JP2011022070A - 磁界センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フィルム型サーチコイル1は、絶縁フィルム2と、絶縁フィルム2の表面に固着し、両端を電気的に開放状態としたループ状のコイル3とを備える。このフィルム型サーチコイル1を、モータの空隙21に挿入し、絶縁フィルム2の裏面を空隙側面に接着剤等で貼着することで、コイル3を支持し配置位置を規定する。そして、コイル3に鎖交する被測定磁束の変化に応じてコイル3の両端に発生する誘導起電圧を測定し、測定した誘導起電圧に基づいて空隙磁束を得る。
【選択図】 図2
Description
V=N(dΦ/dt) ………(1)
Φ=(1/N)∫Vdt ………(2)
ここで、Nはコイルの巻数である。
Bave=Φ/S ………(3)
上記(3)式は、磁束、磁束密度の平均値、およびコイルの断面積の関係を示す一般式であり、図7に示す例では歯やヨークにおいても同様に成り立つ。
したがって、サーチコイルAの両端に発生する電圧Vyと、サーチコイルBの両端に発生する電圧Vtとに基づいて、上記(2)及び(3)式をもとに、歯111及びヨーク112の磁束密度がそれぞれ得られる。
電動機の空隙近傍の歯部の磁束密度を検出する先行技術として、例えば特許文献1に記載の技術がある。この技術は、固定子歯の先端部にサーチコイルを巻きつけて、空隙磁束密度分布を検出するものである。
空隙の磁束密度を高精度に測定するためには、図8に示すように、空隙121にコイル100を配置する必要がある。ところが、空隙は1mm以下の小さい幅になる場合が多いため、コイルを配置する上で構造的な制約が大きい。また、鉄心のような強固な支持物体として利用可能なものが存在しないため、サーチコイルの支持が難しい。
そこで、本発明は、空隙の磁束密度を高精度に測定することができる磁界センサを提供することを課題としている。
また、請求項2に係る磁界センサは、請求項1に係る発明において、前記フィルムの裏面を、前記被測定磁束の通る空隙側面に貼着可能に構成されていることを特徴としている。
さらにまた、請求項5に係る磁界センサは、請求項1〜3の何れかに係る発明において、前記フィルムの表面に、複数個の同一形状の前記導体線を、前記開放状態とした導体開部がそれぞれ同一方向を向き、且つ互いに隣接する前記導体線でループの一部を共有化するように、連続的に隙間無く固着することを特徴としている。
また、請求項2に係る発明によれば、フィルムの裏面を空隙側面に貼着可能とするので、導体線を簡便確実に支持することができると共に、導体線の位置の規定を適切に行うことができる。その結果、空隙磁束の測定を精度良く行うことができる。
さらにまた、請求項5に係る発明によれば、フィルム上に、複数個の同一形状の導体線を連続的に隙間無く並べて形成するので、磁束密度分布測定の分解能を高めることができる。
(第1の実施形態)
(構成)
図1は、本発明における磁界センサの一実施形態を示す図である。
図中、符号1は本実施形態における磁界センサとしてのフィルム型サーチコイルである。このフィルム型サーチコイル1は、薄い絶縁フィルム2の表面に、コイル(導体線)3を固着した構成である。
また、絶縁フィルム2へのコイル3の固着は、例えば、フィルム全面に接着された導体の箔、例えば銅箔の上にコイル3のパターンをマスキングした後、エッチングすることで達成できる。これは、プリント配線板の製造技術に他ならない。なお、導体パターンを印刷により形成する技術を適用することもできる。
プリント配線板の製造技術において、配線位置の精度はマスキングや印刷の精度で規定され、その精度は一般に10μm程度である。したがって、この製造技術をもってフィルム型サーチコイル1を形成すると、コイル3の形状寸法についても10μm程度の精度を実現できる。
なお、コイル3の形状は、その両端が電気的に開放されたループ状であれば、図1に示す形状に限定されない。
また、絶縁フィルム2の裏面(コイル3が固着された面とは反対側の面)は接着面となっており、例えば、絶縁フィルム2の裏面に接着剤を塗布したり、絶縁フィルム2の裏面に貼着した両面テープのセパレータを剥離して粘着面を露出したりすることで、被測定磁束の通る所望の箇所に当該裏面を貼着することが可能となっている。これにより、フィルム型サーチコイル1を確実に支持し、コイル3の配置位置を規定することができる。
次に、第1の実施形態の動作について説明する。
先ず、図1に示すフィルム型サーチコイル1を、被測定磁束が通る所望の箇所(空隙や空間等)に配置する。
本実施形態のフィルム型サーチコイル1は、薄い絶縁フィルム2の表面にコイル3を固着した構成であるため、比較的薄い構造を実現できる。そのため、サーチコイルを配置する上で構造的な制約が大きいような箇所にも、容易に配置することができる。
このようにして、所望の箇所における磁束Φの測定が可能となる。
また、得られた磁束Φとコイル3の断面積Sとに基づいて、上記(3)式をもとにコイル3に鎖交する磁束密度Baveが得られる。
このように、上記第1の実施形態では、薄く、コイルの形状寸法が高精度なサーチコイルが実現可能である。そのため、モータの空隙のような小さい隙間にも挿入可能となり、そこでの磁束を精度良く測定することができる。
さらに、フィルム上に形成された導体パターン(コイル)の上に更にフィルムを重ねて導体両面の絶縁を設けたり、フィルムと導体とが複数の層を成すように積層して巻数を増やしたりするなどのバリエーションも可能である。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態は、上述した第1の実施形態におけるフィルム型サーチコイル1で、モータの空隙の磁束密度を測定するようにしたものである。
図2は、本発明の第2の実施形態を示す図である。ここで、図2(a)は、フィルム型サーチコイル1の配置図、図2(b)は、フィルム型サーチコイル1の詳細図である。
なお、以下の説明では、モータの回転方向を単に周方向、モータの回転軸方向を単に軸方向と称す。
フィルム型サーチコイル1は、絶縁フィルム2の裏面を接着剤等で空隙側面に貼り付けることで、空隙21内に配置する。
次に、第2の実施形態の動作について説明する。
先ず、図2(b)に示すフィルム型サーチコイル1を、図2(a)に示す空隙21に、位置Aの周方向前後をコイル3が囲むように配置する。
そして、コイル3の両端に誘起される電圧Vを測定し、測定した電圧Vに基づいて、上記(2)式をもとにコイル3のループに鎖交する磁束Φを得る。次に、得られた磁束Φと、コイルの断面積Sとに基づいて、上記(3)式をもとに磁束密度Baveを算出する。このようにして、空隙21内の位置Aにおける磁束密度の測定が可能となる。
図3は、モータの空隙の周方向における磁束密度変化を示す図である。
この図3に示すように、磁束密度の周方向成分は空間的に変化するため、サーチコイルの幅の内部でも均一にはならない。
このとき、検出値B(α)は、狭幅サーチコイルαのコイル幅で決まる区間Z(α)における各位置の磁束密度の平均値となる。同様に、検出値B(β)は、広幅サーチコイルβのコイル幅で決まる区間Z(β)における各位置の磁束密度の平均値となる。
ところが、サーチコイルの周方向幅(コイル幅)を狭くすると、コイルの断面積が減るため、鎖交磁束も減る。すると、上記(1)式より、コイルに誘起される電圧も低下し、結果として信号のS/N比が悪化する。
磁束密度分布が軸方向で等しい場合には、コイル3の誘起電圧はコイル3の軸方向長(長辺の長さ)に比例する。そのため、コイル3の軸方向長が長いほどコイル3の誘起電圧が大きくなってS/N比が改善する。また、コイル3の軸方向長を長くしても、上記(3)式により、鎖交磁束Φをコイル3の断面積Sで除算して磁束密度Baveに変換する際に精度が劣化しない。
このように、上記第2の実施形態では、モータの空隙でサーチコイルを確実に支持することができると共に、当該空隙の磁束密度を適切に測定することができる。
また、コイルの形状を略コの字形とし、コイルの周方向幅をできるだけ狭く形成するので、空隙における所望の位置の磁束密度を高精度に測定することができる。さらに、コイルの軸方向幅をできるだけ広く形成するので、S/N比を改善し、磁束密度の測定精度を確保することができる。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
この第3の実施形態は、上述した第1の実施形態におけるフィルム型サーチコイル1で、モータの空隙における周方向の磁束密度分布を測定するようにしたものである。
図4は、本発明の第3の実施形態におけるフィルム型サーチコイル1の詳細図である。
この図4に示すように、1枚の絶縁フィルム2上に、複数個の略コの字形のコイル3を、導体開部がそれぞれ同一方向を向くように、連続的に所定の間隔で形成する。このとき、互いに隣接するコの字形コイル3の長辺が平行又は略平行になるように形成する。
そして、このように形成されたフィルム型サーチコイル1を、モータの空隙に配置する。
次に、第3の実施形態の動作について説明する。
先ず、図4に示すフィルム型サーチコイル1を、モータの空隙に配置する。このとき、フィルム型サーチコイル1は、前述した第2の実施形態と同様に、コの字形コイル3の短辺が延在する方向が周方向と一致し、コの字形コイル3の長辺が延在する方向が軸方向と一致するように配置する。
このようにして、空隙内の周方向の磁束密度分布の時系列データを得ることができる。
このように、上記第3の実施形態では、絶縁フィルム上に複数個のコの字形コイルを並べて形成するので、モータの空隙の磁束密度分布を測定することができる。このとき、コの字形コイル相互間の距離を高精度に管理することができるため、当該磁束密度分布を高精度に測定することができる。
さらに、その製造工程は、絶縁フィルム上に単一のコの字形コイルを形成する場合と同様であるため、製造工程を複雑化することがない。
なお、上記第3の実施形態においては、複数個のコの字形コイル3を所定の間隔で配置する場合について説明したが、図5に示すように配置することもできる。すなわち、1枚の絶縁フィルム2の表面に、複数個のコの字形コイル3を、導体開部がそれぞれ同一方向を向き、且つ互いに隣接するコの字形コイル3の長辺を共有化するように、連続的に隙間なく配置する。
なお、上記各実施形態においては、予め複数のループ状(コの字形)コイルが並べて形成された絶縁フィルムを、必要に応じて切り出して使用することが可能である。
図6は、本発明におけるフィルム型サーチコイルの応用例を示す図である。
また、図6(b)に示すように、絶縁フィルム2の表面に、複数個のコの字形コイル3が互いに隣接する長辺を共有化して固着されたフィルム型サーチコイル1の場合には、隣接するコの字形コイル3の長辺の間のフィルム部を、コの字形コイル3の長辺と平行に破線Sで切断する。このとき、絶縁フィルム2の切断によってコの字形コイル3の短辺が1つ切断されることになるが、サーチコイルの誘起電圧に影響を与えないことは明らかである。
このような使用法を適用することで、予め多数の同一形状のコイル3を連続的に並べて形成したフィルム型サーチコイル1を生産しておき、使用する個数だけコイル3をユーザが切り出して用いることができる。
また、上記各実施形態においては、フィルム型サーチコイル1でモータの磁束を測定する場合について説明したが、モータ以外の電磁機器の磁束測定にも利用可能である。
Claims (6)
- 絶縁体のフィルムと、該フィルムの表面に固着し、両端を電気的に開放状態としたループ状の導体線とを備え、
前記導体線に鎖交する被測定磁束の変化に応じて前記導体線の両端に発生する誘導起電圧に基づいて、前記被測定磁束を測定することを特徴とする磁界センサ。 - 前記フィルムの裏面を、前記被測定磁束の通る空隙側面に貼着可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁界センサ。
- 前記導体線は、前記開放状態とした導体開部と対向する導体部を短辺とした長方形状の略コの字形に形成されており、
前記被測定磁束の磁束密度分布が空間的に一定である一方向と、前記長方形状の長辺に相当する導体部が延在する方向とが一致し、前記一方向に直交し前記磁束密度分布が空間的に変化する方向と、前記長方形状の短辺に相当する導体部が延在する方向とが一致するように配置することを特徴とする請求項1又は2に記載の磁界センサ。 - 前記フィルムの表面に、複数個の同一形状の前記導体線を、前記開放状態とした導体開部がそれぞれ同一方向を向くように、連続的に所定の間隔で固着していることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の磁界センサ。
- 前記フィルムの表面に、複数個の同一形状の前記導体線を、前記開放状態とした導体開部がそれぞれ同一方向を向き、且つ互いに隣接する前記導体線でループの一部を共有化するように、連続的に隙間無く固着していることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の磁界センサ。
- 前記同一形状の導体線が所望の個数となるように、前記フィルムを切断して使用されることを特徴とする請求項4又は5に記載の磁界センサ。
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