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JP2010180724A - 筒内直噴内燃機関の制御装置 - Google Patents

筒内直噴内燃機関の制御装置 Download PDF

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JP2010180724A
JP2010180724A JP2009022983A JP2009022983A JP2010180724A JP 2010180724 A JP2010180724 A JP 2010180724A JP 2009022983 A JP2009022983 A JP 2009022983A JP 2009022983 A JP2009022983 A JP 2009022983A JP 2010180724 A JP2010180724 A JP 2010180724A
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fuel injection
fuel
intake
internal combustion
combustion engine
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Tokuji Ota
篤治 太田
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Toyota Motor Corp
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

【課題】筒内直噴内燃機関において内燃機関の出力不足を抑制しつつ噴射燃料と吸気弁との干渉に起因する排気性能の悪化を抑制する。
【解決手段】筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁と、2つの吸気弁と、吸気弁のリフト特性を変更可能な可変動弁機構と、内燃機関の冷機時に内燃機関の要求負荷が所定の基準より高負荷となった場合、片方の吸気弁のみ低リフト特性に設定した倍に要求負荷に対して不足しない吸入空気量を確保可能な低リフト特性を算出し、当該低リフト特性に設定される吸気弁の開弁期間後期における時期であって、当該吸気弁のリフト量が、吸気弁と噴射燃料とが干渉しないリフト量となる時期を算出し、片方の吸気弁を当該低リフト特性に設定すべく可変動弁機構を制御し、前記算出した時期以降において燃料噴射を開始するように前記燃料噴射弁を制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、筒内直噴内燃機関の制御装置に関する。
気筒内に直接燃料を噴射供給する内燃機関では、吸気行程において燃料噴射を行う場合に、開弁中の吸気弁に噴射燃料が衝突してその一部が吸気弁に付着することがある。吸気弁の温度が低い冷機状態では、吸気弁に付着した燃料が良好に蒸発せず、排気中のPMや未燃燃料成分の量を増大させる原因となる可能性がある。この対策として、例えば以下のような技術が提案されている。
特許文献1には、吸気行程において燃料噴射を行う場合に、吸気弁のリフト量を低くすることが記載されている。
特許文献2には、吸気行程において燃料噴射を行う場合に、2つの吸気弁のうち片方の吸気弁の開弁動作を停止させることが記載されている。
特許文献3には、吸気行程において燃料噴射を行う場合に、吸気弁の開弁期間の前記及び後期の少なくとも一方の期間内に燃料噴射を行うことが記載されている。
燃料としてアルコール含有燃料を使用する内燃機関では、アルコール含有燃料がガソリンに比べて気化しにくいために、始動性が良くないという問題がある。この対策として例えば以下のような技術が提案されている。
特許文献4には、アルコール含有燃料を使用する内燃機関の始動時に、燃料のアルコール濃度が所定値以上の場合には、燃料噴射を停止するとともに所定期間吸気弁又は排気弁のリフト量を最小とすることが記載されている。
特許文献5には、アルコール含有燃料を使用する内燃機関の始動時に、燃料のアルコール濃度が高いほど、吸気弁のリフト量を低くすることが記載されている。
2つの吸気弁を備えた内燃機関に関連する技術として、例えば以下のような技術が提案されている。
特許文献6には、高回転運転領域では2つの吸気弁を両方とも開弁動作させ、低回転運転領域では2つの吸気弁のうち片方の開弁動作を休止させる内燃機関において、冷機状態においては両方の吸気弁を開弁動作させる運転領域を拡大することが記載されている。
特開2004−218603号公報 特開2004−257352号公報 特開2007−177740号公報 特開2008−215143号公報 特開2007−315355号公報 特開平7−097938号公報
上記の技術のように、吸気弁のリフト量を低くしたり、2つの吸気弁のうち片方の開弁動作を停止させたりすると、吸入空気量が制限されることになるので、要求負荷が高くなった場合に内燃機関の出力が不足する可能性がある。
また、アルコール含有燃料を使用する内燃機関では、通常の燃料を使用する内燃機関よりも長い燃料噴射期間を確保する必要があるので、燃料噴射期間が吸気弁の開弁期間と重なり易い。そのため、上記の技術によっては、筒内噴射燃料と開弁中の吸気弁との干渉を好適に回避することが難しい場合がある。
本発明はこれらの問題に鑑みてなされたものであり、筒内直噴内燃機関において、内燃機関の出力が不足することを抑制しつつ、筒内噴射燃料と開弁中の吸気弁との干渉に起因する排気性能の悪化を抑制することを目的とする。また、アルコール含有燃料を使用する筒内直噴内燃機関において、筒内直噴燃料と開弁中の吸気弁との干渉に起因する排気性能の悪化を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の筒内直噴内燃機関の制御装置は、
内燃機関の気筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁と、
前記気筒に備えられた2つ吸気弁と、
前記2つの吸気弁のうち少なくとも一方の吸気弁のリフト特性を変更可能な可変動弁機構と、
前記内燃機関の冷機時に、前記2つの吸気弁のうち少なくとも一方の吸気弁のリフト特性を、暖機時よりもリフト量の低い低リフト特性に設定するように、前記可変動弁機構を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記内燃機関の冷機時に前記内燃機関が要求負荷が所定の基準より高負荷となった場合、
前記2つの吸気弁のうち一方の吸気弁のリフト特性を低リフト特性としたときの前記内燃機関の吸入空気量が、当該要求負荷に対して不足しない吸入空気量となるように前記低リフト特性を算出し、
当該算出した低リフト特性に従って開弁される吸気弁の開弁期間後期における時期であって、当該吸気弁のリフト量が、前記燃料噴射弁から噴射される燃料が当該吸気弁に衝突しないリフト量となる時期を算出し、
前記2つの吸気弁のうち一方の吸気弁のリフト特性を前記算出した低リフト特性に設定するように前記可変動弁機構を制御し、
前記算出した時期以降において燃料噴射を開始するように前記燃料噴射弁を制御することを特徴とする。
上記の本発明の構成において、内燃機関の冷機時とは、燃料噴射弁から噴射された燃料が開弁中の吸気弁に衝突して付着した場合に、当該付着した燃料が良好に蒸発しにくく、従って排気性能を悪化させる原因となる可能性があるような温度状態を指す。暖機時とは、冷機時よりも高温の温度状態、すなわち、噴射燃料が吸気弁に衝突して付着したとしても、当該付着した燃料は良好に蒸発するので、排気性能を悪化させる原因となりにくいような温度状態を指す。
また、要求負荷に関する「所定の基準」とは、2つの吸気弁のうち両方の吸気弁のリフト特性を低リフト特性に設定した場合に、十分な吸入空気量を確保することが可能か否かを判断するための要求負荷の基準値である。要求負荷が当該基準より高負荷である場合、2つの吸気弁を両方とも低リフト特性にすると十分な吸入空気量を確保することが困難と
判断することができる。
本発明によれば、内燃機関の冷機時に要求負荷が基準より高負荷である場合には、2つの吸気弁のうちの片方が低リフト特性に設定される。そして、この低リフト特性は、2つの吸気弁のうちの片方を低リフト特性に設定した場合であっても、要求負荷に対して不足しない吸入空気量を確保することが可能なように算出される。2つの吸気弁のうち他方は通常のリフト特性に設定されるので、要求負荷に対して不足しない吸入空気量を好適に確保することができる。
更に、このようにして算出した低リフト特性に基づいて、この低リフト特性に設定される吸気弁に噴射燃料が衝突しないリフト量となる開弁期間後期における時期を算出し、この算出した時期以降に燃料噴射開始時期を設定する。ここで、「開弁期間後期」とは、吸気弁が開弁開始してから閉弁するまでの開弁期間のうち、リフト量がピークになって以降の、閉弁に向かってリフト量が減少していく期間を指す。これにより、低リフト特性に設定される吸気弁に燃料噴射弁から噴射される燃料が衝突することを回避することができる。従って、内燃機関の冷機時においても、噴射燃料が開弁中の吸気弁に衝突することに起因する排気性能の悪化を抑制することが可能となる。
本発明によれば、2つの吸気弁のうち片方の吸気弁が低リフト特性に設定されるとともに、当該低リフト特性に設定された吸気弁に噴射燃料が衝突しなくなる時期以降に燃料噴射が開始されるので、当該低リフト特性に設定される吸気弁と燃料噴射との干渉が回避される。従って、内燃機関の冷機時においても、噴射燃料が吸気弁に衝突することに起因する排気性能の悪化を好適に抑制することが可能となる。また、2つの吸気弁のうち一方は通常のリフト特性に設定されるとともに、片方のみを低リフト特性に設定した場合に要求負荷に対して不足しない吸入空気量を確保することができるような低リフト特性を算出するので、高負荷条件下においても内燃機関の出力が要求負荷に対して不足することを抑制することも可能となる。
なお、燃料噴射開始時期は、低リフト特性に設定される吸気弁に噴射燃料が衝突しないリフト量となる開弁期間後期の時期であれば、任意の時期に設定することができる。
なお、内燃機関の冷機時に要求負荷が基準より高負荷ではない場合には、2つの吸気弁の両方を低リフト特性に設定することにより、噴射燃料と開弁中の吸気弁との干渉をより確実に回避させるようにしてもよい。
アルコール含有燃料を使用する筒内直噴内燃機関において、筒内直噴燃料と開弁中の吸気弁との干渉に起因する排気性能の悪化を抑制するために、本発明は、
内燃機関の気筒内にアルコール含有燃料を直接噴射する燃料噴射弁と、
前記気筒に備えられた2つの吸気弁と、
前記2つの吸気弁のうち少なくとも一方の吸気弁のリフト特性を変更可能な可変動弁機構と、
前記内燃機関の冷機時に、前記2つの吸気弁のうち少なくとも一方の吸気弁のリフト特性を、暖機時よりもリフト量の低い低リフト特性に設定するように、前記可変動弁機構を制御する制御手段と、
アルコール含有燃料のアルコール濃度を取得するアルコール濃度取得手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記内燃機関の冷機時に前記アルコール濃度取得手段によって取得されるアルコール濃度が所定の基準より高濃度である場合、
前記燃料噴射弁からの燃料噴射が所定の噴射終了限界時期までに終了するように燃料噴射開始時期を算出し、
前記算出した燃料噴射開始時期以降におけるリフト量が、前記燃料噴射弁から噴射される燃料が前記吸気弁に衝突しないリフト量となるリフト特性として前記低リフト特性を算出し、
前記2つの吸気弁のうち一方の吸気弁のリフト特性を前記算出した低リフト特性に設定するように前記可変動弁機構を制御し、
前記算出された燃料噴射開始時期において燃料噴射を開始するように前記燃料噴射弁を制御することを特徴とする。
この第2の発明の構成において、内燃機関の冷機時及び暖機時は、上述した第1の発明における「燃料」を「アルコール含有燃料」に読み替えて定義することができる。すなわち、内燃機関の冷機時とは、燃料噴射弁から噴射されたアルコール含有燃料が開弁中の吸気弁に衝突して付着した場合に、当該付着したアルコール含有燃料が良好に蒸発しにくく、従って排気性能を悪化させる原因となる可能性があるような温度状態を指す。暖機時とは、冷機時よりも高温の温度状態、すなわち、噴射燃料が吸気弁に衝突して付着したとしても、当該付着したアルコール含有燃料は良好に蒸発するので、排気性能を悪化させる原因となりにくいような温度状態を指す。
アルコール含有燃料は通常の燃料と比較して理論空燃比が小さいことと、冷機時に気化しにくいため、通常の燃料を使用する内燃機関よりも長い燃料噴射期間を確保する必要がある。燃料噴射期間が長くなることにより燃料噴射終了時期が過剰に遅い時期になると、排気性能が悪化する原因となる。上記第2の発明における「噴射終了限界時期」とは、排気性能の悪化をもたらさないような燃料噴射終了時期の限界値であり、予め定めることができる。本第2の発明においては、燃料噴射終了時期がこの噴射終了限界時期よりも遅くならないように燃料噴射を行うことを前提とする。
アルコール含有燃料のアルコール濃度が高いほど、要求される燃料噴射期間は長くなる。そのため、アルコール含有燃料のアルコール濃度によっては、要求される燃料噴射期間が、上述した第1の発明に従って算出した燃料噴射開始時期(すなわち、2つの吸気弁のうち片方を低リフト特性に設定した場合に、要求負荷に対して不足しない吸入空気量を確保することができるように算出された低リフト特性において、開弁期間後期に燃料噴射と吸気弁とが干渉しないリフト量となる時期)において燃料噴射を開始した場合に噴射終了限界時期までに燃料噴射を終了させることができないほどの長さになることがあり得る。
本第2の発明の構成のアルコール濃度に関する「所定の基準」とは、上述した第1の発明に従って算出した燃料噴射開始時期において燃料噴射を開始した場合に、噴射終了限界時期までに燃料噴射を終了させることが可能か否かを判断するためのアルコール濃度の基準値である。アルコール濃度が当該基準より高い場合、第1の発明に従って算出した燃料噴射開始時期において燃料噴射を開始すると噴射終了限界時期までに燃料噴射を終了させることが困難と判断することができる。
このような場合、本第2の発明では、要求される燃料噴射期間に基づいて、噴射終了限界時期までに燃料噴射が終了するような燃料噴射開始時期を算出し、当該算出した燃料噴射開始時期においてアルコール含有燃料の噴射を開始する。
これにより、燃料噴射終了時期が噴射終了限界時期を超えて遅くなることを抑制できるので、燃料噴射の終了時期が遅れることに起因する排気性能の悪化を抑制することが可能となる。
本第2の発明も、上述した第1の発明と同様、2つの吸気弁のうち片方の吸気弁のリフト特性を低リフト特性に設定することにより噴射燃料と吸気弁との干渉を抑制することを
旨とするが、本第2の発明では、この低リフト特性を、上記のように算出した燃料噴射開始時期に基づいて算出する。
具体的には、上記のように算出した燃料噴射開始時期以降における、低リフト特性に設定される吸気弁のリフト量が、当該吸気弁と噴射燃料とが干渉しないリフト量となるようなリフト特性を算出し、これを低リフト特性として片方の吸気弁に設定する。言い換えると、上記のように算出した燃料噴射開始時期におけるリフト量が、吸気弁と噴射燃料とが干渉しないリフト量の上限値以下であるようなリフト特性を算出し、これを低リフト特性として片方の吸気弁に設定する。
これにより、低リフト特性に設定された吸気弁と燃料噴射弁から噴射される燃料が衝突することを回避することができる。従って、内燃機関の冷機条件下においても、噴射燃料が吸気弁に衝突することに起因して排気性能が悪化することを抑制することが可能となる。
本第2の発明によれば、アルコール含有燃料を使用する内燃機関において燃料噴射終了時期が過剰に遅くなることに起因する排気性能の悪化を抑制しつつ、筒内噴射燃料と開弁中の吸気弁との干渉に起因して排気性能が悪化することを抑制することが可能となる。
なお、アルコール含有燃料を使用する内燃機関においても、アルコール濃度が基準以下であって、第1の発明のように要求負荷に対して十分な吸入空気量を確保できるように算出された低リフト特性に基づいて燃料噴射開始時期を設定しても、燃料噴射終了時期が噴射終了限界時期を超えないと判断できる場合には、第1の発明に従って算出した低リフト特性を片方の吸気弁に設定するようにしても良い。
以上説明したように、第1の発明及び第2の発明のいずれにおいても、低リフト特性に設定される吸気弁に燃料噴射弁から噴射される燃料が衝突することが回避されるので、内燃機関の冷機条件下においても、噴射燃料が吸気弁に衝突することによる排気性能の悪化を好適に抑制することが可能となる。
また、第1の発明においては、要求負荷が高い場合においても、要求負荷に対して十分な吸入空気量を確保することが可能となるので、内燃機関が出力不足となることも抑制できる。
また、第2の発明においては、アルコール濃度が高い場合においても、燃料噴射終了時期が過剰に遅くなることが回避されるので、燃料噴射終了時期が遅くなることに起因する排気性能の悪化も抑制することができる。
なお、第2の発明においては、アルコールが気筒内で蒸発する際の潜熱の効果により吸入空気量を補うことができるので、吸入空気量が不足することによる内燃機関の出力不足は抑制される。
本発明により、筒内直噴内燃機関において、内燃機関が出力不足となることを抑制しつつ、筒内噴射燃料と開弁中の吸気弁との干渉に起因する排気性能の悪化を抑制することができる。また、アルコール含有燃料を使用する筒内直噴内燃機関において、筒内噴射燃料と開弁中の吸気弁との干渉に起因する排気性能の悪化を抑制することができる。
実施例1に係る内燃機関の概略構成を模式的に示す図である。 実施例1及び2に係る内燃機関の吸気弁のリフト特性を示す図である。 実施例1に係る燃料噴射制御及び可変動弁制御の処理内容を表すフローチャートである。 実施例1に係る吸気弁のリフト特性及び燃料噴射開始時期の算出方法を説明するための図である。 実施例2に係る内燃機関の概略構成を模式的に示す図である。 ガソリンエンジンの燃料噴射期間とエタノール含有燃料を使用するエンジンの燃料噴射期間とを比較するための図である。 実施例2に係る燃料噴射制御及び可変動弁制御の処理内容を表すフローチャートである。 実施例2に係る吸気弁のリフト特性及び燃料噴射開始時期の算出方法を説明するための図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。本実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、本実施例に係る内燃機関の概略構成を模式的に示す図である。
図1に示す内燃機関1は、4つの気筒2を備えた筒内直噴火花点火式ガソリンエンジンである。気筒2にはピストン3が摺動自在に挿入されている。気筒2の上部とピストン3の頂部との間に燃焼室12が形成される。気筒2には燃焼室12と図示しない吸気通路とを連通させる吸気ポート4が接続されている。吸気ポート4には、吸気ポート4を介して燃焼室12内に吸入される空気の温度を測定する吸気温センサ13が備えられている。気筒2には燃焼室12と図示しない排気通路とを連通させる排気ポート5が接続されている。気筒2における吸気ポート4の接続箇所近傍には、気筒2の内部に燃料を直接噴射供給する燃料噴射弁6が備えられている。符号11は燃料噴射弁6から燃焼室12内に噴射される燃料を示す。気筒2の頂部には、燃料噴射弁6から噴射された燃料と吸気ポート4から燃焼室12内に吸入される空気とにより形成される混合気に点火するための点火プラグ7が備えられている。
内燃機関1には、吸気ポート4を開閉する2つの吸気弁8A、8Bが備えられている。なお、排気ポート5を開閉する排気弁も備えられているが、図面の煩雑さを避けるために図1には図示していない。内燃機関1には、吸気弁8A、8Bのリフト特性を可変とする可変動弁機構9が備えられている。
内燃機関1には、上述した燃料噴射弁6、点火プラグ7及び可変動弁機構9の動作を制御することにより内燃機関1の運転を制御する処理ユニットであるECU10が併設されている。ECU10による燃料噴射弁6、点火プラグ7及び可変動弁機構9への動作指令信号は、ECU10とこれらの各種機器とを接続する電気配線を介して伝達される。また、ECU10は、ECU10と吸気温センサ13とを接続する電気配線を介して、吸気温センサ13による測定データを取得する。
内燃機関1は吸気行程において燃料噴射弁6から燃料噴射を行うことにより、燃焼室12内に可燃混合気を形成する。従って、吸気弁8A、8Bが開弁している期間と、燃料噴射弁6から燃料噴射が行われる期間と、の間に重複が生じることがある。そのため、燃料噴射弁6から燃料噴射が行われる時の吸気弁8A、8Bのリフト量によっては、燃料噴射弁6から噴射される燃料11と吸気弁8A、8Bとが干渉し、噴射燃料の一部が吸気弁8
A、8Bに衝突する場合がある。
燃料噴射弁6からの噴射燃料11が吸気弁8A、8Bに衝突すると、噴射燃料の一部は吸気弁8A、8Bに付着する。吸気弁8A、8Bの温度が低い冷機条件下では、吸気弁8A、8Bに付着した燃料が良好に蒸発しにくいので、燃料噴射弁6からの噴射燃料11と吸気弁8A、8Bとが干渉した場合には、排気中の未燃燃料成分やPMの量が増加する原因となる虞がある。
そこで、本実施例の内燃機関1では、内燃機関1の冷機時には、可変動弁機構9により吸気弁8Bのリフト特性をリフト量の低い低リフト特性に設定するようにした。図2は、可変動弁機構9により吸気弁8Bのリフト特性を低リフト特性に設定した場合の、吸気弁8A、8Bのリフト特性を示す図である。図2の横軸はクランク角度を表し、縦軸は吸気弁8A、8Bのリフト量を表す。図2のグラフAは吸気弁8Aのリフト特性を表し、グラフBは吸気弁8Bのリフト特性を表す。可変動弁機構9により、吸気弁8Bのリフト特性は、図2のグラフAで示されるような通常のリフト特性の他、当該通常のリフト特性よりもリフト量が低い種々の低リフト特性に設定することが可能である。グラフBは、吸気弁8Bに設定可能な低リフト特性の一例を示したものである。
このように吸気弁8Bを低リフト特性に設定することにより、燃料噴射弁6からの燃料噴射が行われる期間と吸気弁8A、8Bが開弁される期間とが重複する場合においても、図1に示すように、少なくとも吸気弁8Bに燃料噴射弁6からの噴射燃料11が衝突することを抑制できる。これにより、吸気弁に付着する燃料量を低減することができるので、冷機条件下においても排気性能が悪化することを好適に抑制可能となる。また、このとき吸気弁8Aは図2に示すように通常のリフト特性で開閉動作するので、吸入空気量が過度に制限されて内燃機関1の出力が不足することも抑制可能である。
本実施例における燃料噴射制御及び可変動弁制御の詳細について、図3を基づいて説明する。図3は、本実施例の燃料噴射制御及び可変動弁制御の処理内容を表すフローチャートである。図3のフローチャートで表される処理は、内燃機関1の動作中、ECU10によって繰り返し実行される。
図3のフローチャートの処理が開始されると、まずステップS101において、ECU10は、吸気温センサ13により取得した吸気温度Taが所定の閾値Ta0より低いか否かを判定する。このステップは、吸気弁8A、8Bに噴射燃料が付着した場合に当該燃料が良好に蒸発可能であるか否かを判定するためのステップである。この吸気温度の閾値Ta0は、吸気弁8A、8Bに付着した燃料が良好に蒸発可能な温度条件を燃焼室12内に現出させることが可能な吸気温度の下限値に基づいて定める基準値であり、予め実験や計算等により求める。
吸気温度Taが閾値Ta0より低くない場合(Ta≧Ta0、ステップS101:No)、噴射燃料が吸気弁8A、8Bに衝突してその一部が吸気弁8A、8Bに付着したとしても、当該付着した燃料は良好に蒸発して燃焼に関与することになるので、噴射燃料と吸気弁8A、8Bとの干渉は排気性能の悪化の原因となる可能性は低い。よって、この場合ECU10は、吸気弁8A及び8Bの両方を図2のグラフAで示されるような通常のリフト特性に設定するべく、可変動弁機構9を制御する処理を行う(ステップS106)。
一方、吸気温度Taが閾値Ta0より低い場合(Ta<Ta0、ステップS101:Yes)、噴射燃料が吸気弁8A、8Bに衝突してその一部が吸気弁8A、8Bに付着すると、上述したような排気性能の悪化の原因となる虞がある。よって、この場合ECU10は、吸気弁を低リフト特性に設定して噴射燃料と吸気弁との干渉を回避させる処理を行う
(ステップS102以降)。
ステップS102において、ECU10は、内燃機関1の要求負荷Lが所定の閾値L0より高いか否かを判定する。このステップは、吸気弁8A及び8Bの両方を低リフト特性に設定することが可能か否かを判定するためのステップである。この要求負荷の閾値L0は、吸気弁8A及び8Bの両方を低リフト特性に設定した場合においても、要求負荷に対して不足しない吸入空気量を確保することが可能であるような要求負荷の上限値に基づいて定める基準値であり、予め実験や計算等により求める。
要求負荷Lが閾値L0より高い場合(L>L0、ステップS102:Yes)、吸気弁8A及び8Bの両方を低リフト特性に設定すると、要求負荷に対して十分な吸入空気量を確保することが困難と判断できるので、吸気弁8Bのみを低リフト特性に設定するべく、可変動弁機構9を制御する処理を行う(ステップS103)。
ステップS103において、ECU10は、吸気弁8Aを通常のリフト特性に設定し、吸気弁8Bを低リフト特性に設定した場合に、要求負荷に対して不足しない吸入空気量を確保することができるような低リフト特性を算出する。そして、吸気弁8Bのリフト特性を当該算出した低リフト特性に設定するべく、可変動弁機構9を制御する。
更に、続くステップS104において、ECU10は、低リフト特性に設定された吸気弁8Bと噴射燃料とが干渉することなく燃料噴射を実行することができるような燃料噴射開始時期を算出する。本ステップS104における燃料噴射開始時期の算出について、図4に基づいて説明する。
図4は、吸気弁8A及び8Bのリフト特性を示した図である。グラフAは吸気弁8Aに設定される通常のリフト特性を表し、グラフBはステップS103において吸気弁8Bに設定された低リフト特性を表す。破線の直線は噴射燃料と吸気弁8A、8Bとが干渉しないリフト量の上限値h0を示す。吸気弁8A、8Bのリフト量がこの上限値h0以下の時には、噴射燃料は吸気弁8A、8Bに衝突しない。
ステップS104では、ステップS103で算出した低リフト特性Bに基づいて、当該低リフト特性Bに設定される吸気弁の開弁期間後期ΔTBの時期であって、当該低リフト特性Bに設定される吸気弁のリフト量が前記上限値h0以下となる時期以降の時期を、燃料噴射開始時期θFSに設定する。なお、吸気弁の「開弁期間後期」とは、吸気弁が開弁開始してから閉弁するまでの開弁期間のうち、リフト量がピークになって以降の、閉弁に向かってリフト量が減少していく期間を指す。図4では、低リフト特性Bに設定される吸気弁のリフト量が前記上限値h0に等しくなる時期を燃料噴射開始時期θFSに設定した例を示している。
このようにして設定された燃料噴射開始時期θFSにおいて燃料噴射が開始されることにより、図4に示すように、燃料噴射期間ΔTFの全域に亘って、低リフト特性Bに設定された吸気弁8Bのリフト量は、噴射燃料と干渉しないリフト量となる。よって、低リフト特性Bに設定された吸気弁8Bに噴射燃料が衝突することを抑制することが可能となる。これにより、内燃機関1の冷機条件の成立下にあっても、噴射燃料と吸気弁8Bとの干渉に起因する排気性能の悪化を好適に抑制することが可能となる。
また、2つの吸気弁8A及び8Bのうち一方の吸気弁8Aは通常のリフト特性に設定されるので、内燃機関1の高負荷運転条件の成立下にあっても、要求負荷に対して内燃機関1の出力が不足することを抑制することも可能となる。従って、ステップS103及び104を実行することにより、内燃機関1が出力不足となることを抑制しつつ、噴射燃料と
吸気弁との干渉に起因する排気性能の悪化を抑制することが可能となる。
要求負荷Lが閾値L0より高くない場合(L≦L0、ステップS102:No)、吸気弁8A及び8Bの両方を低リフト特性に設定しても要求負荷に対して十分な吸入空気量を確保することができると判断できるので、吸気弁8A及び8Bの両方を低リフト特性に設定するべく、可変動弁機構9を制御する処理を行う(ステップS105)。なお、この時の低リフト特性は、要求負荷に基づいて算出される燃料噴射量及び燃料噴射開始時期に基づいて、当該燃料噴射開始時期以降における吸気弁8A及び8Bのリフト量が上述した噴射燃料と吸気弁とが干渉しないリフト量の上限値h0以下となるようなリフト特性として算出することができる。或いは、要求負荷Lが閾値L0より高い場合に実行されるステップS104と同様に、まず、吸気弁8A及び8Bの両方を低リフト特性に設定した場合に要求負荷に対して不足しない吸入空気量を確保することが可能な低リフト特性を算出し、当該算出した低リフト特性に基づいて、当該低リフト特性における開弁期間後期の時期であって、リフト量が前記上限値h0以下となる時期以降の時期を、燃料噴射開始時期に設定しても良い。
吸気弁8A及び8Bの両方が低リフト特性に設定されることにより、吸気弁8A及び8Bの両方について噴射燃料との干渉を回避できるので、冷機条件下においても、噴射燃料と吸気弁8A、8Bが干渉することに起因する排気性能の悪化を好適に抑制できる。
本実施例においては、ステップS101〜104の処理を実行するECU10が、本発明における制御手段に相当する。
次に、燃料としてエタノール含有燃料を使用する筒内直噴火花点火式内燃機関に本発明を適用した実施例について説明する。
図5は、本実施例に係る内燃機関の概略構成を模式的に示す図である。
図5に示す内燃機関1’は、燃料としてエタノール含有燃料を使用する点以外は、実施例1で説明した筒内直噴火花点火式ガソリンエンジンの構成と略同一であるので、実施例1と同一の符号及び名称を用いて詳細な説明を省略する。実施例1で説明した内燃機関1との相違する点として、更に、本実施例の内燃機関1’は、エタノール含有燃料のエタノール濃度を測定する濃度センサ14を備えている。濃度センサ14による測定データは電気配線を介してECU10に提供される。
エタノール含有燃料を使用するエンジンでは、通常のガソリンエンジンと比較して、理論空燃比が小さく、また気化しにくいため、ガソリンエンジンよりも長い燃料噴射期間を確保する必要がある。図6は、等しい要求負荷に対応するエタノール含有燃料を使用するエンジンの燃料噴射期間とガソリンエンジンの燃料噴射期間とを比較のために例示した図である。図6に示すように、ガソリンの噴射期間ΔTFGと比較して、エタノール含有燃料の噴射期間ΔTFAは長い。図6に示す「噴射終了限界時期θFE0」は、排気性能の悪化をもたらさないような燃料噴射終了時期の限界値である。燃料噴射終了時期が過度に遅い時期になると排気性能が悪化する原因となるので、本実施例では、燃料噴射終了時期θFEがこの噴射終了限界時期θFE0よりも遅くならないように燃料噴射開始時期θFSを設定することを前提とする。
このように燃料噴射終了時期θFEについての拘束条件を満たし、且つエタノール含有燃料の長い燃料噴射期間を確保するためには、図6に示すように、エタノール含有燃料の燃料噴射開始時期θFSAを吸気行程のかなり早い時期に設定する必要がある。そして、
エタノール含有燃料のエタノール濃度が高いほど、必要な燃料噴射期間は長くなる傾向がある。そのため、実施例1で説明したように、要求負荷に対して不足しない吸入空気量を確保可能な低リフト特性を算出し、当該低リフト特性に基づいて算出した燃料噴射開始時期では、エタノール濃度によっては、噴射終了限界時期θFE0までに燃料噴射を終了させることが困難な場合がある。
そこで、本実施例は、内燃機関1’の冷機時に2つの吸気弁8A及び8Bのうち一方の吸気弁8Bのみを低リフト特性に設定することにより噴射燃料と吸気弁8Bとの干渉を回避する点は実施例1と同様だが、その場合の吸気弁8Bに設定する低リフト特性の算出を、本実施例では、噴射終了限界時期θFE0までにエタノール含有燃料の燃料噴射を終了させることが可能なように算出する燃料噴射開始時期に基づいて行うようにした。
これにより、エタノール含有燃料を使用する内燃機関1’において、噴射終了限界時期までに燃料噴射を終了させるという燃料噴射制御の前提条件を満たしつつ、噴射燃料と吸気弁との干渉に起因する排気性能の悪化を抑制することが可能となる。
本実施例における燃料噴射制御及び可変動弁制御の詳細について、図7に基づいて説明する。図7は、本実施例の燃料噴射制御及び可変動弁制御の処理内容を表すフローチャートである。図7のフローチャートで表される処理は、内燃機関1’の動作中、ECU10によって繰り返し実行される。
図7のフローチャートの処理が開始されると、まずステップS201において、ECU10は、吸気温センサ13により取得した吸気温度Taが所定の閾値Ta0’より低いか否かを判定する。このステップは、吸気弁8A、8Bにエタノール含有燃料が付着した場合に当該エタノール含有燃料が良好に蒸発可能であるか否かを判定するためのステップである。この吸気温度の閾値Ta0’は、吸気弁8A、8Bに付着したエタノール含有燃料が良好に蒸発可能な温度条件を燃焼室12内に現出させることが可能な吸気温度の下限値に基づいて定める基準値であり、予め実験や計算などにより求める。本ステップS201の処理は、実施例1において図3で示したガソリンエンジンの場合のフローチャートのステップS101の処理に相当する。
吸気温度Taが閾値Ta0’より低くない場合(Ta≧Ta0’、ステップS201:No)、噴射されたエタノール含有燃料が吸気弁8A、8Bに衝突してその一部が吸気弁8A、8Bに付着したとしても、当該付着したエタノール含有燃料は良好に蒸発して燃焼に関与することになるので、エタノール含有燃料の噴射と吸気弁8A、8Bとの干渉は排気性能の悪化の原因となる可能性は低い。よって、この場合ECU10は、吸気弁8A及び8Bの両方を図2のグラフAで示されるような通常のリフト特性に設定するべく、可変動弁機構9を制御する処理を行う(ステップS207)。ステップS207の処理は、実施例1において図3で示したガソリンエンジンの場合のフローチャートのステップS106の処理に相当する。
一方、吸気温度Taが閾値Ta0’より低い場合(Ta<Ta0’、ステップS201:Yes)、噴射されたエタノール含有燃料が吸気弁8A、8Bに衝突してその一部が吸気弁8A、8Bに付着すると、上述したような排気性能の悪化の原因となる虞がある。よって、この場合ECU10は、吸気弁を低リフト特性に設定して噴射燃料と吸気弁との干渉を回避させる処理を行う(ステップS202以降)。
ステップS202において、ECU10は、濃度センサ14により取得したエタノール含有燃料のエタノール濃度Dが所定の閾値D0より高いか否かを判定する。このステップは、実施例1で説明した方法で算出した燃料噴射開始時期においてエタノール含有燃料の
噴射を開始した場合に、上述した噴射終了限界時期θFE0までに燃料噴射を終了することが可能か否かを判定するためのステップである。このエタノール濃度の閾値D0は、実施例1で説明した方法によって、噴射終了限界時期θFE0までにエタノール含有燃料の噴射を終了させることが可能な最も遅い燃料噴射開始時期以前の時期に燃料噴射開始時期を設定可能であるようなエタノール濃度の上限値に基づいて定める基準値であり、予め実験や計算等により求める。
エタノール濃度Dが閾値D0より高い場合(D>D0、ステップS202:Yes)、実施例1で説明した方法によって設定可能な最も早い燃料噴射開始時期に燃料噴射を開始しても、噴射終了限界時期までにエタノール含有燃料の噴射を終了させることは困難と判断できるので、本実施例で説明した方法によって燃料噴射開始時期の算出及び低リフト特性の算出を行う(ステップS203〜205)。
ステップS203〜205における燃料噴射開始時期及び低リフト特性の算出について、図8に基づいて説明する。
図8は、吸気弁8A及び8Bのリフト特性を示した図である。グラフAは吸気弁8Aに設定される通常のリフト特性を表し、グラフBは後述するステップS205において吸気弁8Bに設定される低リフト特性を表す。破線の直線は噴射燃料と吸気弁8A、8Bとが干渉しないリフト量の上限値h0を示す。吸気弁8A、8Bのリフト量がこの上限値h0以下の時には、噴射燃料は吸気弁8A、8Bに衝突しない。
ステップS203において、ECU10は、エタノール含有燃料の燃料噴射期間ΔTFAを算出する。これは要求負荷や濃度センサ14により取得されるエタノール濃度に基づいて算出する。
続くステップS204において、ECU10は、エタノール含有燃料の燃料噴射開始時期θFSAを算出する。ここでは、燃料噴射終了時期が噴射終了限界時期θFE0より遅くならないという条件を満足する最も遅い燃料噴射開始時期を、エタノール含有燃料の燃料噴射開始時期θFSAとして算出する。すなわち、噴射終了限界時期θFE0から、ステップS203で算出した燃料噴射期間ΔTFAだけさかのぼった時期を燃料噴射開始時期θFSAに設定する。
続くステップS205において、ECU10は、ステップS204で算出した燃料噴射開始時期θFSAにおけるリフト量が前記上限値h0となるようなリフト特性を算出し、これを吸気弁8Bと噴射燃料との干渉を回避するべく吸気弁8Bに設定するための低リフト特性とする。そして、吸気弁8Bを当該算出した低リフト特性に設定するべく、可変動弁機構9を制御する。なお、図8に示すように、開弁期間後期においてリフト量が上限値h0となる時期に燃料噴射開始時期θFSAが設定されるような低リフト特性に設定する。
このようにして設定された低リフト特性によって吸気弁8Bが開閉動作を行うことにより、図8に示すように、燃料噴射期間ΔTFAの全域に亘って、低リフト特性Bに設定された吸気弁8Bのリフト量は、噴射燃料と干渉しないリフト量となる。よって、低リフト特性Bに設定された吸気弁8Bに噴射燃料が衝突することを抑制することが可能となる。これにより、内燃機関1’の冷機条件の成立下にあっても、噴射燃料と吸気弁8Bとの干渉に起因する排気性能の悪化を好適に抑制することが可能となる。
また、燃料噴射開始時期θFSAにおいてエタノール含有燃料の噴射が開始されることにより、噴射終了限界時期θFE0までにエタノール含有燃料の噴射を終了させることが
できるので、燃料噴射終了時期が過度に遅くなることに起因する排気性能の悪化が生じることを抑制することも可能となる。
なお、上記のように算出される低リフト特性は、実施例1の方法で算出した低リフト特性よりもリフト量の低いリフト特性となる場合が考えられるが、エタノールが燃焼室12内で蒸発する際の潜熱の効果により吸入空気量を補うことができるので、吸入空気量の不足に起因して内燃機関1’が出力不足となることは抑制可能である。
エタノール濃度Dが閾値D0より高くない場合(D≦D0、ステップS202:No)、噴射終了限界時期θFE0までにエタノール含有燃料の噴射を終了させることが可能な燃料噴射開始時期を、実施例1で説明した方法によって算出することができると判断できるので、ECU10は、実施例1で説明した方法によって低リフト特性及び燃料噴射開始時期の算出を行う(ステップS206)。すなわち、エタノール含有燃料を使用する内燃機関においても、エタノール濃度がそれほど高くない場合には、吸気弁8Bのみを低リフト特性に設定した場合に、要求負荷に対して不足しない吸入空気量を確保することができるようなリフト特性として低リフト特性を算出し、当該低リフト特性の開弁期間後期の時期であって、リフト量が前記上限値h0以下となる時期以降の時期に、燃料噴射開始時期を設定する。これにより、実施例1で説明したのと同様に、排気性能の悪化を抑制する効果を得ることが可能である。
本実施例においては、ステップS201〜205の処理を実行するECU10が、本発明における制御手段に相当する。
なお、以上述べた実施例は本発明を説明するための一例であって、本発明の本旨を逸脱しない範囲内において上記の実施例には種々の変更を加え得る。例えば、上記実施例1では、可変動弁機構9は吸気弁8A及び8Bの両方のリフト特性を変更可能であり、要求負荷が閾値より高くない場合には吸気弁8A及び8Bの両方を低リフト特性に設定する旨の説明をしたが、本発明を実施するためには、少なくとも一方の吸気弁のリフト特性のみを低リフト特性に設定可能な可変動弁機構であれば十分である。そのような可変動弁機構を備えた構成では、図3のステップS102において否定判定された場合にも、ステップS103及び104と同様の処理を行うようにすれば良い。
1 内燃機関
1’ 内燃機関
2 気筒
3 ピストン
4 吸気ポート
5 排気ポート
6 燃料噴射弁
7 点火プラグ
8A 吸気弁
8B 吸気弁
9 可変動弁機構
10 ECU
11 噴射燃料
12 燃焼室
13 吸気温センサ
14 濃度センサ

Claims (2)

  1. 内燃機関の気筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁と、
    前記気筒に備えられた2つの吸気弁と、
    前記2つの吸気弁のうち少なくとも一方の吸気弁のリフト特性を変更可能な可変動弁機構と、
    前記内燃機関の冷機時に、前記2つの吸気弁のうち少なくとも一方の吸気弁のリフト特性を、暖機時よりもリフト量の低い低リフト特性に設定するように、前記可変動弁機構を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記内燃機関の冷機時に前記内燃機関が要求負荷が所定の基準より高負荷となった場合、
    前記2つの吸気弁のうち一方の吸気弁のリフト特性を低リフト特性としたときの前記内燃機関の吸入空気量が、当該要求負荷に対して不足しない吸入空気量となるように前記低リフト特性を算出し、
    当該算出した低リフト特性に従って開弁される吸気弁の開弁期間後期における時期であって、当該吸気弁のリフト量が、前記燃料噴射弁から噴射される燃料が当該吸気弁に衝突しないリフト量となる時期を算出し、
    前記2つの吸気弁のうち一方の吸気弁のリフト特性を前記算出した低リフト特性に設定するように前記可変動弁機構を制御し、
    前記算出した時期以降において燃料噴射を開始するように前記燃料噴射弁を制御することを特徴とする筒内直噴内燃機関の制御装置。
  2. 内燃機関の気筒内にアルコール含有燃料を直接噴射する燃料噴射弁と、
    前記気筒に備えられた2つの吸気弁と、
    前記2つの吸気弁のうち少なくとも一方の吸気弁のリフト特性を変更可能な可変動弁機構と、
    前記内燃機関の冷機時に、前記2つの吸気弁のうち少なくとも一方の吸気弁のリフト特性を、暖機時よりもリフト量の低い低リフト特性に設定するように、前記可変動弁機構を制御する制御手段と、
    アルコール含有燃料のアルコール濃度を取得するアルコール濃度取得手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記内燃機関の冷機時に前記アルコール濃度取得手段によって取得されるアルコール濃度が所定の基準より高濃度である場合、
    前記燃料噴射弁からの燃料噴射が所定の噴射終了限界時期までに終了するように燃料噴射開始時期を算出し、
    前記算出した燃料噴射開始時期以降におけるリフト量が、前記燃料噴射弁から噴射される燃料が前記吸気弁に衝突しないリフト量となるリフト特性として前記低リフト特性を算出し、
    前記2つの吸気弁のうち一方の吸気弁のリフト特性を前記算出した低リフト特性に設定するように前記可変動弁機構を制御し、
    前記算出された燃料噴射開始時期において燃料噴射を開始するように前記燃料噴射弁を制御する
    ことを特徴とする筒内直噴内燃機関の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013002396A (ja) * 2011-06-17 2013-01-07 Daihatsu Motor Co Ltd 内燃機関
JP2014227981A (ja) * 2013-05-27 2014-12-08 マツダ株式会社 火花点火式エンジンの制御装置

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