、また、本発明で得られるセルロース繊維シートの層と、本発明で得られるセルロース繊維複合体の層との積層構造であってもよく、その積層数や積層構成には特に制限はない。
IV−3.無機膜
本発明で得られるセルロース繊維複合体は、その用途に応じて、セルロース繊維複合体層に更に無機膜が積層されたものであってもよく、上述の積層構造体に更に無機膜が積層されたものであってもよい。
ここで用いられる無機膜は、セルロース繊維複合体の用途に応じて適宜決定され、例えば、白金、銀、アルミニウム、金、銅等の金属、シリコン、ITO、SiO、SiN、SiOxNy、ZnO等、TFT等が挙げられ、その組み合わせや膜厚は任意に設計することができる。
IV−4.セルロース繊維複合体の特性ないし物性
本発明のセルロース繊維複合体は、数平均繊維径が4〜100nmであるセルロース繊維とマトリックスとを含み、ヘーズ2以下、かつ190℃4時間の加熱処理を4回繰り返した後のYI値が25以下であるセルロース繊維複合体に関する。
該セルロース繊維複合体は、上記本発明のセルロース繊維複合体の製造方法により製造することが可能であるが、この方法に限定されるものではない。例えば、一般的には解繊が困難な高純度、高結晶性セルロース繊維を超音波処理などによって高解繊することによっても該セルロース繊維複合体を製造することもできる。
以下に本発明の製造方法により得られる又は本発明のセルロース繊維複合体(以下、併せて、本発明のセルロース繊維複合体という)の好適な特性ないし物性について説明する。
IV−4−1.セルロース含有量
本発明のセルロース繊維複合体中のセルロースの含有量は通常1重量%以上99重量%以下であり、セルロース以外の高分子の含有量が1重量%以上99重量%以下である。低線膨張性を発現するには、セルロースの含有量が1重量%以上、セルロース以外の高分子の含有量が99重量%以下であること必要である。透明性を発現するにはセルロースの含有量が99重量%以下、セルロース以外の高分子の含有量が1重量%以上であることが必
要である。好ましい範囲はセルロースが5重量%以上90重量%以下であり、セルロース以外の高分子が10重量%以上95重量%以下であり、さらに好ましい範囲はセルロースが10重量%以上80重量%以下であり、セルロース以外の高分子が20重量%以上90重量%以下である。特に、セルロースの含有量が30重量%以上70重量%以下で、セルロース以外の高分子の含有量が30重量%以上70重量%以下であることが好ましい。
セルロース繊維複合体中のセルロース及びセルロース以外の高分子の含有量は、例えば、複合化前のセルロースの重量と複合化後のセルロースの重量より求めることができる。また、高分子が可溶な溶媒にセルロース複合体を浸漬して高分子のみを取り除き、残ったセルロースの重量から求めることもできる。その他、樹脂の比重から求める方法や、NMR、IRを用いて樹脂やセルロースの官能基を定量して求めることもできる。
IV−4−2.厚み
本発明のセルロース繊維複合体の厚みは、好ましくは10μm以上10cm以下であり、このような厚みとすることにより、構造材としての強度を保つことができる。セルロース繊維複合体の厚さはより好ましくは50μm以上1cm以下であり、さらに好ましくは80μm以上250μm以下である。
なお、本発明のセルロース繊維複合体は、例えば、このような厚さの膜状(フィルム状)又は板状であるが、平膜又は平板に限らず、曲面を有する膜状又は板状とすることもできる。また、その他の異形形状であってもよい。また、厚さは必ずしも均一である必要はなく、部分的に異なっていてもよい。
IV−4−3.着色
本発明のセルロース繊維複合体は、加熱による着色が小さいことを特徴とする。
セルロースは、特に木質由来の原料を用いることで黄色味がつく場合がある。これは、セルロース自身の着色の場合と、精製度合いによって残ったセルロース以外の物質が着色する場合がある。一般的に、セルロースのみの段階では着色しないが、高分子と複合化する際の加熱によって着色することがある。
本発明の加熱処理を施されたセルロース繊維及び本発明のセルロース繊維複合体は、このような加熱の工程が入っても着色が小さい。
本発明のセルロース繊維複合体の着色を示すYIは190℃4時間の加熱処理を4回行った後の値が25以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましく、18以下であることがさらに好ましい。190℃4時間の加熱処理を4回行った後のYIが25より大きい場合、下記に示すヘーズが大きくなったり全光線透過率が低くなったりするため好ましくない。
本発明のセルロース繊維複合体は複数回の加熱によっても着色が小さく、各種デバイスの透明基板等の実際のデバイス化工程における、数回の加熱処理に耐えうるものである。
YIは例えば、スガ試験機製カラーコンピューターを用いて測定することができる。
IV−4−4.ヘーズ
本発明のセルロース繊維複合体は、透明性の高い、すなわちヘーズの小さいセルロース繊維複合体とすることができる。各種透明材料として用いる場合、このセルロース繊維複合体のヘーズ値は、通常2以下、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.8以下であり、特にこの値は1.5以下であることが好ましい。ヘーズが2より大きくなると実質的に各種デバイスの透明基板等に適用することは困難となる。
ヘーズは例えば厚み10〜100μmのセルロース複合体について、スガ試験機製ヘーズメータを用いて測定することができ、C光の値を用いる。
IV−4−5.全光線透過率
本発明のセルロース繊維複合体は、透明性の高い、すなわちヘーズの小さいセルロース繊維複合体とすることができる。各種透明材料として用いる場合、このセルロース繊維複合体は、JIS規格K7105に準拠してその厚み方向に測定された全光線透過率が60%以上、更には70%以上、特に80%以上、とりわけ90%以上であることが好ましい。この全光線透過率が60%未満であると半透明又は不透明となり、透明性が要求される用途への使用が困難となる場合がある。全光線透過率は例えば、厚み10〜100μmのセルロース繊維複合体について、スガ試験機製ヘーズメータを用いて測定することができ、C光の値を用いる。
IV−4−6.線膨張係数
本発明のセルロース繊維複合体は、線膨張係数(1Kあたりの伸び率)の低いセルロースを用いることにより線膨張係数の低いセルロース繊維複合体とすることができる。このセルロース複合体の線膨張係数は1〜50ppm/Kであることが好ましく、1〜30ppm/Kであることがより好ましく、1〜20ppm/Kであることが特に好ましい。
即ち、例えば、基板用途においては、無機の薄膜トランジスタの線膨張係数が15ppm/K程度であるため、セルロース繊維複合体の線膨張係数が50ppm/Kを超えると無機膜との積層複合化の際に、二層の線膨張率差が大きくなり、クラック等が発生する。従って、セルロース複合体の線膨張係数は、特に1〜20ppm/Kであることが好ましい。
なお、線膨張係数は、後述の実施例の項に記載される方法により測定される。
IV−4−7.引張強度
本発明のセルロース繊維複合体の引張強度は、好ましくは40MPa以上であり、より好ましくは100MPa以上である。引張強度が40MPaより低いと、十分な強度が得られず、構造材料等、力の加わる用途への使用に影響を与えることがある。
IV−4−8.引張弾性率
本発明のセルロース繊維複合体の引張弾性率は、好ましくは0.2〜100GPaであり、より好ましくは1〜50GPa、さらに好ましくは5.0〜30GPaである。引張弾性率が0.2GPaより低いと、十分な強度が得られず、構造材料等、力の加わる用途への使用に影響を与えることがある。
IV−5.用途
本発明のセルロース繊維複合体は、透明性が高く、高強度、低吸水性、高透明性、低着色およびヘーズが小さく光学特性に優れるため、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、リアプロジェクションテレビ等のディスプレイや基板やパネルとして好適である。また、シリコン系太陽電池、色素増感太陽電池などの太陽電池用基板に好適である。基板としては、バリア膜、ITO、TFT等と積層してもよい。特に、本発明により得られるセルロース繊維複合体は複数回の加熱によっても着色が小さく、各種デバイスの透明基板等の実際のデバイス化工程における、数回の加熱処理に耐えうるものである。
また、自動車用の窓材、鉄道車両用の窓材、住宅用の窓材、オフィスや工場などの窓材などに好適に使われる。窓材としては、必要に応じてフッ素皮膜、ハードコート膜等の膜や耐衝撃性、耐光性の素材を積層してもよい。
また、低線膨張係数、高弾性、高強度等の特性を生かして透明材料用途以外の構造体としても用いることができる。特に、内装材、外板、バンパー等の自動車材料やパソコンの筐体、家電部品、包装用資材、建築資材、土木資材、水産資材、その他、工業用資材等と
して好適に用いられる。
以下、製造例、実施例および比較例によって、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
尚、本発明により得られるセルロース繊維シート作製の濾過時間(抄紙時間)及びセルロース繊維の平均繊維径、セルロース繊維複合体のセルロース含有量、YI、ヘーズ及び線膨張係数の測定方法は以下の通りである。
〔濾過時間〕解繊セルロース分散液を記載の濃度に調製したのち、濾過装置に投入してから終了までの時間を濾過時間とした。
〔平均繊維径〕
セルロースの繊維径は、光学顕微鏡または、SEMやTEM等で観察することにより計測して求めた。セルロース繊維シートを50,000倍に拡大したSEM写真よりランダムに抽出した20点の平均を平均繊維径(数平均繊維径)とした。
〔セルロース繊維複合体中のセルロース含有量〕
複合化に用いたセルロース繊維シートの重量と、セルロース繊維複合体の重量からセルロース含有量(重量%)を求めた。
〔セルロース繊維複合体の厚み〕
膜厚計(PEACOK製のPDN−20)を用いて、セルロース繊維複合体の種々な位置について10点の測定を行い、その平均値を採用した。
〔セルロース繊維複合体のYI値〕
スガ試験機製カラーコンピュータを用いてYI値を測定した。
〔セルロース繊維複合体のヘーズ〕
スガ試験機製ヘーズメータを用いてC光によるヘーズ値を測定した。
〔セルロース繊維複合体の全光線透過率〕
得られた複合体について、JIS規格K7105に準拠し、スガ試験機製ヘーズメータを用いてC光による全光線透過率を測定した。
〔セルロース繊維複合体の線膨張係数〕
セルロース繊維複合体をレーザーカッターにより、3mm幅×40mm長にカットした。これをSII製TMA6100を用いて引張モードでチャック間20mm、荷重10g、窒素雰囲気下、室温から180℃まで5℃/min.で昇温し、次いで180℃から25℃まで5℃/min.で降温し、更に25℃から180℃まで5℃/min.で昇温した際の2度目の昇温時の60℃から100℃の測定値から線膨張係数を求めた。
<製造例1>
セルロース含有物として木粉((株)宮下木材、米松100)を炭酸ナトリウム2重量%水溶液で80℃にて6時間脱脂した。これを脱塩水で洗浄した後、亜塩素酸ナトリウムを用いて酢酸酸性下、80℃にて5.5時間脱リグニンした。最後に脱塩水で洗浄し、脱リグニン処理した木粉を得た。
<製造例2>
製造例1で得られた脱リグニン処理木粉を水酸化カリウム5重量%水溶液に16時間浸漬して脱ヘミセルロース処理を行った。これを脱塩水で洗浄し、脱リグニン処理木粉を脱ヘミセルロース処理したセルロース繊維原料を得た。
<製造例3>
製造例2で得られたセルロース繊維原料を0.5重量%の水懸濁液(セルロース繊維原
料分散液)とし、回転式高速ホモジナイザー(エム・テクニック社製クレアミックス0.8S)にて20000rpmで30分解繊処理した。
更にSMT社製超音波ホモジナイザーUH−600S(周波数20kHz、実効出力密度22W/cm)を用いて超音波処理を行った。
36mmφのストレート型チップ(チタン合金製)を用い、アウトプットボリウム8でチューニングを行い、最適なチューニング位置で30分間超音波処理を行った。セルロース繊維原料分散液は処理容器の外側から5℃の冷水で冷却し、また、マグネティックスターラーにて撹拌しながら処理を行った。
この超音波処理した分散液の遠心分離を行い、上澄みを得た。遠心分離機として日立工機株式会社製のhimacCR22Gを用い、アングルローターとしてR20A2を用いた。50ml遠沈管8本を、回転軸から34度の角度で設置した。1本の遠沈管に入れる解繊セルロース分散液の量は30mlとした。18000rpmにて30分間遠心分離作業を行いその上澄み液を採取した。得られた上澄み液(解繊セルロース分散液)の固形分濃度は0.4重量%であった。
<製造例4>
製造例1で得られた脱リグニン処理した木粉を0.5重量%の水懸濁液とし、スギノマシーン社製超高圧ホモジナイザー(アルティマイザー(スターバーストラボHJP−24005)、細孔直径150μm)を用いて、噴出圧力245MPaにて10回解繊処理を行った。
<実施例1>
製造例3で得られた上澄み液(解繊セルロース分散液)60gに、エチレングリコール(沸点198℃)125gを攪拌しながら滴下後、105℃にて1時間加熱処理し、液内
の水分を除去した。その後、165℃にまで昇温し、1時間加熱した。加熱処理後の分散液の固形分濃度は0.2重量%であった。
得られた分散液を固形分濃度0.13重量%になるように水で希釈した。その後、孔径1μmのPTFEを用いた90mm径の濾過器に800g投入し、投入した加熱処理後の分散液の水希釈分散液中の固形分が約5重量%になったところで2−プロパノール30mlを投入して置換した。ろ過が終了するまでに要した時間は45分であった。
その後、120℃、0.14MPaで5分間プレス乾燥してPTFEを剥離し白色のセルロース繊維シート(セルロース不織布)を得た。得られたセルロース繊維シートのSEM観察より、500nm以上の繊維径の繊維は含まれていないことを確認した。また、任意に抽出した20箇所の平均繊維径は25nmであった。
このセルロース繊維シートを、ビス(メタクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.
2.1.02,6]デカン96重量部、ペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロ
ピオネート)6 重量部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオ
キサイド(BASF社製ルシリンTPO)0.05重量部、ベンゾフェノン0.05重量部を混合した樹脂溶液に含浸させ、減圧下一晩おいた。上記樹脂溶液を含浸させたセルロース繊維シートを2枚のガラス板にはさみ、無電極水銀ランプ(フュージョンUVシステムズ社製「Dバルブ」)を用いて、放射照度400mW/cmの下を、ライン速度7m/minで照射した。このときの放射照射量は0.12J/cmであった。この操作をガラス面を反転して2回行った。紫外線照射後のガラス面の温度は25℃であった。
次いで、放射照度1900mW/cmの下をライン速度2m/minで照射した。このときの放射照射量は2.7J/cmであった。この操作をガラス面を反転して8回行
った。紫外線照射後のガラス面の温度は44℃であった。放射照射量は21.8J/cmであった。紫外線照射終了後、ガラス板よりセルロース繊維複合体をはずし、190℃の真空オーブン中で4時間加熱して複合材料を得た。この複合材料の物性を表1に示す。
また、耐熱性の試験を行うため、190℃の真空オーブン中で4時間加熱する操作を更に3回繰り返し行った後の複合材料の物性も表1に示す。
なお、紫外線の放射照度は、オーク製作所製紫外線照度計「UV−M02」で、アタッチメント「UV−35」を用いて、320〜390nmの紫外線の照度を23℃で測定した。
<実施例2>
製造例3で得られた上澄み液を、固形分濃度が0.13重量%になるように水で希釈した。その後、孔径1μmのPTFEを用いた90mm径の濾過器に187g投入し、固形分が約5重量%になったところで2−プロパノール30mlを投入して置換した。ろ過が終了するまでに要した時間は256分であった。
その後、120℃、0.14MPaで5分間プレス乾燥して白色のセルロース繊維シートを得た。得られたシートをエチレングリコール125g中に浸漬し、165℃にて1時間加熱処理した。加熱処理後、シートを水で洗浄し、次いで2−プロパノールで洗浄し、120℃、0.14MPaで5分間プレス乾燥を行った。得られたセルロース繊維シートのSEM観察より、500nm以上の繊維径の繊維は含まれていないことを確認した。また、任意に抽出した20箇所の平均繊維径は20nmであった。
加熱処理済みのセルロース繊維シートは、実施例1と同様の手順で複合体とし、耐熱性の評価を行った。物性を表1に示す。
<実施例3>
製造例3で得られた上澄み液150gを仕込んだオートクレーブを熱風オーブン内に設置して、オーブン温度を170℃に設定した。170℃に到達後、170℃を3時間保持することで熱水処理(加熱処理)し、その後室温まで冷却した。次いで、オートクレーブより取り出した加熱処理後の液にセルロース濃度が0.13重量%となるように水を加え、家庭用ミキサーで攪拌した。希釈した分散液のうち150gを採取し、孔径1μmのPTFEフィルターを用いた90mm径の濾過器によってろ過を行い、固形分が約5重量%になったところで2−プロパノール30mlを投入して置換した。ろ過が終了するまでに要した時間は91分であった。
その後、120℃、0.2MPaで5分間プレス乾燥して白色のセルロース繊維シートを得た。得られたセルロース繊維シートのSEM観察より、500nm以上の繊維径の繊維は含まれていないことを確認した。また、任意に抽出した20箇所の平均繊維径は20nmであった。
加熱処理済みのセルロース繊維シートは、実施例1と同様の手順で複合体とし、耐熱性の評価を行った。物性を表1に示す。
<実施例4>
製造例4で得られた解繊セルロース分散液(0.47重量%)150gをオートクレーブに仕込み、実施例3と同様にして170℃の熱水処理(加熱処理)を施した。処理後の分散液を取り出し、セルロース濃度が0.13重量%になるようにして水を加え、家庭用ミキサーで攪拌した。
希釈した分散液のうち150gを計り取り、孔径1μmのPTFEフィルターを用いた90mm径の濾過器によってろ過を行い、固形分が約5重量%になったところで2−プロ
パノール30mlを投入して置換した。ろ過が終了するまでに要した時間は76分であった。
その後、120℃、0.2MPaで5分間プレス乾燥して白色のセルロース繊維シートを得た。
次に、得られたセルロース繊維シートをビーカーに入れ、80℃の水に3時間浸漬した。その後、2−プロパノールに1時間浸漬し、再度、120℃、0.2MPaで5分間プレス乾燥をした。得られたセルロース繊維シートのSEM観察より、500nm以上の繊維径の繊維は含まれていないことを確認した。また、任意に抽出した20箇所の平均繊維径は26nmであった。
加熱処理済みのセルロース繊維シートは、実施例1と同様の手順で複合材料にし、耐熱性の評価を行った。物性を表1に示す。
<実施例5>
製造例3で得られた上澄み液60gに、エチレングリコールモノ-tert-ブチルエーテル(沸点152℃)125gを攪拌しながら滴下後、105℃にて1時間加熱し、液内の水
分を除去した。その後、150℃にまで昇温し、1時間加熱処理した。加熱処理後の分散液の固形分濃度は0.3重量%であった。得られた分散液を0.13重量%になるように水で希釈した。
その後、孔径1μmのPTFEを用いた90mm径の濾過器に800g投入し、投入した加熱処理分散液の水希釈分散液の固形分が約5重量%になったところで2−プロパノール30mlを投入して置換した。ろ過が終了するまでに要した時間は32分であった。
その後、120℃、0.14MPaで5分間プレス乾燥してPTFEを剥離し白色のセルロース繊維シートを得た。得られたセルロース繊維シートのSEM観察より、500nm以上の繊維径の繊維は含まれていないことを確認した。また、任意に抽出した20箇所の平均繊維径は30nmであった。
得られたシートは、実施例1と同様の手順で複合体とし、耐熱性の評価を行った。物性を表1に示す。
<実施例6>
製造例3で得られた上澄み液60gに、エチレングリコール(沸点198℃)100gを攪拌しながら滴下した。得られた混合液をオートクレーブに入れ、熱風オーブン内に設置し、オーブン温度を170℃に設定した。170℃に到達後、5時間保持することで加熱処理し、その後室温まで冷却した。次いで、オートクレーブより取り出した熱処理後の液を、孔径1μmのPTFEフィルターを用いた90mm径の濾過器によってろ過を行い、固形分が約5重量%になったところで2−プロパノール30mlを投入して置換した。ろ過が終了するまでに要した時間は277分であった。
その後、120℃、0.2MPaで5分間プレス乾燥して白色のセルロース繊維シートを得た。得られたセルロース繊維シートのSEM観察より、500nm以上の繊維径の繊維は含まれていないことを確認した。また、任意に抽出した20箇所の平均繊維径は26nmであった。
得られたセルロース繊維シートは、実施例1と同様の手順で複合体とし、耐熱性の評価を行った。物性を表1に示す。
<比較例1>
製造例3で得られた上澄み液を、固形分濃度が0.13重量%濃度になるように水で希釈した。その後、孔径1μmのPTFEを用いた90mm径の濾過器に150g投入し、固形分が約5重量%になったところで2−プロパノール30mlを投入して置換した。ろ
過が終了するまでに要した時間は256分であった。その後、120℃、0.14MPaで5分間プレス乾燥して白色のセルロース繊維シートを得た。
セルロース繊維シートは、実施例1と同様の手順で複合体とし、耐熱性の評価を行った。物性を表1に示す。
<比較例2>
製造例4で得られたセルロース繊維原料分散液を比較例1と同様の手順でろ過とプレスを行い、セルロース繊維シートを得た。
セルロース繊維シートは、実施例1と同様の手順で複合体とし、耐熱性の評価を行った。物性を表1に示す。
<比較例3>
製造例2において得られたセルロース繊維原料を濾過により脱水した。これを酢酸中に分散して濾過する工程を3度行い、水を酢酸に置換した。セルロース繊維原料1gに対して、トルエン50ml、酢酸40ml、60%過塩素酸水溶液0.2mlを混合しておき、そこに酢酸置換したセルロース繊維原料を添加した。
その後、無水酢酸1mlを添加し攪拌しながら1時間反応させた。反応後、反応液を濾
過して、メタノール、脱塩水の順で洗浄した。これを固形分濃度が0.5重量%の水懸濁液とし、増幸産業株式会社の石臼式摩砕機スーパーマスコロイダーMKCA6−2を用い、GC6−80の石臼を用いて、ギャップ間を80μmにして回転数1500rpmにて、原料投入口から投入する操作を2回行った。さらに、超高圧ホモジナイザー(スギノマシン製アルティマイザー)に150MPaで2回、245MPaで10回通した。
得られたセルロース繊維原料分散液を0.25重量%に希釈した後、SMT社製超音波ホモジナイザーUH−600S(周波数20kHz、出力224W)を用いて超音波処理を行った。36mmφのストレート型チップ(チタン合金製)を用い、アウトプットボリウム8でチューニングを行い、最適なチューニング位置で60分間、50%の間欠運転にて超音波処理を行った。50%の間欠運転とは0.5秒間超音波を発振した後0.5秒間休止を行う運転をさす。セルロース繊維原料分散液は処理容器の外側から5℃の冷水で冷却し、マグネティックスターラーにて撹拌しながら処理を行った。
上記処理により得られた解繊セルロース分散液をさらに固形分濃度0.13重量%に希釈した後、製造例3と同様にして遠心分離機を行った。得られた分散液を比較例1と同様に濾過して、白色のアセチル化セルロース繊維シートを得た。このシートの化学修飾率は9.0mol%であった。
この化学修飾後のシートを実施例1と同様の手順で複合体とし、耐熱性の評価を行った。物性を表1に示す。
<比較例4>
実施例2において、セルロース繊維シートをエチレングリコールで加熱処理する際の加熱処理を100℃、1時間にしたこと以外は全て実施例2と同様の手順で複合体とし、耐熱性の評価を行った。物性を表1に示す。
Figure 2011144363
本発明により得られる実施例1〜6に示すような複合体は、比較例1や2に示すような複合体と比較して、加熱後の着色が著しく低減した。
また、比較例3で示すような修飾セルロースから得られる複合体と比較して、4回加熱処理しても低着色であり、耐熱性が向上していることが分る。
また、実施例4の結果から、本発明における熱処理は、脱ヘミセルロースをしていない木粉を用いても十分に効果的であり、プロセスの短縮と経済性、環境負荷の面で有効である。
さらに、実施例1および実施例3〜5に示すような解繊処理後の分散液を熱処理することにより、複合体の透明性を悪化させることなく、ろ過時間を大幅に短縮してセルロース繊維シートを作製することが可能になった。すなわち、高生産性で高透明、非着色性、高耐熱性、低線膨張係数の複合体が達成された。
また、実施例6では、加熱処理時の溶媒を混合液(混合溶媒)とすることにより、さらに着色が良好となることがわかった。
本発明のセルロース繊維複合体は、透明性が高く、高強度、低吸水性、高透明性、低着色およびヘーズが小さく光学特性に優れるため、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、リアプロジェクションテレビ等のディスプレイや基板やパネルとして好適である。また、シリコン系太陽電池、色素増感太陽電池などの太陽電池用基板に好適である。基板としては、バリア膜、ITO、TFT等と積層してもよい。また、自動車用の窓材、鉄道車両用の窓材、住宅用の窓材、オフィスや工場などの窓材などに好適に使われる。窓材としては、必要に応じてフッ素皮膜、ハードコート膜等の膜や耐衝撃性、耐光性の素材を積層してもよい。
また、低線膨張係数、高弾性、高強度等の特性を生かして透明材料用途以外の構造体としても用いることができる。特に、内装材、外板、バンパー等の自動車材料やパソコンの筐体、家電部品、包装用資材、建築資材、土木資材、水産資材、その他、工業用資材等として好適に用いられる。

Claims (7)

  1. 数平均繊維径が4〜100nmであるセルロース繊維とマトリックスとを含み、ヘーズ2以下、かつ190℃4時間の加熱処理を4回繰り返した後のYI値が25以下であるセルロース繊維複合体。
  2. セルロース繊維を、溶媒共存下において140℃以上で加熱処理する工程を含む、請求項1に記載のセルロース繊維複合体の製造方法。
  3. 数平均繊維径が4〜100nmであるセルロース繊維を、溶媒共存下において140℃以上で加熱処理する工程を含む、セルロース繊維複合体の製造方法。
  4. セルロース繊維を、溶媒共存下において140℃以上で加熱処理する工程が、セルロース繊維を含む分散液を、140℃以上で加熱処理する工程である、請求項2または3に記載のセルロース繊維複合体の製造方法。
  5. 前記加熱処理する工程において、セルロース繊維と共存する溶媒が沸点140℃以上の溶媒を含む、請求項2〜4のいずれか1項に記載のセルロース繊維複合体の製造方法。
  6. 前記加熱処理する工程を、加圧条件下で行う、請求項2〜5のいずれか1項に記載のセルロース繊維複合体の製造方法。
  7. 前記加熱処理する工程の後に、抄紙工程を有する、請求項2〜6のいずれか1項に記載のセルロース繊維複合体の製造方法。
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