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JP2010138510A - 撥水性ポリエステル繊維 - Google Patents

撥水性ポリエステル繊維 Download PDF

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JP2010138510A
JP2010138510A JP2008314356A JP2008314356A JP2010138510A JP 2010138510 A JP2010138510 A JP 2010138510A JP 2008314356 A JP2008314356 A JP 2008314356A JP 2008314356 A JP2008314356 A JP 2008314356A JP 2010138510 A JP2010138510 A JP 2010138510A
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Kazuhiro Morishima
一博 森島
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Teijin Frontier Co Ltd
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Teijin Fibers Ltd
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Abstract

【課題】優れた撥水性能と十分な強度を有し、長期間の使用や繰返しの洗濯等により初期の撥水性が低下が少なく、風合いにも優れた従来にない複合繊維を提供する。
【解決手段】芯鞘型複合繊維であって、鞘部を構成するポリエステルポリマーが特定のエステル反応性シリコーン及び粒子を含有し、繊維表面に長さ100μmあたり1〜50個の粒子突起を有し、かつ単糸が4〜48個の凸部を放射状に有する断面形状であり、その異型度が1.1〜2.5、単糸繊度が0.1〜3.0dtexである撥水性ポリエステル芯鞘型複合繊維。
【選択図】図1

Description

本発明は、長期間にわたる使用においても撥水性の低下がなく、物性や工程安定性に優れた各種衣料、資材用途に好適に使用できる撥水性ポリエステル複合繊維に関するものである。
従来から、ポリエステル繊維は多くの優れた特性を有するがゆえに合成繊維として広く使用されており、近年益々スポーツ用、カジュアル用に向けて撥水機能やよりヌメリ感の付与など、更なる高機能化および風合いの改良が求められている。
従来より撥水機能の付与は、フッ素系樹脂やシリコーン系樹脂を含有する分散液等で布帛を処理して布帛表面にこれらの樹脂を付着せしめて、撥水処理を施す方法が広く行われている。しかしながら、これらの加工処理で得られた布帛には撥水性はあるものの、耐久性が低く、布帛の使用に伴って処理した樹脂が、その表面から脱落して撥水性を失い易いという欠点を有している。一方、十分な撥水耐久性を付与する程の量を処理すると布帛の風合いが硬くなるという問題点がある。そのためにポリエステル繊維のスポーツウェア分野等撥水耐久性と風合いが共に要求される分野への応用が大きく制限されていた。
布帛としての撥水性を付与する為には、化学的な撥水性の付与以外に形態によっても付与することが可能である。即ち空気層を緻密に配置することにより、いわゆる蓮の葉構造やサトイモの葉のような構造を持たせることによって撥水性を発現させることができる。その為細繊度化した撥水糸を高密度に織り込んで緻密な構造にすることも従来試みられてきたが、繊維自体の撥水性が不十分の為十分な性能が得られていない。
これに対して、特開昭62−238822号公報にはフッ素系樹脂を溶融混練して得られた繊維が提案され、特開平2−26919号公報にはフッ素系重合体微粒子を練り込んで得られた繊維が提案されている。また、特開平9−302523号公報および特開平9−302524号公報ではテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・ビニリデンフルオリドの共重合体を撥水成分としてポリエステルに含有した繊維が提供されている。しかしながら、フッ素樹脂は一般に融点と分解点が近いため、長期のランニングでは分解熱劣化したポリマーが影響して、安定して良好な糸質の繊維を得ることが困難である。また、加熱によるフッ化水素の発生により装置を劣化させてしまう危険性がある。
さらに特開平4−343770号公報、特開平5−106171号公報等では特定の有機ポリマーを介してフッ素変性シリコーンをポリエステル繊維表面に結合することにより撥水性繊維とする試みが開示されている。この場合繊維の撥水性はある程度高耐久性になるものの、やはり繊維は硬いものとなり、布帛にした時も風合いが硬くなってしまい又ヌメリ感も低下するという欠点や、フッ素化合物を用いることによる環境負荷の増大の問題がある。
更に、特開2005−105424号公報には特定のエステル反応性シリコーンを含有(共重合含む)させることにより鞘部ポリエステルに撥水性を付与することが開示されている。しかしながら高撥水性とするためには添加量を多くすることが必要であり、そのため細繊度とすると強度が低下するという問題があった。
又が特開2008−248444号公報にはシリコーン微粒子をポリエステルに添加する技術が開示されているが、高撥水性とするためには添加量を増やす必要があり、そのため細繊度にすると強度が低下するという問題があった。
上述の通り、十分な撥水性と実用耐久性を有し、工程安定性、生産性、さらにはやわらかさなど風合いにも優れた撥水性ポリエステル繊維が強く望まれている。
特開昭62−238822号公報 特開平2−26919号公報 特開平9−302523号公報 特開平9−302524号公報 特開平4−343770号公報 特開平5−106171号公報 特開2005−105424号公報 特開2008−248444号公報
本発明の目的は、従来技術の有する課題を克服した、優れた撥水性能と十分な強度を有し、長期間の使用や繰返しの洗濯等により初期の撥水性が低下が少なく、風合いにも優れた従来にない複合繊維を提供することにある。
本発明者等は、このような問題を解決するため検討した結果、繊維表面に独立した突起部を有し、かつ特定の撥水性ポリマーを鞘成分とする特定形状の異型繊維横断面を有する複合繊維によって達成されることを見出した。
即ち本発明によれば、
芯鞘型複合繊維であって、下記要件を満足することを特徴とする撥水性ポリエステル芯鞘型複合繊維。
a)鞘部を構成するポリエステルが下記式(1)で表されるエステル反応性シリコーンを含有すること。
b)鞘部を構成するポリエステルが粒子を含有し、該粒子に基づく独立した突起を繊維表面に長さ100μmあたり1〜50個有すること。
c)繊維軸に直交する断面における外周部に4〜48個の凸部を有し、その異型度が1.1〜2.5、単糸繊度が0.1〜3.0dtexであること。
Figure 2010138510
(上記式中、Rはアルキル基を表し、nは1〜100の整数である。)
又、
エステル反応性シリコーンの含有量がポリエステル全重量に対し2〜40重量%であり、ポリエステルと共重合しているものがエステル反応性シリコーンの全重量に対して、20〜50重量%の範囲であることが好ましい。
特定のエステル形成性シリコーンを含有する複合ポリエステル繊維にさらに独立した突起部を形成させると共に、特定の繊維断面形状及び繊度の複合繊維とすることにより、シリコーンによる撥水性だけでなく、水滴と繊維の接触面積が低下し、繊維表面で水滴がころがり易くなり、シリコーン含有量が少なくても高度の撥水性を有し且つ優れた風合いと独特の触感とを併せもつポリエステル繊維を提供することができる。
以下、本発明の撥水性ポリエステル複合繊維ついて詳述する。
本発明の撥水性ポリエステル複合繊維は、芯鞘型構造の複合繊維である。鞘部を構成するポリマーは、撥水性を発現する為、後述の通り、エステル反応性シリコーンを含有するポリエステルの必要があり、芯部を構成するポリマーは、特に限定されないが、エステル反応性シリコーンを含有しない鞘部と同種のポリエステルであることが製糸性の面から好ましい。
本発明の撥水性ポリエステル複合繊維を構成するポリマーは、ポリエステルを主体としてなり、芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールから形成される成分を主たる繰り返し単位とするポリエステルである。芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールを繰り返し単位とするポリエステルは対応する芳香族ジカルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体ならびにジオールとから合成されるポリエステルであって、汎用樹脂としてその物性を損なわない範囲で目的に応じて他の成分が共重合されていても良い。エステル形成誘導体とは炭素数1〜6個の低級アルキルエステル、炭素数6〜12個の低級アリールエステル、酸ハロゲン化物を挙げることができる。主たる繰り返し単位とは、ポリエステルを構成する全繰り返し単位中70モル%がその芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールから形成される成分で構成されていることを表している。
その芳香族ジカルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、無水フタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸、テレフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、セバシン酸ジメチル、フタル酸ジメチル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル、または5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸ジメチルなどを挙げることができる。またエステル形成性誘導体としては、上記のようなジメチルエステルその他の低級アルキルエステル以外に、酸塩化物を用いても良い。これらの中でも特に、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸ジメチルまたは2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルを用いることが好ましい。
またジオールとして、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジメチロールプロピオン酸、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、またはポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールなどを挙げることができ、特にエチレングリコール、1,3−プロピレングリコールまたは、1,4−ブタンジオールを用いることが好ましい。
これらのジカルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体ならびにジオールはそれぞれ1種ずつを単独で用いても、2種以上を併用してもどちらでも良い。またこれらの好ましい組み合わせから得られるポリエステルである、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレート、ポリテトラメチレンー2,6−ナフタレートが本発明のポリエステルに好ましく用いられる。なかでも機械的性質、成形性等のバランスのとれたポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートが特に好ましい。
本発明の撥水性ポリエステル複合繊維を構成するポリマーには撥水性を付与する為、上述したポリエステルに下記式(1)で示されるエステル反応性シリコーンを共重合させたポリエステルを使用することが必要である。
Figure 2010138510
(上記式中、Rはアルキル基を表し、nは1〜100の整数である。)
Rのアルキル基は炭素数18個以下、エステル反応性シリコーンの数平均分子量は10000以下であり、好ましくは300以上6000以下であることが好ましい。数平均分子量が10000より大きい場合は、ポリエステルとの相溶性が低下し、ポリエステル中に均一に存在させることが困難となる。
さらに該エステル反応性シリコーンは、本発明の複合繊維の鞘成分を形成するポリエステルに対して2〜40重量%含有されることが好ましい。2重量%未満の場合には、繊維として十分な撥水性が得られず、40重量%を超える場合には、ポリエステルの有する物性が損なわれ、繊維としての強度が低下し、単糸3.0dtex以下の繊維が製造困難となるばかりか、長期間のランニング時に安定した生産が困難となる。好ましくは2〜30重量%、更に好ましくは2〜20重量%である。
ここでエステル反応性シリコーンを含有するとは、エステル反応性シリコーンがポリエステルに対して化学結合により分子鎖に取り込まれ共重合されている状態と、ポリエステルとは化学結合せずにブレンド状態で存在する状態の双方を含んでいることを指す。共重合されていない成分はブレンド状態でポリエステル中に安定に存在し、繊維化での悪影響を及ぼさない。この理由は、エステル反応性シリコーンが共重合されたポリエステルが、未反応のエステル反応性シリコーン部分を安定化するのではないかと推定している。
また、本発明ではポリマーが含有しているエステル反応性シリコーンのうち、ポリエステルと共重合しているものが、エステル反応性シリコーンの全重量に対して20〜50重量%であることが好ましい。20%未満ではブレンド状態のエステル反応性シリコーンのポリエステル中への分散性が悪化し、製糸性が低下し、50%を超える場合は物性が損なわれ、製糸性が低下し、毛羽が発生するなどの原因となる。エステル反応性シリコーンの共重合量は、エステル反応性シリコーンの全重量に対して好ましくは25〜40重量%である。
本発明のエステル反応性シリコーン共重合ポリエステルを得る方法としては、公知の任意の方法で合成すればよい。例えば、ジカルボン酸成分がテレフタル酸の場合、テレフタル酸とアルキレングリコールとを直接エステル化反応させる方法と、テレフタル酸ジメチルのようなテレフタル酸の低級アルキルエステルとアルキレングリコールとをエステル交換反応や又はテレフタル酸とアルキレンオキサイドを反応させる方法によってテレフタル酸のグリコールエステルを生成させる第一段の反応を行い、引続いて重合触媒の存在下に減圧加熱して所望の重合度になるまで重縮合させる第二段の反応によって製造する方法があるが、どちらの方法でも可能である。エステル反応性シリコーン化合物の添加時期は、共重合の割合を満足させる観点から、このポリエステルの重縮合反応の前から重縮合反応の終了以前に行なうのが好ましく、複数回に分けて添加しても良い。そして、この添加時期や添加量によって上記共重合しているエステル反応性シリコーン化合物の割合を調整することができる。
本発明の撥水性ポリエステル芯鞘型複合繊維は、上記繊維表面に長さ100μmあたり1〜50個の独立した粒子突起を有することが必要である。ここで粒子突起とは繊維表面に粒子が凸状に露出或いはポリマーとともに隆起して盛り上がって存在しているものをさす。
繊維表面の粒子突起は、布帛とした後で水滴が接触する際、繊維表面との接触面積を減少させ空気層を形成することによって水滴が転がり易くなり撥水性能を向上させる効果を発現させるものである。水滴との接触面積はできる限り小さい方が良いので突起は独立して繊維表面から隆起していることが好ましい。
粒子突起を形成させる為には、本発明の撥水性ポリエステル芯鞘型複合繊維の鞘部ポリエステルに粒子を含有させることにより達成される。
本発明で使用する粒子は無機、有機いずれでも構わないが、無機粒子が耐熱性、取り扱い製の点で無機粒子が好ましい。無機粒子としては酸化ケイ素、酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、カオリナイト、カーボンブラックなどやその変性物を挙げることができ、これらは単独でも組み合わせて用いても良い。
又本発明で使用する粒子の形状は特に問わないが球状のものが好ましく用いられる。
次に粒子突起の高さは繊維の直径に対して1/10〜1/2が好ましく、さらに好ましくは1/5〜1/3である。1/2を超えると突起部形状が大きすぎて本来の空隙形成の作用を失いかえって液滴との濡れ性を助長させることとなり、1/10を下回ると添加の効果を得られ難くなる。粒子の大きさは、繊度、芯鞘比にもよるが、平均粒径が0.1〜10μm以下であることが好ましい。10μmを越えると紡糸中にパック内のろ過圧が上昇しやすくなり、0.1μmを下回ると添加の効果を得られ難い。粒径は好ましくは0.5〜7μmである。
また、粒子突起の量は繊維軸方向長さ100μmあたり1〜50個であることが必要である。1個未満や50個を超えると突起部間隔が細かくなりすぎて際立った効果を発現し難くなる。好ましくは2〜20個である。
これら粒子の添加方法は特に限定されるものではなく、チップに粉体をブレンドしたり、あらかじめベースポリマーでのマスターバッチを作成し、そのマスターバッチをブレンドしたり、該ポリエステル樹脂の重合時に添加したりすることができる。
本発明の撥水性ポリエステル芯鞘型複合繊維は、単糸が4〜48個の凸部を有する断面形状であり、その異型度が1.1〜2.5、単糸繊度が0.1〜3.0dtexであることが必要である。繊維表面の凸部は繊維軸中心から放射状方向(単に放射状と呼ぶ場合がある)に形成されていることが好ましい。又該凸部は場所による撥水性能に差が出にくくするため、繊維表面で等間隔で配置されている歯車形状とすることが好ましい。断面形状の凸部が4個未満の場合、繊維単糸表面に形成される空隙が少なくまた幅広くなり、撥水性能を発現し難くなり、凸部形成効果を得ることができず、凸部が48個を超える場合は、逆に繊維表面に形成される凹凸が細かくなりすぎ、水滴に対する空隙形成効果が低下する。凸部の好ましい範囲は6個〜24個である。
また、本発明の撥水性ポリエステル芯鞘型複合繊維の単糸断面の異型度は1.1〜2.5とすることが必要である。異型度が1.1未満の場合、繊維表面の凸部形成による空隙形成効果が得られ難く、異型度が2.5を超えると凸部が延伸や後加工中に分割などフィブリル化を起こして品位の低下を招くため、1.2〜2.0が好ましい範囲である。なお、本発明の異型度はは以下の方法によって求められる。
(異形度)=L1/L2
ただし、L1:繊維横断面の外接円の直径
L2:繊維横断面の内接円の直径
本発明の撥水性ポリエステル芯鞘型複合繊維の単糸繊度がは0.1dtex未満の複合繊維を製造することは事実上困難であり、また、3.0dtexを越えると単糸が太くなることにより、柔らかい風合いは得られず撥水性能も低下する。好ましい範囲は0.5〜1.5dtexである。
本発明の撥水性ポリエステル芯鞘型複合繊維の鞘/芯の比率は、70/30〜5/95の範囲が好ましい。70/30より鞘が多くなると、物性面での低下が著しく、生産性が低下し、細繊度のものを得ることも困難となる。5/95を超えると鞘の厚みが薄くなりすぎ、制御が困難となる他、鞘が破れ芯が露出したり、突起部が大きくなりすぎることにより、撥水性が低下したり染色斑の原因となる可能性が高い。さらに好ましくは50/50〜10/90であり、ことさらに40/60〜20/80であることが特に好ましい。
本発明の撥水性ポリエステル芯鞘型複合繊維は公知の複合紡糸装置を用い、例えば図1に示すような口金を用いて公知の方法により製糸することができるが、芯部のポリエステルを適切に選択することにより、例えば、鞘部と同種でエステル反応性シリコーンを含有しないものとすることにより、物性面での強度を確保することができるので、紡糸速度を上げて効率よく生産することができる。例えば、芯鞘型複合繊維として溶融状態で繊維状に押出し、それを500〜3500m/分の速度で溶融紡糸後、一旦巻き取らず直接延伸、熱処理する方法などが挙げられる。その他1000〜5000m/分の速度で溶融紡糸し延伸する方法、5000m/分以上の高速で溶融紡糸し、用途によっては延伸工程を省略する方法などが好ましく挙げられ、細繊度の繊維の生産性、安定性に優れたものとできる。
このようにして得られたポリエステル繊維から必要に応じてその一部を除去してもよい。除去する方法としては、延伸熱処理又は仮撚加工等を施した後、又は更に布帛にした後、アルカリ化合物の水溶液で処理することにより容易に行うことができる。
ここで使用するアルカリ化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等をあげることができる。なかでも水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが特に好ましい。
かかるアルカリ化合物の水溶液の濃度は、アルカリ化合物の種類、処理条件によって異なるが、通常0.01〜40重量%の範囲が好ましく、特に0.1〜30重量%の範囲が好ましい。処理温度は常温〜100℃の範囲が好ましく、処理時間は1〜4時間の範囲で通常行われる。また、このアルカリ化合物の水溶液の処理によって溶出除去する量は、繊維重量に対して2重量%以上の範囲にすべきである。
なお、本発明の方法により得られるポリエステル繊維には、必要に応じて任意の添加剤、例えば触媒、着色防止剤、耐熱剤、難燃剤、蛍光増白剤、艶消剤、着色剤等が含まれていても良い。
このようにして得られる繊維を使用した織編物は、優れた撥水性能を有し、長期間の使用や繰返しの洗濯等による撥水性の低下がなく、且つ風合いにも優れたものとなる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例における各項目は下記の方法で測定した。
(1)強度
20℃、65%RHの雰囲気下で、引張試験機により、試料長20cm、速度20cm/分の条件で破断時の強度を測定した。測定数は10とし、その平均をそれぞれの強度とした。
(2)接触角(繊維の撥水性)
撥水性で用いた布帛と同等のものからポリエステル繊維を抜き出した後単糸を採取し、協和界面科学(株)社製自動微小接触角測定装置「MCA−2」を使用し、蒸留水を使用して繊維の単糸表面上に500plの蒸留水を滴下したときの繊維と水滴との接触角をθ/2法にて測定し、接触角が大きいほど撥水性に優れると判断した。
(3)撥水性(布帛の撥水性)
各実施例および比較例で得られたポリエステル繊維を経糸および緯糸に使用して、目付75g/mの平織物を製織し、定法により精錬、乾燥した後、180℃でヒートセットした。この布帛を用いて、JIS L−1092のスプレー試験法を同一サンプルに対して5回繰り返し行い、布帛の濡れ具合に対する点数表示による評価を行った。
100点:表面に湿潤や水滴が付着していないもの
90点:表面に湿潤しないが、小さな水滴が付着しているもの
80点:表面に小さな個々の水滴状の湿潤があるもの
70点:表面の半分以上が湿潤し、小さな個々の湿潤が布を浸透する状態を示すもの
50点:表面全体が湿潤したもの
0点:表面および裏面が全体に湿潤を示すもの
(4)ヌメリ感
撥水性で評価した布帛と同等のものを用いて、5人のパネラーによる官能評価を行い、3: 全員が極めて良好と判定したもの、2: 3人以上が良好と判断したもの、1: 3人以上が不良と判定したものを(不良)と、三段階にランク付けした。
(5)繊維長さあたりの突起部個数
繊維側面を電子顕微鏡で×1000倍にて撮影し、繊維径の1/10以上の高さを有する凸部について、長さ100μm当たりでの個数を繊維10本について測定し、その平均値として求めた。
(6)含有シリコーン化合物量
1H−NMR法にてポリエステル組成物中に含有している変性シリコーン量を定量した。更にポリエステル試料を適切な溶媒に溶解させて貧溶媒を加えて再沈殿操作を行い、濾過により得られた固形物についても1H−NMR測定を行った。後者の再沈殿操作後の測定結果の値からポリエステル中に共重合している変性シリコーン化合物の量を定量し、前者の再沈殿前の測定結果の値と、後者の測定結果の値との差からブレンドしているシリコーン化合物量を定量した。また変性シリコーン化合物の化学構造においてはブレンドしている成分については再沈殿操作の溶媒中の成分を回収成分を、共重合されている成分については再沈殿後のポリエステルを加水分解後の残渣成分を測定することにより行うことができる。
[実施例1]
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部、エステル反応性シリコーン化合物(一般式(I)のRがエチル基、n=9である化合物、チッソ社製FM−DA11)10重量部、酢酸マンガン4水塩0.031重量部を反応器に仕込み、窒素ガス雰囲気下で3時間かけて140℃から240℃まで昇温し、精製するメタノールを系外に除去しながらエステル交換反応を行った。エステル交換反応を終了させた後、安定剤としてリン酸0.024重量部および重縮合反応触媒として三酸化アンチモン0.04重量部を添加した後、285℃まで昇温して、減圧下で重縮合反応させ、シリコーン含有ポリエステルを得た。得られたポリエステルの固有粘度は0.65であった(35℃、オルソクロロフェノール中)。
このポリエステルチップと、粒子としてソジウムカルシウムアミノシリケート・ハイドレートを主成分とする平均粒系5μmの無機粒子(水澤化学製シルトンJC−50)を30wt%添加したポリエチレンテレフタレートマスターバッチを3wt%チップブレンドし、水分率70ppm以下となるまで乾燥した後、溶融温度300℃で押出機にて溶融し、他方エステル反応性シリコーン化合物を用いずに重合した固有粘度0.64(35℃、オルソクロロフェノール中)のポリエチレンテレフタレートを、同様の水分率となる様に乾燥した後図1に示す凸部を12ケ有する単糸断面形状となるような吐出孔を36孔有する紡糸口金から、鞘/芯の重量比が30/70となるように紡出し、油剤付与後紡糸速度1000m/で引き取り、未延伸糸を得た。この未延伸糸を予熱温度90℃、延伸倍率2.8倍、熱セット温度180℃にて延伸熱セットを実施し、単糸繊度2.0dtex、総繊度72dtexの12個の放射状凸部を有する断面からなるマルチフィラメントを得た。
得られた繊維を使用してタフタ織物を作成した。得られた布帛は撥水性に優れたものであり、しなやかでヌメリ感のある風合いを有していた。
得られた芯鞘複合型マルチフィラメントの物性を表1に示す。
[比較例1〜2]
実施例1で鞘部にシリコーン含有ポリエステルのみを用い、溶融温度300℃で押出機にて溶融し、36孔の円形の吐出孔を有する口金を用いて単独糸として実施例1と同条件で製糸を行ったものを比較例1とした。また、実施例1において無機粒子含有量が1%となるようにして得られたものを比較例2とした。これらの芯鞘型マルチフィラメントの物性を表1に示す。
凸部の形成のない比較例1、および凸部の形成数が少ない比較例2は、共にある程度の撥水性を有するものの実施例1とは劣るものとなった。
[比較例3〜4]
実施例1において鞘部にエステル反応性シリコーンを用いずに芯部と同様のポリマーを用いて、実施例1と同様に無機粒子を添加したものを比較例3とした。また、鞘比率が20%で、鞘部に対して無機粒子が20%となるようにして実施例1と同様に作成したものを比較例4とした。得られた芯鞘複合型マルチフィラメントの物性を表1に示す。
鞘部にシリコーン含有ポリエステルを用いない比較例3においては撥水性の劣るものとなった。また、凸部数が多く本発明の範囲外である比較例4においても逆に撥水性は低下し、強度も低下し、共に風合い面においてもヌメリ感が感じられないものとなった。
[比較例5]
実施例1でエステル反応性シリコーン含有ポリエステルのみを用いて芯鞘型にせずに同様に製糸したものを表1に示す。これは撥水性能や風合いは良いものの糸の強度が低く、織物物性としても劣るものとなった。
[比較例6〜8]
実施例1において凸部の個数が0個、3個、84個を有する吐出孔とした以外は、実施例1と同様の方法で行った。得られたマルチフィラメントの物性を表1に示す。
凸部を有さない比較例6や凸部の個数の少ない比較例7、凸部の数が範囲を超えて多い比較例8においては、風合い面ではそこそこであるものの、撥水性は劣るものとなった。
Figure 2010138510
高い耐久性を有する撥水性を有し、かつ強度や風合いにも優れるポリエステル布帛として、スポーツ用、カジュアル用、紳士婦人スーツ等の衣料用途をはじめ、手術衣やテント用生地、フィルターなどの産業用途としても有用である。
本発明の撥水性ポリエステルを得るための紡糸口金の吐出孔の形状の例。

Claims (3)

  1. 芯鞘型複合繊維であって、下記要件を満足することを特徴とする撥水性ポリエステル芯鞘型複合繊維。
    a)鞘部を構成するポリエステルが下記式(1)で表されるエステル反応性シリコーンを含有すること。
    b)鞘部を構成するポリエステルが粒子を含有し、該粒子に基づく独立した突起を繊維表面に繊維軸方向に長さ100μmあたり1〜50個有すること。
    c)繊維軸に直交する断面における外周部に4〜48個の凸部を有し、その異型度が1.1〜2.5、単糸繊度が0.1〜3.0dtexであること。
    Figure 2010138510
    (上記式中、Rはアルキル基を表し、nは1〜100の整数である。)
  2. 複合繊維の鞘/芯比率が70/30〜5/95の範囲である請求項1記載の撥水性ポリエステル芯鞘型複合繊維。
  3. エステル反応性シリコーンの含有量がポリマー重量に対し2〜40重量%であり、ポリエステルと共重合しているものがエステル反応性シリコーンの全重量に対して、20〜50重量%の範囲である請求項1〜2いずれかに記載の撥水性ポリエステル芯鞘型複合繊維。
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