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JP2009270081A - 真空紫外線励起蛍光体及びそれを用いた真空紫外線励起発光装置 - Google Patents

真空紫外線励起蛍光体及びそれを用いた真空紫外線励起発光装置 Download PDF

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JP2009270081A JP2008225823A JP2008225823A JP2009270081A JP 2009270081 A JP2009270081 A JP 2009270081A JP 2008225823 A JP2008225823 A JP 2008225823A JP 2008225823 A JP2008225823 A JP 2008225823A JP 2009270081 A JP2009270081 A JP 2009270081A
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Hideo Narukawa
英男 成川
Tomokazu Yoshida
智一 吉田
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Abstract

【課題】本発明の目的は、発光輝度、ペーストベーキング輝度維持率及びガス放電による輝度維持率が良好な真空紫外線励起蛍光体及びそれを用いた真空紫外線励起発光装置を提供することである。
【解決手段】Eu、Mnのうちの少なくとも一種の付活剤により付活されたアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の粒子表面に、Eu、La、Y、Sc、Tb及びInからなる群より選ばれた少なくとも1種以上の金属元素のリン酸塩を含む表面処理物質が被覆された真空紫外線励起蛍光体であって、前記リン酸塩は金属元素1モルに対してP元素を2モル以上含有していることを特徴とする真空紫外線励起蛍光体は、発光輝度、ペーストベーキング輝度維持率及びガス放電による輝度維持率が良好であり、この蛍光体を用いることによって、発光特性や寿命特性の優れた真空紫外線励起発光装置を提供することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、真空紫外線励起蛍光体及びそれを用いた真空紫外線励起発光装置に係り、特に、発光輝度、ペーストベーキング輝度維持率及びガス放電による輝度維持率が良好な真空紫外線励起蛍光体及びそれを用いた真空紫外線励起発光装置に関する。
アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体などの真空紫外線励起蛍光体は、プラズマディスプレイ(以下PDPとする)表示装置などの発光デバイス(真空紫外線励起発光装置)に用いられている。PDPは、図1及び図2に示すように、2枚のガラス板に挟まれた密閉ガス空間を隔壁で区切り、表示セル(放電セル)と呼ばれる微小な放電空間をマトリックス状に配置したものであり、各表示セルには赤、青、緑に発光する蛍光体が塗布されており、放電で発生する真空紫外線で励起され発光する。
PDPは、各種の平面ディスプレイと比較して、最も大型化しやすいことや、高速応答、広い視野角、色再現性などの特長から、ハイビジョン用壁掛けテレビの最有力候補として広く開発が進められている。このPDPに使用される蛍光体には、希ガスの放電で得られる波長が200nm以下の真空紫外線(VUV)の励起に対して高効率、短残光であることや、3原色として十分な彩度と色相を有していることに加えて、寿命特性や温度特性などの特性が要求される。特に、BaMgAl1017:Eu、BaMgAl1017:Eu,Mn等のアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体は、真空紫外線及びイオン衝撃に対して劣化が大きく、寿命特性に問題があった。
また、PDPは放電空間の近傍に蛍光体層を有しており、蛍光体と有機バインダーを混合した塗布組成物を調製し、所定の部位にスラリー法、印刷法等により塗布し乾燥した後、有機バインダーを揮散させるために空気中、400℃〜600℃の温度でベーキングすることにより形成されるが、上記アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体は、このベーキング工程において発光輝度の低下が大きいという問題があった。
このようなPDPなどの発光デバイスに用いられるアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体について、特開2002−235074号公報等にリン酸塩を被覆することが開示されているが、発光輝度、ペーストベーキング輝度維持率及びガス放電による輝度維持率が十分でなく改良が必要であった。
特開2002−235074号公報
上述した問題に加えて、PDPにおいて蛍光体層を形成する際に、蛍光体と有機バインダーを混合した塗布組成物の粘度が高いと塗布特性が悪く、微細な放電セル構造に対応した薄く緻密な蛍光面の形成が難しいという問題があった。さらに、PDPに用いられる赤、青、緑の各発光色の蛍光体は、放電開始電圧がそれぞれ異なるため、各蛍光体の放電開始電圧を調整して、RGBセルの放電特性の均一化により静特性マージンを拡大し誤放電を低減する必要があった。
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものである。本発明の目的は、発光輝度、ペーストベーキング輝度維持率及びガス放電による輝度維持率が良好な真空紫外線励起蛍光体及びそれを用いた真空紫外線励起発光装置を提供することであり、さらには、塗布特性が良く、放電開始電圧の調整が可能な真空紫外線励起蛍光体及びそれを用いた真空紫外線励起発光装置を提供することである。
本発明者は上述した問題を解決するために鋭意検討した結果、特定のリン酸塩を含む表面処理物質で被覆した真空紫外線励起蛍光体により、上記課題を解決することができることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
(1)本発明の真空紫外線励起蛍光体は、Eu、Mnのうちの少なくとも一種の付活剤により付活されたアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の粒子表面に、Eu、La、Y、Sc、Tb及びInからなる群より選ばれた少なくとも1種以上の金属元素のリン酸塩を含む表面処理物質が被覆された真空紫外線励起蛍光体であって、前記リン酸塩は金属元素1モルに対してP元素を2モル以上含有していることを特徴とする。
(2)本発明の真空紫外線励起蛍光体は、(1)に記載の真空紫外線励起蛍光体であって、前記リン酸塩は、メタリン酸塩であることを特徴とする。
(3)本発明の真空紫外線励起蛍光体は、(1)又は(2)に記載の真空紫外線励起蛍光体であって、前記表面処理物質の被覆量は、蛍光体に対しP元素の量に換算して0.25〜2.3mol%の範囲であることを特徴とする。
(4)本発明の真空紫外線励起発光装置は、(1)乃至(3)に記載の真空紫外線励起蛍光体を具備することを特徴とする。
(5)本発明のプラズマディスプレイ表示装置は、所定距離離間して略平行に位置する前面基板及び背面基板と、前記前面基板及び背面基板により放電空間を形成する複数個の隔壁と、該隔壁間に形成されるアドレス電極と、該アドレス電極と対向し交差する複数の表示電極と、前記アドレス電極と前記表示電極の交差点に形成される複数個の放電セルと、該放電セル内面の少なくとも一部に形成される蛍光体層と、前記前面基板と背面基板間の放電空間に密封されてなる放電気体とを含むプラズマディスプレイパネルと、該プラズマディスプレイパネルを駆動する駆動回路とを備えたプラズマディスプレイ表示装置であって、前記蛍光体層は(1)乃至(3)に記載の真空紫外線励起蛍光体を有する蛍光体層であることを特徴とする。
本発明の蛍光体は、発光輝度、ペーストベーキング輝度維持率及びガス放電による輝度維持率が良好であり、なおかつ、塗布特性が良く、放電開始電圧の調整が可能な真空紫外線励起蛍光体であって、本発明の蛍光体を用いることによって、発光特性、寿命特性及び塗布特性の優れた真空紫外線励起発光装置を提供することができる。
以下、本発明に係る真空紫外線励起蛍光体及びそれを用いた真空紫外線励起発光装置について実施の形態及び実施例を用いて説明する。但し本発明はこれら実施の形態及び実施例に限定されるものではない。
ここで、本発明の一実施の形態に係る真空紫外線励起蛍光体の製造方法について詳細に説明する。先ず、通常の方法に従いアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体を作製する。次に、この蛍光体を純水、エタノール水溶液等の分散媒に分散し、Eu、La、Y、Sc、Tb及びInからなる群より選ばれた少なくとも1種以上の金属元素の水溶性化合物と、1モル中にリン元素を3モル以上含有するリン酸またはリン酸塩の水溶液を添加し攪拌する。この蛍光体懸濁液に酸または塩基の水溶液を加えてpH調整し、前記金属のリン酸塩を含む表面処理物質を蛍光体表面に析出させる。その後、処理済の蛍光体と分散媒を分離し、乾燥して、金属元素1モルに対してP元素を2モル以上含有するリン酸塩を含む表面処理物質で被覆された本発明の蛍光体を得る。
表面処理する蛍光体は真空紫外線励起で発光するアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体が使用できる。例えば、一般式(Ba,M)Al1017:Eu(但しMはSr,Ca,及びMgからなる群より選ばれた少なくとも一種以上の元素)で表される2価のユーロピウム付活アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体、一般式(Ba,M)Al1017:Eu,Mn(但しMはSr,Ca,及びMgからなる群より選ばれた少なくとも一種以上の元素)で表される2価のユーロピウム及び2価のマンガン共付活アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体等が挙げられる。
Eu、La、Y、Sc、Tb及びInからなる群より選ばれた少なくとも1種以上の金属元素の水溶性化合物として、これらの金属のハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩等が使用できる。例えば、塩化ユーロピウム、硫酸ユーロピウム、硝酸ユーロピウム等が好ましく使用できる。1モル中にリン元素を3モル以上含有するリン酸またはリン酸塩として、トリメタリン酸(H)、テトラメタリン酸(H12)、ヘキサメタリン酸(H18)等のメタリン酸またはその塩、三リン酸(H10)、四リン酸(H13)等のポリリン酸またはその塩、ウルトラリン酸またはその塩などが使用できる。特に、メタリン酸またはその塩が好ましく、強固な被覆層が形成されると考えられる。ここで、メタリン酸は、一般に(HPO(但しx≧3)で表され、1モル中にリン元素を3モル以上含有する三量体以上(重合度3以上)のリン酸である。また、メタリン酸塩は、一般に(MPO(但しx≧3)で表され、1モル中にリン元素を3モル以上含有する三量体以上(重合度3以上)のリン酸塩である。なお、入手のし易さやコスト面で、ヘキサメタリン酸とその塩を用いるのが有利である。酸の水溶液として、塩酸、硝酸、硫酸等の水溶液が使用できる。また、塩基の水溶液として、アンモニア、アルカリ金属水酸化物等の水溶液が使用できる。
蛍光体表面を被覆する表面処理物質は、Eu、La、Y、Sc、Tb及びInからなる群より選ばれた少なくとも1種以上の金属元素のリン酸塩を含む表面処理物質であって、前記リン酸塩が金属元素1モルに対してP元素を2モル以上含有するリン酸塩であれば本発明の効果はあり、表面処理物質中にさらに前記金属元素の炭酸塩、水酸化物、ハロゲン化物等のリン酸塩以外の化合物が同時に存在していてもよい。表面処理物質の被覆量は、蛍光体に対しP元素の量に換算して0.25〜2.3mol%の範囲が好ましく、0.5〜2.1mol%の範囲がより好ましく、0.6〜1.5mol%の範囲がさらに好ましい。被覆量が0.25mol%より少なくても2.3mol%より多くても、発光輝度及びペーストベーキング輝度維持率が低下する。
pH調整は酸性側のpH1〜7の範囲に調整するのが好ましく、pH1〜4.5の範囲がより好ましく、pH1.5〜3.0の範囲がさらに好ましい。pHが1より低いと表面処理物質の被覆量が減少し、pHが7より高いと水酸化物の析出により表面処理効果が減少する。
このようにして、アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の粒子表面に、Eu、La、Y、Sc、Tb及びInからなる群より選ばれた少なくとも1種以上の金属元素を含有し、さらに金属元素1モルに対してP元素を2モル以上含有するリン酸塩を含む表面処理物質を被覆することで、発光輝度、ペーストベーキング輝度維持率及びガス放電による輝度維持率が良好であり、なおかつ、塗布特性が良く、放電開始電圧の調整が可能な真空紫外線励起蛍光体を得ることができる。
本発明の蛍光体の平均粒径は1.0〜4.0μmの範囲が好ましく、1.0〜3.0μmの範囲がより好ましい。平均粒径が1.0μmより小さくても、逆に、4.0μmより大きくても、真空紫外線励起発光装置に用いた場合、発光特性が低下する。平均粒径が1.0μmより小さいと蛍光体の発光効率が低く、4.0μmより大きいと蛍光体粒子の表面積が小さくなって真空紫外線励起による発光輝度が低下することによる。真空紫外線が到達するのは粒子表面から浅く、ほとんど粒子表面で励起され発光するため、平均粒径が4.0μmより大きくなって蛍光体粒子の表面積が小さくなると発光輝度が低下してしまう。また、平均粒径が4.0μmより大きいと、塗布特性も低下する。中央粒径は1.5〜6.0μmの範囲が好ましく、1.5〜4.0μmの範囲がより好ましい。中央粒径が6.0μmより大きいと、塗布特性が悪くなる。
次に、本発明の真空紫外線励起蛍光体を用いて真空紫外線励起発光装置として面放電型PDPを作製する。先ず、背面基板にストライプ状の電極を形成し、この電極群に直交する方向にストライプ状の電極を形成し、この上に絶縁膜とMgOを形成する。さらに、対向基板上に本発明のアルミン酸塩蛍光体を形成する。この2枚の基板は約100μmのギャップを持たせて組み合わせる。このギャップ内に、放電によって真空紫外線を放射するHeとXeの混合ガスやNeとXeの混合ガスなどを670hPa程度封入して、面放電型PDPを得る。
次に、本発明の真空紫外線励起蛍光体の特性について図を用いて説明する。実施例1においてヘキサメタリン酸ナトリウムと硝酸ユーロピウムの添加量を変化させて得られる蛍光体について、蛍光体に被覆した表面処理物質の被覆量(P換算)(mol%)と蛍光体の各特性との関係を図3〜図7に示した。すなわち、真空紫外線励起蛍光体の発光輝度(%)との関係を図3に、ペーストベーキング輝度維持率(%)との関係を図4に、ガス放電による輝度維持率(%)との関係を図5に、ペースト粘度との関係を図6に、帯電量との関係を図7に、それぞれ示した。
<発光輝度と表面処理物質の被覆量との関係>
図3は、実施例1と同様な方法で表面処理物質としてユーロピウムのメタリン酸塩が被覆されたBaMgAl1017:Eu蛍光体について、発光輝度(%)と表面処理物質の被覆量(P換算)(mol%)との関係をプロットしたものである。ここで、発光輝度(%)は、ウシオ電機製146nmKrエキシマ光照射装置(H0012型)を用いて蛍光体に146nm真空紫外(VUV)線を照射し、ミノルタ製分光放射輝度計(CS−1000)を用いて測定したものであり、比較例1の蛍光体の発光輝度を100%としたときの相対値である。この図から、表面処理物質の被覆量(P換算)が0.25〜2.3mol%の範囲で発光輝度が高くなっていることがわかる。
<ペーストベーキング輝度維持率と表面処理物質の被覆量との関係>
図4は、ユーロピウムのメタリン酸塩が被覆された上記BaMgAl1017:Eu蛍光体について、ペーストベーキング輝度維持率(%)と表面処理物質の被覆量(P換算)(mol%)との関係をプロットしたものである。ここで、ペーストベーキング輝度維持率(%)は次のように測定する。1)重量比がエチルセルロース:2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール:テルピネオール=8:14:78の割合で混合し、ビヒクルを作製する。2)蛍光体とビヒクルを重量比が蛍光体:ビヒクル=1:2で混合してペーストを作製する。3)このペーストを170℃で1時間乾燥後、500℃で1時間ベーキングする。4)ベーキング前後の蛍光体について146nm真空紫外線励起時の発光輝度を測定する。そして、ベーキング後の測定値をベーキング前の測定値で除した値の百分率を求め、これをペーストベーキング輝度維持率(%)とする。この図から、ペーストベーキング輝度維持率は、表面処理物質の被覆量(P換算)が0.25〜2.3mol%の範囲で高く、0.3〜2.1mol%の範囲でより高く、0.5〜1.5mol%の範囲がさらに高くなっていることがわかる。
<ガス放電による輝度維持率と表面処理物質の被覆量との関係>
図5は、ユーロピウムのメタリン酸塩が被覆された上記BaMgAl1017:Eu蛍光体について、ガス放電による輝度維持率(%)と表面処理物質の被覆量(P換算)(mol%)との関係をプロットしたものである。ガス放電による輝度維持率(%)の測定方法を次に説明する。1)前記同様に蛍光体とビヒクルを混合したペーストを500℃で1時間ベーキングし、蛍光体測定試料を作製する。2)真空紫外線分光光度計を用いて蛍光体測定試料を147nmの波長の真空紫外線で励起し発光輝度を測定する。3)同試料をNe:Xe=95%:5%の混合ガスを圧力100Paで封入したガラス管にセットし、照射電力350W、照射時間1時間でアーク放電し、蛍光体粒子表面を強制劣化させる。4)強制劣化させた試料を147nmの波長の真空紫外線で励起し発光輝度を測定する。そして、4)で得た測定値を2)で得た測定値で除した値の百分率を求め、これをガス放電による輝度維持率(%)とする。
この図から、表面処理物質を被覆しない蛍光体のガス放電による輝度維持率は74.4%であるが、表面処理物質の被覆量が増加するに従い、ガス放電による輝度維持率は増加し、被覆量(P換算)が2.3mol%付近でガス放電による輝度維持率は飽和することがわかる。
<ペースト粘度と表面処理物質の被覆量との関係>
図6は、ユーロピウムのメタリン酸塩が被覆された上記BaMgAl1017:Eu蛍光体について、ペースト粘度(Pa・s)と表面処理物質の被覆量(P換算)(mol%)との関係をプロットしたものである。ペースト粘度(Pa・s)の測定方法を次に説明する。1)重量比がエチルセルロース:2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール:テルピネオール=8:14:78の割合で混合し、ビヒクルを作製する。2)蛍光体5gとビヒクル10gを混合してペーストを作製する。3)測定粘度計(東機産業製TVE−33H)を用いて、ローター回転数12rpm、測定温度25℃でペースト粘度を測定する。この図から、表面処理物質を被覆しない蛍光体のペースト粘度は23.1Pa・sであるが、表面処理物質の被覆量が増加するに従い、ペースト粘度は減少することがわかる。
本発明の蛍光体の分散性については、表面処理物質が被覆されても差は見られなかったが、蛍光体と有機バインダーを混合した塗布組成物の粘度については、図のように表面処理物質が被覆されると減少し、塗布特性が向上するため、PDP等の微細な放電セル構造に対応した薄く緻密な蛍光面の形成が可能となる。
<帯電量と表面処理物質の被覆量との関係>
図7は、ユーロピウムのメタリン酸塩が被覆された上記BaMgAl1017:Eu蛍光体について、帯電量(μC/g)と表面処理物質の被覆量(P換算)(mol%)との関係をプロットしたものである。東芝ケミカル製ブローオフ粉体帯電量測定装置を用いて次のように帯電量(μC/g)を測定する。蛍光体200mgを両端に網を張った円筒容器中に入れ、一端から高圧ガスを吹き込んで蛍光体を分離し、網の目開きから蛍光体をブローオフ(吹き飛ばし)して帯電量を求める。この図から、表面処理物質を被覆しない蛍光体の帯電量はプラス側であるが、表面処理物質の被覆量が増加するに従い、帯電量はマイナス側になることがわかる。蛍光体の帯電量がマイナス側になると、PDPに用いた場合に放電開始電圧が高くなるため、各発光色の蛍光体の放電開始電圧を調整する際に効果的に用いることができる。なお、蛍光体の帯電量は−0.5μC/g以下が好ましく、−1.0μC/g以下がより好ましい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は具体的実施例のみに限定されるものではないことは言うまでもない。
[実施例1]
一般式が(Ba0.9Eu0.1)MgAl1017で表される蛍光体(以下BAM蛍光体と称す)50gを純水250mlに入れ懸濁する。重合度6のヘキサメタリン酸ナトリウム(関東化学製、鹿特級)を使用し2.2wt%に調整したヘキサメタリン酸ナトリウム溶液6.82mlを添加した後、硝酸ユーロピウム・n水和物を使用し2.0wt%に調整した硝酸ユーロピウム溶液1.25mlを添加し、さらに、3.6wt%の塩酸水溶液を滴下してpH2.0に調整する。その後、十分に洗浄、脱液、乾燥、篩を行い、ユーロピウムのメタリン酸塩で被覆されたBAM蛍光体を得る。
[実施例2]
ヘキサメタリン酸ナトリウム溶液を4.55ml、硝酸ユーロピウム溶液を0.83ml添加する以外は実施例1と同様の方法で作製し、ユーロピウムのメタリン酸塩で被覆されたBAM蛍光体を得る。
[実施例3]
ヘキサメタリン酸ナトリウム溶液を2.27ml、硝酸ユーロピウム溶液を0.42ml添加する以外は実施例1と同様の方法で作製し、ユーロピウムのメタリン酸塩で被覆されたBAM蛍光体を得る。
[実施例4]
重合度3のトリポリリン酸ナトリウム(米山化学製、工業用・粒)を使用し1.9wt%に調整したトリポリリン酸ナトリウム溶液7.89mlを添加し、硝酸ユーロピウム・n水和物を使用し2.0wt%に調整した硝酸ユーロピウム溶液2.5mlを添加する以外は実施例1と同様の方法で作製し、ユーロピウムのポリリン酸塩で被覆されたBAM蛍光体を得る。
[実施例5]
硝酸ユーロピウム・n水和物の代わりに硝酸ランタン・六水和物を使用して2.0wt%に調整した硝酸ランタン溶液を2.5ml添加する以外は実施例1と同様の方法で作製し、ランタンのメタリン酸塩で被覆されたBAM蛍光体を得る。
[実施例6]
硝酸ユーロピウム・n水和物の代わりに硝酸イットリウム・n水和物(添川理化学製、純度99.99%)を使用して2.0wt%に調整した硝酸イットリウム溶液を2.5ml添加する以外は実施例1と同様の方法で作製し、イットリウムのメタリン酸塩で被覆されたBAM蛍光体を得る。
[実施例7]
硝酸ユーロピウム・n水和物の代わりに硝酸スカンジウム・n水和物を使用して7.51wt%に調整した硝酸スカンジウム溶液を0.67ml添加する以外は実施例1と同様の方法で作製し、スカンジウムのメタリン酸塩で被覆されたBAM蛍光体を得る。
[実施例8]
硝酸ユーロピウム・n水和物の代わりに硝酸テルビウム・n水和物を使用して1.0wt%に調整した硝酸テルビウム溶液を5.0ml添加する以外は実施例1と同様の方法で作製し、テルビウムのメタリン酸塩で被覆されたBAM蛍光体を得る。
[実施例9]
硝酸ユーロピウム・n水和物の代わりに硝酸インジウムを使用して32.3wt%に調整した硝酸インジウム溶液を0.2ml添加する以外は実施例1と同様の方法で作製し、インジウムのメタリン酸塩で被覆されたBAM蛍光体を得る。
[比較例1]
表面処理物質が被覆されていないBAM蛍光体を用意する。
[比較例2]
ヘキサメタリン酸ナトリウム(関東化学製、鹿特級)の代わりにオルトリン酸(関東化学製、鹿特級)を使用し5.0wt%に調整したオルトリン酸溶液3.0mlを添加する以外は実施例1と同様の方法で作製し、ユーロピウムのオルトリン酸塩で被覆されたBAM蛍光体を得る。
実施例1〜9及び比較例1〜2で得られるBAM蛍光体について、リン酸塩の金属元素の種類、被覆量及びモル比(P元素/金属元素)を表1に、前述した方法で発光輝度、ペーストベーキング輝度維持率、ガス放電による輝度維持率、ペースト粘度及び帯電量を測定した結果を表2に、それぞれ示す。表1から、実施例1〜9の蛍光体は金属元素1モルに対してP元素を2モル以上含有するリン酸塩が被覆していることがわかる。また、表2から、実施例1〜9の蛍光体は、比較例1〜2の蛍光体に比べ、発光輝度、ペーストベーキング輝度維持率及びガス放電による輝度維持率が高いことがわかる。さらに、実施例1〜9の蛍光体は、比較例1〜2の蛍光体に比べてペースト粘度が低く、塗布特性が優れていることがわかる。
Figure 2009270081
Figure 2009270081
以上に述べたように、本発明の真空紫外線励起蛍光体は、発光輝度、ペーストベーキング輝度維持率及びガス放電による輝度維持率が良好であり、なおかつ、塗布特性が良く、放電開始電圧の調整が可能な蛍光体であって、この真空紫外線励起蛍光体をPDP等の発光デバイスに用いることによって、発光特性、寿命特性及び塗布特性の優れた真空紫外線励起発光装置の提供が可能となる。
PDPの模式図である。 PDPの断面図である。 本発明の蛍光体の発光輝度(%)と表面処理物質の被覆量(P換算)(mol%)との関係を示す図である。 本発明の蛍光体のペーストベーキング輝度維持率(%)と表面処理物質の被覆量(P換算)(mol%)との関係を示す図である。 本発明の蛍光体のガス放電による輝度維持率(%)と表面処理物質の被覆量(P換算)(mol%)との関係を示す図である。 本発明の蛍光体のペースト粘度(Pa・s)と表面処理物質の被覆量(P換算)(mol%)との関係を示す図である。 本発明の蛍光体の帯電量(μC/g)と表面処理物質の被覆量(P換算)(mol%)との関係を示す図である。
符号の説明
11:前面ガラス基板
12:背面ガラス基板
13:表示電極
14:アドレス電極
15:誘電体層
16:保護層
17:誘電体層
18:隔壁
19:蛍光体層
20:放電空間

Claims (5)

  1. Eu、Mnのうちの少なくとも一種の付活剤により付活されたアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の粒子表面に、Eu、La、Y、Sc、Tb及びInからなる群より選ばれた少なくとも1種以上の金属元素のリン酸塩を含む表面処理物質が被覆された真空紫外線励起蛍光体であって、前記リン酸塩は金属元素1モルに対してP元素を2モル以上含有していることを特徴とする真空紫外線励起蛍光体。
  2. 前記リン酸塩は、メタリン酸塩であることを特徴とする請求項1に記載の真空紫外線励起蛍光体。
  3. 前記表面処理物質の被覆量は、蛍光体に対しP元素の量に換算して0.25〜2.3mol%の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の真空紫外線励起蛍光体。
  4. 請求項1乃至3に記載の真空紫外線励起蛍光体を具備することを特徴とする真空紫外線励起発光装置
  5. 所定距離離間して略平行に位置する前面基板及び背面基板と、前記前面基板及び背面基板により放電空間を形成する複数個の隔壁と、該隔壁間に形成されるアドレス電極と、該アドレス電極と対向し交差する複数の表示電極と、前記アドレス電極と前記表示電極の交差点に形成される複数個の放電セルと、該放電セル内面の少なくとも一部に形成される蛍光体層と、前記前面基板と背面基板間の放電空間に密封されてなる放電気体とを含むプラズマディスプレイパネルと、該プラズマディスプレイパネルを駆動する駆動回路とを備えたプラズマディスプレイ表示装置であって、前記蛍光体層は請求項1乃至3に記載の真空紫外線励起蛍光体を有する蛍光体層であることを特徴とするプラズマディスプレイ表示装置
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016079244A (ja) * 2014-10-14 2016-05-16 株式会社ルミネッサス 発光体及びその製造方法
JP5967787B1 (ja) * 2016-02-12 2016-08-10 エルティーアイ株式会社 蓄光顔料の製造方法

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