以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、作用・機能が同じ働きを担う部材には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を省略する場合がある。
(第1の実施の形態)
本実施の形態では、表示装置10は、図1に示すように、表示素子12と、表示素子12に電圧を印加する電圧印加部16と、制御部18と、を含んで構成されている。
表示素子12は、画像表示面とされる表示基板20、表示基板20に間隙をもって対向する背面基板22、これらの基板間を所定間隔に保持すると共に、表示基板20と背面基板22との基板間を保持する間隙部材24、凝集粒子28、及び凝集粒子28とは異なる光学的反射特性を有すると共に凝集粒子28の通過する孔を有する反射部材26を含んで構成されている。
凝集粒子28は、詳細は後述するが、互いに逆極性の帯電特性を有する2種類の粒子が静電的に結合した凝集体であり、これらの2種類の粒子が、分散媒14中において分散されることなく一体として振る舞う。この凝集粒子28は、上述のように互いに逆極性の帯電特性を有する2種類の粒子が静電的に結合した凝集体とされたときに、全体として、正極または負極の帯電特性を有している。
このため、分散媒14中に分散された凝集粒子28は、表示基板20と背面基板22との間に形成された電界に応じて表示基板20及び背面基板22の基板間を、反射部材26の孔を通じて移動する。
本実施の形態では、表示基板20は、支持基板30上に、表面電極32、及び表面層34を順に積層した構成とされている。背面基板22は、支持基板36上に、背面電極38、及び表面層34を順に積層した構成とされている。
なお、本実施の形態では、背面基板22は背面電極38を含んだ構成とされ、表示基板20は表面電極32を含んだ構成とされている場合を説明するが、背面電極38及び表面電極32を表示素子12とは別体として設けた構成であってもよい。
なお、本実施の形態では、この背面電極38及び表面電極32を表示素子12とは別体として設けた構成とした場合、すなわち、表示素子12の内の背面電極38及び表面電極32を含まない構成部分を、表示媒体13と称して説明するものとする。
上記表示装置10が、本発明の表示装置に相当し、表示素子12が、本発明の表示素子に相当する。また、後述する表示媒体13が、本発明の表示媒体に相当する。
さらに、表示基板20及び背面基板22が、本発明の表示媒体の一対の基板に相当し、分散媒14が本発明の表示媒体の分散媒に相当する。さらに、凝集粒子28が、本発明の表示媒体の第1の粒子群に相当する。また、電圧印加部16が、本発明の表示装置の電圧印加装置に相当する。
上記表示基板20及び背面基板22の内の、少なくとも表示基板20は、透光性を有している。ここで、本実施の形態における透光性及び透明とは、可視光の透過率が60%以上であることを示している。
支持基板30及び支持基板36としては、ガラスや、プラスチック、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂等が挙げられる。
表面電極32及び背面電極38には、インジウム、スズ、カドミウム、アンチモン等の酸化物、ITO等の複合酸化物、金、銀、銅、ニッケル等の金属、ポリピロールやポリチオフェン等の有機材料等が使用される。これらは単層膜、混合膜あるいは複合膜として使用され、蒸着法、スパッタリング法、塗布法等で形成される。また、その厚さは、蒸着法、スパッタリング法によれば、通常100Å以上2000Å以下である。背面電極38及び表面電極32は、従来の液晶表示媒体あるいはプリント基板のエッチング等従来公知の手段により形成される。
なお、表面電極32は、支持基板30に埋め込まれた形態であってもよい。また、背面電極38についても、支持基板36に埋め込まれた形態であってもよい。
表面層34及び表面層40は、上記表面電極32及び背面電極38が、各々支持基板30及び支持基板36上に形成されている場合、表面電極32及び背面電極38の破損や、各凝集粒子28の各粒子の固着を招く電極間のリークの発生を防止するため、表面電極32及び背面電極38各々上に誘電体膜として形成されていることが望ましい。
この表面層34及び表面層40各々を形成する材料としては、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリイミド、エポキシ、ポリイソシアネート、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリブタジエン、ポリメチルメタクリレート、共重合ナイロン、紫外線硬化アクリル樹脂、フッ素樹脂等が用いられる。
また、表面層34及び表面層40を構成する材料として上述した材料の他に、この材料中に電荷輸送物質を含有させたものも使用される。
電荷輸送物質としては、例えば、正孔輸送物質であるヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、アリールアミン化合物等が挙げられる。また、電子輸送物質であるフルオレノン化合物、ジフェノキノン誘導体、ピラン化合物、酸化亜鉛等も使用できる。さらに、電荷輸送性を有する自己支持性の樹脂が用いられる。
具体的には、ポリビニルカルバゾール、米国特許第4806443号に記載の特定のジヒドロキシアリールアミンとビスクロロホルメートとの重合によるポリカーボネート等が挙げられる。
表示基板20と背面基板22との基板間の隙を保持する間隙部材24は、表示基板20の透光性を損なわないように形成され、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化樹脂、光硬化樹脂、ゴム、金属等で形成される。
間隙部材24は表示基板20及び背面基板22の何れか一方と一体化されてもよい。この場合には、支持基板36または支持基板44をエッチングするエッチング処理、レーザー加工処理、予め作製した型を使用してプレス加工処理または印刷処理等を行うことによって作製される。この場合、間隙部材24は、表示基板20側、背面基板22側のいずれか、又は双方に作製される。
間隙部材24は有色でも無色でもよいが、表示素子12に表示される表示画像に悪影響を及ぼさないように無色透明であることが望ましく、その場合には、例えば、ポリスチレンやポリエステルやアクリルなどの透明樹脂等が使用される。
また、間隙部材24は粒子状であってもよく、この場合には、ポリスチレン、ポリエステル又はアクリル等の透明樹脂粒子の他、ガラス粒子も使用される。
分散媒14としては、絶縁性液体であることが望ましい。ここで、「絶縁性」とは、体積固有抵抗が1011Ωcm以上であることを示している。以下同様である。
上記絶縁性液体として具体的には、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、デカン、ヘキサデカン、ケロセン、パラフィン、イソパラフィン、シリコーンオイル、ジククロロエチレン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、高純度石油、エチレングリコール、アルコール類、エーテル類、エステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン、N−メチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ベンジン、ジイソプロピルナフタレン、オリーブ油、イソプロパノール、トリクロロトリフルオロエタン、テトラクロロエタン、ジブロモテトラフルオロエタンなどや、それらの混合物が好適に使用される。
また、下記体積抵抗値となるよう不純物を除去することで、水(所謂、純水)も、分散媒14として好適に使用される。該体積抵抗値としては、103Ωcm以上であることが望ましく、107Ωcm以上1019Ωcm以下であることがより好適であり、さらに1010Ωcm以上1019Ωcm以下であることがより良い。この範囲の体積抵抗値とすることで、より効果的に、粒子群に電界を印加することが可能となり、かつ、電極反応に起因する液体の電気分解による気泡の発生が抑制され、通電毎に凝集粒子28の電気泳動特性が損なわれることがなく、優れた繰り返し安定性に寄与する。
なお、絶縁性液体には、必要に応じて、酸、アルカリ、塩、分散安定剤、酸化防止や紫外線吸収などを目的とした安定剤、抗菌剤、防腐剤などが添加されるが、上記で示した特定の体積抵抗値の範囲となるように添加することが望ましい。なお、表示素子12に封入される上記凝集粒子28は、分散媒14として高分子樹脂に分散されていることも望ましい。この高分子樹脂としては、高分子ゲル、高分子ポリマー等であってもよい。
また、この分散媒14に公知の着色剤を混合してもよい。着色剤を分散媒14に混合すると、表示素子12への、反射部材26及び凝集粒子28の色とは異なる色が表示される。
分散媒14はその中で凝集粒子28が移動することから、分散媒14の粘度が所定値以上であると、背面基板22及び表示基板20への付着力のばらつきが大きいことから、分散媒14の粘度についても、調整することがよい。
分散媒14の粘度は、温度20℃の環境下において、0.1mPa・s以上100mPa・s以下であることが凝集粒子28の移動速度、すなわち、表示速度の観点から必須であり、0.1mPa・s以上50mPa・s以下であることが望ましく、0.1mPa・s以上20mPa・s以下であることが更に望ましい。
分散媒14の粘度の調整は、分散媒の分子量、構造、組成等を調整することによって可能である。なお、この粘度の測定には、東京計器製B−8L型粘度計が用いられる。
反射部材26は凝集粒子28とは異なる光学的反射特性を有すると共に、凝集粒子28が通過する孔を有している。
この反射部材26に設けられている孔は、少なくとも表示素子12に形成される電界勾配方向に通じる孔とされており、本実施の形態では、表面電極32と背面電極38とによって表示基板20と背面基板22との基板間に形成された電界勾配方向、すなわち表示基板20と背面基板22との向かい合う方向へ少なくとも通じる孔である。この反射部材26の孔は、少なくとも凝集粒子28を構成する粒子が孔を通じて、表示基板20及び背面基板22の何れか一方の基板側から他方の基板側へと相互に移動する大きさに構成されている。
この反射部材26が「凝集粒子28とは異なる光学的反射特性を有する」とは、複数の凝集粒子28が分散している分散媒14と、孔内に分散媒14を浸透させた反射部材26と、を対比して目視で観察した場合に、色相や明度、鮮度などにおいて、両者の差異が識別できる差異があることを意味している。
この反射部材26は、凝集粒子28を遮蔽する機能を有していることが好ましい。ここで、本実施の形態における「隠蔽」とは、可視光に対して50%以下の透過率を示す場合を意味している。
このため、凝集粒子28が反射部材26より表示基板20側にある場合には凝集粒子28の色が、凝集粒子28が反射部材26より背面基板22側にある場合には、反射部材26の色が表示素子12に表示される。
この反射部材26の色は、白い背景で表示が行なえるとの理由から、白色であることが好ましく、白色度が30%以上であることが好ましく、40%以上であることが特に好ましい。
なお、この白色度は、白さの尺度をいい、具体的にはJIS−P8123に記載の方法に従い、ハンター白色度計やX−rite測色計を用いて測定した値である。
この反射部材26の形態としては、上述のように、上記凝集粒子28が移動する孔を有すると共に、凝集粒子28とは異なる光学的反射特性を有すれば特に限定されず、酸化チタン、酸化亜鉛等の材料から構成される無機材料粒子や、メタクリル酸メチル樹脂、スチレンアクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂等の材料から構成される有機材料粒子などの粒子状の部材の集合体であってもよいし、樹脂シートや、不織布等を利用してもよい。
反射部材26を基板間へ封入するには、例えば、インクジェット法などにより行う。また、反射部材26を固定化する場合、例えば、反射部材26を封入した後、加熱(及び必要があれば加圧)して、反射部材26の粒子群表層を溶かすことで、粒子間隙を維持させつつ行われる。
凝集粒子28は、上述のように、互いに逆極性の帯電特性を有する2種類の粒子が静電的に結合した凝集体であり、これらの2種類の粒子が、分散媒14中において分散されることなく一体として振る舞う。また、この凝集粒子28は、上述のように互いに逆極性の帯電特性を有する2種類の粒子が静電的に結合した凝集体とされたときに、全体として、正極または負極の帯電特性を有している。なお、本実施の形態においては、帯電特性とは、粒子の帯電極性を示している。
例えば、図2に示すように、凝集粒子28は、正極の帯電特性を有する1または複数の正極粒子28Aと、負極の帯電特性を有する1または複数の負極粒子28Bと、を含んで構成されており、これらが静電的に結合されている。分散媒14中に分散されている各凝集粒子28は、表示素子12において繰り返し表示が行われた後であっても、各凝集粒子28を構成する正極粒子28Aと負極粒子28Bとの比及びこれらの数等の構成に変化の無い程度に安定して存在している。
図2に示す例では、凝集粒子28は、正極の帯電特性を有する正極粒子28Aが1個と、負極の帯電特性を有し且つ該正極粒子28Aの帯電量の絶対値と同じ帯電量を有する負極粒子28Bが2個と、から構成されている。このため、凝集粒子28としては、負極の帯電特性を示す状態とされている。
この凝集粒子28を構成する各正極粒子28A及び負極粒子28Bの各々の帯電量、及び該凝集粒子28に含まれる正極粒子28A及び負極粒子28Bの数や比は、正極粒子28A及び負極粒子28Bの粒子間において生じる静電的な結合力に応じて定まり、分散媒14中において繰り返し表示が行われた場合であっても、各凝集粒子28間において、その粒子構成に変化の無い程度に安定して存在する構成であればよい。このため、本実施の形態で説明するような、1対2の関係(正極粒子28Aが1個、負極粒子28Bが2個)で凝集する形態に限られない。
なお、凝集粒子28を構成する正極粒子28A及び負極粒子28Bの大きさは、各極性の粒子において同じであってもよいし、異なっていても良い。
この凝集粒子28を構成する正極粒子28A及び負極粒子28Bの色は、凝集粒子28とされたときの色が反射部材26の色と異なる色を示す組み合わせであればよく、同じ色であっても異なる色であってもよいが、同じ色である方が表示の色純度を上げる観点から望ましい。
なお、この凝集粒子28の製法については、後述する各実施の形態の説明の最後にまとめて説明する。
上記表示基板20及び背面基板22を、間隙部材24を介して互いに固定するには、ボルトとナットの組み合わせ、クランプ、クリップ、基板固定用の枠等の固定手段を使用することができる。また、接着剤、熱溶融、超音波接合等の固定手段も使用される。
表示素子12は、画像の保存及び書換えが可能な掲示板、回覧版、電子黒板、広告、看板、点滅標識、電子ペーパー、電子新聞、電子書籍、及び複写機・プリンタと共用されるドキュメントシート等に使用される。
この表示素子12への所望の画像の表示は、具体的には、表示素子12を、表示装置10に設けた構成とすることによって実現される。
例えば、図1に示すように、表示装置10を、上述の表示素子12と、書込装置17と、を含んで構成する。書込装置17は、電圧印加部16と制御部18とを含んで構成されている。
電圧印加部16は、表面電極32及び背面電極38に電気的に接続されている。また電圧印加部16は、制御部18に信号授受可能に接続されている。
制御部18は、装置全体の動作を司るCPU(中央処理装置)と、各種データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、装置全体を制御する制御プログラム等の各種プログラムが予め記憶されたROM(Read Only Memory)と、を含むマイクロコンピュータとして構成されている。
電圧印加部16は、表面電極32及び背面電極38に電圧を印加するための電圧印加装置であり、制御部18の制御に応じた電圧を表面電極32及び背面電極38間に印加する。
この制御部18の制御によって、電圧印加部16から表面電極32及び背面電極38へ、凝集粒子28を表示基板20側へ電気泳動させる電界を該基板間に形成するための電圧が印加されると、凝集粒子28は、表示基板20側へ電気泳動する。
表示基板20側に電気泳動した凝集粒子28を構成する粒子は、図3に示すように、表示基板20の背面基板22の対向面に到達すると、該対向面に沿った形に変形する。これは、凝集粒子28を構成する正極粒子28A及び負極粒子28Bは、静電的に結合された状態とされていることから、該対向面に到達したときの衝撃や表示基板20及び背面基板22の基板間に形成された電界による表示基板20側へと押しつける力によって、容易に変形されるためと考えられる。
また、この制御部18の制御によって、電圧印加部16から表面電極32及び背面電極38へ、凝集粒子28を背面基板22側へ電気泳動させる電界を該基板間に形成するための電圧が印加されると、凝集粒子28は、背面基板22側へ電気泳動する。
そして、背面基板22の表示基板20との対向面に到達した凝集粒子28は、上記表示基板20に到達したときと同じように、該対向面に沿った形に変形する。
以上説明したように、本実施の形態の表示素子12においては、正極の帯電特性を有する正極粒子28Aと、負極の帯電極性を有する負極粒子28Bと、から構成された凝集粒子28を、分散媒14において電気泳動する粒子として用いている。このため、表示基板20及び背面基板22の何れか一方の、他方との対向面に到達した凝集粒子28は、対向面に沿った形に変形した状態となる。
一方、従来構成の一例を示す図4に示すように、凝集粒子28と平均粒径が同程度である、単一の粒子として構成された粒子29が該対向面に到達しても、この粒子29は球状のままであり、凝集粒子28のような静電力によって結合された複数の粒子から構成されたものではないことから、該凝集粒子28に比べて変形の度合いが低いと考えられる。
このため、本実施の形態の表示素子12においては、図4に示すように、非凝集体である単一の粒子から構成された粒子29が、表示基板20及び背面基板22の何れか一方の対向面に到達した場合に比べて、より該対向面と分散媒14との界面に近い領域に、凝集粒子28が存在されることとなる。このため、凝集粒子28の方が粒子29に比べ電極近傍での粒子間密度が増大し、該対向面と分散媒14との界面により近い領域に存在する分散媒14は、粒子29を用いた場合に比べ、凝集粒子28を用いた場合の方が、効率よく該領域から排除される、または粒子間に存在する分散媒14の体積が凝集粒子28を用いた場合の方が少ない。
従って、電気泳動する粒子として凝集粒子28を用いると、電気泳動する粒子を単体の粒子29として構成した場合に比べて、表示した画像が好適に保持される、といえる。
また、凝集粒子28は、正極の帯電特性を有する正極粒子28Aと、負極の帯電特性を有する負極粒子28Bと、から構成されていることから、表示基板20の背面基板22との対向面に集合した隣り合う凝集粒子28間における静電反発力は、凝集粒子28を単一の粒子として構成した場合に比べて小さいと考えられる。
このため、電気泳動する粒子として凝集粒子28を用いると、電気泳動する粒子を単体の粒子29として構成した場合に比べて、表示した画像が保持される、といえる。
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、表示素子12中には、電気泳動粒子として、凝集粒子28が分散媒14中に分散されている場合を説明したが、本実施の形態では、分散媒14中に、凝集粒子28と、該凝集粒子28とは色が異なり且つ逆極性に帯電された粒子42(図5参照)と、が分散されている場合を説明する。
以下、第1の実施の形態で説明した表示装置10及び表示素子12と同じ構成及び機能を有する部分には同じ番号を付与して詳細な説明を省略する。
本実施の形態の表示装置10は、図5に示すように、表示素子12Aと、表示素子12Aに電圧を印加する電圧印加部16と、制御部18と、を含んで構成されている。
表示素子12Aは、表示基板20、背面基板22、間隙部材24、凝集粒子28、及び粒子42を含んで構成されている。なお、本実施の形態の表示素子12Aは、反射部材26を含まない構成である場合を説明するが、第1の実施の形態で説明した表示素子12と同様に反射部材26の設けられた構成であってもよい。
表示基板20は、支持基板30上に、表面電極32、及び表面層34を順に積層した構成とされている。背面基板22は、支持基板36上に、背面電極38、及び表面層34を順に積層した構成とされている。なお、本実施の形態では、表示素子12Aの内の、表示基板20に表面電極32を含まず、且つ背面基板22に背面電極38を含まない構成部分を、表示媒体13Aと称する。
上述のように、本実施の形態の表示素子12Aにおいては、分散媒14中に、第1の実施の形態で説明した凝集粒子28と共に、粒子42が分散された構成とされている。
凝集粒子28は第1の実施の形態で説明したように、互いに逆極性の帯電特性を有する2種類の粒子が静電的に結合した凝集体であり、これらの2種類の粒子が、分散媒14中において分散されることなく一体として振る舞うものである。また、この凝集粒子28は、全体として、正極または負極の帯電特性を有している。
また、本実施の形態では、この凝集粒子28を構成する2種類の粒子(正極粒子28A及び負極粒子28B)は、同色の粒子、すなわち、同じ光学的反射特性を有する粒子とされている。
一方、分散媒14中に分散されている粒子42は、凝集粒子28に対して逆極性の帯電特性を有している。この粒子42は、粒子単体で構成されている。また、この粒子42は、凝集粒子28とは異なる色、すなわち、異なる光学的反射特性を有するように予め調整されている。詳細には、この粒子42は、凝集粒子28とは異なる色とされている。
この粒子42が図6に示すように正極の帯電特性を示す粒子であるとすると、この凝集粒子28を構成する正極粒子28A及び負極粒子28Bの内の、粒子42と逆極性である負極粒子28Bは、粒子42に比べて優先的に正極粒子28Aと凝集体を形成し、且つ形成した凝集体として分散媒14中で安定して(分散することなく)存在するように、その帯電量が調整されている。
この粒子42が負極の帯電特性を示す粒子である場合も同様に、この凝集粒子28を構成する正極粒子28A及び負極粒子28Bの内の、粒子42と逆極性である正極粒子28Aは、粒子42に比べて優先的に負極粒子28Bと凝集体を形成し、且つ形成した凝集体として分散媒14中で安定して(分散することなく)存在するように、その帯電量が調整されている。
この各粒子(正極粒子28A、負極粒子28B、粒子42)の帯電量や極性の調整は、後述する正極粒子28A、負極粒子28B、及び粒子42の製造方法において添加される磁性成分の量や種類、各粒子を構成する材料等によって調整される。
分散媒14中において、正極粒子28A及び負極粒子28Bが、粒子42に比べて優先して凝集体を形成するように帯電量を調整する方法としては、例えば、下記2通りの何れか関係を有するように、各粒子の帯電量を予め調整すればよい。
具体的には、凝集粒子28を構成する正極粒子28A及び負極粒子28Bの内の、粒子42と逆極性の帯電特性を示す一方の種類の粒子1個当たりの帯電量の絶対値が、他方の種類(粒子42と同極性)の粒子1個当たりの帯電量の絶対値及び該第2の粒子の1個当たりの帯電量の絶対値より大きく、且つ該他方の種類(粒子42と同極性)の粒子1個当たりの帯電量の絶対値が、該粒子42の1個当たりの帯電量の絶対値より大きくなるように予め調整すればよい。
例えば、図6に示すように、粒子42が正極に帯電されているとし、凝集粒子28を構成する正極粒子28Aの帯電量を+M(正極)とし、負極粒子28Bの帯電量を−M(負極)とし、粒子42の帯電量を+C(正極)とすると、これらの帯電量の関係が、|−M|>|+M|>|+C|の関係を満たすように予め調整すればよい。
また、例えば、粒子42が負極に帯電されているとし、凝集粒子28を構成する正極粒子28Aの帯電量を+M(正極)とし、負極粒子28Bの帯電量を−M(負極)とし、粒子42の帯電量を+C(正極)とすると、これらの帯電量の関係を、|+M|>|−M|>|−C|の関係を満たすように予め調整すればよい。
また、その他の方法としては、具体的には、凝集粒子28を構成する正極粒子28A及び負極粒子28Bの内の、粒子42と同極性の帯電特性を示す一方の種類の粒子1個当たりの帯電量の絶対値が、該凝集粒子28における他方の種類(粒子42と逆極性)の帯電量の絶対値の合計より小さく、
且つ凝集粒子28を構成する正極粒子28A及び負極粒子28Bの内の、粒子42と同極性の帯電特性を示す一方の種類の粒子の1個当たりの帯電量の絶対値が、他方の種類(粒子42と逆極性)の粒子1個当たりの帯電量の絶対値及び該粒子42の1個当たりの帯電量の絶対値より大きくなるように予め調整すればよい。
例えば、図8に示すように、粒子42が正極に帯電されているとし、凝集粒子28を構成する正極粒子28Aの帯電量を+M(正極)とし、負極粒子28Bの帯電量を−M(負極)とし、粒子42の帯電量を+C(正極)とする。また、凝集粒子28が、1つの正極粒子28Aとn個の負極粒子28B(図8では、n=2)の凝集体であるとする。この場合には、これらの帯電量の関係は、|+M|>|−M|>|+C|の関係を満たし、且つ(|−M|×n)>|+M|の関係を満たすように予め調整すればよい。
上述のように、分散媒14中に分散される凝集粒子28を構成する正極粒子28A及び負極粒子28Bの帯電量、及び粒子42の帯電量及び極性が調整されるので、凝集粒子28を構成する正極粒子28A及び負極粒子28Bの2種類の内の、粒子42と同極性である一方の種類の粒子が、粒子42に比べて優先的に他方の(粒子42と逆極性の)種類の粒子と凝集体を形成し、且つ形成した凝集体として分散媒14中で安定して(分散することなく)存在される。
本実施の形態の表示素子12Aにおいては、第1の実施の形態で説明した表示素子12と同様に、制御部18の制御によって、電圧印加部16から表面電極32及び背面電極38へ、凝集粒子28を表示基板20側へ電気泳動させる電界が該基板間に形成するための電圧が印加されると、凝集粒子28は、表示基板20側へ電気泳動し、凝集粒子28と逆極性の帯電特性を有する粒子42は背面基板22側へ電気泳動する。
表示基板20側に電気泳動した凝集粒子28を構成する各粒子は、図7に示すように、表示基板20の背面基板22の対向面に到達すると、該対向面に沿った形に変形する。これは、凝集粒子28を構成する正極粒子28A及び負極粒子28Bは、静電的に結合された状態とされていることから、該対向面に到達したときの衝撃や表示基板20及び背面基板22の基板間に形成された電界による表示基板20側へと押しつける力によって、容易に変形されるためと考えられる。このため凝集粒子28を単体の粒子として構成した場合に比べて、表示した画像が好適に保持される、といえる。
また、この凝集粒子28を構成する正極粒子28A及び負極粒子28Bは、粒子42に比べて優先的に他方の(粒子42と逆極性の)種類の粒子と凝集体を形成し、且つ形成した凝集体として分散媒14中で安定して(分散することなく)存在される。このため、互いに色及び極性の異なる2種類の粒子を電気泳動する粒子として用いた場合に比べて、異なる色の粒子間(本実施の形態では凝集粒子28と粒子42との間)において、互いに引き合う作用が抑制され、異なる色の粒子の凝集による混色発生が抑制される、と考えられる。
また、この制御部18の制御によって、電圧印加部16から表面電極32及び背面電極38へ、凝集粒子28を背面基板22側へ電気泳動させる電界を該基板間に形成するための電圧が印加されると、凝集粒子28は、背面基板22側へ電気泳動し、粒子42は、表示基板20側へ電気泳動する。
背面基板22側に電気泳動した凝集粒子28を構成する各粒子は、背面基板22の表示基板20の対向面に到達すると、該対向面に沿った形に変形する。これは、凝集粒子28を構成する正極粒子28A及び負極粒子28Bは、静電的に結合された状態とされていることから、該対向面に到達したときの衝撃や表示基板20及び背面基板22の基板間に形成された電界による背面基板22側へと押しつける力によって、容易に変形されるためと考えられる。このため、電気泳動する粒子を単体の粒子として構成した場合に比べて、表示した画像が好適に保持される、といえる。
また、この凝集粒子28を構成する正極粒子28A及び負極粒子28Bは、粒子42に比べて優先的に他方の(粒子42と逆極性の)種類の粒子と凝集体を形成し、且つ形成した凝集体として分散媒14中で安定して(分散することなく)存在される。このため、互いに色及び極性の異なる2種類の粒子を電気泳動する粒子として用いた場合に比べて、異なる色の粒子間(本実施の形態では凝集粒子28と粒子42との間)において、互いに引き合う作用が抑制され、異なる色の粒子の凝集による混色発生が抑制される、と考えられる。
なお、本実施の形態では、電気泳動する粒子として、分散媒14中に、凝集粒子28と、該凝集粒子28とは色が異なり且つ逆極性に帯電された粒子42と、が分散されている場合を説明したが、凝集粒子28及び粒子42の双方が、互いに逆極性の帯電特性を有する2種類の粒子から構成された凝集体であってもよい。
この場合には、図9に示すように、正極粒子28Aと負極粒子28Bとから構成された凝集粒子28と、正極粒子42Aと負極粒子42Bとから構成され、該凝集粒子28とは色及び極性の異なる凝集粒子42と、を、電気泳動する粒子として分散媒14中に分散させた構成とすればよい。
この凝集粒子42は、図9に示すように、凝集粒子28と同様に、正極の帯電特性を有する1または複数の正極粒子42Aと、負極の帯電特性を有する1または複数の負極粒子42Bと、を含んで構成されており、これらが静電的に結合している。分散媒14中に分散されている各凝集粒子42は、表示素子12Aにおいて繰り返し表示が行われた後であっても、各凝集粒子42を構成する正極粒子42Aと負極粒子42Bとの比及びこれらの数等の構成に変化の無い程度に安定して存在している。
そして、この凝集粒子42を構成する正極粒子42A及び負極粒子42Bについて、上記凝集粒子28を構成する正極粒子28A及び負極粒子28Bと同様に、互いに凝集して凝集体を形成し、且つ形成した凝集体として分散媒14中で安定して(分散することなく)存在するように、その帯電量を予め調整すればよい。
このように、分散媒14中に分散させる互いに極性の異なる2種類の電気泳動する粒子として、凝集粒子28、及び該凝集粒子28に対して色及び極性の異なる凝集粒子42を用いることで、凝集粒子28及び凝集粒子42の内の、何れの凝集粒子を表示基板20側または背面基板22側へ電気泳動させた場合においても、表示基板20及び背面基板22の対向する対向面において、各凝集粒子28及び凝集粒子42の各々が、該対向面に沿った形に変形する。このため、凝集粒子28及び凝集粒子42の何れか一方または双方を、単体の粒子として構成した場合に比べて、表示した画像が好適に保持される、といえる。
また、この凝集粒子28を構成する正極粒子28A及び負極粒子28Bは、凝集体として分散媒14中で安定して(分散することなく)存在される。また、この凝集粒子42を構成する正極粒子42A及び負極粒子42Bは、凝集体として分散媒14中で安定して(分散することなく)存在される。
このため、互いに色及び極性の異なる2種類の単体の粒子を電気泳動する粒子として用いた場合に比べて、異なる色の粒子間、すなわち凝集粒子28と凝集粒子42との間において、互いに引き合う作用が抑制され、異なる色の粒子の凝集による混色発生が抑制される、と考えられる。
(粒子の作製方法)
上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態において、電気泳動粒子として用いた凝集粒子28を構成する正極粒子28A及び負極粒子28B、粒子42、該粒子42を凝集体として構成した凝集粒子42を構成する正極粒子42A及び負極粒子42Bの各々の調整方法について説明する。
上記正極粒子28A、負極粒子28B、粒子42、正極粒子42A、及び負極粒子42B(以下、総称する場合には、単に「粒子」と称して説明する。)としては、ガラスビーズ、アルミナ、酸化チタン等の絶縁性の金属酸化物粒子等、熱可塑性若しくは熱硬化性樹脂粒子、これらの樹脂粒子の表面に着色剤を固定したもの、熱可塑性若しくは熱硬化性樹脂中に着色剤を含有する粒子等が挙げられる。
粒子の製造に使用される熱可塑性樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類の単独重合体あるいは共重合体が例示される。
また、粒子の製造に使用される熱硬化性樹脂としては、ジビニルベンゼンを主成分とする架橋共重合体や架橋ポリメチルメタクリレート等の架橋樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等が挙げられる。
着色剤としては、有機若しくは無機の顔料や、油溶性染料等を使用することができ、マグネタイト、フェライト等の磁性紛、カーボンブラック、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、フタロシアニン銅系シアン色材、アゾ系イエロー色材、アゾ系マゼンタ色材、キナクリドン系マゼンタ色材、レッド色材、グリーン色材、ブルー色材等の公知の着色剤が挙げられる。具体的には、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3、等が代表的なものとして例示される。
粒子の樹脂には、必要に応じて、帯電制御剤を混合してもよい。帯電制御剤としては、電子写真用トナー材料に使用される公知のものが使用され、例えば、セチルピリジルクロライド、BONTRON P−51、BONTRON P−53、BONTRON E−84、BONTRON E−81(以上、オリエント化学工業社製)等の第4級アンモニウム塩、サリチル酸系金属錯体、フェノール系縮合物、テトラフェニル系化合物、酸化金属粒子、各種カップリング剤により表面処理された酸化金属粒子が挙げられる。
粒子の表面には、必要に応じて、外添剤を付着させてもよい。外添剤の色は、粒子の色に影響を与えないように、透明であることが望ましい。外添剤としては、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、アルミナ等の金属酸化物等の無機粒子が用いられる。粒子の帯電性、流動性、及び環境依存性等を調整するために、これらをカップリング剤やシリコーンオイルで表面処理してもよい。
粒子を作製する方法としては、従来公知のどの方法を用いてもよい。例えば、特開平7−325434公報記載のように、樹脂、顔料及び帯電制御剤を所定の混合比になるように計量し、樹脂を加熱溶融させた後に顔料を添加して混合、分散させ、冷却した後、ジェットミル、ハンマーミル、ターボミル等の粉砕機を用いて粒子を調製し、得られた粒子をその後分散媒に分散する方法が使用される。また、懸濁重合、乳化重合、分散重合等の重合法やコアセルベーション、メルトディスパージョン、エマルジョン凝集法で帯電制御剤を粒子中に含有させた粒子を調製し、その後分散媒に分散して粒子分散媒を作製してもよい。さらにまた、樹脂が可塑化可能で、分散媒が沸騰せず、かつ、樹脂、帯電制御剤及び/又は着色剤の分解点よりも低温で、前記の樹脂、着色剤、帯電制御剤及び分散媒の原材料を分散及び混錬することができる適当な装置を用いる方法がある。具体的には、流星型ミキサー、ニーダー等で顔料と樹脂、帯電制御剤を分散媒中で加熱溶融し、樹脂の溶媒溶解度の温度依存性を利用して、溶融混合物を撹拌しながら冷却し、凝固/析出させて粒子を作製する。
さらにまた、分散及び混練のための粒状メデイアを装備した適当な容器、例えばアトライター、加熱したボールミル等の加熱された振動ミル中に上記の原材料を投入し、この容器を望ましい温度範囲、例えば80℃以上160℃以下で分散及び混練する方法が使用される。粒状メデイアとしては、ステンレス鋼、炭素鋼等の鋼、アルミナ、ジルコニア、シリカ等が望ましく用いられる。この方法によって粒子を作製するには、あらかじめ流動状態にした原材料をさらに粒状メデイアによって容器内に分散させた後、分散媒を冷却して分散媒から着色剤を含む樹脂を沈殿させる。粒状メデイアは冷却中及び冷却後にも引き続き運動状態を保ちながら、剪断及び/又は、衝撃を発生させ粒子径を小さくする。
上記各粒子(正極粒子28A、負極粒子28B、粒子42、正極粒子42A、及び負極粒子42B)を用いて、上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態で用いた凝集粒子28及び凝集粒子42の帯電量や極性は、例えば、粒子に含まれる帯電制御剤や、磁性材料の添加量、及び用いる材料の種類等を調整することによって、容易に調整される。
これらの各粒子を用いて、凝集粒子28及び凝集粒子42を形成する方法としては、上記に説明したように、凝集粒子28においては、所望の正極粒子28A及び負極粒子28Bとが、同じ分散媒14中に含まれる予定または含まれている他の粒子(例えば、粒子42や、凝集粒子42)に比べて優先して凝集体を形成するように帯電量を調整すればよい。凝集粒子42についても同様に、所望の正極粒子42A及び負極粒子42Bとが、同じ分散媒14中に含まれている他の粒子(例えば、凝集粒子28)に比べて優先して凝集体を形成するように帯電量を調整すればよい。
分散媒14中に、表示媒体として構成したときに、同じセル(表示基板20と背面基板22と間隙部材24とによって囲まれた領域)内に、正極粒子28A及び負極粒子28Bとの凝集粒子28と、単体の粒子である粒子42と、を分散させて、この凝集粒子28と粒子42とを電気泳動する粒子として用いる場合には、上記第2の実施の形態において説明した2通りの何れか関係を有するように、各粒子の帯電量を予め調整し、凝集粒子28と粒子42とを同一セル内の分散媒14中に分散した構成とすればよい。
例えば、図10に示すように、正極に帯電した粒子42と、該粒子42と色の異なる凝集粒子28を構成する粒子として正極粒子28A及び負極粒子28Bを調整する。
粒子42として負極に帯電された粒子を用いるとし、凝集粒子28を構成する正極粒子28Aの帯電量を+M(正極)とし、負極粒子28Bの帯電量を−M(負極)とし、粒子42の帯電量を+C(正極)とすると、これらの帯電量の関係が、|−M|>|+M|>|+C|の関係を満たすように、各粒子の作製時に帯電量を予め調整すればよい。
そして、粒子42と、該粒子42と逆極性の負極粒子28Bと、を、図10に示すように、分散媒14中に分散し、ここに、正極粒子28Aを添加する。そして、これらの粒子42と負極粒子28Bとの分散された分散媒14中に、一対の電極50及び電極52を間隔を空けて設けて、該電極50及び電極52間に、電極50と電極52とに交互に正極及び負極の電圧を印加する。具体的には、電極50側を正極とし、電極52側を負極として電圧を印加した後に、電極50側を負極とし、電極52側を正極として電圧を印加する処理を1工程とし、該工程を数回繰り返す(すなわち交流電圧を印加する)。これによって、負極粒子28B、正極粒子28A、及び粒子42を、電極50及び電極52間で往復運動させる電界が、分散媒14中に形成されることとなる。
この処理によって、分散媒14中に分散されている負極粒子28B、正極粒子28A、及び粒子42の内の、正極粒子28Aと負極粒子28Bとが優先的に静電的に結合し、その結合する粒子の数が、それ以上他の正極粒子28Aまたは負極粒子28Bを凝集体に取り込むことが困難な程度にまで成長する(図11参照)。これによって、さらに分散媒14中に電圧が印加されても、各凝集粒子28を構成する正極粒子28Aと負極粒子28Bとの比及びこれらの数等の構成に変化の無い程度に安定して存在した状態とされる。
以上の工程により、分散媒14中には、粒子42と、正極粒子28A及び負極粒子28Bの凝集粒子28と、が分散された状態となり、凝集粒子28が調整される。
なお、分散媒14中に上記凝集粒子28が形成されたときに、該凝集粒子28として取り込まれなかった正極粒子28Aまたは負極粒子28Bが分散媒14中に残存することを抑制するために、分散媒14中に添加する粒子42、負極粒子28B、正極粒子28Aの添加量、及び各粒子42、負極粒子28B、及び正極粒子28Aの帯電量を上記式(|−M|>|+M|>|+C|)の関係を満たす範囲で調整すればよい。
粒子42として、負極に帯電された粒子42を用いる場合については、例えば、粒子42が負極に帯電されているとし、凝集粒子28を構成する正極粒子28Aの帯電量を+M(正極)とし、負極粒子28Bの帯電量を−M(負極)とし、粒子42の帯電量を+C(正極)とすると、これらの帯電量の関係を、上記式(|−M|>|+M|>|+C|)に変えて、上記式(|+M|>|−M|>|−C|)を満たすように帯電量や極性を予め調整した粒子を用いる以外は同様にして、分散媒14中に負極に帯電された粒子42及び正極に帯電された凝集粒子28の分散された状態を調整すればよい。
また、例えば、凝集粒子28を構成する正極粒子28A及び負極粒子28Bの内の、粒子42と同極性の帯電特性を示す一方の種類の粒子1個当たりの帯電量の絶対値が、該凝集粒子28における他方の種類の帯電量の絶対値の合計より小さく、
且つ凝集粒子28を構成する正極粒子28A及び負極粒子28Bの内の、粒子42と同極性の帯電特性を示す一方の種類の粒子の1個当たりの帯電量の絶対値が、他方の種類の粒子1個当たりの帯電量の絶対値及び該粒子42の1個当たりの帯電量の絶対値より大きくなるように予め調整し、凝集粒子28と粒子42との分散された分散媒14を調整してもよい。
この場合には、例えば、図12に示すように、粒子42が正極に帯電されているとし、凝集粒子28を構成する正極粒子28Aの帯電量を+M(正極)とし、負極粒子28Bの帯電量を−M(負極)とし、粒子42の帯電量を+C(正極)とする。また、凝集粒子28が、1つの正極粒子28Aとn個の負極粒子28Bの凝集体となるように調整するものとする。
この場合には、これらの帯電量の関係は、|+M|>|−M|>|+C|の関係を満たし、且つ(|−M|×n)>|+M|の関係を満たすように、各粒子(粒子42、正極粒子28A、及び負極粒子28B)の帯電量を予め調整する。
そして、粒子42と、該粒子42と逆極性の負極粒子28Bと、を、図12に示すように、分散媒14中に分散し、ここに、正極粒子28Aを添加する。そして、これらの粒子42と負極粒子28Bとの分散された分散媒14中に、一対の電極50及び電極52を間隔を空けて設けて、該電極50及び電極52間に、電極50と電極52とに交互に正極及び負極の電圧を印加する。具体的には、電極50側を正極とし、電極52側を負極として電圧を印加した後に、電極50側を負極とし、電極52側を正極として電圧を印加する処理を1工程とし、該工程を数回繰り返す。これによって、負極粒子28B、正極粒子28A、及び粒子42を、電極50及び電極52間で往復運動させる電界が、分散媒14中に形成されることとなる。
この処理によって、分散媒14中に分散されている負極粒子28B、正極粒子28A、及び粒子42の内の、正極粒子28Aと負極粒子28Bとが優先的に静電的に結合し、その結合する粒子の数が、それ以上他の正極粒子28Aまたは負極粒子28Bを凝集体に取り込むことが困難な程度にまで成長する(図13参照)。これによって、さらに分散媒14中に電圧が印加されても、各凝集粒子28を構成する正極粒子28Aと負極粒子28Bとの比(1対n)及びこれらの数等の構成に変化の無い程度に安定して存在した状態とされる。
以上の工程により、分散媒14中には、粒子42と、正極粒子28A及び負極粒子28Bの凝集粒子28と、が分散された状態となり、凝集粒子28が調整される。
なお、図1及び図2に示すように、分散媒14中に、電気泳動する粒子として、凝集粒子28のみを分散させる場合には、例えば、分散媒14中に分散された状態において該分散媒14中に上記交流電界が形成されることで、粒子(正極粒子28A、負極粒子28B)単体で存在するよりも、互いに極性の異なる2種類の粒子が凝集した状態となる方が、静電的に安定状態となるような、正極粒子28Aと負極粒子28Bとを用いればよい。この静電的な安定状態は、例えば、これらの正極粒子28A及び負極粒子28Bの帯電量、帯電量比、平均粒径、添加量、及び添加量比等を調整すればよい。
そして、上記と同様に、分散媒14中にこれの正極粒子28A及び負極粒子28Bを分散させた後に該分散媒14中に交流電界を形成し、さらに分散媒14中に電圧が印加されても、各凝集粒子28を構成する正極粒子28Aと負極粒子28Bとの比及びこれらの数等の構成に変化の無い程度に安定して存在した状態とされるまで交流電界形成を継続すればよい。これによって、正極粒子28A及び負極粒子28Bの凝集粒子28を調整すればよい。
また、図9に示すように、分散媒14中に、正極に帯電した凝集粒子28と、負極に帯電した凝集粒子42と、の分散された状態を調整するためには、例えば、分散媒14中において、まず、正極粒子28A及び負極粒子28Bの凝集粒子28を、上記方法を用いて調整する。また、別に用意した分散媒14中に、正極粒子42A及び負極粒子42Bの凝集粒子42を、上記方法を用いて調整する。そして、これらの調整される凝集粒子28及び凝集粒子42の極性が逆極性となるように予め各粒子(正極粒子28A、負極粒子28B、正極粒子42A、及び負極粒子42B)の帯電量や極性を調整し、且つ、凝集粒子28及び凝集粒子42の各々として形成されたときに、互いを構成する粒子の混合が生じることなく各々安定した凝集体として存在するように、帯電量を予め調整すればよい。
そして、これらの調整した凝集粒子28及び凝集粒子42を混合することで、互いに逆極性を示し、且つ色の異なる凝集粒子28及び凝集粒子42が分散媒14中に分散された状態を調整すればよい。
上記実施形態の作用を確認するため、以下の試験を行った。なお、以下の実施例中の「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」、「質量%」を表す。
(実施例A1)
―凝集粒子の調整―
電気泳動する粒子として、正極に帯電したシアン粒子Aと、正極に帯電したマゼンタ粒子B、負極に帯電したシアン粒子Cと、の凝集粒子を調整した。なお、詳細は下記に示したが、これらの各粒子の粒子1個当たりの帯電量の絶対値の比は、シアン粒子A:マゼンタ粒子B:シアン粒子C=3:1:2であった。また、本実施例A1で調整した凝集粒子は、該正極に帯電したシアン粒子Aと、正極に帯電したマゼンタ粒子B、負極に帯電したシアン粒子Cと、を1:4:5の質量%比で混合して用いた。
―シアン粒子Cの調整−
――反応性シリコーン系高分子Cの作製――
シリコーン系モノマーであるサイラプレーンFM−0711(チッソ社製):95質量部、グリシジルジメタクリレート5質量部をシリコーンオイル(信越シリコーン社製KF−96L−2CS)100質量部と混合し、重合開始剤としてアゾビスバレロニトリル(和光純薬製:V−65)を0.2質量部添加して、55℃、10時間重合を実施し、エポキシ基をもった反応性シリコーン系高分子C(反応性分散剤)を作製した。重量平均分子量は80万であった。そして、反応性シリコーン系高分子Cの3質量%シリコーンオイル溶液を準備した。
――表示用粒子分散液の作製――
次に、帯電基を持つ高分子としてのポリメタクリル酸(和光純薬製:重量平均分子量5万)の10質量%水溶液を準備した。次に、Ciba製水分散顔料溶液(ユニスパース・シアン色:顔料濃度26質量%)1質量部に、上記ポリメタクリル酸10質量%水溶液3質量部及びこれを中和するための化学量論量のトリエチルアミンを混合し、この混合溶液を上記反応性シリコーン系高分子Cの3質量%シリコーン溶液10質量部に混合し、これを超音波破砕機(エスエムテー社製UH−600S)で攪拌し、帯電基を持つ高分子及び顔料を含む水溶液をシリコーンオイル中に分散・乳化した懸濁液を調製した。
次に、この懸濁液を減圧(2KPa)、加熱(70℃)を1時間実施して水分を除去し、シリコーンオイル中に帯電基を持つ高分子及び顔料を含んだシアン着色粒子が分散したシリコーンオイル分散液を得た。さらに、この分散液を100℃で3時間加熱して上記反応性シリコーン系高分子Cを着色粒子表面に反応させて結合させた。この状態では未結合の反応性シリコーン系高分子Cが溶液中に共存する状態であり、この未結合の反応性シリコーン系高分子を利用してさらに高分子ゲル層を形成するためにエポキシ重合触媒としてトリエチルアミン0.2gを添加して100℃/3時間加熱した。反応後、遠心分離装置を用いて粒子を沈降、シリコーンオイル洗浄を繰り返し、精製を行なった。
さらにシリコーンオイルで濃度を調整して、5質量%のシアン色粒子C分散液(シアン色)を作製した。
作製した表示用粒子分散液の表示用粒子の体積平均粒子径を測定(ホリバLA−300:レーザー光散乱・回折式粒度測定装置)した結果、380nmであった。
表示用粒子分散液の一部の表示用粒子を遠心沈降させた後、メタノールを添加して着色粒子を溶解・洗浄後、残存物を光学分析した結果、高分子ゲルが生成されており、その量から高分子ゲル層は着色粒子に対して30質量%で形成されていることがわかった。
本表示用粒子分散液中の表示用粒子の帯電極性を、2枚の電極基板間に該分散液を封入し、直流電圧を印加して泳動方向を評価した結果、負帯電であった。
上記調整したシアン粒子Cの帯電量を、泳動電流値を測定し、それを粒子数で換算することにより求めたところ、粒子1個当たりの平均帯電量は−1.0×10−7(C/個)であった。
―シアン粒子Aの調整−
上記負極に帯電され、平均粒径380nmで、且つ粒子1個当たりの平均帯電量が1×10−7(C/個)である上記シアン粒子Cに対して、その帯電量の絶対値の3/2倍の帯電量の絶対値を示し、且つ正極に帯電されたシアン粒子Aを調整した。
帯電基を持つ高分子として、N−ビニルピロリドンとN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレートとの質量比で8/2の共重合体(重量平均分子量6万)を通常のラジカル溶液重合で合成した。さらにこの樹脂をイソプロパノール中で該アミノ基に対して当モル以上のヨウ化エチルを添加し、80℃で1時間加熱することでアミノ基の4級化を実施し、再度、固体として精製した。
シアン粒子Aの調整方法としては、上記シアン粒子Cについて、帯電樹脂として本樹脂を用いたこと以外は、シアン粒子Aと同じ製法により、5質量%のシアン色粒子A分散液(シアン色)を作製した。
作製した表示用粒子分散液の表示用粒子の体積平均粒子径を測定(ホリバLA−300:レーザー光散乱・回折式粒度測定装置)した結果、380nmであった。
表示用粒子分散液の一部の表示用粒子を遠心沈降させた後、メタノールを添加して着色粒子を溶解・洗浄後、残存物を光学分析した結果、高分子ゲルが生成されており、その量から高分子ゲル層は着色粒子に対して30質量%で形成されていることがわかった。
本表示用粒子分散液中の表示用粒子の帯電極性を、2枚の電極基板間に該分散液を封入し、直流電圧を印加して泳動方向を評価した結果、正帯電であった。
上記調整したシアン粒子Cの帯電量を、泳動電流値を測定し、それを粒子数で換算することにより求めたところ、粒子1個当たりの平均帯電量は1.6×10−7(C/個)であった。
―マゼンタ粒子Bの調整−
――帯電基を持つ高分子の作製――
N−ビニルピロリドンとN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレートとの質量比で9/1の共重合体(重量平均分子量6万)を通常のラジカル溶液重合で合成した。さらに、この共重合体(高分子)のイソプロパノール溶液中に、当該共重合体(高分子)が持つアミノ基に対して当モル以上のヨウ化エチルを添加し、80℃で1時間加熱することでアミノ基の4級化を実施した後、当該共重合体を精製した。これを帯電基を持つ高分子とした。
上記帯電基を持つ高分子と共に、Ciba製水分散顔料溶液(ユニスパース・マゼンタ色:顔料濃度16質量%)を用いた以外は、シアン粒子Cと同様にして、5質量%のマゼンタ粒子B分散液を作製した。
作製したマゼンタ粒子Bの体積平均粒子径を測定(ホリバLA−300:レーザー光散乱・回折式粒度測定装置)した結果、350nmであった。
また、調整したマゼンタ粒子Bの帯電極性を、2枚の電極基板間に該分散液を封入し、直流電圧を印加して泳動方向を評価した結果、正帯電であった。
上記調整したマゼンタ粒子Bの帯電量を、泳動電流値を測定し、それを粒子数で換算することにより求めたところ、粒子1個当たりの平均帯電量は0.5×10−7(C/個)であった。
このため、上記調整したシアン粒子A(正極)、マゼンタ粒子B(正極)、及びシアン粒子C(負極)の各粒子の粒子1個当たりの帯電量の絶対値の比は、シアン粒子A:マゼンタ粒子B:シアン粒子C=3:1:2であった。
―反射部材の調整―
反射部材として、下記酸化チタン含有粒子(平均粒径14μm)を調整した。
−分散液AAの調製−
下記成分を混合し、10mmΦのジルコニアボールにてボールミル粉砕を20時間実施して分散液AAを調製した。
<組成>
・メタクリル酸シクロヘキシル :53質量部
・酸化チタン1(白色顔料) (一次粒子径0.3μm、タイペークCR63:石原産業社製) :45質量部
・シクロヘキサン:5質量部
−炭カル分散液ABの調製−
下記成分を混合し、上記と同様にボールミルにて微粉砕して炭カル分散液ABを調製した。
<組成>
・炭酸カルシウム:40質量部
・水:60質量部
−混合液ACの調製−
下記成分を混合し、超音波機で脱気を10分間おこない、ついで乳化機で攪拌して混合液ACを調製した。
<組成>
・2質量%セロゲン水溶液(第一製薬工業社製 セロゲン5Aの2質量%水溶液):4.3g
・炭カル分散液AB:8.5g
・20%食塩水:50g
分散液AA35gとジビニルベンゼン1g、重合開始剤AIBN:0.35gをはかりとり、充分混合し、超音波機で脱気を10分おこなった。これを前記混合液ACに加え、乳化機で乳化を実施した。次にこの乳化液をビンにいれ、シリコーン詮をし、注射針を使用し、減圧脱気を充分行い、窒素ガスで封入した。次に65℃で15時間反応させ粒子を調製した。冷却後、この分散液を凍結乾燥機により−35℃、0.1Paの下で、2日間でシクロヘキサンを除去した。得られた粒子粉をイオン交換水中に分散させ、塩酸水で炭酸カルシウムを分解させ、ろ過を行った。その後充分な蒸留水で洗浄し、目開き:14μm、25μmのナイロン篩にかけ、粒度を揃えた。これを乾燥させ、平均粒子径14.5μmの白粒子群を得た。これを複数の白色の粒子からなる反射部材とした。
上記作製したシアン粒子A、マゼンタ粒子B、シアン粒子C、及び反射部材を用いて、図1に示す表示素子を作製した。
−表示素子の作製―
表示基板としては、70mm×50mm×1.1mm(厚み)の透明な導電性のITO支持基板を使用した。また、背面基板としては、70mm×50mm×1.1mm(厚み)の透明な導電性のITO支持基板を用いた。なお、これらの基板に設けられたITO電極は、各々基板の面方向の全領域に渡って設けられた、所謂、ベタ電極とした。
次に、上記背面基板上に間隙部材を設け、高さ100μmとなるように形成した。
なお、間隙部材は、背面基板22にエポキシ樹脂(MicroChem Corp.製SU−8)を塗布した後、露光及びウエットエッチングを行うことにより形成した。この間隙部材は20mm×20mm、高さ10μm、幅2mmとした。
上述のようにして調整したシアン粒子A分散液、マゼンタ粒子B分散液、シアン粒子C分散液を、1:4:4の分量比で混合すると共に、上記調整した反射部材としての白色粒子をジメチルシリコーンオイル(信越シリコーン社製KF−96L 2csを100質量%に対して10質量%添加した分散液を、上記間隙部材の形成された背面基板上に充填することにより、各セル内(間隙部材によって区画化された各領域)に混合粒子の分散液を充填した。
なお、反射部材は、上記反射部材として調整した白色粒子を上記割合で混合することによって、表示基板と背面基板との対向方向に直交する方向に添って後工程により調整される凝集粒子が通過可能な間隙をもって反射部材としての白色の粒子を配列させると共に、反射部材と表示基板及び背面基板までの距離が、略等距離となるようにセル内に設けた。
この、シアン粒子A分散液、マゼンタ粒子B分散液、シアン粒子C分散液の分散されたセル内に、ITO電極を1mm間隔で対向して浸漬し、±300V、0.1Hzの矩形波交流電圧を10分間印加した。その結果、分散媒(シリコーンオイル)中に分散されたシアン粒子A、マゼンタ粒子B、及びシアン粒子Cがほぼ全凝集した凝集粒子が作製されていることが確認された。全粒子が凝集していることは、逆電圧を印加した際に、表示面に泳動してくる粒子が存在しないことにより確認された。この凝集粒子の色は、シアン色であり、正極に帯電されていた。
さらに、間隙部材上に、上記表示基板を配置して、周囲を紫外線硬化型接着剤(Norland社製)で封止固定した後に紫外線を照射した。これによって、表示素子を作製した。
(評価)
実施例A1で作製した表示素子の表示基板側の電極が負極となり、背面基板側の電極が正極となるように両電極に12Vの電圧を60秒間印加したところ、該表示素子中の上記シアン色の凝集粒子の表示基板側への移動が確認された。
そして、この表示基板側の電極が負極となり、背面基板側の電極が正極となるように両電極に12Vの電圧を60秒間印加した直後と、該電圧印加を解除してから24時間経過後と、の双方について、表示基板の面の全領域の内の端部と中央部を含む10点について、濃度を濃度計(X−Rite社製、X−Rite404A)により測定し、この測定結果の濃度平均値を比較した。その結果、電圧印加直後と、24時間経過後と、において濃度平均値の低下は、3%以下であった。
(実施例A2)
―凝集粒子の調整―
電気泳動する粒子として、正極に帯電したマゼンタ粒子Dと、正極に帯電したマゼンタ粒子E、負極に帯電したマゼンタ粒子Fと、の凝集粒子を調整した。なお、詳細は下記に示したが、これらの各粒子の粒子1個当たりの帯電量の絶対値の比は、マゼンタ粒子D:マゼンタ粒子E:マゼンタ粒子F=3:1:2であった。また、本実施例A2で調整した凝集粒子は、該正極に帯電したマゼンタ粒子Dと、正極に帯電したマゼンタ粒子E、負極に帯電したマゼンタ粒子Fと、を1:4:2の重量%比で混合して用いた。
―マゼンタ粒子Dの調整−
−帯電基を持つ高分子の作製−
N−ビニルピロリドンとN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレートとの質量比で7/3の共重合体(重量平均分子量6万)を通常のラジカル溶液重合で合成した。さらに、この共重合体(高分子)のイソプロパノール溶液中に、当該共重合体(高分子)が持つアミノ基に対して当モル以上のヨウ化エチルを添加し、80℃で1時間加熱することでアミノ基の4級化を実施した後、当該共重合体を精製した。これを帯電基を持つ高分子とした。
上記帯電基を持つ高分子と共に、Ciba製水分散顔料溶液(ユニスパース・マゼンタ色:顔料濃度16質量%)を用いた以外は、シアン粒子Cと同様にして、5質量%のマゼンタ粒子D分散液を作製した。
作製したマゼンタ粒子Dの体積平均粒子径を測定(ホリバLA−300:レーザー光散乱・回折式粒度測定装置)した結果、350nmであった。
また、調整したマゼンタ粒子Bの帯電極性を、2枚の電極基板間に該分散液を封入し、直流電圧を印加して泳動方向を評価した結果、正帯電であった。
上記調整したマゼンタ粒子Dの帯電量を、泳動電流値を測定し、それを粒子数で換算することにより求めたところ、粒子1個当たりの平均帯電量は、2.1×10−7(C/個)であった。
―マゼンタ粒子Eの調整−
上記マゼンタ粒子Dの作製において、N−ビニルピロリドンとN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレートとの質量比で9/1にした以外は、マゼンタ粒子Dと同様にして、5質量%のマゼンタ粒子E分散液を作製した。
作製したマゼンタ粒子Eの体積平均粒子径を測定(ホリバLA−300:レーザー光散乱・回折式粒度測定装置)した結果、350nmであった。
また、調整したマゼンタ粒子Eの帯電極性を、2枚の電極基板間に該分散液を封入し、直流電圧を印加して泳動方向を評価した結果、正帯電であった。
上記調整したマゼンタ粒子Eの帯電量を、泳動電流値を測定し、それを粒子数で換算することにより求めたところ、粒子1個当たりの平均帯電量は、0.5×10−7(C/個)であった。
―マゼンタ粒子Fの調整−
――反応性シリコーン系高分子Aの作製――
まず、シリコーン系モノマーであるサイラプレーンFM−0711(チッソ社製):95質量部、及びグリシジルメタクリレート5質量部を、ジメチルシリコーンオイル(信越シリコーン社製KF−96L 2cs)100質量部と混合し、重合開始剤としてアゾビスバレロニトリル(和光純薬製:V−65)を0.5質量部添加して、55℃、10時間、重合を実施し、エポキシ基をもった反応性シリコーン系高分子A(反応性分散剤)を作製した。重量平均分子量は80万であった。そして、ジメチルシリコーンオイル(信越シリコーン社製KF−96L 2cs)で希釈することで反応性シリコーン系高分子Aの3質量%シリコーンオイル溶液を準備した。
――表示用粒子分散液の作製――
次に、帯電基を持つ高分子としての市販品(和光純薬製)のポリメタクリル酸(重量平均分子量5万)の10質量%水溶液を準備した。次に、Ciba製水分散顔料溶液(ユニスパース・マゼンタ色:顔料濃度16質量%)1質量部に、上記ポリメタクリル酸10質量%水溶液3質量部及びトリエチルアミン0.36質量部を混合し、この混合溶液を上記反応性シリコーン系高分子Aの3質量%シリコーンオイル溶液10質量部に混合し、これを超音波破砕機(エスエムテー社製UH−600S)で10分間攪拌し、帯電基を持つ高分子及び顔料を含む水溶液をシリコーンオイル中に分散・乳化させた懸濁液を調製した。
次に、この懸濁液を減圧(2KPa)、加熱(70℃)を1時間実施して水分を除去し、シリコーンオイル中に帯電基を持つ高分子及び顔料を含んだマゼンタ粒子が分散したシリコーンオイル分散液を得た。さらに、この分散液を100℃で3時間加熱して反応性シリコーン系高分子A(非架橋体)を着色粒子表面に反応させて結合させた。
次に、反応性シリコーン系高分子Aを着色粒子表面に反応させた後のシリコーンオイル分散液中に、エポキシ重合触媒(架橋剤)としてトリエチルアミン0.2質量部添加し後、100℃で3時間加熱をして、当該分散液中で残存して共存状態にある未反応の反応性シリコーン系高分子Aを架橋した。これにより、シリコーン系高分子ゲル生成すると共に、これによる高分子ゲル層が着色粒子を覆って形成した。この状態では未結合のシリコーン系反応性分散剤Cが溶液中に共存する状態であり、この未結合の反応性シリコーン分散剤を利用してさらに高分子ゲル層を形成するためにエポキシ重合触媒としてトリエチルアミン0.2gを添加して100℃/3時間加熱した。
反応後、遠心分離装置を用いて粒子を沈降、シリコーンオイル洗浄を繰り返し、精製を行なった。さらにシリコーンオイルで濃度を調整して、5質量%のマゼンタ粒子F分散液を作製した。
作製したマゼンタ粒子F分散液中のマゼンタ粒子Fの体積平均粒子径を測定(ホリバLA−300:レーザー光散乱・回折式粒度測定装置)した結果、400nmであった。
この表示用粒子のマゼンタ粒子Fの帯電極性を、2枚の電極基板間に該分散液を封入し、直流電圧を印加して泳動方向を評価した結果、負帯電であった。
上記調整したマゼンタ粒子Fの帯電量を、泳動電流値を測定し、それを粒子数で換算することにより求めたところ、粒子1個当たりの平均帯電量は、−1.0×10−7(C/個)であった。
このため、上記調整したマゼンタ粒子D(正極)、マゼンタ粒子E(正極)、及びマゼンタ粒子F(負極)の各粒子の粒子1個当たりの帯電量の絶対値の比は、マゼンタ粒子D:マゼンタ粒子E:マゼンタ粒子F=1:4:2であった。
上記作製したマゼンタ粒子D、マゼンタ粒子E、マゼンタ粒子F、及び実施例A1で調整した反射部材を用いて、図1に示す表示素子を作製した。
−表示素子の作製―
表示基板としては、70mm×50mm×1.1mm(厚み)の透明な導電性のITO支持基板を使用した。また、背面基板としては、70mm×50mm×1.1mm(厚み)の透明な導電性のITO支持基板を用いた。なお、これらの基板に設けられたITO電極は、各々基板の面方向の全領域に渡って設けられた、所謂、ベタ電極とした。
次に、上記背面基板上に間隙部材を設け、高さ100μmとなるように形成した。
なお、間隙部材は、背面基板22にエポキシ樹脂(MicroChem Corp.製SU−8)を塗布した後、露光及びウエットエッチングを行うことにより形成した。この間隙部材は20mm×20mm、高さ10μm、幅2mmとした。
上述のようにして調整したマゼンタ粒子D分散液、マゼンタ粒子E分散液、マゼンタ粒子F分散液を、1:4:2の分量比で混合すると共に、上記調整した反射部材としての白色粒子を―ジメチルシリコーンオイル(信越シリコーン社製KF−96L 2cs―を100質量%に対して10質量%添加した分散液を、上記間隙部材の形成された背面基板上に充填することにより、各セル内(間隙部材によって区画化された各領域)に混合粒子の分散液を、実施例A1と同様にして充填した。
この、マゼンタ粒子D、マゼンタ粒子E、及びマゼンタ粒子Fの分散されたセル内に、ITO電極を1mm間隔で対向して浸漬し、±300V、0.1Hzの矩形波交流電圧を10分間印加した。その結果、分散媒(シリコーンオイル)中に分散されたシアン粒子D、マゼンタ粒子E、及びシアン粒子Fがほぼ全凝集した凝集粒子が作製されていることが確認された。全粒子が凝集していることは、逆電圧を印加した際に、表示面に泳動してくる粒子が存在しないことにより確認された。この凝集粒子の色は、マゼンタ色であり、正極に帯電されていた。
さらに、間隙部材上に、上記表示基板を配置して、周囲を紫外線硬化型接着剤(Norland社製)で封止固定した後に紫外線を照射した。これによって、表示素子を作製した。
(評価)
実施例A2で作製した表示素子の表示基板側の電極が負極となり、背面基板側の電極が正極となるように両電極に12Vの電圧を60秒間印加したところ、該表示素子中の上記シアン色の凝集粒子の表示基板側への移動が確認された。そして、この表示基板側の電極が負極となり、背面基板側の電極が正極となるように両電極に12Vの電圧を60秒間印加した直後と、該電圧印加を解除してから24時間経過後と、の双方について、表示基板の面の全領域の内の端部と中央部を含む10点について、濃度を濃度計(X−Rite社製、X−Rite404A)により測定し、この測定結果の濃度平均値を比較した。その結果、電圧印加直後と、24時間経過後と、において濃度平均値の低下は、3%以下であった。
(比較例A1)
比較例A1では、実施例A1で調整したシアン粒子A、マゼンタ粒子B、及びシアン粒子Cの内の、シアン粒子A及びマゼンタ粒子Bのみを用いて、これらを1:4の重量%比で混合し表示素子を作製し、実施例A1と同じ評価を行った。
具体的には、実施例A1の表示素子の作製において、実施例A1において各セル内に充填した「シアン粒子A分散液、マゼンタ粒子B分散液、シアン粒子C分散液を、1:4:4の分量比で混合すると共に、上記調整した反射部材としての白色粒子をジメチルシリコーンオイル(信越シリコーン社製KF−96L 2csを100質量%に対して10質量%添加した分散液)に変えて、「シアン粒子A分散液、マゼンタ粒子B分散液を、1:4の分量比で混合すると共に、上記実施例A1で調整した反射部材としての白色粒子をジメチルシリコーンオイル(信越シリコーン社製KF−96L 2csを100質量%に対して10質量%添加した分散液」に変えた以外は、実施例A1と同じ方法により、各セル内に該分散液を充填した。
次に、このシアン粒子A、マゼンタ粒子Bの分散されたセル内に、ITO電極を1mm間隔で対向して浸漬し、±300V、0.1Hzの矩形波交流電圧を10分間印加した。
しかし、シアン粒子A及びマゼンタ粒子Bの凝集は生じず、凝集粒子は全く作製されず、各粒子がそのまま単体で分散媒中に存在していることが確認された。
(評価)
比較例A1で作製した表示素子の表示基板側の電極が負極となり、背面基板側の電極が正極となるように両電極に12Vの電圧を60秒間印加したところ、該表示素子中の上記シアン粒子A及びマゼンタ粒子Bの双方の、表示基板側への移動が確認された。
そして、この表示基板側の電極が負極となり、背面基板側の電極が正極となるように両電極に12Vの電圧を60秒間印加した直後と、該電圧印加を解除してから24時間経過後と、の双方について、表示基板の面の全領域の内の端部と中央部を含む10点について、濃度を濃度計(X−Rite社製、X−Rite404A)により測定し、この測定結果の濃度平均値を比較した。その結果、電圧印加直後と、24時間経過後と、において濃度平均値の低下は、80%以上であった。
(実施例A1、A2、及び比較例A1についての評価結果について)
上記実施例A1、A2に示されるように、電気泳動する粒子を正極の粒子と負極の粒子とからなる凝集粒子とした場合には、単体の粒子を電気泳動する粒子として用いた比較例A1に比べて、表示基板側に粒子または凝集粒子を移動させた直後と、24時間経過後、とにおける濃度平均値の変化が小さい、という結果が得られた。このため、実施例A1、A2では、比較例A1に比べて好適に画像が保持されている、という結果が得られた。
(実施例B1)
―凝集粒子の調整―
電気泳動する粒子として、負極に帯電したマゼンタ粒子Gと、正極に帯電したシアン粒子Hと、の凝集粒子と、正極に帯電したマゼンタ粒子Iと、を調整した。
なお、詳細は下記に示したが、これらの各粒子の粒子1個当たりの帯電量の絶対値の関係は、マゼンタ粒子G>マゼンタ粒子I>シアン粒子H、の関係を示した。
その比は、マゼンタ粒子G:マゼンタ粒子I:シアン粒子H=10:5:3であった。また、本実施例B1では、分散媒中に、これらの負極に帯電したマゼンタ粒子Gと、正極に帯電したシアン粒子Hと、正極に帯電したマゼンタ粒子Iと、を1:4:1の質量%比で混合して用いた。
―負極に帯電したマゼンタ粒子Gの調整−
マゼンタ粒子Gとしては、上記調整したマゼンタ粒子F(負帯電 −1.0×10−7(C/個)体積平均粒子径400nm)を用いた。
−正極に帯電したマゼンタ粒子Iの調整−
マゼンタ粒子Iとしては、上記に調整したマゼンタ粒子E(正帯電 0.5×10−7(C/個)体積平均粒子径350nm)を用いた。
―正極に帯電したシアン粒子Hの調整−
シアン粒子Hとしては、上記調整したシアン粒子Aの調整において、「N−ビニルピロリドンとN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレートとの質量比」を、で9.5/0.5の共重合体とした以外は、シアン粒子Aと同じ方法によりシアン粒子Hを調整した。調整されたシアン粒子Hの帯電量は0.3×10−7(C/個)であり、体積平均粒子径は380nmであった。
上記作製したマゼンタ粒子G、シアン粒子H、及びマゼンタ粒子I、及び実施例A1で調整した反射部材を用いて、図5に示す表示素子を作製した。
−表示素子の作製―
表示基板としては、70mm×50mm×1.1mm(厚み)の透明な導電性のITO支持基板を使用した。また、背面基板としては、70mm×50mm×1.1mm(厚み)の透明な導電性のITO支持基板を用いた。なお、これらの基板に設けられたITO電極は、各々基板の面方向の全領域に渡って設けられた、所謂、ベタ電極とした。
次に、上記背面基板上に間隙部材を設け、高さ100μmとなるように形成した。
なお、間隙部材は、背面基板22にエポキシ樹脂(MicroChem Corp.製SU−8)を塗布した後、露光及びウエットエッチングを行うことにより形成した。この間隙部材は20mm×20mm、高さ10μm、幅2mmとした。
上述のようにして調整したマゼンタ粒子G分散液、マゼンタ粒子I分散液、及びシアン粒子H分散液を、1:1:4の体積比で混合すると共に、上記調整した反射部材としての白色粒子をジメチルシリコーンオイル(信越シリコーン社製KF−96L 2csを100質量%に対して10質量%添加した分散液を、上記間隙部材の形成された背面基板上に充填することにより、各セル内(間隙部材によって区画化された各領域)に混合粒子の分散液を充填した。
なお、反射部材は、上記反射部材として調整した白色粒子を上記割合で混合することによって、表示基板と背面基板との対向方向に直交する方向に添って後工程により調整される凝集粒子が通過可能な間隙をもって反射部材としての白色の粒子を配列させると共に、反射部材と表示基板及び背面基板までの距離が、略等距離となるようにセル内に設けた。
この、マゼンタ粒子G、マゼンタ粒子I、及びシアン粒子Hの分散されたセル内に、ITO電極を1mm間隔で対向して浸漬し、±300V、0.1Hzの矩形波交流電圧を10分間印加した。その結果、分散媒(シリコーンオイル)中に分散されたマゼンタ粒子G、マゼンタ粒子I、及びシアン粒子Hの内の、マゼンタ粒子G及びマゼンタ粒子Iが凝集した凝集粒子が作製されていることが確認された。凝集体が粒子Gと粒子Iから形成されていることの確認は、粒子I(マゼンタ:正帯電)由来の粒子が負極側に観測されないこと、および粒子H(シアン:正帯電)由来の粒子が正極側に観測されないことにより行った。この凝集粒子の色は、マゼンタ色であり、負極に帯電されていた。
さらに、間隙部材上に、上記表示基板を配置して、周囲を紫外線硬化型接着剤(Norland社製)で封止固定した後に紫外線を照射した。これによって、分散媒中に、マゼンタ粒子Gとマゼンタ粒子Iによる凝集粒子と、シアン粒子Hと、の分散された表示素子を作製した。
(評価)
実施例B1で作製した表示素子の表示基板側の電極が正極となり、背面基板側の電極が負極となるように両電極に12Vの電圧を60秒間印加したところ、該表示素子中の上記凝集粒子の表示基板側への移動が確認された。
そして、この表示基板側の電極が正極となり、背面基板側の電極が負極となるように両電極に12Vの電圧を60秒間印加した直後と、該電圧印加を解除してから
24 時間経過後と、の双方について、表示基板の面の全領域の内の端部と中央部を含む10点について、濃度を濃度計(X−Rite社製、X−Rite404A)により測定し、この測定結果の濃度平均値を比較した。その結果、電圧印加直後と、24時間経過後と、において濃度平均値の低下は、5%以内であった。
次に、表示基板側の電極が負極となり背面基板側の電極が正極となるように両電極に、12Vの電圧を5秒間印加した後に、再度、表示基板側の電極が正極となり背面基板側の電極が負極となるように両電極に12Vの電圧を印加する処理を一連の処理として、1000回繰り返した後に、表示基板側の電極が正極となり、背面基板側の電極が負極となるように両電極に12Vの電圧を60秒間印加して表示基板側に凝集粒子を移動させた。
この繰り返し表示後に再度凝集粒子が表示基板側へ移動された表示素子について、表面基板の面の全領域の内の端部と中央部を含む10点について、シアン色濃度を濃度計(X−Rite社製、X−Rite404A)により測定し、濃度平均値を1000回繰返し前の値と比較したところ、97%の色濃度が確認された。
このため、繰り返し表示を行った後であっても、良好な色再現性が確認された。
(比較例B1)
―粒子の調整―
電気泳動する粒子として、実施例B1で調整した、負極に帯電したマゼンタ粒子Gと、正極に帯電したシアン粒子Hと、を用いた。
なお、本比較例B1では、分散媒中に、これらの負極に帯電したマゼンタ粒子Gと、正極に帯電したシアン粒子Hと、を1:2の重量%比で混合して用いた。
上記実施例B1で作製したマゼンタ粒子G、シアン粒子H、及び実施例A1で調整した反射部材を用いて表示素子を作製した。
−表示素子の作製―
表示基板としては、70mm×50mm×1.1mm(厚み)の透明な導電性のITO支持基板を使用した。また、背面基板としては、70mm×50mm×1.1mm(厚み)の透明な導電性のITO支持基板を用いた。なお、これらの基板に設けられたITO電極は、各々基板の面方向の全領域に渡って設けられた、所謂、ベタ電極とした。
次に、上記背面基板上に間隙部材を設け、高さ100μmとなるように形成した。
なお、間隙部材は、背面基板22にエポキシ樹脂(MicroChem Corp.製SU−8)を塗布した後、露光及びウエットエッチングを行うことにより形成した。この間隙部材は20mm×20mm、高さ10μm、幅2mmとした。
上述のようにして調整したマゼンタ粒子G分散液、及びシアン粒子H分散液を、1:4の体積比で混合すると共に、上記調整した反射部材としての白色粒子をジメチルシリコーンオイル(信越シリコーン社製KF−96L 2csを100質量%に対して10質量%添加した分散液を、上記間隙部材の形成された背面基板上に充填することにより、各セル内(間隙部材によって区画化された各領域)に混合粒子の分散液を充填した。
なお、反射部材は、上記反射部材として調整した白色粒子を上記割合で混合することによって、表示基板と背面基板との対向方向に直交する方向に添って後工程により調整される凝集粒子が通過可能な間隙をもって反射部材としての白色の粒子を配列させると共に、反射部材と表示基板及び背面基板までの距離が、略等距離となるようにセル内に設けた。
この、マゼンタ粒子G、及びシアン粒子Hの分散されたセル内に、ITO電極を1mm間隔で対向して浸漬し、±300V、0.1Hzの矩形波交流電圧を10分間印加した。しかし、凝集粒子は作製されず、一部マゼンタ粒子Gとシアン粒子Hの凝集がみられたが、繰り返しの交流電圧印加により、凝集が解除される場合があり、本実施の形態で称する「凝集粒子」が作製されたとはいえなかった。
さらに、間隙部材上に、上記表示基板を配置して、周囲を紫外線硬化型接着剤(Norland社製)で封止固定した後に紫外線を照射した。これによって、分散媒中に、マゼンタ粒子Gと、シアン粒子Hと、の分散された表示素子を作製した。
(評価)
比較例B1で作製した表示素子の表示基板側の電極が正極となり、背面基板側の電極が負極となるように両電極に12Vの電圧を60秒間印加したところ、該表示素子中のマゼンタ粒子Gの表示基板側への移動が確認された。
そして、この表示基板側の電極が正極となり、背面基板側の電極が負極となるように両電極に12Vの電圧を60秒間印加した直後と、該電圧印加を解除してから24時間経過後と、の双方について、表示基板の面の全領域の内の端部と中央部を含む10点について、濃度を濃度計(X−Rite社製、X−Rite404A)により測定し、この測定結果の濃度平均値を比較した。その結果、電圧印加直後と、24時間経過後と、において濃度平均値の低下は、80%以上であった。
次に、表示基板側の電極が負極となり背面基板側の電極が正極となるように両電極に、12Vの電圧を5秒間印加した後に、再度、表示基板側の電極が正極となり背面基板側の電極が負極となるように両電極に12Vの電圧を印加する処理を一連の処理として、1000回繰り返した後に、表示基板側の電極が正極となり、背面基板側の電極が負極となるように両電極に12Vの電圧を60秒間印加して表示基板側に凝集粒子を移動させた。
この繰り返し表示後に再度マゼンタ粒子Gが表示基板側へ移動される電圧の印加された表示素子について、表面基板の面の全領域の内の端部と中央部を含む10点について、シアン色濃度を濃度計(X−Rite社製、X−Rite404A)により測定し、濃度平均値を1000回繰返し前の値と比較したところ、70%であった。繰返し駆動を行ううちに粒子Gと粒子Hの凝集体が形成されたため、色再現性が低下したものと考えられる。
このため、繰り返し表示を行った後には、色再現正の低下が確認された。
(実施例B1、及び比較例B1についての評価結果について)
上記実施例B1に示されるように、電気泳動する粒子を、正極の粒子と負極の粒子とからなる凝集粒子と、粒子単体で存在する粒子と、から構成した場合には、単体の粒子のみを電気泳動する粒子として用いた比較例B1に比べて、表示基板側に粒子または凝集粒子を移動させた直後と、24時間経過後、とにおける濃度平均値の変化が小さい、という結果が得られた。このため、実施例B1では、比較例B1に比べて好適に画像が保持されている、という結果が得られた。
さらに、上記実施例B1に示されるように、電気泳動する粒子を、正極の粒子と負極の粒子とからなる凝集粒子と、粒子単体で存在する粒子と、から構成した場合には、単体の粒子のみを電気泳動する粒子として用いた比較例B1に比べて、繰り返し表示を行った後であっても、色再現性の低下が抑制されている、という結果が得られた。