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JP2010056299A - 熱伝導ゴムシートの製造方法 - Google Patents

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JP2010056299A JP2008219718A JP2008219718A JP2010056299A JP 2010056299 A JP2010056299 A JP 2010056299A JP 2008219718 A JP2008219718 A JP 2008219718A JP 2008219718 A JP2008219718 A JP 2008219718A JP 2010056299 A JP2010056299 A JP 2010056299A
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Abstract

【課題】厚み方向に高熱伝導率を有する熱伝導ゴムシートを簡易かつ高生産性のプロセスで実現する製造方法である。
【解決手段】1)未架橋段階のゴム成分35〜85重量部と、メソフェーズピッチを原料とし、六角網面の厚み方向に由来する結晶子サイズが30nm以上である黒鉛化炭素短繊維15〜65重量部、計100重量部を含むゴム前駆体組成物を、シート内部の一方向に相対的に強いせん断力およびまたは伸長力が発生するような条件で、混練もしくは混練押出することにより、炭素繊維がシート面内にほぼ一軸配向したゴム前駆体シートを作成する工程、
2)炭素繊維の配向方向に対して垂直な平面により、0.05〜100mmの幅でシートをスライスする工程、
3)シートの厚み方向に加熱プレス処理することによりゴム架橋して、炭素繊維の配向が固定されたゴムシートを作成する工程、
を含む熱伝導ゴムシートの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明の熱伝導ゴムシートの製造方法は、特に厚み方向に高効率な熱拡散、熱輸送が可能な熱伝導ゴムシートの製造技術に関するものである。
熱拡散性シートは、温度によって素子動作の効率や寿命等に悪影響が出るCPU、MPU、パワートランジスタ、LED、レーザーダイオード、各種電池(リチウムイオン電池などの各種2次電池、各種燃料電池、キャパシタ、アモルファスシリコン、結晶シリコン、化合物半導体、湿式太陽電池等の各種太陽電池など)等の各種の電気デバイス周りや、熱の有効利用が求められる暖房機器の熱源周り、熱交換器や床暖房装置の熱配管周りなどにおいて、好適に用いられる。
その中でも特に各種熱源(CPU、トランジスタ、LED等の各種デバイスなど)と放熱フィン形状を有する金属ヒートシンク等との間に用いられ、両者間の熱の流れを改善し、効率的放熱を為すことを目的とする低熱抵抗型の熱伝導シートとしては、厚み方向に高い熱伝導率と適度な柔軟性を有したものが求められている。
特にレーザーフラッシュ法測定で測定した厚み方向の熱伝導率が5W/m・K以上のシートは、高い放熱性の要求される用途を中心にニーズが高まっているが、このような仕様のシートを簡易的かつ生産性高く製造する事は現在大きな課題となっている。
厚み方向の熱伝導率が5W/m・K以上の熱伝導シートを得る方法としては、例えば以下のようなものがこれまでに開示されている(特許文献1)。
しかしながら特許文献1に開示される方法では、炭素繊維の配向に強力な磁場を用いる関係上、大規模な装置が必要であり、また原理的に磁場の印加される部分でのみ製造可能な為、シートの生産性が低いとの問題があった。
特開2002−88171号公報
本発明は、特にシートの厚み方向に対して高効率な熱拡散、十分な熱伝導性能を有する熱伝導ゴムシートを、簡便かつ効率的な手法で製造する事を目的とする。
本発明は、1)未架橋段階のゴム成分35〜85重量部と、メソフェーズピッチを原料とし、六角網面の厚み方向に由来する結晶子サイズが30nm以上である黒鉛化炭素短繊維15〜65重量部、計100重量部を含むゴム前駆体組成物を、シート内部の一方向に相対的に強いせん断力およびまたは伸長力が発生するような条件で、混練もしくは混練押出することにより、炭素繊維がシート面内にほぼ一軸配向したゴム前駆体シートを作成する工程、
2)炭素繊維の配向方向に対して垂直な平面により、0.05〜100mmの幅でシートをスライスする工程、
3)シートの厚み方向に加熱プレス処理することによりゴム架橋して、炭素繊維の配向が固定されたゴムシートを作成する工程、
を含み、厚み0.05〜100mmで厚み方向に炭素繊維がほぼ一軸配向され、厚み方向に5W/m・K以上の熱伝導率を有するシートを製造する熱伝導ゴムシートの製造方法である。
本発明方法により各種用途でニーズの高い、厚み方向に高熱伝導性のゴムシートを簡便な手法で得る事が可能になった。
次に、本発明の実施の形態について、更に詳しく説明する。
本発明の製造方法が目的とする熱伝導ゴムシートは、厚み0.05〜100mmで厚み方向に炭素繊維がほぼ一軸配向され、厚み方向に5W/m・K以上の熱伝導率を有するシートである。
シートの厚み方向の熱伝導率は、レーザーフラッシュ法による測定において、少なくとも5W/m・K以上である事が好ましく、より好ましくは7W/m・K以上、更に好ましくは10W/m・K以上、最も好ましくは15W/m・K以上である。
尚、用途として想定する低熱抵抗型放熱シートにおいては、シートの面内方向の熱伝導率は、例えば2W/m・K未満の低い値であっても構わない。
このように厚み方向に特に高い熱伝導率を有するゴムシートを得る方法として、本発明の製造方法では、少なくとも下記3つの工程を行う事が好ましい。
すなわち、
[工程1] 未架橋段階のゴム成分35〜85重量部と、メソフェーズピッチを原料とし、六角網面の厚み方向に由来する結晶子サイズが30nm以上である黒鉛化炭素短繊維15〜65重量部、計100重量部を含むゴム前駆体組成物を、シート内部の一方向に相対的に強いせん断力およびまたは伸長力が発生するような条件で、混練もしくは混練押出することにより、炭素繊維がシート面内にほぼ一軸配向したゴム前駆体シートを作成する工程、
[工程2] 炭素繊維の配向方向に対して垂直な平面により、0.05〜100mmの幅でシートをスライスする工程、
[工程3] シートの厚み方向に加熱プレス処理することによりゴムを架橋して、炭素繊維の配向が固定されたゴムシートを作成する工程、
の3つである。
工程1はゴム前駆体組成物の混練もしくは混練押出方法が大きなポイントであり、一方向に特に強いせん断力がかかる混練方法の採用が重要であり、これによって黒鉛化炭素短繊維の一軸配向性を高める事ができる。こうした混練方法として、例えば2本以上のロール等を用いるロール間混練法が好ましく挙げられる。混練方法の具体例として、ゴム前駆体組成物をまずロール混練機のギャップに通してゴム前駆体組成物のシートを得て、さらにシートを複数回ロールに通してせん断力により炭素繊維をシート面内にほぼ一軸配向させようとする方法が好ましく挙げられるが、この場合の模式図を図1に示す。なお図中、模式的に黒鉛化炭素短繊維を拡大して描いている。 図1において、2本のロール間に挟み込まれたゴム前駆体組成物のシートがこの間隙を通過する際、シートは回転するロールにより強いずりせん断力を受け、ロールの回転方向と平行な方向に伸長を受ける。マトリックスが伸長されるのに伴い、シート内に混合されている黒鉛化炭素短繊維も同方向に配列するものが多くなる。この結果、シート面内の一方向に炭素繊維が配向した状態が発生する。また配向性を高めるためにシートを複数回ロールに通すことが好ましいが、ロールに張り付いたシートをいったん剥がし裏返して、さらにロールに通す、いわゆる切り返すことが好ましい。
なおゴム前駆体組成物の混練に際して、バンバリーミキサのような密閉型混練機にて予備混練を行なった後、ロール混練機でせん断により炭素繊維をシート面内にほぼ一軸配向させるように混練もしくは混練押出する方法も挙げられる。
ここで黒鉛化炭素短繊維は、平均アスペクト比がおおよそ2〜10000の繊維形状を持った異方性材料である事から、炭素繊維の一軸配向性を高める事により、その配向方向に極めて高い熱伝導率を得る事ができる。
工程1で作成したゴム前駆体シートは面内一方向に炭素繊維が配向し、熱伝導率の最大となる方向がシート面内の一方向にある。すなわち炭素繊維の配向方向は、シート内の様々な方向にレーザーフラッシュ法で熱伝導率を測定した場合に熱伝導率が最大になる方向と定義できる。例えば、先に例示したロール混練法では、一般にロールの回転方向と平行な方向、すなわちローラの軸と垂直方向に炭素繊維が配向し、熱伝導率はこの方向に最大となる。
工程2は、このように面内の一方向に炭素繊維が配向したシートを、その配向方向に垂直な平面でスライスする工程であり、これによって、炭素繊維が厚み方向に配向したシートを作成する事ができる。すなわち炭素繊維の配向方向に対して垂直方向にスライスしたシートを作成し、それを90度回転させる事により、炭素繊維の配向方向が厚み方向に一致する熱伝導ゴムシートを得る事ができる。
ゴムシートの切断方法としては、例えば、刃物を用いた打ち抜き法、ウォータージェット法、レーザーメス法などが挙げられるが、ゴムシートに求められる低熱抵抗性能実現において、切断面の平滑性は極めて重要であり、切断方法と同時に切断条件の最適化が必要である。
工程3は、ゴム前駆体シートの加硫成型の工程である。加熱プレス、ロール間熱プレス、カレンダー処理等の諸手法が採用可能であるが、ゴム架橋を十分行う上では熱エネルギーを十分に供給でき、シート厚みの均一性や表面平滑性(もしくは賦型性)のコントロールに優れる方法がより好ましい。
この観点では、ゴム前駆体シートを所定の金型にセットした後に、必要に応じ真空下とした金型内で加熱プレスを施すコンプレッション成型法が好ましく用いられる。
尚、これら3つの工程に関し、工程1は工程2、工程3より前に実施する必要があるが、工程2と工程3の実施順については特に制約はない。
例えば、工程2→工程3の順序ではゴムシートの表面平滑性が高まるとの利点があり、工程3→工程2の順序では炭素繊維の配向性がコントロールしやすく、ハンドリング性も良いとの利点があるので、目的に応じて選択可能である。
[ゴムマトリックス材料]
マトリックスとなるゴム成分としては、天然ゴム(NR)、アクリルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBRゴム)、イソプレンゴム(IR)、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム(EPM)、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム(CR)、シリコーンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム等が好適に開示される。
[黒鉛化炭素短繊維]
黒鉛化炭素短繊維は、メソフェーズピッチを原料とし、平均繊維径5〜20μm、平均繊維径に対する繊維径分散の百分率(CV値)が5〜20%、平均アスペクト比が平均2〜10000であって、走査型電子顕微鏡での観察表面が実質的に平滑であり、かつ透過型電子顕微鏡での端面観察においてグラフェンシートが閉じている黒鉛化炭素短繊維が好ましく用いられる。
黒鉛化炭素短繊維の原料となる材料としては、ナフタレンやフェナントレンといった縮合多環炭化水素化合物、石油系ピッチや石炭系ピッチといった縮合複素環化合物等が例示できる。その中でもナフタレンやフェナントレンといった縮合多環炭化水素化合物が好ましく、特にメソフェーズピッチが好ましい。メソフェーズピッチのメソフェーズ率としては少なくとも90%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは99%以上である。なお、メソフェーズピッチのメソフェーズ率は、溶融状態にあるピッチを偏向顕微鏡で観察することで確認出来る。更に、原料ピッチの軟化点としては、230℃以上340℃以下が好ましい。不融化処理は、軟化点よりも低温で処理する必要がある。このため、軟化点が230℃より低いと、少なくとも軟化点未満の低い温度で不融化処理する必要があり、結果として不融化に長時間を要するため好ましくない。一方、軟化点が340℃を超えると、紡糸に340℃を超える高温が必要となり、ピッチの熱分解を引き起こし、発生したガスで糸に気泡が発生するなどの問題を生じるため好ましくない。軟化点のより好ましい範囲は250℃以上320℃以下、更に好ましくは260℃以上310℃以下である。なお、原料ピッチの軟化点はメトラー法により求めることが出来る。原料ピッチは、二種以上を適宜組合せて用いてもよい。組合せる原料ピッチのメソフェーズ率は少なくとも90%以上であり、軟化点が230℃以上340℃以下であることが好ましい。
本発明で用いる黒鉛化炭素短繊維は、光学顕微鏡で観測した平均繊維径(D1)が5〜20μmである事が好ましい。D1が5μmを下回る場合、ハンドリングが困難になる。逆にD1が20μmを超えると、加熱により皮膜を形成する際に、隙間ができ、皮膜の付着強度が不十分になる。D1のより好ましい範囲は5〜15μmであり、更に好ましくは7〜13μmである。
また黒鉛化炭素短繊維は、光学顕微鏡で観測したピッチ系炭素短繊維フィラーにおける繊維径分散(S1)のD1に対する百分率(CV値)は5〜20である事が好ましい。CV値は小さい程、工程安定性が高く、製品のバラツキが小さいことを意味している。CV値が5より小さい時、繊維径が極めて揃っているため、フィラーの間隙に他のフィラーが入り込める余地が少なくなり、樹脂材料と複合する際に多量のフィラーを添加するのが困難になり、熱拡散層の熱伝導率を高める上で好ましくない。逆にCV値が20より大きい場合には樹脂との複合の際の分散性が悪くなって、熱拡散層の性能均一性が低下する傾向にある。CV値はより好ましくは、5〜15である。
本発明における黒鉛化炭素短繊維の平均繊維長(L1)は少なくとも20μm以上であることが好ましい。ここで、平均繊維長は個数平均繊維長とし、光学顕微鏡下で測長器を用い、複数の視野において所定本数を測定し、その平均値から求めることができる。L1が20μmより小さい場合は、フィラー同士が接触しにくくなり、効果的な熱伝導経路の形成が期待しにくくなる。
一方、平均繊維長の上限については特に大きな制限はない。ただ実際上は、樹脂への複合方法にも依存するが、安定した製造が可能となる範囲で決められる。一般的には平均繊維長が100mm(100000μm)を超えると安定製造はかなり難しくなる傾向にある。
黒鉛化炭素短繊維の平均アスペクト比は2〜10000、好ましくは3〜1000、より好ましくは4〜100、更に好ましくは5〜50である。
黒鉛化炭素短繊維フィラーは、六角網面の厚み方向に由来する結晶子サイズが30nm以上であり、さらに六角網面の成長方向に由来する結晶子サイズが50nm以上であることが好ましい。結晶子サイズは六角網面の厚み方向、六角網面の成長方向のいずれも、黒鉛化に対応するものであり、熱物性を発現するためには、一定サイズ以上が必要である。六角網面の厚み方向に由来する結晶子サイズ及び六角網面の成長方向の結晶子サイズは、X線回折法で求める事ができる。測定手法は集中法とし、解析手法としては、学振法を用いた。六角網面の厚み方向の結晶子サイズは、(002)面からの回折線を用いて求め、六角網面の成長方向の結晶子サイズは、(110)面からの回折線を用いてそれぞれ求めることができる。
また黒鉛化炭素短繊維の真密度は少なくとも1.9以上である事が好ましく、好ましくは2.1以上、より好ましくは2.15以上、最も好ましくは2.2以上である。
更に黒鉛化炭素短繊維の繊維軸方向の熱伝導率は少なくとも300W/(m・K)以上である事が好ましく、より好ましくは400W/(m・K)以上、更に好ましくは500W/(m・K)以上、もっとも好ましくは600W/(m・K)以上である。
黒鉛化炭素短繊維は走査型電子顕微鏡での観察表面が実質的に平坦であることが好ましい。ここで、実質的に平坦であるとは、フィブリル構造のような激しい凹凸をピッチ系炭素短繊維フィラー表面に有しないことを意味する。炭素短繊維の表面に激しい凹凸のような欠陥が存在する場合には、マトリクス樹脂との混練に際して表面積の増大に伴う粘度の増大を引き起こし、成形性を悪化させる。よって、表面凹凸のような欠陥はできるだけ小さい状態が望ましい。より具体的には、走査型電子顕微鏡において1000倍で観察した像での観察視野に、凹凸のような欠陥が10箇所以下であることとする。
また黒鉛化炭素短繊維は、透過型電子顕微鏡による観察で、その端面において、グラフェンシートが閉じた構造になっていることが好ましい。端面がグラフェンシートとして閉じている場合には、余分な官能基の発生や、形状に起因する電子の局在化が起こらないので、活性点を持ちにくくなる。この結果、熱硬化性樹脂の触媒活性低下による硬化阻害を抑制することができる。更には、水などの吸着を低減することができ湿熱耐久性能向上をもたらすことができる。
特に短繊維状の炭素繊維においては、炭素繊維の表面積に占める端面の割合が高くなることから、グラフェンシートが閉じている構造が特に好ましい。なお、グラフェンシートが閉じているとは、フィラーを構成するグラフェンシートそのものの端部がフィラー端部に露出することなく、グラファイト層が略U字上に湾曲し、湾曲部分がフィラー端部に露出している状態である。このような状態が端面全体の80%以上を占めているときに、殊更にこれらの効果は顕在化される。
[黒鉛化炭素短繊維の製造方法]
次に黒鉛化炭素短繊維の好ましい作製方法を以下に示す。
原料として用いるピッチは溶融法により紡糸され、その後不融化、焼成、ミリング、黒鉛化によって黒鉛化炭素短繊維となる。場合によっては、ミリングの後、分級工程を入れることもある。前述のように黒鉛化炭素短繊維の透過型電子顕微鏡によるフィラー端面観察においてグラフェンシートが閉じていることが好ましいが、このような黒鉛化炭素短繊維は、ミリングを行った後に黒鉛化処理を実施することによって、好ましく得ることができる。これは、黒鉛化後にミリングを行うと、黒鉛化に伴い生成したグラフェンシートが切断端面にて開いたままになるのに対して、炭化ピッチ繊維ウェブをミリングしピッチ系炭化短繊維とした後で黒鉛化を行うと、短繊維端面のグラフェンシートがループ状に閉じるという黒鉛の成長過程を用いたものである。以下各工程の好ましい態様について説明する。
紡糸方法には、特に制限はないが、所謂溶融紡糸法を好ましく挙げることができる。具体的には、口金から吐出した原料ピッチをワインダーで引き取る通常の紡糸延伸法、熱風をアトマイジング源として用いるメルトブロー法、遠心力を利用して原料ピッチを引き取る延伸紡糸法などが挙げられる。中でもピッチ繊維の形態の制御、生産性の高さなどの理由からメルトブロー法を用いることが望ましい。このため以下、黒鉛化炭素短繊維の製造方法に関してはメルトブロー法について記載する事とする。
黒鉛化炭素短繊維の原料となるピッチ繊維を形成するための紡糸ノズルの形状については特に制約はない。通常真円状のものが使用されるが、適時楕円などの異型形状を用いても何ら問題ない。ノズル孔の長さ(LN)と孔径(DN)の比(LN/DN)としては2〜20の範囲が好ましい。LN/DNが20を超えると、ノズルを通過する原料ピッチに強いせん断力が付与され、繊維断面にラジアル構造が発現する。ラジアル構造の発現は、黒鉛化の過程で繊維断面に割れを生じることがあり、機械特性の低下を引き起こすことがあり好ましくない。一方、LN/DNが2未満では、原料ピッチにせん断を付与することが出来ず、結果として黒鉛の配向が低い繊維となる。このため、黒鉛化しても黒鉛化度が十分に上がらず熱伝導性を向上させ難くなり好ましくない。機械強度と熱伝導性の両立を達成するためには、原料ピッチに適度のせん断を付与する必要がある。このため、ノズル孔の長さ(LN)と孔径(DN)の比(LN/DN)は2〜20の範囲が好ましく、更には3〜12の範囲が特に好ましい。
紡糸時のノズルの温度についても特に制約はなく、安定した紡糸状態が維持できる温度、即ち、原料ピッチの粘度を1〜100Pa・sの範囲にせしめる温度が好ましい。原料ピッチの粘度が1Pa・s未満の状態では、粘度が低すぎて糸形状を維持することが出来ないため好ましくない。一方、原料ピッチの粘度が100Pa・sを超えると、ノズルを通過する際に強いせん断力が付与され、生成されるピッチ繊維断面にラジアル構造が発現するため好ましくない。せん断力を適切な範囲にせしめ、かつ繊維形状を維持するためには、原料ピッチの粘度を適切に制御する必要がある。このため、原料ピッチの粘度は1〜100Pa・sの範囲が好ましく、更には3〜30Pa・sが好ましく、5〜25Pa・sがより好ましい。
黒鉛化炭素短繊維は、平均繊維径(D1)が5〜20μmであることを特徴とするが、この繊維径の制御方法は、ノズルの孔径を変更する、あるいはノズルからの原料ピッチの吐出量を変更する、あるいはドラフト比を変更することで可能である。ドラフト比の変更は、100〜400℃に加温された毎分100〜10000mの線速度のガスを細化点近傍に吹き付けることによって達成することができる。吹き付けるガスに特に制限は無いが、コストパフォーマンスと安全性の面から空気が望ましい。
紡糸されたピッチ繊維は、金網等のベルトに捕集されピッチ繊維ウェブとなる。その際、ベルト搬送速度により任意の目付量に調整できるが、必要に応じ、クロスラップ等の方法により積層させてもよい。ピッチ繊維ウェブの目付量は生産性及び工程安定性を考慮して、150〜1000g/mが好ましい。
このようにして得られたピッチ繊維ウェブは、公知の方法で不融化処理し、不融化ピッチ繊維ウェブにする。不融化は、空気、或いはオゾン、二酸化窒素、窒素、酸素、ヨウ素、臭素を空気に添加したガスを用いた酸化性雰囲気下で実施できるが、安全性、利便性を考慮すると空気中で実施することが望ましい。また、バッチ処理、連続処理のどちらでも処理可能であるが、生産性を考慮すると連続処理が望ましい。不融化処理は150〜350℃の温度で、一定時間の熱処理を付与することで達成される。より好ましい温度範囲は、160〜340℃であり、さらに好ましくは、170〜330℃の範囲である。昇温速度は1〜10℃/分が好適に用いられ、連続処理の場合は任意の温度に設定した複数の反応室を順次通過させることで、上記昇温速度を達成できる。昇温速度のより好ましい範囲は、生産性及び工程安定性を考慮して、3〜8℃/分であり、さらに好ましくは4〜6℃/分である。
不融化ピッチ繊維ウェブは、500〜1500℃の温度で、真空中、或いは窒素、アルゴン、クリプトン等の不活性ガスを用いた非酸化性雰囲気中で焼成処理され、炭化ピッチ繊維ウェブになる。焼成処理は、コスト面を考慮して、常圧かつ窒素雰囲気下での処理が望ましい。また、バッチ処理、連続処理のどちらでも処理可能であるが、生産性を考慮すれば連続処理が望ましい。
焼成処理された炭化ピッチ繊維ウェブは、所望の繊維長にするために、切断、破砕・粉砕等の処理が実施される。また、場合によっては、分級処理が実施される。処理方式は所望の繊維長に応じて選定されるが、切断にはギロチン式、回転式等のカッター、1軸、2軸及び多軸回転刃式等が好適に使用され、破砕、粉砕には衝撃作用を利用したハンマ式、ピン式、ボール式、ビーズ式及びロッド式、粒子同士の衝突を利用した高速回転式、圧縮・引裂き作用を利用したロール式、コーン式及びスクリュー式等の破砕機・粉砕機等が好適に使用される。所望の繊維長を得るために、切断と破砕・粉砕を多種複数機で構成してもよい。処理雰囲気は湿式、乾式のどちらでもよい。分級処理には、振動篩い式、遠心分離式、慣性力式、濾過式等の分級装置等が好適に使用される。所望の繊維長は、機種選定のみならず、ロータ・回転刃等の回転数、供給量、刃間クリアランス、系内滞留時間等を制御することによっても得ることができる。また、分級処理を用いる場合には、所望の繊維長は篩い網孔径等を調整することによっても得ることができる。
上記の切断、破砕・粉砕処理、場合によっては分級処理を併用して作成したピッチ系炭化短繊維は、2500〜3500℃に加熱し黒鉛化して最終的なピッチ系炭素短繊維フィラーとする。黒鉛化は、アチソン炉、電気炉等にて実施され、真空中、或いは窒素、アルゴン、クリプトン等の不活性ガスを用いた非酸化性雰囲気下等で実施される。
このようにして製造されるフィラーは、繊維の内部および表面において、非常に炭素の純度が高くなっている。つまり反応性の有機官能基や、金属、金属化合物等の不純物の含有量が極めて少ない。
また前述のように、炭素繊維切断断面においてグラフェンシートが閉じており、高い反応活性を有する結晶エッジ面が殆ど露出していない特徴も有す。
これらの事は、一般に、有機官能基、結晶エッジ面その他の反応活性部位、金属性不純物等を基点として発生する樹脂マトリクス材料の分解劣化反応の抑制に関して非常に好ましい特徴である。また架橋性、硬化性を有する樹脂材料(ゴム等も含む)をマトリクスとした場合にも架橋反応、硬化反応の阻害を全く引き起こさないとの好ましい結果が得られ、これも好ましい特徴である。
むろん、もし必要がある場合には、樹脂との親和性、分散性、接着性を高める目的にて、各種の表面処理やサイジング処理をしても良い。また、必要に応じて表面処理した後にサイジング処理をしても良い。表面処理の方法として特に限定は無いが、具体的にはオゾン処理、プラズマ処理、酸処理などが挙げられる。サイジング処理に用いるサイジング剤に特に限定は無いが、具体的にはエポキシ化合物、水溶性ポリアミド化合物、飽和ポリエステル、不飽和ポリエステル、酢酸ビニル、水、アルコール、グリコールを単独又はこれらの混合物で用いることができる。サイジング剤は炭素短繊維フィラー100重量部に対し0.01〜10重量部、付着させても良い。しかし、サイジング剤付着黒鉛化炭素短繊維フィラーは活性点を持つ可能性もあることから、サイジング処理は極力少ない事が好ましい。好ましい付着量は0.1〜2.5重量%である。
[この他の成分]
この他、ゴム前駆体組成物に混合、添加される成分としては、例えば以下のようなものがあるが、これらは従来のゴム技術との相違点は殆ど無く、従来技術が十分参照可能である。
1)ゴム架橋剤:公知の硫黄系架橋剤(加硫剤)の適量添加が好ましい。尚、シリコーンゴムをマトリックスに用いる場合にはシリコーン硬化用の公知の硬化剤(例えば3級アミン化合物等)の添加が好ましい。
2)硬化促進剤:粒径0.1〜0.9μm前後の酸化亜鉛およびまたは活性酸化亜鉛等の加硫促進補助剤、その他硬化促進剤の適量添加が好ましい。
3)カーボンブラック:ゴムの機械的強度確保のため、粒径30〜90nm程度のカーボンブラック(ケッチェンブラック、アセチレンブラック等)を必要に応じ、適量混合する事が好ましい。
4)可塑剤:ゴムの硬度調整の観点で必要に応じて可塑剤の適量添加が可能である。
5)その他:老化防止剤、オイル、滑材、無機粒子(シリカ、アルミナ等)等を必要に応じて添加できる。
[各成分の混合割合]
ゴムマトリックス成分と黒鉛化炭素短繊維との重量割合に関しては、両成分の合計を100重量部とした場合、ゴム成分35〜85重量部に対し、黒鉛化炭素短繊維が15〜65重量部の範囲にある事が好ましい。
ゴム成分は35重量部未満となると、柔軟性や機械的強度の確保が難しくなる。また黒鉛化炭素繊維が15重量部未満となると、高熱伝導率の確保が困難になりやすい。
[ゴムシートの硬度]
ゴムシートの硬度は低熱抵抗性能(伝熱性能)に深く関わっており、ショアAによるゴム硬度値として、少なくとも10〜100の範囲にある事が好ましく、好ましくは15〜85、より好ましくは20〜70、最も好ましくは25〜60である。100以上では柔軟性、変形性が低いため、デバイスやヒートシンクの表面凹凸に追随できないとの問題がある。また10未満では逆に変形性が大きすぎ、機械的強度に問題を生ずる場合が多い。
[熱伝導率の測定]
熱伝導率の測定は一般に、プローブ法、ホットディスク法、レーザーフラッシュ法等の方法によって為されるが、本発明においてはレーザーフラッシュ法を採用した。熱伝導率は測定法によってその値が大きく相違する場合もある。したがって本発明と従来技術との比較においては同様の測定された熱伝導率の値にて比較検討が為されるべきである。
以下に実施例を示すが、本発明はこれらに制限されるものではない。
(1)黒鉛化炭素短繊維の平均繊維径及び繊維径分散:
黒鉛化を経た炭素短繊維フィラーをJIS R7607に準じ、光学顕微鏡下でスケールを用いて60本測定し、その平均値から求めた。
(2)黒鉛化炭素短繊維の平均繊維長:
平均繊維長は、個数平均繊維長であり、黒鉛化を経た炭素短繊維フィラーを光学顕微鏡下で測長器で2000本以上測定し、その平均値から求めた。倍率は繊維長に応じて適宜調整した。
(3)結晶サイズ:
X線回折法にて求め、六角網面の厚み方向に由来する結晶子サイズは(002)面からの回折線を用いて求め、六角網面の成長方向に由来する結晶子サイズは(110)面からの回折線を用いて求めた。また、求め方は学振法に準拠して実施した。
(4)黒鉛化炭素短繊維の熱伝導率:
粉砕工程以外を同じ条件で作製した、黒鉛化後のピッチ系炭素繊維ウェブから糸を抜き出し抵抗率を測定し、特開平11−117143号公報に開示されている熱伝導率と電気比抵抗との関係を表す下記式(1)より求めた。
K=1272.4/ER−49.4 (1)
ここで、Kは熱伝導率W/(m・K)、ERは電気比抵抗μΩmを表す。
(5)黒鉛化炭素短繊維のグラフェンシートの端面微細構造:
炭素短繊維フィラーを透過型電子顕微鏡にて50,000倍で観察した像の視野中の閉じているグラフェンシートの数を計測した。
(6)実質的に平坦な表面の確認:
黒鉛化炭素短繊維フィラーを走査型電子顕微鏡にて1000倍で観察した像に、凹凸のような欠陥が何箇所あるかを数えた。10箇所以下の場合平滑とした。
(7)熱伝導率:
直径10mm、厚み2mmに切り出したサンプルを用い、公知のレーザーフラッシュ法を用い、周囲温度25℃にて測定を行った。レーザーフラッシュ測定装置としては、真空理工製熱定数測定装置TC−7000型を用いた。
(8)ゴム硬度:
ショアA硬度として測定した。
[参考例1](黒鉛化炭素短繊維の作成)
縮合多環炭化水素化合物よりなるピッチを主原料とした。光学的異方性割合は100%、軟化点が285℃であった。直径0.2mmの孔径の紡糸口金を使用し、スリットから加熱空気を毎分4000mの線速度で噴出させて、溶融ピッチを牽引して平均繊維径が14μmのピッチ系炭素繊維を製糸した。紡出された繊維をベルト上に捕集してマットとし、さらにクロスラッピングにより目付320g/mのピッチ系炭素繊維からなるウェブとした。
このウェブを空気中で175℃から280℃まで平均昇温速度7℃/分で昇温して不融化を行った。不融化したウェブを窒素雰囲気中800℃で焼成した後、カッティング、ミリングを行って、平均繊維長が約180μmの炭素繊維を得た。その後、空気雰囲気とした電気炉にて3000℃で熱処理して黒鉛化を施した。黒鉛化後の炭素繊維の平均繊維径は9.7μmであり、繊維径分散の平均繊維径に対する百分率は約13%であった。また真密度は2.20g/ccであった。
透過型電子顕微鏡を用い、100万倍の倍率でこのピッチ系黒鉛化炭素繊維を観察し、400万倍に写真上で拡大した像にはグラフェンシートが閉じている構造のみが観察された。また、走査型電子顕微鏡で4000倍の倍率で観察したピッチ系黒鉛化炭素繊維の表面の凹凸は1個であり実質的に平滑であった。
本ピッチ系黒鉛化炭素繊維の、X線回折法によって求めた黒鉛結晶の六角網面の厚み方向に由来する結晶サイズ(c軸方向の結晶子サイズ)は42nmであった。また黒鉛結晶の六角網面の成長方向に由来する結晶サイズ(ab軸方向の結晶子サイズ)は76nmであった。
また焼成までを同じ工程で作製し、ミリングを実施しなかったウェブを、非酸化性雰囲気とした電気炉にて3000℃で熱処理した黒鉛化ウェブより、単糸を抜き取り、電気比抵抗を測定したところ、1.6μΩ・mであった。下記式(1)を用いて求めた熱伝導度は750W/m・Kであった。
C=1272.4/ER−49.4 (1)
(ERは電気比抵抗を示し、ここでの単位はμΩ・mである)
[実施例1]
ゴムシートのマトリクス材料としてニトリル−ブタジエンゴム前駆体(JSR社製N−230SL)55重量部、参考例1で作成した黒鉛化炭素短繊維45重量部、平均粒径78μmのカーボンブラック(旭カーボン株式会社)25重量部、可塑剤(モートン社「TP−95」)10重量部、加硫剤としてジエン系ゴム加硫剤(鶴見化学工業「Salfux PMC」)0.7重量部、加硫促進助剤として粒径0.3μmの酸化亜鉛微粒子2.5重量部、微量の硬化促進剤、老化防止剤を混合した後、ロール混練機(大竹機械工業製 16インチ ミキシングロール)を用い複数回切り返してロール間混練を行い、厚み20mm、縦900mm、横500mmのゴム前駆体シートを得た。ここで縦方向が混練ロールの回転方向に相当し、横方向がロールの軸方向に相当している。
次にこのゴム前駆体シートを所定の大きさにカッティングして、金型にセットし、真空下でシート厚み方向に加熱プレスを行い、厚み17mm、縦600mm、横300mmの加硫ゴムシートを得た。本シートのゴム硬度は55であった。
続いて、このゴムシートをシートの縦方向に対して垂直な方向に10mmの等間隔で並べた刃によって打ち抜き、厚み10mm、縦17mm、横300mmのスライスされたゴムシートを得た。
このようにして得られたゴムシートの熱伝導率は厚み方向に6.5W/m・K、縦方向に0.8W/m・K、横方向に1.3W/m・Kであり、厚み方向の熱伝導率が5W/m・K以上と高いゴムシートが得られた。
[実施例2]
実施例1において作成した厚み20mm、縦900mm、横500mmのゴム前駆体シートについて、シートの縦方向に対して垂直な方向に25mm等間隔で並べた刃によって打ち抜き、厚み25mm、縦20mm、横500mmのスライスされたゴム前駆体シートを得た。
次にこのシートを所定の大きさにカッティングして、金型にセットし、真空下でシート厚み方向に加熱プレスを行い、厚み20mm、縦25mm、横50mmの架橋ゴムシートを得た。このシートのゴム硬度は59であった。
このようにして得られたゴムシートの熱伝導率は厚み方向に5.7W/m・K、縦方向1.0W/m・K、横方向に1.5W/m・Kであり、厚み方向の熱伝導率が5W/m・K以上と高いゴムシートが得られた。
また本ゴムシートの表面平滑性は非常に良好であった。
[実施例3]
ゴムシートのマトリクス材料としてニトリル−ブタジエンゴム前駆体の混合量を50重量部、黒鉛化炭素短繊維の混合量を50重量部、カーボンブラックの混合量を20重量部、とした以外は、実施例1と全く同様にしてゴムシートを作成した。
このようにして得られたゴムシートのゴム硬度は67、熱伝導率は厚み方向に7.8W/m・K、縦方向に0.9W/m・K、横方向に1.5W/m・Kであり、厚み方向の熱伝導率が7W/m・K以上と非常に高いゴムシートが得られた。
[実施例4]
ゴムシートのマトリクス材料としてニトリル−ブタジエンゴム前駆体の混合量を43重量部、黒鉛化炭素短繊維の混合量を57重量部、カーボンブラックの混合量を15重量部、可塑剤の混合量13重量部とした以外は、実施例1と全く同様にしてゴムシートを作成した。
このようにして得られたゴムシートのゴム硬度は79、熱伝導率は厚み方向に10.1W/m・K、縦方向に1.0W/m・K、横方向に1.7W/m・Kであり、厚み方向の熱伝導率が10W/m・K以上と非常に高いゴムシートが得られた。
[実施例5]
実施例3において作成した厚み20mm、縦900mm、横500mmのゴム前駆体シートについて、シートの縦方向に対して垂直な方向に4mm等間隔で並べた刃によって打ち抜き、厚み4mm、縦20mm、横500mmのスライスされたゴム前駆体シートを得た。
次にこのシートを所定の大きさにカッティングして、金型にセットし、真空下でシート厚み方向に加熱プレスを行い、厚み2mm、縦30mm、横60mmの架橋ゴムシートを得た。このシートのゴム硬度は58であった。
このようにして得られたゴムシートの熱伝導率は厚み方向に5.2W/m・K、縦方向1.2W/m・K、横方向に1.7W/m・Kであり、厚み方向の熱伝導率が5W/m・K以上と高いゴムシートが得られた。
また本ゴムシートの表面平滑性は非常に良好であった。
[実施例6]
実施例1において作成したゴム前駆体シートを5枚重ねて金型にセットし、真空下でシート厚み方向に加熱プレスを行い、厚み87mm、縦600mm、横300mmの加硫ゴムシートを得た。本シートのゴム硬度は54であった。
続いて、このゴムシートをシートの縦方向に対して垂直な方向に30mmの等間隔で並べた刃によって打ち抜き、厚み30mm、縦87mm、横300mmのスライスされたゴムシートを得た。
このようにして得られたゴムシートの熱伝導率は厚み方向に6.4W/m・K、縦方向に0.8W/m・K、横方向に1.4W/m・Kであり、厚み方向の熱伝導率が5W/m・K以上と高いゴムシートが得られた。
ロール間混練法の具体例の模式図。 実施例において、ゴムシートを所定方向に打ち抜き、厚み方向に高熱伝導性のゴムシートを得る方法について説明する模式図である。
符号の説明
1.混練用ロール
2.混練用ロール
3.ゴム前駆体組成物のシート
4.ゴムシート(ゴム前駆体シートもしくはゴム加硫シート)
5.打ち抜きによりスライスされたゴムシート
6.打ち抜き用刃物

Claims (1)

  1. 1)未架橋段階のゴム成分35〜85重量部と、メソフェーズピッチを原料とし、六角網面の厚み方向に由来する結晶子サイズが30nm以上である黒鉛化炭素短繊維15〜65重量部、計100重量部を含むゴム前駆体組成物を、シート内部の一方向に相対的に強いせん断力およびまたは伸長力が発生するような条件で、混練もしくは混練押出することにより、炭素繊維がシート面内にほぼ一軸配向したゴム前駆体シートを作成する工程、
    2)炭素繊維の配向方向に対して垂直な平面により、0.05〜100mmの幅でシートをスライスする工程、
    3)シートの厚み方向に加熱プレス処理することによりゴム架橋して、炭素繊維の配向が固定されたゴムシートを作成する工程、
    を含み、厚み0.05〜100mmで厚み方向に炭素繊維がほぼ一軸配向され、厚み方向に5W/m・K以上の熱伝導率を有するシートを製造する熱伝導ゴムシートの製造方法。
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