JP2011054329A - 金属空気電池システム、及び、当該システムを用いたモーター駆動体 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた充放電レートと高い充電効率をいずれも達成できる金属空気電池システム、及び当該金属空気電池システムを用いたモーター駆動体を提供する。
【解決手段】金属空気電池を有する金属空気電池システムであって、(1)温度設定手段、(2)温度制御手段、(3)温度制御監視手段、(4)温度制御モード切替手段を備えることを特徴とする、金属空気電池システム。
【選択図】図6
【解決手段】金属空気電池を有する金属空気電池システムであって、(1)温度設定手段、(2)温度制御手段、(3)温度制御監視手段、(4)温度制御モード切替手段を備えることを特徴とする、金属空気電池システム。
【選択図】図6
Description
本発明は、優れた充放電レートと高い充電効率をいずれも達成できる金属空気電池システム、及び当該金属空気電池システムを用いたモーター駆動体に関する。
金属空気電池は、金属(例えば、リチウム等)を負極活物質に、酸素を正極活物質に利用した、充放電可能な電池である。正極活物質である酸素は空気から得られるため、電池内に正極活物質を封入する必要がないことから、理論上、金属空気電池は、固体の正極活物質を用いる二次電池よりも大きな容量を実現できる。
金属空気電池においては、放電の際、負極では(1)式の反応が進行する。
2Li → 2Li+ + 2e− (1)
(1)式で生じる電子は、外部回路を経由し、外部の負荷で仕事をした後、正極に到達する。そして、(1)式で生じたリチウムイオン(Li+)は、負極と正極に挟持された電解質内を、負極側から正極側に電気浸透により移動する。
2Li → 2Li+ + 2e− (1)
(1)式で生じる電子は、外部回路を経由し、外部の負荷で仕事をした後、正極に到達する。そして、(1)式で生じたリチウムイオン(Li+)は、負極と正極に挟持された電解質内を、負極側から正極側に電気浸透により移動する。
また、放電の際、正極では(2)式及び(3)式の反応が進行する。
2Li+ + O2 + 2e− → Li2O2 (2)
2Li+ + 1/2O2 + 2e− → Li2O (3)
生じた過酸化リチウム(Li2O2)及び酸化リチウム(Li2O)は、固体として空気極に蓄積される。
充電時においては、負極において上記式(1)の逆反応、正極において上記式(2)及び(3)の逆反応がそれぞれ進行し、負極においては金属リチウムが再生するため、再放電が可能となる。
2Li+ + O2 + 2e− → Li2O2 (2)
2Li+ + 1/2O2 + 2e− → Li2O (3)
生じた過酸化リチウム(Li2O2)及び酸化リチウム(Li2O)は、固体として空気極に蓄積される。
充電時においては、負極において上記式(1)の逆反応、正極において上記式(2)及び(3)の逆反応がそれぞれ進行し、負極においては金属リチウムが再生するため、再放電が可能となる。
金属空気電池において何らの温度制御対策も取らない場合には、電池の内部に収容された一部のセルが電池周囲の温度よりも高い温度で作用した結果、セル間の放電/充電の差異をもたらすおそれや、電池内の固体及び液体物質の熱による劣化が促進された結果、電池が破損するおそれがある。これらのデメリットを回避するためには、金属空気電池において、適切な温度制御機構を設けることが必要である。
温度制御機構の一種として、冷却手段を備えた金属空気電池の技術が、これまでに開発されている。特許文献1には、電池が隣り合うセル間に対の離隔薄板を備えた冷却用空気の流れを方向づける手段を有し、各離隔薄板が主表面と同様の寸法を有し、前記手段は前記対の薄板のあいだに冷却空気を流すように設けられ、且つ前記薄板の外側面が反応空気と接触してかつそれらを冷却するように配置される電気化学的亜鉛−空気多重セル型電池の技術が開示されている。
特許文献1には、電気化学的亜鉛−空気多重セル型電池における空気冷却の概要については開示されているものの、具体的な冷却温度に関する記載は全くない。したがって、具体的にどのような温度設定にすれば電池性能が向上するかは、特許文献1からは明らかではない。
本発明は、上記実状を鑑みて成し遂げられたものであり、優れた充放電レートと高い充電効率をいずれも達成できる金属空気電池システム、及び当該金属空気電池システムを用いたモーター駆動体を提供することを目的とする。
本発明は、上記実状を鑑みて成し遂げられたものであり、優れた充放電レートと高い充電効率をいずれも達成できる金属空気電池システム、及び当該金属空気電池システムを用いたモーター駆動体を提供することを目的とする。
本発明の金属空気電池システムは、少なくとも空気極と、負極と、当該空気極及び当該負極との間に介在する電解質とを有する金属空気電池を有する金属空気電池システムであって、
(1)前記金属空気電池の充電時作動目標温度、及び、当該充電時作動目標温度とは異なる温度である前記金属空気電池の放電時作動目標温度を設定する温度設定手段、
(2)前記金属空気電池を、充電時においては、前記充電時作動目標温度となるように温度制限し、且つ、放電時においては、前記放電時作動目標温度となるように温度制限する温度制御手段、
(3)前記金属空気電池について、充電時及び/又は放電時の温度制御の必要性を監視する温度制御監視手段、
(4)充電時及び/又は放電時において、前記温度制御監視手段により前記金属空気電池の温度制御が必要と判断された場合に、当該金属空気電池の温度制御を開始する温度制御運転モードを選択し、前記温度制御監視手段により前記金属空気電池の温度制御が不要と判断された場合に、当該金属空気電池の温度制御を停止する温度制御停止モードを選択し、選択した温度制御モードを実行する温度制御モード切替手段、を備えることを特徴とする。
(1)前記金属空気電池の充電時作動目標温度、及び、当該充電時作動目標温度とは異なる温度である前記金属空気電池の放電時作動目標温度を設定する温度設定手段、
(2)前記金属空気電池を、充電時においては、前記充電時作動目標温度となるように温度制限し、且つ、放電時においては、前記放電時作動目標温度となるように温度制限する温度制御手段、
(3)前記金属空気電池について、充電時及び/又は放電時の温度制御の必要性を監視する温度制御監視手段、
(4)充電時及び/又は放電時において、前記温度制御監視手段により前記金属空気電池の温度制御が必要と判断された場合に、当該金属空気電池の温度制御を開始する温度制御運転モードを選択し、前記温度制御監視手段により前記金属空気電池の温度制御が不要と判断された場合に、当該金属空気電池の温度制御を停止する温度制御停止モードを選択し、選択した温度制御モードを実行する温度制御モード切替手段、を備えることを特徴とする。
このような構成の金属空気電池システムは、前記温度設定手段によって、前記放電時作動目標温度と前記充電時作動目標温度を異なる温度に設定し、且つ、前記温度制御手段、前記温度制御監視手段及び前記温度制御モード切替手段により適切に温度制御を行うことによって、放電時の前記金属空気電池の実際の作動温度を、充電時の前記金属空気電池の実際の作動温度と異なる温度とすることができ、優れた充放電レートと充電効率を両立することができる。
本発明の金属空気電池システムは、前記温度設定手段において、前記放電時作動目標温度を前記充電時作動目標温度未満の温度に設定することが好ましい。
このような構成の金属空気電池システムは、前記温度設定手段によって、前記放電時作動目標温度を前記充電時作動目標温度よりも低い温度に設定し、且つ、前記温度制御手段、前記温度制御監視手段及び前記温度制御モード切替手段により適切に温度制御を行うことによって、放電時の前記金属空気電池の実際の作動温度を、充電時の前記金属空気電池の実際の作動温度よりも低い温度とすることができ、優れた充放電レートと充電効率を両立することができる。
本発明の金属空気電池システムは、前記温度制御手段が、充電時及び放電時のいずれか一方の時において、前記金属空気電池から発生する余剰熱を蓄積し、且つ、充電時及び放電時のいずれかもう一方の時において、前記余剰熱を用いて前記金属空気電池を暖機する蓄熱部を備えることが好ましい。
このような構成の金属空気電池システムは、前記金属空気電池から発生する余剰熱を蓄熱部にいったん蓄積し、適切なときに前記金属空気電池を暖機するのに用いることができるため、高いエネルギー効率で前記金属空気電池の暖機を行うことができる。
本発明のモーター駆動体は、上記金属空気電池システムと、当該金属空気電池システムから供給される電力により駆動するモーターとを備え、前記金属空気電池システムの前記温度制御手段が、前記金属空気電池と前記モーターの間の熱交換を行う熱交換手段であることを特徴とする。
このような構成のモーター駆動体は、前記モーターから発生した排熱を、充電時の前記金属空気電池の加熱に用いることができるため、高いエネルギー効率で前記金属空気電池の暖機を行うことができる。
本発明によれば、前記温度設定手段によって、前記放電時作動目標温度と前記充電時作動目標温度を異なる温度に設定し、且つ、前記温度制御手段、前記温度制御監視手段及び前記温度制御モード切替手段により適切に温度制御を行うことによって、放電時の前記金属空気電池の実際の作動温度を、充電時の前記金属空気電池の実際の作動温度と異なる温度とすることができ、優れた充放電レートと充電効率を両立することができる。
本発明の金属空気電池システムは、少なくとも空気極と、負極と、当該空気極及び当該負極との間に介在する電解質とを有する金属空気電池を有する金属空気電池システムであって、
(1)前記金属空気電池の充電時作動目標温度、及び、当該充電時作動目標温度とは異なる温度である前記金属空気電池の放電時作動目標温度を設定する温度設定手段、
(2)前記金属空気電池を、充電時においては、前記充電時作動目標温度となるように温度制限し、且つ、放電時においては、前記放電時作動目標温度となるように温度制限する温度制御手段、
(3)前記金属空気電池について、充電時及び/又は放電時の温度制御の必要性を監視する温度制御監視手段、
(4)充電時及び/又は放電時において、前記温度制御監視手段により前記金属空気電池の温度制御が必要と判断された場合に、当該金属空気電池の温度制御を開始する温度制御運転モードを選択し、前記温度制御監視手段により前記金属空気電池の温度制御が不要と判断された場合に、当該金属空気電池の温度制御を停止する温度制御停止モードを選択し、選択した温度制御モードを実行する温度制御モード切替手段、を備えることを特徴とする。
(1)前記金属空気電池の充電時作動目標温度、及び、当該充電時作動目標温度とは異なる温度である前記金属空気電池の放電時作動目標温度を設定する温度設定手段、
(2)前記金属空気電池を、充電時においては、前記充電時作動目標温度となるように温度制限し、且つ、放電時においては、前記放電時作動目標温度となるように温度制限する温度制御手段、
(3)前記金属空気電池について、充電時及び/又は放電時の温度制御の必要性を監視する温度制御監視手段、
(4)充電時及び/又は放電時において、前記温度制御監視手段により前記金属空気電池の温度制御が必要と判断された場合に、当該金属空気電池の温度制御を開始する温度制御運転モードを選択し、前記温度制御監視手段により前記金属空気電池の温度制御が不要と判断された場合に、当該金属空気電池の温度制御を停止する温度制御停止モードを選択し、選択した温度制御モードを実行する温度制御モード切替手段、を備えることを特徴とする。
上述したように、従来の金属空気電池システムにおいては、電池性能向上という観点からは、具体的な温度設定がなされていなかった。
しかし、後述する実施例において示すように、温度が上昇するに従って、放電反応速度及び充電反応速度はいずれも向上するが、放電の際に高温の場合は、放電後の充電効率が悪くなることが、発明者らの鋭意努力の結果初めて明らかとなった。この実施例の結果から、金属空気電池の放電時の実際の作動温度を、充電時の実際の作動温度とは異なる温度とするシステムを設計することによって、上述したように金属空気電池の作動温度によってはトレードオフの関係となってしまう充放電レートと充電効率を、いずれも損なうことなく両立することができることが分かった。
本発明に係る金属空気電池システムは、上記思想に基づいたものであり、予め放電時作動目標温度を充電時作動目標温度とは異なる温度に設定し、且つ、金属空気電池を適切に温度制御することによって、優れた充放電レートと充電効率を両立することができる。
しかし、後述する実施例において示すように、温度が上昇するに従って、放電反応速度及び充電反応速度はいずれも向上するが、放電の際に高温の場合は、放電後の充電効率が悪くなることが、発明者らの鋭意努力の結果初めて明らかとなった。この実施例の結果から、金属空気電池の放電時の実際の作動温度を、充電時の実際の作動温度とは異なる温度とするシステムを設計することによって、上述したように金属空気電池の作動温度によってはトレードオフの関係となってしまう充放電レートと充電効率を、いずれも損なうことなく両立することができることが分かった。
本発明に係る金属空気電池システムは、上記思想に基づいたものであり、予め放電時作動目標温度を充電時作動目標温度とは異なる温度に設定し、且つ、金属空気電池を適切に温度制御することによって、優れた充放電レートと充電効率を両立することができる。
本願発明の金属空気電池システムは、少なくとも、(1)温度設定手段、(2)温度制御手段、(3)温度制御監視手段、(4)温度制御モード切替手段及び(5)金属空気電池を備える。以下、順に項を分けて説明する。
(1)温度設定手段について
本発明に係る金属空気電池システムが備える温度設定手段は、金属空気電池の充電時作動目標温度、及び、充電時作動目標温度とは異なる温度である金属空気電池の放電時作動目標温度を設定する手段である。
ここで、充電時作動目標温度とは、充電時において実際の金属空気電池が作動する際の基準となる温度のことであり、放電時作動目標温度とは、放電時において実際の金属空気電池が作動する際の基準となる温度のことである。
このように各作動目標温度を設定し、且つ、後述する温度制御手段、温度制御監視手段及び温度制御モード切替手段により適切に温度制御を行うことによって、常に実際の放電時作動温度が、充電時作動温度とは異なる温度となるように、金属空気電池の温度設定を行うことができる。
本発明に係る金属空気電池システムが備える温度設定手段は、金属空気電池の充電時作動目標温度、及び、充電時作動目標温度とは異なる温度である金属空気電池の放電時作動目標温度を設定する手段である。
ここで、充電時作動目標温度とは、充電時において実際の金属空気電池が作動する際の基準となる温度のことであり、放電時作動目標温度とは、放電時において実際の金属空気電池が作動する際の基準となる温度のことである。
このように各作動目標温度を設定し、且つ、後述する温度制御手段、温度制御監視手段及び温度制御モード切替手段により適切に温度制御を行うことによって、常に実際の放電時作動温度が、充電時作動温度とは異なる温度となるように、金属空気電池の温度設定を行うことができる。
上述した温度設定手段において、放電時作動目標温度を充電時作動目標温度未満の温度に設定することが好ましい。
後述する実施例において示すように、実際の放電時作動温度を充電時作動温度よりも低い温度とすることにより、優れた充放電レートと充電効率を両立することができることが、発明者らの鋭意努力により明らかとなっている。したがって、温度設定手段によって、放電時作動目標温度を充電時作動目標温度よりも低い温度に設定し、且つ、温度制御手段、温度制御監視手段及び温度制御モード切替手段により適切に温度制御を行うことによって、放電時の金属空気電池の実際の作動温度を、充電時の金属空気電池の実際の作動温度よりも低い温度とすることができ、優れた充放電レートと充電効率を両立することができる。
後述する実施例において示すように、実際の放電時作動温度を充電時作動温度よりも低い温度とすることにより、優れた充放電レートと充電効率を両立することができることが、発明者らの鋭意努力により明らかとなっている。したがって、温度設定手段によって、放電時作動目標温度を充電時作動目標温度よりも低い温度に設定し、且つ、温度制御手段、温度制御監視手段及び温度制御モード切替手段により適切に温度制御を行うことによって、放電時の金属空気電池の実際の作動温度を、充電時の金属空気電池の実際の作動温度よりも低い温度とすることができ、優れた充放電レートと充電効率を両立することができる。
温度設定手段としては、具体的には、充電時作動目標温度データ及び放電時作動目標温度データを格納した磁気ディスク等の記録媒体や、当該温度データを後述する温度制御監視手段等に送信可能な電子計算機等の装置を例示することができる。しかしながら、充電時作動目標温度データ及び放電時作動目標温度データを金属空気電池システムの作動前後又は作動中に設定し、当該温度データを金属空気電池の温度制御に利用することが可能な手段であれば、必ずしもこれら記録媒体や装置に限定されることはなく、どのような手段でも採用することができる。
(2)温度制御手段について
本発明に係る金属空気電池システムが備える温度制御手段は、金属空気電池を、充電時においては、前記充電時作動目標温度となるように温度制限し、且つ、放電時においては、前記放電時作動目標温度となるように温度制限する手段である。
ここで「温度制限」とは、金属空気電池の温度を変更または維持することを含み、また、「温度制御」とは、具体的には、金属空気電池の暖機、冷機又は一定の温度維持のいずれかを行うことをいう。「金属空気電池の暖機/冷機」とは、金属空気電池の温度を上昇/下降させることを意味する。ここで、「金属空気電池の温度」とは、金属空気電池の内部を含む、金属空気電池が位置する周辺の温度のことであり、好ましくは、金属空気電池の内部の温度のことである。
なお、各前記作動目標温度となるように温度制限することは、当該作動目標温度ちょうどとなるまで制御し続けることを必ずしも意味するものではない。実際の金属空気電池の作動温度は、金属空気電池内部の温度分布にもよるが、各前記作動目標温度の近傍の温度幅、具体的には、±1〜3℃程度の温度幅内の温度であればよいものとする。
金属空気電池の温度を測定する方法は、温度制御監視手段の説明の項において述べる。
本発明に係る金属空気電池システムが備える温度制御手段は、金属空気電池を、充電時においては、前記充電時作動目標温度となるように温度制限し、且つ、放電時においては、前記放電時作動目標温度となるように温度制限する手段である。
ここで「温度制限」とは、金属空気電池の温度を変更または維持することを含み、また、「温度制御」とは、具体的には、金属空気電池の暖機、冷機又は一定の温度維持のいずれかを行うことをいう。「金属空気電池の暖機/冷機」とは、金属空気電池の温度を上昇/下降させることを意味する。ここで、「金属空気電池の温度」とは、金属空気電池の内部を含む、金属空気電池が位置する周辺の温度のことであり、好ましくは、金属空気電池の内部の温度のことである。
なお、各前記作動目標温度となるように温度制限することは、当該作動目標温度ちょうどとなるまで制御し続けることを必ずしも意味するものではない。実際の金属空気電池の作動温度は、金属空気電池内部の温度分布にもよるが、各前記作動目標温度の近傍の温度幅、具体的には、±1〜3℃程度の温度幅内の温度であればよいものとする。
金属空気電池の温度を測定する方法は、温度制御監視手段の説明の項において述べる。
温度制御手段は、金属空気電池システムの放電機構とは独立して金属空気電池の温度制御を担当する手段であってもよいが、省スペース化及び省電力化の観点からは、金属空気電池システムの放電機構を利用した手段であってもよい。
上述した温度制御手段が、充電時及び放電時のいずれか一方の時において、金属空気電池から発生する余剰熱を蓄積し、且つ、充電時及び放電時のいずれかもう一方の時において、余剰熱を用いて金属空気電池を暖機する蓄熱部を備えることが好ましい。このような構成をとることによって、金属空気電池から発生する余剰熱を蓄熱部にいったん蓄積し、適切なときに金属空気電池を暖機するのに用いることができるため、高いエネルギー効率で金属空気電池の暖機を行うことができる。
蓄熱部の構成は、金属空気電池の余剰熱の蓄積及び暖機を十分に行うことができれば、特に限定されない。蓄熱部の構成の具体例としては、液体又は固体の蓄熱材料を適切な容器に格納した装置や、内部に液体の蓄熱材料が循環する流路を備え、当該流路が金属空気電池近傍を取り巻くように設置された装置等を挙げることができる。
蓄熱材料は、一定量の熱を蓄えることができるものであれば特に限定されないが、100kJ/kgの融解熱量を有する物質であることが好ましく、150kJ/kgの融解熱量を有する物質であるのが特に好ましい。取り扱い容易であり、比較的高い融点及び融解熱量を有するという観点からは、蓄熱材料が水又は炭素数14以上の直鎖飽和炭化水素であることが好ましい。
下記表1に、蓄熱材料の例とその分子式、融点及び融解熱量をまとめたものを示す。
蓄熱部の構成は、金属空気電池の余剰熱の蓄積及び暖機を十分に行うことができれば、特に限定されない。蓄熱部の構成の具体例としては、液体又は固体の蓄熱材料を適切な容器に格納した装置や、内部に液体の蓄熱材料が循環する流路を備え、当該流路が金属空気電池近傍を取り巻くように設置された装置等を挙げることができる。
蓄熱材料は、一定量の熱を蓄えることができるものであれば特に限定されないが、100kJ/kgの融解熱量を有する物質であることが好ましく、150kJ/kgの融解熱量を有する物質であるのが特に好ましい。取り扱い容易であり、比較的高い融点及び融解熱量を有するという観点からは、蓄熱材料が水又は炭素数14以上の直鎖飽和炭化水素であることが好ましい。
下記表1に、蓄熱材料の例とその分子式、融点及び融解熱量をまとめたものを示す。
(3)温度制御監視手段について
本発明に係る金属空気電池システムが備える温度制御監視手段は、金属空気電池について、充電時及び/又は放電時の温度制御の必要性を監視する手段である。金属空気電池の温度制御の必要性を監視し、監視結果を後述する温度制御モード切替手段に伝達するためには、温度制御監視手段は、少なくとも、金属空気電池から物性データを取得する手段又は装置と、得られた当該物性データに基づいて、金属空気電池が温度制御を必要とするものであるか否かを判定する手段が必要である。
本発明に係る金属空気電池システムが備える温度制御監視手段は、金属空気電池について、充電時及び/又は放電時の温度制御の必要性を監視する手段である。金属空気電池の温度制御の必要性を監視し、監視結果を後述する温度制御モード切替手段に伝達するためには、温度制御監視手段は、少なくとも、金属空気電池から物性データを取得する手段又は装置と、得られた当該物性データに基づいて、金属空気電池が温度制御を必要とするものであるか否かを判定する手段が必要である。
温度制御監視手段の一形態としては、金属空気電池の温度を監視する温度測定装置と、温度制御の必要性を判断するための基準となる温度データとして、上述した温度設定手段が設定した充電時作動目標温度データ及び放電時作動目標温度データを保有するという構成をとることができる。温度制御監視手段が、このような温度データを保有することによって、金属空気電池の温度制御が必要であるか否かを、温度測定装置が監視する金属空気電池の温度から判断することができる。
金属空気電池の温度を測定する手段は、特に限定されることはなく、一般に金属空気電池周辺の温度を測定する方法を採用することができる。温度測定方法の具体例としては、純水銀を用いたガラス製温度計、バイメタルを用いた金属製温度計、白金線を用いた電気式温度計、熱電対を用いた温度センサー、サーミスタを用いた抵抗温度計、放射温度計等を用いた測定方法を挙げることができる。
金属空気電池システムの始動段階から、金属空気電池の温度制御が必要であるか否かを監視し、必要に応じて金属空気電池の温度制御を開始することができるという観点から、温度制御監視手段は、少なくとも金属空気電池システムの始動段階においていずれも作動することが好ましい。なお、例えば、金属空気電池システムの使用環境が極端に低温である場合や、当該使用環境が極端に高温である場合等、常に温度制御の必要性を確認しなければならない場合においては、金属空気電池システムの始動段階のみならず、金属空気電池システムの途中段階においても、温度制御監視手段が作動することが好ましい。
(4)温度制御モード切替手段について
本発明に係る金属空気電池システムが備える温度制御モード切替手段は、温度制御運転モード又は温度制御停止モードを選択し、選択した温度制御モードを実行する手段である。
温度制御運転モードは、充電時及び/又は放電時において、上述した温度制御監視手段により金属空気電池の温度制御が必要と判断された場合に、当該金属空気電池の温度制御を開始するモードであり、温度制御停止モードは、上述した温度制御監視手段により金属空気電池の温度制御が不要と判断された場合に、当該金属空気電池の温度制御を停止するモードである。
本発明に係る金属空気電池システムが備える温度制御モード切替手段は、温度制御運転モード又は温度制御停止モードを選択し、選択した温度制御モードを実行する手段である。
温度制御運転モードは、充電時及び/又は放電時において、上述した温度制御監視手段により金属空気電池の温度制御が必要と判断された場合に、当該金属空気電池の温度制御を開始するモードであり、温度制御停止モードは、上述した温度制御監視手段により金属空気電池の温度制御が不要と判断された場合に、当該金属空気電池の温度制御を停止するモードである。
ここでいう「温度制御が必要と判断された場合」とは、必ずしも1回のみ起こるものとは限らない。すなわち、温度制御監視手段により金属空気電池の温度制御が必要と判断され、温度制御を行った結果いったん温度制御監視手段により温度制御が不要と判断された後に、再度温度制御が必要と判断される場合も想定し得る。このような場合においても、本発明に係る金属空気電池システムが備える温度制御モード切替手段は、再度温度制御運転モードを選択することができる。これは、「温度制御が不要と判断された場合」においても同様である。すなわち、温度制御モード切替手段は、定期的に温度制御監視手段から温度制御の要・不要の情報を得て温度制御モードを切り替えるものとする。
温度制御モード切替手段の構成は、特に限定されないが、具体的には、温度制御の要・不要の情報と連動して上述した温度制御手段を切り替えるスイッチや、温度制御の要・不要の情報を温度制御手段等に送信可能な電子計算機等の装置を例示することができる。
温度制御モード切替手段の構成は、特に限定されないが、具体的には、温度制御の要・不要の情報と連動して上述した温度制御手段を切り替えるスイッチや、温度制御の要・不要の情報を温度制御手段等に送信可能な電子計算機等の装置を例示することができる。
(5)金属空気電池について
本発明に係る金属空気電池システムが備える金属空気電池は、少なくとも空気極と、負極と、当該空気極及び当該負極との間に介在する電解質とを有する。
本発明に用いられる金属空気電池の一形態としては、多孔質構造を有する空気極集電体、及び、当該空気極集電体上に形成され、触媒及び導電性材料を含有する空気極層を有する空気極と、負極集電体、及び、少なくとも負極活物質を含有する負極活物質層を有する負極と、空気極及び負極に挟持された電解質層とを有するという構成をとることができるが、必ずしもこの形態のみに限定されるものではない。
本発明に係る金属空気電池システムが備える金属空気電池は、少なくとも空気極と、負極と、当該空気極及び当該負極との間に介在する電解質とを有する。
本発明に用いられる金属空気電池の一形態としては、多孔質構造を有する空気極集電体、及び、当該空気極集電体上に形成され、触媒及び導電性材料を含有する空気極層を有する空気極と、負極集電体、及び、少なくとも負極活物質を含有する負極活物質層を有する負極と、空気極及び負極に挟持された電解質層とを有するという構成をとることができるが、必ずしもこの形態のみに限定されるものではない。
図1は、本発明に用いられる金属空気電池の層構成の一例を示す図であって、積層方向に切断した断面を模式的に示した図である。なお、本発明に用いられる金属空気電池は、必ずしもこの例のみに限定されるものではない。
金属空気電池100は、空気極層12及び空気極集電体14を含有する空気極16と、負極活物質層13及び負極集電体15を含有する負極17と、前記空気極16及び前記負極17に挟持される電解質層11を有する。
以下、本発明に用いられる金属空気電池の構成要素である、電解質層、空気極及び負極について、順に説明する。
金属空気電池100は、空気極層12及び空気極集電体14を含有する空気極16と、負極活物質層13及び負極集電体15を含有する負極17と、前記空気極16及び前記負極17に挟持される電解質層11を有する。
以下、本発明に用いられる金属空気電池の構成要素である、電解質層、空気極及び負極について、順に説明する。
(電解質層)
本発明に用いられる金属空気電池中の電解質層は、空気極層および負極層の間に形成され、金属イオンの伝導を担う層である。電解質層を構成する電解質としては、例えば、液状電解質(電解液)、ゲル状電解質および固体電解質等を挙げることができ、中でも、液状電解質およびゲル状電解質が好ましく、特に、高いイオン伝導性を有することから液状電解質が好ましい。また、本発明に用いられる電解質が、液状電解質またはゲル状電解質である場合、用いられる溶媒は、非水溶媒であっても良く、水であっても良いが、中でも非水溶媒であることが好ましい。
本発明に用いられる金属空気電池中の電解質層は、空気極層および負極層の間に形成され、金属イオンの伝導を担う層である。電解質層を構成する電解質としては、例えば、液状電解質(電解液)、ゲル状電解質および固体電解質等を挙げることができ、中でも、液状電解質およびゲル状電解質が好ましく、特に、高いイオン伝導性を有することから液状電解質が好ましい。また、本発明に用いられる電解質が、液状電解質またはゲル状電解質である場合、用いられる溶媒は、非水溶媒であっても良く、水であっても良いが、中でも非水溶媒であることが好ましい。
非水電解液の種類は、伝導する金属イオンの種類に応じて、適宜選択することが好ましい。例えば、リチウム空気二次電池の非水電解液は、通常、リチウム塩および非水溶媒を含有する。上記リチウム塩としては、例えばLiPF6、LiBF4、LiClO4およびLiAsF6等の無機リチウム塩;およびLiCF3SO3、LiN(SO2CF3)2(Li−TFSI)、LiN(SO2C2F5)2、LiC(SO2CF3)3等の有機リチウム塩等を挙げることができる。上記非水溶媒としては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシメタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランおよびこれらの混合物等を挙げることができる。また、溶存した酸素を効率良く反応に用いることができるという観点から、上記非水溶媒は、酸素溶解性が高い溶媒であることが好ましい。非水電解液におけるリチウム塩の濃度は、例えば0.5mol/L〜3mol/Lの範囲内である。なお、本発明においては、非水電解液として、例えばイオン性液体等の低揮発性液体を用いても良い。
また、本発明に用いられる非水ゲル電解質は、通常、非水電解液にポリマーを添加してゲル化したものである。例えば、リチウム空気二次電池の非水ゲル電解質は、上述した非水電解液に、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリルニトリル(PAN)またはポリメチルメタクリレート(PMMA)等のポリマーを添加し、ゲル化することにより、得ることができる。本発明においては、LiTFSI(LiN(CF3SO2)2)−PEO系の非水ゲル電解質が好ましい。
(空気極)
本発明に用いられる金属空気電池中の空気極は、好ましくは空気極層を有するものであり、通常、これに加えて、空気極集電体、及び当該空気極集電体に接続された空気極リードを有するものである。
本発明に用いられる金属空気電池中の空気極は、好ましくは空気極層を有するものであり、通常、これに加えて、空気極集電体、及び当該空気極集電体に接続された空気極リードを有するものである。
(空気極層)
本発明に用いられる金属空気電池中の空気極層は、少なくとも導電性材料を含有するものである。さらに、必要に応じて、触媒および結着材の少なくとも一方を含有していても良い。
本発明に用いられる金属空気電池中の空気極層は、少なくとも導電性材料を含有するものである。さらに、必要に応じて、触媒および結着材の少なくとも一方を含有していても良い。
本発明に用いられる金属空気電池中の空気極層に用いられる導電性材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば炭素材料等を挙げることができる。さらに、炭素材料は、多孔質構造を有するものであっても良く、多孔質構造を有しないものであっても良いが、本発明においては、多孔質構造を有するものであることが好ましい。比表面積が大きく、多くの反応場を提供することができるからである。多孔質構造を有する炭素材料としては、具体的にはメソポーラスカーボン等を挙げることができる。一方、多孔質構造を有しない炭素材料としては、具体的にはグラファイト、アセチレンブラック、カーボンナノチューブおよびカーボンファイバー等を挙げることができる。空気極層における導電性材料の含有量としては、例えば65質量%〜99質量%の範囲内、中でも75質量%〜95質量%の範囲内であることが好ましい。導電性材料の含有量が少なすぎると、反応場が減少し、電池容量の低下が生じる可能性があり、導電性材料の含有量が多すぎると、相対的に触媒の含有量が減り、充分な触媒機能を発揮できない可能性があるからである。
本発明に用いられる金属空気電池中の空気極層に用いられる触媒としては、例えばコバルトフタロシアニンおよび二酸化マンガン等を挙げることができる。空気極層における触媒の含有量としては、例えば1質量%〜30質量%の範囲内、中でも5質量%〜20質量%の範囲内であることが好ましい。触媒の含有量が少なすぎると、充分な触媒機能を発揮できない可能性があり、触媒の含有量が多すぎると、相対的に導電性材料の含有量が減り、反応場が減少し、電池容量の低下が生じる可能性があるからである。
電極反応がよりスムーズに行われるという観点から、上述した導電性材料は触媒を担持していることが好ましい。
電極反応がよりスムーズに行われるという観点から、上述した導電性材料は触媒を担持していることが好ましい。
上記空気極層は、少なくとも導電性材料を含有してれば良いが、さらに、導電性材料を固定化する結着材を含有することが好ましい。結着材としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を挙げることができる。空気極層における結着材の含有量としては、特に限定されるものではないが、例えば30質量%以下、中でも1質量%〜10質量%の範囲内であることが好ましい。
上記空気極層の厚さは、空気電池の用途等により異なるものであるが、例えば2μm〜
500μmの範囲内、中でも5μm〜300μmの範囲内であることが好ましい。
500μmの範囲内、中でも5μm〜300μmの範囲内であることが好ましい。
(空気極集電体)
本発明に用いられる金属空気電池中の空気極集電体は、空気極層の集電を行うものである。空気極集電体の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばステンレス、ニッケル、アルミニウム、鉄、チタン、カーボン等を挙げることができる。空気極集電体の形状としては、例えば箔状、板状およびメッシュ(グリッド)状等を挙げることができる。中でも、本発明においては、空気極集電体の形状がメッシュ状であることが好ましい。集電効率に優れているからである。この場合、通常、空気極層の内部にメッシュ状の空気極集電体が配置される。さらに、本発明の金属空気電池は、メッシュ状の空気極集電体により集電された電荷を集電する別の空気極集電体(例えば箔状の集電体)を有していても良い。また、本発明においては、後述する電池ケースが空気極集電体の機能を兼ね備えていても良い。
空気極集電体の厚さは、例えば10μm〜1000μmの範囲内、中でも20μm〜400μmの範囲内であることが好ましい。
本発明に用いられる金属空気電池中の空気極集電体は、空気極層の集電を行うものである。空気極集電体の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばステンレス、ニッケル、アルミニウム、鉄、チタン、カーボン等を挙げることができる。空気極集電体の形状としては、例えば箔状、板状およびメッシュ(グリッド)状等を挙げることができる。中でも、本発明においては、空気極集電体の形状がメッシュ状であることが好ましい。集電効率に優れているからである。この場合、通常、空気極層の内部にメッシュ状の空気極集電体が配置される。さらに、本発明の金属空気電池は、メッシュ状の空気極集電体により集電された電荷を集電する別の空気極集電体(例えば箔状の集電体)を有していても良い。また、本発明においては、後述する電池ケースが空気極集電体の機能を兼ね備えていても良い。
空気極集電体の厚さは、例えば10μm〜1000μmの範囲内、中でも20μm〜400μmの範囲内であることが好ましい。
(負極)
本発明に用いられる金属空気電池中の負極は、好ましくは負極活物質を含有する負極層を有するものであり、通常、これに加えて負極集電体、及び当該負極集電体に接続された負極リードを有するものである。
本発明に用いられる金属空気電池中の負極は、好ましくは負極活物質を含有する負極層を有するものであり、通常、これに加えて負極集電体、及び当該負極集電体に接続された負極リードを有するものである。
(負極層)
本発明に用いられる金属空気電池中の負極層は、少なくとも、アルカリ金属元素を有する負極活物質を含有する。上記アルカリ金属元素としては、例えばLi、NaおよびK等を挙げることができ、エネルギー密度の高い電池を得ることができるという観点からLiが好ましい。
本発明に用いられる金属空気電池中の負極層は、少なくとも、アルカリ金属元素を有する負極活物質を含有する。上記アルカリ金属元素としては、例えばLi、NaおよびK等を挙げることができ、エネルギー密度の高い電池を得ることができるという観点からLiが好ましい。
本発明に用いられる金属空気電池中の負極活物質は、アルカリ金属イオンを吸蔵・放出することができることが好ましい。このような負極活物質としては、アルカリ金属元素を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば金属単体、合金、金属酸化物、金属窒化物等を挙げることができる。さらに、リチウム元素を有する合金としては、例えばリチウムアルミニウム合金、リチウムスズ合金、リチウム鉛合金、リチウムケイ素合金等を挙げることができる。また、リチウム元素を有する金属酸化物としては、例えばリチウムチタン酸化物等を挙げることができる。また、リチウム元素を含有する金属窒化物としては、例えばリチウムコバルト窒化物、リチウム鉄窒化物、リチウムマンガン窒化物等を挙げることができる。
また、本発明に用いられる金属空気電池中の負極層は、負極活物質のみを含有するものであっても良く、負極活物質の他に、導電性材料および結着材の少なくとも一方を含有するものであっても良い。例えば、負極活物質が箔状である場合は、負極活物質のみを含有する負極層とすることができる。一方、負極活物質が粉末状である場合は、負極活物質および結着材を有する負極層とすることができる。なお、導電性材料および結着材については、上述した「空気極」の項に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
(負極集電体)
本発明に用いられる金属空気電池中の負極集電体の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば銅、ステンレス、ニッケル、カーボン等を挙げることができる。上記負極集電体の形状としては、例えば箔状、板状およびメッシュ(グリッド)状等を挙げることができる。本発明においては、後述する電池ケースが負極集電体の機能を兼ね備えていても良い。
本発明に用いられる金属空気電池中の負極集電体の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば銅、ステンレス、ニッケル、カーボン等を挙げることができる。上記負極集電体の形状としては、例えば箔状、板状およびメッシュ(グリッド)状等を挙げることができる。本発明においては、後述する電池ケースが負極集電体の機能を兼ね備えていても良い。
本発明に用いられる金属空気電池が、図1に示したような積層体を何層も重ねる構造を取る場合には、安全性の観点から、異なる積層体に属する空気極層および負極層の間に、セパレータを有することが好ましい。上記セパレータとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔膜;および樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布等を挙げることができる。
また、本発明に用いられる金属空気電池は、通常、空気極層、負極層および電解質層を収納する電池ケースを有する。電池ケースの形状としては、具体的にはコイン型、平板型、円筒型、ラミネート型等を挙げることができる。また、電池ケースは、大気開放型の電池ケースであっても良く、密閉型の電池ケースであっても良い。大気開放型の電池ケースは、少なくとも空気極層が十分に大気と接触可能な構造を有する電池ケースである。一方、電池ケースが密閉型電池ケースである場合は、密閉型電池ケースに、気体(空気)の導入管および排気管を設けることが好ましい。この場合、導入・排気する気体は、酸素濃度が高いことが好ましく、純酸素であることがより好ましい。また、放電時には酸素濃度を高くし、充電時には酸素濃度を低くすることが好ましい。
図2は、本発明に係る金属空気電池システムが、外部負荷に接続された状態の典型例を示した概略模式図である。なお、この典型例はあくまでも一例であり、本発明に係る金属空気電池システムは、この典型例のみに限定されることはない。
図3は、本発明に係る金属空気電池システムの制御の典型例を示したフローチャートである。
図3は、本発明に係る金属空気電池システムの制御の典型例を示したフローチャートである。
図2に示すように、本発明に係る金属空気電池システムの典型例は、金属空気電池、蓄熱材料を有する温度制御手段、金属空気電池の温度を測定する温度センサーを備えた温度制御監視手段、温度制御モード切替手段を有している。温度制御監視手段は、予め温度設定手段(図示せず)によって設定された充電時作動目標温度データ及び放電時作動目標温度データを保有している。温度制御手段、温度制御モード切替手段及び温度制御監視手段は、いずれも電気的に接続され、温度制御監視手段によって金属空気電池の温度制御の要・不要が判断されると、その判断に沿って温度制御モード切替手段により自動的に温度制御モードが切り替わるように設定されている。
図2の模式図及び図3のフローチャートに基づいて、本発明に係る金属空気電池システムの典型例の、放電時の制御について説明する。
まず、図3中に示したステップS11において、システムを始動させると同時に、温度制御運転モードとする。次にステップS12において、温度制御手段及び温度制御監視手段を実行する。
続いて、ステップS13において、温度制御監視手段により温度制御の要・不要を判定する。温度制御監視手段は上述したような放電時作動目標温度データを有しており、当該データに基づいて温度制御の要・不要を判断する。温度制御が不要であればステップS14へと移る。また、温度制御が必要であればステップS12へと戻り、引き続き温度制御運転モードを実行する。なお、ステップS13を実行する時間間隔、すなわち、温度制御監視手段によって温度制御が必要であると判定されてから再度温度制御監視手段による判定を実行する時間間隔としては、短くて数秒、長くても数分の時間間隔とする。
ステップS14においては、温度制御モード切替手段を実行し、温度制御停止モードへ切り替えることによって、金属空気電池の温度制御が終了する。
まず、図3中に示したステップS11において、システムを始動させると同時に、温度制御運転モードとする。次にステップS12において、温度制御手段及び温度制御監視手段を実行する。
続いて、ステップS13において、温度制御監視手段により温度制御の要・不要を判定する。温度制御監視手段は上述したような放電時作動目標温度データを有しており、当該データに基づいて温度制御の要・不要を判断する。温度制御が不要であればステップS14へと移る。また、温度制御が必要であればステップS12へと戻り、引き続き温度制御運転モードを実行する。なお、ステップS13を実行する時間間隔、すなわち、温度制御監視手段によって温度制御が必要であると判定されてから再度温度制御監視手段による判定を実行する時間間隔としては、短くて数秒、長くても数分の時間間隔とする。
ステップS14においては、温度制御モード切替手段を実行し、温度制御停止モードへ切り替えることによって、金属空気電池の温度制御が終了する。
以下、上述した金属空気電池システムを用いたモーター駆動体について説明する。
本発明のモーター駆動体は、上述した金属空気電池システムと、当該金属空気電池システムから供給される電力により駆動するモーターとを備え、金属空気電池システムの温度制御手段が、金属空気電池とモーターの間の熱交換を行う熱交換手段であることを特徴とする。
このような構成のモーター駆動体は、モーターから発生した排熱を、充電時の金属空気電池の加熱に用いることができるため、高いエネルギー効率で金属空気電池の暖機を行うことができる。
本発明のモーター駆動体は、上述した金属空気電池システムと、当該金属空気電池システムから供給される電力により駆動するモーターとを備え、金属空気電池システムの温度制御手段が、金属空気電池とモーターの間の熱交換を行う熱交換手段であることを特徴とする。
このような構成のモーター駆動体は、モーターから発生した排熱を、充電時の金属空気電池の加熱に用いることができるため、高いエネルギー効率で金属空気電池の暖機を行うことができる。
熱交換手段は、必ずしも熱交換のための装置等に限定されることはなく、例えば、金属空気電池及びモーターの各形状や、各装置の配置などによるものでもよい。例えば、熱交換手段の設定方法として、金属空気電池及びモーターを、互いに熱交換できる位置に配置する方法、より具体的には金属空気電池をモーター近傍に配置する方法等を挙げることができる。
また、熱交換手段の例としては、金属空気電池とモーターの間を循環する熱交換媒体を流す流路を有する装置を挙げることもできる。
また、熱交換手段の例としては、金属空気電池とモーターの間を循環する熱交換媒体を流す流路を有する装置を挙げることもできる。
上述した熱交換手段は、金属空気電池近傍とモーター近傍を行き来する蓄熱部であることが好ましい。蓄熱部としては、本発明に係る金属空気電池システムの説明内の、上記「(2)温度制御手段について」の項で説明したような蓄熱部を採用することができる。
本発明のモーター駆動体は、より長時間の使用に耐えることができるという観点から、金属空気電池の充電手段をさらに備え、当該充電手段の充電源がモーターであることが好ましい。このような構成のモーター駆動体は、モーターによってモーター駆動と充電を同時に行うことが可能であることから、特別な充電設備を必要とせず、モーター駆動体全体の省体積化が実現できる。
本発明に係るモーター駆動体の典型例の概略模式図を図4に示す。図4(a)は金属空気電池の放電時のモーター駆動体内の装置の配置を示した模式図であり、図4(b)は金属空気電池の充電時の当該モーター駆動体内の装置の配置を示した模式図である。なお、この典型例はあくまでも一例であり、本発明に係るモーター駆動体は、この典型例のみに限定されることはない。
図5は、本発明に係るモーター駆動体の制御の典型例を示したフローチャートである。
図5は、本発明に係るモーター駆動体の制御の典型例を示したフローチャートである。
図4に示すように、本発明に係るモーター駆動体の典型例は、金属空気電池、温度制御手段としての蓄熱部、金属空気電池の温度を測定する温度センサーを備えた温度制御監視手段、温度制御モード切替手段及びモーターを有している。図4に示したモーター駆動体は、金属空気電池の充電時において金属空気電池の暖機を行うものであり、温度制御監視手段は、予め温度設定手段(図示せず)によって設定された、充電時作動目標温度データ、及び、当該充電時作動目標温度未満の温度に設定した放電時作動目標温度データを保有している。また、金属空気電池はモーターと電気的に接続されている。さらに、蓄熱部、温度制御モード切替手段及び温度制御監視手段は、いずれも電気的に接続され、温度制御監視手段によって金属空気電池の温度制御の要・不要が判断されると、その判断に沿って温度制御モード切替手段によって自動的に温度制御モードが切り替わるように設定されている。また蓄熱部は、モーター駆動体内を移動できるように可動式となっている。
図4(a)に示すように、金属空気電池の放電時においては、蓄熱部はモーターに近く、且つ、金属空気電池からは遠い位置に配置されている。この配置においては、蓄熱部はモーター駆動により発生するジュール熱を吸熱し、蓄熱部内に蓄積している。また、この配置は温度制御停止モード下における配置であり、金属空気電池の温度制御は特に行っていない。
一方、図4(b)に示すように、金属空気電池の充電時においては、蓄熱部は金属空気電池に近く、且つ、モーターからは遠い位置に配置されている。この配置は温度制御運転モード下における配置であり、この配置においては、蓄熱部が放電時にモーターから得たジュール熱を金属空気電池に与えることにより、金属空気電池の暖機を行うことが可能である。
充電後に再び放電を行う場合には、図4(b)に示した温度制御運転モード下における配置から、図4(a)に示したような温度制御停止モード下における配置に切り替えることにより、蓄熱部が金属空気電池近傍から除去され、再びモーター近傍の位置に配置される。
本典型例においては、金属空気電池の放電時におけるモーターの排熱を、金属空気電池の充電時において、蓄熱部を介して金属空気電池に伝える仕組みとなっているため、少なくとも放電時のモーターの温度が、充電時の金属空気電池の温度よりも高い構成となっていることが好ましい。
一方、図4(b)に示すように、金属空気電池の充電時においては、蓄熱部は金属空気電池に近く、且つ、モーターからは遠い位置に配置されている。この配置は温度制御運転モード下における配置であり、この配置においては、蓄熱部が放電時にモーターから得たジュール熱を金属空気電池に与えることにより、金属空気電池の暖機を行うことが可能である。
充電後に再び放電を行う場合には、図4(b)に示した温度制御運転モード下における配置から、図4(a)に示したような温度制御停止モード下における配置に切り替えることにより、蓄熱部が金属空気電池近傍から除去され、再びモーター近傍の位置に配置される。
本典型例においては、金属空気電池の放電時におけるモーターの排熱を、金属空気電池の充電時において、蓄熱部を介して金属空気電池に伝える仕組みとなっているため、少なくとも放電時のモーターの温度が、充電時の金属空気電池の温度よりも高い構成となっていることが好ましい。
図4の模式図及び図5のフローチャートに基づいて、本発明に係るモーター駆動体の典型例において、金属空気電池を放電から充電へ切り替える際の制御について説明する。
モーター駆動体を始動させる際の初期状態を仮に温度制御停止モード(図4(a))とする。まず、図5中に示したステップS21において、モーター駆動体を始動させると同時に、金属空気電池により放電を行う。次にステップS22において、金属空気電池を放電から充電へと切り替え、さらにステップS23において、温度制御監視手段を実行する。
続いて、ステップS24において、温度制御監視手段により温度制御の要・不要を判定する。温度制御監視手段は上述したような充電時作動目標温度データを有しており、当該データに基づいて温度制御の要・不要を判断する。温度制御が必要であればステップS25へと移る。また、温度制御が不要であればステップS23へと戻り、引き続き温度制御運転モードを実行する。なお、ステップS24を実行する時間間隔、すなわち、温度制御監視手段によって温度制御が不要であると判定されてから再度温度制御監視手段による判定を実行する時間間隔としては、短くて数秒、長くても数分の時間間隔とする。
ステップS25においては、温度制御モード切替手段を実行し、温度制御運転モード(図4(b))へ切り替えることによって、金属空気電池の温度制御が開始される。
モーター駆動体を始動させる際の初期状態を仮に温度制御停止モード(図4(a))とする。まず、図5中に示したステップS21において、モーター駆動体を始動させると同時に、金属空気電池により放電を行う。次にステップS22において、金属空気電池を放電から充電へと切り替え、さらにステップS23において、温度制御監視手段を実行する。
続いて、ステップS24において、温度制御監視手段により温度制御の要・不要を判定する。温度制御監視手段は上述したような充電時作動目標温度データを有しており、当該データに基づいて温度制御の要・不要を判断する。温度制御が必要であればステップS25へと移る。また、温度制御が不要であればステップS23へと戻り、引き続き温度制御運転モードを実行する。なお、ステップS24を実行する時間間隔、すなわち、温度制御監視手段によって温度制御が不要であると判定されてから再度温度制御監視手段による判定を実行する時間間隔としては、短くて数秒、長くても数分の時間間隔とする。
ステップS25においては、温度制御モード切替手段を実行し、温度制御運転モード(図4(b))へ切り替えることによって、金属空気電池の温度制御が開始される。
異なる作動温度下における、充放電レート及び充電効率の推移を調べるために、図9に模式的に図示したような装置を用いて、サイクリックボルタンメトリー(CV)を行った。
図9に示したように、CV測定装置は、大別して電解液及び電極が格納されたセル20と、電圧・電流制御を行うポテンショスタットとに分かれる。セル20内には、試料極21、対極22、参照極23が電解液24に十分に浸かるように配置されており、これら3つの電極は、ポテンショスタットと電気的に接続されている。また、酸素導入管25が電解液24に浸かるように配置されており、セル外部に設置された酸素供給源(図示せず)から一定時間酸素が電解液24にバブリングされ、電解液が酸素で飽和されている状態とする。円26は酸素の気泡を示す。
電解液24として、N−メチル−N−プロピルピペリジニウム−ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)アミン(以下、PP13−TFSAと称す)を用い、電解液中にリチウム塩としてLiN(SO2CF3)2(Li−TFSA)を、リチウム塩濃度が0.32mol/kgとなるように調整して加えた。
装置の構成の詳細は以下に示すとおりである。
図9に示したように、CV測定装置は、大別して電解液及び電極が格納されたセル20と、電圧・電流制御を行うポテンショスタットとに分かれる。セル20内には、試料極21、対極22、参照極23が電解液24に十分に浸かるように配置されており、これら3つの電極は、ポテンショスタットと電気的に接続されている。また、酸素導入管25が電解液24に浸かるように配置されており、セル外部に設置された酸素供給源(図示せず)から一定時間酸素が電解液24にバブリングされ、電解液が酸素で飽和されている状態とする。円26は酸素の気泡を示す。
電解液24として、N−メチル−N−プロピルピペリジニウム−ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)アミン(以下、PP13−TFSAと称す)を用い、電解液中にリチウム塩としてLiN(SO2CF3)2(Li−TFSA)を、リチウム塩濃度が0.32mol/kgとなるように調整して加えた。
装置の構成の詳細は以下に示すとおりである。
(装置の構成)
試料極 φ3mmグラッシーカーボンロッド電極
対極 Niリボン
参照極 Ag/Ag+
掃引速度 100mV/s
酸素バブリング時間 30分
試料極 φ3mmグラッシーカーボンロッド電極
対極 Niリボン
参照極 Ag/Ag+
掃引速度 100mV/s
酸素バブリング時間 30分
図6は、Li塩濃度0.32mol/kgにおける電気化学評価結果を示す。図6は、測定温度25℃の時のサイクリックボルタモグラム(CV)であり、リチウムの標準電極電位(Li++e−=Li)を0Vに補正した結果を示している。
図6の1番の矢印は、リチウム酸化物(Li−TFSA)が還元される際の、2.5Vにおける還元電流値を示している。また、2番の矢印は、上記還元体の3.0Vにおける酸化電流値、すなわち、上記還元体が壊れてリチウム酸化物(Li−TFSA)に戻る際の電流値を示している。さらに、4番の領域、すなわち、1.5Vから2.5VまでのCV曲線が囲む領域は還元電気量を、3番の領域、すなわち、3Vから4VまでのCV曲線に挟まれた領域は酸化電気量を、それぞれ示している。
これらの実験値を基に、2.5Vにおける還元電流値を放電反応速度(すなわち、放電レート)と、3.0Vにおける酸化電流値を充電反応速度(すなわち、充電レート)として、まとめたグラフが図7である。また、CV可逆率=[{酸化電気量(3番の領域)/還元電気量(4番の領域)}×100]を算出し、当該CV可逆率を充電効率としてまとめたグラフが図8である。
図6の1番の矢印は、リチウム酸化物(Li−TFSA)が還元される際の、2.5Vにおける還元電流値を示している。また、2番の矢印は、上記還元体の3.0Vにおける酸化電流値、すなわち、上記還元体が壊れてリチウム酸化物(Li−TFSA)に戻る際の電流値を示している。さらに、4番の領域、すなわち、1.5Vから2.5VまでのCV曲線が囲む領域は還元電気量を、3番の領域、すなわち、3Vから4VまでのCV曲線に挟まれた領域は酸化電気量を、それぞれ示している。
これらの実験値を基に、2.5Vにおける還元電流値を放電反応速度(すなわち、放電レート)と、3.0Vにおける酸化電流値を充電反応速度(すなわち、充電レート)として、まとめたグラフが図7である。また、CV可逆率=[{酸化電気量(3番の領域)/還元電気量(4番の領域)}×100]を算出し、当該CV可逆率を充電効率としてまとめたグラフが図8である。
図7は、測定温度25℃、40℃又は60℃における放電反応速度及び充電反応速度の値をまとめたグラフである。
放電反応速度を示す白四角のプロットから分かるように、測定温度が25℃、すなわち室温近傍の温度の時は0.2Aであった還元電流値が、測定温度が60℃の時は0.9Aとなった。一方、充電反応速度を示す黒三角のプロットから分かるように、測定温度が25℃、すなわち室温近傍の温度の時は0.1Aであった酸化電流値が、測定温度が60℃の時は2.5Aとなった。すなわち、温度が上昇するに従って、放電レート及び充電レートはいずれも向上することが分かる。
放電反応速度を示す白四角のプロットから分かるように、測定温度が25℃、すなわち室温近傍の温度の時は0.2Aであった還元電流値が、測定温度が60℃の時は0.9Aとなった。一方、充電反応速度を示す黒三角のプロットから分かるように、測定温度が25℃、すなわち室温近傍の温度の時は0.1Aであった酸化電流値が、測定温度が60℃の時は2.5Aとなった。すなわち、温度が上昇するに従って、放電レート及び充電レートはいずれも向上することが分かる。
図8は、測定温度25℃、40℃又は60℃における充電効率の値をまとめたグラフである。グラフから分かるように、測定温度が25℃、すなわち室温近傍の温度の時は50%以上であった充電効率が、測定温度が60℃の時は40%を下回っている。このことは、放電の際に高温の場合は、放電後の充電効率は悪くなることを示している。
以上の結果から、作動温度の上昇に伴って放電反応速度及び充電反応速度は向上するが、充電効率は低下してしまい、ただ単に作動温度を上げたとしても電池が高性能化するとは限らないことが分かる。したがって、放電の際の温度、すなわち放電時作動温度を、少なくとも充電時作動温度未満の温度とすることによって、放電反応速度、充電反応速度及び充電効率の観点から金属空気電池が高性能化できることが分かった。
11 電解質層
12 空気極層
13 負極活物質層
14 空気極集電体
15 負極集電体
16 空気極
17 負極
20 CVセル
21 試料極
22 対極
23 参照極
24 電解液
25 酸素導入管
26 酸素の気泡
100 金属空気電池
12 空気極層
13 負極活物質層
14 空気極集電体
15 負極集電体
16 空気極
17 負極
20 CVセル
21 試料極
22 対極
23 参照極
24 電解液
25 酸素導入管
26 酸素の気泡
100 金属空気電池
Claims (4)
- 少なくとも空気極と、負極と、当該空気極及び当該負極との間に介在する電解質とを有する金属空気電池を有する金属空気電池システムであって、
(1)前記金属空気電池の充電時作動目標温度、及び、当該充電時作動目標温度とは異なる温度である前記金属空気電池の放電時作動目標温度を設定する温度設定手段、
(2)前記金属空気電池を、充電時においては、前記充電時作動目標温度となるように温度制限し、且つ、放電時においては、前記放電時作動目標温度となるように温度制限する温度制御手段、
(3)前記金属空気電池について、充電時及び/又は放電時の温度制御の必要性を監視する温度制御監視手段、
(4)充電時及び/又は放電時において、前記温度制御監視手段により前記金属空気電池の温度制御が必要と判断された場合に、当該金属空気電池の温度制御を開始する温度制御運転モードを選択し、前記温度制御監視手段により前記金属空気電池の温度制御が不要と判断された場合に、当該金属空気電池の温度制御を停止する温度制御停止モードを選択し、選択した温度制御モードを実行する温度制御モード切替手段、を備えることを特徴とする、金属空気電池システム。 - 前記温度設定手段において、前記放電時作動目標温度を前記充電時作動目標温度未満の温度に設定する、請求項1に記載の金属空気電池システム。
- 前記温度制御手段が、充電時及び放電時のいずれか一方の時において、前記金属空気電池から発生する余剰熱を蓄積し、且つ、充電時及び放電時のいずれかもう一方の時において、前記余剰熱を用いて前記金属空気電池を暖機する蓄熱部を備える、請求項1又は2に記載の金属空気電池システム。
- 前記請求項1乃至3のいずれか一項に記載の金属空気電池システムと、当該金属空気電池システムから供給される電力により駆動するモーターとを備え、前記金属空気電池システムの前記温度制御手段が、前記金属空気電池と前記モーターの間の熱交換を行う熱交換手段であることを特徴とする、モーター駆動体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2009200388A JP2011054329A (ja) | 2009-08-31 | 2009-08-31 | 金属空気電池システム、及び、当該システムを用いたモーター駆動体 |
Applications Claiming Priority (1)
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| US11522240B2 (en) | 2020-05-08 | 2022-12-06 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Metal-air battery apparatus and method of controlling temperature thereof |
-
2009
- 2009-08-31 JP JP2009200388A patent/JP2011054329A/ja active Pending
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| US10164274B2 (en) | 2013-07-17 | 2018-12-25 | Elwha Llc | Active cathode temperature control for metal-air batteries |
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