JP2010061874A - 有機エレクトロルミネッセンス素子、およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明な基板1と、基板に接して設けられる透明な第1電極5と、第1電極と比較して抵抗が低く、第1電極に接して設けられる補助電極2と、第1電極に対向して配置される第2電極7と、第1電極と第2電極との間に配置された発光部6と、を含み、前記第1電極の屈折率をn1、前記基板の屈折率をn2とすると、n1、およびn2がそれぞれ次式(1)
を満たし、第1電極の可視光領域の光の透過率が80%以上、体積抵抗率が1Ω・cm以下、表面粗さが100nm以下であり、補助電極が、枠状の第1補助電極2と、該第1補助電極に電気的に接続され、該第1補助電極よりも線幅が狭い第2補助電極3と、を有する。
【選択図】図1
Description
このような透明電極は、金属膜などから成る不透明な電極に比べると電気抵抗が高い。有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた装置では、発光面積が大きくなるにつれて大面積の透明電極が必要となる。大面積の透明電極を用いる場合、透明電極の抵抗が高いので、その電圧降下も大きくなり、電圧降下に起因する発光輝度のムラが無視できない程度に大きくなるという問題がある。
前記基板に接して設けられる透明な第1電極と、
前記第1電極と比較して電気抵抗が低く、前記第1電極に接して設けられる補助電極と、
第2電極と、
前記第1電極および第2電極の間に配置された発光部と、を含み、
前記第1電極の屈折率をn1、前記基板の屈折率をn2とすると、n1、およびn2がそれぞれ次式(1)
前記第1電極の可視光領域の光の透過率が80%以上、体積抵抗率が1Ω・cm以下、表面粗さが100nm以下であり、
前記補助電極が、
枠状の第1補助電極と、
該第1補助電極の枠内に配置されるとともに、該第1補助電極に電気的に接続され、該第1補助電極よりも線幅が狭い第2補助電極と、を有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
透明の膜本体と、
上記膜本体中に配置され、導電性を有するワイヤ状の導電体と、を含むことを特徴とする、上記[1]に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
導電性を有するワイヤ状の導電体を分散媒に分散させた分散液を用いる塗布法により、前記基板の前記発光部側の表面上に第1電極を形成する工程を含み、
該工程では、該第1電極の屈折率をn1、前記基板の屈折率をn2とすると、n1、およびn2がそれぞれ次式(1)
導電性を有するワイヤ状の導電体を分散媒に分散させた分散液を用いる塗布法により、前記発光部の封止基板側に第1電極を形成する工程を含み、
該工程では、該第1電極の屈折率をn1、前記封止基板の屈折率をn2とすると、n1、およびn2がそれぞれ次式(1)
したがって、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、照明装置、バックライトとしての面状光源、フラットパネルディスプレイ等の表示装置として好適に使用できる。
前記第1電極の屈折率をn1、前記基板の屈折率をn2とすると、n1、およびn2がそれぞれ次式(1)
前記補助電極が、枠状の第1補助電極と、該第1補助電極の枠内に配置されるとともに、該第1補助電極に電気的に接続され、該第1補助電極よりも線幅が狭い第2補助電極と、を有することを特徴としている。
上記基本的構成を有する本発明の一実施形態の有機エレクトロルミネッセンス素子を、図1に示す。なお、以下の説明において、支持基板1の厚み方向の一方を上方(または上)といい、支持基板1の厚み方向の他方を下方(または下)という場合がある。この上下関係の表記は、説明の便宜上、設定したもので、必ずしも実際に有機エレクトロルミネッセンス素子が製造される工程および使用される状況に適用されるものではない。
透明な支持基板1は、可視光領域の光の透過率が高く、また有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する工程において変化しないものが好適に用いられ、リジッド基板でも、フレキシブル基板でもよく、例えばガラス板、プラスチック板、高分子フィルムおよびシリコン板、およびこれらを積層した積層板などが好適に用いられる。
なお、支持基板1としては、例示したもののうち、透明な第1電極5との屈折率の差が、0.3未満の屈折率を示すものが適宜用いられる。
第1電極5は、透明の膜本体と、膜本体中に配置され、導電性を有するワイヤ状の導電体とを含んで構成される。透明の膜本体は、可視光領域の光の透過率が高いものが好適に用いられ、樹脂や無機ポリマー、無機−有機ハイブリッド化合物などを含んで構成される。透明の膜本体としては、樹脂の中でも導電性を有する樹脂が好適に用いられる。このようにワイヤ状の導電体に加えて、導電性を有する膜本体を用いることによって、第1電極5の低電気抵抗化(以下、電気抵抗を略して抵抗という場合がある)を図ることができる。このような低抵抗の第1電極5を用いることによって、第1電極での電圧降下を抑制し、有機エレクトロルミネッセンス素子の低電圧駆動を実現するとともに、輝度ムラを抑制することができる。
またワイヤ状の導電体は、少なくとも一部が第1電極5の基板1とは反対側の表面寄りに配置されることが好ましい。このようにワイヤ状の導電体を配置することによって、第1電極5の表面部の抵抗を下げることができる。
ワイヤ状の導電体は、例えば曲線状でも、針状でもよい。曲線状及び/又は針状の導電体が互いに接触し合って網目構造を形成することによって、体積抵抗率の低い第1電極5を実現することができる。
ワイヤ状の導電体の材料としては、例えば、Ag、Au、Cu、Alおよびこれらの合金などの抵抗の低い金属が好適に用いられる。ワイヤ状の導電体は、例えばN.R.Jana, L.Gearheart and C.J.Murphyによる方法(Chm.Commun.,2001, p617-p618)や、C.Ducamp-Sanguesa, R.Herrera-Urbina, and M.Figlarz等による方法(J. Solid State Chem.,Vol.100, 1992, p272〜p280)によって製造することができる。
第1電極5を成膜する方法としては、例えば、ワイヤ状の導電体を樹脂に練り込むことによって、ワイヤ状の導電体を樹脂に分散させる方法、ワイヤ状の導電体と、樹脂とを分散媒に分散させた分散液を用いる塗布法によって成膜化する方法、およびワイヤ状の導電体を樹脂から成る膜の表面にコーティングし、導電体を膜中に分散させる方法などを挙げることができる。
なお、第1電極5には、必要に応じて界面活性剤や酸化防止剤などの各種添加剤を加えてもよい。樹脂の種類は、屈折率、透光率および電気抵抗などの第1電極5の特性に応じて適宜選ばれる。
また、ワイヤ状の導電体を分散させる量は、第1電極5の電気抵抗、ヘイズ値および透光率などに影響するので、第1電極5の特性に応じて適宜設定される。
本実施形態の有機エレクトロルミネッセンス素子においては、上記補助電極4は、前記陽極(第1電極)5の表面上に配置され、前記第1電極に電気的に接続された枠状の第1補助電極2と、前記第1補助電極2の枠内に配置されるとともに、該第1補助電極2に電気的に接続され、該第1補助電極2よりも線幅が狭い第2補助電極3とを備える。
発光部6は、第1電極5と第2電極7との間に設けられる。発光部6は、少なくとも発光層10を備える。陽極(本実施の形態では第1電極5)と発光層10との間には、必要に応じて所定の1または複数の層9が設けられる。また発光層10と陰極(本実施の形態では第2電極7)との間には、必要に応じて所定の1または複数の層11が設けられる。
陽極(本実施の形態では第1電極5)と発光層10との間に設けられる層9としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層等が挙げられる。正孔注入層は、陽極(第1電極)5からの正孔注入効率を改善する機能を有する層である。正孔輸送層は、陽極、正孔注入層または陽極により近い正孔輸送層からの正孔注入を改善する機能を有する層である。電子ブロック層は、電子の輸送を堰き止める機能を有する層である。なお正孔注入層、及び/又は正孔輸送層が電子の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層が電子ブロック層を兼ねることがある。電子ブロック層が電子の輸送を堰き止める機能を有することは、例えば、電子電流のみを流す素子を作製し、その電流値の減少で堰き止める効果を確認することが可能である。
発光層10と陰極(本実施の形態では第2電極7)との間に設けられる層11としては、電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層等が挙げられる。陰極7と発光層10との間に電子注入層と電子輸送層との両方の層が設けられる場合、陰極に接する層を電子注入層といい、この電子注入層を除く層を電子輸送層という。電子注入層は、陰極からの電子注入効率を改善する機能を有する層である。電子輸送層は、陰極、電子注入層または陰極により近い電子輸送層からの電子注入を改善する機能を有する層である。正孔ブロック層は、正孔の輸送を堰き止める機能を有する層である。なお電子注入層、及び/又は電子輸送層が正孔の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層が正孔ブロック層を兼ねることがある。正孔ブロック層が正孔の輸送を堰き止める機能を有することは、例えばホール電流のみを流す素子を作製し、その電流値の減少で堰き止める効果を確認することが可能である。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔注入層/発光層/陰極
c)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
d)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/陰極
e)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
f)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
g)陽極/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
h)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
j)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
k)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
l)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
m)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
n)陽極/発光層/電子注入層/陰極
o)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
p)陽極/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(ここで、記号「/」は、記号「/」を挟む各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
q)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/電荷発生層/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
また、3層以上の発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子としては、具体的には、(電荷発生層/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層)を一つの繰り返し単位として、以下のr)に示す前記繰り返し単位を2つ以上含む層構成を挙げることができる。
r) 陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/(該繰り返し単位)/(該繰り返し単位)/・・・/陰極
上記層構成q)およびr)において、陽極、電極、陰極、発光層以外の各層は必要に応じて削除することができる。
ここで、電荷発生層とは、電界を印加することにより、正孔と電子を発生する層である。電荷発生層としては、例えば酸化バナジウム、インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide:略称ITO)、酸化モリブデンなどから成る薄膜を挙げることができる。
以下、各層の構成についてさらに詳細に説明する。
正孔注入層を構成する材料としては、公知の材料を適宜用いることができ、特に制限はない。例えば、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサジアゾール誘導体、酸化バナジウム、酸化タンタル、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。
正孔輸送層を構成する材料としては、特に制限はないが、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)4,4’−ジアミノビフェニル(TPD)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)等の芳香族アミン誘導体、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリアリールアミンもしくはその誘導体、ポリピロールもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体などが例示される。
溶液からの成膜方法としては、前述した正孔注入層の成膜法と同様の塗布法を挙げることができる。
前記発光部6を構成する発光層10は、通常、主として蛍光または燐光を発光する有機物を有し、さらにドーパント材料を含んでいてもよい。有機物としては低分子化合物、及び/又は高分子化合物が用いられ、好ましくは高分子化合物が用いられ、発光層は、ポリスチレン換算の数平均分子量が、103〜108である高分子化合物を含むことが好ましい。この実施形態において用いることができる発光層を構成する発光材料としては、例えば以下のものが挙げられる。なお、陽極5と陰極7との間には、一層の発光層に限らず、複数の発光層が配置されてもよい。
色素系材料としては、例えば、シクロペンダミン誘導体、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー(誘導体)、ピラゾリンダイマーなどが挙げられる。
金属錯体系材料としては、例えば、イリジウム錯体、白金錯体等の三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体など、中心金属に、Al、Zn、BeなどまたはTb、Eu、Dyなどの希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造などを有する金属錯体などを挙げることができる。
高分子系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記色素体や金属錯体系発光材料を高分子化したものなどが挙げられる。
また、緑色に発光する材料としては、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
また、赤色に発光する材料としては、クマリン誘導体、チオフェン環化合物、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることが出来る。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
発光層中に発光効率の向上や発光波長を変化させるなどの目的で、ドーパントを添加することができる。このようなドーパントとしては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾンなどを挙げることができる。なお、このような発光層の厚さは、通常約20〜2000Åである。
有機物を含む発光層の成膜方法としては、発光材料を含む溶液を発光層形成領域の面上に塗布する方法、発光層形成領域の面上に真空蒸着法を用いて堆積させる方法、所定の基体の上に発光材料を含む溶液を塗布し、この塗膜を成膜化し、得られた膜を発光層領域に転写する方法などを用いることができる。溶液からの成膜に用いる溶媒の具体例としては、前述の溶液から正孔輸送層を成膜する際に正孔輸送材料を溶解させる溶媒と同様の溶媒が挙げられる。
電子注入層は、先に述べたように、電子輸送層と陰極との間、または発光層と陰極との間に設けられる。電子注入層としては、発光層の種類に応じて、アルカリ金属やアルカリ土類金属、あるいは前記金属を一種類以上含む合金、あるいは前記金属の酸化物、ハロゲン化物および炭酸化物、あるいは前記物質の混合物などが挙げられる。
この電子注入層の膜厚としては、1nm〜1μm程度が好ましい。
電子輸送層を形成する材料としては、公知のものが使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンもしくはその誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、ナフトキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンもしくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンもしくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオレンもしくはその誘導体等が例示される。
第1の実施形態における第2電極7は、前記第1電極5に対向して配置される電極であって、有機エレクトロルミネッセンス素子の陰極となるものであるが、本発明においては、後述の第2の実施形態に示すように、陽極である場合も可能である。このような陰極の材料としては、仕事関数が小さく、発光層への電子注入が容易な材料が好ましい。また陰極の材料としては電気伝導度が高く、可視光反射率の高い材料が好ましい。かかる陰極材料としては、具体的には、金属、金属酸化物、合金、グラファイトまたはグラファイト層間化合物、酸化亜鉛(ZnO)等の無機半導体などを挙げることができる。
上述のように陰極(第2電極)7が形成された後、基本構造として補助電極4−第1電極(陽極)5−発光部6−第2電極(陰極)7を有してなる発光機能部を保護するために、該発光機能部を封止する封止基板(上部封止膜)8が形成されることが好ましい。この封止基板8は、通常、少なくとも一つの無機層と少なくとも一つの有機層を有する。積層数は、必要に応じて決定され、基本的には、無機層と有機層は交互に積層される。
本実施形態の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造は、上述の各層の材料説明のところで、それぞれ説明した形成方法を組み合わせることによって、実現することができる。すなわち、本実施形態の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、
(1)上述した構成の基板から適宜に選択した基板を用意する工程、
(2)用意した基板上に補助電極を上述した方法により形成する工程、
(3)基板および補助電極上に上述した方法により第1電極を形成する工程、
(4)第1電極上に上述した方法により1つ又は複数の層からなる発光部を形成する工程、
(5)発光部の上に上述した方法により第2電極を形成する工程、
を有する。
次に、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の第2の実施形態を、図6を参照して説明する。第2の実施形態と、上述の第1の実施形態との違いは、上述の第1の実施形態の有機エレクトロルミネッセンス素子が発光部6からの光を透明な陽極(第1電極)5を透過させて透明な支持基板1から外部へ出射するボトムエミッション型の素子であったのに対し、第2の実施形態の有機エレクトロルミネッセンス素子では発光部26からの光を透明な陰極(第1電極)27を透過させて透明な封止基板28から外部へ出射するトップエミッション型の素子である点にある。
すなわち、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、前記第1の実施形態によっても、第2の実施形態によっても、透明電極の抵抗による電圧降下を低減し、発光面積が大きい場合でも発光輝度のムラが十分に抑制され、均一発光が可能となり、かつ光取り出し効率が向上する。
下記一般式(1)で表される高分子化合物1を以下の方法により合成した。
下記一般式(2)で表される高分子化合物2を以下の方法により合成した。
この作製例1では、透明な第1電極に補助電極を形成した場合の効果を確認するために、透明な基板と透明な第1電極の屈折率を特定の範囲に制御せず、また第1電極内にワイヤ状の導電体を設置する第1電極内にワイヤ状の導電体を配置せずに、透明な第1電極(陽極)の基板側の表面に補助電極を配置した有機エレクトロルミネッセンス素子を製造した。
上記作製例1において、補助電極を形成する際のフォトマスクとして、線幅20mmのラインから構成される正方形の枠状の開口部のみを有するフォトマスクを用いた以外は、作製例1と同様にして、比較用の有機エレクトロルミネッセンス発光素子を作製した。
上記作製例1において、補助電極を形成する際のフォトマスクとして、縦×横のピッチがそれぞれ300μm×100μm、縦×横の線幅がそれぞれ70μm×30μmからなる格子型の開口部とを有するフォトマスクを用いた以外は、作製例1と同様にして、参考比較用の有機エレクトロルミネッセンス発光素子を作製した。
作製例1及び参考例1,2で得られた有機エレクトロルミネッセンス発光素子の発光特性を評価した。具体的には、素子全体に8Vの電圧を印加した際の発光輝度を測定し、さらに発光面の様子を目視にて観察した。得られた結果を下記(表1)に示す。
ワイヤ状の導電体として、アミノ基含有高分子系分散剤(アイ・シー・アイ・ジャパン社製、商品名「ソルスパース24000SC」)で表面を保護した銀ナノワイヤー(長軸平均長さ1μm、短軸平均長さ10nm)を用いる。この銀ナノワイヤーのトルエン分散液2g(銀ナノワイヤー1.0g含有)と、膜本体となる光硬化性モノマーであるトリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学社製、商品名「NKエステル−TMPT」)0.25gとを混合し、さらに重合開始剤(日本チバ・ガイギー社製、商品名「イルガキュア907」)0.0025gを添加する。この混合溶液を厚さ0.7mmのガラス基板(透明板本体)に塗布し、ホットプレート上で110℃20分加熱して溶媒を乾燥し、さらにUVランプで光照射(6000mW/cm2)することによって硬化して、膜厚が150nmの透明導電膜を得る。このように成膜することによって、透過率が80%以上、体積抵抗率が1Ω・cm以下、表面粗さが100nm以下である透明導電膜が得られる。
ワイヤ状の導電体として、アミノ基含有高分子系分散剤(アイ・シー・アイ・ジャパン社製、商品名「ソルスパース24000SC」)で表面を保護した銀ナノワイヤー(長軸平均長さ1μm、短軸平均長さ10nm)を用いる。この銀ナノワイヤーのトルエン分散液2g(銀ナノワイヤー1.0g含有)と、膜本体となるポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸の溶液(スタルク社製、商品名「BaytronP」)2.5gとを混合する。この混合溶液を厚さ0.7mmのガラス基板(透明板本体)に塗布し、ホットプレート上で200℃20分加熱し、溶媒を乾燥すると膜厚が150nmの透明導電膜を得る。このように成膜することによって、透過率が80%以上、体積抵抗率が1Ω・cm以下、表面粗さが100nm以下である透明導電膜が得られる。
ワイヤ状の導電体として、アミノ基含有高分子系分散剤(アイ・シー・アイ・ジャパン社製、商品名「ソルスパース24000SC」)で表面を保護した銀ナノワイヤー(長軸平均長さ1μm、短軸平均長さ10nm)を用いる。膜本体となるポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸の溶液(スタルク社製、商品名「BaytronP」)2.5gに、ジメチルスルホキシド0.125gを混合した混合液と、前記銀ナノワイヤーのトルエン分散液2g(銀ナノワイヤー1.0g含有)とを混合する。この混合溶液を0.7mm厚のガラス基板に塗布し、ホットプレート上で200℃20分加熱し、溶媒を乾燥すると膜厚が150nmの導電膜を得る。このように成膜することによって透過率が80%以上、体積抵抗率が1Ω・cm以下、表面粗さが100nm以下である透明導電膜が得られる。
2,2a,2b,2c,2d 第1補助電極
3,3a,3b,3c,3d 第2補助電極
4 補助電極
5 透明陽極(第1電極)
6 発光部
7 陰極(第2電極)
8 保護膜(上部封止膜)
9 陽極と発光層との間に設けられる層
10 発光層
11 陰極と発光層との間に設けられる層
21 支持基板
22 第1補助電極
23 第2補助電極
24 補助電極
25 陽極(第2電極)
26 発光部
27 透明陰極(第1電極)
28 保護膜(上部封止膜)
29 陽極と発光層との間に設けられる層
30 発光層
31 陰極と発光層との間に設けられる層
Claims (15)
- 透明な基板と、
前記基板に接して設けられる透明な第1電極と、
前記第1電極と比較して電気抵抗が低く、前記第1電極に接して設けられる補助電極と、
第2電極と、
前記第1電極および第2電極の間に配置された発光部と、を含み、
前記第1電極の屈折率をn1、前記基板の屈折率をn2とすると、n1、およびn2がそれぞれ次式(1)
を満たし、
前記第1電極の可視光領域の光の透過率が80%以上、体積抵抗率が1Ω・cm以下、表面粗さが100nm以下であり、
前記補助電極が、
枠状の第1補助電極と、
該第1補助電極の枠内に配置されるとともに、該第1補助電極に電気的に接続され、該第1補助電極よりも線幅が狭い第2補助電極と、を有する有機エレクトロルミネッセンス素子。 - 前記第1電極が、
透明の膜本体と、
上記膜本体中に配置され、導電性を有するワイヤ状の導電体と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。 - 前記ワイヤ状の導電体の径が200nm以下であることを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記ワイヤ状の導電体が前記膜本体中において網目構造を構成していることを特徴とする請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記膜本体が導電性を有する樹脂を含んでいることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記第2補助電極の線幅を前記第1補助電極の線幅で除した値が、1/1000〜1/10であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記基板が、支持基板であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記基板が、封止基板であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記第1電極を形成する前に、前記基板の前記発光部側の表面に前記補助電極を設けることを特徴とする請求項9に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
- 前記第1電極を形成した後に、該第1電極の封止基板側に補助電極を設けることを特徴とする請求項11に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
- 請求項1〜8のうちのいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えることを特徴とする照明装置。
- 請求項1〜8のうちのいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えることを特徴とする面状光源。
- 請求項1〜8のうちのいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えることを特徴とする表示装置。
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