以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明による面状電気暖房器を示す概略平面図、図2は本発明による第1実施形態の面状電気暖房器のカーペット本体部を示す分解斜視図、図3は図2のカーペット本体部のA−A’断面を示す断面図、図4は本発明による第2実施形態の面状電気暖房器のカーペット本体部を示す分解斜視図、図5は図4のカーペット本体部のB−B’断面を示す断面図である。
図6は本発明による面状電気暖房器の発熱体を示す要部拡大図で、(A)は第1実施形態を示す拡大図、(B)は第2実施形態を示す拡大図、図7は本発明による面状電気暖房器の温度感知体を示す要部拡大図、図8は本発明による面状電気暖房器のカーペット本体部の表面上に人が存在する場合の断面図、図9は本発明による第3実施形態の面状電気暖房器のカーペット本体部を示す分解斜視図、図10は図9のカーペット本体部のC−C’断面を示す断面図である。
図11は本発明による面状電気暖房器のコントローラ部に搭載される制御回路を説明するためのブロック図、図12は本発明による面状電気暖房器のコントローラ部に搭載される制御回路を説明するための要部電気回路図、図13は本発明による面状電気暖房器の動作を説明するためのフローチャートで、(A)は制御部による動作を説明するフローチャート、(B)は温度調節部による動作を説明するフローチャートである。
図14は本発明による面状電気暖房器の動作を説明するためのフローチャートで、(A)は第一検出部による動作を説明するフローチャート、(B)は第二検出部による動作を説明するフローチャート、図15は本発明による面状電気暖房器の動作を説明するための波形特性図で、(A)はカーペット本体部の発熱体の温度と発熱体への通電を示す波形特性図、(B)は発熱体と温度感知体との間の静電容量の変化に応じた発振回路部の発振出力時間を示す波形特性図である。
本発明による面状電気暖房器の実施形態について電気カーペットを例にして説明する。本発明による電気カーペットは、図1に示すように、本体部であるカーペット本体部1と、このカーペット本体部1の周縁部にコントローラ部2を設け、コントローラ部2に商用電源3a(図示を省略)からの給電用のプラグ3が接続されている。
カーペット本体部1は、図2乃至図7に示すように、断熱性の良いポリエステルのフェルトなどの素材からなる裏生地4上に、発熱体8の温度を検出する温度感知体5を蛇行状に配設し、この温度感知体5の上から緩衝性を有する発泡ウレタンなどの素材からなる緩衝材6を接着固定する。そして、タフト生地などからなる表生地7の裏面に通電により発熱する発熱体8を蛇行状に配設し、緩衝材6の上から発熱体8が配設された表生地7を接着固定し、この全周縁を縫製して形成されている。
裏生地4上に蛇行状に配設された温度感知体5と、表生地7の裏面に蛇行状に配設された発熱体8とは、図2および図3に示すように、緩衝材6を挟んでそれぞれ同一の配設パターンで上下に対向して平行な間隔を保持している。
このように、温度感知体5と発熱体8とを緩衝材6を挟んで対向して保持することにより、温度検知体5で発熱体8の温度を検出し易くなり、温度の検出精度が向上する。
コントローラ部2は、図示を省略した温度感知体5の検知温度によって発熱体8への通電量を制御する制御回路や安全保護装置などを搭載した制御基板を備えている。
発熱体8は、図6(A)に示すように、ポリエステルなどからなる芯材9に銅合金でなる第1発熱線10を螺旋状に巻回し、第1発熱線10をポリイミドなどの耐熱絶縁体11で被覆するとともに、耐熱絶縁体11に第2発熱線12を螺旋状に巻回し、第2発熱線12を耐熱塩ビなどからなる外被絶縁層13で被覆して形成している。この発熱体8は、図示を省略しているが、第1発熱線10と第2発熱線12を互いに電流が逆方向に流れるように結線して、第1発熱線10と第2発熱線12から発生する磁界を打消し合い、電磁波の発生を防止できるようにしている。但し、本発明の発熱体はこれに限らず、他の実施形態として、図6(B)に示すように、発熱体8’は、芯材が兼用されたポリイミドなどの耐熱絶縁体14に銅合金でなる発熱線15を螺旋状に巻回し、発熱線15を耐熱塩ビなどからなる外被絶縁層16で被覆して形成したものでもよい。
温度感知体5は、図7に示すように、ポリエステルなどからなる芯材17に銅でなる第1検知線18を螺旋状に巻回し、第1検知線18を誘電体19で被覆するとともに、誘電体19に銅でなる第2検知線20を螺旋状に巻回し、第2検知線20を耐熱塩ビなどからなる外被絶縁層21で被覆して形成している。誘電体19は、例えばナイロンなどの素材からなるプラスチックサーミスタからなり、このプラスチックサーミスタ自体が温度変化によりインピーダンスが変化し、第1検知線18と第2検知線20との間にプラスチックサーミスタを通じて流れる漏れ電流が増減するようになっている。温度が上昇すると、インピーダンスは小さくなり、漏れ電流が大きくなる特性があり、このような誘電体19を有する温度感知体5により漏れ電流を検出することで、発熱体8の温度変化を検出できる。
このような構成からなるカーペット本体部1の表生地7の表面に人が存在する場合、図8に示すように、人の荷重によって緩衝材6が圧縮され、温度感知体5に発熱体8が近接または接触する状態となる。この温度感知体5と発熱体8の近接または接触状態と、非近接または非接触状態の違いにより、本発明では後述するカーペット本体部1上の人の存在を検出するものである。
緩衝材6は他の実施形態として、図4および図5に示すように、緩衝材6に温度感知体5および発熱体8と同一のパターンからなる空洞部6aが形成され、この緩衝材6の空洞部6aの下部に温度感知体5を、空洞部6aの上部に発熱体8を収容して一定間隔を保持している。また、その他の実施形態として、図9および図10に示すように、裏生地4上に蛇行状に配設された温度感知体5と、表生地7の裏面に蛇行状に配設された発熱体8とは、緩衝材24を挟んでそれぞれの配設パターンが交差するように上下に対向して一定間隔を保持してもよい。緩衝材24には温度感知体5と発熱体8のそれぞれの配設パターンが交差するように網目状のパターンからなる空洞部24aが形成され、この緩衝材24の空洞部24aの下部に温度感知体5を、空洞部24aの上部に発熱体8を収容して一定間隔を保持している。
このように、図4や図9に示す空洞部6a、24aを設けた緩衝材6、24を用いることにより、人の荷重がカーペット本体部1にかかった場合、緩衝材6、24が圧縮されて発熱体8が温度感知体5に接触するので、より感度よく温度感知体5で発熱体8の温度変化および人の有無を検出できる。また、空洞部6a、24aは空気層を形成し、発熱体8と温度感知体5の間の断熱効果が上がるので、発熱体8と温度感知体5の接触時と非接触時での温度感知体5の検出温度の差が大きくなり、より感度よく人の有無を検出できる。
次に、図11乃至図15を用いて、本発明による面状電気暖房器の動作および人検出について説明する。図11に示すように、制御回路には、温度調節部25と、第一検出部31と、第二検出部36と、制御部45とが設けられている。温度調節部25は、温度検出部26と、温度設定部27と、通電制御部28と、A/D変換部29、30と、温度記憶部42と、温度比較部43とを備えている。第一検出部31は、通電時刻メモリ部32と、通電時間差演算部33と、通電時間検出部34と、判定部35とを備えている。第二検出部36は、発振回路部37と、立ち上がり時刻メモリ部38と、判定時間差演算部39と、判定時間検出部40と、判定部41とを備えている。
温度調節部25では、温度感知体5は温度に応じて誘電体19のインピーダンスが変化し、温度検出部26は、この誘電体19のインピーダンスの変化による漏れ電流の変化に基づいて発熱体8の温度を検出する。温度検出部26よりのアナログデータはA/D変換部29でディジタルデータに変換され、制御部45を介して温度記憶部42に記憶された後、温度比較部43に入力される。
温度設定部27は、使用者がカーペット本体部1の温度を自分の好みに応じて設定することにより、発熱体8への通電を停止するための設定上限温度Tuのデータと、発熱体8への通電を開始するための設定下限温度Tdのデータとを出力する。例えば、温度設定部27では、使用者の設定により、設定上限温度Tuを80℃、設定下限温度Tdを60℃として決定し、それぞれのデータを出力する。温度設定部27よりのアナログデータはA/D変換部30でディジタルデータに変換され、制御部45を介して温度記憶部42に記憶された後、温度比較部43に入力される。
第一検出部31では、温度検出部26による発熱体の温度検出に基づいて、発熱体8への通電時間を算出して、この通電時間の変化を検出することにより、カーペット本体部1の表面上の人の有無を検出する。第二検出部36では、発熱体8と温度感知体5の間の静電容量に基づいて、発振回路部37からの発振出力の変化を検出することにより、カーペット本体部1の表面上の人の有無を検出する。制御部45は、温度調節部25と、第一検出部31と、第二検出部36と、図12に示す発熱体8への通電用のリレーRY1と、発振回路部37への電源供給用のリレーRY2とを制御する機能を備えている。
図13(A)はこの制御部45の処理を説明するフローチャートである。制御部45はマルチタスクで動作する3つのタスクプログラムである「メインタスク」と「温度調節タスク」と「人検出(1)タスク」とを実行する。これらのプログラムは独立したプログラムとして、マルチタスク制御プログラムの監視下で、同時に動作することができる。
電気カーペットのコントローラ部2の電源スイッチが入って電源ONすると、制御部45は、マルチタスク制御プログラムにより、「メインタスク」を起動する。「メインタスク」では、「温度調節タスク」を起動し(ST1)、次に「人検出(1)タスク」を起動する(ST2)。そして、次に人不在フラグがONか確認する(ST3)。後述する「人検出(1)タスク」が人の不在を判定すると、人不在フラグをONにする。「メインタスク」では、この人不在フラグで人の不在を確認する。人不在フラグがONでなければ(ST3:NO)、ST3へ戻り、人不在フラグがONであれば(ST3:YES)、リレーRY1をOFFする(ST4)。そして、「人検知(2)」のサブルーチンを実行した後(ST5)、ST1へ戻るようになっている。
次に、図13(A)に示すST1の「温度調節タスク」の詳細を、図13(B)と、図11および図12を併用して説明する。制御部45は、「温度調節タスク」を起動すると、発熱体8への通電を行う温度調節部25を動作させる。図13(B)に示すように、まず、後述する「人検出(1)タスク」による人不在フラグがONか確認し(ST6)、人不在フラグがONであれば(ST6:YES)、温度調節タスクを停止し、温度調節部25を動作させない。反対に、人不在フラグがONでなければ(ST6:NO)、温度調節部25では、通電制御部28が、図12に示す発熱体8への通電用のリレーRY1を閉とするとともに、発振回路部37への電源供給用のリレーRY2を開として発熱体8へ通電を開始する(ST7)。そして、温度比較部43は、温度検出部26よりのディジタルデータを、温度設定部27よりの設定上限温度Tuおよび設定下限温度Tdのディジタルデータと比較し、発熱体8の温度が設定下限温度Tdより高いか低いかを判断する(ST8)。発熱体8の温度が設定下限温度Tdより高い場合(ST8:YES)、設定上限温度Tuより高いか低いかを判断する(ST9)。設定上限温度Tuより高い場合(ST9:YES)、通電制御部28は、図12に示す通電用のリレーRY1を開として発熱体8への通電を停止し非通電とする(ST10)。
一方、温度比較部43の判断として、発熱体8の温度が設定下限温度Tdより低い場合(ST8:NO)、通電制御部28は発熱体8への通電を継続し、設定上限温度Tuより低い場合も(ST9:NO)、通電制御部28により発熱体8への通電を継続し、ST8とST9のステップを実行する。次に、ST10のステップにより発熱体8に非通電とした後、温度比較部43は、発熱体8の温度が設定下限温度Tdより低いか高いかを判断する(ST11)。発熱体8の温度が設定下限温度Tdより低くなった場合(ST11:YES)、ST6のステップに戻り、人不在フラグがONでなければ、通電制御部28は通電用のリレーRY1を閉として発熱体8へ通電を再開し、ST7のステップ以降を実行する。そして、温度比較部43は、発熱体8の温度が設定下限温度Tdより高い場合(ST11:NO)、通電制御部28は発熱体8への非通電を継続し、ST11のステップに戻る。
このように、ST6乃至ST11のステップの実行により、温度調節部25の通電制御部28では、図15(A)に示すように、発熱体8の温度Tが、最初の立ち上がりでは設定下限温度Tdの範囲に至るまで、発熱体8へ通電を継続し、その後、設定上限温度Tuから設定下限温度Tdの範囲となるように、発熱体8への通電と非通電を繰返すべく、図12に示す通電用のリレーRY1を制御する。発熱体8への通電によって発生する熱は、カーペット本体部1内に蓄熱され、発熱体8への通電と非通電の繰返しによって徐々に蓄熱量が増加するため、発熱体8の温度Tの立ち上がりが徐々に急峻となり、通電時間が徐々に短くなる。反対に発熱体8の温度Tの立下りが徐々に緩やかとなり、非通電時間が徐々に長くなる。このように、発熱体8によって発生する熱の蓄熱量が安定した状態となると、通電時間と非通電時間の比率が略一定になり、この安定した状態はカーペット本体部1の表面上に人が存在しない間、維持される。
図15(A)に示すように、発熱体8への通電時間と非通電時間の比率が略一定になっている通電と非通電の繰返し期間では、次式の関係が成立している。この繰返し期間が発熱体8によって発生する熱の蓄熱量が安定した状態を示している。
すなわち、式(1)によれば、通電時間(tH8−tL8)と非通電時間(tL9−tH8)の比率、通電時間(tH9−tL9)と非通電時間(tL10−tH9)の比率、通電時間(tH10−tL10)と非通電時間(tL11−tH10)の比率、通電時間(tH11−tL11)と非通電時間(tL12−tH11)の比率がそれぞれ略等しくなっている。なお、例えば、発熱体8への温度調節のサイクル(通電時間と非通電時間)は数分程度であり、後述する「人検出(1)タスク」での人検出の必要時間が数m秒程度であり、温度調節と人検出とをマルチタスクで動作するときに、人検出での演算を終える前に発熱体8への通電用のリレーRY1が切換わることがない。
しかしながら、図8に示すように、カーペット本体部1の表面上に人が存在する場合、人がカーペット本体部1の表面上で動くたびに、カーペット本体部1の蓄熱量が変動するため、上述の安定した状態が崩れ、通電時間と非通電時間の比率が変動する。本発明では、暖房運転時には、この人の存在する場合の変動と人が存在しない場合の安定の状態から、人の存在しないことを検出するとともに(「人検出(1)タスク」の起動)、人が存在しないという検出結果から、発熱体8への通電を停止して非通電とし、暖房運転停止の状態にする(「温度調節タスク」の停止)。また、暖房運転停止時には、人が存在しない場合から人が存在することを検出するとともに(「人検出(2)」のサブルーチンの実行)、発熱体8への通電を再開して、暖房運転の状態にする(「温度調節タスク」の起動)。
次に、図13(A)に示すST2の「人検出(1)タスク」の詳細を、図14(A)と、図11および図15(A)を併用して説明する。制御部45は、「人検出(1)タスク」を起動すると、第一検出部31を選択して制御する。図11に示す第一検出部31では、通電時刻メモリ部32は、温度比較部43による設定上限温度Tuおよび設定下限温度Tdと、発熱体8の温度との比較結果により、制御部45から通電制御部28に出力される通電と非通電の制御信号を監視する。そして、通電時刻メモリ部32は、この監視による制御信号に基づき設定下限温度Tdより高くなった時刻tLnを検出して記憶するとともに(ST12)、設定上限温度Tuより低くなった時刻tHnを検出して記憶する(ST13)。
通電時間検出部34では、通電時刻メモリ部32により記憶された設定上限温度Tuより低くなった時刻tHnと設定下限温度Tdより高くなった時刻tLnとを読み出し、次式により通電時間Δtnを算出する(ST14)。
通電時間差演算部33は、通電時間検出部34により算出された前々回の通電時間Δtn−2と、通電時間検出部34により算出された通電時間Δtnとの差の絶対値を算出する(ST15)。
そして、判定部35は、制御部45を介して入力され、通電時間差演算部33により算出された通電時間の差の絶対値と、予め記憶された判定係数Zとを比較し、次式の条件が連続して4回繰返すか否かによって人の有無を判定する(ST16)。
したがって、判定部35では、通電時間の差の絶対値が判定係数Zより小さくなる比較結果が連続して4回繰返す場合(ST16:YES)、カーペット本体部1の表面上に人が存在しないと判定し、人不在フラグをONにする(ST17)。そして、制御部45は、判定部35からの不在フラグONのデータに基づいて、「人検出(1)タスク」の起動を停止させ、ST4のステップに移行する。一方、通電時間の差の絶対値が判定係数Zより小さくなる比較結果が連続して4回繰返さない場合(ST16:NO)、カーペット本体部1の表面上に人が存在すると判定してST12のステップ以降を実行する。
このように、第一検出部31による人検出である「人検出(1)タスク」のフローチャートによれば、図15(A)に示すように、例えば、通電時間検出部34によって、通電時刻メモリ部32により記憶された設定上限温度Tuより低くなった時刻tH1と設定下限温度Tdより高くなった時刻tL1とを式(2)に代入して、通電時間Δt1を算出し、以降同様に、通電時間Δt2、Δt3、・・・を算出する。本発明の実施形態では、これらの通電時間Δt1、Δt2、Δt3、・・・から、通電時間差演算部33によって、前々回の通電時間との差の絶対値を算出し、さらに、判定部35によって、これらの通電時間の差の絶対値を式(3)に代入して、判定係数Zより小さくなる条件が、連続して4回繰返した場合、人が存在しないと判定する。図15(A)においては、通電時間Δt8〜Δt11の時点に対応するそれぞれの通電時間の差の絶対値について条件が成立した状態を示している。
この状態は、カーペット本体部1の表面上に人が存在しなくなり、温度感知体5に発熱体8が近接あるいは接触している状態から、発熱体8が温度感知体5から緩衝材6の復元により離れた状態に変化するため、温度感知体5の誘電体19であるプラスチックサーミスタ自体の温度が下がり、インピーダンスが大きくなり、第1検知線18と第2検知線20との間に流れる漏れ電流の減少がはっきりとあらわれる状態である。これにより、通電時間と非通電時間の比率が略一定となる安定した状態へと速やかに移行し、人検出の感度を良くできる。
ここで、制御部45が、判定部35からの不在フラグONの情報に基づいて、「人検出(1)タスク」の起動を停止させ、図13(A)に示すように、ST4のステップに移行すると、発熱体8への通電用のリレーRY1をOFFして発熱体8への通電を停止させる。同時に、上述の「人検出(2)」のサブルーチンの実行に移行し、発熱体8と温度感知体5との間の静電容量の変化によって、カーペット本体部1上での人の有無を検出する。
次に、図13(A)に示すST5の「人検出(2)」のサブルーチンの詳細を、図14(B)と、図11、図12および図15(B)を併用して説明する。制御部45は、「人検出(2)」のサブルーチンを実行すると、第二検出部36を選択して制御する。制御部45は、第二検出部36の発振回路部37への電源供給用のリレーRY2をONにし(ST18)、発振回路部37に電源電圧Vcc(例えば、5V)が投入される。この第二検出部36では、発振回路部37として、タイマーICなどによく用いられるコンデンサの充放電を利用したものであり、発振回路部37から、発熱体8と温度感知体5との間の静電容量に応じた発振周波数の信号を出力端子OUTから制御部45に出力する。
発振回路部37は、図12および図15(B)に示すように、発振素子37aと、抵抗R1と、抵抗R2とを備え、抵抗R2と、グランドとの間に発熱体8と温度感知体5とからなるコンデンサCが接続され、コンデンサCの静電容量に基づいて発振素子37aから発振出力するようになっている。まず、発振回路部37の動作を説明し、その後、第二検出部36の発振回路部37以外の各部を説明する。発振回路部37では、電源電圧Vccの投入後、発熱体8と温度感知体5とからなるコンデンサCに抵抗R1および抵抗R2を通じて電流が流れ、X点の電圧が所定の電圧に上昇するまで、コンデンサCに電荷が溜まる。その間、発振素子37aの出力端子OUTからの発振出力はHレベルとなっている。そして、X点の電圧が所定の電圧に達すると、コンデンサCに溜まった電荷が放電される。その間、発振素子37aの出力端子OUTからの発振出力がLレベルとなっている。
さらに、放電が停止すると、再び、コンデンサCに抵抗R1および抵抗R2を通じて電流が流れ、コンデンサCに電荷が溜まり、発振素子37aの出力端子OUTからの発振出力はHレベルとなる。以降、この動作を繰返し、発振素子37aの出力端子OUTからの発振出力はHレベルとLレベルを繰返す矩形波となる。上述の説明による発振回路部37の発振回路の形式はこれに限らず、コンデンサCの静電容量に応じた矩形波を発生させる回路であればよい。
カーペット本体部1の表面に人が存在する場合、発熱体8は温度感知体5に近接または接触した状態でそれぞれの間隔が小さいため、発熱体8と温度感知体5とからなるコンデンサCの静電容量は大きくなる。また、カーペット本体部1の表面に人が存在しない場合、発熱体8は温度感知体5に近接または接触しない状態でそれぞれの間隔が大きいため、発熱体8と温度感知体5とからなるコンデンサCの静電容量は小さくなる。
そして、コンデンサCの静電容量が大きい場合、コンデンサCへの充電(電荷が溜まる)と放電の時間が長くなるので、発振素子37aの出力端子OUTからの発振出力として、HレベルとLレベルの出力時間が長くなる(発振周波数が低くなる)。また、コンデンサCの静電容量が小さい場合、コンデンサCへの充電(電荷が溜まる)と放電の時間が短くなるので、発振素子37aの出力端子OUTからの発振出力として、HレベルとLレベルの出力時間が短くなる(発振周波数が高くなる)。なお、図12に示す温度感知体5の第一検知線18と第二検知線20との間にも静電容量が現れるが、発熱体8と温度感知体5との間の静電容量と比べ、無視できる大きさである。
以上説明してきたように、発振回路部37が動作することになるので、第二検出部36の立ち上がり時刻メモリ部38では、制御部45に出力される発振素子37aの出力端子OUTからの発振出力を監視する。そして、立ち上がり時刻メモリ部38は、発振出力の立ち上がりの時刻tum−1を検出して記憶するとともに(ST19)、次の発振出力の立ち上がりの時刻tumを検出して記憶する(ST20)。
判定時間検出部40では、立ち上がり時刻メモリ部38により記憶された発振出力の立ち上がりの時刻tumと立ち上がりの時刻tum−1とを読み出し、次式により判定時間Δtmを算出する(ST21)。
判定時間差演算部39は、判定時間検出部40により算出された前回の判定時間Δtm−1と、判定時間検出部40により算出された判定時間Δtmとの差を算出する(ST22)。
そして、判定部41は、制御部45を介して入力され、判定時間差演算部39により算出された判定時間の差と、予め記憶された判定係数Fとを比較し、次式の条件が成立するか否かによって人の有無を判定する(ST23)。
したがって、判定部41では、判定時間の差が判定係数Fより大きくなる比較結果が得られる場合(ST23:YES)、カーペット本体部1の表面上に人が存在すると判定し、制御部45に人有の判定信号を出力する。同時に、制御部45は、この判定部41から判定信号に基づいて、発振回路部37への電源供給用のリレーRY2をOFFする(ST24)。これにより、制御部45では、ST1の「温度調節タスク」の起動に移行するとともに、ST2の「人検出(1)タスク」の起動に移行することになる。一方、判定部41では、判定時間の差が判定係数Fより小さくなる比較結果が得られる場合(ST23:NO)、カーペット本体部1の表面上に人が存在しないと判定し、ST19のステップ以降を実行する。
このように、第二検出部36による人検出である「人検出(2)」のサブルーチンのフローチャートによれば、図15(B)に示すように、例えば、判定時間検出部40によって、立ち上がり時刻メモリ部38により記憶された発振出力の立ち上がりの時刻tu21と立ち上がりの時刻tu20とを式(4)に代入して、判定時間Δt21を算出し、以降同様に、判定時間Δt22、Δt23、・・・を算出する。これらの判定時間Δt21、Δt22、Δt23、・・・から、判定時間差演算部39によって、前回の判定時間との差を算出し、さらに、判定部41によって、これらの判定時間の差を式(5)に代入して、判定係数Fより大きくなる条件が成立した場合、人が存在すると判定する。図15(B)においては、判定時間の差(Δt24−Δt23)の値について条件が成立した状態を示している。
この状態は、カーペット本体部1の表面上に人が存在しており、温度感知体5が緩衝材6を挟んで発熱体8と離れた状態から、温度感知体5に発熱体8が近接あるいは接触している状態に変化するため、発熱体8と温度感知体5の間の静電容量が大きくなり、発振素子37aの発振出力のHレベルとLレベルの出力時間が長くなった状態である。これにより、発振素子37aの発振出力のHレベルとLレベルの出力時間によって、判定時間の差としてはっきりとあらわれ、人検出が可能となっている。
なお、これまで説明してきた実施形態においては、カーペット本体部1は発熱体8および温度感知体5を一面に配設したが、本発明はこれに限らず、カーペット本体部1を複数の暖房領域に区画し、暖房領域毎に発熱体および温度感知体を配設してもよい。この場合、暖房領域毎に温度調節部25、第一検出部31、第二検出部36を複数のブロックとして設けることにより、暖房領域毎に人の検出を行うことができる。
また、これまで説明してきた実施形態においては、カーペット本体部1は裏生地4上に蛇行状に配設された温度感知体5と、その温度感知体5の上面に緩衝材6を挟み、緩衝材6の上面に表生地7の裏面に蛇行状に配設された発熱体8と接着固定する構造にしたが、本発明はこれに限らず、カーペット本体部1は裏生地4上に蛇行状に配設された発熱体8と、その発熱体8の上面に緩衝材6を挟み、緩衝材6の上面に表生地7の裏面に蛇行状に配設された温度感知体5と接着固定する構造にしてもよい。
そして、これまで説明してきた実施形態においては、第一検出部31による人検出である「人検出(1)タスク」のフローチャートのST15のステップにおいて、通電時間検出部34により算出された前々回の通電時間Δtn−2と、通電時間検出部34により算出された通電時間Δtnとの差の絶対値を算出するようにしたが、本発明はこれに限らず、例えば、前回の通電時間Δtn−1と、通電時間Δtnとの差の絶対値を算出するようにしてもよく、人検出が可能な範囲で適宜設定可能である。
更に、第一検出部31による人検出である「人検出(1)タスク」のフローチャートのST16のステップにおいて、前々回の通電時間との差(Δtn−2−Δtn)の絶対値が判定係数Zより小さい条件が連続して4回繰り返す場合に、人が存在しないと判定するようにしたが、本発明はこれに限らず、人検出が可能な範囲で式(3)の条件を連続して繰返す回数を適宜設定可能である。なお、電気カーペットを例に説明したが、それ以外の電気敷き毛布、電熱マット、床暖房パネルなどの面状電気暖房器にも適用できる。
以上説明してきた実施形態による本発明の面状電気暖房器によれば、緩衝材6と、この緩衝材6の表側に配設された発熱体8と、この緩衝材6の裏側に配設された温度感知体5とを有するカーペット本体部1と、温度感知体5による温度検出に基づいて発熱体8の通電を制御する制御部45を有するコントローラ部2とを備えたものにおいて、コントローラ部2に、温度感知体5の第1検知線18と第2検知線20の間に流れる漏れ電流の変化によって温度を検出し、この温度検出に基づいてカーペット本体部1上の人の有無を検出する第一検出部31と、発熱体8と温度感知体5の間の静電容量の変化によってカーペット本体部1上の人の有無を検出する第二検出部36を設けて、暖房運転時は第一検出部31で人の有無を検出し、暖房運転停止時は第二検出部36で人の有無を検出するようにした。これにより、本発明の面状電気暖房器による効果は、電極薄材のような人検知用の部品を不用にしつつ、カーペット本体部1が暖まっている/いないにかかわらず、人の存在を検出できるものとなる。
更に、以上説明してきた実施形態による本発明の面状電気暖房器によれば、コントローラ部2に、設定温度に基づいて発熱体8への通電を行う温度調節部25を設け、制御部45は、温度調節部25を制御するとともに、第一検出部31を選択して制御し、第一検出部31で人無が検出された場合、制御部45は、発熱体8への通電を停止させるとともに、第二検出部36を選択して制御し、第二検出部36で人有が検出された場合、制御部45は、温度調節部25を制御するとともに、第一検出部31を選択して制御するようにした。これにより、電極薄材のような人検知用の部品がなくても、暖房運転時には、温度調節部25の動作の下で、温度感知体5に流れる漏れ電流の変化によって人の有無を検出でき、暖房運転停止時には、同一の温度感知体5と発熱体8の間の静電容量の変化によって人の有無を検出できるものとなる。