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JP2010118172A - セパレータ、燃料電池及び燃料電池システム並びに燃料電池システムの制御方法 - Google Patents

セパレータ、燃料電池及び燃料電池システム並びに燃料電池システムの制御方法 Download PDF

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JP2010118172A JP2008288799A JP2008288799A JP2010118172A JP 2010118172 A JP2010118172 A JP 2010118172A JP 2008288799 A JP2008288799 A JP 2008288799A JP 2008288799 A JP2008288799 A JP 2008288799A JP 2010118172 A JP2010118172 A JP 2010118172A
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Yoshiaki Naganuma
良明 長沼
Osamu Yumita
修 弓田
Hiroki Tanaka
浩己 田中
Takuboku Tezuka
卓睦 手塚
Nobukazu Mizuno
伸和 水野
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】燃料電池のガス入口周辺領域を効率良く昇温させることにより、低温環境下における燃料電池の始動性能を大幅に向上させる。
【解決手段】燃料電池の発電体に近接配置される第1の面11aに外部から酸化ガスを導入するための酸化ガス入口側マニホールド13と、第1の面11aから外部に酸化ガスを排出するための酸化ガス出口側マニホールド15と、発電体の反対側に配置される第2の面11cに外部から冷媒を供給するための冷媒入口側マニホールド17と、第2の面11cから外部に冷媒を排出するための冷媒出口側マニホールド18と、を備えるセパレータ11であって、酸化ガス入口側マニホールド13周辺の領域AINと酸化ガス出口側マニホールド15周辺の領域AOUTとの間の熱移動を抑制する熱移動抑制手段19を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、セパレータ、燃料電池及び燃料電池システム並びに燃料電池システムの制御方法に関する。
従来より、水素イオン導電性の電解質膜の両面に電極用の触媒層を設けて形成した膜・電極接合体(MEA:Membrane-Electrode Assembly)と、このMEAを挟持するセパレータと、を備えた固体高分子電解質型の燃料電池が提案され、実用化されている。かかる燃料電池を含む燃料電池システムにおいては、燃料電池のMEAを構成する一方の電極(アノード電極)に水素ガス等の燃料ガスを、他方の電極(カソード電極)に空気等の酸化ガスを、各々供給して電気化学反応を起こすことにより発電を行っている。現在においては、単一のMEAを有する燃料電池(単電池)を複数積層して積層体(スタック)を構成し、大きな電力を発生させる技術が採用されている。
固体高分子電解質型の燃料電池を構成するセパレータは、MEAに対向する面に設けられたガス流路と、外部からガス流路に反応ガス(燃料ガス又は酸化ガス)を流通させるためのマニホールドと、を有する板状の部材である。かかるセパレータは、積層された単電池同士を区切り、隣接する単電池間において燃料ガスと酸化ガスとが混合することを防止する機能と、隣接する単電池間に設けられる冷媒流路とガス流路とを分離する機能と、隣接する単電池同士を導通させる機能と、を有するものである。近年においては、ガス流路の背面に冷媒流路を形成したセパレータが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−100458号公報
ところで、氷点下等の低温環境下においては、燃料電池の発電性能が低下することが知られている。その理由は、燃料電池の温度が発電時の反応熱により上昇して氷点(摂氏零度)を超える前に、発電時に生成した水分が燃料電池を構成する触媒層の空隙を埋めてしまい、触媒層内の水分が氷結してしまうためである。特に、燃料電池の酸化ガス出口周辺領域においては、発電時の生成水に加えて、酸化ガスの流通に伴って酸化ガス入口から移動してきた水分が滞留し、触媒層の含水量が多くなるため、低温環境下における発電性能が一層低下していた。
これに対し、燃料電池の酸化ガス入口周辺領域は、酸化ガスの流通に起因する水分除去効果により触媒層の含水量が比較的少なくなるため、発電時の生成水が触媒層の空隙を埋める前に温度が氷点を超えるまで上昇し易く、低温環境下における発電継続性が良好な領域である。しかし、特許文献1に記載されたような従来のセパレータを採用した燃料電池においては、酸化ガス入口周辺領域で発生した反応熱が酸化ガス出口周辺領域に拡散していたため、酸化ガス入口周辺領域を効率良く昇温させることが困難となっていた。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、燃料電池のガス入口周辺領域を効率良く昇温させることにより、低温環境下における燃料電池の始動性能を大幅に向上させることを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係るセパレータは、燃料電池の発電体に近接配置される第1の面と、外部から第1の面に反応ガス(例えば酸化ガスとしての空気)を供給するためのガス入口側マニホールドと、第1の面から外部に反応ガスを排出するためのガス出口側マニホールドと、発電体の反対側に配置される第2の面と、外部から第2の面に冷媒を供給するための冷媒入口側マニホールドと、第2の面から外部に冷媒を排出するための冷媒出口側マニホールドと、を備え、外部から供給された反応ガスが第1の面に沿って流通する一方、外部から供給された冷媒が第2の面に沿って流通するように構成される燃料電池用のセパレータであって、ガス入口側マニホールド周辺の領域とガス出口側マニホールド周辺の領域との間の熱移動を抑制する熱移動抑制手段を備えるものである。
かかる構成を採用すると、セパレータのガス入口周辺領域(ガス入口側マニホールド周辺の領域)とガス出口周辺領域(ガス出口側マニホールド周辺の領域)との間の熱移動を抑制することができるので、ガス入口周辺領域で発生した熱の拡散を抑制することができる。従って、セパレータのガス入口周辺領域を効果的に昇温させることができるので、セパレータに近接配置される発電体のガス入口周辺領域を効率良く昇温させることができ、低温環境下における燃料電池の始動性を大幅に向上させることができる。
前記セパレータにおいて、セパレータのガス入口側マニホールド周辺の領域とガス出口側マニホールド周辺の領域との間に、熱移動抑制手段としての断熱部材を配置することができる。かかる場合において、セパレータの断熱部材を除く部分を金属材料で構成し、断熱性を有する樹脂材料で断熱部材を構成することができる。
また、前記セパレータにおいて、第1の面に沿った反応ガスの流通方向と、第2の面に沿った冷媒の流通方向と、が直交するように構成することができる。かかる場合において、第2の面に冷媒が流通する冷媒流路を形成するとともに、この冷媒流路におけるガス入口側マニホールド周辺の領域とガス出口側マニホールド周辺の領域とを仕切る断熱性の仕切部材を熱移動抑制手段として設けることが好ましい。
かかる構成を採用すると、第2の面に沿った冷媒の流通方向が、第1の面に沿った反応ガスの流通方向と直交する場合において、セパレータのガス入口周辺領域(ガス入口側マニホールド周辺の領域)とガス出口周辺領域(ガス出口側マニホールド周辺の領域)との間の熱移動を抑制することができるので、セパレータのガス入口周辺領域を効果的に昇温させることができる。
また、本発明に係る燃料電池は、電解質膜及びこの電解質膜の両面に形成された電極から構成される発電体としての膜・電極接合体と、前記セパレータと、を備えるものである。
かかる構成を採用すると、ガス入口周辺領域を効率良く昇温させることができるセパレータを備えるため、低温環境下における始動性が大幅に向上する。
また、本発明に係る燃料電池システムは、前記燃料電池と、燃料電池の冷媒マニホールドに連通する冷媒配管と、冷媒配管内を流通する冷媒を燃料電池に供給する冷却ポンプと、冷却ポンプを制御する制御手段と、を備える燃料電池システムであって、制御手段は、冷媒の温度が所定の閾値を下回る場合に、燃料電池への冷媒の供給量を低減させるように冷却ポンプを制御するものである。
また、本発明に係る燃料電池システムの制御方法は、前記燃料電池と、燃料電池の冷媒マニホールドに連通する冷媒配管と、冷媒配管内を流通する冷媒を燃料電池に供給する冷却ポンプと、を備える燃料電池システムの制御方法であって、 冷媒の温度が所定の閾値を下回る場合に、燃料電池への冷媒の供給量を低減させるように冷却ポンプを制御する工程を備えるものである。
かかる構成及び方法を採用すると、冷媒の温度が所定の閾値(例えば冷媒としての冷却水の凝固点である摂氏零度)を下回る場合に、燃料電池への冷媒の供給量を低減させることができる。従って、低温環境下において、燃料電池を構成するセパレータに冷媒が供給されるのを抑制することができるので、燃料電池を構成する発電体のガス入口周辺領域を効率良く昇温させることができる。この結果、低温環境下における燃料電池の始動性を大幅に向上させることができる。
本発明によれば、燃料電池のガス入口周辺領域を効率良く昇温させることができ、低温環境下における燃料電池の始動性能を大幅に向上させることが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る燃料電池システム1について説明する。本実施形態においては、本発明を燃料電池車両の車載発電システムに適用した例について説明することとする。
まず、図1を用いて、本実施形態に係る燃料電池システム1の構成について説明する。燃料電池システム1は、図1に示すように、反応ガス(酸化ガス及び燃料ガス)の供給を受けて電力を発生する燃料電池10、燃料ガスとしての水素ガスを燃料電池10に供給する燃料ガス配管系20、酸化ガスとしての空気を燃料電池10に供給する酸化ガス配管系30、燃料電池10に冷媒を供給して燃料電池10を冷却する冷媒配管系40、システム全体を統括制御する制御部50等を備えている。
燃料電池10は、例えば固体高分子電解質型で構成され、多数の単電池10a(図2)を積層したスタック構造を備えている。燃料電池10の単電池10aは、イオン交換膜からなる電解質の一方の面に空気極を有し、他方の面に燃料極を有し、さらに空気極及び燃料極を両側から挟みこむように一対のセパレータ11、12(図3)を有している。一方のセパレータ11の酸化ガス流路に酸化ガスが供給され、他方のセパレータ12の燃料ガス流路に燃料ガスが供給され、このガス供給により燃料電池10は電力を発生する。なお、セパレータ11、12を含む燃料電池10の構成については、図2〜図5を用いて後に詳述する。
燃料ガス配管系20は、水素供給源21と、水素供給源21から燃料電池10に供給される水素ガスが流れる水素供給流路22と、燃料電池10から排出された水素オフガスを水素供給流路22の合流点に戻すための循環流路23と、循環流路23内の水素オフガスを水素供給流路22に圧送する水素ポンプ24と、循環流路23に分岐接続された排気排水流路25と、を有している。
水素供給源21は、高圧タンクや水素吸蔵合金等で構成され、例えば35MPa又は70MPaの水素ガスを貯留可能に構成されている。後述する遮断弁26を開くと、水素供給源21から水素供給流路22に水素ガスが流出する。水素ガスは、後述するレギュレータ27等により最終的に例えば200kPa程度まで減圧されて、燃料電池10に供給される。なお、炭化水素系の燃料から水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、この改質器で生成した改質ガスを高圧状態にして蓄圧する高圧ガスタンクと、から水素供給源21を構成してもよい。
水素供給流路22には、水素供給源21からの水素ガスの供給を遮断又は許容する遮断弁26と、水素ガスの圧力を調整するレギュレータ27が設けられている。レギュレータ27は、その上流側圧力(一次圧)を、予め設定した二次圧に調圧する装置である。本実施形態においては、一次圧を減圧する機械式の減圧弁をレギュレータ27として採用している。
循環流路23には、気液分離器28及び排気排水弁29を介して、排気排水流路25が接続されている。気液分離器28は、水素オフガスから水分を回収するものである。排気排水弁29は、制御部50からの指令によって作動することにより、気液分離器28で回収した水分と、循環流路23内の不純物を含む水素オフガスと、を外部に排出(パージ)するものである。排気排水弁29の開放により、循環流路23内の水素オフガス中の不純物の濃度が下がり、循環供給される水素オフガス中の水素濃度が上がる。排気排水弁29及び排気排水流路25を介して排出される水素オフガスは、図示されていない希釈器によって希釈されて排気流路32内の酸化オフガスと合流するようになっている。水素ポンプ24は、図示されていないモータの駆動により、循環系内の水素ガスを燃料電池10に循環供給するものである。
酸化ガス配管系30は、燃料電池10に供給される酸化ガスが流れる空気供給流路31と、燃料電池10から排出された酸化オフガスが流れる排気流路32と、を有している。空気供給流路31には、フィルタ33を介して酸化ガスを取り込むコンプレッサ34と、コンプレッサ34により圧送される酸化ガスを加湿する加湿器35と、が設けられている。排気流路32を流れる酸化オフガスは、背圧調整弁36を通って加湿器35で水分交換に供された後、最終的に排ガスとしてシステム外の大気中に排気される。コンプレッサ34は、図示されていないモータの駆動により大気中の酸化ガスを取り込む。
冷媒配管系40は、燃料電池10内の冷却流路に連通する冷媒配管41と、冷媒配管41に設けられた冷却ポンプ42と、燃料電池10から排出される冷媒を冷却するラジエータ43と、冷媒配管41内を流通する冷媒の温度を検出する温度センサ44と、を有している。冷却ポンプ42は、制御部50によって制御される図示されていないモータの駆動により、冷媒流路41内を流通する冷媒を燃料電池10に供給するものである。
制御部50は、車両に設けられた加速用の操作部材(アクセル等)の操作量を検出し、加速要求値(例えば図示されていないトラクションモータ等の負荷装置からの要求発電量)等の制御情報を受けて、システム内の各種機器の動作を制御する。なお、負荷装置とは、トラクションモータのほかに、燃料電池10を作動させるために必要な補機装置(例えばコンプレッサ14、水素ポンプ24、冷却ポンプ42の各モータ等)、車両の走行に関与する各種装置(変速機、車輪制御部、操舵装置、懸架装置等)で使用されるアクチュエータ、乗員空間の空調装置(エアコン)、照明、オーディオ等を含む電力消費装置を総称したものである。
制御部50は、図示していないコンピュータシステムによって構成されている。かかるコンピュータシステムは、CPU、ROM、RAM、HDD、入出力インタフェース及びディスプレイ等を備えるものであり、ROMに記録された各種制御プログラムをCPUが読み込んで所望の演算を実行することにより、種々の処理や制御を行う。
具体的には、制御部50は、冷媒配管系40の温度センサ44で検出された冷媒の温度が所定の閾値を下回る場合に、燃料電池10への冷媒の供給量を低減させるように冷却ポンプ42を制御する。すなわち、制御部50は、本発明における制御手段として機能する。冷媒低減制御開始の判定基準となる冷媒温度の閾値は、冷媒の種類や燃料電池10の仕様・規模等に応じて適宜設定することができる。例えば、冷媒として冷却水を採用した場合には、冷却水の凝固点である摂氏零度をこの閾値として採用することができる。
次に、図2〜図5を用いて、本実施形態に係る燃料電池10の構成について説明する。
燃料電池10は、図2に示すように、複数の単電池10aを積層したスタック本体2を備えており、スタック本体2の両端に位置する単電池10aの外側に、出力端子付の集電板3、絶縁板4及び端板5がこの順に配置されて構成されている。両端板5の間には図示されていない締結板が架け渡され、この締結板が各々端板5にボルト固定されることにより、単電池10aの積層方向に所定の圧縮力が加えられるようになっている。
単電池10aは、図3に示すように、電解質膜6、電解質膜6の両面に設けられた電極用の触媒層7、触媒層7の外側に配設される拡散層8、反応ガス流路が設けられた一対のセパレータ11、12、拡散層8とセパレータ11、12との間をシールするとともに電気的に単電池のアノード・カソード間の短絡を防止する図示されていないシール部材等から構成されている。電解質膜6、触媒層7及び拡散層8により、膜・電極接合体(MEA)9が構成される。MEA9は、本発明における発電体として機能する。
電解質膜6は、固体高分子材料のイオン交換膜から構成され、主として、水素ガス等の燃料ガスから供給された水素イオンをアノード電極からカソード電極へと移動させる機能を有する。
触媒層7は、電解質膜6に隣接配置され、例えば、固体電解質と炭素粒子とその炭素粒子に担持された触媒とから構成される。触媒層7と、後述する拡散層8と、によってアノード電極及びカソード電極が構成される。触媒としては、例えば、白金又は白金合金等が好適に用いられる。燃料ガスから供給された水素(H2)は、触媒層7に到達すると触媒の表面で活性な2個の水素原子(水素活性種:H*)に解離する。さらに、触媒表面では酸化反応が進行して水素活性種から水素イオン(H+)と電子(e-)とが生じ、これらのうち水素イオンは電解質膜6中に移入する。触媒層7では、触媒と固体電解質との配合割合を適宜設定することにより、触媒利用効率の低下を抑えて電池性能を向上させることができる。電解質膜6及び触媒層7は何れも平面視で矩形形状を呈している。
拡散層8は、カーボン布やカーボンペーパ等の多孔質の素材から構成され、流体(生成水及び反応ガス)を通過させる機能と、触媒層7及びセパレータ11、12を導通させる機能と、を有する導電体であり、燃料電池10の外部からセパレータ11、12を介して触媒層7側に供給された反応ガスを拡散させて触媒層7側へ移動させるものである。拡散層8は、電解質膜6及び触媒層7と同様に、平面視で矩形形状を呈している。
セパレータ11、12は、積層された各々の単電池10a同士を区切る境界であり、隣接する単電池10a間でアノード電極に供給される燃料ガスと、カソード電極に供給される酸化ガスと、単電池10a間に流れる冷媒と、が接触することを防止する機能と、隣接する単電池10a同士を導通させる機能と、を有する。一方のセパレータ11は、図示されていないシール部材を介して拡散層8に隣接配置され、その拡散層8側の面(以下「第1の面」という)11aには、空気等の酸化ガスを流通させる酸化ガス流路11bが形成されている。また、セパレータ11の拡散層8と反対側の面(以下「第2の面」という)11cには、冷媒としての冷却水を流通させる冷媒流路11dが形成されている。他方のセパレータ12は、図示されていないシール部材を介して拡散層8に隣接配置され、その拡散層8側の面(以下「第1の面」という)12aには、水素ガス等の燃料ガスを流通させる燃料ガス流路12bが形成されている。また、セパレータ12の拡散層8と反対側の面(以下「第2の面」という)12cには、冷媒(例えば冷却水)を流通させる冷媒流路12dが形成されている。
セパレータ11、12の周縁部には、図3に示すように、反応ガス及び冷媒の入口及び出口となる複数のマニホールドが第1の面11a、12aから第2の面11c、12cに貫通するように設けられている。本実施形態においては、図3に示すように、酸化ガス入口側マニホールド13、燃料ガス入口側マニホールド14、酸化ガス出口側マニホールド15、燃料ガス出口側マニホールド16、冷媒入口側マニホールド17及び冷媒出口側マニホールド18が設けられている。酸化ガス入口側マニホールド13及び酸化ガス出口側マニホールド15は、一方のセパレータ11に設けられた酸化ガス流路11bに連通し、燃料ガス入口側マニホールド14及び燃料ガス出口側マニホールド16は、他方のセパレータ12に設けられた燃料ガス流路12bに連通する。また、冷媒入口側マニホールド17及び冷媒出口側マニホールド18は、双方のセパレータ11、12の冷媒流路11d、12dに連通する。
酸化ガス入口側マニホールド13及び燃料ガス入口側マニホールド14は、外部から酸化ガス及び燃料ガスを酸化ガス流路11b及び燃料ガス流路12bに各々導入するためのものであり、酸化ガス出口側マニホールド15及び燃料ガス出口側マニホールド16は、酸化ガス及び燃料ガスを酸化ガス流路11b及び燃料ガス流路12bから各々外部に排出するためのものである。単電池10aの外部から酸化ガス入口側マニホールド13を経由して供給された酸化ガスは、一方のセパレータ11に設けられた酸化ガス流路11b内を流れてカソード電極(拡散層8及び触媒層7)に供給され、発電に使用された後、酸化ガス出口側マニホールド15を経由して単電池10aの外部に排出される。一方、単電池10aの外部から燃料ガス入口側マニホールド14を経由して供給された燃料ガスは、他方のセパレータ12の燃料ガス流路12b内を流れてアノード電極(拡散層8及び触媒層7)に供給され、発電に使用された後、燃料ガス出口側マニホールド16を経由して単電池10aの外部に排出されることとなる。
冷媒入口側マニホールド17は、外部から冷媒(例えば冷却水)を冷媒流路11d、12dに導入するためのものであり、冷媒出口側マニホールド18は、冷媒を冷媒流路11d、12dから外部に排出するためのものである。単電池10aの外部から冷媒入口側マニホールド17を経由して供給された冷媒は、双方のセパレータ11、12の冷媒流路11d、12d内を流れてMEA9の冷却に使用された後、冷媒出口側マニホールド18を経由して単電池10aの外部に排出されることとなる。
本実施形態においては、図3及び図4に示すように、セパレータ11の一辺(一方の長辺)に沿って複数の酸化ガス入口側マニホールド13が形成され、この辺に酸化ガス流路11bを挟んで向かい合う辺(他方の長辺)に沿って複数の酸化ガス出口側マニホールド15が形成されている。また、セパレータ11の長辺に対して直角な2つの短辺に沿って、冷媒入口側マニホールド17及び冷媒出口側マニホールド18が延在するように形成されている。このため、図4に示すように、セパレータ11の第1の面11aに沿った酸化ガスの流通方向と、セパレータ11の第2の面11dに沿った冷媒の流通方向と、が直交するようになっている。
セパレータ11、12は、電子伝導性が高く、耐食性に優れており、しかもガス雰囲気において金属イオンを放出しないという特性を有するように構成されるのが好ましい。本実施形態においては、酸化ガス流路11bを有するセパレータ11の後述する断熱部材19を除く部分が、ステンレスや銅等の金属材料で構成されている。また、燃料ガス流路12bを有するセパレータ12は、ステンレスや銅等の金属材料で構成されている。
図4に示すように、セパレータ11の酸化ガス入口側マニホールド13周辺の部分(以下、「酸化ガス入口周辺領域」という)AINと、酸化ガス出口側マニホールド15周辺の部分(以下、「酸化ガス出口周辺領域」という)AOUTと、の間には、両領域相互の熱移動を抑制する熱移動抑制手段としての断熱部材19が配置されている。断熱部材19は、図4及び図5に示すように、酸化ガスの流通方向に直交する方向(冷媒の流通方向)に延在するように配置された所定幅W及び所定厚さTの帯状の部材であり、断熱性を有する樹脂材料で構成されている。
断熱部材19の幅Wや厚さTは、セパレータ11の表面積や厚さ、セパレータ11を構成する金属材料の種類、断熱部材19を構成する樹脂材料の種類等に応じて適宜設定することができる。本実施形態においては、図5に示すように、断熱部材19の厚さTを、セパレータ11の酸化ガス流路11bの底面から冷媒流路11dの底面までの寸法と同一の値に設定している。このため、酸化ガス流路11b及び冷媒流路11dの底面は、断熱部材19に起因する段差が形成されることがなく面一となり、酸化ガス流路11bにおける酸化ガスの流通と、冷媒流路11dにおける冷媒の流通と、の双方が阻害されないようになっている。
なお、本実施形態において、酸化ガス入口周辺領域AINとは、セパレータ11の酸化ガス流路11bの全体領域のうち酸化ガス入口側マニホールド13側の半分の領域と、冷媒流路11bの全体領域のうち酸化ガス入口側マニホールド13側の半分の領域と、の双方を含む所定厚さの部分を意味するものとする。また、本実施形態において、酸化ガス出口周辺領域AOUTとは、セパレータ11の酸化ガス流路11bの全体領域のうち酸化ガス出口側マニホールド15側の半分の領域と、冷媒流路11bの全体領域のうち酸化ガス出口側マニホールド15側の半分の領域と、の双方を含む所定厚さの部分を意味するものとする。
続いて、図6のフローチャートを用いて、本実施形態に係る燃料電池システム1の低温始動時における制御方法について説明する。
燃料電池システム1の通常運転時においては、水素供給源21から水素ガスが水素供給流路22を介して燃料電池10の燃料極に供給されるとともに、加湿調整された空気が空気供給流路31を介して燃料電池10の酸化極に供給されることにより、発電が行われる。この際、燃料電池10から引き出すべき電力(要求電力)が制御部50で演算され、その発電量に応じた量の水素ガス及び空気が燃料電池10内に供給されるようになっている。本実施形態においては、このような通常運転に至る前の低温環境下において、特定の始動制御を行う。
まず、燃料電池システム1の制御部50は、運転停止状態において、イグニションスイッチのON信号(システムの始動要求)を検出した場合に、冷媒配管系40の温度センサ44を用いて冷媒温度を検出し、冷媒温度が所定の閾値(例えば摂氏零度)未満であるか否かを判定する(冷媒温度判定工程:S1)。
次いで、制御部50は、冷媒温度判定工程S1において冷媒温度が所定の閾値以上であると判定した場合に、通常運転を実施する工程(後述する通常運転制御工程S6)に移行する。一方、制御部50は、冷媒温度判定工程S1において冷媒温度が所定の閾値未満であると判定した場合に、燃料電池10への冷媒の供給量を通常運転時の供給量よりも低減させる(又は冷媒の供給を停止させる)ように冷却ポンプ42を制御する(冷媒供給量低減工程:S2)。
冷媒供給量低減工程S2に次いで、制御部50は、急速暖機を目的とした低効率運転を実施する(氷点下運転制御工程:S3)。そして、制御部50は、低効率運転の継続時間等に基づいて燃料電池10の温度を推定し、この推定温度が所定温度に到達したか否かを判定し(燃料電池温度判定工程:S4)、否定的な判定が得られた場合に、氷点下運転制御工程S3を繰り返し実施する。一方、制御部50は、燃料電池温度判定工程S4において肯定的な判定が得られた場合に、燃料電池10への冷媒の供給量を増加させて通常運転時の供給量に戻す(冷媒供給量増加工程:S5)、その後通常運転を実施する(通常運転制御工程:S6)。
以上説明した実施形態に係る燃料電池システム1の燃料電池10を構成するセパレータ11においては、酸化ガス入口周辺領域AINと酸化ガス出口周辺領域AOUTとの間の熱移動を抑制することができるので、酸化ガス入口周辺領域AINで発生した熱の拡散を抑制することができる。従って、セパレータ11の酸化ガス入口周辺領域AINを効果的に昇温させることができるので、セパレータ11に近接配置されるMEAの酸化ガス入口周辺領域を効率良く昇温させることができる。この結果、低温環境下における燃料電池10の始動性を大幅に向上させることができる。
また、以上説明した実施形態に係る燃料電池システム1においては、冷媒の温度が所定の閾値を下回る場合に、燃料電池10への冷媒の供給量を低減させることができる。従って、低温環境下において、燃料電池10を構成するセパレータ11、12に冷媒が供給されるのを抑制することができるので、燃料電池10を構成するMEA9の酸化ガス入口周辺領域を効率良く昇温させることができる。この結果、低温環境下における燃料電池10の始動性を大幅に向上させることができる。
なお、以上の実施形態においては、断熱部材19を冷媒流路11dの底面から隆起させないようにした例(図5)を示したが、断熱部材の構成はこれに限られるものではない。例えば、図7に示すように、冷媒流路11dの底面から冷媒流路11dの開口側へと隆起するように構成された断熱部材19Aを採用することもできる。このような断熱部材19Aを採用すると、冷媒流路11dの全体領域は、酸化ガス入口側マニホールド13側の半分の領域と、酸化ガス出口側マニホールド15側の半分の領域と、に仕切られることになり、これら領域間における冷媒の流通が遮断される。この結果、セパレータ11の酸化ガス入口周辺領域AINで発生した熱の拡散を一層抑制することができ、酸化ガス入口周辺領域AINを一層効果的に昇温させることができる。かかる場合における断熱部材19Aは、本発明における仕切部材として機能する。
また、以上の実施形態においては、酸化ガスの流通方向と冷媒の流通方向とが直交するようにマニホールドを配置したセパレータ11に本発明を適用した例を示したが、図8に示すように、酸化ガスの流通方向と冷媒の流通方向とが平行になるようにマニホールドを配置したセパレータ11Aに本発明を適用することもできる。かかるセパレータ11Aにおいては、一辺(一方の長辺)に沿って酸化ガス入口側マニホールド13A及び冷媒入口側マニホールド17Aが隣接して形成され、この辺に酸化ガス流路11b及び冷媒流路11dを挟んで向かい合う辺(他方の長辺)に沿って酸化ガス出口側マニホールド15A及び冷媒出口側マニホールド18Aが隣接して形成されている。かかるセパレータ11Aにおいても、酸化ガス入口周辺領域AINと酸化ガス出口周辺領域AOUTとの間に断熱部材19を配置することにより、両領域相互の熱移動を抑制することができる。
また、以上の実施形態においては、酸化ガス流路11bを有するカソード側のセパレータ11に本発明を適用した例を示したが、燃料ガス流路12bを有するアノード側のセパレータ12にも本発明を適用することができる。アノード側のセパレータ12においても、燃料ガス入口周辺領域と燃料ガス出口周辺領域との間に断熱部材等の熱移動抑制手段を配置することにより、両領域相互の熱移動を抑制することができる。
また、以上の実施形態においては、MEA9に近接配置される面(第1の面11a)に酸化ガス流路11bを形成する一方、MEA9の反対側に配置される面(第2の面11c)に冷媒流路11dを形成したセパレータ11に本発明を適用した例を示したが、これら酸化ガス流路や冷媒流路が表面に形成されていないフラットなセパレータにおいても、本発明を適用することができる。フラットなセパレータにおいても、酸化ガス入口周辺領域と酸化ガス出口周辺領域との間に断熱部材等の熱移動抑制手段を配置することにより、両領域相互の熱移動を抑制することができる。
また、以上の実施形態においては、冷媒温度が所定の閾値未満である場合に冷媒供給量を低減させた例を示したが、冷媒低減制御開始の判定基準はこれに限定されるものではない。例えば、氷点突破までに燃料電池10で生成されるものと予想される水量(予想生成水量)が所定の許容生成量を上回る場合に、冷媒供給量を低減させることもできる。
また、以上の実施形態においては、燃料電池10の推定温度が所定温度に到達した場合に、燃料電池10への冷媒の供給量を増加させた例を示したが、冷媒増加制御開始の判定基準はこれに限定されるものではない。例えば、燃料電池10の出力が所定値に到達した場合に、燃料電池10への冷媒の供給量を増加させることもできる。
また、以上の各実施形態においては、本発明に係る燃料電池システムを燃料電池車両に搭載した例を示したが、燃料電池車両以外の各種移動体(ロボット、船舶、航空機等)に本発明に係る燃料電池システムを搭載することもできる。また、本発明に係る燃料電池システムを、建物(住宅、ビル等)用の発電設備として用いられる定置用発電システムに適用してもよい。
本発明の実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。 図1に示した燃料電池システムの燃料電池の斜視図である。 図2に示した燃料電池を構成する単電池の分解斜視図である。 図3に示した単電池を構成するカソード側セパレータの平面図である。 図4に示したセパレータのV-V部分における断面図である。 図1に示す燃料電池システムの低温始動時における制御方法を説明するためのフローチャートである。 セパレータの変形例を示す断面図である。 セパレータの他の変形例を示す平面図である。
符号の説明
1…燃料電池システム、6…電解質膜、7…触媒層(電極)、8…拡散層(電極)、9…MEA(発電体、膜・電極接合体)、10…燃料電池、11・11A…セパレータ、11a…第1の面、11c…第2の面、11d…冷媒流路、13・13A…酸化ガス入口側マニホールド、15・15A…酸化ガス出口側マニホールド、17・17A…冷媒入口側マニホールド、18・18A…冷媒出口側マニホールド、19…断熱部材(熱移動抑制手段)、19A…断熱部材(熱移動抑制手段、仕切部材)、41…冷媒配管、42…冷却ポンプ、50…制御部(制御手段)、AIN…酸化ガス入口周辺領域、AOUT…酸化ガス出口周辺領域。

Claims (8)

  1. 燃料電池の発電体に近接配置される第1の面と、外部から前記第1の面に反応ガスを供給するためのガス入口側マニホールドと、前記第1の面から外部に反応ガスを排出するためのガス出口側マニホールドと、前記発電体の反対側に配置される第2の面と、外部から前記第2の面に冷媒を供給するための冷媒入口側マニホールドと、前記第2の面から外部に冷媒を排出するための冷媒出口側マニホールドと、を備え、外部から供給された反応ガスが前記第1の面に沿って流通する一方、外部から供給された冷媒が前記第2の面に沿って流通するように構成される燃料電池用のセパレータであって、
    前記ガス入口側マニホールド周辺の領域と前記ガス出口側マニホールド周辺の領域との間の熱移動を抑制する熱移動抑制手段を備える、
    セパレータ。
  2. 前記反応ガスは、酸化ガスとしての空気である、
    請求項1に記載のセパレータ。
  3. 前記熱移動抑制手段は、前記ガス入口側マニホールド周辺の領域と前記ガス出口側マニホールド周辺の領域との間に配置された断熱部材である、
    請求項1又は2に記載のセパレータ。
  4. 前記セパレータは、前記断熱部材を除く部分が金属材料で構成され、
    前記断熱部材は、断熱性を有する樹脂材料で構成される、
    請求項3に記載のセパレータ。
  5. 前記第1の面に沿った反応ガスの流通方向と、前記第2の面に沿った冷媒の流通方向と、が直交するように構成されるとともに、前記第2の面には冷媒が流通する冷媒流路が形成され、
    前記熱移動抑制手段は、前記冷媒流路における前記ガス入口側マニホールド周辺の領域と前記ガス出口側マニホールド周辺の領域とを仕切る断熱性の仕切部材を有する、
    請求項1から4の何れか一項に記載のセパレータ。
  6. 電解質膜及びこの電解質膜の両面に形成された電極から構成される発電体としての膜・電極接合体と、
    請求項1から5の何れか一項に記載のセパレータと、
    を備える燃料電池。
  7. 請求項6に記載の燃料電池と、前記燃料電池の冷媒マニホールドに連通する冷媒配管と、前記冷媒配管内を流通する冷媒を前記燃料電池に供給する冷却ポンプと、前記冷却ポンプを制御する制御手段と、を備える燃料電池システムであって、
    前記制御手段は、冷媒の温度が所定の閾値を下回る場合に、前記燃料電池への冷媒の供給量を低減させるように前記冷却ポンプを制御するものである、
    燃料電池システム。
  8. 請求項6に記載の燃料電池と、前記燃料電池の冷媒マニホールドに連通する冷媒配管と、前記冷媒配管内を流通する冷媒を前記燃料電池に供給する冷却ポンプと、を備える燃料電池システムの制御方法であって、
    冷媒の温度が所定の閾値を下回る場合に、前記燃料電池への冷媒の供給量を低減させるように前記冷却ポンプを制御する工程を備えるものである、
    燃料電池システムの制御方法。
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