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JP2009237111A - 波長変換光生成装置及び生成方法 - Google Patents

波長変換光生成装置及び生成方法 Download PDF

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弘康 藤原
Genichi Otsu
元一 大津
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Abstract

【課題】 所定波長の入射光に対し、それよりも短波長の光を波長変換によって好適に生成することが可能な波長変換光生成装置及び生成方法を提供する。
【解決手段】 所定波長の励起光L0を供給する励起光源10と、色素分子の結晶の集合体22が保持基板21によって保持され、励起光L0が入射されることによって、波長変換された変換光L1を生成する波長変換素子20とを備えて、波長変換光生成装置1Aを構成する。励起光源10は、色素分子の吸収端よりも長波長の励起光L0を波長変換素子20へと供給する。また、波長変換素子20は、結晶集合体22への励起光L0の入射によって、励起光(例えば近赤外光)L0よりも短波長に波長変換された変換光(例えば可視光)L1を発生させて出力する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、励起光が波長変換素子に入射されることによって、波長変換された変換光を生成して出力する波長変換光生成装置、及び生成方法に関するものである。
赤外光を入射光とし、赤外光よりも短波長の可視光を出力光とする波長変換を行う光学素子として、従来、あらかじめ照明光などの可視光エネルギーを物質に蓄積しておき、赤外光の入射によって物質を刺激することで、蓄積されたエネルギーを可視光の蛍光として出力する素子が知られている(非特許文献1参照、NewFocus 社製 IR SENSOR CARD:Model# 5842)。
また、同様に赤外光を可視光に波長変換する光学素子として、第2次高調波発生等の非線形光学現象を利用して、赤外光を短波長化して可視光に波長変換する素子が知られている(非特許文献2参照)。
特開2007−95859号公報 特開2004−235574号公報 特開2003−13236号公報 特開2004−107744号公報 B. O'Brien, "Development of Infra-Red Sensitive Phosphors",J. Opt. Soc. Am. Vol.36 No.7 (1946) pp.369-371 P. A. Franken et al., "Generation of Optical Harmonics",Phys. Rev. Lett. Vol.7 No.4 (1961) pp.118-119
上記した光学素子のうち、可視光エネルギーを物質に蓄積する構成では、事前に蓄積されたエネルギー分しか可視光を発生させることができず、赤外光の照射を続けると可視光の発光強度が減少していくという問題がある。このような可視光強度の減少を防ぐためには、光学素子の使用途中で可視照明光の再照射を行うか、もしくは素子に対する赤外光の照射位置を変えるなどの操作を行う必要がある。
また、第2次高調波発生等を用いる構成では、非線形光学現象を利用しているために、入射する赤外光の光量に対して、可視光の発光量が非線形に変化する。このため、例えばQスイッチレーザなどの高いピークパワーを持つ赤外光パルス光源を用いなければ第2次高調波による可視光発生を効率的に起こすことができず、素子の用途が限定される。このような問題は、一般に、光を短波長化する波長変換を行う場合において同様に生じるものである。
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものであり、所定波長の入射光に対し、それよりも短波長の光を波長変換によって好適に生成することが可能な波長変換光生成装置、及び波長変換光生成方法を提供することを目的とする。
本願発明者は、上記したように入射光よりも短波長の変換光を生成する波長変換について、詳細に検討を行った。その結果、物質の表面近傍に染み出す電磁波である近接場光の特殊な性質(例えば、特許文献1〜4参照)を利用することで、そのような波長変換が可能であることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明による波長変換光生成装置は、(1)所定波長の励起光を供給する励起光供給手段と、(2)色素分子の結晶の集合体が結晶保持手段によって保持され、励起光が入射されることによって、波長変換された変換光を生成する波長変換素子とを備え、(3)上記励起光供給手段は、励起光として、色素分子の吸収端よりも長波長の光を波長変換素子へと供給し、(4)上記波長変換素子は、色素分子の結晶の集合体への励起光の入射によって、励起光よりも短波長に波長変換された変換光を発生させて出力することを特徴とする。
また、本発明による波長変換光生成方法は、(1)所定波長の励起光を供給する励起光供給ステップと、(2)色素分子の結晶の集合体が結晶保持手段によって保持された波長変換素子を用い、励起光が波長変換素子に入射されることによって、波長変換された変換光を生成する波長変換ステップとを備え、(3)上記励起光供給ステップにおいて、励起光として、色素分子の吸収端よりも長波長の光を波長変換素子へと供給し、(4)上記波長変換ステップにおいて、色素分子の結晶の集合体への励起光の入射によって、励起光よりも短波長に波長変換された変換光を発生させて出力することを特徴とする。
上記した波長変換光生成装置、及び生成方法においては、複数の色素分子の結晶が互いに近接した状態となっている結晶の集合体が保持手段によって保持された素子を、波長変換素子として用いている。このような波長変換素子に対し、色素分子の吸収端よりも長波長であって電子準位の励起が生じない励起光を入射させると、励起光が入射した色素分子の結晶の表面近傍に近接場光が発生する。
このとき、近接場光の急峻な電場勾配によって、その結晶の近傍にある結晶内の色素分子において振動準位(フォノン)が励起され、これによって励起光よりも短波長の波長成分(高エネルギーのエネルギー成分)を含む変換光が生成される。このように、色素分子の結晶の集合体を波長変換媒体とした構成によれば、近接場光を利用することにより、通常の吸収過程での電子準位の励起による蛍光発生では生じない、励起光よりも短波長の変換光を生成する波長変換を好適に実現することが可能となる。
波長変換素子の具体的な構成については、波長変換素子において、結晶保持手段は基板(基板状の部材)であり、色素分子の結晶の集合体は、基板の一方の面上に保持されていることが好ましい。これにより、色素分子の結晶の集合体を波長変換媒体とする上記した素子を好適に構成することができる。また、この場合、結晶保持手段である基板については、励起光を反射する反射手段を含む構成としても良い。
また、励起光及び変換光の特に利用価値の高い波長帯域については、励起光は、750nm〜2μmの範囲内の波長を有する近赤外光であり、変換光は、400nm〜750nmの範囲内の波長を有する可視光であることが好ましい。これにより、近赤外光を励起光とするとともに、近赤外光よりも短波長の可視光を生成する波長変換を好適に実現することができる。
また、波長変換媒体となる色素分子については、色素分子の結晶の集合体に含まれる色素分子の結晶は、幅が1μm以下、長さが10μm以下の形状を有する結晶粒であることが好ましい。このような構成によれば、色素分子の結晶の集合体における近接場光を利用した波長変換の効率を向上することが可能となる。
本発明の波長変換光生成装置、及び生成方法によれば、色素分子の結晶の集合体が保持手段によって保持された波長変換素子を用い、結晶集合体に対して色素分子の吸収端よりも長波長の励起光を入射させて、近接場光を利用して励起光から波長変換された変換光を発生させることにより、励起光よりも短波長の変換光を生成して出力する波長変換を好適に実現することが可能となる。
以下、図面とともに本発明による波長変換光生成装置、及び波長変換光生成方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
図1は、本発明による波長変換光生成装置の一実施形態の構成を示す図である。本装置は、所定波長の励起光を用い、励起光よりも短波長の変換光を生成して出力する生成装置である。ここで、以下においては、主に励起光を近赤外光、変換光を可視光とした例について説明するが、本発明による波長変換光生成装置及び生成方法は、このような波長帯域に限定されるものではない。以下、本波長変換光生成装置1Aの構成について、本発明による波長変換光生成方法とともに説明する。
図1に示す波長変換光生成装置1Aは、励起光源10と、波長変換素子20とを備えて構成されている。波長変換素子20は、励起光から変換光への波長変換(周波数変換)に用いられる素子であり、保持基板21と、色素分子の結晶の集合体22とによって構成されている。色素分子の結晶の集合体(以下、単に結晶集合体ともいう)22は、この素子20において実際に光の波長変換を行う波長変換媒体であり、色素分子の結晶(結晶粒)23が複数、互いに近接した状態で集合している。また、保持基板21は、結晶集合体22を保持する結晶保持手段である。図1の構成では、基板21は水平に配置されており、結晶集合体22は、基板21の一方の面(図1中の上面)上に保持されている。
この波長変換素子20に対し、所定波長の励起光を供給する励起光供給手段として、近赤外励起光源10が設置されている。励起光源10は、励起光L0として、波長変換素子20の結晶集合体22に用いられている色素分子の吸収端よりも長波長の近赤外光を出射し、波長変換素子20へと供給する(励起光供給ステップ)。このとき、上記したように励起光L0の波長が色素分子の吸収端よりも長波長、すなわち色素分子によって吸収されない波長であることにより、励起光L0が結晶集合体22に照射されても、集合体22の色素分子において、通常の吸収過程による電子準位の励起、及びそれに伴う蛍光発生は生じない。
励起光源10と波長変換素子20との間には、励起光供給光学系が設けられている。本構成例における供給光学系は、励起光源10から出射された光のうちで励起光L0として波長変換素子20に照射される波長成分を選択する波長選択光学系11と、保持基板21上の結晶集合体22へと所定の照射条件で励起光L0を導く導光光学系16とによって構成されている。
具体的には、波長選択光学系11は、所定の下限波長以上の長波長の光を透過するロングパスフィルタ12によって構成されている。また、導光光学系16は、励起光L0を結晶集合体22へと集光しつつ照射する集光レンズ17によって構成されている。また、集光レンズ17と波長変換素子20との間には、反射ミラー15が設けられている。波長選択光学系11及び導光光学系16を通過した近赤外の励起光L0は、反射ミラー15によって光路が変更され、素子20の結晶集合体22へと斜め上方から照射される。
波長変換素子20では、この近赤外の励起光L0が保持基板21上に保持された色素分子の結晶の集合体22に入射することによって、励起光L0よりも短波長に波長変換された可視光である変換光L1が発生し、この変換光L1が、反射ミラー30によって光路を所定の出力光路へと変更された後、可視光線として外部へと出力される(波長変換ステップ)。このような近赤外光から可視光への光の波長変換は、後述するように、結晶集合体22内で発生する近接場光の性質を利用して行われる。
図1に示す生成装置1Aでは、波長変換素子20から出力される変換光L1に対して、変換光出力光学系が設けられている。本構成例における出力光学系は、反射ミラー30によって出力光路が設定された変換光L1を所定の出力条件で外部へと導く導光光学系31と、生成された変換光L1のうちで外部へと出力される波長成分を選択する波長選択光学系36とによって構成されている。
具体的には、導光光学系31は、変換光L1を外部へと集光しつつ出力する集光レンズ32、33によって構成されている。また、波長選択光学系36は、所定の下限波長以上の光を透過するロングパスフィルタ37と、所定の上限波長以下の光を透過するショートパスフィルタ38とを組み合わせて、変換光L1のうちで下限波長から上限波長までの波長帯域の光を選択して出力するように構成されている。
上記実施形態による波長変換光生成装置、及び生成方法の効果について説明する。
図1に示した波長変換光生成装置1A、及び生成方法においては、複数の色素分子の結晶23が互いに近接した状態となっている結晶集合体22が保持基板21によって保持された素子を、波長変換素子20として用いている。このような波長変換素子20に対し、結晶集合体22に含まれている色素分子の吸収端よりも長波長(低エネルギー)であって通常の吸収過程による電子準位の励起が生じない近赤外の励起光L0を入射させると、励起光L0が入射した色素分子の結晶23の表面近傍に近接場光が発生する。
このとき、近接場光の急峻な電場勾配により、その結晶の近傍に位置する結晶内の色素分子において分子の振動準位(フォノン)が励起され、これによって励起光L0よりも短波長の成分(高エネルギーの成分)を含む可視の変換光L1が生成される。このように、色素分子の結晶の集合体22を波長変換媒体とした構成によれば、近接場光を利用することにより、通常の吸収過程での電子準位の励起による蛍光発生では生じない、励起光L0よりも短波長の変換光L1を生成する波長変換を好適に実現することが可能となる。
このような構成では、色素分子の吸収端よりも長波長の励起光を用いているため、色素分子の光分解が起こりにくく、素子の劣化が極めて少ない。また、励起光のエネルギーを利用した発光過程であるため、励起光の照射を続けても発光強度が減少することはない。このような発光現象は、具体的なデータとともに後述するように、励起光の多光子吸収や非線型光学効果による波長変換、あるいはラマン散乱のアンチストークスシフトなどの従来から知られている現象とは異なるものであると推測される。
波長変換素子20での波長変換媒体である結晶集合体22に用いられる色素分子としては、具体的には例えば、DCM(化学名:4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(4−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン、CAS番号:51325−91−8)を用いることができる。また、色素分子として、Rhodamine6G(化学名:ローダミン6G、CAS番号:989−38−8)を用いることができる。また、これ以外にも様々な色素分子を波長変換媒体として用いることが可能である。
図2は、励起光L0の入射によって波長変換素子20において発生する変換光L1の発光スペクトルを示すグラフである。ここでは、励起光源10としてCWレーザダイオードを用い、照射強度1.27Wで波長808nmの励起光L0を波長変換素子20に供給して得られた変換光L1の発光スペクトルを示している。図2のグラフにおいて、横軸は変換光L1の波長(nm)を示し、縦軸は発光強度(任意目盛)を示している。
また、図2において、実線のグラフは色素分子としてDCMを用いた場合の変換光L1の発光スペクトルを示し、破線のグラフはRhodamine6Gを用いた場合の変換光L1の発光スペクトルを示している。また、これらのグラフの発光スペクトルは、後述する図6の構成例(a)を用いて測定されたものである。これらのグラフからわかるように、波長808nmの近赤外の励起光L0を波長変換素子20に供給することにより、少なくとも600nm〜700nmの波長範囲において、可視の変換光L1が生成されている。
ここで、励起光(入射光)及び変換光(出力光)については、上記した例のように、励起光L0として近赤外光を用い、変換光L1を可視光とする構成を用いることができる。この場合、励起光L0、及び変換光L1の具体的な波長帯域については、励起光L0は、750nm〜2μmの範囲内の波長を有する近赤外光であり、変換光L1は、400nm〜750nmの範囲内の波長を有する可視光であることが好ましい。これにより、近赤外光を励起光とし、近赤外光よりも短波長の可視光を生成する波長変換を好適に実現することができる。
また、波長変換素子20において波長変換媒体として機能する結晶集合体22の色素分子については、結晶集合体22に含まれる色素分子の結晶23は、幅が1μm以下、長さが10μm以下の形状を有する結晶粒であることが好ましい。このような構成によれば、励起光L0が入射した色素分子の結晶23の表面近傍に発生する近接場光を利用した波長変換による変換光L1の生成効率を向上することが可能となる。
波長変換光生成装置の構成については、具体的には図1に示した構成以外にも、様々な構成を用いることが可能である。図3は、波長変換光生成装置の他の実施形態の構成を示す図である。図3に示す波長変換光生成装置1Bの構成は、励起光源10、波長選択光学系11、導光光学系16、導光光学系31、及び波長選択光学系36については、図1に示した生成装置1Aの構成と同様である。
波長変換素子20は、図1と同様に、保持基板21と、色素分子の結晶の集合体22とによって構成されている。図3の構成では、基板21は垂直に配置されており、結晶集合体22は、基板21の一方の面(図3中の右面)上に保持されている。また、励起光供給光学系には反射ミラー15が設けられており、波長選択光学系11及び導光光学系16を通過した励起光L0は、反射ミラー15を介して素子20の結晶集合体22へと入射される構成となっている。また、本構成例では、変換光出力光学系には反射ミラー30が設けられていない構成となっている。このように、波長変換素子20の設置構成については、光学系の構成とともに様々に変形することが可能である。
波長変換素子20の構成については、図1及び図3に示すように、結晶保持手段として基板(基板状の部材)21を用い、色素分子の結晶の集合体22を、基板21の一方の面上に保持する構成を用いることが好ましい。これにより、結晶集合体22を波長変換媒体とする素子20を好適に構成することができる。また、波長変換素子20の具体的な構成については、図4〜図8に示すように様々な構成を用いることが可能である。なお、以下の図4〜図8においては、色素分子の結晶集合体について図示を簡略化している。
図4は、結晶保持手段として保持基板21を用いた場合の波長変換素子20の構成例を示している。図4の構成例(a)では、図1及び図3に示した構成と同様に、基板21上に保持された結晶集合体22に対して上方から励起光L0を照射し、得られた変換光L1を同じく上方から出力する構成を示している。また、図4の構成例(b)では、基板21上の結晶集合体22に対して上方から励起光L0を照射し、得られた変換光L1を下方から出力する構成を示している。この場合、基板21として、可視の変換光L1を透過する材質からなる基板を用いる必要がある。
また、図4の構成例(c)では、基板21上の結晶集合体22に対して下方から励起光L0を照射し、得られた変換光L1を上方から出力する構成を示している。この場合、基板21として、近赤外の励起光L0を透過する材質からなる基板を用いる必要がある。また、図4の構成例(d)では、基板21上の結晶集合体22に対して下方から励起光L0を照射し、得られた変換光L1を同じく下方から出力する構成を示している。この場合、基板21として、近赤外の励起光L0、及び可視の変換光L1の両者を透過する材質からなる基板を用いる必要がある。
図5は、結晶保持手段として保持基板を用いるとともに、保持基板を、励起光L0を反射する反射手段を含んで構成した場合の波長変換素子20の構成例を示している。このように、保持基板に励起光L0に対する反射手段の機能を持たせることにより、波長変換を起こさずに結晶集合体22を通過した励起光L0を保持基板で反射して、再び結晶集合体22に入射させることができる。これにより、波長変換素子20での励起光L0の利用効率を向上することが可能となる。
図5の構成例(a)では、保持基板として、励起光L0を反射する基板状の反射部材からなる保持基板24を用いる構成を示している。この場合、上方から結晶集合体22に照射される励起光L0は、基板24の上面において反射される。また、図5の構成例(b)では、保持基板として、結晶集合体22が保持された上面側に反射膜21aが形成された保持基板21を用いる構成を示している。この場合、励起光L0は基板21の上面側の反射膜21aにおいて反射される。
また、図5の構成例(c)では、保持基板として、結晶集合体22とは反対側の下面側に反射膜21bが形成された保持基板21を用いる構成を示している。この場合、励起光L0は、保持基板21を透過した後、基板21の下面側の反射膜21bにおいて反射される。また、このような構成では、基板21として、励起光L0を透過する材質からなる基板を用いる必要がある。
図6及び図7は、結晶保持手段として結晶集合体22を挟み込んだ状態で保持する2枚の保持基板を用いた場合の波長変換素子20の構成例を示している。このような構成は、結晶集合体22を物理的に保護する点で有効である。図6の構成例(a)では、保持基板21上に結晶集合体22が保持され、さらにその上方に、基板21とともに結晶集合体22を挟み込んで保持する保持基板25が設けられている。また、本構成例では、結晶集合体22に対して上方から励起光L0を照射し、得られた変換光L1を同じく上方から出力する構成を示している。この場合、基板25として、励起光L0及び変換光L1の両者を透過する材質からなる基板を用いる必要がある。
また、図6の構成例(b)では、保持基板21、25の構成については構成例(a)と同じであるが、結晶集合体22に対して上方から励起光L0を照射し、得られた変換光L1を下方から出力する構成を示している。この場合、上方の基板25として、励起光L0を透過する材質からなる基板を用いるとともに、下方の基板21として、変換光L1を透過する材質からなる基板を用いる必要がある。
また、図7の構成例(a)〜(c)では、図5の構成例(a)〜(c)に対して、2枚の保持基板を用いる構成を適用した例を示している。図7の構成例(a)では、反射部材からなる基板24上に結晶集合体22が保持され、さらにその上方に基板25が設けられた構成を示している。また、図7の構成例(b)では、上面側に反射膜21aが形成された基板21上に結晶集合体22が保持され、さらにその上方に基板25が設けられた構成を示している。また、図7の構成例(c)では、下面側に反射膜21bが形成された基板21上に結晶集合体22が保持され、さらにその上方に基板25が設けられた構成を示している。これらの構成では、基板25として、励起光L0及び変換光L1の両者を透過する材質からなる基板を用いる必要がある。
図8は、波長変換媒体の結晶集合体として、2種類の色素分子の結晶の集合体を用いた場合の波長変換素子20の構成例を示している。図8の構成例(a)では、基板21上に第1の色素分子の結晶集合体22が保持され、さらにその上方に第2の色素分子の結晶集合体26が保持されている。また、本構成例では、結晶集合体22、26に対して上方から励起光L0を照射し、それぞれの結晶集合体で得られた変換光L1、L2を下方から出力する構成を示している。
このような構成では、上方の結晶集合体26を通過して下方の結晶集合体22に入射した励起光L0により、集合体22において第1の発光スペクトル(第1の発光波長)を有する変換光L1が生成され、この変換光L1が基板21を介して出力される。また、上方の結晶集合体26に入射した励起光L0により、集合体26において第1の発光スペクトルとは異なる第2の発光スペクトル(第2の発光波長)を有する変換光L2が生成され、この変換光L2が結晶集合体22及び基板21を介して出力される。この場合、基板21として、変換光L1、L2を透過する材質からなる基板を用いる必要がある。また、下方の結晶集合体22としては、上方の結晶集合体26で生成される変換光L2を吸収しない色素分子の結晶の集合体を用いることが好ましい。
図8の構成例(b)では、基板21上に第2の色素分子の結晶集合体26が保持され、さらにその上方に第1の色素分子の結晶集合体22が保持されている。また、本構成例では、結晶集合体26、22に対して上方から励起光L0を照射し、それぞれの結晶集合体で得られた変換光L2、L1を同じく上方から出力する構成を示している。
このような構成では、上方の結晶集合体22に入射した励起光L0により、集合体22において第1の発光スペクトルを有する変換光L1が生成され、この変換光L1が出力される。また、上方の結晶集合体22を通過して下方の結晶集合体26に入射した励起光L0により、集合体26において第2の発光スペクトルを有する変換光L2が生成され、この変換光L2が結晶集合体22を介して出力される。この場合、上方の結晶集合体22としては、下方の結晶集合体26で生成される変換光L2を吸収しない色素分子の結晶の集合体を用いることが好ましい。
図8の構成例(c)では、基板21上に第1の色素分子の結晶集合体22が保持され、その上方に基板25が設けられ、さらにその上方に第2の色素分子の結晶集合体26が保持されている。また、本構成例では、結晶集合体22、26に対して上方から励起光L0を照射し、それぞれの結晶集合体で得られた変換光L1、L2を下方から出力する構成を示している。
このような構成では、上方の結晶集合体26及び基板25を通過して下方の結晶集合体22に入射した励起光L0により、集合体22において第1の発光スペクトルを有する変換光L1が生成され、この変換光L1が基板21を介して出力される。また、上方の結晶集合体26に入射した励起光L0により、集合体26において第2の発光スペクトルを有する変換光L2が生成され、この変換光L2が基板25、結晶集合体22、及び基板21を介して出力される。この場合、基板21として、変換光L1、L2を透過する材質からなる基板を用いるとともに、基板25として、励起光L0及び変換光L2を透過する材質からなる基板を用いる必要がある。また、下方の結晶集合体22としては、上方の結晶集合体26で生成される変換光L2を吸収しない色素分子の結晶の集合体を用いることが好ましい。
このように波長変換素子20において、複数種類の色素分子の結晶の集合体を波長変換媒体として用いることにより、励起光L0の入射に対して、様々な発光スペクトルを有する変換光を生成することが可能となる。また、このような構成では、励起光L0の利用効率を向上することも可能である。なお、色素分子については、上記の構成例では、2種類の色素分子を用いる構成を示したが、3種類以上の色素分子を用いても良い。
図1に示した波長変換光生成装置1Aについて、具体的なデータ等とともにさらに説明する。図9は、波長変換光生成装置を含む変換光測定系の構成を示す図である。本測定系において、波長変換光生成装置1Aの構成については、基本的に図1に示した構成と同様である。
図9の測定系において、生成装置1Aの具体的な構成については、励起光供給光学系において、フィルタ12として波長720nm以上の光を透過するロングパスフィルタを用いるとともに、レンズ17として焦点距離100mmの集光レンズを用いている。また、変換光出力光学系において、レンズ32、33としてそれぞれ焦点距離50mm、200mmの集光レンズを用い、フィルタ37として波長550nm以上の光を透過するロングパスフィルタを用いるとともに、フィルタ38として波長700nm以下の光を透過するショートパスフィルタを用いている。
励起光L0を供給する近赤外励起光源10としては、CW発振のチタンサファイアレーザまたは半導体レーザを用いた。チタンサファイアレーザは、発振波長を変化させることが可能なレーザ光源である。測定では、チタンサファイアレーザから供給される励起光として、波長753nm、780nm、805nmの3種類の励起光を用いた。また、半導体レーザから供給される励起光として、波長808nmの励起光を用いた。波長変換素子20への励起光L0の照射強度については、減光フィルタまたは注入電流の調整により、2.2mW〜1270mWの範囲で照射強度を設定した。波長変換素子20への照射位置において、励起光L0の集光サイズは、およそφ5mm程度である。
また、波長変換素子20については、結晶保持手段の基板として、合成石英製で厚さ1mmの基板、または光路長1mmの合成石英セルを用いた。また、結晶保持手段として、反射膜が形成された基板を用いる場合には、厚さ50nmのCr反射薄膜が蒸着によって形成された石英基板を用いた。また、色素分子の結晶集合体22については、色素分子として上記したDCM、またはRhodamine6Gを用いた。
このような構成の波長変換光生成装置1Aに対し、図9に示した測定系では、分光器50、光検出器51、信号処理装置52、及び測定制御装置55を設置している。また、図9の構成では、測定制御装置55に対して、測定に関して必要な指示や情報を入力するための入力装置56、及び測定条件や測定結果などの情報を表示するための表示装置57が接続されている。このような構成において、波長変換素子20で生成され、変換光出力光学系を介して出力された変換光L1は、分光器50において分光される。そして、分光器50によって取り出された変換光L1の波長成分が光検出器51によって検出され、検出光量に応じた電気信号が生成される。
光検出器51としては、光電子増倍管(浜松ホトニクス社製:H7421−40)を用い、上記した分光器50とともに分光フォトンカウンティング法によって変換光L1の測定を行った。このような光検出器51は、内蔵する電気回路により、検出した光子(フォトン)の1つずつに対応して、電気パルス信号を1つずつ出力する機能を有している。
この光検出器51から一定時間内に出力された電気パルス信号の数を信号処理装置52において計数し、得られた電気パルス信号数(検出された光子数)の情報、及び分光器50での分光波長情報等の必要な情報をコンピュータからなる測定制御装置55に取り込んで、測定の制御、解析、データの記録等を行った。電気パルス信号を計数する信号処理装置52としては、株式会社エヌエフ回路設計ブロック製マルチファンクションジェネレータ:WF1973と、岩通計測株式会社製ユニバーサルカウンタ:SC−7205とを組み合わせて用いた。
DCMまたはRhodamine6Gを用いた波長変換素子20については、下記の2種類の方法によって素子の作成を行った。第1の作成方法では、まず、色素分子に対して過飽和状態となるような分量のエタノールを加える。この場合の分量は、例えば、DCMが22mgに対してエタノールが1ccである。また、Rhodamine6Gが36mgに対してエタノールが1ccである。このような溶液が入った容器に対して、超音波洗浄器等を用いて溶液を攪拌し、エタノール溶液中に色素分子を分散させる。そして、結晶保持手段として用いる石英基板上、または石英セル内に溶液を滴下し、エタノールを乾燥される。これにより、保持手段に色素分子の結晶集合体が保持された波長変換素子20が得られる。
また、第2の作成方法では、色素分子としてDCMを用い、DCMをアセトンに完全に溶かす。この場合の溶液の分量は、例えば、DCMが12mgに対してアセトンが1ccである。このような溶液1ccを水0.5ccと混合すると、DCMの色素分子が結晶化して析出する。そして、この析出した色素分子の結晶を、結晶保持手段として用いる石英基板上、または石英セル内に滴下することにより、保持手段にDCMの結晶集合体が保持された波長変換素子20が得られる。
このような構成の波長変換素子20、波長変換光生成装置1A、及び変換光測定系を用い、励起光L0の入射によって波長変換素子20で生成される変換光L1の特性について測定を行った。その結果、色素分子の結晶の集合体を用いた波長変換素子20において観測される発光現象(波長変換現象)が、励起光の多光子吸収や非線型光学効果による波長変換、あるいはラマン散乱のアンチストークスシフトなどの従来から知られている現象とは異なるものであることを示す測定データが得られた。以下、得られた測定結果、変換光L1の特性等について説明する。
(第1の測定)
第1の測定では、励起光源10として半導体レーザを用い、発振波長808nmのレーザ光を励起光として用いた。また、波長変換素子20については、結晶保持手段として石英セルを用い、色素分子をDCMとし、第1の作成方法によって作成された波長変換素子を測定試料として用いた。また、その具体的な測定内容については、近赤外励起光源10から供給される励起光L0の波長変換素子20への照射強度を減光フィルタによって調整し、励起光強度を変化させて測定を行った。
図10は、波長変換素子20において生成される変換光の発光強度の励起光強度依存性を示すグラフである。図10のグラフ(a)において、横軸は変換光L1の波長(nm)を示し、縦軸は発光強度(count/sec)を示している。このグラフ(a)では、励起光強度を2.2mW、5.8mW、15.2mW、72.3mW、133mW、392mW、1170mWとした場合のそれぞれについて、得られた変換光L1の発光スペクトルを示している。
また、図10のグラフ(b)は、変換光L1のうちで波長650nmの波長成分の発光強度について、その励起光強度依存性を示している。このグラフ(b)において、横軸は励起光強度(mW)を示し、縦軸は波長650nmでの変換光の発光強度(count/sec)を示している。
これらのグラフ(a)、(b)により、上記構成の波長変換光生成装置1Aでは、励起光L0の照射強度に対して、得られる変換光L1の発光強度が線形に変化していることがわかる。すなわち、本生成装置1Aでの発光現象は、非線型光学現象による発光現象とは異なる特性を有する。この場合、例えば第2次高調波発生を用いる波長変換のように、励起光源として高ピークパワーの赤外光パルス光源などが要求されることがなく、連続動作(CW動作)の励起光を用いた場合でも、可視光への波長変換(アップコンバージョン)を実現することが可能である。
(第2の測定)
第2の測定では、励起光源10としてチタンサファイアレーザを用い、発振波長805nmで強度1000mWのレーザ光を励起光として用いた。また、波長変換素子20については、結晶保持手段として石英基板を用い、色素分子をDCMとし、第1の作成方法によって作成された波長変換素子を測定試料として用いた。また、上記した波長805nmの励起光を用いた変換光生成の測定とは別に、波長532nmの励起光を用いた蛍光発生についても測定を行い、それらの測定結果を比較した。
図11のグラフ(a)は、波長変換素子20において生成される変換光の発光スペクトルを示しており、横軸は変換光L1の波長(nm)を示し、縦軸は各スペクトルのピーク値で規格化した発光強度を示している。また、このグラフ(a)では、波長805nmの励起光を用いた場合の変換光の発光スペクトル、及び波長532nmの励起光を用いた場合の蛍光の発光スペクトルを示している。これらの発光スペクトルからわかるように、波長変換素子20において近接場光を利用して近赤外の励起光L0から生成される可視の変換光L1は、電子準位の励起による蛍光とは発光スペクトルが異なっている。
(第3の測定)
第3の測定では、励起光源10としてチタンサファイアレーザを用い、強度1000mWのレーザ光を励起光として用いた。また、波長変換素子20については、結晶保持手段として石英基板を用い、色素分子をDCMとし、第1の作成方法によって作成された波長変換素子を測定試料として用いた。そして、励起光の波長を753nm、780nm、805nmと変化させ、それぞれについて変換光の測定を行った。
図11のグラフ(b)は、グラフ(a)と同様に波長変換素子20において生成される変換光の発光スペクトルを示している。また、このグラフ(b)では、波長753nm、780nm、805nmの励起光のそれぞれについて、得られる変換光の発光スペクトルを示している。これらの発光スペクトルからわかるように、波長変換素子20において生成される変換光L1の発光スペクトルは、励起光L0の波長を変えてもスペクトル形状が変化しない。
これらの第1〜第3の測定の結果から、上記構成の波長変換素子20において発生する近赤外光から可視光への波長変換現象は、従来から知られている現象とは異なるものであると推測される。また、その基本的な発光原理については、上述したように、励起光L0が入射した色素分子の結晶23の表面近傍に発生した近接場光の急峻な電場勾配により、その結晶の近傍に位置する結晶内の色素分子において振動準位が励起され、これによって励起光L0よりも短波長の変換光L1が生成されているものと考えられる。
(第4の測定)
第4の測定では、励起光源10として半導体レーザを用い、発振波長808nmで強度1270mWのレーザ光を励起光として用いた。また、波長変換素子20については、色素分子をDCMとし、第1の作成方法によって作成された波長変換素子を測定試料として用いた。そして、結晶保持手段として石英基板を用いた場合、及び石英基板の結晶集合体側となる上面に厚さ50nmのCr反射膜を蒸着によって形成した保持基板を用いた場合のそれぞれについて変換光の測定を行った。
図12のグラフは、波長変換素子20において生成される変換光の発光スペクトルの反射膜による変化を示しており、横軸は変換光L1の波長(nm)を示し、縦軸は変換光の発光強度(count/sec)を示している。また、図12において、実線のグラフはCr反射膜ありの基板を用いた場合の変換光L1の発光スペクトルを示し、破線のグラフはCr反射膜なしの基板を用いた場合の変換光L1の発光スペクトルを示している。これらの発光スペクトルからわかるように、波長変換素子20において、Cr反射膜などの反射手段を含んで構成された結晶保持手段を用いることにより、波長変換における励起光の利用効率を向上させて、変換光の発光強度を増大させることが可能である。
(第5の測定)
第5の測定では、励起光源10として半導体レーザを用い、発振波長808nmで強度260mWのレーザ光を励起光として用いた。また、波長変換素子20については、結晶保持手段として石英セルを用い、色素分子をDCMとした波長変換素子を測定試料として用いた。また、波長変換素子20の結晶集合体22について、第1の作成方法及び第2の作成方法で作成された結晶集合体を用い、それぞれについて変換光の測定を行った。
図13は、色素分子の結晶の集合体の例を示すSEM画像であり、画像(a)は第1の作成方法で作成された結晶集合体での結晶の形状(形状A)を示し、画像(b)は第2の作成方法で作成された結晶集合体での結晶の形状(形状B)を示している。これらの画像に示すように、第1の作成方法を用いた場合の結晶形状Aでは、色素分子の結晶は1辺が1μm程度のサイズの結晶粒となっている。一方、第2の作成方法を用いた場合の結晶形状Bでは、色素分子の結晶は幅が1μm程度であるが、その長手方向の長さが10μm程度と長い形状の結晶となっている。
図14のグラフは、波長変換素子20において生成される変換光の発光スペクトルの結晶形状による変化を示しており、横軸は変換光L1の波長(nm)を示し、縦軸は変換光の発光強度(count/sec)を示している。また、図14において、実線のグラフは形状Aの結晶の集合体を用いた場合の変換光L1の発光スペクトルを示し、破線のグラフは形状Bの結晶の集合体を用いた場合の変換光L1の発光スペクトルを示している。これらの発光スペクトルからわかるように、結晶粒状の形状Aの結晶を用いた場合に、長手方向に長い形状Bの結晶を用いた場合よりも大きい発光強度が得られている。
このような測定結果から、近赤外−可視の波長変換に用いられる結晶集合体22については、上記したように、色素分子の結晶23は、幅が1μm以下、長さが10μm以下の形状を有する結晶粒であることが好ましい。その中でも、特に、色素分子の結晶23は、1辺が1μm以下のサイズの粒形状であることが好ましい。このような形状の結晶を用いることにより、結晶集合体22での波長変換の効率を向上することができる。
本発明による波長変換光生成装置、及び波長変換光生成方法は、上記実施形態及び構成例に限られるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、波長変換素子20に用いられる色素分子については、上記したDCM、Rhodamine6G以外にも、様々な色素分子を用いることが可能である。また、結晶保持手段についても、保持基板以外にも、例えば上記した石英セルなど様々な形態の保持手段を用いて良い。また、波長変換素子20に対する励起光供給光学系、及び変換光出力光学系の構成についても、図1はその構成の一例を示すものであり、それ以外にも様々な構成を用いて良い。
本発明は、所定波長の入射光(例えば赤外光)に対し、それよりも短波長の光(例えば可視光)を波長変換によって好適に生成することが可能な波長変換光生成装置、及び波長変換光生成方法として利用可能である。
波長変換光生成装置の一実施形態の構成を示す図である。 波長変換素子で発生する変換光の発光スペクトルを示すグラフである。 波長変換光生成装置の他の実施形態の構成を示す図である。 波長変換素子の構成の例を示す図である。 波長変換素子の構成の例を示す図である。 波長変換素子の構成の例を示す図である。 波長変換素子の構成の例を示す図である。 波長変換素子の構成の例を示す図である。 波長変換光生成装置を含む変換光測定系の構成を示す図である。 変換光の発光強度の励起光強度依存性を示すグラフである。 変換光の発光スペクトルを示すグラフである。 変換光の発光スペクトルの反射膜による変化を示すグラフである。 色素分子の結晶の集合体の例を示すSEM画像である。 変換光の発光スペクトルの結晶形状による変化を示すグラフである。
符号の説明
1A、1B…波長変換光生成装置、10…励起光源、15…反射ミラー、11…波長選択光学系、12…ロングパスフィルタ、16…導光光学系、17…集光レンズ、20…波長変換素子、21、25…保持基板、21a、21b…反射膜、24…反射基板、22、26…色素分子の結晶の集合体、23…色素分子の結晶、
30…反射ミラー、31…導光光学系、32、33…集光レンズ、36…波長選択光学系、37…ロングパスフィルタ、38…ショートパスフィルタ、50…分光器、51…光検出器、52…信号処理装置、55…測定制御装置、56…入力装置、57…表示装置、L0…励起光、L1、L2…変換光。

Claims (10)

  1. 所定波長の励起光を供給する励起光供給手段と、
    色素分子の結晶の集合体が結晶保持手段によって保持され、前記励起光が入射されることによって、波長変換された変換光を生成する波長変換素子とを備え、
    前記励起光供給手段は、前記励起光として、前記色素分子の吸収端よりも長波長の光を前記波長変換素子へと供給し、
    前記波長変換素子は、前記色素分子の結晶の集合体への前記励起光の入射によって、前記励起光よりも短波長に波長変換された前記変換光を発生させて出力することを特徴とする波長変換光生成装置。
  2. 前記波長変換素子において、前記結晶保持手段は基板であり、前記色素分子の結晶の集合体は、前記基板の一方の面上に保持されていることを特徴とする請求項1記載の波長変換光生成装置。
  3. 前記基板は、前記励起光を反射する反射手段を含んで構成されていることを特徴とする請求項2記載の波長変換光生成装置。
  4. 前記励起光は、750nm〜2μmの範囲内の波長を有する近赤外光であり、前記変換光は、400nm〜750nmの範囲内の波長を有する可視光であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の波長変換光生成装置。
  5. 前記色素分子の結晶の集合体に含まれる前記色素分子の結晶は、幅が1μm以下、長さが10μm以下の形状を有する結晶粒であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の波長変換光生成装置。
  6. 所定波長の励起光を供給する励起光供給ステップと、
    色素分子の結晶の集合体が結晶保持手段によって保持された波長変換素子を用い、前記励起光が前記波長変換素子に入射されることによって、波長変換された変換光を生成する波長変換ステップとを備え、
    前記励起光供給ステップにおいて、前記励起光として、前記色素分子の吸収端よりも長波長の光を前記波長変換素子へと供給し、
    前記波長変換ステップにおいて、前記色素分子の結晶の集合体への前記励起光の入射によって、前記励起光よりも短波長に波長変換された前記変換光を発生させて出力することを特徴とする波長変換光生成方法。
  7. 前記波長変換素子において、前記結晶保持手段は基板であり、前記色素分子の結晶の集合体は、前記基板の一方の面上に保持されていることを特徴とする請求項6記載の波長変換光生成方法。
  8. 前記基板は、前記励起光を反射する反射手段を含んで構成されていることを特徴とする請求項7記載の波長変換光生成方法。
  9. 前記励起光は、750nm〜2μmの範囲内の波長を有する近赤外光であり、前記変換光は、400nm〜750nmの範囲内の波長を有する可視光であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項記載の波長変換光生成方法。
  10. 前記色素分子の結晶の集合体に含まれる前記色素分子の結晶は、幅が1μm以下、長さが10μm以下の形状を有する結晶粒であることを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項記載の波長変換光生成方法。
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