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JP2011010654A - バイオマスの糖化方法 - Google Patents

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JP2011010654A JP2010126126A JP2010126126A JP2011010654A JP 2011010654 A JP2011010654 A JP 2011010654A JP 2010126126 A JP2010126126 A JP 2010126126A JP 2010126126 A JP2010126126 A JP 2010126126A JP 2011010654 A JP2011010654 A JP 2011010654A
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water
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acid
hydrolysis
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JP2010126126A
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Tetsutaka Mizuno
哲孝 水野
Takafumi Kubo
貴文 久保
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

【課題】反応効率及び生成物の収率が高く、バイオマスからの単糖類の工業的な生産に適した単糖類の製造方法を提供する。
【解決手段】多糖類を加水分解して単糖類を製造する方法であって、該製造方法は、アニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸と水とを含み、反応系中に存在する水に対する、該ヘテロポリ酸の割合が150質量%以上となるようにした反応系中で加水分解する工程を含む単糖類の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、バイオマスの糖化方法に関する。より詳しくは、工業的な製造設備によって行われるバイオマスの糖化に好適に用いられるバイオマスの糖化方法に関する。
単糖類を製造する方法の一つとして、木材等のバイオマス(リグノセルロース)を糖化することによって単糖類を製造する方法が知られている。糖化とは、バイオマスに存在する多糖類(セルロース、ヘミセルロース等)を構成単位の単糖類まで加水分解することであり、バイオマスの糖化によって得られる単糖類は、例えば、バイオエタノール等を製造するための発酵原料として利用される。リグノセルロースは、食料用途と競合しないため、単糖類の供給源として期待されている。
リグノセルロースを糖化する技術としては、化学法と酵素法があり、化学法においては酸触媒が用いられる。化学法には大きく分けて、濃厚な酸水溶液を用いて低温でセルロースを溶解し分解する濃酸法と、低濃度の酸水溶液を用いて高温高圧で分解する希酸法があり、いずれの方法においても硫酸を触媒として用いる方法が知られている。
バイオマスを糖化して単糖類を製造する方法としては、バイオマスの1種であるセルロースをケイタングステン酸の存在下に加水分解してグルコースを得る方法(例えば、非特許文献1参照)や、擬溶融状態のクラスター酸触媒を用いて、セルロースを加水分解してグルコースを得る方法(例えば、特許文献1参照)が開示されている。
特開2008−271787号公報(第1−2頁)
ケンイチロウ・アライ(Kenichiro Arai)他、「ジャーナル オブアプライド ポリマー サイエンス(Journal of Applied Polymer Science)」(米国)、1985年、第30巻、pp.3051-3057
上述のように、ケイタングステン酸やクラスター酸触媒を用いて、セルロースを加水分解しグルコースを製造する方法が検討されているが、これらの方法には、以下のような課題があった。すなわち、非特許文献1の方法では、濃度50質量%以下のケイタングステン酸水溶液(水に対するヘテロポリ酸の割合としては100質量%以下)を用いてセルロースの加水分解を行っているが、触媒の反応効率が低いために反応時間が非常に長くなってしまったり、あるいは、過分解が起こるために高い単糖収率が得られないという課題があった。また、特許文献1の方法では、ケギン型リンタングステン酸(アニオンの価数が3価のヘテロポリ酸)を用いてセルロースの加水分解を行っているが、常温で固体状の触媒を加熱して用いるために流通や工業的な使用において扱いにくかったり、あるいは、極めて高い触媒濃度が必要であるといった課題があった。このように、多糖類を加水分解して単糖類を生産する工業的な生産に好適に用いることができる触媒とするための工夫の余地があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、反応効率及び生成物の収率が高く、バイオマスからの単糖類の工業的な生産に適した単糖類の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、バイオマスを糖化することによって単糖類を製造する場合において、糖化を高効率で行うことができて単糖類の収率も高く、また、工業的な生産に適した単糖類の製造方法について種々検討し、触媒として用いるヘテロポリ酸の濃度及び種類に着目した。そこで、反応系中に存在する水に対するヘテロポリ酸の割合が150質量%以上となるよう調製し、更に、ヘテロポリ酸としてアニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸を用いることとすると、多糖類を高効率で短時間に加水分解することができることを見出した。また、酸を触媒として多糖類の加水分解反応を行って単糖類を生成させると、加水分解によって生成した単糖類が更に過分解されて分解物が生成し、これが単糖類の収率を低下させる原因となるが、このような特定のヘテロポリ酸を特定の濃度に調整して加水分解に用いると、過分解物が生成することも抑制することができ、その結果、多糖類から高効率に高い収率で単糖類を製造することができることを見出した。このようにバイオマスを糖化するための触媒として特定のヘテロポリ酸を特定の濃度で用いることによって、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、多糖類を加水分解して単糖類を製造する方法であって、上記製造方法は、アニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸と水とを含み、反応系中に存在する水に対する、上記ヘテロポリ酸の割合が150質量%以上となるようにした反応系中で加水分解する工程を含む単糖類の製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
本発明において反応原料として用いる多糖類とは、バイオマス由来のものであり、単糖類が重合して形成される糖類であれば特に限定されない。具体的には、セルロース、ヘミセルロース、及び、デンプンを含むものであることが好ましく、セルロース及びヘミセルロースを含むものがより好ましく、セルロースを含むものが更に好ましい。セルロースは、強固な分子内及び分子間水素結合により結晶領域を有しており、バイオマスに含まれるその他の多糖類に比べ、酸加水分解を行うことが難しい。本発明の単糖類の製造方法は、そのような加水分解しにくいセルロースを反応原料として用いた場合に、特に顕著な効果を発揮する。すなわち本発明の方法では、セルロースの強固な結晶構造を容易に破壊し、構成単位の単糖類まで効率良く分解することが出来る。
上記多糖類の由来としては、植物由来、微生物由来のものが好ましい。具体的には、トウモロコシ(軸、穂)、サトウキビ(バガス)、パーム(空果房、幹、葉)稲、麦(藁)、スウィッチグラス(穂)、建築廃材等の植物由来リグノセルロース、及び、藻類等の微生物由来セルロースを使用することが好ましい。セルロース等の多糖類は、リグニンや塩類等の不純物を取り除き、精製してから用いても良く、精製せずにそのまま使用することもできる。
本発明における目的生成物の単糖類とは、上記原料の多糖類を構成単位の単糖類まで加水分解して得られるものであれば特に限定されないが、具体的にはグルコース、キシロース、マンノース、ガラクトース、アラビノース、リキソース、フルクトースなどが好ましく、より好ましくはグルコース、キシロース、マンノース、ガラクトース、アラビノースであり、更に好ましくはグルコース、キシロースである。
本発明の単糖類の製造方法は、反応系中に存在する水に対する、アニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸の割合が150質量%以上となるようにした反応系中で加水分解する工程を含んでなるものである。
本発明者等は、アニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸が、3価のヘテロポリ酸よりも高い反応効率でセルロースを加水分解することを発見し、上述したような特許文献1における課題が、4価以上のヘテロポリ酸を使用することで解決可能となることを見出した。更に触媒濃度(反応系中に存在する水に対するヘテロポリ酸の割合)を150質量%以上とすることによって、加水分解反応を効率良く、かつ、過分解を起こさずに収率良く進めることができることを発見し、上述したような非特許文献1における課題が解決可能であることを見出した。
本発明において反応系中に存在する水の量とは、ヘテロポリ酸に配位する結晶水、反応原料であるバイオマスに由来する水、及び、ヘテロポリ酸と混合するために添加される水の総量を意味する。
本発明の単糖類の製造方法において、反応系中に存在する水に対する、アニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸の割合は、150質量%以上である。反応系中に存在する水に対してアニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸の割合を150質量%以上とすることにより、アニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸が高濃度な反応系となり、そのような反応系において多糖類を加水分解することで、反応時間を短縮し、多糖類の反応率を高めて効率的に加水分解を行うことが可能となる。反応系中に存在する水に対する、アニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸の割合は、200質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、250質量%以上である。また、400質量%以下であることが好ましい。
本発明の単糖類の製造方法において、バイオマスの糖化反応に用いる触媒は、アニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸である。該ヘテロポリ酸を高濃度に調整した反応系において多糖類の加水分解反応を行った場合に、反応時間を短縮し、多糖類の反応率を高めて高効率な反応を実現することができる。
上記アニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸としては、アニオンの価数が4価以上であれば、該ヘテロポリ酸のイソポリ酸骨格を構成する金属原子及びヘテロ原子の元素種は、特に制限されないが、イソポリ酸骨格を構成する金属原子は、周期律表の第4〜第6族に属する元素を含むことが好ましい。より好ましくは、タングステン、モリブデン及びバナジウムからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含むことである。更に好ましくは、タングステンを含むことである。また、ヘテロ原子は、周期律表の第9族及び第13〜第15族に属する元素を含むことが好ましい。より好ましくは、コバルト、ホウ素、ケイ素、リン、アルミニウム及びガリウムからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含むことである。更に好ましくは、コバルト、ホウ素、ケイ素、アルミニウム又はガリウムを含むことである。
上記アニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸として具体的には、ケギン型のケイタングステン酸、ホウタングステン酸、コバルトタングステン酸、アルミノタングステン酸、ガリウムタングステン酸、ケイモリブデン酸、ホウモリブデン酸、コバルトモリブデン酸、ケイバナドタングステン酸、ホウバナドタングステン酸、コバルトバナドタングステン酸、ケイバナドモリブデン酸、ホウバナドモリブデン酸、コバルトバナドモリブデン酸、及び、ドーソン型のリンタングステン酸が挙げられる。この中で好ましくは、タングステンを含むものであり、具体的には、ケギン型のケイタングステン酸、ホウタングステン酸、コバルトタングステン酸、アルミノタングステン酸、ガリウムタングステン酸、ケイバナドタングステン酸、ホウバナドタングステン酸、コバルトバナドタングステン酸、及び、ドーソン型のリンタングステン酸である。
なお、本発明の単糖類の製造方法において用いられる触媒は、上記アニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸を1種類含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。また、上記アニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸を少なくとも1種類含んでいる限り、その他の触媒を含んでいてもよい。
上記アニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸は、HBW1240(ケギン型ホウタングステン酸)、HSiW1240(ケギン型ケイタングステン酸)、HCoW1240(ケギン型コバルトタングステン酸)、HAlW1240(ケギン型アルミノタングステン酸)、HGaW1240(ケギン型ガリウムタングステン酸)及びH1862(ドーソン型リンタングステン酸)からなる群より選択される少なくとも1種のヘテロポリ酸を含むことが特に好ましい。
BW1240、HSiW1240、HCoW1240、HAlW1240、HGaW1240、H1862のいずれかの化合物を含むヘテロポリ酸を高濃度に調整した反応系において、多糖類の加水分解を行うことで、バイオマスの糖化反応を更に効率的に行うことが可能となる。これらの中でも、触媒性能の高さや取り扱いのしやすさの点からHBW1240及びHSiW1240、HAlW1240、HGaW1240が最も好ましい。
上記アニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸の製造方法としては、調製する際の触媒調製溶媒やpH、調製温度は、イソポリ酸骨格を構成する金属原子やヘテロ原子の種類等により適宜設定することができるが、pHを0.5〜12の間に設定した水溶媒又は水含有有機溶媒を使用し、0〜95℃で調製を行うことが好ましい。
本発明の単糖類の製造方法における加水分解工程としては、特に制限されず、多糖類と、アニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸と水とを反応系中に存在する水に対してアニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸の割合が150質量%以上となるように混合し、加水分解反応を行う形態、多糖類と、アニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸とをまず混合し、その後に、反応系中に存在する水に対してアニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸の割合が150質量%以上となるように水を添加して加水分解反応を行う形態、アニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸と水とを、反応系中に存在する水に対してアニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸の割合が150質量%以上となるようにまず混合し、その後に多糖類を添加して加水分解反応を行う形態、多糖類と水とをまず混合して懸濁溶液を調製し、該懸濁溶液に反応系中に存在する水に対してアニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸の割合が150質量%以上となるように該ヘテロポリ酸を添加して加水分解反応を行う形態等が挙げられる。
また、本発明の単糖類の製造方法は、このような加水分解工程を含む限り、その他の工程を含んでいてもよい。
上記加水分解工程の形態としては、アニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸と水とを、反応系中に存在する水に対してアニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸の割合が150質量%以上となるようにまず混合し、その後に多糖類を添加して加水分解反応を行う形態が好ましい。更には、本発明の単糖類の製造方法は、水に対するヘテロポリ酸の割合が150質量%以上である、アニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸の水溶液を用いて加水分解する工程を含むことがより好ましい。多糖類を加水分解する工程をこのような形態とした場合には、通常、常温で固体のヘテロポリ酸を液体(水溶液)として取り扱うことができることから、反応操作が容易になるという利点がある。また、原料の多糖類は一般的に固体であるため、ヘテロポリ酸を水溶液とすることで、多糖類と常温でも速やかに混合することができ、また、反応を進行させることができる。以上のように、常温で液体状のヘテロポリ酸水溶液を用いることは、本発明の好適な実施形態の1つである。ヘテロポリ酸は、その種類によって結晶水として配位することのできる水分子の量は異なるので、ヘテロポリ酸の種類に応じて、結晶水として配位することのできる以上の水が反応系中に存在するように調整することで、25℃において溶液状態とすることができる。すなわち、常温で液体状である、アニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸の水溶液は、ヘテロポリ酸の結晶水量を超える量の水を含むものである。
そして更に、該ヘテロポリ酸水溶液は、反応温度において、完全に溶融していると評価できる液体状態であることが好ましい。言い換えると、反応温度において、液中に分散しているコロイドに近い状態又はコロイド状態となるものではないことが好ましい。
上記加水分解工程における反応温度は、20〜90℃であることが好ましい。反応温度が20℃より低い場合には、反応速度が極端に低下し、充分に高い単糖類収率が得られないおそれがある。一方、反応温度が90℃より高い場合には、反応は短時間となるが、加水分解反応によって得られた単糖類の過分解の発生が多くなり、過分解物の生成により単糖類の収率が低下してしまうおそれがある。本発明における加水分解反応温度としては、より好ましくは、30〜80℃であり、更に好ましくは、40〜70℃である。
上記加水分解工程における反応時間は、0.1〜200時間であることが好ましい。反応時間が0.1時間より短い場合には、加水分解反応が完了しきれず、単糖類の収率が低くなる恐れがある。一方、反応時間が200時間より長い場合には、加水分解反応によって得られた単糖類を長時間反応系内に置くこととなるために、単糖類の過分解が起こってしまう可能性が生じ、過分解物の生成により単糖類の収率が低下してしまう恐れがある。本発明における加水分解反応時間としては、より好ましくは、0.5〜100時間であり、特に好ましくは、1〜50時間である。
上記加水分解工程により生成する生成物の収率としては、生成する単糖類の合計の収率が40%以上であることが好ましい。収率が40%以上である場合には、加水分解反応が充分に進んでいるということができる。より好ましくは60%以上であり、更に好ましくは、80%以上である。
加水分解工程により生成する生成物の収率は、例えば、高速液体クロマトグラフィーを用いて、以下の測定条件によって、定量分析することにより求めることができる。なお、本発明における単糖類の収率は炭素基準の収率(モル%)である。
測定条件:
カラム Shodex KC−811(昭和電工社製)
カラム温度 50℃
移動相 水
移動相流量 1ml/min
検出器 RID
上記加水分解工程においては、上述の通り、加水分解反応時間を長くしたり、加水分解反応温度を高くしたりした時に、生成する単糖類が過分解される場合がある。単糖類の過分解が起こってしまうと、それだけ単糖類の収率が低くなってしまうため、本発明の単糖類の製造方法においては、過分解が起こらないように加水分解の反応条件を設定することが望ましい。本発明の単糖類の製造方法において、加水分解工程により生成する過分解物の量は、生成物の単糖類に対して、10モル%以下であることが好ましい。より好ましくは、5モル%以下であり、更に好ましくは、2モル%以下である。過分解により生成する化合物としては、例えば、レブリン酸、ギ酸、ヒドロキシメチルフルフラール、フルフラールなどが挙げられる。
加水分解工程により生成する過分解物の量は、例えば、検出器にUV(214nm)を用いる以外は、上記と同様の高速液体クロマトグラフィーを用いて、定量分析することにより求めることができる。
上記加水分解工程に供される多糖類の量は、反応系中に存在するヘテロポリ酸100質量%に対して0.1〜100質量%であることが好ましい。本発明の単糖類の製造方法では、多糖類の量を多くした場合であっても、高い収率で単糖類を得ることができるため、このような幅広い範囲で多糖類の使用量を設定することができる。特に、使用される多糖類の量が多い場合、加水分解して得られる単糖類の量と収率とをともに高くし、効率的に単糖類を製造することができる。より好ましくは、0.5〜50質量%であり、更に好ましくは、1〜30質量%である。
上記加水分解工程の後に残る残渣の量は、原料多糖類に対して、60%以下であることが好ましい。加水分解工程の後に残る残渣の量が、60%以下であった場合には、加水分解反応が充分に進んでいるということができる。より好ましくは、40%以下であり、更に好ましくは、20%以下である。
本発明の単糖類の製造方法は、マーセル化処理、ミル粉砕処理及びアセトンミル粉砕処理のうち少なくとも1つの処理を多糖類に施す工程を行った後に加水分解工程を行うものであることが好ましい。
マーセル化処理とは、多糖類をアルカリで処理することである。アルカリとしては、水酸化ナトリウム、アンモニア等を用いることができ、水酸化ナトリウムを用いることが好ましい。
ミル粉砕処理とは、多糖類に粉砕機による粉砕処理を施すことである。粉砕機としては、ボールミル、ディスクミル、カッターミル、ハンマーミル、ローラーミル等を用いることができ、ボールミル、ディスクミルを使用することが好ましい。
アセトンミル粉砕処理とは、多糖類にアセトンを溶媒として加えた状態で、上記ミル粉砕処理を施すことである。
マーセル化処理、ミル粉砕処理、アセトンミル粉砕処理のいずれかの処理を多糖類に施すことにより、多糖類の分子内及び分子間構造が化学的に又は物理的に壊される。例えば、セルロースのように多糖類が結晶構造を有している場合には、上記処理によって、結晶構造を壊し、結晶化度を下げることが可能となる。結晶構造等の多糖類の分子内及び分子間構造を壊した後に、加水分解反応を行うことで、反応がより効率的に行われることとなる。これらの処理は、いずれの場合においても、1回だけ行ってもよく、複数回行ってもよい。
上記マーセル化処理、ミル粉砕処理及びアセトンミル粉砕処理は1種類だけを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、2種以上を組み合わせて行うことが好ましい。2種以上を組み合わせて行うことで、多糖類の分子内及び分子間構造をより充分に壊すことができ、加水分解反応の効率をより高めることができる。
上記処理を2種組み合わせて行う場合、その組み合わせは特に制限されないが、マーセル処理と、ミル粉砕処理又はアセトンミル粉砕処理のいずれかとを組み合わせることが好ましい。また、この場合、マーセル化処理の後、ミル粉砕処理又はアセトンミル粉砕処理を行うことがより好ましい。更に好ましくは、マーセル化処理の後、アセトンミル粉砕処理を行うことである。
上記マーセル化処理、ミル粉砕処理及びアセトンミル粉砕処理のうち少なくとも1つの処理を施す工程を行った後のセルロースの結晶化度は、60%以下であることが好ましい。結晶化度が60%以下のセルロースを加水分解工程に供した場合、加水分解反応の効率をより高めることが可能になる。加水分解工程に供するセルロースの結晶化度としては、より好ましくは、50%以下であり、更に好ましくは、40%以下である。
本発明の単糖類の製造方法は、上述の構成よりなり、反応効率が高く、また、加水分解で生成した単糖類の過分解を効果的に抑制することができることから、高い収率で生成物を得ることができ、バイオマスからの単糖類の工業的な生産に好適に用いることができる製造方法である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」意味するものとする。
下記実施例及び比較例では、下記のようにして、測定を行った。
(1)セルロースの結晶化度
CP−MAS 13C−NMR(Cross−Polarization Magic−Angle−Spinning 13C Nuclear Magnetic Resonance)装置を用いて、セルロースの13C−NMR測定を行った。13C−NMRにおいては、セルロースの結晶領域にあるグルコースユニットのC−4位(以降、結晶C4と記載する。)と、非晶領域にあるグルコースユニットのC−4位(以降、非晶C4と記載する。)とでは、異なる化学シフトを持つ。すなわち、結晶C4は、86−92 ppmの化学シフトを持つのに対して、非晶C4は、79−86 ppmの化学シフトを持つ。これより、下記式を用いて、セルロースの結晶化度を求めた。
(セルロースの結晶化度(%))=
(結晶C4に由来するピークのピーク面積)/{(結晶C4に由来するピークのピーク面積)+(非晶C4に由来するピークのピーク面積)}×100
(2)炭素収率(CB)
炭素収率は、反応で生成する生成物(糖類及び副生成物全てを含む)及び反応残渣の炭素量の合計を、加水分解に供する原料多糖類の炭素量で除することにより算出した。
(3)酸触媒のプロトン濃度
酸触媒のプロトン濃度は、酸触媒の濃度及びプロトン価数から算出した。なお、酸触媒は、全解離しているものとして計算した。
(4)反応生成物の定量分析
定量分析は、高速液体クロマトグラフィーを用いて、グルコース、セロビオース、キシロースについて行った。
測定条件:
カラム Shodex KC−811(昭和電工社製)
カラム温度 50℃
移動相 水
移動相流量 1ml/min
検出器 RID
(触媒調製例1)
BW1240の調製
カリウム塩を調製した後、カチオン交換によりHBW1240を調製した。すなわち、ビーカーにNaWO・2HOを100g、HBOを150g、水を450mL加え、水浴で約70℃で加熱して溶液が300mL程度になるまで水を蒸発させた。溶液を氷浴し、析出したHBOを濾別した。濾液に70gのHBOを加え、水浴で約70℃で加熱し、液量が150mLになるまで濃縮した。さらに溶液を再度氷浴し、析出したHBOを濾別した。濾液に濃塩酸を10mL加え、氷浴中でHBOを完全に析出させた。続いて濾液に、塩化カリウム水溶液(濃度:10g/30mL)を30mL加えて15分攪拌し、生成した白色固体を濾別した。pH2に調整した硝酸水溶液に白色固体を溶解し、溶液を冷蔵庫に静置し再結晶を行った。白色の針状結晶を吸引乾燥し、KBW1240を収率10−30%(タングステンベース収率)で得た。
続いて、カリウム塩をカチオン交換により酸型に変換した。ビーカーにKBW1240を20.0g、水を70mL加え、45℃に加熱してKBW1240を溶解させた。分液漏斗に溶液を入れ、そこに100mLのジエチルエーテルを加えた。分液漏斗を攪拌しつつ、濃硫酸を45mL程度加えた。すると3層に分かれるようになり、最下層を分取し、エーテルをエバポレートした。得られた白色の固形物に水を5mL加え、固体を溶解させ、その後水をエバポレートした。更に得られた白色の固形物に水を70mL加え、固体を溶解させた。ジエチルエーテルの添加から再度同様の操作を繰り返し、最終的に白色固体16gを得た(収率80%)。白色固体はHBW1240・21HOであった。
(触媒調製例2)
1862の調製
既報(サワミ・シカタ(Sawami Shikata)他、「ジャーナル オブ モレキュラー カタリシス A:ケミカル(Journal of Molecular Catalysis A: Chemical)」(オランダ)、1995年、第100巻、第1-3号、pp.49-59)に準じて調製を行った。
(触媒調製例3)
CoW1240の調製
まずカリウム塩の調製を行い、酸型へ変換することで調製した。すなわち、まず99gのNaWO・2HOを200mlの純水に溶解し、20mlの酢酸を加え、約80℃に加温した。これとは別に12.5gの酢酸コバルト(2)・4HOを63mlのHOに溶解し、3滴(約0.3g)の酢酸を加えた溶液を調製した。これを約20時間かけてNaWO水溶液に加えた(還流塔使用)。さらに、65gのKClを加えた150mlの温水(約50℃)を加えると、緑色微結晶が生成した。溶液を室温まで放置した後、結晶を濾別した。結晶を加温(約50℃)した0.5%酢酸水溶液に溶解し、溶け残った固体は除去した。濾液を冷蔵庫に放置すると、緑色結晶が得られた。更に緑色結晶を1M HClに溶解すると青色溶液が得られ、溶け残った固体を濾別した。濾液を80℃程度の水浴を用いてエバポレートし、青色の繊維状結晶の析出が始まった時点でエバポレートを止め、溶液を氷浴した。青色繊維状結晶が収率約10%で得られた。カチオン交換はHBW1240と同様の手法により行った。得られた固体はHCoW1240・13HOであった。
(触媒調製例4)
AlW1240の調製
既報(I.A.ワインストック(I.A.Weinstock)他、「ジャーナル オブ ザ アメリカン ケミカル ソサイエティ(Journal of the American Chemical Society)」(米国)、1999年、第121巻、第19号、pp.4608-4617)に準じて調製を行った。
(触媒調製例5)
GaW1240の調製
既報(K.M.サンダラーム(K.M.Sundaram)他、「インオーガニック ケミストリー(Inorganic Chemistry)」(米国)、2006年、第45巻、第3号、pp.958-960)に準じて調製を行った。
(実施例1)
未処理のセルロースを用いた場合
結晶水を含むケギン型ケイタングステン酸(HSiW1240・22HO、4価のヘテロポリ酸アニオンを有する;日本無機化学工業社製)5gと水 1mlとを混合し、ヘテロポリ酸水溶液Aを調製した(ヘテロポリ酸純分の濃度:73%、結晶水と添加水とを合わせた水濃度:27%、水に対するヘテロポリ酸の割合:270%、室温で液状、プロトン濃度:2.7M)。その調製したヘテロポリ酸水溶液に、未処理のセルロース(シグマアルドリッチ社製;パウダー、平均粒径:20ミクロン、結晶化度:64±4%)40mgを添加し、攪拌しながら、60℃で、48時間加水分解反応を行った。
得られた生成物の収率、残渣の量は、表1の通りであった。
(実施例2)
ミル粉砕処理したセルロースを用いた場合
未処理のセルロースにボールミルで4日間粉砕処理を施して、処理セルロース1を得た。処理セルロース1の結晶化度は36±6%であった。
ヘテロポリ酸水溶液に添加するセルロースとして、処理セルロース1を用いた以外は、実施例1と同様に加水分解反応を行った。
得られた生成物の収率、残渣の量は、表1の通りであった。
(実施例3)
ミル粉砕処理した後、マーセル化処理を行ったセルロースを用いた場合
未処理のセルロースに実施例2と同様にミル粉砕処理を施し、更に14%水酸化ナトリウム水溶液中に室温で24時間浸してマーセル化処理を行った後、中和、洗浄、乾燥工程を経て、処理セルロース2を得た。処理セルロース2の結晶化度は47±10%であった。
ヘテロポリ酸水溶液に添加するセルロースとして、処理セルロース2を用いた以外は、実施例1と同様に加水分解反応を行った。
得られた生成物の収率、残渣の量は、表1の通りであった。
(実施例4)
マーセル化処理した後、ミル粉砕処理を行ったセルロースを用いた場合
未処理のセルロースに、実施例3と同様に、ただし実施例3とはマーセル化処理とミル粉砕処理の順序を逆にして処理を施して、処理セルロース3を得た。処理セルロース3の結晶化度は28±6%であった。
ヘテロポリ酸水溶液に添加するセルロースとして、処理セルロース3を用いた以外は、実施例1と同様に加水分解反応を行った。
得られた生成物の収率、残渣の量は、表1の通りであった。
(実施例5)
マーセル化処理した後、アセトンミル粉砕処理を行ったセルロースを用いた場合
未処理のセルロースに実施例3と同様にマーセル化処理を施し、更に既報(特開平07−41502号公報)に従ってアセトンミル粉砕処理を施して、処理セルロース4を得た。処理セルロース4の結晶化度は20±7%であった。
ヘテロポリ酸水溶液に添加するセルロースとして、処理セルロース4を用いた以外は、実施例1と同様に加水分解反応を行った。
得られた生成物の収率、残渣の量は、表1の通りであった。
(実施例6)
マーセル化処理したセルロースを用いた場合
未処理のセルロースに実施例3と同様にマーセル化処理を施して、処理セルロース5を得た。処理セルロース5の結晶化度は63±3%であった。
ヘテロポリ酸水溶液に添加するセルロースとして、処理セルロース5を用いた以外は、実施例1と同様に加水分解反応を行った。
得られた生成物の収率、残渣の量は、表1の通りであった。
(実施例7)
アセトンミル粉砕処理したセルロースを用いた場合
未処理のセルロースに実施例5と同様にアセトンミル粉砕処理を施して、処理セルロース6を得た。
ヘテロポリ酸水溶液に添加するセルロースとして、処理セルロース6を用いた以外は、実施例1と同様に加水分解反応を行った。
得られた生成物の収率、残渣の量は、表1の通りであった。
(実施例8)
乾燥デンプン(結晶化度:0%)を用いた場合
ヘテロポリ酸水溶液に添加する試料として、乾燥デンプンを用いた以外は、実施例1と同様に加水分解反応を行った。
得られた生成物の収率、残渣の量は、表1の通りであった。
(比較例1)
触媒として13wt%HSOを用いて、48時間反応を行った場合
マーセル化処理した後、ミル粉砕処理を行った処理セルロース3 40mgを13wt%HSO(プロトン濃度:2.7M) 2mlと混合し、攪拌しながら、60℃で、48時間加水分解反応を行った。
得られた生成物の収率、残渣の量は、表2の通りであった。
(比較例2)
触媒として13wt%HSOを用いて、96時間反応を行った場合
加水分解反応時間を96時間とした以外は、比較例1と同様に加水分解反応を行った。
得られた生成物の収率、残渣の量は、表2の通りであった。
(比較例3)
触媒として30wt%HSOを用いて、48時間反応を行った場合
触媒として30wt%HSO(プロトン濃度:6.2M)を用いた以外は、比較例1と同様に加水分解反応を行った。
得られた生成物の収率、残渣の量は、表2の通りであった。
(実施例9)
触媒としてHBW1240を用いた場合
結晶水を含むホウタングステン酸(HBW1240・21HO、5価のヘテロポリ酸アニオンを有する)5gと水 1mlとを混合し、ヘテロポリ酸水溶液Bを調製した(ヘテロポリ酸純分の濃度:74%、結晶水と添加水とを合わせた水濃度:26%、水に対するヘテロポリ酸の割合:280%、室温で液状)。調製したヘテロポリ酸水溶液Bを用いた以外は、実施例4と同様に加水分解反応を行った。
得られた生成物の収率、残渣の量は、表3の通りであった。
(実施例10)
触媒としてH1862を用いた場合
結晶水を含むドーソン型リンタングステン酸(H1862・nHO、6価のヘテロポリ酸アニオンを有する)5gと水 1mlとを混合し、ヘテロポリ酸水溶液Cを調製した。調製したヘテロポリ酸水溶液Cを用いた以外は、実施例4と同様に加水分解反応を行った。
得られた生成物の収率、残渣の量は、表3の通りであった。
(比較例4)
触媒としてHPW1240を用いた場合
結晶水を含むケギン型リンタングステン酸(HPW1240・22HO、3価のヘテロポリ酸アニオンを有する;日本無機化学工業社製)5gと水 1mlとを混合し、ヘテロポリ酸水溶液Dを調製した(ヘテロポリ酸純分の濃度:73%、結晶水と添加水とを合わせた水濃度:27%、水に対するヘテロポリ酸の割合:270%、室温で液状)。調製したヘテロポリ酸水溶液Dを用いた以外は、実施例4と同様に加水分解反応を行った。
得られた生成物の収率、残渣の量は、表3の通りであった。
(実施例11)
60℃で120時間反応を行った場合
加水分解反応時間を120時間とした以外は、実施例1と同様に加水分解反応を行った。
得られたグルコース及びレブリン酸の収率、残渣の量は、表4の通りであった。
(実施例12)
70℃で48時間反応を行った場合
加水分解反応温度を70℃とした以外は、実施例1と同様に加水分解反応を行った。
得られたグルコース及びレブリン酸の収率、残渣の量は、表4の通りであった。
(実施例13)
70℃で120時間反応を行った場合
加水分解反応温度を70℃、加水分解反応時間を120時間とした以外は、実施例1と同様に加水分解反応を行った。
得られたグルコース及びレブリン酸の収率、残渣の量は、表4の通りであった。
(実施例14)
90℃で120時間反応を行った場合
加水分解反応温度を90℃、加水分解反応時間を120時間とした以外は、実施例1と同様に加水分解反応を行った。
得られたグルコース及びレブリン酸の収率、残渣の量は、表4の通りであった。
(実施例15)
100℃で48時間反応を行った場合
加水分解反応温度を100℃とした以外は、実施例1と同様に加水分解反応を行った。
得られたグルコース及びレブリン酸の収率、残渣の量は、表4の通りであった。
(実施例16)
100℃で120時間反応を行った場合
加水分解反応温度を100℃、加水分解反応時間を120時間とした以外は、実施例1と同様に加水分解反応を行った。
得られたグルコース及びレブリン酸の収率、残渣の量は、表4の通りであった。
(実施例17)
60℃で8時間反応を行った場合
加水分解反応時間を8時間とした以外は、実施例9と同様に加水分解反応を行った。
得られた生成物の収率、残渣の量は、表5の通りであった。
(実施例18)
60℃で16時間反応を行った場合
加水分解反応時間を16時間とした以外は、実施例9と同様に加水分解反応を行った。
得られた生成物の収率、残渣の量は、表5の通りであった。
(実施例19)
60℃で24時間反応を行った場合
加水分解反応時間を24時間とした以外は、実施例9と同様に加水分解反応を行った。
得られた生成物の収率、残渣の量は、表5の通りであった。
(実施例20)
結晶水を含むコバルトタングステン酸(HCoW1240・13HO、6価のヘテロポリ酸アニオンを有する)5gと水 1mlとを混合し、ヘテロポリ酸水溶液Eを調製した(ヘテロポリ酸純分の濃度:77%、結晶水と添加水とを合わせた水濃度:23%、水に対するヘテロポリ酸の割合:340%、室温で液状)。調製したヘテロポリ酸水溶液Eを用いた以外は、実施例4と同様に、ただし、反応時間を8時間に変更して加水分解反応を行った。得られた生成物の収率、残渣の量は、表5の通りであった。
(比較例5、実施例21〜25)
表6に示したヘテロポリ酸を用いて、セルロースの加水分解反応を行った。原料セルロースとしては、マーセル化処理の後にミル粉砕処理を行ったセルロース(処理セルロース3)を用いた。またヘテロポリ酸は、ヘテロポリ酸アニオン濃度が0.7M(ヘテロポリ酸純分の濃度:75%、水濃度:25%、水に対するヘテロポリ酸の割合:300%、室温で液状)となるように水溶液を調製して使用した。反応は0.7Mのヘテロポリ酸水溶液2mlと、処理セルロース3を100mg混合し、60℃で24時間攪拌加熱することで行った。得られた生成物の収率、残渣の量は、表6の通りであった。
(実施例26)
実施例22(HBW1240を使用)と同様に、ただし、HBW1240の濃度を0.6M(水に対するヘテロポリ酸の割合:180%)に調製したヘテロポリ酸水溶液を用いて加水分解反応を行った。得られた生成物の収率、残渣の量は表7の通りであり、高い収率が得られた。
(比較例6)
実施例22と同様に、ただし、HBW1240の濃度を0.4M(水に対するヘテロポリ酸の割合:100%)に調製したヘテロポリ酸水溶液を用いて加水分解反応を行った。得られた生成物の収率、残渣の量は表7の通りであり、低い収率となった。
(実施例27、28)
実施例22と同様に、ただし、反応に用いるセルロースの量を表8に示したように、200mg、又は、500mgに変更して加水分解反応を行った。得られた生成物の収率、残渣の量は、表8の通りであった。
これらの結果を下記表1〜8に示す。
なお、表1〜5中の略語は以下のとおりである。
Cello:セロビオース
Glu:グルコース
Xyl:キシロース
Total:セロビオース、グルコース、キシロースの合計
CB:炭素収率
[H+]:酸のプロトン濃度
LA:レブリン酸
また、表6〜8の略号は以下のとおりである。
Cello:セロビオース
Glu:グルコース
Total:セロビオース、グルコースの合計
CB:炭素収率
Figure 2011010654
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表1の結果より、未処理のセルロースに比べて、前処理を行ったセルロースを用いてケイタングステン酸を触媒に加水分解反応を行った方が、加水分解生成物の収率が高くなることがわかった。また更に、セルロースの前処理方法を変えて、加水分解反応を行った場合、加水分解工程を行う前の前処理としては、マーセル化処理をした後に、アセトンミル粉砕処理を行うのが最も良いことがわかった(実施例1〜7)。
また、反応原料として乾燥デンプンを用いた場合、実施例1と同様に加水分解反応を行っても、含まれるほぼ全ての多糖類を単糖類にすることが可能であった(実施例8)。
表2の結果から、様々な濃さの硫酸を用いて加水分解反応を行った場合(比較例1〜3)、例え長時間加水分解反応を行ったとしても、ケイタングステン酸を触媒として用いた方が、加水分解生成物が高い収率で得られることがわかった。
表3、表5及び表6の結果から、ヘテロポリ酸の中でも、アニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸を用いた高濃度水溶液を触媒として用いて加水分解反応を行った場合に、加水分解生成物が高い収率で得られることがわかった(実施例4、9、10、20、21〜25及び比較例4、5)。例えば、同じリンタングステン酸であっても、アニオンの価数が3価の比較例4に比べて、アニオンの価数が6価である実施例10の方が、加水分解生成物の収率が大幅に高くなっており、本発明における際立って優れた効果が示されている。また、ヘテロポリ酸の中でもケイタングステン酸を用いた場合のほうが、リンタングステン酸を用いた場合に比べて加水分解生成物が非常に高い収率で得られ、その差が顕著であることが確認された(実施例4及び10)。
表4及び表5の結果から、加水分解反応温度を高温にすると、過分解物であるレブリン酸が生成し(実施例1、11〜16)、加水分解反応時間を長くすると、加水分解生成物の収率が上がることが確認された(実施例9、17〜19)。
表7の結果から、ヘテロポリ酸水溶液の、水に対するヘテロポリ酸の割合が、150質量%以上とすることによって、150質量%未満である場合に比べて、加水分解生成物を非常に高い収率で得ることができることが確認された。
表8の結果から、本発明の方法によれば、加水分解反応に供するセルロースの量を多くしても、加水分解生成物を高い収率で得ることができることが分かった。
なお、上記実施例においては、アニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸のいくつかを用いてセルロースの加水分解を行った例が示されているが、アニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸であれば同様の機構により、本明細書において開示した種々の形態において本発明が適用でき、有利な作用効果を発揮することができるといえる。

Claims (4)

  1. 多糖類を加水分解して単糖類を製造する方法であって、
    該製造方法は、アニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸と水とを含み、反応系中に存在する水に対する、該ヘテロポリ酸の割合が150質量%以上となるようにした反応系中で加水分解する工程を含むことを特徴とする単糖類の製造方法。
  2. 前記製造方法は、水に対するヘテロポリ酸の割合が150質量%以上である、アニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸の水溶液を用いて加水分解する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の単糖類の製造方法。
  3. 前記製造方法は、マーセル化処理、ミル粉砕処理及びアセトンミル粉砕処理のうち少なくとも1つの処理を多糖類に施す工程を行った後に加水分解工程を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の単糖類の製造方法。
  4. 前記アニオンの価数が4価以上のヘテロポリ酸は、HBW1240、HSiW1240、HCoW1240、HAlW1240、HGaW1240及びH1862からなる群より選択される少なくとも1種のヘテロポリ酸を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の単糖類の製造方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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