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JP2010243888A - 光学素子及びその製造方法 - Google Patents

光学素子及びその製造方法 Download PDF

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JP2010243888A
JP2010243888A JP2009093900A JP2009093900A JP2010243888A JP 2010243888 A JP2010243888 A JP 2010243888A JP 2009093900 A JP2009093900 A JP 2009093900A JP 2009093900 A JP2009093900 A JP 2009093900A JP 2010243888 A JP2010243888 A JP 2010243888A
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resin
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optical element
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JP2009093900A
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Hiroshi Hirayama
博士 平山
Hironori Takahashi
弘典 高橋
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Konica Minolta Opto Inc
Original Assignee
Konica Minolta Opto Inc
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Abstract

【課題】樹脂表面と隣接層との密着性を向上させ、表面形状の変化と樹脂内部の白濁とを防止又は抑制する。
【解決手段】対物レンズ37は波長380〜420nmのレーザ光を用いた光学装置に用いられる光学素子である。対物レンズ37は、樹脂材料を成形した樹脂成形部50と、樹脂成形部50の表面52に形成されたヒンダードアミン系耐光安定剤を含有する隣接層60と、を備え、85℃,RH50%の環境下に168時間放置された場合に、樹脂成形部50の光学有効範囲に対する隣接層60の密着面積が60%以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は光学素子及びその製造方法に関する。
近年、光ピックアップ装置等の光学装置においては、従来の波長が780nm前後の光源を用いたCDや、波長650nm前後の光源を用いたDVDよりも更に記録密度を高め、記録容量を向上させるため、波長380〜420nmのレーザ光が用いられたブルーレイディスク(以下、BDと記載する場合もある)に対応した光学装置が開発されている。
一方、そのような光学装置に用いられる対物レンズやコリメータレンズといった光学素子は、製造にコストがかかるガラスレンズよりも、安易且つ低コストで製造可能な樹脂レンズにより製造されることが望まれている。
しかしながら、波長380〜420nmのレーザ光源が用いられた光学装置においては、従来よりもレーザ光源が短波長化されたことにより、照射レーザによる樹脂の劣化が無視できなくなっており、光学素子用の樹脂(レンズの樹脂成形部)に各種の耐光安定剤を混合することで、樹脂の光劣化を防止する技術が検討されている。
当該耐光安定剤のなかでも、上記の短波長レーザによる耐光劣化の抑制に優れた効果を示すものとしてヒンダードアミン系耐光安定剤(HALS)が用いられる。
しかしながら、近年の更なる研究により、光学素子の照射レーザによる劣化はレンズの樹脂成形部の表面で顕著に発生することが判明している。また、表面の劣化を抑制するために、樹脂に多量の添加剤を混合した場合には、成形時に樹脂から添加剤が析出することでレンズ性能を悪化させる場合があった。
そのような問題に対し、樹脂成形部の表面に酸化防止剤からなる層を形成することで表面の局所的な樹脂劣化を低減させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−259302号公報
しかしながら、特許文献1に記載のように、酸化防止剤の膜を表面に形成した場合は、通常の環境下では表面の樹脂劣化は効果的に抑制できるものの、光学素子が使用環境において、高温・高湿環境下に放置すると、酸化防止剤膜の膜浮き(酸化防止剤膜が樹脂表面から剥離する現象)が樹脂表面で生じてしまうことが分かった。
また、酸化防止剤膜が浮いてしまった光学素子に対し、レーザ光を照射すると、酸化防止剤膜が樹脂表面で十分に機能しないため、樹脂表面で形状変化が起こったり樹脂内部で白濁が起こったりする場合があることが判明した。
さらに、光ピックアップ装置等の光学装置に用いられる光学素子としては、表面反射による光量のロスや散乱光による影響を低減させるため高い光透過率、すなわち低反射性が求められる為、表面に無機酸化物からなる反射防止膜が設けられる場合が多いが、耐光安定剤を加えた上記の隣接層に膜浮きが発生することで、その上に設けられた反射防止膜も剥がれたり、歪みが生じて光学装置の読取り誤差の原因となる場合があった。
したがって、本発明の主な目的は、樹脂表面とHALS剤を含有する隣接層との密着性を向上させ、表面形状の変化と樹脂内部の白濁とを防止又は抑制することができる光学素子及びその製造方法を提供することにある。
本発明の一態様によれば、
波長380〜420nmのレーザ光を用いた光学装置に用いられる光学素子において、
樹脂材料を成形した樹脂成形部と、
前記樹脂成形部の表面に形成されヒンダードアミン系耐光安定剤を含有する隣接層と、
を備え、
85℃,RH50%の環境下に168時間放置された場合に、前記樹脂成形部の光学有効範囲に対する前記隣接層の密着面積が60%以上であることを特徴とする光学素子が提供される。
本発明の他の態様によれば、前記光学素子の製造方法において、
樹脂とヒンダードアミン系耐光安定剤とを含む材料を成形して樹脂成形部を形成する工程と、
前記樹脂成形部を熱アニール処理する工程と、
前記樹脂成形部の表面に対し、ヒンダードアミン系耐光安定剤を含有する隣接層を形成する工程と、
を備えることを特徴とする光学素子の製造方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、前記光学素子の製造方法において、
樹脂材料を成形して樹脂成形部を形成する工程と、
前記樹脂成形部の表面を活性化する工程と、
前記樹脂成形部の表面に対し、ヒンダードアミン系耐光安定剤を含有する隣接層を形成する工程と、
を備えることを特徴とする光学素子の製造方法が提供される。
前記樹脂成形部の表面を活性化する工程においては、前記樹脂成形部の表面の純水接触角が30°以下になるまで、前記樹脂成形部の表面を活性化することが更に好ましい形態である。
また、前記樹脂成形部の表面を活性化する工程としては、前記樹脂成形部の表面に対し紫外線を照射する方法、前記樹脂成形部の表面に対しイオンビームを照射する方法、前記樹脂成形部の表面に対しプラズマを照射する方法等が好ましい方法として挙げられる。
また、本発明の他の態様によれば、前記光学素子の製造方法において、
樹脂材料を成形して樹脂成形部を形成する工程と、
前記樹脂成形部の表面にSiO膜を島状に形成する工程と、
前記樹脂成形部の表面に対し、ヒンダードアミン系耐光安定剤を含有する隣接層を形成する工程と、
を備えることを特徴とする光学素子の製造方法が提供される。
本発明によれば、樹脂成形部表面と隣接層との密着性が向上し、樹脂成形部の表面形状の変化と樹脂内部の白濁とを防止又は抑制することができる。
本発明の好ましい実施形態で使用される光ピックアップ装置の概略構成を示す図面である。 図1の変形例を示す図面である。
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明する。
[第1の実施形態]
図1に示す通り、光ピックアップ装置30には、半導体レーザ発振器32が具備されている。半導体レーザ発振器32は、BD(Blu-ray Disc)用として波長380〜420nmの特定波長(例えば405nm)のブルーレーザ光(青紫色レーザ)を出射するようになっている。光ピックアップ装置30は光学装置の一例であり、半導体レーザ発振器32は光源の一例である。
半導体レーザ発振器32から出射されるブルーレーザ光の光軸上には、半導体レーザ発振器32から離間する方向に向かって、コリメータ33、ビームスプリッタ34、1/4波長板35、絞り36、対物レンズ37が順次配設されている。
ビームスプリッタ34と近接した位置であって、上述した青紫色光の光軸と直交する方向には、2組のレンズからなるセンサーレンズ群38、センサー39が順次配設されている。
対物レンズ37は、高密度な光ディスクD(BD用光ディスク)に対向した位置に配置されており、半導体レーザ発振器32から出射されたブルーレーザ光を光ディスクDの一面上に集光するようになっている。対物レンズ37は光学素子の一例であり、像側開口数NAが0.7以上となっている。対物レンズ37の周縁部にはフランジ部が形成されており、当該フランジ部に2次元アクチュエータ40が装着されている。2次元アクチュエータ40の動作により、対物レンズ37は光軸上を移動自在となっている。
図1中拡大図に示す通り、対物レンズ37は主には樹脂成形部50で構成されており、対物レンズ37の表面37aには隣接層60,反射防止膜70がそれぞれ形成されている。
本実施形態では、対物レンズ37の表面37aの反対面(表面37b)にも隣接層60,反射防止膜70が形成されてもよい。
本実施形態では、対物レンズ37を85℃,RH50%の環境下に168時間放置した場合に、樹脂成形部50の光学有効範囲に対する隣接層60の密着面積(密着率)は60%以上であり、好ましくは80%以上であり、更に好ましくは略100%となっている。
樹脂成形部50は主には、レーザ光への耐光性の観点から脂環式構造を有する重合体からなる樹脂で構成されていることが好ましい。
また、樹脂からの析出(ブリードアウトとも言う)が発生しない範囲でヒンダードアミン系耐光安定剤(HALS)が含有されていることが好ましい。
脂環式構造を有する重合体からなる樹脂としては、例えば、下記の樹脂1,2を好適に使用することができ、具体的には日本ゼオン製ZEONEX、三井化学製APEL、JSR製アートン、TOPAS ADVANCED POLYMERS Gmbh製TOPASなどが好適に用いられる。
[樹脂1]
樹脂材料1は、重量平均分子量(Mw)が1,000〜1,000,000である重合体全繰り返し単位中に、下記式(1)で表される脂環式構造を有する繰り返し単位(a)と、下記式(2)及び/又は下記式(3)で表される鎖状構造の繰り返し単位(b)とを、合計含有量が90重量%以上になるように含有し、さらに繰り返し単位(b)の含有量が1重量%以上10重量%未満であり、繰り返し単位(a)の連鎖が下記関係式(Z)を満たす脂環式炭化水素系共重合体を含有することが好ましい。
A≦0.3×B … (Z)
関係式(Z)中、A=(脂環式構造を有する繰り返し単位の連鎖の重量平均分子量)であり、B=(脂環式炭化水素系共重合体の重量平均分子量(Mw)×(脂環式構造を有する繰り返し単位数/脂環式炭化水素系共重合体を構成する全繰り返し単位数)である。
Figure 2010243888
Figure 2010243888
Figure 2010243888
式(1)、式(2)及び式(3)中のR1〜R13は、それぞれ独立に、水素原子、鎖状炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基、及び極性基(ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、イミド基、又はシリル基)で置換された鎖状炭化水素基等を表す。その中でも水素原子又は炭素原子数1〜6個の鎖状炭化水素基の場合が、耐熱性、低吸水性に優れるので好ましい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子を挙げることができる。極性基で置換された鎖状炭化水素基としては、例えば炭素原子数1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6のハロゲン化アルキル基が挙げられる。鎖状炭化水素基としては、例えば炭素原子数1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6のアルキル基;炭素原子数2〜20、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜6のアルケニル基が挙げられる。
式(1)中のXは脂環式炭化水素基を表し、それを構成する炭素数は、通常4個〜20個、好ましくは4個〜10個、より好ましくは5個〜7個である。脂環式構造を構成する炭素数をこの範囲にすることで複屈折を低減することができる。また脂環式構造は単環構造に限らず、例えばノルボルナン環やジシクロヘキサン環などの多環構造のものでもよい。
脂環式炭化水素基は、炭素−炭素不飽和結合を有してもよいが、その含有量は、全炭素−炭素結合の10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下である。脂環式炭化水素基の炭素−炭素不飽和結合をこの範囲とすることで、透明性、耐熱性が向上する。また、脂環式炭化水素基を構成する炭素には、水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基、及び極性基(ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、イミド基、又はシリル基)で置換された鎖状炭化水素基等が結合していてもよく、中でも水素原子又は炭素原子数1〜6個の鎖状炭化水素基が耐熱性、低吸水性の点で好ましい。
また、式(3)中の「………」は、主鎖中の炭素−炭素飽和、又は炭素−炭素不飽和結合を示すが、透明性、耐熱性を強く要求される場合、不飽和結合の含有率は、主鎖を構成する全炭素−炭素間結合の、通常10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下である。
式(1)で表される繰り返し単位の中でも、下記式(4)で表される繰り返し単位が、耐熱性、低吸水性の点で優れている。
Figure 2010243888
式(2)で表される繰り返し単位の中でも、下記式(5)で表される繰り返し単位が、耐熱性、低吸水性の点で優れている。
Figure 2010243888
式(3)で表される繰り返し単位の中でも、下記式(6)で表される繰り返し単位が、耐熱性、低吸水性の点で優れている。
Figure 2010243888
式(4)、式(5)及び式(6)中の、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、Rh、Ri、Rj、Rk、Rl、Rm、Rnはそれぞれ独立に水素原子または低級鎖状炭化水素基を示し、水素原子または炭素数1〜6の低級アルキル基が、耐熱性、低吸水性の点で優れている。
式(2)及び式(3)で表される鎖状構造の繰り返し単位の中では、式(3)で表される鎖状構造の繰り返し単位の方が、得られる炭化水素系重合体の強度特性に優れている。
本発明においては、炭化水素共重合体中の、式(1)で表される脂環式構造を有する繰り返し単位(a)と、式(2)及び/又は式(3)で表される鎖状構造の繰り返し単位(b)との合計含有量は、重量基準で、通常90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上である。合計含有量を上記範囲にすることで、低複屈折性、耐熱性、低吸水性、機械強度が高度にバランスされる。
脂環式炭化水素系共重合体における鎖状構造の繰り返し単位(b)の含有量は使用目的に応じて適宜選択されるが、通常、重量基準で1%以上10%未満、好ましくは1%以上8%以下、より好ましくは2%以上6%以下の範囲である。繰り返し単位(b)の含有量が上記範囲にあると、低複屈折性、耐熱性、低吸水性が高度にバランスされる。
また、繰り返し単位(a)の連鎖長は、脂環式炭化水素系共重合体の分子鎖長に対して十分に短く、具体的には、A=(脂環式構造を有する繰り返し単位連鎖の重量平均分子量)、B=(脂環式炭化水素系共重合体の重量平均分子量(Mw)×(脂環式構造を有する繰り返し単位数/脂環式炭化水素系共重合体を構成する全繰り返し単位数))とした時、AがBの30%以下であり、好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下、特に好ましくは10%以下の範囲である。Aがこの範囲外では、低複屈折性に劣る。
次に、上記「脂環式構造を有する重合体」の製造方法については、従来公知の方法で製造可能である。
例えば、脂環式炭化水素系共重合体の製造方法は、(1)芳香族ビニル系化合物と共重合可能なその他のモノマーとを共重合し、主鎖及び芳香環の炭素−炭素不飽和結合を水素化する方法、(2)脂環式ビニル系化合物と共重合可能なその他のモノマーとを共重合し、必要に応じて水素化する方法等が挙げられる。
[樹脂2]
樹脂2は、α−オレフィンと、下記一般式(I)または(II)で表される環状オレフィンの共重合体からなる樹脂である。
Figure 2010243888
…式(I)
式(I)中、nは0または1であり、mは0または正の整数であり、kは0または1であり、R1乃至R18ならびにRa及びRbはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を表す。
Figure 2010243888
…式(II)
式(II)中、p及びqはそれぞれ独立に、0または正の整数であり、r及びsはそれぞれ独立に、0、1または2を表し、R21乃至R39はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表す。
[一般式(I)及び(II)で表される環状オレフィン]
上記一般式(I)において、nは0または1であり、mは0または正の整数であり、kは0または1である。なお、kが1の場合には、kを用いて表される環は6員環となり、kが0の場合にはこの環は5員環となる。
1〜R18ならびにRa及びRbは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基である。ここで、ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。
また、炭化水素基としては、通常、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基または芳香族炭化水素基が挙げられる。より具体的には、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基及びオクタデシル基などが挙げられる。これらアルキル基はハロゲン原子で置換されていてもよい。
シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基が挙げられ、芳香族炭化水素基としてはフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。さらに上記一般式(I)において、R15とR16とが、R17とR18とが、R15とR17とが、R16とR18とが、R15とR18とが、あるいはR16とR17とがそれぞれ結合して(互いに共同して)、単環または多環の基を形成していてもよく、しかもこのようにして形成された単環または多環が二重結合を有していてもよい。ここで形成される単環または多環としては、具体的に以下のようなものが挙げられる。
Figure 2010243888
なお、上記例示した単環または多環において、1または2の番号を付した炭素原子は、前記一般式(I)においてそれぞれR15(R16)またはR17(R18)結合している炭素原子を表す。
また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成していてもよい。このようなアルキリデン基は、通常は炭素原子数2〜20のアルキリデン基であり、このようなアルキリデン基の具体的な例としては、エチリデン基、プロピリデン基及びイソプロピリデン基が挙げられる。
一般式(II)において、p及びqはそれぞれ独立に、0または正の整数であり、r及びsはそれぞれ独立に、0、1または2である。また、R21〜R39はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基またはアルコキシ基である。
ここでハロゲン原子は、上記一般式(I)中のハロゲン原子と同じである。また炭化水素基としては、通常、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基または芳香族炭化水素基が挙げられる。より具体的には、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基及びオクタデシル基などが挙げられる。これらアルキル基はハロゲン原子で置換されていてもよい。
シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基が挙げられ、芳香族炭化水素基としては、アリール基、アラルキル基などが挙げられ、具体的には、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル基、フェニルエチル基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。ここで、R29及びR30が結合している炭素原子と、R33が結合している炭素原子またはR31が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよい。すなわち、上記二個の炭素原子がアルキレン基を介して結合している場合には、R29とR33とが、または、R30とR31とが互いに共同して、メチレン基(−CH2−)、エチレン基(−CH2CH2−)またはプロピレン基(−CH2CH2CH2−)の内のいずれかのアルキレン基を形成している。
さらに、r=s=0のとき、R35とR32またはR35とR39とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。具体的には、r=s=0のとき、R35とR32とにより形成される以下のような芳香族環が挙げられる。
Figure 2010243888
ここで、qは、一般式(II)におけるqと同義である。
本発明に係る一般式(I)または(II)で表される環状オレフィンとしては、具体的には、ビシクロ−2−ヘプテン誘導体(ビシクロヘプト−2−エン誘導体)、トリシクロ−3−デセン誘導体、トリシクロ−3−ウンデセン誘導体、テトラシクロ−3−ドデセン誘導体、ペンタシクロ−4−ペンタデセン誘導体、ペンタシクロペンタデカジエン誘導体、ペンタシクロ−3−ペンタデセン誘導体、ペンタシクロ−3−ヘキサデセン誘導体、ペンタシクロ−4−ヘキサデセン誘導体、ヘキサシクロ−4−ヘプタデセン誘導体、ヘプタシクロ−5−エイコセン誘導体、ヘプタシクロ−4−エイコセン誘導体、ヘプタシクロ−5−ヘンエイコセン誘導体、オクタシクロ−5−ドコセン誘導体、ノナシクロ−5−ペンタコセン誘導体、ノナシクロ−6−ヘキサコセン誘導体、シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン誘導体、1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン誘導体などが挙げられる。
以下に、本発明に係る一般式(I)または(II)で表される環状オレフィンのより具体的な例を示すが、本発明ではこれら例示する化合物にのみ限定されるものではない。
《ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン誘導体》
1)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
2)6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
3)5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
4)1−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5)6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
6)6−n−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
7)6−イソブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
8)7−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、等
《テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン誘導体》
9)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
10)8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
11)8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
12)8−プロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
13)8−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
14)8−イソブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
15)8−ヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
16)8−シクロヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
17)8−ステアリルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
18)5,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
19)2,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
20)8,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
21)8−エチル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
22)11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
23)2,7,9−トリメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
24)9−エチル−2,7−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
25)9−イソブチル−2,7−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
26)9,11,12−トリメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
27)9−エチル−11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
28)9−イソブチルー11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
29)5,8,9,10−テトラメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
30)8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
31)8−エチリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
32)8−エチリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
33)8−エチリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
34)8−エチリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
35)8−n−プロピリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
36)8−n−プロピリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
37)8−n−プロピリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
38)8−n−プロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
39)8−n−プロピリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
40)8−イソプロピリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
41)8−イソプロピリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
42)8−イソプロピリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
43)8−イソプロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
44)8−イソプロピリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
45)8−クロロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
46)8−ブロモテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
47)8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
48)8,9−ジクロロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、等
《ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン
誘導体》
49)ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデ
セン
50)12−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−
4−ヘプタデセン
51)12−エチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン
52)12−イソブチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14
]−4−ヘプタデセン
53)1,6,10−トリメチル−12−イソブチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、等
《オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン誘導体》
54)オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン
55)15−メチルオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン
56)15−エチルオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、等
《ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン誘導体》
57)ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン
58)1,3−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン
59)1,6−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン
60)15,16−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、等
《ヘプタシクロ−5−エイコセン誘導体あるいはヘプタシクロ−5−ヘンエイコセン誘導体》
61)ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]−5−
エイコセン
62)ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.03,8.012,17]−5−
ヘンエイコセン、等
《トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン誘導体》
63)トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン
64)2−メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン
65)5−メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン、等
《トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン誘導体》
66)トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン
67)10−メチルトリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、等
《ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン誘導体》
68)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン
69)1,3−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン
70)1,6−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン
71)14,15−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、等
《ジエン化合物》
72)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4、10−ペンタデカジエン、等
《ペンタシクロ[7.4.0.12,6.19,12.08,13]−3−ペンタデセン誘導体》
73)ペンタシクロ[7.4.0.12,6.19,12.08,13]−3−ペンタデセン
74)メチル置換ペンタシクロ[7.4.0.12,6.19,12.08,13]−3−ペンタ
デセン、等
《ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]−4−エイコセン誘導体》
75)ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]−4
−エイコセン
76)ジメチル置換ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]−4−エイコセン、等
《ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.03,8.02,10.012,21
14,19]−5−ペンタコセン誘導体》
77)ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.03,8.02,10.012,21.014,19]−5−ペンタコセン
78)トリメチル置換ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.03,8.02,10.012,21.014,19]−5−ペンタコセン、等
《ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサデセン誘導体》
79)ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサデセン
80)11−メチル−ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサデセン
81)11−エチル−ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサデセン
82)10,11−ジメチル−ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13
−3−ヘキサデセン、等
《ヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ヘ
ンエイコセン誘導体》
83)ヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5
−ヘンエイコセン
84)15−メチル−ヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセン
85)トリメチル−ヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセン、等
《ノナシクロ[10.10.1.15,8.114,21.116,19.02,11.04,9.013,22
.015,20]−5−ヘキサコセン誘導体》
86)ノナシクロ[10.10.1.15,8.114,21.116,19.02,11.04,9.013,22.015,20]−5−ヘキサコセン、等
《その他》
87)5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
88)5−メチル−5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
89)5−ベンジル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
90)5−トリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
91)5−(エチルフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
92)5−(イソプロピルフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
93)5−(ビフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
94)5−(β−ナフチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
95)5−(α−ナフチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
96)5−(アントラセニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
97)5,6−ジフェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
98)シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物
99)1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン
100)1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン
101)8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.03,5.17,10]−3−ドデセン
102)8−メチル−8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.03,5.17,10]−
3−ドデセン
103)8−ベンジル−テトラシクロ[4.4.0.03,5.17,10]−3−ドデセン
104)8−トリル−テトラシクロ[4.4.0.03,5.17,10]−3−ドデセン
105)8−(エチルフェニル)−テトラシクロ[4.4.0.03,5.17,10]−3−ドデセン
106)8−(イソプロピルフェニル)−テトラシクロ[4.4.0.03,5.17,10]−3−ドデセン
107)8,9−ジフェニル−テトラシクロ[4.4.0.03,5.17,10]−3−ドデセン
108)8−(ビフェニル)−テトラシクロ[4.4.0.03,5.17,10]−3−ドデセン
109)8−(β−ナフチル)−テトラシクロ[4.4.0.03,5.17,10]−3−ドデセン
110)8−(α−ナフチル)−テトラシクロ[4.4.0.03,5.17,10]−3−ドデセン
111)8−(アントラセニル)−テトラシクロ[4.4.0.03,5.17,10]−3−ドデセン
112)(シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物)に、シクロペンタジエンを更に付加した化合物
113)11,12−ベンゾ−ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン
114)11,12−ベンゾ−ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ヘキサデセン
115)11−フェニル−ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン
116)14,15−ベンゾ−ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17
3,8.012,16]−5−エイコセン
[α−オレフィン]
共重合体を構成するα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの直鎖状α−オレフィン;4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテンなどの分岐状α−オレフィンなどが挙げられる。好ましくは、炭素原子数が2〜20のα−オレフィンが好ましい。このような直鎖状または分岐状のα−オレフィンは置換基で置換されていても良く、また1種単独、或いは2種以上組合わせて用いることができる。
置換基としては、種々のものが挙げられ特に制限はないが、代表的なものとしてアルキル、アリール、アニリノ、アシルアミノ、スルホンアミド、アルキルチオ、アリールチオ、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキニル、複素環、アルコキシ、アリールオキシ、複素環オキシ、シロキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミド、ウレイド、スルファモイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、複素環チオ、チオウレイド、ヒドロキシル及びメルカプトの各基、並びにスピロ化合物残基、有橋炭化水素化合物残基、スルホニル、スルフィニル、スルホニルオキシ、スルファモイル、ホスホリル、カルバモイル、アシル、アシルオキシ、オキシカルボニル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、ハロゲン置換アルコキシ、ハロゲン置換アリールオキシ、ピロリル、テトラゾリル等の各基及びハロゲン原子等が挙げられる。
上記アルキル基としては炭素数1〜32のものが好ましく、直鎖でも分岐でもよい。アリール基としては、フェニル基が好ましい。
アシルアミノ基としては、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基;スルホンアミド基としては、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基;アルキルチオ基、アリールチオ基におけるアルキル成分、アリール成分は上記のアルキル基、アリール基が挙げられる。
アルケニル基としては炭素数2〜23のもの、シクロアルキル基としては炭素数3〜12、特に5〜7のものが好ましく、アルケニル基は直鎖でも分岐でもよい。シクロアルケニル基としては炭素数3〜12、特に5〜7のものが好ましい。
ウレイド基としては、アルキルウレイド基、アリールウレイド基;スルファモイルアミノ基としてはアルキルスルファモイルアミノ基、アリールスルファモイルアミノ基;複素環基としては5〜7員のものが好ましく、具体的には2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル等;飽和複素環としては5〜7員のものが好ましく、具体的にはテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル等;複素環オキシ基としては5〜7員の複素環を有するものが好ましく、例えば、3,4,5,6−テトラヒドロピラニル−2−オキシ、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ等;複素環チオ基としては5〜7員の複素環チオ基が好ましく、例えば2−ピリジルチオ、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジフェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ等;シロキシ基としてはトリメチルシロキシ、トリエチルシロキシ、ジメチルブチルシロキシ等;イミド基としては琥珀酸イミド、3−ヘプタデシル琥珀酸イミド、フタルイミド、グルタルイミド等;スピロ化合物残基としてはスピロ[3.3]ヘプタン−1−イル等;有橋炭化水素化合物残基としてはビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル、トリシクロ[3.3.1.13.7]デカン−1−イル、7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル等が挙げられる。
スルホニル基としては、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ハロゲン置換アルキルスルホニル基、ハロゲン置換アリールスルホニル基等;スルフィニル基としては、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基等;スルホニルオキシ基としては、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基等;スルファモイル基としては、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル等;ホスホリル基としては、アルコキシホスホリル基、アリールオキシホスホリル基、アルキルホスホリル基、アリールホスホリル基等;カルバモイル基としては、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基等;アシル基としては、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基等;アシルオキシ基としては、アルキルカルボニルオキシ基等;オキシカルボニル基としては、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基等;ハロゲン置換アルコキシ基としてはα−ハロゲン置換アルコキシ基等;ハロゲン置換アリールオキシ基としては、テトラフルオロアリールオキシ基、ペンタフルオロアリールオキシ基等;ピロリル基としては1−ピロリル等;テトラゾリル基としては1−テトラゾリル等の各基が挙げられる。
上記置換基の他に、トリフルオロメチル、ヘプタフルオロ−i−プロピル、ノニルフルオロ−t−ブチル等の各基や、テトラフルオロアリール基、ペンタフルオロアリール基なども好ましく用いられる。更に、これらの置換基は、他の置換基で置換されてもよい。
また、共重合体中の非環状モノマー含有量は、成型性の観点から20質量%以上であることが好ましく、25%以上で90%以下であることがより好ましく、30%以上で85%以下であることがさらに好ましい。
[樹脂中に混合されるヒンダードアミン系耐光安定剤(HALS)]
本発明においては、樹脂成形部50にHALS剤を含有させてもよい。樹脂成形部50に含有されるHALSとしては、THFを溶媒として用いたGPCにより測定したポリスチレン換算のMnが1000〜10000であるものが好ましく、2000〜5000であるものがより好ましく、2800〜3800であるものが特に好ましい。
Mnが小さすぎると、該HALSをブロック共重合体に加熱溶融混練して配合する際に、揮発のため所定量を配合できなかったり、射出成形等の加熱溶融成形時に発泡やシルバーストリークが生じるなど加工安定性が低下する。また、ランプを点灯させた状態でレンズを長時間使用する場合に、レンズから揮発性成分がガスとなって発生する。
逆にMnが大き過ぎると、ブロック共重合体への分散性が低下して、レンズの透明性が低下し、耐光性改良の効果が低減する。したがって、本発明においては、HALSのMnを上記範囲とすることにより加工安定性、低ガス発生性、透明性に優れたレンズが得られる。
このようなHALSの具体例としては、N,N’,N’’,N’’’−テトラキス−〔4,6−ビス−{ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ}−トリアジン−2−イル〕−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミンと1,3,5−トリアジンとN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、ポリ〔{(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、1,6−ヘキサンジアミン−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)とモルフォリン−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの重縮合物、ポリ〔(6−モルフォリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル)(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕−ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕などの、ピペリジン環がトリアジン骨格を介して複数結合した高分子量HALS;コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンとの混合エステル化物などの、ピペリジン環がエステル結合を介して結合した高分子量HALSなどが挙げられる。
これらの中でも、ジブチルアミンと1,3,5−トリアジンとN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、ポリ〔{(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重合物などのMnが2,000〜5,000のものが好ましい。
本発明に係るブロック共重合体に対するHALSの配合量は、重合体100重量部に対して、好ましくは0.01〜20重量部、より好ましくは0.02〜15重量部、特に好ましくは0.05〜10重量部である。
添加量が少なすぎると耐光性の改良効果が十分に得られず、屋外で長時間使用する場合等に着色が生じる場合がある。
一方、HALSの配合量が多すぎると、その一部がガスとなって発生したり、ブロック共重合体への分散性が低下して、レンズの透明性が低下する。
隣接層60はヒンダードアミン系耐光安定剤を含有する層(HALS膜)であり、樹脂成形部50上に反射防止膜70が設けられる場合においては、樹脂成形部50と反射防止膜70との間に設けられる層となる。
隣接層60を構成するヒンダードアミン系耐光安定剤としては、以下に示すように低分子量のもの(C)、あるいは高分子量のもの(D)を単独で使用してもよく、また併用してもよい。
低分子量ヒンダードアミン系光安定剤(C)は、分子量が1000以下、好ましくは900以下のものであって、例えば4−アセトキシー2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシー2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシー2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(o−クロロベンゾイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェノキシアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,3,8−トリアザ−7,7,9,9−テトラメチル−2,4−ジオキソ−3−nオクチル−スピロ[4,5]デカン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)テレフタレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−2−アセトキシプロパン−1,2,3−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−2−ヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)トリアジン−2,4,6−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)ホスファイト、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタン−1,2,3−トリカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロパン−1,1,2,3−テトラカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタン−1,2,3,4−テトラカルボキシレートなどを挙げることができる。より具体的には、サノールLS770、チヌビン144、アデカスタブLA−57、アデカスタブLA−62、アデカスタブLA−67、グッドライトUV−3034などの商品名で市販されているものを使用することができる。
高分子量ヒンダードアミン系光安定剤(D)は、分子量が1000を越え、好ましくは1200〜5000程度のものであって、下記式で示される高分子型ヒンダードアミンを挙げることができる。
Figure 2010243888
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隣接層60を構成するヒンダードアミン系耐光安定剤として、以下の表の各欄に掲げる化学物質を用いることができる(参考、「高分子の光安定化技術」(大澤善次郎著、株式会社シーエムシー出版発行))。
Figure 2010243888
反射防止膜70は公知の反射防止膜であり、単層構造を有してもよいし複数層構造を有してもよい。
反射防止膜70は単層構造であっても反射防止機能を十分に発揮するが、2層以上の層から構成される複数層構造のほうが反射防止効果を高めることができる。
HALSを含有する隣接層60の屈折率はおおよそ樹脂成形部50と等しくなる為、反射防止機能を持たせることは困難である。
樹脂成形部50の屈折率がn=1.5〜1.6程度と仮定すれば、隣接層60の有無に関わらず、樹脂成形部50の表面52の反射率はおおよそ4%から5%程度である。したがって、隣接層60の上に反射防止膜70を蒸着等により形成することで反射率を下げることが可能である。
このとき、隣接層60と反射防止膜70の最下層との密着性を考慮して、高分子との相性のよいSiO膜を最初に形成することが望ましい。
例えば、波長405nmのブルー光に対応可能な対物レンズ37であるならば、好ましくはEB蒸着法によりSiO(15nm)/ZrO(20nm)/SiO(103nm)の3層構造の反射防止膜70を形成し、これにより対物レンズ37の反射率を0.5%以下に抑えることが可能である。
なお、反射防止膜70は必須の構成ではなく、これに代えて別の機能膜が設けられてもよいし、反射防止膜70を含む機能膜自体なくてもよい。
続いて、対物レンズ37の製造方法の一例について説明する。
始めに、上記樹脂とヒンダードアミン系耐光安定剤(HALS)とを含む構成材料を、一定条件下で金型に対し射出成形し、所定形状を有する樹脂成形部50を形成する。
その後、樹脂成形部50を一定温度で一定時間アニールし(例えば90℃で24時間加熱し)、樹脂成形部50中のHALSを樹脂成形部50の表面52にブリードアウトさせる。
この場合、ブリードアウトさせるHALSの量は、光学素子としての機能に影響が与えない範囲とする必要があり、ごく微量をブリードアウトさせることが好ましい。
その後、樹脂成形部50の表面52に対し、抵抗加熱蒸着法により隣接層60を形成し、その後にEB蒸着法により反射防止膜70を形成する。
続いて、光ピックアップ装置30の動作について説明する。
光ディスクDへの情報の記録動作時や光ディスクDに記録された情報の再生動作時に、半導体レーザ発振器32からブルーレーザ光が出射される。出射されたブルーレーザ光は、コリメータ33を透過して無限平行光にコリメートされた後、ビームスプリッタ34を透過して、1/4波長板35を透過する。さらに、当該ブルーレーザ光は絞り36及び対物レンズ37を透過した後、光ディスクDの保護基板Dを介して情報記録面Dに集光スポットを形成する。
集光スポットを形成したブルーレーザ光は、光ディスクDの情報記録面Dで情報ビットによって変調され、情報記録面Dによって反射される。そして、この反射光は、対物レンズ37及び絞り36を順次透過した後、1/4波長板35によって偏光方向が変更され、ビームスプリッタ34で反射する。その後、当該反射光は、センサーレンズ群38を透過して非点収差が与えられ、センサー39で受光されて、最終的には、センサー39によって光電変換されることによって電気的な信号となる。
以後、このような動作が繰り返し行われ、光ディスクDに対する情報の記録動作や、光ディスクDに記録された情報の再生動作が完了する。
以上の本実施形態によれば、対物レンズ37の製造工程において樹脂成形部50に対し熱アニールの処理を実行して樹脂成形部50中のHALSを表面52にブリードアウトさせた後に、隣接層60を設けることで、樹脂成形部50と隣接層60との間の密着性を高め、80℃、RH50%の環境下に168時間放置された場合であっても樹脂成形部50の光学有効範囲に対する隣接層60の密着面積が60%以上保たれることが可能とされている。
すなわち、ブリードアウトしたHALSと隣接層60のHALSとが結合してアンカー効果を発揮すると考えられ、その結果樹脂成形部50の表面52と隣接層60との密着性が向上していると考えられる。
そのため、樹脂成形部50の表面形状の変化と樹脂内部の白濁とを防止又は抑制することができる(下記実施例参照)。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は下記の点で第1の実施形態と異なっており、それ以外は第1の実施形態と同様となっている。
対物レンズ37の樹脂成形部50には、HALSが含有されてもよいし、されなくてもよい。
対物レンズ37の製造方法において、樹脂成形部50の熱アニールの処理に代えて、樹脂成形部50の表面52を活性化する処理を行う。
「活性化」とは、原子や分子が光・熱などのエネルギーを得て高いエネルギー状態になることをいう。本実施形態において樹脂成形部50の表面52が活性化されるとは、表面52に付着している有機物などを光・熱などの高いエネルギーを照射することで分解、除去し、そのことによって、表面52にOH基の結合手が生成され、さらに表面52の高分子主鎖を切断してラジカルを生成したり、表面52にヒドロキシル基(−OH)、カルボキシル基(−CHO)、アルデヒド基(−CHO)などの反応性の高い官能基を置換又は生成したりして、化学反応を起こし易い状態になることをいう。また、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)を使用すれば、表面52の構成元素や化学構造に関する情報を得ることができるため、官能基が生成されたことを確認できる。
活性化の手法としては、樹脂成形部50の表面52に対して紫外線,プラズマ,イオンビームを照射することが挙げられる。
活性化するための照射条件は、樹脂材料すなわち高分子の種類、成形方法、添加剤の種類などにより異なる。また、各照射方法のなかでも、照射パラメータは多数存在するため、基板材料の種類などに応じて照射条件を変えて活性化を行う。
以下、紫外線照射、イオンビーム照射及びプラズマ照射について詳しく説明する。
[紫外線照射]
紫外線照射によって樹脂成形部50の表面52を活性化させる場合、波長が170nm〜180nmの紫外線を樹脂成形部50の表面52に照射して活性化させることが好ましい。
例えば、ウシオ電機株式会社製のエキシマ光照射ユニット(形式UER20−172C)を使用し、波長が172nm、放射強度が10mW/cmの条件で、エキシマ光照射を行い、樹脂成形部50の表面52を活性化する。
樹脂成形部50の表面52にエキシマ光を照射することで、表面52の微量な有機物を分解、除去し、表面52の高分子主鎖のC−C結合、C=C結合を切断してラジカルを生成、さらには、高分子側鎖にヒドロキシル基(−OH)、カルボキシル基(−CHO)、アルデヒド基(−CHO)などの反応性の高い官能基を置換又は生成して樹脂成形部50の表面52を活性化させる。
また、エキシマ光が空間に存在する酸素に直接作用することで、励起酸素原子、オゾンなどの活性酸素種を高濃度に発生させ、微量の有機物を分解、除去、側鎖の官能基の置換又は生成を行い、同様に樹脂成形部50の表面52を活性化させる。
例えば、波長が172nmのエキシマ光の光エネルギーは166.6kcal/molであり、ほとんどの分子結合エネルギーよりも高いため、樹脂成形部50の表面52の活性化には有効である。
本発明者が行った実験では、200mJ/cm〜2000mJ/cmの強度が望ましいことが確認された。
200mJ/cm未満の強度では、接触角の改善が不十分であり、2000mJ/cmより高い強度で照射すると、樹脂成形部50が黄変してしまうことが分かった。
ただし、樹脂の種類で適切な照射強度の範囲にばらつきがあり、成形された樹脂で適宜純水接触角を測定する、表面52を分析するなどして、照射条件を調整する必要がある。
[イオンビーム照射]
イオンビームの照射によって樹脂成形部50の表面52を活性化させる場合、例えば、株式会社オプトラン製のRFイオンソース(形式OIS−two)を使用し、酸素ガス流量が50sccm、アルゴンガス流量が8sccm、ビーム電圧が500V、ビーム電流が400mA、真空度が1.5×10−2Paの条件で、樹脂成形部50の表面52に対しイオンビームを照射し、樹脂成形部50の表面52を活性化する。
樹脂成形部50の表面52に酸素イオン、アルゴンイオンを照射することで、表面52の微量な有機物を分解、除去し、表面52の高分子主鎖のC−C結合、C=C結合を切断してラジカルを生成、さらには高分子側鎖にヒドロキシル基(−OH)、カルボキシル基(−CHO)、アルデヒド基(−CHO)などの反応性の高い官能基を置換又は生成して樹脂成形部50の表面52を活性化させる。
本発明者が行った実験では、300mJ/cm〜3000mJ/cmの強度が望ましいことが確認された。
300mJ/cm未満の強度では、接触角の改善が不十分であり、3000mJ/cmより高い強度で照射すると、樹脂成形部50が反ってしまうことが分かった。
ただし、樹脂の種類で適切な照射強度の範囲にバラツキがあり、成形された樹脂で適宜純水接触角を測定する、表面52を分析するなどして、照射条件を調整する必要がある。
[プラズマ照射]
プラズマ照射によって樹脂成形部50の表面52を活性化させる場合、例えば、サムコ株式会社製のプラズマドライクリーナー(形式PC−1000)を使用し、酸素ガス流量が200sccm、RF出力が400W、真空度が50Paの条件で、樹脂成形部50の表面52に対しプラズマを照射し、樹脂成形部50の表面52を活性化する。
樹脂成形部50の表面52にプラズマを照射することで、表面52の微量な有機物を分解、除去し、表面52の高分子主鎖のC−C結合、C=C結合を切断してラジカルを生成、さらには高分子側鎖にヒドロキシル基(−OH)、カルボキシル基(−CHO)、アルデヒド基(−CHO)などの反応性の高い官能基を置換又は生成して樹脂成形部50の表面52を活性化させる。プラズマ中には、ガス、電子、励起種、イオン、ラジカルが存在し、それらが樹脂成形部50の表面52に作用することで表面52を活性化させる。
本発明者が行った実験では、30J/cm〜300J/cmの強度が望ましいことが確認された。上述したエキシマ光やイオンビームと比較して出力が著しく高いが、樹脂成形部50に照射したエネルギーのみを測定することが困難であり、投入した電力を単純に装置の照射面積で除算して算出した値だからである。ほとんどのエネルギーは、ガスの分解に利用されたと考えられる。
30J/cm未満の強度では、接触角の改善が不十分であり、300J/cmより高い強度で照射すると、樹脂成形部50が反ってしまうことが分かった。
ただし、樹脂の種類で適切な照射強度の範囲にバラツキがあり、成形された樹脂で適宜純水接触角を測定する、表面52を分析するなどして、照射条件を調整する必要がある。
ここで、上記活性化は、樹脂成形部50の表面52の純水接触角が30°以下、好ましくは15°以下になるまで行う。
純水接触角が30°以下になるまで活性化することで、隣接層60の密着性を改善することができ、15°以下になるまで活性化することで、更に密着性を改善できるからである。
液滴面と固体面が接する点で、液滴面に接線を引いて固体面との間の角度をθとするとき、角度θをその液体のその固体上への接触角という。接触角が大きいときは、固体表面をぬらしにくくなり、小さいときは固体表面をぬらしやすくなる。ぬれは、固体表面に吸着されていた気体が液体にとってかわる現象であり、接触角を測定することで固体の表面自由エネルギーを求めることができる。
接触角が、0°<θ≦180°の範囲にあるとき、
Wa=γs+γl−γsl=γl・(1+cosθ)の式が成立する。
ただし、
Wa:付着の仕事
γs:固体の表面自由エネルギー
γsl:固体と液体の界面の自由エネルギー
γl:液体の表面自由エネルギー
である。
すなわち、接触角θが小さくなったとき、固体の表面自由エネルギーγsは大きくなり、固体表面が親水性を示すとともに、表面が活性化されたといえる。
本発明者は、純水接触角の値と、樹脂成形部50と隣接層60との密着性を検討した結果、樹脂成形部50の表面52における純水接触角θが30°以下であれば、樹脂成形部50の表面52が十分に活性化され、隣接層60の密着性を改善することができることを見出した。さらに、純水接触角θが15°以下であれば、更に密着性を改善することができることを見出した。
また、本実施形態では、樹脂成形部50の表面52に付着又は析出している離型剤や、ごみなどの有機物を除去するまで、樹脂成形部50の表面52を活性化する。
離型剤は、成形品を成形型から取り出すときの粘着を防止し、作業操作を容易にするために用いられ、流動パラフィン、高級脂肪酸、低分子ポリエチレン、シリコーン油などが主に用いられる。これら離型剤は金型の内面に塗布するか、成形材料の中に予め混合しておく。いずれの場合も、成形品の表面にごくわずかであるが、離型剤が付着又は析出しており、これらを除去すれば、樹脂成形部50の表面52に対する隣接層60の密着性を更に向上させることができることが分かった。そこで、樹脂成形部50の表面52に付着又は析出している離型剤や、ごみなどの有機物を除去するまで、樹脂成形部50の表面52を活性化することが好ましい。
エキシマ光を樹脂成形部50の表面52に照射することで、上述した活性酸素種が有機物の主成分である炭素に作用し、二酸化炭素などに酸化分解・揮発させることが可能であるため、樹脂成形部50の表面52に付着又は析出している離型剤などの有機物を除去することができる。
また、イオンビームを樹脂成形部50の表面52に照射することで、加速されたイオンの衝撃で有機物を直接除去することが可能である。
なお、樹脂成形部50にダメージを与えないように、イオンビームの運度エネルギーを適宜調整すれば良い。
さらに、プラズマを樹脂成形部50の表面52に照射した場合も同様に活性酸素種が発生するため、エキシマ光と同様の効果を奏することができる。
また、プラズマにバイアスを印加すれば、加速されたイオンの衝撃で有機物を直接除去することも可能である。
以上の本実施形態では、対物レンズ37の製造工程において樹脂成形部50の表面52に対し紫外線,イオンビーム,プラズマのいずれかを照射して表面52を活性化し(表面52を改質し)、樹脂成形部50の光学有効範囲に対する隣接層60の密着面積を60%以上としている。
そのため、樹脂成形部50の表面52と隣接層60との密着性が向上し、樹脂成形部50の表面形状の変化と樹脂内部の白濁とを防止又は抑制することができる(下記実施例参照)。
[第3の実施形態]
第3の実施形態は下記の点で第1の実施形態と異なっており、それ以外は第1の実施形態と同様となっている。
対物レンズ37の樹脂成形部50には、HALSが含有されてもよいし、されなくてもよい。
図2に示す通り、樹脂成形部50の表面52にはSiO膜80が複数個所にわたり島状に形成されている。
島状のSiO膜80は蒸着の初期段階でみられる構造を有しており、樹脂成形部50の表面52のすべてを覆ってはいない。
各島のSiO膜80の大きさは5〜10nm程度である。
なお、本実施形態でも、85℃、RH50%下に168時間放置された際の樹脂成形部50の光学有効範囲に対する隣接層60の密着面積が60%以上であることに変わりはないが、当該密着面積は、詳しくはSiO膜80(の表面)とそこから露出する樹脂成形部50の表面52とを足し合わせた面に対する隣接層60の密着面積を意味する。
本実施形態においては、対物レンズ37の製造方法において、樹脂成形部50に対し公知の蒸着法によりSiO膜80を島状に形成する処理を行う。
SiO膜80の島状構造は以下のようにして形成される。
蒸着源を出発した原子は樹脂成形部50に衝突し、その大部分は樹脂成形部50の表面52近傍にとどまる。当該原子は、その場所に付着するのではなく、熱エネルギーを樹脂成形部50に与えながら動き回り、原子集団を作りながら表面52のより捕獲され易い場所、例えば表面52の微小な凹み、角、段などに捕獲され、核を形成する。この核はつぎつぎと飛来する原子や隣の核と合体し、5〜10nm程度の大きさになると安定核、すなわち島状構造を形成する。
このような島状構造は膜材料の原子間の凝集力が、基板材料と膜材料との結合力よりも大きい場合に見られる。
なお、蒸着法に代えてスパッタリング法により、樹脂成形部50の表面52に対しSiO膜80を島状に形成してもよい。
島状構造は、蒸着法では島が大きく密度が疎になり、スパッタ法では島が小さく密度は密になる。
以上の本実施形態によれば、対物レンズの製造工程において樹脂成形部50の表面52に対し島状のSiO膜80を形成することで、隣接層60との密着性を高め、85℃、RH50%の環境下に168時間放置された場合の樹脂成形部50の光学有効範囲に対する隣接層60の密着面積を60%以上としている。
すなわち、SiOは一般に種々の材料との密着性に優れるから、島状のSiO膜80が樹脂成形部50と隣接層60とのアンカー又はバインダとなって、樹脂成形部50の表面52と隣接層60との密着性が向上している。
そのため、樹脂成形部50の表面形状の変化と樹脂内部の白濁とを防止又は抑制することができる(下記実施例参照)。
なお、第1〜第3の実施形態では、対物レンズ37(樹脂成形部50)に隣接層60,反射防止膜70を形成した例を開示したが、このような構成は対物レンズ以外のコリメータ33,ビームスプリッタ34を含む公知の樹脂製光学レンズにも適用することができる。
(1)サンプルの作製
サンプル1〜12の作製にあたり下記樹脂材料1,2(ペレット)のいずれかを選択した。
[樹脂材料1]
上記の脂環式構造を有する重合体からなる樹脂(樹脂1)の一種である日本ゼオン社製ZEONEX340R100部に対し、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン・ブロック共重合体(クラレ社製、セプトン2002)0.1部、および酸化防止剤としてテトラキス−〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−第三−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(チバスペシャリティ・ケミカルズ社製、イルガノックス1010)0.1部、およびベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、TINUVIN P)を0.1部、さらにヒンダードアミン系耐光安定剤(HALS)として、ジブチルアミンと1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物〔HALS(A)、Mn=3,000〕0.1部をそれぞれ添加し、2軸混練機(東芝機械社製、TEM−35B、スクリュー径37mm、L/D=32、スクリュー回転数150rpm、樹脂温度240℃、フィードレート10kg/時間)で混練し、ストランド状に押し出した。これを水冷してペレタイザーで切断してペレット化し、これを「樹脂材料1」とした。
[樹脂材料2(三井化学製APEL)]
上記の脂環式構造を有する重合体からなる樹脂(樹脂2)の一種である環状オレフィン系重合体として三井化学製APEL(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンとエチレンの共重合体)を用い、これにHALSとしてビス−[2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル]セバシエートを1.0質量%添加し、これを約220℃で混練し、押し出し機でペレット化してこれを「樹脂材料2」とした。
(1.1)サンプル1
樹脂材料1を射出成形してピックアップレンズ(樹脂成形部)を作製した。
その後、樹脂成形部の表面に抵抗加熱蒸着法で膜厚10nmのHALS膜を形成し、これを「サンプル1」とした。
(1.2)サンプル2
サンプル1において樹脂材料1を樹脂材料2に変更した以外はサンプル1と同様の手法で「サンプル2」を作製した。
(1.3)サンプル3
樹脂材料1を射出成形してピックアップレンズ(樹脂成形部)を作製した。
その後、樹脂成形部を90℃の環境下に24時間放置し(熱アニールし)、樹脂成形部の表面に微量のHALSをブリードアウトさせた。
その後、樹脂成形部の表面に抵抗加熱蒸着法で膜厚10nmのHALS膜を形成し、これを「サンプル3」とした。
(1.4)サンプル4
サンプル3において樹脂材料1を樹脂材料2に変更した。
それ以外はサンプル3と同様の手法で「サンプル4」を作製した。
(1.5)サンプル5
樹脂材料1においてHALSを添加しなかった。
それ以外は、樹脂材料1と同様の組成の樹脂材料を射出成形してピックアップレンズ(樹脂成形部)を作製した。
その後、樹脂成形部の表面に対し、紫外線としてエキシマ光(波長172nm,放射強度10mW/cm)を60秒間照射した。エキシマ光の照射には、ウシオ電機株式会社製エキシマ光照射ユニット(形式UER20−172C)を使用した。
その後、樹脂成形部の表面に抵抗加熱蒸着法で膜厚10nmのHALS膜を形成し、これを「サンプル5」とした。
(1.6)サンプル6
樹脂材料1を樹脂材料2に変更し、その樹脂材料2においてHALSを添加しなかった。
それ以外はサンプル5と同様の手法で「サンプル6」を作製した。
(1.7)サンプル7
樹脂材料1においてHALSを添加しなかった。
それ以外は、樹脂材料1と同様の組成の樹脂材料を射出成形してピックアップレンズ(樹脂成形部)を作製した。
その後、樹脂成形部の表面に対し、イオンビーム(酸素ガス流量50sccm,アルゴンガス流量8sccm,ビーム電圧500V,ビーム電流400mA,真空度1.5×10−2Paの条件)を60秒間照射した。イオンビームの照射には、オプトラン製のRFイオンソース(形式OIS−two)を使用した。
その後、樹脂成形部の表面に抵抗加熱蒸着法で膜厚10nmのHALS膜を形成し、これを「サンプル7」とした。
(1.8)サンプル8
樹脂材料1を樹脂材料2に変更し、その樹脂材料2においてHALSを添加しなかった。
それ以外はサンプル7と同様の手法で「サンプル8」を作製した。
(1.9)サンプル9
樹脂材料1においてHALSを添加しなかった。
それ以外は、樹脂材料1と同様の組成の樹脂材料を射出成形してピックアップレンズ(樹脂成形部)を作製した。
その後、樹脂成形部の表面に対し、プラズマ(酸素ガス流量が200sccm、RF出力が400W、真空度が50Paの条件)を60秒間照射した。プラズマの照射には、サムコ株式会社製プラズマドライクリーナー(形式PC−1000)を使用した。
その後、樹脂成形部の表面に抵抗加熱蒸着法で膜厚10nmのHALS膜を形成し、これを「サンプル9」とした。
(1.10)サンプル10
樹脂材料1を樹脂材料2に変更し、その樹脂材料2においてHALSを添加しなかった。
それ以外はサンプル9と同様の手法で「サンプル10」を作製した。
(1.11)サンプル11
樹脂材料1においてHALSを添加しなかった。
それ以外は、樹脂材料1と同様の組成の樹脂材料を射出成形してピックアップレンズ(樹脂成形部)を作製した。
その後、樹脂成形部の表面に対し、SiOを分子レベルで島状に蒸着して島状構造のSiO膜を形成した。島状構造とは、蒸着の初期にみられる構造(現象)である。SiO膜の各島は大きさが5〜10nm程度で、樹脂成形部の表面すべてを覆ってはいなかった。
その後、樹脂成形部の表面に抵抗加熱蒸着法で膜厚10nmのHALS膜を形成し、これを「サンプル11」とした。
(1.12)サンプル12
樹脂材料1を樹脂材料2に変更し、その樹脂材料2においてHALSを添加しなかった。
それ以外はサンプル11と同様の手法で「サンプル12」を作製した。
(2)サンプルの評価
(2.1)密着率の測定
各サンプルを85℃,RH50%の恒温槽に168時間放置し、各サンプルの光学有効範囲におけるHALS膜の密着面積(密着率,%)を測定した。
測定にはオリンパス製の光学顕微鏡(形式BX−51)を使用し、光学倍率40倍または100倍で観察し、干渉縞が発生している、または明らかに膜が抜けている部分の面積について、CCDカメラで撮像した後、画像処理で計算して密着率を求めた。
干渉縞が発生している状態は一般的には「膜浮き」と呼ばれる。逆に干渉縞が発生していなければ、膜は密着していると判断した。その測定結果を表2に示す。
(2.2)形状変化の有無の観察
85℃,RH50%の環境下において、各サンプルに対し、波長405nmのレーザ(照射密度100mW/cm2)を168時間照射し、レーザ照射前後での各サンプルの波面収差の変化量を干渉計で測定し、その測定結果から形状変化の有無を評価した。その評価結果を表2に示す。
表2中、波面収差の変化量が20mλより大きい場合を「×」と、20mλ以内であれば「○」と、10mλ以内であれば「◎」と、している。
(2.3)樹脂白濁の有無の観察
85℃,RH50%の環境下において、各サンプルに対し、波長405nmのレーザ(照射密度100mW/cm)を168時間照射し、レーザ照射後の各サンプルを実体顕微鏡で観察し、樹脂が白濁しているか否かを観察した。その観察結果を表2に示す。
表2中、白濁が認められた場合を「×」と、白濁が認められない場合を「○」としている。
Figure 2010243888
(3)評価結果とその考察
(3.1)サンプル1,2
85℃,RH50%の恒温槽に168時間放置した後において、光学有効範囲の全体にわたりHALS膜の膜浮きが発生していた。
他方、レーザを168時間照射した後においては、レンズ性能の指標である波面収差が20mλより大きく変化しており、実用に供することができないことが分かった。これはレーザ照射部分にHALS膜が残っておらず、樹脂成形部の表面(HALS膜との界面)が酸化劣化したためと考えられる。
さらに、実体顕微鏡で観察したところ、樹脂成形部に白濁が発生しており、樹脂内部でも何らかの劣化が発生したと予想される。
(3.2)サンプル3,4
85℃,RH50%の恒温槽に168時間放置した後において、光学有効範囲に対するHALS膜の密着面積は70%であり、サンプル1,2より密着性は改善された。これは、樹脂成形部の表面にブリードアウトしたHALSと新たに形成したHALS膜とが結合してアンカー効果を発揮し、結果として樹脂成形部の表面とHALS膜との密着性が向上したためと考えられる。
他方、レーザを168時間照射した後においては、レンズ性能の指標である波面収差の変化は20mλよりも小さく、実用に耐えうると判断した。これは、レーザ照射部分にHALS膜が70%程度残っており、樹脂成形部の表面(HALS膜との界面)の酸化劣化を防止できたためと考えられる。
さらに、実体顕微鏡で観察したところ、樹脂成形部に白濁は見られなかった。樹脂成形部の表面からの酸化劣化をHALS膜で防ぐことができたためと考えられる。
(3.3)サンプル5,6
85℃,RH50%の恒温槽に168時間放置した後において、光学有効範囲においてHALS膜の膜浮きは発生していなかった。樹脂成形部の表面の離型剤や有機物のゴミを除去できること、また樹脂成形部のごく薄い数nm程度の表面のみを活性化することで、HALS膜の密着性を高めることができたためと考えられる。
なお、サンプル3,4では、大気中でエキシマ光照射を行って活性化した後、真空中でHALS膜を蒸着しているが、真空中で上記活性化を行った後、同一真空槽内でHALS膜を形成すれば、大気中の有機物や水分の付着を防ぐことができるため、より強固にHALS膜を密着させられることが分かった。
他方、レーザを168時間照射した後においては、レンズ性能の指標である波面収差の変化は10mλよりも小さく、実用上何ら問題ないと判断した。これは、レーザ照射部分にHALS膜がすべて残っており、樹脂成形部の表面(HALS膜との界面)の酸化劣化を防止できたためと考えられる。
さらに、実体顕微鏡で観察したところ、樹脂成形部に白濁は見られなかった。樹脂成形部の表面からの酸化劣化をHALS膜で防ぐことができたためと考えられる。
(3.4)サンプル7,8
85℃,RH50%の恒温槽に168時間放置した後において、光学有効範囲においてHALS膜の膜浮きは発生していなかった。樹脂成形部の表面の離型剤や有機物のゴミを除去できること、また樹脂成形部のごく薄い数nm程度の表面のみを活性化することで、HALS膜の密着性を高めることができたためと考えられる。
なお、サンプル7,8では、真空中でイオンビーム照射を行って活性化した後、一旦大気中に取り出し、再び真空中でHALS膜を蒸着しているが、真空中で上記活性化を行った後、同一真空槽内でHALS膜を形成すれば、大気中の有機物や水分の付着を防ぐことができるため、より強固にHALS膜を密着させられることが分かった。
他方、レーザを168時間照射した後においては、レンズ性能の指標である波面収差の変化は10mλよりも小さく、実用上何ら問題ないと判断した。これは、レーザ照射部分にHALS膜がすべて残っており、樹脂成形部の表面(HALS膜との界面)の酸化劣化を防止できたためと考えられる。
さらに、実体顕微鏡で観察したところ、樹脂成形部に白濁は見られなかった。樹脂成形部の表面からの酸化劣化をHALS膜で防ぐことができたためと考えられる。
(3.5)サンプル9,10
85℃,RH50%の恒温槽に168時間放置した後において、光学有効範囲においてHALS膜の膜浮きは発生していなかった。樹脂成形部の表面の離型剤や有機物のゴミを除去できること、また樹脂成形部のごく薄い数nm程度の表面のみを活性化することで、HALS膜の密着性を高めることができたためと考えられる。
なお、サンプル9,10では、真空中でプラズマ照射を行って活性化した後、一旦大気中に取り出し、再び真空中でHALS膜を蒸着しているが、真空中で上記活性化を行った後、同一真空槽内でHALS膜を形成すれば、大気中の有機物や水分の付着を防ぐことができるため、より強固にHALS膜を密着させられることが分かった。
他方、レーザを168時間照射した後においては、レンズ性能の指標である波面収差の変化は10mλよりも小さく、実用上何ら問題ないと判断した。これは、レーザ照射部分にHALS膜がすべて残っており、樹脂成形部の表面(HALS膜との界面)の酸化劣化を防止できたためと考えられる。
さらに、実体顕微鏡で観察したところ、樹脂成形部に白濁は見られなかった。樹脂成形部の表面からの酸化劣化をHALS膜で防ぐことができたためと考えられる。
(3.6)サンプル11,12
85℃,RH50%の恒温槽に168時間放置した後において、光学有効範囲においてHALS膜の膜浮きは発生していなかった。一般にSiOはさまざまな物質との密着性に優れるため、島状構造のSiOが樹脂成形部とHALS膜との間のバインダーとなって、密着性が向上したためと考えられる。
他方、レーザを168時間照射した後においては、レンズ性能の指標である波面収差の変化は10mλよりも小さく、実用上何ら問題ないと判断した。これは、レーザ照射部分にHALS膜がすべて残っており、樹脂成形部の表面(HALS膜との界面)の酸化劣化を防止できたためと考えられる。
さらに、実体顕微鏡で観察したところ、樹脂成形部に白濁は見られなかった。樹脂成形部の表面からの酸化劣化をHALS膜で防ぐことができたためと考えられる。
(4)まとめ
上記の通り、サンプル1,2とサンプル3〜12とを比較すると、サンプル3〜12では樹脂成形部の形状変化や樹脂の白濁は防止又は抑制されており、樹脂成形部に対し一定の処理(熱アニール,紫外線照射,イオンビーム照射,プラズマ照射,島状のSiO形成)を施して、樹脂成形部に対する隣接層の密着面積を向上する(60%以上とする)ことが、樹脂成形部の形状変化や樹脂の白濁を防止又は抑制する上で有用であることがわかる。
30 光ピックアップ装置
32 半導体レーザ発振器
33 コリメータ
34 ビームスプリッタ
35 1/4波長板
36 絞り
37 対物レンズ
37a,37b 表面
38 センサーレンズ群
39 センサー
40 2次元アクチュエータ
50 樹脂成形部
52 表面
60 隣接層
70 反射防止膜
80 SiO
D 光ディスク
保護基板
情報記録面

Claims (10)

  1. 波長380〜420nmのレーザ光を用いた光学装置に用いられる光学素子において、
    樹脂とヒンダードアミン系耐光安定剤とを含む材料を成形した樹脂成形部と、
    前記樹脂成形部の表面に形成された隣接層であってヒンダードアミン系耐光安定剤により形成された隣接層と、
    を備え、
    85℃,RH50%の環境下に168時間放置された場合に、前記樹脂成形部の光学有効範囲に対する前記隣接層の密着面積が60%以上であることを特徴とする光学素子。
  2. 請求項1に記載の光学素子において、
    前記樹脂成形部の光学有効範囲に対する前記隣接層の密着面積が100%であることを特徴とする光学素子。
  3. 請求項1又は2に記載の光学素子において、
    前記樹脂成形部と前記隣接層との間にSiO膜が島状に形成されていることを特徴とする光学素子。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の光学素子の製造方法において、
    樹脂とヒンダードアミン系耐光安定剤とを含む材料を成形して樹脂成形部を形成する工程と、
    前記樹脂成形部を熱アニール処理する工程と、
    前記樹脂成形部の表面に対し、ヒンダードアミン系耐光安定剤を含有する隣接層を形成する工程と、
    を備えることを特徴とする光学素子の製造方法。
  5. 請求項1〜3の何れか1項に記載の光学素子の製造方法において、
    樹脂材料を成形して樹脂成形部を形成する工程と、
    前記樹脂成形部の表面を活性化する工程と、
    前記樹脂成形部の表面に対し、ヒンダードアミン系耐光安定剤を含有する隣接層を形成する工程と、
    を備えることを特徴とする光学素子の製造方法。
  6. 請求項5に記載の光学素子の製造方法において、
    前記樹脂成形部の表面を活性化する工程では、前記樹脂成形部の表面の純水接触角が30°以下になるまで、前記樹脂成形部の表面を活性化することを特徴とする光学素子の製造方法。
  7. 請求項5又は6に記載の光学素子の製造方法において、
    前記樹脂成形部の表面を活性化する工程では、前記樹脂成形部の表面に対し紫外線を照射することを特徴とする光学素子の製造方法。
  8. 請求項5又は6に記載の光学素子の製造方法において、
    前記樹脂成形部の表面を活性化する工程では、前記樹脂成形部の表面に対しイオンビームを照射することを特徴とする光学素子の製造方法。
  9. 請求項5又は6に記載の光学素子の製造方法において、
    前記樹脂成形部の表面を活性化する工程では、前記樹脂成形部の表面に対しプラズマを照射することを特徴とする光学素子の製造方法。
  10. 請求項1〜3の何れか1項に記載の光学素子の製造方法において、
    樹脂材料を成形して樹脂成形部を形成する工程と、
    前記樹脂成形部の表面にSiO膜を島状に形成する工程と、
    前記樹脂成形部の表面に対し、ヒンダードアミン系耐光安定剤を含有する隣接層を形成する工程と、
    を備えることを特徴とする光学素子の製造方法。
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