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JP2011048959A - 色素増感型太陽電池用電極シート及びその製造方法 - Google Patents

色素増感型太陽電池用電極シート及びその製造方法 Download PDF

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JP2011048959A JP2009194899A JP2009194899A JP2011048959A JP 2011048959 A JP2011048959 A JP 2011048959A JP 2009194899 A JP2009194899 A JP 2009194899A JP 2009194899 A JP2009194899 A JP 2009194899A JP 2011048959 A JP2011048959 A JP 2011048959A
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大 太田
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温 別当
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Abstract

【課題】本発明は、色素増感型太陽電池に使用される電解液に対して優れた耐性を有し、発電特性をよくすると共に、電解質から集電線を十分に保護するため、集電線をまずフッ素ポリマーコンパウンドからなる保護膜を設けた後、UVオゾンに耐えうる光重合性化合物からなる保護膜を形成してなる、即ち保護膜を複層構成とすることで、耐久性がある集電線保護膜作成方法の提供をその目的とする。
【解決手段】透明導電層を有する透明基板の前記透明導電層上に半導体多孔質層と金属製集電線とを有する電極シートであって、前記金属製集電線上にフッ素ポリマーコンパウンドからなる保護膜が設けられ、さらに前記保護膜が光重合性組成物を硬化させた被膜で被覆されてなる電極シート。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐久性に優れた色素増感型太陽電池用電極シートに関する。詳しくは、色素増感型太陽電池における電解質のシール性能等に優れるとともに、作業性の容易な集電線用保護膜として機能する組成物を用いた色素増感型太陽電池用電極シート、および、その製造方法に関する。
色素増感型太陽電池は、半導体電極と対向電極との間に電解質層を設けるのが不可欠であり、この電解質層は一般にヨウ素等を含む電解液が用いられている。一方、電極には生起された電力を導出するための集電線が取り付けられ、集電線の形成には導電性の高い銀や銅を印刷等により付与する場合が多い。しかし電解質層を形成する電解液に含まれるヨウ素等は、これら集電線を形成する金属と容易に結合して金属を溶解させることで、集電線の導電性が失われて発電効率が著しく低下する恐れがある。
こういった問題に対応するため、金属配線層と、この金属配線層に電気的に接続された透明導電層とを有し、前記金属配線層は耐熱セラミックスを主成分とする絶縁層により絶縁被覆されている色素増感型太陽電池の電極基板が開示されている(例えば特許文献1)。また集電線にめっきを施すか、酸化被膜を形成することで容易に保護層を形成して集電線の保護を行うことができるとした例が開示されている。(例えば特許文献2、特許文献3)
このように色素増感型太陽電池の集電線については、例えば特許文献1に記載の従来の集電線を用いた場合、配置された集電線上に耐熱セラミックスやガラス成分を含む絶縁物質を被覆する必要があり、工程が煩雑なものとなると共に、被覆される絶縁層の厚みを一定とするのが困難であり、余分な箇所を被覆して発電効率を低下させたり、また被覆が十分でない箇所が生じて集電線の保護が不十分なものとなったりする恐れがある。特許文献2に記載の集電線形成方法は、基材の上に形成された導電性被膜上又は光電極層上に、フォトレジスト剤を用いてアルカリ溶液と有機溶剤とのいずれか一方若しくは両方によるはく離が可能なフォトレジスト剤層を、集電線が形成される部位を除いて形成する層形成工程と、該フォトレジスト剤層が塗布されていない部位に金属めっきを施して集電線を形成するめっき工程と、前記フォトレジスト剤層を導電性被膜からはく離させるはく離工程とを含むことを特徴とするものであるが、フォトレジストは工程が長く、かつレジストの不要部分を溶剤などで除かなければならず製造費用もかかってしまう。更にフォトレジストは、剥離時の欠陥を生じやすいため歩留まりが悪く極めて実用的とは言い難い。
従って、未だ尚、集電線を銀や銅で印刷等により付与すると同様に、電解質に耐性を持つ保護膜を付与できることが、歩留まりを良くし更には色素増感型太陽電池の性能を向上させるためには必要である。
最近になって電解質に耐性のあるシール材として、フッ素ポリマーコンパウンドが紹介されている。元々フッ素系材料は固く、耐薬品性に冨むが、表面張力が低いため各種基材への密着性が劣るため、加工適性が良くないという欠点があったが、骨格中にエーテル結合を組み入れることで、常温下でも柔軟性があり、且つ骨格末端に反応性が高いシリコン基があるため、熱触媒によるヒドロシリル反応による硬化が可能になる。
このコンパウンドを用いれば室温下では流動性があるため集電線を作成したのちに、このコンパウンドによるスクリーン印刷などが可能で、加熱処理により適度な弾性をもった非常に優れた電解液耐性をもつ皮膜が得られることから集電線保護膜としても適した材料である。(特許文献4)
ところが、色素増感型太陽電池を作成する上では、光電変換効率を高めるため必要な工程があり、例えば、半導体多孔質電極の有機物汚染が光電変換効率を下げる要因になるためこれを除去することを狙いに、金属酸化物半導体電極にUVオゾン射処理を加えることが知られている(特許文献5)が、基板上に形成した集電線を覆うよう、フッ素ポリマーコンパウンドからなる保護膜を作成したのち、UVオゾン処理を行うと、前述のフッ素ポリマーコンパウンドの保護膜は脆化し破壊され、結果電解質が浸透し電線が破壊されてしまうことから、フッ素ポリマーコンパウンドの膜のみでは実質上集電線保護膜として使えない致命的な欠点があった。一方、フッ素ポリマーコンパウンドからなる膜のみでは、前述のように電解質による汚染はないものの、有機物汚染による発電特性の低下が著しくこれも実用に耐えなかった。
また、基板上に半導体多孔質電極を形成後、UVオゾン処理をして後、集電線形成や保護膜を作成した場合には、その際に大量の有機物に汚染されてしまいUVオゾン処理効果が低減することから好ましくない。このような理由で、UVオゾン処理は基板上に集電線を形成、次いで保護膜を形成した上で、UVオゾン処理を行い、半導体多孔質電極を形成することが最も適した作成法になるが、金属酸化物半導体電極を形成する前後でUVオゾン処理を行えば特に限定されない。
ところで、一般的に上記色素増感型太陽電池の集電線の保護には、以下の項目(1)〜(4)に示す機能が重要視されるすなわち、
(1)電解質(アセトニトリル等)が膜へ浸透しない耐溶剤性、
(2)電解質に含まれるヨウ素が膜へ浸透しない耐ヨウ素性、
(3)電極基板との隙間を作らない自己接着性、
(4)酸化処理への耐性、
である。ここで、上記項目(1)、(2)が重要視される理由は、電解質浸透による集電線破壊による発電特性の低下防止の為である。また、上記項目(3)が重要視される理由は、空隙から漏れ・侵入による発電特性低下防止の為である。また、上記項目(4)が重要視される理由は、性能の良い光電極を作成する上で必須の工程が故である。
このような要求に照らして、加工がしやすい電解質耐性を持つ弾性材料は既に紹介されている。主鎖にオレフィン炭化水素骨格、即ちアルケン構造を持つ材料は、元々疎水性が高いため各種電解質に対し耐性を有するとされており、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、非晶質ポリアルファオレフィンなどのオレフィン系ポリマー、あるいはその変性物などがその代表的な化合物である。例えば、特許文献6にあるように水添ポリブタジエンアクリレートとポリイソブチレン、光重合開始剤とアクリレート系の弾性材料を用いて封止材を形成した場合、アセトニトリル等の有機溶剤に対する耐性は良いが、長期でのヨウ素耐性が悪く、電解液漏洩による発電特性の低下を招くおそれがある。また水添ポリブタジエンアクリレート100重量部に対し、飽和エラストマーであるポリイソブチレンを20重量部から80重量部の割合で配合した組成では、硬化後の粘着性が消失せず集電線用の保護材料としては不適である。更に電解質に含まれる有機溶剤とヨウ素耐性は、格段にフッ素ポリマー系が優れる。
更に、光重合性組成物として水添ポリブタジエンアクリレート、ポリイソブチレン、光重合性開始剤、体質顔料、単官能モノマーからなる組成物はUVオゾン処理に耐性を有するも、耐電解質性という観点では長期視点ではフッ素ポリマー系より劣る。
したがって、上記項目(1)〜(4)に示す機能をすべて備えた集電線保護材は、未だ得られていないのが現状である。
特開2005−78857号公報 特開2006−342100号公報 特開2006−286434号公報 特開2007−286434号公報 特開2005−203360号公報 特開2006−008819号公報
本発明は、色素増感型太陽電池に使用される電解液に対して優れた耐性を有し、発電特性をよくすると共に、電解質から集電線を十分に保護するため、集電線をまずフッ素ポリマーコンパウンドからなる保護膜を設けた後、UVオゾンに耐えうる光重合性化合物からなる保護膜を形成してなる、即ち保護膜を複層構成とすることで、耐久性がある集電線保護膜作成方法の提供をその目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、集電線上に保護膜を形成する際、まず電解質耐性にすぐれたフッ素ポリマーコンパウンドからなる皮膜を設けた後に、UVオゾン処理耐性のある強固な皮膜をもつ光重合性組成物からなる皮膜を設ける、所謂保護膜を複数構成とすることで、電解質耐性を持たせつつ、UVオゾン処理に耐える性能を兼ね備える保護膜となることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は透明導電層を有する透明基板の前記透明導電層上に半導体多孔質層と金属製集電線とを有する電極シートであって、前記金属製集電線上にフッ素ポリマーコンパウンドからなる保護膜が設けられ、さらに前記保護膜が光重合性組成物を硬化させた被膜で被覆されてなる電極シートに関する。
また、本発明は、フッ素ポリマーコンパウンドが、フッ素化ポリエーテル骨格とシリコン骨格とを含む、上記電極シートに関する。
また、本発明は、光重合性組成物がポリアルケンアクリレート、ポリアルケン、光重合性開始剤、体質顔料、単官能モノマーからなる上記電極シートに関する。
また、本発明は、ポリアルケンアクリレートが、末端に(メタ) アクリル基を有し主骨格を水添されたポリブタジエンである上記電極シートに関する。
また、本発明は、ポリアルケンアクリレート100重量部に対し、ポリアルケンが20重量部未満であることを特徴とする上記電極シートに関する。
また、本発明は、透明基板が樹脂基板であることを特徴とする上記電極シートに関する。
また、本発明は、上記電極シートと対極とが電解質を介して対向配置された色素増感型太陽電池であって、前記電極シートの半導体多孔質層には増感色素が吸着されている色素増感型太陽電池に関する。
また、本発明は、上記電極シートの製造方法であって、金属製集電線上にフッ素ポリマーコンパウンドからなる保護膜を設け、さらに前記保護膜が光重合性組成物を硬化させた被膜で被覆する工程1、前記透明導電層上に半導体多孔質層を形成する工程2、およびUVオゾン処理を行う工程3を含む電極シートの製造方法に関する。
本発明の色素増感型太陽電池用集電線保護材は、フッ素系ポリマーを用いて構成される耐電解質膜と、光重合性化合物からなる耐UVオゾン膜との積層構造を有する。そのため、色素増感型太陽電池内に封入される電解質(アセトニトリル等)に対して優れた耐性を有し、電解液漏洩による発電特性の低下を防止することができるとともに、電解液から発生するガス(揮発溶媒、昇華ヨウ素等)等の低透過性を有し、且つUVオゾンなどの酸化処理に対しても強靭で、ガスの漏洩による酸化還元能力低下に起因する発電特性の低下も防止することができる。
集電線と直に接触する保護膜が、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、その分子の主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状フルオロポリエーテル化合物と、1分子中にヒドロシリル基を少なくとも2個有する有機珪素化合物と、ヒドロシリル化反応触媒とを必須成分とする材料を用いて構成されていると、集電線が電解質に対し侵されないため、太陽電池として使用される様々な環境温度の変化に対しても安定した電気を集めることが可能になる。また保護膜自体が優れた弾性を持ち、かつ低温でもゴム弾性を失わないことから、電極基板の重量に対する耐圧縮永久歪み性や、温度変化に伴い変化する電極基板変形に追従する低モジュラス性が良好となる。それは三次元架橋構造体を作ることから、耐電解液性および電極基板に対する接着性に、より優れるようになるからである。
図1は、色素増感型太陽電池試験サンプルの側断面模式図である。
本発明について、図面に基づき以下に具体的に説明する。
図1は、本発明に係わる色素増感型太陽電池の集電線形成方法の、実施形態を示すもので、形成された電極基板を示す断面図である。透明基板1は、透明導電層2が形成され、導電性被層2上に金属製集電線3が短冊状に設けられて形成されている。金属製集電線3が設けられた後フッ素ポリマーコンパウンドからなる保護膜4、光重合性組成物の硬化膜からなる保護膜5が設けられ、色素を吸着した半導体多孔質層8が形成される前後でUVオゾン処理され、その後色素が半導体多孔質層に吸着され、電極シートが得られる。相対する対極は、基板10に、導電層11が形成され、導電層11上に金属製集電線3が短冊状に設けられて形成されている。金属製集電線3が設けられた後フッ素ポリマーコンパウンドからなる保護膜4が必須成分として存在する。このとき対極には光重合性組成物の硬化膜からなる保護膜5があってもなくてもよい。電極シートと対極とはメインシール材7を介して接着されるが、このとき電解質6が封入されて色素増感型太陽電池セルが完成する。
(電極シート)
(透明導電層が形成された透明基板)
電導性表面を有した電極に用いられる透明基板としては太陽光の可視から近赤外領域に対して光り吸収が少ない材料であれば特に限定されない。石英、並ガラス、BK7、鉛ガラス等のガラス基板、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリビニルブチラート、ポリプロピレン、テトラアセチルセルロース、シンジオクタチックポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリスルフォン、ポリエステルスルフォン、ポリエーテルイミド、環状ポリオレフィン、ブロム化フェノキシ、塩化ビニール等の樹脂基板等を用いることができる。これらの中でもポリエチレンナフタレートが耐熱性、透明性の点で優れているが、これに限定されるものではない。
(透明電導層)
透明導電層としては、太陽光の可視から近赤外領域に対して光吸収が少ない導電材料なら特に限定されないが、ITO(インジウム−スズ酸化物)や酸化スズ(フッ素等がドープされた物を含む)、酸化亜鉛等の電導性の良好な金属酸化物が好適である。
透明導電層は、透明基板上に蒸着により形成され、その膜厚は0.1〜1μm程度である。
(金属製集電線)
金属製集電線は、透明導電層上にスクリーン印刷により形成されたもので、約50mmに縦方向に等間隔で分割して設けられている。形成された金属製集電線の幅は0.1〜1.0mm程度である。
金属製集電線は、銀ペーストによる印刷法や、金属箔転写法、フォトレジストなどを用いためっき法など、既知の方法で作成することが出来る。本発明においては、銀ペーストによる集電線形成法が好ましいが、これに限定されなくても良い。
(保護膜)
次に保護膜の形成方法の例を示す。まず透明基板上の透明導電層の上に形成された金属製集電線の上に、フッ素ポリマーコンパウンドからなる保護膜をスクリーン印刷法により金属製集電線を完全に覆うよう印刷され乾燥が行われることで膜厚4〜20μm程度のフッ素ポリマーからなる保護膜が形成される。この保護膜を十分に乾燥させた状態で、ウレタン化ポリブタジエンアクリレート、ポリイソブチレン、光重合性開始剤、体質顔料、単官能モノマーからなる光重合性組成物からなる保護膜をスクリーン印刷にて4〜10μmの厚みになるよう印刷する。その上から紫外線照射装置により全面に露光し、反応硬化させ保護膜つきの金属製集電線が透明導電層の上に形成される。
金属製集電線を保護するには耐電解質性に優れたフッ素系ポリマーを用いていれば、特に限定はないが、好ましくは、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、その分子の主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状フルオロポリエーテル化合物と、1分子中にヒドロシリル基を少なくとも2個有する有機珪素化合物と、ヒドロシリル化反応触媒とを必須成分とする材料が用いられる。すなわち、このような材料を用いることにより、優れた弾性が得られ、電極基板の重量に対する耐圧縮永久歪み性や、電極基板の変形に追従する低モジュラス性も良好になるとともに、その三次元架橋により、耐電解液性および電極基板に対する接着性に優れる。
上記アルケニル基を有する特定の直鎖状フルオロポリエーテル化合物としては、特に限定はないが、好ましくは、下記の一般式(1)に示すものがあげられる。
Figure 2011048959
また、上記フルオロポリエーテル化合物の1分子中には、少なくとも2個のアルケニル基を有することを要する。上記アルケニル基としては、ビニル基,アリル基,ブテニル基,ペンテニル基,ヘキセニル基等があげられる。
上記アルケニル基を有する特定の直鎖状フルオロポリエーテル化合物とともに用いられる硬化剤としては、上述のように、1分子中にヒドロシリル基を少なくとも2個有する有機珪素化合物が用いられる。なお、上記ヒドロシリル基とは、珪素原子の4つの結合手のうち少なくとも1つに水素原子が結合したものをいう。
上記フルオロポリエーテル化合物および有機珪素化合物とともに用いられるヒドロシリル化反応触媒としては、架橋反応に対し触媒機能を発揮できるものであれば特に限定はなく、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール,アルデヒド,ケトン等との錯体、白金/ビニルシロキサン錯体、白金/オレフィン錯体、白金/ホスファイト錯体、白金,アルミナ,シリカ,カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの等があげられる。また、白金化合物以外の触媒としては、パラジウム化合物、ロジウム化合物、イリジウム化合物、ルテニウム化合物等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。
上記有機珪素化合物としては、例えば、オルガノハイドロジェンポリシロキサンがあげられる。ここで言うオルガノハイドロジェンポリシロキサンとは、Si原子上に炭化水素基あるいは水素原子を有するポリシロキサンを指す。
最適なフッ素系ポリマーを含むコンパウンドとして、例えば信越化学工業(株)製の「サイフェル2662」が挙げられ、集電線3の上にスクリーン印刷で保護膜を形成した後、150℃1時間という比較的低温で硬化させることのできる材料であるが、必要に応じ自製しても良い。
次に本発明に使用できる光重合組成物の硬化膜からなる保護膜について説明する。光重合組成物の硬化膜からなる保護膜は、下地であるフッ素ポリマーコンパウンドからなる保護膜上に形成され、よく密着すると共に、後工程のUVオゾン処理と電解質に耐えうる強固な皮膜を形成される。
また、光重合性組成物の硬化膜からなる保護膜は、フッ素ポリマーからなる皮膜とよく接着する組成が好ましく、疎水性が高く、常温でゴム弾性を持つ素材が適している。特に末端がアクリル基をもつウレタン変性水添ポリブタジエンとポリイソブチレン、光重合開始剤とイソボロニルアクリレートからなる組成であれば、電解質耐性はもとより、色素を金属酸化物半導体へ吸着させる際に使用する溶剤に対しても耐性を持つ組成となる。加えて、金属酸化物半導体膜に色素を吸着させる際に用いる溶剤に対しても耐性を持つ組成となり、好ましい。
但し水添ポリブタジエンアクリレートとポリイソブチレン、光重合開始剤とアクリレート系の弾性材料を用いて封止材を形成した場合、水添ポリブタジエンアクリレート100重量部に対しポリイソブチレンが20重量部未満で配合された組成では、反応硬化後の粘着性が消失するため、集電線用の保護材料として適する。一方ポリイソブチレンの量が20重量部以上になると硬化後の粘着性が消失せず、膜破壊を起こしやすくなるため好ましくない。
(UVオゾン処理)
光重合性組成物の硬化膜による保護膜が形成された後、半導体多孔質層を作成するが、その前後でUVオゾン処理が実行される。
UVオゾン処理は、半導体多孔質層を形成する前後のいずれでもよく、有機物による汚染の懸念がなければ、色素を吸着させる前の半導体多孔質層を形成する前段階であっても構わない。
UVオゾン処理は、金属製集電線や集電線保護膜と重ならないように半導体多孔質層を金属製集電線が形成されてなる同一面に行われるが、半導体多孔質層の形成前、形成後のいずれであっても良い。本発明の色素増感型光半導体電極では、半導体多孔質層に吸着させる色素量及び結合状態によってこれを色素増感型太陽電池に組み込んだときに電池が発生する電流量が左右されるが、色素付着前の半導体多孔質層形成の前後で酸化処理を施すことにより性能を向上させられる。酸化処理方法は半導体多孔質層の表面を酸化できる処理方法ならばどのような方法を用いてもよいが、UVオゾン処理法が光電変換効率を下げる不要な有機物を最も効果的に除去できる。
更に詳しくは、酸素存在下で光重合性組成物の硬化膜からなる保護膜まで形成した基材にUV(紫外線)を照射する。光源としては太陽光、高圧水銀灯、キセノンランプなどが挙げられる。照射強度は0.001 〜10W/cm2 、さらには0.01〜10 W/cm2 が好ましい。これより照射強度が低いと酸化が十分に進行しない。処理温度は-50℃〜400 ℃、さらには0 ℃〜200 ℃が好ましい。これより温度が高いと過度の酸化が起き、低いと酸化が十分に進行しない。処理時間は0.1 分〜50時間、さらには1分〜10時間が好ましい。これより時間が長いと過度の酸化が起き、短いと酸化が十分に進行しない。雰囲気中に存在させる酸素は空気などの酸素含有ガスはもちろん、UV(紫外線)照射によりオゾンを発生させる酸素化合物を含む雰囲気、あるいは半導体多孔質層にUV(紫外線)を照射することにより活性化された半導体多孔質層表面に反応できる酸素または酸素化合物を含む雰囲気であればよい。
(色素を吸着した半導体多孔質層)
色素を吸着した半導体多孔質層は、金属酸化物半導体粒子と金属原子錯体を含むペーストを透明導電層上に塗布乾燥して形成したあと、色素を溶剤に溶かしておき、浸漬乾燥を行うと、目的の光電極が得られる。
本発明で用いられる半導体多孔質層に含まれる金属酸化物半導体粒子としての材質は、シリコン、ゲルマニウム、III族‐V族系半導体、金属カルコゲニド等が挙げられる。さらに、酸化チタン、酸化スズ、酸化タングステン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化ニオブ、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化ストロンチウム、酸化タンタル、酸化アンチモン、酸化ランタノイド、酸化イットリウム、酸化バナジウム等を挙げることができるが、これらが同一溶液中で金属原子錯体と共にペーストを作り、成膜後、加熱により焼結して半導体多孔質層を形成し、さらに増感色素を連結することによって可視光および/又は近赤外光領域までの光電変換が可能となるものであればこれに限らない。半導体多孔質層表面が増感色素によって増感されるためには半導体多孔質層の電導帯が増感色素の光励起順位から電子を受け取りやすい位置に存在することが望ましい。このため前記金属酸化物半導体粒子の中でも酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ニオブ等が特に用いられる。さらに、価格や環境衛生性等の点から、酸化チタンが特に用いられる。本発明においては平均粒子径100nm以下の金属酸化物半導体粒子として前記金属酸化物半導体粒子および金属酸化物半導体粒子から一種又は複数の種類を選択して組み合わせることができる。酸化チタンの結晶構造には、ルチル型(正方晶高温型)、アナターゼ型(正方晶低温型)、ブルッカイト型(斜方晶)が知られているが、本発明ではアナターゼ型が良好にアルカリ金属を含有できるために好適に用いられる。
本発明で用いられる金属原子錯体は金属酸化物半導体粒子表面に吸着し分散処理剤として機能し得る物で印刷が可能となる。さらにはこのペーストを透明電導層に塗布して半導体多孔質層の作成を行った後、これが高い密着性と変換効率を与えることができるものである。
半導体多孔質層の形成は、例えば特開2009−16224に記載の金属酸化物半導体粒子、例えば酸化チタンをペースト化したものから作ることが出来る。当然のことながら、光重合性組成物で覆われている集電線の保護膜以外の透明導電層上に半導体多孔質層は形成される。
半導体多孔質層に吸着する色素は、半導体多孔質層が光電変換できない波長領域の光を吸収して励起された電子を半導体多孔質層の荷電子帯へ注入する役割を有している。ペクセルテクノロジーズ社等から得ることができるルテニウム色素(N719色素等)等が代表例であるが、希少元素を用いる点で資源枯渇、コスト面で懸念があり、近年これに代わる有機系の増感色素が多く開発されている。クマリン系、シアニン系、ロダニン系、スクワリリウム系、ジケトピロロピロール系、フェニレンビニレン系、フルオレン系色素、メロシアニン系色素等がこれにあたるが、これらも本発明の増感色素として用いることができる。これらの有機色素の中には鮮やかな赤色や青色を呈するものがあり、意匠性を重視した用途に応じて選択して用いることができるという利点もある。これら有機系色素では三菱製紙株式会社のメロシアニン系色素がよく知られており、同社よりD77、D102、D149などを入手することができるが、機能を発現する色素であればこれに限らない。
色素の溶液を作るための溶剤は、色素を溶解させ、金属酸化物層に色素吸着の仲立ちを行える溶剤である必要がある。増感色素を溶解させるために必要に応じて加熱、溶解助剤の添加および不溶分のろ過を行っても良い。溶剤は二種類以上の溶剤を混合して用いても良く、溶剤としてエタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール系溶剤、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、炭酸ジエチル、炭酸プロピレン等の炭酸エステル系溶剤、ヘキサン、オクタン、トルエン、キシレン等の炭水化物系位溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチルイミダゾリノン、N−メチルピロリドン、水等を用いることができるがこれに限らない。
(対極)
本発明で用いられる電導性対極は色素増感型太陽電池の正極として機能するものであり、基板に導電層が形成されたものである。具体的に対極に用いる導電層の材料としては金属(例えば白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム等)、金属酸化物(ITO(インジウム‐スズ酸化物)やFTO((フッ素ドープ酸化スズ)、酸化亜鉛)、または炭素等が挙げられる。対極の導電層の膜厚は、特に制限はないが、5nm以上10μm以下であることが好ましい。また、基材としては、ガラスなどの無機材料やポリエチレンナフタレートフィルムのような有機系材料が用いることができるがこれに限らない。
(電解質層)
本発明で用いられる電解質層は電解質、媒体、および添加物から構成されることが好ましい。本発明の電解質はI2とヨウ化物(例としてLiI、NaI、KI、CsI、MgI2、CaI2、CuI、テトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等)の混合物、Br2と臭化物(例としてLiBr等)の混合物、Inorg. Chem. 1996,35,1168−1178に記載の溶融塩等を用いることができるがこの限りではない。この中でもI2とヨウ化物の組み合わせとしてLiI、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等を混合した電解質が本発明では好ましいがこの組み合わせ方に限らない。
好ましい電解質濃度は媒体中I2が0.01M以上0.5M以下でありヨウ化物の混合物が0.1M以上15M以下である。
本発明で電解質層に用いられる媒体は、良好なイオン電導性を発現できる化合物であることが望ましい。溶液状の媒体としては、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテルなどの鎖状エーテル類、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルなどのアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル化合物、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、3−メチル−2−オキサゾリジノンなどの複素環化合物、ジメチルスルホキシド、スルホランなど非プロトン極性物質、水などを用いることができる。
又、固体状(ゲル状を含む)の媒体を用いる目的で、ポリマーを含ませることもできる。この場合、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン等のポリマーを前記溶液状媒体中に添加したり、エチレン性不飽和基を有した多官能性モノマーを前記溶液状媒体中で重合させて媒体を固体状にする。
電解質層としてはこの他、CuI、CuSCN媒体を必要としない電解質および、Nature,Vol.395, 8 Oct. 1998,p583-585記載の2,2’,7,7’−テトラキス(N,N−ジ−p−メトキシフェニルアミン)9,9’−スピロビフルオレンのような正孔輸送材料を用いることができる。
本発明に用いられる電解質層には色素増感型太陽電池の電気的出力を向上させたり、耐久性を向上させる働きをする添加物を添加することができる。電気的出力を向上させる添加物として4−t−ブチルピリジンや、2−ピコリン、2,6−ルチジン、シクロデキストリン等が挙げられる。耐久性を向上させる添加物としてMgI等が挙げられる。
(組み立て方)
本発明の電極シートと前述の対極を電解質層を介して組み合わせることによって色素増感型太陽電池を形成する。必要に応じて電解質層の漏れや揮発を防ぐために、色素増感型太陽電池の周囲にメインシール材を用い封止を行う。封止には熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂、ガラスフリット等を封止材料として用いることができる。
以下に実施例を具体的に示すが本発明は以下に限定されるものではない。本実施例にお
ける部は重量部を表す。
実施例1
透明基板上の透明導電膜への集電線の作成
導電ペースト REXALPHA RA FS 015(東洋インキ製造(株)製)をパターン形成したステンレス製メッシュスクリーン(#400)を用いてITO膜付きのPENフィルム上に塗布し、140℃1時間加熱し乾燥成膜することで得た。
フッ素ポリマーコンパウンドからなる保護膜の作成
フッ素ポリマーコンパウンド サイフェル2662(信越化学工業(株)製)集電線とその周辺部を完全に覆うパターンを形成したステンレス製メッシュスクリーン(#400)を用いて透明電極基板上の集電線上に塗布し、150℃1時間加熱し乾燥成膜することで得た
光重合性組成物の硬化膜からなる保護膜の作成
水添ポリブタジエンジアクリレートTEAI-1000 26.05部(日本曹達株製)、水添ポリブタジエンジアクリレート SPBDA-S30 18.12部(大阪有機化学工業(株)製)、ポリイソブチレン TETRAX 3T 6.59部(新日本石油(株)製)、イソボロニルアクリレート IBXA 35.48部(共栄社化学(株)製)、疎水性シリカ R974 10部(日本アエロジル(株)製)、イルガキュア184 3.75部(チバスペシャリティケミカル(株)製)を、100℃に調温されたセラミック3本ロールにて混練し目的の光重合組成物を得た。これをフッ素ポリマーコンパウンドからなる保護膜上にフッ素ポリマーコンパウンドを塗布する際に用いたステンレス製メッシュスクリーン(#400)を用いてフッ素ポリマーコンパウンドからなる保護膜に重なるよう塗布し、東芝製紫外線硬化装置、TOSCURE 120W 超高圧水銀ランプ搭載システムにて 800mJ/cm2のエネルギーを与え皮膜を硬化させた。このときの皮膜の表面には粘着性はなかった。
UVオゾン処理
次いで、サムコ社製UVオゾン処理装置(UV and OZONE dry stripper model UV−300)を用いて、温度140℃で15分間UVオゾン処理を行った。
半導体多孔質層の作成
金属酸化物半導体ペーストの作成
1−オクタノール45部にチタンアセチルアセトナート(Ti=O(acac)2)8部を混合し、日本アエロジル社製酸化チタンP−25(平均粒子径 24nm)を45部加え、ジルコニアビーズと混合し、ペイントシェーカーを用いて分散し、さらにエチルセルロース(ハーキュレス社製N−200)2部を溶解混練して金属酸化物半導体ペーストを得た。
このペーストを集電線とその保護膜と重ならないよう工夫されたパターンを形成したステンレス製メッシュスクリーン(#200)を用いて、前述のUVオゾン処理された透明電極基板に塗布され、140℃1時間加熱し乾燥成膜することで半導体多孔質層を形成した。
増感色素の吸着
t−ブチルアルコールとアセトニトリルの1:1混合液に増感色素(ペクセルテクノロジーズ社製N719)5×10-4Mと添加剤ケノデオキシコール酸1.0×10-3Mを溶解し、さらにメンブランフィルターで不溶分を除去した。この色素溶液に電極シートを浸し、40℃で1時間放置する。着色した電極表面を使用溶剤で洗浄した後乾燥させることで半導体多孔質層に増感色素の吸着した電極シートを得た。
電解質溶液の調整
下記処方で電解質溶液を得た。
溶剤 3−メトキシアセトニトリル
LiI 0.1M
2 0.05M
1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイド 0.6M
色素増感太陽電池の組み立て
図1の様に色素増感型太陽電池の試験サンプルを組み立てた。
対極には基板上に導電層としてITOが成膜された物を用い、前記ITO膜上に集電線と集電線を覆うフッ素ポリマーコンパウンドからなる保護膜が先ほどと同様の形成法で作られている。樹脂フィルム製スペーサーとしては、三井・デュポンポリケミカル社製 「ハイミラン」フィルムの50μm厚のものを用いた。
作成した色素増感型太陽電池を、85℃の恒温環境下におき、720時間後に集電線並びに週電線保護膜の評価を行ったところ、電解質の浸透がないとともに、保護膜の浮き剥がれによる集電線の電解質による溶解などがない、優れた保護膜であることが証明された。
実施例2
光重合性組成物の配合比を、水添ポリブタジエンジアクリレートTEAI-1000 26.05部(日本曹達株製)、水添ポリブタジエンジアクリレート SPBDA-S30 13.71部(大阪有機化学工業(株)製)、ポリイソブチレン TETRAX 3T 11部(新日本石油(株)製)、イソボロニルアクリレート IBXA 35.48部(共栄社化学(株)製)、疎水性シリカ R974 10部(日本アエロジル(株)製)、イルガキュア184 3.75部(チバスペシャリティケミカル(株)製)にした以外は、実施例1と同様にして電極シートを作成した。次いで色素増感太陽電池を作成する段階で、皮膜表面の粘着性が消失せずメインシール材による封止段階で対極と貼りつき、膜が破壊したため評価が出来なかった。
比較例1
光重合性化合物による保護膜を行わないこと以外は実施例1と同様にして電極シートを作成、色素増感型太陽電池を作成し、85℃の恒温環境下におき、集電線並びに週電線保護膜の評価を行ったところ、電解質が保護膜から浸透し、1時間で集電線が溶解したため長期試験ができなかった。
比較例2
UVオゾン処理を行わないこと以外は実施例1と同様にして光電極を作成、色素増感型太陽電池を作成し、85℃の恒温環境下におき、720時間後に集電線並びに週電線保護膜の評価を行ったところ、保護膜の剥がれが発生しており実用性がないと判断された。一部剥がれが発生した理由は、残存有機物により基材と保護膜の界面による洗浄効果により剥離したものと判断された。
比較例3
フッ素ポリマーコンパウンドによる保護膜を作成しないこと以外は実施例1と同様にして光電極を作成、色素増感型太陽電池を作成し、85℃の恒温環境下におき、集電線並びに週電線保護膜の評価を行ったところ、電解質が保護膜から浸透し、24時間で集電線が溶解したため長期試験ができなかった。
比較例4
光重合性組成物による保護膜作成とUVオゾン処理を行わないこと以外は実施例1と同様にして光電極を作成、色素増感型太陽電池を作成する段階で、皮膜表面の粘着性が消失せずメインシール材による封止段階で対極と貼りつき、膜が破壊したため評価が出来なかった。
本発明により、高温となる過酷な保存条件下においても電解質に全く侵されることがない集電線を提供できる。保護膜を機能別に複層構成になるが多数枚複製が容易な印刷法にて作成できるため、製造コストも低くなるといった産業上非常に有利な面も併せ持つ。そのため、新規用途に向けた太陽電池の開発に利用することが可能である。
1.透明基板
2.透明導電層
3.金属製集電線
4.フッ素ポリマーコンパウンドからなる保護膜
5.光重合性組成物の硬化膜からなる保護膜
6.電解質
7.メインシール材
8.色素を吸着した半導体多孔質層
9.エンドシール材
10.基板
11.導電層

Claims (8)

  1. 透明導電層を有する透明基板の前記透明導電層上に半導体多孔質層と金属製集電線とを有する電極シートであって、前記金属製集電線上にフッ素ポリマーコンパウンドからなる保護膜が設けられ、さらに前記保護膜が光重合性組成物を硬化させた被膜で被覆されてなる電極シート。
  2. フッ素ポリマーコンパウンドが、フッ素化ポリエーテル骨格とシリコン骨格とを含む、請求項1記載の電極シート。
  3. 光重合性組成物がポリアルケンアクリレート、ポリアルケン、光重合性開始剤、体質顔料、単官能モノマーからなる請求項1または2記載の電極シート。
  4. ポリアルケンアクリレートが、末端に(メタ) アクリル基を有し主骨格を水添されたポリブタジエンである請求項1〜3いずれか記載の電極シート。
  5. ポリアルケンアクリレート100重量部に対し、ポリアルケンが20重量部未満であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の電極シート。
  6. 透明基板が樹脂基板であることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の電極シート。
  7. 請求項1〜6いずれか記載の電極シートと対極とが電解質を介して対向配置された色素増感型太陽電池であって、前記電極シートの半導体多孔質層には増感色素が吸着されている色素増感型太陽電池。
  8. 請求項1〜6いずれか記載の電極シートの製造方法であって、
    金属製集電線上にフッ素ポリマーコンパウンドからなる保護膜を設け、さらに前記保護膜が光重合性組成物を硬化させた被膜で被覆する工程1、
    前記透明導電層上に半導体多孔質層を形成する工程2、および
    UVオゾン処理を行う工程3を含む電極シートの製造方法。
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