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JP2010192294A - 透明導電膜の製造方法、透明導電膜およびデバイス - Google Patents

透明導電膜の製造方法、透明導電膜およびデバイス Download PDF

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JP2010192294A JP2009036453A JP2009036453A JP2010192294A JP 2010192294 A JP2010192294 A JP 2010192294A JP 2009036453 A JP2009036453 A JP 2009036453A JP 2009036453 A JP2009036453 A JP 2009036453A JP 2010192294 A JP2010192294 A JP 2010192294A
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章 中島
Atsushi Uematsu
敦 植松
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Abstract

【課題】金属酸化物を主とした透明導電膜、該透明導電膜の製造方法、および該透明導電膜を含むデバイスを提供すること。
【解決手段】本発明の透明導電膜16は、基材12上に成膜された、添加金属元素を含む金属酸化物の非晶質の前駆体膜14に対し、高周波電界中で希ガスを主として含むガスのプラズマに暴露し、かつ還元条件下での改質処理を施すことにより得られる。
本発明では、非晶質の前駆体膜14をプラズマに暴露させた後、還元雰囲気下でアニール処理を施すことによって還元条件下での改質処理を行うことができる。本発明では、上記金属酸化物は、チタンを主とする金属元素とし、ニオブを前記添加金属元素とする酸化物とすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明導電材料に関し、より詳細には、金属酸化物を主とした透明導電膜、該透明導電膜の製造方法、および該透明導電膜を含むデバイスに関する。
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどのフラットパネル・ディスプレイ、色素増感型太陽電池など、種々のオプトエレクトロニクス・デバイスにおいて、透明導電膜は、欠かすことのできない構成部材である。この透明導電膜としては、可視光領域における高い透過性を有し、かつ高い導電率が達成可能とされる、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide:以下、ITOという。)膜が広く使用されている。しかしながら、ITO膜は、希少金属であるインジウムを使用しているため、近年では、ITO膜の用途の拡大、インジウムの資源価格の高騰および資源の枯渇の懸念を背景として、可視光領域における透過性と導電性とを充分に兼ね揃えながら、資源的に安定供給可能な、上記ITO膜を代替する透明導電材料の開発が強く要望されている。
ITO以外の透明導電膜としては、アルミニウム添加型酸化亜鉛(Aluminum doped Zinc Oxide:AZO)やガリウム添加型酸化亜鉛(Gallium doped Zinc Oxide:GZO)などの酸化亜鉛(ZnO)膜、ニオブ添加型酸化チタン(Niobium doped Titanium Oxide:TNOと呼ばれることもある。)膜(非特許文献1)、12CaO7Al(C12A7とも呼ばれる。)膜(非特許文献2)が候補として提案され、現在も研究開発が進められている。しかしながら、上記ZnO膜は、ITO膜と同等の低抵抗を達成することが困難であると考えられ、上記12CaO7Al膜は、有望なITO膜の代替材料の候補であるが、その実用化を目指した製造プロセスの開発は、未だ充分に進んではいない。
上記ニオブ添加型酸化チタンは、TiOがアナターゼ相の結晶を有することを特徴とし、NbがTiOと固溶することにより、電子が放出され、そのキャリア濃度の増大によって高い導電性が得られるものと考えられている。上記ニオブ添加型酸化チタンの製造方法としては、これまで、パルスレーザ堆積法(Pulse Laser Deposition:PLD法)やスパッタ法により成膜したニオブ添加型酸化チタン膜を水素雰囲気中でアニール処理する製造方法が知られており、これらの製造方法によって、例えば3〜6原子%のNbをアナターゼ相のTiOにドープすることで、ITOに匹敵する程度に低抵抗なニオブ添加型酸化チタンの透明導電膜が得られ、また、可視光透過率60〜80%が達成されることが報告されている。このように、ニオブ添加型酸化チタンは、可視光領域における高い透明性およびITOに匹敵する導電率を達成することができ、またチタン元素が地球上において比較的多く存在することから、ITOの代替材料の候補として注目されている。
しかしながら、上述したニオブ添加型酸化チタン膜の製造方法は、いずれもドライプロセスであり、未だ液体原材料を用いたウエットプロセスによる製造方法は、確立されていない。また、ニオブ添加型酸化チタン膜の実用化に向けた研究開発は途上にあり、未だITOを代替するには至っていない。
その他、透明導電材料を作製する技術として、ガラスなどの非晶質体にイオン注入を施すことにより、キャリア濃度を増大させ、導電性を得る技術も知られている。しかしながら、この技術は、イオン注入のための大がかりな設備を必要とし、また実用化には未だ遠いものと考えられる。
また、従来より、ガラスやポリマーなどの基材上に、スパッタリングや真空蒸着により金属酸化物薄膜を製膜することは、広く行われている。本発明者等は、これまで、基材上に成膜した金属酸化物の非晶質の前駆体薄膜に対し、特定の条件下でプラズマ照射を施すことにより、低温かつ短時間で前駆体薄膜を結晶化させることが可能であることを見出し、開示している(特許文献1、特許文献2、非特許文献3および非特許文献4)。上記特許文献1、特許文献2、非特許文献3および非特許文献4は、酸素または酸素元素を含むガスのプラズマが、金属酸化物を結晶化させるために好ましく用いられることを開示している。そして、特許文献1、特許文献2、非特許文献3および非特許文献4には、例えばゾルゲル法などのウエットプロセスによりTiOの前駆体膜を成膜した場合であっても、酸素プラズマを用いて良好に結晶化を促進することができることが実証されている。
再表2003−031673号公報 特開2006− 96577号公報
Y. Furubayashi et al., "A transparent metal: Nb-doped anatase TiO2", Appl. Phys. Lett. 86, 252101 (13 June 2005). K. Hayashi et al., "Light-induced conversion of an insulating refractory oxide into a persistent electronic conductor", Nature 419, 462-465 (3 October 2002). H. Ohsaki et al., "Plasma treatment for crystallization of amorphous thin films", Thin Solid Films, 502(1-2), 63-66 (28 April 2006). N. Arimitsu et al., "Effects of vacuum ultraviolet light illumination and seeding on crystallization of sol-gel-derived titanium dioxide precursor films using plasma treatment ", Surf. Coatings Tech., 201(6), 3038-3043 (4 December 2006).
上述したように、可視光領域における透明性および膜の導電性において、ITOを代替し得る特性を発現する透明導電膜、および該透明導電膜の簡便かつ低コストな製造方法の開発がなお望まれていた。
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、プラズマ照射処理および還元条件下での改質処理を適用して、膜の導電性および可視光領域における透明性を兼ね備える金属酸化物の透明導電膜を、より効果的に形成できる技術を提供することを目的とする。本発明の目的は、膜の高い導電性および可視光領域における高い透明性を兼ね備える、金属酸化物を主とした透明導電膜を提供することである。また、本発明の他の目的は、上記透明導電膜を簡便かつ低コストに製造可能な製造方法を提供することである。本発明のさらに他の目的は、上記透明導電膜を使用したデバイスを提供することである。
本発明者等は、鋭意検討した結果、プラズマを構成するガスとして、従来では金属酸化物において好ましいとされていた酸素に拘泥されることなく、純アルゴンのプラズマを、上記ゾルゲル法により成膜したチタンおよびニオブの酸化物の非晶質の前駆体膜に対し特定の条件下で照射し、かつその後、水素雰囲気下でアニール処理を施すことにより、驚くべきことに、膜の導電性が良好な金属酸化物の透明薄膜を得ることができることを見出し、本発明に至ったのである。
すなわち、本発明では、基材上に成膜された、添加金属元素を含む金属酸化物の非晶質の前駆体膜に対し、高周波電界中で希ガスを主として含むガスのプラズマに暴露し、かつ還元条件下で改質処理を施す。これによって、上記の金属酸化物を主とする透明導電膜を得る。
上記構成によれば、基板上に成膜された非晶質の前駆体膜が、プラズマの暴露および還元条件下での改質処理により、その膜特性を改善させられ、これによって、得られる透明導電膜に良好な導電性が付与される。
また本発明では、非晶質の前駆体膜をプラズマに暴露させた後、還元雰囲気下でアニール処理を施すことによって、上記還元条件下での改質処理を行うことができる。上記還元雰囲気は、水素雰囲気または真空(減圧)とすることができ、上記アニール処理は、例えば水素雰囲気下において450〜700℃の温度条件で1〜4hr(hours).行うことができる。また本発明では、上記プラズマを構成するガス中に水素を含有させて、上記非晶質の前駆体膜を水素含有のプラズマに暴露させることによって、上記還元条件下での改質処理を行うこともできる。
さらに本発明では、金属アルコキシド、金属アセテート、金属有機酸塩、金属塩および金属石鹸からなる群から選択された少なくとも1種の金属元素含有イオンを含む前駆体溶液を、スピンコート法、ディップコート法、フローコート法またはバーコート法により基材上に塗布して膜を形成し、該膜に300nm以下の波長を有する紫外光を照射することで、上記前駆体膜を成膜することができる。上記構成によれば、透明導電膜の成膜の大面積化、製造コストの低減の観点から優れた技術が提供される。
また本発明では、上記金属酸化物を、チタンを主とする金属元素とし、ニオブを前記添加金属元素とする酸化物とすることができる。上記構成によれば、成膜されるニオブ添加型酸化チタンの透明導電膜を改善し、良好な導電性が得られる。さらにまた、本発明では、非晶質の前駆体膜が70nm〜200nmの膜厚で成膜されるようプロセス制御することができ、得られる透明導電膜は、10nm〜100nmの膜厚を有するものとすることができる。上記構成によれば、プラズマへの暴露により膜に付与される導電性と膜の消耗量との均衡が図られ、また処理中または処理後のクラックなどの発生が好適に防止される。
また本発明では、上記プラズマは、1kHz〜300MHzの印加周波数、5Pa〜1.0×10Paの圧力、2.0×10Wm−3〜5.0×10Wm−3の投入電力密度の条件下で発生させることができる。さらに本発明では、上記非晶質の前駆体膜は、上記プラズマに3〜15min.(minutes)暴露させることができる。
さらに本発明では、上記希ガスを主として含むガスには、酸素および酸素元素を含む化合物のガスを実質的に含ませないことができる。本発明では、希ガスを主として含むガスには、アルゴンを主として含ませることができる。
すなわち、本発明によれば、上述した特徴を有する透明導電膜、該透明導電膜の製造方法、該透明導電膜を含むデバイスを提供することができる。
本発明の実施形態による透明導電膜の製造方法を示す図。 本発明の透明導電膜を用いて有機エレクトロルミネッセンスデバイスを構成した場合の実施形態を示す図。
以下、本発明を具体的な実施形態をもって説明するが、本発明は、後述する実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態による透明導電膜は、基材上に成膜された、添加金属元素を含む金属酸化物の非晶質の前駆体膜に対し、高周波電界中で希ガスを主として含むガスのプラズマに暴露し、かつ還元条件下で改質処理を施すことにより、可視光領域の高い透過性および高い導電性を有する上記金属酸化物を主とした透明導電膜を、好適に製造するものである。
図1は、本発明の実施形態による透明導電膜の製造方法を示す図である。図1には、(A)基材12上に、添加金属元素を含む金属酸化物の非晶質の前駆体膜14を成膜する工程と、(B)成膜された前駆体膜14に対し、高周波電界中で希ガスを主として含むガスのプラズマに暴露する工程と、その後(C)前駆体膜14に対し、還元条件下での改質処理として水素雰囲気下でのアニール処理を施す工程とにより、(D)透明導電膜16を含む層構造10を得る。
(A)金属酸化物の非晶質の前駆体膜の成膜
本発明の実施形態において使用することができる基材12としては、少なくとも後述のプラズマ照射および還元条件下での改質処理に対して、製造プロセスを通して耐え得る材料であることが好ましい。基材12としては、具体的には、例えば、単結晶シリコン、多結晶シリコン、非晶質シリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、SOI(Silicon on Insulator)などの半導体材料や、ガラスなどのセラミックス材料などを含む無機材料からなる基材の他、ポリエチレンテレフタラートといった有機重合体などを含む有機材料からなる基材を使用することができる。なお、基材12は、上述した材料に限定されるものではない。
基材12は、還元条件下での改質処理として、水素雰囲気または真空といった還元囲気下での加熱によるアニール処理を採用する場合には、アニール処理温度に耐えうる無機材料を用いることが好ましい。基材12の形状は、特に限定されるものではなく、フィルムやプレートといった2次元的な広がりをもつ形状の他、湾曲、深絞り、パイプなど種々の形状を用いることができる。さらに、前駆体膜14が成膜される基材表面には、良好な前駆体膜を得るために、各種表面改質処理を施したり、各種アンダーコート層を予め形成したりしておくことができる。
本発明の実施形態において成膜される非晶質の前駆体膜14は、添加金属元素を含む金属酸化物から形成することができる。上記前駆体膜14を構成する金属酸化物としては、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)などの金属元素を主とした、可視領域に透過性を有する酸化物であって、ニオブ(Nb)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、アンチモン(Sb)など、上記主の金属元素の酸化物に対し電荷キャリアを与える金属元素が添加された酸化物とすることができる。
上記金属酸化物としては、より具体的には、例えば、チタンおよびニオブを含む酸化物、亜鉛およびアルミニウムを含む酸化物、亜鉛およびガリウムを含む酸化物、スズおよびアンチモンを含む酸化物などを挙げることができる。本発明の実施形態においては、可視光領域の透明性および導電性の両方の良好な特性を得る観点からは、上記金属酸化物は、チタンを主とする金属元素とし、ニオブを添加金属元素とした酸化物である、ニオブ添加型酸化チタンであることが好ましい。
上記金属酸化物の前駆体膜14は、Ti、Zn、Sn、Nb、Ga、Al、Sbなど、上述した金属元素の酸化物の前駆体化合物を含有する前駆体溶液を基材12上に塗布することにより、成膜することができる。前駆体溶液の塗布方法は、特に限定されるものではないが、例えば、スピンコート法、ディップコート法、フローコート法またはバーコート法など種々のコーティング法を挙げることができる。なお、前駆体膜12の製造方法については、本実施形態では特に限定されるものではない。
上記前駆体溶液は、良質の透明導電膜を得る観点からは、塗布する前に充分な時間還流しておくことが好ましい。前駆体溶液を塗布して形成された膜は、一般に有機物が混入している。このような有機物は、後述のプラズマ照射処理中にも分解されるが、良好な透明導電膜を得る観点からは、前駆体溶液を塗布して形成された膜に対し、プラズマ照射処理を施す前に、300nm以下の波長を有する紫外光を照射して、予め膜から有機物(炭素元素)を除去しておくことが好ましい。本発明の実施形態においては、10nm〜200nmの真空紫外光(VUV)を照射することが、プラズマ照射処理の効果をより効果的に得る上で好ましい。
上述した金属酸化物の前駆体化合物としては、Ti、Zn、Sn、Nb、Ga、Al、Sbなど、上述した金属元素の金属アルコキシド、金属アセテート、金属有機酸塩、金属塩、金属石鹸など、これまで知られた金属酸化物の前駆体化合物を挙げることができる。上記前駆体溶液は、所望する金属酸化物の組成に適合させるように、上記いずれかの複数種の前駆体化合物を混合した混合溶液とすることができる。また、前駆体溶液は、膜厚、膜特性などを調整するために、適宜、溶媒により希釈することができる。
上記前駆体溶液は、ニオブ添加型酸化チタンを形成する場合、チタンの金属アルコキシド、金属アセテート、金属有機酸塩、金属塩または金属石鹸と、ニオブの金属アルコキシド、金属アセテート、金属有機酸塩、金属塩または金属石鹸との混合溶液とすることができる。これらの中でも、良好な前駆体膜14を簡便に得る観点からは、チタンアルコキシドおよびニオブアルコキシドの混合溶液を用いた、所謂ゾルゲル法による成膜が好ましい。
金属酸化物の前駆体化合物としては、チタンついて例示すると、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、テトラステアリルオキシチタン、テトラステアリルオキシチタン、テトラメトキシチタンなどのチタン化合物を挙げることができ、ニオブについて例示すると、ニオブ−n−ブトキシド、ニオブエトキシド、ニオブ−2−メトキシエトキシド、ニオブ−n−プロポキシドなどのニオブ化合物を挙げることができる。
上記前駆体溶液における前駆体化合物の混合比は、金属酸化物の膜に良好な導電性を付与する観点からは、主の金属元素および添加金属元素のモル比として、85:15〜98:2に調整することが好ましく、90:10〜96:4に調整することがより好ましい。なお、金属酸化物の前駆体膜14および最終的に得られる透明導電膜16の金属元素の組成比は、概ね前駆体化合物の混合比に従ったものとなる。
金属酸化物の前駆体膜14の成膜は、20nm〜500nmの膜厚となるようにプロセス条件を制御することが好ましい。前駆体膜14の成膜は、プラズマ照射処理により膜に付与される導電性と膜の消耗量との均衡、処理中または処理後のクラックなどの発生の防止、および所望の最終膜厚を勘案すると、70nm〜200nmの膜厚が得られるようにプロセス条件を制御することがより好ましい。
さらに本発明の実施形態では、上記金属酸化物の前駆体膜14は、上述したウエットプロセスの他、スパッタ法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、パルスレーザ堆積法、分子線エピタキシー法または化学気相成長法などのドライプロセスにより成膜することもできる。なお、透明導電膜の成膜の大面積化、製造コストの低減の観点からは、上記前駆体溶液を用いるウエットプロセスを用いることが好ましい。
なお、本発明の実施形態において、非晶質とは、X線により検出可能な結晶構造の秩序を有さない状態を指し、具体的には、X線回折パターン中に有意なピークが認められない状態を言う。また、成膜した前駆体膜14全体にわたって非晶質であることは必ずしも要せず、結晶性を有する領域を一部に含んでいてもよい。
(B)非晶質の前駆体膜に対するプラズマ照射処理
上述したように、本発明の実施形態による透明導電膜の製造方法では、添加金属元素を含む金属酸化物の前駆体膜14を成膜する工程の後、図1(B)に示すように、成膜された前駆体膜14に対し、高周波電界中において、希ガスを主として含むガス体のプラズマに暴露するプラズマ照射処理を施す。
本発明の実施形態によるプラズマ照射処理で好適に用いられるプラズマは、電子温度がイオンや中性粒子の温度に比べ高く、熱的に平衡なプラズマである。上記プラズマを発生させる条件としてプラズマ・チャンバ内の圧力、つまりプラズマを構成するガス体の全圧は、5Pa〜1.0×10Paとすることが好ましく、50Pa〜8.0×10Paとすることがより好ましい。なお、ガスの流量速度は、上述した圧力範囲を与えることができれば、真空ポンプおよびガス供給システムの能力に応じて適宜設定することができる。
プラズマを発生させる条件として印加交流電界の周波数は、1kHz〜300MHz程度の高周波が好ましく、工業的に使用が割り振られた13.56MHzを使用することができる。上記印加交流電界が、本発明の実施形態における高周波電界を構成する。その他、プラズマを発生させる条件として投入電力(W)は、プラズマ・チャンバの容積に依存するが、プラズマ・チャンバ内の単位体積当たりの投入電力密度に換算すると、2.0×10Wm−3〜5.0×10Wm−3の投入電力密度となるように投入電力を設定することが好ましい。
上記プラズマ・チャンバ内に導入されるガスとしては、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンなどの希ガスうちの1種を含むガス体、またはこれら希ガスの複数種を含む混合ガス体を用いることが好ましく、本発明の実施形態の上記プラズマは、この希ガスのガス体を励起することにより発生させられる。上記ガス体は、前駆体膜14に良好な導電性を付与する観点からは、上記希ガスの中でもアルゴンを主として含むことがより好ましい。
また導入されるガス体には、酸素および酸素元素を含む化合物(以下、単に酸素等という。)のガスが実質的に含まれていないことが好ましい。また、詳細については後述するが、プラズマ照射処理の後段の還元条件下での改質処理を、プラズマ照射と同時に行う場合には、上記ガス体中に一定量の水素ガスを含有させることができる。
プラズマ照射処理の時間は、プラズマの発生条件、成膜された前駆体膜14の膜厚等にも依存するが、20nm〜500nmの前駆体膜14の膜厚および、1kHz〜300MHzの印加周波数、5Pa〜1.0×10Paの圧力、2.0×10Wm−3〜5.0×10Wm−3の投入電力密度の範囲の条件下でプラズマを発生させるプロセス条件においては、1〜20min.(minutes)とすることが好ましい。プラズマ照射処理の時間は、プラズマ照射処理により膜に付与される導電性と膜の消耗量との均衡を勘案すると、3〜15min.とすることがより好ましい。
上記プラズマ照射処理に用いることができる装置としては、収束マグネットを使用せず、プラズマ内の荷電粒子を加速させない、容量結合型の対向電極間に高周波電力を印加することでプラズマを発生させることができる真空設備を使用することが好ましい。このような装置では、対向電極に収束マグネットが使用されないため、プラズマが局所的に集中せず、均一なプラズマが発生し、前駆体膜14に対し均質に作用する。このため、スパッタリングのような物理的な消耗を発生させにくい構成とされている。
なお、上記プラズマ照射処理に用いることができる装置としては、上記容量結合型のものに限定されず、前駆体膜14に均質に作用するプラズマを発生させることができる限り、例えば誘導結合型の装置、市販のプラズマリアクター、RIE(Reactive Ion Etching)装置を用いてもよい。
(C)還元条件下における改質処理
上述したように、本発明の実施形態による透明導電膜の製造方法では、成膜した金属酸化物の前駆体膜14に対し、上述したプラズマ照射処理に加え、さらに前駆体膜14を還元条件下で改質処理に施す。本発明の実施形態の製造方法では、還元条件下での改質処理は、図1(B)に示す非晶質の前駆体膜14に対しプラズマを暴露させる工程の後、図1(C)に示すように水素雰囲気下でアニール処理を施すことにより行うことができる。
水素雰囲気下でのアニール処理は、チャンバ内に水素気流を流して、結晶化温度とされる320℃以上、より好ましくは350℃以上の温度条件で、0.5〜5hr.行うことが好ましい。水素雰囲気下でのアニール処理は、特にゾルゲル法などのウエットプロセスにより前駆体膜14が成膜された場合には、450〜700℃の温度条件で、1〜4hr.行うことが好ましい。水素雰囲気の圧力は、特に限定されるものではなく、例えば大気圧程度の圧力とすることができる。なお、水素の気流は、チャンバ内部で気流を流すことで、常に純粋な水素が膜に供給される形式が好ましい。
さらに本発明の他の実施形態における製造方法では、上記水素雰囲気下でのアニール処理に代えて、例えば1.5×10−1Pa以下程度の真空度でのアニール処理を行うこともできる。上記のプラズマ照射処理後の還元雰囲気下でのアニール処理の他、他の実施形態では、還元条件下での改質処理は、プラズマを構成するガス体中に一定量の水素を含有させて、上記プラズマ処理中に前駆体膜14を水素含有のプラズマに暴露させることにより行うこともできる。この場合、上記プラズマ照射が、上述した条件範囲では、結晶化温度未満の180℃以下の低温で実行可能なため、透明導電膜16を含むデバイスの製造プロセス中の熱履歴を与える工程を低減させることができる。
(D)透明導電膜
本発明の実施形態の製造方法によれば、金属酸化物の非晶質の前駆体膜14に希ガスプラズマの照射処理(B)および還元条件下での改質処理(C)を施すことにより、図1(D)に示すように、基材12上の前駆体膜14の膜構造や膜特性が改善されて、金属酸化物を主とした透明導電膜16が得られる。
得られた透明導電膜16の膜厚は、前駆体膜14の成膜時の膜厚、プラズマ照射処理条件等のプロセス条件にも依存するが、概ね、10nm〜100nmとすることができる。透明導電膜16は、例えばゾルゲル法により成膜されたTi元素:Nb元素のモル比が94:6のニオブ添加型チタン酸化物膜では、上記膜厚の範囲において、例えば4端子抵抗測定により計測される抵抗率が、2.0×10−2Ωcm未満、より好適には、5.0×10−3Ωcm未満となり、高い導電性を示す。さらに透明導電膜16は、上記条件下で得られるニオブ添加型チタン酸化物膜では、例えば紫外可視透過率測定により計測される透過率が、可視光領域にわたって60%〜80%の範囲となり、可視光領域において高い透過性を示す。したがって、本発明の製造方法によれば、良好な導電性および透明性を兼ね揃えた透明導電膜を、簡便かつ低コストに提供することが可能とされる。
本発明の透明導電膜16は、可視光領域における透過性と導電性とを充分に兼ね揃えながら、資源的に安定供給可能なものとされている。そのため、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機(以下、有機ELという。)ディスプレイなどの表示デバイスなどにおいて、ITOの代替材料として使用することができる。図2は、本発明の透明導電膜を用いて有機ELスデバイスを構成した場合の実施形態を示す。
図2に例示する有機ELデバイスは、ボトム・エミッション型の有機EL素子20として構成されており、図2に示す有機EL素子20では、ガラスなどの透明な基板22上に、本発明の透明導電膜からなる陽極24が形成され、その上に有機層26,28と、アルミニウムなどの陰極30とが順次成膜されている。上記有機層26,28は、単層または多層として構成され、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層などの役割を果たす。
本発明の透明導電膜は、上記表示デバイスに限定されるものではなく、色素増感型などの太陽電池デバイス、LED(Light Emitting Diode)およびOLED(Organic Light Emitting Diode)などの発光デバイス、光電気化学計測デバイス、その他、光電変換素子、撮像素子などを含む、種々のオプトエレクトロニクス・デバイスまたは窓ガラスなどの建材を含む他のデバイスに対しても適用することができる。
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、プラズマ照射処理および還元条件下での改質処理を適用することによって、膜の導電性および可視光領域における透明性を兼ね備える金属酸化物の透明導電膜を、より効果的に形成できる技術を提供することができる。また、本発明の実施形態によれば、膜の高い導電性および可視光領域における高い透明性を兼ね備える、金属酸化物を主とした透明導電膜を提供することができる。さらに本発明の実施形態によれば、上記透明導電膜を簡便かつ低コストに製造可能な製造方法を提供することができる。本発明の実施形態によれば、さらに、上記透明導電膜を使用したデバイスを提供することができる。
また、本発明によれば、非晶質の前駆体膜の成膜方法は特に限定されるものではないが、金属アルコキシドなどの金属元素を有するイオンを含む前駆体溶液を基材上にコーティングするといった、一般にドライプロセスに比較して得られる膜特性に難があると考えられるウエットプロセスによって成膜された非晶質の前駆体膜に対しても、良好な導電性を付与することができる。このため、本発明は、透明導電膜の成膜の大面積化および製造コストの低減の観点からも、優れた新規な製造技術の方途を開くものとも言うことができる。
以下、本発明の透明導電膜およびその製造方法について実施例を用いてより具体的に説明するが、本発明は特定の実施例に限定されるものではない。
(実験例1)
チタンアルコキシド(NDH−510C:日本曹達株式会社製)と、ニオブ−n−ブトキシド(和光純薬工業株式会社供給)とを、Ti元素:Nb元素のモル比が94:6となるように混合し、窒素雰囲気中で一晩、還流処理をし、塗布溶液を得た。得られた塗布溶液を、高抵抗シリコンウェーハ(株式会社AKIコーポレーション製)上に、500μm/秒の引き上げ速度でディップコーティングを行い、高抵抗シリコンウェーハ上に前駆体の薄膜を形成した。そして、前駆体の薄膜が形成された高抵抗シリコンウェーハを照射チャンバ中に配置し、窒素雰囲気中においてXeエキシマランプ(ウシオ電機株式会社製、UER20−172)を用いて、波長172nmの真空紫外光を30min.照射した。
その後、得られた前駆体薄膜に対して、周波数13.56MHz、アンプパワー500W(投入電力密度3.28×10Wm−3)、アルゴン分圧7.9×10Paで発生させたアルゴンプラズマを10min照射した。なお、プラズマの照射は、常温から開始し、非加熱状態で行った。また、プラズマを構成するガスは、純アルゴン(純度99.999%:株式会社巴商会)を用いた。その後、プラズマ照射後の前駆体薄膜が形成されたシリコンウェーハを水素気流中に配置して、前駆体薄膜に500℃で3hr.の加熱アニール処理を行った。
得られた薄膜の抵抗率を4端子方式により測定したところ、4.63×10−3Ωcmであった。得られた薄膜の膜厚をエリプソメトリーにより測定したところ、膜厚は、約50nmであった。また、紫外可視透過率測定により得られた薄膜の可視光領域における透過率透過率を計測したところ、可視光領域400nm〜760nmにわたって60%〜80%の範囲の透過率を得ることができた。
(実験例2)
チタンアルコキシド(NDH−510C:日本曹達株式会社製)と、ニオブ−n−ブトキシド(和光純薬工業株式会社供給)とを、Ti元素:Nb元素のモル比が9:1となるように混合し、窒素雰囲気中で一晩、還流処理をし、塗布溶液を得た。実験例1と同様の条件で、高抵抗シリコンウェーハ上に前駆体の薄膜をコーティングし、窒素雰囲気中において薄膜に真空紫外光を照射した。
その後、得られた前駆体薄膜に対して、実験例1と同様の条件下で、アルゴン分圧7.9×10Paで発生させたアルゴンプラズマを10min.照射し、続いて、水素気流中において500℃で3hr.加熱処理を行った。得られた薄膜の抵抗率を測定したところ、1.60×10−2Ωcmであった。
(実験例3)
実験例1と同様の手順で、チタンアルコキシド(NDH−510C:日本曹達株式会社製)と、ニオブ−n−ブトキシド(和光純薬工業株式会社供給)とを、Ti元素:Nb元素のモル比が94:6となるように混合し、塗布溶液を得て、高抵抗シリコンウェーハ上に前駆体の薄膜を形成し、窒素雰囲気中において薄膜に真空紫外光を照射した。
その後、得られた前駆体薄膜に対して、周波数13.56MHz、アンプパワー500W、酸素分圧3.3×10Paで発生させた酸素プラズマを10min.照射した。なお、プラズマを構成するガスは、純酸素ガス(純度99.9%:株式会社巴商会)を用いた。なお、水素雰囲気下の熱処理は、行わなかった。得られた薄膜の抵抗率を測定したところ、抵抗値が大きすぎて測定できず、絶縁体の膜が得られたものと判断された。
(実験例4)
実験例1および実験例3と同様の手順で、高抵抗シリコンウェーハ上に前駆体の薄膜を形成し、窒素雰囲気中において薄膜に真空紫外光を照射した。その後、得られた前駆体薄膜に対して、周波数13.56MHz、アンプパワー500W、酸素および窒素を分圧比99:1で混合した混合ガスを用いて、ガス圧3.3×10Paで発生させた混合プラズマを10min.照射した。なお、プラズマを構成するガスは、上記純酸素ガスと、純窒素ガス(純度99.999%:株式会社巴商会)とをチャンバ内で混合して得た。なお、水素雰囲気下の熱処理は、行わなかった。得られた薄膜の抵抗率を測定したところ、抵抗値が大きすぎて測定できず、絶縁体の膜が得られたものと判断された。
(実験例5)
実験例1および実験例3等と同様の手順で、高抵抗シリコンウェーハ上に前駆体の薄膜を形成し、窒素雰囲気中において薄膜に真空紫外光を照射した。その後、得られた前駆体薄膜に対して、周波数13.56MHz、アンプパワー500W、上記実験例4の場合と分圧比が異なり、酸素および窒素を分圧比99.1:0.1で混合した混合ガスを用いて、ガス圧3.3×10Paで発生させた混合プラズマを10min.照射した。得られた薄膜の抵抗率を測定したところ、抵抗値が大きすぎて測定できず、絶縁体の膜が得られたものと判断された。
(実験例6)
実験例1および実験例3等と同様の手順で、高抵抗シリコンウェーハ上に前駆体の薄膜を形成し、窒素雰囲気中において薄膜に真空紫外光を照射した。その後、得られた前駆体薄膜に対して、周波数13.56MHz、アンプパワー500W、窒素分圧3.3×10Paで発生させた窒素プラズマを10min.照射した。なお、水素雰囲気下の熱処理は、行わなかった。得られた薄膜の抵抗率を測定したところ、抵抗値が大きすぎて測定できず、絶縁体の膜が得られたものと判断された。
(実験例7)
実験例1および実験例3と同様の手順で、高抵抗シリコンウェーハ上に前駆体の薄膜を形成し、窒素雰囲気中において薄膜に真空紫外光を照射した。その後、得られた前駆体薄膜に対して、周波数13.56MHz、アンプパワー500W、窒素分圧3.3×10Paで発生させた窒素プラズマを10min.照射し、さらにプラズマ照射後の前駆体薄膜が形成されたシリコンウェーハを水素気流中において500℃で3hr.の加熱処理を行った。得られた薄膜の抵抗率を測定したところ、8.9×10−2Ωcmであった。
(実験例8)
実験例2と同様の手順で、Ti元素:Nb元素のモル比が9:1である塗布溶液を調製し、高抵抗シリコンウェーハ上に前駆体の薄膜をコーティングし、窒素雰囲気中において薄膜に真空紫外光を照射した。その後、得られた前駆体薄膜に対して、周波数13.56MHz、アンプパワー500W、窒素分圧7.9×10Paで発生させた窒素プラズマを10min.照射した。さらに、プラズマ照射後の前駆体薄膜に水素気流中において500℃で3hr.の加熱処理を施した。得られた薄膜の抵抗率を測定したところ、2.85×10−2Ωcmであった。
(実験例9)
実験例2と同様の手順で、Ti元素:Nb元素のモル比が9:1の塗布溶液を調製し、高抵抗シリコンウェーハ上に前駆体の薄膜を形成し、窒素雰囲気中において薄膜に真空紫外光を照射した。その後、得られた前駆体薄膜に対して、周波数13.56MHz、アンプパワー500W、アルゴン分圧7.9×10Paで発生させたアルゴンプラズマを、実験例2に比べて長く、30min.照射した。そしてプラズマ照射後の前駆体薄膜に水素気流中において500℃で3hr.の加熱処理を行った。得られた薄膜の抵抗率を測定したところ、4.85×10−2Ωcmであった。以下、表1に、実験例1〜実験例9の条件および結果をまとめて示す。なお、実験例1、実験例2および実験例9は、本発明の実施例であり、実験例3〜実験例7は、比較例である。
Figure 2010192294
(まとめ)
当初、実験例3に示すように、透明導電膜を得るために、チタンおよびニオブの混合アルコキシドの前駆体溶液を用いて、ゾルゲル法により非晶質の前駆体膜を成膜して、プラズマを構成するガスとして酸素を用いてプラズマ照射を施すことを試みた。しかしながら、このアプローチでは、酸化チタンの結晶化が認められたものの、絶縁膜しか得ることができなかった。さらに、実験例3〜6に示すように、混合ガス中における酸素の分圧を替えたプロセス条件を試みたが、得られる膜に対して導電性を付与することができなかった。
そこで、酸素プラズマに拘泥されることなく、実験例1および実験例2に示すように、ニオブ添加型酸化チタンの非晶質の前駆体膜に、例えばアルゴンなどの希ガスを主として含むガス体のプラズマの照射処理と、水素雰囲気下での熱処理(アニール処理)などの還元条件下での改質処理とを施したところ、良好な導電性を有する透明性の高い膜が得られた。そして、可視光領域にわたって60%〜80%の範囲の透過率を有し、抵抗率5.0×10−3Ωcm未満の導電性を有するニオブ添加型酸化チタンの透明導電膜を作製できることが実証された。
実験例1および実験例2と、実験例7および実験例8とを比較すると、プラズマ照射処理後に水素雰囲気下でのアニール処理を実施した場合でも、窒素などの不活性ガスよりもアルゴンなどの希ガスのプラズマを照射する方が高い導電性を与えることが示される。さらに、実験例2と実験例9とを比較すると、前駆体薄膜の膜厚にもよるが、プラズマ照射処理は、プラズマ照射処理により得られる効果と膜の消耗量との均衡を勘案して、照射時間を設定することが好ましいことが示される。
本発明によれば、充分な導電性および可視光域の透過性を兼ね揃えた透明導電膜を提供することができる。また、本発明により製造された透明導電膜は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス・ディスプレイなどのフラットパネル・ディスプレイ、色素増感型などの太陽電池デバイス、LEDおよびOLEDなどの発光デバイス、光電気化学計測デバイス、その他、光電変換素子、撮像素子などを含む種々のオプトエレクトロニクス・デバイス、または窓ガラスなどの建材など、可視光領域の透過性および導電性が必要とされる各種デバイスのための材料として使用することができる。さらに本発明の透明導電膜は、地球上において比較的安定に存在する金属元素から製造できるため、ITOの代替材料として用いられることが期待される。
これまで本発明の実施形態および実施例について説明してきたが、本発明の実施形態および実施例は上述したものに限定されるものではなく、他の実施形態、他の実施例、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
10…層構造、12…基材、14…前駆体膜、16…透明導電膜、20…有機EL素子、22…透明基板、24…陽極(透明導電膜)、26,28…有機層、30…陰極

Claims (15)

  1. 透明導電膜を製造する方法であって、
    添加金属元素を含む金属酸化物の非晶質の前駆体膜を基材上に成膜する工程と、
    成膜された前記非晶質の前駆体膜を、高周波電界中で希ガスを主として含むガスのプラズマに暴露し、かつ還元条件下での改質処理を施して、前記金属酸化物の透明導電膜を得る工程と
    を含む製造方法。
  2. 前記透明導電膜を得る工程は、前記非晶質の前駆体膜を前記プラズマに暴露させた後、還元雰囲気下でアニール処理を施すことにより前記還元条件下での前記改質処理を行う工程を含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記成膜する工程は、金属アルコキシド、金属アセテート、金属有機酸塩、金属塩および金属石鹸からなる群から選択された少なくとも1種の金属元素含有イオンを含む前駆体溶液を、スピンコート法、ディップコート法、フローコート法またはバーコート法により前記基材上に塗布して膜を形成する工程と、300nm以下の波長を有する紫外光を該膜に照射する工程とを含む、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記金属酸化物は、チタンを主とする金属元素とし、ニオブを前記添加金属元素とする酸化物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記プラズマは、1kHz〜300MHzの印加周波数、5Pa〜1.0×10Paの圧力、2.0×10Wm−3〜5.0×10Wm−3の投入電力密度の条件下で発生される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記透明導電膜を得る工程は、前記非晶質の前駆体膜を、前記プラズマに3〜15min.暴露する工程を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記非晶質の前駆体膜は、70nm〜200nmの膜厚で成膜され、得られる前記透明導電膜は、10nm〜100nmの膜厚を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記希ガスを主として含む前記ガスは、アルゴンを主として含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 前記希ガスを主として含む前記ガスは、酸素および酸素元素を含む化合物のガスを含まない、請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 基材上に成膜された、添加金属元素を含む金属酸化物の非晶質の前駆体膜に対し、高周波電界中で希ガスを主として含むガスのプラズマに暴露し、かつ還元条件下での改質処理を施すことにより得られる、前記金属酸化物の透明導電膜。
  11. 前記還元条件下での前記改質処理は、前記非晶質の前駆体膜に対し前記プラズマを曝露させた後に、還元雰囲気下でアニール処理を施すことにより行われる、請求項10に記載の透明導電膜。
  12. 前記金属酸化物は、チタンを主とする金属元素とし、ニオブを前記添加金属元素とする酸化物である請求項10または11に記載の透明導電膜。
  13. 前記透明導電膜は、10nm〜100nmの膜厚を有する、請求項10〜12のいずれか1項に記載の透明導電膜。
  14. 前記希ガスを主として含む前記ガスは、酸素および酸素元素を含む化合物を含まない、請求項10〜13のいずれか1項に記載の透明導電膜。
  15. 請求項10〜14に記載の透明導電膜を含む、デバイス。
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