JP2010251978A - 複合化された圧電基板の製造方法および複合化された圧電基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも、圧電基板と絶縁体基板のどちらか一方の主表面に接着剤を塗布する第1の工程と、前記接着剤を介して前記圧電基板と前記絶縁体基板とをお互いに貼り合わせる第2の工程と、前記貼り合わせた基板の温度を25±5℃となるように制御して、前記接着剤に紫外光を照射して該接着剤を硬化させる第3の工程と、前記貼り合わせた基板を所望の厚さまで研削する第4の工程と、該研削後の貼り合わせた基板を加熱して前記接着剤を完全に硬化させる第5の工程と、を具備することを特徴とする複合化された圧電基板の製造方法。
【選択図】図1
Description
すなわち、大きな電気機械結合係数と小さな周波数温度係数を兼ね備えた圧電基板が有れば好ましい。こうした特性を実現する圧電基板の一例として、圧電基板と他の基板を接合した複合圧電基板がある。
具体的には、特許文献1に記載の接合基板では、接合領域の厚みは1.5nm以上であり、150℃で1時間保持した後のソリの量が概ね200μm以下となっている。
これは、SAWデバイスの製造工程においては熱処理を施すことが必要とされる場合があり、かかる熱処理後に基板に反りが生じると、その後のダイシング工程などで複合圧電基板をステージに吸着させることが困難となり、生産性が大幅に低下するためである。
そして、近年、更にソリを低減させた安価な複合圧電基板が求められていた。
このように、紫外光を照射する際の貼り合わせた基板の温度変化を±1℃以内となるように制御することによって、作製する複合化された圧電基板のソリの量を従来に比べてより確実に小さなものとすることができる。
このように、研削によって発生する欠陥を多く含む研削歪層を、接着剤を完全硬化させるための加熱処理前に除去することによって、所望の厚さを有し、且つソリの量が小さく、更に高品質の複合化された圧電基板を製造することができる。
このように、圧電基板を、LiTaO3、LiNbO3のいずれかからなるものとすることによって、電気機械結合係数が大きく、また複合化された圧電基板の効果により動作周波数の温度変動が抑制された安価な複合化された圧電基板を提供することができる。
このように、接着剤を硬化させるための加熱チャンバーの温度を80℃以上とすることによって、接着剤を確実に完全に硬化させることができる。また、貼り合わせた基板の基板の温度ムラを±1℃となるように制御して加熱・硬化させることによって、接着剤の硬化を更に確実に行うことができ、安定した複合化された圧電基板を製造することができる。
前述のように、圧電基板と絶縁体基板とが接着剤を介して貼り合わされた複合化された圧電基板の製造方法において、安価な絶縁体基板を用いたとしても熱処理後のソリの量が小さく、かつソリの大きさのバラツキが小さく安定している複合化された圧電基板の製造方法とその製造方法によって製造された複合化された圧電基板の開発が待たれていた。
そのため、接着剤の硬化条件を安定化させないと、出来上がった複合化された圧電基板のソリは大きなバラツキを持ったものとなってしまうばかりか、良好なソリを有するものが出来ないことも判った。
そして、本発明者は、紫外光を照射して接着剤を硬化させるときの貼り合わせた基板の基板温度及び温度変動について着目し、種々検討した。
本発明の複合化された圧電基板10は、少なくとも、圧電基板11と絶縁体基板12が接着剤13を介して貼り合わされたものであって、かつ複合化された圧電基板10は、その基板温度が25±5℃の時のソリの値が100μm以下となっているものである。
この準備する圧電基板と絶縁体基板は、所望の物性値を有するものを準備することができるが、圧電基板は、LiTaO3、LiNbO3のいずれかからなるものとすることができる。また、本発明では準備する絶縁体基板としては、必ずしもサファイア基板のような高価なものを用いらなくともソリを小さくすることができる。
圧電基板が、LiTaO3、LiNbO3のいずれかからなるものであれば、これらは電気機械結合係数が大きい結晶材料なので、周波数選択フィルタとしての帯域幅が広く、また挿入損失が小さく、更に動作周波数の温度変動が抑制されたSAWデバイスが製造可能な複合化された圧電基板を製造することができる。
また、これらの圧電結晶材料からなる圧電基板は、例えばチョクラルスキー法でこれらの単結晶棒を育成し、これを所望の厚さにスライスすることによって高品質なものが得られる。また、基板方位についても、36°回転Yカット、42°回転Yカット、48°回転Yカット等、圧電性結晶材料の種類やSAWデバイスの用途、所望特性等に応じて適宜選択することができる。
この紫外線硬化型の接着剤は、紫外線が照射されることで硬化するものであれば特に限定されないが、例えばエポキシメタクリレートを主成分とするものや、ジオキシ構造を持つエポキシ樹脂とすることができる。
またその塗布方法も一般的な方法を用いることができるが、例えばスピンコーティング等がある。
このように、紫外光照射時の貼り合わせた基板の基板温度を25±5℃となるように制御することによって、接着剤を常温で硬化させることができ、ソリの小さな複合化された圧電基板を歩留り良く製造することが可能となる。
ここで、図2は、紫外光照射時の貼り合わせた基板の基板温度と、複合化された圧電基板のソリの量との関係を示した図である。そして図2では、紫外光照射中の基板の温度変化が0.5℃以内となるように制御した。また、図2において、複合化された圧電基板のソリの方向は、+方向は圧電基板側に凹(絶縁体基板側に凸)となる場合で、−(マイナス)方向は絶縁体基板側に凹(圧電基板側に凸)となる場合のことである。
図3に示すように、紫外光照射時の基板の温度変化を1℃以下に抑えることによって、基板のソリの量を更に小さなものとすることができることが判った。ここで図3は、紫外光照射中の貼り合わせた基板の基板温度の変化量と、複合化された圧電基板のソリの量の関係(照射開始時の基板温度を25℃一定とした)を示した図である。
このように、紫外光照射時の貼り合わせた基板の温度変化を1℃以下に抑制することによって、更にソリの値の小さな複合化された圧電基板を安定して製造することができる。
この研削歪層の除去は、例えばポリッシング等によって行うことができる。
このように、欠陥が多く存在する研削歪層を加熱前に除去することによって、良好な結晶性の圧電基板からなる複合化された圧電基板を得ることができる。またこの研削歪層の除去をポリッシング等で行うことによって、貼り合わせた基板の圧電基板を所望の厚さに高精度に加工することができ、高平坦性かつ所望の厚さの複合化された圧電基板を効率よく製造することができる。
これによって、接着剤を安定して確実に完全硬化させることができる。そして加熱の際の貼り合わせた基板の温度ムラを±1℃とすることによって、接着剤を更に安定してムラなく完全硬化させることができ、ソリの量が更に小さい複合化された圧電基板を製造することができる。
(実施例1)
直径4インチ(100mm)で厚さが215μm、貼り合わせ面とその反対側の面のそれぞれの表面粗さRaが共に0.3μm、ヤング率が340GPa、抵抗率が1015Ωcmであるアルミナ基板を絶縁体基板として用意した。
また、圧電基板として、直径4インチ(100mm)の36°回転Yカットタンタル酸リチウム(LiTaO3)基板を用意して、この圧電基板の厚さが160μmとなるよう両面粗研磨により表裏面の粗さが0.13μmとなるよう仕上げた。
また、LiTaO3基板の貼り合わせ面を洗浄し、前述の接着剤を同様に塗布し、アルミナ基板の接着剤塗布面とLiTaO3基板の接着剤塗布面を貼り合わせた。
このとき貼り合わせた基板面内で接着剤の層の厚さは一様に5μmだった。
このようにして作製した貼り合わせた基板を、150℃に加熱したチャンバーに導入し、基板面内の温度ムラが±0.5℃となるように制御して加熱することで接着剤を完全に硬化させて、複合化された圧電基板を製造した。
実施例1において、紫外光照射時の基板温度を18℃(比較例1)、20℃(実施例2)、22℃(実施例3)、28℃(実施例4)、30℃(実施例5)、32℃(比較例2)とした以外は実施例1と同様の方法で複合化された圧電基板を製造し、同様にソリの量を評価した。
すなわち、紫外光照射時の基板温度を20〜30℃(25±5℃)の範囲内に納めることによって、ハンドリングが困難とならない範囲である175〜−225μmのソリの量の複合化された圧電基板を製造することができ、特には±100μm以下にもできることが判った。
従来、アルミナ基板を用いて約80℃で紫外光照射が行われていた時にはソリの量が−400μm以上になっていたが、これと比較すると大幅な改善となった。
Claims (6)
- 少なくとも、圧電基板と絶縁体基板のどちらか一方の主表面に接着剤を塗布する第1の工程と、
前記接着剤を介して前記圧電基板と前記絶縁体基板とをお互いに貼り合わせる第2の工程と、
前記貼り合わせた基板の温度を25±5℃となるように制御して、前記接着剤に紫外光を照射して該接着剤を硬化させる第3の工程と、
前記貼り合わせた基板を所望の厚さまで研削する第4の工程と、
該研削後の貼り合わせた基板を加熱して前記接着剤を完全に硬化させる第5の工程と、を具備することを特徴とする複合化された圧電基板の製造方法。 - 前記第3の工程において、紫外光を照射する際の前記貼り合わせた基板の温度変化を±1℃以内となるように制御することを特徴とする請求項1に記載の複合化された圧電基板の製造方法。
- 前記第5の工程において、前記加熱前に、研削によって生じた研削歪層を除去することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の複合化された圧電基板の製造方法。
- 前記圧電基板を、LiTaO3、LiNbO3のいずれかからなるものとすることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の複合化された圧電基板の製造方法。
- 前記第5の工程を、前記貼り合わせた基板を加熱チャンバーに導入し、前記接着剤を完全硬化させる際の前記チャンバー内の温度を80℃以上とし、かつ前記貼り合わせた基板の基板の温度ムラを±1℃となるように制御することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の複合化された圧電基板の製造方法。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の複合化された圧電基板の製造方法により製造された複合化された圧電基板であって、該基板温度が25±5℃の時のソリの値が100μm以下であることを特徴とする複合化された圧電基板。
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