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JP2011028185A - 親水性低反射部材 - Google Patents

親水性低反射部材 Download PDF

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JP2011028185A
JP2011028185A JP2009181979A JP2009181979A JP2011028185A JP 2011028185 A JP2011028185 A JP 2011028185A JP 2009181979 A JP2009181979 A JP 2009181979A JP 2009181979 A JP2009181979 A JP 2009181979A JP 2011028185 A JP2011028185 A JP 2011028185A
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low
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Toshiaki Sugimoto
敏明 杉本
Tamon Sakamoto
多門 坂本
Hisafumi Takanobu
尚史 高信
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Abstract

【課題】400〜1200nmの幅広い領域で高い光透過率を有し、基材との接着強度が強く、耐候性に優れ、親水性で防汚性がよく、帯電防止機能を有し、しかもコスト的に安価な親水性低反射部材を提供する。
【解決手段】透明基板と、該透明基板上に形成される低反射膜を有する低反射部材であって、該低反射膜が、粒子径5〜500nmの水酸化フッ化マグネシウム超微粒子を含むことを特徴とする親水性低反射材料。さらに屈折率調整剤として金属酸化物を混合することにより、長波長領域での透過性が改善され、400〜1200nmの幅広い波長領域において高い透明性を示す。
【選択図】図1

Description

この発明は、透明基板(ガラス板等)と、該透明基板上に形成される低反射膜を有する親水性の低反射部材に関する。さらには屈折率調整剤を添加することにより800nm〜1200nmの透過率を改良して、400〜1200nmの幅広い領域で高い透過性を示す低反射部材に関する。
親水性を有する低反射部材は、太陽電池または電子写真感光体などの表面の保護膜を始めとして、レンズ等の光学材料、陰極線管や液晶表示装置等の画像表示面、複写機、撮像管、LED表示素子、照明、有機EL、窓やショーケース、デジタルカメラ、液晶プロジェクタ等、各種光学機器向けレンズの反射防止膜、自動車のヘッドランプのリフレクタ部材等の板ガラスや透明プラスチック等に好適に用いられる。
一般に透明ガラスや透明プラスチックのように、その透明性を利用する基材は、表面での光の反射を防ぐための低反射膜が古くから研究されている。これらの表面反射は、レンズなどの光学用途ではその性能を低下させ、表示装置やショーケース等では電灯光や太陽光の反射が視認性に悪影響を及ぼす。
特に太陽電池の表面保護膜として使用する場合においては、高い受光効率、すなわち高い光透過率および低い反射率が要求されるうえ、太陽電池は太陽光に常時暴露されるため、耐紫外線性、耐水性、および耐候性等を併せ持つ材料が望まれる。したがって、劣化しにくく長期にわたり性能を維持できるという観点から考えると、樹脂等の有機材料よりも無機系の材料の方が望ましい。
低反射膜は基材の表面に成膜することで、反射率を低減させるものである。従来、低反射膜の製造において、基板上に高屈折率膜の層と低屈折膜の層とからなる多層膜を作製する方法が用いられてきたが、多層膜を作製するところから製造に多大な時間を要し、また、各薄膜の厚みの精密制御が必要でありしかもその精度が反射率に大きな影響を及ぼすことがあるため、経済的に高価なものとなる欠点があった。このため、最近では、低コストで大面積を作製できる単層の低反射膜の開発が望まれている。
薄膜干渉を利用して低反射効果を得る場合、膜の屈折率と厚みが重要となる。基材の屈折率をn、媒体の屈折率をn、光の波長をλとすると、低反射膜が1層の場合、最も反射率が低くなる(理論上0になる)膜の屈折率nはn=(n×n1/2、膜厚dはd=m(nλ/4) (m=1,3,5,…)、で表される。nを空気≒1、一般的な基材の屈折率nを1.4〜1.7とすると、理想的にはn=1.18〜1.30とかなり低い値が求められる。低反射膜を多層にすれば、広範囲の波長で反射防止が可能となるが、スパッタや蒸着装置が必要であり大面積化が困難で、高コストになってしまう欠点があった。
したがって単層で低コストで低反射にするためには、基材に対して理論屈折率にになるべく近い膜が必要である。
また、微粒子による光の乱反射を利用して低反射効果を得る場合も(いわゆる防眩膜)、この微粒子の屈折率は上記と同様か、媒体との界面反射を抑えるために媒体の屈折率(空気の場合は約1)により近いことが求められる。
このような理由により、無機系の材料として反射防止最外層には低屈折率を有するフッ化マグネシウム(MgF、n=1.38)が良く用いられている。フッ化マグネシウムは蒸着により成膜する方法が主流であったが、コストや作業性の面から、従来の蒸着法ではなく、大面積に適した安価で生産性のよいコーティング法が求められるようになってきている。
これらの要求を満たすべく、大面積に適した安価な反射防止膜としてコーティング膜としては、従来、フッ化マグネシウム微粒子が用いられてきた。フッ化マグネシウムのゾルとしては、マグネシウム塩水溶液にフッ化物水溶液を添加して生成したフッ化マグネシウムゲルを洗浄・濃縮して得られる水性ゾルや、水性ゾルを有機溶剤へ転相して得られるオルガノゾルが知られている(特許文献1、2参照)。また、特許文献3には、有機溶剤中で製造されたフッ化マグネシウムを反応後にオートクレーブなどにより加熱・加圧処理することで、副生物を除去する方法が記載されている。さらに、特許文献4にはフッ化マグネシウムと金属酸化物を含有する耐摩耗性コーティングを有する支持体が開示されている。なお、フッ化マグネシウムの製造においては、フッ化水素は不適であるとの開示がある。
また、特許文献5には、フッ化マグネシウム等のフッ化物により被覆されている基材の被覆層表面をプラズマ照射等によって表面改質して親水性を導入した難帯電性光学素子の製造方法が開示されている。また、特許文献6には、多層系の反射防止膜においてフッ化マグネシウム層の直下に二酸化チタン等の光触媒能を有する層を形成することにより、水ヤケを防止した光学体が開示されている。なお、当該引用文献には、フッ化マグネシウムは非親水性であることが開示されている。
一方、非特許文献1には、CIS薄膜系の薄膜太陽電池および結晶性シリコンが400〜1200nmの幅広い吸収領域を有しており、従来のアモルファスシリコン系と比較して長波長領域の光を吸収することが可能で、その吸収のピークが900nm付近にあることが開示されている。
特開平7‐69621号公報 特開平2‐26824号公報 国際特許公開公報WO2002/18982号 特表2008−501557号公報 特開2001−147302号公報 特開2005−165014号公報
インターネット<http://www.showashell−solar.co.jp/solasicis/cis.html[平成21年6月22日検索]
上記のようにフッ化マグネシウムを低反射膜として使用することは有用であるが、上記特許文献1(特開平7‐69621号公報)や特許文献2(特開平2‐26824号公報)に記載の方法では、水系での合成であり副生塩を限外ろ過を用いて洗浄・濃縮を行っており、生産性やコスト面で問題を抱えている。また、特許文献3(国際特許公開公報WO2002/18982号)の方法は、オートクレーブにて副生する有機物を完全に除去する必要があるため操作が煩雑となる上、副生する有機物の除去が充分でない場合は屈折率の低下が充分でないことが記載されている。特許文献4に記載のものは、コーティング膜の耐摩耗性に優れるものの、薬液であるフッ化マグネシウムと特定の金属酸化物前駆体混合液の保存安定性に問題がある。
上記のように光学用途において用いられるフッ化マグネシウム類において、特許文献1〜4に示すように低屈折率を有することによる反射防止機能が求められる一方で、特許文献5で示唆されるように、帯電性防止のために親水性を導入する方法が求められていた。しかしながら、特許文献5のプラズマ照射等によって被覆層表面に生じた水酸基(OH基)は、寿命が短く長期の親水性を発現させることが難しく、製造においてはプラズマ等の設備が必要となり汎用的ではない。
特許文献6に示される光学体は、フッ化マグネシウムと酸化チタンの親水性の組合せにより、低発射と防汚性の両方を満たすものであるが、多層膜にかかるものであるから製造に手間がかかるため、単層膜で低屈折性と親水性を満たす部材が求められていた。
一方、非特許文献1に示すように、多様な太陽電池において分光感度は例えば、アモルファスシリコンにおいては可視光の580nmを中心に、結晶−Siや化合物半導体においては800〜1200nmの長波側の波長領域を中心に透過する必要がある。太陽電池用途にあっては従来の可視光のみならず長波長領域に対応した、400〜1200nmの幅広い領域における光を透過する低反射膜が求められるようになっている。
さらに、これらに限らず、フッ化マグネシウムを用いた低反射膜には根本的に以下のような問題がある。
(1) 表面の汚れが目立ちやすい
光学薄膜干渉を利用した低反射膜の場合、汗や油などの一般的な有機物の汚れが付着すると薄膜となって光干渉を起こし光学膜厚が変化して、色が付いて見えるなど光学干渉が起こるので、より汚れが浮き出て目立つ結果となる。
(2)汚れが付着しやすい
また超微粒子からなる薄膜では、汚れを除去することは非常に困難重要であり、汚れの除去には多大の労力を要し、光の散乱を利用した反射防止効果を得る防眩膜の場合も、表面が凹凸であるため、さらに汚れが凹部に入り込み物理的に表面に汚れが付着しやすい。
(3)絶縁体であり静電気を帯びやすい
これらの汚れが付着しやすい原因として、フッ化マグネシウムを用いた低反射膜は基本的に絶縁体でありそのために帯電しやすく、また疎水であることにより汚染物質がすます付着しやすくなり、特に冬季の乾燥時期においてはその傾向が著しい。
たとえば、眼鏡やカメラのレンズ等の蒸着したフッ化マグネシウム膜は表面抵抗値が3.9×1012Ω.cmで絶縁体であり、純水接触角は68°で疎水性である。このため汗やホコリで汚れが付着しやすく、汚染しやすいことは自明である。特許文献5にもフッ化物を有する光学素子の表面が帯電しやすく、透過率が低下する旨記載されている。
したがって、フッ化マグネシウムを用いた低反射膜は太陽電池などで屋外暴露使用においては、風雨や紫外線に曝されるほか、砂塵、鳥の糞、排ガス等の無機・有機物に常時曝され、長期にわたって汚染物質が堆積付着しやすくなり、太陽光を遮り発電効率の低下を招くため好ましくない。
(4) 基材との接着強度が弱い。
フッ化マグネシウムに限らずフッ化物は化学的に安定であるので、例えばガラス基板上に成膜して、ある程度の温度で焼成しても基板と化学結合を形成し難い。またフッ化マグネシウムはモース硬度が6程度で、硬度はそれほど大きくなくそのため、耐摩耗性に劣り、膜がはがれやすいという問題がある。
公知技術によってこれらの問題を解決しているものはなく、高い光透過率および低い反射率を有し、基材との接着強度が強く、耐候性に優れ、親水性で防汚性がよく、帯電防止機能を有し、しかも大面積化が可能でコスト的に安価なな低反射膜が求められていた。特に最近の化合物系半導体および結晶性シリコンや化合物系半導体を用いた太陽電池においては、可視光領域ばかりでなく、特に400〜1200nmの幅広い領域での光透過性が求められている。本発明は、かかる低反射膜を提供することを課題とする。
本出願人らは、かかる課題を解決するため鋭意検討したところ、低反射膜の構成成分として、低反射性を有するけれども非親水性であるフッ化マグネシウムの代替に、分子中に水酸基を有する水酸化フッ化マグネシウム超微粒子を用いることにより、良好な低反射性(屈折率n=1.22〜1.29)を有するばかりでなく、優れた親水性を発現することが可能となり、防汚性、自浄性、帯電防止性に優れた低反射膜が得られることを見出した。
さらに、上記水酸化フッ化マグネシウム超微粒子に「屈折率調整剤」として特定の金属酸化物を混合することにより、水酸化フッ化マグネシウムの超微粒子に金属酸化物をナノオーダーで均一に分散させることができ、400nm〜1200nmの幅広い領域で透過性のよい無色透明の耐久性のある光学薄膜を得ることを見出し、本発明に到達した。
また、屈折率調整剤として、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化アンチモン等の帯電防止能力がある金属酸化物を用いることにより、親水性低反射部材にさらに表面抵抗値が1×1010Ω.cm以下の帯電防止機能を付与することができることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の発明1〜11を含む。
「発明1」
透明基板と、該透明基板上に形成される低反射膜を有する低反射部材であって、該低反射膜が、粒子径5〜500nmの水酸化フッ化マグネシウム超微粒子を含むことにより親水性を発現することを特徴とする親水性低反射部材。
「発明2」
水酸化フッ化マグネシウムが、MgF2−x(OH)(x=0.01〜0.5)であることを特徴とする、発明1に記載の親水性低反射部材。
「発明3」
水酸化フッ化マグネシウムが、MgF1.89(OH)0.11であることを特徴とする発明1または2に記載の親水性低反射部材。
「発明4」
さらに、屈折率調整剤として、金属酸化物を混合してなる発明1乃至3のいずれかに記載の親水性低反射部材。
「発明5」
親水性低反射膜中の水酸化フッ化マグネシウムと金属酸化物のモル比が、水酸化フッ化マグネシウム10モルあたり、(10/0.5)〜(10/30)の範囲であることを特徴とする発明4に記載の親水性低反射部材。
「発明6」
金属酸化物が、SiO、Al、CeO、ZrO、TiO2、SnO、In、Sb、Laから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする発明4乃至5のいずれかに記載の親水性低反射膜。
「発明7」
水酸化フッ化マグネシウム超微粒子と金属化合物を加水分解した溶液を透明基板表面に成膜した発明4乃至6のいずれかに記載の親水性低反射部材。
「発明8」
波長400〜1200nmにおける平均透過率の差(処理後の透過率−未処理の透過率)6%以上である発明4乃至7のいずれかに記載の低反射部材。
「発明9」
親水性低反射膜表面での水との接触角が30°以下であることを特徴とする発明1乃至8のいずれかに記載の親水性低反射部材。
「発明10」
親水性低反射膜表面の表面抵抗値が1×1010Ω.cm以下であることを特徴とする発明1乃至8のいずれかに記載の親水性低反射部材。
「発明11」
発明4乃至9のいずれかに記載の親水性低反射部材を用いた太陽電池用表面保護部材。
低屈折率で親水性・耐久性に優れた水酸化フッ化マグネシウムの超微粒子を有する低反射膜を透明基材上に形成することにより、優れた性能を持つ親水性低反射部材を得ることが出来る。親水性を持つことから、防汚性に優れ、汚れが付着した場合も容易に洗い流すことが出来る。また、本発明の低反射部材は可視光のみならず近赤外光の長波長領域までの幅広い透過性を有し、特に400〜1200nm領域の透過性に優れるため、太陽電池用保護部材として有用である。
実施例1でガラス基板に成膜した被膜の透過スペクトル 比較例2でガラス基板に成膜した被膜の透過スペクトル
本発明は、透明基板と、該透明基板上に形成される低反射膜を有する低反射部材であって、該低反射膜が、粒子径5〜500nmの水酸化フッ化マグネシウム超微粒子を含むことにより親水性を発現することを特徴とする親水性低反射部材である。
本発明で用いる水酸化フッ化マグネシウムは、低屈折率(1.22〜1.29)であり、さらに水酸基を有することにより親水性を発現するので、「低反射」でありかつ「親水性」である親水性低反射機能を有する。さらに当該水酸基を結合部位として用いることも可能である。水酸化フッ化マグネシウムの微粒子を基板ガラス上に成膜し、透過率を測定したところ、紫外から可視領域においては概ね基板ガラスより5〜8%の高い透過率を有する優れた光学特性を示すことが認められた。特に550nm付近の可視光の領域で低屈折率であり、高い透過率をもたらす。しかしながら、近赤外(800〜1200nm)の長波長では透過率はかなり低減し、未処理ガラスより2〜3%程度高いのみであり、幅広い波長領域での低反射膜を製造するには改良の余地がある。
本発明は、ゾルゲル法により上記水酸化フッ化マグネシウム微粒子に特定の金属酸化物を屈折率調整剤として混合することにより、紫外から可視部の透過性に優れる水酸化フッ化マグネシウムの長波長領域の透過性を改良したものである。混合においては水酸化フッ化マグネシウムならではの特徴を利用して親水性低反射膜を構築した。以下に詳細を示す。
一般に、金属酸化物は、光学特性を有するコーティング膜として有用であるが、それぞれの屈折率は必ずしも低くない。たとえば金属酸化物単独膜の屈折率(文献値)は低い順にシリカ1.45、アルミナ:1.61、酸化スズ:1.68、酸化ジルコニウム:1.86、酸化チタン:2.15、五酸化タンタル:2.3があげられる。これらの値より、シリカ、アルミナ等、屈折率の比較的低い金属酸化物は光学用途にも適応可能であると思われる。シリカ単独のコーティング膜は、全波長で基板ガラスよりやや高い透過率を示すが、長波長領域で特に高い透過率を有するわけではない。
一方、屈折率が大きい金属化合物の場合は、光学用途に用いる低反射膜として用いるのは問題がある。屈折率の大きい金属酸化物の酸化ジルコニウムや、五酸化タンタル、酸化チタン等を単独でガラス基板に成膜した場合は、550℃の高温焼成すると、屈折率がほぼ理論値の1.85〜2.2を示し、この膜はガラス基板(8%)より高い反射率(10〜20%)を示す。すなわち、低反射膜にはとうてい利用できるものではなかった。なお、これらの膜をXRD回折で測定したところ、金属酸化物の結晶化が認められた。
当該金属酸化物の2種以上の混合についても、透過性に問題があり、TiO/SiO酸化系のコーティング膜したガラス基板は、400〜1200nmにおいて、未処理のガラス基板よりも低い透過性を示した(比較例2参照)。
このように、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウムおよび五酸化タンタル等のガラスより屈折率の高い金属酸化物は、長波長領域においても透過性に劣るため、水酸化フッ化マグネシウムと当該金属酸化物を混合させることは、通常では行わない組合せであるが、本発明者らが試みに数種類の金属酸化物を水酸化フッ化マグネシウムと適宜混合してみたところ、組合せによっては、長波長領域の透過率が高くなることが判った。さらに驚くべきことに、成膜後の焼成においてこれらの混合物は、被膜中に非晶質の状態で存在することを発見した。事実、焼成後の被膜をXRDで回折したところ、水酸化フッ化マグネシウムのピークが主体で他の金属酸化物は結晶がほとんど認められず非晶質の状態であった。この非晶質の状態が屈折率の上昇を抑制しているものと推定される。この現象は、水酸化フッ化マグネシウムと混合する金属酸化物の種類が増えるとより顕著な傾向であった。
すなわち、水酸化フッ化マグネシウムゾルと金属酸化物ゾルを数種類以上適宜混合した系の成膜において、高温焼成すると金属酸化物ゾルが混合状態では結晶化が抑制されることにより、一部は非晶質のまま存在すると推定され、屈折率が上昇せずより好ましい結果となった。
水酸化フッ化マグネシウムを含まない系では、結晶化してしまう金属酸化物であっても、水酸フッ化マグネシウム共存下では非晶質で存在するため、当該金属酸化物の屈折率は結晶化した場合と比較して低く抑える事が可能となる。この特徴によりジルコニウムやチタン、タンタルの様な高屈折率の酸化物さえも屈折率調整剤として使用できることを見出した。この非晶質化は、水酸化フッ化マグネシウムを使用することでもたらされる大きな特徴の一つである。
これらの知見に基づき、本発明者等は、水酸化フッ化マグネシウムに屈折率調整剤として金属酸化物を混合して、幅広い波長領域における高い透過率を与える組合せの最適化を図った。
前述のように、水酸化フッ化マグネシウムの屈折率は1.22〜1.29であり、汎用のフッ化マグネシウムの理論値(1.38)より約0.1低い値である。したがって、金属酸化物の添加において、高屈折率の金属酸化物を添加をする場合においても、許容できる範囲が大きくなり有利である。
また、前述のように、水酸化フッ化マグネシウムは550nmにおける透過率が高いので、金属酸化物との混合において同様に550nmをピークとする透過曲線を与えるものと類推されるが、実際に金属酸化物と混合すると最大透過率のピークはやや長波長側にシフトして、それに伴い長波長領域の透過率が高くなる傾向にある。酸化物単独の場合には特に長波長側の透過率が高くなかったアルミナ(n=1.61)についても、600〜800nmの領域においての透過率の改善が認められた。
また、酸化ジルコニウム(n=1.68)をガラス基板に成膜した場合、透過率は全波長においてガラス基板よりも低い値であったが、水酸化フッ化マグネシウムと酸化ジルコニウムの混合系においては、700〜900nmの領域において透過率の改善が認められた。
このように、水酸化フッ化マグネシウムと各金属化合物についてはそれぞれの相性もあり、組み合わせにおいては、単なる屈折率の単純な平均値にはならない。金属酸化物を水酸化フッ化マグネシウムと混合した場合、その組合わせによって特定の波長範囲の透過率を高める傾向が見られる。当該波長の範囲を厳密に規定することはできないが、金属化合物の屈折率が低い場合は、水酸化フッ化マグネシウムの透過率のピークよりもやや長波長側にシフトする。そして金属酸化物の屈折率が高くなるに従い、さらに長波長側にピークを示すようになる。
したがって、この性質を利用して、屈折率の異なる数種の金属酸化物を水酸化フッ化マグネシウムと混合した場合、例えば、屈折率の比較的低い金属化合物は可視領域の透過性を、それより屈折率の高い金属酸化物はさらに長い波長領域の透過性を高める傾向にあるので、これらを適宜組み合わせることにより、金属酸化物が屈折率調整剤として働き、幅広い波長で高い透過率を増大させると思われる。
水酸化フッ化マグネシウムとの混合において、屈折率を低く抑えるためには、低い屈折率の金属酸化物の方が高い屈折率のものよりも多く混合させることができる。すなわち、低屈折率のシリカやアルミナ等は比較的多く混合ができ、たとえば水酸化フッ化マグネシウム10モルに対して0.5〜8モル、より好ましくは1〜6モル混合可能である。中屈折率の酸化スズ、酸化イットリウム等は0.5〜7モル、好ましくは1〜5モル混合できる。高屈折率のジルコニア、酸化チタンや五酸化タンタル等では0.5〜6モル、好ましくは1〜4モル混合することが可能である。ここで、混合においては、必ずしも低屈折率のものを多く入れる必要はなく、混合物の屈折率が低く抑えられる範囲になるように適宜調整すればよい。
金属酸化物の添加量が多い場合は屈折率が上昇して低反射膜にならないので好ましくない。一方、添加量が低すぎる場合は、水酸化フッ化マグネシウムが主体となるので、550nm可視光付近が透過率が増大するが、800nm以上では透過率の低減が著しいため好ましくない。適宜調整することにより、紫外光、可視光のみならず近赤外光の長波長領域までの幅広い光学マトリックス膜が透過率を大幅に増大せしめることが可能となる。
この現象は従来の屈折率の概念の予想に反するもので、3〜5種類の元素を混合した複合膜は、原理は不明だが上記のように個々の元素がある波長範囲の透過率増大化を担い、その波長範囲の透過率を増大させることで、可視光から赤外光にわたり改善するものと思われる。
蒸着やスパッタでは3〜5種類の混合膜を1回で成膜することは不可能であるが、ゾルゲル法(湿式塗布法)では数種類以上の成分を混合した複合膜を1回の成膜で実現することが可能となった。これは紫外可視、赤外の幅広い応用が期待され、ステッパー、レーザー、有機EL、液晶表示素子、LED、照明器具、レンズ等あらゆる波長の光学機器への応用が可能となることを示唆している。
またこれらの金属酸化物を混合することにより、金属酸化物が基板中の酸化物と結合するために、被膜強度の増大化により、耐摩耗性が著しく改善されるという効果も奏する。
本発明において、水酸化フッ化マグネシウム10モルに対する金属酸化物を添加する範囲は、金属酸化物Mとの比(モル比)であらわすと、(水酸化フッ化マグネシウム/M)=(10/0.5)〜(10/30)が好ましく、特に(10/1)〜(10/2.5)が好ましい。(10/0.5)より大きいと水酸化フッ化マグネシウムが主体で被膜強度は劣るため好ましくない。また、(10/30)未満ではフッ化マグネシウムと混合すると薬液は不安定になり、数日でゲル化してしまうため好ましくない。
したがって、水酸化フッ化マグネシウムと金属酸化物の混合物の屈折率が低く抑えられる範囲であって、且つ、(10/0.5)〜(10/30)の範囲であれば、ゲル化しない薬液を用いて被膜強度も問題ない親水性低反射膜の成膜が可能となる。
上記のように、金属酸化物添加の主たる効果は、水酸化フッ化マグネシウムだけでは改善できない近赤外領域の透過率を増大させるべく、可視光から近赤外の範囲まで相対的に屈折率を低く調整することが可能なことあるが、それらを含めて以下のような効果がある。
すなわち、金属酸化物添加効果として
[1]水酸化フッ化マグネシウムに添加して屈折率を調整できるので、光学膜厚を任意に変化させることができる。(屈折率調整剤としての効果)
[2]透過率を変化させる。可視光のみならず、紫外や赤外光の幅広い範囲の波長で透過率を上昇させることが可能になる。(透過率の調整)
[3]被膜強度を増大させる(被膜強度の増大)
水酸化フッ化マグネシウムは本来酸化物ではないため、ガラス基板等の基材に結合しないため、膜強度に劣るものである。ここで金属酸化物をある一定量添加すると、水酸化フッ化マグネシウムと混合して、基材と結合するため、被膜強度が増大させるバインダーとしての効能がある。
[4] 金属酸化物を添加することにより、被膜形成後に水酸化フッ化マグネシウムの水酸基が表層に存在して、親水効果を発現させ、かつ親水性を長期に維持させた自己洗浄機能がある。
[5]金属酸化物として、導電性を有する金属酸化物(例えば、SnO、In)を添加することにより、被膜形成後に水酸化フッ化マグネシウムの水酸基と導電性金属酸化物の相乗効果で帯電防止効果が維持され、長期にわたり防汚機能が保持される。
以下、水酸化フッ化マグネシウム、オルガノゾルの製造工程、金属酸化物についてそれぞれ説明する。
本発明で用いる水酸化フッ化マグネシウムは、水酸基を有する化合物である。これは、X線回折のデータにより確認でき、そのX線回折図は、JCPDS file 54−1272の水酸化フッ化マグネシウム(MgF1.89(OH)0.11)と一致することが認められた。水酸化フッ化マグネシウムはアモルファス性を有し、後述のように親水性を示す。
このような顕著なアモルファス性は、先行例には記載されていない。特許文献1で示される結晶水を有するフッ化マグネシウム(MgF・nHO)のXRDのスペクトル(特許文献3の図1)も上記参考例1と同様な結晶性のよいピークを示しており、本発明で用いる水酸化フッ化マグネシウムとは大きく異なる。特許文献1に示されるXRDはJCPD file番号の記載がなく、水酸化フッ化マグネシウムとは異なることが判る。
本発明の水酸化フッ化マグネシウムは、ソーダライムガラスに単独で成膜したところ驚くべきことに屈折率が1.26であり、文献値1.38よりもはるかに低い値を示した。これはフッ化マグネシウム(屈折率:1.38)が空気層(屈折率:1.0)を多く含んだ多孔質体からなる被膜と推定されたが、被膜重量と膜厚を精密に測定して被膜の密度を求めたところ、被膜は充分密に充てんした空気層を含まないバルク体であることが判明した。これは水酸化フッ化マグネシウムが従来のフッ化マグネシウムと異なった結晶構造を有すると推察される。
水酸化フッ化マグネシウムはガラス基板に対して理論値の1.22に極めて近い値を示した。それゆえ単層膜でも可視光の幅広い範囲で平均可視光反射率が0.05%(550nm)の優れた反射防止特性を示している。一方特許文献1に記載のフッ化マグネシウムに付着水を付加した化合物は屈折率が1.37を示すことから、同じ単層膜で比較した場合は本発明の水酸化フッ化マグネシウムより光学特性は劣る。また、XRDや光学特性の面から判断して、水酸化フッ化マグネシウムと特許文献1に記載のフッ化マグネシウム系化合物は、全く異なった物質といえる。
上記のように、本発明の水酸化フッ化マグネシウムはフッ化マグネシウムより低屈折率を有しており、低反射膜材料としてより好適である。また、付着水が付加しているのとは異なり、分子中に安定した水酸基を有することから、優れた親水性を発現し、防汚性を示すとともに、汚れが付着した場合も容易に洗い流すことが出来る効果も期待できる。
また、膜表面が親水性を示すためには、一般には表面が水酸基に覆われていることが望まれる。本発明では、水酸化フッ素化マグネシウムの超微粒子が水酸基を有するので、該水酸基が表面に露出される構造となっている。また、当該超微粒子が水酸基を有することで超微粒子の基材への付着性が向上する。
該超微粒子は単純な水酸化物よりは水酸基が少ないが、親水性は十分にあることが検討の結果明らかになった。さらに、本発明の水酸化フッ素化マグネシウムは単純な水酸化物よりも化学的に安定であるため、該超微粒子による親水膜を具備した低反射部材は、長期使用の信頼性に優れていると考えられる。
本発明における水酸化フッ素化マグネシウムは、マグネシウム原料を分散・懸濁又は溶解した溶液に、フッ化水素水溶液を滴下することで、マグネシウム原料のフッ素化及び水酸化とともに超微粒子化されたものが使用出来る。
前記マグネシウム原料としては、塩化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムなどの無機化合物が好適に用いられる。マグネシウムアルコキシド、カルボン酸マグネシウムなど、有機系の化合物を用いることも可能であるが、有機系マグネシウム化合物を用いた場合は、生成する水酸化マグネシウムゾルの粘度が増粘する傾向にあるため、無機化合物の方が好ましく、後述する副生成物の除去の関係で塩化マグネシウム、炭酸マグネシウムがより好ましい。
分散媒として用いられる溶媒は有機溶媒が好適に用いられる。反応時にフッ化水素水溶液を添加するため、水と相溶性の高いプロトン性極性有機溶媒がより望ましい。かかる溶媒としては、アルコール類、有機酸などが使用できる。アルコール類としては炭素数が1〜10のアルコール、好ましくは炭素数が1〜4のアルコールまたは炭素数2〜20グリコールエーテル類である。炭素数が1〜4のアルコールの例として、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールが挙げられ、炭素数2〜20のグリコールエーテル類としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。その中でも、アルコール類としては、メタノール、エタノール、イソプロパノールが好ましく、グリコールエーテルとしては、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどが好ましい。
以下、本発明で用いる水酸化フッ化マグネシウム超微粒子を含有するオルガノゾルを例に説明する。本製造方法は、以下の(a)、(b)、(c)の3工程からなる。
(a)有機溶媒にマグネシウム化合物が分散、懸濁、もしくは溶解してなる溶液に、フッ化水素酸を含む溶液を徐々に滴下し、水酸化フッ化マグネシウム超微粒子を徐々に生成させる工程
(b)副生成物あるいは過剰のフッ化水素を除去する工程
(c)(b)工程で得られるゾルの溶媒置換あるいは溶媒濃度を調整してオルガノゾルとする工程
工程(a)において、マグネシウム化合物の粒子の大きさは、分散液または懸濁液を形成できるものであればよく、例えば、平均粒径が0.1〜800μm、好ましくは、0.3〜500μmのものを使用してもよい。この平均粒径は、JIS K1150(1994年)に準拠して測定されたものが適用される。
また、懸濁液中のマグネシウム化合物の含有量は、例えば、0.01〜5mol/L、好ましくは、0.05〜2mol/Lとされる。含有量が少ないと、水酸化フッ化マグネシウム超微粒子の生産効率が低いものとなりやすい。他方、含有量が多いと、懸濁液とフッ化水素酸を含む溶液との混合の際に瞬時にゲル化がおこり混合液の粘度が急上昇してマグネシウム化合物とフッ化水素との反応が均一に進行しづらくなり好ましくない。
フッ化水素酸を含む溶液のフッ化水素の濃度は、5〜60重量%、好ましくは10〜58重量%とすることが好ましい。フッ化水素酸の濃度が低いと、水酸化フッ化マグネシウム超微粒子の生産効率が低くなる傾向がある。他方、フッ化水素酸の濃度が高いと、反応系内に急激にコロイドが生成してゲル化する場合があり、水酸化フッ化マグネシウム超微粒子の形成を阻害するため好ましくない。
フッ化水素酸を含む溶液は、フッ化水素酸に水、メタノール、アルコール、イソプロパノール等の低級アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸イソプロピルなどのエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を溶媒として添加することにより調製できる。
マグネシウムに対するフッ素原子の割合を大きくしても充分な親水性を発現するので、フッ素原子の特性も付与するためには、フッ素原子の割合が高くなるように調整されることが好ましい。したがって、マグネシウム化合物とフッ化水素との混合割合は、マグネシウム化合物がすべて消費される条件で混合することができる。マグネシウム化合物に添加するフッ化水素のモル数は、Mgのモル数に価数2を掛けた数の1〜2倍とし、好ましくは、1〜1.5倍、より好ましくは1〜1.2倍とする。副原料として、他の金属化合物(例えば後述のカルシウム化合物)を含む場合は、マグネシウムおよび各金属化合物のモル数に価数を乗じて得られた数値の合計を基準に上記の範囲が好ましい。反応後のpHを1〜4の範囲に調整する。
本反応の反応温度は、通常は、−20℃以上溶媒の沸点以下で行う。具体的には、−20℃〜80℃で行うことができ、好ましくは0℃〜50℃である。反応温度が−20℃よりも低い場合は反応速度が遅くなる上、冷却装置が必要となり好ましくない。また、反応温度が80℃を超える場合は、フッ化水素の沸点が低いため添加直後に揮発してしまい有効に利用されないばかりか、フッ化水素ガスが発生して危険である。また、添加直後に反応が急激に進行してしまい、生成したコロイドが局部凝集あるいはゲルとなってしまい好ましくない。
反応においては、マグネシウム化合物とフッ化水素の反応を徐々に進行させることもオルガノゾルの均一性を高める効果があり好ましい。具体的には、分散液中の分散質の濃度を低く、フッ化水素の添加速度を遅く、添加するフッ化水素の濃度を低く、有機溶媒中でのフッ化水素の拡散速度を遅く、反応速度を低くする等の方法が好ましい。溶液で反応を行うにあたり、フッ化水素酸を含む溶液を急激に添加した場合は反応が急激に進行し、急激な発熱や、突沸で危険が伴い好ましくない。
反応系の圧力は特に限定されないが、常圧の近辺で行うのが便利である。具体的には、0.05〜1MPaであり、0.05〜0.5MPaが好ましく、特に圧力調整をしない大気圧状態で行うことで十分である。
得られた溶液を工程(b)にて処理することにより、副生成物の除去、あるいはフッ化水素が過剰に添加された場合は未反応のフッ化水素の除去を行うことができる。すなわち、反応溶液を高められた温度、例えば、反応温度以上であって有機溶媒の還流温度以下で30分から100時間程度保持することは、低沸点の副生成分または未反応成分、例えば、塩化水素、フッ化水素、炭酸ガスなどを適度に除去するのに有効である。
すなわち、室温ないし加温下で溶液を攪拌したり、溶媒の沸点付近でリフラックスさせながら窒素ガスを導入してパージすることにより、低沸点の副生成物あるいは未反応成分、例えば、塩化水素、フッ化水素、炭酸ガスなどを適度に除去するのに有効である。また場合によっては、減圧下で蒸留しながら除去してもよい。低沸点の酸の除去においては、pHが1〜4好ましくは、2〜3になるように調製するのが好ましい。オルガノゾルのpHを1〜4に保持しておくことで、基板塗布時にガラス表面のアルカリ金属,土類金属、ホウ酸、シラノール基と反応して、表層を侵食することで粗面化することにより被膜の接着強度を増大させる。
また、残存する酸は、金属アルコキシド等の屈折率調整剤と、水酸化フッ化マグネシウムとの安定性に寄与し、特に酸触媒として働くため、安定した混合液の調製が可能である。
工程(c)では、工程(b)で得られた水酸化フッ化マグネシウム微粒子の溶液の濃度調整あるいは溶媒置換を行う。微粒子濃度を高めるには有機溶媒の除去、例えば、留去、抽出など、微粒子濃度を下げるには溶媒を添加すればよく、溶媒は元の溶媒と同一でも異なってもよい。さらに、用途によっては、溶媒はオルガノゾル製造の際の溶媒から異なる溶媒に変換してもよい。
工程(b)と工程(c)の間に、オルガノゾルを解砕する工程をいれてもよい。オルガノゾルの解砕には、衝撃力によるもの、剪断力によるものが有効であり、通常一次粒子の凝集体として得られるゲルまたはゾルを一次粒子の分散液とすることができ、光学薄膜としての用途などでは特に好ましい。
また、上記の水酸化フッ素化マグネシウムがMgF2−x(OH)(x=0.5〜0.01)であることが望ましい。OH基を持つことにより、単なるフッ化マグネシウムに比べて、基材への密着性及び親水性に優れることとなる。xが0.5を超えると、屈折率が低く抑えられなくなり低反射膜として問題となる可能性がある。他方、0.01未満では、水酸基の数が少なく、親水性が小さくなるとともに、基材への膜の接着強度が低くなる恐れがあり望ましくない。
その中でも、JCPDS file 54−1272に登録されている水酸化フッ化マグネシウムMgF1.89(OH)0.11が好適に用いられる。この化合物は、原料のマグネシウム化合物にフッ化水素を2倍モルよりも多く滴下した場合であっても生成が認められ、溶液にフッ化水素を残しつつ、MgF1.89(OH)0.11を合成することが可能である。過剰量のフッ化水素を添加してもMgF1.89(OH)0.11が生成することより、何らかの平衡があるものと考えられる。
また、上記水酸化フッ化マグネシウム微粒子にフッ化カルシウム微粒子を含んだものを低反射膜の原料に用いてもよい。フッ化カルシウムは、フッ素化水酸化マグネシウムを有する超微粒子の調製時に、カルシウムのアルコキシド化合物、ハロゲン化化合物、オキシハロゲン化化合物、酢酸化合物等の前駆体物質を前記マグネシウム原料と共存させ、フッ化水素水溶液との反応を経て得ることが出来る。
フッ化カルシウムの導入量は特に限定されないが、フッ化カルシウムの屈折率は、低反射膜材料として使用可能な値ではあるものの水酸化フッ化マグネシウムよりやや高い値である(n=1.4〜1.43)ため、より低屈折率が求められる場合は導入量は少ないほうが良い。親水性に関しては70重量%以下がより望ましい。
また、前記超微粒子の平均粒径は5〜500nmであることが好ましい。5nm未満では、粒子間の空隙が小さくなりやすく、結果として露出される水酸基数が少ないものとなりやすく、親水性が低くなる恐れがある。他方、500nmを超えると、粒子同士及び粒子との基材への接触点が小さくなり、超微粒子の基材への接着性が低下する恐れがある。
上記のように調製したオルガノゾルに、屈折率調整剤として金属酸化物を混合することにより、長波長領域の屈折率を低くすることができ、結果として低反射性、高透過性を実現できる。
また、金属酸化物として、導電性を有する金属酸化物(例えばSnO、Snを含むIn(ITO)等)を用いることにより、帯電防止機能を付与することができる。ここで、SnOは半導体であり帯電防止膜としての機能を発現する。ここで、良好な導電性を発現させるには、SnOに同婦剤として数%のSbを添加したり、ZnOにAlをドープさせたり、Inに対しては、同様にSnOを添加したりする。
また、フッ素イオンも優れたドープ剤になりうるため、本発明ではSnにFイオンをドープしたり、InにFイオンを各々数から8%ドープさせた形態においても良好な帯電防止機能が確認された。さらに、水酸化フッ化マグネシウムの水酸基と半導体の電子伝導性の両者を組み合わせた長期に安定な帯電防止機能を実現させることが可能となった。本発明においては、屈折率調整剤として導電性を有する金属酸化物を用いるため、低屈折率を保ちながら同時に帯電防止機能を付与できる。
前述のように、屈折率調整剤としては、金属酸化物が好ましく、かかる金属酸化物の金属元素としては、乾燥・焼成処理により最終的に酸化物を形成しうる金属化合物であればよく、チタン、ケイ素、ジルコニウム、鉄、スズ、アルミニウム、インジウム、スズ、亜鉛、アンチモン、タンタル、ランタン等より選ばれる少なくとも一つの金属酸化物が好ましい。さらにほう酸塩、リン酸塩等も用いることができる。その中でも、金属アルコキシド、金属塩化物、及びその加水分解物を原料として用いた場合、得られる膜の強度や化学的安定性に優れるため、特に好ましい。
金属酸化物は、所謂ゾルゲル法により製造される。ゾルゲル法においては、原料として上記の無機塩、有機金属錯体、有機金属カルボン酸塩、金属アルコキシドおよびその加水分解物、等の金属化合物、またはそれらの混合物よりなるゾルを用いる。それらの原料(以後、金属化合物ということもある)を乾燥・焼成工程にて加水分解、脱水、重縮合、酸化、熱分解等の反応を経て焼成処理により金属酸化物が形成される。
水酸化フッ化マグネシウムの粒子の存在下、上記の金属化合物を含むゾルを基材にコートし、加水分解させると、金属化合物の加水分解生成物が生成する。加水分解時に必要な水は、オルガノゾルの調整時に使用したフッ化水素酸溶液中の水分より供給される。金属化合物のゾルおよび上記加水分解生成物は、水酸化フッ化マグネシウム微粒子表面の水酸基と反応できるので、重縮合によって粒子間を結合したり、粒子と基材を結合させたりする補強の働きがあり、その後、縮合反応が進行することにより、得られる膜の機械強度が向上する。その後、乾燥・焼成工程を経て被膜形成したりして水酸化フッ化マグネシウムの粒子を、いわゆるバインダーの働きで基材に強固に接着させることができる。
以下に、原料となる主な金属化合物について例示する。
原料となるケイ素のアルコキシドは、一般式 Si(OR) (式中、Rはそれぞれ独立に、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、セカンダリブチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基またはフェニル基のいずれかを示す。)で表されるアルコキシ化合物またはそれらの加水分解物であって、特にテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラノルマルプロポキシシラン、テトラノルマルブトキシシラン、テトラターシャリブトキシシランなどまたはその加水分解物が好ましい。また、−ORの一部が、塩素原子等のハロゲン原子で置換したものでもよく、例えば、クロロトリエトキシシラン、ジクロロジノルマルブトキシシラン、トリクロロノルマルブトキシシラン等が挙げられる。
Al原料として無機塩では塩化アルミニウム、もしくはポリ塩化アルミニウム、ベーマイトのような水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、蟻酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、シュウ酸アルミニウム、クエン酸アルミニウムなどの無水物および水和物がある。
有機カルボン酸塩ではラウリル酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、ナフテン酸アルミニウム、2−エチルヘキサン酸アルミニウム等のAl塩またはそれらの含水塩などがある。
アルミニウムアルコキシドは 一般式 Al(OR)(式中、Rは、それぞれ独立にメチル基、エチル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、セカンダリブチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基またはフェニル基のいずれかを示す。)で表されるアルコキシ化合物であって、特にトリエトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリノルマルプロポキシアルミニウム、トリセカンダリブチルアルミニウムが好適に用いられる。
また、−ORの一部が、塩素原子等のハロゲン原子で置換したものでもよく、例えばクロロジイソプロポキシアルミニウム、クロロジセカンダリブチルアルミニウム、ジクロロイソプロポキシアルミニウム、ジクロロセカンダリブチルアルミニウム等を用いることもできる。
アルミニウム金属錯体は、一般式 Al(OR)3−n で表される。式中、ORはアルコキシド、Y:はキレートを示す。ここでnは0〜3の整数を示す。Rはそれぞれ独立にメチル基、エチル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、セカンダリブチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基またはフェニル基のいずれかを表す。また、キレートとしてはアセチルアセトン(以後acacと略すこともある)、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸プロピル、トリフロロアセチルアセトン、ヘキサフロロアセチルアセトン、メタンスルフォン酸、トリフロロメタンスルフォン酸などが挙げられる。さらに、アルミニウムアルコキシドとこれらアルミニウム金属錯体の縮重合した2〜3量体も用いることも可能である。
Ti原料として四塩化チタン(TiCl)、三塩化チタン(TiCl)、チタニルクロライド(TiOCl2)、硝酸チタン(Ti(NO)、オキシ硝酸チタン(TiO(NO)等の無水塩またはそれらの含水塩、2−エチルヘキサン酸チタン、もしくはアルコキシドが挙げられる。Tiアルコキシドは、一般式 Ti(OR) (式中、Rは、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、セカンダリブチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基またはフェニル基のいずれかを示す。)で表されるアルコキシ化合物が挙げられ、テトラエトキシチタン、テトラノルマルプロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラノルマルブトキシチタンが好適に用いられる。またそれらの縮重合した2〜10量体も用いられる。
また−ORの一部が塩素原子等のハロゲン原子に置換したものでもよく、例えば、クロロトリエトキシチタン、ジクロロジノルマルブトキシチタン、トリクロロノルマルブトキシチタン等を用いることも可能である。
またチタン金属錯体は、一般式 Ti(OR)4−n で表される。式中、ORはアルコキシ基、Y:はキレートを示す。n:0〜3の整数を示す。Rはそれぞれ独立に、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、セカンダリブチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基またはフェニル基のいずれかを示す。またキレートとしてはアセチルアセトン(以後acacと略すこともある)、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸プロピル、トリフロロアセチルアセトン、メタンスルフォン酸、トリフロロメタンスルフォン酸などが挙げられる。
またアルコキシドとキレートの混合としてジブトキシチタンビスアセチルアセトナート、イソプロポキシジチタンビスオクチレングリコレートが挙げられる。
また、Zr原料として四塩化ジルコニウム(ZrCl)、オキシ塩化ジルコニウム(ZrOCl2.8HO)、硝酸ジルコニウム(Zr(NO)、オキシ硝酸ジルコニウム(ZrO(NO 4水和物)、ステアリン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、2−エチルヘキサン酸ジルコニウム、ジルコニウムアセチルアセトナート等のZr塩またはそれらの無水および含水塩、もしくは一般式 Zr(OR) (式中、Rは、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、セカンダリブチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基またはフェニル基のいずれかを示す。)で表されるアルコキシ化合物が挙げられる。
かかるZrアルコキシドとしては、テトラエトキシジルコニウム、テトラノルマルプロポキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラノルマルブトキシジルコニウムおよびそれらの加水分解物である水酸化ジルコニウムゾルなどが好適に用いられる。
また−ORが一部ハロゲンに置換したものでもよく、例えば、クロロトリエトキシジルコニウム、ジクロロジノルマルブトキシジルコニウム、トリクロロノルマルブトキシジルコニウム等が挙げられる。
さらにSn原料としては、二塩化スズ(SnCl)、四塩化スズ(SnCl)等のスズ塩化物、テトラエトキシスズ、テトラノルマルプロポキシスズ、テトライソプロポキシスズ、テトラノルマルブトキシスズ等のスズアルコキシドの他、Sn(OiPr)(acac)、Sn(OnBu)Cl、BuSnClおよびBuSn(acac)、などが挙げられる。ここでSnOは半導体であり帯電防止膜として有用である。
なお、上記のように、塩基性塩化物や金属アルコキシドを加水分解して得られる酸化物微粒子を溶媒置換して製造した金属酸化物のオルガノゾルは市販品として得ることができ、例えば、オルガノシリカゾルとして、メタノールシリカゾル、IPA−ST、IPA−ST−UP、IPA−ST−ZL、EG−ST、NPC−ST−30、DMAC−ST、MEK−ST(以上、日産化学工業製品)、オスカル1132、オスカル1232、オスカル1332(以上、触媒化成工業製品)等がある。オルガノアルミナゾルとして、アルミゾル−CSA55、アルミゾル−CSA110AD(川研ファインケミカル製品)等がある。さらに、サンコロイドATL−130、サンコロイドAMT−130(以上、日産化学工業製品)等の有機溶剤系酸化アンチモンゾルなどがある。
また、水性分散液として市販されているゾルを溶媒置換して使用することもできる。そのような水性ゾルとしては、例えば、スノーテックス40、スノーテックスO、スノーテックスC、スノーテックスN(以上、日産化学工業製品)、カタロイドS−30H、カタロイドSI−30、カタロイドSN、カタロイドSA(以上、触媒化成工業製品)、アデライトAT−30、アデライトAT−20N、アデライトAT−20A、アデライトAT−20Q(以上、旭電化工業製品)、シリカドール−30、シリカドール−20A、シリカドール−20B(以上、日本化学工業製品)等の水系酸化ケイ素ゾル;アルミナゾル−100、アルミナゾル−200、アルミナゾル−520(以上、日産化学工業製品)、アルミナクリアーゾル、アルミゾル−10、アルミゾル−20、アルミゾルSV−102、アルミゾル−SH5(以上、川研ファインケミカル製品)等の水系アルミナゾル;A−1550、A−2550(以上、日産化学工業製品)等の水系酸化アンチモンゾル;NZS−30A、NZS−30B(以上、日産化学工業製品)等の水系酸化ジルコニウムゾル;セラメースS−8、セラメースC−10(以上、多木化学製品)等の水系酸化スズゾル;タイノックA−6、タイノックM−6(以上、多木化学製品)等の水系酸化チタンゾル;セラメースF−10(以上、多木化学製品)等の酸化スズと酸化アンチモンから成る水系ゾル等が挙げられる。
透明基板にコートする薬液は、長期安定性が重要であり、室温で30日以上保存できることが望ましい。水酸化フッ化マグネシウムゾルに上記加水分解可能な金属化合物を混合する場合、1種類のみの金属化合物の混合では目的とする波長の屈折率の低減が図れない場合は、2〜4種の金属化合物を混合させる必要がある。このような混合において、金属化合物が1種類のときは比較的安定なゾルとして存在できる場合であっても、混合した金属化合物の相性が合わない場合はゲル化してしまう可能性がある。
また、ゾル中の金属酸化物前駆体(例えば金属アルコキシド)の安定性を比較したとき、アルコキシシラン等のSi系アルコキシドは比較的安定であるが、Al系、Zr系、Ti系、Sn系、Ta系のアルコキシドは不安定であることは当業者には知られている。特許文献4には、フッ化マグネシウムとAl系アルコキシドとの混合系(特許文献4;実施例3)、Zrアルコキシドとの混合系(特許文献4;実施例4)が記載されており、アセチルアセトンを錯化剤とし、シリンジフィルターを通すことにより漸く透明ゾルを製造している。本発明者等が、当該実施例3および実施例4を追試したところ、室温においては薬液は1日しか安定に存在できず、粘度が急上昇してしまい、コーティング液にはとうてい適さないものであった。
さらに、特許文献4の実施例を参考に、フッ化マグネシウムに、Siアルコキシド、Alアルコキシド、Zrアルコキシドの3種類のアルコキシドを添加した系で追試を行い安定性を確認したところ、MgFに混合した金属酸化物ゾルはMgFに混合すると速やかに重合が始まり、急激に粘度が上昇して2日後では完全にゲル化してしまい到底実用に耐えうるものではなく薬液安定性に欠けていた。
本発明の水酸化フッ化マグネシウムゾルとその他の金属化合物の2〜4種の混合において極めて安定であった。また、本発明で用いる水酸化フッ化マグネシウムは無機塩や、有機塩、金属アルコキシドとの相溶性は良好であった。
水酸化フッ化マグネシウムゾルの調製時に原料のフッ化水素や副生成物の無機酸(例えばHCl)を意図的に残存させるが、残存する0.5〜3%(FおよびHCl換算)酸が金属化合物(たとえば金属アルコキシド)の解膠剤として有用であると考えられ、4〜5種類の金属アルコキシドを添加しても室温で30日以上の長期安定性が確認された。
好ましい態様としては、マグネシウム原として塩化マグネシウムを用い、やや過剰量のフッ化水素と直接反応させた場合、副生物としてHClが生成する。フッ化水素およびHClは蒸気圧が高く、加熱かバブルリングで容易に除去でき、HClを数%に残存させることが可能となる。
透明基板としては、無機質のガラス基材、プラスチック製基材等を用いることが出来る。無機質のガラス基材の例としては、ソーダライム珪酸塩ガラス、硼珪酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス、バリウム硼珪酸ガラス、石英ガラス等の板状のもので特にはフロート法で製造されたものを用いることができる。さらには、これらガラス基材は、クリアガラス品、グリーン、ブロンズ等の着色ガラス品、UV、IRカットガラス等の機能性ガラス品、強化ガラス、半強化ガラス、合せガラス等の安全ガラス品も使用されうる。また、セラミックスとしてはSi3N4、SiC、サファイヤ、Siウェハー、GaAs、InP、AlN等の基板にも使用される。
プラスッチク製基材の例としては、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)トリアセチルセルロース(TAC)、ポリイミド等が挙げられる。
薬液の基板上への塗布は、スピーンコーター法、浸漬引き上げ法(ディップコーティング法)、スプレー法、ローラーコート法、フローコート法、スクリーン印刷法、刷毛塗り、インクジェット等の方法により行うことができる。
各種方法により形成された被膜は、80〜150℃で10分から6時間乾燥し更に加熱焼成することが好ましい。加熱温度は、基材の耐熱温度に応じて決定される。また、水酸化フッ化マグネシウムの特性を生かす場合は、親水性等の特性が維持できる温度範囲で焼成するのが好ましい。プラスチック製透明基材の場合、概ね300℃以下で処理することが好ましい。また、無機質のガラス基材においては、焼成時間を調整することにより、700℃程度の高温での焼成も可能である。好ましい態様として、650℃〜700℃で150秒焼成することにより、耐磨耗性に優れた被膜が得られた。
各種方法により形成された反射防止膜の物性評価方法は以下に示す。
1.光学特性は日立製分光光度計U−4100で透過率、反射率を測定した。
2.親水性は協和界面科学製純水接触角測定装置でJIS R 3257(1999)に準拠して測定した。
3. 表面抵抗値は横河電機(株)絶縁抵抗測定器( 4329A high resistance meter)で測定した。
4.膜厚および屈折率は、エリプソメータ((株)溝尻光学工業所DVA−FL3:He−Neレーザー633mm)によって測定した。
接触角は、JIS R 3257(1999)に準拠にして得られる被覆層表面と水滴の接触角から定義されるものとする。親水性低反射膜としては、濡れ性が高いほど良いと考えられるので、接触角の下限は特に限定はされないが、例えば0.1°以上としてもよい。親水性を持つことから、防汚性に優れ、汚れが付着した場合も容易に洗い流すことが出来る。
また、本発明の親水性低反射部材は、親水性低反射膜表面の表面抵抗値が1×1010Ω.cm以下であるので、帯電防止機能を有する親水性低反射部材である。
これらの低反射膜は、透明基体の片面または両面に形成される。透明基体の両面が空気のような屈折率が1に近い媒体に接して使用される場合は、この膜を基板の両面に成形することにより、高い反射防止効果が得られる。
本発明の親水性低反射部材は、太陽電池の表面保護部材として有用である。太陽電池の表面保護部材として使用する場合においては、高い光透過率および低い反射率が要求されるうえ、太陽電池は太陽光に常時暴露されるため、防汚性、耐水性、および耐候性等を併せ持つ材料が望まれる。前述のように水酸化フッ化マグネシウムを含む本発明の親水性低反射膜は、防汚性、耐水性、対抗性に優れる。
また、近年開発されている、CIS薄膜系の薄膜太陽電池および結晶性シリコンは、400〜1200nmの幅広い吸収領域を有しており、従来のアモルファスシリコン系と比較して長波長領域の光を吸収することが可能で、その吸収のピークが900nm付近にある。前述のように、本発明の親水性低反射膜は、紫外・可視光領域(300〜800nm)および近赤外領域(800〜1200nm)での高い光透過性を有するので、アモルファスシリコン系太陽電池はもちろんのこと、上記のような長波長領域に吸収を有する太陽電池の表面保護部材として好適に用いられる。
「実施例1」
以下、実施例に基づき、説明する。
2Lのセパラブルフラスコに試薬特級グレードの塩化マグネシウム85.91g(0.902mol)を採り、メタノール1820gを加え、室温で2時間攪拌し、無色透明の塩化マグネシウム溶液を得た。55重量%のフッ酸水素酸水溶液72.17g量(1.98mol)を、上記塩化マグネシウム溶液に、室温で攪拌条件下で断続的に滴下した(モル比 フッ化水素/Mg=2.20)。3時間室温で攪拌後、無色透明なゾル溶液を得た。XRDで同定したところ水酸化フッ化マグネシウムであった。
次に、当該ゾルに乾燥Nを2L/分で吹き込みバブリングしながら、約50℃で加温しつつ副生HClと過剰フッ酸を脱気させ濃縮した。約3時間バブリングするとメタノールとHClおよびフッ酸が322g除去された。残留酸分はイオンクロマトグラフィーで分析した結果Clイオンとして2.3%、Fイオンとして0.9%であった。濃度調製のためエタノールを350ml加えて、水酸化フッ化マグネシウムの固形分濃度を3.1%とした。
これに、金属酸化物として試薬Al(OsBu):0.213molとZr(OnBu):0.26molを撹拌しながら添加し、さらに試薬Sn(OnBu):0.126molを加えて5時間撹拌して、淡黄色の透明ゾル溶液を得た。ここで金属酸化物は焼成後の酸化物として換算した。
該溶液を3mm厚の一般的なソーダライムガラス上にディップ法で5.5mm/secで引き上げ、100℃で1時間乾燥させた。該ガラス基板を700℃の電気炉に投入して、150秒間保持して取り出したところ青色透明の膜を得た。
400〜1200光透過率を測定したところ、平均97.0%であり、未処理のガラス基板の90.5%と比較して、透過率の増大分6.5%大きく改善されていた。
屈折率はエリプソメータ((株)溝尻光学工業所DVA−FL3)で測定すると、n=1.253であった。
この被膜を、乾燥ネルで300g荷重で100回摩擦した後の外観検査では膜状態にほとんど変化がなかった。また純水接触角を測定したところ7.3°で超親水性を示した。
この被膜を30°傾斜の屋外暴露をしたところ、6か月経過でも純粋接触角は10.6°で親水性を示し、またヘイズ値の変化は+0.24%と殆ど汚染は認められず親水性と自浄機能を維持していた。
また、この被膜を25℃相対湿度50%の環境下で1日放置後の表面抵抗値を測定したところ7.2exp10Ω.cmの帯電防止性を示した。
このことにより親水性低反射膜の表面抵抗値は7.2×10Ω.cmでこれはすぐれた親水性帯電防止低反射部材であることが確認できた。
これら実施例によれば、本発明の親水低反射膜は、低反射・親水性、防汚性のいずれの効果も優れており、汚れにくく高性能の低反射膜を得ることが可能になることは明白である。
「実施例2」
2Lのセパラブルフラスコに試薬特級グレードの塩化マグネシウム43.54g(0.46mol)および塩化カルシウム55.41g(0.504mol)を採り、メタノール910gとエタノール900gを加え、室温で4時間攪拌し、無色透明の塩化マグネシウム・塩化カルシウム溶液を得た。55重量%のフッ酸水素酸水溶液79.63g量(2.09mol)を、上記塩化マグネシウム・塩化カルシウム溶液に、室温で攪拌条件下で断続的に滴下した(モル比 フッ化水素/(Mg+Ca)=2.19)。5時間室温で攪拌後、び乳濁無色透明なゾル溶液を得た。XRDで同定したところ水酸化フッ化マグネシウム+フッ化カルシウムが混合したものであった。
次に、当該ゾルに乾燥Nを2L/分で吹き込みバブリングしながら、約50℃で加温しつつ副生HClを脱気させ濃縮した。約4時間バブリングするとメタノール・エタノールとHClが286g除去された。残留酸分はイオンクロマトグラフィーで分析した結果Clイオンとして2.1%、Fイオンとして1.1%であった。塩酸として3.1%であった。濃度調製のためエタノールを350ml加えて、水酸化フッ化マグネシウム+フッ化カルシウムの固形分濃度は3.2%とした。
これに、金属酸化物として試薬Al(OsBu):0.221molとTi(OnBu):0.246molを撹拌しながら添加し、さらに試薬BuSn(acac):0.124molを加えて5時間撹拌して、淡黄色の透明ゾル溶液を得た。
該溶液を3mm厚の一般的なソーダライムガラス上にディップ法で5.5mm/secで引き上げ、100℃で1時間乾燥させた。該ガラス基板を700℃の電気炉に投入して、150秒間保持して取り出したところ淡青色透明の膜を得た。
800〜1200光透過率を測定したところ、平均97.2%であり、未処理のガラス基板の90.4%と比較して、透過率の増大分6.8%大きく改善されていた。
また、この被膜を純水で流水洗浄して80℃で1時間乾燥し、接触角を測定したところ、水滴は被膜表面を広がり、接触角が測定できない程度に小さくなり、被膜が超親水性であることを観察できた。また当該被膜を1Lの水中に2昼夜浸漬した後に、再度純水接触角を測定したところ、やはり水滴は被膜表面を広がり、接触角が測定できない程度に小さくなり、被膜が超親水性であることを観察できた。このことより当該親水膜は耐久性のある超親水低反射膜であることが確認できた。
エリプソメータ((株)溝尻光学工業所DVA−FL3)による測定によれば、膜の厚みは181nm、屈折率n=1.298であった。
親水性低反射膜の表面抵抗値は4.2×10Ω.cmであり、優れた帯電防止機能を有する親水性低反射部材であることが確認できた。
これら実施例によれば、本発明の親水低反射膜は、低反射・親水性、防汚性のいずれの効果も優れており、汚れにくく高性能の低反射膜を得ることが可能になることは明白である。
「実施例3」
2Lのセパラブルフラスコに試薬特級グレードの塩化マグネシウム89.41g(0.94mol)を採り、メタノール1850gを加え、室温で2時間攪拌し、無色透明の塩化マグネシウム溶液を得た。55重量%のフッ酸水素酸水溶液72.0g量(1.98mol)を、上記塩化マグネシウム溶液に、室温で攪拌条件下で断続的に滴下した(モル比 フッ化水素/Mg=2.11)。3時間室温で攪拌後、無色透明なゾル溶液を得た。XRDで同定したところ水酸化フッ化マグネシウムであった。
次に、当該ゾルに乾燥Nを2L/分で吹き込みバブリングしながら、約50℃で加温しつつ副生HClと過剰フッ酸を脱気させ濃縮した。約3時間バブリングするとメタノールとHClおよびフッ酸が289g除去された。残留酸分はイオンクロマトグラフィーで分析した結果Clイオンとして1.8%、Fイオンとして0.7%であった。濃度調製のためエタノールを413ml加えて、水酸化フッ化マグネシウムの固形分濃度は3.22%であった。
これに、金属酸化物として試薬TEOS:0.233molとZr(OnBu):0.26molを撹拌しながら添加し、さらに試薬BuSnCl:0.116molを加えてさらにアセト酢酸エチルを3.5ml添加して5時間撹拌して、淡黄色の透明ゾル溶液を得た。
該溶液を3mm厚の一般的なソーダライムガラス上にディップ法で6.0mm/secで引き上げ、100℃で1時間乾燥させた。該ガラス基板を700℃の電気炉に投入して、150秒間保持して取り出したところ青色透明の膜を得た。
400〜1200光透過率を測定したところ、平均97.7%であり、未処理のガラス基板の90.5%と比較して、透過率の増大分7.2%大きく改善されていた。
また、この被膜を純水で流水洗浄して80℃で1時間乾燥し、接触角を測定したところ、水滴は被膜表面を広がり、接触角が測定できない程度に小さくなり、被膜が超親水性であることを観察できた。また当該被膜を1Lの水中に2昼夜浸漬した後に、再度純水接触角を測定したところ、やはり水滴は被膜表面を広がり、接触角が測定できない程度に小さくなり、被膜が超親水性であることを観察できた。このことより当該親水膜は耐久性のある超親水低反射膜であることが確認できた。
エリプソメータ((株)溝尻光学工業所DVA−FL3)による測定によれば、膜の厚みは182nm、屈折率n=1.287であった。
親水性低反射膜の表面抵抗値は7.8×10Ω.cmであり、すぐれた帯電防止機能を有する親水性低反射部材であることが確認できた。
これら実施例によれば、本発明の親水低反射膜は、低反射・親水性、防汚性のいずれの効果も優れており、汚れにくく高性能の低反射膜を得ることが可能になることは明白である。
「実施例4」
2Lのセパラブルフラスコに試薬特級グレードの塩化マグネシウム89.41g(0.94mol)を採り、メタノール1850gを加え、室温で2時間攪拌し、無色透明の塩化マグネシウム溶液を得た。55重量%のフッ酸水素酸水溶液75.27g量(2.07mol)を、上記塩化マグネシウム溶液に、室温で攪拌条件下で断続的に滴下した(フッ化水素/Mg=2.20)。3時間室温で攪拌後、無色透明なゾル溶液を得た。XRDで同定したところ水酸化フッ化マグネシウムであった。
次に、当該ゾルに乾燥Nを2L/分で吹き込みバブリングしながら、約50℃で加温しつつ副生HClと過剰フッ酸を脱気させ濃縮した。約3時間バブリングするとメタノールとHClおよびフッ酸が208g除去された。残留酸分はイオンクロマトグラフィーで分析した結果Clイオンとして2.6%、Fイオンとして0.9%であった。濃度調製のためエタノールを236ml加えて、水酸化フッ化マグネシウムの固形分濃度は3.18%であった。
これに、金属酸化物として試薬TEOS:0.23molとTi(OnBu):0.23molを撹拌しながら添加し、さらに試薬BuSnCl:0.116molを加えてさらにアセト酢酸エチルを5.0ml添加して5時間撹拌して、淡黄色の透明ゾル溶液を得た。
該溶液を3mm厚の一般的なソーダライムガラス上にディップ法で6.0mm/secで引き上げ、100℃で1時間乾燥させた。該ガラス基板を700℃の電気炉に投入して、150秒間保持して取り出したところ青色透明の膜を得た。
400〜1200nmの光透過率を測定したところ、平均96.7%であり、未処理のガラス基板の90.6%と比較して、透過率の増大分は6.1%大きく改善されていた。
また、この被膜を純水で流水洗浄して80℃で1時間乾燥し、接触角を測定したところ、水滴は被膜表面を広がり、接触角が測定できない程度に小さくなり、被膜が超親水性であることを観察できた。また当該被膜を1Lの水中に2昼夜浸漬した後に、再度純水接触角を測定したところ、やはり水滴は被膜表面を広がり、接触角が測定できない程度に小さくなり、被膜が超親水性であることを観察できた。このことより当該親水膜は耐久性のある超親水低反射膜であることが確認できた。
エリプソメータ((株)溝尻光学工業所DVA−FL3)による測定によれば、膜の厚みは177nm、屈折率n=1.324であった。
親水性低反射膜の表面抵抗値は1.6×10Ω.cmであり、すぐれた帯電防止機能を有する親水性低反射部材であることが確認できた。
これらの膜は環境による湿度に影響されず、帯電防止機能を有しており、被膜が超親水性でかつ帯電防止機能を有すること確認できた。
これら実施例によれば、本発明の親水低反射膜は、低反射・親水性、帯電防止、防汚性のいずれの効果も優れており、汚れにくく高性能の低反射膜を得ることが可能になることは明白である。
[比較例1]
市販のフッ化マグネシウムゾル溶液を調製し、これに、金属酸化物を加えないで、該溶液を3mm厚の一般的なソーダライムガラス上にディップ法で5.5mm/secで引き上げ、100℃で1時間乾燥させた。該ガラス基板を700℃の電気炉に投入して、150秒間保持して取り出したところ青紫色透明の膜を得た。
400〜1200nmの光透過率を測定したところ、平均95.6%であり、未処理のガラス基板の90.8%と比較して、透過率の増大分4.8%しか改善されていなかった。
また、この被膜を、また当該被膜を1Lの水中に2昼夜浸漬した後に、洗浄したところ被膜が部分的に剥離して色むらが目立ち、とうてい良好な反射防止膜は得られなかった。
[比較例2]
1Lのフラスコに、水酸化フッ化マグネシウムを添加せず、試薬Ti(OnBu):0.246molに試薬TEOS:0.12molを撹拌しながら添加し、さらに1時間撹拌して、淡黄色の透明ゾル溶液を得た。上記透明ゾル溶液をIPAで希釈して、固形分濃度2.0%に調製した。実施例1と同様な処理により、ソーダライムガラス上にTiO/SiO膜を成膜し、黄色透明な膜を得た。
エリプソメータ((株)溝尻光学工業所DVA−FL3)による測定によれば、膜の厚みは86nm、屈折率n=1.892であった。
400〜1200光透過率を測定したところ、平均86.7%であり、未処理のガラス基板の90.8%と比較して、−5.10%とむしろ透過率は劣るものであった。(図2)
本発明によれば、表面に耐久性のある超親水性かつ低屈折率である被膜が形成された基材およびその製造方法が得られるため、レンズ等の光学材料、陰極線管や液晶表示装置等の画像表示面、窓やショーケース、天窓材、太陽電池、温水器、照明器具等の板ガラスや透明プラスチック等、などの親水性・防汚性・低反射帯電防止の求められる広い範囲の分野において利用できる。また、紫外〜可視光領域ばかりでなく、近赤外領域の透過性に優れるため、特に太陽電池表面保護部材として有用である。

Claims (11)

  1. 透明基板と、該透明基板上に形成される低反射膜を有する低反射部材であって、該低反射膜が、粒子径5〜500nmの水酸化フッ化マグネシウム超微粒子を含むことにより親水性を発現することを特徴とする親水性低反射部材。
  2. 水酸化フッ化マグネシウムが、MgF2−x(OH)(x=0.01〜0.5)であることを特徴とする、請求項1に記載の親水性低反射部材。
  3. 水酸化フッ化マグネシウムが、MgF1.89(OH)0.11であることを特徴とする請求項1または2に記載の親水性低反射部材。
  4. さらに、屈折率調整剤として、金属酸化物を混合してなる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の親水性低反射部材。
  5. 親水性低反射膜中の水酸化フッ化マグネシウムと金属酸化物のモル比が、水酸化フッ化マグネシウム10モルあたり、(10/0.5)〜(10/30)の範囲であることを特徴とする請求項4に記載の親水性低反射部材。
  6. 金属酸化物が、SiO、Al、CeO、ZrO、TiO2、SnO、In、Sb、Laから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする請求項4または5に記載の親水性低反射部材。
  7. 水酸化フッ化マグネシウム超微粒子と金属化合物を加水分解した溶液を透明基板表面に成膜した請求項4乃至6のいずれかに記載の親水性低反射部材。
  8. 波長400〜1200nmにおける(両面処理後の透過率−未処理の透過率)の差が平均透過率6%以上である発明4乃至7のいずれか1項に記載の低反射部材。
  9. 親水性低反射膜表面での水との接触角が30°以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の親水性低反射部材。
  10. 親水性低反射膜表面の表面抵抗値が1×1010Ω.cm以下であることを特徴とする発明1乃至9のいずれかに記載の親水性低反射部材。
  11. 請求項4乃至9のいずれか1項に記載の親水性低反射部材を用いた太陽電池用表面保護部材。
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