(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる電力変換装置を含む制御システムの全体構成を模式的に示す説明図である。本実施形態では、電気自動車の駆動用モータに適用された制御システムについて説明を行う。この制御システムは、電力変換器10、モータ30および制御ユニット40を主体に構成されており、電力変換手段としての電力変換器10および制御手段としての制御ユニット40が本実施形態にかかる電力変換装置を構成している。
図2は、第1の実施形態にかかる電力変換器10を中心としたシステム構成を模式的に示す説明図である。電力変換器10は、互いに並列接続された複数の電源(本実施形態では、第1および第2の電源20,21)に接続されており、制御ユニット40に制御されることにより各電源20,21の出力電圧から出力電圧パルスを生成する。そして、電力変換器10は、各相毎に生成された出力電圧パルスにより、負荷である3相交流同期モータ30の駆動電圧を生成する。
ここで、第1および第2の電源20,21は、それぞれが独立した直流電源である。個々の電源20,21としては、例えば、ニッケル水素電池あるいはリチウムイオン電池といったバッテリを用いることができる。第1および第2の電源20,21の負極のそれぞれは、負極母線(共通母線)11が接続される。第1の電源20の正極は、第1の正極母線12aが接続され、第2の電源21の正極は、第2の正極母線12bが接続さる。負極母線11と第1の正極母線12aとの間には、平滑コンデンサ14が設けられており、負極母線11と第2の正極母線12bとの間には、平滑コンデンサ15が設けられている。
電力変換器10において、第1の正極母線12aと、3相に対応する各出力端子との間には、双方向の導通を制御可能な双方向スイッチ(スイッチ手段)1〜3がそれぞれ接続されている。また、第2の正極母線12bと、3相に対応する各出力端子との間にも、同様に、双方向スイッチ(スイッチ手段)4〜6がそれぞれ接続されている。個々の双方向スイッチ1〜6は、それぞれが一方向への導通を制御可能な一対の単方向スイッチ1a/1b〜6a/6bを、互いの導通方向が逆向きの状態で直列接続することによって構成されている。個々の単方向スイッチ1a/1b〜6a/6bは、半導体スイッチ(例えば、IGBT等のトランジスタといったスイッチング素子)を主体に構成されており、個々の半導体スイッチは、耐圧を持たせるためにダイオード(図示せず)が、対となる他方の半導体スイッチに対して並列接続となるような関係で直列接続されている。なお、個々のスイッチ1a/1b〜6a/6bとして、耐圧の高いスイッチを用いる場合には、直列接続するダイオードは不要である。
負極母線11と、3相に対応する各出力端子との間には、一般的な3相インバータの下アームと同様に、一方向の導通を制御可能な単方向スイッチ(スイッチ手段)7〜9がそれぞれ接続されている。個々の単方向スイッチ7〜9は、半導体スイッチ(例えば、IGBT等のトランジスタといったスイッチング素子)を主体に構成されており、個々の半導体スイッチは、還流用ダイオードが逆並列接続されている。
これらのスイッチ1〜9のオンオフ状態、すなわち、導通および遮断の切り替え(スイッチング動作)は、制御ユニット40から出力されるスイッチ駆動信号を通じてそれぞれ制御される。個々のスイッチは、制御ユニット40によってオンされることにより導通状態となり、オフされることにより非導通状態(遮断状態)となる。
モータ30は、例えば、中性点を中心に星形結線された複数の相巻線(本実施形態では、U相巻線、V相巻線、W相巻線からなる3つの相巻線)を有する3相交流同期モータである。このモータ30は、電力変換器10内で変換された3相の交流電力が各相巻線に供給されることにより生じる磁界と、回転子の永久磁石が作る磁界との相互作用により駆動する。モータ30のロータは、自動変速機の入力軸に連結されている。
再び図1を参照するに、制御ユニット40は、電力変換器10を制御する制御手段であり、この電力変換器10を介して負荷であるモータ30の出力トルクを制御する。制御ユニット40としては、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェースを主体に構成されたマイクロコンピュータを用いることができる。制御ユニット40は、ROMに記憶された制御プログラムに従い、電力変換器10を制御するための演算を行う。そして、制御ユニット40は、この演算によって算出された制御信号を電力変換器10に対して出力する。
制御ユニット40は、これを機能的に捉えた場合、トルク制御部41と、電流制御部42と、電力制御部43と、3相/dq変換部44と、PWMパルス生成部45とを有している。
トルク制御部41は、外部より与えられるトルク指令T*と、モータ回転数ωとに基づいて、モータ30のトルク要求に対応するd軸およびq軸電流指令値id*,iqをそれぞれ演算する。トルク制御部41は、トルク指令値T*およびモータ回転数ωと、d軸およびq軸電流指令値id*,iq*との関係を規定したマップを保持している。トルク制御部41は、当該マップを参照してd軸およびq軸電流指令値id*,iq*をそれぞれを演算する。
電流制御部42は、d軸およびq軸電流指令値id*,iq*と、d軸およびq軸電流値id,iqとに基づいて、指令値と実値とを一致させるためのd軸およびq軸電圧指令値vd*,vq*をそれぞれ演算する。ここで、d軸およびq軸電流値id,iqは、モータ30の各相の電流を電流センサによって検出した上で、3相の電流を3相/dq変換部44がモータ30のロータ位置を表す電気的な位相(電気角)θに基づいて変換することにより演算される。なお、モータ30の各相の電流の和はゼロとなるため、少なくとも2相の電流iu,ivを検出することにより、モータ30の各相の電流を特定することができる。そして、電流制御部42は、d軸およびq軸電圧指令値vd*,vq*を3相の出力電圧指令値vu*,vv*,vw*に変換する。生成された各出力電圧指令値vu*,vv*,vw*、すなわち、モータ30の負荷要求に対応する各相の出力電圧指令値vu*,vv*,vw*は、電力制御部43に対して出力される。
図3は、電力制御部43の構成を示すブロック図である。電力制御部43は、各電源20,21に対応する変調率指令値をそれぞれ演算する。この変調率指令値は、電力変換器10の各スイッチ1〜9の導通状態を制御するスイッチ駆動信号を生成する際に、後述するPWMパルス生成部45においてキャリアと比較するための変調率の指令値である。電力制御部43は、電圧配分部43aと、変調率演算部43bと、電圧オフセット演算部43cと、変調率オフセット演算部43dと、オフセット処理部43eとを有している。
電圧配分部43aは、外部から与えられる電力配分比率rto_paに応じて、各相の出力電圧指令値vu*〜vw*をそれぞれ配分する。これにより、第1の電源20に関する3相の出力電圧指令値である第1の電圧指令値vu_a*,vv_a*,vw_a*と、第2の電源21に関する3相の出力電圧指令値である第2の電圧指令値vu_b*,vv_b*,vw_b*とが演算される。
ここで、電力配分比率rto_paは、第1の電源20の出力割合を示すパラメータである。第1の電源20のみで電力を出力する場合、「1」が電力配分比率rto_paとして入力され、第2の電源21のみで電力を出力する場合、「0」が電力配分比率rto_paとして入力される。また、第1の電源20と第2の電源21とで均等に電力を配分する場合、「0.5」が電力配分比率rto_paとして入力される。
電圧配分部43aは、下式に示すように、3相の出力電圧指令値vu*〜vw*と、電力配分比率rto_paとに基づいて、各電圧指令値vu_a*〜vw_b*をそれぞれ演算する。
演算された各電圧指令値vu_a*〜vw_b*は、変調率演算部43bに出力される。
変調率演算部43bは、各電圧指令値vu_a*〜vw_b*を各電源20,21の電源電圧Vdc_a,Vdc_bで規格化することにより、各電源20,21に対応する初期変調率指令値mu_a*〜mw_b*を演算する。具体的には、第1の電圧指令値vu_a*〜vw_a*のそれぞれが第1の電源20の出力電圧(以下「第1の電源電圧」という)Vdc_aで規格化されることにより、第1の初期変調率指令値mu_a*,mv_a*,mw_a*が生成される。第2の電圧指令値vu_b*〜vw_b*のそれぞれが第2の電源21の出力電圧(以下「第2の電源電圧」という)Vdc_bで規格化されることにより、第2の初期変調率指令値mu_b*,mv_b*,mw_b*が生成される。ここで、各電圧指令値vu_a*〜vw_b*と、各初期変調率指令値mu_a*〜mw_b*との間には、下式に示す関係が成立する。
演算された各初期変調率指令値mu_a*〜mw_b*は、オフセット処理部43eに出力される。
電圧オフセット演算部43cは、各初期変調率指令値mu_a*〜mw_b*をそれぞれ所定量だけオフセットさせるためのオフセット量(後述する変調率オフセット指令)を演算する機能を担っている。この電圧オフセット演算部43cでは、変調率オフセット指令を生成する前提として、出力電圧指令値vu_a*〜vw_b*をベースとするオフセット量が生成される。具体的には、第1の初期変調率指令値mu_a*〜mw_a*に対するオフセット量を規定する値として、第1の電圧オフセット指令値Voffs_aが生成される。同様に、第2の初期変調率指令値mu_b*〜mw_b*に対するオフセット量を規定する値として、第2の電圧オフセット指令値Voffs_bが生成される。
電圧オフセット演算部43cは、このような演算を行う前提として、3相の出力電圧指令値vu*〜vw*の振幅Vpkを演算している。この振幅Vpkは、下式に示す演算を行うことにより、d軸およびq軸電圧指令値vd*,vq*に基づいて算出される。
なお、振幅Vpkは、数式3に示す演算以外にも、各相の出力電圧指令値vu*〜vw*に基づいて算出することもできる(数式4参照)。また、電圧利用率を高めるために各相の出力電圧指令値vu_a*〜vw_b*に3次高調波の重畳を行う場合やデッドタイム補償などのモータ制御において広く用いられている制御方法を行う場合には、それらの補償電圧振幅も考慮して振幅Vpkを演算すればよい。
また、電圧オフセット演算部43cは、電力変換器10を構成するスイッチ1〜9の回路構成に応じた、各スイッチ1〜9の損失(オン損失)に関する損失情報を保持している。本実施形態において、電力変換器10は、第1の正極母線12aと各相の出力端子との間に、上アームに相当する双方向スイッチ1〜3を備え、第2の正極母線12bと各相の出力端子との間に、上アームに相当する双方向スイッチ4〜6を備えている。これらの双方向スイッチ1〜6は、負極母線11と各相の出力端子との間を接続する下アーム、すなわち、単方向スイッチ7〜9と比較してオン損失が大きい。なぜならば、各双方向スイッチ1〜6は、直列接続されたダイオードを含むため、そのオン損失には、ダイオードのオン損失およびスイッチ(トランジスタ)のオン損失の双方が含まれる。これに対して、スイッチ7〜9のオン損失には、ダイオードのオン損失およびスイッチ(トランジスタ)のオン損失の一方が含まれる。そのため、損失情報には、オン損失の大きなアームとして、各電源20,21に対応する上アーム、すなわち、第1の正極母線12a側の双方向スイッチ1〜3および第2の正極母線12b側の双方向スイッチ4〜6が定義され、オン損失の小さなアームとして、下アーム、すなわち、共通母線である負極母線11側のスイッチ7〜9が定義されている。このようにスイッチ1〜9に関する損失の大小は、スイッチ1〜9のそれぞれの構成と、複数の母線のうち電位を共通する複数の直流電源が接続する共通母線(本実施形態では、負極母線11)の位置とに応じて決定されることとなる。
電圧オフセット演算部43cは、損失情報を参照することにより、電力変換器10を構成する各スイッチ1〜9において、双方向スイッチ1〜6のオン損失が相対的に大きく、より発熱すると判断することができる。すなわち、電圧オフセット演算部43cは、オン損失の小さいスイッチは、負極母線11側のスイッチ7〜9であると判断することができる。
電圧オフセット演算部43cは、出力電圧指令値vu*〜vw*の振幅Vpkと、損失情報とに基づいて、第1および第2の電圧オフセット指令値Voffs_a,Voffs_bを演算する(数式5参照)。
この演算による各電圧オフセット指令値Voffs_a,Voffs_bは、当該電源20,21に対応する電圧指令値vu_a*〜vw_a*,vu_b*〜vw_b*の下限(最小ピーク)を各電源20,21の負極電位と対応するようにそれぞれオフセットさせる量に相当する。換言すれば、各電源20,21に対応するオフセット量は、当該電源20,21に関する各相の出力電圧指令値vu_a*〜vw_a*,vu_b*〜vw_b*の最小ピークと、負極母線11の電位との差に対応する。演算された各電圧オフセット指令値Voffs_a,Voffs_bは、変調率オフセット演算部43dに出力される。
変調率オフセット演算部43dは、各電圧オフセット指令値Voffs_a,Voffs_bを各電源20,21の電源電圧Vdc_a,Vdc_bで規格化する。具体的には、第1の電圧オフセット指令値Voffs_aが第1の電源電圧Vdc_aで規格化されることにより、第1の電源20に対応する変調率オフセット指令値(以下「第1の変調率オフセット指令値」という)moffs_aが生成される。また、第2の電圧オフセット指令値Voffs_bが第2の電源電圧Vdc_bで規格化されることにより、第2の電源21に対応する変調率オフセット指令値(以下「第2の変調率オフセット指令値」という)moffs_bが生成される。ここで、各電圧オフセット指令値Voffs_a,Voffs_bと、各変調率オフセット指令値moffs_a,moffs_bとの間には、下式に示す関係が成立する。
演算された変調率オフセット指令値moffs_a,moffs_bは、オフセット処理部43eに出力される。
オフセット処理部43eは、各変調率オフセット指令値moffs_a,moffs_bを用いて、各初期変調率指令値mu_a*〜mw_b*に対するオフセット処理を行い、これにより、最終変調率指令値mu_ac*〜mw_bc*を演算する。具体的には、第1の変調率指令値Voffs_aを第1の初期変調率指令値mu_a*〜mw_a*のそれぞれに加算することにより、第1の電源20に関する各相の最終変調率指令値mu_ac*,mv_ac*,mw_ac*が算出される。また、第2の変調率指令値Voffs_bを第2の初期変調率指令値mu_b*〜mw_b*のそれぞれに加算することにより、第2の電源21に関する各相の最終変調率指令値mu_bc*〜mw_bc*が算出される。算出された各最終変調率指令値mu_ac*〜mw_bc*は、PWMパルス生成部45に出力される。
再び図1を参照するに、PWMパルス生成部45は、各最終変調率指令mu_ac*〜mw_bc*と、各電源20,21に対応するキャリアCa,Cbとに基づいて、電力変換器10の各スイッチ1〜9のオンオフ状態を設定するスイッチ駆動信号を生成する。そして、PWMパルス生成部45は、生成されたスイッチ駆動信号を通じて電力変換器10の各スイッチ1〜9の導通状態、すなわち、導通期間(オン期間)を制御する。これにより、各電源20,21の出力電圧から出力電圧パルスを生成する。本実施形態において、キャリアCa,Cbは、下限を「−1」、上限を「1」とする三角波であり、第1の電源20に対応するキャリアCaと、第2の電源20に対応するキャリアCbとは位相が180度オフセットしている。
図4は、PWMパルス生成部45による電力変換器10の各スイッチ1〜9のオンオフ状態の説明図である。PWMパルス生成部45は、電源20,21毎に、各最終変調率指令mu_ac*〜mw_bc*と各キャリアCa,Cbとを比較し、スイッチ駆動信号を生成する。以下、U相に着目して説明を行うが、他の相についても同様である。この図4において、各スイッチ1a,1b,4a,4b,7aに関するスイッチ駆動信号S1a,S1b,S4a,S4b,S7がHighレベルのときに、各スイッチ1a,1b,4a,4b,7aがオンとなる。
ここで、スイッチ駆動信号S1a,S1b,S4a,S4b,S7について説明する。
S1a:第1の電源20の正極から出力端子の方向へ導通するスイッチ1aの駆動信号
S1b:出力端子から第1の電源20の方向へ導通するスイッチ1bの駆動信号
S4a:第2の電源21の正極から出力端子の方向へ導通するスイッチ4aの駆動信号
S4b:出力端子から第2の電源21の方向へ導通するスイッチ4bの駆動信号
S7:出力端子から負極の方向へ導通するスイッチ7の駆動信号
PWMパルス生成部45は、第1の電源20のキャリアCaよりも第1の電源20のU相最終変調率指令値mu_ac*が大きい場合(Ca<mu_ac*)、スイッチ1aがオンするように駆動信号S1aを出力する。また、PWMパルス生成部45は、第1の電源20のキャリアCaよりも第1の電源20のU相最終変調率指令値mu_ac*が小さい場合(Ca>mu_ac*)、スイッチ1aをオフするように駆動信号S1aを出力する。一方、PWMパルス生成部45は、スイッチ4bの駆動信号S4bとして、スイッチ1aの駆動信号S1aを反転出力する。
これに対して、PWMパルス生成部45は、第2の電源21のキャリアCbよりも第2の電源21のU相最終変調率指令値mu_bc*が大きい場合(Cb<mu_bc*)、スイッチ4aをオンするように駆動信号S4aを出力する。また、PWMパルス生成部45は、第2の電源21のキャリアCbよりも第2の電源21のU相最終変調率指令値mu_bc*が小さい場合(Cb>mu_bc*)、スイッチ4aをオフするように駆動信号S4aを出力する。一方、PWMパルス生成部45は、スイッチ1bの駆動信号S1bとして、スイッチ4aの駆動信号S4aを反転出力する。
また、PWMパルス生成部45は、スイッチ7の駆動信号S7として、スイッチ1bの駆動信号S1bとスイッチ4bの駆動信号S4bとの論理積を出力する。
なお、第1の電源20と、第2の電源21との間に電位差があるようなケースでは、スイッチ1aとスイッチ4bとが同時にオンとなることで短絡が発生する可能性があるので、両スイッチ1a,4bが同時にオンすることがないように短絡防止期間(デッドタイム)が付加されている。また、スイッチ4aとスイッチ1bとの間にも同様にデッドタイムが付加されている。
このように本実施形態において、制御ユニット40は、各スイッチ1〜9の構成と、複数の母線11,12a,12bのうち電位を共通する複数の直流電源が接続する共通母線(負極母線11)の位置とに基づいて、出力電圧指令値vu*〜vw*に応じた出力電圧を具備する各スイッチ1〜9の導通時間に関する制御パターンのなかから各スイッチ1〜9の導通時間を決定する。
かかる構成によれば、各スイッチ1〜9のオン損失を推定することができる。このため、出力電圧指令値vu*〜vw*に応じた出力電圧を具備する各スイッチ1〜9の導通時間に関する制御パターンのなかから、オン損失の高いスイッチ1〜9の導通比率を低減させ、その反面オン損失の低いスイッチ1〜9の導通比率を高めるように、各スイッチ1〜9の導通時間を決定することができる。これにより、出力電圧指令値vu*〜vw*に応じた出力電圧をみたしつつ、電力変換器10のオン損失を低減することができる。
また、本実施形態において、各スイッチ1〜9は、共通母線の位置に応じて、単方向スイッチおよび双方向スイッチの一方が選択されている。そして、制御ユニット40は、双方向スイッチの導通時間が短く、かつ、単方向スイッチの導通時間が長くなるように、スイッチ1〜9のそれぞれの導通時間を決定する。双方向スイッチは、単方向スイッチと比較してオン損失が高くなる。このため、損失の高い双方向スイッチの導通比率が抑制され、損失の低い単方向スイッチの導通比率が高められる。これにより、電力変換器10のオン損失の低減を図ることができる。
図5は、U相のみに着目した各初期変調率指令値mu_a*,mu_b*と各最終変調率指令値mu_ac*,mu_bc*との関係を示す説明図である。本実施形態において、負極母線11が共通母線であり、各電源20,21の上アームに相当するスイッチ1〜3,4〜6が双方向スイッチで構成されている。この場合、各上アームに相当する双方向スイッチ1〜3,4〜6のオン損失が単方向スイッチ7〜9のオン損失よりも大きいとの判断のもと、オフセット処理が行われる。すなわち、第1の最終変調率指令値mu_ac*は、第1の初期変調率指令値mu_a*と比較して、下方向(キャリアの下限方向)へとオフセットされている。特に、本実施形態では、第1の最終変調率指令値mu_ac*〜mw_ac*の下限(最小ピーク)がキャリアの下限と一致するようにオフセットされている。なお、第1の出力電圧指令値vu_a*〜vw_a*をベースとして捉えた場合、このオフセット処理により、各相の出力電圧指令値vu_a*〜vw_a*は、第1の出力電圧指令値vu_a*〜vw_a*の最小ピークと、負極母線11の電位との差をオフセット量として、それぞれ減少させられることとなる。
また、第2の最終変調率指令値mu_bc*〜mw_bc*は、第2の初期変調率指令mu_b*〜mw_b*と比較して、下方向(キャリアの下限方向)へとオフセットされている。特に、本実施形態では、第2の最終変調率指令値mu_bc*〜mw_bc*の上限(最小ピーク)がキャリアの下限と一致するようにオフセットされている。なお、第2の出力電圧指令値vu_b*〜vw_b*をベースとして捉えた場合、このオフセット処理により、各相の出力電圧指令値vu_b*〜vw_b*は、第2の出力電圧指令値vu_b*〜vw_b*の最小ピークと、負極母線11の電位との差をオフセット量として、それぞれ減少させられることとなる。
最終変調率指令値mu_ac*〜mw_bc*が、初期変調率指令値mu_a*〜mw_b*と比べて下側にオフセットされた場合には、これをオフセットさせる前と比較して、上アームのオフ時間が長くし、下アームのオン時間が長くなる。そのため、オン損失の小さい下アームが導通する比率を高くすることができる。また、多相交流電圧を出力する電力変換器10において、各相の電圧指令値をそれぞれ対応させてオフセットさせた場合には、そのオフセットの前後で、出力電圧は変化しない。オフセット電圧指令値の制御によって、負荷の出力電圧を変えることなく実現できる。これにより、複数の電源電力を配分して所望の出力電圧を確保ししつつ、電力変換器10の損失を低減することができる。
図6は、電流経路の説明図である。U相とV相の間をスイッチ1〜9で短絡して電流を流す経路の場合に、双方向スイッチ1,2を用いて電流を流す経路と、下アームであるスイッチ7,8を用いて電流を流す経路との2経路が考えられる。本実施形態によれば、下アームのスイッチ7,8の導通時間が増加させられるとともに、双方向スイッチ1,2の導通時間を減少させることとなる。これにより、オン損失の小さいスイッチ7,8の導通比率が高くなるので、オン損失の低減を図ることができる。
なお、上述した実施形態では、各電源毎に、出力電圧指令値vu_a*〜vw_a*,vu_b*〜vw_b*の最小ピークと、負極母線11の電位との差をオフセット量としているが、少なくとも下方向にオフセットさせればその効果を得ることができる。
また、電力変換器10の回路構成が変更する場合には、必要に応じて、損失情報を回路構成に応じて保有し、現在の回路構成に応じてこれを変更することで、スイッチ1〜9の損失を回路構成に応じて適切に定義するようにすることが好ましい。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態にかかる制御システムについて説明する。第2の実施形態にかかる制御システムが、第1の実施形態のそれと相違する点は、電力変換器10の構成である。第1の実施形態と共通する構成については説明を省略することとし、以下、相違点を中心に説明を行う。
図7は、第2の実施形態にかかる電力変換器10を中心としたシステム構成を模式的に示す説明図である。電力変換器10において、正極母線(共通母線)12と、3相に対応する各出力端子との間には、一般的な3相インバータの上アームと同様に、一方向の導通を制御可能な単方向スイッチ51〜53がそれぞれ接続されている。個々のスイッチ51〜53は、半導体スイッチ(例えば、IGBT等のトランジスタといったスイッチング素子)を主体に構成されており、個々の半導体スイッチは、還流用ダイオードが逆並列接続されている。
また、第1の電源20の負極に接続する第1の負極母線11aと、3相に対応する各出力端子との間には、双方向の導通を制御可能な双方向スイッチ54〜56がそれぞれ接続されている。また、第2の電源21の負極に接続する第2の正極母線12bと、3相に対応する各出力端子との間にも、双方向スイッチ57〜59がそれぞれ接続されている。個々の双方向スイッチ54〜59は、それぞれが一方向への導通を制御可能な一対の単方向スイッチ54a/54b〜59a/59bを、互いの導通方向が逆向きの状態で直列接続することによって構成されている。双方スイッチ54〜59を構成する個々のスイッチ54a/54b〜59a/59bは、半導体スイッチ(例えば、IGBT等のトランジスタといったスイッチング素子)を主体に構成されており、個々の半導体スイッチは、耐圧を持たせるためにダイオードが直列接続されている。
このような電力変換器10の構成に起因して、制御ユニット40の電圧オフセット演算部43cは、第1および第2の電圧オフセット指令値Voffs_a,Voffs_bを生成する。ここで、電圧オフセット演算部43cが保有する損失情報には、オン損失の大きなアームとして、各電源20,21に対応する下アーム、すなわち、第1の負極母線11a側の双方向スイッチ54〜56および第2の負極母線11b側の双方向スイッチ57〜59が定義され、オン損失の小さなアームとして、上アーム、すなわち、共通母線である正極母線12側のスイッチ51〜53が定義されている。
電圧オフセット演算部43cは、損失情報を参照することにより、電力変換器10を構成する各スイッチ51〜59において、双方向スイッチ54〜59のオン損失が相対的に大きく、より発熱すると判断することができる。すなわち、電圧オフセット演算部43cは、オン損失の小さいアームは、正極母線側の上アームであると判断することができる。
電圧オフセット演算部43cは、出力電圧指令値vu*〜vw*の振幅Vpkと、損失情報とに基づいて、第1および第2の電圧オフセット指令値Voffs_a,Voffs_bを演算する(数式7参照)。
この演算による各電圧オフセット指令値Voffs_a,Voffs_bは、当該電源20,21に対応する電圧指令値vu_a*〜vw_a*,vu_b*〜vw_b*の上限(最大ピーク)が各電源20,21の正極電位へとそれぞれオフセットさせる量に相当する。
換言すれば、各電源20,21に対応するオフセット量は、当該電源20,21に関する各相の出力電圧指令値vu_a*〜vw_a*,vu_b*〜vw_b*の最大ピークと、正極母線12の電位との差に対応する。演算された各電圧オフセット指令値Voffs_a,Voffs_bは、変調率オフセット演算部43dに出力される。
図8は、U相のみに着目した各初期変調率指令値mu_a*,mu_b*と各最終変調率指令値mu_ac*,mu_bc*との関係を示す説明図である。本実施形態において、正極母線12が共通母線であり、各電源20,21の下アームに相当するスイッチ54〜56,57〜59が双方向スイッチで構成されている。この場合、各下アームに相当する双方向スイッチ54〜56,57〜59のオン損失が単方向スイッチ51〜53のオン損失よりも大きいとの判断のもと、オフセット処理が行われる。すなわち、第1の最終変調率指令値mu_ac*〜mw_ac*は、第1の初期変調率指令値mu_a*〜mw_a*と比較して、上方向(キャリアの上限方向)へとオフセットされている。特に、本実施形態では、第1の最終変調率指令値mu_ac*〜mw_ac*の上限(最大ピーク)がキャリアの上限と一致するようにオフセットされている。なお、第1の出力電圧指令値vu_a*〜vw_a*をベースとして捉えた場合、このオフセット処理により、各相の出力電圧指令値vu_a*〜vw_a*は、第1の出力電圧指令値vu_a*〜vw_a*の最大ピークと、正極母線12の電位との差をオフセット量として、それぞれ増加させられることとなる。
また、第2の最終変調率指令値mu_bc*〜mw_bc*は、第2の初期変調率指令mu_b*〜mw_b*と比較して、上方向(キャリアの上限方向)へとオフセットされている。特に、本実施形態では、第2の最終変調率指令値mu_bc*〜mw_bc*の上限(最大ピーク)がキャリアの上限と一致するようにオフセットされている。なお、第2の出力電圧指令値vu_b*〜vw_b*をベースとして捉えた場合、このオフセット処理により、各相の出力電圧指令値vu_b*〜vw_b*は、第2の出力電圧指令値vu_b*〜vw_b*の最大ピークと、正極母線12の電位との差をオフセット量として、それぞれ増加させられることとなる。
最終変調率指令値mu_ac*〜mw_bc*が、初期変調率指令値mu_a*〜mw_b*と比べて上側にオフセットされた場合には、これをオフセットさせる前と比較して、下アームのオフ時間が長くし、上アームのオン時間が長くなる。そのため、オン損失の小さい上アームが導通する比率を高くすることができる。これにより、複数の電源電力を配分して所望の出力電圧を確保ししつつ、電力変換器10の損失を低減することができる。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態にかかる制御システムについて説明する。第3の実施形態にかかる制御システムが、第1の実施形態のそれと相違する点は、電力変換器10の構成である。第1の実施形態と共通する構成については説明を省略することとし、以下、相違点を中心に説明を行う。
図9は、第3の実施形態にかかる電力変換器10を中心としたシステム構成を模式的に示す説明図である。電力変換器10は、互いに直列接続された複数の電源(本実施形態では、第1および第2の電源20,21)に接続されており、制御ユニット40に制御されることにより各電源20,21の出力電圧から出力電圧パルスを生成する。ここで、第1および第2の電源20,21は、それぞれが独立した直流電源であり、上位に位置する第1の電源20の正極と、下位に位置する第2の電源21の負極とが接続されることにより直列接続されている。
電力変換器10において、第1の電源20の正極および第2の電源21の負極に接続された共通母線13と、3相に対応する各出力端子との間には、双方向の導通を制御可能な双方向スイッチ61〜63がそれぞれ接続されている。個々の双方向スイッチ61〜63は、それぞれが一方向への導通を制御可能な一対の単方向スイッチ61a/61b〜63a/63bを、互いの導通方向が逆向きの状態で直列接続することによって構成されている。個々のスイッチ61a/61b〜63a/63bは、半導体スイッチ(例えば、IGBT等のトランジスタといったスイッチング素子)を主体に構成されており、個々の半導体スイッチは、耐圧を持たせるためにダイオード(図示せず)が、対となる他方の半導体スイッチに対して並列接続となるような関係で直列接続されている。
第2の電源21の正極に接続された正極母線12と、3相に対応する各出力端子との間には、一般的な3相インバータの上アームと同様に、一方向の導通を制御可能な単方向スイッチ64〜66がそれぞれ接続されている。また、第1の電源20の負極に接続された負極母線11と、3相に対応する各出力端子との間にも、一般的な3相インバータの下アームと同様に、単方向スイッチ67〜69がそれぞれ接続されている。個々の単方向スイッチ64〜69は、半導体スイッチ(例えば、IGBT等のトランジスタといったスイッチング素子)を主体に構成されており、個々の半導体スイッチは、還流用ダイオードが逆並列接続されている。
ここで、本実施形態の電力変換器10では、正極母線12の電位は逆転することはなく、正極母線12の電位は共通母線13の電位よりも大きくなる。このため、正極母線12と、各相の出力端子との間は双方向スイッチではなく、単方向スイッチ64〜66により通常のインバータの上アームと同じ構成とするこができる。
図10は、第3の実施形態にかかる電力制御部43の構成を模式的に示す説明図である。この電力制御部43は、電力配分比率rto_paに基づき、各相の出力電圧指令値vu*〜vw*から各電源20,21に対応する変調率指令値(最終変調率指令値)mu_ac*〜mw_bc*をそれぞれ演算する。電力制御部43は、オフセット処理部43fと、電圧オフセット演算部43gと、変調率演算部43hとを有している。
オフセット処理部43fは、電力配分比率rto_paに基づき、後述する電圧オフセット演算部43gによって演算される各電圧オフセット指令値Voffs_a,Voffs_aを用いて、出力電圧指令値vu*〜vw*に対するオフセット処理を行う。これにより、各電源20,21に関する各相の電圧指令値vu_a*〜vw_a*,vu_b*〜vw_a*を演算する。算出された各電圧指令値vu_a*〜vw_b*は、変調率演算部43hに出力される。
変調率演算部43hは、各電圧指令値vu_a*〜vw_b*を各電源20,21の電源電圧Vdc_a,Vdc_bで規格化することにより、各電源20,21に対応する変調率指令値mu_ac*〜mw_cb*を演算する。具体的には、第1の電圧指令値vu_a*〜vw_a*のそれぞれを第1の電源電圧Vdc_aで規格化することにより、第1の変調率指令値mu_ac*,mv_ac*,mw_ac*が生成される。第2の電圧指令値vu_b*〜vw_b*のそれぞれを第2の電源電圧Vdc_bで規格化することにより、第2の初期変調率指令値mu_bc*,mv_bc*,mw_bc*が生成される。
以下、本実施形態にかかるオフセット処理部43fおよび電圧オフセット演算部43gによる処理の詳細について説明する。ここで、電圧オフセット演算部43gが保有する損失情報には、オン損失の大きなアームとして、共通母線13に接続する双方向スイッチ61〜63が定義され、オン損失の小さなアームとして、正極母線12側のスイッチ64〜66および負極母線11側のスイッチ67〜69が定義されている。
まず、電圧オフセット演算部43gは、3相の出力電圧指令値vu*〜vw*の振幅Vpkを演算している。この振幅Vpkの演算方法は、第1の実施形態に示す手法と同様である。つぎに、電圧オフセット演算部43gは、電力配分比率rto_paに基づいて、一方の電源20,21のみから電力を供給するのか、それとも、双方の電源20,21から電力を供給するのか判別する。電圧オフセット演算部43gは、この判別結果に基づいて、第1の電源20に対応するオフセット指令値である第1の電圧オフセット指令値Voffs_aおよび第2の電源21に対応するオフセット指令値である第2の電圧オフセット指令値Voffs_bのいずれか一方または双方を生成する。
(第1の電源20のみから電力供給するケース(rto_pa=1))
電圧オフセット演算部43gは、当該ケースにおいて上アームに相当する双方向スイッチ61〜63の導通頻度を下げるべく、第1の電源21の負極電位と、出力電圧指令値vu*〜vw*の振幅Vpkとに基づいて、正の方向(下側)へオフセットさせるように、第2の電圧オフセット指令値Voffs_bを演算する(数式8参照)。なお、第1の電源20のみから電力供給を行うケースでは、第2の電圧オフセット指令値Voffs_bの演算は行われない。
オフセット処理部43fは、第1の電圧オフセット指令値Voffs_aを出力電圧指令値vu*〜vw*のそれぞれに加算することにより、第1の電源20に関する各相の電圧指令値vu_a*,vv_a*,vw_a*を算出する(数式9参照)。このケースでは、第2の電源21に関する各相の電圧指令値vu_b*,vv_b*,vw_b*は算出されない。
図11(a)に本ケースにおけるオフセット処理の概念を示す。本ケースでは、第1の電圧オフセット指令値Voffs_aにより、出力電圧指令値vu*〜vw*の下限(最小ピーク)と、第1の電源20の負極電位とが対応するようにオフセット処理が行われる。換言すれば、第1の電源20に対応するオフセット量(第1の電圧オフセット指令値Voffs_a)は、各相の出力電圧指令値vu*〜vw*の最小ピークと、負極母線11の電位との差に対応する。この場合、同図に示すように、変調率演算部43hから出力される第1の変調率指令値mu_ac*〜mw_ac*は、その下限(最小ピーク)がキャリアの下限と一致するようにオフセットされている。なお、同図には、U相のみが例示されているが他の相についても同様である(以下、図11において同じ)。
(第2の電源21のみから電力供給するケース(rto_pa=0))
電圧オフセット演算部43gは、当該ケースにおいて下アームに相当する双方向スイッチ61〜63の導通頻度を下げるべく、第2の電源21の正極電位と、出力電圧指令値vu*〜vw*の振幅Vpkとに基づいて、負の方向(上側)へオフセットさせるように、第2の電圧オフセット指令値Voffs_bを演算する(数式10参照)。なお、第2の電源21のみから電力供給を行うケースでは、第1の電圧オフセット指令値Voffs_aの演算は行われない。
オフセット処理部43fは、第2の電圧オフセット指令値Voffs_bを出力電圧指令値vu*〜vw*のそれぞれに加算することにより、第2の電源20に関する各相の電圧指令値vu_b*,vv_b*,vw_b*を算出する(数式11参照)。このケースでは、第1の電源20に関する各相の電圧指令値vu_a*,vv_a*,vw_a*は算出されない。
図11(b)に本ケースにおけるオフセット処理の概念を示す。本ケースでは、第2の電圧オフセット指令値Voffs_bにより、第2の電圧指令値vu_b*〜vw_b*の上限と、第2の電源21の正極電位とが対応するようにオフセット処理が行われる。換言すれば、第2の電源20に対応するオフセット量(第2の電圧オフセット指令値Voffs_b)は、各相の出力電圧指令値vu*〜vw*の最大ピークと、正極母線12の電位との差に対応する。この場合、同図に示すように、変調率演算部43hから出力される第2の変調率指令値mu_bc*〜mw_bc*は、その上限(上側ピーク(最大値))がキャリアの上限と一致するようにオフセットされている。
(各電源20,21からそれぞれ電力供給するケース(0<rto_pa<1))
電圧オフセット演算部43gは、双方向スイッチ61〜63の導通頻度を下げるべく、下式に示す演算により、第1および第2の電圧オフセット指令値Voffs_a,Voffs_bを演算する。
オフセット処理部43fは、第1の電圧オフセット指令値Voffs_aを出力電圧指令値vu*〜vw*のそれぞれに加算することにより、第1の電源20に関する各相の電圧指令値vu_a*,vv_a*,vw_a*を算出する。また、オフセット処理部43fは、第2の電圧オフセット指令値Voffs_bを出力電圧指令値vu*〜vw*のそれぞれに加算することにより、第2の電源20に関する各相の電圧指令値vu_b*,vv_b*,vw_b*を算出する(数式13参照)。
図11(c)に本ケースのオフセット処理の概念を示す。同図に示すように、変調率演算部43hから出力される第1の変調率指令mu_ac*〜mw_ac*は上側にオフセットされ、第2の変調率指令mu_bc*〜mw_bc*は下側にオフセットされる。この場合、第1の変調率指令mu_ac*と、第2の変調率指令mu_bc*とは、キャリアの上下限の範囲となる値が交互に現れるような関係となる。なお、第1の変調率指令mu_ac*および第2の変調率指令mu_bc*がキャリアの上下限の範囲を超える場合、その値はキャリアの上下限を限度として制限される。
また、本実施形態において、PWMパルス生成部45は、各最終変調率指令mu_ac*〜mw_bc*と、単一のキャリアCに基づいて、電力変換器10の各スイッチのオンオフ状態を設定するスイッチ駆動信号を生成する。そして、PWMパルス生成部45は、生成されたスイッチ駆動信号を通じて電力変換器10の各スイッチ61〜69のオンオフ状態を制御する。これにより、各電源20,21の出力電圧から出力電圧パルスを生成する。本実施形態において、キャリアCは、下限を「−1」、上限を「1」とする三角波である。
図12は、PWMパルス生成部45による電力変換器10の各スイッチ61〜69のオンオフ状態の説明図である。PWMパルス生成部45は、各最終変調率指令mu_ac*〜mw_acとキャリアCとの比較の結果、スイッチ駆動信号を生成し、このスイッチ駆動信号を通じて各スイッチのオンオフ状態を制御する。以下、U相のみについて説明を行うが、他の相についても同様である。この図12において、各スイッチ61a,67,61b,64に関するスイッチ駆動信号S61a,S67,S61b,S64がHighレベルのときに、各スイッチ61a,67,61b,64がオンとなる。
ここで、スイッチ駆動信号S61a,S67,S61b,S64について説明する。
S61a:共通母線13から出力端子の方向へ導通するスイッチ61aの駆動信号
S67:出力端子から第1の電源20の負極の方向へ導通するスイッチ67の駆動信号
S61b:出力端子から共通母線13の方向へ導通するスイッチ61bの駆動信号
S64:第2の電源21から出力端子の方向へ導通するスイッチ64の駆動信号
PWMパルス生成部45は、キャリアCよりも第1の電源20のU相変調率指令値mu_ac*が大きい場合、スイッチ61aがオンするように駆動信号S61aを出力する。また、PWMパルス生成部45は、キャリアCよりも第1の電源20のU相最終変調率指令値mu_ac*が小さい場合、スイッチ61aをオフするように駆動信号S61aを出力する。一方、PWMパルス生成部45は、スイッチ67の駆動信号S67として、スイッチ61aの駆動信号S61aを反転出力する。
これに対して、PWMパルス生成部45は、キャリアCよりも第2の電源21のU相最終変調率指令値mu_bc*が大きい場合、スイッチ64をオンするように駆動信号S64を出力する。また、PWMパルス生成部45は、キャリアCよりも第2の電源21のU相最終変調率指令値mu_bc*が小さい場合、スイッチ64をオフするように駆動信号S64を出力する。一方、PWMパルス生成部45は、スイッチ61bの駆動信号S61bとして、スイッチ64の駆動信号S64を反転出力する。
なお、スイッチ61aとスイッチ67とが同時にオンとなることで短絡が発生する可能性があるので、両スイッチ61a,67が同時にオンすることがないように短絡防止期間(デッドタイム)が付加されている。また、スイッチ64とスイッチ61bとの間にも同様にデッドタイムが付加されている。
このように本実施形態において、制御ユニット40は、オフセット処理として、電源20,21毎に、電力配分比率rto_paに基づいて、各相の出力電圧指令値vu_a*〜vw_a*,vu_b*〜vw_b*をそれぞれオフセットさせる。かかる構成によれば、一方の電源20,21で駆動する場合に、双方向スイッチ61〜63を導通する時間を低減し、単方向スイッチ64〜69側を導通する時間を増加させることができ、オン損失を低減することができる。両方の電源20,21で駆動する場合であっても、双方向スイッチ61〜63を導通する時間を低減し、単方向スイッチ64〜69側を導通する時間を増加させることができ、オン損失を低減することができる。これにより、複数の電源電力を配分して所望の出力電圧を確保ししつつ、電力変換器10の損失を低減することができる。
図13は、電流経路の説明図である。U相とV相の間をスイッチ61〜69で短絡して電流を流す経路の場合に、双方向スイッチ61,62を用いて電流を流す経路と、下アームであるスイッチ67,68を用いて電流を流す経路との2経路が考えられる。本実施形態によれば、下アームのスイッチ67,68の導通時間が増加させられるとともに、双方向スイッチ1,2の導通時間を減少させることとなる。これにより、オン損失の小さいスイッチ61,62の導通比率が高くなるので、オン損失の低減を図ることができる。
なお、電力配分比率rto_paと、実際の電力配分との間に誤差が生じる場合には、その誤差の関係を予め計測しておき、実際の電力配分に応じた電力配分比率rto_paに変換した値を使用することが好ましい。
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態にかかる制御システムについて説明する。第4の実施形態にかかる制御システムが、第1の実施形態のそれと相違する点は、電力変換器10の構成である。第1の実施形態と共通する構成については重複する説明は省略することとし、以下、相違点を中心に説明を行う。
図14は、本発明の第4の実施形態にかかる電力変換装置を含む制御システムの全体構成を模式的に示す説明図である。制御システムは、電力変換器10、モータ30および制御ユニット40を主体に構成されている。
図15は、第4の実施形態にかかる電力変換器10を中心としたシステム構成を模式的に示す説明図である。電力変換器10は、単一の電源20に接続されており、制御ユニット40に制御されることにより電源20の出力電圧から出力電圧パルスを生成する。そして、電力変換器10は、各相毎に生成された出力電圧パルスにより、負荷である3相交流同期モータ30の駆動電圧を生成する。電源20は、直流電源であり、例えば、ニッケル水素電池あるいはリチウムイオン電池といったバッテリを用いることができる。
電力変換器10において、電源20の正極に接続される正極母線と、各相の出力端子との間には、上アームであるスイッチ71〜73がそれぞれ接続されている。また、電源20の負極に接続される負極母線と、各相の出力端子との間には、下アームであるスイッチ74〜76がそれぞれ接続されている。個々のスイッチ71〜76は、一方向の導通を制御可能な半導体スイッチ(例えば、IGBT等のトランジスタといったスイッチング素子)を主体に構成されており、個々の半導体スイッチは、還流用ダイオードが逆並列接続されている。
再び図1を参照するに、制御ユニット40は、電力変換器10を制御する制御手段であり、この電力変換器10を介して負荷であるモータ30の出力トルクを制御する。制御ユニット40は、これを機能的に捉えた場合、トルク制御部41と、電流制御部42と、電力制御部47と、3相/dq変換部44と、PWMパルス生成部45と、電圧オフセット演算部46を有している。
トルク制御部41は、外部より与えられるトルク指令T*と、モータ回転数ωとに基づいて、モータ30のd軸およびq軸電流指令値id*,iqをそれぞれ演算する。また、本実施形態では、トルク指令T*およびモータ回転数ωと、各スイッチ71〜76におけるオン損失Slossとの関係を保持している。トルク制御部41は、当該マップを参照して各スイッチ71〜76のオン損失Slossを演算する。このオン損失Slossは、トルク指令T*およびモータ回転数ωによって規定されるモータ30の運転状態に対応して電力変換器10を動作させた場合における各スイッチ71〜76に生じる基本的なオン損失を示している。なお、オン損失Slossは、マップを用いる手法以外にも、演算式を用いてオンラインで演算してもよい。演算された各スイッチ71〜76のオン損失Slossは、電圧オフセット演算部46に出力される。
電圧オフセット演算部46は、各スイッチ71〜76のオン損失Slossと、前回の処理サイクルに演算された電圧オフセット指令値Voffs_aとに基づいて、電圧オフセット指令値Voff_aを演算する。まず、電圧オフセット演算部46は、各スイッチ71〜76のオン損失Slossに基づいて、上アームの総損失と、下アームの総損失とを演算する。各アームの総損失を演算する場合、前回の電圧オフセット指令値Voffs_aをフィードバックして、どちらのアームの導通頻度が高い状況であるかを判断し、各総損失に反映する。
具体的には、電圧オフセット指令値Voffs_aが正方向(下方向)へとオフセットさせる作用を有する場合には、下アームの導通頻度が高い状況となっている。逆に、電圧オフセット指令値Voffs_aが負方向(上方向)へとオフセットさせる作用を有する場合には、上アームの導通頻度が高い状況となっている。このように導通頻度が高いアームでは発熱等にともないオン損失が大きくなるので、各アームの総損失を演算する際に、前回の電圧オフセット指令値Voffs_aに応じた損失分を補正する。個々のスイッチ71〜76に対する各補正値は、例えば、マップなどを用いて、前回の電圧オフセット指令値Voffs_aに応じて一義的に定めることができる。
電圧オフセット演算部46は、上アームの総損失と、下アームの総損失とを比較して、その損失差が所定の閾値を超えるか否かにより、どちらのアームの総損失が大きいかを判断する。電圧オフセット演算部46は、この判断結果にしたがって、電圧オフセット指令値Voffs_aを算出する。なお、電圧オフセット演算部46は、第1の実施形態に示す電圧オフセット部と43cと同様に、出力電圧指令値vu*〜vw*の振幅Vpkを演算している。
(上アームの総損失が大きいケース)
電圧オフセット演算部46は、当該ケースにおいて上アームの導通頻度を下げるべく、出力電圧指令値vu*〜vw*の下限(最小ピーク)が電源20の負極電位と対応するように、正の方向(下側)へのオフセット量として電圧オフセット指令値Voffs_aを演算する(数式13参照)。
(下アームの総損失が大きいケース)
電圧オフセット演算部46は、当該ケースにおいて下アームの導通頻度を下げるべく、出力電圧指令値vu*〜vw*の上限(最大ピーク)が電源20の正極電位と対応するように、負の方向(下側)へのオフセット量として電圧オフセット指令値Voffs_aを演算する(数式14参照)。
(上下アームの総損失に差異がないケース)
電圧オフセット演算部46は、実質的なオフセットが行われないように、電圧オフセット指令値Voffs_aを「0」として演算する。本ケースおよび上述した各ケースにおいて演算された電圧オフセット指令値Voffs_aは、電力制御部47に出力される。
電力制御部47は、電流制御部42から出力された各相の電圧指令値vu*〜vw*のそれぞれに、電圧オフセット指令値Voff_aを加算することにより(オフセット処理)、各相の最終電圧指令値を演算する。そして、電力制御部47は、各相の最終電圧指令値のそれぞれを電源20の出力電圧Vdc_aで正規化することにより、各相の変調率指令値(最終変調率指令値)mu_ac*,mv_ac*,mw_ac*を演算する。演算された各変調率指令値mu_ac*〜mw_ac*は、キャリアと比較してスイッチ駆動信号を生成すべくPWMパルス生成部45に対して出力される。
図16は、U相に着目した上下アームの総損失に応じた変調率指令値mu_ac*を示す説明図である。同図において、(a)は上下アームの総損失に差異がないケース、(b)は上アームの総損失が大きいケース、(c)は下アームの総損失が大きいケースを示す。同図(a)に示すように、上下アームの総損失に差異がないケースではオフセット処理は行われない。また、同図(b)に示すように、上アームの総損失が大きいケースでは、変調率指令値mu_ac*〜mw_ac*は、その下限(最小ピーク)がキャリアの下限と一致するようにオフセットされている。また、同図(c)に示すように、下アームの総損失が大きいケースでは、変調率指令値mu_ac*〜mw_ac*は、その上限(最大ピーク)がキャリアの上限と一致するようにオフセットされている。
このように本実施形態において、制御ユニット40は、各スイッチ71〜76の損失の状態を判別する損失判別手段としての機能を担っている。そして、制御ユニット40は、各スイッチ71のそれぞれの損失の状態に基づいて、出力電圧指令値vu*〜vw*に応じた出力電圧を具備する各スイッチ71〜76の導通時間に関する制御パターンのなかから各スイッチ71〜76の導通時間を決定する。
かかる構成によれば、出力電圧指令値vu*〜vw*に応じた出力電圧を具備する各スイッチ71〜76の導通時間に関する制御パターンのなかから、オン損失の高いスイッチ71〜76の導通比率を低減させ、その反面オン損失の低いスイッチ71〜76の導通比率を高めるように、各スイッチ71〜76の導通時間を決定することができる。これにより、出力電圧指令値vu*〜vw*に応じた出力電圧をみたしつつ、電力変換器10のオン損失を低減することができる。
また、本実施形態によれば、オン損失が発生するアームを操作することにより、スイッチ71〜76の温度上昇を適切に制御することができる。これにより、より高い出力での駆動時間を長くすることが可能になる。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態にかかる制御システムについて説明する。第5の実施形態にかかる制御システムが、第4の実施形態のそれと相違する点は、電圧オフセット指令値Voffs_aの算出手法である。第4の実施形態と共通する構成については重複する説明は省略することとし、以下、相違点を中心に説明を行う。
図17は、本発明の第5の実施形態にかかる制御システムの全体構成を模式的に示す説明図である。制御システムは、電力変換器10、モータ30および制御ユニット40を主体に構成されている。制御ユニット40は、第4の実施形態と同様に、トルク制御部41と、電流制御部42と、電力制御部47と、3相/dq変換部44と、PWMパルス生成部45と、電圧オフセット演算部46を有している。
本実施形態の特徴の一つとして電圧オフセット演算部46には、各スイッチ71〜76のそれぞれに設けられた温度センサ(図示せず)によって検出された各スイッチ71〜76の温度T1〜T7が入力されている。なお、第4の実施形態に示す、各スイッチ71〜76のオン損失Slossの入力および電圧オフセット指令値Voffs_aのフィードバックは行われない。
図18は、第5の実施形態にかかる電圧オフセット指令値Voffs_aの演算処理を示すフローチャートである。まず、ステップ1(S1)において、電圧オフセット演算部46は、各温度センサからスイッチ71〜76の温度T1〜T6を読み込む。
ステップ2(S2)において、電圧オフセット演算部46は、各温度T1〜T6のうち、最大温度Tmaxを選択する。そして、ステップ3(S3)において、電圧オフセット演算部46は、最大温度Tmaxが、設定した温度条件Tthよりも大きいか否かを判断する。この温度条件Tthは、各スイッチ71〜76のオン損失が増大して発熱することによりある一定の温度に到達しているか否かを判断するために、その最適値が実験やシミュレーションを通じて予め設定されている。
ステップ3において肯定判定された場合、すなわち、最大温度Tmaxが温度条件Tth以上の場合には、ステップ4(S4)に進む。一方、ステップ3において否定判定された場合、すなわち、最大温度Tmaxが温度条件よりも小さい場合には、ステップ7(S7)に進む。
ステップ4において、電圧オフセット演算部46は、最大温度Tmaxに対応するスイッチが上アームのスイッチであるか否かを判断する。このステップ4において肯定判定された場合、すなわち、最大温度Tmaxのスイッチが上アームのスイッチである場合には、ステップ5(S5)に進む。一方、ステップ4において否定判定された場合、すなわち、最大温度Tmaxのスイッチが下アームのスイッチである場合には、ステップ6(S6)に進む。
そして、ステップ5において、電圧オフセット演算部46は、上アームの導通頻度を下げるべく、第4の実施形態において数式13に示すように、電圧オフセット指令値Voffs_aを演算する。また、ステップ6において、電圧オフセット演算部46は、下アームの導通頻度を下げるべく、第4の実施形態において数式14に示すように、電圧オフセット指令値Voffs_aを演算する。さらに、ステップ7において、電圧オフセット演算部46は、電圧オフセット指令値Voffs_aを「0」として演算する。
このようにして電圧オフセット指令値Voffs_aが演算されると、電力制御部47は、各相の出力電圧指令値vu*〜vw*に電圧オフセット指令値Voffs_aをそれぞれ加算し(オフセット処理)、各相の最終電圧指令値を演算する。そして、電力制御部47は、各相の最終電圧指令値のそれぞれを電源20の出力電圧Vdc_aで正規化することにより、各相の変調率指令値(最終変調率指令値)mu_ac*,mv_ac*,mw_ac*を演算する。演算された各変調率指令値mu_ac*〜mw_ac*は、キャリアと比較してスイッチ駆動信号を生成すべくPWMパルス生成部45に対して出力される。
このように本実施形態において、制御ユニット40は、各スイッチ71〜76の温度T1〜T6の検出結果に基づいて、温度が高いスイッチ71〜76の損失が大きいと判別する。この場合、制御ユニット40は、損失が大きい状態であることを判断する温度条件Tthと、各スイッチ71〜76の温度T1〜T6とに基づいて、損失の大きいスイッチ手段を特定する。
かかる構成によれば、出力電圧指令値vu*〜vw*に応じた出力電圧をみたしつつ、電力変換器10のオン損失を低減することができる。また、各スイッチ71〜76の温度に応じて、オン損失が発生するアームを操作することにより、スイッチ71〜76の温度上昇を適切に制御することができる。これにより、より高い出力での駆動時間を長くすることが可能になる。
(第6の実施形態)
以下、本発明の第6の実施形態にかかる制御システムについて説明する。第6の実施形態にかかる制御システムが、第1の実施形態のそれと相違する点は、制御ユニット40の電力制御部43(具体的には、電圧オフセット演算部43c)による第1および第2の電圧オフセット指令値Voffs_a,Voffs_bの演算方法である。第1の実施形態と共通する構成については重複する説明は省略することとし、以下、相違点を中心に説明を行う。
電圧オフセット演算部43cは、第1の電圧指令値vu_a*〜vw_a*のうち、最小の電圧指令値を第1の最小電圧指令値Vmin_aとして選択する。また、電圧オフセット演算部43cは、第2の電圧指令値vu_b*〜vw_b*のうち、最小の電圧指令値を第2の最小電圧指令値Vmin_bとして選択する。そして、電圧オフセット演算部43cは、下式に基づいて、電圧オフセット指令値Voffs_a,Voffs_bを演算する。
このように本実施形態によれば、図19に示すように、電源20,21に関する各相の出力電圧指令値vu_a*〜vw_a*,vu_b*〜vw_b*のうち最小となる出力電圧指令値と、負極母線11の電位との差を最大オフセット量として、各相の出力電圧指令値vu_a*〜vw_a*,vu_b*〜vw_b*をそれぞれ減少させる。かかる構成によれば、双方向スイッチ1〜6を導通する時間を短くすることができるとともに、スイッチング回数も低減できる。これにより、電力変換器10の損失をより低減することができる。
なお、本実施形態に示す手法は、第2の実施形態に示す制御システムに適用することができる。具体的には、電圧オフセット演算部43cは、第1の電圧指令値vu_a*〜vw_a*のうち、最大の電圧指令値を第1の最大電圧指令値Vmax_aとして選択する。また、電圧オフセット演算部43cは、第2の電圧指令値vu_b*〜vw_b*のうち、最大の電圧指令値を第2の最大電圧指令値Vmin_bとして選択する。そして、電圧オフセット演算部43cは、下式に基づいて、電圧オフセット指令値Voffs_a,Voffs_bを演算する。
このように本実施形態によれば、図20に示すように、電源20,21に関する各相の出力電圧指令値vu_a*〜vw_a*,vu_b*〜vw_b*のうち最大となる出力電圧指令値と、正極母線12の電位との差を最大オフセット量として、各相の出力電圧指令値vu_a*〜vw_a*,vu_b*〜vw_b*をそれぞれ増加させる。かかる構成によれば、双方向スイッチ1〜6を導通する時間を短くすることができるとともに、スイッチング回数も低減できる。これにより、電力変換器10の損失をより低減することができる。