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JP2010220348A - 圧電アクチュエータの製造方法、及び、圧電アクチュエータ - Google Patents

圧電アクチュエータの製造方法、及び、圧電アクチュエータ Download PDF

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JP2010220348A
JP2010220348A JP2009062983A JP2009062983A JP2010220348A JP 2010220348 A JP2010220348 A JP 2010220348A JP 2009062983 A JP2009062983 A JP 2009062983A JP 2009062983 A JP2009062983 A JP 2009062983A JP 2010220348 A JP2010220348 A JP 2010220348A
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Koichiro Hara
光一郎 原
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Abstract

【課題】寸法精度が高い溝を容易に形成する。
【解決手段】振動板40の圧力室24と対向することとなる領域の搬送方向に関する両端部の外側に、走査方向に沿って延在した貫通孔40aを形成する(貫通孔形成工程)。振動板40のいずれか一方の面に貫通孔40aを閉塞するように閉塞層70を接合する(閉塞層形成工程)。振動板40の上面、振動板40の貫通孔40aの内壁、及び、振動板40の貫通孔40aから露出した閉塞層70の上面に跨って、薄膜62を形成する(成膜工程)。薄膜62の表面に、圧電材料を用いて、圧電材料の粒子を堆積させることにより圧電層41を形成する(圧電層形成工程)。閉塞層70を加熱して除去する(除去工程)。
【選択図】 図7

Description

本発明は、圧電層の変形により振動板の変形許容部を変形させて対象を駆動する圧電アクチュエータに関する。
従来から、振動板と振動板の一表面に配置された圧電層とを有し、電界が作用したときの圧電層の変形(圧電歪)を利用して駆動対象を駆動する圧電アクチュエータが知られている。このような圧電アクチュエータは、振動板の一部分が拘束されていない変形許容部となっており、振動板の変形許容部と面方向に隣接する部分が駆動対象に接合され、変形が拘束された拘束部となっている。そして、変形許容部と対向する圧電層の部分に電界が作用したときの圧電層の伸縮により、変形許容部と拘束部の境界を端として、変形許容部が圧電層と反対側に撓むことで駆動対象を駆動している。このような振動板の変形許容部の変形を促進するためには、圧電アクチュエータの振動板の曲げ剛性を低下させるために、薄い振動板を用いることが考えられる。しかしながら、薄い振動板は製造工程における取り扱いが困難である。そのため、特許文献1では、エッチングにより振動板に溝を形成して、振動板の曲げ剛性を低下させている。
特開2006−44242号公報(図16)
ところで、振動板に形成された溝の寸法精度が低いと、圧電層を駆動させたときに、変形許容部において所定の変位が得られないことがある。そこで、振動板に寸法精度が高い溝を形成したいが、特許文献1に記載されているように、エッチングにより振動板に溝を形成しようとすると、寸法精度の高い溝を形成するのは困難である。
そこで、本発明の目的は、寸法精度が高い溝を容易に形成することができる圧電アクチュエータの製造方法及び圧電アクチュエータを提供することである。
本発明の圧電アクチュエータの製造方法は、変形が拘束される拘束部と、この拘束部と面方向に隣接し、且つ、変形が許容される変形許容部を有する振動板と、前記振動板の一表面の前記変形許容部と対向する領域に配置される圧電層とを備えた圧電アクチュエータの製造方法であって、前記振動板の、前記拘束部と前記変形許容部の境界近傍に、貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、前記振動板のいずれか一方の面に、前記貫通孔を閉塞するための閉塞層を形成する閉塞層形成工程と、前記貫通孔が前記閉塞層により塞がれた状態で、前記閉塞層の前記貫通孔側の面に、前記振動板よりも薄い薄膜を成膜する成膜工程と、前記閉塞層を除去する除去工程と、前記振動板の一表面の、前記変形許容部と対向する領域に、前記圧電層を形成する圧電層形成工程と、を備えている。なお、貫通孔形成工程と閉塞層形成工程はどちらが先に行われてもよい。また、除去工程と圧電層形成工程はどちらが先に行われてもよい。
本発明の圧電アクチュエータの製造方法によると、振動板の、拘束部と変形許容部の境界近傍に貫通孔を形成するとともに、この貫通孔を閉塞層で塞いだ状態で、貫通孔内の閉塞層に薄膜を成膜してから、閉塞層を除去している。これにより、振動板の貫通孔に薄膜が成膜されて溝形状となり、振動板にエッチングなどで溝形状を加工する場合に必要となる、加工時の溝深さの管理が不要であり、寸法精度(特に、深さの精度)が高い溝を容易に形成することができる。
また、前記振動板は、少なくともその面方向に平行な一方向において、前記変形許容部が前記拘束部に挟まれた構成を有するものであり、前記貫通孔形成工程において、前記拘束部と前記変形許容部の、前記一方向における2つの境界近傍のそれぞれに、前記貫通孔を形成することが好ましい。このように、変形許容部が拘束部によって面方向に挟まれる構成では、2つの境界近傍のそれぞれに貫通孔を形成して溝を設けることで、変形許容部の変形を促進することができる。
また、前記振動板は、前記変形許容部が前記拘束部によって囲まれた構成を有するものであり、前記貫通孔形成工程において、前記拘束部と前記変形許容部の環状の境界に沿って前記貫通孔を環状に形成してもよい。このように、変形許容部が拘束部によって囲まれる構成では、境界全周に環状の貫通孔を形成して溝を設けることで、変形許容部の変形を促進することができる。
また、前記閉塞層形成工程において前記振動板に前記閉塞層を形成した後に、前記貫通孔形成工程において前記振動板に前記貫通孔を形成することが好ましい。振動板に貫通孔を形成すると、振動板の剛性が低下して取り扱いが困難になる。また、特に境界全周にわたって貫通孔を形成した場合では、振動板の変形許容部と拘束部とが分離してしまう。そこで、振動板に閉塞層を形成した後に、振動板に貫通孔を形成することで、貫通孔形成後の振動板の取り扱いが容易となる。
このとき、前記閉塞層形成工程において、前記閉塞層を前記振動板とは異なる材料で形成し、前記貫通孔形成工程において、前記振動板にエッチングまたは、レーザ光を照射することにより前記貫通孔を形成することが好ましい。先に閉塞層を形成してから、振動板に貫通孔を形成する場合に、閉塞層を貫かないようにするには、振動板と閉塞層を異種材料でそれぞれ形成し、選択的エッチングで振動板のみに貫通孔を形成する方法を好適に採用することができる。また、振動板と閉塞層を異種材料でそれぞれ形成し、レーザ光のパワー密度を適宜設定して照射することで、振動板のみに貫通孔を形成する方法を好適に採用することができる。
このとき、さらに、前記振動板が金属板であり、前記閉塞層形成工程において、前記閉塞層を樹脂材料で形成し、前記貫通孔形成工程において、前記振動板にエッチングにより前記貫通孔を形成することが好ましい。このように、振動板を金属材料、閉塞層を樹脂材料とすれば、振動板のみをエッチングすることが容易である。
また、前記閉塞層形成工程において、前記振動板の前記一表面と反対側の面に閉塞層を形成し、前記圧電層形成工程において、エアロゾルデポジション法により前記圧電層を形成することが好ましい。振動板の貫通孔内の薄膜上に圧電材料が堆積すると、変形許容部の変形促進効果が低下するが、圧電層と同じ面に凹状部分を有する振動板において、圧電層をエアロゾルデポジション法で成膜する場合には、凹状部分には圧電材料が堆積しにくい。したがって、圧電層成膜方法としてエアロゾルデポジション法を採用すれば、貫通孔内の薄膜に圧電材料が堆積しないように、特別な工夫(例えば、マスクで貫通孔を封止するなど)を行う必要がない。
このとき、前記圧電層形成工程で形成された前記圧電層を、所定のアニール温度まで加熱してアニール処理を行うアニール処理工程をさらに備えており、前記アニール処理工程において、前記アニール温度を前記閉塞層の融点、または、熱分解温度以上に設定し、前記圧電層を、前記振動板及び前記閉塞層とともに前記アニール温度まで加熱することで、前記圧電層のアニール処理と前記閉塞層の除去を行うことが好ましい。これにより、アニール処理時に閉塞層の除去をあわせて行うことができ、閉塞層の除去のための特別な工程が不要になり、製造工程を簡略化することができる。
本発明の圧電アクチュエータは、変形が拘束される拘束部と、この拘束部と面方向に隣接し、且つ、変形が許容される変形許容部を有する振動板と、前記振動板の一表面の、前記変形許容部と対向する領域に配置される圧電層を備えており、前記振動板の、前記拘束部と前記変形許容部の境界近傍に貫通孔が形成され、さらに、前記振動板の前記貫通孔内には、この貫通孔を塞ぐように、前記振動板よりも薄い薄膜が設けられている。
本発明の圧電アクチュエータによると、製造工程として、振動板の、拘束部と変形許容部の境界近傍に貫通孔を形成するとともに、この貫通孔を閉塞層で塞いだ状態で、貫通孔内の閉塞層に薄膜を成膜してから、閉塞層を除去する工程が挙げられる。これにより、振動板の貫通孔に薄膜が成膜されて溝形状となり、振動板にエッチングなどで溝形状を加工する場合には必要となる、加工時の溝深さの管理が不要であり、寸法精度(特に、深さの精度)が高い溝を容易に形成することができる。
また、前記振動板は、絶縁材料で形成され、前記薄膜は、導電性材料で形成されるとともに、前記貫通孔から、前記振動板の前記一表面の前記変形許容部と対向する領域まで延在しており、前記振動板の前記一表面の前記変形許容部と対向する領域に配置された前記圧電層の、前記振動板と反対側の面には電極が配置され、前記圧電層が、導電性材料からなる前記薄膜と前記電極とによって厚み方向に挟まれていることが好ましい。これによると、導電性材料からなる薄膜を、変形許容部まで延在させることにより、この薄膜を、圧電層に電界を作用させるための一方の電極として使用することができる。
振動板にエッチングなどで溝形状を加工する場合には必要となる、加工時の溝深さの管理が不要であり、寸法精度が高い溝を容易に形成することができる。
本実施形態に係るインクジェットプリンタの概略構成図である。 インクジェットヘッドの平面図である。 図2の一部拡大図である。 図3のIV−IV線断面図である。 図3のV−V線断面図である。 インクジェットヘッドの製造工程を概略的に説明する図である。 圧電アクチュエータの製造工程を説明する図である。 変形例1における圧電アクチュエータの製造工程を説明する図である。 変形例2における圧電アクチュエータの製造工程を説明する図である。 変形例3における圧電アクチュエータの製造工程を説明する図である。 変形例における図3のIV−IV線断面図である。 変形例におけるインクジェットヘッドの縦断面図である。
次に、本発明の実施形態について説明する。本実施形態は、記録用紙に対してインクを噴射することで記録用紙に画像や文字を記録するためのインクジェットヘッドを有するインクジェットプリンタに本発明を適用した一例である。
まず、本実施形態のインクジェットプリンタ1の概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係るインクジェットプリンタの概略平面図である。図1に示すように、プリンタ1は、所定の走査方向(図1の左右方向)に沿って往復移動可能に構成されたキャリッジ2と、このキャリッジ2に搭載されたインクジェットヘッド3と、記録用紙Pを走査方向と直交する搬送方向に搬送する搬送機構4などを備えている。
キャリッジ2は、走査方向(図1の左右方向)に平行に延びる2本のガイド軸17に沿って往復移動可能に構成されている。また、キャリッジ2には、無端ベルト18が連結されており、キャリッジ駆動モータ19によって無端ベルト18が走行駆動されたときに、キャリッジ2は、無端ベルト18の走行に伴って走査方向に移動するようになっている。なお、プリンタ1には、走査方向に間隔を空けて配列された多数の透光部(スリット)を有するリニアエンコーダ10が設けられている。一方、キャリッジ2には、発光素子と受光素子とを有する透過型のフォトセンサ11が設けられている。そして、プリンタ1は、キャリッジ2の移動中にフォトセンサ11が検出したリニアエンコーダ10の透光部の計数値(検出回数)から、キャリッジ2の走査方向に関する現在位置を認識できるようになっている。
このキャリッジ2には、インクジェットヘッド3が搭載されている。インクジェットヘッド3は、その下面(図1の紙面向こう側の面)に多数のノズル30(図2参照)を有している。このインクジェットヘッド3は、搬送機構4により図1の下方(搬送方向)に搬送される記録用紙Pに対して、図示しないインクカートリッジから供給されたインクを多数のノズル30から噴射するように構成されている。
搬送機構4は、インクジェットヘッド3よりも搬送方向上流側に配置された給紙ローラ12と、インクジェットヘッド3よりも搬送方向下流側に配置された排紙ローラ13と、を有している。給紙ローラ12と排紙ローラ13は、それぞれ、給紙モータ14と排紙モータ15により回転駆動される。そして、この搬送機構4は、給紙ローラ12により、記録用紙Pを図1の上方からインクジェットヘッド3へ搬送するとともに、排紙ローラ13により、インクジェットヘッド3によって画像や文字などが記録された記録用紙Pを図1の下方へ排出する。
次に、インクジェットヘッド3について説明する。図2は、インクジェットヘッドの平面図である。図3は、図2の一部拡大図である。図4は、図3のIV−IV線断面図である。図5は、図3のV−V線断面図である。図2〜図5に示すように、インクジェットヘッド3は、ノズル30や圧力室24を含むインク流路が形成された流路ユニット6と、圧力室24内のインクに圧力を付与する圧電アクチュエータ7と、を有している。
まず、流路ユニット6について説明する。図4に示すように、流路ユニット6はキャビティプレート20、ベースプレート21、マニホールドプレート22、及びノズルプレート23を有しており、これら4枚のプレート20〜23が積層状態で接合されている。このうち、キャビティプレート20、ベースプレート21及びマニホールドプレート22は、それぞれ、ステンレス鋼などの金属材料からなる平面視で略矩形状の板である。そのため、これら3枚のプレート20〜22に、後述するマニホールド27や圧力室24などのインク流路をエッチングにより容易に形成することができるようになっている。また、ノズルプレート23は、例えば、ポリイミドなどの高分子合成樹脂材料により形成され、マニホールドプレート22の下面に接着剤で接合される。
図2〜図5に示すように、4枚のプレート20〜23のうち、最も上方に位置するキャビティプレート20には、平面に沿って配列された複数の圧力室24がプレート20を貫通する孔により形成されている。また、複数の圧力室24は、搬送方向(図2の上下方向)に千鳥状に2列に配列されている。また、図4に示すように、複数の圧力室24は上下両側から後述の振動板40及びベースプレート21によりそれぞれ覆われている。さらに、各圧力室24は、平面視で走査方向(図2の左右方向)に長い、略楕円形状に形成されている。
図3及び図4に示すように、ベースプレート21の、平面視で圧力室24の長手方向両端部と重なる位置には、それぞれ連通孔25、26が形成されている。また、マニホールドプレート22には、平面視で、2列に配列された圧力室24の連通孔25側の部分と重なるように、搬送方向に延びる2つのマニホールド27が形成されている。これら2つのマニホールド27は、キャビティプレート20に形成されたインク供給口28(図2参照)に連通しており、図示しないインクカートリッジからインク供給口28を介してマニホールド27へインクが供給される。さらに、マニホールドプレート22の、平面視で複数の圧力室24のマニホールド27と反対側の端部と重なる位置には、それぞれ、複数の連通孔26に連なる複数の連通孔29が形成されている。
さらに、ノズルプレート23の、平面視で複数の連通孔29にそれぞれ重なる位置には、複数のノズル30が形成されている。図2に示すように、複数のノズル30は、搬送方向に沿って2列に配列された複数の圧力室24の、マニホールド27と反対側の端部とそれぞれ重なるように配置されている。
そして、図4に示すように、マニホールド27は連通孔25を介して圧力室24に連通し、さらに、圧力室24は、連通孔26、29を介してノズル30に連通している。このように、流路ユニット6内には、マニホールド27から圧力室24を経てノズル30に至る個別インク流路31が複数形成されている。
次に、圧電アクチュエータ7について説明する。図2〜図5に示すように、圧電アクチュエータ7は、複数の圧力室24を覆うように流路ユニット6(キャビティプレート20)の上面に配置され、振動板40及び薄膜62からなる振動層63と、振動層63(薄膜62)の上面に、複数の圧力室24と対向するように配置された圧電層41と、圧電層41の上面に配置された複数の個別電極42と、を有している。
振動板40は、プレート20〜23と同様にステンレス鋼などの金属材料からなる平面視で略矩形状の板である。この振動板40は、キャビティプレート20の上面に複数の圧力室24を覆うように配設された状態で、キャビティプレート20に接合されている。この圧力室24内のインクと接触する振動板40は金属材料からなるため、インクが浸透しにくく、圧電層41と圧力室24内のインクが接触することを防止する役割も有する。この振動板40の各圧力室24と対向した領域は、圧力室24内の容積を変動させるために変形可能な変形許容部80であり、振動板40のキャビティプレート20と接合されている領域が、変形が拘束される拘束部81となっている。変形許容部80は、拘束部81によって囲まれた構成となっており、拘束部との境界を端として圧力室24側に変形可能となっている。
また、振動板40の拘束部81と変形許容部80の境界近傍、具体的には、振動板40の圧力室24と対向した領域(変形許容部80)の搬送方向に関する両端部(変形許容部80と拘束部81の境界)の外側には、走査方向に沿って延在し、厚み方向に貫通した貫通孔40aがそれぞれ形成されている。貫通孔40aは、各圧力室24に対応して2つずつ形成されている。この貫通孔40aは、形成対象がステンレス鋼などの金属材料からなる振動板40であるため、エッチングやレーザ加工などで容易に形成することができる。
薄膜62は、ニッケルから形成された薄い金属膜である。この薄膜62は、振動板40の上面、振動板40の貫通孔40aの内壁、及び、振動板40の貫通孔40aから露出したキャビティプレート20の上面に跨って配置されている。このように、薄膜62が貫通孔40a内に凹んで形成されていることで、振動層63には、圧力室24と対向した領域の搬送方向に関する両端部の外側に、走査方向に沿って延在し、キャビティプレート20と反対側(圧電層41側)に開口した溝64がそれぞれ形成される。この溝64の深さは、一般的なめっきの形成方法や蒸着方法などにより成膜された薄膜62の厚みのみに依存しているため、ハーフエッチング、レーザ加工や機械加工などの削ることで溝を形成する方法により振動板単体に溝を形成する場合に比べて、高い精度で形成される。
導電性を有する振動層63は、圧電層41の下面側に配置されることによって、上面の複数の個別電極42との間で圧電層41に厚み方向の電界を生じさせる、共通電極を兼ねている。この共通電極としての振動層63は、圧電アクチュエータ7を駆動するヘッドドライバ(図示省略)のグランド配線に接続されて、常にグランド電位に保持される。
圧電層41は、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との固溶体であり強誘電体であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とする圧電材料からなる。図2に示すように、この圧電層41は、薄膜62の上面において、複数の圧力室24に跨って連続的に形成されている。この圧電層41は、溝64と重なる領域には形成されていない。また、圧電層41は、少なくとも圧力室24と対向する領域において厚み方向に分極されている。
圧電層41の上面の、複数の圧力室24と対向する領域には、複数の個別電極42がそれぞれ配置されている。各々の個別電極42は圧力室24よりも一回り小さい略楕円形の平面形状を有し、圧力室24の中央部と対向している。また、複数の個別電極42の端部からは、複数の接点部45が個別電極42の長手方向に沿ってそれぞれ引き出されている。これら複数の接点部45は、図示しないフレキシブルプリント配線板(Flexible Printed Circuit:FPC)を介してヘッドドライバ(図示省略)と電気的に接続されている。これにより、ヘッドドライバから複数の個別電極42に対して、所定の駆動電位とグランド電位の2種類の電位のうち、何れか一方の電位を選択的に付与することが可能となっている。
次に、インク噴射時における圧電アクチュエータ7の作用について説明する。ある個別電極42に対して、ヘッドドライバから所定の駆動電位が付与されたときには、この駆動電位が付与された個別電極42とグランド電位に保持されている共通電極としての振動層63との間に電位差が生じ、個別電極42と振動層63の間に挟まれた圧電層41に厚み方向の電界が作用する。この電界の方向は圧電層41の分極方向と平行であるから、個別電極42と対向する領域(活性領域)の圧電層41が厚み方向と直交する面方向に収縮する。
ここで、圧電層41の下側の振動層63(振動板40)はキャビティプレート20に固定されているため、この振動層63の上面に位置する圧電層41が面方向に収縮するのに伴って、振動板40の変形許容部80を含む振動層63の圧力室24を覆う部分が圧力室24側に凸となるように変形する(ユニモルフ変形)。このとき、圧力室24内の容積が減少するために圧力室24内のインク圧力が上昇し、この圧力室24に連通するノズル30からインクが噴射される。
このとき、振動層63に圧力室24と重なる領域を面方向に挟んで溝64が形成されていることで、この溝64近傍の振動板40とキャビティプレート20との接合部において、振動層63の剛性が低くなり、振動層63の圧力室24と重なる領域の変形量を大きくすることができる。振動層63の圧力室24と重なる領域の変形が大きくなると、圧力室24の変形量も大きくなるため、圧力室24内のインクに高い圧力を付与することができる。そのため、低い電圧でも所定の速度でインクを吐出させることができ、駆動電圧の低電圧化も可能となる。
次に、上述したインクジェットヘッド3の製造工程について説明する。図6は、インクジェットヘッドの製造工程を概略的に説明する図である。図7は、圧電アクチュエータの製造工程を説明する図である。本実施形態では、図6(a)に示すように、流路ユニット6と圧電アクチュエータ7とを別々の工程で製造した後、流路ユニット6の上面に圧電アクチュエータ7を接合して、図6(b)に示すように、インクジェットヘッド3を作製する。
(流路ユニット製造工程)
まず、流路ユニット6を構成する4枚のプレート20〜23のうち、金属製のキャビティプレート20、ベースプレート21、及び、マニホールドプレート22の3枚のプレートに、圧力室24やマニホールド27などのインク流路を構成する孔を、エッチングにより形成する。また、合成樹脂製のノズルプレート23に、レーザ加工により複数のノズル30を形成する。そして、4枚のプレート20〜23を互いに積層した状態で接着剤により接合し、流路ユニット6を完成させる。
あるいは、3枚の金属製のプレート20〜23を積層した状態で、高温(例えば、900℃程度)に加熱しながらプレート積層方向に押圧することで、3枚のプレート20〜23を金属拡散接合により接合してもよい。この場合には、金属拡散接合によって得られた3枚のプレート20〜23の積層体に、合成樹脂製のノズルプレート23を接着剤で接合する。
(圧電アクチュエータ製造工程)
次に、圧電アクチュエータ7の製造工程では、図7(a)に示すように、振動板40の圧力室24と対向することとなる領域の搬送方向に関する両端部の外側に、走査方向に沿って延在した貫通孔40aをエッチングやレーザ加工などにより形成する(貫通孔形成工程)。そして、図7(b)に示すように、振動板40のいずれか一方の面に、貫通孔40aを閉塞するように、閉塞層70となるポリイミド樹脂などの樹脂材料からなるフィルムを接着剤などで接合する(閉塞層形成工程)。
次に、図7(c)に示すように、貫通孔40aが閉塞層70により塞がれた状態で、振動板40の上面、振動板40の貫通孔40aの内壁、及び、振動板40の貫通孔40aから露出した閉塞層70の上面に跨って、振動板40よりも薄い薄膜62を形成する(成膜工程)。この薄膜62の形成方法としては、まず、薄膜62を形成したい面上に付着した油脂や汚れを除去した後、クロム酸などでこの面上を化学的に粗面化して、残ったクロム化合物を塩酸などで除去する。
そして、粗面化した面上に触媒金属(例えば、Pd−Sn錯体)を吸着させて、スズ塩を溶解させ、酸化還元反応により金属パラジウムを生成する。その後、めっき液中の還元剤が触媒活性なパラジウム表面で酸化されるときに放出される電子によって、ニッケルイオンを還元し、振動板40の上面、振動板40の貫通孔40aの内壁、及び、振動板40の貫通孔40aから露出した閉塞層70の上面に跨った面上にニッケルめっきからなる、厚みの均一な薄膜62を形成する。
これにより、厚みのある振動板40に貫通孔40aを塞ぐように薄膜62が形成され、振動板40と薄膜62からなる振動層63の、圧力室24と対向することとなる領域の搬送方向に関する両端部の外側に、走査方向に沿って延在した溝64を形成することができる。このように、振動層63に溝64が形成されることで、この溝64近傍の振動板40とキャビティプレート20との接合部において、振動層63の剛性が低くなり、振動層63の圧力室24と重なる領域の変形量を大きくすることができる。振動層63の圧力室24と重なる領域の変形が大きくなると、圧力室24の変形量も大きくなるため、圧力室24内のインクに高い圧力を付与することができる。そのため、低い電圧でも所定の速度でインクを吐出させることができ、駆動電圧の低電圧化も可能となる。
また、ある1つの圧力室24と重なる圧電層41の領域の収縮による、この領域と対向した振動層63の変形が、隣接する他の圧力室24に対応した振動層63の変形に影響を及ぼすという、いわゆる構造的クロストークを抑えることができる。また、振動層63の溝64は、圧力室24と対向することとなる領域を挟むように面方向に関する両側に配置されているため、各圧力室24と対向することとなる領域の変形を促進することができる。さらに、溝64が圧電層41側に開口しているため、キャビティプレート20側に開口している場合に比べて、各圧力室24と対向することとなる領域の圧力室24側への変形量をさらに促進することができる。
ここで、上述したように、振動板40と薄膜62から振動層63に溝64を形成する方法以外に、振動板40単体にハーフエッチング、レーザ加工や機械加工などにより溝を形成する方法も考えられる。ただし、溝の寸法精度が低いと、溝ごとに寸法にばらつきが生じ、変形許容部ごとの変形量にばらつきが生じてしまうため、溝の寸法精度は高くしたい。しかしながら、ハーフエッチング、レーザ加工や機械加工などにより振動板40に寸法精度の高い溝を形成するのは困難であった。
また、貫通孔40aが形成された振動板40と貫通孔40aが形成されていない振動板40を積層して、溝を形成することもできるが、厚みが振動板2枚分となってしまい、変形許容部の厚みが増すことで剛性が高くなり、変形許容部が変形しづらくなってしまう。これでは、寸法精度の高い溝を形成できたとしても、本来の変形許容部の変形を促進するという目的を果たすことができない。また、貫通孔40aが形成されていない振動板40に薄い振動板40を用いる場合には、製造工程における取り扱いが困難であるため、振動層63の生産性が低下する。
そこで、本実施形態のように、振動板40の圧力室24と対向することとなる領域の搬送方向に関する両端部の外側に、走査方向に沿って延在した貫通孔40aを形成するとともに、この貫通孔40aを閉塞層70で塞いだ状態で、貫通孔40a内の閉塞層70に厚みの均一な薄膜62を成膜する。このように、めっきなどにより成膜された薄膜62で貫通孔40aを塞いで形成された溝64は、ハーフエッチング、レーザ加工や機械加工などの削ることで形成された溝64よりも寸法精度が高い。これにより、振動板40にハーフエッチングなどで溝形状を加工する場合に必要となる、加工時の溝深さの管理が不要であり、寸法精度(特に、深さの精度)が高い溝64を容易に形成することができる。さらに、2枚の振動板40を積層して振動層63を形成する場合に比べて、変形許容部の変形促進効果が低下することのない振動層63を生産性がよく形成することができる。
そして、図7(d)に示すように、薄膜62の表面に、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との混晶であるチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電材料を用いて、エアロゾルデポジション法(AD法)により圧電材料の粒子を堆積させることにより圧電層41を形成する(圧電層形成工程)。
AD法は、振動板40、薄膜62及び閉塞層70を図示しないチャンバー内のステージに、薄膜62が図示しないエアロゾル室に連通する噴射ノズルに対向するように四方をシールなどで固定させて保持する。そして、チャンバー内を真空にして、チャンバーと圧電層41を形成する粒子と気体(キャリアガス)との混合物(エアロゾル)が封入されたエアロゾル室との間の気圧差により、エアロゾル室に連通する噴射ノズルからエアロゾルを薄膜62に噴きつけて、粒子を高速で薄膜62に衝突させるとともに、ステージを水平方向に往復移動させることにより薄膜62上に圧電材料の粒子を堆積させる成膜法である。
ここで、振動板40の貫通孔40a内の薄膜62上に圧電材料が堆積すると、すなわち溝64に圧電材料が堆積すると、振動層63の剛性が高くなってしまい、振動板40の変形許容部80の変形促進効果が低下する。そこで、振動層63の溝64には、圧電層41を形成したくない。ところで、エアロゾルデポジション法で成膜対象に圧電層41を成膜する場合に、成膜対象に溝がある場合には、噴射されたエアロゾルの流れが溝の内壁に乱されて、溝の底部における溝の内壁近傍の領域には、エアロゾルが垂直に衝突しないため、圧電材料が堆積されにくい。このとき、溝の幅が狭い場合には、溝の底部に圧電材料が堆積しないこととなる。本実施形態においては、振動層63の溝64は、その底部に圧電材料が堆積しない程度の幅であり、圧電材料は堆積しにくく、振動層63の剛性が高くなることがなく、振動板40の変形許容部80の変形促進効果を保持することができる。このように、圧電層成膜方法としてエアロゾルデポジション法を採用すれば、振動層63の溝64に圧電材料が堆積しないように、特別な工夫(例えば、マスクで溝64を封止するなど)を行う必要がない。
次に、AD法により圧電層41を形成した場合に、圧電層41中に粒子の微細化や格子欠陥などが生じていると、振動板40を変形させるのに必要な圧電特性を得られない。そこで、圧電材料の粒子結晶を成長させるとともに結晶中の格子欠陥を修復して、圧電特性を向上させるために、振動板40、薄膜62、閉塞層70及び圧電層41を図示しない炉内に収容して、所定のアニール処理温度(例えば、900℃)に加熱して、圧電層41に対して熱処理を施す(アニール処理工程)。
このとき、閉塞層70を形成するポリイミド樹脂の熱分解温度はアニール処理温度よりも低く、500℃程度であるため、図7(e)に示すように、閉塞層70はアニール処理工程において分解され除去される。このように、アニール処理時に閉塞層70の除去をあわせて行うことができ、閉塞層70の除去のための特別な工程が不要になり、製造工程を簡略化することができる。なお、アニール処理温度は900℃としていたが、圧電層41の圧電特性を向上させるためのアニール処理が可能であり、閉塞層70の熱分解が可能な温度であれば、いかなる温度でもよい。
アニール処理工程が終了すると、圧電層41の表面の、複数の圧力室24と対向する領域に、スクリーン印刷、蒸着法、スパッタ法などにより複数の個別電極42をそれぞれ形成し、圧電アクチュエータ7の製造を完了する。
その後、図6(b)に示すように、流路ユニット6の、複数の圧力室24が開口した上面に、圧電アクチュエータ7の振動板40を接着剤により接合することで、インクジェットヘッド3の製造を完了する。
次に、本実施の形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。但し、本実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
本実施形態では、貫通孔形成工程、閉塞層形成工程、成膜工程、圧電層形成工程、除去工程の順に行っていたが、貫通孔形成工程と閉塞層形成工程の順序は逆で、閉塞層形成工程の後に貫通孔形成工程を行ってもよい。また、圧電層形成工程と除去工程の順序は逆で、除去工程の後に圧電層形成工程を行ってもよい。これを考慮すると、本実施形態も含めて計4通りの工程順序が考えられる。以下、残り3通りの工程順序について説明する。
1)閉塞層形成工程、貫通孔形成工程、成膜工程、圧電層形成工程、除去工程の順に行う場合について説明する(変形例1)。まず、図8(a)に示すように、振動板40の一方の面に閉塞層70を形成する(閉塞層形成工程)。これだと、フィルムからなる閉塞層70を振動板40に接着剤などで接合せずに、振動板40の一方の面にポリイミド樹脂を塗布して熱硬化させて閉塞層70を形成することもできる。次に、図8(b)に示すように、振動板40の閉塞層70が形成されていない面に、貫通孔40aを形成する(貫通孔形成工程)。このとき、振動板40が金属材料で、閉塞層70が樹脂材料であり、両者は異なる材料により形成されているため、エッチング液を適宜選択することで、エッチングにより振動板40のみに貫通孔40aを形成することが容易である。また、振動板40に閉塞層70を形成し、閉塞層70により振動板40の剛性が高くなった後に、振動板40に貫通孔40aを形成することで、貫通孔40a形成後の振動板40の取り扱いが容易となる。そして、上述した実施形態と同様に、図8(c)に示すように、薄膜62を形成した後(成膜工程)、図8(d)に示すように、圧電層41を形成し(圧電層形成工程)、図8(e)に示すように、閉塞層70を除去する(除去工程)。
2)貫通孔形成工程、閉塞層形成工程、成膜工程、除去工程、圧電層形成工程の順に行う場合について説明する(変形例2)。まず、上述した実施形態と同様に、図9(a)に示すように、振動板40に貫通孔40aを形成した後(貫通孔形成工程)、図9(b)に示すように、振動板40の一方の面に閉塞層70を形成し(閉塞層形成工程)、図9(c)に示すように、薄膜62を形成する(成膜工程)。そして、図9(d)に示すように、振動板40、薄膜62、閉塞層70及び圧電層41をポリイミド樹脂の熱分解温度以上に加熱して、閉塞層70を除去する(除去工程)。ここで、圧電層形成工程前に、閉塞層70が除去されているため、薄膜62及び振動板40のどちらの面にも圧電層41を形成することができる。例えば、上述した実施形態と同様に、薄膜62の表面に圧電層41を形成してもよいし、図9(e)に示すように、振動板40の表面に圧電層41を形成してもよい(圧電層形成工程)。振動板40の表面に圧電層41を形成された場合には、薄膜62の表面に流路ユニット6が接合されることとなる。
3)閉塞層形成工程、貫通孔形成工程、成膜工程、除去工程、圧電層形成工程の順に行う場合について説明する(変形例3)。まず、(1)の場合と同様に、図10(a)に示すように、振動板40の一方の面に閉塞層70を形成し(閉塞層形成工程)、図10(b)に示すように、振動板40の閉塞層70が形成されていない面に、貫通孔40aを形成し(貫通孔形成工程)、図10(c)に示すように、薄膜62を形成する(成膜工程)。そして、(2)の場合と同様に、図10(d)に示すように、閉塞層70を除去し(除去工程)、薄膜62の表面、または、図10(e)に示すように、振動板40の表面に圧電層41を形成する(圧電層形成工程)。
(1)または(3)のように、振動板40の一方の面に閉塞層70を形成した後、振動板40に貫通孔を形成することで、図11に示すように、平面視で圧力室24を囲むように環状に貫通孔140aを形成することもできる。振動板40に貫通孔140aを形成すると、振動板40の剛性が低下して取り扱いが困難になる。例えば、振動板40に環状に貫通孔140aを形成した場合では、振動板40の変形許容部80と拘束部81が分離してしまう。そこで、振動板40に閉塞層70を形成した後に、振動板40に貫通孔140aを形成することで、貫通孔140a形成後の振動板40の取り扱いが容易となる。また、振動板40の圧力室と重なる領域(変形許容部)が振動板40とキャビティプレート20の接合部(拘束部81)によって囲まれた構成では、変形許容部80と拘束部81の境界全周に環状の貫通孔140aを形成して、振動層63に環状に溝64を設けることで、変形許容部80の変形を促進することができる。
また、本実施形態においては、成膜工程として、無電解めっきにより、振動板40の表面、貫通孔40aの内壁及び振動板40の貫通孔40aから露出した閉塞層70の表面跨った表面に薄膜62を形成していたが、蒸発させたニッケルを蒸着させて薄膜62を形成する蒸着方法が挙げられる。例えば、この蒸着方法としては、熱によって化学反応を活性化させて薄膜62を成膜する熱CVDや、プラズマによって化学反応を活性化させて薄膜62を成膜するプラズマCVDなどの化学蒸着法(CVD)が挙げられる。また、高電圧をかけてイオン化させた希ガス元素や窒素をターゲットとなるニッケルに衝突させて、ターゲット表面の原子をはじき飛ばして、振動板40の表面、貫通孔40aの内壁及び振動板40の貫通孔40aから露出した閉塞層70の表面跨った表面に蒸着させて薄膜62を形成するスパッタリングや、高真空中において、原料となるニッケルを蒸発させて、振動板40の表面、貫通孔40aの内壁及び振動板40の貫通孔40aから露出した閉塞層70の表面跨った表面上に照射して、この蒸発したニッケルを堆積させて薄膜62を形成する分子線エピタキシー法(MBE)や、イオン化したニッケルを電界で加速させて振動板40の表面、貫通孔40aの内壁及び振動板40の貫通孔40aから露出した閉塞層70の表面跨った表面上に衝突させて薄膜62を形成するイオンプレーティングなどの物理蒸着法(PVD)が挙げられる。
さらに、本実施形態においては、圧電層形成工程として、圧電層41をAD法により形成していたが、ゾルゲル法により形成してもよい。このとき、ゲル中の溶媒を揮発させるため、600〜700℃で加熱する工程が必要となり、この加熱工程において、閉塞層70を除去することができる。また、圧電層41をAD法やゾルゲル法以外のスパッタ法、化学蒸着法、または、水熱合成法などの他の成膜方法により形成してもよいし、このような成膜方法のように圧電層41を振動板40上に直接形成するものに限られず、圧電材料のグリーンシートを振動板40上に積層し、一体焼成させてもよいし、単独で形成された圧電層41を振動板40上に接着してもよい。
加えて、本実施形態においては、薄膜62をニッケルにより形成していたが、薄膜62はニッケルに限らず、ニッケル以外の金や銅などの金属材料やセラミックスなどいかなる材料で形成されてもよい。
また、本実施形態においては、振動板40及び薄膜62は、共に金属材料により形成されていたが、振動板40はセラミックスなどの絶縁材料により形成され、薄膜62のみ金属材料により形成されてもよい。この場合、薄膜62は、振動板40の上面、振動板40の貫通孔40aの内壁及び貫通孔40aから露出したキャビティプレート20の上面に跨って形成されており、圧電層41を挟んで個別電極42と対向する領域まで形成されている。つまり、圧電層41は個別電極42と金属材料からなる薄膜62によって厚み方向に挟まれていることになる。そのため、本実施形態においては振動層63を圧電層41に電界を作用させるための共通電極として使用していたが、この変形例においては薄膜62を共通電極として使用することができる。なお、絶縁材料からなる振動板40上に薄膜62を形成する方法としては、金属材料からなる振動板40上に薄膜62を形成する方法と同様である。これによると、振動板40と圧電層41がともにセラミックスであるため、それらの材料において線膨張係数が近い材料を用いることができ、圧電層41を熱処理した場合や、圧電層41を振動板40と一体焼成した場合や、単独で形成された圧電層41を熱硬化性樹脂で振動板41に貼り付ける場合において、圧電層41に熱応力や、それに起因する反りが発生することがなく、圧電層41の圧電特性を低下させることがない。
さらに、振動板40は金属材料により形成され、薄膜62はセラミックスなどの絶縁材料により形成されてもよい。このとき、振動板40上に絶縁材料からなる薄膜62を形成する方法としては、ゾルゲル法、CVDやPVDなどの蒸着法などが挙げられる。これによると、アニール処理工程における加熱によって振動板40を形成する金属材料が拡散して圧電層41に達してしまうのを防止することができる。
また、閉塞層70としては、ポリイミド樹脂に限らず、アニール処理温度で熱分解する材料であればよい。また、ポリイミド樹脂のようにアニール処理温度で熱分解する材料に限らず、アニール処理工程で融解する材料であってもよい。さらに、閉塞層70が、アニール処理工程で熱分解や融解するような材料でない場合には、加熱して除去せずに、振動板40から剥ぎとってもよいし、溶剤に浸水させて溶かしてもよい。例えば、閉塞層70は、振動板40とは異なる金属材料であってもよい。このとき、エッチング時間やエッチング液を適宜選択してエッチングを行ったり、レーザ光のパワー密度を適宜設定してレーザ加工を行ったりして、振動板40にのみ貫通孔40aを形成することは可能である。
さらに、圧電層41は複数の圧力室24に跨って連続的に配置されていたが、複数の圧力室24のそれぞれに個別に配置されていてもよい。これによると、圧電層41が複数ある場合に、ある圧電層41に電位を与えたときに生じる圧電歪が隣接する他の圧電層41に影響を与えるいわゆる構造的クロストークを防止することができる。
また、本実施形態においては、薄膜62は、振動板40の上面、貫通孔40aの内壁及び貫通孔40aから露出したキャビティプレート20の上面に跨って形成されていたが、薄膜62は少なくとも貫通孔40aから露出したキャビティプレート20の上面に形成されており、製造工程において振動板40とともに最低限保持して持ち運べるように、貫通孔40aの内壁まで形成されていればよい。
さらに、本実施形態においては、振動板40の貫通孔40a(振動層63の溝64)は、圧力室24と重なる領域の外側に形成されていたが、圧力室24と重なる領域内や圧力室24と重なる領域の境界に形成されてもよく、振動板40の圧力室24と重なる領域(変形許容部)と振動板40のキャビティプレート20との接合部(拘束部)の境界近傍に形成されていればよい。
また、本実施形態の製造方法で、振動板のようなプレートに貫通孔を形成するとともに、この貫通孔を閉塞層で塞いだ状態で、貫通孔内の閉塞層に厚みの均一な薄膜を成膜して、溝を形成すると、寸法精度が高い溝を容易に形成することができるため、例えば、以下のような場合にも利用することができる。図12に示すように、流路ユニットを構成する複数枚のプレートには、マニホールド127内のインクの圧力変動を減衰させるダンパー部として働くダンパープレート150が積層されていることがある。このダンパープレート150の下面には、平面視でマニホールド127と重なる位置に凹部171(本実施形態における溝に相当する。)が形成されている。この凹部171を形成する際に、ダンパープレート150に貫通孔150aを形成して、この貫通孔150aを閉塞層で塞いで、貫通孔150a内の閉塞層に厚みの均一な薄膜162を成膜する。そして、凹部171が形成された後、閉塞層を除去することで、寸法精度が高い凹部171を形成することができる。
また、圧力室内の液体に圧力を付与する圧電アクチュエータ及びその製造方法には限られず、所定の動部を駆動させるための圧電アクチュエータ及びその製造方法に本発明を適用することも可能である。
1 インクジェットプリンタ
3 インクジェットヘッド
6 流路ユニット
7 圧電アクチュエータ
40 振動板
40a 貫通孔
41 圧電層
62 薄膜
70 閉塞層
80 変形許容部
81 拘束部

Claims (10)

  1. 変形が拘束される拘束部と、この拘束部と面方向に隣接し、且つ、変形が許容される変形許容部を有する振動板と、前記振動板の一表面の前記変形許容部と対向する領域に配置される圧電層とを備えた圧電アクチュエータの製造方法であって、
    前記振動板の、前記拘束部と前記変形許容部の境界近傍に、貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
    前記振動板のいずれか一方の面に、前記貫通孔を閉塞するための閉塞層を形成する閉塞層形成工程と、
    前記貫通孔が前記閉塞層により塞がれた状態で、前記閉塞層の前記貫通孔側の面に、前記振動板よりも薄い薄膜を成膜する成膜工程と、
    前記閉塞層を除去する除去工程と、
    前記振動板の一表面の、前記変形許容部と対向する領域に、前記圧電層を形成する圧電層形成工程と、を備えていることを特徴とする圧電アクチュエータの製造方法。
  2. 前記振動板は、少なくともその面方向に平行な一方向において、前記変形許容部が前記拘束部に挟まれた構成を有するものであり、
    前記貫通孔形成工程において、前記拘束部と前記変形許容部の、前記一方向における2つの境界近傍のそれぞれに、前記貫通孔を形成することを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータの製造方法。
  3. 前記振動板は、前記変形許容部が前記拘束部によって囲まれた構成を有するものであり、
    前記貫通孔形成工程において、前記拘束部と前記変形許容部の環状の境界に沿って前記貫通孔を環状に形成することを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータの製造方法。
  4. 前記閉塞層形成工程において前記振動板に前記閉塞層を形成した後に、前記貫通孔形成工程において前記振動板に前記貫通孔を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧電アクチュエータの製造方法。
  5. 前記閉塞層形成工程において、前記閉塞層を前記振動板とは異なる材料で形成し、
    前記貫通孔形成工程において、前記振動板にエッチングまたは、レーザ光を照射することにより前記貫通孔を形成することを特徴とする請求項4に記載の圧電アクチュエータの製造方法。
  6. 前記振動板が金属板であり、
    前記閉塞層形成工程において、前記閉塞層を樹脂材料で形成し、
    前記貫通孔形成工程において、前記振動板にエッチングにより前記貫通孔を形成することを特徴とする請求項5に記載の圧電アクチュエータの製造方法。
  7. 前記閉塞層形成工程において、前記振動板の前記一表面と反対側の面に閉塞層を形成し、
    前記圧電層形成工程において、エアロゾルデポジション法により前記圧電層を形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の圧電アクチュエータの製造方法。
  8. 前記圧電層形成工程で形成された前記圧電層を、所定のアニール温度まで加熱してアニール処理を行うアニール処理工程をさらに備えており、
    前記アニール処理工程において、前記アニール温度を前記閉塞層の融点、または、熱分解温度以上に設定し、前記圧電層を、前記振動板及び前記閉塞層とともに前記アニール温度まで加熱することで、前記圧電層のアニール処理と前記閉塞層の除去を行うことを特徴とする請求項7に記載の圧電アクチュエータの製造方法。
  9. 変形が拘束される拘束部と、この拘束部と面方向に隣接し、且つ、変形が許容される変形許容部を有する振動板と、
    前記振動板の一表面の、前記変形許容部と対向する領域に配置される圧電層を備えており、
    前記振動板の、前記拘束部と前記変形許容部の境界近傍に貫通孔が形成され、
    さらに、前記振動板の前記貫通孔内には、この貫通孔を塞ぐように、前記振動板よりも薄い薄膜が設けられていることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  10. 前記振動板は、絶縁材料で形成され、
    前記薄膜は、導電性材料で形成されるとともに、前記貫通孔から、前記振動板の前記一表面の前記変形許容部と対向する領域まで延在しており、
    前記振動板の前記一表面の前記変形許容部と対向する領域に配置された前記圧電層の、前記振動板と反対側の面には電極が配置され、
    前記圧電層が、導電性材料からなる前記薄膜と前記電極とによって厚み方向に挟まれていることを特徴とする請求項9に記載の圧電アクチュエータ。
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