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JP2010222618A - Cu−Ni−Si系銅合金圧延板及びそれを用いた電気部品 - Google Patents

Cu−Ni−Si系銅合金圧延板及びそれを用いた電気部品 Download PDF

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JP2010222618A JP2009069536A JP2009069536A JP2010222618A JP 2010222618 A JP2010222618 A JP 2010222618A JP 2009069536 A JP2009069536 A JP 2009069536A JP 2009069536 A JP2009069536 A JP 2009069536A JP 2010222618 A JP2010222618 A JP 2010222618A
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Naofumi Maeda
直文 前田
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Nippon Mining and Metals Co Ltd
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Abstract

【課題】プレス加工性、曲げ加工性及び強度に優れたCu−Ni−Si系銅合金圧延板を提供する。
【解決手段】Niを1.0〜4.0質量%、Siを0.1〜0.8質量%含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる銅合金圧延板であって、X線回折法により板表面から5μmの深さまでの結晶方位を測定したとき、{111}正極点図上のα=0±10°(但し、α:シュルツ法に規定する回折用ゴニオメータの回転軸に垂直な軸)の領域に相当する、せん断集合組織の極密度が2以上8以下であるCu−Ni−Si系銅合金圧延板である。
【選択図】図1

Description

本発明は強度と導電性に優れ、例えば電子機器用のばね材に好適に適用できる銅合金に関する。
端子、コネクタ、スイッチ,リレー等の電気・電子機器用のばね材(コネクタ用材)には優れたばね特性、曲げ加工性、導電性が要求され、従来からりん青銅等が用いられてきた。しかしながら、近年、電子部品の一層の小型化の要請から、従来のりん青銅や黄銅といった固溶強化型銅合金に替わり、コルソン合金、ベリリウム銅およびチタン銅といった析出強化型銅合金が開発されている。
このような端子やコネクタ等は、プレス加工により銅合金素材から所望の形状に成形されるが、電子部品の小型化に伴い、打抜き後の寸法精度が重要になっている。
上記した電子機器用銅合金のプレス加工性を改善する技術として、銅合金の表面にCu層を覆う技術が開示されている(特許文献1参照)。又、銅合金の集合組織の方位を規制することで、プレス加工性を改善する技術が提案されている(特許文献2〜4参照)。
特に、プレス加工で問題となるダレやバリの抑制は、従来から金型の調整で対応されてきたが、電子部品の寸法精度の向上が要求されるのに伴い、ダレが小さくバリが低い材料が求められている。
特開2006−272889号公報 特開2007−186799号公報 特許第3800279号公報 特許第4009981号公報
ところで、通常、冷間圧延において材料の塑性変形に伴い、結晶格子回転が進行し、集合組織が形成されるが、圧延時にロールと接する材料の表層領域では、材料中央部とは異なる集合組織が形成されることが知られている。これは、材料中央部では、板厚方向の圧縮応力と、圧延方向の引張応力とにより材料が変形され、いわゆる圧延集合組織が形成されるのに対し、材料表層部では、ロールとの摩擦力の影響で材料がせん断変形され、表面集合組織(せん断集合組織)が形成されるからである。
そして、本発明者らが検討した結果、銅合金圧延板において、板表面から5μmの深さまでのせん断集合組織の極密度を高めることにより、プレス加工性が大幅に向上することが判明した。
しかしながら、従来の銅合金圧延板の場合、せん断集合組織の極密度が高い部分は、板の極表面に限られ、プレス加工性が十分とはいえない。
図1に、本発明の銅合金圧延板と従来の銅合金圧延板のせん断集合組織の極密度を模式的に示す。従来の銅合金圧延においても、板の極表面のせん断集合組織の極密度は2以上となるが、内部になるにつれて極密度が急激に低下し、板表面から5μmの深さでは極密度が2未満になっている。
以上のように、本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、プレス加工性、曲げ加工性及び強度に優れたCu−Ni−Si系銅合金圧延板の提供を目的とする。
本発明のCu−Ni−Si系銅合金圧延板は、Niを1.0〜4.0質量%、Siを0.1〜0.8質量%含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる銅合金圧延板であって、X線回折法により板表面から5μmの深さまでの結晶方位を測定したとき、{111}正極点図上のα=0±10°(但し、α:シュルツ法に規定する回折用ゴニオメータの回転軸に垂直な軸)の領域に相当する、せん断集合組織の極密度が2以上8以下である。
更にMg、Sn、Zn及びMnの群から選ばれる1種以上を合計0.05〜2.0質量%含有することが好ましい。
更にCoを1.0〜1.5質量%、Crを0.05〜0.2質量%含有することが好ましい。
板表面の十点平均粗さが0.4〜1.2μmであることが好ましい。
本発明の電気部品は、前記Cu−Ni−Si系銅合金圧延板を用いたものである。
本発明によれば、プレス加工性、曲げ加工性及び強度に優れたに優れたCu−Ni−Si系銅合金圧延板が得られる。
以下、本発明に係るCu−Ni−Si系銅合金圧延板の実施の形態について説明する。なお、本発明において%とは、特に断らない限り、質量%(重量%)を示すものとする。
(組成)
[Ni及びSi]
銅合金圧延板中のNiの濃度を1.0〜4.0%とし、Siの濃度を0.1〜0.8%とする。Ni及びSiは、銅合金の溶解時に固溶し、溶体化処理後に熱処理して時効析出させることにより、NiSiを主とする金属間化合物の微細な粒子を形成する。その結果、銅合金の強度が著しく増加し、電気伝導度も高くなる。
Niの濃度が1.0%未満であると、銅合金の充分な強度が得られず、4.0%を超えると熱間圧延で割れが発生する。Siの濃度が0.1%未満であると、銅合金の充分な強度が得られず、0.8%を超えると導電性が低下する。
[Mg、Sn、Zn及びMn]
銅合金圧延板中に、更にMg、Sn、Zn及びMnの群から選ばれる1種以上を合計0.05〜2.0%含有してもよい。
これらの元素の合計が0.05%未満であると、以下に示す応力緩和特性・熱間加工性・強度・耐熱性といった銅合金の特性改善効果が得られず、2.0%を超えると導電性が低下する場合がある。
ここで、Mgは銅合金の応力緩和特性および熱間加工性を改善する効果があるが、0.05%未満では上記効果が得られず、0.2%を超えると鋳造性(鋳肌品質)の低下、熱間加工性およびめっき耐熱剥離性の低下を招く場合があるので、Mgの濃度は0.05〜0.2%であることが好ましい。
Sn及びZnは、銅合金の強度及び耐熱性を改善する効果があり、さらにSnは銅合金の耐応力緩和特性を改善し、Znは銅合金のSnめっき時の耐熱剥離性を改善する。Snの濃度は0.2〜1%であることが好ましく、Znの濃度は0.2〜1%であることが好ましい。SnやZnの濃度が0.2%未満であると上記効果が得られず、1%を超えると導電性が低下する。
Mnは、固溶強化により強度を改善する効果に加え、熱間加工性を改善する効果がある。Mnが0.05%未満では上記効果が得られず、0.15%を超えると導電性が低下するので、Mnの濃度は0.05〜0.15%であることが好ましい。
[Co,Cr]
銅合金圧延板中に、更にCoを1.0〜1.5質量%、Crを0.05〜0.2質量%含有してもよい。CoはSiと金属間化合物を形成し、析出強化により強度を改善する効果がある。Coが1.0%未満では上記効果が得られず、1.5%を超えると導電性が低下し、コストも上昇する。Crは熱間加工性を改善する効果がある。Crが0.05%未満では上記効果が得られず、0.2%を超えると導電性が低下する。
(せん断集合組織の極密度)
通常、冷間圧延において、材料の塑性変形に伴い、結晶格子回転が進行し、集合組織が形成されるが、圧延時にロールと接する材料の表層領域と材料中央部では形成される集合組織に差異があることが知られている(上城ら、日本金属学会誌、p33、36巻,1972年,五弓勇雄編、「金属塑性加工の進歩」、p499、コロナ社、1978年)。これは、材料中央部では、板厚方向の圧縮応力と圧延方向の引張応力とが組み合わさった二軸応力により材料が変形されるのに対して、材料表層部では、ロールとの摩擦力の影響で材料がせん断変形されるためであり、これを表面集合組織(せん断集合組織)と呼んで、圧延集合組織と区別している。例えば、Al板では最適条件下で、板の両面から板厚の30%ずつに表面集合組織が形成され、薄い遷移層によって急激に内部組織に変わることが判明している。本発明者らが検討した結果、銅合金圧延板においては、製造条件を制御する事で表面集合組織を、板厚に対して10〜20%程度形成出来る事が明らかとなった。さらに検討した結果、銅合金圧延板において、表面集合組織(せん断集合組織)を制御することにより、プレス加工性が変化することが判明した。
本発明において、X線回折法により板表面から5μmの深さまでの結晶方位を測定したとき、{111}正極点図上のα=0±10°(但し、α:シュルツ法に規定する回折用ゴニオメータの回転軸に垂直な軸)の領域に相当する、せん断集合組織の極密度を2以上8以下に規定する。
ここで、板表面から5μmの深さまでを対象とする理由は、本発明のCu−Ni−Si系銅合金圧延板を用いて表面集合組織とプレス加工性の関係を調査したところ、5μm以上の表面集合組織が形成されるとプレス加工性に有意な差異が生じた事から、この深さまでを測定対象とした。
以上のようにして、せん断集合組織の極密度が測定される。そして、せん断集合組織の極密度が2以上8以下である圧延板を打抜プレス加工すると、プレス打抜後に発生する材料のダレが従来材に比べて小さく、バリが従来材に比べて低いことが判明した。
板表面から5μmの深さのせん断集合組織の極密度が2未満であると、せん断集合組織が十分に形成されず、ダレが大きくなると共にバリが高くなり、プレス加工性が向上しない。一方、せん断集合組織の極密度が8を超えることは工業的に困難であり極密度の上限を8と設定する。極密度が2以上から3以下の範囲では、せん断集合組織の極密度が増加するのに応じてプレス加工性は向上する(ダレは小さくバリは低くなる)が、極密度が3を超えるとプレス加工性の改善の度合いは鈍化し、極密度が5を超えると、プレス加工性に差異が見られなくなる。又、5を超える高い極密度を得るためには、粘度の高い圧延油の使用や圧延速度の高速化が必要であり、材料の表面粗さが大きくなる。一方、極密度が4.5を超えると、曲げ部加工部にしわが発生するようになる。このようなことから、極密度は2.2以上5以下とするのが好ましく、より好ましくは2.5以上4.5以下とする。
なお、従来の銅合金圧延板の場合、せん断集合組織の極密度が高い部分は、板の極表面に限られるので、プレス加工性が十分とはいえない。図1は、本発明の銅合金圧延板と従来の銅合金圧延板のせん断集合組織の極密度を模式的に示す。従来の銅合金圧延においても、板の極表面のせん断集合組織の極密度は2以上となるが、内部になるにつれて極密度が急激に低下し、板表面から5μmの深さでは極密度が2未満になっている。
板表面から5μmの深さまでのせん断集合組織の極密度を、2以上8以下に制御する方法としては、最終冷間圧延時のロールと銅合金圧延素材との間の摩擦力を高める方法が挙げられる。具体的には最終冷間圧延時の、1)圧延油の粘度を高くする、2)圧延ロールの粗度を高くする、3)圧延速度を高くする(ロール径を小さくする)、ことが挙げられる。
通常、冷間圧延時の圧延油の粘度は0.03〜0.06cm/s程度であり、最終冷間圧延時の圧延油の粘度を0.06cm/s以上とすることで、せん断集合組織の極密度を2以上8以下にすることができる。
なお、本発明の銅合金圧延板は、固溶したNi及びSiを熱処理して時効析出させるが、時効処理と上記最終冷間圧延の順序はいずれが先であってもよい。
本発明の銅合金圧延板において、板表面の十点平均粗さが0.4〜1.2μmであることが好ましい。板表面の十点平均粗さが0.4μm未満であると、プレス時に金型と材料間に潤滑油が十分に供給されず、破断面の比率やバリが高くなる場合がある。又、通常の方法で銅合金圧延板を製造した場合、板表面の十点平均粗さが1.2μmを超えることはない。
(製造方法)
本発明の銅合金圧延板の製造プロセスは以下の通りである。まず、電気銅又は無酸素銅を主原料とし、上記化学成分その他を添加した組成を木炭被覆下で大気溶解し、インゴットを作製する。インゴットを熱間圧延した後、熱処理と冷間圧延を繰り返し所望の条または箔を作製する。熱処理には溶体化処理と時効処理があり、溶体化処理では700〜1000℃の高温域で材料を加熱し、母相に析出物の構成元素(Ni・Siおよび副成分)を固溶させる。その後、300〜600℃の温度域で時効処理を実施し、母相から微細な化合物を析出させ、強度を向上させる。時効前または時効後により高い強度を得る為、冷間圧延を行なうことがある。また、冷間圧延後に歪取焼鈍を実施する事もある。
本発明の銅合金圧延板は、ばね用材料(条)、箔等の種々の形態とすることができる。例えば、本発明の銅合金をばね材用の条とした場合、リードフレーム、コネクタ、ピン、端子、リレー、スイッチ等の電気部品に適用可能である。コネクタとしては、公知のあらゆる形態、構造のものに適用できるが、通常はオス(ジャック、プラグ)とメス(ソケット、レセプタクル)からなっている。端子は、例えば串状の多数のピンが並設され、他のコネクタと嵌合した際に端子同士が電気的に接触するよう、適宜折り曲げられてバネのようになっていることがある。そして、通常、コネクタの端子が本発明の銅合金圧延板で構成されている。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
1.試料の作製
電気銅に、Ni1.6%、Si0.4%、Sn0.4%、及びZn0.5%をそれぞれ添加して木炭被覆下の大気溶解炉中で溶解し、溶湯を攪拌した。その後、鋳込み温度1250℃でインゴットを鋳造し、これを900℃の温度で3時間の焼鈍後、板厚11mmまで熱間圧延した。熱間圧延材の表層の酸化スケールを面削で除去した後、板厚0.24mmまで冷間圧延を施し、さらに表1に示す溶体化温度で1分間の溶体化処理を施し、圧延板試料を得た。次に、450℃で10時間の条件で時効処理を施した後、0.2mmまで最終冷間圧延した。最終冷間圧延時の圧延速度及び圧延油の粘度を表1に示すように変化させて、せん断集合組織の極密度を調整した。
2.せん断集合組織の極密度の測定
X線ディフラクトメータ(株式会社リガク製 RINT2500)により、各試料の{111}正極点測定を反射法で行い、{111}正極点図を作製した。但し、反射法では、試料面に対するX線の入射角が浅くなると測定が困難になるため、実際に測定できる角度範囲は正極点図上で0°≦α≦75°、0°≦β≦360°(但し、α:シュルツ法に規定する回折用ゴニオメータの回転軸に垂直な軸、β:前記回転軸に平行な軸)となる。
測定では、αとβの回転間隔Δα、Δβを5°として上記した角度範囲内を走査し、16×73=1168点のX線強度を測定した。この際、集合組織を有しない状態(すなわち結晶方位がランダムである状態)を1として正極点図上の集合組織の強度を規格化した。結晶方位がランダムである状態として、銅粉末試料の{111}正極点測定を行い、これを1とした。
なお、X線照射条件として、Co管球を使用し、管電圧30kV、管電流100mAとし、板表面から5μmの深さまでX線が浸透するよう、条件を設定した。
以上のようにして、せん断集合組織に相当する{111}正極点図上のα=0°±10°の範囲の結晶方位の極密度を測定し、この範囲内における極密度の最大値を、せん断集合組織の極密度と定義した。
3.ダレの大きさ
各試料について、金型クリアランスを10%とし、250spmの打抜き速度で、長さ30mm、幅0.5mmのリードを打抜き、コンフォーカル顕微鏡で打ち抜き材の断面を撮影した。撮影画像のうち、打ち抜き開始面側の最も高さの高い部分(打ち抜き材の中央部で打ち抜き位置から遠い部分)と、最も高さの低い部分(打ち抜き位置であって、材料がダレて下がっている部分)との高度差を、ダレの大きさと定義した。
ダレの大きさが30μm以内であれば、ダレが小さくて良好と判定した。
4.バリの高さ
各試料について、金型クリアランスを10%とし、250spmの打抜き速度で、長さ30mm、幅0.5mmのリードを打抜き、コンフォーカル顕微鏡で打ち抜き材の断面を撮影した。撮影画像のうち、打ち抜き終了面側の最も高さの高い部分と、最も高さの低い部分との高度差を、バリの高さと定義した。
バリの高さが10μm以内であれば、バリが低く良好と判定した。
5.曲げ加工性
日本伸銅協会(JBMA)技術標準 T307(1999年)に従って、曲げ半径を0.1mmとし、曲げ軸が圧延方向に平行になるように、曲げ試験を実施した。同技術標準の5段階の評価A〜Eに対応し、以下のような基準で評価した。
○:同技術標準のA(良好)なもの
△:同技術標準のB(しわ小)及びC(しわ大)
×:同技術標準のD(割れ小)及びE(割れ大)
6.引張強さ
各試料について、圧延方向に平行な方向に、JISZ2241に準拠して引張試験を行い、引張強さを求めた。引張強さが650MPa以上であれば、ばね材として良好である。
得られた結果を表1に示す。
Figure 2010222618
表1から明らかなように、発明例1〜11の場合、ダレが小さくバリが低く、プレス加工性に優れ、曲げ加工性も良好であった。さらに引張強さも高いものとなった。
一方、最終冷間圧延時の圧延速度が160mpm未満である比較例1、比較例3および比較例5の場合、せん断集合組織の極密度が2未満となり、ダレが大きくバリが高く、プレス加工性が劣化した。
比較例2および比較例6の場合、圧延油の粘度が0.03cm/s以下と低く、せん断集合組織の極密度が2未満となり、ダレが大きくバリが高く、プレス加工性が劣化した。
比較例4の場合、溶体化温度が700℃と低く、せん断集合組織の極密度が2未満となり、ダレが大きくバリが高く、プレス加工性が劣化した。これは、溶体化温度が低いため、溶体化処理時に再結晶が起こらず、溶体化処理以前に形成された圧延集合組織の影響により、所望のせん断集合組織が得られない事が原因である。なお、適正な溶体化温度の範囲は、銅合金圧延板の組成によって変動し、発明例に適用された760〜830℃の温度域に限定されるものではない。
<実施例2>
電気銅に、Ni、Si、Mg、Sn、Zn、Co及びCrをそれぞれ表2に示す割合で添加して大気溶解炉中で溶解し、溶湯を攪拌した。その後、鋳込み温度1250℃でインゴットを鋳造し、900℃の温度で3時間の焼鈍後、板厚11mmまで熱間圧延した。熱間圧延材の表層の酸化スケールを面削で除去した後、板厚0.24mmまで冷間圧延を施し、さらに表3の溶体化温度で1分間の溶体化処理を施し、圧延板試料を得た。次に、450℃で10時間の条件で時効処理を施した後、0.2mmまで最終冷間圧延を実施した。最終冷間圧延時の圧延速度及び圧延油の粘度を、表3に示す値とした。各試料について、引張強さを除き、実施例1と全く同様の評価を行った。引張強さについては、組成の影響を大きく受けるため、600MPa以上を強度が良好と判定した。各試料の成分及び得られた結果をそれぞれ表2、表3に示す。
Figure 2010222618
Figure 2010222618
表3から明らかなように、発明例12〜23の試料は、いずれもダレが小さくバリが低く、プレス加工性に優れ、曲げ加工性も良好であった。さらに引張強さも良好であった。
Niが1.0質量%未満である比較例7の場合、プレス加工性は良好なものの、強度が低下した。Niが4.0質量%を超えると共に、Siが0.8質量%を超えた比較例8の場合、熱間圧延時に割れが発生し、試料作製ができなかった。
本発明の銅合金圧延板と従来の銅合金圧延板のせん断集合組織の極密度を示す模式図である。

Claims (5)

  1. Niを1.0〜4.0質量%、Siを0.1〜0.8質量%含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる銅合金圧延板であって、X線回折法により板表面から5μmの深さまでの結晶方位を測定したとき、{111}正極点図上のα=0±10°(但し、α:シュルツ法に規定する回折用ゴニオメータの回転軸に垂直な軸)の領域に相当する、せん断集合組織の極密度が2以上8以下であるCu−Ni−Si系銅合金圧延板。
  2. 更にMg、Sn、Zn及びMnの群から選ばれる1種以上を合計0.05〜2.0質量%含有する請求項1に記載のCu−Ni−Si系銅合金圧延板。
  3. 更にCoを1.0〜1.5質量%、Crを0.05〜0.2質量%含有する請求項1又は2に記載のCu−Ni−Si系銅合金圧延板。
  4. 板表面の十点平均粗さが0.4〜1.2μmである請求項1〜3のいずれか記載のCu−Ni−Si系銅合金圧延板。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のCu−Ni−Si系銅合金圧延板を用いた電気部品。
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