JP2010161060A - 有機電界発光素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板上に、一対の電極と該電極間に少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子であって、前記有機層が、少なくとも2層の発光層と前記少なくとも2層の発光層の間に設けられた中間層とを有し、前記少なくとも2層の発光層の各層は燐光発光材料を含有し、前記燐光発光材料が420nm以上500nm未満に発光ピークを持つ青色燐光発光材料、500nm以上570nm未満に発光ピークを持つ緑色燐光発光材料、及び570nm以上650nm以下に発光ピークを持つ赤色燐光発光材料からなる群から選ばれた少なくとも1種であり、前記発光層の各層に含有される前記燐光発光材料は互いに異なる発光ピークを有し、前記中間層がバインダー材料を含有する、有機電界発光素子。
【選択図】図1
Description
発光色の中で、特に白色発光のニーズは高い。白色発光は、一般照明における省電力、車載ディスプレイ、あるいはバックライトとしても活用できる。さらに、カラーフィルタを用いて青、緑、赤の画素に分けることが可能であり、フルカラー表示装置も可能である。
しかしながら、励起子エネルギーの異なる発光材料間では、相互作用により、エネルギー移動等によって、消光したり、発光色が変化するなどの問題が生じる。
しかしながら、このような発光層を積層した構成においても、各層で生成した励起子が互いに隣接層に拡散するため、発光色が変化し、発光効率が低下する。
<1> 基板上に、一対の電極と該電極間に少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子であって、前記有機層が、少なくとも2層の発光層と前記少なくとも2層の発光層の間に設けられた中間層とを有し、前記少なくとも2層の発光層の各層は燐光発光材料を含有し、前記燐光発光材料が420nm以上500nm未満に発光ピークを持つ青色燐光発光材料、500nm以上570nm未満に発光ピークを持つ緑色燐光発光材料、及び570nm以上650nm以下に発光ピークを持つ赤色燐光発光材料からなる群から選ばれた少なくとも1種であり、前記発光層の各層に含有される前記燐光発光材料は互いに異なる発光ピークを有し、前記中間層がバインダー材料を含有する、有機電界発光素子。
<7> 前記炭素数7以上のアルキル構造を有する炭化水素化合物が、直鎖飽和炭化水素化合物である<6>に記載の有機電界発光素子。
<8> 前記炭素数7以上のアルキル構造を有する炭化水素化合物が、室温において固体である<6>又は<7>に記載の有機電界発光素子。
一般式(2) L−(Ar)m
(一般式(2)中、Arは下記一般式(3)で表される基、Lは3価以上のベンゼン骨格を表し、mは3以上の整数を表す。)
本発明の有機EL素子においては、異なる発光色の発光層が中間層により仕切られている。中間層は、電気的に不活性なバインダー材料を含有する層である。本発明におけるバインダー材料とは電気的に不活性な有機化合物で、最高占有軌道と最低非占有軌道とのエネルギー差(Egと表記する)が4.0eV以上、三重項最低励起準位(T1と表記する)が2.7eV以上、電気親和力(Eaと表記する)が2.3eV以下、イオン化ポテンシャル(Ipと表記)が6.1eV以上であるものをいう。これにより、発光層で生成した励起子の拡散を阻止することができる。従って、各発光層で生成した励起子は、各層内に閉じ込められ、励起エネルギーの異なる励起子が互いに相互作用することがなく、層内で有効に発光することができるので、発光効率が向上する。更に、各発光層がそれぞれ効率よく発光するため、それらの混色により高輝度の白色発光を得ることができる。
また、本発明の中間層は薄層で機能することができるので、駆動電圧を増加させることなく、かつ駆動耐久性を高く維持することができる。
本発明における有機EL素子は、基板上に陰極と陽極を有し、両電極の間に有機発光層(以下、単に「発光層」と称する場合がある。)を含む有機層を有する。発光素子の性質上、陽極及び陰極のうち少なくとも一方の電極は、可視光域において透明であることが好ましい。
本発明における有機層は、単層または積層のいずれであってもよい。積層の場合の態様としては、陽極側から、正孔輸送層、発光層、電子輸送層の順に積層されている態様が好ましい。更に、正孔輸送層と発光層との間、又は、発光層と電子輸送層との間には、電荷ブロック層等を有していてもよい。陽極と正孔輸送層との間に、正孔注入層を有してもよく、陰極と電子輸送層との間には、電子注入層を有してもよい。尚、各層は複数の二次層に分かれていてもよい。
図1は、本発明の有機EL素子の断面構成を示す概念図である。基板1上に、陽極2、正孔注入層3、正孔輸送層4を有し、その上に、420nm以上500nm未満に発光ピークを持つ青色発光(B発光)の燐光発光材料を含有する第1の発光層5−1、中間層9、500nm以上570nm未満に発光ピークを持つ緑色発光(G発光)の燐光発光材料と570nm以上650nm以下に発光ピークを持つ赤色発光(R発光)の燐光発光材料とを含有する第2の発光層5−2を有する。該発光層5−2上に、電子輸送層6、電子注入層7、陰極8を有する。該構成の素子に電圧を印加すると第1の発光層5−1、及び第2の発光層5−2でそれぞれ励起子を発生し、各層内で再結合によって発光する。各層で生成した励起子は、中間層9によって隔離されていて、相互に拡散混合することがないので、各々の層内で発光する。従って、エネルギー移動などによる色ズレや消光などによる非効率化が防止され、高い発光効率が達成される。また、中間層9は、不活性バインダーよりなる層であって、励起子の隣接層への拡散を防止するのに必要な厚みを有していれば良く、本発明に用いられる好ましい化合物を用いることにより、0.1nm〜5nm程度の極薄層で十分その機能を果たすことができる。従って、中間層の導入によって駆動電圧を上昇させることも、耐久性を悪化させることもない。
又は、図示していないが、第1の発光層35−1が、570nm以上650nm以下に発光ピークを持つ赤色発光の燐光発光材料であり、第2の発光層35−2が、420nm以上500nm未満に発光ピークを持つ青色発光の燐光発光材料を含有する層であり、第3の発光層35−3が、500nm以上570nm未満に発光ピークを持つ緑色発光の燐光発光材料を含有する層であっても良い。
本発明の中間層に用いられるバインダーは、好ましくは、三重項最低励起準位(T1と表記する)が2.7eV以上である。より好ましくは、2.8eV以上、更に好ましくは、2.9eV以上である。
本発明の中間層に用いられるバインダーは、好ましくは、電気親和力(Eaと表記する)が2.3eV以下である。より好ましくは、2.4eV以上、更に好ましくは、2.5eV以上である。
本発明の中間層に用いられるバインダーは、好ましくは、イオン化ポテンシャル(Ipと表記)が6.1eV以上である。より好ましくは、6.2eV以上、更に好ましくは、6.3eV以上である。
中間層に用いられるバインダーは、好ましくは前記一般式(1)で表される化合物であり、好ましい別の態様として、アルキル構造を有する炭化水素化合物である。より好ましくは、前記アルキル構造を有する炭化水素化合物が、二重結合を含まず、エチレン(−CH2CH2−)構造を有する飽和炭化水素化合物である。更に好ましくは、前記アルキル構造を有する炭化水素化合物が、直鎖飽和炭化水素化合物である。
好ましくは、前記アルキル構造を有する炭化水素化合物が、室温において固体である。
本発明に於ける中間層は、励起子の隣接層への拡散を防止する層であり、上記の好ましい化合物を用いることにより、0.1nm〜5nm程度の極薄層で十分その機能を果たすことができる。
本発明に係る有機電界発光素子の中間層を構成する電気的に不活性な材料としては、例えば、下記一般式(1)で表されるアダマンタン系化合物が挙げられる。
中間層に含まれる電気的に不活性な材料としてアルキル基を有する炭化水素化合物を使用することもできる。このようなアルキル基を有する炭化水素化合物としては、蒸着によって比較的低温で成膜できる観点から、二重結合を含まず、エチレン(−CH2CH2−)構造を含む飽和炭化水素化合物であることが好ましく、直鎖飽和炭化水素化合物であることがより好ましい。また、成膜後、中間層を構成する観点から、室温(25℃)において固体であることが好ましい。
好ましくは、炭素数7以上のアルキル基を有する炭化水素化合物である。
具体的には、以下の構造式で示されるものが好ましい。
一般式(2) L−(Ar)m
一般式(2)中、Arは下記一般式(3)で表される基、Lは3価以上のベンゼン骨格を表し、mは3以上の整数を表す。
一般式(2)に含まれるLは3価以上のベンゼン骨格を表す。Arは一般式(3)で表される基を表し、mは3以上の整数を表す。mは好ましくは3以上6以下であり、さらに好ましくは3または4である。
一般式(3)に含まれるR1は置換基を表す。ここで置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる)、
アゾリルチオなどが挙げられる)、
して環を形成してもよい。また、R1は更に置換されてもよい。
一般式(4)におけるR2は置換基を表す。置換基R2は、前記置換基R1と好ましい態様を含んで同義である。
n2は0から20の整数を表す。n2の好ましい範囲は0から10であり、さらに好ましくは0から5である。
有機発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層、又は正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層、又は電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。
本発明における発光層は、少なくとも2層の発光層と該発光層間に中間層を有する。
前記少なくとも2つの発光層は互いに異なる発光色の燐光発光材料を含有し、好ましくは、それぞれホスト材料を含有する。
発光層は2層であっても、3層であっても、それ以上の多層であってもよい。2層の場合は、好ましくは互いに補色関係にある発光色であって、各々の発光層からの発光の混色により白色を形成するのが好ましい。3層の場合は、赤色(R)、緑(G)、及び青(B)の加色法3原色の発光色を示す発光材料よりなる3層であることが望ましい。
あるいは、2層構成又は3層構成で、白色形成に不足の色が或る場合、それを補う発光材料を追加していずれかの発光層に導入することも好ましい。
ホスト材料とは、発光層において主に電荷の注入、輸送を担う化合物であり、また、それ自体は実質的に発光しない化合物のことである。本明細書において「実質的に発光しない」とは、該実質的に発光しない化合物からの発光量が好ましくは素子全体での全発光量の5%以下であり、より好ましくは3%以下であり、さらに好ましくは1%以下であることをいう。
本発明に於ける燐光発光材料が、電子輸送性である場合は、ホスト材料は、好ましくは、正孔輸送性材料であり、逆に、本発明に於ける燐光発光材料が、正孔輸送性である場合は、ホスト材料は、好ましくは、電子輸送性材料である。
各々の発光層の厚みとしては、発光層5−1又は発光層25−2については、5nm以上100nm以下であることが好ましく、5nm以上70nm以下であることがより好ましく、5nm以上50nm以下が更に好ましい。発光層5−2又は発光層25−1については、5nm以上50nm以下であることが好ましく、5nm以上40nm以下であることがより好ましく、5nm以上30nm以下が更に好ましい。
各々の発光層の厚みとしては、発光層15−1又は発光層35−2については、5nm以上100nm以下であることが好ましく、5nm以上70nm以下であることがより好ましく、5nm以上50nm以下がさらに好ましい。発光層5−2又は発光層35−1については、5nm以上50nm以下であることが好ましく、5nm以上40nm以下であることがより好ましく、5nm以上30nm以下がさらに好ましい。発光層5−3又は発光層35−3については、5nm以上50nm以下であることが好ましく、5nm以上40nm以下であることがより好ましく、5nm以上30nm以下がさらに好ましい。
また、本発明における発光層は、この他に、電気的に不活性なバインダー材料を含有しても良い。
発光層に含まれる燐光発光材料としては、例えば、遷移金属原子又はランタノイド原子を含む錯体が挙げられる。
遷移金属原子としては、特に限定されないが、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、及び白金が挙げられ、より好ましくは、レニウム、イリジウム、及び白金である。
ランタノイド原子としては、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテシウムが挙げられる。これらのランタノイド原子の中でも、ネオジム、ユーロピウム、及びガドリニウムが好ましい。
具体的な配位子としては、好ましくは、ハロゲン配位子(好ましくは塩素配位子)、含窒素ヘテロ環配位子(例えば、フェニルピリジン、ベンゾキノリン、キノリノール、ビピリジル、フェナントロリンなど)、ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトンなど)、カルボン酸配位子(例えば、酢酸配位子など)、一酸化炭素配位子、イソニトリル配位子、シアノ配位子であり、より好ましくは、含窒素ヘテロ環配位子である。上記錯体は、化合物中に遷移金属原子を一つ有してもよいし、また、2つ以上有するいわゆる複核錯体であってもよい。異種の金属原子を同時に含有していてもよい。
具体的には、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、及びルテシウム錯体が挙げられ、より好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、イリジウム、又は白金錯体であり、最も好ましくはイリジウム、白金錯体である。
前記3座以上の配位子を有する金属錯体において金属イオンに配位する原子は特に限定されないが、酸素原子、窒素原子、炭素原子、硫黄原子又はリン原子が好ましく、酸素原子、窒素原子又は炭素原子がより好ましく、窒素原子又は炭素原子が更に好ましい。
前記3座以上の配位子を有する金属錯体としては、発光効率向上、耐久性向上の観点から、3座以上6座以下の配位子を有する金属錯体が好ましく、イリジウムイオンに代表される6配位型錯体を形成しやすい金属イオンの場合には、3座、4座、または6座の配位子を有する金属錯体がより好ましく、白金イオンに代表される4配位型錯体を形成しやすい金属イオンの場合には、3座または4座の配位子を有する金属錯体がより好ましく、4座の配位子を有する金属錯体が更に好ましい。
前記金属錯体の配位子は発光効率向上、耐久性向上の観点から、鎖状、又は、環状であることが好ましく、中心金属(例えば、後述する一般式(A)で表される化合物の場合であればM11を表す。)に窒素で配位する含窒素へテロ環(例えば、ピリジン環、キノリン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、またはトリアゾール環など)を少なくとも一つ有することが好ましい。該含窒素ヘテロ環としては、含窒素6員ヘテロ環、含窒素5員ヘテロ環であることがより好ましい。これらのヘテロ環は他の環と縮合環を形成してもよい。
本発明において燐光発光材料として用いる金属錯体は、以下に詳述する一般式(A)で表される有機化合物であることが好ましい。
Y11、Y12、およびY13はそれぞれ連結基、単結合、または二重結合を表す。また、Y11、Y12、又はY13が連結基である場合、L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、それぞれ独立に、単結合又は二重結合を表す。n11は0〜4を表す。M11とL11〜L15との結合は、それぞれ配位結合、イオン結合、共有結合のいずれでもよい。
L11、Y12、L12、Y11、L13、Y13、及びL14から成る配位子は、アニオン性配位子(少なくとも一つのアニオンが金属と結合する配位子)であることが好ましい。アニオン性配位子中のアニオンの数は、1〜3が好ましく、1〜2がより好ましく、2がさらに好ましい。
以下、本発明で用いることができる燐光発光材料の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いられるホスト材料は、電子輸送性発光材料が用いられる場合は、好ましくはホール輸送性ホスト材料、ホール輸送性発光材料が用いられる場合は、好ましくは電子輸送性ホスト材料である。
<ホール輸送性ホスト材料>
本発明の発光層に用いられるホール輸送性ホスト材料としては、耐久性向上、駆動電圧低下の観点から、イオン化ポテンシャルIpが5.1eV以上6.4eV以下であることが好ましく、5.4eV以上6.2eV以下であることがより好ましく、5.6eV以上6.0eV以下であることが更に好ましい。また、耐久性向上、駆動電圧低下の観点から、電子親和力Eaが1.2eV以上3.1eV以下であることが好ましく、1.4eV以上3.0eV以下であることがより好ましく、1.8eV以上2.8eV以下であることが更に好ましい。
中でも、インドール誘導体、カルバゾール誘導体、アザインドール誘導体、アザカルバゾール誘導体、芳香族第三級アミン化合物、チオフェン誘導体が好ましく、特に分子内にインドール骨格、カルバゾール骨格、アザインドール骨格、アザカルバゾール骨格および芳香族第三級アミン骨格の少なくとも一方を複数個有するものが好ましい。
このようなホール輸送性ホスト材料の具体的化合物としては、例えば下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、Dは重水素を表す。
本発明に用いられる電子輸送性ホスト材料としては、耐久性向上、駆動電圧低下の観点から、電子親和力Eaが2.5eV以上3.5eV以下であることが好ましく、2.6eV以上3.4eV以下であることがより好ましく、2.8eV以上3.3eV以下であることが更に好ましい。また、耐久性向上、駆動電圧低下の観点から、イオン化ポテンシャルIpが5.7eV以上7.5eV以下であることが好ましく、5.8eV以上7.0eV以下であることがより好ましく、5.9eV以上6.5eV以下であることが更に好ましい。
好ましい最低三重項励起準位(以下T1とする)は好ましくは2.2eV以上3.7eV以下であり、更に好ましくは2.4eV以上3.7eV以下であり、最も好ましくは2.4eV以上3.4eV以下である。
金属錯体中の金属イオンは特に限定されないが、好ましくはベリリウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、亜鉛イオン、インジウムイオン、錫イオン、白金イオン、またはパラジウムイオンであり、より好ましくはベリリウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、亜鉛イオン、白金イオン、またはパラジウムイオンであり、更に好ましくはアルミニウムイオン、亜鉛イオン、白金イオン、またはパラジウムイオンである。
配位子としては、例えばアジン配位子(例えば、ピリジン配位子、ビピリジル配位子、ターピリジン配位子などが挙げられる。)、ヒドロキシフェニルアゾール配位子(例えば、ヒドロキシフェニルベンズイミダゾール配位子、ヒドロキシフェニルベンズオキサゾール配位子、ヒドロキシフェニルイミダゾール配位子、ヒドロキシフェニルイミダゾピリジン配位子などが挙げられる。)、アルコキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ、2,4,6−トリメチルフェニルオキシ、4−ビフェニルオキシなどが挙げられる。)、
本発明で使用する基板としては、有機層から発せられる光を散乱又は減衰させない基板であることが好ましい。その具体例としては、ジルコニア安定化イットリウム(YSZ)、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、およびポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の有機材料が挙げられる。
例えば、基板としてガラスを用いる場合、その材質については、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライムガラスを用いる場合には、シリカなどのバリアコートを施したものを使用することが好ましい。有機材料の場合には、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、及び加工性に優れていることが好ましい。
透湿防止層(ガスバリア層)の材料としては、窒化珪素、酸化珪素などの無機物が好適に用いられる。透湿防止層(ガスバリア層)は、例えば、高周波スパッタリング法などにより形成することができる。
熱可塑性基板を用いる場合には、更に必要に応じて、ハードコート層、アンダーコート層などを設けてもよい。
陽極は、通常、有機層に正孔を供給する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。前述のごとく、陽極は、通常透明陽極として設けられる。
陰極は、通常、有機層に電子を注入する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。
アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、アルミニウムと0.01質量%〜10質量%のアルカリ金属又はアルカリ土類金属との合金若しくはこれらの混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)をいう。
例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式などの中から、前記した陰極を構成する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って形成することができる。例えば、陰極の材料として、金属等を選択する場合には、その1種又は2種以上を同時又は順次にスパッタ法等に従って行うことができる。
また、陰極と前記有機層との間に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物、酸化物等による誘電体層を0.1nm〜5nmの厚みで挿入してもよい。この誘電体層は、一種の電子注入層と見ることもできる。誘電体層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、またはイオンプレーティング法等により形成することができる。
また、陰極は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。なお、透明な陰極は、陰極の材料を1nm〜10nmの厚さに薄く成膜し、更にITOやIZO等の透明な導電性材料を積層することにより形成することができる。
本発明におけるその他の有機層について説明する。
本発明の有機EL素子は、少なくとも2層の発光層と該発光層間に中間層を有し、前記少なくとも2つの発光層は互いに異なる発光色の燐光発光材料を含有し、前記中間層がバインダーを含有する層である。
発光層以外の他の有機層としては、正孔輸送層、電子輸送層、電荷ブロック層(正孔ブロック層、電子ブロック層)、正孔注入層、電子注入層等の各層が挙げられる。
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極又は陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。
本発明における正孔注入層、正孔輸送層に使用できる材料は、低分子化合物であっても高分子化合物であってもよい。
具体的には、ピロール誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、フタロシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、チオフェン誘導体、有機シラン誘導体、またはカーボン等を含有する層であることが好ましい。
この他にも、特開平6−212153号公報、特開平11−111463号公報、特開平11−251067号公報、特開2000−196140号公報、特開2000−286054号公報、特開2000−315580号公報、特開2001−102175号公報、特開2001−160493号公報、特開2002−252085号公報、特開2002−56985号公報、特開2003−157981号公報、特開2003−217862号公報、特開2003−229278号公報、特開2004−342614号公報、特開2005−72012号公報、特開2005−166637号公報、特開2005−209643号公報等に記載の化合物、本発明に記載のホール輸送性ホスト材料を好適に用いることが出来る。
正孔輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。また、正孔注入層の厚さとしては、0.1nm〜200nmであるのが好ましく、0.5nm〜100nmであるのがより好ましく、1nm〜100nmであるのが更に好ましい。
正孔注入層、正孔輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
電子注入層及び電子輸送層は、陰極又は陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。
具体的には、ピリジン誘導体、キノリン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、フタラジン誘導体、フェナントロリン誘導体、トリアジン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、シロールに代表される有機シラン誘導体、等を含有する層であることが好ましい。
電子輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。また、電子注入層の厚さとしては、0.1nm〜200nmであるのが好ましく、0.2nm〜100nmであるのがより好ましく、0.5nm〜50nmであるのが更に好ましい。
電子注入層、電子輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
正孔ブロック層は、陽極側から発光層に輸送された正孔が、陰極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陰極側で隣接する有機層として、正孔ブロック層を設けることができる。
正孔ブロック層を構成する化合物の例としては、BAlq等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、BCP等のフェナントロリン誘導体、等が挙げられる。
正孔ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
正孔ブロック層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
電子ブロック層は、陰極側から発光層に輸送された電子が、陽極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陽極側で隣接する有機層として、電子ブロック層を設けることができる。
電子ブロック層を構成する化合物の例としては、例えば前述の正孔輸送材料として挙げたものが適用できる。
電子ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
正孔ブロック層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
本発明において、有機EL素子全体は、保護層によって保護されていてもよい。
保護層に含まれる材料としては、水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。
その具体例としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、またはNi等の金属、MgO、SiO、SiO2、Al2O3、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe2O3、Y2O3、またはTiO2等の金属酸化物、SiNx、SiNxOy等の金属窒化物、MgF2、LiF、AlF3、またはCaF2等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
さらに、本発明の有機電界発光素子は、封止容器を用いて素子全体を封止してもよい。
また、封止容器と発光素子の間の空間に水分吸収剤又は不活性液体を封入してもよい。水分吸収剤としては、特に限定されることはないが、例えば、酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、および酸化マグネシウム等を挙げることができる。不活性液体としては、特に限定されることはないが、例えば、パラフィン類、流動パラフィン類、パーフルオロアルカンやパーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、およびシリコーンオイル類が挙げられる。
本発明の有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜15ボルト)、又は直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。
本発明の有機電界発光素子の駆動方法については、特開平2−148687号公報、同6−301355号公報、同5−29080号公報、同7−134558号公報、同8−234685号公報、同8−241047号の各公報、特許第2784615号公報、米国特許5828429号公報、同6023308号公報等に記載の駆動方法を適用することができる。
本発明の有機電界発光素子は、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、光通信等に好適に利用できる。
1.有機EL素子の作製
(本発明の素子1の作製)
0.5mm厚み、2.5cm角のガラス基板を洗浄容器に入れ、2−プロパノール中で超音波洗浄した後、30分間UV−オゾン処理を行った。この透明陽極上に真空蒸着法にて以下の層を蒸着した。本発明の実施例における蒸着速度は特に断りのない場合は0.2nm/秒である。蒸着速度は水晶振動子を用いて測定した。以下に記載の膜厚も水晶振動子を用いて測定したものである。
・陽極:ガラス基板上にITO(Indium Tin Oxide)を膜厚100nmに蒸着した。
・正孔注入層:陽極(ITO)の上に、4,4’,4”−Tris(N−(2−naphtyl)−N−phenyl−amino)−triphenylamine(2−TNATAと略記する)と2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(F4−TCNQと略記する)とを、2−TNATAに対してF4−TCNQの比率が1.0質量%となるように共蒸着した。膜厚は160nmであった。
・正孔輸送層:正孔注入層の上に、α−NPD(Bis[N−(1−naphthyl)−N−pheny]benzidine)を膜厚10nmに蒸着した。
・第1発光層:正孔輸送層の上に、1,3−bis(N−carbazol−9−yl)benzene(mCPと略記する)と、mCPに対して15質量%の白金錯体1(発光ピーク波長:457nm 青色発光)を共蒸着した。厚みは20nmであった。
・中間層:第1発光層の上に、化合物AD1を厚み0.5nmに成膜した。
・第2発光層:中間層の上に、mCPと、mCPに対して15質量%の白金錯体2(発光ピーク波長:506nm 緑色発光)及び0.5質量%のIr(piq)3(発光ピーク波長:621nm 赤色発光)の3元蒸着した。厚みは10nmであった。
・電子輸送層:発光層の上にBis−(2−methyl−8−quinolinolato)−4−(phenyl−phenolate)−aluminium(III)(BAlqと略記する)を厚み39nmに蒸着した。
・電子注入層:電子輸送層の上にバソクプロイン(Bathocuproin:BCPと略記する)を厚み1nmに蒸着した。
・陰極:電子注入層の上にLiFを厚み1nmに蒸着した後、パターニングしたマスク(発光領域が2mm×2mmとなるマスク)を設置し、金属アルミニウムを100nm蒸着し、陰極とした。
本発明の素子1の作製において、中間層の厚みを、それぞれ1nm、2nmに変更して、その他は本発明の素子1の作製と同様にして、本発明の素子2,3を作製した。
本発明の素子1の作製において、中間層を除き、その他は本発明の素子1の作製と同様にして、比較の素子Aを作製した。
得られた本発明の素子及び比較の素子について、下記に従って性能を評価した。
1)駆動電圧
東陽テクニカ(株)製ソースメジャーユニット2400を用いて、直流電圧を各素子に印加し、発光させた。輝度が1000cd/m2となったときの電圧を駆動電圧として測定した。
2)外部量子効率
東陽テクニカ(株)製ソースメジャーユニット2400を用いて、直流電圧を各素子に印加し、発光させた。その輝度をトプコン社製輝度計BM−8を用いて測定した。発光スペクトルと発光波長は、浜松ホトニクス(株)製スペクトルアナライザーPMA−11を用いて測定した。これらの数値をもとに、輝度が1000cd/m2における外部量子効率を輝度換算法により算出した。
3)駆動耐久性
東陽テクニカ(株)製ソースメジャーユニット2400を用いて、直流電圧を各素子に印加し、輝度が1000cd/m2となるように発光させた。該電流電圧条件で発光を継続し、輝度が500cd/m2まで減少する輝度半減時間を測定した。比較の素子1の半減時間を1として、相対値で表した。
得られた結果を表1に示した。
1.有機EL素子の作製
実施例1の本発明の素子1の作製において、発光層および中間層として、下記の構成の第1発光層〜第3発光層及び中間層を用いた以外は本発明の素子1と同様にして本発明の素子10を作製した。
正孔輸送層側より、順に、第1発光層、中間層1、第2発光層、中間層2、及び第3発光層を設けた。
第1発光層::正孔輸送層の上に、mCPと、mCPに対して15質量%の白金錯体1を共蒸着した。厚みは20nmであった。
・中間層1:第1発光層の上に、化合物AD1を厚み0.5nmに成膜した。
・第2発光層:中間層1の上に、mCPと白金錯体2とを、mCPに対して白金錯体2の比率が15質量%となるように共蒸着した。厚みは5nmであった。
・中間層2:第2発光層の上に、化合物AD1を厚み0.5nmに成膜した。
・第3発光層:中間層2の上に、BAlqとIr(piq)3とを、BAlqに対してIr(piq)3の比率が5質量%となるように共蒸着した。厚みは5nmであった。
本発明の素子10の作製において、中間層1及び中間層2を除き、その他は本発明の素子10の作製と同様にして、比較の素子Bを作製した。
得られた本発明の素子及び比較の素子について、実施例1と同様に性能を評価した。
結果を表2に示した。
実施例1〜2の本発明の素子の作製において、中間層バインダーとして、化合物AD1の代わりに化合物AD2(下記の構造)を用いて、同様の有機EL素子を作製し、性能を評価した結果、同様に、駆動電圧が低く、外部量子効率が高く、駆動耐久性に優れる結果を示した。
1.有機EL素子の作製
(本発明の素子11の作製)
実施例1の本発明の素子1の作製において、発光層および中間層として、下記の材料を用いた以外は、本発明の素子1と同様に本発明の素子11を作製した。
・中間層:第1発光層の上に、化合物AD2を厚み0.5nmに成膜した。
・第2発光層:中間層の上に、ホスト材料1と、ホスト材料1に対して15質量%の白金錯体2及び0.5質量%のIr(piq)3の3元蒸着した。厚みは10nmであった。
本発明の素子1の作製において、中間層の厚みを、それぞれ1nm、2nmに変更して、その他は本発明の素子1の作製と同様にして、本発明の素子12,13を作製した。
本発明の素子11の作製において、中間層を除き、その他は本発明の素子11の作製と同様にして、比較の素子Cを作製した。
得られた本発明の素子及び比較の素子について、実施例1と同様に性能を評価した。
結果を表3に示した。
1.有機EL素子の作製
(本発明の素子14の作製)
実施例3の本発明の素子11の作製において、発光層および中間層として、下記の構成の第1発光層〜第3発光層及び中間層を用いた以外は本発明の素子11と同様にして本発明の素子14を作製した。
正孔輸送層側より、順に、第1発光層、中間層1、第2発光層、中間層2、及び第3発光層を設けた。
・第1発光層:正孔輸送層の上に、ホスト材料1と、ホスト材料1に対して15質量%の白金錯体3を共蒸着した。厚みは20nmであった。
・中間層1:第1発光層の上に、化合物AD2を厚み0.5nmに成膜した。
・第2発光層:中間層1の上に、ホスト材料2と白金錯体2とを、ホスト材料2に対して白金錯体2の比率が15質量%となるように共蒸着した。厚みは5nmであった。
・中間層2:第2発光層の上に、化合物AD2を厚み0.5nmに成膜した。
・第3発光層:中間層2の上に、BAlqとIr(piq)3とを、BAlqに対してIr(piq)3の比率が5質量%となるように共蒸着した。厚みは5nmであった。
本発明の素子14の作製において、中間層1及び中間層2を除き、その他は本発明の素子14の作製と同様にして、比較の素子Dを作製した。
得られた本発明の素子及び比較の素子について、実施例1と同様に性能を評価した。
結果を表4に示した。
1.有機EL素子の作製
(本発明の素子15の作製)
実施例4の本発明の素子11の作製において、発光層のホスト材料として、下記のホスト材料2を用いて、下記の構成の第1発光層、第2発光層及び中間層を用いた以外は、本発明の素子11と同様に本発明の素子15を作製した。
・中間層:第1発光層の上に、化合物AD2を厚み0.5nmに成膜した。
・第2発光層:中間層の上に、ホスト材料2と、ホスト材料2に対して15質量%の白金錯体2及び0.5質量%のIr(piq)3の3元蒸着した。厚みは10nmであった。
本発明の素子15の作製において、中間層の厚みを、それぞれ1nm、2nmに変更して、その他は本発明の素子1の作製と同様にして、本発明の素子12、13を作製した。
本発明の素子15の作製において、中間層を除き、その他は本発明の素子15の作製と同様にして、比較の素子Eを作製した。
得られた本発明の素子及び比較の素子について、実施例1と同様に性能を評価した。
結果を表5に示した。
1.有機EL素子の作製
実施例6の本発明の素子15の作製において、発光層および中間層として、下記の構成の第1発光層〜第3発光層及び中間層を用いた以外は本発明の素子15と同様にして本発明の素子18を作製した。
正孔輸送層側より、順に、第1発光層、中間層1、第2発光層、中間層2、及び第3発光層を設けた。
・第1発光層::正孔輸送層の上に、ホスト材料2と、ホスト材料2に対して15質量%の白金錯体3を共蒸着した。厚みは20nmであった。
・中間層1:第1発光層の上に、化合物AD2を厚み0.5nmに成膜した。
・第2発光層:中間層1の上に、ホスト材料2と白金錯体2とを、ホスト材料2に対して白金錯体2の比率が15質量%となるように共蒸着した。厚みは5nmであった。
・中間層2:第2発光層の上に、化合物AD2を厚み0.5nmに成膜した。
・第3発光層:中間層2の上に、BAlqとIr(piq)3とを、BAlqに対してIr(piq)3の比率が5質量%となるように共蒸着した。厚みは5nmであった。
本発明の素子18の作製において、中間層1及び中間層2を除き、その他は本発明の素子18の作製と同様にして、比較の素子Fを作製した。
得られた本発明の素子及び比較の素子について、実施例1と同様に性能を評価した。
結果を表6に示した。
1.有機EL素子の作製
(本発明の素子19の作製)
実施例1の、本発明の素子1の作製において、発光層および中間層として、下記の構成の第1発光層〜第3発光層および中間層1、中間層2を用いた以外は、本発明の素子1と同様に本発明の素子19を作製した。
・第1発光層:正孔輸送層の上に、BAlqとイリジウム錯体1(発光ピーク波長:604nm 赤色発光)とを、BAlqに対してイリジウム錯体1が2質量%となるように共蒸着した。厚みは5nmであった。
・中間層1:第1発光層の上に、化合物Alk−1を厚み0.5nmに成膜した。
・第2発光層:中間層1の上に、ホスト材料1と白金錯体2とを、ホスト材料1に対して白金錯体2の比率が15質量%となるように共蒸着した。厚みは5nmであった。
・中間層2:第2発光層の上に、化合物Alk−1を厚み0.5nmに成膜した。
・第3発光層:中間層1の上に、ホスト材料1と白金錯体4(発光ピーク波長:469nm 青色発光)とを、ホスト材料1に対して白金錯体4の比率が15質量%となるように共蒸着した。厚みは20nmであった。
本発明の素子19の作製において、中間層1及び中間層2を除き、その他は本発明の素子19の作製と同様にして、比較の素子Gを作製した。
得られた本発明の素子及び比較の素子について、実施例1と同様に性能を評価した。結果を表7に示した。
1.有機EL素子の作製
(本発明の素子20の作製)
実施例1の、本発明の素子1の作製において、発光層および中間層として、下記の構成の第1発光層〜第3発光層および中間層1、中間層2を用いた以外は、本発明の素子1と同様に本発明の素子20を作製した。
・第1発光層:正孔輸送層の上に、BAlqとイリジウム錯体2(発光ピーク波長:620nm 赤色発光)とを、BAlqに対してイリジウム錯体2が2質量%となるように共蒸着した。厚みは5nmであった。
・中間層1:第1発光層の上に、化合物TR−1を厚み0.5nmに成膜した。
・第2発光層:中間層1の上に、ホスト材料3とイリジウム錯体3(発光ピーク波長:517nm 緑色発光)とを、ホスト材料3に対してイリジウム錯体3の比率が8質量%となるように共蒸着した。厚みは5nmであった。
・中間層2:第2発光層の上に、化合物TR−1を厚み0.5nmに成膜した。
・第3発光層:中間層1の上に、ホスト材料1とイリジウム錯体4(発光ピーク波長:463nm 青色発光)とを、ホスト材料1に対してイリジウム錯体4の比率が8質量%となるように共蒸着した。厚みは20nmであった。
本発明の素子20の作製において、中間層1及び中間層2を除き、その他は本発明の素子20の作製と同様にして、比較の素子Hを作製した。
得られた本発明の素子20及び比較の素子Hについて、実施例1と同様に性能を評価した。結果を表8に示した。
1.有機EL素子の作製
(本発明の素子21の作製)
実施例1の、本発明の素子1の作製において、発光層および中間層として、下記の構成の第1発光層〜第3発光層および中間層1、中間層2を用いた以外は、本発明の素子1と同様に本発明の素子21を作製した
・第1発光層:正孔輸送層の上に、BAlqとイリジウム錯体5(発光ピーク波長:635nm 赤色発光)とを、BAlqに対してイリジウム錯体5が2質量%となるように共蒸着した。厚みは5nmであった。
・中間層1:第1発光層の上に、化合物TPM−1を厚み0.5nmに成膜した。
・第2発光層:中間層1の上に、ホスト材料3とイリジウム錯体6(発光ピーク波長:522nm 緑色発光)とを、ホスト材料3に対してイリジウム錯体6の比率が8質量%となるように共蒸着した。厚みは5nmであった。
・中間層2:第2発光層の上に、化合物TPM−1を厚み0.5nmに成膜した。
・第3発光層:中間層1の上に、ホスト材料1とイリジウム錯体7(発光ピーク波長:465nm 青色発光)とを、ホスト材料1に対してイリジウム錯体7の比率が8質量%となるように共蒸着した。厚みは20nmであった。
本発明の素子21の作製において、中間層1及び中間層2を除き、その他は本発明の素子21の作製と同様にして、比較の素子Iを作製した。
得られた本発明の素子21及び比較の素子Iについて、実施例1と同様に性能を評価した。結果を表9に示した。
2:陽極
3:正孔注入層
4:正孔輸送層
5−1:第1の発光層
5−2:第2の発光層
6:電子輸送層
7:電子注入層
8:陰極
9:中間層
15−1:第1の発光層
15−2:第2の発光層
15−3:第3の発光層
19−1:第1の中間層
19−2:第2の中間層
25−1:第1の発光層
25−2:第2の発光層
29:中間層
35−1:第1の発光層
35−2:第2の発光層
35−3:第3の発光層
39−1:第1の中間層
39−2:第2の中間層
Claims (11)
- 基板上に、一対の電極と該電極間に少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子であって、前記有機層が、少なくとも2層の発光層と前記少なくとも2層の発光層の間に設けられた中間層とを有し、前記少なくとも2層の発光層の各層は燐光発光材料を含有し、前記燐光発光材料が420nm以上500nm未満に発光ピークを持つ青色燐光発光材料、500nm以上570nm未満に発光ピークを持つ緑色燐光発光材料、及び570nm以上650nm以下に発光ピークを持つ赤色燐光発光材料からなる群から選ばれた少なくとも1種であり、前記発光層の各層に含有される前記燐光発光材料は互いに異なる発光ピークを有し、前記中間層がバインダー材料を含有する、有機電界発光素子。
- 前記少なくとも2層の発光層が、前記青色燐光発光材料を含有する層、及び前記緑色燐光発光材料と前記赤色燐光発光材料とを含有する層を含む請求項1に記載の有機電界発光素子。
- 前記少なくとも2層の発光層が、基板側から順に、前記青色燐光発光材料を含有する層、前記緑色燐光発光材料を含有する層、及び前記赤色燐光発光材料を含有する層であり、前記青色燐光発光材料を含有する層と前記緑色燐光発光材料を含有する層との間に第1の中間層、及び前記緑色燐光発光材料を含有する層と前記赤色燐光発光材料を含有する層との間に第2の中間層を有する請求項1に記載の有機電界発光素子。
- 前記少なくとも2層の発光層が、基板側から順に、前記緑色燐光発光材料を含有する層、前記青色燐光発光材料を含有する層、及び前記赤色燐光発光材料を含有する層であり、前記緑色燐光発光材料を含有する層と前記青色燐光発光材料との間に第1の中間層、及び前記青色燐光発光材料を含有する層と前記赤色燐光発光材料を含有する層との間に第2の中間層を有する請求項1に記載の有機電界発光素子。
- 前記バインダー材料が、下記一般式(1)で表される化合物である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
(一般式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、エステル基、アミド基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基、シリル基を表し、該R1〜R4の少なくとも1つは、二重結合あるいは三重結合を有する基である。X1〜X12は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、エステル基、アミド基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基、シリル基を表す。) - 前記バインダー材料が、炭素数7以上のアルキル基を有する炭化水素化合物である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
- 前記炭素数7以上のアルキル構造を有する炭化水素化合物が、直鎖飽和炭化水素化合物である請求項6に記載の有機電界発光素子。
- 前記炭素数7以上のアルキル構造を有する炭化水素化合物が、室温において固体である請求項6又は請求項7に記載の有機電界発光素子。
- 前記バインダー材料が、下記一般式(2)で示される化合物である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
一般式(2) L−(Ar)m
(一般式(2)中、Arは下記一般式(3)で表される基、Lは3価以上のベンゼン骨格を表し、mは3以上の整数を表す。)
(一般式(3)中、R1は置換基を表し、R1が複数存在する場合は、互いに同じでも異なっていてもよい。n1は0〜9の整数を表す。) - 前記バインダー材料が、下記一般式(4)で示される化合物である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
(一般式(4)中、R2は置換基を表し、R2が複数存在する場合は、互いに同じでも異なっていてもよい。n2は0〜20の整数を表す。 - 前記中間層の膜厚が、0.1nm以上5nm未満である請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
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