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JP2010033875A - 有機硫黄化合物を含んでなる正極合材、及びそれを用いた全固体二次電池 - Google Patents

有機硫黄化合物を含んでなる正極合材、及びそれを用いた全固体二次電池 Download PDF

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JP2010033875A
JP2010033875A JP2008194549A JP2008194549A JP2010033875A JP 2010033875 A JP2010033875 A JP 2010033875A JP 2008194549 A JP2008194549 A JP 2008194549A JP 2008194549 A JP2008194549 A JP 2008194549A JP 2010033875 A JP2010033875 A JP 2010033875A
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ion conductive
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Yoshinori Saito
吉則 斉藤
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

【課題】高容量で安全な二次電池を提供する。
【解決手段】有機硫黄化合物及びリチウムイオン伝導性無機固体電解質を含む正極合材。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機硫黄化合物を含んでなる正極合材、及びそれを用いた全固体二次電池に関する。
近年、携帯情報端末、携帯電子機器、家庭用小型電力貯蔵装置、モーターを動力源とする自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等に用いられる高性能リチウム電池等二次電池の需要が増加している。
二次電池の用途が拡大する中で、様々な電池特性が要求がなされている。要求されている電池特性の1つとして、高容量化が挙げられる。高容量化の検討は様々になされており、例えば正極活物質として硫黄系活物質を用いた高容量電極材料が検討されている(特許文献1)。
上記硫黄系活物質としてはジスルフィド系化合物が挙げられる。しかし、ジスルフィド系化合物は充放電時の酸化還元反応によりジスルフィド結合の開裂−重合が生起し、開裂時にはジスルフィド系化合物が低分子化する。リチウムイオン電池は電解質が液体であるため、低分子化したジスルフィド系化合物は電解液に溶出し、充放電特性のサイクル劣化が大きくなるという問題があった。
上記に加え、チオール基を導入した高分子成分を含む電極を用いることにより、反応時の溶出脱離を抑制する試みが提案されている(特許文献2)。しかし、チオール基を導入した高分子成分を含む電極は、加工が難しいうえ、製造方法が制限されるという問題があった。
米国特許第4833048号明細書 特開平6−163049号公報
本発明は、高容量で安全な二次電池を提供することを目的とする。
本発明によれば、以下の正極合材等が提供される。
1.有機硫黄化合物及びリチウムイオン伝導性無機固体電解質を含む正極合材。
2.前記有機硫黄化合物が、有機ジスルフィド化合物、カーボンスルフィド化合物、又はこれらの混合物である1に記載の正極合材。
3.前記リチウムイオン伝導性無機固体電解質が、P、Si及びBからなる群から選択される1以上の元素、Li及びSを含む1又は2に記載の正極合材。
4.さらに導電助剤を含む1〜3のいずれかに記載の正極合材。
5.1〜4のいずれかに記載の正極合材からなる正極と、負極と、前記正極と負極の間に挟持されたリチウムイオン伝導性無機固体電解質からなる固体電解質層を含んでなる全固体二次電池。
6.前記固体電解質層のリチウムイオン伝導性無機固体電解質が、P、Si及びBからなる群から選択される1以上の元素、Li及びSを含む5に記載の全固体二次電池。
本発明によれば、高容量で安全な二次電池を提供することができる。
本発明の正極合材は、有機硫黄化合物及びリチウムイオン伝導性無機固体電解質を含む。
正極活物質である有機硫黄化合物は、電解酸化及び電解還元の際にポリマー化とモノマー化を交互に繰り返し、二次電池を高容量化することができる。
有機硫黄化合物は、好ましくは有機ジスルフィド化合物、カーボンスルフィド化合物、又はこれらの混合物である。
有機ジスルフィド化合物としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
Figure 2010033875
カーボンスルフィド化合物としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
Figure 2010033875
リチウムイオン伝導性無機固体電解質は、特に限定されない。例えば有機化合物、無機化合物、又は有機化合物及び無機化合物の混合体からなる材料を用いることができ、好ましくは、P、Si及びBからなる群から選択される1以上の元素、Li及びSを含むリチウムイオン伝導性無機固体電解質を用いる。
上記のようにSを含むリチウムイオン伝導性無機固体電解質を用いることにより、本発明の正極合材は、有機硫黄化合物とリチウムイオン伝導性無機固体電解質で共通して硫黄を含むこととなり、後述する混合の際に、有機硫黄化合物とリチウムイオン伝導性無機固体電解質を均一に分散させ、混ざり易くすることができる。
リチウムイオン伝導性無機固体電解質のうち、特に、硫化物系の無機固体電解質は、イオン伝導度が他の無機化合物より高いことが知られており、特開平4−202024等に記載の無機固体電解質を使用できる。具体的には、LiSとSiS、GeS、P、Bの組合せから成る無機固体電解質に、適宜、LiPOやハロゲン、ハロゲン化合物を添加した無機固体電解質を用いることができる。
リチウムイオン伝導性が高いことから、硫化リチウムと五硫化二燐、又は硫化リチウムと単体燐及び単体硫黄、さらには硫化リチウム、五硫化二燐、単体燐及び/又は単体硫黄から生成するリチウムイオン伝導性無機固体電解質を使用することが好ましい。以下、好ましい固体電解質について説明する。
リチウムイオン伝導性無機固体電解質は、硫化リチウムと、五硫化二燐(P)及び/又は、単体燐及び単体硫黄から製造することができる。具体的には、これらの原料を溶融反応させた後、急冷することにより製造できる。また、これらの原料をメカニカルミリング法(以下、MM法と示すことがある。)により処理して得られる硫化物ガラス、あるいはこれを加熱処理したものである。
硫化リチウムは、特に制限なく工業的に入手可能なものが使用できるが、以下に説明するように高純度のものが好ましい。
硫化リチウムは、少なくとも硫黄酸化物のリチウム塩の総含有量が0.15質量%以下、好ましくは0.1質量%以下であり、かつN−メチルアミノ酪酸リチウムの含有量が0.15質量%以下、好ましくは0.1質量%以下である。硫黄酸化物のリチウム塩の総含有量が0.15質量%以下であると、後記する溶融急冷法やメカニカルミリング法で得られる固体電解質は、ガラス状電解質(完全非晶質)である。即ち、硫黄酸化物のリチウム塩の総含有量が0.15質量%を越えると、得られる電解質は、最初から結晶化物であり、この結晶化物のイオン伝導度は低い。さらに、この結晶化物について下記の熱処理を施しても結晶化物には変化がなく、高イオン伝導度のリチウムイオン伝導性無機固体電解質を得ることはできない。
また、N−メチルアミノ酪酸リチウムの含有量が0.15質量%以下であると、N−メチルアミノ酪酸リチウムの劣化物がリチウム電池のサイクル性能を低下させることがない。
このように、高イオン伝導性電解質を得るためには、不純物が低減された硫化リチウムを用いる必要がある。
高イオン伝導性電解質の製造に用いられる硫化リチウムの製造法としては、少なくとも上記不純物を低減できる方法であれば特に制限はない。
例えば、次の方法で製造された硫化リチウムを精製することにより得ることもできる。
以下の製造法の中では、特にa又はbの方法が好ましい。
a.非プロトン性有機溶媒中で水酸化リチウムと硫化水素とを0〜150℃で反応させて水硫化リチウムを生成し、次いでこの反応液を150〜200℃で脱硫化水素化する方法(特開平7−330312号公報)。
b.非プロトン性有機溶媒中で水酸化リチウムと硫化水素とを150〜200℃で反応させ、直接硫化リチウムを生成する方法(特開平7−330312号公報)。
c.水酸化リチウムとガス状硫黄源を130〜445℃の温度で反応させる方法(特開平9−283156号公報)。
上記のようにして得られた硫化リチウムの精製方法としては、特に制限はない。好ましい精製法としては、例えば、国際公開WO2005/40039号等に記載の方法が挙げられる。
具体的には、上記のようにして得られた硫化リチウムを、有機溶媒を用い、100℃以上の温度で洗浄する。洗浄に用いる有機溶媒は、非プロトン性極性溶媒であることが好ましく、さらに、硫化リチウム製造に使用する非プロトン性有機溶媒と洗浄に用いる非プロトン性極性有機溶媒とが同一であることがより好ましい。
洗浄に好ましく用いられる非プロトン性極性有機溶媒としては、例えば、アミド化合物、ラクタム化合物、尿素化合物、有機硫黄化合物、環式有機リン化合物等の非プロトン性の極性有機化合物が挙げられ、単独溶媒、又は混合溶媒として好適に使用することができる。特に、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)は、良好な溶媒に選択される。
洗浄に使用する有機溶媒の量は特に限定されず、また、洗浄の回数も特に限定されないが、2回以上であることが好ましい。洗浄は、窒素、アルゴン等の不活性ガス下で行うことが好ましい。
洗浄された硫化リチウムを、洗浄に使用した有機溶媒の沸点以上の温度で、窒素等の不活性ガス気流下、常圧又は減圧下で、5分以上、好ましくは約2〜3時間以上乾燥することにより、本発明で好適に用いられる硫化リチウムを得ることができる。
は、工業的に製造され、販売されているものであれば、特に限定なく使用することができる。尚、Pに代えて、相当するモル比の単体リン(P)及び単体硫黄(S)を用いることもできる。単体リン(P)及び単体硫黄(S)は、工業的に生産され、販売されているものであれば、特に限定なく使用することができる。
本発明において、固体電解質としては、ガラス状固体電解質及び結晶成分を含有する固体電解質の両方が使用できる。必要とする特性に合わせて種類を選定すればよい。また、両方を使用してもよい。
上記硫化リチウムと、五硫化二燐又は単体燐及び単体硫黄の混合モル比は、通常50:50〜80:20、好ましくは60:40〜75:25である。
特に好ましくは、LiS:P=68:32〜74:26(モル比)程度である。
ガラス状電解質である硫化物ガラスの製造方法としては、例えば、溶融急冷法やメカニカルミリング法が挙げられる。
溶融急冷法による場合、PとLiSを所定量乳鉢にて混合し、ペレット状にしたものをカーボンコートした石英管中に入れ真空封入する。所定の反応温度で反応させた後、氷中に投入し急冷することにより、硫化物ガラスが得られる。
この際の反応温度は、好ましくは400℃〜1000℃、より好ましくは、800℃〜900℃である。また、反応時間は、好ましくは0.1時間〜12時間、より好ましくは、1〜12時間である。上記反応物の急冷温度は、通常10℃以下、好ましくは0℃以下であり、その冷却速度は1〜10000K/sec程度、好ましくは1〜1000K/secである。
MM法による場合、PとLiSを所定量乳鉢にて混合し、メカニカルミリング法にて所定時間反応させることにより、硫化物ガラスが得られる。
上記原料を用いたメカニカルミリング法は、室温で反応を行うことができる。MM法によれば、室温でガラス状電解質を製造できるため、原料の熱分解が起らず、仕込み組成のガラス状電解質を得ることができるという利点がある。また、MM法では、ガラス状電解質の製造と同時に、ガラス状電解質を微粉末化できるという利点もある。
MM法は種々の形式の粉砕法を用いることができるが、遊星型ボールミルを使用するのが特に好ましい。遊星型ボールミルは、ポットが自転回転しながら、台盤が公転回転し、非常に高い衝撃エネルギーを効率良く発生させることができる。
MM法の回転速度及び回転時間は特に限定されないが、回転速度が速いほど、ガラス状電解質の生成速度は速くなり、回転時間が長いほどガラス質状電解質ヘの原料の転化率は高くなる。
このようにして得られた電解質は、ガラス状電解質であり、通常、イオン伝導度は1.0×10−5〜8.0×10−4(S/cm)程度である。
MM法の条件としては、例えば、遊星型ボールミル機を使用した場合、回転速度を数十〜数百回転/分とし、0.5時間〜100時間処理すればよい。
以上、溶融急冷法及びMM法による硫化物ガラスの具体例を説明したが、温度条件や処理時間等の製造条件は、使用設備等に合わせて適宜調整することができる。
その後、得られた硫化物ガラスを所定の温度で熱処理することにより、結晶成分を含有する固体電解質が生成する。
このような固体電解質を生成させる熱処理温度は、好ましくは190℃〜340℃、より好ましくは、195℃〜335℃、特に好ましくは、200℃〜330℃である。190℃より低いと高イオン伝導性の結晶が得られにくい場合があり、340℃より高いとイオン伝導性の低い結晶が生じる恐れがある。
熱処理時間は、190℃以上220℃以下の温度の場合は、3〜240時間が好ましく、特に4〜230時間が好ましい。また、220℃より高く340℃以下の温度の場合は、0.1〜240時間が好ましく、特に0.2〜235時間が好ましく、さらに、0.3〜230時間が好ましい。熱処理時間が0.1時間より短いと、高イオン伝導性の結晶が得られにくい場合があり、240時間より長いと、イオン伝導性の低い結晶が生じるとなる恐れがある。
このようにして得られた、結晶成分を含有するリチウムイオン伝導性無機固体電解質は、通常、イオン伝導度は、7.0×10−4〜5.0×10−3(S/cm)程度である。
このリチウムイオン伝導性無機固体電解質は、X線回折(CuKα:λ=1.5418Å)において、2θ=17.8±0.3deg,18.2±0.3deg,19.8±0.3deg,21.8±0.3deg,23.8±0.3deg,25.9±0.3de
g,29.5±0.3deg,30.0±0.3degに回折ピークを有することが好ましい。このような結晶構造を有する固体電解質が、極めて高いリチウムイオン伝導性を有する。
上述の正極活物質である有機硫黄化合物とリチウムイオン伝導性無機固体電解質を所定の割合で混合することにより本発明の正極合材を作製することができる。割合としては、正極活物質の固体重量%(wt%)として、20wt%〜95wt%の割合で用いることができる。より好ましくは、50wt%〜90wt%であり、さらに好適な割合は60wt%〜80wt%である。混合する方法としては、乾燥紛体をメノウ乳鉢等で混ぜる方法の他、有機溶媒に直接加えて混合する方法等を用いることができる。
電子が極活物質内で円滑に移動するようにするため、本発明の正極合材は、好ましくはさらに導電助剤を含む。
上記導電助剤としては、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、カーボンナノチューブのような導電性物質、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロールのような導電性高分子、又はこれらの混合物を用いることができる。
本発明の正極合材及び溶媒からなる混合液を塗布することにより、全固体二次電池の正極を形成することができる。
上記混合液は、本発明の正極合材が溶媒に溶解しているのではない。本発明の正極合材の比重は、通常、溶媒の比重より大きいことから、上記混合液中で通常、沈殿しているが、正極を形成する際には攪拌等により正極合材を均一に分散させた混合液を用いると好ましい。
混合液に用いる溶媒は、好ましくは正極合材との反応性が低い溶媒であるが、正極合材表面をコートする等して正極合材が溶媒と反応しないように処置することにより、正極合材との反応性が高い溶媒も用いることができる。
上記溶媒は、好ましくは有機溶媒であり、より好ましくは炭化水素系有機溶媒であり、例えばヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン、デカリン等である。
これら溶媒のうち、塗布後の乾燥工程を考慮すると、低沸点溶媒であるヘキサン、トルエン、キシレンが好ましいが、混合液の維持を考慮すると、蒸発速度の速い低沸点溶媒を用いることは困難であり、トルエン、キシレン等が好ましい。
混合液に用いる溶媒は、好ましくは脱水処理して水分含有量を低くする。溶媒の水分含有量は、通常30ppm以下、好ましくは10ppm以下、さらに好ましくは1.0ppm以下である。
正極合材及び溶媒からなる混合液にバインダーをさらに添加してもよい。
上記バインダーは、正極合材との反応性が低ければ特に限定されないが、好ましくは熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂であり、より好ましくはポリシロキサン、ポリアルキレングリコール、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンブタジエンゴム/カルボキシメチルセルロース(SBR/CMC)、ポリエチレンオキシド(PEO)、分岐PEO、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、PEO−PPO共重合体、分岐PEO−PPO共重合体、アルキルボラン含有ポリエーテルである。
尚、バインダーは、シート化容易性、界面抵抗の増加を防ぎ且つ充放電容量の低下を防ぐ観点から特に好ましくはSBR、ポリアルキレングリコールである。
本発明の全固体二次電池は、本発明の正極合材からなる正極と、負極と、正極及び負極間に挟持されたリチウムイオン伝導性無機固体電解質からなる固体電解質層で構成される。
本発明の全固体二次電池は電解質層が固体であるので、電解質の漏洩及び蒸発を防ぐことができる。加えて、電解質層の極材との反応性も有機電解液に比べて小さく、反応に伴う温度上昇の可能性が小さいため、本発明の全固体二次電池は安全性に優れる。
また、リチウムイオン電池の電解質が液体であるのに対し、本発明の全固体二次電池は電解質が固体であるので、充放電時の開裂反応によって低分子化した正極合材の有機硫黄化合物が溶出することがなく、充放電特性のサイクル劣化を抑制することができる。
固体電解質層に含まれるリチウムイオン伝導性無機固体電解質は、好ましくは正極合材に含まれるリチウムイオン伝導性無機固体電解質と同一である。
特に固体電解質層に含まれるリチウムイオン伝導性無機固体電解質を、P、Si及びBからなる群から選択される1以上の元素、Li及びSを含むリチウムイオン伝導性無機固体電解質とすることにより、正極と固体電解質層は硫黄原子を共通して含むこととなり、電池の
化学的安定性を向上させることができる。
図1は本発明に係る全固体二次電池の一実施形態を示す概略断面図である。
全固体二次電池1は、本発明の正極合材からなる正極10及び負極30からなる一対の電極間に固体電解質層20が挟持されている。正極10及び負極30にはそれぞれ集電体40及び42が設けられている。
正極10は、本発明の正極合材からなり、本発明の正極合材を集電体40の少なくとも一部に膜状に形成することで作製できる。成膜方法としては、上述した本発明の正極合材及び溶媒からなる混合液を塗布して形成する方法のほか、例えば、ブラスト法、エアロゾルデポジション法、コールドスプレー法、スパッタリング法、気相成長法、加圧プレス法又は溶射法等も用いることができる。このような方法により成膜することで、正極の空隙率をより小さくすることができ、電子伝導、電子授受及びイオン伝導を改善することができる。
固体電解質層20は、粒子状のリチウムイオン伝導性無機固体電解質を、例えば、ブラスト法やエアロゾルデポジション法にて成膜することで製造できる。また、コールドスプレー法、スパッタリング法、気相成長法(Chemical Vapor Deposition:CVD)又は溶射法等でもリチウムイオン伝導性無機固体電解質の成膜が可能である。
さらに、リチウムイオン伝導性無機固体電解質と溶媒やバインダー(結着材や高分子化合物等)を混合した溶液を塗布、塗工した後、溶媒を除去し成膜化する方法もある。また、固体電解質自体や固体電解質とバインダー(結着材や高分子化合物等)や支持体(固体電解質層の強度を補強させたり、固体電解質自体の短絡を防ぐための材料や化合物等)を混合・組合した電解質を加圧プレスすることで成膜することも可能である。
溶媒は、固体電解質の性能に悪影響を与えないものであれば特に限定されないが、例えば非水系溶媒が挙げられる。
非水系溶媒としては、例えば、乾燥ヘプタン、トルエン、ヘキサン、テトラヒドロフラン(THF)、Nメチルピロリドン、アセトニトリル、及びジメトキシエタン、ジメチルカーボネート等の電解液に用いられる溶媒が挙げられ、好ましくは水分含有量が100ppm以下、より好ましくは50ppm以下の溶媒である。
バインダーとしては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂が使用できる。例えば、ポリシロキサン、ポリアルキレングリコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体又は前記材料の(Na)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸共重合体又は前記材料の(Na)イオン架橋体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体又は前記材料の(Na)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体又は前記材料の(Na)イオン架橋体を挙げることができる。
この中で好ましいのはポリシロキサン、ポリアルキレングリコール、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。
負極30は、正極10と同様に作製できる。負極30の作製に用いる負極材としては、電池分野において負極活物質として使用されているものが使用できる。例えば、炭素材料、具体的には、人造黒鉛、黒鉛炭素繊維、樹脂焼成炭素、熱分解気相成長炭素、コークス、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、フルフリルアルコール樹脂焼成炭素、ポリアセン、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、天然黒鉛及び難黒鉛化性炭素が挙げられる。又はその混合物でもよい。好ましくは、人造黒鉛である。また、金属リチウム、金属インジウム、金属アルミ又は金属ケイ素の金属自体、又はこれら金属と他の元素又は化合物と組合わせた合金を、負極材として用いることができる。
上記負極材は正極合材と同様に導電補助剤及び/又はリチウムイオン伝導性無機固体電解質を混合してもよい。負極材に用いるリチウムイオン伝導性無機固体電解質は、好ましくは固体電解質層に用いるリチウムイオン伝導性無機固体電解質と同一である。
集電体40,42としては、銅、マグネシウム、ステンレス鋼、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、ゲルマニウム、インジウム、リチウム、又は、これらの合金等からなる板状体や箔状体等が使用できる。
集電体40,42は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。例えば、集電体40には銅箔を使用し、集電体42にはアルミニウム箔を使用してもよい。
全固体二次電池は、上述した電池用部材を貼り合せ、接合することで製造できる。接合する方法としては、各部材を積層し、加圧・圧着する方法や、2つのロール間を通して加圧する方法(roll to roll)等がある。
また、接合面にイオン伝導性を有する活物質や、イオン伝導性を阻害しない接着物質を介して接合してもよい。
接合においては、固体電解質の結晶構造が変化しない範囲で加熱融着してもよい。
本発明の正極合材は、全固体二次電池に使用できる。
本発明の全固体二次電池は、携帯情報端末、携帯電子機器、家庭用小型電力貯蔵装置、モーターを電力源とする自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等の電池として用いることができる。
本発明に係る全固体リチウム電池の一実施形態を示す概略断面図である。
符号の説明
1 全固体二次電池
10 正極
20 固体電解質層
30 負極
40,42 集電体

Claims (6)

  1. 有機硫黄化合物及びリチウムイオン伝導性無機固体電解質を含む正極合材。
  2. 前記有機硫黄化合物が、有機ジスルフィド化合物、カーボンスルフィド化合物、又はこれらの混合物である請求項1に記載の正極合材。
  3. 前記リチウムイオン伝導性無機固体電解質が、P、Si及びBからなる群から選択される1以上の元素、Li及びSを含む請求項1又は2に記載の正極合材。
  4. さらに導電助剤を含む請求項1〜3のいずれかに記載の正極合材。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の正極合材からなる正極と、負極と、
    前記正極と負極の間に挟持されたリチウムイオン伝導性無機固体電解質からなる固体電解質層を含んでなる全固体二次電池。
  6. 前記固体電解質層のリチウムイオン伝導性無機固体電解質が、P、Si及びBからなる群から選択される1以上の元素、Li及びSを含む請求項5に記載の全固体二次電池。
JP2008194549A 2008-07-29 2008-07-29 有機硫黄化合物を含んでなる正極合材、及びそれを用いた全固体二次電池 Pending JP2010033875A (ja)

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