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JP2010234789A - インクジェット記録媒体 - Google Patents

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JP2010234789A
JP2010234789A JP2009088483A JP2009088483A JP2010234789A JP 2010234789 A JP2010234789 A JP 2010234789A JP 2009088483 A JP2009088483 A JP 2009088483A JP 2009088483 A JP2009088483 A JP 2009088483A JP 2010234789 A JP2010234789 A JP 2010234789A
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Masaya Tosaka
昌也 登坂
Takayuki Sato
貴之 佐藤
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Jujo Paper Co Ltd
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Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
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Abstract

【課題】
光沢感に優れ、染料インクを用いてインクジェット記録を行った際の印字濃度が高く、さらに耐水性に優れ、操業性に優れるインクジェット記録媒体を提供する。
【解決手段】
透気性を含有する紙支持体の少なくとも一方の面に、顔料として合成非晶質シリカ、結着剤としてポリビニルアルコール、及びカチオン性樹脂を含有する塗工層を設けた後、該塗工層の表面に、アニオン性のコロイダルシリカを3質量%以上20質量%以下含有する凝固剤溶液を塗布して凝固キャストコート法によりインク受理層を設けたインクジェット用記録媒体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット記録方式に好適な光沢を有するインクジェット用記録媒体に関する。
インクジェット用記録媒体は、紙等の支持体表面にシリカ、アルミナなどの多孔質の顔料と結着剤とを含有するインク受理層を設けた構成になっていて、このインク受理層にインクの液滴が定着するようになっている。そして、近年のインクジェットプリンターの目覚しい進歩や、デジタルカメラの著しい普及により、インクジェット用記録媒体に要求される品質も年々高くなってきている。特に、従来の銀塩写真に匹敵する光沢を有するインクジェット用記録媒体においては、品質要求が厳しく、技術開発が活発に行われている。
上記した光沢を有するインクジェット用記録媒体は、製造コストの点からキャストコーターを用いるキャストコート法で製造するのが一般的である。キャストコート法は、顔料と結着剤とを主成分とする塗工液を支持体上に塗工して塗工層を設け、その塗工層にキャストドラムを用いて光沢仕上げする方法であり、この光沢塗工層が上記インク受理層となる。キャストコート法としては、(1)塗工層が湿潤状態にある間に鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着して乾燥するウェットキャスト法(直接法)、(2)湿潤状態の塗工層を一旦乾燥又は半乾燥した後に再湿潤液により膨潤可塑化させ、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するリウェットキャスト法(再湿潤キャスト法)、(3)湿潤状態の塗工層を凝固処理によりゲル状態にして、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥する凝固キャスト法(ゲル化キャスト法)、の3種類が一般に知られている。各方法の原理は、湿潤状態の塗工層を鏡面仕上げの面に押し当てて、塗工層表面に光沢を付与するという点では共通している。
そして、このような光沢インクジェット用記録媒体に要求される品質特性としては、記録媒体表面の光沢感が高いこと、印字濃度が高いこと、インクの溢れや滲みがないこと、印字ムラ(濃淡ムラ)がないこと、耐候性が優れること等が挙げられ、これら特性を向上するためには、インク受理層の改善が必要となってくる。例えば、インク受理層を1層以上の層構成とし、少なくとも1層が300nm以下の平均粒径を有するコロイド粒子とカチオン性樹脂を含有する技術が報告されている(例えば、特許文献1参照)。又、キャスト塗工層中に、一次粒子径が30〜100nmであるコロイダルシリカを含有する技術が報告されている(例えば、特許文献2参照)。
また、塗工層の接着剤と凝固し得る凝固剤を塗布し凝固法でインク受理層を形成する際、凝固剤にホウ素化合物、コロイダルシリカ及び樹脂を含有させる技術が報告されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平9−263039号公報 特開2005−35169号公報 特開2002−166645号公報
しかしながら、上記の特許文献1、2記載の技術の場合、記録媒体の高光沢化の点で改善の余地があり、さらに染料インクでインクジェット記録を行った場合にインク受理層に含有される顔料の平均粒子径が大きいため、印字濃度が低下するという問題がある。
また、特許文献3記載の技術の場合、インク受理層表面に平均粒子径が小さいコロイダルシリカが存在するため、染料インクの印字濃度は向上するが、インク受理層表面にインクを定着させるカチオン性樹脂が存在しないため、耐水性が悪化するという問題がある。
さらに、特許文献3記載の技術において、凝固剤中にカチオン性樹脂を配合した場合はアニオン性のコロイダルシリカとショックを起こすため、カチオン性樹脂を添加できないのでインクの定着性が悪化し、インク吸収性および耐水性に劣る。また、上記コロイダルシリカがカチオン性の場合には、ホウ酸塩とショックを起こすため、凝固剤中にホウ酸塩を添加できないので、凝固不足となり操業性に問題が発生する。
従って、本発明は光沢感に優れ、染料インクを用いてインクジェット記録を行った際の印字濃度が高く、さらに耐水性に優れ、操業性に優れるインクジェット記録媒体を提供することを目的とする。
本発明者等は種々検討した結果、凝固キャストコート法でインク受理層を設ける際、インク受理層用の塗工液中にカチオン性樹脂を配合し、凝固剤溶液中にアニオン性コロイダルシリカを配合することで、アニオン性とカチオン性の凝集反応により凝固性が向上し、ホウ酸塩及び/又はホウ酸とポリビニルアルコールの架橋反応がなくても凝固させることが可能となり、新たな凝固方法を見出した。その結果、上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明のインクジェット記録媒体は、透気性を含有する紙支持体の少なくとも一方の面に、顔料として合成非晶質シリカ、結着剤としてポリビニルアルコール、及びカチオン性樹脂を含有する塗工層を設けた後、該塗工層の表面に、アニオン性のコロイダルシリカを3質量%以上20質量%以下含有する凝固剤溶液を塗布して凝固キャストコート法によりインク受理層を設けてなるインクジェット用記録媒体である。
また、前記インク受理層中のカチオン性樹脂がインク定着剤であることが好ましく、前記凝固剤溶液はホウ酸塩及び/又はホウ酸を含有しなくともよい。
本発明によれば、光沢感に優れ、染料インクを用いてインクジェット記録を行った際の印字濃度が高く、さらに耐水性に優れ、操業性に優れるインクジェット記録媒体が得られる。
以下本発明の実施形態について説明する。本発明のインクジェット記録媒体は、透気性を有する支持体の少なくとも一方の面に、顔料及び結着剤を含む塗工層を形成した後、該塗工層の表面に前記結着剤と凝固する凝固剤溶液を塗布して凝固キャストコート法によりインク受理層を設けてなるものである。
(紙支持体)
本発明に使用される紙支持体は、キャストコート時にキャストドラムで発生する水蒸気を透過できる程度の透気性を有すれば、いずれの物を用いることが可能であり、塗工紙、未塗工紙等の紙が好ましく用いられる。紙は、パルプ繊維や填料から構成され、原料パルプとしては、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ等)、脱墨パルプ等を単独または任意の割合で混合して使用することが可能である。原料パルプとして針葉樹パルプが含有されることが好ましい。紙支持体中に針葉樹パルプを配合すると、原紙の強度が向上するほか、インク受理層の光沢感が向上する傾向にある。但し、針葉樹パルプの含有量が多くなると紙支持体の表面性が低下する傾向にあるため、針葉樹パルプの含有量は全パルプ中30質量%以下であることが好ましい。尚、前記紙支持体のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでも良い。また、填料は、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂微粒子等の公知の填料の中から適宜選択できる。
インクジェット記録媒体の生産効率の点から、紙支持体の透気度は1000秒以下であることが好ましく、又、塗工性の点から基紙のステキヒトサイズ度は10秒以上であることが望ましい。
また、上記紙支持体には、水溶性高分子添加剤をはじめとする各種の添加剤を含有する液を、タブサイズ、サイズプレス、ゲートロールコーター又はフィルムトランスファーコーター等を用い、オンマシン又はオフマシンで塗工することが可能である。
上記水溶性高分子添加剤としては、例えば、澱粉、カチオン化澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体;ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール誘導体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースサルフェート等のセルロース誘導体;ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白等の水溶性天然高分子;ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、ポリスチレンスルフォン酸ナトリウム等、無水マレイン酸樹脂等の水溶性高分子;メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性合成樹脂等の水性高分子接着剤等が用いられる。その他の添加剤としては、サイズ剤として石油樹脂エマルション、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルキルエステルのアンモニウム塩、アルキルケテンダイマー乳化物、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン等のディスパーションが挙げられる。その他の添加剤としては、帯電防止剤として、無機電解質である塩化ナトリウム、塩化カルシウム、ボウ硝等が、吸湿性物質としてグリセリン、ポリエチレングリコール等が挙げられる。その他の添加剤としては、顔料としてクレー、カオリン、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン等が挙げられる。その他の添加剤としては、pH調節剤として塩酸、苛性ソーダ、炭酸ソーダ等が用いられ、その他染料、蛍光増白剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を組み合わせて使用することも可能である。
(インク受理層の顔料)
インク受理層(本発明では、塗工層を凝固キャストコート法により塗工層の表面を加熱された鏡面仕上げ表面に接触させることにより光沢を付与してインク受理層とするが、便宜上、塗工層とインク受理層を区別せずに用いる)の顔料としては、公知の無機微粒子や有機微粒子を用いることができる。顔料としては、例えば、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト等)、アルミナ(α型結晶のアルミナ、θ型結晶のアルミナ、γ型結晶のアルミナ等)、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタン、クレー、酸化亜鉛等を用いることができる。これらの1種または2種以上を混合して用いることができるが、発色性およびインク吸収性の点から合成非晶質シリカを顔料に含むことが必須である。
(インク受理層の結着剤)
インク受理層の結着剤としては、塗工層強度の面より水系バインダー樹脂のポリビニルアルコールは必須である。その他の水系バインダー樹脂も塗工層強度の確保から必要に応じて配合する。なお、「水系」とは、水又は水と少量の有機溶剤からなる媒体中で樹脂が溶解又は分散し、安定化すること(水溶性及び/又は水分散性の樹脂エマルジョン)を意味する。又、水系バインダー樹脂とは水溶性樹脂及び水分散性樹脂を意味する。水系バインダー樹脂は、支持体に塗工する塗工液中では溶解又は粒子となって分散しているが、塗工し乾燥した後に顔料の結着剤となり、インク受理層を形成する。
その他の水系バインダー樹脂としては、例えば、ポリビニルピロリドン;ウレタン樹脂エマルジョン由来のウレタン樹脂;酸化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;カゼイン;ゼラチン;大豆タンパク;スチレン−アクリル樹脂及びその誘導体;スチレン−ブタジエン樹脂ラテックス;アクリル樹脂エマルジョン、酢酸ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニル樹脂エマルジョン、尿素樹脂エマルジョン、アルキッド樹脂エマルジョン及びこれらの誘導体等が挙げられる。これらの水系バインダー樹脂をポリビニルアルコールと混合して用いることができる。
(ポリビニルアルコール)
本発明においては、ポリビニルアルコールは部分鹸化のポリビニルアルコールが好ましい。ポリビニルアルコールの添加量は、インク受理層中の全顔料100質量部に対して5質量部から30質量部であることが好ましい。但し、必要な塗工層強度が得られる限り、結着剤の種類は特に限定されるものではない。
(合成非晶質シリカ)
上記合成非晶質シリカはその製造法により、湿式法シリカと気相法シリカとに大別できる。湿式法で製造された合成非晶質シリカは、顔料の透明性が気相法シリカに劣るが、ポリビニルアルコールと併用した場合の塗料安定性に優れる。さらに、湿式法シリカは、内部空隙の無い気相法シリカに比べて分散性が良好であり、塗料濃度を高くすることが可能である。そのため、インク受理層中の(結着剤に対する)顔料の割合を高くすることができ、インク受理層の吸収性を高くできるので、インク吸収性を向上できると共に染料インクの発色性を向上できる。高い光沢感を得るという点から上記湿式法シリカの二次粒子径は1〜4μmであることが好ましく、BET比表面積は100〜300m/gであることが好ましい。また、透明度の高い塗工層を得るという点から、上記気相法シリカの一次粒子径が4nm〜30nmであることが好ましく、BET比表面積は100〜400m/gであることが好ましい。
なお、インク受理層の顔料として平均粒子径の異なる2種類以上の顔料を用いる場合、「顔料の平均粒子径」とは、各顔料の平均粒子径を各顔料の含有割合で加重平均した値とする。インク受理層の顔料の平均粒子径は1〜4μmであることが好ましい。1μmより小さいとインク吸収性が劣り、4μmを超えると光沢感が低下する傾向にある。
(カチオン性樹脂)
インク受理層中にカチオン性樹脂を含むと、キャストコートによってインク受理層の表面にカチオン性樹脂が付着(存在)する。カチオン性樹脂はインクを定着させ、耐水性が向上する。本発明においては、インク受理層中に共に電気的に陽性のカチオン性樹脂とコロイダルシリカが共存し、両者が凝集することがない。
カチオン性樹脂としては、ポリアミンスルホン、ポリアルキレンポリアミン、ポリアミン縮合物、ポリアリルアミン、ポリジアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、ジシアンジアミド縮合物、カチオン性アクリル樹脂、カチオン性ウレタン樹脂等が挙げられ、これらを1種又は複数種選沢して用いることができる。
インク受理層は、上記した顔料と結着剤を含むが、その他の成分、例えば、増粘剤、消泡剤、抑泡剤、顔料分散剤、離型剤、発泡剤、pH調整剤、表面サイズ剤、着色染料、着色顔料、蛍光染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定化剤、防腐剤、耐水化剤、染料定着剤、界面活性剤、湿潤紙力増強剤、保水剤、カチオン性高分子電解質等を、本発明の効果を損なわない範囲内で、インク受理層の前駆体となる塗工層に適宜添加することができる。
紙支持体上にインク受理層となる塗工液を塗布する方法としては、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブラッシュコーター、キスコーター、スクイズコーター、カーテンコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコーター、ゲートロールコーター、ショートドウェルコーター等の公知の塗工機をオンマシン、又はオフマシンで用いた塗工方法の中から適宜選択して使用することができる。
インク受理層の塗工量は、支持体の表面を覆い、かつ充分なインク吸収性が得られる範囲で任意に調整することができるが、記録濃度及びインク吸収性を両立させる観点から、片面当たり、固形分換算で3〜25g/mであることが好ましく、特に、生産性をも加味すると5〜20g/mであることが好ましい。25g/mを超えると、キャストドラム鏡面仕上げ面からの剥離性が低下し塗工層が鏡面仕上げ面に付着するなどの問題を生じることがある。
本発明において、インク受理層の塗工量を多く必要とする場合には、インク受理層を多層にすることも可能である。また、支持体とインク受理層の間にインク吸収性、接着性その他の各種機能を有するアンダーコート層を設けても良い。さらに、インク受理層を設けた面の反対側にさらにインク吸収性、筆記性、プリンター印字適性他各種機能を有するバックコート層を設けても良い。
(インク受理層の形成)
本発明においては、最表面のインク受理層を凝固キャストコート法で形成することによって光沢を付与する。凝固キャストコート法は、例えば以下のようにして行う。まず、インク受理層となる塗工液を支持体に塗布する。次に、塗工液中の結着剤(特に水系結着剤)を凝固させる作用を有する凝固剤溶液を未乾燥の塗工層に塗布してゲル化させてから、加熱した鏡面仕上げ面に圧着、乾燥する。凝固キャストコート法は、銀塩写真に匹敵する面感、光沢をインク受理層に付与することが可能である。
凝固剤溶液を塗布する際に塗工層が乾燥状態であると鏡面ドラム表面を写し取ることが難しく、得られたインク受理層表面に微小な凹凸が多くなり、銀塩写真並の光沢感を得難い。前記塗工層が湿潤状態にある間に凝固剤溶液を塗布した後、前記塗工層の表面を加熱された鏡面仕上げ表面に接触させて光沢を有する。
(凝固方法)
本発明において凝固方法は、インク受理層用の塗工液中にカチオン性樹脂を配合し、凝固剤溶液中にアニオン性コロイダルシリカを配合することで、アニオン性とカチオン性の凝集反応により凝固させる新たな凝固方法を用いている。
凝固剤溶液を塗布する方法は、塗工層に塗布できる限り特に制限されず、公知の方法(例えばロール方式、スプレー方式、カーテン方式等)の中から適宜選択して用いることができる。
(凝固剤溶液の成分)
本発明に用いる凝固剤溶液は、アニオン性コロイダルシリカを必須に含有する。
(アニオン性コロイダルシリカ)
アニオン性コロイダルシリカは3質量%以上20質量%以下であることが好ましい。3質量未満であると操業性および光沢度が低下する。また、20質量%を超えると凝集体(析出物)が発生し、操業トラブルとなり、インクの定着性に劣り、耐水性も悪化する。
また、凝固剤溶液の濃度は3質量%以上から25質量%未満であることが好ましい。3質量%未満であると凝固剤溶液の付着量(固形分で0.5g/m未満)が足りず、凝固作用が不十分となる。また、25質量%以上であると水溶液に溶解できず、凝集体(析出物)が発生し、操業トラブルとなり、インクの定着性に劣り、耐水性も悪化する。
凝固剤溶液の付着量(固形分)は、0.3g/m以上5g/m以下であることが好ましい。0.3g/m未満であると凝固性に劣り、操業性および光沢感が悪化する。また、5g/mを超えるとインクの定着性に劣り、耐水性が悪化する。
凝固剤中にアニオン性コロイダルシリカを含むと、キャストコートによってインク受理層の表面にアニオン性コロイダルシリカが付着(存在)する。平均粒子径の細かいコロイダルシリカであれば、染料インクの印字濃度が向上する。又、平均粒子径が小さいコロイダルシリカがインク受理層の最表面に存在するため、インク受理層の表面が平滑になり、光沢度が向上する。
アニオン性コロイダルシリカは、その粒子表面が高い陰性電荷を帯びているコロイダルシリカである。アニオン性コロイダルシリカは、例えば、ケイ酸ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られるコロイダルシリカであり、陽性電荷を帯びていない状態である。市販されているアニオン性コロイダルシリカとしては、日産化学工業株式会社製のスノーテックスシリーズ等があげられる。本発明では2種以上のアニオン性コロイダルシリカを混合して使用してもよい。
インク受理層の光沢性、透明度を向上させる観点から、アニオン性コロイダルシリカの平均粒子径は10nm〜70nmの範囲のものが好ましい。アニオン性コロイダルシリカの平均粒子径が10nmより小さいと、塗工層の光沢感は優れるが、染料インクの吸収性が劣る場合がある。一方、アニオン性コロイダルシリカの平均粒子径が70nmより大きいと、塗工層の透明度が低下し、染料インクの印字濃度が低下する場合がある。さらにインク吸収性を補う目的で平均粒子径の大きなものや形状が異なるものを併用してもよい。
又、インク受理層の最表面を平滑にし、光沢度を向上させる観点から、アニオン性コロイダルシリカの平均一次粒子径は、インク受理層に使用する顔料の平均粒子径(加重平均粒子径)より小さいことが好ましい。このようにすると、インク受理層の最表面を微細なアニオン性コロイダルシリカが覆うため、光沢度が向上する。
なお、平均粒子径の異なる2種類以上のアニオン性コロイダルシリカを用いる場合、「アニオン性コロイダルシリカの一次粒子径」とは、各アニオン性コロイダルシリカの平均粒子径を各アニオン性コロイダルシリカの含有割合で加重平均した値とする。同様に、インク受理層の顔料として平均粒子径の異なる2種類以上の顔料を用いる場合、「顔料の一次粒子径」とは、各顔料の平均粒子径を各顔料の含有割合で加重平均した値とする。又、コロイダルシリカの一次粒子径は、例えば、光強度分布解析型の粒子径分布測定装置により測定できる。
ただし、アニオン性コロイダルシリカは、ホウ酸およびホウ酸塩と凝集を起こすため、凝固をコントロールすることが困難である。
そこで本発明において、インク受理層用塗工液にカチオン性樹脂を配合し、凝固用水溶液をアニオン性とし、凝固用水溶液中にホウ酸およびホウ酸塩を含有させなくとも、凝集反応を利用し安定操業を可能としている。
又、上記塗工層及び/又は凝固剤には、必要に応じて剥離剤を添加することができる。剥離剤の融点は90〜150℃であることが好ましく、特に95〜120℃であることが好ましい。上記の温度範囲においては、剥離剤の融点が鏡面仕上げ面の温度とほぼ同等であるため、剥離剤としての能力が最大限に発揮される。剥離剤は上記特性を有していれば、特に限定されるものではないが、ポリエチレン系のワックスエマルジョンを用いることが好ましい。
以下に、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は、特に明示しない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
[実施例1]
広葉樹晒クラフトパルプ(L−BKP)95部と針葉樹晒クラフトパルプ(N−BKP)5部とからなる叩解度300mlのパルプスラリ−に対し、填料として軽質炭酸カルシウム(アルバカー5970:SMI社製)を灰分20%となるように添加し、さらに硫酸アルミニウム1.0部、AKD0.20部、歩留向上剤0.05部を添加した。このスラリーを用いて抄紙機で抄紙し、その際に5%のデンプンと0.2%の表面サイズ剤(AKD)とを固形分で1.5g/mとなるように塗布し、180g/mの紙支持体を得た。
この支持体にエアナイフコーターで下記塗工液Aを8g/m塗工し、塗工層が湿潤状態にある間に、下記凝固用溶液Bを2.0g/m塗布して凝固させ、次いでプレスロールを介して加熱された鏡面仕上げ面に圧着して鏡面を写し取り、190g/mのインクジェット記録媒体を得た。
塗工液A:顔料として、気相法合成非晶質シリカ(アエロジル300:日本アエロジル株式会社製)20部、及び湿式法合成非晶質シリカ(ファインシールX−37:トクヤマ株式会社製)80部、バインダーとしてポリビニルアルコール(PVA217:株式会社クラレ製)20部、カチオン性樹脂(サフトマーST3300、三菱化学株式会社製)3%、消泡剤(SNデフォーマー480:サンノプコ社製)0.1部を配合して濃度18%の塗工液を調整した。
凝固剤溶液B:アニオン性コロイダルシリカ(スノーテックスO:日産化学工業株式会社製)10%、離型剤(メイカテックスHP65:明成化学工業株式会社製)1%、消泡剤(SNデフォーマー480:サンノプコ社製)0.1%を配合の凝固剤溶液Bを調製した。
[実施例2]
凝固剤溶液Bのアニオン性コロイダルシリカ(スノーテックスO:日産化学工業株式会社製)の配合量を20%に変更したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
[実施例3]
凝固剤溶液Bのアニオン性コロイダルシリカ(スノーテックスO:日産化学工業株式会社製)の配合量を3%に変更したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
[比較例1]
凝固剤溶液B中にアニオン性コロイダルシリカを配合しなかったこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
[比較例2]
凝固剤溶液Bのアニオン性コロイダルシリカ(スノーテックスO:日産化学工業株式会社製)の配合量を2%に変更したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
[比較例3]
凝固剤溶液Bのアニオン性コロイダルシリカ(スノーテックスO:日産化学工業株式会社製)の配合量を22%に変更したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
[比較例4]
凝固剤溶液Bのアニオン性コロイダルシリカ(スノーテックスO:日産化学工業株式会社製)に代えて、カチオン性コロイダルシリカ(LUDOX CL グレース社製)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
実施例1〜3、比較例1〜4で得られたインクジェット記録用紙について、以下の項目について評価を行った。得られた結果を表1に示した。
<評価>
1.染料インク印字濃度
得られたインクジェット記録媒体に対し、染料インクジェットプリンター(PM−970C:エプソン株式会社製)を用いて所定のパターンを記録し、記録画像部の鮮やかさを目視で下記の基準によって評価した。評価が△以上であれば実用上問題がない。
◎:非常に鮮やか
○:鮮やか
△:若干鮮やかさが劣る
×:鮮やかに見えない
2.写像性(像鮮明度)
得られたインクジェット記録媒体(のインク受理層面)に対し、JIS−K 7105に準じ、写像性測定器(型番:ICM−1DP、スガ試験機株式会社製)を用いて測定した。測定角度を60度、くし幅2mmの条件で、紙のMD方向を測定した。写像性が60%以上であれば反射した像が鮮明に写り、光沢感に優れている。写像性が60%未満の場合、反射した像が不鮮明に写り、光沢感に劣る。
3.20°光沢度
得られたインクジェット記録媒体のインク受理層表面の未印字部分の20°光沢度をJIS−Z 8741に従い、測定した。光沢度計(村上色彩技術研究所製、True GLOSS GM−26PRO)を用いて測定した。20度光沢度が20%以上であれば実用上問題がない。
4.耐水性
得られたインクジェット記録媒体に対し、染料インクジェットプリンター(PM−970C:エプソン株式会社製)を用いて所定のパターンを記録し、このパターン上に水滴を滴下後3時間静置し、インクの滲みを下記の基準によって目視で評価した。評価が△以上であれば実用上問題がない。
○:滲みが殆ど認められない。
△:滲みがやや認められる。
×:滲みが著しく認められる。
5.塗工性
塗工速度50m/minで20,000mの連続塗工後のキャストドラムの曇り状態を目視にて観察し、下記の基準で評価した。評価が△以上であれば実用上問題がない。
◎:ドラム表面に曇りが、全く無し
○:ドラム表面に僅かに曇りが確認出来るが、ロングラン適性にほぼ問題なし
△:ドラム表面に曇りが確認出来て、問題となるレベル
×:ドラム表面の全面に曇りが多く確認された
Figure 2010234789

表1に示されるように、実施例は、染料インク記録時の印字濃度が高く、写像性、光沢感に優れ、さらに耐水性にも優れていた。さらに、操業性にも優れていた。凝固剤中のアニオン性コロイダルシリカの配合量が3%未満である比較例2は光沢度、写像性ともに劣っていた。凝固剤中のアニオン性コロイダルシリカの配合量が20%を超えた比較例3は耐水性が劣っていた。凝固剤中にアニオン性コロイダルシリカを配合しなかった比較例1、カチオン性コロイダルシリカを配合した比較例4の場合、凝固剤が凝集して塗工できず、インクジェット記録媒体が得られなかった。

Claims (3)

  1. 透気性を含有する紙支持体の少なくとも一方の面に、顔料として合成非晶質シリカ、結着剤としてポリビニルアルコール、及びカチオン性樹脂を含有する塗工層を設けた後、該塗工層の表面に、アニオン性のコロイダルシリカを3質量%以上20質量%以下含有する凝固剤溶液を塗布して凝固キャストコート法によりインク受理層を設けてなるインクジェット用記録媒体。
  2. 前記インク受理層中のカチオン性樹脂がインク定着剤であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット用記録媒体。
  3. 前記凝固剤溶液がホウ酸及び/又はホウ酸塩を含有しないことを特徴とする請求項1記載のインクジェット用記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013059939A (ja) * 2011-09-14 2013-04-04 Hokuetsu Kishu Paper Co Ltd インクジェット記録用光沢紙及びその製造方法

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