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JP2011088771A - 型材を用いた石英ガラス材料の成形方法 - Google Patents

型材を用いた石英ガラス材料の成形方法 Download PDF

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JP2011088771A JP2009242812A JP2009242812A JP2011088771A JP 2011088771 A JP2011088771 A JP 2011088771A JP 2009242812 A JP2009242812 A JP 2009242812A JP 2009242812 A JP2009242812 A JP 2009242812A JP 2011088771 A JP2011088771 A JP 2011088771A
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Kazuyuki Chiba
和幸 千葉
Yukio Onuki
由紀夫 大貫
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    • C03B19/00Other methods of shaping glass
    • C03B19/09Other methods of shaping glass by fusing powdered glass in a shaping mould

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Abstract

【課題】簡単な作業により離型材を構成し、クラックや気泡を混入することなく石英ガラス材料を所定の形状に成形するようにする。
【解決手段】型材中で石英ガラス材料を加熱溶融してガラス製品の概形を成形する型材を用いた石英ガラス材料の成形方法において、加熱溶融される石英ガラス材料の接する面に窒化珪素(Si)膜を形成したカーボン製の型材を用い、上記型材中に石英ガラス材料を載置して、上記型材中で石英ガラス材料を加熱溶融してガラス製品の概形を成形するようにした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、型材を用いた石英ガラス材料の成形方法に関し、さらに詳細には、カーボン製の型材内の石英ガラス材料を加熱溶融してガラス製品の概形を成形するようにした型材を用いた石英ガラス材料の成形方法に関する。
近年、ガラス製品、特に、石英ガラスよりなるガラス製品(以下、単に「石英ガラス製品」と適宜に称する。)は、光学レンズなどの光学機器に限らず、その耐久性や化学的安定性などの利点を生かし、半導体製造用治具、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)パネル製造用フォトマスクあるいは光通信用の精密部品などに広く用いられている。
一般に、こうした石英ガラス製品の製造プロセスとしては、エッチングや研削加工などのような、加工対象物から不要な領域を除去する除去工程を主に用いるプロセスが採用されていた。
しかしながら、エッチングによる製造プロセスは、加工対象物の表面の比較的微細な加工に限定されるため、それにより得られるガラス製品が限定されてしまうという問題点があった。
また、研削加工による製造プロセスは、加工対象物を少量ずつ研削して所望の形状に加工するため、加工時間が多くかかるとともに、加工対象物から不要な部分を全て研削してしまうため、最終的に加工された石英ガラス製品の重量に比べより大きな石英ガラス材料の重量が必要となり、製造効率や製造コスト上で問題点が指摘されていた。
こうした問題点を解決するための手段として、型材を用いてガラス製品の概形を成形し、成形された成形体に研削などの機械加工を施してガラス製品を作製する手法が知られている。以下、型材を用いてガラス製品の概形を成形する方法について説明する。
即ち、図1(a)には石英ガラス材料が載置された型材の概略構成説明図が示されており、図1(b)には図1(a)のA矢視図が示されており、図1(c)には図1(a)のB−B線による断面図が示されており、図1(d)には加熱溶融後の石英ガラス材料と型材の断面図が示されている。
この石英ガラス材料の成形に用いる型材10は、底板12と、底板12の上面12aに配置されるとともに所望の内径を有する円筒形状の外筒14とを有して構成されている。こうした、底板12および外筒14はカーボン製である。なお、符号14aは、外筒14の内周面を示している。
以上の構成において、石英ガラス材料を石英ガラス製品の概形に成形するには、まず、外筒14内の底板12の上面12aに石英バルクまたはインゴットといった石英ガラス材料16を載置し、石英ガラス材料16が載置された型材10を電気炉などの加熱装置(図示せず。)により、例えば、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下において、加熱温度1500〜2000℃で加熱する。
このように、加熱装置内で型材10が加熱温度1500〜2000℃で加熱されることにより、型材10中に載置された石英ガラス材料16は加熱溶融され、加熱溶融された石英ガラス材料16は、図1(d)に示されるように、外筒14の内径と同一の寸法の円柱形状の成形体として成形される。
こうして成形された石英ガラス材料16は、研削などの機械加工工程を経て所望の形状の石英ガラス製品として製作される。
なお、上記において、加熱装置により加熱されて石英ガラス材料16が加熱溶融される際の加熱温度を1500〜2000℃としたが、より詳細には、1750〜1900℃とすることが好ましい。
これは、石英ガラス材料16を加熱溶融する加熱温度が1500℃未満のときは、石英ガラスが高粘性を有するために石英ガラス材料16を変形させにくく、型材10中で石英ガラス材料16が求める形状に成形されない恐れがあるからであり、また、石英ガラス材料16の加熱温度が2000℃を超えるときには、石英ガラス材料16が分解して型材10の各構成部材の構成材料であるカーボンと激しく反応してしまう恐れがあるからである。
しかしながら、こうした型材10においては、石英ガラス材料16を型材10中で高温で加熱溶融するために、加熱溶融した石英ガラス材料16と型材10とが接している面において、型材10の各構成部材の構成材料であるカーボンと石英ガラス材料16とが反応して一酸化炭素ガスを発生したり、石英ガラス材料16中に含有される水分により水蒸気を発生してしまい、発生した一酸化炭素ガスおよび水蒸気は加熱溶融されて低粘度となった石英ガラス材料16中に巻き込まれ、こうしたガスを気泡として混入した状態で加熱溶融された石英ガラス材料16が冷却され成形体として成形されるので、成形体が研削などの機械加工工程において加工される際に、所望の形状に加工できなくなるという問題が生じていた。
さらに、加熱溶融時に熱膨張係数が異なる石英ガラス材料16と型材10の各構成部材の構成材料であるカーボンとが反応融着するため、加熱溶融後の石英ガラス材料16たる成形体を型材10から取り出す際にクラックが発生してしまい、成形体を切削などの機械加工工程において加工される際に、所望の形状に加工できなくなるという問題も発生していた。
こうした問題点を解決するための手法として、特許文献1または特許文献2には、石英ガラス材料が配置されたグラファイト製容器に炭化珪素の被膜を形成し、加熱溶融された石英ガラス材料とグラファイト製容器が直接接触することがないようにして、一酸化炭素ガスを発生させないようにした技術が開示されている。
また、特許文献3には、黒鉛モールドに複数の貫通孔を設け、黒鉛モールドの内周面にカーボンフェルトなどから構成される多孔質層を設けることにより、黒鉛モールド中においてシリカ粉末が蒸発溶融しやすくなり、集合気泡を除去できるようにした技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1には炭化珪素の具体的な被覆方法が開示されておらず、また、特許文献2に開示された技術によれば、炭化珪素の被膜を形成するために、有機シランからシリカゾルを形成し、形成したシリカゾルに有機シランと炭化珪素とのモル比を考慮して高純度のβ炭化珪素微粉末を加えてシリカゾル−炭化珪素として作製しなければならず、シリカゾル−炭化珪素を作製する作業が繁雑となっていた。
また、特許文献3に開示された技術は、炭化珪素粉末を加熱溶融する際に発生したSiOガスを単に外部に逃がすようにしたものであって、石英ガラス材料と炭素との反応により発生する一酸化炭素ガスや、加熱溶融する対象物が石英バルクもしくはインゴットなどのときに石英バルクやインゴット中に含有する水分により発生するガスについては検討されていなかった。
特開昭57−67031号公報 特開昭62−148331号公報 特開平11−278857号公報
本発明は、上記したような従来の技術の有する種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡単な作業により型材における加熱溶融された石英ガラス材料が接する面に被覆層(以下、「加熱溶融された石英ガラス材料が接する面に形成された被覆層」を「離型材」と適宜に称することとする。)を形成するようにした型材を用いた石英ガラス材料の成形方法を提供しようとするものである。
また、本発明の目的とするところは、加熱溶融された石英ガラス材料中に一酸化炭素ガスや水蒸気などによる気泡を混入することなしに石英ガラス材料を所定の形状に成形するようにした型材を用いた石英ガラス材料の成形方法を提供しようとするものである。
また、本発明の目的とするところは、クラックを発生することなしに石英ガラス材料を所定の形状に成形するようにした型材を用いた石英ガラス材料の成形方法を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、型材において加熱溶融された石英ガラス材料の接する面に対して離型材として、窒化珪素(Si)膜を形成するようにしたものである。
従って、本発明によれば、一酸化炭素ガスの発生を抑制し、石英ガラスのバルクから発生する水蒸気を加熱溶融後の石英ガラス材料たる成形体中に巻き込むことがなくなる。
また、本発明によれば、加熱溶融後の石英ガラス材料たる成形体がカーボン製の型材と接しないため、成形体を型材から剥離する際にクラックが発生することがなくなる。
即ち、本発明は、型材中で石英ガラス材料を加熱溶融してガラス製品の概形を成形する型材を用いた石英ガラス材料の成形方法において、加熱溶融される石英ガラス材料の接する面に窒化珪素(Si)膜を形成したカーボン製の型材を用い、上記型材中に石英ガラス材料を載置して、上記型材中で石英ガラス材料を加熱溶融してガラス製品の概形を成形するようにしたものである。
また、本発明は、上記した発明において、上記窒化珪素膜は、乾式成膜法あるいは窒化珪素スラリーを塗布した後に乾燥させるという湿式成膜法により作製したものである。
また、本発明は、上記した発明において、上記窒化珪素スラリーは、窒化珪素粉末と水とを混合してスラリー化したものである。
また、本発明は、上記した発明において、上記窒化珪素スラリーは、分散剤としてポリビニルアルコールを0.1重量%以上10重量%以下添加したものである。
また、本発明は、上記した発明において、上記窒化珪素粉末は、平均粒径が0.1μm以上5μm以下であるようにしたものである。
本発明は、以上説明したように構成されているので、簡単な作業により離型材を形成することができるという優れた効果を奏する。
また、本発明は、以上説明したように構成されているので、加熱溶融された石英ガラス材料中に一酸化炭素ガスや水蒸気などによる気泡を混入することなしに石英ガラス材料を所定の形状に成形することができるという優れた効果を奏する。
また、本発明は、以上説明したように構成されているので、クラックを発生することなしに石英ガラス材料を所定の形状に成形することができるという優れた効果を奏する。
図1(a)は、石英ガラス材料の成形方法に用いられる型材の概略構成斜視説明図であり、また、図1(b)は、図1(a)のA矢視図であり、また、図1(c)は、図1(a)のB−B線による断面図であり、また、図1(d)は、加熱溶融後の石英ガラス材料と型材のB−B線による断面図である。 図2は、本発明による型材を用いた石英ガラス材料の成形方法において離型材として窒化珪素膜を形成するようにした型材と石英ガラス材料との断面図であり、図1(d)に示す断面図に対応する。 図3(a)は、離型材として窒化珪素膜を形成した型材を用いた場合の実験結果を示す図表であり、また、図3(b)は、離型材を設けていない型材を用いた場合の実験結果を示す図表である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明による型材を用いた石英ガラス材料の成形方法の実施の形態の一例について詳細に説明するものとする。
なお、以下の説明においては、図1を参照しながら説明した従来の技術による石英ガラス材料の成形方法に用いられる型材と同一または相当する構成については、上記において用いた符号と同一の符号を用いて示すことにより、その詳細な構成ならびに作用の説明は適宜に省略することとする。
本発明による型材を用いた石英ガラス材料の成形方法は、型材において加熱溶融された石英ガラス材料の接する面に対して離型材として、窒化珪素膜からなる被覆層を形成するようにしたものである。
以下、図2および図3を参照しながら、離型材として窒化珪素膜を形成する処理について、詳細に説明することとする。
ここで、図2には、離型材として窒化珪素膜20を形成した型材10と石英ガラス材料16との断面図が示されている。
型材10において、加熱溶融された石英ガラス材料16が接する面、つまり、底板12の上面12aおよび外筒14の内周面14aには、窒化珪素膜20が形成されている。
この窒化珪素膜20は、以下に説明するような乾式法あるいは湿式法により形成することができる。
即ち、乾式法とは、例えば、イオンプレーティング法やスパッタ法により窒化珪素膜を形成する手法である。
具体的には、窒化珪素膜を被覆しようとする底板12および外筒14を、窒化珪素膜を形成しようとする面をターゲット側に置いた状態でチャンバー内へ投入し、減圧窒素あるいはアンモニア(NH)雰囲気下で珪素あるいは窒化珪素をターゲットとして用い、イオンプレーティング法やスパッタ法により目的とする窒化珪素膜を底板12の上面12aおよび外筒14の内周面14aに窒化珪素を被覆するものである。
このときのターゲット種類、成膜時の雰囲気および圧力、ターゲット出力などの成膜条件により、得られる窒化珪素膜の化学量論比は「Si:N=2.5〜3.5:3.5〜4.5」となるが、本発明の目的には影響されない。
また、成膜条件により得られる窒化珪素膜中に水素原子等も含まれることがあるが、Si原子10に対し、H原子1以下であれば、本発明の目的の範囲内において何ら問題を生じない。
また、湿式法とは、窒化珪素粉末を水と混合しスラリーとした後に、当該スラリーを刷毛やスプレーなどにより底板12の上面12aおよび外筒14の内周面14aに対して塗布し、乾燥させることにより、底板12の上面ならびに外筒14の内周面14aに窒化珪素膜を形成する手法である。
ここで、窒化珪素スラリーは、所定の粒径を有する窒化珪素粉末を所定の割合で純水と混合し、分散機もしくは粉砕器により混合して作製する。
この際、窒化珪素スラリー中の窒化珪素粉末の粒径が5μmを超える大きさのものでは成膜し難くなるため、0.1μm以上5μm以下の適度な細かさを有していることが好ましく、窒化珪素スラリー中の窒化珪素粉末の粒径が0.5μm以上2μm以下であることが特に好ましい。
つまり、窒化珪素粉末を用いた窒化珪素スラリーから離型材たる窒化珪素膜20を形成する場合に、窒化珪素粉末の粒径が大きすぎると緻密な膜を得ることができず、窒化珪素粉末の粒径が小さすぎると、窒化珪素粉末のかさ密度が低下し、取り扱いが困難になる。
従って、粒径が0.1μm以上5μm以下、さらに、粒径が0.5μm以上2μm以下の窒化珪素粉末を用いることが望ましい。
なお、離型材たる窒化珪素膜20の密度が高いほど、離型性も向上するだけでなく、加熱溶融された石英ガラス材料16と接する底板12の上面12aおよび外筒14の内周面14aとの反応性が低下することとになり、これらの耐久性が向上する。
さらに、こうした窒化珪素スラリーに使用される窒化珪素粉末としては、市販の高純度品であれば何ら問題なく、例えば、宇部興産株式会社製の高純度窒化珪素粉末を用いることができる。
なお、一般に、窒化珪素粉末には、不純物として、Fe、AlならびにCaが含まれており、これらFe、AlならびにCaは石英に拡散しやすく、離型材にこれらが含まれると、離型を阻害する要因となるだけでなく、石英ガラス材料16の不純物含有量を増大させ、作製された石英ガラス製品が製品として使用できなくなる恐れが生じる。
しかしながら、Feの含有量が200ppm以下、かつ、Alの含有量が200ppm以下、かつ、Caの含有量が100ppm以下であるならば、実用上問題のない離型材たる窒化珪素膜20を形成することができる。
なお、本実施の形態においては、Feの含有量が100ppm、かつ、Alの含有量が80ppm、かつ、Caの含有量が50ppmで不純物を含む窒化珪素粉末を用いた。
具体的には、平均粒径が0.5μmの窒化珪素粉末を窒化珪素粉末が20wt%(重量%)となるようにして超純水に混ぜ、この混合液に分散剤として0.5wt%のポリビニルアルコールを添加した後に、16時間かけてボールミルにより混合して窒化珪素スラリーを作製する。
ここで、離型材が離型性を十分に発揮するためには、離型材として均質な窒化珪素膜20を形成することが重要である。
均質な窒化珪素膜20を得るためには、窒化珪素スラリーを均一にする必要があるが、窒化珪素粉末を水の中に分散させる際に分散剤を用いることにより、窒化珪素粉末の分散の均一性を向上させることができる。
なお、上記した例においては、分散剤として0.5wt%のポリビニルアルコールを添加した場合について示したが、分散剤として添加するポリビニルアルコールは0.1wt%以上10wt%以下添加することが好ましい。
これは、分散剤として添加するポリビニルアルコールは、0.1wt%より少ないとその効果はなく、また、10wt%より多いとスラリー粘度が高くなりすぎるために取り扱いが困難になるだけでなく、緻密な窒化珪素膜を作製することが困難になるためである。
そして、作製された窒化珪素スラリーをスプレーコーティング法あるいは刷毛により、底板12の上面12aおよび外筒14の内周面14aに塗布し、100℃で2時間かけて乾燥して窒化珪素膜20を形成する。
なお、こうしたスラリーを使用したスプレーコーティング法や刷毛による被覆法は、従来より周知の技術であるためその詳細な説明は省略する。
ここで、乾燥して得られた窒化珪素膜20は、この状態でも離型材として用いることが可能であるが、石英ガラス材料16を溶融する際に高温にさらされるため、実使用前にこうした窒化珪素膜20をさらに焼結したものを離型材として用いることが好ましい。
即ち、乾燥して得られた窒化珪素膜20が形成された底板12および外筒14を電気炉などの加熱装置内に入れて、窒素ガス雰囲気下において、加熱温度1500〜2000℃、好ましくは、1750〜1900℃の範囲で焼成して、窒化珪素膜20を焼成する。
なお、窒化珪素20を焼成する際には、窒化珪素の昇華温度が1900℃であるため、1900℃以上での加熱時間は短くする方がよく、これにより窒化珪素膜20の減少や昇華した窒化珪素による炉内の汚染を防止することができる。
このようにして窒化珪素膜20を焼成することにより、分散剤として用いたポリビニルアルコールを除去するだけでなく、型材10と窒化珪素膜20との密着性が向上するとともに、型材10と加熱溶融された石英ガラス材料16たる成形体との剥離性も向上するようになる。
なお、こうした焼成された窒化珪素膜20の膜厚は、例えば、数μm程度から数百μmとすることが好ましい。
こうして、離型材として窒化珪素膜20を形成した型材10内に石英ガラス材料16を載置し、型材10を加熱装置内に配置して、型材10を当該加熱装置により、例えば、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下において、加熱温度1500〜2000℃で加熱することにより、型材10中に載置された石英ガラス材料16は加熱溶融され、加熱溶融された石英ガラス材料16は、外筒14の内径と同一の寸法の円柱形状の成形体として成形される。
なお、加熱温度については、上記した理由から1750〜1900℃とすることが望ましい。
このとき、型材10における加熱溶融された石英ガラス材料16の接する面、つまり、底板12の上面12aおよび外筒14の内周面14aには窒化珪素膜20が形成されているので、加熱溶融後の石英ガラス材料16たる成形体がカーボン製の型材と接することがなくなり、カーボンと石英ガラスとの反応により発生する一酸化炭素ガスは発生しなくなるため、加熱溶融後の石英ガラス材料16たる成形体に気泡の巻き込みを生じなくなる。
さらに、加熱溶融されて冷却された石英ガラス材料16たる成形体を型材10から剥離することが容易になり、クラックの発生が抑制される。
次に、上記した手法により窒化珪素膜を形成した型材を用いて石英ガラス材料を成形する際における気泡の巻き込みおよびクラックの有無について、本願発明者が行った実験の結果について説明する。
この実験においては、重量15.9〜20.0kgの石英ガラス材料16を離型材として窒化珪素膜20を形成した型材10内に配置し、加熱装置として電気炉を用い、その内部圧力を0.03MPa、窒素ガス雰囲気下において加熱温度1800℃で石英ガラス材料16を加熱溶融して、加熱溶融後の石英ガラス材料16たる成形体においてクラックの有無および気泡の巻き込みの有無について確認した。
ここで、離型材としての窒化珪素膜20は、平均粒径0.2μmの窒化珪素粉末が50wt%で混合された窒化珪素スラリーを、スプレーコーティング法により塗布した後、100℃で2時間かけて乾燥させて形成され、形成された窒化珪素膜を窒素ガス雰囲気下において加熱温度1700℃で焼成して形成した。
また、比較のため、重さ15.8〜23.7kgの石英ガラス材料16を離型材を設けていない型材10内に配置し、上記条件と同一の条件、即ち、加熱装置として電気炉を用い、その内部圧力を0.03MPa、窒素ガス雰囲気下において加熱温度1800℃で石英ガラス材料16を加熱溶融して、加熱溶融後の石英ガラス材料16たる成形体においてクラックの有無および気泡の巻き込みの有無について確認した。
図3(a)(b)には、本願発明者による実験の結果が示されている。ここで、図3(a)の実施例1−1〜1−6には、石英ガラス材料16を離型材として窒化珪素膜20が形成された型材10内で加熱溶融したときに成形される加熱溶融後の石英ガラス材料16たる成形体において、クラックの有無および気泡の巻き込みの有無について調べた結果が示されている。
また、図3(b)の比較例1−1〜1−10には、石英ガラス材料16を離型材を設けていない型材10内で加熱溶融したときに成形される加熱溶融後の石英ガラス材料16たる成形体において、クラックの有無および気泡の巻き込みの有無について調べた結果が示されている。
この図3(a)(b)の実験結果に示されているように、型材10に離型材を設けていない場合には、図3(b)の比較例1−1〜1−10の全てにおいて、加熱溶融後の石英ガラス材料16たる成形体にはクラックが生じた。
さらに、図3(b)の比較例1−1〜1−10の10個中、4個において加熱溶融後の石英ガラス材料16たる成形体には気泡の巻き込みが確認された。
これに対し、型材10に離型材として窒化珪素膜20を形成した場合には、図3(a)の実施例1−1〜1−6の全てにおいて、加熱溶融後の石英ガラス材料16たる成形体にクラックは確認されなかった。
また、図3(a)の実施例1−1〜1−6の全てにおいて、加熱溶融後の石英ガラス材料16たる成形体には気泡の巻き込みも確認されなかった。
以上において説明したように、型材において加熱溶融された石英ガラス材料が接する面に離型材として窒化珪素膜を形成し、当該型材を用いて石英ガラス製品の概形を成形するようにした本発明による型材を用いた石英ガラス材料の成形方法においては、加熱溶融後の石英ガラス材料たる成形体にクラックや気泡の巻き込みが発生せず、高品位な成形体を得ることができる。
従って、本発明による型材を用いた石英ガラス材料の成形方法を利用して石英ガラス製品を作製する際には、高品位な成形体が得られ、得られた高品位な成形体を機械加工することで、高い歩留で石英ガラス製品を作製することができるようになる。
さらに、本発明による型材を用いた石英ガラス材料の成形方法を利用して石英ガラス製品を作製する際には、高い歩留で石英ガラス製品を作製できるため、石英ガラス製品を低コストで製造することができる。
なお、上記した実施の形態においては、窒素ガス雰囲気下において窒化珪素膜を焼成したり石英ガラス材料16を加熱溶融するようにしていたが、これに限られるものではないことは勿論であり、アルゴンガス、ネオンガス、ヘリウムガスまたはこれらの混合ガスなどの不活性ガス雰囲気下もしくは真空中で窒化珪素膜を焼成したり石英ガラス材料16を加熱溶融するようにしてもよい。
本発明は、石英ガラス材料を成形して所望の形状のガラス製品を製作する際に利用することができるものである。
10 型材
12 底板
12a 上面
14 外筒
14a 内周面
16 石英ガラス材料
20 窒化珪素膜

Claims (5)

  1. 型材中で石英ガラス材料を加熱溶融してガラス製品の概形を成形する型材を用いた石英ガラス材料の成形方法において、
    加熱溶融される石英ガラス材料の接する面に窒化珪素(Si)膜を形成したカーボン製の型材を用い、
    前記型材中に石英ガラス材料を載置して、前記型材中で石英ガラス材料を加熱溶融してガラス製品の概形を成形する
    ことを特徴とする型材を用いた石英ガラス材料の成形方法。
  2. 請求項1に記載の型材を用いた石英ガラス材料の成形方法において、
    前記窒化珪素膜は、窒化珪素スラリーを塗布した後に乾燥させて形成する
    ことを特徴とする型材を用いた石英ガラス材料の成形方法。
  3. 請求項2に記載の型材を用いた石英ガラス材料の成形方法において、
    前記窒化珪素スラリーは、窒化珪素粉末と水とを混合してスラリー化した
    ことを特徴とする型材を用いた石英ガラス材料の成形方法。
  4. 請求項3に記載の型材を用いた石英ガラス材料の成形方法において、
    前記窒化珪素スラリーは、分散剤としてポリビニルアルコールを0.1重量%以上10重量%以下添加した
    ことを特徴とする型材を用いた石英ガラス材料の成形方法。
  5. 請求項3または4のいずれか1項に記載の型材を用いた石英ガラス材料の成形方法において、
    前記窒化珪素粉末は、平均粒径が0.1μm以上5μm以下である
    ことを特徴とする型材を用いた石英ガラス材料の成形方法。
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