JP2010095399A - 多孔質膜形成用塗料及び多孔質膜、セラミックフィルタ、排ガス浄化フィルタ並びにセラミックフィルタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の多孔質膜形成用塗料は、酸化物微粒子と分散媒とを含有してなる塗料であり、酸化物微粒子は、平均一次粒子径が10nm以上かつ1000nm以下、タップかさ密度が0.1g/cm3以上かつ1.5g/cm3以下、塗料中の平均二次粒子径が0.1μm以上かつ10μm以下であり、この塗料の粘度は、2mPa・s以上かつ1000mPa・s以下である。
【選択図】なし
Description
このようなフィルタとしては、多孔質セラミックスからなる支持体の表面にセラミックスからなる多孔質膜が形成されたセラミックフィルタが知られている。
このセラミックフィルタでは、多孔質膜は、多孔質セラミックスからなる支持体の表面に、粒子径の小さいセラミックス粒子からなる積層体を形成し、この積層体を熱処理することにより形成される。この多孔質膜の気孔径を捕集する粒子の大きさに合わせて制御する方法としては、積層体を構成しているセラミックス粒子の粒子径を調整する方法が用いられている。
そこで、このような問題点を解決するための様々な方法が提案されている。
また、予め、粒子径の小さいセラミックス粒子を多孔質支持体の気孔径と同等もしくはそれ以上の大きさの二次粒子とし、この二次粒子を含むスラリーを用いて、多孔質膜を形成する方法が提案されており、二次粒子の製造方法としては、セラミックス粒子を予め仮焼する方法(例えば特許文献2)や、スラリーに凝集剤を加えて、セラミックス粒子を凝集させる方法(例えば特許文献3)が提案されている。
一般に、自動車用ディーゼルエンジンでは、粒子状物質を捕集するために、DPF(Diesel Particulate Filter)と称される排ガス浄化フィルタが使用されている。このDPFは、セラミックス製のハニカム構造体からなるガス流路の両端を市松模様に目封じし、一方のガス流路を排ガスの流入セル(流入ガス流路)、他方のガス流路を排ガスの流出セル(流出ガス流路)としたものであり、この流入セルと流出セルとの間の隔壁中の細孔を排ガスが通過する際に、この排ガス中の粒子状物質が捕集されるようになっている(例えば特許文献7)。
サブミクロン径の粒子状物質の捕集特性を向上させるためには、隔壁の平均気孔径を縮小することも一つの方法であるが、隔壁の平均気孔径を縮小すると、サブミクロン径の粒子状物質の捕集特性は向上するものの、DPFとしての通気性が低下し、圧力損失が増加するため、十分な排ガス流量が得られないという不具合が生じることとなる。すなわち、従来のDPFでは、特にPM堆積量が少ない状態における高い捕集効率と低い圧力損失(十分な排ガス流量)を両立できておらず、この両方の性能を満たす材料が求められていた。
そこで、DPFにおける隔壁の平均気孔径を5〜50μmのままとし、この隔壁の表面に平均気孔径が数10nm〜5μmの多孔質膜を形成することが考えられている。この多孔質膜を形成する場合、上述した従来技術を適用することが考えられる。
例えば、平均気孔径が100nmの多孔質膜を形成するためには、多孔質膜を構成する粒子の一次粒子径を40〜60nm程度とする必要があり、この粒子径はDPFの平均気孔径の数100分の1程度の大きさである。このように、多孔質膜を構成する粒子の一次粒子径は、上記の従来技術における多孔質膜の粒子径がサブミクロンからミクロンのオーダーであるのに比べて非常に小さい。
そのため、DPFの隔壁に多孔質膜を形成する際に、従来技術をそのまま適用すると、多孔質膜を構成する粒子の一部が隔壁の気孔内に流入することを避けるのが難しい。
このように、DPFにおけるハニカム構造体の隔壁の表面に多孔質膜を形成する技術については、いまだに確立されていないのが現状である。
また、本発明のセラミックフィルタにより、粒子状物質の堆積量が少ない状態でも高い捕集効率が得られ、同時に圧力損失が低い排ガス浄化フィルタを提供することをも目的とする。
また、この多孔質膜形成用塗料を多孔質支持体の表面に塗布するだけで塗膜を形成することができるので、いかなる形状の多孔質支持体であっても、多孔質支持体の形状等の制約を受けることなく、その表面に均質性に優れた多孔質膜を容易に形成することができる。
また、この多孔質膜形成用塗料を多孔質支持体の表面に塗布するだけで塗膜を形成することができるので、いかなる形状の多孔質支持体であっても、多孔質支持体の形状等の制約を受けることなく、その表面に均質性に優れた多孔質膜を容易に形成することができる。以上により、低コストかつ量産性に優れたセラミックフィルタを製造することができる。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本実施形態の多孔質膜形成用塗料は、酸化物を成分とする微粒子と分散媒とを含有してなる多孔質膜形成用の塗料であり、この微粒子は、平均一次粒子径が10nm以上かつ1000nm以下、タップかさ密度が0.1g/cm3以上かつ1.5g/cm3以下、塗料中の平均二次粒子径が0.1μm以上かつ10μm以下であり、この塗料の粘度は、2mPa・s以上かつ1000mPa・s以下である。
ここで、微粒子の主成分を酸化物とした理由は、この多孔質膜形成用塗料により得られた多孔質膜の耐熱性を十分に確保することができるからである。例えば、DPF等のセラミックフィルタの場合、排ガスの温度が1000℃程度にまで上昇することがあるので、多孔質膜の材料に対しても1000℃程度までの耐熱性が必要になる。
一般に、気孔径や気孔率は膜を形成する微粒子の平均粒子径により決定されることが知られている。ここで、微粒子の形状が球状に近い等方的な形状であれば、両者の相関に特に問題は発生しない。しかしながら、微粒子の形状に異方性がある場合、両者の相関にずれが生じる。これは、平均粒子径は寸法値のみの規定であって、粒子の形状が考慮されていないからである。
この微粒子のタップかさ密度が真密度(真比重)より小さくなる原因は、微粒子間に空隙が生じるからである。すなわち、タップかさ密度(ρt)と真密度(ρr)との比(ρt/ρr)は、空隙率、すなわち気孔率を示すことになる。
また、この微粒子のタップかさ密度は、0.1g/cm3以上かつ1.5g/cm3以下が好ましく、より好ましくは0.1g/cm3以上かつ1.3g/cm3以下、さらに好ましくは0.2g/cm3以上かつ1.2g/cm3以下である。
そして、上記の範囲内で平均一次粒子径とタップかさ密度が異なる複数種の微粒子を混合して用いることにより、多孔質膜の気孔径を所望の値に制御することができる。
また、微粒子のタップかさ密度が0.1g/cm3を下回ると、この微粒子を含む多孔質膜形成用塗料の安定性を保つのが困難になり、また、このような粒子を量産性良く生産するのが難しくなるので、好ましくない。
この分散工程は、湿式法によることが好ましい。また、この湿式法で用いられる分散機としては、開放型、密閉型のいずれも使用可能であり、例えば、ボールミル、攪拌ミル、ジェットミル、振動ミル、アトライター、高速ミル、ハンマーミル等が好適に用いられる。
上記のボールミルとしては、転動ミル、振動ミル、遊星ミル等が挙げられ、また、攪拌ミルとしては、塔式ミル、攪拌槽型ミル、流通管式ミル、管状ミル等が挙げられる。
上記の有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール等のアルコール類、酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が好適に用いられ、これらの溶媒のうち1種のみ、または2種以上を混合して用いることができる。
また、上記の高分子モノマーとしては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等のアクリル系またはメタクリル系のモノマー、エポキシ系モノマー等が好適に用いられる。また、上記のオリゴマーとしては、ウレタンアクリレート系オリゴマー、エポキシアクリレート系オリゴマー、アクリレート系オリゴマー等が好適に用いられる。
ここで、塗料の粘度を上記の範囲に限定した理由は、粘度が2mPa・sを下回ると、この塗料を平均気孔径が5μm以上かつ50μm以下の多孔質セラミックスからなる多孔質支持体の表面、特にDPFの隔壁の表面に塗布した場合に、この塗料が多孔質支持体の内部、すなわちDPFの隔壁の気孔内に浸入し易くなり、多孔質支持体の表面に多孔質膜を形成することが難くなるので好ましくないからである。また、粘度が1000mPa・sを超えると、多孔質支持体により構成されるフィルタ基体の内部、特にDPFのセルの内部に塗料を十分に浸透させることができなくなったり、フィルタ基体の内部、特にDPFのセル中の余分な塗料を除去するのが困難になる等のため、所望の多孔質膜が形成されなかったり、均一な厚みの多孔質膜が形成し難くなったりするので好ましくないからである。
ここで、塗料中の微粒子の平均二次粒子径を上記の範囲に限定した理由は、塗料中の微粒子の平均二次粒子径が0.1μmを下回ると、この塗料を平均気孔径が5μm以上かつ50μm以下の多孔質セラミックスからなる多孔質支持体の表面に塗布した場合に、この塗料が多孔質支持体の内部に浸入し易くなり、多孔質支持体の表面に多孔質膜を形成することが難くなるので好ましくないからである。また、微粒子の平均二次粒子径が10μmを超えると、塗料の分散安定性を確保するのが困難になったり、均質な多孔質膜を得難くなるので好ましくないからである。
ここで、塗料中の微粒子の含有率が2質量%を下回ると、塗料の粘度が2mPa・sを下回り易くなったり、所望の膜厚を得るために塗工回数を増やす必要が生じる等により、生産性が劣る虞があるので好ましくない。また、微粒子の含有率が60質量%を超えると、塗料の分散安定性を確保するのが困難になったり、均一な多孔質膜を得難くなるので好ましくない。
ここで、水を分散媒とした場合、親水性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸ポリビニルビロリドン、ポリアリルアミン等の合成高分子;セルロース、デキストリン、デキストラン、デンプン、キトサン、ペクチン、アガロース、カラギーナン、キチン、マンナン等の多糖類;ゼラチン、カゼイン、コラーゲン、ラミニン、フィブロネクチン、エラスチン等のタンパク質等を用いることができる。
また、これら合成高分子、多糖類、タンパク質等を由来とするゲル、ゾル等の物質を用いることもできる。
上記の高分子は、最終的に熱処理によって揮散、分解ないしは焼失し、多孔質膜には残存しない成分であるから、上記の比が1を超えると、高分子の含有率が高すぎてしまい、コストの上昇を招くことになるので好ましくない。
これら界面活性剤、防腐剤、安定化剤、消泡剤、レベリング剤等の添加量に特に制限はなく、塗料の粘度及び塗料中の微粒子の平均二次粒子径が本発明の範囲内となるように、添加する目的に応じて加えればよい。
この多孔質膜形成用塗料は、塗布するだけで塗膜を形成することができるので、対象物の形状等の制約を受けることなく、その表面に均質性に優れた多孔質膜を容易に形成することができる。
本実施形態の多孔質膜は、上記の多孔質膜形成用塗料を多孔質セラミックスからなる多孔質支持体の表面に塗布し、得られた塗膜を熱処理することにより、得ることができる。
この多孔質膜の平均気孔径は0.02μm以上かつ5μm以下、気孔率は35%以上かつ90%以下であることが好ましい。
塗布方法については、多孔質支持体の形状や材質に合わせて適宜選択すればよく、特に制限はないが、ウォッシュコート、ディップコート等の塗布方法を用いることができる。
熱処理温度は、200℃以上かつ2000℃以下が好ましく、より好ましくは300℃以上かつ1500℃以下である。
また、熱処理時間は、0.25時間以上かつ10時間以下が好ましく、より好ましくは0.5時間以上かつ5時間以下である。
この熱処理の際の雰囲気は、特に限定されず、大気等の酸化性雰囲気、窒素、アルゴン、ネオン、キセノン等の不活性雰囲気、水素、一酸化炭素等の還元性雰囲気、のいずれかの雰囲気中にて行うことができる。
本実施形態のセラミックフィルタは、平均気孔径が5μm以上かつ50μm以下の多孔質セラミックスからなる多孔質支持体の表面に、上記の多孔質膜が形成された構造である。
多孔質支持体の形状としては、使用する目的、すなわち捕集対象物の種類、その形状及び寸法、使用環境条件(気体あるいは液体中での使用、使用温度等)等に合わせて、板状、筒状、ハニカム状等を適宜選択することができる。
本実施形態のセラミックフィルタは、特に排ガス浄化フィルタとして好適であり、この排ガス浄化フィルタとしては、例えば、後述する自動車用ディーゼルエンジンに用いられる排ガス浄化フィルタであるDPFが挙げられる。
図1は、本発明の一実施形態の自動車用ディーゼルエンジンに用いられる排ガス浄化フィルタであるDPFを示す一部破断斜視図、図2は、同DPFの隔壁構造を示す断面図であり、図1において符号βで示す面を拡大した図である。
フィルタ基体11は、炭化ケイ素、コーディエライト、チタン酸アルミニウム、窒化ケイ素等の耐熱性の多孔質セラミックスからなるハニカム構造体であり、排ガスGの流れ方向である軸方向に沿い、平均気孔径が5μm以上かつ50μm以下の多孔質セラミックスからなる隔壁14によりハニカム構造とされ、この隔壁14により囲まれた軸方向の中空の領域が多数のセル状のガス流路12とされている。
このフィルタ基体11の軸方向の両端面のうち一方の端面αが、粒子状物質を含む排ガスGが流入する流入面とされ、他方の端面γが、上記の排ガスGから粒子状物質を取り除いた浄化ガスCを排出する排出面とされている。
この流入セル12Aの内壁面(隔壁14の流入セル12A側の表面)12aには、耐熱性の高い酸化物微粒子からなる多孔質膜13が形成されている。この多孔質膜13が耐熱性の高い耐熱性の高い酸化物微粒子で形成されているのは、DPF10が、捕集した粒子状物質30を燃焼除去する際に、1000℃程度の高温まで加熱される可能性があるからである。
この多孔質膜13は、多数の気孔を有することにより、これらの気孔が連通し、結果として、貫通孔を有するフィルタ状多孔質となっている。
その理由は、平均気孔率や平均気孔径がこれらの範囲より小さい場合には、粒子状物質30を含む排ガスGをDPF10内に流入させた際の圧力損失が高くなるからであり、一方、平均気孔率や平均気孔径がこれらの範囲より大きい場合には、粒子状物質30の捕集率やフィルタ再生時の効率が低下するからである。
このように、多孔質膜13の平均気孔径および平均気孔率を上記の範囲内とするためには、平均一次粒子径が10nm以上かつ1000nm以下、かつタップかさ密度が0.1g/cm3以上かつ1.5g/cm3以下である耐熱性の高い酸化物微粒子を用いることが好ましい。
また、隔壁14の流入セル12A側の内壁面12aに形成された多孔質膜13の平均気孔径が0.02〜5μmであり、多孔質支持体(従来のDPFのフィルタ体)の気孔径よりも小さいので、粒子状物質は堆積量が少ない段階から多孔質膜13に捕捉されることとなり、粒子状物質の堆積量に依らず高い捕集効率を得ることができる。
まず、炭化ケイ素、コーディエライト、チタン酸アルミニウム、窒化ケイ素等の耐熱性の多孔質セラミックスからなるハニカム構造体のフィルタ基体11を用意する。
このフィルタ基体11は乾燥した状態でもよいが、フィルタ基体11を溶媒に浸漬し、このフィルタ基体11の隔壁14の気孔内の空気を予め溶媒で置換したものが好ましい。
この溶媒中にフィルタ基体を浸漬する際に、溶媒及びフィルタ基体を静置しておいてもよく、また、溶媒及びフィルタ基体に超音波を印加したり、あるいは、これらを煮沸した後冷却する等の方法により、フィルタ基体の気孔内の空気を外部に放出され易くしても良い。
この多孔質膜形成用塗料の塗布方法については、特に制限はなく、ウォッシュコート法、ディップコート法等の塗布方法を用いることができる。
また、塗布した後に、圧縮空気等を用いて所望の膜厚を得るのに必要な量以上の、余分な塗料を除去してもよい。
この場合における乾燥は、次回の塗工にて均一な厚みの塗膜が形成される程度に乾燥していればよく、次工程の熱処理の前工程である乾燥工程である必要はない。また、隔壁14の気孔内には浸漬により予め空気を置換した溶媒が残留し、かつ既に塗布された多孔質膜形成用塗料が上記の溶媒と混ざらない程度に乾燥する工程であってもよい。
熱処理温度は、200℃以上かつ2000℃以下が好ましく、より好ましくは300℃以上かつ1500℃以下である。
熱処理時間は、0.25時間以上かつ10時間以下が好ましく、より好ましくは0.5時間以上かつ5時間以下である。
これら熱処理温度及び熱処理時間は、塗膜中の微粒子の成分や粒子径、及び塗膜に含まれる分散剤等の成分や量を考慮して選択することが好ましい。
この熱処理により、塗膜に含まれる分散媒や高分子等が揮散、分解ないしは焼失して除去されるとともに、塗膜中の微粒子同士が融着することにより微細孔構造の多孔質膜13が形成される。
また、上記の多孔質膜形成用塗料をフィルタ基体11の流入セル12Aの内壁面12aに塗布するだけで塗膜を形成することができるので、フィルタ基体11がいかなる形状であっても、このフィルタ基体11の形状等の制約を受けることなく、その表面に均質性に優れた多孔質膜13を容易に形成することができる。
以上により、低コストかつ量産性に優れたDPF10を製造することができる。
(塗料の作製)
アルミナ(Al2O3)微粒子A−1(平均一次粒子径:10nm、タップかさ密度:0.1g/cm3)45g、ポリカルボン酸系分散剤2.25g、水253gをボールミルで2時間混合し、固形分が15質量%のアルミナ分散液Aを得た。
次いで、このアルミナ分散液A167g、メチルセルロースA(25℃における2%水溶液の粘度が15mPa・s)を15質量%含むメチルセルロース水溶液30g、水53gを、マグネチックスターラーを用いて1時間攪拌・混合し、アルミナ微粒子を水中に分散させた実施例1の塗料Aを得た。
この塗料Aの25℃における粘度を、B型粘度計(東機産業(株)製)を用いて測定した。
また、この塗料A中のアルミナ微粒子の平均二次粒子径を、動的光散乱法により、測定装置HPPS(Malvern Instruments社製)を用いて測定した。
SiC製のハニカムフィルタ(DPF、平均気孔径:10μm、気孔率:42%)を純水に浸漬し、さらに超音波を30分間印加した。その後、超音波の印加を停止した状態で、純水中に12時間保持した。この操作により、ハニカムフィルタの細孔内に水を充填した。
次いで、このハニカムフィルタを塗料Aに浸漬した後に引き上げるディップコートを行い、次いで、150℃にて1時間乾燥し、さらに、大気中、500℃にて2時間焼成した。
この操作を3回繰り返し、ハニカムフィルタの表面にアルミナ微粒子を主成分とするアルミナ多孔質膜が形成された実施例1のDPFを得た。
この実施例1のDPFを小さく破断し、その隔壁の表面及び断面を電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)S−4000(日立計測器サービス(株)社製)を用いて観察した。その結果、隔壁の内部における微粒子の量は少なく、この隔壁の表面には約20μmの厚みの多孔質膜が形成されていた。
図3に、実施例1のDPFの隔壁の断面の電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)像を示す。
同様に、多孔質膜が形成されていないSiC製のハニカムフィルタ(DPF、平均気孔径:10μm、気孔率:42%)における平均気孔径及び気孔率を、水銀ポロシメーター AutoPoreIV 9505(島津製作所社製)を用いて、水銀圧入法により測定した。
次いで、上記の破断したDPFにおける平均気孔径及び気孔率と、上記のハニカムフィルタにおける平均気孔径及び気孔率と、ハニカムフィルタの質量と、ハニカムフィルタの表面に付着したアルミナ微粒子の質量とから、隔壁表面に形成された多孔質膜の平均気孔径及び気孔率を算出した。
これらの結果を表1に示す。
実施例1のアルミナ分散液A167g、メチルセルロースB(25℃における2%水溶液の粘度が100mPa・s)を15質量%含むメチルセルロース水溶液30g、水53gを、マグネチックスターラーを用いて1時間攪拌・混合し、アルミナ微粒子を水中に分散させた実施例2の塗料Bを得た。
この塗料Bを用い、実施例1と同様にして、塗料の評価、多孔質膜の形成及び評価を行った。
これらの結果を表1に示す。
実施例1のアルミナ分散液A167g、メチルセルロースC(25℃における2%水溶液の粘度が1000mPa・s)を15質量%含むメチルセルロース水溶液30g、水53gを、マグネチックスターラーを用いて1時間攪拌・混合し、アルミナ微粒子を水中に分散させた実施例3の塗料Cを得た。
この塗料Cを用い、実施例1と同様にして、塗料の評価、多孔質膜の形成及び評価を行った。
これらの結果を表1に示す。
アルミナ微粒子A−2(平均一次粒子径:60nm、タップかさ密度:0.6g/cm3)45g、ポリカルボン酸系分散剤2.25g、水253gをボールミルで2時間混合し、固形分が15質量%のアルミナ分散液Dを得た。
次いで、このアルミナ分散液D167g、メチルセルロースA(25℃における2%水溶液の粘度が15mPa・s)を15質量%含むメチルセルロース水溶液30g、水53gを、マグネチックスターラーを用いて1時間攪拌・混合し、アルミナ微粒子を水中に分散させた実施例4の塗料Dを得た。
この塗料Dを用い、実施例1と同様にして、塗料の評価、多孔質膜の形成及び評価を行った。
これらの結果を表1に示す。
実施例4のアルミナ分散液D167g、メチルセルロースB(25℃における2%水溶液の粘度が100mPa・s)を15質量%含むメチルセルロース水溶液30g、水53gを、マグネチックスターラーを用いて1時間攪拌・混合し、アルミナ微粒子を水中に分散させた実施例5の塗料Eを得た。
この塗料Eを用い、実施例1と同様にして、塗料の評価、多孔質膜の形成及び評価を行った。
これらの結果を表1に示す。
実施例4のアルミナ分散液D167g、メチルセルロースC(25℃における2%水溶液の粘度が1000mPa・s)を15質量%含むメチルセルロース水溶液30g、水53gを、マグネチックスターラーを用いて1時間攪拌・混合し、アルミナ微粒子を水中に分散させた実施例6の塗料Fを得た。
この塗料Fを用い、実施例1と同様にして、塗料の評価、多孔質膜の形成及び評価を行った。
これらの結果を表1に示す。
アルミナ微粒子A−3(平均一次粒子径:200nm、タップかさ密度:1.1g/cm3)45g、ポリカルボン酸系分散剤2.25g、水253gをボールミルで2時間混合し、固形分が15質量%のアルミナ分散液Gを得た。
次いで、このアルミナ分散液G167g、メチルセルロースA(25℃における2%水溶液の粘度が15mPa・s)を15質量%含むメチルセルロース水溶液30g、水53gを、マグネチックスターラーを用いて1時間攪拌・混合し、アルミナ微粒子を水中に分散させた実施例7の塗料Gを得た。
この塗料Gを用い、実施例1と同様にして、塗料の評価、多孔質膜の形成及び評価を行った。
これらの結果を表1に示す。
実施例7のアルミナ分散液G167g、メチルセルロースB(25℃における2%水溶液の粘度が100mPa・s)を15質量%含むメチルセルロース水溶液30g、水53gを、マグネチックスターラーを用いて1時間攪拌・混合し、アルミナ微粒子を水中に分散させた実施例8の塗料Hを得た。
この塗料Hを用い、実施例1と同様にして、塗料の評価、多孔質膜の形成及び評価を行った。
これらの結果を表1に示す。
実施例7のアルミナ分散液G167g、メチルセルロースC(25℃における2%水溶液の粘度が1000mPa・s)を15質量%含むメチルセルロース水溶液30g、水53gを、マグネチックスターラーを用いて1時間攪拌・混合し、アルミナ微粒子を水中に分散させた実施例9の塗料Iを得た。
この塗料Iを用い、実施例1と同様にして、塗料の評価、多孔質膜の形成及び評価を行った。
これらの結果を表1に示す。
アルミナ微粒子A−4(平均一次粒子径:1000nm、タップかさ密度:1.5g/cm3)45g、ポリカルボン酸系分散剤2.25g、水253gをボールミルで2時間混合し、固形分が15質量%のアルミナ分散液Jを得た。
次いで、このアルミナ分散液J167g、メチルセルロースA(25℃における2%水溶液の粘度が15mPa・s)を15質量%含むメチルセルロース水溶液10g、水73gを、マグネチックスターラーを用いて1時間攪拌・混合し、アルミナ微粒子を水中に分散させた実施例10の塗料Jを得た。
この塗料Jを用い、実施例1と同様にして、塗料の評価、多孔質膜の形成及び評価を行った。
これらの結果を表1に示す。
チタニア(TiO2)微粒子(平均一次粒子径:40nm、タップかさ密度:0.6g/cm3)45g、ポリカルボン酸系分散剤2.25g、水253gをボールミルで2時間混合し、固形分が15質量%のチタニア分散液Kを得た。
次いで、このチタニア分散液K167g、メチルセルロースA(25℃における2%水溶液の粘度が15mPa・s)を15質量%含むメチルセルロース水溶液30g、水53gを、マグネチックスターラーを用いて1時間攪拌・混合し、チタニア微粒子を水中に分散させた実施例11の塗料Kを得た。
この塗料Kを用い、実施例1と同様にして、塗料の評価、多孔質膜の形成及び評価を行った。
これらの結果を表1に示す。
イットリア安定化ジルコニア(YSZ)微粒子(平均一次粒子径:40nm、タップかさ密度:0.8g/cm3)90g、ポリカルボン酸系分散剤4.5g、水205.5gをボールミルで2時間混合し、固形分が30質量%のイットリア安定化ジルコニア分散液Lを得た。
次いで、このイットリア安定化ジルコニア分散液L167g、メチルセルロースA(25℃における2%水溶液の粘度が15mPa・s)を15質量%含むメチルセルロース水溶液30g、水53gを、マグネチックスターラーを用いて1時間攪拌・混合し、イットリア安定化ジルコニア微粒子を水中に分散させた実施例12の塗料Lを得た。
この塗料Lを用い、実施例1と同様にして、塗料の評価、多孔質膜の形成及び評価を行った。
これらの結果を表1に示す。
酸化亜鉛(ZnO)微粒子(平均一次粒子径:40nm、タップかさ密度:0.8g/cm3)90g、ポリカルボン酸系分散剤4.5g、水205.5gをボールミルで2時間混合し、固形分が30質量%の酸化亜鉛分散液Mを得た。
次いで、この酸化亜鉛分散液M167g、メチルセルロースA(25℃における2%水溶液の粘度が15mPa・s)を15質量%含むメチルセルロース水溶液30g、水53gを、マグネチックスターラーを用いて1時間攪拌・混合し、酸化亜鉛微粒子を水中に分散させた実施例13の塗料Mを得た。
この塗料Mを用い、実施例1と同様にして、塗料の評価、多孔質膜の形成及び評価を行った。
これらの結果を表1に示す。
実施例1のアルミナ分散液A83g、メチルセルロースD(25℃における2%水溶液の粘度が3mPa・s)を15質量%含むメチルセルロース水溶液16.7g、水150gを、マグネチックスターラーを用いて1時間攪拌・混合し、アルミナ微粒子を水中に分散させた比較例1の塗料Nを得た。
この塗料Nを用い、実施例1と同様にして、塗料の評価、ハニカムフィルタ(DPF)への塗布を行った。
また、実施例1と同様にして、DPFの隔壁の表面及び断面を電界放出型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて観察したところ、隔壁の表面には多孔質膜が形成されていないことが確認された。
これらの結果を表1に示す。
実施例1のアルミナ分散液A167g、メチルセルロースE(25℃における2%水溶液の粘度が2000mPa・s)を15質量%含むメチルセルロース水溶液30g、水53gをフラスコに投入し、手振りにて攪拌・混合し、アルミナ(Al2O3)微粒子を水中に分散させた比較例2の塗料Pを得た。
この塗料Pを用い、実施例1と同様にして、塗料の評価を行った。
また、この塗料Pを用いて、ハニカムフィルタ(DPF)への塗布を行った。
また、実施例1と同様にして、DPFの隔壁の表面及び断面を電界放出型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて観察したところ、粒子の固着が不均一になっており、多孔質膜が形成されていないことが確認された。
これらの結果を表1に示す。
アルミナ微粒子A−1(平均一次粒子径:10nm、タップかさ密度:0.1g/cm3)45g、ポリカルボン酸系分散剤2.25g、水253gを、直径が0.1mmのジルコニアビーズを用いたサンドグラインダーにて4時間分散処理し、固形分が15質量%のアルミナ分散液Qを得た。
次いで、このアルミナ分散液Q167g、メチルセルロースA(25℃における2%水溶液の粘度が15mPa・s)を15質量%含むメチルセルロース水溶液30g、水53gを、マグネチックスターラーを用いて1時間攪拌・混合し、アルミナ微粒子を水中に分散させた比較例3の塗料Qを得た。
また、実施例1と同様にして、DPFの隔壁の表面及び断面を電界放出型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて観察したところ、隔壁の表面には多孔質膜が形成されていないことが確認された。
これらの結果を表1に示す。
アルミナ微粒子A−5(平均一次粒子径:2000nm、タップかさ密度:1.6g/cm3)45g、ポリカルボン酸系分散剤2.25g、水253gをボールミルで2時間混合し、固形分が15質量%のアルミナ分散液Rを得た。
次いで、このアルミナ分散液R167g、メチルセルロースA(25℃における2%水溶液の粘度が15mPa・s)を15質量%含むメチルセルロース水溶液30g、水53gを、マグネチックスターラーを用いて1時間攪拌・混合し、アルミナ微粒子を水中に分散させた比較例4の塗料Rを得た。
この塗料Rは、撹拌・混合を停止すると、直ちにアルミナ微粒子の沈降が始まり、短時間でアルミナ微粒子の沈殿物と上澄み液との2層に分離してしまった。
これにより、この塗料Rは多孔質膜形成用塗料として適さないことが分かった。
11 フィルタ基体
12 ガス流路
12A 流入セル
12B 流出セル
13 多孔質膜
14 隔壁
30 粒子状物質
α、γ 端面
G 排ガス
C 浄化ガス
Claims (6)
- 酸化物を成分とする微粒子と分散媒とを含有してなる多孔質膜形成用の塗料であって、
前記微粒子は、平均一次粒子径が10nm以上かつ1000nm以下、タップかさ密度が0.1g/cm3以上かつ1.5g/cm3以下、前記塗料中の平均二次粒子径が0.1μm以上かつ10μm以下であり、
前記塗料の粘度は、2mPa・s以上かつ1000mPa・s以下であることを特徴とする多孔質膜形成用塗料。 - 前記酸化物は、アルミナ、ジルコニア、チタニア、酸化亜鉛、シリカ、イットリア、ムライト、コージェライト、チタン酸アルミニウム、マグネシアの群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項1記載の多孔質膜形成用塗料。
- 請求項1または2記載の多孔質膜形成用塗料を塗布して得られた塗膜を熱処理してなる多孔質膜であって、
この多孔質膜の平均気孔径は0.02μm以上かつ5μm以下、気孔率は35%以上かつ90%以下であることを特徴とする多孔質膜。 - 平均気孔径が5μm以上かつ50μm以下の多孔質セラミックスからなる多孔質支持体の表面に、請求項3記載の多孔質膜が形成されていることを特徴とするセラミックフィルタ。
- 請求項4記載のセラミックフィルタを備えてなることを特徴とする排ガス浄化フィルタ。
- 平均気孔径が5μm以上かつ50μm以下の多孔質セラミックスからなる多孔質支持体の表面に請求項1または2記載の多孔質膜形成用塗料を塗布して塗膜を形成し、次いで、この塗膜を熱処理することを特徴とするセラミックフィルタの製造方法。
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